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特開2022-187964タイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187964
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B60C23/04 140E
B60C23/04 130E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207031
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】110120700
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511147023
【氏名又は名称】橙的電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 紀良
(72)【発明者】
【氏名】蘇 尚謙
(57)【要約】
【課題】角度の定位は、AOA(到着角度)定位方法、又はAOD(送信角度)定位方法によって計算されて、最終的な位置情報を得るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法を提供する。
【解決手段】信号受発信角度定位方法は、タイヤ空気圧検出器の送信アンテナをトリガーして、無線信号を送信する信号トリガーステップと、受信装置の受信アンテナが無線信号を受信し、無線信号がタイヤ空気圧検出器から、受信装置へ転送する方向をリニア配信方向とする信号受信ステップと、リニア配信方向と任意の二つの送信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算し、又はリニア配信方向と任意の二つの受信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算して、挟角によって、タイヤの方位の情報を計算する方位角度計算ステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ空気圧監視システムは、タイヤの数に対応しタイヤに設けられているタイヤ空気圧検出器と、受信装置と、を備え、前記各タイヤ空気圧検出器には、送信器と、少なくとも一つの送信アンテナとが設けられており、前記受信装置には、前記送信アンテナと無線通信を行う受信アンテナが少なくとも一つ設けられており、信号受発信角度定位方法は、
前記タイヤ空気圧検出器の前記送信アンテナをトリガーして、無線信号を送信する信号トリガーステップと、
前記受信装置の前記受信アンテナが前記無線信号を受信し、前記無線信号が前記タイヤ空気圧検出器から、前記受信装置へ転送する方向をリニア配信方向とする信号受信ステップと、
前記リニア配信方向と任意の前記二つの送信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算し、又は前記リニア配信方向と任意の前記二つの受信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算して、前記挟角によって、前記タイヤの方位の情報を計算する方位角度計算ステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項2】
【請求項3】
AOA定位方法によって、前記挟角を算出することを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項4】
前記方位角度計算ステップにおいて、前記リニア配信方向と任意の前記二つの受信アンテナを接続する直線の交点での挟角を到着角とし、前記システムが前記到着角によって、タイヤの位置情報を算出する場合には、前記各タイヤに設けられている送信器に、前記送信アンテナが設けられており、車両本体内に前記受信装置が設けられており、前記受信装置に前記受信アンテナが少なくとも二つ設けられており、
【請求項5】
AOD定位方法によって、前記挟角を算出することを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項6】
前記方位角度計算ステップにおいて、前記リニア配信方向と任意の前記二つの送信アンテナを接続する直線の交点での挟角を送信角とし、前記システムが前記送信角によって、タイヤの位置情報を算出する場合には、前記各タイヤに設けられているタイヤ空気圧検出器に、前記送信アンテナが少なくとも二つ設けられており、前記車両本体内に前記受信装置が設けられており、前記受信装置に前記受信アンテナが設けられており、
【請求項7】
前記信号トリガーステップにおいて、前記送信器は、タイヤの回転によって主動的にトリガーされて、タイヤの空気圧を検出した後、無線信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項8】
