IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特開2022-188014バニン阻害剤としてのヘテロ芳香族化合物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188014
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】バニン阻害剤としてのヘテロ芳香族化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/06 20060101AFI20221213BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221213BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20221213BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221213BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20221213BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221213BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221213BHJP
   A61P 11/14 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
C07D401/06 CSP
A61K31/4439
A61K45/00
A61P1/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/06
A61P13/12
A61P17/06
A61P19/02
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P37/06
C07D401/14
C07D405/14
A61P43/00 121
A61P37/08
A61P17/00
A61P43/00 105
C07D409/14
C07D413/14
A61K31/506
A61K31/444
A61K31/5377
A61K31/496
A61P1/16
A61P11/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022133354
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2021531556の分割
【原出願日】2019-12-02
(31)【優先権主張番号】18209721.2
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】フレック マルティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】コドブー セドリックス
(72)【発明者】
【氏名】クールマン ハネス フィエプコ
(57)【要約】
【課題】バニンに関連する疾患の治療剤及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、バニンに関連する疾患の治療に適した式Iの化合物(I)、これらの化合物を製造するための方法、これらの化合物を含有する医薬製剤、およびこれらの使用方法を包含する。
I
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
I
(式中、
nは、1または2を示し、
R1、R2およびR3は、互いに独立して、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-4-アルキル、CH3-O-、CH3-SO2-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-、および5~6員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-からなる群から選択されるか、または
R2とR3が一緒になって、3~6員炭素環またはNおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリルを形成するか、または
R1、R2およびR3が一緒になって、二環式5~8員炭素環またはNおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む二環式6~8員ヘテロシクリルを形成してもよく
(ここで、R1、R2およびR3の定義において、記載されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
R4は、R4.1R4.2N-、5~6員ヘテロアリール、NC-または5~6員ヘテロシクリルを示すか、または
R4は、式R4.aまたはR4.bの基を示し、
【化2】


(式中、
Xは、CH2、-NRXまたはOを示し
(ここで、RXは、HまたはC1-3-アルキルを示す)、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、1~3個のF原子、C3-4-シクロアルキルまたはC1-2-アルコキシで置換されていてもよいC1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、4~6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1個のハロゲン原子、H3C-O-または1~2個のメチルで置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-、(C1-3-アルキル)(C1-3-アルキル)N-CO-および5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択される)、
R4.2は、H、C1-4-アルキル、C3-4-シクロアルキル、C3-4-シクロアルキル-C1-2-アルキル-およびフェニル-C1-2-アルキル-からなる群から選択される
(ここで、R4.2の定義において、記載されたアルキル、シクロアルキルおよびフェニルは、1~3個のF原子または1個のC1-2-アルキル-O-で置換されていてもよい))、
R5は、HまたはC1-2-アルキルであるか、または
R4とR5が一緒になって、NおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリルを形成する)
【請求項2】
nが1を示す、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
nが2を示す、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R1がメチルを示す、請求項1~3のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R2がメチル基を示す、請求項1~4のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R3がヒドロキシで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示す、請求項1~5のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R2およびR3が一緒になって、4~6員炭素環または1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成する、請求項1~4のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
R4がR4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4が式R4.aまたはR4.bの基を示す
【化3】


(式中、
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-2-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-4-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された5~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および6員ヘテロアリールからなる群から選択され
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択される)、
R4.2は、メチル基を示す)、
請求項1~7のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R5がHまたはメチルを示す、請求項1~8のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
nが1または2を示し、
R1がメチルを示し、
R2がメチルを示し、
R3がヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示すか、または
R2とR3が一緒になって、4~6員炭素環または1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成し、
R4がR4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4が式R4.aまたはR4.bの基を示し
【化4】


(式中、
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および1または2個のN-原子を含む6員ヘテロアリールからなる群から選択され
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、Fおよび-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3およびCF3からなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、HおよびFからなる群から選択される)、
R4.2は、メチルを示す)、
R5がHまたはメチルを示す、
請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
実施例1.2、1.3、1.5、1.6、1.8、1.9、11、3.2、5.1および7.1からなる群から選択される、請求項1または10記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化5】
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化6】
IB
【請求項13】
治療有効量の、請求項1~11のいずれか1項記載の少なくとも1種の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、1種以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項14】
薬剤として使用するための、請求項1~11のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、高脂血症、結腸直腸癌または膵臓癌に関連する新規発症型糖尿病に罹患している患者を治療するための請求項1~11のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項16】
式Iの化合物に、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤からなる群から選択される薬学的に活性な化合物をさらに含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1 .技術分野
本発明は、バニンを阻害する新規化合物、それを含有する医薬組成物および薬剤としてのその使用に関する。
【0002】
2 .背景情報
バニン酵素のアイソフォーム1および2は、パンテチンおよびパンテテインをそれぞれパントテン酸およびシスタミンやシステアミンへ切断させることを触媒する単一ドメイン細胞外パンテテイナーゼである(Martin, Immunogenetics,(2001 May-Jun) Vol. 53, No. 4, pp. 296-306)。システアミンの生成は、低下したグルタチオンのレベルに起因する組織における酸化ストレスの増加に関連があり、多くの病的状態に特有の症状には、IBD(Xavier, Nature. 2011 Jun 15;474 (7351):307-17)、癌(Sosa, Ageing research reviews,(2013 Jan) Vol. 12, No. 1,pp. 376-90)および糖尿病(Lipinski, Journal of diabetes and its complications, (2001 Jul-Aug) Vol. 15, No. 4, pp. 203-10)が含まれる。
腸上皮におけるバニン-1活性の増加は、マウスモデルにおける酸化ストレスに対する耐性を減少させることによって、組織の損傷および炎症を促進することに関係している(Naquet, Biochem Soc Trans. 2014 Aug; 42(4):1094-100); (Berruyer, Molecular and cellular biology, (2004 Aug) Vol. 24, No. 16, pp. 7214-24); (Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27); (Pouyet, Inflammatory bowel diseases, (2010 Jan) Vol. 16, No. 1, pp. 96-104)。ホモ接合性のVNN1ノックアウト(KO)マウスは、血液および組織中にかなりのレベルのシステアミンを欠いており、酸化ストレスに対するグルタチオン媒介組織抵抗性を示す(Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27)。さらに、これらのマウスは、TNBS、DSSおよび住血吸虫誘発性大腸炎モデルにおいて、腸の損傷から保護される(Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27; Pouyet, Inflammatory bowel diseases, (2010 Jan) Vol. 16, No. 1, pp. 96-104; Martin, The Journal of clinical investigation, (2004 Feb) Vol. 113, No. 4, pp. 591-7)。齧歯類にバニン-2が欠如していることを考えれば、システアミンの唯一の供給源はバニン-1からであり、従って、VNN1 KOマウスの保護表現型はシステアミンの欠如に起因する。
【0003】
ヒトにおいて、バニン-1は、UCおよびCD患者からの組織生検において腸上皮でアップレギュレートされることが観察され、増加したVNN1発現を導くVNN1遺伝子の調節領域における機能的多型は、増加したIBD感受性(P=0.0003ヘテロ接合型対野生型)に関連した(Gensollen, Inflammatory bowel diseases, (2013 Oct) Vol. 19, No. 11, pp. 2315-25)。
さらに、皮膚および血液中のバニン-1活性のアップレギュレーションは、全身性硬化症患者の線維症の発症および重症度に関連があり(Kavian, Journal of immunology (Baltimore, Md.:1950), (20161015) Vol. 197, No. 8, pp. 3326-3335)、上昇したレベルのバニン-1は、慢性若年性特発性血小板減少症(Zhang, Blood, (2011 Apr 28) Vol. 117, No. 17, pp. 4569-79)、乾癬およびアトピー性皮膚炎(Jansen, The Journal of investigative dermatology, (2009 Sep) Vol. 129, No. 9, pp. 2167-74)において観察されている。
上昇したバニン-1発現および活性もまた存在し、膵臓癌関連の新規発症型糖尿病のバイオマーカーとして機能し(Kang, Cancer Letters (New York, NY, United States) (2016), 373(2), 241-250)、結腸直腸癌における治療に対して不充分な予後と応答とも相関している(Chai, American journal of translational research, (2016) Vol. 8, No. 10, pp. 4455-4463)。
WO2018011681号およびWO2016193844号は、一連の疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎の治療のためのバニン阻害剤を開示している。
【0004】
本発明により解決されるべき課題は、バニン酵素の阻害剤として、好ましくはバニン-1酵素の阻害剤として作用する新規化合物を提供することである。
驚くべきことに、本発明の化合物が強力なバニン-1阻害剤活性を有し、好ましくはVNN-1 IC50 [nM]<100、好ましくはIC50 [nM]<10、特に好ましくはIC50 [nM]<1の阻害を示すことが見出された。
体内での滞留時間が長い薬は、それらがより長い時間有効なままであるので、低用量で使用できることから好ましい。驚くべきことに、本発明の化合物は、良好な平均滞留時間(MRT)を示す。
さらに、本発明の化合物は、その薬物動態学的および薬理学的プロフィール、例えば良好な溶解性および良好な代謝安定性のために好ましいさらなる能力を示す。本発明の化合物のさらなる利点は、良好な化学安定性および良好な透過性である。
【0005】
本発明の詳細な説明
驚くべきことに、上記の課題は、本発明の式Iの化合物によって解決されることが見出された。
【0006】
従って、本発明は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する:
【化1】
I
(式中、
nは、1または2を示し、
R1、R2およびR3は、互いに独立して、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-4-アルキル、CH3-O-、CH3-SO2-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-、および5~6員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-からなる群から選択されるか、または
R2とR3が一緒になって、3~6員炭素環またはNおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリルを形成するか、または
R1、R2およびR3が一緒になって、二環式5~8員炭素環またはNおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む二環式6~8員ヘテロシクリルを形成してもよく、
(ここで、R1、R2およびR3の定義において、記載されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
R4は、R4.1R4.2N-、5~6員ヘテロアリール、NC-または5~6員ヘテロシクリルを示すか、または
R4は、式R4.aまたはR4.bの基を示し、
【化2】


