(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188104
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】生育システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A01G 9/02 20180101AFI20221213BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20221213BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20221213BHJP
【FI】
A01G9/02 B
A01G7/00 601B
A01G9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022149831
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2021088422の分割
【原出願日】2017-09-15
(31)【優先権主張番号】1615751.3
(32)【優先日】2016-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュウ・ジョン・イングラム-テッド
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥーレ・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・スタッブス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ガーケン
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】植物がコンテナ中で生育され、コンテナがスタック中に保管されている生育システム。スタックは、荷積み取り扱い装置が進む軌道の格子ネットワークを進む。荷積み取り扱い装置は、スタックからコンテナをとり、スタック中の代替位置に配置する、または、品物が選び出されてもよいステーションにこれらを配置する。コンテナに、電力、電力制御、加熱、照明、冷却、センサ手段、データロギング手段、生育手段、水、および、栄養が提供されてもよい。システムは、使用するとき、上から各コンテナを照明することが可能であるが、必要としないとき、保管位置に移動可能な、配置可能な照明手段60をさらに備えている。
【効果】個々のコンテナ内の照明手段60の供給は、保管の柔軟性を可能にしながら、コストと非効率性を低減させ、複数の作物を単一のエリアで生育させることを可能にする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生育システムであって、
実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で前記第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記格子空間の下に、および、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック12中に構成されている複数の保管コンテナ110と、
前記軌道上に配置され、前記スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置30とを備え、
前記または各荷積み取り扱い装置30は、スタック12から少なくとも1つのコンテナ110をまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、
前記システムは、一連の照明手段60を備え、
前記照明手段は、前記照明手段によって放射される光が前記コンテナ110の生育容積にわたって均一に分散されるように、前記スタック12中のコンテナ110に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能である、システム。
【請求項2】
前記照明手段60は、前記フレームワークの前記垂直材上に位置付けられているメカニズムによって、前記第1の位置から前記第2の位置に移動される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メカニズム115は、前記垂直材上に位置付けられている係合手段を備え、前記係合手段は、前記照明手段を係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記照明手段は、リボン手段上に位置付けられているパネル手段を備え、前記リボン手段は、前記垂直材上に位置付けられている前記係合手段と係合する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記メカニズムは、ウォームギヤメカニズムを備え、前記ウォームギヤメカニズムは、前記垂直材上に位置付けられたねじ切りされた棒を備え、前記係合手段は、歯車を備える、請求項2から4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
生育システムであって、
実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で前記第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記格子空間の下に、および、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック12中に構成されている複数の保管コンテナ110と、
前記軌道上に配置され、前記スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置30とを備え、
前記または各荷積み取り扱い装置30は、スタック12から少なくとも1つのコンテナ110をまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、
各コンテナは、プラスチック部分120を備え、前記プラスチック部分120は、前記コンテナ110に渡る均一な分散で、前記コンテナ110中の生育容積への、その上に入射する光を通すための半透明な素材を備える、システム。
【請求項7】
前記システムは、照明手段60をさらに備え、前記照明手段60は、各コンテナ110の前記プラスチック部分に隣接して位置付けられ、前記照明手段60によって放射される光は、前記コンテナ110の前記プラスチック部分120上に入射し、前記放射される光は、前記プラスチック部分を通して分散され、前記コンテナ120の生育容積122に向けて通される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プラスチック部分は、前記コンテナ110の生育容積122に向けて鏡上の光の入射を反射させるように機能する鏡部分をさらに備える、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プラスチック部分は、前記コンテナ110のふた部分を備える、請求項6から8のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記プラスチック部分は、前記コンテナ110のベース部分を備える、請求項6から8のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記照明手段60は、生体の栽培、制御、または、メンテナンスに適した、波長のまたは波長の範囲の光を放射する、光放射手段を備える、請求項1から10のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記生体は、研究または開発の下で作物または有機体を生育することを備える、請求項1から11のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンテナ110の一部分は、作物を生育することを備える、請求項1から12のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンテナの一部分は、研究または開発の下の有機体を備える、請求項1から13のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、電力供給手段42を備える、請求項1から14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、電力制御手段43を備える、請求項1から15のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、センサ手段と前記センサ手段の出力を監視するためのデータロギング手段44を備える、請求項1から16のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、隣接コンテナ10とまたは中央通信マネージャと通信するための通信手段46を備える、請求項1から17のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、前記コンテナ10の内容物を加熱するための加熱手段47を備える、請求項1から18のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、前記コンテナ10の内容物を冷却するための冷却手段48を備える、請求項1から19のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、貯留層54を備え、前記貯留層54は、前記コンテナ10中の流体流しとして機能する、請求項1から20のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、照明手段60を備え、前記照明手段が動作可能な時間の長さは、制御可能であり、可変である、請求項1から21のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
