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特開2022-187998搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187998
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20221213BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20221213BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20221213BHJP
   B61B 3/02 20060101ALI20221213BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G1/04 551D
G05D1/02 G
B61B3/02 C
B61B13/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091303
(22)【出願日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0074353
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,イン スン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジュン ボム
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ドン ホン
【テーマコード(参考)】
3D101
3F022
5F131
5H301
【Fターム(参考)】
3D101BA05
3D101BB16
3D101BB34
3D101BB39
3F022AA08
3F022BB09
3F022DD01
3F022EE05
3F022JJ08
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131CA09
5F131CA12
5F131CA19
5F131CA32
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA42
5F131DC06
5F131DD02
5F131DD29
5F131DD33
5F131DD46
5F131DD78
5F131DD93
5H301AA02
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301EE02
5H301JJ01
(57)【要約】
【課題】物品を安定的に搬送できる搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は天井に沿って具備されるレールを走行する搬送ユニットを提供する。搬送ユニットは、走行駆動器を具備するボディーと、前記走行駆動器から動力が伝達されて回転される走行ホイールと、物品を把持するグリップ部材と、前記ボディー、そして前記グリップ部材の間に提供され、前記グリップ部材を上下方向に移動させる昇降部材と、制御器と、を含み、前記制御器は、前記搬送ユニットが前記レールを走行する間に前記グリップ部材を降下又は上昇させ、前記グリップ部材の降下又は上昇は前記搬送ユニットが等速で走行する等速区間で行われるように前記昇降部材、そして前記走行駆動器を制御することができる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に沿って具備されるレールを走行する搬送ユニットにおいて、
走行駆動器を具備するボディーと、
前記走行駆動器から動力が伝達されて回転される走行ホイールと、
物品を把持するグリップ部材と、
前記ボディー、そして前記グリップ部材の間に提供され、前記グリップ部材を上下方向に移動させる昇降部材と、
制御器と、を含み、
前記制御器は、
前記搬送ユニットが前記レールを走行する間に前記グリップ部材を下降又は上昇させ、前記グリップ部材の下降又は上昇は、前記搬送ユニットが等速で走行する等速区間で行われるように前記昇降部材、そして前記走行駆動器を制御する搬送ユニット。
【請求項2】
前記昇降部材は、
前記グリップ部材と連結されるベルトと、
前記ベルトを巻くか、或いは緩める昇降駆動器を含む請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項3】
前記制御器は、
前記加速区間又は前記減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように前記走行駆動器、そして前記昇降駆動器を制御する請求項2に記載の搬送ユニット。
【請求項4】
前記制御器は、
前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間又は前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるように前記走行駆動器を制御する請求項1乃至請求項3のいずれかの一項に記載の搬送ユニット。
【請求項5】
前記振れ減衰動作は、
前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作である請求項4に記載の搬送ユニット。
【請求項6】
前記振れ減衰動作は、
前記搬送ユニットの走行加速度を第1加速度から前記第1加速度より小さい前記第2加速度に変更する動作である請求項5に記載の搬送ユニット。
【請求項7】
前記振れ減衰動作は、
前記搬送ユニットの走行を前記第1加速度の第1加速走行から等速走行に変更し、前記等速走行から前記第2加速度の第2加速走行に変更する動作である請求項6に記載の搬送ユニット。
【請求項8】
前記搬送ユニットが前記等速走行する時間は、
前記搬送ユニットが前記第1加速走行又は前記第2加速走行する時間より短い請求項7に記載の搬送ユニット。
【請求項9】
半導体工程装置が連続的に配置された製造ラインの天井に沿って物品が収納された容器を搬送する物品搬送システムにおいて、
前記天井に沿って具備されるレールと、
