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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188004
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221213BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221213BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 33/28 20060101ALI20221213BHJP
   H05B 33/24 20060101ALI20221213BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349D
G09G5/00 555D
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/28
H05B33/24
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092098
(22)【出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021096220
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 哲史
(72)【発明者】
【氏名】川上 祥子
(72)【発明者】
【氏名】中村 太紀
【テーマコード(参考)】
2H199
3K107
5C094
5C182
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA03
2H199CA04
2H199CA05
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA70
2H199CA87
2H199CA90
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB06
3K107BB07
3K107CC35
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD95
3K107DD96
3K107EE29
3K107EE33
3K107EE65
3K107FF06
3K107FF13
3K107FF15
5C094AA02
5C094AA05
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094DA14
5C094EA04
5C094EA05
5C094EA06
5C094EA07
5C094ED01
5C094ED11
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA04
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
5C094HA01
5C094HA03
5C094HA06
5C094HA07
5C094HA08
5C094HA10
5C094JA11
5C182AA02
5C182AA31
5C182AB08
5C182AB14
5C182AB33
5C182BB01
5C182BC01
5C182BC26
(57)【要約】
【課題】没入感または臨場感の高い表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、フルカラー表示が可能な表示部と、無線通信機能を有する通信部と、頭部に装着可能な装着部と、を有する。表示部を第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、発光スペクトルにおける、波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0.5以下であり、第1の輝度は、0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、第1の通信部と、装着部と、を有し、
前記装着部は、頭部に装着する機能を有し、
前記第1の通信部は、無線通信機能を有し、
前記表示部は、フルカラー表示が可能であり、
前記表示部は、第1の副画素及び第2の副画素を有し、
前記第1の副画素は、青色の光を発する第1の発光デバイスを有し、
前記第2の副画素は、前記第1の発光デバイスとは異なる色の光を発する第2の発光デバイスを有し、
前記第1の発光デバイスと前記第2の発光デバイスとは、互いに異なる材料を少なくとも一つ有し、
前記表示部を第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、前記発光スペクトルにおける、波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0.5以下であり、
前記第1の輝度は、0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である、
表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の発光デバイスは、第1の画素電極と、前記第1の画素電極上の第1のEL層と、前記第1のEL層上の共通電極と、を有し、
前記第2の発光デバイスは、第2の画素電極と、前記第2の画素電極上の第2のEL層と、前記第2のEL層上の前記共通電極と、を有し、
前記第1のEL層と前記第2のEL層とは互いに離隔している、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の発光デバイスは、前記第1のEL層と前記共通電極との間に、共通層を有し、
前記第2の発光デバイスは、前記第2のEL層と前記共通電極との間に、前記共通層を有し、
前記共通層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも一つを有する、表示装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記表示部は、第1の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層は、前記第1のEL層の側面、及び、前記第2のEL層の側面を覆い、
前記共通電極は、前記第1の絶縁層上に位置する、表示装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記表示部は、第1の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層は、前記第1のEL層の側面、及び、前記第2のEL層の側面を覆い、
前記共通電極は、前記第1の絶縁層上に位置する、表示装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記表示部は、第2の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層は、無機材料を有し、
前記第2の絶縁層は、有機材料を有し、かつ、前記第1の絶縁層を介して、前記第1のEL層の側面、及び、前記第2のEL層の側面と重なる、表示装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記表示部は、第2の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層は、無機材料を有し、
前記第2の絶縁層は、有機材料を有し、かつ、前記第1の絶縁層を介して、前記第1のEL層の側面、及び、前記第2のEL層の側面と重なる、表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、
前記表示部の精細度は1000ppi以上である、表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一において、
前記第1の副画素は、前記第1の発光デバイスと重なるレンズを有する、表示装置。
【請求項10】
請求項2乃至7のいずれか一において、
前記第1の画素電極は、可視光を反射する材料を有する、表示装置。
【請求項11】
請求項2乃至7のいずれか一において、
前記第1の副画素は、反射層を有し、
前記第1の画素電極は、可視光を透過する材料を有し、
前記第1の画素電極は、前記反射層と、前記第1のEL層との間に位置する、表示装置。
【請求項12】
請求項2乃至7のいずれか一において、
前記第1の画素電極の端部は、テーパ形状を有する、表示装置。
【請求項13】
請求項2乃至7のいずれかにおいて、
前記第1のEL層は、前記第1の画素電極の端部を覆う、表示装置。
【請求項14】
サーバと、端末機と、請求項1に記載の表示装置と、を有し、
前記端末機は、第2の通信部と、第3の通信部と、を有し、
前記第2の通信部は、前記サーバと、ネットワークを介して通信する機能を有し、
前記第3の通信部は、前記第1の通信部と通信する機能を有する、
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。本発明の一態様は、電子機器に関する。本発明の一態様は、表示システムに関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。
【背景技術】
【0003】
拡張現実(AR:Augmented Reality)又は仮想現実(VR:Virtual Reality)用の表示装置が設けられる電子機器として、ウェアラブル型の電子機器が普及しつつある。ウェアラブル型の電子機器としては、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、眼鏡型の電子機器等がある。
【0004】
HMD等、表示部と使用者の距離が近い電子機器では使用者が画素を視認しやすく、粒状感を強く感じてしまうことから、ARまたはVR表示の際の没入感、臨場感が薄れる場合がある。このため、HMDには、使用者に画素を視認されないように微細な画素を備える表示装置を設けることが好ましい。特許文献1では、高速駆動が可能なトランジスタを用いることにより、微細な画素を有するHMDを実現する方法が開示されている。
【0005】
また、ARまたはVR用の表示装置、あるいはHMDの表示部には、有機ELデバイスが用いられる場合がある。有機ELデバイスの一つとして、非特許文献1には、標準的なUVフォトリソグラフィを使用した有機光電子デバイスの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-2856号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】B.Lamprecht et al.,“Organic optoelectronic device fabrication using standard UV photolithography” phys.stat.sol.(RRL)2,No.1,p.16-18 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
表示装置が有する画素を微細なものとすることにより、画素密度を高くすることができる。これにより、表示装置に多くの画素を設けることができ、高い没入感あるいは臨場感を得ることができる。より没入感あるいは臨場感を得るためには、画素の欠陥(輝点及び暗点など)が少ないことが好ましい。
【0009】
また、頭部に装着するHMD等は、重量が重いと使用者の負担が大きくなるといった課題がある。
【0010】
本発明の一態様は、没入感または臨場感の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、使用者の負担の少ない表示装置または表示システムを提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、表示品位の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、新規な構成を有する表示装置、表示方法、通信方法、または表示システムを提供することを課題の一とする。
【0011】
本発明の一態様は、先行技術の問題点の少なくとも一つを少なくとも軽減することを課題の一とする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、表示部と、第1の通信部と、装着部と、を有する表示装置である。装着部は、頭部に装着する機能を有する。第1の通信部は、無線通信機能を有する。表示部は、フルカラー表示が可能であり、表示部は、第1の副画素及び第2の副画素を有する。第1の副画素は、青色の光を発する第1の発光デバイスを有する。第2の副画素は、第1の発光デバイスとは異なる色の光を発する第2の発光デバイスを有する。第1の発光デバイスと第2の発光デバイスとは、互いに異なる材料を少なくとも一つ有する。さらに、表示部を第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、当該発光スペクトルにおける波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0.5以下であり、且つ、第1の輝度は0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である。
【0014】
また、上記において、第1の発光デバイスは、第1の画素電極と、第1の画素電極上の第1のEL層と、第1のEL層上の共通電極と、を有することが好ましい。さらに、第2の発光デバイスは、第2の画素電極と、第2の画素電極上の第2のEL層と、第2のEL層上の共通電極と、を有することが好ましい。このとき、第1のEL層と第2のEL層とは、互いに異なる構成であり、第1のEL層と第2のEL層とは互いに離隔していることが好ましい。
【0015】
また、上記において、第1の発光デバイスは、第1のEL層と共通電極との間に、共通層を有することが好ましい。また、第2の発光デバイスは、第2のEL層と共通電極との間に、共通層を有することが好ましい。このとき、共通層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも一つを有することが好ましい。
【0016】
また、上記いずれかにおいて、表示部は、第1のEL層の側面、及び、第2のEL層の側面を覆う第1の絶縁層を有することが好ましい。また、共通電極は、第1の絶縁層上に位置することが好ましい。
【0017】
また、上記において、表示部は、第2の絶縁層を有することが好ましい。このとき、第1の絶縁層は、無機材料を有し、第2の絶縁層は、有機材料を有し、かつ、第1の絶縁層を介して、第1のEL層の側面、及び、第2のEL層の側面と重なることが好ましい。
【0018】
また、上記いずれかにおいて、表示部の精細度は1000ppi以上であることが好ましい。
【0019】
また、上記いずれかにおいて、第1の副画素は、第1の発光デバイスと重なるレンズを有することが好ましい。
【0020】
また、上記いずれかにおいて、第1の画素電極は、可視光を反射する材料を有することが好ましい。
【0021】
また、上記いずれかにおいて、第1の副画素は、反射層を有することが好ましい。さらに第1の画素電極は、可視光を透過する材料を有することが好ましい。このとき、第1の画素電極は、反射層と、第1のEL層との間に位置することが好ましい。
【0022】
また、上記いずれかにおいて、第1の画素電極の端部は、テーパ形状を有することが好ましい。
【0023】
また、上記いずれかにおいて、第1のEL層は、第1の画素電極の端部を覆うことが好ましい。
【0024】
また、本発明の他の一態様は、サーバと、端末機と、上記いずれかの表示装置と、を有する、表示システムである。端末機は、第2の通信部と、第3の通信部と、を有する。第2の通信部は、サーバと、ネットワークを介して通信する機能を有する。第3の通信部は、第1の通信部と通信する機能を有する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様によれば、没入感または臨場感の高い表示装置を提供することができる。または、使用者の負担の少ない表示装置または表示システムを提供することができる。または、表示品位の高い表示装置を提供することができる。または、新規な構成を有する表示装置、表示方法、通信方法、または表示システムを提供することができる。または、先行技術の問題点の少なくとも一つを少なくとも軽減できる。
【0026】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、表示システムの構成例を示す図である。
図2図2(A)及び図2(B)は、コンテンツの例を示す図である。
図3図3は、表示システムの構成例を示す図である。
図4図4(A)乃至図4(C)は、端末機及び表示装置の構成例を示す図である。
図5図5(A)及び図5(B)は、端末機及び表示装置の構成例を示す図である。
図6図6(A)は、表示パネルの一例を示す上面図である。図6(B)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図7図7(A)乃至図7(C)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図8図8(A)及び図8(B)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図9図9(A)乃至図9(C)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図10図10(A)乃至図10(C)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図11図11(A)乃至図11(F)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図12図12(A)は、表示パネルの一例を示す上面図である。図12(B)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図13図13(A)乃至図13(F)は、画素の一例を示す上面図である。
図14図14(A)乃至図14(H)は、画素の一例を示す上面図である。
図15図15(A)乃至図15(J)は、画素の一例を示す上面図である。
図16図16(A)乃至図16(D)は、画素の一例を示す上面図である。図16(E)乃至図16(G)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図17図17(A)及び図17(B)は、表示パネルの一例を示す斜視図である。
図18図18(A)及び図18(B)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図19図19は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図20図20は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図21図21は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図22図22は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図23図23は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図24図24は、表示パネルの一例を示す斜視図である。
図25図25(A)は、表示パネルの一例を示す断面図である。図25(B)及び図25(C)は、トランジスタの一例を示す断面図である。
図26図26(A)乃至図26(D)は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図27図27は、表示パネルの一例を示す断面図である。
図28図28(A)は、表示パネルの一例を示すブロック図である。図28(B)乃至図28(D)は、画素回路の一例を示す図である。
図29図29(A)乃至図29(D)は、トランジスタの一例を示す図である。
図30図30(A)乃至図30(F)は、発光デバイスの構成例を示す図である。
図31図31(A)及び図31(D)は、電子機器の一例を示す図である。
図32図32(A)及び図32(F)は、電子機器の一例を示す図である。
図33図33(A)乃至図33(G)は、電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0030】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成要素の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0031】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0032】
また、本明細書等において、表示装置を電子機器と読み替えてもよい。
【0033】
本明細書等において、メタルマスク、またはFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いて作製されるデバイスをMM(メタルマスク)構造のデバイスと呼称する場合がある。また、本明細書等において、メタルマスク、またはFMMを用いることなく作製されるデバイスをMML(メタルマスクレス)構造のデバイスと呼称する場合がある。
【0034】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示システム、及び表示装置等の構成例について説明する。
【0035】
本発明の一態様の表示システムは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に代表される装着型の表示装置を用いる。表示システムに用いることのできる表示装置としては、ゴーグル型など、視界のほぼ全域を覆った状態で映像を提示する、非透過型の表示装置が挙げられる。または、スクリーン越しに視認される実像に重ねて映像を表示する、透過型の表示装置を用いることもできる。
【0036】
表示システムは、装着型の表示装置のほかに、端末機を用いる。端末機は、ネットワークを介してサーバと接続するための第1の通信部を有する。さらに端末機は、装着型の表示装置と通信するための第2の通信部を有する。このような構成とすることで、装着型の表示装置は直接サーバと通信する必要が無く、使用者が所持する端末機と近距離の通信を行えばよいため、構成を簡略化することができる。これにより、装着型の表示装置を軽量なものにできるため、使用者の装着の負担を軽減することができる。
【0037】
また、装着型の表示装置が有する表示パネルは、高い開口率、高い精細度、高い解像度(多数の画素数)、及び高い色再現性が実現された表示パネルとする。
【0038】
表示パネルは、開口率(実効発光面積比)が、10%以上100%以下、好ましくは20%以上95%以下、より好ましくは30%以上93%以下、さらに好ましくは40%以上90%以下とする。特に、表示部をレンズ等で拡大して視認する構成では、開口率を高くすることで、画素の粒状感を視認しづらくさせ、没入感を高めることができる。
【0039】
表示パネルは、精細度が高いほど好ましい。例えば、精細度が500ppi以上、好ましくは800ppi以上、より好ましくは1000ppi以上、さらに好ましくは2000ppi以上、さらに好ましくは3000ppi以上であって、10000ppi以下、8000ppi以下、または6000ppi以下とすることができる。精細度が高いほど、没入感を高めることができる。
【0040】
また、表示パネルは、解像度が高いほど好ましい。例えば、HD(有効画素数1280×720)、FHD(有効画素数1920×1080)、WQHD(有効画素数2560×1440)、WQXGA(有効画素数2560×1600)、4K2K(有効画素数3840×2160)、8K4K(有効画素数7680×4320)などといった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K2K、8K4K、又はそれ以上の解像度とすることが好ましい。
【0041】
また、表示パネルは、低輝度表示と高輝度表示とで色の変化が少ないことが好ましい。本発明の一態様の表示パネルにおいて、表示部を第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、発光スペクトルにおける、波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0以上0.5以下であり、第1の輝度は、0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である。つまり、本発明の一態様の表示パネルは、低輝度で青色表示をした際、青色の光が主に観測され、青色よりも長波長の光は観測されにくい(実質的に観測されない場合を含む)。このような構成の表示パネルでは、高い表示品位を実現することができる。表示パネルの具体的な構成例については、主に、実施の形態2乃至実施の形態4などを参照することができる。
【0042】
以下では、より具体的な例について図面を参照して説明する。
【0043】
[表示システム]
図1に、表示システム10の模式図を示す。表示システム10は、サーバ11、ネットワーク12、並びにユーザが所持する端末機及び表示装置を含んで構成される。本発明の一態様の表示システム10は、複数のユーザが同時にサーバ11と通信することで、離れた場所にいる複数のユーザが、同時刻に同じコンテンツを体験することが可能となる。図1では、5人のユーザ(ユーザ20a乃至ユーザ20e)を示している。
【0044】
以下では、ユーザ20a乃至ユーザ20eなどアルファベットで区別する構成要素について、これらに共通する事項を説明する場合には、ユーザ20などとアルファベットを省略した符号を用いて説明する場合がある。
【0045】
端末機21は、ネットワーク12を介してサーバ11と通信する機能を有していればよく、様々な機器を用いることができる。例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などの携帯情報端末機を用いることができる。また、端末機21は必ずしも表示部を有していなくてもよい。
【0046】
表示装置22は、無線または有線により端末機21と通信する機能と、ユーザ20の頭部に装着できる機能と、を有する。例えば、没入型(非透過型)、または透過型のHMDを用いることができる。また、表示装置22としては、ゴーグル型、メガネ型、片目に装着する構成などを用いることができる。
【0047】
ユーザ20aは、端末機21aと、表示装置22aとを所持している。端末機21aは、ユーザ20aの衣服のポケットに入った状態である。端末機21aは、例えばスマートフォンなどとして機能する。また、ユーザ20aは、表示装置22aを装着している。ユーザ20bは、端末機21bを腕に装着し、表示装置22bを頭部に装着している。端末機21bは、腕時計型の情報端末として機能する。ユーザ20cは、表示装置22cを装着した状態で椅子に座っており、傍らのテーブル上に、端末機21cが置いてある。端末機21cは、ゲーム機として機能する。ユーザ20dは、背中に背負ったカバンの中に端末機21dを所持し、さらに表示装置22dを装着している。端末機21dは、タブレット端末として機能する。ユーザ20eは、端末機21eを手に把持し、表示装置22eを装着している。
【0048】
ユーザ20が有する端末機21は、ネットワーク12を介してサーバ11と通信することができる。サーバ11は、クライアントからの要求に対して、何らかの処理を提供する機能を有する。サーバ11は、コンピュータなどのハードウェアと、ハードウェア上で稼働するソフトウェアと、により構成されうる。なお図1では、サーバ11の一例として、大型のコンピュータの外観を示している。サーバ11は、大規模ストレージに加えて、大規模演算処理が可能な、いわゆるスーパーコンピュータを含んでいてもよい。
【0049】
端末機21と表示装置22とは、点線矢印で示すように、相互に通信することができる。端末機21は、サーバ11から供給された映像データ及び音声データを表示装置22に送信することができる。さらに、端末機21は、ユーザ20による入力情報を、ネットワーク12を介してサーバ11に送信することができる。
【0050】
ユーザ20による入力情報は、端末機21または表示装置22が有するセンサにより取得することができる。または、端末機21及び表示装置22とは別に、コントローラ、スティック、グローブなどの入力装置を用いてもよい。センサとしては、例えばカメラ、加速度センサ、タッチセンサ(非接触を含む)などが挙げられる。入力情報としては、タッチ操作(非接触を含む)、指先または腕などのジェスチャー操作、体の一部または全部の姿勢または動き、歩数、位置情報などがある。
【0051】
表示システム10は、必ずしも設備を必要としないため、例えば自宅など、ネットワーク12へのアクセスが可能な任意の場所で利用することができる。または、表示システム10は、アミューズメント施設、エンターテインメント施設、遊技場など、限られた施設内でのみ利用可能であってもよい。
【0052】
[コンテンツの例]
表示システム10でユーザ20が楽しむことのできるコンテンツの一例について説明する。
【0053】
図2(A)は、ジェットコースターを体験できるコンテンツの例である。図2(A)では、雲よりも高いところを滑走するジェットコースターに、複数のアバター25が乗っている状況を示している。ユーザ20に提示される画像は、複数のアバター25のいずれかの視界に対応した画像となるため、ユーザ20は、あたかも雲よりも高いところを滑走するジェットコースターに乗るといった非現実的な状況を体験することができる。ジェットコースターには複数人のアバター25が乗っており、それぞれに異なるユーザ20が紐づけられている。
【0054】
アバター25の動作は、ユーザ20の入力情報と連動することが好ましい。ユーザ20が視線を動かす、頭の角度を変える、または体の向きを変えると、その動作と連動してアバター25の視界及び姿勢も変化する。また、ユーザ20が手を挙げると、アバター25も手を挙げる。また、ユーザ20が声を上げると、これと連動してアバター25が音声を発し、他のアバター25に紐づけられた他のユーザ20が聞くことができる。これにより、同じジェットコースターに仮想的に乗っている他のユーザ20の悲鳴をリアルタイムで聞くことができるため、より現実感(リアリティ)が高まる。
【0055】
図2(B)は、シューティングゲームのコンテンツの例である。図2(B)では、アバター25を操作して、ターゲットであるオブジェクト26を破壊することで得点を競う、対戦型のゲームコンテンツの例である。図2(B)では、オブジェクト26の一例として、浮遊する飛行体及び未知の生物を示している。画像上部には、それぞれのユーザ20が取得した得点(Scoreと表記)と、残り時間(TIMEと表記)が表示されている。図2(B)では、2人のアバター25を示しているが、3人以上のアバター25が同時に参加することもできる。また、オブジェクト26でなく、他のアバター25をターゲットとしてもよい。
【0056】
[システムの構成例]
以下では、表示システム10のより具体的な構成例について説明する。
【0057】
図3は、表示システム10の構成を示すブロック図である。表示システム10は、サーバ11、ネットワーク12、1つ以上の端末機21、及び1つ以上の表示装置22(表示装置22a乃至表示装置22x)を有する。ここでは、x個(xは自然数)の端末機21(端末機21a乃至端末機21x)が接続されている例を示す。
【0058】
端末機21は、ネットワーク12を介してサーバ11と通信するための通信部31と、表示装置22と通信するための通信部32とを有する。表示装置22は、画像を表示するための表示部41と、端末機21と通信するための通信部42とを有する。
【0059】