(式中、
Xは、CH2、-NRXまたはOを示し、
(ここで、RXは、HまたはC1-3-アルキルを示す)、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、1~3個のF原子、C3-4-シクロアルキルまたはC1-2-アルコキシで置換されていてもよいC1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、4~6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1個のハロゲン原子、H3C-O-または1~2個のメチルで置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-、(C1-3-アルキル)(C1-3-アルキル)N-CO-および5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択される)、
R4.2は、H、C1-4-アルキル、C3-4-シクロアルキル、C3-4-シクロアルキル-C1-2-アルキル-およびフェニル-C1-2-アルキル-からなる群から選択され、
(ここで、R4.2の定義において、記載されたアルキル、シクロアルキルおよびフェニルは、1~3個のF原子または1個のC1-2-アルキル-O-で置換されていてもよい))、
R5は、HまたはC1-2-アルキルであるか、または
R4とR5が一緒になって、NおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリルを形成する)。
【0007】
好ましい実施形態
本発明の別の実施形態において、nは1を示す。
本発明の別の実施形態において、nは2を示す。
本発明の別の実施形態において、R1は、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-3-アルキル、CH3-O-、CH3-SO2-、1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-および1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態において、R1は、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1はC1-3-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1はCH3-O-を示す。
本発明の別の実施形態において、R1はCH3-SO2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R1は、1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R1は、1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1はメチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1はエチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1はプロピルを示す。
【0008】
本発明の別の実施形態において、R2は、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-3-アルキル、CH3-O-、CH3-SO2-、1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-および1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態において、R1は、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R2はC1-3-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R2はCH3-O-を示す。
本発明の別の実施形態において、R2はCH3-SO2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R2は、1個のF原子で置換されていてもよいでフェニル-CH2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R2は、1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-を示す。
本発明の別の実施形態において、R2はメチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R2はエチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R2はプロピルを示す。
【0009】
本発明の別の実施形態において、R3は、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-3-アルキル、CH3-O-、CH3-SO2-、1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-および1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキル-からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態において、R3は、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R3はメチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R3はエチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R3はプロピルを示す。
本発明の別の実施形態において、R3はCH3-O-を示す。
本発明の別の実施形態において、R3はCH3-SO2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R3は、1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CH2-を示す。
本発明の別の実施形態において、R3は、1または2個のN原子を含む5員ヘテロアリール-C1-2-アルキルを示す。
本発明の別の実施形態において、R3は、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示す。
【0010】
本発明の別の実施形態において、R1、R2およびR3は、メチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R1およびR2は、メチルを示す。
【0011】
本発明の別の実施形態において、
R1、R2およびR3は一緒になって、二環式5~6員炭素環またはNおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む二環式6~8員ヘテロシクリルを形成してもよい、
(ここで、R1、R2およびR3の定義において、記載されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のFまたはCl原子、好ましくはF原子で置換されていてもよい)。
【0012】
本発明の別の実施形態において、
R1、R2およびR3は一緒になって、二環式5員炭素環を形成してもよい。
本発明の別の実施形態において、
R2およびR3は一緒になって、4~6員炭素環または1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成する。
本発明の別の実施形態において、R2およびR3は一緒になって4~6員炭素環を形成する。
本発明の別の実施形態において、R2およびR3は一緒になってシクロブチルを形成する。
本発明の別の実施形態において、R2およびR3は一緒になってシクロペンチルを形成する。
本発明の別の実施形態において、R2およびR3は一緒になってシクロヘキシルを形成する。
本発明の別の実施形態において、R2およびR3は一緒になって1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成する。
【0013】
本発明の別の実施形態において、
R4は、R4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4は、式R4.aまたはR4.bの基を示す、
【化3】


(式中
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-2-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-4-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された5~6員ヘテロシクリル-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-、6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、H、-CH3、F、CF3および-CNからなる群から選択される)、
R4.2は、メチルを示す)。
【0014】
本発明の別の実施形態において、
R4は、式R4.aまたはR4.bの基を示す、
【化4】


(式中
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチル基で置換されていてもよい)。
【0015】
本発明の別の実施形態において、R4は、式R4.aの基を示す(式中、
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aは、メチルで置換されていてもよい)。
本発明の別の実施形態において、R4は、式R4.bの基を示す(式中、
Xは、CH2またはOを示し、
R4.bは、メチルで置換されていてもよい)。
本発明の別の実施形態において、Xは、CH2を示す。
本発明の別の実施形態において、Xは、Oを示す。
【0016】
本発明の別の実施形態において、R4は、R4.1R4.2N-、ピリジニル、ピリミジニルおよびNC-からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態において、R4は、R4.1R4.2N-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4は、ピリジニルを示す。
本発明の別の実施形態において、R4は、ピリミジニルを示す。
本発明の別の実施形態において、R4は、NC-を示す。
【0017】
本発明の別の実施形態において、R4.1は、C1-2-アルキル-CO-、FまたはCNで置換されていてもよいC3-4-シクロアルキル-CO-、メチルまたはCF3で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル-CO-、Clで置換されていてもよいモルホリニル-CH2-CO-、Clで置換されていてもよいチオフェンおよび1個のF原子で置換されていてもよいフェニル-CO-、ピリミジンからなる群から選択される。
【0018】
本発明の別の実施形態において、R4.1は、C1-2-アルキル-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、メチル-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-4-シクロアルキル-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、R4.1.3およびR4.1.4で置換された5~6員ヘテロシクリル-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5員ヘテロアリール-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1は、6員ヘテロアリール、好ましくはピリミジンを示す。
【0019】
本発明の別の実施形態において、R4.1.1およびR4.1.2は、Hを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.1およびR4.1.2は、Fを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.1は、Hを示し、R4.1.2は、Fを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.1はHを示し、R4.1.2は、-CNを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.3およびR4.1.4は、Hを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.3は、Hを示し、R4.1.4はCH3を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.3は、Hを示し、R4.1.4は、CF3を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.3は、CH3を示し、R4.1.4は、CF3を示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.5およびR4.1.6は、Hを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.5は、Hを示し、R4.1.6は、Fを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.1.5およびR4.1.6は、Fを示す。
【0020】
本発明の別の実施形態において、R4.2は、1~3個のF原子または1個のC1-2-アルキル-O-で置換されていてもよいメチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R4.2は、メチルを示す。
【0021】
本発明の別の実施形態において、R5は、Hまたはメチルを示す。
本発明の別の実施形態において、R5は、Hである。
本発明の別の実施形態において、R5は、メチルを示す。
【0022】
本発明の別の実施形態において、
nは、1または2を示し、
R1は、メチルを示し、
R2は、メチルを示し、
R3は、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルであるか、または、
R2とR3が一緒になって、4~6員炭素環または1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成し、
R4は、R4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4は、式R4.aまたはR4.bの基を示し、
【化5】