前記容器が安着されるように構成されるポートと、
前記レールに沿って走行し、前記容器を前記ポートに搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットは、
走行駆動器を具備するボディーと、
前記走行駆動器から動力が伝達されて回転される走行ホイールと、
前記容器を把持するグリップ部材と、
前記ボディー、そして前記グリップ部材の間に提供され、前記グリップ部材を上下方向に移動させる昇降部材と、
制御器と、を含み、
前記搬送ユニットが前記レールを走行する間に前記グリップ部材を下降又は上昇させ、前記グリップ部材の下降又は上昇は、前記搬送ユニットが等速で走行する等速区間で行われるように前記昇降部材、そして前記走行駆動器を制御する物品搬送システム。
【請求項10】
前記昇降部材は、
前記グリップ部材と連結されるベルトと、
前記ベルトを巻くか、或いは緩めて前記ベルトの長さを変化させる昇降駆動器を含む請求項9に記載の物品搬送システム。
【請求項11】
前記制御器は、
前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間、そして前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように前記走行駆動器、そして前記昇降駆動器を制御する請求項10に記載の物品搬送システム。
【請求項12】
前記制御器は、
前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間又は前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるように前記走行駆動器を制御する請求項9乃至請求項11のいずれかの一項に記載の物品搬送システム。
【請求項13】
前記振れ減衰動作は、
前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作である請求項12に記載の物品搬送システム。
【請求項14】
前記振れ減衰動作は、
前記搬送ユニットの走行加速度を、第1加速度から前記第1加速度より小さい第2加速度に変更する動作である請求項13に記載の物品搬送システム。
【請求項15】
前記振れ減衰動作は、
前記搬送ユニットの走行を前記第1加速度の第1加速走行から等速走行に変更し、前記等速走行から前記第2加速度の第2加速走行に変更する動作である請求項14に記載の物品搬送システム。
【請求項16】
前記搬送ユニットが前記等速走行する時間は、
前記搬送ユニットが前記第1加速走行又は前記第2加速走行する時間より短い請求項14に記載の物品搬送システム。
【請求項17】
半導体製造ラインの天井に沿って具備されたレールに沿って走行し、基板が収納された容器を搬送し、前記レールを走行する走行ホイールと、前記走行ホイールに動力を伝達する走行駆動器と、前記容器を把持するグリップ部材と、前記グリップ部材と連結されるベルトと、前記ベルトを巻くか、或いは緩めて前記ベルトの長さを変化させる昇降駆動器と、を有する搬送ユニットの制御方法において、
前記搬送ユニットが前記レールに沿って等速で走行する等速区間、前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間、前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間の中で前記等速区間で前記ベルトの長さを変化させるように前記昇降駆動器を制御する方法。
【請求項18】
前記加速区間、そして前記減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように請求項17に記載の前記昇降駆動器を制御する方法。
【請求項19】
前記加速区間又は前記減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるようにする請求項17又は請求項18に記載の前記走行駆動器を制御する方法。
【請求項20】
前記振れ減衰動作は、
前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作である請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子を製造するためには蒸着、写真、そして蝕刻工程のような多様な種類の工程が遂行され、これらの各々の工程を遂行する装置は半導体製造ライン内に配置される。半導体素子製造工程の被処理物である基板(例えば、ウエハ、ガラス)等の物品はフープ(FOUP)、ポッド(POD)等の容器に収納された状態に各半導体工程装置に提供されることができる。また、工程が遂行された物品は各半導体工程装置から容器に回収され、回収された容器は外部に搬送されることができる。
【0003】
容器はオーバーヘッドホイスト搬送装置(Overhead Hoist Transport Apparatus、OHT)のような搬送車両によって搬送される。搬送車両は半導体製造ラインの天井に沿って具備されるレールに沿って走行する。搬送車両は物品が収納された容器を半導体工程装置の中でいずれか1つのロードポートに搬送する。また、搬送車両は工程処理された物品が収納された容器をロードポートからピックアップして外部に搬送するか、又は半導体工程装置の中で他の1つに搬送することができる。
【0004】
図1は従来搬送車両が容器をポートに搬送する方式を示す図面である。図1を参照すれば、一般的に、OHTのような搬送車両Aは容器Fを把持するグリッパーG、グリッパーGと連結されるベルトB、そしてベルトBを巻くか、或いは緩めてグリッパーGを上昇又は下降させるリフターLを含む。また、搬送車両AはレールRに沿って走行する。搬送車両AはレールRに沿って走行しながら、容器FをポートPに安着させる。図1でAPは搬送車両Aの走行経路を示す。また、図1でGPはグリッパーGの移動経路を示す。
【0005】
図1を参照すれば分かるように、搬送車両AはポートPの上部に移動及び停車し、ベルトBを緩めてグリッパーG及び容器Fを下降させ、グリッパーGがオープン(Open)及びクローズ(Close)されて容器FをポートPに降ろして置き、ベルトBを巻いてグリッパーGを上昇させ、搬送車両Aの走行を開始する順に行われる。しかし、このような方式は搬送車両Aの待機時間が長いので、搬送車両APの運営効率が低下される。
