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特開2022-187863通信装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置
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  • 特開-通信装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置 図1
  • 特開-通信装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187863
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】通信装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20221213BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221213BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20221213BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20221213BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W84/12
H04W4/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096072
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パテル カヴィタ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067FF23
5K067HH21
(57)【要約】
【課題】通信装置のユーザの利便性を向上させ得る技術を提供する。
【解決手段】通信装置は、第1の無線インターフェースと、第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、第3の無線インターフェースと、を備える。通信装置は、第1の無線インターフェースを介して第1の無線接続が確立されることに応じて、第2の無線インターフェースの動作状態を第1の状態から第2の状態に移行させた後に、第2の無線インターフェースを介して端末装置との第2の無線接続が確立される場合に、第2の無線接続を利用して、端末装置から、第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを受信する。通信装置は、第1のSSIDと第1のパスワードとを利用して、第3の無線インターフェースを介して、第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
Wi-Fi規格とは異なる第1の規格に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の規格及び前記Wi-Fi規格とは異なる第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
前記Wi-Fi規格に従った無線通信を実行するための第3の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースを介して端末装置との第1の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線インターフェースの動作状態を第1の状態から第2の状態に移行させる第1の移行部であって、前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との第2の無線接続を確立不可能な状態であり、前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との前記第2の無線接続を確立可能な状態である、前記第1の移行部と、
前記第2の無線インターフェースの動作状態が前記第1の状態から前記第2の状態に移行されることに応じて、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して、第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを受信する設定情報受信部と、
前記端末装置から前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとが受信される場合に、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとを利用して、前記第3の無線インターフェースを介して、前記第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立する第1の確立部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記第2の規格は、Bluetooth(登録商標)規格であり、
前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースがアドバタイズ信号の通信を実行しない状態、又は、前記アドバタイズ信号の通信を実行しても前記第2の無線接続を確立しない状態であり、
前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号の通信を実行することに応じて前記第2の無線接続を確立可能な状態である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号を送信しない状態であり、
前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号を送信する状態である、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、さらに、
前記端末装置から前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとが受信される場合に、前記第2の無線インターフェースの動作状態を前記第2の状態から前記第1の状態に移行させる第2の移行部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1の確立部は、前記第2の無線インターフェースの動作状態が前記第2の状態から前記第1の状態に移行した後に、前記アクセスポイントとの前記第1のWi-Fi接続を確立する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、さらに、
