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特開2022-188063空間変動型ウェハバイアス電力システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188063
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】空間変動型ウェハバイアス電力システム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20221213BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022145841
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2021504454の分割
【原出願日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/711,468
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,526
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,347
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,467
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/717,523
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,464
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,457
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/523,840
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,334
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,406
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,523
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】520064676
【氏名又は名称】イーグル ハーバー テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】EAGLE HARBOR TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】カースカデン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】プレガー,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】スロボドヴ,イリア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高速立上り時間及び/又は高速立下り時間を有する高電圧パルスを生成すること。
【解決手段】ウェハプラットフォームと、第2の電極と、第1の電極と、第1の高電圧パルサーと、第2の高電圧パルサーとを備えたプラズマ成膜システム。幾つかの実施形態では、第2の電極は、ウェハプラットフォームと近接して配置されていてもよい。幾つかの実施形態では、第2の電極は、中心開口部を有する円板形状、中心軸、開口直径、及び外径を含み得る。幾つかの実施形態では、第1の電極は、ウェハプラットフォームと近接して、第2の電極の中央開口部内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極は、円板形状、中心軸、及び外径を含み得る。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは、第1の電極と電気的に結合され得る。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第2の電極と電気的に結合され得る。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ負荷を有する電力システムであって、
約1kVを超える第1の電圧、約1μs未満の第1のパルス幅、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数を有する第1の複数のパルスを出力する第1の高電圧パルサーと、
約1kVを超える第2の電圧、約1μs未満の第2のパルス幅、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数を有する第2の複数のパルスを出力する第2の高電圧パルサーと、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置され、前記第1の高電圧パルサーに電気的に結合された第1の電極と、
前記第1の電極と隣接して前記チャンバ内に配置され、前記第2の高電圧パルサーと電気的に結合された第2の電極と、
を備えた電力システム。
【請求項2】
前記チャンバが、ウェハと、10pF~1μFのキャパシタンスで前記第1の電極及び前記第2の電極と容量結合されたプラズマとのうち何れか一方又は両方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ウェハの表面に亘る電界が25%以内で均一である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の電極と前記ウェハの対応する部分との間の結合キャパシタンスが100pFを超え、前記第2の電極と前記ウェハの対応する部分との間のキャパシタンスが100pFを超える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記チャンバが、ウェハ上に加速されるイオンのプラズマを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の高電圧パルサーが約1kVを超える前記第1の電極上の電極電圧を生成し、前記第2の高電圧パルサーが約1kVを超える前記第2の電極上の電極電圧を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の電圧に対する前記第1の電圧の比が2対1未満である、又は、前記第1の電圧に対する前記第2の電圧の比が2対1未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電極と前記第2の電極のうち何れか一方又は両方が軸対称である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の電極が第1の平面表面を有し、前記第2の電極が第2の平面表面を有し、前記第2の平面表面が、前記第1の平面表面と前記第2の平面表面との合計の25%となっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の高電圧パルサー及び前記第2の高電圧パルサーの両方が抵抗出力段を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の高電圧パルサーと前記第2の高電圧パルサーの両方がエネルギー回収回路を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の複数のパルスのパラメータが、前記第2の複数のパルスのパラメータとは独立して制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のパルス繰返し周波数と前記第2のパルス繰返し周波数の位相が互いに一致している、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の電極と前記第2の電極の間の結合キャパシタンスが約10nF未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の電極が、
円板形状と、
中心軸と、
外径と、を含み、
前記第2の電極が、
中心開口部を有する円板形状を含み、前記第1の電極が前記中心開口部内に配置され、
更に、前記第1の電極の前記中心軸と整列した中心軸と、
開口直径と、
外径を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
システムであって、
ウェハプラットフォームと、
第1の電極とを備え、前記第1の電極が、
円板形状と、
中心軸と、
外径と、を含み、
更に、第2の電極を備え、前記第2の電極が、
中心開口部を有する円板形状を含み、前記第1の電極が前記中心開口部内に配置されており、
更に、前記第1の電極の前記中心軸と整列した中心軸と、
開口直径と、
外径と、を含み、
更に、前記第1の電極と電気的に結合され、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成する第1の高電圧パルサーと、
前記第2の電極と電気的に結合され、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成する第2の高電圧パルサーと、
を備えたシステム。
【請求項17】
前記ウェハプラットフォームが、前記第2電極の外径と実質的に類似した外径を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の高電圧パルサーが、前記第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスの振幅の分数である振幅を有するパルスを供給する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の高電圧パルサーが、前記第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスのパルス繰返し周波数の分数であるパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の高電圧パルサーと前記第1の電極とに結合された第1の抵抗出力段と、前記第2の高電圧パルサーと前記第2の電極とに結合された第2の抵抗出力段を更に含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の高電圧パルサーと前記第1の電極とに結合されたバイアス補償回路を更に含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された絶縁材料のリングを更に含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記ウェハプラットフォームが誘電体材料又はセラミック材料を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
方法であって、
プラズマチャンバ内の第1の電極に結合された第1の高電圧パルサーをパルシングし、前記第1の高電圧パルサーは、約1kVを超える第1の電圧で、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数と、第1のパルス幅でパルシングし、
前記プラズマチャンバ内の第2の電極に結合された第2の高電圧パルサーをパルシングし、前記第2の高電圧パルサーは、約1kVを超える第2の電圧で、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数と、第2のパルス幅でパルシングし、前記第1の電極と前記第2の電極はウェハの下に配置され、
前記プラズマチャンバ内で発生する物理現象に対応するパラメータを測定し、
前記第2の電圧、前記第2のパルス繰返し周波数、及び前記第2のパルサー幅のうち少なくとも1つを、測定されたパラメータに基づいて調整する、
ことを含む方法。
【請求項25】