通信部31がネットワーク12を介してサーバ11と無線で通信する場合、通信部31はアンテナを有する構成とすることができる。通信部31とサーバ11との通信手段(通信方法)であるネットワーク12としては、例えばWorld Wide Web(WWW)の基盤であるインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等のコンピュータネットワークが挙げられる。無線通信を行う場合、通信プロトコル又は通信技術として、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などの通信規格、またはWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等のIEEEにより通信規格化された仕様を用いることができる。
【0060】
通信部32と通信部42との間の通信は、上記と同様の通信手段を用いることができる。なお、通信部32と通信部42との間の通信は比較的近距離にあるデバイス間の通信であるため、大規模なネットワークを必ずしも必要としない。例えば家庭内で楽しむ場合には、PANまたはLANなどのホームネットワークなどを用いることができる。また、ネットワークを介さずに、2つのデバイス間での相互通信機能を用いて通信する構成としてもよい。また、通信部32と通信部42とは、ケーブルを介して有線で通信してもよい。
【0061】
表示装置22は、表示部41に、拡張現実(AR:Augmented Reality)のコンテンツを表示する機能、及び仮想現実(VR:Virtual Reality)のコンテンツを表示する機能のいずれか一または双方を有する。なお、表示装置22は、AR、VRの他に、代替現実(SR:Substitutional Reality)、または複合現実(MR:Mixed Reality)のコンテンツを表示する機能を有していてもよい。表示装置22が、AR、VR、SR、及びMRなどのうち少なくとも一つのコンテンツを表示する機能を有することで、使用者の没入感を高めることが可能となる。
【0062】
[端末機、表示装置の具体例]
図4(A)乃至図4(C)は、端末機と表示装置の具体例である。
【0063】
図4(A)に、端末機21Aと、表示装置22Aを示している。端末機21A、及び表示装置22Aは、それぞれ無線通信機能を有する。また、表示装置22Aは、端末機21Aよりも画素密度が高い領域を有する。また、上記の無線通信機能を用いて、端末機21Aの画面、または端末機21Aの画面の一部を、表示装置22Aに表示する機能を有する。
【0064】
図4(A)に示すように、本発明の一態様である表示システムは、端末機に表示装置を用いてもよい。すなわち、表示システムは複数の表示装置を有してもよい。また、当該複数の表示装置は、無線通信機能を用いてデータのやりとりを行い、一方の表示装置のデータをアップコンバート、またはダウンコンバートなど、一部を加工して、他方の表示装置に表示することができる。このような、表示システムとすることにより、使用者の利便性が向上する、各表示装置に最適な画質で画像を表示可能となる、または表示装置の消費電力を低減させることができる。
【0065】
端末機21Aは、表示部50と、筐体51と、通信部52と、制御部54と、を有する。ここでは、通信部52が、上記通信部31の機能と、通信部32の機能を兼ねる構成とする。すなわち、通信部52は、ネットワーク12を介してサーバ11と通信する機能と、表示装置22Aと通信する機能の両方を有する。なお、図4(A)では、タッチパネルとして機能する表示部50を操作する使用者の右手70Rを示している。
【0066】
表示装置22Aは、表示部60と、筐体61と、通信部62と、装着部63と、制御部64と、カメラ部65と、を有する。なお、無線通信機能としては、図4(A)に示すように、通信部52と、通信部62と、の間で行うことができる。なお、通信部52は、端末機21Aへの操作に応じて、表示装置22Aに情報を送信する機能を有する。また、通信部62は、表示装置22Aへの操作に応じて、端末機21Aに情報を送信する機能を有する。
【0067】
表示装置22Aは、ゴーグル型の表示装置である。表示装置22Aが有するカメラ部65は、外部の情報を取得する機能を有する。例えば、カメラ部65が取得したデータは、表示部60、または端末機21Aが有する表示部50に出力することができる。また、表示装置22Aが有する装着部63により、使用者は表示装置22Aを頭部に装着することができる。なお、図4(A)においては、メガネのつる(ジョイント、テンプルなどともいう)のような形状として例示しているがこれに限定されない。装着部63は、使用者が装着できればよく、例えば、ヘルメット型、またはバンド型の形状としてもよい。
【0068】
表示装置22Aは、イヤホン67に音声を出力する機能を有する。ここでは、無線通信によりイヤホンに音声情報を出力する例を示している。なお、これに限られず、イヤホン67と表示装置22Aとをケーブルにより接続し、有線により音声情報を出力する構成としてもよい。
【0069】
なお、ここではカメラ部65を有する例を示したが、対象物の距離を測定することのできる測距センサ(以下、検知部ともよぶ)を設ければよい。すなわち、カメラ部65は、検知部の一態様である。検知部としては、例えばイメージセンサ、又は、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などの距離画像センサを用いることができる。カメラによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを用いることにより、より多くの情報を取得し、より高精度なジェスチャー操作を可能とすることができる。
【0070】
図4(B)に示す端末機21Bは、表示部50と、筐体51と、通信部52と、バンド53と、制御部54と、を有する。また、図4(B)では、端末機21Bを装着した使用者の左手70Lと、タッチパネルとして機能する表示部50を操作する使用者の右手70Rと、を示している。また、図4(B)に示す表示装置22Aの構成については、図4(A)に示す構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
図4(A)に示す端末機21Aは、いわゆる携帯情報端末(代表的にはスマートフォンなど)としての機能を有し、図4(B)に示す端末機21Bは、いわゆる時計型の携帯情報端末としての機能を有する。なお、端末機21A、及び端末機21Bは、すくなくとも通話機能、及び時刻表示機能のいずれか一または双方を有する。また、表示装置22Aは、ARのコンテンツを表示する機能、及びVRのコンテンツを表示する機能のいずれか一または双方を有する。なお、表示装置22Aは、AR、VRの他に、SR、またはMRのコンテンツを表示する機能を有していてもよい。表示装置22Aが、AR、VR、SR、及びMRなどのうち少なくとも一つのコンテンツを表示する機能を有することで、使用者の没入感を高めることが可能となる。
【0072】
図4(C)に示す端末機21Cは、ゲーム機として機能する。端末機21Cは、少なくとも筐体51内に、通信部52と、制御部54と、を有する。また、図4(C)に示す表示装置22Aの構成については、図4(A)に示す構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0073】
端末機21Cは、プロセッサ、及び、ストレージなどを有する。使用者は、端末機21Cでアプリケーションを起動することにより、様々なゲームコンテンツを遊ぶことができる。また、端末機21Cはゲームコンテンツだけでなく、動画再生アプリケーション、画像再生アプリケーション、音楽再生アプリケーション、インターネットブラウザなどのアプリケーションを実行することができる。また、端末機21Cは、パーソナルコンピュータとして使用することもできる。
【0074】
図5(A)は、端末機21と表示装置22の構成を示すブロック図である。端末機21は、表示部50と、通信部52と、制御部54と、電源部56と、センサ部58と、を有する。また、図5(A)に示すように、表示装置22は、表示部60と、通信部62と、制御部64と、電源部66と、センサ部68と、を有する。
【0075】
なお、図5(A)においては、端末機21と、表示装置22とは、それぞれ同じ機能を有する構成について例示したがこれに限定されない。例えば、図5(B)に示すように、端末機21と、表示装置22とは、異なる機能を有していてもよい。
【0076】
図5(B)において、端末機21は、図5(A)に示す構成に加えて、カメラ部55(検知部ともいう)と、第2の通信部59と、を有する。また、表示装置22は、図5(A)に示す構成に加えて、カメラ部65と、ヘッドホン部69と、を有する。カメラ部55としては、イメージセンサなどの撮像部を有していればよい。また、望遠、広角などの複数の画角に対応可能なように複数のカメラを設けてもよい。また、第2の通信部59としては、通信部52と異なる機能の通信を行う機能を有していればよい。例えば、通信部52は、通信部62との通信を行う機能を有し、第2の通信部59は、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などを利用した音声通話が可能な機能、または電子決済などが可能な通信手段を有していればよい。
【0077】
また、表示部60は、表示部50よりも解像度が高いと好ましい。例えば、表示部50は、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)といった解像度とすることができる。また、表示部60は、WQXGA(画素数2560×1600)、4K2K(画素数3840×2160)、8K4K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K2K、8K4K、又はそれ以上の解像度とすることが好ましい。
【0078】
また、表示部60は、表示部50よりも画素密度(精細度)が高いと好ましい。例えば、表示部50は、100ppi以上1000ppi未満、好ましくは300ppi以上800ppi以下の画素密度とすることができる。また、表示部60としては、1000ppi以上10000ppi以下、好ましくは2000ppi以上8000ppi以下、さらに好ましくは3000ppi以上6000ppi以下の画素密度とすることができる。
【0079】
表示部50及び表示部60は、それぞれ開口率(実効発光面積比)が、10%以上100%以下、好ましくは20%以上95%以下、より好ましくは30%以上93%以下、さらに好ましくは40%以上90%以下とする。特に、表示部60は、レンズ等で拡大して視認する構成であるため、開口率を高くすることで、画素の粒状感を視認しづらくさせ、没入感を高めることができる。
【0080】
表示部50及び表示部60は、それぞれ、低輝度表示と高輝度表示とで色の変化が少ないことが好ましい。表示部50及び表示部60の一方または双方には、本発明の一態様の表示パネルを用いることが好ましい。具体的には、本発明の一態様の表示パネルは、第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、発光スペクトルにおける、波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0以上0.5以下であり、第1の輝度は、0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である。つまり、本発明の一態様の表示パネルは、低輝度で青色表示をした際、青色の光が主に観測され、青色よりも長波長の光は観測されにくい(実質的に観測されない場合を含む)。このような構成の表示パネルを表示部50及び表示部60にそれぞれ用いることで、表示部50及び表示部60において、高い表示品位を実現することができる。
【0081】
なお、表示部50、及び表示部60の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、表示部50、及び表示部60としては、それぞれ1:1(正方形)、3:4、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
【0082】
なお、表示部50は、ガラス基板上に形成され、表示部60は、シリコン基板上に形成されると好ましい。表示部50をガラス基板上に形成することで、製造コストを低減させることができる。一方で、表示部50をガラス基板上に形成する場合、製造装置の関係上、表示部50の画素密度を高くする(代表的には1000ppi以上)ことが困難な場合がある。そこで、本発明の一態様の表示装置、及び表示システムにおいては、表示部60をシリコン基板上に形成することで、表示部60の画素密度を高くする(代表的には1000ppi以上)ことができる。別言すると、表示部50で対応できない精細度の画像を、表示部60が補って表示することができる。
【0083】
表示部60の解像度または精細度を高くすることで、使用者が画素を認識することができない(画素の間に生じうる線がみえない等)ため、没入感、臨場感、及び奥行き感の中から選ばれる一または複数をより高く感じることができる。
【0084】
また、端末機21は、表示部が表示しない期間を有し、当該期間において、表示装置22の入出力手段(例えば、コントローラー)として機能させることができる。このような機能を有することで、端末機21が有する電源部56の使用期間を長くすることができる。すなわち、本発明の一態様である表示システムは、省電力化することが可能である。なお、電源部56としては、例えば、リチウムイオン二次電池などを用いることができる。
【0085】
<表示部>
表示部50、及び表示部60は、それぞれ画像を表示する機能を有する。表示部50、及び表示部60としては、例えば、液晶表示デバイス、有機ELデバイスを含む発光デバイス、及びマイクロLEDなどの発光ダイオードを含む発光デバイスの中から選ばれる一または複数を用いることができる。生産性、及び発光効率を考慮した場合、表示部50、及び表示部60としては、有機ELデバイスを含む発光デバイスを用いると好適である。
【0086】
<通信部>
通信部52、及び通信部62は、それぞれ無線または有線で通信する機能を有する。通信部52、及び通信部62は、特に無線で通信する機能を有すると、接続のためのケーブルなどの部品点数を省略できるため好適である。
【0087】
通信部52、及び通信部62が、無線で通信する機能を有する場合、通信部52、及び通信部62は、アンテナを介して通信を行うことができる。通信部52、通信部62が用いることのできる通信手段(通信方法)としては、例えばインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN、LAN、CAN、MAN、WAN、GAN等のコンピュータネットワークが挙げられる。無線通信を行う場合、通信プロトコル又は通信技術として、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などの通信規格、またはWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等のIEEEにより通信規格化された仕様を用いることができる。
【0088】
<制御部>
制御部54、及び制御部64は、それぞれ表示部を制御する機能を有する。制御部54、及び制御部64としては、CPU(Central Processing Unit)、またはGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置を用いることができる。
【0089】
<電源部>
電源部56、及び電源部66は、それぞれ表示部に電力を供給する機能を有する。電源部56、及び電源部66は、例えば、一次電池、または二次電池を用いることができる。なお、当該二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池を好適に用いることができる。
【0090】
<センサ部>
センサ部58、及びセンサ部68は、それぞれ、使用者の視覚、聴覚、触覚、味覚、及び嗅覚、のいずれか一または複数の情報を取得する機能を有する。より具体的には、センサ部58は、力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、磁気、温度、音声、時間、電場、電流、電圧、電力、放射線、湿度、傾度、振動、におい、及び赤外線の少なくとも一つを測定する機能を有する。
【0091】
また、センサ部68は、上記のセンサ部58が有する機能に加え、脳波を測定できる機能を有すると好ましい。例えば、頭部に接触する電極を複数有し、当該電極に流れる微弱な電流から、脳波を測定する機構を有していればよい。センサ部68が脳波を測定できる機能を有することで、使用者が考えたところに、表示部50に表示されている画像、または表示部50に表示されている画像の一部を表示部60に表示させることができる。この場合、使用者は、両手を用いて表示装置を操作する必要がないため、両手に何も持たない(両手がフリーの状態)で、入力操作などを行うことができる。
【0092】
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせることができる。
【0093】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルについて図6乃至図11を用いて説明する。
【0094】
本発明の一態様は、フルカラー表示が可能な表示部を有する表示パネルである。表示部は、互いに異なる色の光を呈する第1の副画素と第2の副画素とを有する。第1の副画素は、青色の光を発する第1の発光デバイスを有し、第2の副画素は、第1の発光デバイスとは異なる色の光を発する第2の発光デバイスを有する。第1の発光デバイスと第2の発光デバイスとは互いに異なる材料を少なくとも一つ有し、例えば、互いに異なる発光材料を有する。つまり、本発明の一態様の表示パネルでは、発光色ごとに作り分けられた発光デバイスを用いる。なお、フルカラー表示が可能な表示部は、青色の光を呈する副画素と、青色以外の光を呈する2種以上の副画素と、を少なくとも有する。また、青色の光としては、例えば、ピーク波長400nm以上500nm未満の光が挙げられる。
【0095】
各色の発光デバイス(例えば、青(B)、緑(G)、及び赤(R))で、発光層を作り分ける、または発光層を塗り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。SBS構造は、発光デバイスごとに材料及び構成を最適化することができるため、材料及び構成の選択の自由度が高まり、輝度の向上及び信頼性の向上を図ることが容易となる。
【0096】
本発明の一態様の表示パネルにおいて、表示部を第1の輝度で青色表示させた際の発光スペクトルにおける、波長400nm以上500nm未満の第1の発光ピークの強度を1としたとき、発光スペクトルにおける、波長500nm以上700nm以下の第2の発光ピークの強度は0以上0.5以下であり、第1の輝度は、0cd/mより高く1cd/m未満のいずれかの値である。つまり、本発明の一態様の表示パネルは、低輝度で青色表示をした際、青色の光が主に観測され、青色よりも長波長の光は観測されにくい(実質的に観測されない場合を含む)。
【0097】
それぞれ異なる色の光を発する発光層を複数有するシングル構造(発光ユニットを1つだけ有する構造)の発光デバイスでは、キャリアバランスの調節が難しく、低輝度での発光と、高輝度での発光と、で発光色が変化してしまうことがある。例えば、白色光を発するシングル構造の発光デバイスでは、低輝度での発光と、高輝度での発光と、で発光色が変化してしまうことがある。
【0098】
一方、赤色、緑色、または青色などの光を発するSBS構造の発光デバイスは、白色光を発するシングル構造の発光デバイスに比べて、キャリアバランスの調節が容易となり、低輝度での発光と、高輝度での発光と、で発光色が変化しにくい。したがって、本発明の一態様の表示パネルは、低輝度表示と高輝度表示とで色の変化が少なく、高い表示品位を実現することができる。
【0099】
発光色がそれぞれ異なる複数の発光デバイスを有する表示パネルを作製する場合、発光色が異なる発光層をそれぞれ島状に形成する必要がある。
【0100】
例えば、メタルマスク(シャドーマスクともいう)を用いた真空蒸着法により、島状の発光層を成膜することができる。しかし、この方法では、メタルマスクの精度、メタルマスクと基板との位置ずれ、メタルマスクのたわみ、及び、蒸気の散乱などによる成膜される膜の輪郭の広がりなど、様々な影響により、島状の発光層の形状及び位置に設計からのずれが生じるため、表示装置の高精細化、及び高開口率化が困難である。また、蒸着の際に、層の輪郭がぼやけて、端部の厚さが薄くなることがある。つまり、島状の発光層は場所によって厚さにばらつきが生じることがある。また、大型、高解像度、または高精細な表示パネルを作製する場合、メタルマスクの寸法精度の低さ、及び、熱等による変形により、製造歩留まりが低くなる懸念がある。
【0101】
本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、第1の色の光を発する発光層を含む第1の層(EL層、またはEL層の一部、ということができる)を一面に形成した後、第1の層上に第1の犠牲層を形成する。そして、第1の犠牲層上に第1のレジストマスクを形成し、第1のレジストマスクを用いて、第1の層と第1の犠牲層を加工することで、島状の第1の層を形成する。続いて、第1の層と同様に、第2の色の光を発する発光層を含む第2の層(EL層、またはEL層の一部、ということができる)を、第2の犠牲層及び第2のレジストマスクを用いて、島状に形成する。
【0102】
なお、上記発光層を島状に加工する場合、発光層の直上でフォトリソグラフィ法を用いて加工する構造が考えられる。当該構造の場合、発光層にダメージ(加工によるダメージなど)が入り、信頼性が著しく損なわれる場合がある。そこで本発明の一態様の表示パネルを作製する際には、発光層よりも上方に位置する層(例えば、キャリア輸送層、またはキャリア注入層、より具体的には電子輸送層、または電子注入層など)の上にて、犠牲層などを形成し、発光層を島状に加工する方法を用いることが好ましい。当該方法を適用することで、信頼性の高い表示パネルを提供することができる。
【0103】
このように、本発明の一態様の表示パネルの作製方法で作製される島状のEL層は、精細なパターンを有するメタルマスクを用いて形成されるのではなく、EL層を一面に成膜した後に加工することで形成される。したがって、これまで実現が困難であった高精細な表示パネルまたは高開口率の表示パネルを実現することができる。さらに、EL層を各色で作り分けることができるため、極めて鮮やかでコントラストが高く、表示品位の高い表示パネルを実現できる。また、EL層上に犠牲層を設けることで、表示パネルの作製工程中にEL層が受けるダメージを低減し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0104】
隣り合う発光デバイスの間隔について、例えばメタルマスクを用いた形成方法では10μm未満にすることは困難であるが、上記方法によれば、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、または、1μm以下にまで狭めることができる。また、例えばLSI向けの露光装置を用いることで、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで、隣り合う発光デバイスの間隔を狭めることもできる。これにより、2つの発光デバイス間に存在しうる非発光領域の面積を大幅に縮小することができ、開口率を100%に近づけることが可能となる。例えば、開口率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さらには90%以上であって、100%未満を実現することもできる。
【0105】
また、EL層自体のサイズも、メタルマスクを用いた場合に比べて極めて小さくすることができる。また、例えばEL層の作り分けにメタルマスクを用いた場合では、島状のEL層の中央と端で厚さのばらつきが生じるため、EL層全体の面積に対して、発光領域として使用できる有効な面積は小さくなる。一方、上記作製方法では、均一な厚さに成膜した膜を加工するため、島状のEL層を均一の厚さで形成することができる。したがって、EL層のサイズが微細であっても、そのほぼ全域を発光領域として用いることができる。そのため、高い精細度と高い開口率を兼ね備えた表示パネルを作製することができる。
【0106】
また、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、発光層を含む層(EL層、またはEL層の一部、ということができる)を一面に形成した後、EL層上に犠牲層を形成することが好ましい。そして、犠牲層上にレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて、EL層と犠牲層を加工することで、島状のEL層を形成することが好ましい。
【0107】
EL層上に犠牲層を設けることで、表示パネルの作製工程中にEL層が受けるダメージを低減し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0108】
ここで、第1の層及び第2の層は、それぞれ、少なくとも発光層を含み、好ましくは複数の層からなる。具体的には、発光層上に1層以上の層を有することが好ましい。発光層と犠牲層との間に他の層を有することで、表示パネルの作製工程中に発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。したがって、第1の層及び第2の層は、それぞれ、発光層と、発光層上のキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。
【0109】
なお、それぞれ異なる色を発する発光デバイスにおいて、EL層を構成する全ての層を作り分ける必要はなく、一部の層は同一工程で成膜することができる。ここで、EL層が有する層としては、発光層、キャリア注入層(正孔注入層及び電子注入層)、キャリア輸送層(正孔輸送層及び電子輸送層)、及び、キャリアブロック層(正孔ブロック層及び電子ブロック層)などが挙げられる。本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、EL層を構成する一部の層を色ごとに島状に形成した後、犠牲層の少なくとも一部を除去し、EL層を構成する残りの層と、共通電極(上部電極ともいえる)と、を各色に共通して(一つの膜として)形成する。例えば、キャリア注入層と、共通電極と、を各色に共通して形成することができる。
【0110】
本明細書等において、正孔又は電子を、「キャリア」といって示す場合がある。具体的には、正孔注入層又は電子注入層を「キャリア注入層」といい、正孔輸送層又は電子輸送層を「キャリア輸送層」といい、正孔ブロック層又は電子ブロック層を「キャリアブロック層」という場合がある。なお、上述のキャリア注入層、キャリア輸送層、及びキャリアブロック層は、それぞれ、断面形状、または特性などによって明確に区別できない場合がある。また、1つの層が、キャリア注入層、キャリア輸送層、及びキャリアブロック層のうち2つまたは3つの機能を兼ねる場合がある。
【0111】
一方で、キャリア注入層は、EL層の中では、比較的導電性が高い層であることが多い。そのため、キャリア注入層が、島状に形成されたEL層の一部の層の側面、または、画素電極の側面に接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。なお、キャリア注入層を島状に設け、共通電極を各色に共通して形成する場合についても、共通電極と、EL層の側面、または、画素電極の側面とが接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。
【0112】
そこで、本発明の一態様の表示パネルは、少なくとも島状の発光層の側面を覆う絶縁層を有する。なお、ここでいう島状の発光層の側面とは、島状の発光層と他の層との界面のうち、基板(または発光層の被形成面)に平行でない面をいう。また、必ずしも数学的に厳密な平面及び曲面のいずれか一方でなくてもよい。
【0113】
これにより、島状に形成されたEL層の少なくとも一部の層、及び、画素電極が、キャリア注入層または共通電極と接することを抑制することができる。したがって、発光デバイスのショートを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0114】
また、当該絶縁層は、水及び酸素の少なくとも一方に対するバリア絶縁層としての機能を有することが好ましい。また、当該絶縁層は、水及び酸素の少なくとも一方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、当該絶縁層は、水及び酸素の少なくとも一方を捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能を有することが好ましい。
【0115】
なお、本明細書等において、バリア絶縁層とは、バリア性を有する絶縁層のことを示す。また、本明細書等において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
【0116】
バリア絶縁層としての機能、またはゲッタリング機能を有する絶縁層を用いることで、外部から各発光デバイスに拡散しうる不純物(代表的には、水及び酸素の少なくとも一方)の侵入を抑制することが可能な構成となる。当該構成とすることで、信頼性の高い発光デバイス、さらには、信頼性の高い表示パネルを提供することができる。
【0117】
本発明の一態様の表示パネルは、陽極として機能する画素電極と、画素電極上にこの順で設けられた、それぞれ島状の、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層と、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層のそれぞれの側面を覆うように設けられた絶縁層と、電子輸送層上に設けられた電子注入層と、電子注入層上に設けられ、陰極として機能する共通電極と、を有する。
【0118】
または、本発明の一態様の表示パネルは、陰極として機能する画素電極と、画素電極上にこの順で設けられた、それぞれ島状の、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び、正孔輸送層と、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び、正孔輸送層のそれぞれの側面を覆うように設けられた絶縁層と、正孔輸送層上に設けられた正孔注入層と、正孔注入層上に設けられ、陽極として機能する共通電極と、を有する。
【0119】
正孔注入層または電子注入層などは、EL層の中では、比較的導電性が高い層であることが多い。本発明の一態様の表示パネルでは、これらの層の側面が絶縁層で覆われるため、共通電極などと接することを抑制することができる。したがって、発光デバイスのショートを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0120】
島状のEL層の側面を覆う絶縁層は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0121】
例えば、無機材料を用いた単層構造の絶縁層を形成することで、当該絶縁層をEL層の保護絶縁層として用いることができる。これにより、表示パネルの信頼性を高めることができる。
【0122】
また、積層構造の絶縁層を用いる場合、1層目の絶縁層は、EL層に接して形成されるため、無機絶縁材料を用いて形成することが好ましい。特に、成膜ダメージが小さい原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて形成することが好ましい。そのほか、ALD法よりも成膜速度が速い、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、または、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法を用いて無機絶縁層を形成することが好ましい。これにより、信頼性の高い表示パネルを生産性高く作製することができる。また、2層目の絶縁層は、1層目の絶縁層に形成された凹部を平坦化するように、有機材料を用いて形成することが好ましい。
