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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018800
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ネジ類供給装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20220120BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20220120BHJP
   B25B 23/04 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
B23P19/06 A
B65G47/14 M
B25B23/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122160
(22)【出願日】2020-07-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [展示会名] 2019国際ロボット展 [開催日] 2019年12月18日から2019年12月21日 [刊行物等] [展示会名] 第6回自動車部品&加工EXPO [開催日] 2020年 1月15日から2020年 1月17日
(71)【出願人】
【識別番号】503193889
【氏名又は名称】株式会社エデックリンセイシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】大山 和美
【テーマコード(参考)】
3C038
3F080
【Fターム(参考)】
3C038BA03
3C038BA06
3F080AA24
3F080BA01
3F080BA02
3F080BA04
3F080BB05
3F080BC01
3F080CC04
3F080CF07
3F080DB04
(57)【要約】
【課題】ネジ類供給装置において、溝付きレールへのネジ類の吊り下がり状態を適確かつ安定的に実現する。
【解決手段】溝付きレール40へと供給されたネジ類の内、レールの上で横倒しになっているネジ類2b,2cを排除する手段として、溝付きレール40の溝幅よりも全体として広幅に構成された回転体31,32、溝付きレール40の上面に対し、高さ方向については、ネジ類の頭部の厚さよりも大きく、かつ、ネジ類の頭部の直径よりも小さい間隔をあけ、幅方向については、溝付きレールの溝部40aを跨ぎ、直径方向については、溝付きレール40と平行となる様に設置し、ネジ類の排出方向に対してネジ類を押し戻す方向に回転させる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ類を収容する収容部と、ネジ類を溝部に吊り下げた状態で移動させる溝付レールと、前記収容部から前記溝付レールへとネジ類を供給するネジ類供給機構と、を備えた本体部と、前記溝付レールを介して前記本体部から排出されるネジ類をドライバビット等による取り出し位置へと一本ずつ切り出す切り出し部と、を備えた装置であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とするネジ類供給装置。
(1A)前記ネジ類供給機構によって前記溝付きレールへと供給されたネジ類の内、レールの上で横倒しになっているネジ類を排除する排除手段として回転体を備えていること。
(1B)前記回転体を、前記溝付きレールの上面に対し、高さ方向については、ネジ類の頭部の厚さよりも大きく、かつ、ネジ類の頭部の直径よりも小さい間隔をあけ、幅方向については、前記溝付きレールの溝部を跨ぎ、直径方向については、前記溝付きレールと平行となる様に設置したこと。
(1C)前記回転体を前記溝付きレールによるネジ類の排出方向に対してネジ類を押し戻す方向に回転させる駆動手段を備えていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載のネジ類供給装置。
(2)前記回転体は、外周に突起部を備え、前記溝付きレールの溝と直交する回転軸に支持された排除円盤からなり、前記排除手段は、前記突起部が前方には飛び出すものの下方には飛び出さない様に前記排除円盤の盤面両側にそれぞれ配置される第1,第2の円盤ガイドを備え、該第1,第2の円盤ガイドは、その底面が前記溝付きレールの上面と平行に、ネジ類の頭部の厚さよりも大きく、かつ、ネジ類の頭部の直径よりも小さい間隔を保持する様に配置されていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ類供給装置。
(3)前記第1,第2の円盤ガイドの底面は、前記溝付きレールに吊り下げられた状態のネジ類の頭部に近接する間隔を保ったままネジ類の排出方向に向かって伸ばされていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のネジ類供給装置。
(4)前記排除手段には、前記溝付きレールの上面との間隔を増減する間隔増減手段が備えられていること。
【請求項5】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のネジ類供給装置。
