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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187845
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電気化学リアクタ
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/02 20210101AFI20221213BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20221213BHJP
   C25B 9/77 20210101ALI20221213BHJP
   C25B 1/02 20060101ALI20221213BHJP
   C25B 1/01 20210101ALI20221213BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20221213BHJP
   C25B 11/032 20210101ALI20221213BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20221213BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20221213BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
C25B15/02
C25B9/23 ZAB
C25B9/77
C25B1/02
C25B1/01 Z
C25B9/00 Z
C25B11/032
B01D53/94 222
F01N3/08 C
F01N3/24 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096050
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 遥平
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
3G091AB14
3G091BA14
3G091CA27
3G091HA46
4D148AA06
4D148AB02
4D148BA03Y
4D148BA17Y
4D148BA20Y
4D148BA23Y
4D148BA25Y
4D148BA26Y
4D148BA27Y
4D148BA28Y
4D148BA30Y
4D148BA31Y
4D148BA32Y
4D148BA33Y
4D148BA34Y
4D148BA35Y
4D148BA36Y
4D148BA37Y
4D148BA38Y
4D148EA02
4K011AA03
4K011AA12
4K011AA22
4K011AA30
4K011AA48
4K011BA07
4K011BA08
4K011DA11
4K021AA01
4K021AA09
4K021BC09
4K021CA13
4K021CA15
4K021DB16
4K021DB36
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC15
(57)【要約】
【課題】省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタを提供する。
【解決手段】電圧の印加に応じた電気化学反応により内燃機関から排出される排気を浄化する電気化学リアクタ100が提供される。電気化学リアクタ100は、排気に含まれる未酸化物質を酸化可能なアノード極層10を構成するアノード側多孔質金属体11と、排気に含まれる未還元物質を還元可能なカソード極層20を構成するカソード側多孔質金属体21と、アノード極層10及びカソード極層20に挟持される固体電解質層30とを有するセルユニット1が複数積層されて構成される。カソード極層20は、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧の印加に応じた電気化学反応により内燃機関から排出される排気を浄化する電気化学リアクタであって、
前記電気化学リアクタは、前記排気に含まれる未酸化物質を酸化可能なアノード極層を構成するアノード側多孔質金属体と、前記排気に含まれる未還元物質を還元可能なカソード極層を構成するカソード側多孔質金属体と、前記アノード極層及び前記カソード極層に挟持される固体電解質層とを有するセルユニットが複数積層されて構成され、
前記カソード極層は、各カソード極層に流入する前記排気の流量が均一になるように前記カソード極層を流れる前記排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有する、
電気化学リアクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の気孔率により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層とで、前記気孔率が異なる、
電気化学リアクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の気孔率により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、前記排気の流れ方向における前記カソード極層の上流側と下流側とで、前記気孔率が異なり、
前記気孔率は、前記カソード極層内における前記排気の流速が均一になるように決定される、
電気化学リアクタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の厚みにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層とで、厚みが異なる、
電気化学リアクタ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の厚みにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、前記排気の流れ方向における前記カソード極層の上流側と下流側とで、厚みが異なり、
前記厚みは、前記カソード極層内における前記排気の流速が均一になるように決定される、
電気化学リアクタ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記カソード側多孔質金属体には、溶接ビードが形成され、
前記通気抵抗制御手段は、前記溶接ビードであり、前記通気抵抗は、前記溶接ビードのビード容積により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層とで、形成される前記溶接ビードのビード容積が異なる、
電気化学リアクタ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記カソード側多孔質金属体には、溶接ビードが形成され、
前記通気抵抗制御手段は、前記溶接ビードであり、前記通気抵抗は、前記溶接ビードのビード容積により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、前記排気の流れ方向における前記カソード極層の上流側と下流側とで、形成される前記溶接ビードのビード容積が異なり、
前記ビード容積は、前記カソード極層内における前記排気の流速が均一になるように決定される
電気化学リアクタ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
各前記セルユニット間には、前記排気が前記アノード極層及び前記カソード極層間を流通するのを阻害するセパレータをさらに備え、
前記排気の流れ方向における前記アノード極層の上流側は、前記排気が下流側へ流出するのが阻害されるように、前記アノード側多孔質金属体が密に構成される、
電気化学リアクタ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記排気の流れ方向における前記電気化学リアクタの上流が、各前記セルユニットに流入する前記排気の流速が均一になるように構成されている場合、