(式中
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および1または2個のN原子を含む6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで、
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、Fおよび-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3およびCF3からなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、HおよびFからなる群から選択される)、
R4.2はメチルを示す)、
R5は、Hまたはメチルを示す。
【0023】
nが、2を示し、
R1が、メチルを示し、
R2が、メチルを示し、
R3が、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3-アルキルを示し、
R4が、R4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4が、式R4.aまたはR4.bの基を示し、
【化6】


(式中
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および1または2個のN原子を含む6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、Fおよび-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3およびCF3からなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、HおよびFからなる群から選択される)、
R4.2はメチルを示す)、
R5が、Hまたはメチルを示す、
請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0024】
nが、2を示し、
R1が、メチルを示し、
R2およびR3が一緒になって、4~6員炭素環または1個の酸素原子を含む6員ヘテロシクリルを形成し、
R4が、R4.1R4.2N-、ピリジニルおよびNC-からなる群から選択されるか、または
R4が、式R4.aまたはR4.bの基を示し、
【化7】


(式中
Xは、CH2またはOを示し、
R4.aおよびR4.bは、互いに独立して、メチルで置換されていてもよく、
R4.1は、C1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および1または2個のN原子を含む6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、Fおよび-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3およびCF3からなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、HおよびFからなる群から選択される)、
R4.2はメチルを示す)、
R5が、Hまたはメチルを示す、
請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0025】
nが、2を示し、
R1が、メチルを示し、
R2が、メチルを示し、
R3が、ヒドロキシルで置換されていてもよいC1-3アルキルを示し、
R4が、R4.1R4.2N-を示し、
R4.1が、C1-4-アルキル-CO-、R4.1.1およびR4.1.2で置換されたC3-5-シクロアルキル-CO-、R4.1.3およびR4.1.4で置換された4~6員ヘテロシクリル-CO-、6員ヘテロシクリル-CH2-CO-、1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよい5~6員ヘテロアリール-CO-、R4.1.5およびR4.1.6で置換されたフェニル-CO-および1または2個のN原子を含む6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
(ここで
R4.1.1、R4.1.2は、互いに独立して、H、Fおよび-CNからなる群から選択され、
R4.1.3、R4.1.4は、互いに独立して、H、-CH3およびCF3からなる群から選択され、
R4.1.5、R4.1.6は、互いに独立して、HおよびFからなる群から選択される)、
R4.2が、メチルを示し、
R5が、Hまたはメチルを示す、
請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2、1.3、1.5、1.6、1.8、1.9、1.11、3.2、5.1および7.1からなる群から選択される、上記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【化8】
【0027】
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2、1.3、1.5、1.6、1.8、1.9、1.11、5.1および7.1からなる群から選択される、上記式Iの化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2、1.3、1.5、1.8、1.11、3.2および5.1からなる群から選択される、上記式Iの化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.6および1.9からなる群から選択される、上記式Iの化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.3の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.5の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.6の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.8の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.9の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.11の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例3.2の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例5.1の化合物である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例7.1.の化合物である。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2、1.3、1.5、1.6、1.8、1.9、1.11、5.1および7.1からなる群から選択される、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2、1.3、1.5、1.8、1.11、3.2および5.1からなる群から選択される、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.6および1.9からなる群から選択される、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.2の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.3の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.5の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.6の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.8の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.9の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例1.11の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例3.2の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例5.1の化合物の薬学的に許容される塩である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例7.1.の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0029】
本発明の別の実施形態は、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【化9】
IA
【0030】
本発明の別の実施形態は、式IBの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【化10】
IB
R1、R2、R3、R4、R5、R4.1、R4.2、R4.1.1、R4.1.2、R4.1.3、R4.1.4、R4.1.5、R4.1.6、Rx、nおよびXの定義のいずれもおよび各々は、互いに組合せることができる。
【0031】
本発明のさらなる実施形態は、治療有効量の式Iの少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容される塩および1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。
本発明のさらなる実施形態は、薬剤として使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
さらに、本発明は、炎症性疾患、好ましくは炎症性腸疾患の治療および/または予防が含まれるがこれに限定されない、バニン-1またはバニン-2、特にバニン-1に関連するかまたはそれによってモジュレートする疾患および/または症状の治療および/または予防のための一般式Iの化合物の使用に関する。
【0032】
本発明のさらなる実施形態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、高脂血症、結腸直腸癌または膵臓癌に関連する新規発症型糖尿病を罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
【0033】
本発明のさらなる実施形態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、慢性閉塞性肺疾患またはアトピー性皮膚炎、好ましくはクローン病、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)またはアトピー性皮膚炎、特にクローン病または潰瘍性大腸炎に罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、中程度から重度のクローン病に罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、潰瘍性大腸炎に罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、アトピー性皮膚炎に罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる態様は、NASHに罹患している患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