前記第2の無線インターフェースの動作状態が前記第1の状態から前記第2の状態に移行された後に、前記端末装置との前記第2の無線接続が確立されることなく、前記端末装置から、前記第3の無線インターフェースを介して、第2のWi-Fi接続の確立を要求する要求信号が受信される場合に、前記第3の無線インターフェースを介して、前記端末装置との前記第2のWi-Fi接続を確立する第2の確立部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1の無線インターフェースは、前記第1の無線接続を利用して、前記通信装置が親局として動作する第2の無線ネットワークの第2のSSIDと第2のパスワードとを前記端末装置に送信し、
前記第2のSSIDと前記第2のパスワードとは、前記通信装置との前記第2のWi-Fi接続を確立するために、前記端末装置によって利用される、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、さらに、
前記第3の無線インターフェースを介して、前記端末装置との前記第2のWi-Fi接続が確立される場合に、前記第2の無線インターフェースの動作状態を前記第2の状態から前記第1の状態に移行させる第3の移行部を備える、請求項6又は7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1の規格は、Near Field Communication規格である、請求項1から8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
Wi-Fi規格とは異なる第1の規格に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の規格及び前記Wi-Fi規格とは異なる第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
前記第1の無線インターフェースを介して通信装置との第1の無線接続が確立されることに応じて、前記第2の無線インターフェースを介して前記通信装置との第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記Wi-Fi規格に従った第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを前記通信装置に送信する設定情報送信部であって、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとは、前記第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立するために、前記通信装置によって利用される、前記設定情報送信部として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項11】
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記通信装置と前記アクセスポイントとの間に前記第1のWi-Fi接続を確立させるための第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部として機能させ、
前記設定情報送信部は、前記第1の画面が前記表示部に表示されている状態において、前記通信装置との前記第1の無線接続が確立されることに応じて、前記通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとを前記通信装置に送信する、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記端末装置は、さらに、
表示部と、
前記Wi-Fi規格に従った第3の無線インターフェースと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記通信装置と前記端末装置との間に前記アクセスポイントを介さない第2のWi-Fi接続を確立させるための第2の画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
前記第2の画面が前記表示部に表示されている状態において、前記通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記端末装置との前記第2の無線接続が確立されることなく、前記第3の無線インターフェースを介して前記通信装置との前記第2のWi-Fi接続を確立するための処理を実行する確立処理実行部と、
として機能する、請求項10又は11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の無線接続を利用して、前記通信装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置が親局として動作する第2の無線ネットワークの第2のSSIDと第2のパスワードとを受信する受信部として機能させ、
前記確立処理実行部は、前記第2のSSIDと前記第2のパスワードとを利用して、前記通信装置との前記第2のWi-Fi接続を確立するための処理を実行する、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記第2の規格は、Bluetooth(登録商標)規格であり、
前記第2の無線インターフェースがアドバタイズ信号の通信を前記通信装置と実行した後に、前記通信装置との前記第2の無線接続が確立される、請求項10から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記第2の無線インターフェースが前記通信装置から前記アドバタイズ信号を受信した後に、前記通信装置との前記第2の無線接続が確立される、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記アドバタイズ信号は、前記通信装置を識別する識別情報を含み、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第2の無線インターフェースが前記通信装置から前記アドバタイズ信号を受信する場合に、前記識別情報を含む選択画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部として機能させ、