前記通気抵抗制御手段は、積層方向中央部に近いカソード極層ほど通気抵抗が小さくなるように構成される、
電気化学リアクタ。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記排気の流れ方向における前記電気化学リアクタの上流が、各前記セルユニットに流入する前記排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニットほど大きくなるように構成されている場合、
前記通気抵抗制御手段は、積層方向中央部に近いカソード極層ほど通気抵抗が大きくなるように構成される、
電気化学リアクタ。
【請求項11】
請求項9に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の気孔率の大きさにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向中央部に近いカソード極層ほど気孔率が大きい、
電気化学リアクタ。
【請求項12】
請求項9に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の厚みにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部に近いカソード極層ほど厚い、
電気化学リアクタ。
【請求項13】
請求項9に記載の電気化学リアクタであって、
前記カソード側多孔質金属体には、溶接ビードが形成され、
前記通気抵抗制御手段は、前記溶接ビードであり、前記通気抵抗は、前記溶接ビードのビード容積により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部に近いカソード極層ほど、形成される前記溶接ビードのビード容積が大きい、
電気化学リアクタ。
【請求項14】
請求項10に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の気孔率の大きさにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向端部に近いカソード極層ほど気孔率が大きい、
電気化学リアクタ。
【請求項15】
請求項10に記載の電気化学リアクタであって、
前記通気抵抗制御手段は、前記カソード側多孔質金属体であり、前記通気抵抗は、前記カソード側多孔質金属体の厚みにより制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向中央部に近いカソード極層ほど厚い、
電気化学リアクタ。
【請求項16】
請求項10に記載の電気化学リアクタであって、
前記カソード側多孔質金属体には、溶接ビードが形成され、
前記通気抵抗制御手段は、前記溶接ビードであり、前記通気抵抗は、前記溶接ビードのビード容積により制御され、
前記カソード側多孔質金属体は、積層方向中央部に近いカソード極層ほど、形成される前記溶接ビードのビード容積が大きい、
電気化学リアクタ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記排気の流れ方向における前記電気化学リアクタの上流が、各前記セルユニットの幅方向において、前記セルユニットに流入する前記排気の流速が均一になるように構成されている場合、
前記通気抵抗制御手段は、前記セルユニットの幅方向中央部に近いほど前記カソード極層内の通気抵抗が小さくなるように構成される、
電気化学リアクタ。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか一つに記載の電気化学リアクタであって、
前記排気の流れ方向における前記電気化学リアクタの上流が、各前記セルユニットの幅方向において、幅方向中央部に近いほど前記セルユニットに流入する前記排気の流速が大きくなるように構成されている場合、
前記通気抵抗制御手段は、前記セルユニットの幅方向中央部に近いほど前記カソード極層内の通気抵抗が大きくなるように構成される、
電気化学リアクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学リアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるエンジンの排気には窒素酸化物(NOx)が含まれるため、三元触媒等で還元して車外に排出する必要がある。しかしながら、例えばリーンバーンやディーゼル燃焼のように酸素が過剰な状況では三元触媒の還元力が低下するため、他の還元手段を検討する必要がある。
【0003】
特許文献1には、電気化学反応による還元手段として、カソード極の面とアノード極の面とを備えるMEA(Membrane and Electrode Assembly:膜電極接合体)を金属多孔体を介して積層して構成した電気化学リアクタを用いる技術が開示されている。MEAにおいては、カソード極で窒素酸化物が還元されることにより酸素イオンが離脱して窒素ガスが生成される。そして、離脱した酸素イオンはMEA内部の電解質層を伝導してアノード極へと移動し、アノード極で酸化されて酸素ガスとして放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-270720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、MEAの積層体である電気化学リアクタにおいては、電気化学リアクタ内の温度分布や電気化学リアクタの上流側の排気流路の形状等の要因により、電気化学リアクタ内における排気の流れが偏ってしまうという問題がある。排気の流れが偏ると、排気の還元に偏りができてしまい、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0006】
これに対し、排気が電気化学リアクタ内に均一に流入するように、電気化学リアクタの上流にディフューザーを設けることが考えられるが、その分のスペースを設ける必要があり、車載することが難しくなる。また、複雑な形状を加工する必要があり、コストが上昇する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、電圧の印加に応じた電気化学反応により内燃機関から排出される排気を浄化する電気化学リアクタが提供される。電気化学リアクタは、排気に含まれる未酸化物質を酸化可能なアノード極層を構成するアノード側多孔質金属体と、排気に含まれる未還元物質を還元可能なカソード極層を構成するカソード側多孔質金属体と、アノード極層及びカソード極層に挟持される固体電解質層とを有するセルユニットが複数積層されて構成される。カソード極層は、各カソード極層に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層を流れる排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気化学リアクタによれば、カソード極層は、各カソード極層に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層を流れる排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有する。これにより、各カソード極層に排気を均一に流入させることができ、排気の流れの偏りを抑制することができる。また、カソード極層が排気の流量を均一にする通気抵抗制御手段を有するため、ディフューザー等を別途設ける必要がない。従って、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態による電気化学リアクタの主要構成を示す概略構成図である。
図2図2は、第1実施形態の変形例による電気化学リアクタを示す概略構成図である。
図3図3は、第2実施形態による電気化学リアクタの主要構成を示す概略構成図である。
図4図4は、第2実施形態の変形例による電気化学リアクタを示す概略構成図である。
図5図5は、第3実施形態による電気化学リアクタの主要構成を示す概略構成図である。
図6図6は、第3実施形態の変形例による電気化学リアクタを示す概略構成図である。