請求項1から22のうちのいずれか1項に記載の生育システム内で有機体を育成する方法であって、
a.保管コンテナ110内で生育する手段を提供することと、
b.保管システム内で前記コンテナ110を位置付けることと、
c.必要とされる光、水、および、栄養を提供することと、
d.前記コンテナ110の上の格子システム上で動作可能な少なくとも1つのロボット荷積み取り扱い装置30を使用して、前記コンテナ110を移動させることとのステップを備え、
前記光は、前記コンテナ110の側に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能な照明手段を介して提供される、方法。
【請求項24】
a.保管コンテナ10内にセンサ手段とデータロギング44および記憶手段を提供することと、
b.ログ記録されたデータを中央データロギング装置に通信するための通信手段44を提供することと、
c.受け取ったデータを監視することと、
d.必要に応じて水と栄養を提供するために、コンテナ10内の有機体の生育サイクルの間、コンテナ10を取り出すこととのステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
e.前記コンテナ内で温度を制御する手段を提供することと、
f.前記コンテナ内で温度を監視する手段を提供することとのステップをさらに備える、請求項23または24に記載の植物を生育する方法。
【請求項26】
各コンテナ10内で照明手段60を提供することのステップをさらに備え、前記照明手段60は、前記コンテナ10中で生育されている植物に適した予め定められた波長の光を放射する、請求項23から25のうちのいずれか1項に記載の植物を生育する方法。
【請求項27】
前記コンテナ10中の前記植物に対して適切な日照時間をシミュレートするために、前記照明手段60が動作可能な時間の長さを変化させるステップをさらに備える、請求項23から26のうちのいずれか1項に記載の植物を生育する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生育システムおよび方法に関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、機械化された植物生育システムに対する照明に関する。
【0002】
本出願は、2016年9月15日に出願された英国特許出願GB1615751.3号に基づく優先権を主張し、この特許出願の内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
さらに、英国特許出願番号GB1606678.9号、GB1606684.7号、および、GB1606679.7号の主題事項が、参照によってここに組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
ある作物を生育するための従来のシステムと方法はよく知られている。多くは、広いエリアの土地を必要とし、生育される作物に関して必要とされる条件に対して適切な位置に位置付けられる必要がある。
【0005】
より最近では、水栽培のような高度農業技術は、光、水、および、肥料の非常に高い利用により、屋内で高品質な作物を生育する能力につながっている。しかしながら、これらのシステムは、土地使用、資本、および、労働力に関しては、あまり効率的でない。本発明は、これらの効率性を劇的に向上させる方法を説明する。
【0006】
いくつかの商用および工業用のアクティビティは、広大な数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための、1つの既知のタイプのシステムは、相互の上にスタック状態で保管コンテナを配置することを伴い、これらのスタックが列状態で構成される。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定の空間において保管することができるように、保管コンテナは上からアクセスされる。
【0007】
列状態に積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、長年にわたり周知のものである。例えばBertelの米国特許第2,701,065号に記載されるようないくつかのこのようなシステムは、このようなコンテナの保管に関連する保管容積を削減するが依然として必要に応じて特定のコンテナへのアクセスを与えるために、列状態に構成された自立型コンテナスタックを備える。所定のコンテナへのアクセスは、所定のコンテナを積み重ね、スタックから所定のコンテナを回収するために使用できる比較的複雑な巻上げメカニズムを用意することによって可能となる。しかし、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、大型輸送コンテナの保管およびハンドリング用に主として商業化されている。
【0008】
例えばCimcorpのEP0767113Bに記載されるような、自立型コンテナスタックを使用し、特定のコンテナを取り出しおよび保管するためのメカニズムを提供するコンセプトが、さらに展開されてきた。‘113は、コンテナスタックの周囲において下げられ、スタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持することができるように構成された矩形チューブの形態のロボット荷積みハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すためのメカニズムを開示する。このようにすることで、いくつかのコンテナは、スタックから一斉に持ち上げられることができる。可動チューブは、あるスタックの頂部から別のスタックの頂部にいくつかのコンテナを移動するために、または、スタックから外部位置にコンテナを移動するおよびその逆を行うために使用されることができる。このようなシステムは、(単一製品スタックとして知られる)単一スタック中のすべてのコンテナが同一製品を含む場合に特に有用であることがある。
【0009】
‘113において説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫などの閉鎖空間内で使用されるときには、スタックの最大高さは、荷積みハンドラのチューブを収容する必要があることによって制限される。
【0010】
参照によりその内容がここに組み込まれるEP1037828B1(Autostore)は、コンテナのスタックがフレーム構造内に構成されるシステムを説明している。このタイプのシステムは、添付の図面の
図1~
図4に概略的に示される。ロボット荷積み取り扱い装置は、スタックの最上表面上の軌道システム上においてスタックの周囲で制御可能に移動できる。
【0011】
ロボット荷積み取り扱い装置の他の形態が、例えばノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容は参照によりここに組み込まれる。
図3(a)および
図3(b)は、それぞれ、後方および正面からの荷積み取り扱い装置の概略斜視図であり、
図3(c)は、容器を持ち上げる荷積み取り扱い装置の概略正面斜視図である。
【0012】
荷積み取り扱い装置のさらなる展開が、英国特許出願番号第1314313.6号(Ocado)に説明されている。ここでは、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定サイズのシステムのより高いスループットが可能となる。
【0013】
このような既知の保管システムでは、多数の容器が密に積み重ねられている。
コンテナは従来、ロボットによってピッキングされるオンライン食料品注文を供給するための品物を保管するために使用された。
【0014】
このようなシステムは、植物、および、実際には他の生体を生育するために使用されてもよい。このようなシステムは、英国特許出願番号第GB1606678.9(Ocado Innovation Limited)中に説明されている。
【0015】
その中におけるシステムは、個々のコンテナで植物を生育するために使用されてもよい保管タイプ垂直農業システムを開示しており、非常に多くのコンテナは、従来の生育技術を使用して必要とされる土地よりもより狭い土地のエリアで、このような作物を大量生産することを可能にする。
【0016】
上記で言及した出願はまた、個々に、または、システムのフレームワークを介してのいずれかで、コンテナにサービスを提供する能力も開示している。個々のコンテナにおいて提供されるサービスに依存して、内容物は、中央処理システムに中継されるコンテナの内容物に関連するデータを監視されてもよい。送信されるデータは、コンテナの状態、コンテナの内容物に関する情報を提供してもよく、または、隣接するコンテナに関する情報を状態監視全体保管システムに提供してもよい。さらに、このような方法で、コンテナは、コンテナの特定の内容物によって必要とされるように、照らされ、加熱され、または、冷却されてもよい。
【0017】
さらに、本出願は、品物に加えてサービスが提供される保管システム内の個々のコンテナを開示している。さらに、保管システム内の個々のコンテナは、品物を含んでいなくてもよいが、他のコンテナへの供給のための、または、システムの状態を監視するためのサービスを含んでいてもよい。
【0018】
効率的に作物または他の生体を生育するためのこのようなシステムを使用するために、コンテナ内の作物または他の生体が適切な波長の照明を介して照らされることが必要であるかもしれない。
【0019】
既知の垂直農業システムでは、生育される作物は、典型的に、その上に据え付けられた大きな照明アレイとともに大きなトレイ上で生育される。上記で説明した高密度システムにおいて、一連の積み重ねられたコンテナ中の作物の存在は、このような広域照明解決法の使用を妨げる。
【0020】
垂直に積み重ねられた容器を利用するシステムにおいて、容器に隣接してライトを据え付け、内部で光を照らすことができることは、非常に有益である。課題は、均一な光分散を達成することである。生育容器の壁と上記の容器の底面を利用することにより、容器内部で生育する植物への光の一貫した放出を可能にする、光の合理的な均一性を達成することが可能である。ロボットによって配置された作物上に光を反射させるために、照明手段を備えるカバー、キャップまたはふたは、容器の一番上に提供されてもよい。
