(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187850
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】走行支援装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20221213BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20221213BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221213BHJP
【FI】
B60W30/10
G08G1/16 C
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096057
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高浜 琢
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BB17
3D241BB37
3D241BC02
3D241CC17
3D241CD12
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DB12Z
3D241DB20Z
3D241DC25Z
3D241DC31Z
3D241DC35Z
3D241DC50Z
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF27
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】隣接車線の状況に応じて操舵制御を実行する。
【解決手段】走行支援装置は、車両周辺情報を取得する少なくとも1つのセンサ(140)と、車両周辺情報に基づいて、現在の状況が第1状況又は第2状況であるかを判定する判定処理を実行し、判定処理の結果に基づいて、自車両を目標軌跡(TL)に沿って走行させる操舵制御を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える。第1状況は、自車両が、第1隣接車線を走行する第1他車両を追い越す状況である。第2状況は、自車両が、第1隣接車線を走行する第1他車両に追い越される状況である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺領域に関する車両周辺情報を取得する少なくとも1つのセンサと、
前記車両周辺情報に基づいて、現在の状況が第1状況又は第2状況であるかを判定する判定処理を実行し、
前記判定処理の結果に基づいて、前記自車両を目標軌跡に沿って走行させる操舵制御を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記第1状況は、前記自車両が、前記自車両が走行する自車線に隣接する第1隣接車線を走行する第1他車両を追い越す状況であり、
前記第2状況は、前記自車両が、前記第1他車両に追い越される状況である、
走行支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第1状況において、前記目標軌跡を前記第1隣接車線から離れるように設定する第1制御を実行するように構成された、
走行支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第1隣接車線において前記第1他車両の前方に第2他車両が存在する場合、前記第1制御を継続するように構成された、
走行支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第1制御において、中央ラインに対して補正値だけオフセットしたラインを、前記目標軌跡として設定するように構成され、
前記中央ラインは、前記自車線における道路幅方向の中心位置を結んだラインである、
走行支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記自車両と前記第1他車両との間の車両前後方向における距離、又は、前記自車両と前記第1他車両との間の車間時間に従って、前記補正値を変更するように構成された、
走行支援装置。
【請求項6】
請求項4に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、
前記自車線に隣接し且つ前記第1隣接車線とは反対側に存在する第2隣接車線に第2他車両が存在するかを判定し、
前記第2他車両が存在する場合、前記補正値を変更する
ように構成された、
走行支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、
前記自車両の前方で且つ前記第1隣接車線内に設定された第1領域を用いて、前記第1状況を判定し、
前記第2隣接車線内に設定された第2領域を用いて、前記第2他車両が存在するかを判定する
ように構成された、
走行支援装置。
【請求項8】
請求項2に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第1制御において、
前記自車線に隣接し且つ前記第1隣接車線とは反対側に存在する第2隣接車線に第2他車両が存在するかを判定し、
前記第2他車両が存在する場合の前記操舵制御の制御ゲインを、前記第2他車両が存在しない場合に比べて大きく設定するように構成された、
走行支援装置。
【請求項9】
請求項2に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第1制御の実行中において前記自車両が前記第1他車両を追い越すまでにかかる時間が所定の時間閾値以下である場合、前記自車両の現在の横位置が維持されるように前記目標軌跡を補正するように構成された、
走行支援装置。
【請求項10】
請求項1に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第2状況において、前記目標軌跡を中央ラインに設定する第2制御を実行するように構成され、
前記中央ラインは、前記自車線における道路幅方向の中心位置を結んだラインである、
走行支援装置。
【請求項11】
請求項1に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記第2状況において前記自車両と前記第1他車両との間の相対速度が所定の速度閾値以上である場合、前記目標軌跡を前記第1隣接車線から離れるように設定する第1制御を実行するように構成された、
走行支援装置。
【請求項12】
請求項1に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記自車両と前記第1他車両との間の道路幅方向の距離又は車両前後方向の距離の変化に応じて、前記第1状況又は前記第2状況を判定するように構成された、
走行支援装置。
【請求項13】
請求項1に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記自車両の前方で且つ前記第1隣接車線内に設定された第1領域を用いて、前記第1状況を判定するように構成された、
走行支援装置。
【請求項14】
請求項13に記載の走行支援装置において、
前記プロセッサは、前記自車両の速度又は走行曲率に応じて、前記第1領域の車両前後方向における長さを変更するように構成された、
走行支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の周辺状況に基づいて操舵制御を実行するように構成された走行支援装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以降において、上記の走行支援装置が搭載された車両を「自車両」と称呼し、当該自車両の周辺に存在する車両を「他車両」と称呼する。更に、自車両が走行する車線を「自車線」と称呼し、自車線に隣接する車線を「隣接車線」と称呼する。