【0006】
このような問題を解決するために、図2に図示されたように搬送車両Aの走行途中にベルトBを巻くか、或いは緩める方式を考慮することができる。この場合、搬送車両Aの待機時間を短縮させることができるので、搬送車両Aの運営効率を高めることができる長所がある。しかし、このような方式はベルトBの長さが長くなった状態で搬送車両Aが走行するので、ベルトBと連結されるグリッパーGの位置が大きく変化することができる。例えば、図3では時間tに応じる搬送車両Aの位置xの変化、時間tに応じる搬送車両Aの速度v、時間tに応じるベルトBの長さlの変化、そして時間tに応じるベルトBの角度θの変化を示す。ベルトBの角度θは、地面から垂直になる軸とベルトBとの間の角度を意味する。図3に図示されたように、ベルトBの長さlが搬送車両Aが加減速する区間であるt2~t3で変更される場合、ベルトBの角度θが大きく変化することを分かる。この場合、ベルトBと連結されたグリッパーGも大きく揺れるようになる。また、グリッパーGが容器Fを把持している場合、容器F内でパーティクル(Particle)等の異物質が発生して基板等の物品が汚染されるか、或いは物品が破損される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2018-0048346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は物品を安定的に搬送できる搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は物品又は物品が収納される容器に振動が発生することを最小化することができる搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は物品又は物品が収納された容器の搬送時間を短縮することができる搬送ユニット、物品搬送システム、及び搬送ユニットの制御方法を提供することにある。
【0011】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は天井に沿って具備されるレールを走行する搬送ユニットを提供する。天井に沿って具備されるレールを走行する搬送ユニットは、走行駆動器を具備するボディーと、前記走行駆動器から動力が伝達されて回転される走行ホイールと、物品を把持するグリップ部材と、前記ボディー、そして前記グリップ部材の間に提供され、前記グリップ部材を上下方向に移動させる昇降部材と、
制御器と、を含み、前記制御器は、前記搬送ユニットが前記レールを走行する間に前記グリップ部材を下降又は上昇させ、前記グリップ部材の下降又は上昇は前記搬送ユニットが等速で走行する等速区間で行われるように前記昇降部材、そして前記走行駆動器を制御することができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記昇降部材は、前記グリップ部材と連結されるベルトと、前記ベルトを巻くか、或いは緩める昇降駆動器と、を含むことができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記加速区間又は前記減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように前記走行駆動器、そして前記昇降駆動器を制御することができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間又は前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるように前記走行駆動器を制御することができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作であり得る。
【0017】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記搬送ユニットの走行加速度を第1加速度から前記第1加速度より小さい前記第2加速度に変更する動作であり得る。
【0018】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記搬送ユニットの走行を前記第1加速度の第1加速走行から等速走行に変更し、前記等速走行から前記第2加速度の第2加速走行に変更する動作であり得る。
【0019】
一実施形態によれば、前記搬送ユニットが前記等速走行する時間は、前記搬送ユニットが前記第1加速走行又は前記第2加速走行する時間より短いことができる。
【0020】
また、本発明は、半導体工程装置が連続的に配置された製造ラインの天井に沿って物品が収納された容器を搬送する物品搬送システムを提供する。物品搬送システムは、前記天井に沿って具備されるレールと、前記容器が安着されるように構成されるポートと、前記レールに沿って走行し、前記容器を前記ポートに搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットは、走行駆動器を具備するボディーと、前記走行駆動器から動力が伝達されて回転される走行ホイールと、前記容器を把持するグリップ部材と、前記ボディー、そして前記グリップ部材の間に提供され、前記グリップ部材を上下方向に移動させる昇降部材と、制御器と、を含み、前記搬送ユニットが前記レールを走行する間に前記グリップ部材を下降又は上昇させ、前記グリップ部材の下降又は上昇は前記搬送ユニットが等速で走行する等速区間で行われるように前記昇降部材、そして前記走行駆動器を制御することができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記昇降部材は、前記グリップ部材と連結されるベルトと、前記ベルトを巻くか、或いは緩めて前記ベルトの長さを変化させる昇降駆動器と、を含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間、そして前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように前記走行駆動器、そして前記昇降駆動器を制御することができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間又は前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるように前記走行駆動器を制御することができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作であり得る。