【発明の概要】
【0021】
本発明にしたがうと、生育システムが提供され、生育システムは、実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、格子空間の下に、および、フレームワークを形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック中に構成されている複数の保管コンテナと、軌道上に配置され、スタック上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置とを備え、前記または各荷積み取り扱い装置は、スタックから少なくとも1つのコンテナをまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、システムは、一連の照明手段を備え、照明手段は、照明手段によって放射される光がコンテナの生育容積にわたって均一に分散されるように、スタック中のコンテナに隣接する第1の位置からコンテナ上の第2の位置に配置可能である。
【0022】
本発明にしたがうと、生育システムがさらに提供され、生育システムは、実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、格子空間の下に、および、フレームワークを形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック中に構成されている複数の保管コンテナと、軌道上に配置され、スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置とを備え、前記または各荷積み取り扱い装置は、スタックから少なくとも1つのコンテナをまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、各コンテナは、プラスチック部分を備え、プラスチック部分は、コンテナに渡る均一な分散で、コンテナ中の生育容積への、その上に入射する光を通すための半透明な素材を備える。
【0023】
本発明にしたがうと、請求項1から22のうちのいずれか1項に記載の生育システム内で有機体を育成する方法がさらに提供され、方法は、保管コンテナ110内で生育する手段を提供することと、保管システム内でコンテナ110を位置付けることと、必要とされる光、水、および、栄養を提供することと、コンテナ110の上の格子システム上で動作可能な少なくとも1つのロボット荷積み取り扱い装置30を使用して、コンテナ110を移動させることとのステップを備え、光は、コンテナ110の側に隣接する第1の位置からコンテナ110上の第2の位置に配置可能な照明手段を介して提供される。
【0024】
このようにして、本発明は、スタックシステム垂直農場中の先行技術の照明システムの問題を克服し、積み重ねられたコンテナシステムにおける均一な光分散を確実にし、作物の収穫高の増加、照明コストに関する効率性の増加、および、照明の方向性による影響を受けない作物の生成を確実にする、解決法を提供する。
【0025】
添付の線図を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、保管システム内に複数のコンテナのスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のフレーム構造の一部の概略的な平面図である。
【
図3a】
図3(a)は、
図1および
図2のフレーム構造による使用のためのロボットの荷積み取り扱い装置の1つの形態の、後方からの概略斜視図である。
【
図3b】
図3(b)は、
図1および
図2のフレーム構造による使用のためのロボットの荷積み取り扱い装置の1つの形態の、正面からの概略斜視図である。
【
図3c】
図3(c)は、コンテナを持ち上げる使用の際の、既知の荷積みハンドラ装置の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一つの形態にしたがうロボットサービス装置と共に、
図1および
図2のフレーム構造上に取り付けられた
図3(a)、
図3(b)、および
図3(c)に示すタイプの複数の荷積み取り扱い装置を備える既知の保管システムの概略斜視図である。
【
図5】
図5は、生育システムの1つの形態の概略斜視図であり、システムは、フレームワーク内に位置付けられた一連のスタックのコンテナを備え、個々のコンテナは、(示していない)荷積みハンドラによってスタックから取り外し可能であり、システムは、生育システム中に保管されているコンテナ中で生育する植物をピッキングするためのロボットピッキング手段をさらに備えている。
【
図6a】
図6aは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図6b】
図6bは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図6c】
図6cは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図7】
図7は、保管システムのフレームワークの垂直材を示す、
図5のシステムの一部分の概略斜視図であり、垂直材は、垂直材上に移動可能に据え付けられている複数のスライド式パネルを運び、パネルは、フレームワーク内の第1の動作不能位置から第2の動作可能位置へと移動可能であり、第2の位置のとき、パネルは個々のコンテナ内に位置付けられる。
【
図8】
図8は、コンテナが垂直材内に積み重ねられる保管システムのフレームワークの垂直材を示す
図5のシステムの一部分の概略斜視図であり、
図7のパネルが、コンテナ内の第2の、動作可能位置にある。
【
図9】
図9は、パネルを垂直材内の第1の位置からコンテナ内の第2の位置へと移動させるためのメカニズムの1つの形態の概略斜視拡大図であり、メカニズムは、ウォームギヤメカニズムを備える。
【
図10】
図10は、システム内のスタック内の各コンテナに渡って均一な光分散を達成することが可能な照明手段を示す、本発明のさらなる形態の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および
図2において示しているように、コンテナ10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、相互の頂部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫環境または製造環境におけるフレームワーク構造14内に構成される。
図1は、フレーム構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレーム構造14に構成されているコンテナ10の単一のスタック12を示しているトップダウン図である。各コンテナ10は、典型的に、(示していない)複数の製品アイテムを保持しており、コンテナ10内の製品アイテムは、同じであるかもしれず、または、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0028】
フレームワーク構造14は、水平部材18、20をサポートしている複数の垂直部材16を備えている。垂直部材16によってサポートされている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平部材18の第1のセットは、平行な水平部材20の第2のセットに直角に構成されている。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。コンテナ10は、フレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられているので、フレーム構造14は、コンテナ10のスタック12の水平移動に対してガードし、コンテナ10の垂直の移動を誘導する。
【0029】
フレーム構造14の一番上のレベルは、スタック12の一番上に渡る格子パターン22で構成されているレール22を含んでいる。さらに、
図3および
図4を参照すると、レール22は、複数のロボットの荷積み取り扱い装置30をサポートしている。平行なレール22の第1のセット22aが、フレーム構造14の頂部にわたって第1の方向(X)への荷積み取り扱い装置30の移動を誘導し、第1のセット22aに対して直角に構成された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)への荷積み取り扱い装置30の移動を誘導する。このようにすることで、レール22は、荷積み取り扱い装置30がスタック12のいずれかの上方の位置へと移動できるように、X-Y面内の二次元において荷積み取り扱い装置30の移動を可能にする。
【0030】
各荷積み取り扱い装置30は、スタック12の上方においてフレーム構造14のレール22上でX方向およびY方向に移動するように構成された車両32を備える。車両32の前方の一対のホイール34および車両32の後方の一対のホイール34からなる第1のセットのホイール34が、レール22の第1のセット22aの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。同様に、車両32の各側の一対のホイール36からなる第2のセットのホイール36が、レール22の第2のセット22bの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。各セットのホイール34、36は、第1のセットのホイール34または第2のセットのホイール36のいずれかがどの時点においてもレールのそれぞれのセット22a、22bに係合されるように、持ち上げられ下げられることができる。
【0031】
第1のセットのホイール34がレール22aの第1のセットに係合され、第2のセットのホイール36がレール22から離れて持ち上げられると、ホイール34は、車両32内に収容された(図示していない)駆動メカニズムにより、X方向に荷積み取り扱い装置30を移動させるように駆動できる。Y方向に荷積み取り扱い装置30を移動させるためには、第1のセットのホイール34は、レール22から離れて持ち上げられ、第2のセットのホイール36は、レール22aの第2のセットと係合するように下げられる。次いで、駆動メカニズムは、Y方向への移動を達成するように第2のセットのホイール36を駆動するために使用される。