(5)前記収容部として、前記溝付きレールに向かって下り傾斜となるタンク底板を、前記溝付きレールとの間に所定幅の隙間をあける様に設置すると共に、前記ネジ類供給機構として、前記隙間を通過して昇降する昇降板を、上昇端においてその上面が前記溝付きレールの上面より上となる位置まで上昇させ、下降端においてその上面が前記タンク底板の下方に隠れる位置まで下降させる昇降機構を備え、前記昇降板の上面は前記溝付きレールに向かって下り傾斜となる様に構成され、前記溝付きレールの上面は、前記昇降板において下り傾斜とされた上面と重なる範囲について、溝部の中心に向かって下り傾斜となる斜めカット部を備えさせ、前記回転体には、前記昇降機構による前記昇降板の昇降動作に伴って一方向にのみ回転する様に回転力が与えられる様に構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ類を一本ずつ取り出せる様に供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収容部に設置されたレールの溝に吊り下げ状態で整列させたネジを取り出し位置へと移送し、一つずつ取り出せる様にした装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の装置は、スリット円盤のスリットを検知することでネジ収納用の凹部を備えた回転円盤を90度刻みで間欠的に回転・停止させ、取付位置へと一本ずつネジを切り出せる様にしている。
【0003】
この種の装置においては、レールの両側に設置した揺動式のスクイ板や(特許文献2)、レールを取り囲む様に設置した回転ドラム(特許文献3)等により、レールの上方からネジを供給し、レールに正しく吊り下がらなかったネジは揺動ブラシで収容部へ戻している(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5813183号
【特許文献2】特許第2997865号
【特許文献3】特許第5513964号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら従来技術では、収容部内でネジを上方から落下させてレールに供給する構造であるため、レールを収容部の中央付近に設置する必要があり、小型化、特に、薄型化が難しいという問題がある。また、揺動ブラシは耐久性に問題があり、レールに対して正しく吊り下がっていないネジを送ってしまい、移送不良を来す恐れがある。
【0006】
また、特許文献1の装置は、ネジの切り出しを適確に実施できる代わりに、回転円盤とスリット付き円盤の回転軸に対する取付角度の精度を高めるための組み立て工数の増大、取り出し位置におけるネジの脱落防止用のストッパーやバネの組み付けによる組み立て工数・部品点数の増加が避けられない。
【0007】
そこで、本発明は、ネジ類供給装置において、溝付きレールへのネジ類の吊り下がり状態を適確かつ安定的に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明のネジ類供給装置は、ネジ類を収容する収容部と、ネジ類を溝部に吊り下げた状態で移動させる溝付レールと、前記収容部から前記溝付レールへとネジ類を供給するネジ類供給機構と、を備えた本体部と、前記溝付レールを介して前記本体部から排出されるネジ類をドライバビット等による取り出し位置へと一本ずつ切り出す切り出し部と、を備えた装置であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記ネジ類供給機構によって前記溝付きレールへと供給されたネジ類の内、レールの上で横倒しになっているネジ類を排除する排除手段として回転体を備えていること。
(1B)前記回転体を、前記溝付きレールの上面に対し、高さ方向については、ネジ類の頭部の厚さよりも大きく、かつ、ネジ類の頭部の直径よりも小さい間隔をあけ、幅方向については、前記溝付きレールの溝部を跨ぎ、直径方向については、前記溝付きレールと平行となる様に設置したこと。
(1C)前記回転体を前記溝付きレールによるネジ類の排出方向に対してネジ類を押し戻す方向に回転させる駆動手段を備えていること。
【0009】
本発明のネジ類供給装置によれば、溝付きレールに正しく吊り下がったネジ類は回転体の下を通過して排出方向へ移動することができるものの、横倒しになって載っているネジ類は回転体の回転によって後方へ排除される。このとき、回転体には盤面方向の力が加わることがなく、安定的に排除動作を実行することができる。この結果、本発明のネジ類供給装置によれば、溝付きレールへのネジ類の吊り下がり状態を適確かつ安定的に実現することができる。
【0010】
ここで、本発明のネジ類供給装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとするとよい。
(2)前記回転体は、外周に突起部を備え、前記溝付きレールの溝と直交する回転軸に支持された排除円盤からなり、前記排除手段は、前記突起部が前方には飛び出すものの下方には飛び出さない様に前記排除円盤の盤面両側にそれぞれ配置される第1,第2の円盤ガイドを備え、該第1,第2の円盤ガイドは、その底面が前記溝付きレールの上面と平行に、ネジ類の頭部の厚さよりも大きく、かつ、ネジ類の頭部の直径よりも小さい間隔を保持する様に配置されていること。
【0011】
かかる構成をも備えたネジ類供給装置によれば、第1,第2の円盤ガイドによって進行を妨げられた横倒し状態のネジ類を、排除円盤の突起部で押し戻す様にして排除すると共に、正しく吊り下げられた状態のネジ類は、第1,第2の円盤ガイドの底面の下を通過して排出方向へと移動される。