図7図7は、第4実施形態による電気化学リアクタの主要構成を示す概略構成図である。
図8図8は、第5実施形態による電気化学リアクタの主要構成を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による電気化学リアクタ100の主要構成を示す概略構成図である。
【0013】
図1に示すように、電気化学リアクタ100は、セルユニット1が複数積層されて構成される。セルユニット1の積層方向の最外部(両端部)には電極端子40を備える。電気化学リアクタ100は、例えば内燃機関の排気が流れる排気流路101内に設けられ、上流側(図1の左側)から電気化学リアクタ100に流入する排気に含まれる窒素酸化物(NOx)等を還元して、電気化学リアクタ100の下流側(図1の右側)に排出する。
【0014】
排気流路101は、内燃機関からの排気が流れる通路であり、ステンレス等の配管102により構成される。前述のとおり、排気流路101内には、電気化学リアクタ100が設置される。なお、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流の配管102は、積層された各セルユニット1に流入する排気の流速が均一となるように、内燃機関から電気化学リアクタ100まで、管の断面積が均一になるように構成されている。
【0015】
セルユニット1は、排気に含まれる未酸化物質を酸化可能なアノード極層10と、排気に含まれる未還元物質を還元可能なカソード極層20と、アノード極層10及びカソード極層20に挟持される固体電解質層30とを有する。セルユニット1の積層方向最外部の電極端子40を介して電気化学リアクタ100に電圧が印加されると、セルユニット1のアノード極層10、カソード極層20及び固体電解質層30において以下の反応が進行する。これにより、排気に含まれる窒素酸化物(NOx)が還元される。
【0016】
カソード極(還元反応):2NO+4e→N+2O2-
電解質層 :O2-の伝導
アノード極(酸化反応):2O2-→O+4e
【0017】
アノード極層10は、多孔質金属体(アノード側多孔質金属体)11に、アノード電極触媒を含浸して担持させることで構成される。アノード極層10においては、カソード極層20から固体電解質層30により伝導された酸素イオン(O2-)が酸化され、酸素が生成される。多孔質金属体11は、例えば、ステンレス鋼、鉄、ニッケル、銅、白金及び銀等から構成される板状の部材である。アノード電極触媒の材料は、酸素の生成に触媒作用を有するものであれば既知の如何なるものを使用してもよい。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属及びこれらの合金等から選択しうる。
【0018】
カソード極層20は、多孔質金属体(カソード側多孔質金属体)21に、カソード電極触媒を含浸して担持させることで構成される。カソード極層20においては、排気流路101を流れる排気に含まれる窒素酸化物(NOx)が窒素ガス(N)と酸素イオン(O2-)に還元される。アノード側と同様に、多孔質金属体21は、例えば、ステンレス鋼、鉄、ニッケル、銅、白金及び銀等から構成される板状の部材である。カソード電極触媒の材料は、窒素酸化物(NOx)の還元に触媒作用を有するものであれば既知の如何なるものを使用してもよい。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属及びこれらの合金等から選択しうる。
【0019】
固体電解質層30は、酸素イオン伝導性を備えた酸化物により形成された薄膜体であり、アノード極層10とカソード極層20とに挟持されている。当該酸化物としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジウム安定化ジルコニア(SSZ)、サマリウムドープトセリア(SDC)、ガドリウムドープトセリア(GDC)、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート(LSGM)等を用いることができる。カソード極層20において還元された窒素酸化物(NOx)の酸素イオン(O2-)は、固体電解質層30を伝導してアノード極層10に運ばれる。
【0020】
電極端子40は、セルユニット1の積層方向の最外部に設けられ、電気化学リアクタ100外部の電源(図示しない)に電気的に接続されている。当該電源から電極端子40を介して電気化学リアクタ100に電圧が印加されると、セルユニット1において前述の酸化、還元反応が進行する。
【0021】
また、電極端子40は、排気の流れ方向両端の表面が、例えばガスケット等の絶縁性のシール部材103を介して、排気流路101を構成するステンレス等の配管102に接触している。シール部材103を介することにより、排気流路101を構成する配管102と電極端子40との間から排気が排気流路101の外部に漏れることが防止されるとともに、電極端子40と配管102との電気的絶縁性が確保される。
【0022】
上記のように構成された電気化学リアクタ100では、電源から電圧が印加されると、電気化学リアクタ100に流入する排気に含まれる窒素酸化物(NOx)等がカソード極層20において還元され、浄化される。
【0023】
ところで、セルユニットを積層した電気化学リアクタにおいては、電気化学リアクタ内の温度分布や電気化学リアクタの上流側の排気流路の形状等の要因により、電気化学リアクタ内における排気の流れが偏ってしまうという問題がある。排気の流れが偏ると、排気の還元に偏りができてしまい、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0024】
これに対し、排気が電気化学リアクタ内に均一に流入するように、電気化学リアクタの上流にディフューザーを設けることが考えられるが、その分のスペースを設ける必要があり、車載することが難しくなる。また、複雑な形状を加工する必要があり、コストが上昇する。
【0025】
そこで本実施形態では、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有するように電気化学リアクタ100を構成した。これにより、各カソード極層に排気を均一に流入させることができ、排気の流れの偏りを抑制することができる。また、カソード極層20が排気の流量を均一にする通気抵抗制御手段を有するため、ディフューザー等を別途設ける必要がない。従って、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタ100を提供することができる。
【0026】
具体的には、本実施形態では、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用い、カソード側多孔質金属体21の気孔率により各カソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御することとした。
【0027】
以下、本実施形態の通気抵抗制御手段21を説明する。
【0028】
排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように排気流路101が構成されている本実施形態では、以下で説明するように、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるように通気抵抗制御手段21を構成した。
【0029】
前述の通り、本実施形態においては、カソード側多孔質金属体21が通気抵抗制御手段として用いられる。図1に示すように、本実施形態においては、カソード側多孔質金属体21の気孔率は積層方向中央に近いカソード極層20ほど大きい。従って、気孔率の大きい積層方向中央に近いカソード極層20は、積層方向端部に近いカソード極層20よりも通気抵抗が相対的に小さい。
【0030】
ここで、セルユニット1を積層した電気化学リアクタ100においては、通電した際にジュール熱が発生するが、セルユニット1の積層方向中央ほど熱がこもり、積層方向の端部に近いほど外に熱が放熱され易い。このため、電気化学リアクタ100には、セルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができる。