【0032】
この方法で、1つ以上のロボットの荷積み取り扱い装置30は、(示していない)中央ピッキングシステムの制御のもと、フレーム構造14上で、スタック12の一番上の表面をあちこち移動することができる。各ロボットの荷積み取り扱い装置30には、必要とされる製品にアクセスするために、スタックから1つ以上のコンテナを持ち上げる手段が提供される。この方法で、任意の一回で、格子とスタックにおける複数の位置から、複数の製品にアクセスすることができる。
【0033】
図4は、上記で説明している典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上で起動する複数の荷積み取り扱い装置30を有している。
【0034】
図1および
図4は、保管システム内のスタック12内のコンテナ10を示す。任意の所定の保管システム中に多数のコンテナがあってもよいと理解されるだろう。
【0035】
図5は、
図1から4中に描かれた先行技術の保管システムに基づく生育システムを示している。生育システムにおいて、生育コンテナ110は、植物または他の生体を生育するのに適するように適合されている。例えば、各生育コンテナ110は、生育媒体を備えていてもよい。
【0036】
図5は、上記で説明した生育システムの一部分を示している。明確にするために、フレームワーク構造の一部分のみが、フレームワーク14内のスタック12中に示されているコンテナ110の参照番号とともに示されている。システム内に位置付けられているコンテナ110の一部分は、使用のための準備だけにおける生育手段を備えている。システム中のコンテナ110の一部分は、これらが最初に植えられた空間体制(spacing regime)に対して大きくなりすぎた植物を備えている。
【0037】
ロボットピッキング装置100は、このタスクを完全に自動化するために提供されてもよい。しかしながら、タスクは、生育システムのサービスエリアにおいて、作業員によって手動で実行されてもよいことが理解されるだろう。
【0038】
各生育コンテナ110は、
図1~5中に示したようなコンテナ10を備えていてもよく、または、代替的に、生育コンテナ110を積み重ねることを可能にするように上に配置されたサポートフレームワークを有するトレイのようなベースを備えていてもよい。このような生育コンテナ110は、植物の生育キャノピー(growing canopy)にコンテナ構造の側面を通してアクセスできるようにすることを可能にする。コンテナが積み重ねられると、任意の所定のコンテナ上に積み重ねられる任意のコンテナの荷積を運ぶのは、コンテナの角垂直材である。したがって、コンテナを固定する、または、剛性側面にする必要はない。生育コンテナ110は、作物が生育コンテナ110の容積から出て生育することを回避するための、側面または部分的側面を備えていてもよいことが理解されるだろう。
【0039】
図6a、
図6bおよび
図6cは、植物を生育するのに適するように適合された生育コンテナ110の1つの形態を示している。植物は、コンテナ110中に位置付けられたマットまたは土のような生育手段13上で生育する。マット13の下に、コンテナは、(示していない)貯留層54を備えていてもよく、貯留層は、コンテナ中で生育する植物に適した水および/または肥料を含んでいてもよい。
【0040】
コンテナ110は、隣接するコンテナ110上の協同する表面(co-operating surfaces)により、スタック中に保持される。コンテナ110は、コンテナ110の意図された協同する表面に位置付けられている接続手段40をさらに備えている。接続手段40は、コンテナ10の協同する表面上に配置されている導電層を備えていてもよく、あるいは、ばね荷重接触または接触としてのばねまたは2つ以上のコンテナ10間で電力を通すことが可能である他の何らかの接続手段を備えていてもよい。さらに、接続手段40は、スタック中の2つ以上の協同するコンテナ10間で信号を伝えることが可能な炭素荷重ゴム接触を備えていてもよい。
【0041】
示している接続手段40は、電力、(水および肥料のような)流体、および、植物生育システムにおいて必要とされる他のサービスまたはユーティリティを通すことができる解放可能なラッチコネクタを備えている。
【0042】
個々のコンテナ110は、例えば、加熱手段、冷却手段、データロギング手段、通信手段、および/または、照明手段60に電力を供給するための、電源手段を備えていてもよい。各個々のコンテナ110は、前記または各サービスへの電力を制御するための、および、電力がスタック12中の隣接コンテナ10に送信される場合、スタック12中の他のコンテナ10への電力を制御するための、電力制御手段をさらに備えていてもよい。電力制御および制御手段を備えるコンテナ10は、加熱器、冷却器、または、ライトに電力供給することを制限されないことが理解されるだろう。電力を必要とするどんなものでも、電源手段を利用してもよい。電源手段は、バッテリーを備えていてもよく、あるいは、コンテナ10上の接続手段40を通して、または、フレームワーク構造の垂直材16を介して、外部電源から電力を送信する手段を備えていてもよい。電力送信の非接触方法はまた、例えば、磁気誘導またはRF誘導、および光学方法で使用されてもよい。
【0043】
図6は、植物を生育する手段に適したコンテナ10を詳細に示している。コンテナ10は、所望の作物を生育させるのに適した、予め定められた波長の光を放射できる照明手段60を備えている。さらに、コンテナ110は、起動されたとき、コンテナ110中で生育する作物上に予め定められた量の水を撒くことができる、流体供給手段52を備えている。照明手段60への電力、および、撒く手段52への流体供給は、コンテナ10の片側に沿って進むルーティング手段17を介して、コンテナ10を通してルーティングされる。コンテナ10が生育システム中に位置付けられているとき、コンテナ10には、サービスをコンテナ10のスタック12を上にルーティングすることを可能にする接続手段40がさらに提供される。
【0044】
図6中において、ルーティング手段は、コンテナ10上に据え付けられるように示されているが、コンテナがルーティング手段17として機能するのに適した成形物を備えるように、コンテナ10を形成することが可能であることが理解されるだろう。
【0045】
図6a~
図6cは、スタック12からのコンテナ110のさらなる形態を示しており、コンテナ10は、照明手段60のさまざまな構成を備えている。
図6aおよび6b中に示すように、照明手段60は、適切なバルブ、LED、または、照明60の他の何らかの適切な形態を含むふたを備えていてもよい。ふたは、コンテナ10に取り外し可能に取り付けられてもよく、スタック12からコンテナ10を取り出す間、折りたたんでしまってもよい。
【0046】
代替的に、
図6c中に示すように、照明手段60は、スタック12中のコンテナ110の下を照らすように、コンテナ110のベースに提供されてもよい。
【0047】
図7は、本発明にしたがう照明構成の代替形態を示している。
図7は、フレームワーク14の垂直材を備える生育システムの一部分を示している。生育コンテナ110のスタック12がフレームワーク14内に位置付けられている。生育コンテナ110は、トレイのようなベースとスタック12中の生育コンテナ110に対するサポートを形成するために上に据え付けられているボックスタイプのサポートフレームワークとを備えるタイプのものである。
【0048】
生育コンテナ110のボックスタイプのフレームワークは、トレイ上に固定して据え付けられた別の構造を備えていてもよいこと、または、トレイのようなベースと一体的に形成された構造を備えていてもよいことが理解されるだろう。
【0049】
生育コンテナ110は、ボックスタイプのサポート構造の一番上に、生育コンテナ110の2つの短い側面に沿って位置付けられた誘導部114をさらに備えている。生育システムフレームワーク14の垂直材は、垂直材に実質的に平行に進む誘導部114’をさらに備えている。生育コンテナ110がフレームワーク14内のスタック12内に位置付けられるとき、2つの誘導部114、114’が並ぶように、垂直材の誘導部114と生育コンテナ110の誘導部114’は、位置付けられる。2つの誘導部114、114’は、垂直材上の誘導部114上に形成されたまたは据え付けられた誘導の範囲部分によって、接合される。
【0050】
複数のパネル部材113は、誘導部114、114’内に配置され、垂直材上の誘導部114に沿って、および、コンテナ110内の誘導部114’へと、移動可能である。パネル部材113は、生育コンテナ110中の作物または植物に対して適切な波長の光を放射できる照明手段60を備えている。
【0051】
図7は、垂直材上の誘導部114内に位置付けられている照明手段60を備えるパネル部材113を示している。
図7中のパネル部材113は、照明手段60を備えるパネル部材113のそれぞれの面が実質的に生育コンテナ110の長い側面に平行である、第1の位置に位置付けられている。照明手段60は、この位置のとき、動作不能であるかもしれない。代替的に、照明手段60がこの位置で動作可能な場合、生育コンテナ110が固定または不透明な側面を備えないケースにおいて、生育コンテナ110は、側面から照らされてもよい。
【0052】
垂直材は、例にすぎないが、ウォームギヤメカニズムのような駆動メカニズム115をさらに備えている。ウォームギヤメカニズムは、垂直材上に据え付けられたねじ切りされた棒116と、垂直材上の誘導114中に位置付けられるとき、パネル部材を係合する係合手段117とを備えている。係合手段117は、垂直材に実質的に平行な、誘導部114内の第1の位置から、コンテナ110内の第2の位置に照明手段60を備えるパネル113を移動させるように、ウォームギヤを介して移動され、照明手段60を備えるパネル手段113は、フレームワーク14の垂直材に実質的に直角である。メカニズム115は、