【0123】
例えば、絶縁層の1層目に、ALD法により形成した酸化アルミニウム膜を用い、絶縁層の2層目に、有機樹脂膜を用いることができる。
【0124】
EL層の側面と、有機樹脂膜とが、直接接する場合、有機樹脂膜に含まれうる有機溶媒などがEL層にダメージを与える可能性がある。絶縁層の1層目に、ALD法により形成した酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることで、有機樹脂膜と、EL層の側面とが直接接しない構成とすることができる。これにより、EL層が有機溶媒により溶解することなどを抑制することができる。
【0125】
また、本発明の一態様の表示パネルでは、画素電極とEL層との間に、画素電極の端部を覆う絶縁層を設ける必要が無いため、隣り合う発光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、表示パネルの高精細化、または、高解像度化を図ることができる。また、当該絶縁層を形成するためのマスクも不要となり、表示パネルの製造コストを削減することができる。
【0126】
また、画素電極とEL層との間に、画素電極の端部を覆う絶縁層を設けない構成、別言すると、画素電極とEL層との間に絶縁層が設けられない構成とすることで、EL層からの発光を効率よく取り出すことができる。したがって、本発明の一態様の表示パネルは、視野角依存性を極めて小さくすることができる。視野角依存性を小さくすることで、表示パネルにおける画像の視認性を高めることができる。例えば、本発明の一態様の表示パネルにおいては、視野角(斜め方向から画面を見たときの、一定のコントラスト比が維持される最大の角度)を100°以上180°未満、好ましくは150°以上170°以下の範囲とすることができる。なお、上記の視野角については、上下、及び左右のそれぞれに適用することができる。
【0127】
また、クロストークを抑制する構成としては、発光デバイスごとに島状のEL層を形成する構成に限られない。例えば、隣り合う発光デバイスの間に、EL層の厚さが薄い領域を形成する構成を適用することで、クロストークを抑制することもできる。EL層の厚さが薄い領域が、隣り合う発光デバイスの間に存在することで、EL層における画素電極と接する領域よりも外側に電流が流れることを抑制することができる。また、EL層における画素電極と接する領域を主に発光領域として用いることができる。
【0128】
例えば、画素電極の厚さT1とEL層の厚さT2について、T1/T2が0.5以上であることが好ましく、0.8以上がより好ましく、1.0以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。また、隣り合う発光デバイスの間の領域において、画素電極の被形成面を構成する絶縁層に凹部が設けられている場合(後の実施の形態3で説明する絶縁層255c(図18(A)など)を参照することができる。)、画素電極の厚さT1が薄くてもよい場合がある。具体的には、画素電極の厚さと凹部の深さの和T3と、EL層の厚さT2について、T3/T2が0.5以上であることが好ましく、0.8以上がより好ましく、1.0以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。T1とT2、またはT2とT3の関係が上記を満たすことで、隣り合う発光デバイスの間に、EL層の厚さが薄い領域を形成することが容易となる。また、EL層にて厚さが極めて薄い領域が生じることで、EL層の一部が分離していてもよい。
【0129】
また、画素電極の厚さT1または上記の和T3としては、それぞれ、例えば、160nm以上、200nm以上、または、250nm以上、かつ、1000nm以下、750nm以下、500nm以下、400nm以下、または、300nm以下とすることが好ましい。
【0130】
また、画素電極の側面と、基板面(または被形成面)とがなす角(テーパ角ともいう)は、60°以上140°以下とすることが好ましく、70°以上140°以下とすることがより好ましく、80°以上140°以下とすることがさらに好ましい。画素電極のテーパ角が上記を満たすことで、隣り合う発光デバイスの間に、EL層の厚さが薄い領域を形成することが容易となる。
【0131】
[表示パネルの構成例1]
図6及び図7に、本発明の一態様の表示パネルを示す。
【0132】
図6(A)に、表示パネル100の上面図を示す。表示パネル100は、複数の画素110が配置された表示部と、表示部の外側の接続部140と、を有する。表示部には、複数の副画素がマトリクス状に配置されている。図6(A)では、2行6列分の副画素を示しており、これらによって2行2列の画素が構成される。接続部140は、カソードコンタクト部と呼ぶこともできる。
【0133】
図6(A)に示す画素110には、ストライプ配列が適用されている。図6(A)に示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。副画素110a、110b、110cは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する。副画素110a、110b、110cとしては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。また、副画素の種類は3つに限られず、4つ以上としてもよい。4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、及び、R、G、B、赤外光(IR)の4つの副画素、などが挙げられる。
【0134】
本明細書等において、行方向をX方向、列方向をY方向という場合がある。X方向とY方向は交差し、例えば垂直に交差する(図6(A)参照)。
【0135】
図6(A)では、異なる色の副画素がX方向に並べて配置されており、同じ色の副画素が、Y方向に並べて配置されている例を示す。
【0136】
図6(A)では、上面視で、接続部140が表示部の下側に位置する例を示すが、特に限定されない。接続部140は、上面視で、表示部の上側、右側、左側、下側の少なくとも一箇所に設けられていればよく、表示部の四辺を囲むように設けられていてもよい。接続部140の上面形状としては、帯状、L字状、U字状、または枠状等とすることができる。また、接続部140は、単数であっても複数であってもよい。
【0137】
図6(B)及び図7(C)に、図6(A)における一点鎖線X1-X2間の断面図を示す。図7(A)及び図7(B)に、図6(A)における一点鎖線Y1-Y2間の断面図を示す。
【0138】
また、図8(A)図8(B)、図9(A)乃至図9(C)、及び図10(A)乃至図10(C)には、図6(A)における一点鎖線X1-X2間の断面図と一点鎖線Y1-Y2間の断面図を並べて示す。
【0139】
図6(B)に示すように、表示パネル100には、トランジスタを含む層101上に、絶縁層が設けられ、絶縁層上に発光デバイス130a、130b、130cが設けられ、これらの発光デバイスを覆うように保護層131が設けられている。保護層131上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
【0140】
図6(B)等では、絶縁層125及び絶縁層127の断面が複数示されているが、表示パネル100を上面から見た場合、絶縁層125及び絶縁層127は、それぞれ1つに繋がっている。つまり、表示パネル100は、例えば絶縁層125及び絶縁層127を1つずつ有する構成とすることができる。なお、表示パネル100は、互いに分離された複数の絶縁層125を有してもよく、また互いに分離された複数の絶縁層127を有してもよい。
【0141】
本発明の一態様の表示パネルは、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出する下面射出型(ボトムエミッション型)、両面に光を射出する両面射出型(デュアルエミッション型)のいずれであってもよい。
【0142】
トランジスタを含む層101には、例えば、基板に複数のトランジスタが設けられ、これらのトランジスタを覆うように絶縁層が設けられた積層構造を適用することができる。トランジスタ上の絶縁層は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。図6(B)等では、トランジスタ上の絶縁層のうち、絶縁層255a、絶縁層255a上の絶縁層255b、及び、絶縁層255b上の絶縁層255cを示している。これらの絶縁層は、隣接する発光デバイスの間に凹部を有していてもよい。図6(B)等では、絶縁層255cに凹部が設けられている例を示す。なお、絶縁層255a、絶縁層255b、及び絶縁層255cも、トランジスタを含む層101の構成要素とみなすこともできる。
【0143】
絶縁層255a、絶縁層255b、及び絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの各種無機絶縁膜を好適に用いることができる。絶縁層255a及び絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層255bとしては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用いることが好ましい。より具体的には、絶縁層255a及び絶縁層255cとして酸化シリコン膜を用い、絶縁層255bとして窒化シリコン膜を用いることが好ましい。絶縁層255bは、エッチング保護膜としての機能を有することが好ましい。
【0144】
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
【0145】
発光デバイス130a、130b、130cは、それぞれ、異なる色の光を発する。発光デバイス130a、130b、130cは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光を発する組み合わせであることが好ましい。
【0146】
発光デバイス130a、130b、130cとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)、またはQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)等のELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料等)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)等が挙げられる。なお、TADF材料としては、一重項励起状態と三重項励起状態間が熱平衡状態にある材料を用いてもよい。このようなTADF材料は発光寿命(励起寿命)が短くなるため、発光デバイスにおける高輝度領域での効率低下を抑制することができる。
【0147】
発光デバイスは、一対の電極間にEL層を有する。EL層は、少なくとも発光層を有する。本明細書等では、一対の電極の一方を画素電極と記し、他方を共通電極と記すことがある。
【0148】
発光デバイスが有する一対の電極のうち、一方の電極は陽極として機能し、他方の電極は陰極として機能する。以下では、画素電極が陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する場合がある。
【0149】
画素電極111a、画素電極111b、及び画素電極111cのそれぞれの端部はテーパ形状を有することが好ましい。これらの画素電極の端部がテーパ形状を有する場合、画素電極の側面に沿って設けられる第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cも、テーパ形状を有する。画素電極の側面をテーパ形状とすることで、画素電極の側面に沿って設けられるEL層の被覆性を高めることができる。また、画素電極の側面をテーパ形状とすることで、作製工程中の異物(例えば、ゴミ、またはパーティクルなどともいう)を、洗浄などの処理により除去することが容易となり好ましい。
【0150】
なお、本明細書等において、テーパ形状とは、構造の側面の少なくとも一部が、基板面に対して傾斜して設けられている形状のことを指す。例えば、傾斜した側面と基板面とがなす角(テーパ角ともいう)が90°未満である領域を有すると好ましい。
【0151】
発光デバイス130aは、絶縁層255c上の画素電極111aと、画素電極111a上の島状の第1の層113aと、島状の第1の層113a上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130aにおいて、第1の層113a、及び、共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0152】
発光デバイス130bは、絶縁層255c上の画素電極111bと、画素電極111b上の島状の第2の層113bと、島状の第2の層113b上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130bにおいて、第2の層113b、及び、共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0153】
発光デバイス130cは、絶縁層255c上の画素電極111cと、画素電極111c上の島状の第3の層113cと、島状の第3の層113c上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。発光デバイス130cにおいて、第3の層113c、及び、共通層114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0154】
本実施の形態の発光デバイスの構成に、特に限定はなく、シングル構造であってもタンデム構造であってもよい。
【0155】
本実施の形態では、発光デバイスが有するEL層のうち、発光デバイスごとに島状に設けられた層を第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cと示し、複数の発光デバイスが共有して有する層を共通層114と示す。
【0156】
第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、少なくとも発光層を有する。例えば、第1の層113aが、赤色の光を発する発光層を有し、第2の層113bが緑色の光を発する発光層を有し、第3の層113cが、青色の光を発する発光層を有する構成であると好ましい。
【0157】
また、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電荷発生層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1つ以上を有してもよい。
【0158】
例えば、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層を有していてもよい。また、正孔輸送層と発光層との間に電子ブロック層を有していてもよい。また、電子輸送層上に電子注入層を有していてもよい。
【0159】
また、例えば、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び、正孔輸送層をこの順で有していてもよい。また、電子輸送層と発光層との間に正孔ブロック層を有していてもよい。また、正孔輸送層上に正孔注入層を有していてもよい。
【0160】
第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、発光層と、発光層上のキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cの表面は、表示パネルの作製工程中に露出するため、キャリア輸送層を発光層上に設けることで、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0161】
また、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、例えば、第1の発光ユニット、電荷発生層、及び第2の発光ユニットを有する。例えば、第1の層113aが、赤色の光を発する発光ユニットを2つ以上有する構成であり、第2の層113bが緑色の光を発する発光ユニットを2つ以上有する構成であり、第3の層113cが、青色の光を発する発光ユニットを2つ以上有する構成であると好ましい。
【0162】
第2の発光ユニットは、発光層と、発光層上のキャリア輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)と、を有することが好ましい。第2の発光ユニットの表面は、表示パネルの作製工程中に露出するため、キャリア輸送層を発光層上に設けることで、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0163】
共通層114は、例えば電子注入層、または正孔注入層を有する。または、共通層114は、電子輸送層と電子注入層とを積層して有していてもよく、正孔輸送層と正孔注入層とを積層して有していてもよい。共通層114は、発光デバイス130a、130b、130cで共有されている。
【0164】
また、共通電極115は、発光デバイス130a、130b、130cで共有されている。複数の発光デバイスが共通して有する共通電極115は、接続部140に設けられた導電層123と電気的に接続される(図7(A)及び図7(B)参照)。導電層123には、画素電極111a、画素電極111b、または画素電極111cと同じ材料及び同じ工程で形成された導電層を用いることが好ましい。
【0165】
なお、図7(A)では、導電層123上に共通層114が設けられ、共通層114を介して、導電層123と共通電極115とが電気的に接続されている例を示す。接続部140には共通層114を設けなくてもよい。図7(B)では、導電層123と共通電極115とが直接、接続されている。例えば、成膜エリアを規定するためのマスク(ファインメタルマスクと区別して、エリアマスク、またはラフメタルマスクなどともいう)を用いることで、共通層114と、共通電極115とで成膜される領域を変えることができる。
【0166】
発光デバイス130a、130b、130c上に保護層131を有することが好ましい。保護層131を設けることで、発光デバイスの信頼性を高めることができる。保護層131は単層構造でもよく、2層以上の積層構造であってもよい。
【0167】
保護層131の導電性は問わない。保護層131としては、絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜の少なくとも一種を用いることができる。
【0168】
保護層131が無機膜を有することで、共通電極115の酸化を防止する、発光デバイスに不純物(水分及び酸素等)が入り込むことを抑制する、等、発光デバイスの劣化を抑制し、表示パネルの信頼性を高めることができる。
【0169】
保護層131には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜等の無機絶縁膜を用いることができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜等が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜等が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、及び酸化窒化アルミニウム膜等が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、及び窒化酸化アルミニウム膜等が挙げられる。特に、保護層131は、窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を有することが好ましく、窒化絶縁膜を有することがより好ましい。
【0170】
また、保護層131には、In-Sn酸化物(ITOともいう)、In-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、Al-Zn酸化物、またはインジウムガリウム亜鉛酸化物(In-Ga-Zn酸化物、IGZOともいう)等を含む無機膜を用いることもできる。当該無機膜は、高抵抗であることが好ましく、具体的には、共通電極115よりも高抵抗であることが好ましい。当該無機膜は、さらに窒素を含んでいてもよい。
【0171】
発光デバイスの発光を、保護層131を介して取り出す場合、保護層131は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。例えば、ITO、IGZO、及び、酸化アルミニウムは、それぞれ、可視光に対する透過性が高い無機材料であるため、好ましい。
【0172】
保護層131としては、例えば、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上の窒化シリコン膜と、の積層構造、または、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上のIGZO膜と、の積層構造等を用いることができる。当該積層構造を用いることで、EL層側に入り込む不純物(水及び酸素等)を抑制することができる。
【0173】
さらに、保護層131は、有機膜を有していてもよい。例えば、保護層131は、有機膜と無機膜の双方を有していてもよい。保護層131に用いることができる有機材料としては、例えば、後述する絶縁層121に用いることができる有機絶縁材料が挙げられる。
【0174】
保護層131は、異なる成膜方法を用いて形成された2層構造であってもよい。具体的には、ALD法を用いて保護層131の第1層目を形成し、スパッタリング法を用いて保護層131の第2層目を形成してもよい。
【0175】
図6(B)等において、画素電極111aと第1の層113aとの間には、画素電極111aの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。また、画素電極111bと第2の層113bとの間には、画素電極111bの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。そのため、隣り合う発光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、または、高解像度の表示パネルとすることができる。
【0176】
また、図6(B)等では、発光デバイス130aが有する第1の層113a上には、犠牲層118aが位置し、発光デバイス130bが有する第2の層113b上には、犠牲層118bが位置し、発光デバイス130cが有する第3の層113c上には、犠牲層118cが位置する。犠牲層118aは、第1の層113aを加工する際に第1の層113a上に設けた犠牲層の一部が残存しているものである。同様に、犠牲層118bは、第2の層113bの形成時、犠牲層118cは、第3の層113cの形成時に、それぞれ設けた犠牲層の一部が残存しているものである。このように、本発明の一態様の表示パネルは、その作製時にEL層を保護するために用いる犠牲層が一部残存していてもよい。犠牲層118a乃至犠牲層118cのいずれか2つ、または全てに同じ材料を用いてもよく、互いに異なる材料を用いてもよい。
【0177】
図6(B)において、犠牲層118aの一方の端部は、第1の層113aの端部と揃っている、または概略揃っており、犠牲層118aの他方の端部は、第1の層113a上に位置する。犠牲層は、例えば、島状に加工されたEL層(第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113c)と、絶縁層125または絶縁層127との間に残存することがある。
【0178】
犠牲層としては、例えば、金属膜、合金膜、金属酸化物膜、半導体膜、有機絶縁膜、及び無機絶縁膜などを一種または複数種、用いることができる。犠牲層としては、保護層131に用いることができる各種無機絶縁膜を用いることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、及び、酸化シリコンなどの無機絶縁材料を用いることができる。
【0179】
図7(C)に示すように、絶縁層125及び絶縁層127の一方または双方は、島状に加工されたEL層(第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113c)の上面の一部を覆っていてもよい。絶縁層125及び絶縁層127の一方または双方が、島状に加工されたEL層(第1の層113a、第2の層113b、または第3の層113c)の側面だけでなく、上面も覆うことで、EL層の膜剥がれをより防ぐことができ、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、発光デバイスの作製歩留まりをより高めることができる。図7(C)では、画素電極111aの端部上に、第1の層113a、犠牲層118a、絶縁層125、及び、絶縁層127の積層構造が位置する例を示す。同様に、画素電極111bの端部上に、第2の層113b、犠牲層118b、絶縁層125、及び、絶縁層127の積層構造が位置し、画素電極111cの端部上に、第3の層113c、犠牲層118c、絶縁層125、及び、絶縁層127の積層構造が位置する。
【0180】
画素電極と島状のEL層の幅の大小関係は特に限定されない。以下では画素電極111aと第1の層113aを例に挙げて説明する。画素電極111bと第2の層113b、及び、画素電極111cと第3の層113cにおいても同様のことが言える。
【0181】
図6(B)等では、画素電極111aの端部よりも第1の層113aの端部が外側に位置する例を示す。図6(B)等において、第1の層113aは、画素電極111aの端部を覆うように形成されている。このような構成とすることで、島状のEL層の端部が画素電極の端部よりも内側に位置する構成に比べて、開口率を高めることができる。
【0182】
また、画素電極の側面をEL層で覆うことで、画素電極と共通電極115とが接することを抑制できるため、発光デバイスのショートを抑制することができる。また、EL層の発光領域(すなわち、画素電極と重なる領域)と、EL層の端部との距離を大きくできるため、信頼性を高めることができる。
【0183】
また、図8(A)では、画素電極111aの上面端部と第1の層113aの端部が揃っている、または概略揃っている例を示す。図8(A)では、画素電極111aの下面端部よりも第1の層113aの端部が内側に位置する例を示す。また、図8(B)では、画素電極111aの上面端部よりも第1の層113aの端部が内側に位置する例を示す。図8(A)及び図8(B)において、画素電極111a上に第1の層113aの端部が位置している。
【0184】
図8(A)及び図8(B)に示すように、画素電極111a上に第1の層113aの端部が位置する場合、画素電極111aの端部とその近傍で第1の層113aの厚さが薄くなることを抑制でき、第1の層113aの厚さを均一にすることができる。
【0185】
なお、端部が揃っている、または概略揃っている場合、及び、上面形状が一致または概略一致している場合、上面視において、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なっているといえる。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、または一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重なり合わず、上層が下層の内側に位置すること、または、上層が下層の外側に位置することもあり、この場合も端部が概略揃っている、または、上面形状が概略一致している、という。
【0186】
また、第1の層113aの端部は、画素電極111aの端部よりも外側に位置する部分と、画素電極111aの端部よりも内側に位置する部分と、の双方を有していてもよい。
【0187】
また、図9(A)乃至図9(C)に示すように、画素電極111a、111b、111cの上面端部を覆う絶縁層121を設けてもよい。第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cは、画素電極上に接する部分と、絶縁層121上に接する部分と、を有する構成とすることができる。絶縁層121は、無機絶縁膜及び有機絶縁膜の一方または双方を用いた、単層構造または積層構造とすることができる。
【0188】
絶縁層121に用いることができる有機絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリシロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。また、絶縁層121に用いることができる無機絶縁膜としては、保護層131に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0189】
絶縁層121として、無機絶縁膜を用いると、有機絶縁膜を用いる場合に比べて、発光デバイスに不純物が入りにくく、発光デバイスの信頼性を高めることができる。さらに絶縁層121を薄くできるため、高精細化を容易にできる。一方、絶縁層121として、有機絶縁膜を用いると、無機絶縁膜を用いる場合に比べて、段差被覆性が高く、画素電極の形状の影響を受けにくい。そのため、発光デバイスのショートを防止できる。具体的には、絶縁層121として、有機絶縁膜を用いると、絶縁層121の形状をテーパ形状などに加工することができる。
【0190】
なお、絶縁層121は、設けなくてもよい。絶縁層121を設けないことで、副画素の開口率を高められることがある。または、副画素間の距離を狭くすることができ、表示パネルの精細度または解像度を高められることがある。
【0191】
なお、図9(A)では、絶縁層121上において、共通層114が第1の層113aと第2の層113bとの間の領域、及び第2の層113bと第3の層113cとの間の領域などに入り込んでいる例を示す。図9(B)に示すように、当該領域に、空隙135が形成されてもよい。
【0192】
空隙135は、例えば、空気、窒素、酸素、二酸化炭素、及び第18族元素(代表的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、及び、クリプトン等)の中から選ばれるいずれか一または複数を有する。または、空隙135に樹脂などが埋め込まれていてもよい。
【0193】
また、図9(C)に示すように、絶縁層121の上面と、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cのそれぞれの側面と、を覆うように、絶縁層125を設け、絶縁層125上に絶縁層127を設けてもよい。
【0194】
図6(B)等では、画素電極111a、111b、111c、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cのそれぞれの側面は、絶縁層125及び絶縁層127によって覆われている。これにより、共通層114(または共通電極115)が、画素電極111a、111b、111c、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cの側面と接することを抑制し、発光デバイスのショートを抑制することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0195】
絶縁層125は、画素電極の側面及び島状のEL層の側面の少なくとも一方を覆うことが好ましく、画素電極の側面及び島状のEL層の側面の双方を覆うことがより好ましい。絶縁層125は、画素電極及び島状のEL層のそれぞれの側面と接する構成とすることができる。
【0196】