【0031】
電気化学リアクタ100に不均一な温度分布ができると、温度が高い箇所ほどガスが膨張し、流速が高くなり、圧力損失が大きくなる。また、ガスの温度が高いほど、ガスの粘度が高くなるため、ガスがより温められる高温部ほど、ガスが流れにくくなる。即ち、セルユニット1の積層方向中央の高温部ほど、通気抵抗が大きくなる。従って、本実施形態のように、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一となるように排気流路101が構成されている場合、低温の積層方向端部に排気が流れ易くなる。
【0032】
このように、電気化学リアクタ100に上記のような不均一な温度分布ができると、相対的に通気抵抗の小さい低温の積層方向端部に排気の流れが偏る。排気の流れが偏ると、排気の還元に偏りができてしまい、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0033】
これに対し本実施形態においては、カソード側多孔質金属体21の気孔率が積層方向中央に近いカソード極層20ほど大きいため、温度分布が均一の場合、セルユニット1の積層方向中央に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さい。一方、電気化学リアクタ100が起動(電圧が印加)されると、上記のような温度分布が生じてセルユニット1の積層方向中央の通気抵抗が大きくなるが、積層方向中央ほどカソード側多孔質金属体21の気孔率が大きいため、各カソード極層20の通気抵抗は略均一となる。これにより、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になる。即ち、電気化学リアクタ100に流入する排気の流れの偏りが抑制される。
【0034】
以上のとおり、電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成されている場合、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるように通気抵抗制御手段21を構成することで、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一にできる。
【0035】
なお、各カソード側多孔質金属体21の具体的な気孔率は、実験及び試験等により、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるように決定することができる。
【0036】
また、図1では、積層方向中央に近いカソード側多孔質金属体21ほど気孔数を多くすることで気孔率を大きくしているが、これに限られず、例えば一つ一つの気孔を大きくすることで気孔率を大きくしてもよい。
【0037】
上記した第1実施形態の電気化学リアクタ100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0038】
電気化学リアクタ100は、排気に含まれる未酸化物質を酸化可能なアノード極層10と、排気に含まれる未還元物質を還元可能なカソード極層20と、アノード極層10及びカソード極層20に挟持される固体電解質層30とを有するセルユニット1が複数積層されて構成される。カソード極層20は、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御可能な通気抵抗制御手段を有する。これにより、各カソード極層20に排気を均一に流入させることができ、排気の流れの偏りを抑制することができる。また、カソード極層20が排気の流量を均一にする通気抵抗制御手段を有するため、ディフューザー等を別途設ける必要がない。従って、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタ100を提供することができる。
【0039】
電気化学リアクタ100は、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21によりカソード極層20が構成される。カソード極層20を流れる排気の通気抵抗は、カソード側多孔質金属体21の気孔率により制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層20と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層20とで、気孔率が異なる。このように、積層方向における位置によってカソード側多孔質金属体21の気孔率を変えることで、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御している。従って、ディフューザー等を別途設けずに、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一にすることができる。即ち、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタ100を提供することができる。
【0040】
電気化学リアクタ100は、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成されている場合、通気抵抗制御手段21が、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるように構成される。これにより、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、各カソード極層20の通気抵抗は略均一に制御される。従って、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0041】
電気化学リアクタ100は、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗が、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21の気孔率により制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど気孔率が大きい。これにより、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるため、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、各カソード極層20の通気抵抗は略均一に制御される。従って、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0042】
なお、電気化学リアクタ100においては、セルユニット1の幅方向(図1の矢印方向に向かって電気化学リアクタ100を見た場合における左右方向)においても、通電した際に幅方向中央ほど熱がこもり易く、幅方向の端部に近いほど外に熱が放熱され易い。このため、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1の幅方向において、セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成されている場合、電気化学リアクタ100には、セルユニット1の幅方向中央が高温、幅方向両端に近いほど低温になる温度分布ができる。即ち、セルユニット1の幅方向中央ほど、通気抵抗が大きくなる。従って、好ましくは、通気抵抗制御手段21は、セルユニット1の幅方向中央部に近いほど各カソード極層20内の通気抵抗が小さくなるように構成される。即ち、好ましくは、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21は、セルユニット1の幅方向中央部に近いほど気孔率が大きい。これにより、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の幅方向中央が高温、幅方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、カソード極層20内の通気抵抗は略均一に制御される。従って、カソード極層20内において、流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0043】