【0012】
これら本発明のネジ類供給装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとするとよい。
(3)前記第1,第2の円盤ガイドの底面は、前記溝付きレールに吊り下げられた状態のネジ類の頭部に近接する間隔を保ったままネジ類の排出方向に向かって伸ばされていること。
【0013】
かかる構成をも備えたネジ類供給装置によれば、正しく吊り下げられた状態のネジ類は、円盤ガイドの伸ばされた底面によって飛び出し方向への運動を抑制される。これにより、一旦、正しく整列状態となったネジ類が脱落したり不整列となることが防止される。
【0014】
これら本発明のネジ類供給装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとするとよい。
(4)前記排除手段には、前記溝付きレールの上面との間隔を増減する間隔増減手段が備えられていること。
【0015】
かかる構成をも備えたネジ類供給装置によれば、ネジ類の大小に応じて、溝付きレールの上面と排除手段との間隔を増減することができるから、種々のネジ類の供給装置としての汎用性が高まる。
【0016】
これら本発明のネジ類供給装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとするとよい。
(5)前記収容部として、前記溝付きレールに向かって下り傾斜となるタンク底板を、前記溝付きレールとの間に所定幅の隙間をあける様に設置すると共に、前記ネジ類供給機構として、前記隙間を通過して昇降する昇降板を、上昇端においてその上面が前記溝付きレールの上面より上となる位置まで上昇させ、下降端においてその上面が前記タンク底板の下方に隠れる位置まで下降させる昇降機構を備え、前記昇降板の上面は前記溝付きレールに向かって下り傾斜となる様に構成され、前記溝付きレールの上面は、前記昇降板において下り傾斜とされた上面と重なる範囲について、溝部の中心に向かって下り傾斜となる斜めカット部を備えさせ、前記回転体には、前記昇降機構による前記昇降板の昇降動作に伴って一方向にのみ回転する様に回転力が与えられる様に構成されていること。
【0017】
かかる構成をも備えたネジ類供給装置によれば、収容部において、ネジ類はタンク底板の傾斜によって溝付きレール側に集まる様に収容される。そして、溝付きレール側に集まる様に収容されたネジ類の内、昇降板の上面に持ち上げられたネジ類が溝付きレールの上に供給される。昇降板の上面が溝付きレール側に傾斜しているから昇降板の上面が溝付きレールの上面を越えるまではネジ類は溝付きレールの内側側面に当接する状態となり、昇降板の上面が溝付きレールの上面を越えたときに溝付きレール側へと滑り落ちあるいは転がり落ちる様にして受け渡される。このとき、溝付きレールの上面に受け渡されたネジ類はカット部に受け止められ、頭部を中心に溝部に軸を嵌まり込ませる様にして吊り下げられる。なお、一部は、他のネジ類が邪魔になるなどの理由から、吊り下がることなく横倒しになったまま溝付きレールの上に載った状態となり、回転体に当接して押し戻される様にしてタンク底板側へと落下する。このとき、回転体には、昇降板の昇降動作に伴って一方向にのみ回転する様に回転力が加えられる。この結果、無駄なく確実に、排除動作を実行することができる。また、かかる構成をも備えることにより、溝付きレールの両側からネジ類を供給する必要がなくなり、溝付きレールを一方側に偏った配置とすることができ、装置全体を薄型化することが可能となる。この場合、回転体が溝付きレールと平行に配置されているから、溝付きレールを一方側に偏った配置であっても不整列ネジの排除を適確に実行することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ネジ類供給装置において、溝付きレールへのネジ類の吊り下がり状態を適確かつ安定的に実現することができる。また、請求項3,4の発明によれば、装置の薄型化をも可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1のネジ類供給装置を示し、(A)は斜視図、(B)は本体部内の様子を示す模式的平面図である。
図2】実施例1のネジ類供給装置の要部を示し、(A)は昇降板が下降した状態の本体内部の斜視図、(B)は昇降板が上昇した状態の本体内部の斜視図である。
図3】実施例1のネジ類供給装置の要部を示し、(A)は溝付レールにネジ類が吊り下げられた状態の斜視図、(B)は横倒しに載ったネジ類を排除するための機構を示す斜視図、(C)はネジ類を排除するための円盤の構造を示す分解斜視図、(D)は昇降機構の動作を制御するためのセンサの取付状態を示す斜視図である。
図4】実施例1のネジ類供給装置において溝付レールに横倒しに載ったネジ類を排除するための機構を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
図5】実施例1のネジ類供給装置の切り出し部を示し、(A)は平面図、(B)は内部構造を示す側面図である。
図6】実施例1のネジ類供給装置の切り出し部を示し、(A)は組み付け状態を示す要部の側面図、(B)は回転円盤の構造を示す側面図である。
図7】実施例1のネジ類供給装置の制御部を示し、(A)はブロック図、(B)はフローチャートである。