【0025】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記搬送ユニットの走行加速度を、第1加速度から前記第1加速度より小さい第2加速度に変更する動作であり得る。
【0026】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記搬送ユニットの走行を前記第1加速度の第1加速走行から等速走行に変更し、前記等速走行から前記第2加速度の第2加速走行に変更する動作であり得る。
【0027】
一実施形態によれば、前記搬送ユニットが前記等速走行する時間は、前記搬送ユニットが前記第1加速走行又は前記第2加速走行する時間より短いことができる。
【0028】
また、本発明は半導体製造ラインの天井に沿って具備されたレールに沿って走行し、基板が収納された容器を搬送し、前記レールを走行する走行ホイールと、前記走行ホイールに動力を伝達する走行駆動器と、前記容器を把持するグリップ部材と、前記グリップ部材と連結されるベルトと、前記ベルトを巻くか、或いは緩めて前記ベルトの長さを変化させる昇降駆動器と、を有する搬送ユニットの制御方法を提供する。制御方法は、前記搬送ユニットが前記レールに沿って等速で走行する等速区間、前記搬送ユニットの走行速度を上げる加速区間、前記搬送ユニットの走行速度を下げる減速区間の中で前記等速区間で前記ベルトの長さを変化させるように前記昇降駆動器を制御することができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記加速区間、そして前記減速区間で前記ベルトの長さが固定されるように前記昇降駆動器を制御することができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記加速区間又は前記減速区間で前記グリップ部材が把持する前記物品の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行できるように前記走行駆動器を制御することができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記振れ減衰動作は、前記物品の振れ周期の半周期に前記搬送ユニットの走行加速度を変更する動作であり得る。
【0032】
また、本発明は半導体製造ラインの天井に沿って具備されたレールに沿って走行し、基板が収納された容器を搬送し、前記レールを走行する走行ホイールと、前記走行ホイールに動力を伝達する走行駆動器と、前記容器を把持するグリップ部材と、前記グリップ部材の高さを変更させる昇降駆動器と、を有する搬送ユニットが以下の動作を遂行するように前記搬送ユニットを制御する方法を提供する。前記動作は、前記搬送ユニットが前記容器が置かれるポートの上部に到達する前に、前記グリップ部材を下降する動作と、前記グリップ部材の高さが固定されたまま前記搬送ユニットが前記ポートの上部に移動する動作と、前記グリップ部材が前記ポートに前記容器をローディングするか、或いは前記ポートから前記容器をアンローディングする動作を含むことができる。
【0033】
一実施形態によれば、前記動作は、前記グリップ部材の高さが固定されたまま前記搬送ユニットが前記ポートの上部から離れる動作、及び前記搬送ユニットが前記ポートの上部から離れた後に前記グリップ部材を上昇する動作をさらに含むことができる。
【0034】
一実施形態によれば、前記グリップ部材を下降する動作又は前記グリップ部材を上昇する動作は、前記搬送ユニットが走行する間に遂行されることができる。
【0035】
一実施形態によれば、前記グリップ部材を下降する動作又は前記グリップ部材を上昇する動作は、前記搬送ユニットが等速で走行する遂行されることができる。
【0036】
一実施形態によれば、前記搬送ユニットの速度変化は、前記グリップ部材の高さが固定されている間に遂行されることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一実施形態によれば、物品を安定的に搬送することができる。
【0038】
また、本発明の一実施形態によれば、物品又は物品が収納される容器に振動が発生することを最小化することができる。
【0039】
また、本発明の一実施形態によれば、物品又は物品が収納された容器の搬送時間を短縮することができる。
【0040】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることではなく、言及されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来搬送車両が容器をポートに搬送する方式を示す図面である。
図2】搬送車両が容器をポートに搬送する改善された方式を示す図面である。
図3図2の搬送車両の位置変化、搬送車両の速度変化、搬送車両のベルト長さ変化、そして搬送車両のベルト角度変化を示すグラフである。
図4】半導体製造ラインを上部から見た形状を概略的に示した図面である。
図5図4のレールを走行する搬送ユニットを正面から見た図面である。
図6図4のレールを走行する搬送ユニットを側面から見た図面である。
図7図4のレールを走行する搬送ユニットを上部から見た図面である。
図8】本発明の搬送ユニットが分岐領域で走行方向を維持し、走行する形状を上部から見た図面である。
図9】本発明の搬送ユニットが分岐領域で走行方向を変更し、走行する形状を上部から見た図面である。
図10】本発明の搬送ユニットが物品が収納された容器を搬送する形状を示す図面である。
図11】本発明の走行ホイールを回転させる走行駆動器の回転速度、そしてベルトを巻くか、或いは緩める昇降駆動器の回転速度を示したグラフである。