前記選択画面において前記識別情報がユーザによって選択される場合に、前記通信装置との前記第2の無線接続が確立される、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線インターフェースの動作状態を第1の状態から第2の状態に移行させる移行部であって、前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記通信装置との前記第2の無線接続を確立不可能な状態であり、前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との前記第2の無線接続を確立可能な状態である、前記移行部として機能させる、請求項10から16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記第2の規格は、Bluetooth(登録商標)規格であり、
前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースがアドバタイズ信号の通信を実行しない状態、又は、前記アドバタイズ信号の通信を実行しても前記第2の無線接続を確立しない状態であり、
前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号の通信を実行することに応じて前記第2の無線接続を確立可能な状態である、請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号を受信しない状態、又は、前記アドバタイズ信号を受信しても前記第2の無線接続を確立しない状態であり、
前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースが前記アドバタイズ信号を受信することに応じて前記第2の無線接続を確立可能な状態である、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
端末装置であって、
Wi-Fi規格とは異なる第1の規格に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の規格及び前記Wi-Fi規格とは異なる第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースを介して通信装置との第1の無線接続が確立されることに応じて、前記第2の無線インターフェースを介して前記通信装置との第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記Wi-Fi規格に従った第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを前記通信装置に送信する設定情報送信部であって、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとは、前記第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立するために、前記通信装置によって利用される、前記設定情報送信部と、
を備える、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置を利用して、通信装置とアクセスポイントとの間にWi-Fi接続を確立させる技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報処理装置と通信装置を含む通信システムが開示されている。情報処理装置は、近距離無線通信部を介してBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)接続要求を通信装置に送信し、通信装置とのBLE接続を確立する。そして、情報処理装置は、通信装置とGATT通信を実行することによって、通信装置が接続しているアクセスポイントの情報(SSID、パスワード等)を含むネットワーク情報を取得する。これにより、情報処理装置は、ネットワーク情報を利用して、アクセスポイントとの無線接続を確立することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-184169号公報
【特許文献2】特開2019-36319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、通信装置のユーザの利便性を向上させ得る技術を提供する。
【0005】
本明細書では、通信装置を開示する。前記通信装置は、Wi-Fi規格とは異なる第1の規格に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、前記第1の規格及び前記Wi-Fi規格とは異なる第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、前記Wi-Fi規格に従った無線通信を実行するための第3の無線インターフェースと、前記第1の無線インターフェースを介して端末装置との第1の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線インターフェースの動作状態を第1の状態から第2の状態に移行させる第1の移行部であって、前記第1の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との第2の無線接続を確立不可能な状態であり、前記第2の状態は、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との前記第2の無線接続を確立可能な状態である、前記第1の移行部と、前記第2の無線インターフェースの動作状態が前記第1の状態から前記第2の状態に移行されることに応じて、前記第2の無線インターフェースを介して前記端末装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して、第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを受信する設定情報受信部と、前記端末装置から前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとが受信される場合に、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとを利用して、前記第3の無線インターフェースを介して、前記第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立する第1の確立部と、を備えてもよい。