【0005】
例えば、他車両が隣接車線を走行しており、自車両がその他車両を追い越す状況が生じ得る。この状況において、自車両と他車両との間の距離が小さくなるので、自車両の運転者が不安に感じる可能性がある。しかし、特許文献1の走行支援装置においては、このような状況における処理について何ら検討されていない。また、上記の課題は、自車両が他車両に追い越される状況でも生じ得る。
【0006】
本開示は、上述した各状況に応じて操舵制御を実行することが可能な走行支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一以上の実施例において、走行支援装置が提供される。当該走行支援装置は、自車両の周辺領域に関する車両周辺情報を取得する少なくとも1つのセンサと、前記車両周辺情報に基づいて、現在の状況が第1状況又は第2状況であるかを判定する判定処理を実行し、前記判定処理の結果に基づいて、前記自車両を目標軌跡に沿って走行させる操舵制御を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える。前記第1状況は、前記自車両が、前記自車両が走行する自車線に隣接する第1隣接車線を走行する第1他車両を追い越す状況である。前記第2状況は、前記自車両が、前記第1他車両に追い越される状況である。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、走行支援装置は、現在の状況が第1状況又は第2状況であるかに従って、操舵制御を実行することができる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】操舵制御の一例である車線維持制御を説明するための図である。
【
図4】自車両が、第1隣接車線を走行する第1隣接車両を追い越す状況(第1状況)を示した図である。
【
図5】自車両の横位置の補正値dcを求めるためのマップの一例である。
【
図6】自車両が、第1隣接車線を走行する第1隣接車両に追い越される状況(第2状況)を示した図である。
【
図7】実施例1において走行支援ECUによって実行されるフローチャートである。
【
図8】実施例1において走行支援ECUによって実行されるフローチャートである。
【
図9】第1状況において第2隣接車線に第2隣接車両が存在しない例を示した図である。
【
図10】第1状況において第2隣接車線に第2隣接車両が存在する例を示した図である。
【
図11】第1状況において第2隣接車線に第2隣接車両が存在する例を示した図である。
【
図12】第1状況において第2隣接車線に第2隣接車両が存在する例を示した図である。
【
図13】実施例2における自車両の横位置の補正値dcを求めるためのマップの一例である。
【
図14】実施例2において走行支援ECUによって実行されるフローチャートである。
【
図15】補正値dcに対して乗算する補正率Rcを求めるためのマップの一例である。
【
図16】実施例4において走行支援ECUによって実行されるフローチャートである。
【
図17】第1状況において第1隣接車両の前方に更に他車両が存在する例を示した図である。
【
図18】実施例6において走行支援ECUによって実行されるフローチャートである。
【
図19】第1隣接車両と、自車線と第1隣接車線との境界を表す区画線との間の距離Dyを説明するための図である。
【
図20】信頼度DRを演算するためのテーブルであって、距離Dyと加算値/減算値との関係を示したテーブルである。
【
図21】信頼度DRを演算するためのテーブルであって、自車両と第1隣接車両との間の車両前後方向における距離Dxと加算値/減算値との関係を示したテーブルである。
【
図22】第1状況を判定するための第1領域を示した図である。
【
図23】第1状況において第2隣接車線に第2隣接車両が存在するかを判定するための第2領域を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、走行支援装置の複数の実施例について説明する。添付図面は、具体的な構成を示しているが、本開示の技術的範囲を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0011】
以下では、操舵制御の一例として、車線維持制御(Lane Keeping Control)について説明する。以降において、車線維持制御は、単に「LK制御」と称呼される。
【0012】
<実施例1>
(走行支援装置の構成)
図1は、走行支援装置の構成を示した図である。走行支援装置は、車両(自車両)VAに搭載される。走行支援装置は、走行支援ECU110と、操舵ECU120と、操舵アクチュエータ130と、車両周辺センサ140と、車速センサ150とを備える。
【0013】
図2は、走行支援ECU110の構成を示した図である。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称であり、マイクロコンピュータを構成部品として有する電子制御回路である。走行支援ECU110は、CPU210、メモリ220、不揮発性メモリ230及びインターフェース240等を含む。
【0014】
CPU210は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又は回路を含む。メモリ220は、例えば、RAMを含む。不揮発性メモリ230は、例えば、フラッシュメモリ及びROMを含む。CPU210は、メモリ220をワークメモリとして用いて、不揮発性メモリ230に格納されているプログラムコード(インストラクション)を実行する。これにより、CPU210は、以降で説明する処理を実行することができる。なお、操舵ECU120も同様の構成を備える。
【0015】
操舵アクチュエータ130は、車両VAのステアリング機構に組み込まれている。例えば、操舵アクチュエータ130は、車両VAの操舵輪(左前輪及び右前輪)を転舵するためのモータを含む。操舵アクチュエータ130は、操舵ECU120の指示に応じて、操舵輪を制御するように構成される。
【0016】
なお、走行支援ECU110及び操舵ECU120が1つのECUに統合されてもよい。更に、以下で説明される処理を実行するために、1つ以上のECUが追加されてもよい。
【0017】
車両周辺センサ140は、車両VAの周辺領域に関する車両周辺情報を取得する。車両VAの周辺領域は、車両VAの前方領域、右側領域、左側領域、及び、後方領域を含む。
【0018】
車両周辺情報は、車両VAの周辺領域に存在する物体に関する物体情報、及び、車両VAの周辺領域に存在する区画線(白線)に関する区画線情報を含む。物体は、車両及び歩行者等の移動物、並びに、ガードレール及びフェンス等の静止物を含む。物体情報は、例えば、車両VAと物体との間の距離、車両VAに対する物体の移動方向、車両VAに対する物体の方位、車両VAに対する物体の相対速度、及び、物体の種別(例えば、物体が移動物又は静止物であるかの情報)等を含む。区画線情報は、車線(レーン)を規定する複数の区画線の位置、及び、区画線に関連するパラメータ等を含む。区画線に関連するパラメータは、区画線の曲率、区画線に対する車両VAの横位置(道路幅方向における位置)、及び、区画線に対する車両VAのヨー角等を含む。
【0019】
例えば、車両周辺センサ140は、レーダセンサ、カメラセンサ及びLiDAR等の1つ又はこれらの組み合わせであってもよい。車両周辺センサ140は、上記の物体情報及び区画線情報を取得できる限り、他のセンサであってもよい。
【0020】
車速センサ150は、車両VAの速度Vaに関する情報を取得する。
【0021】
(LK制御)
