IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188002
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】水性洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20221213BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221213BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/37
A61K8/34
A61Q1/14
A61K8/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091980
(22)【出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021095896
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田ひろ子
(72)【発明者】
【氏名】田島 準
(72)【発明者】
【氏名】大槻 祐太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB051
4C083AB052
4C083AC012
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD042
4C083AD092
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】持続性を強化したメイクアップ化粧料に対しても高い洗浄力を有する水性洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるHLB13以上のノニオン性界面活性剤、(a1)ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、(a2)ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、(a3)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、(B)(b1)、(b2)及び(b3)から選ばれるHLB10以下のノニオン性界面活性剤、(b1)グリセリン又はジグリセリンのモノ脂肪酸エステル又はエーテル、(b2)平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノ脂肪酸エステル又はPOEグリセリンモノ脂肪酸エステル、(b3)ソルビタンモノ脂肪酸エステル、(C)ポリオール、(D)水を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、1~25である水性洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるHLB13以上のノニオン性界面活性剤、
(a1)ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、
(a2)ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、
(a3)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、
(B)(b1)、(b2)及び(b3)から選ばれるHLB10以下のノニオン性界面活性剤、
(b1)グリセリン又はジグリセリンのモノ脂肪酸エステル又はエーテル、
(b2)平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノ脂肪酸エステル又はPOEグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(b3)ソルビタンモノ脂肪酸エステル、
(C)ポリオール、
(D)水
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、1~25である水性洗浄剤組成物。
【請求項2】
泡吐出容器に収容されて用いられる請求項1記載の水性洗浄剤組成物。
【請求項3】
25℃で液状である請求項1又は2記載の水性洗浄剤組成物。
【請求項4】
25℃における粘度が100mPa・s以下である請求項1~3のいずれか1項記載の水性洗浄剤組成物。
【請求項5】
25℃で透明一液相である請求項1~4のいずれか1項記載の水性洗浄剤組成物。
【請求項6】
成分(A)及び(B)の合計含有量が、5~25質量%である請求項1~5のいずれか1項記載の水性洗浄剤組成物。
【請求項7】
さらに、(E)両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有し、成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))が、0.03~0.25である請求項1~6のいずれか1項記載の水性洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続性のメイクアップ化粧料には、例えば、トリメチルシロキシケイ酸(TMS)等の油溶性シリコーン樹脂を配合して、肌表面で硬い撥水性の化粧塗膜を形成させ、汗皮脂耐性だけでなく物理的にも化粧崩れを防止する技術が汎用されている。このように用いられているシリコーン樹脂は油溶性であるため、これらを多く配合したメイクアップ化粧料は、水系の洗浄剤で落とすことが困難であり、油剤を洗浄基剤としたメイク落としで落とす必要があった。
しかしながら、油剤を洗浄基剤としたオイルタイプやリキッドタイプのメイク落としでは、ぬるついて、汚れとともに除去するのに時間がかかったり、除去する過程でべたついたりする。さらに、除去した後にもぬるつきやべたつきが残ることが多い。このため、その後洗顔料で顔を洗うダブル洗顔を行う人もおり、その場合、結果的にメイク落としのために、長時間肌を擦ることになっていた。
その一方、肌を大切にする意識が高まり、メイク落としで肌を長時間擦りたくないという人が増えている。このように、メイクをきちんと落とすことと、肌を擦らずに落とすことの両立が難しくなってきている。
【0003】
また、メイクなどの油脂汚れを除去できる水性クレンジング化粧料が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、多価アルコールを含有する水性クレンジング化粧料が、メイクなどの油脂汚れを除去することができ、べたつき感や過度の脱脂による肌荒れを抑え、持続的なしっとり感を付与することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-70521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の水性クレンジング化粧料では、油溶性シリコーン樹脂を多く配合した持続性のメイクアップ化粧料をきちんと落とすことは困難であった。
本発明は、TMS等の油溶性シリコーン樹脂を配合して、持続性を強化したメイクアップ化粧料に対しても高い洗浄力を有する水性洗浄剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、HLB13以上の特定のノニオン性界面活性剤と、HLB10以下の特定のノニオン性界面活性剤及びポリオールを、特定の割合で組合わせて用いることにより、油溶性シリコーン樹脂等を含有する持続性を強化したメイクアップ化粧料に対しても高い洗浄力を有する水性洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるHLB13以上のノニオン性界面活性剤、
(a1)ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、
(a2)ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、
(a3)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、
(B)(b1)、(b2)及び(b3)から選ばれるHLB10以下のノニオン性界面活性剤、
(b1)グリセリン又はジグリセリンのモノ脂肪酸エステル又はエーテル、