【0006】
この構成によると、通信装置は、ユーザから通信装置の操作部に対する操作を受け付けなくても、第1の無線インターフェースを介して端末装置との第1の無線接続を確立する場合に、第2の無線インターフェースの動作状態を第1の状態から第2の状態に移行させる。この結果、通信装置は、第2の無線インターフェースを介して端末装置との第2の無線接続を確立することができ、第2の無線接続を利用して、端末装置から第1の無線ネットワークの第1のSSIDと第1のパスワードとを受信することができる。従って、通信装置は、第3の無線インターフェースを介して、第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立することができる。このために、通信装置のユーザの利便性を向上させ得る。
【0007】
また、本明細書では、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。前記端末装置は、Wi-Fi規格とは異なる第1の規格に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、第1の規格及び前記Wi-Fi規格とは異なる第2の規格に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、コンピュータと、を備えてもよい。前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、前記第1の無線インターフェースを介して通信装置との第1の無線接続が確立されることに応じて、前記第2の無線インターフェースを介して前記通信装置との第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記Wi-Fi規格に従った第1の無線ネットワークの第1のSSID(Service Set Identifierの略)と第1のパスワードとを前記通信装置に送信する設定情報送信部であって、前記第1のSSIDと前記第1のパスワードとは、前記第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立するために、前記通信装置によって利用される、前記設定情報送信部として機能させてもよい。
【0008】
この構成によると、端末装置は、第1の無線インターフェースを介して通信装置との第1の無線接続を確立することに応じて、第2の無線インターフェースを介して通信装置との第2の無線接続を確立する場合に、第2の無線接続を利用して、第1の無線ネットワークの第1のSSIDと第1のパスワードとを通信装置に送信する。従って、通信装置は、ユーザから通信装置の操作部に対する操作を受け付けなくても、端末装置との第1の無線接続を確立する場合に、端末装置との第2の無線接続を確立して、端末装置から第1のSSIDと第1のパスワードとを受信することができる。従って、通信装置は、第1の無線ネットワークの親局として動作するアクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立することができる。このために、通信装置のユーザの利便性を向上させ得る。
【0009】
上記の通信装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体、及び、通信装置によって実行される方法も新規で有用である。上記の端末装置のためのコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体、端末装置そのもの、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、上記の通信装置と端末装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】プリンタとアクセスポイントとの間にWi-Fi接続を確立するための処理のシーケンス図を示す。
図3】プリンタと携帯端末との間にWi-Fi接続を確立するための処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、携帯端末10(以下では単に「端末10」と記載する)と、プリンタ100と、アクセスポイント200と、を備える。以下では、アクセスポイントのことを「AP(Access Pointの略)」と記載する。端末10は、AP200との無線接続、即ち、Wi-Fi規格に従った無線接続(以下では「Wi-Fi接続」と記載する)を確立している。AP200は、AP200によって形成される無線ネットワークを識別するSSID(Service Set Identifierの略)「ap01」と、当該無線ネットワークで利用されるパスワード「xxx」と、を記憶する。本実施例では、端末10を利用して、プリンタ100とAP200との間、又は、プリンタ100と端末10との間にWi-Fi接続を確立させること(以下では「セットアップ」と記載することがある)を実現する。
【0012】
(端末10の構成)
端末10は、携帯端末(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。変形例では、端末10は、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。端末10は、表示部12と、Wi-Fiインターフェース14と、BT(Bluetooth(登録商標)の略)インターフェース16と、NFCインターフェース18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェースのことを単に「I/F」と記載する。
【0013】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。
【0014】
Wi-FiI/F14は、Wi-Fi規格に従った無線通信(以下では「Wi-Fi通信」と記載する)を実行するための無線インターフェースである。Wi-Fi規格は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Incの略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n,11ac等)である。
【0015】
BTI/F16は、BT規格に従った無線通信(以下では「BT通信」と記載する)を実行するためのI/Fである。BT規格は、例えば、IEEE802.15.1の規格、及び、それに準ずる規格である。より具体的に言うと、BTI/F16は、BLE(Bluetooth Low Energyの略)をサポートしている。BLEは、BTの規格バージョン4.0以降のバージョンで実現されている。