図3は、操舵制御の一例であるLK制御を説明するための図である。走行支援ECU110は、車両周辺情報(区画線情報)に基づいて、左区画線LL及び右区画線RLを検出する。走行支援ECU110は、左区画線LLと右区画線RLとの間の領域を、車両VAが走行すべき領域(即ち、車線)として認識する。走行支援ECU110は、左区画線LLと右区画線RLとの間の道路幅方向の中心位置を結んだラインを、中央ラインLcとして設定する。そして、走行支援ECU110は、中央ラインLcをLK制御の目標軌跡TLとして設定する。走行支援ECU110は、車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させるための操舵制御量(例えば、操舵トルク)を演算する。走行支援ECU110は、操舵制御量を操舵ECU120に出力する。操舵ECU120は、操舵制御量に基づいて、操舵アクチュエータ130を制御する。
【0022】
次に、LK制御の実行中に生じ得る複数の状況について説明する。なお、以降において、走行支援装置が搭載された車両VAは「自車両VA」と称呼される。更に、自車両VAが走行する車線は「自車線Ln0」と称呼され、自車線Ln0の左側に隣接する車線は「第1隣接車線Ln1」と称呼され、自車線Ln0の右側に隣接する車線は「第2隣接車線Ln2」と称呼される。第1隣接車線Ln1又は第2隣接車線Ln2を走行する他車両は「隣接車両」と称呼される。
【0023】
(第1状況における操舵制御)
図4は、第1隣接車両OV1が第1隣接車線Ln1を走行しており、且つ、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越す状況を示した図である。以降において、このような状況は「第1状況」と称呼される。
【0024】
第1状況において、自車両VAが第1隣接車両OV1に徐々に接近する。自車両VAの運転者は第1隣接車両OV1を認識しているので、自車両VAが第1隣接車両OV1の横を通過する際に運転者は不安に感じる。これを考慮して、走行支援ECU110は、LK制御の要素(以下、「制御要素」と称呼する)を変更する。ここで、制御要素とは、LK制御を実行するための各種処理、及び、それら処理に用いられるパラメータを意味する。具体的には、制御要素は、LK制御の基準となる目標軌跡TL、及び、LK制御の操舵制御量に対して使用される制御ゲイン等を含む。本例において、制御要素は、目標軌跡TLである。
【0025】
走行支援ECU110は、第1状況において、第1隣接車線Ln1から離れるようなラインLofsを演算する。そのために、走行支援ECU110は、中央ラインLcに対する自車両VAの横位置の補正値dcを求める。ここで、自車両VAの横位置とは、自車線Ln0内での道路幅方向における位置を意味する。ラインLofsは、中央ラインLcに対して右側に補正値dcだけオフセットしたラインである。
【0026】
図5は、補正値dcを求めるためのマップMP1である。マップMP1は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車両前後方向における距離Dxと、補正値dcとの関係を定義している。距離Dxが負の値の場合、これは、自車両VAが第1隣接車両OV1の後方に存在していることを意味する。距離Dxがゼロの場合、これは、自車両VAが第1隣接車両OV1の真横に存在していることを意味する。距離Dxが正の値の場合、これは、自車両VAが第1隣接車両OV1の前方に存在していることを意味する。補正値dcが正の値の場合、これは、自車両VAの横位置を中央ラインLcに対して左側へオフセットさせることを意味する。これに対し、補正値dcが負の値の場合、これは、自車両VAの横位置を中央ラインLcに対して右側へオフセットさせることを意味する。従って、マップMP1は、自車両VAの横位置を中央ラインLcに対して右側へオフセットさせるマップである。
【0027】
走行支援ECU110は、マップMP1に従って補正値dcを求める。マップMP1によれば、自車両VAが第1隣接車両OV1に近づく(距離Dxの大きさ(絶対値)が小さくなる)と、補正値dcは負の所定の値dc1(例えば、-0.4m)になる。即ち、自車両VAが第1隣接車線Ln1から離れる。その後、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越す。これに伴い、補正値dcが徐々にゼロに近づき、最終的にゼロになる。即ち、自車両VAの横位置が中央ラインLc上に戻る。なお、値dc1は、自車両VAが自車線Ln0から逸脱しないように、適宜変更されてもよい。
【0028】
走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。走行支援ECU110は、車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させるための操舵制御量を演算する。走行支援ECU110は、操舵制御量を操舵ECU120に出力する。この構成によれば、LK制御の実行中に第1状況が生じた場合でも、走行支援ECU110が第1制御を実行するので、自車両VAが、第1隣接車両OV1に対してより大きく間隔を空けて第1隣接車両OV1の右側を通過する。運転者が不安に感じる可能性を低減することができる。更に、走行支援ECU110は、マップMP1を用いて、距離Dxに従って補正値dcを徐々に変更する。この構成によれば、車両VAの横位置を距離Dxに従って滑らかに変化させることができる。
【0029】
以降において、第1状況において実行される操舵制御(即ち、ラインLofsを目標軌跡TLとして用いた操舵制御)は、「第1制御」と称呼される。
【0030】
なお、走行支援ECU110は、第1制御を開始するために、車両周辺情報に基づいて、第1開始条件を判定する。第1開始条件は、現在の状況が第1状況であるかを判定するための条件である。具体的には、第1開始条件は、以下の条件A1及び条件A2の両方が成立したときに成立する。なお、条件A2は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車間時間に関する条件に変更されてもよい。
(条件A1):自車両VAの速度Va > 第1隣接車両OV1の速度V1
(条件A2):距離Dx ≧ 第1距離閾値Dxth1(所定の負の値)
【0031】
更に、走行支援ECU110は、第1制御を終了させるために、車両周辺情報に基づいて、第1終了条件を判定する。第1終了条件は、自車両VAが、第1隣接車両OV1を追い越すことを完了したかを判定するための条件である。具体的には、第1終了条件は、以下の条件B1が成立したときに成立する。なお、条件B1は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車間時間に関する条件に変更されてもよい。
(条件B1):距離Dx ≧ 第2距離閾値Dxth2(所定の正の値)
【0032】
(第2状況における操舵制御)
図6は、第1隣接車両OV1が第1隣接車線Ln1を走行しており、且つ、自車両VAが第1隣接車両OV1に追い越される状況を示した図である。以降において、このような状況は「第2状況」と称呼される。
【0033】
第2状況において、第1隣接車両OV1が自車両VAに徐々に接近する。しかし、第1隣接車両OV1は自車両VAの後方に存在するので、多くの場合、自車両VAの運転者は第1隣接車両OV1を認識できていない。このような第2状況において、走行支援ECU110が第1制御を実行すると仮定する。この場合、運転者は自車両VAが急に右側へ移動したように感じ、却って、運転者が不安に感じる。これを考慮して、走行支援ECU110は、第2状況において、中央ラインLcを目標軌跡TLとして用いた操舵制御を実行する。走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する。走行支援ECU110は、車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させるための操舵制御量を演算する。走行支援ECU110は、操舵制御量を操舵ECU120に出力する。この構成によれば、LK制御の実行中に第2状況が生じた場合でも、走行支援ECU110が第2制御を実行するので、自車両VAが横方向に移動しない。運転者が不安に感じる可能性を低減することができる。