さらなる実施形態において、治療有効量の、第1の実施形態またはその関連する実施形態のいずれにもに従う化合物またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含むクローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、高脂血症、結腸直腸癌または膵臓癌に関連する新規発症型糖尿病から選ばれた疾患を治療する方法を提供する。
【0034】
さらなる実施形態において、下記に示される方法によって、第1の実施形態またはその関連する実施形態のいずれにも従う化合物を調製するための方法が提供される。
さらなる態様において、本発明は、上記疾患および症状の治療および/または予防に使用するための一般式1の化合物に関する。
さらなる態様において、本発明は、上記疾患および症状の治療および/または予防のための薬剤の調製のための一般式1の化合物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、上記疾患および症状の治療または予防のための方法であって、有効量の一般式1の化合物を人間に投与することを含む、上記方法に関する。
実際の薬学的に有効な量または治療用量は、通常、患者の年齢および体重、投与経路ならびに疾患の重症度のような当業者に知られている因子に依存するであろう。いずれの場合においても、上記化合物は、患者の特有の状態に基づいて、薬学的に有効な量が送達されることを可能にするような用量および様式で投与されるであろう。
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物に、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤からなる群から選択される薬学的に活性な化合物をさらに含む医薬組成物である。
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物に、免疫調節剤、抗炎症剤、または化学療法剤からなる群から選択される薬学的に活性な化合物をさらに含む医薬組成物である。このような作用物質の例としては、シクロホスファミド、ミコフェノール酸(MMF)、ヒドロキシクロロキン、グルココルチコイド、コルチコステロイド、免疫抑制剤、NSAID、非特異的およびCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害剤、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体拮抗薬、IL12/23およびIL23アンタゴニスト、α4β7インテグリン遮断抗体、非選択的および選択的JAKキナーゼ阻害剤およびメトトレキセートが挙げられるがこれらに限定されず、2種または3種の活性物質の組合せも挙げられる。
【0035】
定義
本明細書で特に定義されていない用語は、本開示および文脈に照らして当業者によってそれらに与えられる意味を与えられるべきである。しかしながら、本明細書で使用されているように、逆に指定されない限り、下記の用語は示された意味を有し、下記の表記法が支持される。
下記に定義される基、ラジカル、または部分において、炭素原子の数は、しばしば、基の前に特定され、例えば、C1-6-アルキルは、炭素原子が1~6個のアルキル基またはラジカルを意味する。一般に、HO、H2N、(O)S、(O)2S、CN(シアノ)、HOOC、F3Cなどのような基において、当業者は、基自体の遊離価から分子へのラジカル結合点を見ることができる。2つ以上のサブ基を含む組合せた基の場合、最後の命名されたサブ基は、ラジカル結合点であり、例えば、置換基「アリール-C1-3-アルキル」は、C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、それがコアに結合しているか、または置換基が結合している基に結合している。
本発明の化合物が化学名の形態で描写される場合および式として何らかの矛盾がある場合には、その式が優先するものとする。
置換基の原子の数え方は、コアに最も近い原子からまたは置換基が結合している基に対して開始する。
【0036】
例えば、「3-カルボキシプロピル基」という用語は、下記の置換基を表す:
【化11】
(ここで、カルボキシ基はプロピル基の第三の炭素原子に結合している)。
「1-メチルプロピル-」、「2,2-ジメチルプロピル-」または「シクロプロピルメチル-」基という用語は、下記の基を表す:
【化12】
星印は、定義されるようにコア分子に接続される結合を示すために、サブ式で使用され得る。
【0037】
本明細書に使用される「置換された」という用語は、指定された原子の通常の原子価を超えず、置換が安定な化合物をもたらす限り、指定された原子についていずれか1個または複数の水素が示された基からの選択で置換されることを意味する。
特に明記しない限り、明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式または名称は、互変異性体および全ての立体異性体、光学異性体および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)およびそれらのラセミ体、ならびにこのような異性体およびエナンチオマーが存在する前述の形態のいずれもの混合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩およびそれらの溶媒和物、例えば、遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含む水和物を含む塩を包含するものとする。
【0038】
一般に、実質的に純粋な立体異性体は、例えば対応する混合物の分離、立体化学的に純粋な出発物質の使用、および/または立体選択的合成によって、当業者に公知の合成原理に従って得ることができる。ラセミ体の分割によってまたは合成、例えば光学的に活性な出発物質から開始することによっておよび/またはキラル試薬を使用することによって、光学的に活性な形態を調製する方法が当該技術において知られている。本発明のエナンチオマー的に純粋な化合物または中間体は、例えば、公知の方法により(例えば、クロマトグラフィー分離または結晶化により)分離され得る適切なジアステレオマー化合物または中間体の調製およびその後の分離によって、および/またはキラルな出発物質、キラル触媒またはキラル補助剤のようなキラル試薬を使用することによって、非対称合成を介して調製され得る。
さらに、当業者には、対応するラセミ混合物からエナンチオマー的に純粋な化合物を調製する方法、例えば、キラル固定相上の対応するラセミ混合物のクロマトグラフィー分離によって、または適当な分割剤を用いたラセミ混合物の分割によって、例えばラセミ化合物と光学的に活性な酸または塩基とのジアステレオマー塩形成、その後の塩の分割および所望の化合物の塩からの放出によって、または光学的に活性なキラル補助試薬による対応するラセミ化合物の誘導体化、その後のジアステレオマーの分離およびキラル補助基の除去によって、またはラセミ体の速度論的分割によって(例えば酵素分割によって)、適切な条件下でエナンチオモルフ結晶の集合体からエナンチオ選択的結晶化によって、または光学的に活性なキラル補助剤の存在下に適当な溶媒からの(分別)結晶化によって調製する方法が知られている。
【0039】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または合併症を伴わずに人間および動物の組織と接触して使用するのに適しており、かつ合理的な利益/リスク比に相応する、これらの化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために使用される。
本明細書に使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性または塩基性塩を製造することにより変性される、開示された化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、このような塩には、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸および酒石酸からの塩が挙げられる。
さらに薬学的に許容される塩は、アンモニア、L-アルギニン、カルシウム、2,2'-イミノビスエタノール、L-リジン、マグネシウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、ナトリウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンからのカチオンで形成できる。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、充分な量の適切な塩基または酸と水中でまたはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような有機希釈剤、またはそれらの混合物中で反応させることによって調製できる。
上記以外の酸の塩、例えば、本発明の化合物を精製または単離するのに有用な塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を含んでいる。
【0040】
ハロゲンという用語は、一般に、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
「C1-n-アルキル」(ここで、nは、2、3、4、5または6、好ましくは4または6から選択される整数である)という用語は、単独でまたは別の基と組合せて、1~n個のC原子を有する分枝鎖または直鎖の非環式飽和炭化水素基を示す。例えば、C1-5-アルキルという用語は、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-およびH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。
【0041】
「C3-n-シクロアルキル」(ここで、nは、4~nの整数である)という用語は、単独でまたは別の基と組合せて、3~n個のC原子を有する環式非分枝鎖飽和炭化水素基を示す。例えば、C3-7-シクロアルキルという用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
「カルボシクリル」または「炭素環」という用語は、単独でまたは別の基と組合せて使用される場合、3~14個の炭素原子からなる単環、二環または三環構造を意味する。「カルボシクリル」または「炭素環」という用語は、完全に飽和した芳香族環系および部分的に飽和した環系を意味する。「カルボシクリル」または「炭素環」という用語は、縮合、架橋およびスピロ環系を包含する。
【化13】
本明細書に使用される「アリール」という用語は、単独でまたは別の基と組合せて、芳香族の飽和または不飽和であってもよい第2の5員または6員の炭素環式基にさらに縮合されていてもよい6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を意味する。アリールとしては、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチルおよびジヒドロナフチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、ヘテロ原子のいずれもが芳香環の一部ではない3~14個の環原子からなる、N、OまたはS(O)r(ここで、r=0、1または2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含む芳香環系が含まれる飽和または不飽和の単環または多環式環系を意味する。「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、全ての可能な異性体を含むことを意図している。
従って、「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語には、それぞれの形態としての基が適切な原子価が維持される限り任意の原子に共有結合により結合されていてもよい
ように示されていない下記の例示的な構造が含まれる:
【化14】