(b2)平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノ脂肪酸エステル又はPOEグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(b3)ソルビタンモノ脂肪酸エステル、
(C)ポリオール、
(D)水
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、1~25である水性洗浄剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水性洗浄剤組成物は、TMS等の油溶性シリコーン樹脂による硬い塗膜を形成するメイクアップ化粧料に対しても高い除去ポテンシャルを有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
成分(A)は、(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるHLB13以上のノニオン性界面活性剤である。
(a1)ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、
(a2)ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、
(a3)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル。
ここで、HLBは、親水性-親油性のバランス(Hydrophile Lipophile Balance)を示す指標であり、本明細書においては、グリフィン(Griffin)による次式により求められるものである。
【0010】
【数1】
【0011】
成分(A)は、特定構造の親水性ノニオン性界面活性剤であり、成分(B)とともに、持続性を強化したメイクアップ化粧料などを落とす働きをする。そのため、成分(A)は、単独でもある程度の洗浄除去ポテンシャルを有することが好ましく、かつ成分(B)の親油性ノニオン性界面活性剤と組み合わせることで、除去ポテンシャルの明らかな向上がみられるものである。
ここで、除去ポテンシャルとは、例えば、実施例中の疑似皮膚のモデル基板上に塗布されたメイクアップ化粧料を一定の物理条件で所定の物理力をかけて落としたときの除去性能のことをいう。それは、モデル基板上のメイクアップ化粧料の洗浄前後での色差測定より算出される除去率によってランク分けされ、決定される。
また、除去ポテンシャルの明らかな向上とは、例えば、実施例中の除去ポテンシャルが、成分(A)単独の時よりも1ランク以上向上することであり、除去ポテンシャルの絶対的なレベルとして、A又はBランク(除去率50%以上)に達することをいう。
成分(A)のノニオン性界面活性剤は、水溶性を確保する点から、HLB13以上であり、14以上が好ましい。
【0012】
成分(A)のポリオキシエチレン(POE)基の平均付加モル数は、HLB13以上という観点から、(a1)では9モル以上、(a2)では6モル以上、(a3)では7モル以上であることが好ましく、成分(A)単独で発揮されるメイク除去ポテンシャルの観点から、(a1)では30モル以下、(a2)では20モル以下、(a3)では40モル以下が好ましく、(a1)では20モル以下、(a2)では10モル以下、(a3)では20モル以下がより好ましい。具体的には、(a1)では、POE(12)モノラウレート、(a2)では、POE(6)(カプリル/カプリン酸)グリセリル、POE(7)(カプリル/カプリン酸)グリセリル、(a3)では、POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル、POE(8)ヤシ油脂肪酸グリセリルが好ましい。
【0013】
成分(A)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。ノニオン性界面活性剤を2種以上用いる場合のHLBは、各ノニオン性界面活性剤種のHLB値をその含有比率に基づいて相加平均して算出でき、これを混合HLBとする。(a1)、(a2)及び(a3)のいずれかのHLBが13未満であっても、それらの混合HLBが13以上であれば、本発明における成分(A)に該当する。
成分(A)の含有量は、洗浄力(除去ポテンシャル)と肌からの除去し易さ、除去後の素肌感の観点から、全組成中に3質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に、3~30質量%が好ましく、5~25質量%がより好ましく、10~20質量%がさらに好ましい。
【0014】
成分(B)は、(b1)、(b2)及び(b3)から選ばれるHLB10以下のノニオン性界面活性剤である。
(b1)グリセリン又はジグリセリンのモノ脂肪酸エステル又はエーテル、
(b2)平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノ脂肪酸エステル又はPOEグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(b3)ソルビタンモノ脂肪酸エステル。
成分(B)は、特定構造の親油性ノニオン性界面活性剤であり、TMS等の油溶性シリコーン樹脂が形成する化粧塗膜(ファンデーション等の塗膜)に作用して、その硬い表面を緩める働きをするもので、成分(A)と組み合わせることによって、水に溶解し、高い洗浄力を引き出す。
【0015】
成分(B)のノニオン性界面活性剤は、成分(A)との組み合わせにおいて、水溶液中から積極的に塗膜表面に吸着して塗膜成分を柔らかくする観点から、HLB10以下であり、8以下が好ましい。成分(B)としては、成分(A)によって適量が安定に可溶化できるという観点から、HLB2以上が好ましく、4以上がより好ましい。
成分(B)は、HLB10以下という観点から、(b1)としては、オレイン酸、ステアリン酸若しくはイソステアリン酸とグリセリン若しくはジグリセリンのモノエステル、又はオレイルアルコール、ステアリルアルコール若しくはイソステアリルアルコールとグリセリン若しくはジグリセリンのモノエーテルなどが挙げられ、(b2)としては、平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノミリスチン酸エステル、POEモノラウリン酸エステル、POEグリセリンモノオレイン酸エステル、POEグリセリンモノステアリン酸エステル、POEグリセリンモノイソステアリン酸エステルなどが挙げられ、さらに(b3)としては、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
中でも、低温安定性を確保する点から、(b1)としては、オレイン酸若しくはイソステアリン酸とグリセリン若しくはジグリセリンのモノエステル、又はオレイルアルコール若しくはイソステアリルアルコールとグリセリン若しくはジグリセリンのモノエーテル、(b2)としては、平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノラウリン酸エステル又はPOEグリセリンモノオレイン酸エステル若しくはPOEグリセリンモノイソステアリン酸エステル、さらに(b3)としては、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタンが好適に用いられる。
【0016】
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。(b1)、(b2)及び(b3)のいずれかのHLBが10を上回っても、それらの混合HLBが10以下であれば、本発明における成分(B)に該当する。
成分(B)の含有量は、成分(A)によって可溶化され、塗膜表面を柔軟化する観点から、全組成中に0.3質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に、0.3~10質量%が好ましく、0.5~8質量%がより好ましく、1~5質量%がさらに好ましい。
【0017】
本発明において、メイクの除去ポテンシャルを高めるためには、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が重要である。水への溶解度が低い成分(B)を成分(A)で可溶化し、除去ポテンシャルを向上する観点から、(A)/(B)は、1以上であり、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましい。また、成分(B)を相対的に十分に多くして、除去ポテンシャルを向上させる観点から、(A)/(B)は、25以下であり、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