【0034】
以降において、第2状況において実行される操舵制御(即ち、中央ラインLcを目標軌跡TLとして用いた操舵制御)は、「第2制御」と称呼される。
【0035】
なお、走行支援ECU110は、第2制御を開始するために、車両周辺情報に基づいて、第2開始条件を判定する。第2開始条件は、現在の状況が第2状況であるかを判定するための条件である。具体的には、第2開始条件は、以下の条件C1及び条件C2の両方が成立したときに成立する。なお、条件C2は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車間時間に関する条件に変更されてもよい。
(条件C1):自車両VAの速度Va < 第1隣接車両OV1の速度V1
(条件C2):距離Dx ≦ 第3距離閾値Dxth3(所定の正の値)
【0036】
更に、走行支援ECU110は、第2制御を終了させるために、車両周辺情報に基づいて、第2終了条件を判定する。第2終了条件は、第1隣接車両OV1が、自車両VAを追い越すことを完了したかを判定するための条件である。具体的には、第2終了条件は、以下の条件D1が成立したときに成立する。なお、条件D1は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車間時間に関する条件に変更されてもよい。
(条件D1):距離Dx ≦ 第4距離閾値Dxth4(所定の負の値)
【0037】
(通常状況における操舵制御)
以降において、第1状況でも第2状況でもない状況は、「通常状況」と称呼される。通常状況において、走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして用いた操舵制御を実行する。具体的には、走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する。走行支援ECU110は、車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させるための操舵制御量を演算する。走行支援ECU110は、操舵制御量を操舵ECU120に出力する。
【0038】
通常状況において実行される操舵制御(即ち、中央ラインLcを目標軌跡TLとして用いた制御)は、「通常制御」と称呼される。
【0039】
(処理の流れ)
図7及び
図8は、実施例1における走行支援ECU110が実行するルーチンを示したフローチャートである。走行支援ECU110は、所定の周期dT(例えば、50ms)で
図7及び
図8のルーチンを繰り返し実行する。以下では、「通常状況」、「第1状況」及び「第2状況」のそれぞれについて処理の流れを説明する。
【0040】
・通常状況
走行支援ECU110は、車両周辺情報を読み込む(ステップ701)。走行支援ECU110は、車両周辺情報に基づいて、隣接車両を検出する(ステップ702)。なお、現在の状況は通常状況であるので、走行支援ECU110は、隣接車両を検出しない。
【0041】
走行支援ECU110は、第1フラグFlg1が「1」であるかを判定する(ステップ703)。第1フラグFlg1が「1」である場合、これは、現在の状況が第1状況であることを意味する。第1フラグFlg1が「0」である場合、これは、現在の状況が第1状況でないことを意味する。いま、第1フラグFlg1が「0」であると仮定すると、走行支援ECU110は、「No」と判定してステップ704に進む。
【0042】
走行支援ECU110は、第2フラグFlg2が「1」であるかを判定する(ステップ704)。第2フラグFlg2が「1」である場合、これは、現在の状況が第2状況であることを意味する。第2フラグFlg2が「0」である場合、これは、現在の状況が第2状況でないことを意味する。いま、第2フラグFlg2が「0」であると仮定すると、走行支援ECU110は、「No」と判定してステップ705に進む。
【0043】
走行支援ECU110は、自車両VAの後方に隣接車両が存在するかを判定する(ステップ705)。通常状況において、走行支援ECU110は、「No」と判定してステップ711に進む(
図7のBから
図8のBへ進む)。走行支援ECU110は、自車両VAの前方に隣接車両が存在するかを判定する(ステップ711)。走行支援ECU110は、「No」と判定してステップ717に進む。走行支援ECU110は、上述のように、通常制御を実行する。走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する(ステップ717)。次に、走行支援ECU110は、目標軌跡TLに対して平滑化処理を実行する(ステップ718)。平滑化処理は、目標軌跡TLに段差が生じないように目標軌跡TLを滑らかな曲線にする処理である。そして、走行支援ECU110は、操舵制御を実行する(ステップ719)。具体的には、走行支援ECU110は、車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させるための操舵制御量を演算する。走行支援ECU110は、操舵制御量を操舵ECU120に出力する。操舵ECU120は、操舵制御量に基づいて操舵アクチュエータ130を制御する。
【0044】
・第1状況
現在の状況が
図4の状況になり、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしていると仮定する。この場合、走行支援ECU110は、ステップ701、ステップ702、ステップ703及びステップ704を実行し、その後、ステップ705に進む。
【0045】
なお、走行支援ECU110は、ステップ702において、以下の条件E1又は条件E2を満たす隣接車両を、以降で説明する処理の対象車両として扱ってもよい。
(条件E1):自車両VAと隣接車両との間の道路幅方向の距離が、所定の距離以下である。
(条件E2):自車線Ln0を規定する区画線と隣接車両との道路幅方向の距離が、所定の距離以下である。
これは、以下の理由による。例えば、自車両VAと隣接車両との間の道路幅方向の距離が比較的大きい場合、自車両VAが隣接車両の横を通過しても、自車両VAの運転者が不安に感じる可能性が低いためである。
【0046】
走行支援ECU110は、ステップ705において「No」と判定して、ステップ711に進む(
図7のBから
図8のBへ進む)。走行支援ECU110は、自車両VAの前方に隣接車両が存在するかを判定する(ステップ711)。走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ712に進む。
【0047】
走行支援ECU110は、第1開始条件が成立するか否かを判定する(ステップ712)。第1開始条件が成立しない場合、走行支援ECU110は、「No」と判定して、ステップ717に進む(
図8においてDからDへ進む)。走行支援ECU110は、上述のように、通常制御を実行する。
【0048】
図4の状況では、第1開始条件が成立する。従って、走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ713に進む。走行支援ECU110は、第1フラグFlg1を「1」に設定する(ステップ713)。そして、走行支援ECU110は、第1制御を実行する。走行支援ECU110は、上述のようにマップMP1を用いて、ラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する(ステップ714)。次に、走行支援ECU110は、目標軌跡TLに対して平滑化処理を実行する(ステップ718)。そして、走行支援ECU110は、操舵制御を実行する(ステップ719)。