図12】本発明の搬送ユニットの位置変化、搬送ユニットの速度変化、搬送ユニットのベルト長さ変化、そして搬送ユニットのベルト角度変化を示すグラフである。
図13図11の振れ減衰動作を説明するためのベルト角度変化を示すグラフである。
図14図11の振れ減衰動作を説明するためのベルト角度変化を示すグラフである。
図15図11の振れ減衰動作を説明するためのベルト角度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0043】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0044】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0045】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま、第1構成要素は第2構成要素と称されることができ、類似に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。
【0046】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”あるか、或いは“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきである。反面に、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるか、或いは“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、即ち“~間に”と“すぐ~間に”又は“~に隣接する”と“~に直接隣接する“等も同様に解析されなければならない。
【0047】
異なりに定義されない限り、技術的であるか、或いは科学的な用語を含んで、ここで使用されるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同一な意味である。一般的に使用される事前に定義されていることと同一の用語は関連技術の文脈の上に有する意味と一致する意味であることと解析されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的であるか、或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0048】
本実施形態の物品搬送システムは容器を搬送するのに使用されることができる。特に、本実施形態の物品搬送システムは物品が収納された容器を搬送することができる。物品はウエハ等の基板、ガラス、又はレチクル(Reticle)であり得る。物品が収納される容器はフープ(Front Opening Unified Pod:FOUP)、又はカセットであり得る。また、物品が収納される容器はポッド(POD)であり得る。また、物品が収納される容器は複数の印刷回路基板を収納するためのマガジン、複数の半導体パッケージを収納するためのトレイ等が挙げられる。
【0049】
以下では、物品搬送システムがウエハ等の基板が収納された容器を半導体製造ラインに配置された半導体工程装置に搬送することを例として説明する。物品搬送装置が搬送する物品は半導体素子の製造に使用される基板であることを例として説明する。しかし、これに限定されることではなく、本実施形態の物品搬送装置は物品及び/又は物品が収納された容器の搬送が要求される様々な製造ラインにも同一又は類似に適用されることができる。
【0050】
以下では、図4乃至図15を参照して本発明の実施形態に対して詳細に説明する。
【0051】
図4は半導体製造ラインを上部から見た形状を概略的に示した図面である。図4を参照すれば、本発明による物品搬送システム1000は半導体工程装置10が連続的に配置された半導体製造ラインに物品が収納された容器20を搬送することができる。物品搬送システム1000はレール300、搬送ユニット500、そして後述するポートPを含むことができる。ポートPは半導体製造装置10が有し、容器20が置かれるロードポートであり得る。これと異なりに、ポートPは容器20を格納する容器格納装置(図示せず)が有するポートであり得る。これと異なりに、ポートPは半導体製造ラインの天井に設置されるバッファフレームであってもよい。
【0052】
レール300は後述する搬送ユニット500が走行する経路を提供する。レール300は走行レール310、そして分岐レール330を含むことができる。レール300は半導体製造ラインの天井に固定設置されることができる。
【0053】
搬送ユニット500はビヒクル、又は搬送車両と呼ばれることができる。搬送ユニット500はオーバーヘッドホイストビヒクルであり得る。搬送ユニット500は容器20を把持することができる。搬送ユニット500はレール300に沿って定まれた経路に沿って走行することができる。
【0054】
図4ではレール300を大体に六角形の形状に図示したが、レール300の形状は円形、方形等多様に変形されることができる。レール300は半導体製造ラインの天井に沿って具備されて半導体工程装置10を上部で確認できるように設置されることができる。レール300の設置範囲は半導体工程装置10の全体的に眺めるように広い領域に配置されることができる。
【0055】
図5図4のレールを走行する搬送ユニットを正面から見た図面であり、図6図4のレールを走行する搬送ユニットを側面から見た図面であり、図7図4のレールを走行する搬送ユニットを上部から見た図面である。
【0056】
図5乃至図7を参照すれば、上述したように物品搬送システム1000はレール300、そして搬送ユニット500を含むことができる。
【0057】
レール300は走行レール310とステアリングレール330を含むことができる。
【0058】
走行レール310は後述する搬送ユニット500が走行する走行経路を提供することができる。走行レール310には後述する搬送ユニット500の走行ホイール520が接触されることができる。走行レール310は複数に提供され、互いに離隔されて提供されることができる。例えば、走行レール310は一対で提供されることができる。一対の走行レール310は互いに平行であり、同一の高さに提供されることができる。