前記プラズマチャンバ内で発生する前記物理現象が、前記ウェハの表面に亘る電界の均一性に対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プラズマチャンバ内で発生する前記物理現象が、前記ウェハの表面に亘るイオン電流の均一性に対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記パラメータが、前記第1の高電圧パルサーの抵抗器を流れる電流である、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーシステム(NANOSECOND PULSER SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,464号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサー熱管理(NANOSECOND PULSER THERMAL MANAGEMENT)」という名称の米国仮特許出願第62/711,334号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーパルス発生(NANOSECOND PULSER PULSE GENERATION)」という名称の米国仮特許出願第62/711,457号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーADCシステム(NANOSECOND PULSER ADC SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,347号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「エッジリングパワーシステム(EDGE RING POWER SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,467号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」という名称の米国仮特許出願第62/711,406号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサー制御モジュール(NANOSECOND PULSER CONTROL MODULE)」という名称の米国仮特許出願第62/711,468号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年8月10日に出願された、「RFプラズマ反応器の為のプラズマシース制御(PLASMA SHEATH CONTROL FOR RF PLASMA REACTORS)」という名称の米国仮特許出願第62/711,523号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年1月1日に出願された、「プラズマ制御用途向けのソース及びシンク能力を備えた効率的ナノ秒パルサー(EFFICIENT NANOSECOND PULSER WITH SOURCE AND SINK CAPABILITY FOR PLASMA CONTROL APPLICATIONS)」という名称の米国仮特許出願第62/789,523号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年1月1日に出願された、「ナノ秒パルサー回路における効率的なエネルギー回収(EFFICIENT ENERGY RECOVERY IN A NANOSECOND PULSER CIRCUIT)」という名称の米国仮特許出願第62/789,526号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年7月26日に出願された、「ナノ秒パルサーバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」という名称の米国特許出願第16/523,840号の優先権を主張すると共に、その一部継続出願であり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、空間変動型ウェハバイアス電力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
高速立上り時間及び/又は高速立下り時間を有する高電圧パルスを生成することは課題である。例えば、高電圧パルス(例えば、約5kVを超える)の高速立上り時間及び/又は高速立下り時間(例えば、約50ns未満)を達成する為には、パルスの立上り及び/又は立下りの傾きが驚異的に急峻でなければならない(例えば、1011V/sを超える)。そのような急峻な立上り時間及び/又は立下り時間は、特に低キャパシタンスの負荷を駆動する回路において生成することが非常に困難である。そのようなパルスは、コンパクトな方式の標準的な電気部品を使用して、及び/又は可変パルス幅、電圧、及び繰返し数を有するパルスを用いて、及び/又は例えばプラズマのような容量性負荷を有するアプリケーション内で生成することが特に困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
更に、ウェハの歩留まりで、プロセスが成功したかどうかを判断できる。多くの場合、ウェハの端部にあるチップは、ウェハの端部で発生する様々な欠陥故に使用不能である場合がある。これらの欠陥は、廃棄物を増加させ、ウェハの歩留まりを低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の幾つかの実施形態は、第1の高電圧パルサー、第2の高電圧パルサー、チャンバ、第1の電極、及び第2の電極を含み得る空間変動型ウェハバイアスシステムを含む。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは、約1kVを超える第1の電圧、約1μs未満の第1のパルス幅、及び約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数を有する第1の複数のパルスを出力してもよい。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、約1kVを超える第2の電圧、約1μs未満の第2のパルス幅、及び約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数を有する第2の複数のパルスを出力してもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極は、チャンバ内に配置され、第1の高電圧パルサーと電気的に結合されてもよく、第2の電極は、前記チャンバ内に第1の電極と隣接して配置され、第2の高電圧パルサーと電気的に結合されてもよい。
【0006】
幾つかの実施形態では、チャンバは、ウェハのうち何れか一方又は両方を含み、プラズマは、10pF~1μFのキャパシタンスで第1の電極及び第2の電極と容量結合されていてもよい。
【0007】
幾つかの実施形態では、第1のナノ秒パルサー及び第2のナノ秒パルサーを使用した場合、ウェハの表面に亘る電界は、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、又は2%未満の均一さ、又はそれに勝る均一さであってもよい。
【0008】
幾つかの実施形態では、第1の電極とウェハの対応する部分との間のキャパシタンスは100pFより大きく、第2の電極とウェハの対応する部分との間のキャパシタンスは100pFより大きい。
【0009】
幾つかの実施形態では、チャンバは、ウェハ上に加速されるイオンのプラズマを含んでもよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは、約1kVを超える第1の電極上の電極電圧を生成し、第2の高電圧パルサーは、約1kVを超える第2の電極上の電極電圧を生成する。幾つかの実施形態では、第2の電圧に対する第1の電圧の比は2対1未満である、又は、第1の電圧に対する第2の電圧の比は2対1未満である。
【0011】
幾つかの実施形態では、第1の電極と第2の電極の何れか一方又は両方が軸対称である。
【0012】
幾つかの実施形態では、第1の電極は第1の平面表面を有し、第2の電極は第2の平面表面を有し、第2の平面表面の面積は、第1の平面表面と第2の平面表面との合計の約25%となっている。
【0013】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー及び第2の高電圧パルサーの両方が抵抗出力段を備えている。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー及び第2の高電圧パルサーの両方がエネルギー回収回路を備えている。
【0014】
幾つかの実施形態では、第1の複数のパルスのパラメータは、第2の複数のパルスのパラメータとは独立して制御される。幾つかの実施形態では、第1のパルス繰返し周波数と第2のパルス繰返し周波数は位相が互いに一致している。
【0015】
幾つかの実施形態では、第1の電極と第2の電極との間のキャパシタンスは約10nF未満である。
【0016】
幾つかの実施形態では、第1の電極は、円板形状、中心軸、及び外径を備えている。幾つかの実施形態では、第2の電極は、中心開口部を有する円板形状を備え、前記第1の電極がその中心開口部内に配置され、更に、第1の電極の中心軸と整列した中心軸と、開口直径と、外径とを備えている。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態は、ウェハプラットフォーム、第1の電極、第2の電極、第1の高電圧パルサー、及び第2の高電圧パルサーを含み得る、空間変動型ウェハバイアスシステムを含む。幾つかの実施形態では、第1の電極は、円板形状、中心軸、及び外径を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第2の電極は、中心開口部を有する円板形状を含んでもよく、前記第1の電極がその中心開口部内に配置され、更に、第1の電極の中心軸と整列した中心軸と、開口直径と、外径を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは第1の電極と電気的に結合されてもよく、第1の高電圧パルサーは10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成してもよい。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは第2の電極と電気的に結合されてもよく、第2の高電圧パルサーは、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成してもよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスの振幅の分数である振幅を有するパルスを提供する。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスのパルス繰返し周波数の分数であるパルス繰返し周波数を有するパルスを提供する。
【0019】
幾つかの実施形態では、空間変動型ウェハバイアスシステムは、第1の高電圧パルサーと第1の電極とに結合された第1の抵抗出力段と、第2の高電圧パルサーと第2の電極とに結合された第2の抵抗出力段をも含んでもよい。幾つかの実施形態では、空間変動型ウェハバイアスシステムは、第1の高電圧パルサーと第1の電極とに結合されたバイアス補償回路をも含んでもよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、空間変動型ウェハバイアスシステムは、第1の電極と第2の電極との間に配置された絶縁材料のリングをも含んでもよい。幾つかの実施形態では、ウェハバイアスシステムは、誘電体材料又はセラミック材料を含む。幾つかの実施形態では、ウェハプラットフォームは、第2の電極の外径と実質的に類似した外径を有する。
【0021】