【0049】
その後、走行支援ECU110は、ステップ701及びステップ702を実行し、その後、ステップ703に進む。走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ715に進む(
図7のAから
図8のAへ進む)。
【0050】
走行支援ECU110は、第1終了条件が成立するか否かを判定する(ステップ715)。第1終了条件が成立しない場合、走行支援ECU110は、第1制御を継続する。即ち、走行支援ECU110は、「No」と判定して、ステップ714、ステップ718及びステップ719を実行する。
【0051】
第1終了条件が成立する場合、走行支援ECU110は、「Yes」と判定して、ステップ716に進む。走行支援ECU110は、第1フラグFlg1を「0」に設定する(ステップ716)。走行支援ECU110は、第1制御を終了して、通常制御を実行する。走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する(ステップ717)。次に、走行支援ECU110は、目標軌跡TLに対して平滑化処理を実行する(ステップ718)。そして、走行支援ECU110は、操舵制御を実行する(ステップ719)。
【0052】
・第2状況
現在の状況が
図6の状況になり、第1隣接車両OV1が自車両VAを追い越そうとしていると仮定する。この場合、走行支援ECU110は、ステップ701、ステップ702、ステップ703、ステップ704を実行し、その後、ステップ705に進む。走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ706に進む。
【0053】
走行支援ECU110は、第2開始条件が成立するか否かを判定する(ステップ706)。第2開始条件が成立しない場合、走行支援ECU110は、「No」と判定して、ステップ717に進む(
図7のDから
図8のDへ進む)。走行支援ECU110は、上述のように、通常制御を実行する。
【0054】
図6の状況では、第2開始条件が成立する。従って、走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ707に進む。走行支援ECU110は、第2フラグFlg2を「1」に設定する(ステップ707)。そして、走行支援ECU110は、第2制御を実行する。走行支援ECU110は、ステップ710に進む(
図7のCから
図8のCへ進む)。走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する(ステップ710)。走行支援ECU110は、目標軌跡TLに対して平滑化処理を実行する(ステップ718)。そして、走行支援ECU110は、操舵制御を実行する(ステップ719)。
【0055】
その後、走行支援ECU110は、ステップ701、ステップ702及びステップ703を実行し、その後、ステップ704に進む。走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ708に進む。
【0056】
走行支援ECU110は、第2終了条件が成立するか否かを判定する(ステップ708)。第2終了条件が成立しない場合、走行支援ECU110は、第2制御を継続する。即ち、走行支援ECU110は、「No」と判定して、ステップ710に進む(
図7のCから
図8のCへ進む)。
【0057】
第2終了条件が成立する場合、走行支援ECU110は、「Yes」と判定して、ステップ709に進む。走行支援ECU110は、第2フラグFlg2を「0」に設定する(ステップ709)。従って、走行支援ECU110は、第2制御を終了して、通常制御を実行する。走行支援ECU110は、ステップ717に進む(
図7のDから
図8のDへ進む)。走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する(ステップ717)。次に、走行支援ECU110は、目標軌跡TLに対して平滑化処理を実行する(ステップ718)。そして、走行支援ECU110は、操舵制御を実行する(ステップ719)。
【0058】
(効果)
上記の構成によれば、走行支援ECU110は、車両周辺情報に基づいて、現在の状況が第1状況又は第2状況であるかを判定する判定処理を実行し、判定処理の結果に基づいて、自車両VAを目標軌跡TLに沿って走行させる操舵制御を実行する。走行支援ECU110は、判定された状況(第1状況又は第2状況)に応じて目標軌跡TLを設定(又は変更)することにより、自車両VAの横位置を制御する。これにより、運転者の安心感を向上させることができる。
【0059】
(変形例)
走行支援ECU110は、第2状況において使用される操舵制御の制御ゲインを、第2状況以外の状況において使用される制御ゲインに比べて大きく設定してもよい。この構成において、第2状況において自車両VAの運転者がハンドルを操作すると、走行支援ECU110は、自車両VAの横位置を目標軌跡TLに戻すための大きなトルクをステアリング機構に付与する。従って、運転者がハンドルの操作に対して大きな負荷を感じる。従って、自車両VAの横位置が目標軌跡TL(中央ラインLc)に維持され易くなる。自車両VAが、自車両VAの後方から走行してくる第1隣接車両OV1に接近するのを防ぐことができる。
【0060】
<実施例2>
図9~
図11を用いて、実施例2の構成を説明する。第1状況において、第2隣接車両OV2が第2隣接車線Ln2を走行している場合がある。走行支援ECU110は、以下で説明するケースa~ケースdに応じて、補正値dcを変更する。
【0061】
図9の例において、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしている。即ち、現在の状況は第1状況である。一方、第2隣接車線Ln2に隣接車両が存在しない。このようなケースは、以降において、「ケースa」と称呼される。ケースaにおいて、走行支援ECU110は、
図13に示すマップMP1に従って補正値dcを求める。マップMP1における補正値dcの最小値は「dc1(例えば、-0.4m)」である。従って、走行支援ECU110は、中央ラインLcに対して右側に「dc1」だけオフセットしたラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。ケースaの場合、自車両VAと第1隣接車両OV1との間に十分な距離が確保されるので、運転者の安心感を向上させることができる。
【0062】
図10の例も同様に、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしている。第2隣接車両OV2が第2隣接車線Ln2を走行している。第2隣接車両OV2が自車両VAを追い越そうとしているが、自車両VAと第2隣接車両OV2との間の車両前後方向における距離は、比較的大きい(即ち、所定の距離より大きい)。このようなケースは、以降において、「ケースb」と称呼される。ケースbにおいて、走行支援ECU110は、
図13に示すマップMP2に従って補正値dcを求める。マップMP2における補正値dcの最小値は「dc2(例えば、-0.2m)」である。ここで、dc2>dc1である。走行支援ECU110は、中央ラインLcに対して右側に「dc2」だけオフセットしたラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。ケースbの場合、自車両VAの後方から接近してくる第2隣接車両OV2を考慮して、補正値dcがケースaの場合と比べて小さくなる。従って、運転者の安心感を向上させることができる。
【0063】