【0043】
「ヘテロアリール」という用語は、ヘテロ原子の少なくとも1個が芳香環の一部である5~14個の環原子からなる、N、OまたはS(O)r(ここで、r=0、1または2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含む単環または多環系を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、全ての可能な異性体を含むことを意図している。
従って、「ヘテロアリール」という用語には、それぞれの形態としての基が適切な原子価が維持される限りいずれの原子にも共有結合により結合されていてもよいように示されていない下記の例示的な構造が含まれる:
【化15】
【0044】
上で示された用語の多くは、式または基の定義において、繰り返し使用することができ、各場合には、互いに独立して、上で示された意味の1つを有する。
式1の化合物を投与するのに適した製剤は、当業者には明らかであり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ、注射剤、吸入剤および散剤など、好ましくは錠剤が挙げられる。
適切な錠剤は、例えば、式Iに従う1種以上の化合物と、既知の賦形剤、例えば不活性希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤および/または滑沢剤とを混合することによって得ることができる。
本発明のための治療有効量は、病気の症状を取り除くかもしくはこれらの症状を軽減するか、または治療された患者の生存を延長することのできる物質の量を意味する。
【0045】
略語のリスト


【0046】
本発明に従う化合物の調製
一般的な合成方法
本発明に従う化合物およびそれらの中間体は、当業者に公知であり、有機合成の文献に記載されている合成方法を用いて得ることができる。好ましくは、これらの化合物は、以下に詳細に説明される調製方法、特に実験の項に記載されている方法と類似の方法で得られる。場合によっては、反応工程を実施する順序を変えることができる。当業者に知られているが、ここで詳細には記載されていない反応方法の変形例を使用してもよい。
本発明に従う化合物を調製するための一般的なプロセスは、下記のスキームを研究する当業者に明らかになるであろう。出発物質は、文献または本明細書に記載されている方法によって調製してもよく、類似したまたは同様の方法で調製してもよい。出発物質または中間体中の任意の官能基は、従来の保護基を用いて保護され得る。これらの保護基は、当業者に周知の方法を使用して、反応順序内の適切な段階で再び切断され得る。
本発明に従う化合物は、一般式の置換基が先に示した意味を有する、以下に記載する合成方法により調製される。これらの方法は、その主題およびこれらの実施例に記載された化合物の範囲を制限することなく、本発明の例示として意図されている。出発化合物の調製が記載されていない場合、それらは商業的に入手可能であるか、または本明細書に記載される既知の化合物または方法と同様に調製され得る。文献に記載された物質は、公表された合成方法に従って調製される。
【0047】
式Iの化合物は、下記のスキームIに示すように調製できる。
スキームI:
【化16】
スキームIにおいて、ピリジンAを適当な第一級アミンで高温下に処理してピリジンBを生成させる。次の工程として適切な複素環とアミドカップリング(例えば、カップリング試薬としてTBTUまたはHATU)して、一般式(I)の化合物を得る。
【0048】
あるいは、式Iの化合物は、下記のスキームIIに示すように調製できる。
スキームII:
【化17】
スキームIIにおいて、酸塩化物Aを適切な複素環で処理してピリジンBを生成する。ピリジンB中の脱離基は、高温を使用して適切な第一級アミンに置換されて一般式(I)の化合物を得る。
【0049】
式IIの化合物は、下記のスキームIIIに示すように調製できる。
スキームIII:
【化18】
スキームIIIにおいて、ピリジンAを高温下で適切な第一級アミンで処理してピリジンBを生成する。次の工程として適切なN-置換されN-保護された複素環とアミドカップリング(例えばカップリング試薬としてTBTUまたはHATU)して、アミドCを得る。脱保護(例えばPG=BOCの場合にはHClまたはTFA)した後、別のアミドカップリング(例えば、カップリング試薬としてTBTUまたはHATU)または尿素形成反応(例えば、試薬としてアミノ-カルボニル-クロリドまたはイソシアネート)によって一般式(II)の化合物を得る。
【0050】
あるいは、式IIの化合物は、下記のスキームIVに示すように調製できる。
スキームIV:
【化19】
スキームIVにおいて、酸塩化物Aを適当なN-置換されN-保護された複素環で処理してピリジンBを生成する。脱保護(例えば、PG=BOCの場合にはHClまたはTFA)した後、アミドカップリング(例えば、カップリング試薬としてTBTUまたはHATU)して化合物Dを得る。化合物D中の脱離基は、高温を用いて適切な第一級アミンで置換されて一般式(II)の化合物を得ることができる。
本発明の特徴および利点は、その範囲を限定することなく、一例として本発明の基本を例示する下記の詳細な実施例から明らかになるであろう。
「周囲温度」および「室温」という用語は、交換可能に使用され、約20℃、例えば19℃と24℃の間の温度を指定している。
【0051】
出発化合物の調製
実施例I
6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸
【化20】
1.5g(10.6mmol)の6-フルオロ-ニコチン酸および10mLのNMP中の5.59mL(53.2mmol)のtert-ブチルアミンを130℃で68時間撹拌する。この反応混合物をHCl(4M溶液)で酸性化し、HPLC(ACN/H2O/TFA)で精製する。
C10H14N2O2 (M=194.2g/mol)
ESI-MS: 195[M+H]+
Rt(HPLC): 0.57分(方法B)
【0052】
実施例II
tert-ブチルN-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-N-メチルカルバメート
【化21】
0.30g(1.55mmol)の6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(実施例I)、0.36g(1.78mmol)のtert-ブチルN-メチル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバメート、0.55g(1.70mmol)のTBTU、0.67mL(3.86mmol)のDIPEAおよび10mlのDMFの混合物を室温で一晩撹拌する。この混合物を50mLのNaHCO3飽和溶液に注ぎ、EtOAcで抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去する。
C20H32N4O3 (M=376.5g/mol)
ESI-MS: 377[M+H]+
Rt(HPLC): 1.03分(方法C)
【0053】
実施例III
N-tert-ブチル-5-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]ピリジン-2-アミン二塩酸塩
【化22】
250mg(0.664mmol)のtert-ブチルN-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-N-メチルカルバメート(実施例II)に10mLのHCl(4Mジオキサン溶液)を添加し、室温で3時間撹拌する。この反応混合物を真空中で濃縮する。
C15H24N4O*2HCl (M=349.3g/mol)
ESI-MS: 277[M+H]+
Rt(HPLC): 0.27分(方法A)
【0054】
実施例IV
(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)-N-メチルピロリジン-3-アミントリフルオロ酢酸
【化23】
2.84g(14.2mmol)の(S)-3-(N-boc-N-メチルアミノ)ピロリジンおよび40mLのDCM中の9.86mL(70.8mmol)のTEAに、0℃で30mLのDCMに溶解した2.26g(14.2mmol)の2-フルオロピリジン-5-カルボニルクロリドを滴下する。0℃で10分間撹拌した後、この反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去し、残りの粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH、99/1->90/10)で精製する。
上記生成物を25mLのDCMに溶解し、次いで5mLのTFAを添加し、この反応混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をさらに精製することなく使用する。
C11H14FN3O*C2HF3O2 (M=337.3g/mol)
ESI-MS: 224[M+H]+
Rt(HPLC): 0.61分(方法C)
【0055】
実施例V
N-[(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-メチルシクロプロパンカルボキサミド
【化24】
2.40g(7.12mmol)の(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)-N-メチルピロリジン-3-アミントリフルオロ酢酸(実施例IV)および40mLのDCM中の4.95mL(35.6mmol)のTEAに、0℃で10mLのDCMに溶解した0.81g(7.83mmol)のシクロプロパンカルボニルクロリドを滴下する。0℃で10分間撹拌した後、この反応混合物をNaHCO3飽和水溶液と水の1:1混合物で2回抽出する。その後、有機層をNaCl飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH、99/1->90/10)で精製する。
C15H18FN3O2 (M=291.3g/mol)
ESI-MS: 292[M+H]+
Rt(HPLC): 0.72分(方法A)
【0056】
実施例VI
N-メチル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセトアミド塩酸塩
【化25】
25mlのTHF中の2.5g(11.0mmol)のtert-ブチル(3S)-3-アセトアミドピロリジン-1-カルボキシレートおよび1mL(15.9mmol)のヨードメタンの混合物を-10℃に冷却する。次いで、0.75g(18.8mmol)のNaH(60%)を添加し、この混合物を室温で一晩撹拌する。この反応混合物をH2OおよびEtOAcで急冷し、5分間激しく撹拌する。層を分離し、H2O層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を相分離カートリッジ上で乾燥し、真空中で濃縮する。
中間体
C12H22N2O3 (M=242.3g/mol)
ESI-MS: 187[M-tBu+H]+
Rt(HPLC): 0.82分(方法C)
この中間体をジオキサン中で10mLのHClで処理し、週末に室温で撹拌する。得られた沈殿物を濾別し、ジオキサンで洗浄し、真空中で乾燥して生成物を得る。
C7H14N2O*HCl (M=178.7g/mol)
ESI-MS: 143[M+H]+
Rt(HPLC): 0.30分(方法C)
【0057】
実施例VII
実施例VII.1(一般的な経路)
N-[(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-メチルアセトアミド
【化26】
4.00g(22.4mmol)のN-メチル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセトアミド塩酸塩(実施例VI)および30mLのDCM中の14.8mL(106.6mmol)のTEAに、0℃で5mLのDCMに溶解した3.40g(21.3mmol)の2-フルオロピリジン-5-カルボニルクロリド(CAS No.65352-94-5)を滴下する。0℃で10分間撹拌した後、この反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH、98/2->85/15)で精製する。
C13H16FN3O2 (M=265.3g/mol)
ESI-MS: 266[M+H]+
Rt(HPLC): 0.63分(方法A)
【0058】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例VII.1)に従って調製される:
【化27】
【0059】
実施例VIII
実施例VIII.1(一般的な経路)
3-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-1,3-オキサゾリジン-2-オン塩酸塩
【化28】