また、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、1~25であり、1.5~15が好ましく、2~10がより好ましい。
【0018】
本発明の水性洗浄剤組成物は、ノニオン性界面活性剤の水溶液であるため、洗い流し後の肌には、洗顔料のようなきしむ肌感覚は得られないが、オイルのように物理的に乳化を促進する必要がなく、水と自発的に混合するという特性を有するため、速やかに洗い流すことが可能である。メイクの除去ポテンシャルを保ちながら、メイクとともに肌から除去するときのぬるつきを低減し、除去後の肌の素肌感を得る観点から、成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、全組成中に、5質量%以上であるのが好ましく、7質量%以上がより好ましい。また、除去後の肌の残留感を低減し、除去後の素肌感を効果的に得る観点から、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
また、成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、全組成中に、5~25質量%であるのが好ましく、7~20質量%がより好ましい。
【0019】
成分(C)のポリオールは、ノニオン性界面活性剤の水への溶解を促進し、メイクに作用しやすくするものである。かかるポリオールとしては、通常の洗浄剤組成物に用いられるもので、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、平均分子量1000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量1500以下のポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオールイソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリントリメチルプロパノール等が挙げられる。
これらのうち、1,3-ブチレングリコール、ジブチレングリコール、1,2-プロパンジオール等の、一般にPOE付加型のノニオン性界面活性剤の曇点を上昇させるものが、溶解度を上げ、透明均一を保つ温度範囲を広げるという点から好適に用いられる。
【0020】
成分(C)のポリオールは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、成分(A)及び(B)の溶解を促し、洗浄力を発揮させる観点から、全組成中に5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に5~50質量%が好ましく、10~45質量%がより好ましく、20~40質量%がさらに好ましい。
【0021】
本発明において、成分(D)の水は溶媒として機能するものであり、その含有量は、成分(C)と共に、界面活性剤の溶解度をコントロールして洗浄力を発揮させる観点から、全組成中に30質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の水の含有量は、全組成中に30~80質量%が好ましく、40~70質量%がより好ましく、50~60質量%がさらに好ましい。
【0022】
前記のように、成分(C)のポリオールは、成分(A)及び(B)の溶解性をコントロールしながら、メイクに対する除去ポテンシャルを引き出すという役割があるが、少なすぎると界面活性剤の洗浄力を十分に発揮させることができないおそれがあり、多すぎると逆に洗浄力を損なうおそれがある。よって、成分(C)のポリオールと成分(D)の水のバランスは重要であり、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、除去ポテンシャルを十分に引き出す観点から、0.1以上であるのが好ましく、0.25以上がより好ましい。また、臨界ミセル濃度(CMC)が無限に大きくなることを回避し、成分(A)の親水性ノニオン性界面活性剤との相互作用が絶たれて成分(B)の親油性ノニオン性界面活性剤が分離することを抑制する観点から、1.3以下であるのが好ましく、1.25以下がより好ましい。
また、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、0.1~1.3が好ましく、0.25~1.25がより好ましい。
【0023】
本発明において、成分(D)に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量割合((A)+(B))/(D)は、洗い流し性等の除去性や、除去後の素肌感の観点から、0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.35以下がさらに好ましい。
【0024】
本発明の水性洗浄剤組成物は、さらに、(E)両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有することができ、この場合、洗い流し性等の除去性や素肌感をより高めることができる。また、泡吐出容器に充填して使用する場合には、泡質を改善することもできる。
両性界面活性剤としては、通常の洗浄剤組成物に用いられるもので、例えば、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。ここで、両性界面活性剤のアルキル基の炭素数は、8~20が好ましく、8~14がより好ましい。
これらのうち、すすぎやすさ等の除去性や泡質の観点から、両性界面活性剤は、炭素数8~14のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アルキルヒドロキシスルホベタインがさらに好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインがよりさらに好ましい。
【0025】
両性界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は洗浄後の素肌感を改善しながら洗浄力を維持する観点から、全組成中に0.5質量%以上であるのが好ましく、1質量%以上がより好ましく、洗浄力を維持する観点から4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
【0026】
アニオン界面活性剤としては、通常の洗浄剤組成物に用いられるものであれば制限されず、例えば、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩のようなカルボン酸系界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩のような硫酸エステル;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;N-アシルアミノ酸塩、N-アシルアルキルタウリン塩、POEリン酸塩等が挙げられる。
これらのうち、泡立ちと低温での安定性確保の観点から、POEラウリルエーテルカルボン酸塩、POEラウリルエーテル硫酸塩、POEリン酸塩から選ばれる少なくとも1種を含むのが好ましい。
【0027】
アニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、素肌感を改善しながら洗浄力を維持する観点から、全組成中に0.2質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、洗浄力を維持する観点から2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
【0028】
成分(E)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、両性界面活性剤とアニオン界面活性剤を組合わせて用いることができる。
成分(E)の含有量は、素肌感を改善しながら洗浄力を維持する観点から、全組成中に0.2質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、洗浄力を維持する観点から、全組成中に0.2~4質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましい。