幾つかの実施形態は方法を含んでもよく、その方法は、プラズマチャンバ内の第1の電極に結合された第1の高電圧パルサーをパルシングすることを含み、第1の高電圧パルサーは、約1kVを超える第1の電圧で、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数で、及び第1のパルス幅でパルシングし、更に、プラズマチャンバ内の第2の電極に結合された第2の高電圧パルサーをパルシングすることを含み、第2の高電圧パルサーは、約1kVを超える第2の電圧で、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数で、及び第2のパルス幅でパルシングすることを含む。幾つかの実施形態では、第1の電極及び第2の電極はウェハの下に配置される。方法は更に、プラズマチャンバ内で発生する物理現象に対応するパラメータ(例えば、チャック電圧、電極電圧、電界均一性、イオン電流等)を測定することを含んでもよい。そして、測定されたパラメータに基づいて、第2の電圧、第2のパルス繰返し周波数、及び第2のパルサー幅のうちの少なくとも1つを調整する。
【0022】
幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ内の様々な場所で測定された電圧又は電流は、ウェハの表面に亘る電界の均一性に対応する。
【0023】
幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ内の様々な場所で測定された電圧又は電流は、ウェハの表面に亘るイオン電流の均一性に対応する。
【0024】
幾つかの実施形態では、パラメータは、抵抗出力段又はエネルギー回収回路の何れかの抵抗器を流れる電流である。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態は、空間変動型ウェハバイアスシステムを含む。例えば、ウェハバイアスシステムは、円板形状のウェハプラットフォームと、ウェハプラットフォームに近接して配置された、円板形状を有する第1の電極と、円板形状を有すると共に、ウェハプラットフォームに近接し且つ整列して配置された中央開口部を有することで、前記第1の電極がその中央開口部に配置されるようになっている第2の電極と、第1の電極に電気的に結合された第1の高電圧パルサーと、第2の電極と電気的に結合された第2の高電圧パルサーとを備えたシステムを含み得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスの振幅の分数である振幅を有するパルスを供給する。分数は、例えば、50%、75%、100%、125%、150%、200%等を含むことができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、システムは、第1の高電圧パルサーと第1の電極とに結合された第1の抵抗出力段を更に含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、システムは、第2の高電圧パルサーと第2の電極とに結合された第2の抵抗出力段を更に含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、システムは、第1の高電圧パルサーと第1の電極とに結合されたバイアスコンデンサを更に含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、システムは、第1の高電圧パルサーと第2の電極とに結合されたバイアスコンデンサを更に含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは1つ以上のナノ秒パルサーを含む。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは1つ以上のナノ秒パルサーを含む。
【0032】
幾つかの実施形態は、ウェハプラットフォーム、第1の電極、第2の電極、第1の高電圧パルサー、及び第2の高電圧パルサーを備えたプラズマ成膜システムを含む。幾つかの実施形態では、第2の電極はウェハプラットフォームの下に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、第2の電極は、中心開口部を備えた円板形状と、中心軸と、開口直径と、外径を含み得る。幾つかの実施形態では、第1の電極は、ウェハプラットフォームの下に、且つ第2の電極の中央開口部内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極は、円板形状、中心軸、及び外径を含み得る。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは、第1の電極と電気的に結合され得る。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサーは、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成することができる。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第2の電極と電気的に結合され得る。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成することができる。
【0033】
幾つかの実施形態はプラズマ成膜システムを含み、プラズマ成膜システムは、第1のプラットフォーム領域及び第2のプラットフォーム領域を有するウェハプラットフォームと、ウェハプラットフォームの第1のプラットフォーム領域の下に配置された第1の電極と、ウェハプラットフォームの第2のプラットフォーム領域の下に配置された第2の電極と、第1の電極と電気的に結合された第1の高電圧パルサーを備え、第1の高電圧パルサーは、10kHzを超えるパルス繰返し速度で2kVを超えるパルスを生成し、更に、第2の電極と電気的に結合された第2の高電圧パルサーを備え、第2の高電圧パルサーは、10kHzを超えるパルス繰返し速度で2kVを超えるパルスを生成する。
【0034】
幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスの振幅の分数である振幅を有するパルスを供給する。
【0035】
幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサーは、第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスのパルス繰返し周波数の分数であるパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する。
【0036】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー又は第2の高電圧パルサーは1つ以上のナノ秒パルサーを含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー又は第2の高電圧パルサーは1つ以上の高電圧スイッチを備えている。
【0038】
幾つかの実施形態はシステムを含み、システムは、ウェハプラットフォームと、ウェハプラットフォームの下に配置された複数の電極と、複数の電極の各々1つに電気的に結合された複数の高電圧パルサーを備え、複数の高電圧パルサー夫々は、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成する。幾つかの実施形態では、複数の電極の各々は、絶縁体で互いに分離されている。幾つかの実施形態では、複数の高電圧パルサー夫々は、異なる電圧又はパルス繰返し速度の何れか又は両方を有するパルスを生成する。
【0039】
これらの例示的な実施形態は、本開示を限定したり定義したりする為ではなく、その理解を助ける例を提供する為に言及されている。追加の実施形態は、詳細な説明で議論され、更なる説明がそこで提供される。様々な実施形態のうちの1つ又は複数の実施形態によって提供される利点は、本明細書を検討することによって、又は提示された1つ以上の実施形態を実践することによって、更に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めばより良く理解される。
図1】幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーの回路図である。
図2】ナノ秒パルサーによって生成される例示的な波形を示す図である。
図3】幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーの別の例の図である。
図4A】乃至
図4B】幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアス電力システムのブロック図である。
図5】幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアス電力システムのブロック図である。
図6】幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステムのブロック図である。
図7】幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステムの概略図である。
図8】幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステムの概略図である。
図9】本明細書に記載された実施形態の実施を容易にする為の機能を実行する為の例示的な計算システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
異なる電極上に異なる高電圧パルスを発生する為のシステム及び方法を開示する。例えば、複数のパルス発生器(例えば、ナノ秒パルサー、RF発生器、又はHVスイッチ)各々は、複数の電極の各々1つと電気的に結合され得る。複数のパルス発生器は、電極上に異なる電圧、イオンエネルギー又は電界を生成することができる。これは、例えば、プラズマチャンバの欠陥、ウェハの不連続性を補償する為、又はウェハの端部の欠陥を減少させる為等、様々な理由で行われ得る。一実施例では、複数のパルス発生システムは、ウェハの中央部とは異なる電界プロファイルをウェハの端部で生成する為に使用されてもよい。
【0042】
図1は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム100の回路図である。ナノ秒パルサーシステム100は、高電圧ナノ秒パルサーシステム内に実装され得る。ナノ秒パルサーシステム100は、5つの段に一般化され得る(これらの段は、他の段に分解されても、より少ない段に一般化されても、及び/又は図示の構成要素を含んでも、含んでいなくてもよい)。ナノ秒パルサーシステム100は、パルサー・トランス段101、抵抗出力段102、リード段103、DCバイアス補償回路104、及び負荷段106を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム100は、2kVを超える電圧、約20ns未満の立上り時間、及び約10kHzを超える周波数を有するパルスを電源から生成することができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、高周波数及び高速の立上り時間及び立下り時間を有する複数の高電圧パルスを生成することができる。図示の全ての回路において、高電圧パルサーは、ナノ秒パルサーを備えてもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、1つ以上のソリッドステートスイッチS1(例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電性スイッチ等のソリッドステートスイッチ)、1つ以上のスナバ抵抗R3、1つ以上のスナバダイオードD4、1つ以上のスナバコンデンサC5、及び/又は1つ以上のフリーホイールダイオードD2を含み得る。1つ以上のスイッチ及び/又は回路は、並列又は直列に配置され得る。
【0046】