図11の例も同様に、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしており、且つ、第2隣接車両OV2が自車両VAを追い越そうとしている。自車両VAと第2隣接車両OV2との間の車両前後方向における距離は、
図10の例に比べて小さい。このようなケースは、以降において、「ケースc」と称呼される。ケースcにおいて、走行支援ECU110は、
図13に示すマップMP3に従って補正値dcを求める。マップMP3における補正値dcの最小値は「dc3(例えば、-0.1m)」である。ここで、dc3>dc2である。走行支援ECU110は、中央ラインLcに対して右側に「dc3」だけオフセットしたラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。ケースcの場合、補正値dcがケースbの場合と比べて小さくなる。従って、運転者の安心感を向上させることができる。
【0064】
図12の例も同様に、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしており、且つ、第2隣接車両OV2が自車両VAを追い越そうとしている。自車両VAと第2隣接車両OV2との間の車両前後方向における距離はゼロである。即ち、第2隣接車両OV2が自車両VAの横を通過しようとしている。このようなケースは、以降において、「ケースd」と称呼される。ケースdにおいて、走行支援ECU110は、
図13に示すマップMP4に従って補正値dcを求める。マップMP4における補正値dcの最小値は「dc4(例えば、-0.05m)」である。ここで、dc4>dc3である。走行支援ECU110は、中央ラインLcに対して右側に「dc4」だけオフセットしたラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。ケースdの場合、補正値dcがケースcの場合と比べて小さくなる。従って、運転者の安心感を向上させることができる。なお、ケースdの場合、dc4はゼロであってもよい。この場合、走行支援ECU110は、中央ラインLcを目標軌跡TLとして設定する。自車両VAの横位置が中央ラインLcに維持されるので、運転者の安心感を更に向上させることができる。
【0065】
(処理の流れ)
図14は、実施例2における走行支援ECU110が実行するルーチンを示したフローチャートである。走行支援ECU110は、
図8のルーチンに代えて、
図14のルーチンを実行する。
図14のルーチンは、ステップ1401~ステップ1405が追加されている点において、
図8のルーチンと異なる。なお、
図8と同じステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
第1開始条件が成立すると、走行支援ECU110は、ステップ712において「Yes」と判定して、第1フラグFlg1を「1」に設定する(ステップ713)。次に、走行支援ECU110は、車両周辺情報に基づいて、現在の状況がケースa~ケースdの何れのケースに該当するかを判定する(ステップ1401)。
【0067】
ケースaの場合、走行支援ECU110は、マップMP1を選択する(ステップ1402)。ケースbの場合、走行支援ECU110は、マップMP2を選択する(ステップ1403)。ケースcの場合、走行支援ECU110は、マップMP3を選択する(ステップ1404)。ケースdの場合、走行支援ECU110は、マップMP4を選択する(ステップ1405)。
【0068】
その後、走行支援ECU110は、選択したマップを用いてラインLofsを演算し、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する(ステップ714)。このステップ以降の処理(ステップ718及びステップ719)は、
図8と同じである。
【0069】
(効果)
上記構成によれば、走行支援ECU110は、第2隣接車線Ln2に第2隣接車両OV2が存在するかを判定し、第2隣接車両OV2が存在する場合、補正値dcを変更する。具体的には、自車両VAと第2隣接車両OV2との間の車両前後方向における距離の大きさ(絶対値)が小さくなるほど、補正値dcの大きさ(絶対値)が小さくなる。従って、運転者の安心感を向上させることができる。
【0070】
(変形例)
なお、走行支援ECU110は、ステップ715において「No」と判定した場合、ステップ1401に進むように構成されてもよい。この場合、走行支援ECU110は、自車両VAと第2隣接車両OV2との間の関係の変化に応じて、マップMP1~MP4の何れかを適宜選択することができる。
【0071】
走行支援ECU110は、第1制御において、第2隣接車線Ln2に第2隣接車両OV2が存在する場合(例えば、ケースb、ケースc又はケースd)の操舵制御の制御ゲインを、第2隣接車線Ln2に第2隣接車両OV2が存在しない場合(ケースa)に比べて大きく設定してもよい。この構成において、例えばケースdにおいて自車両VAの運転者がハンドルを操作すると、走行支援ECU110は、自車両VAの横位置を目標軌跡TLに戻すための大きなトルクをステアリング機構に付与する。従って、運転者がハンドルの操作に対して大きな負荷を感じる。従って、自車両VAの横位置が目標軌跡TLに維持され易くなる。自車両VAが第2隣接車両OV2に接近するのを防ぐことができる。
【0072】
<実施例3>
図15を用いて、実施例3の構成を説明する。
図15は、補正値dc1に対して乗算する補正率Rcを求めるためのマップMP5である。第1状況において、走行支援ECU110は、補正値dc1(例えば、-0.4m)に対して補正率Rcを乗算することにより、自車両VAの横位置の最終的な補正値dcを求める(dc=dc1×Rc)。
【0073】
マップMP5は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車間時間Tinと、補正率Rcとの関係を定義している。走行支援ECU110は、自車両VAに対する第1隣接車両OV1の相対速度と距離Dxとに基づいて、車間時間Tinを演算することができる。車間時間Tinが5sの場合、これは、自車両VAが、第1隣接車両OV1の後方の比較的離れた位置に存在することを意味する。従って、補正率Rcは0%である。この場合、走行支援ECU110は、中央ラインLcに沿って走行する。車間時間Tinが小さくなると、補正率Rcは大きくなる。即ち、自車両VAが第1隣接車両OV1に近づくほど、最終的な補正値dcの大きさ(絶対値)が大きくなる。
【0074】
(処理の流れ)
実施例3における走行支援ECU110は、
図7及び
図8のルーチンを実行する。但し、ステップ714の処理が実施例1と異なる。走行支援ECU110は、ステップ714において、マップMP5を用いて補正率Rcを求める。走行支援ECU110は、補正値dc1に対して補正率Rcを乗算することにより、最終的な補正値dcを求める。走行支援ECU110は、補正値dcを用いてラインLofsを演算し、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。
【0075】
(効果)
上記構成によれば、走行支援ECU110は、車間時間Tinに応じて、自車両VAの横位置を中央ラインLcに対して右側へオフセットさせることができる。自車両VAが、第1隣接車両OV1に対してより大きく間隔を空けて第1隣接車両OV1の右側を通過する。運転者が不安に感じる可能性を低減することができる。更に、走行支援ECU110は、マップMP5を用いて、車間時間Tinに従って補正値dcを徐々に変更する。この構成によれば、車両VAの横位置を車間時間Tinに従って滑らかに変化させることができる。
【0076】
<実施例4>