(第1実施形態の変形例)
図2を参照して、第1実施形態の変形例による電気化学リアクタ100を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図2は、電気化学リアクタ100を構成するセルユニット1のうちの1つの概略構成図である。本変形例においては、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用いる点は第1実施形態と同様であるが、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側と下流側とで、カソード側多孔質金属体21の気孔率が異なる点が第1実施形態と異なる。
【0045】
図2に示すように、カソード側多孔質金属体21は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の下流側ほど気孔率が大きい。従って、カソード極層20の通気抵抗は下流側ほど小さくなる。
【0046】
カソード極層20においては、排気の流れ方向上流側ほど、窒素酸化物(NOx)の還元反応が起こり易い。窒素酸化物(NOx)の還元反応は吸熱反応であるため、カソード極層20の上流側ほど温度が低くなり、相対的に下流側ほど通気抵抗が大きくなる。このため、カソード極層20において排気の流速が不均一となり、排気の還元に偏りができてしまい、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0047】
これに対し、本変形例においては、カソード側多孔質金属体21は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の下流側ほど気孔率が大きいため、カソード極層20における排気の流れ方向の上流側と下流側の通気抵抗が均一となる。これにより、カソード極層20内における排気の流速が均一となり、排気の還元の偏りが抑制される。
【0048】
なお、カソード側多孔質金属体21の具体的な気孔率は、実験及び試験等により、カソード極層20内における排気の流速が均一となるように決定することができる。
【0049】
また、本変形例では、排気の流れ方向におけるカソード極層20の下流側ほど気孔率が大きい構成としたが、必ずしもこれに限られない。例えば、カソード電極触媒の量が下流側ほど大きい場合等、電気化学リアクタ100の構成によっては、カソード極層20の上流側の温度が相対的に高くなる場合もあり得る。このような場合には、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほどカソード側多孔質金属体21の気孔率が大きくする。即ち、カソード側多孔質金属体21内の具体的な気孔率は、実験及び試験等により、各カソード極層20内における排気の流速が均一になるように決定することができる。
【0050】
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態による電気化学リアクタ100を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
図3は、第2実施形態による電気化学リアクタ100の主要構成を示す概略構成図である。第2実施形態においては、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用いる点は第1実施形態と同様であるが、各カソード極層20の通気抵抗をカソード側多孔質金属体21の厚みにより制御する点が第1実施形態と異なる。
【0052】
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように排気流路101が構成されている。第2実施形態では、以下で説明する構成により、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるようにした。
【0053】
図3に示すように、本実施形態においては、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21が積層方向端部に近いカソード極層20ほど厚い。従って、カソード側多孔質金属体21が厚いセルユニット1の積層方向端部に近いカソード極層20ほど、積層方向中央に近いカソード極層20よりも通気抵抗が大きい。
【0054】
前述の通り、セルユニット1を積層した電気化学リアクタ100においては、通電した際にセルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができ、セルユニット1の積層方向中央ほど、通気抵抗が大きくなる。従って、排気の流れが偏り、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0055】
これに対し本実施形態においては、カソード側多孔質金属体21が積層方向端部に近いカソード極層20ほど厚いため、温度分布が均一の場合、セルユニット1の積層方向端部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きい。電気化学リアクタ100が起動(電圧が印加)されると、温度分布が生じてセルユニット1の積層方向中央の通気抵抗が大きくなるが、積層方向中央ほどカソード側多孔質金属体21が薄いため、各カソード極層20の通気抵抗は略均一となる。これにより、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になる。即ち、電気化学リアクタ100に流入する排気の流れの偏りが抑制される。
【0056】
なお、各カソード側多孔質金属体21の具体的な厚さは、実験及び試験等により、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるように決定することができる。
【0057】
上記した第2実施形態の電気化学リアクタ100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0058】
電気化学リアクタ100は、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21によりカソード極層20が構成される。カソード極層20を流れる排気の通気抵抗は、カソード側多孔質金属体21の厚みにより制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層20と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層20とで、厚みが異なる。このように、積層方向における位置によってカソード側多孔質金属体21の厚みを変えることで、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御している。従って、ディフューザー等を別途設けずに、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一にすることができる。即ち、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタ100を提供することができる。
【0059】
電気化学リアクタ100は、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗が、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21の厚みにより制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部に近いカソード極層20ほどが厚い。これにより、積層方向端部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きくなるため、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、各カソード極層20の通気抵抗は略均一に制御される。従って、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0060】