幾つかの実施形態では、負荷段106は、プラズマ成膜装置、プラズマエッチング装置、又はプラズマスパッタリング装置の為の実効回路を表し得る。キャパシタンスC2は、ウェハが着座する誘電体材料のキャパシタンスを表し得るか、又は、キャパシタンスC2は、誘電体材料によって隔てられた電極とウェハとの間のキャパシタンスを表し得る。コンデンサC3は、ウェハに対するプラズマのシースキャパシタンスを表し得る。コンデンサC9は、チャンバ壁とウェハ上面との間のプラズマ内のキャパシタンスを表し得る。電流源I2及び電流源I1は、プラズマのシースを通るイオン電流を表し得る。
【0047】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段102は、インダクタL1及び/又はインダクタL5によって表される1つ以上の誘導要素を含み得る。インダクタL5は、例えば、抵抗出力段102内のリードの漂遊インダクタンスを表し得る。インダクタL1は、パルサー・トランス段101から抵抗器R1に直接流れる電力を最小にするように設定されてもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、抵抗器R1は、例えば、高速時間スケール(例えば、1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns等の時間スケール)で、負荷段106からの電荷を散逸させてもよい。負荷段106に亘るパルスが高速立下り時間tを有することを確実にする為に、抵抗R1の抵抗値は低くてもよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、抵抗器R1は、直列及び/又は並列に配置された複数の抵抗器を含んでもよい。コンデンサC11は、直列及び/又は並列に配置された抵抗器のキャパシタンスを含む抵抗器R1の漂遊キャパシタンスを表し得る。漂遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、5nF未満、2nF未満、1nF未満、500pF未満、250pF未満、100pF未満、50pF未満、10pF未満、1pF未満等であってもよい。漂遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、C2、C3及び/又はC9のキャパシタンス未満等の、負荷キャパシタンス未満であってよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、複数のパルサー・トランス段101が並列に配置され、インダクタL1及び/又は抵抗R1を跨いで抵抗出力段102に結合されてもよい。複数のパルサー・トランス段101の各々は、ダイオードD1及び/又はダイオードD6をも含み得る。
【0051】
幾つかの実施形態では、コンデンサC8は、ブロッキングダイオードD1の漂遊キャパシタンスを表し得る。幾つかの実施形態では、コンデンサC4は、ダイオードD6の漂遊キャパシタンスを表し得る。
【0052】
幾つかの実施形態では、DCバイアス補償回路104は、出力電圧を正又は負の何れかにバイアスする為に使用され得る直流電圧源V1を含んでもよい。幾つかの実施形態では、コンデンサC12は、直流バイアス電圧を抵抗出力段及び他の回路要素から絶縁/分離する。それは、回路の或る部分から別の部分への電位シフトを可能にする。幾つかのアプリケーションでは、それによって確立される電位シフトは、ウェハを所定の位置に保持する為に使用される。抵抗R2は、パルサー・トランス段101からの高電圧パルス出力からDCバイアス供給を保護/絶縁し得る。
【0053】
この例では、DCバイアス補償回路104はパッシブバイアス補償回路であり、バイアス補償ダイオードD1及びバイアス補償コンデンサC15を含み得る。バイアス補償ダイオードC15は、オフセット電源電圧V1と直列に配置され得る。バイアス補償コンデンサC15は、オフセット電源電圧V1と抵抗R2の何れか一方又は両方を跨いで配置され得る。バイアス補償コンデンサC15は、例えば、約100μF、約50μF、約25μF、約10μF、約2μ、約500nH、約200nH等のような、100nH未満から100μFのキャパシタンスを有し得る。
【0054】
幾つかの実施形態では、バイアスコンデンサC12は、パルサー・トランス段101の出力(例えば、125と標記される位置)と電極上の電圧(例えば、124と標記される位置)との間の電圧オフセットを可能にしてもよい。動作時、電極は、例えば、バースト中に-2kVの直流電圧であってもよく、その一方で、ナノ秒パルサーの出力は、パルス中の+6kVと、パルス間の0kVとの間で交番する。
【0055】
バイアスコンデンサC12は、例えば、100nF、10nF、1nF、100μF、10μF、1μF等である。抵抗器R2は、例えば、約1kオーム、10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム等の高抵抗を有してもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、バイアス補償コンデンサC15及びバイアス補償ダイオードD1は、パルサー・トランス段101の出力(例えば、125と標記の位置)と、電極上の電圧(例えば、124と標記の位置)との間の電圧オフセットを、各バーストの開始時に設定して、必要な平衡状態に到達させることができるようにしてもよい。例えば、電荷は、複数のパルス(例えば、約5~100パルス)に亘って、各バーストの開始時にバイアスコンデンサC12からバイアス補償コンデンサC15に転送され、回路内の正しい電圧を確立する。
【0057】
幾つかの実施形態では、直流バイアス補償回路104は、バイアス補償ダイオードD1に跨って配置され電源V1に結合された1つ以上の高電圧スイッチを含んでもよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。
【0058】
高電圧スイッチは、インダクタと抵抗器の何れか一方又は両方と直列に結合されていてもよい。インダクタは、高電圧スイッチを通るピーク電流を制限してもよい。インダクタは、例えば、約100μH未満のインダクタンス、例えば、約250μH、100μH、50μH、25μH、10μH、5μH、1μH等のインダクタンスを有してもよい。抵抗器は、例えば、抵抗出力段102に電力散逸をシフトさせてもよい。抵抗器の抵抗値は、約1000オーム未満、500オーム未満、250オーム未満、100オーム未満、50オーム未満、10オーム未満等の抵抗を有してよい。
【0059】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチはスナバ回路を含んでもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、高電圧スイッチは、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載された任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0061】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、パルサー・トランス段101がパルシングしている間は開いていてもよく、パルサー・トランス段101がパルシングしていない場合は閉じていてもよい。高電圧スイッチが閉じている場合、例えば、バイアス補償ダイオードC15に跨る電流が短絡してもよい。この電流を短絡させることにより、ウェハとチャックとの間のバイアスが2kV未満になることがあるが、これは許容範囲内であり得る。
【0062】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、高いパルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等を超える電圧)、高いパルス繰返し周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等を超える周波数)、高速立上り時間(例えば、約1ns未満、10ns未満、50ns未満、100ns未満、250ns未満、500ns未満、1,000ns未満等の立上り時間)、高速立下り時間(約1ns未満、10ns未満、50ns未満、100ns未満、250ns未満、500ns未満、1,000ns未満等の立下り時間)、及び/又は短パルス幅(約1,000ns未満、500ns未満、250ns未満、100ns未満、20ns未満等のパルス幅)を有するパルスを生成することができる。
【0063】
図2は、ナノ秒パルサーシステム100によって生成される例示的な波形を示す。これらの例示的な波形において、パルス波形205は、パルサー・トランス段101によって供給される電圧を表し得る。図示のように、パルス波形205は、高電圧(例えば、波形に示されるように約4kVを超える)、高速立上り時間(例えば、波形に示されるように約200ns未満)、高速立下り時間(例えば、波形に示されるように約200ns未満)、及び短パルス幅(例えば、波形に示されるように約300ns未満)の品質を有するパルスを生成する。波形210は、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点で図1に示す回路で表されるウェハ表面の電圧を表してもよいし、コンデンサC3の両端電圧を表してもよい。パルス波形215は、パルサー・トランス段101からプラズマに流れる電流を表す。ナノ秒パルサーシステム100は、ダイオードD1又はD2の何れか一方又は両方を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0064】
過渡状態の間(例えば、図示しない初期の幾つかのパルスの間)、パルサー・トランス段101からの高電圧パルスはコンデンサC2を充電する。コンデンサC2のキャパシタンスは、コンデンサC3及び/又はコンデンサC1のキャパシタンスに比べて大きい故に、及び/又はパルスのパルス幅が短い故に、コンデンサC2は完全に充電される為に高電圧パルサーから幾つかのパルスを取得してもよい。コンデンサC2が充電されると、回路は、図2の波形で示されるように、定常状態に達する。
【0065】
定常状態で、スイッチS1が開いているとき、コンデンサC2は充電され、波形210の僅かに上昇した傾きによって示されるように、抵抗出力段102を介して緩慢に散逸する。コンデンサC2が充電され、スイッチS1が開いている間、ウェーバーの表面(コンデンサC2とコンデンサC3との間の点)の電圧は負の値となる。この負の電圧は、パルサー・トランス段101から供給されるパルスの電圧の負の値であってもよい。例えば、図2に示す例示的な波形では、各パルスの電圧は約4kVであり、ウェハにおける定常状態の電圧は約-4kVである。これにより、プラズマを跨ぐ(例えば、コンデンサC3の両端の)負の電位が発生し、プラズマからウェハの表面に正のイオンが加速される。スイッチS1が開いている間、コンデンサC2上の電荷は、抵抗出力段を介して緩慢に散逸する。
【0066】
スイッチS1が閉じている場合、コンデンサC2が充電されるにつれて、コンデンサC2の両端電圧が反転することがある(パルス波形205に示すようにパルサーからのパルスが高い)。更に、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点(例えば、ウェハの表面)の電圧は、コンデンサC2が充電されるにつれて、波形210に示すように、約ゼロに変化する。このように、高電圧パルサーからのパルスは、高周波数で、高速立上り時間、高速立下り時間、及び/又は短パルス幅で、負の高電圧からゼロまで立上ってから負の高電圧に戻るプラズマ電位(例えば、プラズマ中の電位)を生成する。
【0067】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段、抵抗出力段102によって表される要素の作用は、漂遊キャパシタンスC1を急速に放電し、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点の電圧が、波形210によって示されるように、約-4kVの定常的な負の値に急速に戻ることを可能にし得る。抵抗出力段は、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点での電圧がその時間の%程度の間存在することを可能にしてもよく、従って、イオンがウェハ内に加速される時間を最大化する。幾つかの実施形態では、抵抗出力段内に含まれる構成要素は、イオンがウェハ内に加速される時間を最適化し、この時間の間の電圧をほぼ一定に保持するように特別に選択されてもよい。従って、例えば、高速立上り時間と高速立下り時間を有する短いパルスが有用であり得る為、かなり均一な負の電位の長い期間が存在し得る。