第2状況において、自車両VAに対する第1隣接車両OV1の相対速度が比較的大きいと仮定する。この場合、第1隣接車両OV1が自車両VAの横を通過する際に、第1隣接車両OV1の通過により生じる風圧により自車両VAが横方向にふらつく可能性がある。従って、自車両VAの運転者が不安に感じる可能性もある。そこで、第2状況において、走行支援ECU110は、自車両VAに対する第1隣接車両OV1の相対速度Vrsを演算する。相対速度Vrsは、第1隣接車両OV1の速度V1と自車両VAの速度Vaとの差分である(Vrs=V1-Va)。相対速度Vrsが所定の速度閾値Vrth以上である場合、走行支援ECU110は、第1制御を実行する。これに対し、相対速度Vrsが所定の速度閾値Vrth未満である場合、走行支援ECU110は、第2制御を実行する。
【0077】
(処理の流れ)
図16は、実施例4における走行支援ECU110が実行するルーチンを示したフローチャートである。走行支援ECU110は、
図8のルーチンに代えて、
図16のルーチンを実行する。
図16のルーチンは、ステップ1601~ステップ1602が追加されている点において、
図8のルーチンと異なる。
図8と同じステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
図7のルーチンのステップ706において第2開始条件が成立すると、走行支援ECU110は、ステップ707を介して、ステップ1601に進む。走行支援ECU110は、相対速度Vrsが所定の速度閾値Vrth以上であるかを判定する(ステップ1601)。相対速度Vrsが所定の速度閾値Vrth以上である場合、走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ1602に進む。走行支援ECU110は、補正値dcを用いてラインLofsを演算し、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する(ステップ1602)。補正値dcは、「dc1(例えば、-0.4m)」であってよい。補正値dcは、上述したように距離Dx又は車間時間Tinに従って変化するように求められよい。このステップ以降の処理(ステップ718及びステップ719)は、
図8と同じである。
【0079】
一方、相対速度Vrsが所定の速度閾値Vrth以上でない場合、走行支援ECU110は、「No」と判定して、ステップ710、ステップ718及びステップ719を実行する。
【0080】
(効果)
上記構成によれば、相対速度Vrsが大きい場合には、走行支援ECU110は、目標軌跡TLを第1隣接車線Ln1から離れるように設定する第1制御を実行する。自車両VAと第1隣接車両OV1との間の間隔が大きくなる。第1隣接車両OV1が自車両VAの横を通過する際に、第1隣接車両OV1の通過により生じる風圧により自車両VAが横方向にふらつく可能性を低減できる。従って、自車両VAの運転者が不安に感じる可能性を低減できる。
【0081】
<実施例5>
図17を用いて、実施例5の構成を説明する。第1状況において、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越した時点にて、第1隣接車両OV1の前方に更に隣接車両OV3が存在する場合がある。この場合、自車両VAの横位置が一旦中央ラインLcに戻った後に、自車両VAの横位置が再度ラインLofs上に移動する。自車両VAが横方向にふらつくので、自車両VAの運転者が不安に感じる可能性がある。これを考慮して、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越した時点にて第1隣接車両OV1の前方に更に隣接車両OV3が存在する場合、走行支援ECU110は、第1制御を継続する。自車両VAの横位置がラインLofs上に維持される。自車両VAが横方向にふらつくのを防ぐことができる。
【0082】
(処理の流れ)
実施例5における走行支援ECU110は、
図7及び
図8のルーチンを実行する。但し、ステップ715の処理が実施例1と異なる。走行支援ECU110は、ステップ715において、以下の第1終了条件が成立するかを判定する。本例の第1終了条件は、条件B1及び条件B2の両方が成立したときに成立する。
(条件B1):距離Dx ≧ 第2距離閾値Dxth2(所定の正の値)
(条件B2):第1隣接車両OV1の前方の所定の距離範囲以内に別の隣接車両が存在しない。
【0083】
(効果)
上記構成によれば、第1隣接車両OV1の前方に更に隣接車両OV3が存在する場合、走行支援ECU110は、第1制御を継続する。自車両VAが横方向にふらつくのを防ぐことができる。自車両VAの運転者が不安に感じる可能性を低減できる。
【0084】
<実施例6>
第1状況において、自車両VAの速度Vaが第1隣接車両OV1の速度V1よりもかなり大きい場合、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越すまでのかかる時間が小さい。第1制御により自車両VAが短い時間で横方向に移動すると、自車両VAの運転者が不安に感じる可能性がある。これを考慮して、第1状況において、走行支援ECU110は、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越すまでのかかる時間Tovを演算する。時間Tovが所定の時間閾値Toth以下である場合、走行支援ECU110は、自車両VAの現在の横位置を維持する。
【0085】
(処理の流れ)
図18は、実施例6における走行支援ECU110が実行するルーチンを示したフローチャートである。走行支援ECU110は、
図8のルーチンに代えて、
図18のルーチンを実行する。
図18のルーチンは、ステップ1801~ステップ1802が追加されている点において、
図8のルーチンと異なる。なお、
図8と同じステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
第1開始条件が成立すると(ステップ712)、走行支援ECU110は、ステップ713を実行して、ステップ1801に進む。走行支援ECU110は、時間Tovが時間閾値Toth以下であるかを判定する(ステップ1801)。時間Tovが時間閾値Toth以下である場合、走行支援ECU110は、「Yes」と判定してステップ1802に進む。走行支援ECU110は、自車両VAの現在の横位置が維持されるように、目標軌跡TLを補正する。このステップ以降の処理(ステップ718及びステップ719)は、
図8と同じである。
【0087】
一方で、時間Tovが時間閾値Toth以下でない場合、走行支援ECU110は、「No」と判定してステップ714に進む。このステップ以降の処理(ステップ714、ステップ718及びステップ719)は、
図8と同じである。
【0088】
(効果)
上記構成によれば、走行支援ECU110は、第1制御の実行中において時間Tovが時間閾値Toth以下である場合、自車両VAの現在の横位置が維持されるように、目標軌跡TLを補正する。従って、自車両VAの横方向の移動が抑制される。自車両VAの運転者が不安に感じる可能性を低減できる。
【0089】
<実施例7>
図19を用いて、実施例7の構成を説明する。車両周辺センサ140の精度が低い場合がある。走行支援ECU110は、現在の状況が第1状況であるかを精度良く行うために、以下に定義する信頼度DRを用いる。信頼度DRは、自車両VAと第1隣接車両OV1との接近度合の確からしさを表す指標である。走行支援ECU110は、距離Dyを用いて信頼度DRを演算する。
図19に示すように、距離Dyは、第1隣接車両OV1と、自車線Ln0と第1隣接車線Ln1との境界を表す左区画線LLとの間の距離である。距離Dyは、正の値として演算される。
【0090】
走行支援ECU110は、所定の周期dT(例えば、50ms)で、
図20のテーブルに従って信頼度DRを加算、減算又は維持する。本例において、信頼度DRの上限値は「20」であり、信頼度DRの下限値は「0」である。なお、