前記信号トリガーステップにおいて、前記送信器は、装置から出力された信号を受信してトリガーされて、タイヤの空気圧を検出した後、無線信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項9】
前記無線信号は、タイヤの空気圧の数値と、温度の数値と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【請求項10】
前記方位角度計算ステップにおいて、前記挟角は、前記受信装置または前記各タイヤ空気圧検出器に計算されて得られることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タイヤ空気圧監視測定方法に関し、特に、無線信号の受発信角度に基づいて、定位を行うタイヤ空気圧監視システム用定位方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用タイヤは、タイヤの空気圧の異常により、交通事故を起こす確率が極めて高いため、世界各国が法案を提案して、車両用タイヤ空気圧監視システムが新車の基本装備となっている。よく見られる四輪車を例にすると、一般的に、タイヤ空気圧監視システムは、四つのタイヤ空気圧検出器と、受信装置と、を有する。前記各タイヤ空気圧検出器は、それぞれ各タイヤに取り付けられている。前記タイヤ空気圧検出器は、トリガーされると、設定された時間間隔で、タイヤ空気圧信号を前記受信装置に転送して、前記受信装置に接続されているディスプレイによって、各タイヤのタイヤ空気圧の数値を表示し、いずれか一つのタイヤ空気圧検出器で測定された数値が異常である場合には、警告信号を発する。
【0003】
タイヤ空気圧が異常になったタイヤの位置を正確に識別するために、従来のタイヤ空気圧監視システム内のタイヤ定位方法は、各タイヤ空気圧検出器に一セットの識別コードを内蔵し、その制限は、タイヤ空気圧検出器を取り付けるときに、タイヤ空気圧監視システムの設定された位置に従って取り付けることが必要であることにある(例えば、識別コードが3310Aであるタイヤ空気圧検出器の設定された取付位置は左前輪に位置し、識別コードが3320Bであるタイヤ空気圧検出器の設定された取付位置は右前輪に位置する。)。そうしないと、タイヤ空気圧監視システムは、各位置のタイヤの正確な測定結果を取得することができない。
【0004】
しかし、タイヤ空気圧検出器を交換しようとする場合には、まず、本来の各タイヤ空気圧検出器の識別コードを読み取った後、新しいタイヤ空気圧検出器に本来の識別コードを一つ一つ入力することが必要である。そうしないと、車両制御用コンピューターは、本来の識別コードを介して新しいタイヤ空気圧検出器と通信することができない。なお、新しいタイヤ空気圧検出器に本来の識別コードを一つ一つ入力する作業は、複雑であり、工数がかなり掛かり、そして、専門家の設定ツールを使用して、本来のタイヤ空気圧検出器の識別コードを新しいタイヤ空気圧検出器にコピーすることが必要である。そのため、一般的な車両の所有者は、自分でタイヤ空気圧検出器を交換することができず、且つ本来のタイヤ空気圧検出器が正常に動作できなくなって、新しいタイヤ空気圧検出器を即時に交換できないと、タイヤ空気圧の監視および測定が非連続となり、安全運転における抜け穴が形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、角度の定位が、AOA(Angle of Arrival,到着角度)定位方法、又はAOD(Angle of Departure,送信角度)定位方法によって計算して、最終的な位置情報を取得するタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法を提供することにある。これにより、システムにおける既存の無線信号受発信装置によって、タイヤとタイヤ空気圧検出器の定位を実現する方法が得られ、タイヤ空気圧検出器が無線信号受発信装置と一つ一つマッチングして、入力をする時間を短縮することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、タイヤ空気圧監視システムは、タイヤの数に対応しタイヤに設けられているタイヤ空気圧検出器と、受信装置と、を備え、各タイヤ空気圧検出器には、送信器と、少なくとも一つの送信アンテナとが設けられており、受信装置には、送信アンテナと無線通信を行う受信アンテナが少なくとも一つ設けられており、信号受発信角度定位方法のステップは、
タイヤ空気圧検出器の送信アンテナをトリガーして、無線信号を送信する信号トリガーステップと、
受信装置の受信アンテナが無線信号を受信し、無線信号がタイヤ空気圧検出器から、受信装置へ転送する方向をリニア配信方向とする信号受信ステップと、
リニア配信方向と任意の二つの送信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算し、又はリニア配信方向と任意の二つの受信アンテナを接続する直線の交点との間の挟角を計算して、挟角によって、タイヤの方位の情報を計算する方位角度計算ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0007】