【0016】
Wi-Fi通信とBT通信との相違点を記述しておく。Wi-Fiの通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、BT通信の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。Wi-Fiの通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。BT通信における搬送波の周波数は、2.4GHzである。即ち、Wi-Fi通信における搬送波の周波数として5.0GHz帯が採用される場合には、Wi-Fi通信における搬送波の周波数と、NFC通信における搬送波の周波数とは異なる。また、Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、BT通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。
【0017】
NFCI/F18は、NFC規格に従った無線通信(以下では「NFC通信」と記載する)を実行するためのI/Fである。NFC方式は、例えば、ISO/IEC14443、15693、18092等の国際照準規格に基づく無線通信方式である。
【0018】
BT通信とNFC通信との相違点を記述しておく。BT通信の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)は、NFC通信の通信速度(例えば最大の通信速度が、100~424Kbps)よりも速い。BT通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯である。NFC通信における搬送波の周波数は、13.56GHzである。即ち、BT通信における搬送波の周波数と、NFC通信における搬送波の周波数とは異なる。また、BT通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)は、NFC通信を実行可能な最大の距離(例えば約10cm)よりも大きい。
【0019】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36,38に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、OS(Operating Systemの略)プログラム36(以下では単に「OS36」と記載する)とプリントアプリケーション38(以下では単に「アプリ38」と記載する)とを記憶する。メモリ34は、さらに、AP200によって形成される無線ネットワークを識別するSSID(Service Set Identifierの略)「ap01」と、当該無線ネットワークで利用されるパスワード「xxx」と、を記憶する。
【0020】
OS36は、端末10の基本的な動作を制御するためのプログラムであり、例えば、i
OS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)等である。アプリ38は、例えば、プリンタ100等のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末10にインストールされてもよいし、プリンタ100等と共に出荷されるメディアから端末10にインストールされてもよい。
【0021】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末10の周辺装置)である。プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能器であってもよい。プリンタ100は、表示部112と、Wi-FiI/F114と、BTI/F116と、NFCI/F118と、印刷実行部120と、操作部122と、制御部130と、を備える。
【0022】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。Wi-FiI/F114は、端末10のWi-FiI/F14と同様である。BTI/F116は、端末10のBTI/F16と同様である。NFCI/F118は、端末10のNFCI/F18と同様である。
【0023】
印刷実行部120は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。操作部122は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部122を操作することによって、様々な指示をプリンタ100に入力することができる。
【0024】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ134には、さらに、プリンタ100に割り当てられたデバイス名「dv1」が記憶されている。
【0025】
(接続処理;図2及び図3
図2図3を参照して、プリンタ100とAP200との間にWi-Fi接続を確立させるための処理(図2参照)、及び、プリンタ100と端末10との間にWi-Fi接続を確立させる処理(図3参照)を説明する。図2及び図3の初期状態では、端末10は、AP200とのWi-Fi接続を確立している。
【0026】
以下では、理解の容易化のために、端末10のCPU32がOS36又はアプリ38に従って実行する処理を説明する際に、CPU32を主体として記載するのではなく、端末10を主体として記載する。また、プリンタ100のCPU132がプログラム136によって実行する処理を説明する際に、CPU132を主体として記載するのではなく、プリンタ100を主体として記載する。図2及び図3の図面では、BT通信、Wi-Fi通信、NFC通信を、それぞれ、太い実線、細い実線、破線で表現している。
【0027】
(ケースA;図2
プリンタ100は、T10において、電源をONする操作を受け付ける。これにより、プリンタ100の電源がONされる。
【0028】
端末10は、T20において、ユーザからアプリ38を起動するための操作を受け付けることに応じて、T22において、選択画面を表示部12に表示させる。選択画面は、プリンタ100とAP200との間にWi-Fi接続を確立させるためのボタンB1と、プリンタ100と端末10との間にWi-Fi接続を確立させるためのボタンB2と、を含む。本ケースAでは、端末10は、T24において、ユーザからボタンB1を選択する操作を受け付ける。後述の図3のケースBでは、ボタンB2が選択される。