0.5mLのDCMおよび4mLのNaOH(50%)中の2.00g(10.7mmol)のtert-ブチル(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシレートの混合物を0℃に冷却する。0.5mLのDCM中の1.38g(9.66mmol)の2-クロロエチルカルボノクロリデートの混合物を滴下し、この反応混合物を0℃で1時間撹拌する。3.48g(5.37mmol)のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(40%MeOH溶液)を添加し、この混合物を室温で一晩撹拌する。この混合物をH2Oで急冷し、DCMで抽出する。合わせた有機層を相分離カートリッジ上で乾燥し、溶媒を真空中で除去する。
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CyH/EtOAc)で精製する。
C12H20N2O4 (M = 256.3g/mol)
ESI-MS: 201[M-tBU+H]+
Rt(HPLC): 0.82分(方法C)
上記生成物を2.5mLのジオキサン、5mL(20.0mmol)のHClジオキサン溶液(4mol/L)およびいくらかのMeOHに添加し、この混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空中で除去して、生成物を得る。
C7H12N2O2*HCl (M=192.6g/mol)
ESI-MS: 157[M+H]+
Rt(HPLC): 0.17分(方法C)
【0060】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例VIII.1)に従って調製される:
【化29】
【0061】
実施例IX
N-メチル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]ピリミジン-2-アミン塩酸塩
【化30】
1.00g(6.29mmol)の2-ブロモピリミジン、1.51g(7.55mmol)のtert-ブチル(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート、3.81mL(22.0mmol)のDIPEAおよび10mLのDMFの混合物を120℃で2時間撹拌する。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH、100/0->96/4)で精製する。
C14H22N4O2 (M=278.4g/mol)
ESI-MS: 279[M+H]+
Rt(HPLC): 0.87分(方法A)
上記の生成物に、ジオキサン(4mol/L)中の10mLのMeOHおよび4mlのHClを添加し、この混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空中で除去して最終生成物を得る。
C9H14N4*HCl (M=214.7g/mol)
ESI-MS: 179[M+H]
Rt(HPLC): 0.15分(方法A)
【0062】
実施例X
1-{[(3S)-1-ベンジルピロリジン-3-イル]アミノ}プロパン-2-オール
【化31】
7mLのメタノール中の500mg(2.84mmol)の(3S)-1-ベンジルピロリジン-3-アミンに、0.40mL(5.72mmol)の2-メチルオキシランを添加し、この混合物を室温で3日間撹拌する。この反応混合物を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EE/メタノール、8/2->1/1)で精製する。溶媒を真空中で除去して、生成物を得る。
C14H22N2O (M=234.3g/mol)
ESI-MS: 235[M+H]+
Rt(HPLC): 0.81分(方法C)
【0063】
実施例XI
3-[(3S)-1-ベンジルピロリジン-3-イル]-5-メチル-1.3-オキサゾリジン-2-オン
【化32】
10mLのDCM中の230mg(0.98mmol)の1-{[(3S)-1-ベンジルピロリジン-3-イル]アミノ}プロパン-2-オール(実施例X)に、0.51mL(2.94mmol)のDIPEAおよび191mg(1.18mmol)のCDIを添加し、この混合物を室温で3時間撹拌する。追加の80mg(0.49mmol)のCDIを添加し、撹拌を一晩続ける。この反応混合物を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。粗生成物をHPLC(ACN/H2O/TFA)で精製する。
C15H20N2O2 (M=260.3g/mol)
ESI-MS: 261[M+H]+
Rt(HPLC): 0.36分(方法F)
【0064】
実施例XII
5-メチル-3-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-1.3-オキサゾリジン-2-オン
【化33】
5mLのメタノール中の250mg(0.96mmol)の3-[(3S)-1-ベンジルピロリジン-3-イル]-5-メチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(実施例XI)に25mgのPd/C(10%)を添加し、この混合物を室温で50psi(3バール)の水素圧下に一晩撹拌する。次いで、0.1mLの1M HCl水溶液および25mgのPd/Cを添加し、50psi(3バール)の水素圧で、50℃で16時間撹拌を続ける。その後、この反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去する。
C8H14N2O2 (M=170.2g/mol)
ESI-MS: 171[M+H]+
Rt(HPLC): 0.93分(方法C)
【0065】
実施例XIII
実施例XIII.AおよびB
tert-ブチル(3S)-3-シアノ-3-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R)-3-シアノ-3-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
【化34】
2.70g(13.8mmol)のtert-ブチル3-シアノピロリジン-1-カルボキシレートと40mLのTHFの混合物に、-78℃で15.1mL(15.1mmol)のLiHMDSを添加する。-78℃で30分間撹拌した後、1.28mL(20.6mmol)のヨードメタンを滴下する。この反応混合物を-78℃で30分間、室温で30分間撹拌する。この混合物を100mLの、NH4Cl飽和水溶液と水(1:1)の混合物に注ぎ、EtOAcで2回抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させる。粗生成物をキラルSFCで精製する(方法G)。
生成物XIII.1.A(最初の溶出):
C11H18N2O2 (M=210.3g/mol)
Rt(HPLC): 2.58分(方法G)
生成物XIII.1.B(2回目の溶出):
C11H18N2O2 (M=210.3g/mol)
Rt(HPLC): 3.65分(方法G)
【0066】
実施例XIV
実施例XIV.A
3-メチルピロリジン-3-カルボニトリル塩酸塩
【化35】
10mLのジオキサン中の1.25g(5.95mmol)のtert-ブチル3-シアノ-3-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(実施例XIII.A)の混合物に、2.97mL(11.9mmol)のHCl(4Mジオキサン溶液)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌する。得られた沈殿物を濾別し、ジオキサンで洗浄し、空気中で乾燥させる。
C6H10N2*HCl (M=146.6g/mol)
ESI-MS: 111[M+H]+
Rf(TLC): 0.3(SiO2、DCM/MeOH/NH3 9/1/0.1)
【0067】
実施例XV
2-メチル-2-(ピリジン-2-イル)プロパン-1,3-ジオール
【化36】
30.0g(280mmol)の2-エチルピリジンと120g(1.48モル)のホルムアルデヒドの混合物を、週末に150℃でオートクレーブ中で撹拌する。この混合物を真空中で濃縮する。
C9H13NO2 (M=167.2g/mol)
ESI-MS: 168.6[M+H]+
Rt(HPLC): 0.52分(方法C)
【0068】
実施例XVI
2-{1-[(ベンゼンスルホニル)オキシ]-2-{(ベンゼンスルホニル)オキシ]メチル}プロパン-2-イル}ピリジン
【化37】
40mLのピリジン中の5.00g(29.9mmol)の2-メチル-2-(ピリジン-2-イル)プロパン-1,3-ジオール(実施例XV)の混合物に、10.0g(56.6mmol)のベンゼンスルホニルクロリドを0℃で滴下する。この反応混合物を室温で3時間撹拌する。さらに1.38g(7.81mmol)のベンゼンスルホニルクロリドを添加し、この混合物を室温で一晩撹拌する。
この反応混合物を120mLの氷水に注ぎ、10分間撹拌する。次いで、これを5%クエン酸で酸性化し、MTBEで抽出する。合わせた有機層を真空中で濃縮する。
濾紙およびフラスコをDCMで洗浄し、H2O層をDCMで抽出する。合わせた有機層を真空中で濃縮する。
両方の油状物を合わせて、生成物を得る
C21H21NO6S2 (M=447.5g/mol)
ESI-MS: 448.6[M+H]+
Rt(HPLC): 1.02分(方法C)
【0069】
実施例XVII
2-(1-ベンジル-3-メチルアゼチリジン-3-イル)ピリジン
【化38】
250mLのACN中の28.0g(62.6mmol)の2-{1-[(ベンゼンスルホニル)オキシ]-2-{(ベンゼンスルホニル)オキシ]メチル}プロパン-2-イル}ピリジン(実施例XVI)の混合物に、27.1mL(156mmol)のDIPEAおよび10.3mL(93.8mmol)のフェニルメタンアミンを加え、この反応混合物を80℃で4時間および50℃で16時間撹拌する。次いで、さらに1.03mL(9.39mmol)のフェニルメタンアミンおよび2.71mL(15.6mmol)のDIPEAを添加し、この混合物を80℃で2時間撹拌する。
溶媒を真空中で除去し、残りの残留物をNaHCO3溶液で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を合わせ、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/CyH/MeOH/NH3、7/3/0.45/0.05)で精製する。
C16H18N2 (M=238.3g/mol)
ESI-MS: 239.6[M+H]+
Rt(HPLC): 0.93分(方法C)
【0070】
実施例XVIII
2-(3-メチルアゼチジン-3-イル)ピリジン
【化39】
100mg(0.42mmol)の2-(1-ベンジル-3-メチルアゼチジン-3-イル)ピリジン(実施例XVII)、50.0mgのPd/C(5%)、420μLのHCl(1mol/L)および5mLのMeOHの混合物を50psi(3バール)H2圧下に50℃で3.5時間水素化する。この反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去して、生成物を得る。
C9H12N2 (M=148.2g/mol)
ESI-MS: 149[M+H]+
Rt(HPLC): 0.63分(方法C)
【0071】
実施例IXX
N-メチル-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]アセトアミド塩酸塩
【化40】
tert-ブチル(3R)-3-アセトアミドピロリジン-1-カルボキシレートで開始する実施例VIと同様に調製を行うことができる。
C7H14N2O*HCl (M=178.7g/mol)
ESI-MS: 143[M+H]+
【0072】
最終化合物の調製
実施例1
実施例1.1(一般的な経路)
N-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-N-メチルシクロブタンカルボキサミド
【化41】
16.0mg(0.16mmol)のシクロブタンカルボン酸、61.4mg(0.18mmol)のN-tert-ブチル-5-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]ピリジン-2-アミン二塩酸塩(実施例III)、59.0mg(0.18mmol)のTBTU、0.04mL(0.24mmol)のDIPEAおよび2mLのDMFの混合物を室温で15時間撹拌する。この混合物を濾過し、HPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製する。
C20H30N4O2 (M=358.5g/mol)
ESI-MS: 359[M+H]+
Rt(HPLC): 0.71分(方法A)
【0073】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例(1.1)に従って調製される:
【化42】