図8】他の実施例において溝付レールに横倒しに載ったネジ類を排除するための機構を示し、(A)は実施例2の斜視図、(B),(C)は実施例3の斜視図である。
図9】さらに他の実施例において溝付レールに横倒しに載ったネジ類を排除するための機構を示し、(A)~(C)は実施例4の斜視図、(D)は実施例5の斜視図である。
図10】実施例のネジ類供給装置を多列レイアウトにて設置した状態を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明する。
【実施例0021】
実施例1のネジ類供給装置1は、図1(A)に示す様に、本体部10と、切り出し部50とを備える。本体部10は、ネジ類2を投入するための蓋10aを上面に備え、切り出し部50を前面に備えている。本体部10の内部には、図1(B)に示す様に、ネジ類2を収容する収容部20と、ネジ類2を吊り下げた状態に整列させて切り出し部50へと移送するための溝付きレール40と、が備えられている。
【0022】
溝付きレール40は、図1(B)に示す様に、本体部10の左側壁11に近接する位置に設置され、本体部10から突出した部分が切り出し部50の中央方向へと斜めに120度屈曲されている。また、溝付きレール40のレール上面41は、図2(A),(B)に示す様に、本体部10の背面側から前面に向かって傾斜し、ネジ類2が、本体部10から切り出し部50へと、自重によって滑り降りていく様に構成されている。また、図3(A),(B)に示す様に、傾斜の緩やかな部分においては、溝付きレール40のレール上面41は溝に向かって傾斜する斜めカット部41aを備えている。そして、この斜めカット部41aから前端に掛けての範囲について、外側レール42の左側面に接する垂直壁45が備えられている。
【0023】
収容部20は、図1(B)に示す様に、本体部10の右側壁12と溝付きレール40との間に設定されている。この収容部20の底は、図2(A),(B)に示す様に、本体部10の右側壁から溝付きレール40に向かって下り傾斜とされたタンク底板21によって構成されている。この結果、収容部20に投入されたネジ類は、溝付きレール40の内側レール43の垂直壁に向かって滑り落ち、あるいは転がり落ちる様にしてタンク底板21の上に収容される。
【0024】
タンク底板21は、図2(A),(B)に示す様に、左端で垂直下方に折り曲げられた垂直部21aを備え、溝付きレール40の内側レール43の垂直壁に沿って一定幅で伸びる隙間22を形成した状態となる様に設置されている。そして、この隙間22を通過可能な厚さの昇降板23が内側レール43の垂直壁に沿って昇降可能となる様に設置されている。なお、内側レール43と昇降板23、及び昇降板23とタンク底板21の垂直部21aは、昇降動作に支障ない程度にほぼ当接した状態となっている。この昇降板23の昇降板上面23aは、図2(B)に示す様に、ネジ類2を下方から受け止めることのできる厚さを有すると共に、溝付きレール40のレール上面41と同様に前下がり、かつ、タンク底板21と同様の左下がりの傾斜面で構成されると共に、ネジ類2がさらに前方へと滑り落ちるのを防止する突起23bが前端部において上方に向かって突設されたものとなっている。また、昇降板23の背面側には、図2(A),(B)に示す様に、直角に折り曲げられた背面板23cが備えられている。昇降板23は、この背面板23cが、タンク底板21の背面端に形成した切り欠き部21bに嵌まり込んだ状態で昇降可能に組み付けられている。背面板23cは、昇降板23の昇降動作を安定させると共に、昇降板23の上昇時に収容部20の後方に停滞しているネジ類2の状態を崩し、昇降板23へネジ類2が乗る効率を上げる役割を担っている。なお、図2(A),(B)に示す様に、タンク底板21の前方側には、下端をタンク底板21側に下り傾斜となる様に折り曲げたタンク前板21cが設置され、前方に落下したネジ類2をタンク底板21へと戻す様にしている。
【0025】
昇降板23の下端には昇降カム24が取り付けられている。この昇降カム24にはモータ軸アーム25が係合されている。このモータ軸アーム25は、昇降用モータM1の出力軸に取り付けられている。昇降用モータM1は、減速機を内蔵したギアドモータであり、一定の速度で回転することにより、モータ軸アーム25と昇降カム24とのカムフォロワ動作により、昇降板23に所定のインターバルに従った昇降動作を実行させる。この昇降動作において、昇降板上面23aは、上昇側ではレール上面41を所定量越える位置まで上昇し、下降側ではタンク底板21の傾斜面よりも下方に隠れる位置まで下降する様に動作範囲が設定されている。
【0026】
昇降板23の前端下部にはL字型ブラケット26が取り付けられている。このL字型ブラケット26の垂直部には、ラックギヤ27が垂直方向に伸びる様に取り付けられている。このラックギヤ27は、図2(A),(B)及び図3(A)に示す様に、溝付きレール40の上方において当該溝付きレール40と直交する方向に伸びる水平軸28に対してワンウェイクラッチ28aを介して取り付けられた平歯ギヤ29に噛み合わされている。この結果、昇降用モータM1を駆動することにより、昇降板23と共に昇降動作を繰り返すラックギヤ27が平歯ギヤ29を正逆方向に回転させ、水平軸28は、ワンウェイクラッチ28aの作用によって一方向にのみ回転する間欠的な回転動作を実行する。
【0027】