【0029】
端末10は、T24において、ボタンB1を選択する操作を受け付けると、T26において、指示画面を表示部12に表示させる。指示画面は、プリンタ100とAP200との間にWi-Fi接続を確立させるための画面である。指示画面は、プリンタとAPとを接続する旨のメッセージと、端末10をプリンタ100にタップすべき(即ち近づけるべき)ことを促すメッセージと、を含む。このために、ユーザは、端末10をプリンタ100にタップすべきことを知ることができる。
【0030】
T28において、ユーザが端末10をプリンタ100に近づけると、T30において、端末10のNFCI/F18とプリンタ100のNFCI/F118との間にNFC接続が確立される。この場合、プリンタ100は、T31において、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式のG/O(Group Ownerの略)に移行する。
【0031】
次いで、プリンタ100は、T32において、NFC接続を利用して、SSID「pr01」とパスワード「yyy」とを端末10に送信する。ここで送信されるSSID「pr01」及びパスワード「yyy」は、プリンタ100がWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式のG/O(Group Ownerの略)として動作する無線ネットワークのSSID及びパスワードである。ただし、本ケースAでは、端末10とプリンタ100との間にWFD方式に従ったWi-Fi接続が確立されない。このために、SSID「pr01」及びパスワード「yyy」は、端末10によって利用されない。
【0032】
プリンタ100は、T30において、NFC接続が確立されると、さらに、T34において、BT規格に従ったアドバタイズ信号を繰り返し送信することを開始する。即ち、BTI/F116は、アドバタイズ信号を送信しない状態から、アドバタイズ信号を送信する状態に移行する。これにより、プリンタ100は、BTI/F116の状態を、BTI/F116を介して、端末10との後述のL2CAP Link(即ちBT接続)を確立不可能な状態から、BT接続を確立可能な状態に移行させる。このように、プリンタ100は、端末10とのNFC接続が確立されるまで、BT接続を確立可能な状態に移行しない。このために、BT接続を確立可能な状態、即ち、本実施例ではアドバタイズ信号を送信する状態を常に維持する構成と比べて、BTI/F116の通信負荷が軽減される。T34で送信されるアドバタイズ信号は、プリンタ100のデバイス名「dv1」を含む。
【0033】
端末10は、T30において、プリンタ100とのNFC接続を確立すると、T34において、アドバタイズ信号のスキャンをBTI/F16に実行させる。即ち、BTI/F16は、アドバタイズ信号を受信しない状態から、アドバタイズ信号を受信する状態に移行する。これにより、端末10は、BTI/F16の状態を、BTI/F16を介して、プリンタ100とのBT接続を確立不可能な状態から、BT接続を確立可能な状態に移行させる。このように、端末10は、プリンタ100とのNFC接続が確立されるまで、BT接続を確立可能な状態に移行しない。このために、BT接続を確立可能な状態、即ち、本実施例ではアドバタイズ信号を受信する状態を常に維持する構成と比べて、BTI/F16の通信負荷が軽減される。
【0034】
端末10は、T34において、プリンタ100からデバイス名「dv1」を含むアドバタイズ信号を受信すると、T40において、デバイス確認画面を表示部12に表示させる。デバイス確認画面は、受信済みのアドバタイズ信号内のデバイス名「dv1」と、接続ボタンと、を含む。端末10は、T42において、ユーザからデバイス確認画面内の接続ボタンを選択する操作を受け付けると、T44において、BTI/F16を介して、CONNECT_IND信号をプリンタ100に送信する。
【0035】
プリンタ100は、T44において、端末10からCONNECT_IND信号を受信すると、T50において、BTI/F116を介して、端末10とのBT接続を確立する。
【0036】
端末10は、T50において、BT接続が確立されることに応じて、T60において、パスワード入力画面を表示部12に表示させる。パスワード入力画面は、メモリ34に記憶されているSSID「ap01」(即ち、端末10が現在所属している無線ネットワークのSSID(即ちAP200のSSID))と、パスワード入力領域と、を含む。このために、ユーザは、プリンタ100がWi-Fi接続を確立すべきAP200のSSID「ap01」を確認できるとともに、パスワードを入力することができる。
【0037】
端末10は、T62において、ユーザからパスワード「xxx」の入力を受け付けると、T64において、BT接続を利用して、SSID「ap01」と入力済みのパスワード「xxx」とをプリンタ100に送信する。
【0038】
プリンタ100は、T64において、BT接続を利用して、端末10からSSID「ap01」とパスワード「xxx」とを受信すると、T66において、アドバタイズ信号の送信を停止する。これにより、プリンタ100は、BTI/F116の状態を、BTI/F116を介して、端末10とのBT接続を確立可能な状態から、BT接続を確立不可能な状態に移行させる。このように、プリンタ100は、予め決められているデータ(即ちAP200のSSID「ap01」及びパスワード「xxx」)を受信した後に、アドバタイズ信号を送信し続けずに済む。このために、BTI/F116の通信負荷が軽減される。
【0039】
そして、プリンタ100は、T70において、SSID「ap01」とパスワード「xxx」とを利用して、AP200とのWi-Fi接続を確立する。具体的には、プリンタ100は、Probe、Authentication、Association、4-Way Handshake等の各種通信を実行する。これらの各種通信の過程において、SSID「ap01」とパスワード「xxx」とを利用した通信が実行され、SSID「ap01」とパスワード「xxx」との認証がAP200によって実行される。この認証が成功すると、プリンタ100は、AP200とのWi-Fi接続を確立することができる。
【0040】
上述のように、端末10は、端末10が現在所属している無線ネットワークにプリンタ100を所属させることができる。これにより、端末10は、当該無線ネットワークを利用して(即ちAP200を介して)、印刷対象の画像を表わす画像データをプリンタ100に送信して、プリンタ100に印刷を実行させることができる。