図9中にさらにより詳細に示されている。
【0053】
使用する際、照明手段60を備える含むパネル部材113は、ウォームギヤメカニズムを駆動することにより、
図7中に示す位置から
図8中に示す位置に移動される。メカニズム115は、パネル113が据え付けられている誘導部114、114’内に位置付けられている(示していない)リボン手段(ribbon means)を係合し、放射状の範囲を回り、生育コンテナ110内に位置付けられている誘導114’に沿って、垂直材上の誘導114においてパネルを上方に移動させるように機能する。
図8中に示すように、パネル部材113が生育コンテナ110内の誘導114’中に位置付けられるとき、照明手段60の放射面は、コンテナ110の生育容積112に向けて配置される。この第2の位置において、照明手段60は、均一な方法でコンテナ容積内に含まれる植物または作物を照らすように起動され、機能する。
【0054】
メカニズム115は、生育コンテナ110の所定のスタック12より上に(示していない)荷積み取り扱い装置自体を位置付けている荷積み取り扱い装置から受信した信号に応答して動作可能であってもよい。代替的に、垂直材の一番上に位置付けられている適切な位置付けおよび駆動手段118を介して、メカニズムは、荷積み取り扱い装置30によって駆動されてもよい。さらに、メカニズム115は、(示していない)制御センターからの遠隔制御の下で動作可能であってもよいことが理解されるだろう。
【0055】
このような方法で、生育コンテナ110は、光の均一な分散を促進し、作物および植物が実質的に垂直な方法で生育することを可能にするように、上から照らされてもよく、それによって、不均一にまたは照明の方向によってもたらされる垂直材への角度で作物および植物を生育する問題を無くす。さらに、照明手段60は、必要とされるときに配置可能であり、必要とされないとき、垂直材上の誘導114内の保管位置に戻されてもよい。より具体的には、フレームワーク14上の位置付けられた軌道上で動作する荷積み取り扱い装置30によって生育コンテナ110がスタックから取り出されるとき、ライトをこの保管位置に戻してもよい。
【0056】
上記の例と図面は、パネル部材113と照明手段60がコンテナ110の長い縁に隣接して位置付けられて説明されているが、システムは、コンテナ110の短い縁に沿って位置付けられた照明手段60と類似した方法でも動作するであろうことが理解されるだろう。実際に、コンテナ110が正方形の断面を有し、パネル部材と照明手段がいずれかの縁に位置付けられている場合、システムは動作するだろう。
【0057】
照明手段60は、一連のパネル113上に別個の照明手段を備える必要はないが、柔軟なプレートタイプ構造上に単一の照明手段を備えていてもよいことがさらに理解されるだろう。
【0058】
図10に示すように、本発明の代替の実施形態では、生育コンテナ110は、その上に据え付けられているボックスタイプのサポート構造を有するベースのようなトレイを備えている。トレイのようなベースとともにボックスタイプの構造は、植物キャノピー(plant canopy)を形成する生育容積122を規定する。各生育コンテナ110は、その中で光の内部反射または屈折を可能にするプラスチック素材を備えるキャップまたはふた構造120を備えている。例えば、キャップまたはふた構造120は、PMMA、ポリカーボネートまたはポリスチレンまたは他の何らかの適切な素材を備えていてもよい。ふたまたはキャップ120構造は、各生育コンテナの一番上に位置付けられてもよく、または、代替的に、各生育コンテナ110のベースを形成してもよく、したがって、下の生育コンテナ110を照明することが可能である。特に、コンテナ110のベースが照明手段60を備える例において、ふたまたはキャップ構造120は、荷積み取り扱い装置30によって、独立してコンテナ110の一番上から取り外し可能であることが理解されるだろう。この例では、一番上のコンテナ110は、照明機能を実行するために、個々のふた120を必要とするだろう。
【0059】
ふた120は、第1の荷積み取り扱い装置30によって一番上のコンテナ110から独立して取り外し可能であってもよく、スタックから一番上の生育コンテナ110を持ち上げるために、第2の荷積み取り扱い装置30が実質的に使用されることが理解されるだろう。しかしながら、個々の荷積み取り扱い装置30には、最初にふた120を持ち上げるのに適した持ち上げ手段が提供されてもよく、それにより、ふたと光アレイを任意の電源から切り離し、持ち上げ手段は、実質的に、生育コンテナ110を持ち上げる。さらに、個々の荷積み取り扱い装置30には、そのままで、ふた120とともに、コンテナ110を持ち上げるのに適した持ち上げ手段が提供されてもよく、この例では、荷積み取り扱い装置30には、必要とされる場合、連続的な照明を維持するために、ふた120中の照明アレイに電力供給する手段が提供されてもよいことが理解されるだろう。
【0060】
図10中に示す例は、矩形断面の上部構造120を示しているが、成形された構造は、反射特性を向上させることができ、構造により、より多くの光を反射させ、より少ない光を散乱させることができることが理解されるだろう。有利なことに、透明なキャップ/ふた/ベース120の構造の提供は、オペレータによって視覚的に、または、荷積み取り扱い装置上のカメラを介して、または、生育システム内で、のいずれかで、生育容積122の内容物を検査することを可能にする。
【0061】
その上に入射するすべての放射が生育容積122に向けて反映されるように、キャップ/ふた/ベース構造120が(示していない)ミラー面を備えていてもよいことが理解されるだろう。
【0062】
放射がプラスチックキャップ/ふた/ベース構造120上に入射し、素材の縁を照らすように、予め定められた波長または複数の予め定められた波長の光を放射するLEDのような照明手段60は、ふたまたはベース構造の片側に据え付けられ、光は、植物または作物の生育キャノピーを通して、均一の方法で、屈折され、反射され、放射される。
【0063】
このような方法で、生育コンテナ110の側面の固定された照明位置を維持しながら、均一な照明分散が達成される。
【0064】
上記で説明した照明メカニズムと組み合わせて、個々のコンテナ110は、例えば、データロギング手段および遠隔中央データロギング装置に記録されたデータを送信するための通信手段のような、他のサービスをさらに備えていてもよい。データロギング手段は、例えば、温度、例えば、果実の腐敗の結果の任意のガス放出、および、湿度のような、コンテナ10中の状態を監視するのに適切なセンサを備えている。データロギング手段と通信手段は、個々のコンテナ10の内容物と状態を監視することを可能にする。さらに、システムにおけるスタック12中の特定のコンテナ10についての情報を知ることは、保管システムの状態を全体として監視することを可能にする。通信のタイプおよび方法がWiFi(登録商標)に制限される必要はないことが理解されるだろう。通信プロトコルの任意の適切な形態または方法が使用されてもよい。
【0065】
スタック12中の個々のコンテナ110は、加熱および/または冷却手段とコンテナ10中の温度を監視するための温度監視手段とをさらに備えていてもよい。加熱手段は、例えば熱風のような直接的な手段を、または、例えば、ラジエータ手段のような間接的な手段を介して、熱流体の流れを備えていてもよく、あるいは、電気ヒーターまたは電磁誘導ヒーターをさらに備えていてもよい。
【0066】
冷却手段は、ペルチェ冷却器を備えていてもよく、あるいは、例えば、冷気のような直接的な手段を介して、または、例えば、氷スラリーコンプレッサ駆動を含むラジエータ手段のような間接的な手段を介して、冷流体の流れを備えていてもよい。
【0067】
このような方法で、個々のコンテナ110の温度は、個々のコンテナ110の内容物に依存して、制御されてもよく、変化してもよい。コンテナの内容物が冷却される場合、個々のコンテナは、保管システム中のスタック12の一部分を空間加熱器または冷却器によって予め定められた温度で維持することを必要とするよりもむしろ、5℃に維持された温度を有することができる。これらは例にすぎず、所望の効果を達成するために、任意の適切の形態の加熱器または冷却器が使用されてもよいことが理解されるだろう。
【0068】
植物育成システムのスタック12内のコンテナ10に渡って、空気が吹かれることが好ましいかもしれない。これは、ファンまたは他の気流手段のいずれかを利用して、システム全体を通して気流を発生させることによって、達成できる。
【0069】
生育システムの格子の垂直材16は、ここで言及するサービスのいずれか、あるいは、ワイヤ、ケーブル、または、パイプ、または、他の何らかの適切な手段によるコンテナ10への継続する伝達のための代替的なサービスを通すことができることが理解されるだろう。
【0070】
英国特許出願番号第GB1606678.9号、第GB1606684.7号、および、第GB1606679.7号、コンテナ10とフレームワーク構造14を通したルーティングサービスの詳細なシステムおよび方法は、参照によってここに組み込まれる。
【0071】
高度に自動化され、制御されたシステムの性質を仮定すると、非常に多くの使用が想定される。これらのいくつかを以下に説明するが、限定とみなすべきではない。
【0072】
システムは、例えば、植物の新しい変種の開発に使用されてもよく、または、所定の変種に対する最適な生育条件が確立されている場合、システムの使用は、継続的な監視を必要とし、各コンテナ内のすべての条件は、チェックされる別々のパラメータと定期的に検査される内容物を必要とするだろう。水、栄養素および光の量を厳密に監視し、それに応じて変化させることが必要になるだろう。これは、定期的に多くのコンテナを取り出し、検査し、置き換える必要があるだろう。有利なことに、システムからコンテナ10の検知、監視および取り出しのプロセスが高度に自動化されるので、これは、本システムで達成することができる。
【0073】