図6(B)等では、画素電極111aの端部を第1の層113aが覆っており、絶縁層125が第1の層113aの側面と接する構成を示す。同様に、画素電極111bの端部は第2の層113bで覆われており、画素電極111cの端部は第3の層113cで覆われており、絶縁層125が第2の層113bの側面及び第3の層113cの側面と接している。
【0197】
絶縁層127は、絶縁層125に形成された凹部を充填するように、絶縁層125上に設けられる。絶縁層127は、絶縁層125を介して、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cのそれぞれの側面と重なる構成とすることができる。
【0198】
絶縁層125及び絶縁層127を設けることで、隣り合う島状の層の間を埋めることができるため、島状の層上に設ける層(例えばキャリア注入層、及び共通電極など)の被形成面の凹凸を低減し、より平坦にすることができる。したがって、キャリア注入層及び共通電極などの被覆性を高めることができ、共通電極の段切れを防止することができる。
【0199】
共通層114及び共通電極115は、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、絶縁層125、及び絶縁層127上に設けられる。絶縁層125及び絶縁層127を設ける前の段階では、画素電極及びEL層が設けられる領域と、画素電極及びEL層が設けられない領域(発光デバイス間の領域)と、に起因する段差が生じている。本発明の一態様の表示パネルは、絶縁層125及び絶縁層127を有することで当該段差を平坦化させることができ、共通層114及び共通電極115の被覆性を向上させることができる。したがって、段切れによる接続不良を抑制することができる。また、段差によって共通電極115が局所的に薄膜化して電気抵抗が上昇することを抑制することができる。
【0200】
共通層114及び共通電極115の形成面の平坦性を向上させるために、絶縁層125の上面及び絶縁層127の上面の高さは、それぞれ、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cの少なくとも一つの端部における上面の高さと一致または概略一致することが好ましい。また、絶縁層127の上面は平坦な形状を有することが好ましいが、凸部、凸曲面、凹曲面、または凹部を有していてもよい。
【0201】
また、絶縁層125または絶縁層127は、島状のEL層と接するように設けることができる。これにより、島状のEL層の膜剥がれを防止することができる。絶縁層とEL層とが密着することで、隣り合う島状のEL層同士が、絶縁層によって固定される、または、接着される効果を奏する。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。また、発光デバイスの作製歩留まりを高めることができる。
【0202】
なお、図10(A)に示すように、表示パネルは、絶縁層125及び絶縁層127を有していなくてもよい。図10(A)では、共通層114が、絶縁層255cの上面、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cの側面及び上面に接して設けられる例を示す。なお、図9(B)に示すように、第1の層113aと第2の層113bとの間の領域、及び第2の層113bと第3の層113cとの間の領域などに、空隙135が設けられていてもよい。
【0203】
なお、絶縁層125及び絶縁層127のいずれか一方を設けなくてもよい。例えば、無機材料を用いた単層構造の絶縁層125を形成することで、絶縁層125をEL層の保護絶縁層として用いることができる。これにより、表示パネルの信頼性を高めることができる。また、例えば、有機材料を用いた単層構造の絶縁層127を形成することで、隣り合う島状のEL層の間を絶縁層127で充填し、平坦化することができる。これにより、島状のEL層及び絶縁層127上に形成する共通電極115(上部電極)の被覆性を高めることができる。
【0204】
図10(B)には、絶縁層127を設けない場合の例を示す。なお、図10(B)では、共通層114が絶縁層125の凹部に入り込んでいる例を示すが、当該領域に、空隙が形成されてもよい。
【0205】
絶縁層125は、島状のEL層の側面と接する領域を有し、EL層の保護絶縁層として機能する。絶縁層125を設けることで、島状のEL層の側面から内部へ不純物(酸素及び水分等)が侵入することを抑制でき、信頼性の高い表示パネルとすることができる。
【0206】
図10(C)には、絶縁層125を設けない場合の例を示す。絶縁層125を設けない場合、絶縁層127は、島状のEL層の側面と接する構成とすることができる。絶縁層127は、各発光デバイスが有する島状のEL層の間を充填するように設けることができる。
【0207】
このとき、絶縁層127には、EL層に与えるダメージの少ない有機材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁層127には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いることが好ましい。
【0208】
次に、絶縁層125及び絶縁層127の材料と形成方法の例について説明する。
【0209】
絶縁層125は、無機材料を有する絶縁層とすることができる。絶縁層125には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜等の無機絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜等が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜等が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、及び酸化窒化アルミニウム膜等が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、及び窒化酸化アルミニウム膜等が挙げられる。特に、酸化アルミニウムは、エッチングにおいて、EL層との選択比が高く、後述する絶縁層127の形成において、EL層を保護する機能を有するため、好ましい。特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、または酸化シリコン膜等の無機絶縁膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、EL層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。また、絶縁層125は、ALD法により形成した膜と、スパッタリング法により形成した膜と、の積層構造としてもよい。絶縁層125は、例えば、ALD法によって形成された酸化アルミニウム膜と、スパッタリング法によって形成された窒化シリコン膜と、の積層構造であってもよい。
【0210】
絶縁層125は、水及び酸素の少なくとも一方に対するバリア絶縁層としての機能を有することが好ましい。また、絶縁層125は、水及び酸素の少なくとも一方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁層125は、水及び酸素の少なくとも一方を捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能を有することが好ましい。
【0211】
絶縁層125が、バリア絶縁層としての機能、またはゲッタリング機能を有することで、外部から各発光デバイスに拡散しうる不純物(代表的には、水及び酸素の少なくとも一方)の侵入を抑制することが可能な構成となる。当該構成とすることで、信頼性の高い発光デバイス、さらには、信頼性の高い表示パネルを提供することができる。
【0212】
また、絶縁層125は、不純物濃度が低いことが好ましい。これにより、絶縁層125からEL層に不純物が混入し、EL層が劣化することを抑制することができる。また、絶縁層125において、不純物濃度を低くすることで、水及び酸素の少なくとも一方に対するバリア性を高めることができる。例えば、絶縁層125は、水素濃度及び炭素濃度の一方、好ましくは双方が十分に低いことが望ましい。
【0213】
絶縁層125の形成方法としては、スパッタリング法、CVD法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、及び、ALD法等が挙げられる。絶縁層125は、被覆性が良好なALD法を用いて形成することが好ましい。
【0214】
絶縁層125を成膜する際の基板温度を高くすることで、膜厚が薄くても、不純物濃度が低く、水及び酸素の少なくとも一方に対するバリア性の高い絶縁層125を形成することができる。したがって、当該基板温度は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上がより好ましい。一方で、絶縁層125は、島状のEL層を形成した後に成膜されるため、EL層の耐熱温度よりも低い温度で形成することが好ましい。したがって、当該基板温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、160℃以下がより好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がより好ましい。
【0215】
耐熱温度の指標としては、例えば、ガラス転移点、軟化点、融点、熱分解温度、及び、5%重量減少温度等が挙げられる。EL層の耐熱温度としては、これらのいずれかの温度、好ましくはこれらのうち最も低い温度とすることができる。
【0216】
絶縁層125としては、例えば、3nm以上、5nm以上、または、10nm以上、かつ、200nm以下、150nm以下、100nm以下、または、50nm以下の厚さの絶縁膜を形成することが好ましい。
【0217】
絶縁層125上に設けられる絶縁層127は、隣接する発光デバイス間に形成された絶縁層125の凹部を平坦化する機能を有する。換言すると、絶縁層127を有することで共通電極115の形成面の平坦性を向上させる効果を奏する。絶縁層127としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、絶縁層127として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等を適用することができる。また、絶縁層127として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂等の有機材料を用いてもよい。また、絶縁層127として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
【0218】
絶縁層127には可視光を吸収する材料を用いてもよい。絶縁層127が発光デバイスからの発光を吸収することで、発光デバイスから絶縁層127を介して隣接する発光デバイスに光が漏れること(迷光)を抑制することができる。これにより、表示パネルの表示品位を高めることができる。また、表示パネルに偏光板を用いなくても、表示品位を高めることができるため、表示パネルの軽量化及び薄型化を図ることができる。
【0219】
可視光を吸収する材料としては、黒色などの顔料を含む材料、染料を含む材料、光吸収性を有する樹脂材料(例えばポリイミドなど)、及び、カラーフィルタに用いることのできる樹脂材料(カラーフィルタ材料)が挙げられる。特に、2色、または3色以上のカラーフィルタ材料を積層または混合した樹脂材料を用いると、可視光の遮蔽効果を高めることができるため好ましい。特に3色以上のカラーフィルタ材料を混合させることで、黒色または黒色近傍の樹脂層とすることが可能となる。
【0220】
絶縁層127は、例えば、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコートの湿式の成膜方法を用いて形成することができる。特に、スピンコートにより、絶縁層127となる有機絶縁膜を形成することが好ましい。
【0221】
絶縁層127は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で形成する。絶縁層127を形成する際の基板温度としては、代表的には、200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下である。
【0222】
図11(A)乃至図11(F)に、絶縁層127とその周辺を含む領域139の断面構造を示す。
【0223】
図11(A)では、第1の層113aと第2の層113bの厚さが互いに異なる例を示す。絶縁層125の上面の高さは、第1の層113a側では第1の層113aの上面の高さと一致または概略一致しており、第2の層113b側では第2の層113bの上面の高さと一致または概略一致している。そして、絶縁層127の上面は、第1の層113a側が高く、第2の層113b側が低い、なだらかな傾斜を有している。このように、絶縁層125及び絶縁層127の高さは、隣接するEL層の上面の高さと揃っていることが好ましい。または、絶縁層125及び絶縁層127は、高さが隣接するEL層のいずれかの上面の高さと揃い、且つ、上面に平坦部を有していてもよい。
【0224】
図11(B)において、絶縁層127の上面は、第1の層113aの上面及び第2の層113bの上面よりも高い領域を有する。図11(B)に示すように、絶縁層127の上面は、断面視において、中央及びその近傍が膨らんだ形状、つまり、凸曲面を有する形状を有する構成とすることができる。
【0225】
図11(C)において、絶縁層127の上面は、断面視において、中心に向かってなだらかに膨らんだ形状、つまり凸曲面を有し、かつ、中央及びその近傍が窪んだ形状、つまり、凹曲面を有する。絶縁層127は、第1の層113aの上面及び第2の層113bの上面より高い領域を有する。また、領域139において、表示パネルは、第1の層113a、犠牲層118a、絶縁層125、及び絶縁層127がこの順で積層された領域を有する。また、領域139において、表示パネルは、第2の層113b、犠牲層118b、絶縁層125、及び絶縁層127がこの順で積層された領域を有する。
【0226】
図11(D)において、絶縁層127の上面は、第1の層113aの上面及び第2の層113bの上面よりも低い領域を有する。また、絶縁層127の上面は、断面視において、中央及びその近傍が窪んだ形状、つまり、凹曲面を有する形状を有する。
【0227】
図11(E)において、絶縁層125の上面は、第1の層113aの上面及び第2の層113bの上面よりも高い領域を有する。すなわち、共通層114の被形成面において、絶縁層125が突出し、凸部を形成している。
【0228】
絶縁層125の形成において、例えば、犠牲層の高さと揃うまたは概略揃うように絶縁層125を形成する場合には、図11(E)に示すように、絶縁層125が突出する形状が形成される場合がある。
【0229】
図11(F)において、絶縁層125の上面は、第1の層113aの上面及び第2の層113bの上面よりも低い領域を有する。すなわち、共通層114の被形成面において、絶縁層125が凹部を形成している。
【0230】
このように、絶縁層125及び絶縁層127は様々な形状を適用することができる。
【0231】
本実施の形態の表示パネルは、発光デバイス間の距離を狭くすることができる。具体的には、発光デバイス間の距離、EL層間の距離、または画素電極間の距離を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、または10nm以下とすることができる。別言すると、本実施の形態の表示パネルは、隣接する2つの島状のEL層の間隔が1μm以下の領域を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好ましくは100nm以下の領域を有する。
【0232】
基板120の樹脂層122側の面には、遮光層を設けてもよい。また、基板120の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板120の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等の表面保護層を配置してもよい。例えば、表面保護層として、ガラス層またはシリカ層(SiO層)を設けることで、表面汚染及び傷の発生を抑制することができ、好ましい。また、表面保護層としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、酸化アルミニウム(AlO)、ポリエステル系材料、またはポリカーボネート系材料などを用いてもよい。なお、表面保護層には、可視光に対する透過率が高い材料を用いることが好ましい。また、表面保護層には、硬度が高い材料を用いることが好ましい。
【0233】
基板120には、ガラス、石英、セラミックス、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板120に可撓性を有する材料を用いると、表示パネルの可撓性を高めることができる。また、基板120として偏光板を用いてもよい。
【0234】
基板120としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板120に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0235】
なお、表示パネルに円偏光板を重ねる場合、表示パネルが有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
【0236】
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
【0237】
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0238】
また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示パネルにしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
【0239】
樹脂層122としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0240】
図12(A)に示すように、画素は副画素を4種類有する構成とすることができる。
【0241】
図12(A)に表示パネル100の上面図を示す。表示パネル100は、複数の画素110がマトリクス状に配置された表示部と、表示部の外側の接続部140と、を有する。
【0242】
図2(A)に示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4種類の副画素から構成される。
【0243】
副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する構成とすることができる。例えば、副画素110a、110b、110c、110dとしては、R、G、B、Wの4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、及び、R、G、B、IRの4つの副画素などが挙げられる。
【0244】
また、本発明の一態様の表示パネルは、画素に、受光デバイスを有していてもよい。
【0245】
図12(A)に示す画素110が有する4つの副画素のうち、3つを、発光デバイスを有する構成とし、残りの1つを、受光デバイスを有する構成としてもよい。
【0246】
受光デバイスとしては、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイスは、受光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイス(光電変換素子ともいう)として機能する。受光デバイスに入射する光量に基づき、受光デバイスから発生する電荷量が決まる。
【0247】
特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な表示パネルに適用できる。
【0248】
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイス及び有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示パネルに有機フォトダイオードを内蔵することができる。
【0249】
受光デバイスは、一対の電極間に少なくとも光電変換層として機能する活性層を有する。本明細書等では、一対の電極の一方を画素電極と記し、他方を共通電極と記すことがある。
【0250】
受光デバイスが有する一対の電極のうち、一方の電極は陽極として機能し、他方の電極は陰極として機能する。以下では、画素電極が陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する。受光デバイスは、画素電極と共通電極との間に逆バイアスをかけて駆動することで、受光デバイスに入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。または、画素電極が陰極として機能し、共通電極が陽極として機能してもよい。
【0251】
受光デバイスについても、発光デバイスと同様の作製方法を適用することができる。受光デバイスが有する島状の活性層(光電変換層ともいう)は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、活性層となる膜を一面に成膜した後に加工することで形成されるため、島状の活性層を均一の厚さで形成することができる。また、活性層上に犠牲層を設けることで、表示パネルの作製工程中に活性層が受けるダメージを低減し、受光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0252】
図12(B)に、図12(A)における一点鎖線X3-X4間の断面図を示す。なお、図12(A)における一点鎖線X1-X2間の断面図は、図6(B)を参照でき、一点鎖線Y1-Y2間の断面図は、図7(A)または図7(B)を参照できる。
【0253】
図12(B)に示すように、表示パネル100は、トランジスタを含む層101上に、絶縁層が設けられ、絶縁層上に発光デバイス130a及び受光デバイス150が設けられ、発光デバイス及び受光デバイスを覆うように保護層131が設けられ、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスと受光デバイスの間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
【0254】
図12(B)では、発光デバイス130aが、基板120側に発光し、受光デバイス150には、基板120側から光が入射する例を示す(光Lem及び光Lin参照)。
【0255】
発光デバイス130aの構成は、上述の通りである。
【0256】
受光デバイス150は、絶縁層255c上の画素電極111dと、画素電極111d上の第4の層113dと、第4の層113d上の共通層114と、共通層114上の共通電極115と、を有する。第4の層113dは少なくとも活性層を含む。
【0257】
第4の層113dは、受光デバイス150に設けられ、発光デバイスには設けられない層である。一方、共通層114は、発光デバイスと受光デバイスが共有する一続きの層である。
【0258】
ここで、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称することがある。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。また、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが同一である場合もある。例えば、正孔輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、電子輸送層として機能する。
【0259】
第1の層113aと絶縁層125との間には犠牲層118aが位置し、第4の層113dと絶縁層125との間には犠牲層118dが位置する。犠牲層118aは、第1の層113aを加工する際に第1の層113a上に設けた犠牲層の一部が残存しているものである。また、犠牲層118dは、活性層を含む層である第4の層113dを加工する際に第4の層113d上に設けた犠牲層の一部が残存しているものである。犠牲層118aと犠牲層118dは同じ材料を有していてもよく、異なる材料を有していてもよい。
【0260】
画素に、発光デバイス及び受光デバイスを有する表示パネルでは、画素が受光機能を有するため、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。例えば、表示パネルが有する副画素全てで画像を表示するだけでなく、一部の副画素は、光源としての光を呈し、残りの副画素で画像を表示することもできる。
【0261】
本発明の一態様の表示パネルは、表示部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、当該表示部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、表示部は、画像表示機能に加えて、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を有する。表示部は、イメージセンサまたはタッチセンサに用いることができる。つまり、表示部で光を検出することで、画像を撮像すること、または、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。さらに、本発明の一態様の表示パネルは、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、表示パネルと別に受光部及び光源を設けなくてもよく、電子機器の部品点数を削減することができる。例えば、電子機器に設けられる指紋認証装置、またはスクロールなどを行うための静電容量方式のタッチパネルなどを別途設ける必要がない。したがって、本発明の一態様の表示パネルを用いることで、製造コストが低減された電子機器を提供することができる。
【0262】
本発明の一態様の表示パネルでは、表示部が有する発光デバイスが発した光を対象物が反射(または散乱)した際、受光デバイスがその反射光(または散乱光)を検出できるため、暗い場所でも、撮像またはタッチ検出が可能である。
【0263】
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、表示パネルは、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示パネルは、スキャナとして用いることができる。
【0264】
例えば、イメージセンサを用いて、指紋、掌紋などの生体情報に係るデータを取得することができる。つまり、表示パネルに、生体認証用センサを内蔵させることができる。表示パネルが生体認証用センサを内蔵することで、表示パネルとは別に生体認証用センサを設ける場合に比べて、電子機器の部品点数を少なくでき、電子機器の小型化及び軽量化が可能である。
【0265】
また、受光デバイスをタッチセンサに用いる場合、表示パネルは、受光デバイスを用いて、対象物の近接または接触を検出することができる。
【0266】
本発明の一態様の表示パネルは、画像表示機能に加えて、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を有することができる。このように、本発明の一態様の表示パネルは、表示機能以外の機能との親和性が高い構成ということができる。
【0267】
次に、発光デバイスに用いることができる材料について説明する。
【0268】
画素電極と共通電極のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、表示パネルが赤外光を発する発光デバイスを有する場合には、光を取り出す側の電極には、可視光及び赤外光を透過する導電膜を用い、光を取り出さない側の電極には、可視光及び赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0269】
また、光を取り出さない側の電極にも可視光を透過する導電膜を用いてもよい。この場合、反射層と、EL層との間に当該電極を配置することが好ましい。つまり、EL層の発光は、当該反射層によって反射されて、表示パネルから取り出されてもよい。
【0270】
発光デバイスの一対の電極(画素電極と共通電極)を形成する材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、インジウムスズ酸化物(In-Sn酸化物、ITOともいう)、In-Si-Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In-Zn酸化物)、In-W-Zn酸化物、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェン等を用いることができる。
【0271】
発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)であることが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)であることが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
【0272】
なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
【0273】
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。
【0274】
発光層は、発光材料(発光物質ともいう)を含む層である。発光層は、1種または複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
【0275】
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、量子ドット材料などが挙げられる。
【0276】
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。
【0277】
燐光材料としては、例えば、4H-トリアゾール骨格、1H-トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体等が挙げられる。
【0278】
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の一方または双方を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
【0279】
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex-Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
【0280】
第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cは、それぞれ、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子ブロック材料、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0281】
発光デバイスには低分子化合物及び高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0282】
例えば、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1つ以上を有していてもよい。
【0283】
共通層114としては、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1つ以上を適用することができる。例えば、共通層114として、キャリア注入層(正孔注入層または電子注入層)を形成してもよい。なお、発光デバイスは、共通層114を有していなくてもよい。