水平軸28には、図3(A)に示す様に、2枚の排除用円盤31,32が取り付けられている。これら2枚の排除用円盤31,32には、図3(B),(C)に示す様に、それぞれ四つの爪31a~31d,32a~32dが円周方向90度間隔で突設されている。そして、左側壁11側の排除用円盤31に180度間隔で突設された二つの爪31a,31cは、反対側の排除用円盤32に向かって屈曲されている。また、これら排除用円盤31,32は、図3(B)に示す様に、溝付きレール40の上方に所定距離をあけた位置となる様に配置されると共に、間に邪魔板33が配置されている。この邪魔板33は本体部10の上面裏に上端を固定されている。
【0028】
また、図3(A),(B)に示す様に、溝付きレール40のレール上面41は、背面側から前面側に向かう下り傾斜の角度が途中から急になる様に構成されている。上述の排除用円盤31,32は、この下り傾斜が急になる位置の前方側に設置されている。また、邪魔板33の下端は、図3(B)に示す様に、排除用円盤31,32の周縁よりも飛び出さない様に設置されている。そして、図4(A)に示す様に、邪魔板33は溝付きレール40の溝40aの上に位置し、排除用円盤31,32は溝40aよりも外側に位置する様に設置される。このとき、排除用円盤31,32は、円周方向に突設された爪31b,31d,32a~32dがレール上面41に当接せず、屈曲された爪31a,31cは溝付きレール40に正しく吊り下げられた状態のネジ類の頭部に当たらない高さとなると共に屈曲端が溝付きレール40の溝40aまで達する様に設置される。
【0029】
この結果、昇降用モータM1を駆動することにより、タンク底板21の上に収容されているネジ類2の内、内側レール43に接する位置にあるものは昇降板上面23aによって持ち上げられ、溝付きレール40のレール上面41よりも若干上がった位置まで持ち上げられる。この間、昇降板上面23aは左下がりの傾斜面となっており、昇降板23の左側面は内側レール43の右側面にほぼ接する状態となっているから、ネジ類2は内側レール43の右側面に当接した状態で溝付きレール40の上面よりも若干上がった位置まで持ち上げられる。すると、ネジ類2は、左下がりの傾斜面で構成された昇降板上面23aから、溝付きレール40のレール上面41へと滑り出し、あるいは転がり出す様にして受け渡される。このとき、多くのネジ類は、斜めカット部41aに受け止められ、軸部を溝に落とし込ませて吊り下げられた状態にて溝付きレール40に保持される。しかし、全てのネジ類がこの様な吊り下げ状態とはならず、溝付きレール40に受け渡されたネジ類において、図4(A),(B)に示す様に、一部のネジ類2aは溝40aに軸部を落とし込ませる様にして溝付きレール40に吊り下がった状態となり、他のネジ類2b,2cは溝付きレール40のレール上面41に横倒しに乗り上げた状態となる。なお、昇降板23に持ち上げられたネジ類には、この昇降板23の上昇動作の途中で、あるいは下降動作の途中でタンク底板21側へと落下するものもある。
【0030】
溝付きレール40のレール上面41は前下がりの傾斜面とされ、昇降板23の昇降動作に伴う振動が伝わり、溝付きレール40に受け渡されたネジ類2a,2b,2cは装置の前方へと移動していく。このとき、正しく吊り下がったネジ類2aは邪魔板33の下を通ってさらに前方へと移動する。一方、正しく吊り下げられずに横倒しに乗り上げた状態となっているネジ類2b,2cは、間欠的に回転する排除用円盤31,32の爪31a~31d,32a~32dに当たり、レール上面41からタンク底板21側へと落とされる。このとき、図4(B)に矢印で示す様に、排除用円盤31,32が、昇降板23が下降動作を行う間に実行する間に、横倒しに乗り上げた状態となっているネジ類2b,2cを、爪31a等によって弾き落とす方向への回転を実行する様に、ワンウェイクラッチ28aが取り付けられている。
【0031】
排除用円盤31,32は、十分な厚さの金属板から打ち抜きプレスによって製造されており、ネジ類2b等を弾き落とす動作を繰り返し実行しても変形や損傷を来さないものとなっている。この結果、本実施例によれば、収容部20に収容されたネジ類2を溝付きレール40に対して適確に吊り下がった状態に整列させ、取り出し位置へと移送する動作を長期にわたって実行し続けることができるものとなっている。ここで、本実施例においては、溝付きレール40の溝40aに整列状態のネジ類が十分に供給された状態になったら昇降用モータM1を停止させて省エネ化を図るため、図3(D)に示す様に、排除用円盤31,32よりも出口側となる位置にフォトセンサSE3を設置している。フォトセンサSE3は、溝40aにネジ類が存在するとき、光路が遮断された状態でOFF信号を出力し、ネジ類が取り出されて光路が開放された状態でON信号を出力する。そして、昇降用モータM1を、フォトセンサSE3がON信号を出力している間だけ駆動することにより、無駄な電力消費を抑制する制御を実行している。以下、フォトセンサSE3を「昇降停止センサSE3」という。
【0032】
次に、切り出し部50について説明する。図1(A)に示す様に、切り出し部50は、本体部10の前面壁13の下部に配置された直方体状の筐体51を備えている。筐体51の上面には、ドライバガイド5、供給準備センサSE1、及び回転円盤70が取り付けられている。回転円盤70は、図5(A)に示す様に、回転中心が筐体51の幅方向中心となる様に取り付けられている。この回転円盤70の円周部には、中心に向かって切り込まれたU字状切り欠部71,72,73が120度間隔で備えられている。