システムが所定の植物または作物の大量生産のために使用される場合、生産のコストを最小化する必要があり、したがって、最適な生育のために必要とされるパラメータは、以前に確立されているだろう。したがって、各植物または作物の種類のために必要とされる照明、水、栄養、および、温度は、生育サイクルのはじめに固定されるだろう。コンテナは、再度空間を空ける種子ために、3から10日毎にだけ保管システムから取り出され、最終的に収穫され、コンテナ10には再度種が蒔き付けられる。
【0074】
有利なことに、両方のタイプの使用を単一の保管システム内に収容することが可能である。コンテナ10の一部分は、大量生産のための作物を含んでいてもよく、コンテナの一部分は、開発中の製品または監視している新しい変種を含んでいてもよく、最適な生育プロトコルが確立されている。
【0075】
システムの一部分は、適切な区切り手段によって区切られてもよいことが理解されるだろう。
【0076】
ここで説明する例において、すべてのコンテナ110が説明するすべてのサービスを備えているわけではないことが理解されるだろう。さらに、いくつかのコンテナは、特に大量生産のために使用される場合、光、水、および、栄養の適切なレベル以外の任意のサービスを必要としないかもしれない。逆に、研究開発または試験において使用されるコンテナの110に関して、より多くの感知および監視手段が各コンテナにおいて必要とされるかもしれない。
【0077】
研究開発のコンテナのケースでは、一定の間隔で、コンテナ10は、荷積み取り扱い装置30によってスタック12から取り出され、システム内の検査ポートに運ばれる。植物の状態がチェックされ、必要に応じて、栄養または水をコンテナに加える。コンテナ内の植物が依然として成熟に達するための時間を必要とする場合、コンテナ10は、スタック12に戻される。作物が十分に成長し、作物が熟す場合、植物または作物が取り出され、コンテナ10は洗浄され、植え直され、その後、スタック12に戻される。
【0078】
大量生産のケースでは、関連するコンテナ10は、検査のために取り出されなくてもよいが、作物が成熟に達したと予想されるときのみに取り出されてもよい。
【0079】
コンテナ10内に提供されるセンサ手段は、その中で生育する植物の状態を監視する。コンテナ10中の植物のメンテナンスのスケジュールが使用されてもよいが、センサは、メンテナンススケジュール以外にスタック12から取り出されるコンテナ10をトリガすることができることが理解されるだろう。例えば、コンテナ10が生育しているキノコを含むが、キノコが熟しすぎている場合、センサは、食物が熟することに関係付けられているガスを検出してもよく、コンテナ10は、検査のために、メンテナンススケジュール以外に取り出されてもよい。
【0080】
ある温室は、CO2の上昇したレベルを有する空気で動作する。これらの状況では、適切なガス検知手段は、適切にCO2のレベルを監視し、制御することができることが理解されるだろう。
【0081】
多くの作物を、このような機械化された温室で生育させることができることが理解されるだろう。これらは、キノコ、唐辛子、ハーブ、レタスを含むが、これらに限定されない。エネルギーが豊富であるが水が不足している場所では、この種のシステムは、穀物および他の生物を生育させるために使用されることもできる。ここで説明する実施形態は、主に大量生産または研究開発のいずれかのための植物生育を指すが、任意の生体、植物、動物または菌類がこのような保管システムにおいて生育できることが理解されるだろう。例えば、保管システムは、魚、鶏、牡蠣、ロブスターの生育のために使用することができる。さらに、システムは、GM試験、製薬試験、特定の熟成条件を必要とするワインの保管、または、注意深い温度および湿度制御を必要とするチーズのために使用することができる。
【0082】
異なるコンテナ10が異なる作物を含んでいてもよいので、複数の作物を単一の位置で生育させることができることは、作物を生育させるこのシステムの利点である。さらに、病気、胴枯れ病、カビ、または、他の植物に関連する問題は個々のコンテナ10に限定されるので、コンテナ10中で植物を生育させることは、上収穫を通した病気の蔓延を回避する。システム倉庫中のフィルタを通して外の環境からの侵入を制限することが可能であるべきであるが、「植物関連問題」が最小化されるように、何らかのこの違反を個々のコンテナ中に含めることできる。
【0083】
生育システムは、スタック12中に構成されている多数のコンテナ10を備えることが理解されるだろう。本発明の1つの実施形態では、保管システムは、システム内で分散する異なるカテゴリのコンテナ10を備えている。例えば、空のコンテナ10、植物を生育するコンテナ10、保管される品物を含むコンテナ10、電源または通信手段のようなサービスを含むコンテナ10、加熱手段を備えるコンテナ10、冷却手段を備えるコンテナ10、液体および/または光を必要とする品物を備えるコンテナ10があってもよい。
【0084】
いくつかのコンテナ10は、上記で言及したサービスまたは装置のうちの1つ以上を含んでいてもよいことが理解されるだろう。例えば、貯留層54を有するコンテナ10には、照明手段60も提供されてもよい。
【0085】
照明手段60は、LEDライトまたは蛍光灯の形状あるいは他の何らかの照明の適切な形態をとってもよい。
【0086】
スタック12内のコンテナ10におけるデータロギングおよび状態監視手段の提供は、特定のコンテナ10を取り出し、検査しない限り、別の方法では可能ではない、システムの状態およびトポグラフィーのマップを生成することを可能にする。
【0087】
さらに、垂直材16を介してまたはコンテナからコンテナへの接触を介してのいずれかで、特定の個々のコンテナ10にサービスを提供することは、システムを分割するために再分配し、異なる要件を有する品物を格子の別のセクションに分けることなく、異なる要件を有する品物を同じ保管システム内に保管することを可能にする。
【0088】
さらに、コンテナ10間の接続と、コンテナ10とスタック12との間の通信は、可能性ある災害復旧において支援するであろう、例えば、停電の場合に支援するであろう、リアルタイムの保管システムの知識ベースを生成するだろう。代替策は、非効率的でコストがかかるであろう、すべてのコンテナを空にし、スタックを再構築することであるだろう。
【0089】
荷積み取り扱い装置30によって、すべてのコンテナ10をスタック12から取り出してもよいことが理解されるだろう。いずれのコンテナ10も1つの位置に固定されず、すべてのコンテナは、コンテナ10間で開閉可能である。さらに、垂直材16を通過するサービスを必要とするコンテナ10は、決して垂直材16に固定されない。任意の適切な開閉接続が使用されてもよい。
【0090】
さらに、個々のコンテナに、1つのサービス、サービスの選択、または、説明したすべてのサービスが提供されてもよいことが理解されるだろう。さらに、リストアップされているサービスは、限定するものとして見なすべきではない。コンテナ10に運ばれるまたは送信されることが可能である任意の形態のサービスを想定できる。
【0091】
本発明の1つの実施形態において、単なる例として与えられているコンテナ110は、植物が生育されたるトレイを備えている。トレイは約1000x1400mmである。トレイは、植物がその自然な収穫する高さに生育することを可能にするのに十分に高いフレームを備えている。特定の実施形態において、トレイは20m以上に積み重ねられる。各トレイは、上記の
図6aから6c中の例示的な形態のみにおいて示すような、トレイの一番上のフレームに取り付けられているライトから、上記のトレイのベースから、または、格子中のライトからのいずれかから照らされる。すべての処理(植え付け、収穫、剪定、噴霧、および、潜在的散水)は、良好な人間工学および潜在的ロボットまたは他の自動化を有する特殊化されたワークステーションで行われる。
【0092】
複数の異なる照明アレイが使用されてもよいことが理解されるだろう。例えば、植物の生育の終わりよりも植物の生育の初期部分の間に、異なるアレイが使用されてもよい。開始段階では、すべての光を植物に集中させ、周囲の土壌を照らす無駄を低減させることが好ましいだろう。別々のアレイを利用してもよく、または、ライトの一部分をオフにしてもよい。したがって、照明手段60は、コンテナ10中で生育する作物に関して、移動可能であってもよい。例えば、作物の高さが高くなる場合、照明手段60のレベルは、コンテナ110中の作物の高さに対して上昇可能であり、下降可能であってもよい。さらに、生育コンテナ110には、生育コンテナ110の生育容積を増加させることが可能なスペーサカラーが提供されてもよい。キャップまたはふた120は、このようなスペーサカラーと協同するように適切に形成されてもよく、または、逆もまた同じであり、必要とされる場合、照明手段は、スペーサカラーから分離されることができ、生育コンテナ110上に置き換えられることが理解されるだろう。スペーサカラーが生育コンテナ110上に積み重ねられてもよく、または、逆もまた同じであり、キャップまたはふた120は、コンテナ110またはスペーサカラーに適合してもよいことが理解されるだろう。
【0093】
複数の光の波長が任意の一回で使用されてもよく、または、別々の波長が予め定められたシーケンスで使用されてもよい。上記の例の両方で、照明手段60は、アレイで複数の個々の光源を備えていてもよく、または、使用の間に交換可能な照明手段を備えていてもよい。
【0094】
さらなる実施形態において、植物は、逆さまに生育され、下から照らされてもよい。有利なことに、これは、重力に逆らって水や栄養を移動させるために植物によって消費されるエネルギーを低減させ、いくつかの種をより速く生育させるかもしれない。
【0095】
添付の特許請求の範囲において規定したような本発明の範囲から逸脱することなく、上記で明示的に説明していない、多くのバリエーションおよび修正も可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生育システムにおいて使用するための生育コンテナ110であって、
前記生育システムは、
コンテナのうちの少なくとも1つが生育コンテナである、スタック12中に構成されている複数のコンテナ110を備え、前記スタックは、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に、荷積み取り扱い軌道格子の下に構成され、