【0068】
ナノ秒パルサーシステム100によって様々な他の波形が生成されてもよい。
【0069】
図3は、幾つかの実施形態による、パルサー・トランス段101とエネルギー回収回路305とを有するナノ秒パルサーシステム300の回路図である。エネルギー回収回路は、例えば、図1に示された抵抗出力段102を置き換えてもよい。この例では、エネルギー回収回路305は、トランスT1の二次側上に配置されるか、又は、トランスT1の二次側と電気的に結合されてもよい。エネルギー回収回路305は、例えば、トランスT1の二次側を跨ぐダイオード330(例えば、クローバーダイオード)を含んでもよい。エネルギー回収回路305は、例えば、トランスT1の二次側から電流を流して電源C7を充電することができるダイオード310及びインダクタ315(直列に配置されている)を含んでもよい。ダイオード310及びインダクタ315は、トランスT1の二次側と電源C7とに電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路305は、トランスT1の二次側と電気的に結合されたダイオード335及び/又はインダクタ340を含んでもよい。インダクタ340は、トランスT1の漂遊インダクタンスを表しても、及び/又は漂遊インダクタンスを含んでもよい。
【0070】
ナノ秒パルサーが起動されると、電流が負荷段106を充電してもよい(例えば、コンデンサC3、コンデンサC2、又はコンデンサC9を充電してもよい)。一部の電流は、例えば、トランスT1の二次側の電圧が電源C7の充電電圧より上に上昇したときに、インダクタ155を介して流れ得る。ナノ秒パルサーがオフになると、電流は、負荷段106内のコンデンサからインダクタ315を介して流れて、インダクタ315を跨ぐ電圧がゼロになるまで電源C7を充電し得る。ダイオード330は、負荷段106内のコンデンサが、負荷段106内のインダクタンス又はDCバイアス補償回路104内のインダクタンスによってリンギングするのを防止し得る。
【0071】
ダイオード310は、例えば、電源C7から負荷段106内のコンデンサに電荷が流れるのを防止してもよい。
【0072】
インダクタ315の値は、電流立下り時間を制御するように選択され得る。幾つかの実施形態では、インダクタ315は、1μH~500μHの間のインダクタンス値を有し得る。
【0073】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路305は、インダクタ315を通る電流の流れを制御する為に使用され得るエネルギー回生スイッチを含んでもよい。エネルギー回生スイッチは、例えば、インダクタ315と直列に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回生スイッチは、スイッチS1が開いているとき、及び/又はもはやパルシングしていないときに閉じて、負荷段106から高電圧負荷C7に戻る電流の流れを可能にしてもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、エネルギー回生スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、エネルギー回生スイッチは、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載された任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0075】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム300は、図2に示されたものと類似した波形を生成してもよい。
【0076】
図4Aは、幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアス電力システム400の側面破断ブロック図であり、図4Bは、上面ブロック図である。図4Aに示された側面破断図は、図4Bに示された線Aに沿っている。空間変動型ウェハバイアス電力システム400は、第1の電極415と第2の電極420との2つの電極を含む。ウェハ405は、第1の電極415及び第2の電極420両方の上に、ウェハプラットフォーム410上に配置されてもよい。ウェハプラットフォーム410は、例えばセラミックのような誘電体材料を含んでもよい。第1の電極415は、ウェハプラットフォーム410又はウェハ405の何れか一方又は両方の直径よりも小さい直径を有する円板形状であってもよい。第2の電極420は、第1の電極415の直径よりも僅かに大きい開口直径と、ウェハプラットフォーム410又はウェハ405の何れか一方又は両方の直径に実質的に類似した外径とを有するドーナツ形状を有していてもよい。第1の電極415は、第2の電極420の開口部内に配置されてもよい。
【0077】
幾つかの実施形態では、第1の電極415と第2の電極420との間のギャップは、約0.1mm未満、1.0mm未満、5.0mm未満であってよい。幾つかの実施形態では、第1の電極415と第2の電極420との間の空間は、空気、真空、絶縁ガス、固体誘電体材料、又は他の絶縁材料で満たされてもよい。
【0078】
幾つかの実施形態では、第1の電極415と第2の電極420の厚さは実質的に同じ厚さであってもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極415と第2の電極420は、異なる厚さを有してもよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、第2の電極420は、ウェハプラットフォームの面積の5%~50%の面積を有してもよい。
【0080】
幾つかの実施形態では、第1の電極415と第2の電極420は、同じ材料を含んでも、又は異なる材料を含んでもよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425は第1の電極415に結合されてもよく、第2の高電圧パルサー430は第2の電極420に結合されてもよい。例えば、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430は、ナノ秒パルサーシステム100のパルサー・トランス段101を含んでもよい。
【0082】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430とは異なるパルスを供給してもよい。例えば、第2の高電圧パルサー430によって第2の電極420に供給されるピーク電圧は、第1の高電圧パルサー425によって第1の電極415に供給されるピーク電圧とは異なっていてもよい。別の例として、第2の高電圧パルサー430から第2の電極420に供給されるパルス繰返し周波数は、第1の高電圧パルサー425から第1の電極415に供給されるパルス繰返し周波数とは異なっていてもよい。別の例として、第2の高電圧パルサー430によって第2の電極420に供給されるイオン電流は、第1の高電圧パルサー425によって第1の電極415に供給されるイオン電流とは異なっていてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサーは実質的に同じパルスを供給してもよい。例えば、第2の高電圧パルサー430によって第2の電極420に供給されるピーク電圧は、第1の高電圧パルサー425によって第1の電極415に供給されるピーク電圧と実質的に同じであってもよい。別の例として、第2の高電圧パルサー430によって第2の電極420に供給されるパルス繰返し周波数は、第1の高電圧パルサー425によって第1の電極415に供給されるパルス繰返し周波数と実質的に同じであってもよい。別の例として、第2の高電圧パルサー430によって第2の電極420に供給されるイオン電流は、第1の高電圧パルサー425によって第1の電極415に供給されるイオン電流と実質的に同じであってもよい。
【0084】
第1の高電圧パルサー425は、ナノ秒パルサーシステム100の任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。第1の高電圧パルサー425は、ナノ秒パルサーシステム300の任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425は、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載されている任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれている。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425はRFジェネレータを含んでもよい。
【0085】
第2の高電圧パルサー430は、ナノ秒パルサーシステム100の任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。第2の高電圧パルサー430は、ナノ秒パルサーシステム300の任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサー430は、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載されている任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれている。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサー430はRFジェネレータを含んでもよい。
【0086】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430は、第2の電極420によってウェハの端部に印加される電圧パルスが、第1の電極415によってウェハの中心部に印加される電圧とは異なるように、別々に制御されたパルスバイアス電圧又は別個のパルス繰返し周波数、又は位相がずれたパルスを供給してもよい。別々の電圧は、例えば、ウェハ405に亘る電界又はバイアス電圧が均一になるように、中心と比較してウェハの端部で異なる電界プロファイルを生成し得る。これは、例えば、ウェハの歩留まりを最適化し得る。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサー430は、第1の高電圧パルサー425よりも低い電圧で動作してもよく、例えば、第2の高電圧パルサー430は、第1の高電圧パルサー425の電圧の5%、10%、15%、20%、25%、30%等で動作してもよい。
【0087】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425によって供給されるパルスは、第2の高電圧パルサー430に対して独立して制御されてもよい。
【0088】
幾つかの実施形態では、空間変動型ウェハバイアス電力システムは、ウェハプラットフォーム410又はウェハ405の上面に亘る均一な電界(例えば、約5%未満、10%未満、15%未満又は20%未満の差)又は均一な電圧を生成し得る。
【0089】
幾つかの実施形態では、空間変動型ウェハバイアス電力システムは、ウェハプラットフォーム410又はウェハ405の上面に亘る不均一な電界又は不均一な電圧を生成してもよい。
【0090】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430は、約1pF~約100nFの間のキャパシタンスで容量結合されていてもよい。