【0033】
ここで、筐体51の天板51aは、図5(B)に示す様に、前端に向かって上り傾斜とされており、回転円盤70の回転軸75は、天板51aに対して直交する様に垂直軸に対して後方に倒れ気味の角度で設置され、回転円盤70を、天板51aの前上がりの傾斜と一致する様に前端に向かって上り傾斜となる様に支持している。また、回転円盤70は、その上面と天板51aの上面とが面一となる様に支持されている。
【0034】
筐体51の天板51aには、前端の幅方向中央から後方に向かって伸びる直線状溝部52が形成されている。この直線状溝部52は、その幅がU字状切り欠き部71,72,73の幅以上であって、その切り欠き底部がU字状切り欠き部71,72,73の切り欠き底部の深さ以上となる様に形成されている。
【0035】
これら三つのU字状切り欠き部71,72,73のいずれかの開口部が前方を向き、直線状溝部52と重なる位置へと回転円盤70を回転させて停止することにより、取り出し位置TPへのネジ類の移送が完了する。図5(A)は、U字状切り欠き部71に収容したネジ類2xが取り出し位置TPに移送された状態を示している。
【0036】
ここで、本実施例においては、回転円盤70は、図5(A)において反時計方向に回転されている。また、溝付きレール40は、次に取り出し位置へと回転されるU字状切り欠き部72の停止位置に前端が到達する様に、筐体51の天板51aの中心方向に屈曲されている。そして、天板51aには、この溝付きレール40の溝40aと重なる第2の溝部53が形成されている。この第2の溝部53は、図5(A)における溝40a及びU字状切り欠き部72に重なり、溝付きレール40に吊り下げられて滑り降りてくるネジ類2yをU字状切り欠き部72へと受け渡すことが可能な寸法・形状を有している。なお、溝付きレール40のレール上面41は、図5(B)に示す様に、本体部10の外側において継続して傾斜とされている。
【0037】
また、天板51aには、直線状溝部52と第2の溝部53とを連通させる様に、回転円盤70の周縁に対応する円弧状凹部54,54が備えられている。この結果、回転円盤70のU字状切り欠き部71,72,73は、第2の溝部53から直線状溝部52まで移動する間は、開口部分が円弧状凹部54,54の縁によって塞がれ、ネジ類の脱落が防止された状態となる。
【0038】
供給準備センサSE1は、溝部52を挟んで対面する様に設置された発光素子と受光素子とから構成され、光路が遮断されたことを検知した後に再び光路が開かれたことを検知することにより、取り出し位置TPに移送されたネジ類2xの取り出し完了を検出し、回転円盤70の次の回転動作を開始させる契機を与えるための信号を出力する役割を担っている。
【0039】
回転円盤70の裏面には、図6(A),(B)に示す様に、三つの突起ドグ81,82,83を備えたドグ部材80が固定されている。これら三つの突起ドグ81,82,83は、三つのU字状切り欠き部71,72,73に対して正反対の方向に向かって伸びる様に位置決めピン85で位置決めされ、回転円盤70と一体化されている。突起ドグが一体化された回転円盤70は、筐体51の天板51aに直交する様に傾斜して設置された回転軸75の先端部に固定される。回転軸75は、筐体内に天板51aと平行に設置された傾斜ブラケット76に回転可能に支持されている。また、回転軸75は、減速機を内蔵したギアドモータで構成された回転用モータM2の出力軸に取り付けられている。
【0040】
また、図5(B),図6(B)に示す様に、切り出し部50の筐体内には回転位置決めセンサSE2が設置されている。この回転位置決めセンサSE2は、上下方向に対面する様に設置された発光素子と受光素子とから構成され、三つの突起ドグ81,82,83のいずれかによって光路が遮断されたときに回転用モータM2を停止させるための信号を出力する。回転用モータM2は、「供給準備センサSE1から光路が再開したときに出力される信号によって回転を開始し、回転位置決めセンサSE2から出力される信号によって停止する動作」を繰り返す様に構成されている。
【0041】
次に、本実施例における動作制御の概要を説明する。本実施例のネジ類供給装置1は、図7(A)に示す様に、スタートスイッチSW1、供給準備センサSE1、回転位置決めセンサSE2、昇降停止センサSE3、昇降用モータM1、及び回転用モータM2との間で信号を入出力する制御回路100及び電源回路110を備えている。
【0042】
スタートスイッチSW1をONにすると、制御回路100は、図7(B),(C)に示す処理を開始する。図7(B)は、昇降用モータM1に対する制御処理であって、制御回路100は、まず、昇降停止センサSE3がONを出力しているか否かを判定する(S10)。SE3=ONのときは(S10:YES)、昇降用モータM1を起動する(S20)。一方、SE3=OFFの場合は(S10:NO)、昇降用モータM1を停止する(S30)。制御回路100は、以上の処理を、スタートスイッチSW1がOFFになるまで繰り返し実行する。この結果、溝付きレール40に十分な量のネジ類が整列されるまでは昇降用モータM1が駆動し続けて昇降板23の昇降によって収容部20内のネジ類が溝付きレール40へと持ち上げられ、横倒しに載ったネジ類を排除用円板31,32でタンク底板21側へと落下させる動作が繰り返される。この動作が繰り返されることによって溝付きレール40に十分な量のネジ類が整列して吊り下がった状態となり、昇降停止センサSE3の出力信号がONからOFFへと変化したら昇降用モータM1を停止する。そして、溝付きレール40に吊り下がったネジ類が取り出されて昇降停止センサSE3の出力信号が再びONに変化したら、昇降用モータM1を起動して溝付きレール40へのネジ類の補給を再開する。