【0059】
ステアリングレール330は後述する搬送ユニット500の走行方向を変更させることができる。ステアリングレール330は後述する搬送ユニット500のステアリングホイール532と接触されることができる。ステアリングレール330は直線分岐レール332と曲線分岐レール334を含むことができる。直線分岐レール332は走行レール310が分岐される領域で搬送ユニット500の走行経路を維持させることができる。また、曲線分岐レール334は走行レール310が分岐される領域で搬送ユニット500の走行経路を維持させることができる。
【0060】
搬送ユニット500はレール300を走行することができる。搬送ユニット500は走行レール310を走行することができる。搬送ユニット500は容器20を把持することができる。搬送ユニット500は容器20を把持した状態にレール300を走行することができる。搬送ユニット500はボディー510、走行ホイール520、ステアリング部材530、フレーム540、ネック550、スライダー560、昇降部材570、グリップ部材580、そして制御器590を含むことができる。
【0061】
ボディー510には走行ホイール520、ステアリング部材530、そしてネック550が結合されることができる。ボディー510には走行ホイール520が回転可能に結合されることができる。また、ボディー510には走行ホイール520を回転させる走行駆動器511が具備されることができる。また、ボディー510には搬送ユニット500の動作を制御する制御器590が具備されることができる。また、ステアリング部材530はボディー510の上面に提供されることができる。また、ボディー510にはネック550が回転可能に結合されることができる。
【0062】
走行駆動器511は走行ホイール520に動力を伝達して走行ホイール520を回転させることができる。また、ボディー510は複数に提供されることができる。各々のボディー510は上述した走行駆動器511を有することができる。また、各々のボディー510には上述した走行ホイール520、ステアリング部材530、そしてネック550が結合されることができる。
【0063】
走行ホイール520はボディー510に回転可能に結合されることができる。走行ホイール520は走行駆動器511から動力が伝達されて回転されることができる。走行ホイール520はレール300と接触して回転されることができる。走行ホイール520はボディー510に結合されることができる。走行ホイール520はボディー510に回転可能に結合されることができる。走行ホイール520はレール300の中で走行レール310と接触され、回転されて走行レール310を走行することができる。走行ホイール520は複数に提供されることができる。走行ホイール520は一対で提供されることができる。走行ホイール520の中でいずれか1つはボディー510の一面に回転可能に結合され、走行ホイール520の中で他の1つはボディー510の一面と対向される他面に回転可能に結合されることができる。
【0064】
ステアリング部材530はボディー510の上部に提供されることができる。ステアリング部材530は複数のステアリングホイール532、そしてステアリングレール534を含むことができる。ステアリングホイール532は、上部から見る時、搬送ユニット500の走行方向と平行である方向に沿って配置されることができる。また、ステアリングレール534はその長さ方向が、上部から見る時、搬送ユニット500の走行方向と垂直になる方向と平行することができる。また、ステアリングホイール532はステアリングレール534の長さ方向に沿ってその位置が変更されることができる。
【0065】
フレーム540は内部空間を有することができる。フレーム540の内部空間には後述するスライダー560、昇降部材570、そしてグリップ部材580が提供されることができる。また、フレーム540は両側面及び下面が開放された六面体形状を有することができる。即ち、フレーム540は前面及び背面がブロッキングプレート(Blocking Plate)で提供されることができる。したがって、搬送ユニット500が走行する時、空気抵抗によって把持された容器20が揺れることを防止することができる。また、フレーム540はネック550を媒介でボディー510に結合されることができる。ネック550はボディー510、そしてフレーム540に対して回転可能に提供されることができる。フレーム540は少なくとも1つ以上のネック550を媒介に少なくとも1つ以上のボディー510に結合されることができる。例えば、フレーム540は1つが提供され、1つのフレーム540には2つのネック550が結合されることができる。そして、2つのネック550は互いに異なるボディー510に各々結合されることができる。
【0066】
スライダー560はフレーム540に結合されることができる。スライダー560はフレーム540に対してその位置が変更されるように結合されることができる。スライダー560はフレーム540の内部空間に提供され、フレーム540の下面に結合されることができる。スライダー560は搬送ユニット500の走行方向に対して左右側方にその位置を変更できるようにフレーム540に結合されることができる。また、スライダー560は後述する昇降部材570と結合されることができる。したがって、スライダー560の位置を変更して昇降部材570の位置を変更することができる。
【0067】
昇降部材570はボディー510、そしてグリップ部材580の間に提供されることができる。昇降部材570はグリップ部材580を上下方向に移動させることができる。昇降部材570はグリップ部材580を上昇又は下降させることができる。昇降部材570は昇降駆動器571とベルト572を含むことができる。昇降部材570はホイスト(Hoist)装置と称されることができる。昇降駆動器571はベルト572を巻くか、或いは緩めて懸垂されるベルト572の長さを変更させることができる。例えば、昇降駆動器571がベルト572を緩めると、ベルト572の長さは長くなり、昇降駆動器571がベルト572を巻くと、ベルト572の長さは短くなることができる。また、ベルト572は複数に提供されることができる。複数のベルト572の一端は、各々グリップ部材580と連結されることができる。