【0074】
実施例2
実施例2.1(一般的な経路)
N-メチル-N-[(3S)-1-{6-[(1-メチルシクロブチル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル}ピロリジン-3-イル]シクロプロパンカルボキサミド
【化43】
50.0mg(0.17mmol)のN-[(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-メチルシクロプロパンカルボキサミド(実施例V)、29.2mg(0.34mmol)の1-メチルシクロブタン-1-アミン、147μL(1.00mmol)のDIPEAおよび1mLのDMSOの混合物を120℃で一晩撹拌する。この混合物をACNで希釈し、濾過し、HPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製する。
C21H30N4O2 (M=356.5g/mol)
ESI-MS: 357[M+H]+
Rt(HPLC): 0.88分(方法C)
【0075】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例(2.1)に従って調製される:
【化44】
【0076】
実施例3
実施例3.1(一般的な経路)
N-[(3S)-1-{6-[(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-カルボニル}ピロリジン-3-イル]-N-メチルアセトアミド
【化45】
50.0mg(0.19mmol)のN-[(3S)-1-(6-フルオロピリジン-3-カルボニル)ピロリジン-3-イル]-N-メチルアセトアミド(実施例VII.1)、77.8mg(0.75mmol)の3-アミノ-3-メチルブタン-1-オールおよび1mLのNMPの混合物を130℃で一晩撹拌する。
冷却後、この反応混合物を濾過し、HPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製する。
C18H28N4O3 (M=348.4g/mol)
ESI-MS: 349[M+H]+
Rt(HPLC): 0.56分(方法A)
【0077】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例3.1)に従って調製される:
【化46】
【0078】
実施例4
実施例4.1(一般的な経路)
N-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-N-メチルモルホリン-4-カルボキサミド
【化47】
30.0mg(0.10mmol)のN-tert-ブチル-5-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]ピリジン-2-アミン塩酸塩(実施例III)および1mLのDMF中の66.0μL(0.38mmol)のDIPEAの混合物に、22.0μLのモルホリン-4-カルボニルクロリドを加え、この混合物を週末に室温で撹拌する。この反応混合物をHPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製する。
C20H31N5O3 (M=389.5g/mol)
ESI-MS: 390[M+H]+
Rt(HPLC): 0.6分(方法D)
【0079】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例4.1)に従って調製される:
【化48】
【0080】
実施例5
実施例5.1(一般的な経路)
N-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-N-メチルアセトアミド
【化49】
2.20g(11.4mmol)の6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(実施例I)、2.43g(13.6mmol)のN-メチル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセトアミド塩酸塩(実施例VI)および20mLのDMF中の7.85mL(45.4mmol)のDIPEAの混合物に、3.83g(11.9mmol)のTBTUを加え、この反応混合物を室温で10分間撹拌する。溶媒を真空中で部分的に除去し、残りの混合物をHPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製する。
C17H26N4O2 (M=318.4g/mol)
ESI-MS: 319[M+H]+
Rt(HPLC): 0.64分(方法B)
【0081】
下記の化合物は、上記の一般的な手順(実施例5.1)に従って調製される:
【化50】
【0082】
実施例6
実施例6.1
3-[(3S)-1-[6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]ピロリジン-3-イル]-5-メチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン
【化51】
80.0mg(0.41mmol)の6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(実施例I.1)、80.0mg(0.47mmol)の5-メチル-3-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-1,3-オキサゾリジン-2-オン(実施例XII.1)、145mg(0.45mmol)のTBTU、0.18mL(1.03mmol)のDIPEAおよび3mLのDMFの混合物を室温で一晩撹拌する。この混合物を100mLのNaHCO3飽和水溶液に注ぎ、EtOAcで3回抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をHPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製し、凍結乾燥して生成物を得る。
C18H26N4O3 (M=346.4g/mol)
ESI-MS: 347[M+H]+
Rt(HPLC): 0.84分(方法C)
【0083】
実施例7
1-[6-tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]-3-メチルピロリジン-3-カルボニトリル
【化52】
9.71mg(0.05mmol)の6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(実施例I.1)、7.33mg(0.05mmol)の3-メチルピロリジン-3-カルボニトリル塩酸塩(実施例XIV.A)、28.4μL(0.17mmol)のDIPEAおよび0.5mLのDMFの混合物に、20.9mg(0.06mmol)のHATUを加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌する。この混合物を濾過し、HPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製して、エナンチオマー的に純粋な生成物を得る。
C16H22N4O (M=286.4g/mol)
ESI-MS: 287[M+H]+
Rt(HPLC): 0.65分(方法D)
【0084】
実施例8
N-tert-ブチル-5-[3-メチル-3-(ピリジン-2-イル)アゼチジン-1-カルボニル]ピリジン-2-アミン
【化53】
1mLのDMF中の38.9mg(0.10mmol)の6-(tert-ブチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(50%、実施例I.1)の混合物に、35.3mg(110μmol)のTBTUおよび43.0μL(250μmol)のDIPEAを加え、この混合物を室温で撹拌する。室温で10分間撹拌した後、17.8mg(120μmol)の2-(3-メチルアゼチジン-3-イル)ピリジン(実施例XVIII.1)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌する。
この反応混合物をHPLC(ACN/H2O/NH4OH)で精製して、生成物を得る。
C19H24N4O (M=324.4g/mol)
ESI-MS: 325[M+H]+
Rt(HPLC): 0.73分(方法H)
【0085】
分析用HPLC法