【0029】
本発明において、成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))は、洗い流し性等の除去性や素肌感を高める観点から、0.03以上であるのが好ましい。一方、電荷をもつ界面活性剤の添加が、系のHLBを親水的に変化させ、これにより油性の汚れであるメイクへの作用効率を下げ、メイク除去率に影響を及ぼすことを避ける観点から、(E)/((A)+(B))は、0.15以下がより好ましい。
また、成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))は、0.03~0.15が好ましい。
【0030】
本発明の水性洗浄剤組成物は、洗浄力と透明性を損なわない範囲で、さらに、成分(B)以外の油性成分(香料を含む)を含有することができる。成分(B)以外の油性成分(香料を含む)の含有量は、肌からの除去しやすさの観点から、全組成中に0.3質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。同じ観点から、成分(B)以外の油性成分のうち、香料以外の成分の含有量は、全組成中に0.1質量%以下であるのが好ましく、0.01質量%以下がより好ましい。
【0031】
本発明の水性洗浄剤組成物は、さらに、前記成分以外に、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分を含有することができる。例えば、上記以外の界面活性剤;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;糖(誘導体)やアミノ酸(誘導体)、動植物(タンパク質)誘導体、動植物抽出物等の保湿成分;ポリオキシアルキレン変性シリコーン等のシリコーン誘導体;高分子化合物;硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の無機又は有機塩類;酸、アルカリ等のpH調整剤;グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びこれらの誘導体等の抗炎症剤;イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤;防腐剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、ビタミン類、天然色素、タール色素等の着色剤などが挙げられる。
【0032】
本発明の水性洗浄剤組成物は、好ましくは、25℃で液状である。液状とは、手の平に出したときに、保型性がなく、直ちに広がる性状のことを言い、通常、25℃における粘度が3000mPa・s程度以下であればそのような挙動を示す。一方、粘度は低い方が肌に広がってメイクとなじみやすく、肌をこする時間を短縮するという点で有利である。その点から、水性洗浄剤組成物の25℃における粘度が、100mPa・s以下であるのが好ましく、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましい。
本発明において、水性洗浄剤組成物の粘度は、B型粘度計(TVB-10型粘度計、東機産業社製)を用い、25℃、測定時間1分間にて測定される。
100mPa・s未満の粘度は、ロータNo.1(回転数)60rpmで測定し、100~199mPa・sの粘度は、ロータNo.1(回転数)30rpmで測定し、200~499mPa・sの粘度は、ロータNo.1(回転数)12rpmで測定し、1000mPa・s以上の粘度は、ロータNo.2(回転数)12rpmにて測定する。
【0033】
本発明の水性洗浄剤組成物は、水系(水性)であるため、水と容易に混合し、ぬるつかず容易に洗い流すことができ、洗い流した後の素肌感が高い。さらに、上記のように液状(低粘度)であれば、これらの効果を向上できるとともに、肌上で広がりやすく洗浄力が素早く発現する。また、シートや化粧用コットンに含浸しやすく、ふき取って使用することもできる。
特に、ふき取って使用する場合におけるシートや化粧用コットンへの含浸しやすさ、泡吐出容器に充填して使用する場合における吐出性に優れる観点から、水性洗浄剤組成物の25℃における粘度は、30mPa・s以下であるのが好ましい。
【0034】
本発明の水性洗浄剤組成物は、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することで製造することができる。成分(E)は水溶液調製後に適宜添加することが可能である。
本発明の水性洗浄剤組成物は、25℃で透明一液相であるのが好ましい。ここで、透明一液相とは、分離のない透明な外観を有することであり、各成分が均一に相互溶解していることを意味している。このような状態であれば、成分(A)及び(B)のノニオン性界面活性剤の相互作用により、メイクの除去ポテンシャルが高くなり、洗い流し性等の肌からの除去性に優れ、素肌感の高い肌に洗い上げることができる。また、界面活性剤が高次会合構造を形成すると外観が半透明になることがあるが、この場合も1液相と判断する。系が2相に分離した場合、外観は白く濁るかまたは、2層状態となり、上記諸性能を設計通りに得ることは難しくなる。
【0035】
本発明の水性洗浄剤組成物は、主にノニオン性界面活性剤を洗浄基剤とする水溶液であるため、直接手に取って泡立てて使用することは困難であるが、例えば、泡吐出容器に入れて吐出させることにより、強制的に泡にすることが可能である。泡にすることにより、保型性を保ちながら肌に均質に塗布できるという利便性だけでなく、泡で肌上に塗布することで、メイクの除去性がより向上するという利点がある。すなわち、本来泡にならないものの、強制的に発泡させられたノニオン性界面活性剤水溶液からなる泡は、汚れと出会うことで瞬く間に破泡する。その際、泡の持っている界面エネルギーが物理力に変換されてメイク塗膜表面に作用する。特に、本発明の高い除去ポテンシャルを有する水性洗浄剤組成物においては、肌表面に働く微細なエネルギーでさえメイク除去性の差として観測される。
【0036】
本発明の水性洗浄剤組成物は、使いやすさや洗浄力の点から、泡の状態で肌に塗布されるのが好ましい。その観点から、エアゾール方式、又はノンエアゾール方式の泡吐出容器に充填された洗浄料として提供されることが好ましい。
泡吐出容器としては、洗浄剤組成物を空気と混合して泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができるが、ノンエアゾール方式のフォーマー容器が、メイク落としとして使用する環境における利便性や廃棄のしやすさという点から好ましい。例えば、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器や、胴体部分を押すことで吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられる。具体的には、吉野工業所社製、大和製罐社製のフォーマー容器等が挙げられる。また、例えば、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報、特開2019-107644号公報等に記載された起泡メカニズムを搭載したフォーマー容器を使用することもできる。濃密で弾力のある泡を得る観点から、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器が好ましい。
なかでも、より起泡性能が高く、溶液の粘度や性質に対して許容の広いことから、特開2019-107644号公報に記載された気液混合機構をもつポンプフォーマー容器を用いることが好ましい。すなわち、同公報の請求項1に記載のように、気液混合機構は、液体供給部から混合部に供給される液体が通過する液体流路と、気体供給部から混合部に供給される気体が通過する気体流路とを有し、液体流路は、混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、気体流路は、混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、液体入口は、複数の隣接気体流路から気体入口を介して混合部に供給される気体どうしの合流部と対応する位置に配置されていることが好ましい。