【0091】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430は連結されていてもよい。例えば、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430は、第1の電極415及び第2の電極420に対して異なる電圧を生成する分圧器(例えば、抵抗性、誘導性、又は容量性)を有する単一のナノ秒パルサーを含んでもよい。別の例として、変圧器の一次側の単一のパルサーは、トランスT2の二次側の異なる二次巻線に結合された複数の負荷(及びエネルギー回収回路、抵抗出力段、又はバイアス補償回路)に結合されてもよい。異なる二次巻線は、異なる電圧を生成する為に異なる数の巻線を有していてもよい。
【0092】
図4Aでは2個の電極を図示しているが、実施形態によっては、任意の個数の電極が任意の個数のナノ秒パルサーと共に使用されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極415又は第2の電極420は、任意の幾何学的形状を有するウェハプラットフォーム410の下に任意の幾何学的領域を含んでもよい。同様に、追加の電極及びナノ秒パルサーが含まれてもよく、追加の電極は、任意の形状を有してもよく、他の電極に対して、及びウェハプラットフォームに対して任意の位置に配置されてもよい。
【0093】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425から第1の電極415へのリード、及び第2の高電圧パルサー430から第2の電極420へのリードは、グループ化されていても、互いに結束されていてもよい。この結束は、例えば、結束されたリードの接地に対する総漂遊キャパシタンスを、各リードを別々に動作させた場合よりも小さくすることを可能にし得る。この結束は、例えば、消費電力を節約し得る。幾つかの実施形態では、リードは、同軸構成で配置されても、ツインリード構成で配置されても、ツイストペアとして配置されてもよい。幾つかの実施形態では、出力から接地への漂遊キャパシタンスは、約100pF未満、又は約1nF未満、又は約10nF未満等であってもよい。幾つかの実施形態では、出力の漂遊インダクタンスは、約100nH未満、約1μH未満、約10μH未満等であってもよい。幾つかの実施形態では、各出力間の容量結合は、約100pF、1nF、10nF等未満であってもよい。
【0094】
図5は、幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアス電力システム500のブロック図である。空間変動型ウェハバイアス電力システム500は、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430を含んでもよい。
【0095】
配線基板505は、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430又は追加の高電圧パルサーと電気的に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、配線基板505は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430夫々に高直流電圧を供給してもよい。幾つかの実施形態では、配線基板505は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430にトリガ信号を供給してもよい。幾つかの実施形態では、配線基板505は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430に低電圧パルスを供給してもよい。
【0096】
幾つかの実施形態では、配線基板505は、計算システム900の1つ以上の構成要素を含むコントローラ又はプロセッサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、例えば、ウェハの表面上の電界、電界の均一性、第1の電極415上の電圧、第2の電極420上の電圧、1つ以上の抵抗出力段又は1つ以上のエネルギー回収回路内の抵抗器を跨ぐ電圧等の、プラズマチャンバの特性を測定する1つ以上のセンサが含まれてもよい。センサからの測定に基づいて、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430の電圧、パルス幅、又はパルス繰返し周波数が調整され得る。
【0097】
例えば、第2の電極420上の電圧が測定され、第1の電極415上の電圧よりも低いと判定された場合、ウェハの表面に電気的な不均一性(例えば、約5%未満、約10%未満、約15%未満、又は約20%未満の差)が生じる可能性がある。コントローラは、第2の高電圧パルサー430に送られる制御パルスのパルス幅を調整してもよく、これは、第2の高電圧パルサー430によって生成される電圧を増加させる可能性があり(例えば、容量性充電時間を増加させることによって)、従って、第2の電極上の電界を増加させる可能性がある。プロセスは、ウェハの表面に亘る電界が均一になるまで(例えば、10%、15%、20%、25%等以内)繰り返してもよい。
【0098】
別の例として、第1の抵抗出力段及び第2の抵抗出力段を跨ぐ電圧が測定されてもよい。これらの電圧は、チャンバ内を流れるイオン電流に対応し得る。この電流は、電極電圧の影響を受ける可能性がある。第1の電極へのイオン電流及び第2の電極へのイオン電流が不均一又は不整合(例えば、差が10%、20%又は30%を超える)である場合、コントローラは、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430の何れかに送信される制御パルスのパルス幅を調整してもよく、これは、ナノ秒パルサーによって生成される電圧を増加させる可能性があり(例えば、容量性充電時間を増加させることによって)、従って、対応する電極上の電界を増加させる可能性がある。
【0099】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430からのパルスは、チャンバインターフェース基板又はバイアス補償回路510を介してエネルギー回収回路525に、及びプラズマチャンバ535に通過してもよい。エネルギー回収回路525は、例えば、ナノ秒パルサーシステム100の抵抗出力段102を含んでもよい。別の例として、エネルギー回収回路525は、エネルギー回収回路305を含んでもよい。別の例として、エネルギー回収回路525は使用されなくてもよい。別の例として、エネルギー回収回路525は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430の何れか一方又は両方に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ535は、プラズマチャンバ、エッチングチャンバ、成膜チャンバ等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ535の実効回路は負荷段106を含んでもよい。
【0100】
2個の高電圧パルサーを図示しているが、任意の個数を用いてもよい。例えば、複数のリング状の電極が、複数の高電圧パルサーに結合されてもよい。
【0101】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425は、第2の高電圧パルサー430によって生成されるパルスとは異なるパルスを生成してもよい。例えば、第1の高電圧パルサー425は、少なくとも2kVのパルス出力を供給してもよい。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサー430は、第1の高電圧パルサー425によって供給されるパルスと同じか又は異なる、少なくとも2kVのパルス出力のパルスを供給してもよい。
【0102】
別の例として、第1の高電圧パルサー425は、第1のパルス繰返し周波数を有するパルスを生成してもよく、第2の高電圧パルサー430は、第2のパルス繰返し周波数を有するパルスを生成してもよい。第1のパルス繰返し周波数と第2のパルス繰返し周波数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1のパルス繰返し周波数及び第2のパルス繰返し周波数は、位相が互いに一致していてもよいし、位相がずれていてもよい。
【0103】
別の例として、第1の高電圧パルサー425は、第1のバースト繰返し周波数を有する第1の複数のバーストを生成してもよく、第2の高電圧パルサー430は、第2のバースト繰返し周波数を有する第2の複数のバーストを生成してもよい。各バーストは複数のパルスを含んでいてもよい。第1のバースト繰返し周波数と第2のバースト繰返し周波数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1のバースト繰返し周波数と第2のバースト繰返し周波数は、位相が互いに一致していてもよいし、位相がずれていてもよい。
【0104】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430は、水冷式又は誘電体冷却式であってもよい。
【0105】
図6は、幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステム600の概略図である。空間変動型ウェハバイアスシステム600は、プラズマチャンバ535に結合された第1の高電圧パルサー425と、第2の高電圧パルサー430とを含んでもよい。
【0106】
この例では、第1の高電圧パルサー425は、第1の抵抗出力段610及び第1のバイアスコンデンサ615を含む。幾つかの実施形態では、第1の抵抗出力段610を使用せず、例えば、ナノ秒パルサーシステム300に示すようなエネルギー回収回路を使用してもよい。
【0107】
この例では、第2の高電圧パルサー430は、第2の抵抗出力段620及び第2のバイアスコンデンサ625を含む。幾つかの実施形態では、第2の抵抗出力段620を使用せず、例えば、ナノ秒パルサーシステム300に示すようなエネルギー回収回路を使用してもよい。
【0108】
第1の電極415及び第2の電極420がプラズマチャンバ535内に配置されている。この例では、第1の電極415は円板形状であり、第2の電極420の中央開口部内に配置されている。第1の高電圧パルサー425は第1の電極415と電気的に結合され、第2の高電圧パルサー430は第2の電極420と電気的に結合される。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430との間には、漂遊結合キャパシタンス630が存在し得る。漂遊結合キャパシタンス630は、例えば、約100pF未満、約1nF未満、約10nF未満等であり得る。
【0109】
図7は、幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステム700の概略図である。この例では、空間変動型ウェハバイアスシステム700は、複数の絶縁された二次巻線を利用して、2つの異なるウェハ空間領域上に異なる電圧を供給する。空間変動型ウェハバイアスシステム700は単一の高電圧パルサー705を含む。単一の高電圧パルサー705は、図1又は図3に示すパルサー・トランス段101を含んでもよい。この例では、2つの独立した二次巻線のセットがトランスT1の周りに巻かれ得る。第1の二次巻線710は、第1の抵抗出力段610及び第1のバイアスコンデンサ615に電気的に結合されて、第1の電極チャネルを形成してもよい。第2の二次巻線715は、第2の抵抗出力段620及び第2のバイアスコンデンサ625と電気的に結合され、第2の電極チャネルを形成してもよい。幾つかの実施形態では、第1の電極チャネルと第2の電極チャネルとの間に漂遊結合キャパシタンス630が存在してもよい。漂遊結合キャパシタンス630は、例えば、約100pF未満、約1nF未満、約10nF未満等であってもよい。
【0110】
幾つかの実施形態では、第1の抵抗出力段610の代わりに第1のエネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路305)を使用してもよく、第2の抵抗出力段620の代わりに第2のエネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路305)を使用してもよい。第1のエネルギー回収回路と第2のエネルギー回収回路とは並列に配置されていてもよい。