【0284】
第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cは、それぞれ、発光層と、発光層上のキャリア輸送層を有することが好ましい。これにより、表示パネル100の作製工程中に、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0285】
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
【0286】
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、1×10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
【0287】
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
【0288】
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
【0289】
電子注入層としては、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF、Xは任意数)、8-(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2-(2-ピリジル)-3-ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4-フェニル-2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiO)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層としては、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成とすることができる。
【0290】
または、電子注入層としては、電子輸送性材料を用いてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも1つを有する化合物を用いることができる。
【0291】
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位が、-3.6eV以上-2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
【0292】
例えば、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9-ジ(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ[2,3-a:2’,3’-c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6-トリス[3’-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移温度(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
【0293】
また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットの間に、電荷発生層(中間層ともいう)を設ける。中間層は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
【0294】
電荷発生層としては、例えば、リチウムなどの電子注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、電荷発生層としては、例えば、正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、電荷発生層には、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む層を用いることができる。また、電荷発生層には、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を用いることができる。このような電荷発生層を形成することにより、発光ユニットが積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
【0295】
表示パネルを構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、ALD法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、及び、熱CVD法などがある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
【0296】
また、表示パネルを構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
【0297】
特に、発光デバイスの作製には、蒸着法などの真空プロセス、及び、スピンコート法、インクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。蒸着法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)、及び、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。特にEL層に含まれる機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層など)については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、または、マイクロコンタクト法等)などの方法により形成することができる。
【0298】
また、表示パネルを構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。また、メタルマスクなどの遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。
【0299】
フォトリソグラフィ法としては、代表的には以下の2つの方法がある。1つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう1つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
【0300】
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-violet)光、またはX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
【0301】
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
【0302】
以上のように、本実施の形態の表示パネルの作製方法では、島状のEL層は、精細なパターンを有するメタルマスクを用いて形成されるのではなく、EL層を一面に成膜した後に加工することで形成される。そのため、メタルマスクを用いて形成されたサイズよりも島状のEL層のサイズ、さらには、副画素のサイズを小さくすることができる。したがって、これまで実現が困難であった高精細な表示パネルまたは高開口率の表示パネルを実現することができる。
【0303】
本発明の一態様の表示パネルは、発光色ごとに発光デバイスを作り分けているため、キャリアバランスの調節が容易であり、低輝度での発光と、高輝度での発光と、で発光色が変化しにくい。また、副画素ごとにEL層が島状に設けられていることで、副画素間にリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより、表示パネルの表示品位の低下を抑制できる。また、表示パネルの高精細化と高い表示品位の両立が可能となる。
【0304】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0305】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルについて図13乃至図16を用いて説明する。
【0306】
[画素のレイアウト]
本実施の形態では、主に、図6(A)とは異なる画素レイアウトについて説明する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などが挙げられる。
【0307】
また、副画素の上面形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。ここで、副画素の上面形状は、発光デバイスの発光領域の上面形状に相当する。
【0308】
図13(A)に示す画素110には、Sストライプ配列が適用されている。図13(A)に示す画素110は、副画素110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。例えば、図15(A)に示すように、副画素110aを青色の副画素Bとし、副画素110bを赤色の副画素Rとし、副画素110cを緑色の副画素Gとしてもよい。
【0309】
図13(B)に示す画素110は、角が丸い略台形の上面形状を有する副画素110aと、角が丸い略三角形の上面形状を有する副画素110bと、角が丸い略四角形または略六角形の上面形状を有する副画素110cと、を有する。また、副画素110aは、副画素110bよりも発光面積が広い。このように、各副画素の形状及びサイズはそれぞれ独立に決定することができる。例えば、信頼性の高い発光デバイスを有する副画素ほど、サイズを小さくすることができる。例えば、図15(B)に示すように、副画素110aを緑色の副画素Gとし、副画素110bを赤色の副画素Rとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
【0310】
図13(C)に示す画素124a、124bには、ペンタイル配列が適用されている。図13(C)では、副画素110a及び副画素110bを有する画素124aと、副画素110b及び副画素110cを有する画素124bと、が交互に配置されている例を示す。例えば、図15(C)に示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
【0311】
図13(D)及び図13(E)に示す画素124a、124bは、デルタ配列が適用されている。画素124aは上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有する。画素124bは上の行(1行目)に、1つの副画素(副画素110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有する。例えば、図15(D)に示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
【0312】
図13(D)は、各副画素が、角が丸い略四角形の上面形状を有する例であり、図13(E)は、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
【0313】
図13(F)は、各色の副画素がジグザグに配置されている例である。具体的には、上面視において、列方向に並ぶ2つの副画素(例えば、副画素110aと副画素110b、または、副画素110bと副画素110c)の上辺の位置がずれている。例えば、図15(E)に示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとしてもよい。
【0314】
フォトリソグラフィ法では、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、副画素の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。
【0315】
さらに、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、レジストマスクを用いてEL層を島状に加工する。EL層上に形成したレジスト膜は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で硬化する必要がある。そのため、EL層の材料の耐熱温度及びレジスト材料の硬化温度によっては、レジスト膜の硬化が不十分になる場合がある。硬化が不十分なレジスト膜は、加工時に所望の形状から離れた形状をとることがある。その結果、EL層の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。例えば、上面形状が正方形のレジストマスクを形成しようとした場合に、円形の上面形状のレジストマスクが形成され、EL層の上面形状が円形になることがある。
【0316】
なお、EL層の上面形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンとが、一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部などに補正用のパターンを追加する。
【0317】
なお、図6(A)に示すストライプ配列が適用された画素110においても、例えば、図15(F)に示すように、副画素110aを赤色の副画素Rとし、副画素110bを緑色の副画素Gとし、副画素110cを青色の副画素Bとすることができる。
【0318】
図14(A)乃至図14(H)に示すように、画素は副画素を4種類有する構成とすることができる。
【0319】
図14(A)乃至図14(C)に示す画素110は、ストライプ配列が適用されている。
【0320】
図14(A)は、各副画素が、長方形の上面形状を有する例であり、図14(B)は、各副画素が、2つの半円と長方形をつなげた上面形状を有する例であり、図14(C)は、各副画素が、楕円形の上面形状を有する例である。
【0321】
図14(D)乃至図14(F)に示す画素110は、マトリクス配列が適用されている。
【0322】
図14(D)は、各副画素が、正方形の上面形状を有する例であり、図14(E)は、各副画素が、角が丸い略正方形の上面形状を有する例であり、図14(F)は、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
【0323】
図14(G)及び図14(H)では、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。
【0324】
図14(G)に示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110aを有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有し、さらに、この3列にわたって、副画素110dを有する。
【0325】
図14(H)に示す画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、3つの副画素110dを有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110a及び副画素110dを有し、中央の列(2列目)に副画素110b及び副画素110dを有し、右の列(3列目)に副画素110c及び副画素110dを有する。図14(H)に示すように、上の行と下の行との副画素の配置を揃える構成とすることで、製造プロセスで生じうるゴミなどを効率よく除去することが可能となる。したがって、表示品位の高い表示パネルを提供することができる。
【0326】
図14(A)乃至図14(H)に示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4つの副画素から構成される。副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる色の光を発する発光デバイスを有する。副画素110a、110b、110c、110dとしては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素、または、R、G、B、赤外光(IR)の副画素などが挙げられる。例えば、図15(G)乃至図15(J)に示すように、副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ、赤色、緑色、青色、白色の副画素とすることができる。
【0327】
本発明の一態様の表示パネルは、画素に、受光デバイスを有していてもよい。
【0328】
図15(G)乃至図15(J)に示す画素110が有する4つの副画素のうち、3つを、発光デバイスを有する構成とし、残りの1つを、受光デバイスを有する構成としてもよい。
【0329】
例えば、副画素110a、110b、110cが、R、G、Bの3色の副画素であり、副画素110dが、受光デバイスを有する副画素であってもよい。
【0330】
図16(A)及び図16(B)に示す画素は、副画素G、副画素B、副画素R、及び、副画素PSを有する。なお、副画素の並び順は図示した構成に限定されず、適宜決定することができる。例えば、副画素Gと副画素Rの位置を交換してもよい。
【0331】
図16(A)に示す画素には、ストライプ配列が適用されている。図16(B)に示す画素には、マトリクス配列が適用されている。
【0332】
副画素Rは、赤色の光を発する発光デバイスを有する。副画素Gは、緑色の光を発する発光デバイスを有する。副画素Bは、青色の光を発する発光デバイスを有する。
【0333】
副画素PSは、受光デバイスを有する。副画素PSが検出する光の波長は特に限定されない。副画素PSは、可視光及び赤外光の一方または双方を検出する構成とすることができる。
【0334】
図16(C)及び図16(D)に示す画素は、副画素G、副画素B、副画素R、副画素X1、及び副画素X2を有する。なお、副画素の並び順は図示した構成に限定されず、適宜決定することができる。例えば、副画素Gと副画素Rの位置を交換してもよい。
【0335】
図16(C)では、1つの画素が、2行3列にわたって設けられている例を示す。上の行(1行目)には、3つの副画素(副画素G、副画素B、及び副画素R)が設けられている。図16(C)では、下の行(2行目)に、2つの副画素(副画素X1及び副画素X2)が設けられている。
【0336】
図16(D)では、1つの画素が、3行2列で構成されている例を示す。図16(D)では、1行目に副画素Gを有し、2行目に副画素Rを有し、この2行にわたって副画素Bを有する。また、3行目に、2つの副画素(副画素X1及び副画素X2)を有する。言い換えると、図16(D)に示す画素は、左の列(1列目)に、3つの副画素(副画素G、副画素R、及び副画素X2)を有し、右の列(2列目)に、2つの副画素(副画素B及び副画素X1)を有する。
【0337】
図16(C)に示す副画素R、G、Bのレイアウトは、ストライプ配列となっている。また、図16(D)に示す副画素R、G、Bのレイアウトは、いわゆるSストライプ配列となっている。これにより、高い表示品位を実現することができる。
【0338】
副画素X1及び副画素X2のうち少なくとも一方が、受光デバイスを有する(副画素PSである、ともいえる)ことが好ましい。
【0339】
なお、副画素PSを有する画素のレイアウトは図16(A)乃至図16(D)の構成に限られない。
【0340】
副画素X1または副画素X2としては、例えば、赤外光(IR)を発する発光デバイスを有する構成を適用することができる。このとき、副画素PSは、赤外光を検出することが好ましい。例えば、副画素R、G、Bを用いて画像を表示しながら、副画素X1及び副画素X2の一方を光源として用いて、副画素X1及び副画素X2の他方にて当該光源が発する光の反射光を検出することができる。
【0341】
また、副画素X1及び副画素X2の双方に、受光デバイスを有する構成を適用することができる。このとき、副画素X1及び副画素X2の検出する光の波長域は同じであってもよく、異なっていてもよく、一部共通であってもよい。例えば、副画素X1及び副画素X2のうち、一方が主に可視光を検出し、他方が主に赤外光を検出してもよい。
【0342】
副画素X1の受光面積は、副画素X2の受光面積よりも小さい。受光面積が小さいほど、撮像範囲が狭くなり、撮像結果のボケの抑制、及び、解像度の向上が可能となる。そのため、副画素X1を用いることで、副画素X2が有する受光デバイスを用いる場合に比べて、高精細または高解像度の撮像を行うことができる。例えば、副画素X1を用いて、指紋、掌紋、虹彩、脈形状(静脈形状、動脈形状を含む)、または顔などを用いた個人認証のための撮像を行うことができる。
【0343】
副画素PSが有する受光デバイスは、可視光を検出することが好ましく、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの色のうち一つまたは複数を検出することが好ましい。また、副画素PSが有する受光デバイスは、赤外光を検出してもよい。
【0344】
また、副画素X2に受光デバイスを有する構成を適用する場合、当該副画素X2は、タッチセンサ(ダイレクトタッチセンサともいう)またはニアタッチセンサ(ホバーセンサ、ホバータッチセンサ、非接触センサ、タッチレスセンサともいう)などに用いることができる。副画素X2は、用途に応じて、検出する光の波長を適宜決定することができる。例えば、副画素X2は、赤外光を検出することが好ましい。これにより、暗い場所でも、タッチ検出が可能となる。
【0345】
ここで、タッチセンサまたはニアタッチセンサは、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。
【0346】
タッチセンサは、表示パネルと、対象物とが、直接接することで、対象物を検出できる。また、ニアタッチセンサは、対象物が表示パネルに接触しなくても、当該対象物を検出することができる。例えば、表示パネルと、対象物との間の距離が0.1mm以上300mm以下、好ましくは3mm以上50mm以下の範囲で表示パネルが当該対象物を検出できる構成であると好ましい。当該構成とすることで、表示パネルに対象物が直接触れずに操作することが可能となる、別言すると非接触(タッチレス)で表示パネルを操作することが可能となる。上記構成とすることで、表示パネルに汚れ、または傷がつくリスクを低減することができる、または対象物が表示パネルに付着した汚れ(例えば、ゴミ、またはウィルスなど)に直接触れずに、表示パネルを操作することが可能となる。
【0347】
また、本発明の一態様の表示パネルは、リフレッシュレートを可変にすることができる。例えば、表示パネルに表示されるコンテンツに応じてリフレッシュレートを調整(例えば、1Hz以上240Hz以下の範囲で調整)して消費電力を低減させることができる。また、当該リフレッシュレートに応じて、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を変化させてもよい。例えば、表示パネルのリフレッシュレートが120Hzの場合、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を120Hzよりも高い周波数(代表的には240Hz)とする構成とすることができる。当該構成とすることで、低消費電力が実現でき、且つタッチセンサ、またはニアタッチセンサの応答速度を高めることが可能となる。
【0348】
図16(E)乃至図16(G)に示す表示パネル100は、基板351と基板359との間に、受光デバイスを有する層353、機能層355、及び、発光デバイスを有する層357を有する。
【0349】
機能層355は、受光デバイスを駆動する回路、及び、発光デバイスを駆動する回路を有する。機能層355には、スイッチ、トランジスタ、容量、抵抗、配線、端子などを設けることができる。なお、発光デバイス及び受光デバイスをパッシブマトリクス方式で駆動させる場合には、スイッチ及びトランジスタを設けない構成としてもよい。
【0350】
例えば、図16(E)に示すように、発光デバイスを有する層357において発光デバイスが発した光を、表示パネル100に接触した指352が反射することで、受光デバイスを有する層353における受光デバイスがその反射光を検出する。これにより、表示パネル100に指352が接触したことを検出することができる。
【0351】
また、図16(F)及び図16(G)に示すように、表示パネルに近接している(接触していない)対象物を検出または撮像する機能を有していてもよい。図16(F)では、人の指を検出する例を示し、図16(G)では人の目の周辺、表面、または内部の情報(瞬きの回数、眼球の動き、瞼の動きなど)を検出する例を示す。
【0352】
本実施の形態の表示パネルでは、受光デバイスを用いて、ウェアラブル機器の使用者の、目の周辺、目の表面、または目の内部(眼底など)の撮像を行うことができる。したがって、ウェアラブル機器は、使用者の瞬き、黒目の動き、及び瞼の動きの中から選ばれるいずれか一または複数を検出する機能を備えることができる。
【0353】
以上のように、本発明の一態様の表示パネルは、発光デバイスを有する副画素からなる構成の画素について、様々なレイアウトを適用することができる。また、本発明の一態様の表示パネルは、画素に発光デバイスと受光デバイスとの双方を有する構成を適用することができる。この場合においても、様々なレイアウトを適用することができる。
【0354】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0355】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルについて図17乃至図27を用いて説明する。
【0356】
本実施の形態の表示パネルは、高精細な表示パネルとすることができる。したがって、本実施の形態の表示パネルは、例えば、腕時計型、及び、ブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)の表示部、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、及び、メガネ型のAR向け機器などの頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることができる。
【0357】
また、本実施の形態の表示パネルは、高解像度の表示パネルまたは大型な表示パネルとすることができる。したがって、本実施の形態の表示パネルは、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、及び、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、及び、音響再生装置の表示部に用いることができる。
【0358】
本実施の形態の表示パネルでは、発光色ごとに、発光デバイスを作り分けているため、低輝度での発光と高輝度での発光で色度の変化が小さい。また、本実施の形態の表示パネルでは、各発光デバイスが有するEL層が分離されているため、高精細な表示パネルであっても、隣接する副画素間におけるクロストークの発生を抑制することができる。したがって、高精細であり、かつ、表示品位の高い表示パネルを実現することができる。
【0359】
以上のことから、本実施の形態の表示パネルは、本発明の一態様の表示システムにおける、装着型の表示装置、及び、端末機の一方または双方に用いることができる。
【0360】
[表示モジュール]
図17(A)に、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュール280は、表示パネル100Aと、FPC290と、を有する。なお、表示モジュール280が有する表示パネルは表示パネル100Aに限られず、後述する表示パネル100B乃至表示パネル100Fのいずれかであってもよい。
【0361】
表示モジュール280は、基板291及び基板292を有する。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、表示モジュール280における画像を表示する領域であり、後述する画素部284に設けられる各画素からの光を視認できる領域である。
【0362】
図17(B)に、基板291側の構成を模式的に示した斜視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層されている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FPC290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電気的に接続されている。
【0363】
画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有する。図17(B)の右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。画素284aは、赤色の光を発する発光デバイス130R、緑色の光を発する発光デバイス130G、及び、青色の光を発する発光デバイス130Bを有する。
【0364】
画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。
【0365】
1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する3つの発光デバイスの発光を制御する回路である。1つの画素回路283aは、1つの発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられる構成としてもよい。例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択トランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、容量素子と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選択トランジスタのゲートにはゲート信号が、ソースにはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、アクティブマトリクス型の表示パネルが実現されている。
【0366】
回路部282は、画素回路部283の各画素回路283aを駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、及び、ソース線駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、メモリ回路、及び電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。
【0367】
FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号または電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290上にICが実装されていてもよい。
【0368】
表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部283及び回路部282の一方または双方が積層された構成とすることができるため、表示部281の開口率(実効発光面積比)を極めて高くすることができる。例えば表示部281の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置することが可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示部281には、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素284aが配置されることが好ましい。
【0369】
このような表示モジュール280は、極めて高精細であることから、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。
【0370】
[表示パネル100A]
図18(A)に示す表示パネル100Aは、基板301、発光デバイス130R、130G、130B、容量240、及び、トランジスタ310を有する。