ポンプフォーマー容器は、内容物の粘度により泡質や使用時の押し圧が影響を受けやすい。日常的な温度範囲で泡として吐出可能かつ、無理なく吐出できる押し圧を確保するために、内容物の水性洗浄剤組成物の粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましいが、本発明のように溶液そのものの起泡性の低い場合では、30mPa・s以下であることがより好ましい。
【0037】
本発明の水性洗浄剤組成物は、泡吐出容器に充填され、泡タイプとして提供されるのが好ましく、言い換えると、水性洗浄剤組成物とこれを収容する泡吐出容器とを含んでなる洗浄料に用いられるのが好ましい。
また、本発明の水性洗浄剤組成物は、シートや化粧用コットンに含浸させ、皮膚に当て、メイク等をふき取って使用するのにも好適である。なお、水性洗浄剤組成物を皮膚に適用した後、シートや化粧用コットンを用いてメイク等と共に水性洗浄剤組成物をふき取って除去してもよい。
本発明の水性洗浄剤組成物は、皮膚洗浄のために用いるのが好ましく、特に洗顔料又はメイク落としとして用いるのが好ましい。
【0038】
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物、洗浄料、又は洗浄方法を開示する。
【0039】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるHLB13以上のノニオン性界面活性剤、
(a1)ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、
(a2)ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、
(a3)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、
(B)(b1)、(b2)及び(b3)から選ばれるHLB10以下のノニオン性界面活性剤、
(b1)グリセリン又はジグリセリンのモノ脂肪酸エステル又はエーテル、
(b2)平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノ脂肪酸エステル又はPOEグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(b3)ソルビタンモノ脂肪酸エステル、
(C)ポリオール、
(D)水
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、1~25である水性洗浄剤組成物。
【0040】
<2>成分(A)が、好ましくは、HLB14以上である前記<1>記載の水性洗浄剤組成物。
<3>成分(A)のポリオキシエチレン(POE)基の平均付加モル数が、(a1)では9モル以上であることが好ましく、(a2)では6モル以上であることが好ましく、(a3)では7モル以上であることが好ましい、前記<1>又は<2>記載の水性洗浄剤組成物。
<4>成分(A)のポリオキシエチレン(POE)基の平均付加モル数が、(a1)では30モル以下であることが好ましく、(a2)では20モル以下であることが好ましく、(a3)では40モル以下であることが好ましく、(a1)では20モル以下であることがより好ましく、(a2)では10モル以下であることがより好ましく、(a3)では20モル以下であることがより好ましい、前記<1>~<3>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<5>成分(A)において、(a1)がPOE(12)モノラウレートを含むことが好ましく、(a2)がPOE(6)カプリルカプリン酸グリセリル又はPOE(7)カプリルカプリン酸グリセリルから選ばれる1種又は2種を含むことが好ましく、(a3)がPOE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル又はPOE(8)ヤシ油脂肪酸グリセリルから選ばれる1種又は2種を含むことが好ましい、前記<1>~<4>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0041】
<6>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に、3質量%以上であり、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい、前記<1>~<5>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<7>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に、30質量%以下であり、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい、前記<1>~<6>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<8>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に、3~30質量%であり、5~25質量%がより好ましく、10~20質量%がさらに好ましい、前記<1>~<7>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0042】
<9>成分(B)が、好ましくは、HLB8以下である前記<1>~<8>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<10>成分(B)が、好ましくは、HLB2以上であり、4以上がより好ましい前記<1>~<9>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<11>成分(B)において、(b1)が、オレイン酸、ステアリン酸若しくはイソステアリン酸とグリセリン若しくはジグリセリンのモノエステル、又はオレイルアルコール、ステアリルアルコール若しくはイソステアリルアルコールとグリセリン若しくはジグリセリンのモノエーテルから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、オレイン酸若しくはイソステアリン酸とグリセリン若しくはジグリセリンのモノエステル、又はオレイルアルコール若しくはイソステアリルアルコールとグリセリン若しくはジグリセリンのモノエーテルから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、(b2)が、平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノミリスチン酸エステル、POEモノラウリン酸エステル、POEグリセリンモノオレイン酸エステル、POEグリセリンモノステアリン酸エステル、POEグリセリンモノイソステアリン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、平均付加モル数1~5のPOE基を有する、POEモノラウリン酸エステル、POEグリセリンモノオレイン酸エステル、POEグリセリンモノイソステアリン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、(b3)が、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタンから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタンから選ばれる1種又は2種を含むことがより好ましい、前記<1>~<10>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0043】
<12>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.3質量%以上であり、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい、前記<1>~<11>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<13>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に、10質量%以下であり、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい、前記<1>~<12>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<14>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.3~10質量%であり、0.5~8質量%がより好ましく、1~5質量%がさらに好ましい、前記<1>~<13>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0044】