【0086】

【0087】

【0088】
方法D


分取用カラム:XBridge(Waters社)C18_3.0×30mm_2.5μm
【0089】
方法E


分取用カラム:Sunfire(Waters社)C18_3.0×30mm_2.5μm
【0090】
方法F


Sunfire C18_3.0×30mm_2.5μm(Waters社)
【0091】
方法G


CHIRAL ART(登録商標)セルロースSC_4.6×250mm_5μm(YMC)
【0092】
方法H


XBridge C18_3.0×30mm_2.5μm(Waters社)
【0093】
生物学的性質の説明
バニン-1酵素アッセイ
試験化合物を10mMの濃度で100%DMSOに溶解し、第1工程でDMSO中で5mMの濃度に希釈し、続いて100%DMSO中の連続希釈工程を行った。希釈係数および希釈工程の数は、必要に応じて変化し得る。典型的には、1:5希釈液による8個の異なる濃度を調製し、この物質のさらなる中間希釈物をアッセイ緩衝液で行い、アッセイにおける1%の最終DMSO濃度が得られる。
0.1nMのFLAG標識バニン-1(AA 22-493、T26I、内部生成された)および試験化合物を、アッセイ緩衝液(1mM DTT、0.0025%Brij-35、50mM HEPES、pH7.5)中に室温で20分間インキュベートする。アッセイ緩衝液中のD-パンテチン(Sigma社、Cat#P 2125-5G)を添加し(最終濃度3μM)、室温でさらに30分間インキュベートする。総アッセイ容量は典型的には40μlであるが、必要に応じて調節できる。反応混合物として等量の停止溶液を添加して100nM HD-パントテン酸(内部標準として)および1%TFAに到達させることにより反応を停止させる。アッセイプレートを2分間遠心分離し、パントテン酸の形成をRapidFire質量分析(移動相A:水中の0.1%ギ酸および0.01%トリフルオロ酢酸:移動相B:水中の47.5%アセトニトリル、47.5%メタノール、0.1%ギ酸および0.01%トリフルオロ酢酸)によって、12μlのカートリッジ(Agient社Cat#G9205A)を使用して検出する。
表Iに示された値は、1つ以上の試料の測定から得られる。複数の測定の場合、幾何平均値が示されている。
【0094】
ヒト全血アッセイ:パンテテイナーゼ(バニン)はパンテテインをパントテン酸およびシステアミンに変換する。従って、記載されたプロトコールでは、パンテチンを介したパンテテインの補充後にパントテン酸を形成することにより、バニン活性が定量される。このアッセイは、バニン阻害剤を同定するために適用可能である。化合物ストックを10mMのDMSOに溶解する。さらなる希釈をRPMI 1640培地(Gibco社、#A-10491-01)で行い、アッセイにおける最終濃度は0.032nM~500nMである。
ヒト血液を、血液バッグ(1%ヘパリン、50I.E./mL)に引き込む。血液を、96穴深型プレートのキャビティに290μlでアリコートし、10μlの化合物溶液またはビヒクルと混合する(シェーカーに1400rpmで30秒)。平衡化は、室温、250rpmで、30分間行われる。アッセイは、10mLの基質緩衝液(1mM DTT、0.0025% Brij-35、50mM HEPES、pH7.5)のみを入れるいくつかのブランクウェルを除いて、10μlの基質溶液(1mM DTT、0.0025% Brij-35、50mM HEPES、pH7.5)を各ウェルに添加することにより開始される。試料を徹底的に振盪し(30秒、1400rpm)、反応を室温、250rpmで、5分間で行うことができる。反応は、バニンツール阻害剤を過剰(BI-1全濃度10μM)で添加することにより停止される。プレートの遠心分離を4℃、665Gで10分間行う。次いで、血液血漿サンプル(100μL)を別の96穴深型プレートに移し、100μlの氷冷沈殿溶液(1μmの標識されたパントテン酸(ジ-β-アラニン-13C6、15N2カルシウム塩、Sigma社、#705837)をアセトニトリル中で)を添加することによりタンパクを沈殿させる(5分間氷上)。その後、プレートを遠心分離し(4℃、3220G、10分)、上清(50μL)を別の96穴深型プレートに集め、150μlの氷冷ギ酸(0.1%、Carl Roth GmbH+Co.KG、#CP03.1)と混合する(10秒、1400rpm)。パントテン酸の形成は、RapidFire質量分析により検出される。TripleQuad 6500+(ABSciex社、ドイツ)は、LC-1290システム、RapidFireオートサンプラ(Agilent社、ドイツ)およびC18カートリッジタイプC 12μL(Agilent社 Cat #G 9526-80000)を備えている。移動相Aは、水中の0.09%ギ酸および0.01%トリフルオロ酢酸からなり、移動相Bは、アセトニトリル/メタノール/水=47.5/47.5/5中の0.09%ギ酸および0.01%トリフルオロ酢酸からなる。
【0095】
ツール阻害剤BI-1の合成:
【化54】
【化55】
70mlのMeOHに、5.40g(28.8mmol)のケトン1(Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 6856に記載の合成)および12.9g(34.6 mmol)のCeCl3*7H2Oを加える。この反応混合物を-15℃に冷却した後、2.18g(57.7mmol)のNaBH4を部分的に加える。この反応混合物を0℃で3時間撹拌する。この反応物をNH4Cl飽和水溶液の添加により急冷し、EtOAcで抽出する。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空中で除去する。
50mLのアセトニトリル中の6.29g(52.8mmol)の塩化チオニルの撹拌溶液を-50℃に冷却し、上記生成物のACN中の4g(21.1mmol)の溶液を滴下して加える。添加が完了したときに、258mg(2.11mmol)のDMAPを一度に添加する。この混合物を15分間撹拌し、-40℃よりも低い温度を維持し、次いで8.36g(106mmol)の乾燥ピリジンを添加し、外部温度を-40℃で維持する。撹拌を1時間続ける。EtOAcを添加し、5分間撹拌し、懸濁液が生じ(ピリジン塩)、これを濾過し、EtOAcで洗浄する。濾液に12mLのNa2HPO4飽和溶液をゆっくり添加する。得られた溶液を40分間撹拌する。2層を分離する。有機層を10mLの1M NaHSO4水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中8%EtOAc)で精製する。
C9H17NO4S (M=235.3g/mol)
ESI-MS: 258[M+Na]+
Rf(TLC、シリカゲル) 0.4(PE/EtOAc 3/1)
【0096】
10,000mlのEtOAc中の1.00g(0.004モル)の上記の生成物溶液に、10mLのH2O中の1.36g(0,006モル)のNaIO4を添加する。次いで、44mg(0.2mmol)のRuCl3を添加し、この混合物を0~15℃で12時間撹拌する。次いで、この混合物をH2O(20ml)で急冷し、EtOAcで抽出する。次いで、有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EtOAc=10:1~3:1)で精製する。
C9H17NO5S (M=251.3g/mol)
ESI-MS: 252[M+H]+
Rf(TLC、シリカゲル) 0.55(PE/EtOAc 3/1)
【0097】
4.00g(14.3mmol)のメチル5-ヒドロキシ-6-ヨードピリジン-3-カルボキシレートを40mlのDMFに添加する。これに、602mg(15.1mmol)の水素化ナトリウムを添加する。ガス発生後、5.40g(21.5mmol)を添加し、この反応混合物を75℃で1.5時間撹拌する。室温まで冷却した後、この反応混合物をEtOAcで希釈し、水ですすぐ。有機物を乾燥し、濾過し、蒸発させる。
残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0~5%MeOH/CH2Cl2)で精製する。
C16H23IN2O5 (M=450.3g/mol)
ESI-MS: 451[M+H]+
【0098】
5.00 g(11.1mmol)の上記生成物を50mlのMeOHおよび10mlのCH2Cl2に添加する。これに、ジオキサン中の50mlの4M HClを添加する。3時間後、揮発物を真空中で除去し、残留物をさらに精製することなく使用する。
3.28g(9.37mmol)の上記生成物、105mg(0.47mmol)のPd(OAc)2、0.33g(0.56mmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.33g、0.56mmol、6.00mol%)および9.16g(28.1mmol)の炭酸セシウムを100mlのジオキサンに添加し、この混合物を完全に脱ガスする。この反応混合物をアルゴン下に90℃で4時間撹拌する。固形物をセライト(登録商標)のプラグを通して濾過し、蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0~5%MeOH/CH2Cl2)で精製する。
1.50g(6.75mmol)の上記生成物を5mlのMeOHおよび70mlの水に添加する。これに323mg(13.5mmol)のLiOHを添加し、この反応混合物を50℃でl時間撹拌する。この反応物を濾過し、MeOHを真空中で除去する。水層を1M HClで中和する。固形物を濾過し、乾燥させ、さらに精製することなく使用する。
C10H12N2O3 (M=208.2g/mol)
ESI-MS: 209[M+H]+
Rt(HPLC): 0.60分(方法A)
【0099】
915mg(4.39mmol)の上記生成物を20mlのDMFに溶解する。これに0.86g(4.83mmol)の中間体XVIおよび1.84ml(13.2mmol)のTEAを添加し、続いて1.84g(4.83mmol)のHATUを添加する。この反応混合物を室温で16時間撹拌する。
揮発物を真空中で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(Biotage KP-Nhカートリッジ、0~10%MeOH/EtOAc)で精製する。
C17H24N4O3 (M=332.4g/mol)
ESI-MS: 333[M+H]+
Rt(HPLC): 0.63分(方法A)
【0100】
本発明の他の特徴および利点は、一例として、本発明の原理を例示する下記のより詳細な実施例から明らかになるであろう。
【0101】
表I 本発明の代表的な生物学的性質
【表1】














* エナンチオマー的に純粋な化合物。絶対配置は決定されていない。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩:
II
式中、
R 4.a は以下を表し
(式中、
Xは、CH 2 またはOを示す)。
【請求項2】
下記実施例1.6の化合物。
実施例1.6
【請求項3】
下記実施例1.9の化合物。
実施例1.9
【請求項4】
請求項2または3に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項5】
治療有効量の、請求項1~のいずれか1項記載の少なくとも1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含み、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を任意に含んでいてもよい、医薬組成物。
【請求項6】
医薬組成物の調製における、請求項1~のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用
【請求項7】
クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、高脂血症、結腸直腸癌または膵臓癌に関連する新規発症型糖尿病治療するための請求項記載の医薬組成物
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物に加えて、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤からなる群から選択される薬学的に活性な化合物をさらに含む医薬組成物。
【外国語明細書】