【0371】
基板301は、図17(A)及び図17(B)における基板291に相当する。基板301から絶縁層255cまでの積層構造が、実施の形態2におけるトランジスタを含む層101に相当する。
【0372】
トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を有するトランジスタである。基板301としては、例えば単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、及び、絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされた領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層314は、導電層311の側面を覆って設けられる。
【0373】
また、基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
【0374】
また、トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
【0375】
容量240は、導電層241と、導電層245と、これらの間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は、容量240の一方の電極として機能し、導電層245は、容量240の他方の電極として機能し、絶縁層243は、容量240の誘電体として機能する。
【0376】
導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設けられている。
【0377】
容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に絶縁層255cが設けられている。
【0378】
絶縁層255a、絶縁層255b、及び絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの各種無機絶縁膜を好適に用いることができる。絶縁層255a及び絶縁層255cとしては、それぞれ、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層255bとしては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用いることが好ましい。より具体的には、絶縁層255a及び絶縁層255cとして酸化シリコン膜を用い、絶縁層255bとして窒化シリコン膜を用いることが好ましい。絶縁層255bは、エッチング保護膜としての機能を有することが好ましい。本実施の形態では、絶縁層255cに凹部が設けられている例を示すが、絶縁層255cに凹部が設けられていなくてもよい。
【0379】
絶縁層255c上に発光デバイス130R、発光デバイス130G、及び、発光デバイス130Bが設けられている。図18(A)では、発光デバイス130R、発光デバイス130G、及び、発光デバイス130Bが図6(B)に示す積層構造を有する例を示す。
【0380】
表示パネル100Aは、発光色ごとに、発光デバイスを作り分けているため、低輝度での発光と高輝度での発光で色度の変化が小さい。また、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cが分離されており、それぞれ離隔しているため、高精細な表示パネルであっても、隣接する副画素間におけるクロストークの発生を抑制することができる。したがって、高精細であり、かつ、表示品位の高い表示パネルを実現することができる。
【0381】
隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁物が設けられる。図18(A)などでは、当該領域に絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
【0382】
発光デバイス130Rが有する第1の層113a上には、犠牲層118aが位置し、発光デバイス130Gが有する第2の層113b上には、犠牲層118bが位置し、発光デバイス130Bが有する第3の層113c上には、犠牲層118cが位置する。
【0383】
発光デバイスの画素電極111a、画素電極111b、及び、画素電極111cは、絶縁層255a、絶縁層255b、及び、絶縁層255cに埋め込まれたプラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、及び、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255cの上面の高さと、プラグ256の上面の高さは、一致または概略一致している。プラグには各種導電材料を用いることができる。またここでは、画素電極111a、画素電極111b、及び、画素電極111cが積層構造を有する例を示している。当該積層構造において、プラグ256と接する層には可視光を反射する導電膜を用い、第1の層113a等と接する部分には可視光を透過する導電膜を用いることができる。
【0384】
また、発光デバイス130R、発光デバイス130G、及び、発光デバイス130B上には保護層131が設けられている。保護層131上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。発光デバイスから基板120までの構成要素についての詳細は、実施の形態2を参照することができる。基板120は、図17(A)における基板292に相当する。
【0385】
画素電極111aと第1の層113aとの間には、画素電極111aの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。また、画素電極111bと第2の層113bとの間には、画素電極111bの上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。そのため、隣り合う発光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、または、高解像度の表示パネルとすることができる。
【0386】
表示パネル100Aでは、発光デバイス130R、130G、130Bを有する例を示したが、本実施の形態の表示パネルは、さらに、受光デバイスを有していてもよい。
【0387】
図18(B)に示す表示パネルは、発光デバイス130R、130G、及び、受光デバイス150を有する例である。受光デバイス150は、画素電極111dと、第4の層113dと、共通層114と、共通電極115とを積層して有する。受光デバイス150の構成要素についての詳細は実施の形態2を参照することができる。
【0388】
[表示パネル100B]
図19に示す表示パネル100Bは、それぞれ半導体基板にチャネルが形成されるトランジスタ310Aと、トランジスタ310Bとが積層された構成を有する。なお、以降の表示パネルの説明では、先に説明した表示パネルと同様の部分については説明を省略することがある。
【0389】
表示パネル100Bは、トランジスタ310B、容量240、発光デバイスが設けられた基板301Bと、トランジスタ310Aが設けられた基板301Aとが、貼り合された構成を有する。
【0390】
ここで、基板301Bの下面に絶縁層345を設けることが好ましい。また、基板301A上に設けられた絶縁層261の上に絶縁層346を設けることが好ましい。絶縁層345、346は、保護層として機能する絶縁層であり、基板301B及び基板301Aに不純物が拡散するのを抑制することができる。絶縁層345、346としては、保護層131または絶縁層332に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0391】
基板301Bには、基板301B及び絶縁層345を貫通するプラグ343が設けられる。ここで、プラグ343の側面を覆って絶縁層344を設けることが好ましい。絶縁層344は、保護層として機能する絶縁層であり、基板301Bに不純物が拡散するのを抑制することができる。絶縁層344としては、保護層131に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0392】
また、基板301Bの裏面(基板120側とは反対側の表面)側、絶縁層345の下に、導電層342が設けられる。導電層342は、絶縁層335に埋め込まれるように設けられることが好ましい。また、導電層342と絶縁層335の下面は平坦化されていることが好ましい。ここで、導電層342はプラグ343と電気的に接続されている。
【0393】
一方、基板301Aには、絶縁層346上に導電層341が設けられている。導電層341は、絶縁層336に埋め込まれるように設けられることが好ましい。また、導電層341と絶縁層336の上面は平坦化されていることが好ましい。
【0394】
導電層341と、導電層342とが接合されることで、基板301Aと基板301Bとが電気的に接続される。ここで、導電層342と絶縁層335で形成される面と、導電層341と絶縁層336で形成される面の平坦性を向上させておくことで、導電層341と導電層342の貼り合わせを良好にすることができる。
【0395】
導電層341及び導電層342としては、同じ導電材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。特に、導電層341及び導電層342に、銅を用いることが好ましい。これにより、Cu-Cu(カッパー・カッパー)直接接合技術(Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術)を適用することができる。
【0396】
[表示パネル100C]
図20に示す表示パネル100Cは、導電層341と導電層342を、バンプ347を介して接合する構成を有する。
【0397】
図20に示すように、導電層341と導電層342の間にバンプ347を設けることで、導電層341と導電層342を電気的に接続することができる。バンプ347は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、錫(Sn)などを含む導電材料を用いて形成することができる。また例えば、バンプ347として半田を用いる場合がある。また、絶縁層345と絶縁層346の間に、接着層348を設けてもよい。また、バンプ347を設ける場合、絶縁層335及び絶縁層336を設けない構成にしてもよい。
【0398】
[表示パネル100D]
図21に示す表示パネル100Dは、トランジスタの構成が異なる点で、表示パネル100Aと主に相違する。
【0399】
トランジスタ320は、チャネルが形成される半導体層に、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)が適用されたトランジスタ(OSトランジスタ)である。
【0400】
トランジスタ320は、半導体層321、絶縁層323、導電層324、一対の導電層325、絶縁層326、及び、導電層327を有する。
【0401】
基板331は、図17(A)及び図17(B)における基板291に相当する。基板331から絶縁層255bまでの積層構造が、実施の形態2におけるトランジスタを含む層101に相当する。基板331としては、絶縁性基板または半導体基板を用いることができる。
【0402】
基板331上に、絶縁層332が設けられている。絶縁層332は、基板331から水または水素などの不純物がトランジスタ320に拡散すること、及び半導体層321から絶縁層332側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層332としては、例えば酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素または酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。
【0403】
絶縁層332上に導電層327が設けられ、導電層327を覆って絶縁層326が設けられている。導電層327は、トランジスタ320の第1のゲート電極として機能し、絶縁層326の一部は、第1のゲート絶縁層として機能する。絶縁層326の少なくとも半導体層321と接する部分には、酸化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層326の上面は、平坦化されていることが好ましい。
【0404】
半導体層321は、絶縁層326上に設けられる。半導体層321は、半導体特性を有する金属酸化物(酸化物半導体ともいう)膜を有することが好ましい。一対の導電層325は、半導体層321上に接して設けられ、ソース電極及びドレイン電極として機能する。
【0405】
一対の導電層325の上面及び側面、並びに半導体層321の側面等を覆って絶縁層328が設けられ、絶縁層328上に絶縁層264が設けられている。絶縁層328は、半導体層321に絶縁層264等から水または水素などの不純物が拡散すること、及び半導体層321から酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層328としては、上記絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
【0406】
絶縁層328及び絶縁層264に、半導体層321に達する開口が設けられている。当該開口の内部において、絶縁層264、絶縁層328、及び導電層325の側面、並びに半導体層321の上面に接する絶縁層323と、導電層324とが埋め込まれている。導電層324は、第2のゲート電極として機能し、絶縁層323は第2のゲート絶縁層として機能する。
【0407】
導電層324の上面、絶縁層323の上面、及び絶縁層264の上面は、それぞれ高さが一致または概略一致するように平坦化処理され、これらを覆って絶縁層329及び絶縁層265が設けられている。
【0408】
絶縁層264及び絶縁層265は、層間絶縁層として機能する。絶縁層329は、トランジスタ320に絶縁層265等から水または水素などの不純物が拡散することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層329としては、上記絶縁層328及び絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
【0409】
一対の導電層325の一方と電気的に接続するプラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、及び絶縁層264に埋め込まれるように設けられている。ここで、プラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、絶縁層264、及び絶縁層328のそれぞれの開口の側面、及び導電層325の上面の一部を覆う導電層274aと、導電層274aの上面に接する導電層274bとを有することが好ましい。このとき、導電層274aとして、水素及び酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好ましい。
【0410】
[表示パネル100E]
図22に示す表示パネル100Eは、それぞれチャネルが形成される半導体に酸化物半導体を有するトランジスタ320Aと、トランジスタ320Bとが積層された構成を有する。
【0411】
トランジスタ320A、トランジスタ320B、及びその周辺の構成については、上記表示パネル100Dを援用することができる。
【0412】
なお、ここでは、酸化物半導体を有するトランジスタを2つ積層する構成としたが、これに限られない。例えば3つ以上のトランジスタを積層する構成としてもよい。
【0413】
[表示パネル100F]
図23に示す表示パネル100Fは、基板301にチャネルが形成されるトランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含むトランジスタ320とが積層された構成を有する。
【0414】
トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に導電層251が設けられている。また導電層251を覆って絶縁層262が設けられ、絶縁層262上に導電層252が設けられている。導電層251及び導電層252は、それぞれ配線として機能する。また、導電層252を覆って絶縁層263及び絶縁層332が設けられ、絶縁層332上にトランジスタ320が設けられている。また、トランジスタ320を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265上に容量240が設けられている。容量240とトランジスタ320とは、プラグ274により電気的に接続されている。
【0415】
トランジスタ320は、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310は、画素回路を構成するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310及びトランジスタ320は、演算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
【0416】
このような構成とすることで、発光デバイスの直下に画素回路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示領域の周辺に駆動回路を設ける場合に比べて、表示パネルを小型化することが可能となる。
【0417】
[表示パネル100G]
図24に、表示パネル100Gの斜視図を示し、図25(A)に、表示パネル100Gの断面図を示す。
【0418】
表示パネル100Gは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。図24では、基板152を破線で明示している。
【0419】
表示パネル100Gは、表示部162、接続部140、回路164、配線165等を有する。図24では表示パネル100GにIC173及びFPC172が実装されている例を示している。そのため、図24に示す構成は、表示パネル100Gと、IC(集積回路)と、FPCと、を有する表示モジュールということもできる。
【0420】
接続部140は、表示部162の外側に設けられる。接続部140は、表示部162の一辺または複数の辺に沿って設けることができる。接続部140は、単数であっても複数であってもよい。図24では、表示部の四辺を囲むように接続部140が設けられている例を示す。接続部140では、発光デバイスの共通電極と、導電層とが電気的に接続されており、共通電極に電位を供給することができる。
【0421】
回路164としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
【0422】
配線165は、表示部162及び回路164に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、外部からFPC172を介して配線165に入力されるか、またはIC173から配線165に入力される。
【0423】
図24では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip on Film)方式等により、基板151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示パネル100G及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
【0424】
図25(A)に、表示パネル100Gの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、表示部162の一部、接続部140の一部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
【0425】
図25(A)に示す表示パネル100Gは、基板151と基板152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、赤色の光を発する発光デバイス130R、緑色の光を発する発光デバイス130G、及び、青色の光を発する発光デバイス130B等を有する。
【0426】
発光デバイス130R、130G、130Bは、画素電極の構成が異なる点以外は、それぞれ、図6(B)に示す積層構造を有する。発光デバイスの詳細は実施の形態2を参照できる。
【0427】
表示パネル100Gは、発光色ごとに、発光デバイスを作り分けているため、低輝度での発光と高輝度での発光で色度の変化が小さい。また、第1の層113a、第2の層113b、及び第3の層113cが分離されており、それぞれ離隔しているため、高精細な表示パネルであっても、隣接する副画素間におけるクロストークの発生を抑制することができる。したがって、高精細であり、かつ、表示品位の高い表示パネルを実現することができる。
【0428】
発光デバイス130Rは、導電層112aと、導電層112a上の導電層126aと、導電層126a上の導電層129aと、を有する。導電層112a、126a、129aの全てを画素電極と呼ぶこともでき、一部を画素電極と呼ぶこともできる。
【0429】
発光デバイス130Gは、導電層112bと、導電層112b上の導電層126bと、導電層126b上の導電層129bと、を有する。
【0430】
発光デバイス130Bは、導電層112cと、導電層112c上の導電層126cと、導電層126c上の導電層129cと、を有する。
【0431】
導電層112aは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。導電層112aの端部よりも外側に導電層126aの端部が位置している。導電層126aの端部と導電層129aの端部は、揃っている、または概略揃っている。例えば、導電層112a及び導電層126aに反射電極として機能する導電層を用い、導電層129aに、透明電極として機能する導電層を用いることができる。
【0432】
発光デバイス130Gにおける導電層112b、126b、129b、及び、発光デバイス130Bにおける導電層112c、126c、129cについては、発光デバイス130Rにおける導電層112a、126a、129aと同様であるため詳細な説明は省略する。
【0433】
導電層112a、112b、112cには、絶縁層214に設けられた開口を覆うように凹部が形成される。当該凹部には、層128が埋め込まれている。
【0434】
層128は、導電層112a、112b、112cの凹部を平坦化する機能を有する。導電層112a、112b、112c及び層128上には、導電層112a、112b、112cと電気的に接続される導電層126a、126b、126cが設けられている。したがって、導電層112a、112b、112cの凹部と重なる領域も発光領域として使用でき、画素の開口率を高めることができる。
【0435】
層128は、絶縁層であってもよく、導電層であってもよい。層128には、各種無機絶縁材料、有機絶縁材料、及び導電材料を適宜用いることができる。特に、層128は、絶縁材料を用いて形成されることが好ましい。
【0436】
層128としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、層128として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等を適用することができる。また、層128として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
【0437】
感光性の樹脂を用いることにより、露光及び現像の工程のみで層128を作製することができ、ドライエッチング、あるいはウェットエッチング等による導電層112a、112b、112cの表面への影響を低減することができる。また、ネガ型の感光性樹脂を用いて層128を形成することにより、絶縁層214の開口の形成に用いるフォトマスク(露光マスク)と同一のフォトマスクを用いて、層128を形成できる場合がある。
【0438】
導電層126aの上面及び側面と導電層129aの上面及び側面は、第1の層113aによって覆われている。同様に、導電層126bの上面及び側面と導電層129bの上面及び側面は、第2の層113bによって覆われている。また、導電層126cの上面及び側面と導電層129cの上面及び側面は、第3の層113cによって覆われている。したがって、導電層126a、126b、126cが設けられている領域全体を、発光デバイス130R、130G、130Bの発光領域として用いることができるため、画素の開口率を高めることができる。
【0439】
第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cの側面は、それぞれ、絶縁層125、127によって覆われている。第1の層113aと絶縁層125との間には犠牲層118aが位置する。また、第2の層113bと絶縁層125との間には犠牲層118bが位置し、第3の層113cと絶縁層125との間には犠牲層118cが位置する。第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、及び、絶縁層125、127上に、共通層114が設けられ、共通層114上に共通電極115が設けられている。共通層114及び共通電極115は、それぞれ、複数の発光デバイスに共通して設けられるひとつなぎの膜である。
【0440】
また、発光デバイス130R、130G、130B上にはそれぞれ、保護層131が設けられている。発光デバイスを覆う保護層131を設けることで、発光デバイスに水などの不純物が入り込むことを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0441】
保護層131と基板152は接着層142を介して接着されている。発光デバイスの封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。図25(A)では、基板152と基板151との間の空間が、接着層142で充填されており、固体封止構造が適用されている。または、当該空間を不活性ガス(窒素またはアルゴンなど)で充填し、中空封止構造を適用してもよい。このとき、接着層142は、発光デバイスと重ならないように設けられていてもよい。また、当該空間を、枠状に設けられた接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
【0442】
接続部140においては、絶縁層214上に導電層123が設けられている。導電層123は、導電層112a、112b、112cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層126a、126b、126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層129a、129b、129cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である例を示す。導電層123の端部は、犠牲層118a、絶縁層125、及び、絶縁層127によって覆われている。また、導電層123上には共通層114が設けられ、共通層114上には共通電極115が設けられている。導電層123と共通電極115は共通層114を介して電気的に接続される。なお、接続部140には、共通層114が形成されていなくてもよい。この場合、導電層123と共通電極115とが直接接して電気的に接続される。
【0443】
表示パネル100Gは、トップエミッション型である。発光デバイスが発する光は、基板152側に射出される。基板152には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。画素電極は可視光を反射する材料を含み、対向電極(共通電極115)は可視光を透過する材料を含む。
【0444】
基板151から絶縁層214までの積層構造が、実施の形態2におけるトランジスタを含む層101に相当する。
【0445】
トランジスタ201及びトランジスタ205は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
【0446】
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
【0447】
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水及び水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示パネルの信頼性を高めることができる。
【0448】
絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
【0449】
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁層が好適である。有機絶縁層に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。また、絶縁層214を、有機絶縁層と、無機絶縁層との積層構造にしてもよい。絶縁層214の最表層は、エッチング保護層としての機能を有することが好ましい。これにより、導電層112a、導電層126a、または導電層129aなどの加工時に、絶縁層214に凹部が形成されることを抑制することができる。または、絶縁層214には、導電層112a、導電層126a、または導電層129aなどの加工時に、凹部が設けられてもよい。
【0450】
トランジスタ201及びトランジスタ205は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0451】
本実施の形態の表示パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0452】
トランジスタ201及びトランジスタ205には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
【0453】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶半導体、または単結晶以外の結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体または結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0454】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示パネルは、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。
【0455】
結晶性を有する酸化物半導体としては、CAAC(c-axis-aligned crystalline)-OS、nc(nanocrystalline)-OS等が挙げられる。
【0456】
または、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(Siトランジスタ)を用いてもよい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン等が挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることができる。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く、周波数特性が良好である。
【0457】
LTPSトランジスタ等のSiトランジスタを適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えばソースドライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、表示パネルに実装される外部回路を簡略化でき、部品コスト及び実装コストを削減することができる。
【0458】
OSトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタと比較して電界効果移動度が極めて高い。また、OSトランジスタは、オフ状態におけるソース-ドレイン間のリーク電流(以下、オフ電流ともいう)が著しく小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを適用することで、表示パネルの消費電力を低減することができる。
【0459】
また、室温下における、チャネル幅1μmあたりのOSトランジスタのオフ電流値は、1aA(1×10-18A)以下、1zA(1×10-21A)以下、または1yA(1×10-24A)以下とすることができる。なお、室温下における、チャネル幅1μmあたりのSiトランジスタのオフ電流値は、1fA(1×10-15A)以上1pA(1×10-12A)以下である。したがって、OSトランジスタのオフ電流は、Siトランジスタのオフ電流よりも10桁程度低いともいえる。
【0460】
また、画素回路に含まれる発光デバイスの発光輝度を高くする場合、発光デバイスに流す電流量を大きくする必要がある。そのためには、画素回路に含まれている駆動トランジスタのソース-ドレイン間電圧を高くする必要がある。OSトランジスタは、Siトランジスタと比較して、ソース-ドレイン間において耐圧が高いため、OSトランジスタのソース-ドレイン間には高い電圧を印加することができる。したがって、画素回路に含まれる駆動トランジスタをOSトランジスタとすることで、発光デバイスに流れる電流量を大きくし、発光デバイスの発光輝度を高くすることができる。
【0461】
また、トランジスタが飽和領域で動作する場合において、OSトランジスタは、Siトランジスタよりも、ゲート-ソース間電圧の変化に対して、ソース-ドレイン間電流の変化を小さくすることができる。このため、画素回路に含まれる駆動トランジスタとしてOSトランジスタを適用することによって、ゲート-ソース間電圧の変化によって、ソース-ドレイン間に流れる電流を細かく定めることができるため、発光デバイスに流れる電流量を制御することができる。このため、画素回路における階調数を多くすることができる。
【0462】
また、トランジスタが飽和領域で動作するときに流れる電流の飽和特性において、OSトランジスタは、ソース-ドレイン間電圧が徐々に高くなった場合においても、Siトランジスタよりも安定した電流(飽和電流)を流すことができる。そのため、OSトランジスタを駆動トランジスタとして用いることで、例えば、ELデバイスの電流-電圧特性にばらつきが生じた場合においても、発光デバイスに安定した電流を流すことができる。つまり、OSトランジスタは、飽和領域で動作する場合において、ソース-ドレイン間電圧を高くしても、ソース-ドレイン間電流がほぼ変化しないため、発光デバイスの発光輝度を安定させることができる。
【0463】
上記のとおり、画素回路に含まれる駆動トランジスタにOSトランジスタを用いることで、「黒浮きの抑制」、「発光輝度の上昇」、「多階調化」、「発光デバイスのばらつきの抑制」などを図ることができる。
【0464】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0465】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0466】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、当該In-M-Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn-M-Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0467】
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、各元素の含有比率が、Inを4としたとき、Gaが1以上3以下であり、Znが2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、各元素の含有比率が、Inを5としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、各元素の含有比率が、Inを1としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0468】
回路164が有するトランジスタと、表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0469】
表示部162が有するトランジスタの全てをOSトランジスタとしてもよく、表示部162が有するトランジスタの全てをSiトランジスタとしてもよく、表示部162が有するトランジスタの一部をOSトランジスタとし、残りをSiトランジスタとしてもよい。
【0470】
例えば、表示部162にLTPSトランジスタとOSトランジスタとの双方を用いることで、消費電力が低く、駆動能力の高い表示パネルを実現することができる。また、LTPSトランジスタと、OSトランジスタとを、組み合わせる構成をLTPOと呼称する場合がある。なお、より好適な例としては、配線間の導通、非導通を制御するためのスイッチとして機能するトランジスタ等にOSトランジスタを適用し、電流を制御するトランジスタ等にLTPSトランジスタを適用することが好ましい。
【0471】
例えば、表示部162が有するトランジスタの一は、発光デバイスに流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能し、駆動トランジスタもと呼ぶことができる。駆動トランジスタのソース及びドレインの一方は、発光デバイスの画素電極と電気的に接続される。当該駆動トランジスタには、LTPSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、画素回路において発光デバイスに流れる電流を大きくできる。
【0472】
一方、表示部162が有するトランジスタの他の一は、画素の選択、非選択を制御するためのスイッチとして機能し、選択トランジスタとも呼ぶことができる。選択トランジスタのゲートはゲート線と電気的に接続され、ソース及びドレインの一方は、ソース線(信号線)と電気的に接続される。選択トランジスタには、OSトランジスタを適用することが好ましい。これにより、フレーム周波数を著しく小さく(例えば1fps以下)しても、画素の階調を維持することができるため、静止画を表示する際にドライバを停止することで、消費電力を低減することができる。
【0473】
このように本発明の一態様の表示パネルは、高い開口率と、高い精細度と、高い表示品位と、低い消費電力と、を兼ね備えることができる。
【0474】
なお、本発明の一態様の表示パネルは、OSトランジスタを有し、且つMML(メタルマスクレス)構造の発光デバイスを有する構成である。当該構成とすることで、トランジスタに流れうるリーク電流、及び隣接する発光デバイス間に流れうるリーク電流(横リーク電流、サイドリーク電流などともいう)を、極めて低くすることができる。また、上記構成とすることで、表示パネルに画像を表示した場合に、観察者が画像のきれ、画像のするどさ、高い彩度、及び高いコントラスト比のいずれか一または複数を観測できる。なお、トランジスタに流れうるリーク電流、及び発光デバイス間の横リーク電流が極めて低い構成とすることで、黒表示時に生じうる光漏れなどが限りなく少ない表示とすることができる。
【0475】
図25(B)及び図25(C)に、トランジスタの他の構成例を示す。
【0476】
トランジスタ209及びトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体層231、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、少なくとも導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
【0477】
図25(B)に示すトランジスタ209では、絶縁層225が半導体層231の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
【0478】
一方、図25(C)に示すトランジスタ210では、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクとして絶縁層225を加工することで、図25(C)に示す構造を作製できる。図25(C)では、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。
【0479】
基板151の、基板152が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層166及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。導電層166は、導電層112a、112b、112cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層126a、126b、126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層129a、129b、129cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である例を示す。接続部204の上面では、導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0480】
基板152の基板151側の面には、遮光層117を設けることが好ましい。遮光層117は、隣り合う発光デバイスの間、接続部140、及び、回路164などに設けることができる。また、基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。
【0481】
基板151及び基板152としては、それぞれ、基板120に用いることができる材料を適用することができる。
【0482】
接着層142としては、樹脂層122に用いることができる材料を適用することができる。
【0483】
接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0484】
[表示パネル100H]
図26(A)に示す表示パネル100Hは、ボトムエミッション型の表示パネルである点で、表示パネル100Gと主に相違する。
【0485】
発光デバイスが発する光は、基板151側に射出される。基板151には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。一方、基板152に用いる材料の透光性は問わない。
【0486】
基板151とトランジスタ201との間、基板151とトランジスタ205との間には、遮光層117を形成することが好ましい。図26(A)では、基板151上に遮光層117が設けられ、遮光層117上に絶縁層153が設けられ、絶縁層153上にトランジスタ201、205などが設けられている例を示す。
【0487】
発光デバイス130Rは、導電層112aと、導電層112a上の導電層126aと、導電層126a上の導電層129aと、を有する。
【0488】
発光デバイス130Gは、導電層112bと、導電層112b上の導電層126bと、導電層126b上の導電層129bと、を有する。
【0489】
導電層112a、112b、112c(図示しない)、126a、126b、126c(図示しない)、129a、129b、129c(図示しない)には、それぞれ、可視光に対する透過性が高い材料を用いる。共通電極115には可視光を反射する材料を用いることが好ましい。
【0490】
また、図25(A)及び図26(A)などでは、層128の上面が平坦な例を示すが、層128の形状は、特に限定されない。図26(B)乃至図26(D)に、層128の変形例を示す。
【0491】
図26(B)及び図26(D)に示すように、層128の上面は、断面視において、中央及びその近傍が窪んだ形状、つまり、凹曲面を有する形状を有する構成とすることができる。
【0492】
また、図26(C)に示すように、層128の上面は、断面視において、中央及びその近傍が膨らんだ形状、つまり、凸曲面を有する形状を有する構成とすることができる。
【0493】
また、層128の上面は、凸曲面及び凹曲面の一方または双方を有していてもよい。また、層128の上面が有する凸曲面及び凹曲面の数はそれぞれ限定されず、一つまたは複数とすることができる。
【0494】
また、層128の上面の高さと、導電層112aの上面の高さと、は、一致または概略一致していてもよく、互いに異なっていてもよい。例えば、層128の上面の高さは、導電層112aの上面の高さより低くてもよく、高くてもよい。
【0495】
また、図26(B)は、導電層112aに形成された凹部の内部に層128が収まっている例ともいえる。一方、図26(D)のように、導電層112aに形成された凹部の外側に層128が存在する、つまり、当該凹部よりも層128の上面の幅が広がって形成されていてもよい。
【0496】
[表示パネル100J]
図27に示す表示パネル100Jは、受光デバイス150を有する点で、表示パネル100Gと主に相違する。
【0497】
受光デバイス150は、導電層112dと、導電層112d上の導電層126dと、導電層126d上の導電層129dと、を有する。
【0498】
導電層112dは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。
【0499】
導電層126dの上面及び側面と導電層129dの上面及び側面は、第4の層113dによって覆われている。第4の層113dは、少なくとも活性層を有する。
【0500】
第4の層113dの側面は、絶縁層125、127によって覆われている。第4の層113dと絶縁層125との間には犠牲層118dが位置する。第4の層113d、及び、絶縁層125、127上に、共通層114が設けられ、共通層114上に共通電極115が設けられている。共通層114は、受光デバイスと発光デバイスに共通して設けられる一続きの膜である。
【0501】
表示パネル100Jは、例えば、実施の形態2で説明した図12(A)に示す画素レイアウト、または、実施の形態3で説明した、図16(A)乃至図16(D)に示す画素レイアウトのいずれかを適用することができる。受光デバイス150は、副画素PS、副画素X1、及び、副画素X2などの少なくとも一つに設けることができる。また、受光デバイスを有する表示パネルの詳細については、実施の形態2を参照することができる。
【0502】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0503】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用することのできるトランジスタの構成例について説明する。特に、チャネルが形成される半導体にシリコンを含むトランジスタを用いる場合について説明する。
【0504】
本発明の一態様は、発光デバイスと、画素回路と、を有する表示パネルである。表示パネルは、例えば、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)の光を発する3種類の発光デバイスを有することで、フルカラーの表示パネルを実現できる。
【0505】
発光デバイスを駆動する画素回路に含まれるトランジスタの全てに、チャネルが形成される半導体層にシリコンを有するトランジスタを用いることが好ましい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコンなどが挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く、周波数特性が良好である。
【0506】
LTPSトランジスタなどのシリコンを用いたトランジスタを適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えばソースドライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、表示パネルに実装される外部回路を簡略化でき、部品コスト及び実装コストを削減することができる。
【0507】
また、画素回路に含まれるトランジスタの少なくとも一に、チャネルが形成される半導体に金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。OSトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタと比較して電界効果移動度が極めて高い。また、OSトランジスタは、オフ状態におけるソース-ドレイン間のリーク電流(以下、オフ電流ともいう)が著しく小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを適用することで、表示パネルの消費電力を低減することができる。
【0508】
画素回路に含まれるトランジスタの一部に、LTPSトランジスタを用い、他の一部にOSトランジスタを用いることで、消費電力が低く、駆動能力の高い表示パネルを実現することができる。より好適な例としては、配線間の導通、非導通を制御するためのスイッチとして機能するトランジスタなどにOSトランジスタを適用し、電流を制御するトランジスタなどにLTPSトランジスタを適用することが好ましい。
【0509】
例えば、画素回路に設けられるトランジスタの一は、発光デバイスに流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能し、駆動トランジスタとも呼ぶことができる。駆動トランジスタのソース及びドレインの一方は、発光デバイスの画素電極と電気的に接続される。当該駆動トランジスタには、LTPSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、画素回路において発光デバイスに流れる電流を大きくできる。
【0510】
一方、画素回路に設けられるトランジスタの他の一は、画素の選択、非選択を制御するためのスイッチとして機能し、選択トランジスタとも呼ぶことができる。選択トランジスタのゲートはゲート線と電気的に接続され、ソース及びドレインの一方は、ソース線(信号線)と電気的に接続される。選択トランジスタには、OSトランジスタを適用することが好ましい。これにより、フレーム周波数を著しく小さく(例えば1fps以下)しても、画素の階調を維持することができるため、静止画を表示する際にドライバを停止することで、消費電力を低減することができる。
【0511】
以下では、より具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
【0512】
[表示パネルの構成例2]
図28(A)に、表示パネル400のブロック図を示す。表示パネル400は、表示部404、駆動回路部402、駆動回路部403などを有する。
【0513】
表示部404は、マトリクス状に配置された複数の画素430を有する。画素430は、副画素405R、副画素405G、及び副画素405Bを有する。副画素405R、副画素405G、及び副画素405Bは、それぞれ表示デバイスとして機能する発光デバイスを有する。
【0514】
画素430は、配線GL、配線SLR、配線SLG、及び配線SLBと電気的に接続されている。配線SLR、配線SLG、及び配線SLBは、それぞれ駆動回路部402と電気的に接続されている。配線GLは、駆動回路部403と電気的に接続されている。駆動回路部402は、ソース線駆動回路(ソースドライバともいう)として機能し、駆動回路部403は、ゲート線駆動回路(ゲートドライバともいう)として機能する。配線GLは、ゲート線として機能し、配線SLR、配線SLG、及び配線SLBは、それぞれソース線として機能する。
【0515】
副画素405Rは、赤色の光を呈する発光デバイスを有する。副画素405Gは、緑色の光を呈する発光デバイスを有する。副画素405Bは、青色の光を呈する発光デバイスを有する。これにより、表示パネル400はフルカラーの表示を行うことができる。なお、画素430は、他の色の光を呈する発光デバイスを有する副画素を有していてもよい。例えば画素430は、上記3つの副画素に加えて、白色の光を呈する発光デバイスを有する副画素、または黄色の光を呈する発光デバイスを有する副画素などを有していてもよい。
【0516】
配線GLは、行方向(配線GLの延伸方向)に配列する副画素405R、副画素405G、及び副画素405Bと電気的に接続されている。配線SLR、配線SLG、及び配線SLBは、それぞれ、列方向(配線SLR等の延伸方向)に配列する副画素405R、副画素405G、または副画素405B(図示しない)と電気的に接続されている。
【0517】
〔画素回路の構成例〕
図28(B)に、上記副画素405R、副画素405G、及び副画素405Bに適用することのできる画素405の回路図の一例を示す。画素405は、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、容量C1、及び発光デバイスELを有する。また、画素405には、配線GL及び配線SLが電気的に接続される。配線SLは、図28(A)で示した配線SLR、配線SLG、及び配線SLBのうちのいずれかに対応する。
【0518】
トランジスタM1は、ゲートが配線GLと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が配線SLと電気的に接続され、他方が容量C1の一方の電極、及びトランジスタM2のゲートと電気的に接続される。トランジスタM2は、ソース及びドレインの一方が配線ALと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が発光デバイスELの一方の電極、容量C1の他方の電極、及びトランジスタM3のソース及びドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタM3は、ゲートが配線GLと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線RLと電気的に接続される。発光デバイスELは、他方の電極が配線CLと電気的に接続される。
【0519】
配線SLには、データ電位Dが与えられる。配線GLには、選択信号が与えられる。当該選択信号には、トランジスタを導通状態とする電位と、非導通状態とする電位が含まれる。
【0520】
配線RLには、リセット電位が与えられる。配線ALには、アノード電位が与えられる。配線CLには、カソード電位が与えられる。画素405において、アノード電位はカソード電位よりも高い電位とする。また、配線RLに与えられるリセット電位は、リセット電位とカソード電位との電位差が、発光デバイスELのしきい値電圧よりも小さくなるような電位とすることができる。リセット電位は、カソード電位よりも高い電位、カソード電位と同じ電位、または、カソード電位よりも低い電位とすることができる。
【0521】
トランジスタM1及びトランジスタM3は、スイッチとして機能する。トランジスタM2は、発光デバイスELに流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能する。例えば、トランジスタM1は選択トランジスタとして機能し、トランジスタM2は、駆動トランジスタとして機能するともいえる。
【0522】
ここで、トランジスタM1乃至トランジスタM3の全てに、LTPSトランジスタを適用することが好ましい。または、トランジスタM1及びトランジスタM3にOSトランジスタを適用し、トランジスタM2にLTPSトランジスタを適用することが好ましい。
【0523】
または、トランジスタM1乃至トランジスタM3のすべてに、OSトランジスタを適用してもよい。このとき、駆動回路部402が有する複数のトランジスタ、及び駆動回路部403が有する複数のトランジスタのうち、一以上にLTPSトランジスタを適用し、他のトランジスタにOSトランジスタを適用する構成とすることができる。例えば、表示部404に設けられるトランジスタにはOSトランジスタを適用し、駆動回路部402及び駆動回路部403に設けられるトランジスタにはLTPSトランジスタを適用することもできる。
【0524】
OSトランジスタとしては、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。特に、OSトランジスタの半導体層として、インジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。
【0525】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい酸化物半導体を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量C1に直列に接続されるトランジスタM1及びトランジスタM3には、それぞれ、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタM1及びトランジスタM3として酸化物半導体を有するトランジスタを適用することで、容量C1に保持される電荷が、トランジスタM1またはトランジスタM3を介してリークされることを防ぐことができる。また、容量C1に保持される電荷を長時間に亘って保持できるため、画素405のデータを書き換えることなく、静止画を長期間に亘って表示することが可能となる。
【0526】
なお、図28(B)において、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
【0527】
また、画素405が有する各トランジスタは、同一基板上に並べて形成されることが好ましい。
【0528】
画素405が有するトランジスタとして、半導体層を介して重なる一対のゲートを有するトランジスタを適用することができる。
【0529】
一対のゲートを有するトランジスタにおいて、一対のゲートが互いに電気的に接続され、同じ電位が与えられる構成とすることで、トランジスタのオン電流が高まること、及び飽和特性が向上するといった利点がある。また、一対のゲートの一方に、トランジスタのしきい値電圧を制御する電位を与えてもよい。また、一対のゲートの一方に、定電位を与えることで、トランジスタの電気特性の安定性を向上させることができる。例えば、トランジスタの一方のゲートを、定電位が与えられる配線と電気的に接続する構成としてもよいし、自身のソースまたはドレインと電気的に接続する構成としてもよい。
【0530】
図28(C)に示す画素405は、トランジスタM1及びトランジスタM3に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタM1及びトランジスタM3は、それぞれ一対のゲートが電気的に接続されている。このような構成とすることで、画素405へのデータの書き込み期間を短縮することができる。
【0531】
図28(D)に示す画素405は、トランジスタM1及びトランジスタM3に加えて、トランジスタM2にも、一対のゲートを有するトランジスタを適用した例である。トランジスタM2は、一対のゲートが電気的に接続されている。トランジスタM2に、このようなトランジスタを適用することで、飽和特性が向上するため、発光デバイスELの発光輝度の制御が容易となり、表示品位を高めることができる。
【0532】
[トランジスタの構成例]
以下では、上記表示パネルに適用することのできるトランジスタの断面構成例について説明する。
【0533】
〔構成例1〕
図29(A)は、トランジスタ410を含む断面図である。
【0534】
トランジスタ410は、基板401上に設けられ、半導体層に多結晶シリコンを適用したトランジスタである。例えばトランジスタ410は、画素405のトランジスタM2に対応する。すなわち、図29(A)は、トランジスタ410のソース及びドレインの一方が、発光デバイスの導電層431と電気的に接続されている例である。
【0535】
トランジスタ410は、半導体層411、絶縁層412、導電層413等を有する。半導体層411は、チャネル形成領域411i及び低抵抗領域411nを有する。半導体層411は、シリコンを有する。半導体層411は、多結晶シリコンを有することが好ましい。絶縁層412の一部は、ゲート絶縁層として機能する。導電層413の一部は、ゲート電極として機能する。
【0536】
なお、半導体層411は、半導体特性を示す金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を含む構成とすることもできる。このとき、トランジスタ410は、OSトランジスタと呼ぶことができる。
【0537】
低抵抗領域411nは、不純物元素を含む領域である。例えばトランジスタ410をnチャネル型のトランジスタとする場合には、低抵抗領域411nにリン、ヒ素などを添加すればよい。一方、pチャネル型のトランジスタとする場合には、低抵抗領域411nにホウ素、アルミニウムなどを添加すればよい。また、トランジスタ410のしきい値電圧を制御するため、チャネル形成領域411iに、上述した不純物が添加されていてもよい。
【0538】
基板401上に、絶縁層421が設けられている。半導体層411は、絶縁層421上に設けられている。絶縁層412は、半導体層411及び絶縁層421を覆って設けられている。導電層413は、絶縁層412上の、半導体層411と重なる位置に設けられている。
【0539】
また、導電層413及び絶縁層412を覆って絶縁層422が設けられる。絶縁層422上には、導電層414a及び導電層414bが設けられる。導電層414a及び導電層414bは、絶縁層422及び絶縁層412に設けられた開口部において、低抵抗領域411nと電気的に接続されている。導電層414aの一部は、ソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電層414bの一部は、ソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。また、導電層414a、導電層414b、及び絶縁層422を覆って、絶縁層423が設けられている。
【0540】
絶縁層423上には、画素電極として機能する導電層431が設けられる。導電層431は、絶縁層423上に設けられ、絶縁層423に設けられた開口において、導電層414bと電気的に接続されている。ここでは省略するが、導電層431上には、EL層及び共通電極を積層することができる。
【0541】
〔構成例2〕
図29(B)には、一対のゲート電極を有するトランジスタ410aを示す。図29(B)に示すトランジスタ410aは、導電層415、及び絶縁層416を有する点で、図29(A)と主に相違している。
【0542】
導電層415は、絶縁層421上に設けられている。また、導電層415及び絶縁層421を覆って、絶縁層416が設けられている。半導体層411は、少なくともチャネル形成領域411iが、絶縁層416を介して導電層415と重なるように設けられている。
【0543】
図29(B)に示すトランジスタ410aにおいて、導電層413の一部が第1のゲート電極として機能し、導電層415の一部が第2のゲート電極として機能する。またこのとき、絶縁層412の一部が第1のゲート絶縁層として機能し、絶縁層416の一部が第2のゲート絶縁層として機能する。
【0544】
ここで、第1のゲート電極と、第2のゲート電極とを電気的に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層412及び絶縁層416に設けられた開口部を介して導電層413と導電層415とを電気的に接続すればよい。また、第2のゲート電極と、ソースまたはドレインとを電気的に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層422、絶縁層412、及び絶縁層416に設けられた開口部を介して、導電層414aまたは導電層414bと、導電層415とを電気的に接続すればよい。
【0545】