【0111】
第1の電極415上の電圧及び第2の電極420上の電圧は、第1の二次巻線及び第2の二次巻線の巻き数に依存し得る。
【0112】
図8は、幾つかの実施形態による空間変動型ウェハバイアスシステム800の概略図である。この例では、空間変動型ウェハバイアスシステム800は、分圧器を利用して2つの異なるウェハ空間領域上に異なる電圧を供給する。空間変動型ウェハバイアスシステム800は、単一の高電圧パルサー805及び分圧器810を含む。分圧器810は、複数の抵抗器及びコンデンサを含んでもよい。抵抗器及びコンデンサの値は、第1の電極415にパルスを供給する第1の電極チャネルに供給されるパルスの電圧と、第2の電極420にパルスを供給する第2の電極チャネルに供給されるパルスの電圧との電圧比を提供するように選択され得る。
【0113】
第1の電極チャネルは、第1の抵抗出力段610と、第1のバイアスコンデンサ615とを含み得る。第2の電極チャネルは、第2の抵抗出力段620と、第2のバイアスコンデンサ625を含み得る。
【0114】
幾つかの実施形態では、第1の電極チャネルと第2の電極チャネルとの間に漂遊結合キャパシタンス630が存在し得る。漂遊結合キャパシタンス630は、例えば、約100pF未満、約1nF未満、約10nF未満等であってもよい。
【0115】
幾つかの実施形態では、第1の抵抗出力段610の代わりに第1のエネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路305)を使用してもよく、第2の抵抗出力段620の代わりに第2のエネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路305)を使用してもよい。第1のエネルギー回収回路と第2のエネルギー回収回路は並列に配置されていてもよい。
【0116】
別段の指定がない限り、「実質的に」という用語は、言及された値の5%又は10%以内、或いは製造公差内を意味する。別段の指定がない限り、用語「約」は、言及された値の5%又は10%以内、或いは製造公差内を意味する。
【0117】
図9に示す計算システム900は、本発明の任意の実施形態を実行する為に使用され得る。別の例として、計算システム900は、本明細書に記載された任意の計算、識別及び/又は決定を実行する為に使用され得る。計算システム900は、バス905を介して電気的に結合され得る(又は、適切な場合には他の方法で通信し得る)ハードウェア要素を含む。ハードウェア要素は、限定はしないが、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の特殊用途プロセッサ(例えば、デジタル信号処理チップ、グラフィックスアクセラレーションチップ、及び/又は同等物)を含む1つ以上のプロセッサ910、限定はしないが、マウス、キーボード、及び/又は同等物を含み得る1つ以上の入力デバイス915、及び、限定はしないが、ディスプレイデバイス、プリンタ、及び/又は同等物を含み得る1つ以上の出力デバイス920を含み得る。
【0118】
計算システム900は、1つ以上のストレージデバイス925を更に含んでもよく(及び/又はそれらと通信可能であってもよい)、ストレージデバイス925は、限定はしないが、ローカル及び/又はネットワークアクセス可能なストレージを含んでもよく、並びに/又は、限定はしないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光ストレージデバイス、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又は、プログラム可能でありフラッシュアップデート可能であるリードオンリーメモリ(「ROM」)等のソリッドステートストレージデバイス及び/又は同等物を含み得る。計算システム900は更に、通信サブシステム930を含んでもよく、これは、限定はしないが、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス及び/又はチップセット(例えば、ブルートゥースデバイス、802.6デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備等)、及び/又は同等物を含んでもよい。通信サブシステム930は、ネットワーク(1つの例を挙げると、以下に説明するネットワーク等)、及び/又は本明細書に記載される任意の他のデバイスとデータを交換することを許可してもよい。多くの実施形態では、計算システム900は、上述したように、RAM又はROMデバイスを含み得るワーキングメモリ935を更に含む。
【0119】
計算システム900は更に、オペレーティングシステム940及び/又は1つ以上のアプリケーションプログラム945等の他のコードを含むワーキングメモリ935内に現在配置されて示されたソフトウェア要素を含んでもよく、これは、本発明のコンピュータプログラムを含むことができ、及び/又は本明細書に記載のように本発明の方法を実施するように設計され得る、及び/又は本発明のシステムを構成するように設計され得る。例えば、上述の方法(複数可)に関して記載された1つ以上の手順は、コンピュータ(及び/又はコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコード及び/又は命令として実装され得る。これらの命令及び/又はコードのセットは、上述した記憶装置(複数可)925のようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納され得る。
【0120】
場合によっては、記憶媒体は、計算システム900内に組み込まれていても、又は計算システム900と通信していてもよい。他の実施形態では、記憶媒体は、計算システム900から分離されていてもよく(例えば、コンパクトディスク等のリムーバブル媒体)、及び/又はインストールパッケージで提供されていてもよく、記憶媒体が、そこに格納された命令/コードを用いて汎用コンピュータをプログラムする為に使用され得るようにする。これらの命令は、計算システム900によって実行可能な実行コードの形態、及び/又は、ソース及び/又はインストール可能なコードの形態を取ってもよく、そのコードは、計算システム900にコンパイル及び/又はインストールされると(例えば、一般的に利用可能な様々なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等の何れかを使用して)、実行コードの形態となる。
【0121】
多数の具体的な詳細が、請求項に記載の主題の完全な理解を提供する為に本明細書に記載されている。しかしながら、当業者であれば、請求項に記載の主題は、これらの特定の詳細がなくても実施され得ることを理解するであろう。他の例では、請求項に記載の主題を不明瞭にしない為に、当業者であれば知り得る方法、装置、又はシステムが詳細に記載されていない場合がある。
【0122】
一部の部分は、コンピュータメモリ等のコンピューティングシステムメモリ内に格納されたデータビット又はバイナリデジタル信号に対する操作のアルゴリズム又は記号的表現として提示される。これらのアルゴリズムの記述又は表現は、データ処理技術の当業者が他の当業者に自身の仕事の本質を伝える為に使用する技術の例である。アルゴリズムとは、所望の結果を導く自己矛盾のない一連の操作又は類似の処理のことである。この文脈では、操作又は処理は、物理量の物理的な操作を含む。典型的には、必ずしもそうとは限らないが、そのような量は、保存、転送、結合、比較、又は他の方法で操作され得る電気信号又は磁気信号の形を取り得る。このような信号をビット、データ、値、要素、シンボル、文字、用語、数字、数字等と呼ぶことは、主に一般的な使用法の理由から、便利であることが証明されている。しかしながら、これらの用語や類似の用語は全て適切な物理量と関連付けられるべきものであり、単に便利な標識に過ぎないことを理解すべきである。特に別段の記載がない限り、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、及び「識別」等の用語を利用した議論は、本明細書全体を通して、コンピューティングプラットフォームのメモリ、レジスタ、又は他の情報記憶装置、送信装置、又は表示装置内で物理的な電子量又は磁気量として表されるデータを操作又は変換する、1台以上のコンピュータ又は類似の電子コンピューティングデバイス又は装置等のコンピューティングデバイスの動作又はプロセスを指すことが理解されるであろう。
【0123】
本明細書で論じられるシステム(複数可)は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。コンピューティングデバイスは、1つ以上の入力に条件付けられた結果を提供するコンポーネントの任意の適切な配置を含み得る。適切なコンピューティングデバイスは、汎用コンピューティングデバイスから、本発明の主題の1つ以上の実施形態を実施する特殊なコンピューティングデバイスまで、コンピューティングデバイスをプログラム又は構成する格納されたソフトウェアにアクセスする多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムを含む。任意の適切なプログラミング、スクリプト、又は他のタイプの言語又は言語の組み合わせが、コンピューティングデバイスをプログラミング又は構成する際に使用されるソフトウェアに、本明細書に含まれる教示を実装する為に使用されてもよい。
【0124】
本明細書に開示された方法の実施形態は、そのようなコンピューティングデバイスの動作中に実行され得る。上記の例で提示されたブロックの順序は変えられてもよく、例えば、ブロックは、再順序化され、結合され、及び/又はサブブロックに分割され得る。特定のブロック又はプロセスは並列に実行され得る。
【0125】
本明細書での、「適応された」又は「構成された」の使用は、オープン且つ包括的であることを意図しており、追加のタスクやステップを実行するように適応又は構成されたデバイスを否定するものではない。更に、「に基づいて」の使用は、1つ以上の言及された条件や値「に基づく」プロセス、ステップ、計算、又はその他のアクションが、実際には、これらの条件や値を超えた追加の条件や値に基づいている可能性があるという意味で、オープン且つ包括的な表現であることを意図している。本明細書に含まれる見出し、リスト及び番号は、説明を容易にする為のものであり、限定的であることを意図していない。
【0126】
本開示の主題は、その特定の実施形態に関して詳細に記載されているが、当業者であれば、上記の理解を得た上で、そのような実施形態の変更、変形、及び同等物を容易に作り出すことができることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示の為に提示されたものであり、そのような変更、変形及び/又は追加を含めることを排除するものではなく、そのことは、当業者には自明であろう。
【符号の説明】
【0127】
100、300 ナノ秒パルサーシステム
101 パルサー・トランス段
102 抵抗出力段
103 リード段
104 DCバイアス補償回路
106 負荷段
305、525 エネルギー回収回路
310、330 ダイオード
315、340 インダクタ
400、500 ウェハバイアス電力システム
405 ウェハ
410 ウェハプラットフォーム
415 第1の電極
420 第2の電極
425 第1の高電圧パルサー
430 第2の高電圧パルサー
505 配線基板
510 バイアス補償回路
525 エネルギー回収回路
535 プラズマチャンバ
600、700、800 ウェハバイアスシステム
610 第1の抵抗出力段
615 第1のバイアスコンデンサ
620 第2の抵抗出力段
625 第2のバイアスコンデンサ
630 漂遊結合キャパシタンス
705、805 高電圧パルサー
710 第1の二次巻線
715 第2の二次巻線
810 分圧器
900 計算システム
925 ストレージデバイス
930 通信サブシステム