【0041】
(ケースB;図3
続いて、図3を参照して、プリンタ100と端末10との間にWi-Fi接続を確立させるケースBの処理を説明する。
【0042】
図3のT10~T22は、図2のT10~T22と同じ処理である。その後、端末10は、T124において、ユーザから選択画面内のボタンB2の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T126において、指示画面を表示する。当該指示画面は、図2の指示画面とは異なり、プリンタ100と端末10との間にAP200を介さないWi-Fi接続(即ちWFD接続)を確立させるための画面である。指示画面は、プリンタと直接接続する旨のメッセージと、端末10をプリンタ100にタップすべき(即ち近づけるべき)ことを促すメッセージと、を含む。その後のT28~T34は、図2のT28~T34と同じ処理である。
【0043】
端末10は、T32において、NFC接続を利用して、プリンタ100からSSID「pr01」とパスワード「yyy」とを受信すると、プリンタ100とのBT接続を確立することなく、T140において、SSID「pr01」とパスワード「yyy」とを利用して、プリンタ100とのWFD接続を確立する。具体的には、端末10は、Probe、Authentication、Association、4-Way Handshake等の各種通信をプリンタ100と実行する。これらの各種通信の過程において、端末10は、SSID「pr01」を送信先として含む要求信号(例えば、Authentication Request、Association Request等)をプリンタ100に送信する。また、これらの各種通信の過程において、SSID「pr01」とパスワード「yyy」とを利用した通信が実行され、SSID「pr01」とパスワード「yyy」との認証がプリンタ100によって実行される。この認証が成功すると、端末10は、プリンタ100とのWFD接続を確立することができる。
【0044】
プリンタ100は、端末10とのBT接続を確立することなく、T140において、端末10からSSID「pr01」を送信先として含む上記の要求信号を受信することに応じて、端末10とのWFD接続を確立する。この場合、プリンタ100は、T142において、アドバタイズ信号の送信を停止する。これにより、プリンタ100は、BTI/F116の状態を、BTI/F116を介して、端末10とのBT接続を確立可能な状態から、BT接続を確立不可能な状態に移行させる。このように、プリンタ100は、端末10とのWFD接続を確立した後に、アドバタイズ信号を送信し続けずに済む。このために、BTI/F116の通信負荷が軽減される。
【0045】
上述のように、端末10は、AP200を介さずに、プリンタ100がG/Oとして動作する無線ネットワークに所属することができる。これにより、端末10は、当該無線ネットワークを利用して(即ちAP200を介さずに)、印刷対象の画像を表わす画像データをプリンタ100に送信して、プリンタ100に印刷を実行させることができる。
【0046】
(本実施例の効果)
本実施例によると、プリンタ100は、ユーザからプリンタ100の操作部122に対する操作を受け付けなくても、端末10とのNFC接続を確立する場合(図2のT30)に、BTI/F116の状態を、端末10とのBT接続を確立不可能な状態から、BT接続を確立可能な状態に移行させる(T34)。この結果、プリンタ100は、端末10とのBT接続を確立することができ(T50)、端末10からAP200のSSID「ap01」とパスワード「xxx」とを受信することができる(T64)。従って、プリンタ100は、AP200とのWi-Fi接続を確立することができる(T70)。このように、プリンタ100のユーザがプリンタ100の操作部122を操作してBTI/F116の状態を変更せずに済むので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0047】
また、端末10は、プリンタ100とのNFC接続(図2のT30及び図3のT30)を確立した際に表示部12に表示されている指示画面の種類(図2のT26、図3のT126)に応じて、異なるセットアップ処理を実行する。このために、ユーザは、端末10に表示される選択画面(図2のT22)において所望のセットアップを選択すれば、プリンタ100の操作部122を操作しなくても、当該所望のセットアップを実行することができる。
【0048】
(対応関係)
プリンタ100、端末10が、それぞれ、「通信装置」、「端末装置」の一例である。NFC方式、BT方式が、それぞれ、「第1の規格」、「第2の規格」の一例である。NFCI/F118(又はNFCI/F18)、BTI/F116(又はBTI/F16)、Wi-FiI/F114(又はWi-FiI/F14)が、それぞれ、「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」、「第3の無線インターフェース」の一例である。図2のT30又は図3のT30が、「第1の無線接続」の一例である。図2のT50が、「第2の無線接続」の一例である。AP200が親局として動作する無線ネットワーク、SSID「ap01」、パスワード「xxx」が、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第1のSSID」、「第1のパスワード」の一例である。図2のT70のWi-Fi接続、図3のT140のWDF接続が、それぞれ、「第1のWi-Fi接続」、「第2のWi-Fi接続」の一例である。プリンタ100がG/Oとして動作する無線ネットワーク、SSID「pr01」、パスワード「yyy」が、それぞれ、「第2の無線ネットワーク」、「第2のSSID」、「第2のパスワード」の一例である。
【0049】
図2のT26の指示画面、図3のT126の指示画面が、それぞれ、「第1の画面」、「第2の画面」の一例である。デバイス名「dv1」、デバイス確認画面が、それぞれ、「識別情報」、「選択画面」の一例である。
【0050】
「通信装置」に関する対応関係は、以下の通りである。図2のT34、T66、が、それぞれ、「第1の移行部」、「第2の移行部」によって実現される処理の一例である。T64、T70が、それぞれ、「設定情報受信部」、「第1の確立部」によって実現される処理の一例である。図3のT140、T142が、それぞれ、「第2の確立部」、「第3の移行部」によって実現される処理の一例である。
【0051】