【0008】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、AOA定位方法によって、挟角を算出することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、方位角度計算ステップにおいて、リニア配信方向と任意の二つの受信アンテナを接続する直線の交点での挟角を到着角とし、システムが到着角によって、タイヤの位置情報を算出する場合には、各タイヤに設けられている送信器に、送信アンテナが設けられており、車両本体内に受信装置が設けられており、受信装置に受信アンテナが少なくとも二つ設けられており、
【0010】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、方法は、AOD定位方法によって、挟角を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、方位角度計算ステップにおいて、リニア配信方向と任意の二つの送信アンテナを接続する直線の交点での挟角を送信角とし、システムが送信角によって、タイヤの位置情報を算出する場合には、各タイヤに設けられているタイヤ空気圧検出器に、送信アンテナが少なくとも二つ設けられており、車両本体内に受信装置が設けられており、受信装置に受信アンテナが設けられており、
【0012】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、信号トリガーステップにおいて、送信器は、タイヤの回転によって主動的にトリガーされて、タイヤの空気圧を検出した後、無線信号を出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、信号トリガーステップにおいて、送信器は、装置から出力された信号を受信してトリガーされて、タイヤの空気圧を検出した後、無線信号を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、無線信号は、タイヤの空気圧の数値と、温度の数値と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によると、方位角度計算ステップにおいて、挟角は、受信装置または各タイヤ空気圧検出器に計算されて得られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法によれば、角度の定位が、AOA(Angle of Arrival,到着角度)定位方法、又はAOD(Angle of Departure,送信角度)定位方法によって計算して、最終的な位置情報を取得することができ、これにより、システムにおける既存の無線信号受発信装置によって、タイヤとタイヤ空気圧検出器の定位を実現する方法が得られ、タイヤ空気圧検出器が無線信号受発信装置と一つ一つマッチングして、入力をする時間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るタイヤ空気圧監視システムのアーキテクチャを示す図である。
図2】本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法のステップを示すフローチャートである。
図3】本発明に係る方法の実施例のステップのプロセスを示す図である。
図4】本発明がAOA定位方法によって、送信器の受信装置に対する角度を計算するシステムのアーキテクチャを示す図である。
図5】本発明がAOA定位方法によって、アンテナを設置する形態を示す図である。
図6】本発明がAOA定位方法によって、角度を計算する図である。
図7】本発明がAOD定位方法によって、送信器の受信装置に対する角度を計算するシステムのアーキテクチャを示す図である。
図8】本発明がAOD定位方法によって、アンテナを設置する形態を示す図である。
図9】本発明がAOD定位方法によって、角度を計算する図である。
図10】本発明に係る受信装置が四輪の車両本体に設けられており、運転席に位置することを示す図である。
図11】本発明係る受信装置が四輪の車両本体に設けられており、助手席に位置することを示す図である。
図12】本発明係る受信装置が六輪の車両本体に設けられており、左前輪の内側に位置することを示す図である。
図13】本発明係る受信装置が二輪の車両本体に設けられており、前輪の後側に位置することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から図13を参照して、本発明に係る方法の実施例を説明する。
ブルートゥース(登録商標)5.1から開始して、方向探知メカニズムがプロトコルに導入される。多くのアンテナのブルートゥース受信装置は、二つ又は複数のアンテナで、ブルートゥースの配信信号の位相を測定して、ブルートゥース送信器の角度または方向を推定する。受信装置は、事前に規定されたアンテナアレイ間ですばやく切り替えて、異なるアンテナへの無線電波の経路長のわずかな違いによって引き起こされる位相シフトを測定する。これは位相差と称し、送信信号の方向探知を実現する。