図20において、Dy1<Dy2<Dy3である。走行支援ECU110は、第1隣接車両OV1を検出すると、信頼度DRの演算を開始する。信頼度DRは、最初の時点で「0」である。
【0091】
Dy<Dy1の場合、走行支援ECU110は、信頼度DRを「2.0」だけ加算する。Dy1≦Dy≦Dy2の場合、走行支援ECU110は、信頼度DRを「1.0」だけ加算する。Dy2≦Dy≦Dy3の場合、走行支援ECU110は、現在の信頼度DRを維持する。Dy3<Dyの場合、走行支援ECU110は、信頼度DRを「1.0」だけ減算する。
【0092】
走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第1制御の開始を判定する。本例において、第1開始条件は、(i)第1隣接車両OV1が自車両VAの前方に存在し、(ii)自車両VAの速度Vaが第1隣接車両OV1の速度V1よりも大きく、且つ、(iii)信頼度DRが「20」に到達したときに、成立する。同様に、走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第2制御の開始を判定する。本例において、第2開始条件は、(i)第1隣接車両OV1が自車両VAの後方に存在し、(ii)第1隣接車両OV1の速度V1が自車両VAの速度Vaよりも大きく、且つ、(iii)信頼度DRが「20」に到達したときに、成立する。
【0093】
走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第1制御の終了を判定してもよい。本例において、走行支援ECU110は、第1制御を開始した後に、信頼度DRを徐々に減少させる。第1終了条件は、信頼度DRが所定の値(例えば、0~10の間の任意の値)に到達したときに成立する。同様に、走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第2制御の終了を判定してもよい。本例において、走行支援ECU110は、第2制御を開始した後に、信頼度DRを徐々に減少させる。第2終了条件は、信頼度DRが所定の値(例えば、0~10の間の任意の値)に到達したときに成立する。
【0094】
(効果)
上記構成によれば、走行支援ECU110は、距離Dyの変化に応じて、第1状況又は第2状況を判定する。車両周辺センサ140の精度が低い場合でも、ノイズ等による影響を受けにくく、判定結果のチャタリングも無くすことができる。現在の状況が第1状況又は第2状況であるかの判定精度を向上させることができる。
【0095】
(変形例)
信頼度DRは、上記の例に限定されず、自車両VAに対する第1隣接車両OV1の相対速度、及び/又は、自車両VAと第1隣接車両OV1との間の車両前後方向における距離Dxを用いて演算されてもよい。
【0096】
走行支援ECU110は、所定の周期dT(例えば、50ms)で、
図21のテーブルに従って信頼度DRを加算、減算又は維持してもよい。
図21のテーブルは、第1状況を判定するために使用されるテーブルであり、距離Dxが負の値の状況で使用される。
図21において、Dx1及びDx2は共に負の値であり、Dx1>Dx2である。このテーブルによれば、自車両VAが第1隣接車両OV1の後方から第1隣接車両OV1に近づいていくほど、信頼度DRが大きくなる。一方で、自車両VAが第1隣接車両OV1の後方に存在する状況において減速し、これにより、自車両VAが第1隣接車両OV1から徐々に離れると仮定する。この場合、信頼度DRが小さくなる。本例において、信頼度DRの上限値は「20」であり、信頼度DRの下限値は「0」である。走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第1制御の開始を判定する。第1開始条件は、信頼度DRが「20」に到達したときに成立する。更に、走行支援ECU110は、信頼度DRを用いて第1制御の終了を判定する。走行支援ECU110は、第1制御を開始した後に、信頼度DRを徐々に減少させる。第1終了条件は、信頼度DRが所定の値(例えば、0~10の間の任意の値)に到達したときに成立する。この構成によれば、走行支援ECU110は、距離Dxの変化に応じて、第1状況を判定するように構成されている。車両周辺センサ140の精度が低い場合でも、第1状況の判定精度を向上させることができる。なお、走行支援ECU110は、同様の方法を用いて、第2状況を判定してもよい。
【0097】
<実施例8>
図22を用いて、実施例8の構成を説明する。走行支援ECU110は、第1状況を判定するために、自車両VAの前方で且つ第1隣接車線Ln1内に、第1領域A1を設定してもよい。第1領域A1は、自車両VAが追い越すことになる第1隣接車両OV1が存在するかを判定するための領域である。走行支援ECU110は、第1領域A1内に第1隣接車両OV1が進入したときに、第1制御を開始してもよい。走行支援ECU110は、第1領域A1から第1隣接車両OV1が出たときに、第1制御を終了してもよい。
【0098】
走行支援ECU110は、自車両VAの速度Vaに応じて、第1領域A1の前後方向における長さLx1を変更してもよい。例えば、速度Vaが大きいほど、長さLx1をより大きく設定してもよい。
【0099】
更に、走行支援ECU110は、自車両VAの走行曲率に応じて、第1領域A1の前後方向における長さLx1を変更してもよい。
【0100】
別の例において、
図23に示すように、自車両VAが第1隣接車両OV1を追い越そうとしており、且つ、第2隣接車両OV2が自車両VAを追い越そうとしていると仮定する。この場合、走行支援ECU110は、第2隣接車線Ln2内に、第2領域A2を設定してもよい。第2領域A2は、ケースdを判定するために使用される。即ち、第1隣接車両OV1が第1領域A1内に存在し、且つ、第2隣接車両OV2が第2領域A2内に存在する場合、走行支援ECU110は、ケースdに対する処理を実行する。走行支援ECU110は、
図13に示すマップMP4に従って補正値dcを求める。走行支援ECU110は、中央ラインLcに対して右側に「dc4」だけオフセットしたラインLofsを演算する。走行支援ECU110は、ラインLofsを目標軌跡TLとして設定する。
【0101】
第2領域A2は、自車両VAの前方の位置から、自車両VAの後方の位置まで延びる。第2領域A2の前後方向における長さLx2は、第1領域A1の前後方向における長さLx1よりも小さく、従って、第2領域A2は、第1領域A1よりも小さい領域である。なお、第2領域A2の前側の端部A2_fは、第1領域A1の前側の端部A1_fに比べて自車両VAに近い。この構成によれば、走行支援ECU110は、ケースdを精度良く判定することができる。
【0102】
走行支援ECU110は、自車両VAの速度Vaに応じて、第2領域A2の前後方向における長さLx2を変更してもよい。
【0103】
更に、走行支援ECU110は、自車両VAの走行曲率に応じて、第2領域A2の前後方向における長さLx2を変更してもよい。
【0104】
なお、以上説明した実施例はあくまで一例であり、本開示の技術的思想の範囲は、上述の構成に限定されない。本開示の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本開示の範囲内に含まれる。
【0105】
上記の実施例及びそれらの変形例は、自車両VAが第2隣接車線Ln2を走行する第2隣接車両OV2を追い越す第1状況、及び、自車両VAが第2隣接車両OV2に追い越される第2状況にも適用可能である。
【0106】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0107】
110…走行支援ECU、120…操舵ECU、130…操舵アクチュエータ、140…車両周辺センサ、150…車速センサ