前記システムは、一連の照明手段60を備え、
前記照明手段は、前記照明手段によって放射される光が前記コンテナ110の生育容積にわたって均一に分散されるように、前記スタック12中のコンテナ110に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能であり、
前記生育コンテナは、
トレイのようなベースと、
複数の生育コンテナを自己サポートスタック12中に構成するためのサポートを形成するように前記トレイのようなベースの上に据え付けられているボックスタイプのサポートフレームワークと、
前記第1の位置と前記第2の位置との間に前記照明手段60を誘導するための前記ボックスタイプのサポート構造の一番上に、対向する側面に沿って位置付けられた誘導部114とを備える、生育コンテナ。
【請求項2】
前記照明手段60は、前記フレームワークの前記垂直材上に位置付けられているメカニズムによって、前記第1の位置から前記第2の位置に移動される、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項3】
前記ボックスタイプのフレームワークは、
前記トレイのようなベース上に固定して据え付けられ、または
前記トレイのようなベースと一体的に形成された構造である、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項4】
前記照明手段の放射面は、前記コンテナ110の生育容積112に向けて配置される、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項5】
前記生育コンテナ110は、内部反射または屈折を可能にする素材からなるふた構造120を備えている、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項6】
ふた構造120は、独立して取り外し可能である、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項7】
前記ベースは、内部反射または屈折が可能な素材からなる、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項8】
前記照明手段60は、生体の栽培、制御、または、メンテナンスに適した、波長のまたは波長の範囲の光を放射する、光放射手段を備える、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項9】
1つ以上の追加のサービスをさらに備える、請求項1に記載の生育コンテナ。
【請求項10】
生育コンテナ110がフレームワーク14内のスタック12内に位置付けられるとき、前記誘導部114が前記フレームワーク14の誘導部’と整列するように、前記誘導部は位置付けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の生育コンテナ。
【請求項11】
前記誘導部114および前記誘導部114’は、アール部分によって接合される、請求項10に記載の生育コンテナ。
【請求項12】
前記照明手段は、前記誘導部114、114’内に配置され、前記誘導部に沿って移動可能であるパネル部材113を備える、請求項10に記載の生育コンテナ。
【請求項13】
前記パネル部材113は、前記フレームワーク14の垂直材に実質的に平行な位置と、前記フレームワーク14の垂直材に実質的に直角な位置との間で移動可能である、請求項12に記載の生育コンテナ。
【請求項14】
生育システムであって、
実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で前記第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記格子空間の下に、および、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック12中に構成されている請求項1から13のうちのいずれか一項に記載の複数の保管コンテナ110と、
前記軌道上に配置され、前記スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置30とを備え、
前記または各荷積み取り扱い装置30は、スタック12から少なくとも1つのコンテナ110をまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備える、生育システム。
【請求項15】
前記照明手段の配置は、荷積み取り扱い装置から受信した信号への応答である、請求項14に記載の生育システム。
【請求項16】
前記照明手段の配置は、前記垂直材の一番上に位置付けられている荷積み取り扱い装置30による、請求項14に記載の生育システム。
【請求項17】
前記照明手段の配置は、制御センターからの遠隔制御の下である、請求項14に記載の生育システム。
【請求項18】
請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の生育コンテナ内で有機体を育成する方法であって、
a.保管コンテナ110内で生育する手段を提供することと、
b.保管システム内で前記コンテナ110を位置付けることと、
c.必要とされる光、水、および、栄養を提供することと、
d.前記コンテナ110の上の格子システム上で動作可能な少なくとも1つのロボット荷積み取り扱い装置30を使用して、前記コンテナ110を移動させることとのステップを備え、
前記光は、前記コンテナ110の側に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能な照明手段を介して提供される、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
ロボット荷積み取り扱い装置の他の形態が、例えばノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容は参照によりここに組み込まれる。
図3(a)
は、本発明で用いられる荷積み取り扱い装置の概略斜視図であり、
図3(b)、(c)は
、荷積み取り扱い装置の
内部を示すために切断されている状態の概略正面斜視図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
【
図1】
図1は、保管システム内に複数のコンテナのスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のフレーム構造の一部の概略的な平面図である。
【
図3a】
図3(a)は、
図1および
図2のフレーム構造による使用のためのロボットの荷積み取り扱い装置の1つの形態
の概略斜視図である。
【
図3b】
図3(b)は
、ロボットの荷積み取り扱い装置の
内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
【
図3c】
図3(c)は
、ロボットの積荷み取り扱い装置の内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一つの形態にしたがうロボットサービス装置と共に、
図1および
図2のフレーム構造上に取り付けられた
図3(a)、
図3(b)、および
図3(c)に示すタイプの複数の荷積み取り扱い装置を備える既知の保管システムの概略斜視図である。
【
図5】
図5は、生育システムの1つの形態の概略斜視図であり、システムは、フレームワーク内に位置付けられた一連のスタックのコンテナを備え、個々のコンテナは、(示していない)荷積みハンドラによってスタックから取り外し可能であり、システムは、生育システム中に保管されているコンテナ中で生育する植物をピッキングするためのロボットピッキング手段をさらに備えている。
【
図6a】
図6aは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図6b】
図6bは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図6c】
図6cは、
図5の生育システム中で使用するためのコンテナの1つの形態の概略斜視図であり、コンテナは、照明手段を備えている。
【
図7】
図7は、保管システムのフレームワークの垂直材を示す、
図5のシステムの一部分の概略斜視図であり、垂直材は、垂直材上に移動可能に据え付けられている複数のスライド式パネルを運び、パネルは、フレームワーク内の第1の動作不能位置から第2の動作可能位置へと移動可能であり、第2の位置のとき、パネルは個々のコンテナ内に位置付けられる。
【
図8】
図8は、コンテナが垂直材内に積み重ねられる保管システムのフレームワークの垂直材を示す
図5のシステムの一部分の概略斜視図であり、
図7のパネルが、コンテナ内の第2の、動作可能位置にある。
【
図9】
図9は、パネルを垂直材内の第1の位置からコンテナ内の第2の位置へと移動させるためのメカニズムの1つの形態の概略斜視拡大図であり、メカニズムは、ウォームギヤメカニズムを備える。
【
図10】
図10は、システム内のスタック内の各コンテナに渡って均一な光分散を達成することが可能な照明手段を示す、本発明のさらなる形態の概略正面図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
生育コンテナ110は、ボックスタイプのサポート構造の一番上に、生育コンテナ110の2つの短い側面に沿って位置付けられた誘導部114’をさらに備えている。生育システムフレームワーク14の垂直材は、垂直材に実質的に平行に進む誘導部114をさらに備えている。生育コンテナ110がフレームワーク14内のスタック12内に位置付けられるとき、2つの誘導部114、114’が並ぶように、垂直材の誘導部114と生育コンテナ110の誘導部114’は、位置付けられる。2つの誘導部114、114’は、垂直材上の誘導部114上に形成されたまたは据え付けられた誘導の範囲部分によって、接合される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