(第2実施形態の変形例)
図4を参照して、第2実施形態の変形例による電気化学リアクタ100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
図4は、電気化学リアクタ100を構成するセルユニット1のうちの1つの概略構成図である。本変形例においては、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用いる点は第2実施形態と同様であるが、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側と下流側とで、カソード側多孔質金属体21の厚みが異なる点が第2実施形態と異なる。
【0062】
図4に示すように、カソード側多孔質金属体21は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど厚い。従って、カソード極層20の通気抵抗は上流側ほど大きくなる。
【0063】
前述の通り、カソード極層20においては、窒素酸化物(NOx)の還元反応により、上流側ほど温度が低くなり、相対的に下流側ほど通気抵抗が大きくなることで、排気の流速が不均一となり、排気の還元に偏りができてしまい、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0064】
これに対し、本変形例においては、カソード側多孔質金属体21は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど厚いため、カソード極層20における排気の流れ方向の上流側と下流側の通気抵抗が均一となる。これにより、カソード極層20内における排気の流速が均一となり、排気の還元の偏りが抑制される。
【0065】
なお、カソード側多孔質金属体21の具体的な厚さは、実験及び試験等により、カソード極層20内における排気の流速が均一となるように決定することができる。
【0066】
また、本変形例では、カソード側多孔質金属体21は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど厚い構成としたが、必ずしもこれに限られない。例えば、カソード電極触媒の量が下流側ほど大きい場合等、電気化学リアクタ100の構成によっては、カソード極層20の上流側の温度が相対的に高くなる場合もあり得る。このような場合には、排気の流れ方向におけるカソード極層20の下流側ほどカソード側多孔質金属体21を厚くする。即ち、カソード側多孔質金属体21内の具体的な厚さは、実験及び試験等により、各カソード極層20内における排気の流速が均一になるように決定することができる。
【0067】
(第3実施形態)
図5を参照して、第3実施形態による電気化学リアクタ100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図5は、第3実施形態による電気化学リアクタ100の主要構成を示す概略構成図である。第3実施形態においては、カソード側多孔質金属体21に通気抵抗制御手段としての溶接ビード22が形成されている点が他の実施形態と異なる。
【0069】
第1、第2実施形態と同様に、第3実施形態においても、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成されている。第3実施形態では、以下で説明する構成により、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるようにした。
【0070】
図5に示すように、本実施形態においては、カソード側多孔質金属体21の内部に、通気抵抗制御手段としての溶接ビード22を形成させている。
【0071】
溶接ビード22は、セルユニット1の積層方向端部に近いカソード側多孔質金属体21ほどビード容積が大きくなるように形成される。これにより、積層方向端部に近いカソード側多孔質金属体21ほど緻密になり、通気抵抗が大きくなる。
【0072】
前述の通り、セルユニット1を積層した電気化学リアクタ100においては、通電した際にセルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができ、セルユニット1の積層方向中央ほど、通気抵抗が大きくなる。従って、排気の流れが偏り、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0073】
これに対し本実施形態においては、溶接ビード22のビード容積が積層方向端部に近いカソード側多孔質金属体21ほど大きいため、温度分布が均一の場合、セルユニット1の積層方向端部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きい。電気化学リアクタ100が起動(電圧が印加)されると、温度分布が生じてセルユニット1の積層方向中央の通気抵抗が大きくなるが、積層方向中央ほど溶接ビード22のビード容積が小さいため、各カソード極層20の通気抵抗は略均一となる。これにより、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になる。即ち、電気化学リアクタ100に流入する排気の流れの偏りが抑制される。
【0074】
このように、カソード側多孔質金属体21に溶接ビード22を形成させて、カソード極層20の通気抵抗を溶接ビード22のビード容積により制御しているため、ディフューザー等を別途設けずに、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一に制御することができる。
【0075】
なお、各カソード側多孔質金属体21内に形成させる溶接ビード22の具体的なビード容積は、実験及び試験等により、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるように決定することができる。各カソード側多孔質金属体21内に形成させる溶接ビード22のビード容積の大きさは、各溶接ビード22の長さや、ビードを打つ頻度等により制御することができる。
【0076】
上記した第3実施形態の電気化学リアクタ100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0077】
電気化学リアクタ100は、カソード側多孔質金属体21に、通気抵抗制御手段としての溶接ビード22が形成される。カソード極層20を流れる排気の通気抵抗は、溶接ビード22のビード容積により制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部近傍に位置するカソード極層20と、積層方向中央部近傍に位置するカソード極層20とで、溶接ビード22のビード容積が異なる。このように、積層方向における位置によって、カソード側多孔質金属体21に形成する溶接ビード22のビード容積を変えることで、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるようにカソード極層20を流れる排気の通気抵抗を制御している。従って、ディフューザー等を別途設けずに、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一にすることができる。即ち、省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、排気の浄化性能が高い電気化学リアクタ100を提供することができる。
【0078】
電気化学リアクタ100は、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗が、通気抵抗制御手段としての溶接ビード22のビード容積により制御され、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部に近いカソード極層20ほど形成される溶接ビード22のビード容積が大きい。これにより、積層方向端部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きくなるため、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の積層方向中央が高温、積層方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、各カソード極層20の通気抵抗は略均一に制御される。従って、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0079】