【0019】
なお、本発明の実施例では、多くのアンテナ受信装置と送信器との間が、ブルートゥース又は無線周波(315MHz又は433MHz)で無線通信を行うことにより、送信信号の方向を探知する目的を達成する。また、多くのアンテナ受信装置とは、二つ以上(二つを含む)のアンテナを有する受信装置である。
【0020】
本発明に係るタイヤ空気圧監視システムは、タイヤを有する車両本体10に取り付けられて利用することにより、タイヤの空気圧や温度などの数値をいつでも検出できるようになり、タイヤの異常により運転の安全性を危険にさらすことを回避することができる。図1に示すのは、四つのタイヤ11が設けられている車両本体10である。本発明に係るタイヤ空気圧監視システムは、タイヤ空気圧検出器20と、受信装置30(Receiver)と、を備える。タイヤ空気圧検出器20の数は、タイヤ11の数に対応し、すなわち、各タイヤ11内にタイヤ空気圧検出器20がそれぞれ取り付けられている。各タイヤ空気圧検出器20は、送信器21(Transmit)と、送信器21に接続されている送信アンテナ22(図5及び図8を参照)と、を備える。受信装置30に受信アンテナ31が接続されている。タイヤ空気圧検出器20と受信装置30との間は、送信アンテナ22と受信アンテナ31との無線通信を介して接続することにより、タイヤ空気圧や温度などを含むタイヤ空気圧の情報を受信装置30に出力する。
【0021】
図1図4及び図7を参照する。図の上方を車両本体10の前側とし、図の下方を車両本体10の後側とする。図4及び図7に示すように、車両本体10には、タイヤ11A(右前輪)、タイヤ11B(左前輪)、タイヤ11C(右後輪)、及びタイヤ11D(左後輪)が設けられており、前記システムが、タイヤ11A~11Dに対応して、送信器21A、送信器21B、送信器21C、及び送信器21Dの順番で設けられている。図1に示すように、受信アンテナ31により、受信装置30は、送信器21が送信アンテナ22に出力された無線信号を受信する。前記無線信号がタイヤ空気圧検出器20(送信器21)から受信装置30へ転送する方向をリニア配信方向SDとし、図4及び図7に示すように、受信装置30と送信器21A~21Dとの間の無線信号の順番は、リニア配信方向SD1、リニア配信方向SD2、リニア配信方向SD3及リニア配信方向SD4である。なお、本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法において、前記リニア配信方向とは、送信器21と受信装置30との間の直線配信方向であるため、前記リニア配信方向は、更に、受信装置30から送信器21へ転送する配信方向を含み、無線信号は一方向配信に限定されない。
【0022】
図2図5及び図8を参照する。本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法は、信号トリガーステップS1、信号受信ステップS2、及び方位角度計算ステップS3を含む。
【0023】
信号トリガーステップS1は、送信器21の送信アンテナ22をトリガーして無線信号を送信する。
【0024】
信号受信ステップS2は、受信装置30の受信アンテナ31が前記無線信号を受信する。前記無線信号の送信器21から受信装置30へ転送する方向をリニア配信方向SDとする。
【0025】
方位角度計算ステップS3は、リニア配信方向SDと任意の二つの送信アンテナ22を接続する直線の交点との間の挟角を計算し、又はリニア配信方向SDと任意の二つの受信アンテナ31を接続する直線の交点との間の挟角を計算して、挟角によって、タイヤ11の方位の情報を算出する。
【0026】
本発明に係る方法は、計算によって、送信器21の受信装置30に対する角度を取得する。これにより、対応するタイヤ11の方位を知ることができる。図2に示すように、本発明に係る方法は、タイヤ位置計算ステップS4を選択的に含んでもよい。これにより、タイヤ11のより正確な方位を知ることができる。一方、車両本体10は、図12に示すように、六輪以上(六輪を含む)の車両である場合には、RSSI(Received Signal Strength Indicator,受信信号強度表示器)定位方法によって、送信器21と受信装置30との間の直線距離を算出することにより、タイヤ11の定点位置の情報に変換する。
【0027】
本発明の実施例では、タイヤ空気圧検出器20が、タイヤ11の回転により、トリガーされてタイヤ空気圧の検出を行って、測定されたタイヤ空気圧の情報を無線信号で、送信器21から送信アンテナ22を経由して受信アンテナ31に出力して、受信装置30が受信される。タイヤ空気圧検出器20は、送信アンテナ22及び送信器21を介して、受信装置30から出力された命令信号を受信した後、トリガーされてタイヤ空気圧を検出して、測定されたタイヤ空気圧の情報を受信装置30に返す。
【0028】
