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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188106
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20221213BHJP
   A61J 1/20 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61J1/05 351A
A61J1/20
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022150050
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2020127979の分割
【原出願日】2012-01-17
(31)【優先権主張番号】61/433,493
(32)【優先日】2011-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/467,359
(32)【優先日】2011-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/487,121
(32)【優先日】2011-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/523,422
(32)【優先日】2011-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/533,194
(32)【優先日】2011-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/578,907
(32)【優先日】2011-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/581,721
(32)【優先日】2011-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/584,313
(32)【優先日】2012-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510178286
【氏名又は名称】アクティヴァックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲノサール, アミール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薬物供給装置と共に使用するための使い捨て可能なカートリッジに関し、薬物供給装置のための無菌混合カートリッジを提供する。
【解決手段】カートリッジ(10)は、第1のキャビティを含む第1の壁(18’)と、シールされた第1の区画室(15)を少なくとも画定する第2の壁(18”)と、シールされた前記第1の区画室が、第1の供給可能物質を収容するように構成されており、シールされた前記第1の区画室から注入器のリザーバに前記第1の供給可能物質を移送するための嵌合体(12)を含み、該嵌合体が、無菌域の少なくとも一部を画定し、該無菌域を通って前記第1の供給可能物質が前記カートリッジ(10)と前記リザーバの間で移送される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器とともに使用するためのカートリッジであって、
第1のキャビティを少なくとも含む第1の壁と、
前記第1の壁とのシール係合にて、前記第1のキャビティによって少なくとも部分的に画定される、シールされた第1の区画室を少なくとも画定する第2の壁であって、シールされた前記第1の区画室が、第1の供給可能物質を収容するように構成されている、第2の壁と、
シールされた前記第1の区画室から注入器のリザーバに前記第1の供給可能物質を移送するために、嵌合体の通路を介して、前記注入器のリザーバと、シールされた前記第1の区画室との間の流体連通を選択的に提供する嵌合体であって、該嵌合体が、無菌域の少なくとも一部を画定し、該無菌域を通って前記第1の供給可能物質が前記カートリッジと前記リザーバとの間で移送される、嵌合体と、
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記嵌合体が、前記注入器のノズルとともに流体密なシールを形成するように構成されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記注入器がジェット注入器であり、前記嵌合体が係合するように構成された前記注入器のノズルがジェットノズルを含み、前記嵌合体が、前記ノズルに係合して前記無菌域を画定し、前記無菌域を通って前記第1の供給可能物質が前記カートリッジと前記リザーバとの間で移送される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記嵌合体が、前記第1の壁及び前記第2の壁のうちの一つの外側に取り付けられており、前記第1の壁及び前記第2の壁のうちの前記一つが、シールされた前記第1の区画室と前記嵌合体の通路との間に前記流体連通を提供する貫通穴を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記嵌合体が、
前記注入器の一部分を受けるように構成されたポート領域と、
前記嵌合体が前記注入器と係合しないときに前記ポート領域を保護する無菌カバーと、
をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記嵌合体が、
前記注入器の構造要素に適合するように構成された共形要素を有するポート領域であって、前記共形要素は、前記カートリッジが前記注入器と係合しているときに前記無菌域を維持するように構成されている、ポート領域
をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記シール係合が、
前記嵌合体と、シールされた前記第1の区画室との間の第1の脆弱シールであり、前記カートリッジが、シールされた前記第1の区画室の押し下げに応答して制御可能に剥離可能である前記第1の脆弱シールによって前記第1の供給可能物質を提供するように構成されている、第1の脆弱シール
を備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第1の脆弱シールでの前記第1の壁の前記第2の壁への接着が、前記シール係合の他の部分での前記第1の壁の前記第2の壁への接着よりも弱い、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
第2の供給可能物質を収容するシールされた第2の区画室であって、前記第2の供給可能物質が、前記第1の壁の前記第2の壁へのシール係合に先立ってシールされた前記第2の区画室に導入される、第2の区画室