画素405を構成するトランジスタの全てに、LTPSトランジスタを適用する場合、図29(A)で例示したトランジスタ410、または図29(B)で例示したトランジスタ410aを適用することができる。このとき、画素405を構成する全てのトランジスタに、トランジスタ410aを用いてもよいし、全てのトランジスタにトランジスタ410を適用してもよいし、トランジスタ410aと、トランジスタ410とを組み合わせて用いてもよい。
【0546】
〔構成例3〕
以下では、半導体層にシリコンが適用されたトランジスタと、半導体層に金属酸化物が適用されたトランジスタの両方を有する構成の例について説明する。
【0547】
図29(C)に、トランジスタ410a及びトランジスタ450を含む、断面概略図を示している。
【0548】
トランジスタ410aについては、上記構成例1を援用できる。なお、ここではトランジスタ410aを用いる例を示したが、トランジスタ410とトランジスタ450とを有する構成としてもよいし、トランジスタ410、トランジスタ410a、トランジスタ450の全てを有する構成としてもよい。
【0549】
トランジスタ450は、半導体層に金属酸化物を適用したトランジスタである。図29(C)に示す構成は、例えばトランジスタ450が画素405のトランジスタM1に対応し、トランジスタ410aがトランジスタM2に対応する例である。すなわち、図29(C)は、トランジスタ410aのソース及びドレインの一方が、導電層431と電気的に接続されている例である。
【0550】
また、図29(C)には、トランジスタ450が一対のゲートを有する例を示している。
【0551】
トランジスタ450は、導電層455、絶縁層422、半導体層451、絶縁層452、導電層453等を有する。導電層453の一部は、トランジスタ450の第1のゲートとして機能し、導電層455の一部は、トランジスタ450の第2のゲートとして機能する。このとき、絶縁層452の一部はトランジスタ450の第1のゲート絶縁層として機能し、絶縁層422の一部は、トランジスタ450の第2のゲート絶縁層として機能する。
【0552】
導電層455は、絶縁層412上に設けられている。絶縁層422は、導電層455を覆って設けられている。半導体層451は、絶縁層422上に設けられている。絶縁層452は、半導体層451及び絶縁層422を覆って設けられている。導電層453は、絶縁層452上に設けられ、半導体層451及び導電層455と重なる領域を有する。
【0553】
また、絶縁層426が絶縁層452及び導電層453を覆って設けられている。絶縁層426上には、導電層454a及び導電層454bが設けられる。導電層454a及び導電層454bは、絶縁層426及び絶縁層452に設けられた開口部において、半導体層451と電気的に接続されている。導電層454aの一部は、ソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電層454bの一部は、ソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。また、導電層454a、導電層454b、及び絶縁層426を覆って、絶縁層423が設けられている。
【0554】
ここで、トランジスタ410aと電気的に接続する導電層414a及び導電層414bは、導電層454a及び導電層454bと、同一の導電膜を加工して形成することが好ましい。図29(C)では、導電層414a、導電層414b、導電層454a、及び導電層454bが、同一面上に(すなわち絶縁層426の上面に接して)形成され、且つ、同一の金属元素を含む構成を示している。このとき、導電層414a及び導電層414bは、絶縁層426、絶縁層452、絶縁層422、及び絶縁層412に設けられた開口を介して、低抵抗領域411nと電気的に接続する。これにより、作製工程を簡略化できるため好ましい。
【0555】
また、トランジスタ410aの第1のゲート電極として機能する導電層413と、トランジスタ450の第2のゲート電極として機能する導電層455とは、同一の導電膜を加工して形成することが好ましい。図29(C)では、導電層413と導電層455とが、同一面上に(すなわち絶縁層412の上面に接して)形成され、且つ、同一の金属元素を含む構成を示している。これにより、作製工程を簡略化できるため好ましい。
【0556】
図29(C)では、トランジスタ450の第1のゲート絶縁層として機能する絶縁層452が、半導体層451の端部を覆う構成としたが、図29(D)に示すトランジスタ450aのように、絶縁層452が、導電層453と上面形状が一致または概略一致するように加工されていてもよい。
【0557】
なお、本明細書等において「上面形状が概略一致」とは、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なることをいう。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、または一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重なり合わず、上層が下層の内側に位置すること、または、上層が下層の外側に位置することもあり、この場合も「上面形状が概略一致」という。
【0558】
なお、ここではトランジスタ410aが、トランジスタM2に対応し、画素電極と電気的に接続する例を示したが、これに限られない。例えば、トランジスタ450またはトランジスタ450aが、トランジスタM2に対応する構成としてもよい。このとき、トランジスタ410aは、トランジスタM1、トランジスタM3、またはその他のトランジスタに対応する。
【0559】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0560】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに用いることができる発光デバイスについて説明する。
【0561】
図30(A)に示すように、発光デバイスは、一対の電極(下部電極772、上部電極788)の間に、EL層786を有する。EL層786は、層4420、発光層4411、層4430などの複数の層で構成することができる。層4420は、例えば電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)及び電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)などを有することができる。発光層4411は、例えば発光性の化合物を有する。層4430は、例えば正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)及び正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有することができる。
【0562】
一対の電極間に設けられた層4420、発光層4411及び層4430を有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書では図30(A)の構成をシングル構造と呼ぶ。
【0563】
また、図30(B)は、図30(A)に示す発光デバイスが有するEL層786の変形例である。具体的には、図30(B)に示す発光デバイスは、下部電極772上の層4431と、層4431上の層4432と、層4432上の発光層4411と、発光層4411上の層4421と、層4421上の層4422と、層4422上の上部電極788と、を有する。例えば、下部電極772を陽極とし、上部電極788を陰極とした場合、層4431が正孔注入層として機能し、層4432が正孔輸送層として機能し、層4421が電子輸送層として機能し、層4422が電子注入層として機能する。または、下部電極772を陰極とし、上部電極788を陽極とした場合、層4431が電子注入層として機能し、層4432が電子輸送層として機能し、層4421が正孔輸送層として機能し、層4422が正孔注入層として機能する。このような層構造とすることで、発光層4411に効率よくキャリアを注入し、発光層4411内におけるキャリアの再結合の効率を高めることが可能となる。
【0564】
なお、図30(C)、図30(D)に示すように層4420と層4430との間に複数の発光層(発光層4411、4412、4413)が設けられる構成もシングル構造のバリエーションである。
【0565】
また、図30(E)、図30(F)に示すように、複数の発光ユニット(EL層786a、EL層786b)が電荷発生層4440を介して直列に接続された構成を本明細書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。なお、タンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。
【0566】
図30(C)、図30(D)において、発光層4411、発光層4412、及び発光層4413に、同じ色の光を発する発光材料、さらには、同じ発光材料を用いてもよい。例えば、発光層4411、発光層4412、及び発光層4413に、青色の光を発する発光材料を用いてもよい。図30(D)に示す層785として、色変換層を設けてもよい。
【0567】
また、発光層4411、発光層4412、及び発光層4413に、それぞれ異なる色の光を発する発光材料を用いてもよい。発光層4411、発光層4412、及び発光層4413がそれぞれ発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図30(D)に示す層785として、カラーフィルタ(着色層ともいう)を設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
【0568】
また、図30(E)、図30(F)において、発光層4411と、発光層4412とに、同じ色の光を発する発光材料、さらには、同じ発光材料を用いてもよい。または、発光層4411と、発光層4412とに、異なる色の光を発する発光材料を用いてもよい。発光層4411が発する光と、発光層4412が発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図30(F)には、さらに層785を設ける例を示している。層785としては、色変換層及びカラーフィルタ(着色層)の一方または双方を用いることができる。
【0569】
なお、図30(C)、図30(D)、図30(E)、図30(F)においても、図30(B)に示すように、層4420と、層4430とは、2層以上の層からなる積層構造としてもよい。
【0570】
発光デバイスごとに、発光色(例えば、青(B)、緑(G)、及び赤(R))を作り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。
【0571】
発光デバイスの発光色は、EL層786を構成する材料によって、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄または白などとすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
【0572】
白色の光を発する発光デバイスは、発光層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるような発光物質を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
【0573】
発光層には、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質を2以上含むことが好ましい。または、発光物質を2以上有し、それぞれの発光物質の発光は、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含むことが好ましい。
【0574】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0575】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図31乃至図33を用いて説明する。
【0576】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示システムに用いることができる。具体的には、当該電子機器は、本発明の一態様の表示システムにおいて、装着型の表示装置、または、端末機として用いることができる。
【0577】
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示パネルを有する。本発明の一態様の表示パネルは、高精細化及び高解像度化が容易であり、また、高い表示品位を実現できる。したがって、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
【0578】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0579】
特に、本発明の一態様の表示パネルは、精細度を高めることが可能なため、比較的小さな表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。このような電子機器としては、例えば、腕時計型及びブレスレット型の情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、メガネ型のAR向け機器、及び、MR向け機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器等が挙げられる。
【0580】
本発明の一態様の表示パネルは、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K、8K、またはそれ以上の解像度とすることが好ましい。また、本発明の一態様の表示パネルにおける画素密度(精細度)は、100ppi以上が好ましく、300ppi以上が好ましく、500ppi以上がより好ましく、1000ppi以上がより好ましく、2000ppi以上がより好ましく、3000ppi以上がより好ましく、5000ppi以上がより好ましく、7000ppi以上がさらに好ましい。このように高い解像度及び高い精細度の一方または双方を有する表示パネルを用いることで、携帯型または家庭用途などのパーソナルユースの電子機器において、臨場感及び奥行き感などをより高めることが可能となる。また、本発明の一態様の表示パネルの画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、表示パネルは、1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
【0581】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0582】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0583】
図31(A)乃至図31(D)を用いて、頭部に装着可能なウェアラブル機器の一例を説明する。これらウェアラブル機器は、ARのコンテンツを表示する機能、及びVRのコンテンツを表示する機能の一方または双方を有する。なお、これらウェアラブル機器は、AR、VRの他に、SRまたはMRのコンテンツを表示する機能を有していてもよい。電子機器が、AR、VR、SR、及びMRなどのうち少なくとも一つのコンテンツを表示する機能を有することで、使用者の没入感を高めることが可能となる。図31(A)乃至図31(D)に示す電子機器は、本発明の一態様の表示システムにおける装着型の表示装置として好適である。
【0584】
図31(A)に示す電子機器700A、及び、図31(B)に示す電子機器700Bは、それぞれ、一対の表示パネル751と、一対の筐体721と、通信部(図示しない)と、一対の装着部723と、制御部(図示しない)と、撮像部(図示しない)と、一対の光学部材753と、フレーム757と、一対の鼻パッド758と、を有する。
【0585】
表示パネル751には、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。
【0586】
電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、光学部材753の表示領域756に、表示パネル751で表示した画像を投影することができる。光学部材753は透光性を有するため、使用者は光学部材753を通して視認される透過像に重ねて、表示領域に表示された画像を見ることができる。したがって、電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、AR表示が可能な電子機器である。
【0587】
電子機器700A、及び、電子機器700Bには、撮像部として、前方を撮像することのできるカメラが設けられていてもよい。また、電子機器700A、及び、電子機器700Bは、それぞれ、ジャイロセンサなどの加速度センサを備えることで、使用者の頭部の向きを検知して、その向きに応じた画像を表示領域756に表示することもできる。
【0588】
通信部は無線通信機を有し、当該無線通信機により映像信号等を供給することができる。なお、無線通信機に代えて、または無線通信機に加えて、映像信号及び電源電位が供給されるケーブルを接続可能なコネクタを備えていてもよい。
【0589】
また、電子機器700A、及び、電子機器700Bには、バッテリが設けられており、無線及び有線の一方または双方によって充電することができる。
【0590】
筐体721には、タッチセンサモジュールが設けられていてもよい。タッチセンサモジュールは、筐体721の外側の面がタッチされることを検出する機能を有する。タッチセンサモジュールにより、使用者のタップ操作またはスライド操作などを検出し、様々な処理を実行することができる。例えば、タップ操作によって動画の一時停止または再開などの処理を実行することが可能となり、スライド操作により、早送りまたは早戻しの処理を実行することなどが可能となる。また、2つの筐体721のそれぞれにタッチセンサモジュールを設けることで、操作の幅を広げることができる。
【0591】
タッチセンサモジュールとしては、様々なタッチセンサを適用することができる。例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式、光学方式等、種々の方式を採用することができる。特に、静電容量方式または光学方式のセンサを、タッチセンサモジュールに適用することが好ましい。
【0592】
光学方式のタッチセンサを用いる場合には、受光デバイス(受光素子ともいう)として、光電変換デバイス(光電変換素子ともいう)を用いることができる。光電変換デバイスの活性層には、無機半導体及び有機半導体の一方または双方を用いることができる。
【0593】
図31(C)に示す電子機器800A、及び、図31(D)に示す電子機器800Bは、それぞれ、一対の表示部820と、筐体821と、通信部822と、一対の装着部823と、制御部824と、一対の撮像部825と、一対のレンズ832と、を有する。
【0594】
表示部820には、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器とすることができる。これにより、使用者に高い没入感を感じさせることができる。
【0595】
表示部820は、筐体821の内部の、レンズ832を通して視認できる位置に設けられる。また、一対の表示部820に異なる画像を表示させることで、視差を用いた3次元表示を行うこともできる。
【0596】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、VR向けの電子機器ということができる。電子機器800Aまたは電子機器800Bを装着した使用者は、レンズ832を通して、表示部820に表示される画像を視認することができる。
【0597】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、レンズ832及び表示部820が、使用者の目の位置に応じて最適な位置となるように、これらの左右の位置を調整可能な機構を有していることが好ましい。また、レンズ832と表示部820との距離を変えることで、ピントを調整する機構を有していることが好ましい。
【0598】
装着部823により、使用者は電子機器800Aまたは電子機器800Bを頭部に装着することができる。なお、図31(C)などにおいては、メガネのつる(ジョイント、テンプルなどともいう)のような形状として例示しているがこれに限定されない。装着部823は、使用者が装着できればよく、例えば、ヘルメット型またはバンド型の形状としてもよい。
【0599】
撮像部825は、外部の情報を取得する機能を有する。撮像部825が取得したデータは、表示部820に出力することができる。撮像部825には、イメージセンサを用いることができる。また、望遠、広角などの複数の画角に対応可能なように複数のカメラを設けてもよい。
【0600】
なお、ここでは撮像部825を有する例を示したが、対象物の距離を測定することのできる測距センサ(以下、検知部ともよぶ)を設ければよい。すなわち、撮像部825は、検知部の一態様である。検知部としては、例えばイメージセンサ、または、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などの距離画像センサを用いることができる。カメラによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを用いることにより、より多くの情報を取得し、より高精度なジェスチャー操作を可能とすることができる。
【0601】
電子機器800Aは、骨伝導イヤホンとして機能する振動機構を有していてもよい。例えば、表示部820、筐体821、及び装着部823のいずれか一または複数に、当該振動機構を有する構成を適用することができる。これにより、別途、ヘッドホン、イヤホン、またはスピーカなどの音響機器を必要とせず、電子機器800Aを装着しただけで映像と音声を楽しむことができる。
【0602】
電子機器800A、及び、電子機器800Bは、それぞれ、入力端子を有していてもよい。入力端子には映像出力機器等からの映像信号、及び、電子機器内に設けられるバッテリを充電するための電力等を供給するケーブルを接続することができる。
【0603】
本発明の一態様の電子機器は、イヤホン750と無線通信を行う機能を有していてもよい。イヤホン750は、通信部(図示しない)を有し、無線通信機能を有する。イヤホン750は、無線通信機能により、電子機器から情報(例えば音声データ)を受信することができる。例えば、図31(A)に示す電子機器700Aは、無線通信機能によって、イヤホン750に情報を送信する機能を有する。また、例えば、図31(C)に示す電子機器800Aは、無線通信機能によって、イヤホン750に情報を送信する機能を有する。
【0604】
また、電子機器がイヤホン部を有していてもよい。図31(B)に示す電子機器700Bは、イヤホン部727を有する。例えば、イヤホン部727と制御部とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤホン部727と制御部とをつなぐ配線の一部は、筐体721または装着部723の内部に配置されていてもよい。
【0605】
同様に、図31(D)に示す電子機器800Bは、イヤホン部827を有する。例えば、イヤホン部827と制御部824とは、互いに有線接続されている構成とすることができる。イヤホン部827と制御部824とをつなぐ配線の一部は、筐体821または装着部823の内部に配置されていてもよい。また、イヤホン部827と装着部823とがマグネットを有していてもよい。これにより、イヤホン部827を装着部823に磁力によって固定することができ、収納が容易となり好ましい。
【0606】
なお、電子機器は、イヤホンまたはヘッドホンなどを接続することができる音声出力端子を有していてもよい。また、電子機器は、音声入力端子及び音声入力機構の一方または双方を有していてもよい。音声入力機構としては、例えば、マイクなどの集音装置を用いることができる。電子機器が音声入力機構を有することで、電子機器に、いわゆるヘッドセットとしての機能を付与してもよい。
【0607】
このように、本発明の一態様の電子機器としては、メガネ型(電子機器700A、及び、電子機器700Bなど)と、ゴーグル型(電子機器800A、及び、電子機器800Bなど)と、のどちらも好適である。
【0608】
また、本発明の一態様の電子機器は、有線または無線によって、イヤホンに情報を送信することができる。
【0609】
図32及び図33に示す電子機器は、本発明の一態様の表示システムにおける端末機として好適である。
【0610】
図32(A)に示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0611】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0612】
表示部6502に、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。
【0613】
図32(B)は、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0614】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0615】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
【0616】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0617】
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0618】
図32(C)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0619】
表示部7000に、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。
【0620】
図32(C)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチ、及び、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0621】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間など)の情報通信を行うことも可能である。
【0622】
図32(D)に、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0623】
表示部7000に、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。
【0624】
図32(E)及び図32(F)に、デジタルサイネージの一例を示す。
【0625】
図32(E)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0626】
図32(F)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0627】
図32(E)及び図32(F)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示パネルを適用することができる。
【0628】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0629】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0630】
また、図32(E)及び図32(F)に示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、使用者が所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0631】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数の使用者が同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0632】
図33(A)乃至図33(G)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0633】
図33(A)乃至図33(G)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画または動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0634】
図33(A)乃至図33(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
【0635】
図33(A)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字及び画像情報をその複数の面に表示することができる。図33(A)では3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールまたはSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0636】
図33(B)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0637】
図33(C)は、タブレット端末9103を示す斜視図である。タブレット端末9103は、一例として、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲーム等の種々のアプリケーションの実行が可能である。タブレット端末9103は、筐体9000の正面に表示部9001、カメラ9002、マイクロフォン9008、スピーカ9003を有し、筐体9000の左側面には操作用のボタンとしての操作キー9005、底面には接続端子9006を有する。
【0638】
図33(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチ(登録商標)として用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うこと、及び、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0639】
図33(E)乃至図33(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図33(E)は携帯情報端末9201を展開した状態、図33(G)は折り畳んだ状態、図33(F)は図33(E)と図33(G)の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0640】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0641】
AL:配線、CL:配線、GL:配線、PS:副画素、RL:配線、SL:配線、SLB:配線、SLG:配線、SLR:配線、10:表示システム、11:サーバ、12:ネットワーク、20a:ユーザ、20b:ユーザ、20c:ユーザ、20d:ユーザ、20e:ユーザ、20:ユーザ、21A:端末機、21a:端末機、21B:端末機、21b:端末機、21C:端末機、21c:端末機、21d:端末機、21e:端末機、21x:端末機、21:端末機、22A:表示装置、22a:表示装置、22b:表示装置、22c:表示装置、22d:表示装置、22e:表示装置、22:表示装置、25:アバター、26:オブジェクト、31:通信部、32:通信部、41:表示部、42:通信部、50:表示部、51:筐体、52:通信部、53:バンド、54:制御部、55:カメラ部、56:電源部、58:センサ部、59:第2の通信部、60:表示部、61:筐体、62:通信部、63:装着部、64:制御部、65:カメラ部、66:電源部、67:イヤホン、68:センサ部、69:ヘッドホン部、70L:左手、70R:右手
図1
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