図3に示すのは、本発明に係る方法の具体的な実施例である。信号トリガーステップS1において、受信装置30は、トリガー命令(定位通知命令)を送信器21に出力して、タイヤ空気圧検出器20をトリガーして、タイヤ空気圧の検出を行う。次に、信号受信ステップS2において、タイヤ空気圧検出器20は、送信器21を介して無線信号(定位およびタイヤ空気圧の情報を含む)を転送する。受信装置30は、受信した後、AOA(Angle of Arrive,到着角度)定位方法、又はAOD(Angle of Departure,発散角)定位方法によって、方位角度計算ステップS3において、送信器21の受信装置30に対する角度を算出する。最後に、タイヤ位置計算ステップS4において、前記角度によってタイヤの位置を算出する。
【0029】
【0030】
【0031】
なお、受信装置のアンテナが、ホストに指定されたオン・オフモードで、受信される電磁波信号を引き続いて切り替えるため、位相差を直接得ることが容易ではない。そのため、IQサンプルをサンプリングする方法によって位相差を得ることができる。受信装置(受信器)は、単独の各アンテナ信号に対してサンプリングすることが必要であり、同じ入力信号からサンプリングされるサンプルは、「同じ位相」(In-phase)(略語はIであり)と、「直交位相」(Quadrature-phase)(略語はQであり)と、を含むため、「IQサンプル」と称する。ブルートゥース5.1のスペックにおいて、受信装置30は、アンテナ(31A~31D)を切替えて、送信器21からの送信信号のIQサンプル情報を取得して、IQサンプル情報によって、送信器21からの送信信号の受信装置30の異なるアンテナに到着する位相差を算出して、前記位相差によって到着角の角度を算出する。位相差の計算は、受信装置30のICのベース層で行われる。IQサンプルは、アレイアンテナの受信した生データをIサンプルとして、相変位π/2をQサンプルとして、位相差を算出する。そのため、位相差ψ=-5√3πは、受信装置30のICのベース層で直接算出される。
【0032】
より具体的には、仮説値を次のようにする。
【0033】
【0034】
本発明の実施例において、このアルゴリズムは比較の回数を規定できる。例えば、AOA定位方法によって、四輪車の送信器21(四つ)の受信装置30(一つ)に対する角度を計算するときに、受信装置30は、送信器21の数(タイヤ11の数と同じ)に対応し、且つアレイアンテナである四つの受信アンテナ31を備える。図5及び図6に示すように、受信アンテナ31は、アレイの配列の順序によって、それぞれがアンテナ31A、アンテナ31B、アンテナ31C、及びアンテナ31Dである。これにより、アンテナ31B及び31Cの計算された角度を、アンテナ31A及びアンテナ31Cの計算された角度と比較検証することにより、アレイアンテナが多いほど、比較できる情報が多いため、計算された角度がより正確となる。
【0035】
図4図5及び図6に示すのは、本発明に係る方法が、AOA定位方法によって、送信器21の受信装置30に対する角度を計算するときのシステムの機器の配置である。
【0036】
図5を参照する。タイヤ空気圧検出器20は、送信器21と、送信アンテナ22と、備える。送信アンテナ22は、送信器21と接続して無線信号を出力する。受信装置30は、少なくとも二つの受信アンテナ31と、アンテナ切替ユニット32と、受信器33と、AOA見積もりユニット34と、を備える。受信アンテナ31はアンテナ切替ユニット32と接続する。受信器33は、アンテナ切替ユニット32とAOA見積もりユニット34との間に接続されている。これにより、受信装置30は、アンテナ切替ユニット32を介して、受信アンテナ31の切替を制御して、送信アンテナ22から出力された無線信号を受信する。前記無線信号は、受信アンテナ31に受信された後、アンテナ切替ユニット32を経由して受信器33に配信して、信号の受信を完了して、受信器33からAOA見積もりユニット34に配信して、到着角度の見積もりを行う。
【0037】
【0038】
より具体的には、本発明に係る方法は、AOAのアプリケーション例では、送信端(送信器21)に一つだけのアンテナ(送信アンテナ22)を取り付けることが必要であり、データパケット(タイヤ空気圧情報)を周期的に送信する。なお、受信端(受信装置30)に二つ以上のアンテナ(受信アンテナ31)を取り付けることが必要である。これにより、アレイアンテナを構成する。アンテナは、それぞれ異なる送信器21から送信されたデータパケットを受信する。送信端からの信号がアレイアンテナ(受信アンテナ31)を介して受信するときに、受信装置30は、アレイにおける各受信アンテナ31によって、信号の位相差を求め、到着角(θAOA)の角度を再度計算する。
【0039】
一方、図4に示すように、本発明に係る方法は、AOAのアプリケーション例では、受信装置30が、アレイアンテナ(受信アンテナ31)を切替えることにより、送信器21Aから送信された無線信号を受信して、無線信号のアレイアンテナに対する角度を算出して、送信器21Aの受信装置30に対する方向に変換して、これによって類推すると、送信器21B、21C及び21Dの方向を取得することができ、そしてタイヤ11の定点位置を定位することができる。