添付の特許請求の範囲において規定したような本発明の範囲から逸脱することなく、上記で明示的に説明していない、多くのバリエーションおよび修正も可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載事項を付記する。
[1] 生育システムであって、
実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で前記第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記格子空間の下に、および、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック12中に構成されている複数の保管コンテナ110と、
前記軌道上に配置され、前記スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置30とを備え、
前記または各荷積み取り扱い装置30は、スタック12から少なくとも1つのコンテナ110をまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、
前記システムは、一連の照明手段60を備え、
前記照明手段は、前記照明手段によって放射される光が前記コンテナ110の生育容積にわたって均一に分散されるように、前記スタック12中のコンテナ110に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能である、システム。
[2] 前記照明手段60は、前記フレームワークの前記垂直材上に位置付けられているメカニズムによって、前記第1の位置から前記第2の位置に移動される、[1]に記載のシステム。
[3] 前記メカニズム115は、前記垂直材上に位置付けられている係合手段を備え、前記係合手段は、前記照明手段を係合する、[2]に記載のシステム。
[4] 前記照明手段は、リボン手段上に位置付けられているパネル手段を備え、前記リボン手段は、前記垂直材上に位置付けられている前記係合手段と係合する、[3]に記載のシステム。
[5] 前記メカニズムは、ウォームギヤメカニズムを備え、前記ウォームギヤメカニズムは、前記垂直材上に位置付けられたねじ切りされた棒を備え、前記係合手段は、歯車を備える、[2]から[4]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[6] 生育システムであって、
実質的に平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面で前記第1のセットに横方向に伸張する、実質的に平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記格子空間の下に、および、フレームワーク14を形成する一連の垂直材内に位置付けられているスタック12中に構成されている複数の保管コンテナ110と、
前記軌道上に配置され、前記スタック12上で横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱い装置30とを備え、
前記または各荷積み取り扱い装置30は、スタック12から少なくとも1つのコンテナ110をまたはその一部分を持ち上げるように構成されている持ち上げ装置を備え、
各コンテナは、プラスチック部分120を備え、前記プラスチック部分120は、前記コンテナ110に渡る均一な分散で、前記コンテナ110中の生育容積への、その上に入射する光を通すための半透明な素材を備える、システム。
[7] 前記システムは、照明手段60をさらに備え、前記照明手段60は、各コンテナ110の前記プラスチック部分に隣接して位置付けられ、前記照明手段60によって放射される光は、前記コンテナ110の前記プラスチック部分120上に入射し、前記放射される光は、前記プラスチック部分を通して分散され、前記コンテナ120の生育容積122に向けて通される、[6]に記載のシステム。
[8] 前記プラスチック部分は、前記コンテナ110の生育容積122に向けて鏡上の光の入射を反射させるように機能する鏡部分をさらに備える、[6]または[7]に記載のシステム。
[9] 前記プラスチック部分は、前記コンテナ110のふた部分を備える、[6]から[8]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[10] 前記プラスチック部分は、前記コンテナ110のベース部分を備える、[6]から[8]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[11] 前記照明手段60は、生体の栽培、制御、または、メンテナンスに適した、波長のまたは波長の範囲の光を放射する、光放射手段を備える、[1]から[10]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[12] 前記生体は、研究または開発の下で作物または有機体を生育することを備える、[1]から[11]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[13] 前記コンテナ110の一部分は、作物を生育することを備える、[1]から[12]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[14] 前記コンテナの一部分は、研究または開発の下の有機体を備える、[1]から[13]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[15] 前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、電力供給手段42を備える、[1]から[14]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[16] 前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、電力制御手段43を備える、[1]から[15]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[17] 前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、センサ手段と前記センサ手段の出力を監視するためのデータロギング手段44を備える、[1]から[16]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[18] 前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、隣接コンテナ10とまたは中央通信マネージャと通信するための通信手段46を備える、[1]から[17]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[19] 前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、前記コンテナ10の内容物を加熱するための加熱手段47を備える、[1]から[18]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[20] 前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、前記コンテナ10の内容物を冷却するための冷却手段48を備える、[1]から[19]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[21] 前記コンテナ10のうちのいくつかまたはすべては、貯留層54を備え、前記貯留層54は、前記コンテナ10中の流体流しとして機能する、[1]から[20]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[22] 前記コンテナのうちのいくつかまたはすべては、照明手段60を備え、前記照明手段が動作可能な時間の長さは、制御可能であり、可変である、[1]から[21]のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[23] [1]から[22]のうちのいずれか1項に記載の生育システム内で有機体を育成する方法であって、
a.保管コンテナ110内で生育する手段を提供することと、
b.保管システム内で前記コンテナ110を位置付けることと、
c.必要とされる光、水、および、栄養を提供することと、
d.前記コンテナ110の上の格子システム上で動作可能な少なくとも1つのロボット荷積み取り扱い装置30を使用して、前記コンテナ110を移動させることとのステップを備え、
前記光は、前記コンテナ110の側に隣接する第1の位置から前記コンテナ110上の第2の位置に配置可能な照明手段を介して提供される、方法。
[24] a.保管コンテナ10内にセンサ手段とデータロギング44および記憶手段を提供することと、
b.ログ記録されたデータを中央データロギング装置に通信するための通信手段44を提供することと、
c.受け取ったデータを監視することと、
d.必要に応じて水と栄養を提供するために、コンテナ10内の有機体の生育サイクルの間、コンテナ10を取り出すこととのステップをさらに備える、[23]に記載の方法。
[25] e.前記コンテナ内で温度を制御する手段を提供することと、
f.前記コンテナ内で温度を監視する手段を提供することとのステップをさらに備える、[23]または[24]に記載の植物を生育する方法。
[26] 各コンテナ10内で照明手段60を提供することのステップをさらに備え、前記照明手段60は、前記コンテナ10中で生育されている植物に適した予め定められた波長の光を放射する、[23]から[25]のうちのいずれか1項に記載の植物を生育する方法。
[27] 前記コンテナ10中の前記植物に対して適切な日照時間をシミュレートするために、前記照明手段60が動作可能な時間の長さを変化させるステップをさらに備える、[23]から[26]のうちのいずれか1項に記載の植物を生育する方法。
【外国語明細書】