【0043】
図7(C)は、回転用モータM2に対する制御処理であって、制御回路100は、まず、供給準備センサSE1がONを出力しているか否かを判定する(S50)。供給準備センサSE1は、取り出し位置TPにネジ類が存在するときは「OFF」、存在しないときは「ON」を出力する。SE1=ONのときは(S50:YES)、所定時間待機した後(S60:YES)、回転用モータM2を起動する(S70)。一方、SE1=OFFの場合は(S50:NO)、回転位置決めセンサSE2がONとなっているか否かを判定する(S80)。回転位置決めセンサSE2は、突起ドグを検出したときに「ON」を、検出していないときに「OFF」を出力する。SE2=ONのときは(S80:YES)、回転用モータM2を停止する(S90)。一方、SE2=OFFのときは(S80:NO)、回転用モータM2に対して新たな指令を出力することなく本処理の最初に戻る。
【0044】
以上の制御処理を実行することにより、装置が起動されてから停止されるまでの間、昇降用モータM1は、昇降板23の昇降動作を休止状態を適宜介在させつつ繰り返し実行する。一方、回転用モータM2は、いずれかのU字状切り欠き部が取り出し位置TPに到達するまで回転円盤70を回転させ、いずれかのU字状切り欠き部が取り出し位置TPに到達したときに回転円盤70を停止させる。このとき、他のU字状切り欠き部が斜め後方からネジ類を受け入れ可能な位置に停止する。そして、取り出し位置TPにおいてネジ類の取り出しが完了すると、回転用モータM2が起動され、回転円盤70が回転を開始する。そして、次のU字状切り欠き部が取り出し位置TPに到達したとき、回転用モータM2は停止する。これにより、次のU字状切り欠き部に保持されたネジ類の取り出しとさらに次のU字状切り欠き部へのネジ類の受け入れが可能な状態となる。以下、装置自体が停止されるまで、回転用モータM2は上述の間欠的な起動・停止を繰り返し実行する。
【0045】
なお、装置の起動直後においては、ネジ類の取り出し動作が実行されたか否かに拘わらず、S80がYESとなる。S70による所定の待機時間が介在されているから、ネジ類を受け入れ可能な位置にネジ類が排出され始めると、以下、一本ずつネジ類の切り出しが実行されることになる。
【0046】
本実施例によれば、三つのU字状切り欠き部71,72,73に対して三つの突起ドグ81,82,83が正反対に向かって伸びる様に位置決めピン85によって位置決め固定された回転円盤70を用いている。この結果、回転軸75に対して回転円盤70を取り付けるだけで正確な回転角度制御が可能となる。
【0047】
また、回転円盤70及び天板51aは前上がり傾斜を有する様に備えられているから、ネジ類2xはU字状切り欠き部の切り欠き底部に自然に当接する状態で取り出し位置TPに停止される。また、取り出し位置TPにおいては、U字状切り欠き部の開口端よりも先の伸びる様に直線状溝部52が存在している。この結果、取り出し位置TPにおいてバネ付きストッパなどでネジ類2xを押さえていなくても脱落することがない。よって、部品点数を節減することができると共に、組み立て工数も削減することができる。
【0048】
また、本体部10内において、溝付きレール40に向かって下り傾斜とされたタンク底板21の上方に収容部20を設定し、タンク底板21を、その下端と溝付きレール40との間に一定幅の隙間22を形成する様に設置し、この隙間22を昇降動作する昇降板23で収容部20のネジ類を下から上へと持ち上げながら溝付きレール40の上に供給する構成を採用すると共に、溝付きレール40が本体部10から突出する部分を切り出し部50の中心方向に向かって斜めに屈曲させ、U字状切り欠き部71,72,73が斜めに向いた位置で回転円盤70を停止させてネジ類の受け渡しを実行する構成を採用したから、溝付きレール40を本体部10内で左右一方に偏った配置とすることが可能となった。この結果、本実施例によれば、本体部10の薄型化を達成できる。これにより、装置の小型化が可能となる。
【実施例0049】
実施例2のネジ類供給装置は、図8(A)に示す様に、実施例1の装置における曲がり爪付きの排除円盤31に代えてハスバ歯車90を取り付けたものである。ワンウェイクラッチ28aの作用により、図4(B)に示したのと同じく、昇降板23が下降する間に、ネジ類を後方に押し戻す方向に回転する。ハスバ歯車90の下端は、屈曲爪31a,31cの下端と同じ高さとなる様にしている。これにより、ハスバ歯車90は、実施例1における屈曲爪付きの排除円盤32と同様の作用により、溝付きレール40に正しく吊り下げられなかったネジ類2b,2cをタンク底板21に向けて落下させ、正しく吊り下げられた状態のネジ類2aは歯車90の下を通り抜けて装置前方へと移送されていく。
【0050】
特に、本実施例においては、図8(A)に示した様に、ハスバ歯車90の歯が、本体部内側に向かって下り傾斜となる様に取り付けてあるから、図の矢印の方向に回転する際、横倒しになったネジ類は歯に持ち上げられつつ本体部内側へ向かう力を受けることとなり、横倒しになっているネジ類の速やかな除去・落下を行うことができる。