【0068】
グリップ部材580は容器20を把持することができる。グリップ部材580がクローズ(Close)される場合、グリップ部材580は容器20を把持することができる。グリップ部材580がオープン(Open)される場合、グリップ部材580は容器20を置くことができる。即ち、グリップ部材580は容器20を着脱可能に把持することができる。グリップ部材580は容器20を半導体工程装置のロードポートのようなポートPにポートPからアンローディングすることができる。
【0069】
制御器590は上述したようにボディー510に具備されることができる。制御器590はボディー510が有する内部空間に具備されることができる。制御器590は搬送ユニット500が有する構成、例えば走行駆動器511、昇降駆動器571、そしてスライダー560の中で少なくとも1つ以上を制御することができる。また、制御器590は以下で説明する搬送ユニット500の制御方法を遂行する制御信号を発生させることができる。
【0070】
図8は本発明の搬送ユニットが分岐領域で走行方向を維持し、走行する形状を上部から見た図面である。図8を参照すれば、搬送ユニット500が分岐領域で走行方向を維持し、走行する場合、ステアリング部材530のステアリングホイール532は直線分岐レール332と接触される位置に移動される。したがって、分岐領域で走行ホイール520は走行レール310の中でいずれか1つと接触され、ステアリングホイール532は直線分岐レール332と接触し、搬送ユニット500の走行方向は維持される。
【0071】
図9は本発明の搬送ユニットが分岐領域で走行方向を変更し、走行する形状を上部から見た図面である。図9を参照すれば、搬送ユニット500が分岐領域で走行方向を変更する場合、ステアリング部材530のステアリングホイール532は曲線分岐レール334と接触される位置に移動される。したがって、分岐領域で走行ホイール520は走行レール310の中でいずれか1つと接触され、ステアリングホイール532は曲線分岐レール334と接触し、搬送ユニット500の走行方向は変更される。
【0072】
以下では、本発明の一実施形態による搬送ユニット500の制御方法、より詳細には以下では説明する物品搬送方法を遂行するための搬送ユニット500の制御方法に対して詳細に説明する。
【0073】
図10は本発明の搬送ユニットが物品が収納された容器を搬送する形状を示す図面である。図10で、APは搬送ユニット500の走行経路を示す。GPはグリップ部材570の移動経路を示す。図10を参照すれば、搬送ユニット500は物品が収納された容器20をポートPに搬送することができる。搬送ユニット500は走行レール310に沿って移動して容器20をポートPに搬送することができる。例えば、搬送ユニット500は容器20が置かれるポートPの上部に到達する前、昇降駆動器571がグリップ部材580を下降することができる。グリップ部材580の下降が完了されれば、グリップ部材580の高さは固定されることができる。グリップ部材580の高さが固定されたまま、搬送ユニット500はポートPの上部に移動することができる。その後、グリップ部材580がポートPに容器20をローディング(Loading)するか、又はポートPから容器20をアンローディング(UnLoading)することができる(図10では搬送ユニット500がポートPに容器20をローディングする動作を図示した)。例えば、搬送ユニット500がポートPの上部で停車すれば、グリップ部材580はオープン(Open)されることができる。グリップ部材580が容器20をローディング又はアンローディングする動作を完了すれば、搬送ユニット500は走行を開始することができる。この時、グリップ部材580の高さは固定されたまま、搬送ユニット500がポートPの上部から離れることができる。搬送ユニット500がポートPの上部から離れた後、グリップ部材580は上昇することができる。
【0074】
グリップ部材580の高さ変更は、昇降駆動器571によって行われることができる。また、グリップ部材580の高さ変更、即ち昇降駆動器571がベルト572を巻くか、或いは緩めてグリップ部材280を下降させるか、或いは上昇させる動作は搬送ユニット500が走行する間に遂行されることができる。グリップ部材580の高さ制御を、搬送ユニット500の走行途中に遂行するので、搬送ユニット500の待機時間(例えば、停車時間)を短縮させることができる。したがって、搬送ユニット500が物品又は物品が収納された容器20を搬送する時間を短縮させることができる。
【0075】
図11は本発明の走行ホイールを回転させる走行駆動器の回転速度、そしてベルトを巻くか、或いは緩める昇降駆動器の回転速度を示したグラフであり、図12は本発明の搬送ユニットの位置変化、搬送ユニットの速度変化、搬送ユニットのベルト長さ変化、そして搬送ユニットのベルト角度変化を示すグラフである。
【0076】
図11のVP1は走行駆動器511の回転速度を表現するが、VP1は搬送ユニット500の走行速度を表現してもよい。また、VP2は昇降駆動器571の回転速度を表現するが、VP2はベルト572の長さ変化速度を表現してもよい。
【0077】
図12では時間tに応じる搬送ユニット500の位置x変化、そして搬送ユニット500の速度v変化、搬送ユニット500のベルト572長さl変化、そして搬送ユニット500のベルト572の角度θ変化を示すことができる。角度θはベルト572の横方向軸と地面に垂直になる軸がなす角度を意味することができる。
【0078】
図11、そして図12に図示されたように、搬送ユニット500の走行は、加速区間(S10)、等速区間(S20)、そして減速区間(S30)を含むことができる。加速区間(S10、t0~t3)は搬送ユニット500の走行速度を上げる区間であり得る。等速区間(S20、t3~t6)は搬送ユニット500が等速で走行する区間であり得る。減速区間(S30、t6~t9)は搬送ユニット500の走行速度を下げる区間であり得る。等速区間(S20)は加速区間(S10)、そして減速区間(S30)の間の区間であり得る。