<15>成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、1.5以上であり、2以上がより好ましい、前記<1>~<14>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<16>成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、15以下であり、10以下がより好ましい、前記<1>~<15>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<17>成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、1.5~15であり、2~10がより好ましい、前記<1>~<16>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0045】
<18>成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))が、好ましくは、全組成中に、5質量%以上であり、7質量%以上がより好ましい、前記<1>~<17>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<19>成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))が、好ましくは、全組成中に、25質量%以下であり、20質量%以下がより好ましい、前記<1>~<18>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<20>成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))が、好ましくは、全組成中に、5~25質量%であり、7~20質量%がより好ましい、前記<1>~<19>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0046】
<21>成分(C)のポリオールが、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオールイソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリントリメチルプロパノールから選ばれる1種又は2種以上を含み、1,3-ブチレングリコール、ジブチレングリコール、1,2-プロパンジオールから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましい、前記<1>~<20>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<22>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に、5質量%以上であり、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい、前記<1>~<21>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<23>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に、50質量%以下であり、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい、前記<1>~<22>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<24>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に、5~50質量%であり、10~45質量%がより好ましく、20~40質量%がさらに好ましい、前記<1>~<23>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0047】
<25>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に、30質量%以上であり、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい、前記<1>~<24>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<26>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に、80質量%以下であり、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい、前記<1>~<25>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<27>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に、30~80質量%であり、40~70質量%がより好ましく、50~60質量%がさらに好ましい、前記<1>~<26>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0048】
<28>成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、好ましくは、0.1以上であり、0.25以上がより好ましい、前記<1>~<27>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<29>成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、好ましくは、1.3以下であり、1.25以下がより好ましい、前記<1>~<28>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<30>成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、好ましくは、0.1~1.3であり、0.25~1.25がより好ましい、前記<1>~<29>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0049】
<31>さらに、好ましくは、(E)両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>~<30>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<32>両性界面活性剤が、好ましくは、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタインから選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<31>記載の水性洗浄剤組成物。
<33>両性界面活性剤のアルキル基の炭素数が、好ましくは、8~20であり、8~14がより好ましい、前記<31>又は<32>記載の水性洗浄剤組成物。
<34>両性界面活性剤が、好ましくは、炭素数8~14のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上を含有し、アルキルヒドロキシスルホベタインを含有することがより好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインを含有することがさらに好ましい、前記<31>~<33>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<35>両性界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.5質量%以上であり、1質量%以上がより好ましい、前記<31>~<34>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<36>両性界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組成中に、4質量%以下であり、3質量%以下がより好ましい、前記<31>~<35>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0050】