935 ワーキングメモリ
C5 スナバコンデンサ
D2 フリーホイールダイオード
D4 スナバダイオード
S1 ソリッドステートスイッチ
R3 スナバ抵抗器
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバと、
複数のスイッチと変圧器とを有する第1の高電圧パルサーであって、前記第1の高電圧パルサーは、約1kVより大きい電圧、約1μsより小さいパルス幅、及び約20kHzより大きいパルス繰返し周波数を有する第1の複数のパルスを生成し、前記第1の複数のパルスの各々のパルスは、約50nsより小さい立上り時間を有する、前記第1の高電圧パルサーと、
複数のスイッチと変圧器とを有する第2の高電圧パルサーであって、前記第2の高電圧パルサーは、約1kVより大きい電圧、約1μsより小さいパルス幅、及び約20kHzより大きいパルス繰返し周波数を有する第2の複数のパルスを生成し、前記第2の複数のパルスの各々のパルスは、約50nsより小さい立上り時間を有する、前記第2の高電圧パルサーと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記第1の高電圧パルサーと電気的に結合された第1の電極であって、
円板形状、
中心軸、及び、
外径、
を有する前記第1の電極と、
前記プラズマチャンバ内において前記第1の電極と隣接して配置され、前記第2の高電圧パルサーと電気的に結合された第2の電極であって、
中心開口部を有する円板形状であって、前記第1の電極が前記中心開口部内に配置される、前記円板形状、
前記第1の電極の前記中心軸と整列した中心軸、及び、
前記第1の電極の前記外径の直径より大きな開口直径、
を有する前記第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された絶縁材料と、
前記プラズマチャンバ内において前記第1電極と前記第2電極の上方に配置された誘電体材料を有するウェハプラットフォームと、
を備えるプラズマシステム。
【請求項2】
前記ウェハプラットフォームに載置されたウェハの表面に亘る電界は、25%以内で均一である、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項3】
前記第1の電極と前記ウェハプラットフォームに載置されたウェハの対応する部分との間の結合容量が100pFより大きく、前記第2電極とウェハの対応する部分との間の容量が100pFより大きい、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項4】
前記第1の高電圧パルサーは、前記第1の電極上に約1kVより大きい電極電圧を生成し、前記第2の高電圧パルサーは、前記第2の電極上に約1kVより大きい電極電圧を生成する、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項5】
前記第1の高電圧パルサーは、抵抗出力段を備え、前記第2の高電圧パルサーは、抵抗出力段を備える、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項6】
前記第1の高電圧パルサーは、エネルギー回収回路を備え、前記第2の高電圧パルサーは、エネルギー回収回路を備える、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項7】
前記第1の複数のパルスの電圧及び/又はパルス幅は、前記第2の複数のパルスの電圧及び/又はパルス幅と独立して制御される、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項8】
前記第1のパルス繰返し周波数と前記第2のパルス繰返し周波数とは、位相が互いに一致している、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項9】
前記第2の高電圧パルサーは、前記第1の高電圧パルサーによって提供されるパルスの電圧振幅とは異なる電圧振幅を有するパルスを提供する、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項10】
前記第2の高電圧パルサーは、前記第1の高電圧パルサーによって提供されるパルスのパルス繰返し周波数とは異なるパルス繰返し周波数を有するパルスを提供する、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項11】
前記第1の電極と前記第2の電極は、その間に配置された前記絶縁材料との結合容量が10nF未満である、請求項1に記載のプラズマシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
本開示の主題は、その特定の実施形態に関して詳細に記載されているが、当業者であれば、上記の理解を得た上で、そのような実施形態の変更、変形、及び同等物を容易に作り出すことができることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示の為に提示されたものであり、そのような変更、変形及び/又は追加を含めることを排除するものではなく、そのことは、当業者には自明であろう。
〔付記1〕
プラズマ負荷を有する電力システムであって、
約1kVを超える第1の電圧、約1μs未満の第1のパルス幅、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数を有する第1の複数のパルスを出力する第1の高電圧パルサーと、
約1kVを超える第2の電圧、約1μs未満の第2のパルス幅、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数を有する第2の複数のパルスを出力する第2の高電圧パルサーと、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置され、前記第1の高電圧パルサーに電気的に結合された第1の電極と、
前記第1の電極と隣接して前記チャンバ内に配置され、前記第2の高電圧パルサーと電気的に結合された第2の電極と、
を備えた電力システム。
〔付記2〕
前記チャンバが、ウェハと、10pF~1μFのキャパシタンスで前記第1の電極及び前記第2の電極と容量結合されたプラズマとのうち何れか一方又は両方を含む、付記1に記載のシステム。
〔付記3〕
前記ウェハの表面に亘る電界が25%以内で均一である、付記1に記載のシステム。
〔付記4〕
前記第1の電極と前記ウェハの対応する部分との間の結合キャパシタンスが100pFを超え、前記第2の電極と前記ウェハの対応する部分との間のキャパシタンスが100pFを超える、付記1に記載のシステム。
〔付記5〕
前記チャンバが、ウェハ上に加速されるイオンのプラズマを含む、付記1に記載のシステム。
〔付記6〕
前記第1の高電圧パルサーが約1kVを超える前記第1の電極上の電極電圧を生成し、前記第2の高電圧パルサーが約1kVを超える前記第2の電極上の電極電圧を生成する、付記1に記載のシステム。
〔付記7〕
前記第2の電圧に対する前記第1の電圧の比が2対1未満である、又は、前記第1の電圧に対する前記第2の電圧の比が2対1未満である、付記1に記載のシステム。
〔付記8〕
前記第1の電極と前記第2の電極のうち何れか一方又は両方が軸対称である、付記1に記載のシステム。
〔付記9〕
前記第1の電極が第1の平面表面を有し、前記第2の電極が第2の平面表面を有し、前記第2の平面表面が、前記第1の平面表面と前記第2の平面表面との合計の25%となっている、付記1に記載のシステム。
〔付記10〕
前記第1の高電圧パルサー及び前記第2の高電圧パルサーの両方が抵抗出力段を備えている、付記1に記載のシステム。
〔付記11〕
前記第1の高電圧パルサーと前記第2の高電圧パルサーの両方がエネルギー回収回路を備えている、付記1に記載のシステム。
〔付記12〕
前記第1の複数のパルスのパラメータが、前記第2の複数のパルスのパラメータとは独立して制御される、付記1に記載のシステム。
〔付記13〕
前記第1のパルス繰返し周波数と前記第2のパルス繰返し周波数の位相が互いに一致している、付記1に記載のシステム。
〔付記14〕
前記第1の電極と前記第2の電極の間の結合キャパシタンスが約10nF未満である、付記1に記載のシステム。
〔付記15〕
前記第1の電極が、
円板形状と、
中心軸と、
外径と、を含み、
前記第2の電極が、
中心開口部を有する円板形状を含み、前記第1の電極が前記中心開口部内に配置され、
更に、前記第1の電極の前記中心軸と整列した中心軸と、
開口直径と、
外径を含む、付記1に記載のシステム。
〔付記16〕
システムであって、
ウェハプラットフォームと、
第1の電極とを備え、前記第1の電極が、
円板形状と、
中心軸と、
外径と、を含み、
更に、第2の電極を備え、前記第2の電極が、
中心開口部を有する円板形状を含み、前記第1の電極が前記中心開口部内に配置されており、
更に、前記第1の電極の前記中心軸と整列した中心軸と、
開口直径と、
外径と、を含み、
更に、前記第1の電極と電気的に結合され、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成する第1の高電圧パルサーと、
前記第2の電極と電気的に結合され、10kHzを超えるパルス繰返し速度で5kVを超えるパルスを生成する第2の高電圧パルサーと、
を備えたシステム。
〔付記17〕
前記ウェハプラットフォームが、前記第2電極の外径と実質的に類似した外径を有する、付記16に記載のシステム。
〔付記18〕
前記第2の高電圧パルサーが、前記第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスの振幅の分数である振幅を有するパルスを供給する、付記16に記載のシステム。
〔付記19〕
前記第2の高電圧パルサーが、前記第1の高電圧パルサーによって供給されるパルスのパルス繰返し周波数の分数であるパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する、付記16に記載のシステム。
〔付記20〕
前記第1の高電圧パルサーと前記第1の電極とに結合された第1の抵抗出力段と、前記第2の高電圧パルサーと前記第2の電極とに結合された第2の抵抗出力段を更に含む、付記16に記載のシステム。
〔付記21〕
前記第1の高電圧パルサーと前記第1の電極とに結合されたバイアス補償回路を更に含む、付記16に記載のシステム。
〔付記22〕
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された絶縁材料のリングを更に含む、付記16に記載のシステム。
〔付記23〕
前記ウェハプラットフォームが誘電体材料又はセラミック材料を含む、付記16に記載のシステム。
〔付記24〕
方法であって、
プラズマチャンバ内の第1の電極に結合された第1の高電圧パルサーをパルシングし、前記第1の高電圧パルサーは、約1kVを超える第1の電圧で、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数と、第1のパルス幅でパルシングし、
前記プラズマチャンバ内の第2の電極に結合された第2の高電圧パルサーをパルシングし、前記第2の高電圧パルサーは、約1kVを超える第2の電圧で、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数と、第2のパルス幅でパルシングし、前記第1の電極と前記第2の電極はウェハの下に配置され、
前記プラズマチャンバ内で発生する物理現象に対応するパラメータを測定し、
前記第2の電圧、前記第2のパルス繰返し周波数、及び前記第2のパルサー幅のうち少なくとも1つを、測定されたパラメータに基づいて調整する、
ことを含む方法。
〔付記25〕
前記プラズマチャンバ内で発生する前記物理現象が、前記ウェハの表面に亘る電界の均一性に対応する、付記24に記載の方法。
〔付記26〕
前記プラズマチャンバ内で発生する前記物理現象が、前記ウェハの表面に亘るイオン電流の均一性に対応する、付記24に記載の方法。
〔付記27〕
前記パラメータが、前記第1の高電圧パルサーの抵抗器を流れる電流である、付記24に記載の方法。
【外国語明細書】