「端末装置」に関する対応関係は、以下の通りである。図2のT26、T34、T40、T64が、それぞれ、「第1の表示制御部」、「移行部」、「第3の表示制御部」、「設定情報送信部」によって実現される処理の一例である。図3のT32、T126、T140が、それぞれ、「受信部」、「第2の表示制御部」、「確立処理実行部」によって実現される処理の一例である。
【0052】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0053】
(変形例1)端末10は、T62において、端末10が現在所属している無線ネットワークのAP200のSSID「ap01」及びパスワード「xxx」をプリンタ100に送信することに代えて、端末10が現在所属していない無線ネットワークのAPのSSID及びパスワードをプリンタ100に送信してもよい。当該APは、端末10が過去に所属していた無線ネットワークのAPであってもよいし、端末10が所属したことが無い無線ネットワークのAPであってもよい。一般的に言うと、「第1の無線ネットワーク」のアクセスポイントは、端末10が現在所属している無線ネットワークのアクセスポイント200に限られない。
【0054】
(変形例2)「通信装置」及び「端末装置」の「第2の規格」は、Bluetooth(登録商標)規格に限られず、例えば、Zigbee(登録商標)規格であってもよい。本変形例では、「第1の状態」は、Zigbee規格に従った無線通信を実行するためのI/Fがスリープしている状態であってもよく、「第2の状態」は、当該I/Fがスリープしていない状態であってもよい。
【0055】
(変形例3)図2のT34が実行されることに代えて、即ち、プリンタ100がアドバタイズ信号を送信することに代えて、端末10がアドバタイズ信号を送信してもよい。この場合、プリンタ100は、アドバタイズ信号のスキャンを実行しない状態から、スキャンを実行する状態に移行する。一般的に言うと、「通信装置」の「第1の状態」、「第2の状態」は、それぞれ、アドバタイズ信号を受信しない状態、アドバタイズ信号を受信する状態であってもよい。また、「端末装置」の「第1の状態」、「第2の状態」は、それぞれ、アドバタイズ信号を送信しない状態、アドバタイズ信号を送信する状態であってもよい。
【0056】
(変形例4)図2のT66の処理が省略されてもよい。即ち、プリンタ100は、端末10とのBT接続を確立した後に、アドバタイズ信号を継続して送信してもよい。本変形例では、「通信装置」の「第2の移行部」を省略可能である。
【0057】
(変形例5)プリンタ100は、T64において、AP200のSSID「ap01」とパスワード「xxx」を受信した後であって、T66において、アドバタイズ信号を停止する前に、AP200とのWi-Fi接続を確立してもよい。一般的に言うと、「通信装置」の「第1の確立部」は、第2の無線インターフェースの動作状態が第2の状態から第1の状態に移行する前に、アクセスポイントとの第1のWi-Fi接続を確立してもよい。
【0058】
(変形例6)上記の実施例では、プリンタ100は、端末10とのNFC接続が確立される場合に、T31において、WFD方式のG/Oに移行する。これに代えて、プリンタ100は、いわゆるSoftAPを起動させてもよい。別の変形例では、端末10がG/Oとして動作してもよい。この場合、プリンタ100は、端末10がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSID及びパスワードを予め知っており(即ちアプリ38に記憶されており)、端末10からInvitation Requestを受信する場合に、当該SSID及び当該パスワードを利用して、端末10とのWFD接続を確立する。本変形例では、Invitation Requestが、「要求信号」の一例である。また、本変形例では、「第1の無線インターフェース」は、第1の無線接続を利用して、第2のSSIDと第2のパスワードとを端末装置に送信しなくてもよい。さらに別の変形例では、端末10及びプリンタ100は、G/Oネゴシエーションを実行して、どちらがG/Oになるのかを決定してもよい。この場合も、プリンタ100は、プリンタ100自身がG/Oになることを決定する場合には、上記の実施例と同様の各種通信を実行して、端末10とのWFD接続を確立すればよい。
【0059】
(変形例7)図3のT142の処理が省略されてもよい。即ち、プリンタ100は、端末10とのWFD接続を確立した後に、アドバタイズ信号を継続して送信してもよい。本変形例では、「通信装置」の「第3の移行部」を省略可能である。
【0060】
(変形例8)「第1の規格」は、NFC規格に限られず、例えば、Transfer Jet規格であってもよい。
【0061】
(変形例9)図2のT22~T26の処理が省略されてもよい。この場合、端末10は、T28以降の処理を実行可能であり、図3の処理(即ちプリンタ100とのWFD接続を確立する処理)を実行不可能である。本変形例では、「端末装置」の「第1の表示制御部」、「第2の表示制御部」、及び、「受信部」を省略可能である。
【0062】
(変形例10)T60~T62の処理が省略されてもよい。この場合、端末10は、メモリ34からSSID「ap01」及びパスワード「xxx」を取得し、T64において、取得済みのSSID「ap01」及びパスワード「xxx」をプリンタ100に送信する。この構成によると、ユーザは、パスワード「xxx」を端末10に入力せずに済む。本変形例では、「端末装置」の「第3の表示制御部」を省略可能である。
【0063】
(変形例11)「通信装置」は、プリンタでなくてもよく、スキャナ、ファクシミリ、PC、サーバ等の他の装置であってもよい。
【0064】
(変形例12)上記の実施例では、図2及び図3の各処理がソフトウェアによって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0065】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0066】
2:通信システム、10:携帯端末、12:表示部、14:Wi-FiI/F、16:BTI/F、18:NFCI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、38:プリントアプリ、100:プリンタ、112:表示部、114:Wi-FiI/F、116:BTI/F、118:NFCI/F、120:印刷実行部、122:操作部、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:OSプログラム
図1
図2
図3