<37>アニオン界面活性剤が、好ましくは、脂肪酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルアルキルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<31>記載の水性洗浄剤組成物。
<38>アニオン界面活性剤が、好ましくは、カルボン酸塩であり、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩から選ばれる1種又は2種を含有するのがより好ましい、前記<31>又は<37>記載の水性洗浄剤組成物。
<39>アニオン界面活性剤が、好ましくは、硫酸塩であり、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種を含有するのがより好ましい、前記<31>又は<37>記載の水性洗浄剤組成物。
<40>アニオン界面活性剤が、好ましくは、スルホン酸塩であり、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有するのがより好ましい、前記<31>又は<37>記載の水性洗浄剤組成物。
<41>アニオン界面活性剤が、好ましくは、POEラウリルエーテルカルボン酸塩、POEラウリルエーテル硫酸塩、POEリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<31>記載の水性洗浄剤組成物。
【0051】
<42>アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.2質量%以上であり、0.5質量%以上がより好ましい、前記<31>、<37>~<41>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<43>アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組成中に、2質量%以下であり、1質量%以下がより好ましい、前記<31>、<37>~<42>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<44>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.2質量%以上であり、0.5質量%以上がより好ましい、前記<31>~<43>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<45>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に、4質量%以下であり、3質量%以下がより好ましい、前記<31>~<44>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<46>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.2~4質量%であり、0.5~3質量%がより好ましい、前記<31>~<45>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0052】
<47>成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))が、好ましくは、0.03以上である、前記<31>~<46>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<48>成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))が、好ましくは、0.15以下である、前記<31>~<47>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<49>成分(A)及び(B)の合計含有量に対する成分(E)の質量割合(E)/((A)+(B))が、好ましくは、0.03~0.15である、前記<31>~<48>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0053】
<50>さらに、好ましくは、成分(B)以外の油性成分(香料を含む)を含有する、前記<1>~<49>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<51>成分(B)以外の油性成分(香料を含む)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.3質量%以下であり、0.2質量%以下がより好ましい、前記<50>記載の水性洗浄剤組成物。
<52>成分(B)以外の油性成分のうち、香料以外の油性成分含有量が、好ましくは、全組成中に、0.1質量%以下であり、0.01質量%以下がより好ましい、前記<50>記載の水性洗浄剤組成物。
<53>25℃で液状である、前記<1>~<52>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<54>25℃における粘度が、好ましくは、3000mPa・s以下であり、100mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましく、30mPa・s以下がよりさらに好ましい、前記<1>~<53>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<55>25℃で透明一液相である、前記<1>~<54>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0054】
<56>泡吐出容器に収容されて用いられる、前記<1>~<55>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<57>エアゾール方式又はノンエアゾール方式のフォーマー容器に充填されて用いられる、前記<1>~<56>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
<58>ノンエアゾール方式のフォーマー容器が、好ましくは、ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器である、前記<57>記載の水性洗浄剤組成物。
<59>ポンプフォーマー容器が、特開2019-107644号公報の請求項1に記載された容器である、前記<58>記載の水性洗浄剤組成物。
<60>皮膚洗浄用であり、好ましくは洗顔料又はメイク落としとして用いられる、前記<1>~<59>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物。
【0055】
<61>泡吐出容器と、前記泡吐出容器に収容された前記<1>~<60>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物と、を含む洗浄料。
<62>シート又は化粧用コットンと、前記シート又は前記化粧用コットンに含浸された前記<1>~<60>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物と、を含む洗浄料。
<63>前記<1>~<60>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物を泡吐出容器に収容し、泡として吐出して皮膚に適用する、皮膚の洗浄方法。
<64>前記<1>~<60>のいずれか1記載の水性洗浄剤組成物をシート又は化粧用コットンに含浸させ、前記シート又は前記化粧用コットンを皮膚に当てて汚れをふき取る、皮膚の洗浄方法。
【実施例0056】
実施例1~9、比較例1~15
表1及び表2に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。得られた水性洗浄剤組成物について、除去ポテンシャル及び溶液の状態を評価した。結果を表1に併せて示す。
なお、実施例の表中、各成分の含有量は、アクティブ量を示す。