なお、前述の通り、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1の幅方向において、セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成されている場合、電気化学リアクタ100には、セルユニット1の幅方向中央が高温、幅方向両端に近いほど低温になる温度分布ができる。即ち、セルユニット1の幅方向中央ほど、通気抵抗が大きくなる。従って、好ましくは、通気抵抗制御手段としての溶接ビード22は、セルユニット1の幅方向端部に近いほどカソード側多孔質金属体21に形成される溶接ビード22のビード容積を大きくする。これにより、電気化学リアクタ100が起動され、セルユニット1の幅方向中央が高温、幅方向両端に近いほど低温になる温度分布ができても、各カソード極層20内の通気抵抗は略均一に制御される。従って、カソード極層20内においても、流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0080】
(第3実施形態の変形例)
図6を参照して、第3実施形態の変形例による電気化学リアクタ100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
図6は、電気化学リアクタ100を構成するセルユニット1のうちの1つの概略構成図である。本変形例においては、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側と下流側とで、カソード側多孔質金属体21に形成される溶接ビード22のビード容積が異なる点が第3実施形態と異なる。
【0082】
図6に示すように、カソード側多孔質金属体21に形成させる溶接ビード22のビード容積は、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど容積が大きい。従って、カソード極層20の通気抵抗は上流側ほど大きくなる。
【0083】
前述の通り、カソード極層20においては、窒素酸化物(NOx)の還元反応により、上流側ほど温度が低くなり、相対的に下流側ほど通気抵抗が大きくなるため、排気の流速が不均一となり、排気の還元に偏りができ、排気の浄化性能が低下する虞がある。
【0084】
これに対し、本変形例においては、カソード側多孔質金属体21に形成される溶接ビード22のビード容積が、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど大きいため、カソード極層20における排気の流れ方向の上流側と下流側の通気抵抗が均一となる。これにより、カソード極層20内における排気の流速が均一となり、排気の還元の偏りが抑制される。
【0085】
なお、カソード側多孔質金属体21に形成させる溶接ビード22の具体的なビード容積は、実験及び試験等により、カソード極層20内における排気の流速が均一となるように決定することができる。
【0086】
また、本変形例では、カソード側多孔質金属体21に形成される溶接ビード22のビード容積が、排気の流れ方向におけるカソード極層20の上流側ほど大きい構成としたが、必ずしもこれに限られない。例えば、カソード電極触媒の量が下流側ほど大きい場合等、電気化学リアクタ100の構成によっては、カソード極層20の上流側の温度が相対的に高くなる場合もあり得る。このような場合には、排気の流れ方向におけるカソード極層20の下流側ほどカソード側多孔質金属体21を厚くする。即ち、カソード側多孔質金属体21に形成する溶接ビード22の具体的な容積は、実験及び試験等により、各カソード極層20内における排気の流速が均一になるように決定することができる。
【0087】
(第4実施形態)
図7を参照して、第4実施形態による電気化学リアクタ100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
図7は、第4実施形態による電気化学リアクタ100の主要構成を示す概略構成図である。第4実施形態においては、各セルユニット1間にセパレータ50を備える点、及びアノード極層10内に緻密部12が形成される点が他の実施形態と異なる。
【0089】
他の実施形態と同様に、第4実施形態においても、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が均一になるように構成され、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が小さくなるように構成されている。なお、図7では、第1実施形態と同様に、積層方向中央部に近いカソード極層20ほどカソード側多孔質金属体21の気孔率を大きくすることでカソード極層20の通気抵抗を制御しているが、これに限られない。即ち、第2実施形態のように、積層方向端部に近いカソード極層20ほどカソード側多孔質金属体21が厚くすることでカソード極層20の通気抵抗を制御してもよく、また、第3実施形態のように、通気抵抗制御手段が溶接ビード22であってもよい。
【0090】
図7に示すように、本実施形態の電気化学リアクタ100は、各セルユニット1間にセパレータ50を備える。セパレータ50は、鉄またはクロム等の導電性金属材料により構成される金属板であり、電気化学リアクタ100に流入した排気がアノード極層10及びカソード極層20間を流通するのを阻害する。
【0091】
このように、カソード極層20の下面とアノード極層10の上面との間(即ち、セルユニット1間)にセパレータ50が設けられているため、カソード極層20の下面とアノード極層10の上面間における排気の流通は阻害される。また、アノード極層10の下面とカソード極層20の上面の間には固体電解質層30が挟持されているため、アノード極層10の下面とカソード極層20の上面間における排気の流通も阻害されている。従って、本実施形態においては、カソード極層20に流入した排気は、アノード極層10に流通しない。
【0092】
一方、図7に示すように、排気の流れ方向におけるアノード極層10の上流側は、アノード側多孔質金属体11が密に構成された緻密部12が形成されている。これにより、排気がアノード極層10の下流側へ流出することが阻害される。即ち、排気はアノード極層10を流通しない。なお、緻密部12は、焼結助剤や溶接等により形成させることができる。
【0093】
以上のように、互いに接するアノード側多孔質金属体11とカソード側多孔質金属体21との間にセパレータ50を介在させ、且つ、アノード極層10の上流を密にしているため、排気は窒素酸化物(NOx)を還元するカソード極層20にのみ流通する。これにより、窒素酸化物(NOx)の浄化率が向上する。
【0094】
上記した第4実施形態の電気化学リアクタ100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0095】
電気化学リアクタ100は、各セルユニット1間に、排気がアノード極層10及びカソード極層20間を流通するのを阻害するセパレータ50を備える。また、排気の流れ方向におけるアノード極層10の上流側は、排気が下流側へ流出するのが阻害されるように、アノード側多孔質金属体11が密に構成される。これにより、排気は窒素酸化物(NOx)を還元するカソード極層20にのみ流通するため、排気の浄化性能が向上する。
【0096】
(第5実施形態)
図8を参照して、第5実施形態による電気化学リアクタ100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
図8は、第5実施形態による電気化学リアクタ100の主要構成を示す概略構成図である。第5実施形態においては、電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように排気流路101が構成されている点が他の実施形態と異なる。