【0079】
加速区間(S10)又は減速区間(S30)で、搬送ユニット500はグリップ部材580が把持する容器20の振れを減衰する振れ減衰動作を遂行することができる。振れ減衰動作は搬送ユニット500の走行速度を変更して遂行されることができる。例えば、振れ減衰動作は、基板等の物品を収納する容器20の、振れ周期の半分に搬送ユニット500の加速度のサイズを変更する動作であり得る。
【0080】
振れ周期は、t0で、停止された搬送ユニット500が走行を始めながら、発生する容器20の振れの周期であり得る。また、前記振れ周期は、t6で、等速走行する搬送ユニット500が減速を始めながら、発生する容器20の振れの周期であり得る。
【0081】
振れ減衰動作は搬送ユニット500の走行加速度を第1加速度から第1加速度より小さい第2加速度に変更する動作であり得る。例えば、振れ減衰動作は、搬送ユニットの走行を第1加速度の第1加速走行t0~t1又はt6~t7から等速走行t1~t2又はt7~t8に変更し、等速走行t1~t2又はt7~t8から第2加速度の第2加速走行t2~t3又はt8~t9に変更する動作であり得る。また、搬送ユニット500が等速走行t1~t2又はt7~t8する時間は、搬送ユニット500が第1加速走行t0~t1又はt6~t7及び/又は第2加速走行t2~t3又はt8~t9する時間と比較する時、非常に短いことができる。
【0082】
本発明の振れ減衰動作に対して図13乃至図15を参照してより詳細に説明する。図13では本発明の振れ減衰動作を遂行しない場合、ベルト572の角度θ変化を示す。図13に図示されたように搬送ユニット500が加減速走行するようになれば、慣性によってベルト572の角度θは一周期Tcを有する波形Aに変化する。一般的な場合であれば、容器20を把持する等の作業はベルト572の角度θ変化が安定される時点、即ち振動が無くなる時点まで待ってから遂行されなければならない。しかし、図14に図示されたように、同一の事件の波形B半周期(1/2Tc)の後にさらに小さいサイズで発生させる場合、図15に図示されたような波形Rのみが残る。即ち、本発明の振れ減衰動作は加速区間(S10)又は減速区間(S30)で容器20に振れが生じる事件が発生された後(加速開始又は減速開始)、容器20に発生する振れ周期の半周期(1/2Tc)の後に、容器20に同一の周期を有する振れを再び発生させて(t1~t2に等速走行の後、再び加速開始、又はt7~t8に等速走行の後、再び減速開始)容器20で発生する振れを最小化することができる。
【0083】
再び、図11及び図12を参照すれば、このような振れ減衰動作は、容器20の振れ周期の半周期(1/2Tc)に搬送ユニット500の走行加速度のサイズを変更することができる。例えば、走行加速度のサイズを変更する動作は、搬送ユニット500の走行加速度のサイズをt1又はt7に第1加速度から、0に(等速走行)変更し、t2又はt8に、その後、第2加速度に変更する動作であり得る。第2加速度は第1加速度より小さい速度であり得る。また、t0~t1間隔はt2~t3の間隔より大きいことができる。また、t6~t7間隔は、t8~t9より大きいことができる。
【0084】
また、ベルト572は加速区間(S10)及び/又は減速区間(S30)でベルト572の長さlは固定されることができる。即ち、加速区間(S10)及び/又は減速区間(S30)でボディー510からグリップ部材580までの距離は固定されることができる。
【0085】
ベルト572の長さlは等速区間(S20)で変化されることができる。要するに、グリップ部材580は等速区間(S20)で上昇又は下降されることができる。等速区間(S20)では搬送ユニット500が有する構成に伝達されるネットフォース(net force)が0であるので、ベルト572の長さl(グリップ部材580の高さ変化)が変化されても、振れが発生することを最大に抑制することができる。
【0086】
また、ベルト572の長さlが加速区間(S10)及び/又は減速区間(S30)で変化れる場合、上述した振動低減動作のパラメーター(Parameter)であるグリップ部材580振り子周期が変化するようになって、揺れを抑制できなくなる。したがって、本発明の一実施形態による搬送ユニット500の制御方法では、加速区間(S10)及び減速区間(S30)ではベルト572の長さlを固定させ、ベルト572の長さlを振動低減動作が必要としない等速区間(S20)で変化させることによって、上述した問題点の発生を最小化することができる。
【0087】
上述した例では、ベルト572の長さl変化が、搬送ユニット500が走行する区間の中で等速区間(S20)で行われることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、搬送ユニット500のスライダー560が昇降部材570を移動させる場合、搬送ユニット500の昇降部材560の走行は加速区間、等速区間、そして減速区間を有することができる。この時、ベルト572の長さ変化は、搬送ユニット500の昇降部材560の走行区間の中で等速区間で行われることができる。
【0088】
上述した例では、物品搬送システム1000が半導体製造ラインに適用されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、物品搬送システム1000は物品の搬送が要求される様々な製造ラインに同一又は類似に適用されることができる。
【0089】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0090】
1000 物品搬送システム
10 半導体工程装置
300 レール
310 走行レール
330 ステアリングレール
332 直線分岐レール
334 曲線分岐レール
500 搬送ユニット
510 ボディー
520 走行ホイール
530 ステアリング部材
532 ステアリングホイール
534 ステアリングレール
540 フレーム
550 ネック
560 スライダー
570 昇降部材
580 グリップ部材
590 制御器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15