【0040】
図7図8及び図9に示すのは、本発明に係る方法が、AOD定位方法によって、送信器21の受信装置30に対する角度を計算するときのシステムの機器の配置である。
【0041】
図8を参照する。タイヤ空気圧検出器20は、送信器21と、少なくとも二つの送信アンテナ22と、アンテナ切替ユニット23と、を備える。アンテナ切替ユニット23は、送信器21と送信アンテナ22との間に接続されており、無線信号を出力するアンテナを切替える。受信装置30は、受信アンテナ31と、受信器33と、AOD見積もりユニット35と、を備える。受信器33は、受信アンテナ31とAOD見積もりユニット35との間に接続されている。これにより、タイヤ空気圧検出器20は、アンテナ切替ユニット23により、無線信号を出力する送信アンテナ22の切替を制御する。前記無線信号は、送信アンテナ22に出力された後、受信アンテナ31により受信されて受信器33に配信され、信号の受信を完了し、最後に、AOD見積もりユニット35に配信されて送信角度の見積もりを行う。
【0042】
【0043】
より具体的には、本発明に係る方法は、AODのアプリケーション例では、送信端(送信器21)に二つ以上のアンテナ(送信アンテナ22)を取り付けてアレイアンテナを構成することが必要であり、データパケット(タイヤ空気圧情報)を周期的に送信する。受信端(受信装置30)に一つだけのアンテナ(受信アンテナ31)が取り付けられている。送信端のアレイアンテナは、データパケットを順番に送信する。送信端は、アンテナ変換順序のアーキテクチャを信号に含み、前記信号を受信装置に送信する。受信装置30は、角度によってタイヤ空気圧検出器の相対的位置を取得する。
【0044】
一方、図7に示すように、本発明に係る方法は、AODのアプリケーション例では、送信器21Aが、アレイアンテナ(送信アンテナ22)からの無線信号を切替えて受信装置30に送信することにより、無線信号のアレイアンテナに対する角度を算出して、当該角度を受信装置30に返して、送信器21Aの受信装置30に対する方向に変換する。このような類推によって、他の送信器21B、21C、21Dの受信装置30に対する方向をそれぞれ取得することができ、そしてタイヤ11の定点位置を定位することができる。
【0045】
本発明の実施例では、無線信号のアンテナに対する角度は、AOA又はAODのアプリケーションで、全てが受信装置またはタイヤ空気圧検出器によって算出される。
【0046】
本発明の実施例では、受信装置30は、車両本体10内に固定されている通信装置でもよいし、運転席または助手席の収納箱内に一時的に固定されているモバイル通信装置(例えば、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコンなど)でもよい。図1に示すのは、本発明に係るシステムの受信装置30が、固定された通信装置であり、四つのタイヤ11を有する車両本体10に設けられており、右前輪の内側に位置する。図10に示すのは、本発明に係るシステムの受信装置30が、モバイル通信装置であり、四つのタイヤ11を有する車両本体10に設けられており、運転席に位置する。図11に示すのは、本発明に係るシステムの受信装置30が、モバイル通信装置であり、四つのタイヤ11を有する車両本体10に設けられており、助手席の収納箱内に位置する。図12に示すのは、本発明に係るシステムの受信装置30が、固定された通信装置であり、六つのタイヤ11(前側に二つのタイヤ11があり、後側の左右に二つのタイヤ11がそれぞれあり)の車両本体10に設けられており、左前輪の内側に位置する。図13に示すのは、本発明に係るシステムの受信装置30が、固定された通信装置またはモバイル通信装置であり、二つのタイヤ11を有する車両本体10に設けられており、前輪の後側に位置する。なお、本発明に係るシステムの受信装置30の設置の方式は、前記実施例に限定されず、本発明に係るタイヤ空気圧監視システム用信号受発信角度定位方法は、様々な数を有するタイヤを有する車両や自動車に適用することができ、例えば、八つのタイヤを有するトラック、又は三つのタイヤを有する自動車に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 車両本体
11 タイヤ
20 タイヤ空気圧検出器
21 送信器
22 送信アンテナ
23 アンテナ切替ユニット
30 受信装置
31 受信アンテナ
32 アンテナ切替ユニット
33 受信器
34 AOA見積もりユニット
SD リニア配信方向
11A タイヤ
11B タイヤ
11C タイヤ
11D タイヤ
21A 送信器
21B 送信器
21C 送信器
21D 送信器
SD1 リニア配信方向
SD2 リニア配信方向
SD3 リニア配信方向
SD4 リニア配信方向
31A アンテナ
31B アンテナ
31C アンテナ
31D アンテナ
22A アンテナ
22B アンテナ
22C アンテナ
22D アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13