【0098】
図8に示すように、本実施形態では、電気化学リアクタ100の上流の排気流路101が漏斗状に形成されている。これにより、セルユニット1に流入する排気の流速は、積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなる。即ち、積層方向中央部に排気の流れが偏る虞がある。
【0099】
そこで、本実施形態では、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きくなるように通気抵抗制御手段を構成した。
【0100】
具体的には、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用い、カソード側多孔質金属体21の気孔率を積層方向中央部に近いカソード極層20ほど小さくした。これにより、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど相対的に通気抵抗が大きくなり、積層方向中央部に排気の流れが偏ることが抑制される。
【0101】
以上のとおり、電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されている場合、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きくなるように通気抵抗制御手段を構成することで、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一にできる。
【0102】
なお、各カソード側多孔質金属体21の具体的な気孔率は、実験及び試験等により、各カソード極層20に流入する排気の流量が均一になるように決定することができる。
【0103】
上記した第5実施形態の電気化学リアクタ100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0104】
電気化学リアクタ100は、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されている場合、通気抵抗制御手段は、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど通気抵抗が大きくなるように構成される。これにより、各カソード極層20に流入する排気の流量を均一にでき、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0105】
電気化学リアクタ100は、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21を備える。そして、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されている場合、カソード側多孔質金属体21は、積層方向端部に近いカソード極層20ほど気孔率が大きい。これにより、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど相対的に通気抵抗が大きくなり、積層方向中央部に排気の流れが偏ることが抑制される。
【0106】
なお、本実施形態では、電気化学リアクタ100の上流の排気流路101が漏斗状に形成されるものとしたが、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されていれば、排気流路101の形状はこれに限られない。
【0107】
また、本実施形態では、カソード側多孔質金属体21を通気抵抗制御手段として用い、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗をカソード側多孔質金属体21の気孔率の大きさにより制御しているが必ずしもこれに限られない。例えば、第2実施形態のように、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗をカソード側多孔質金属体21の厚みにより制御してもよい。排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されている場合、カソード側多孔質金属体21は、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど厚く構成される。また、例えば、第3実施形態のように、溶接ビード22を通気抵抗制御手段として、カソード極層20を流れる排気の通気抵抗をビード容積により制御してもよい。排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1に流入する排気の流速が積層方向中央部に近いセルユニット1ほど大きくなるように構成されている場合、積層方向中央部に近いカソード極層20ほど、カソード側多孔質金属体21に形成される溶接ビード22のビード容積は大きく構成される。
【0108】
また、排気の流れ方向における電気化学リアクタ100の上流が、各セルユニット1の幅方向においても、幅方向中央部に近いほどセルユニット1に流入する排気の流速が大きくなるように構成されている場合には、セルユニット1の幅方向中央部に排気の流れが偏る虞がある。例えば、電気化学リアクタ100の上流の排気流路101がセルユニット1の幅方向中央に向かって漏斗状に形成されている場合等には、セルユニット1の幅方向においても中央部に排気の流れが偏る虞がある。従って、このような場合、好ましくは、通気抵抗制御手段は、セルユニット1の幅方向中央部に近いほどカソード極層20内の通気抵抗が大きくなるように構成される。即ち、好ましくは、通気抵抗制御手段としてのカソード側多孔質金属体21は、セルユニット1の幅方向中央部に近いほど気孔率を小さく構成される。また、溶接ビード22を通気抵抗制御手段として用いる場合は、セルユニット1の幅方向中央部に近いほどビード容積を大きくする。これにより、カソード極層20内の通気抵抗は略均一に制御され、カソード極層20内において、流入する排気の流量が均一となり、排気の流れの偏りを抑制することができる。
【0109】
また、いずれの実施形態においても、アノード極層10を、アノード電極触媒を含浸したアノード側多孔質金属体11により構成したが、必ずしもこれに限られない。アノード極層10は、アノード電極とアノード電極を支持する多孔質金属体により構成してもよい。
【0110】
同様に、いずれの実施形態においても、カソード極層20を、カソード電極触媒を含浸したカソード側多孔質金属体21により構成したが、必ずしもこれに限られない。カソード極層20は、カソード電極とカソード電極を支持する多孔質金属体により構成してもよい。
【0111】
また、アノード電極触媒及びカソード電極触媒の担持方法も、含浸に限られず、既知の如何なる方法を用いてもよい。
【0112】
また、いずれの実施形態の図においても、電気化学リアクタ100は、セルユニット1が5層積層されて構成されているが、セルユニット1の積層数はこれに限られず、複数の層であれば何層であってもよい。
【0113】
また、各実施形態における各カソード極層20を流れる排気の通気抵抗の大小関係は例示であり、通気抵抗制御手段は、予め実験及び試験等により、電気化学リアクタ100の条件に合わせて各カソード極層20の通気抵抗が均一になるように構成することができる。
【0114】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記各実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0115】
また、上記各実施形態及び各変形例は、相互に矛盾しない範囲で任意に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0116】
1、セルユニット,10、アノード極層,11、アノード側多孔質金属体,12、緻密部,20、カソード極層,21、カソード側多孔質金属体,30、固体電解質層,40、電極端子,50、セパレータ,100、電気化学リアクタ
図1
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図8