【0051】
実施例2のネジ類供給装置によれば、溝付きレール40に正しく吊り下げられなかったネジ類2b,2cの排除をより適確に実施することができる。
【実施例0052】
実施例3のネジ類供給装置は、図8(B),(C)に示す様に、実施例1の装置における排除円盤31,32に代えて溝付きレール40の全幅に対応する肉厚の爪付き肉厚円盤95を取り付けたものである。ワンウェイクラッチ28aの作用により、図4(B)に示したのと同じく、昇降板23が下降する間に、ネジ類を後方に押し戻す方向にだけ間欠的に回転する。爪付き肉厚円盤95には、円板の肉厚と同じ幅を有する四つの爪95a~95dが90度間隔で放射状に突出する様に設けられ、溝付きレール40の上に横倒しになったネジ類2dを押し戻す様にしてタンク底へと落下させる。
【実施例0053】
実施例4のネジ類供給装置は、図9(A)~(C)に示す様に、実施例1の装置における排除円盤31,32に代えて昇降機能付きの不整列ネジ排除装置200を備えさせたものである。不整列ネジ排除装置200は、四つの突起部201,201,…を備えた排除円盤202を中央円盤ガイド203と壁側円盤ガイド204の間に挟み込む様に配置したものとなっている。排除円盤202は、回転シャフト205に固定され、不整列ネジをタンクに戻す方向に回転する。この回転シャフト205の中央端部には、実施例1で説明したのと同様のワンウェイクラッチ付きの平歯ギヤが取り付けられている。
【0054】
排除円盤202、中央円盤ガイド203、壁側円盤ガイド204及び回転シャフト205は相対位置が一定となる様に組立体として構成され、高さ調整ネジ206により、全体の高さを調整できる様になっている。中央円盤ガイド203及び壁側円盤ガイド204の底面が整列ネジ2aの頭は通過できるものの不整列ネジ2dが先に行かないように制限する高さとなる様に、高さ調整ネジ206で高さを調整する。このとき、中央円盤ガイド203及び壁側円盤ガイド204の底面は、排除円盤202の突起部201がギリギリ飛び出ない高さになっている。これにより、排除円盤202の突起部201とレール40の間で、ネジが挟まらないようになっている。また、中央円盤ガイド203及び壁側円盤ガイド204の底面はレール40の先端まで伸ばし、ネジ頭を抑える事により整列ネジ2aが揺れてレール40から飛び出さないようにしている。なお、排除円盤202の突起部201は、2枚の円盤ガイド203,204の前方へは飛び出す様に設置されている。これにより、不整列ネジ2dは、前方に飛び出した突起部201によって押し戻す方向に力が加えられ、溝付きレール40から排除される。
【実施例0055】
実施例5は、図9(D)に示す様に、実施例4に対して四つの突起部211を備える排除円盤212をもう一枚追加したものであって、対象ネジが太い場合に有効である。
【0056】
これらの実施例によれば、図10に示す様に、薄型化したネジ類供給装置1A,1B,1C,…を多列レイアウトに配置し、各供給装置ごとに種類の異なるネジ類を収容しておき、多くの種類のネジ類の供給を行うことも可能になる。
【0057】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ネジ締め装置等に対するネジ類の供給に用いることができる。
【符号の説明】
【0059】
1,1A~1E・・・ネジ類供給装置、2,2a,2b,2c,2d,2x,2y・・・ネジ類、5・・・ドライバガイド、10・・・本体部、10a・・・蓋、11・・・左側壁、12・・・右側壁、13・・・前面壁、20・・・収容部、21・・・タンク底板、21a・・・垂直部、21b・・・切り欠き部、21c・・・タンク前板、22・・・隙間、23・・・昇降板、23a・・・昇降板上面、23b・・・突起、23c・・・背面板、24・・・昇降カム、25・・・モータ軸アーム、26・・・L字型ブラケット、27・・・ラックギヤ、28・・・水平軸、28a・・・ワンウェイクラッチ、29・・・平歯ギヤ、31,32・・・排除用円盤、31a~31d,32a~32d・・・爪、33・・・邪魔板、40・・・溝付きレール、40a・・・溝、41・・・レール上面、41a・・・斜めカット部、42・・・外側レール、43・・・内側レール、45・・・垂直壁、50・・・切り出し部、51・・・筐体、51a・・・天板、52・・・直線状溝部、53・・・第2の溝部、54・・・円弧状凹部、70・・・回転円盤、71,72,73・・・U字状切り欠部、75・・・回転軸、76・・・傾斜ブラケット、80・・・ドグ部材、81,82,83・・・突起ドグ、85・・・位置決めピン、90・・・ハスバ歯車、95・・・爪付き肉厚円盤、95a~95d・・・爪、100・・・制御回路、200・・・不整列ネジ排除装置、201・・・突起部、202・・・排除円盤、203・・・中央円盤ガイド、204・・・壁側円盤ガイド、205・・・回転シャフト、206・・・高さ調整ネジ、211・・・突起部、212・・・排除円盤。
M1・・・昇降用モータ、M2・・・回転用モータ、SE1・・・供給準備センサ、SE2・・・回転位置決めセンサ、SE3・・・昇降停止センサ、SW1・・・スタートスイッチ、TP・・・取り出し位置。
図1
図2
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図4
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図10