【0057】
(評価方法)
(1)除去ポテンシャル:
7cm×12cmにカットされた白色人工皮革シート(オカモト化成品社製、ラフォーレ白)上の5cm×10cmの範囲に、ファンデーション(レブロンカラーステイメイクアップN、色番370)を0.04~0.05gになるように指で均一に塗布した後、2時間以上乾燥させた。その後、その人工皮革シートを電子天秤上に置き、各水性洗浄剤組成物を2滴(0.04~0.05g)垂らし、指1本で50g重となるような力をかけながら、同じ場所を、線を描くようにゆっくり10往復(片道5cmを1秒程度)した後、流水にて洗い流した。
色差計にて、ファンデーション塗布前、ファンデーション塗布後、洗浄後のそれぞれの白色人工皮革シートの色差(L,a,b)を3か所分測定し、洗浄除去率を計算して求め、平均値を求めた後、以下の基準により、評価した。
A;除去率60%以上。
B;除去率50~59%。
C;除去率40~49%。
D;除去率10~39%。
E;除去率9%以下(ポテンシャルなし)。
【0058】
(2)溶液の状態:
各水性洗浄剤組成物をスクリュー管に入れ、目視により外観を観察し、以下の基準で示した。
T;透明。
ST;半透明。
C;白濁又は2層分離。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
実施例10~28、比較例16~18
表3~表6に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。得られた水性洗浄剤組成物について、実施例1~9と同様にして、除去ポテンシャル及び溶液の状態を評価した。また、洗い流しやすさ及び素肌感を評価した。結果を表3~表6に併せて示す。
【0062】
(評価方法)
(3)洗い流しやすさ:
専門パネラー5人により、前腕に各水性洗浄剤組成物1gを塗り広げた後に、洗い流したとき、ぬるつかずに洗い流せるかについて、官能評価した。結果は、「ぬるつかずに洗い流せる」と評価した専門パネラーの人数で示した。
【0063】
(4)素肌感:
専門パネラー5人により、前腕に各水性洗浄剤組成物1gを塗り広げた後に、洗い流し、洗い流し直後の肌の素肌感(ぬるつきの残らなさ)を官能評価した。結果は、「肌の素肌感が高い(ぬるつきが残らない)」と評価した専門パネラーの人数で示した。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
実施例29~33
表7に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。成分(E)は水溶液調製後に添加し、均一に混合した。得られた水性洗浄剤組成物について、実施例1~9と同様にして、除去ポテンシャル及び溶液の状態を評価し、実施例10~28と同様にして、洗い流しやすさ及び素肌感を評価した。また、泡質及び実使用を反映した除去率を評価した。結果を表7に併せて示す。
【0069】
(評価方法)
(5)泡質:
各水性洗浄剤組成物を、泡吐出容器(泡吐出容器A:株式会社吉野工業所製、汎用ポンプフォーマー。泡吐出容器B:株式会社吉野工業所製、特開2019-107644に記載された気液混合機構を搭載したポンプフォーマー)に充填した後、手のひらに1押し分の泡を吐出させ、泡質を以下の基準で評価した。
A;均質な泡。
B;一部大きめの泡が混ざる。
C;全体的に泡が大きく不均質。
D;泡にならない。
E;ポンプから押し出せない。
【0070】
(6)実使用を反映した除去率:
水性洗浄剤組成物を、泡で塗布したときの除去率を測定するには、泡にすることによって体積が増大した剤が均一に作用できる面積を想定して評価をする必要がある。そこで、広い面積に塗布したファンデーションを指でマッサージするという実使用に近い方法で処理し、その除去率を測定した。
7cm×12cmにカットされた白色人工皮革シート(オカモト化成品社製、ラフォーレ白)上の5cm×10cmの範囲に、ファンデーション(レブロンカラーステイメイクアップN、色番370)を0.04~0.05gになるように指で均一に塗布した後、2時間以上乾燥させた。
その後、各水性洗浄剤組成物0.2g分を液で塗布、又は泡にして乗せて押しつぶしたのち、軽くマッサージする要領で、指2本を使い、70g重となる程度の力をかけながら、塗布面全体を、直径3cmほどの円が互いに重なるような軌跡で、くるくると10回描くようになじませた。その後、流水にて水性洗浄剤組成物を洗い流した。
なお、泡にする場合は、水性洗浄剤組成物を泡吐出容器(吐出容器B)に充填し、当該容器から泡を吐出させた。
色差計にて、ファンデーション塗布前、ファンデーション塗布後、洗浄後のそれぞれの白色人工皮革シートの色差(L,a,b)を10か所分測定し、洗浄除去率を計算して求め、平均値を求めた後、以下の基準により、評価した。
SA;除去率60%以上。
A;除去率50~59%。
B;除去率40~49%。
C;除去率30~39%。
D;除去率29%以下。
【0071】
【表7】
【0072】
実施例34~38
表8に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。得られた水性洗浄剤組成物について、実施例1~9と同様にして、除去ポテンシャル及び溶液の状態を評価し、実施例10~28と同様にして、洗い流しやすさ及び素肌感を評価した。また、拭き取り使用時を想定し、化粧用コットンへの含浸させやすさを評価した。さらに、実施例29~33と同様にして、泡質を評価した。結果を表8に併せて示す。
【0073】
(評価方法)
(7)化粧用コットンへの含浸させやすさ:
化粧用コットンに各水性洗浄剤組成物1mLを乗せ、浸透する様子を観察して、その様子を以下の基準で評価した。
A;瞬時にしみこむ。
B;表面に一瞬液が溜まってから速やかにしみ込む。
C;表面に液が2-3秒溜まってから徐々にしみ込む。
D;表面に液が溜まって、折り曲げるなど物理力をかけないとしみ込まない。
E;表面に液が溜まって、物理力をかけても十分には浸透しない。
【0074】
【表8】
【0075】
実施例39及び比較例19
表9に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。得られた水性洗浄剤組成物について、実施例1~9と同様にして、溶液の状態を評価した。また、コットンを用いてふき取ったときの除去ポテンシャル、乾く過程でのべたつきのなさ、乾いた後(すなわち使用後)の肌の残留感のなさを評価した。結果を表9に併せて示す。
【0076】
(評価方法)
(8)除去ポテンシャル:
7cm×12cmにカットされた白色人工皮革シート(オカモト化成品社製、ラフォーレ白)上の5cm×10cmの範囲に、ファンデーション(レブロンカラーステイメイクアップN、色番370)を0.04~0.05gになるように指で均一に塗布した後、2時間以上乾燥させた。1.5cm角に切った化粧用コットンに、800質量%となるように水性洗浄剤組成物を含浸させ、電子天秤上に置いたシートのファンデーション塗布面上に置き、指一本で100g重の力が加わるように、直線状にゆっくりと2回ふき取った。
色差計にて、ファンデーション塗布前、ファンデーション塗布後、洗浄後のそれぞれの白色人工皮革シートの色差(L,a,b)を3か所測定し、洗浄除去率を計算して求め、平均値を求めた後、以下の基準により、評価した。
A;除去率60%以上。
B;除去率50~59%。
C;除去率40~49%。
D;除去率10~39%。
E;除去率9%以下(ポテンシャルなし)。
【0077】
(9)乾く過程でのべたつきのなさ、乾いた後の肌の残留感のなさ:
専門パネラー5人により、各水性洗浄剤組成物1.5gを含浸させた化粧用コットンを用いて前腕を数回ふき取った後、肌が乾く過程(乾き際)でのべたつきのなさ、乾いた後の残留感のなさを官能評価した。結果は、「乾く過程でのべたつきが少ない」、「肌の残留感が少ない」と評価した専門パネラーの人数で示した。
【0078】
【表9】
【0079】
実施例40~41
表10に示す組成の水性洗浄剤組成物を、(B)親油性ノニオン性界面活性剤と油剤(イソドデカン)をあらかじめ(A)親水性ノニオン性界面活性剤と混合した後に、(C)ポリオール、(D)水を添加し、均一混合することにより、製造した。得られた水性洗浄剤組成物について、実施例1~9と同様にして、除去ポテンシャル及び溶液の状態を評価した。また、実施例10~28と同様にして、洗い流しやすさ及び素肌感を評価した。結果を表10に併せて示す。
【0080】
【表10】