をさらに備える、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記シール係合が、
シールされた前記第1の区画室と、シールされた前記第2の区画室との間の第2の脆弱シールであって、シールされた前記第1の区画室を押圧することによって前記第2の脆弱シールの剥離が生じ、前記剥離により、シールされた前記第1の区画室と、シールされた前記第2の区画室との間に流体連通が確立されるように構成されている、第2の脆弱シール
をさらに備える、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第2の供給可能物質は、有益剤の乾燥した構成物質、凍結液体の構成物質、顆粒の構成物質、マイクロペレットの構成物質、スフィアの構成物質、マイクロスフィアの構成物質、流動性粉末の構成物質、圧縮粉末の構成物質、ケーキの構成物質、凍結乾燥ケーキの構成物質および固形物の構成物質のうちの1つ以上を含み、
前記第1の供給可能物質は、流体を含み、前記第2の脆弱シールの剥離により、前記第2の供給可能物質と前記第1の供給可能物質との混合が生じる、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記流体は、前記第2の脆弱シールが剥離されたときに前記第2の供給可能物質を少なくとも部分的に溶解するように作用可能な希釈剤を含む、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
乾燥薬剤をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記カートリッジが前記注入器と係合していないときに前記カートリッジを収容するための滅菌包装体であって、前記滅菌包装体内に乾燥薬剤が収容されている、滅菌包装体
をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記第1の壁及び前記第2の壁のうち一つ以上が、乾燥薬剤を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記第1の壁及び前記第2の壁のうちの一つ以上が、膜、箔、押し出しウェブ、吹き出しウェブ、鋳造ウェブ、多層ウェブ、積層ウェブ、被覆ウェブ、金属化層を含むウェブ、少なくとも1つの金属酸化物層を含むウェブ、高バリア層を含むウェブ、アルミニウム含有層、アルミナ、シリカ、オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびエチレンビニルアルコールのうちの1つ以上から構成される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記第1の壁は、前記カートリッジの1つ以上の内容物、操作指示、および警告に関する情報を提供するように作動可能な少なくとも1つの光学的な機械可読指標をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項18】
注入器とカートリッジとを備える注入器システムであって、
前記注入器が、
管形状の本体と、
前記管形状の本体に配置されたピストンであって、該ピストンが、該ピストンが占有していない前記管形状の本体の部分内にリザーバを画定する前記管形状の本体との流体密シールを提供する、ピストンと、
前記リザーバと流体連通するノズルと、
を含み、
前記カートリッジが、
第1のキャビティを少なくとも含む第1の壁と、
前記第1の壁とのシール係合にて、前記第1のキャビティによって少なくとも部分的に画定される、シールされた第1の区画室を少なくとも画定する第2の壁であって、シールされた前記第1の区画室が、第1の供給可能物質を収容するように構成されている、第2の壁と
シールされた前記第1の区画室から注入器のリザーバに前記第1の供給可能物質を移送するために、嵌合体の通路を介して、前記注入器のノズルと、シールされた前記第1の区画室との間の流体連通を選択的に提供するように前記注入器と係合可能な嵌合体であって、該嵌合体が、無菌域を画定するように前記注入器と係合可能であり、該無菌域を通って前記第1の供給可能物質が前記カートリッジと前記注入器との間で移送される、嵌合体と、
を含む、注入器システム。
【請求項19】
前記注入器がジェット注入器であり、前記嵌合体が係合するように構成された前記注入器のノズルがジェットノズルを含む、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項20】
前記嵌合体が、前記注入器のノズルとともに流体密なシールを形成するように構成されている、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項21】
前記カートリッジが前記注入器と係合しないときに前記ノズル及び前記嵌合体のうちの一つ以上の滅菌状態を維持する無菌カバー
をさらに備える、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項22】
前記無菌カバーは、キャップ及びシールされた箔のうちの一つ以上である、請求項21に記載の注入器システム。
【請求項23】
前記管形状の本体が、
前記嵌合体の共形要素に適合するように構成された構造要素であって、前記構造要素は、前記カートリッジが前記注入器と係合しているときに前記無菌域を維持するように構成されている、構造要素
をさらに備える、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項24】
前記ピストンは、前記管形状の本体内で移動可能であり、前記ピストンが前記ノズルに対して最も近位の位置にある場合の空状態と、前記ピストンが前記ノズルから遠位に移動された場合の引き込まれた状態と、を含む構成に移動可能である、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項25】
前記引き込まれた状態は充填状態であり、前記充填状態は、前記注入器が前記カートリッジと係合しているときに前記ピストンの前記管形状の本体からの後退によって生じ、該後退により、前記第1の供給可能物質を前記リザーバ内に流入させる、請求項24に記載の注入器システム。
【請求項26】
前記管形状の本体及び前記ピストンのうちの一つ以上は、滅菌包装体に包まれている、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項27】
前記注入器システムは無菌環境で組み付けられ、前記注入器は前記無菌環境で前記カートリッジと係合し、前記注入器システムは、非滅菌環境で前記カートリッジと前記注入器との間の係合を維持しながら前記非滅菌環境で提供される、請求項18に記載の注入器システム。
【請求項28】
前記係合により、前記注入器システムが前記非滅菌環境で提供された後の前記無菌域が維持される、請求項27に記載の注入器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、好ましくは、限定されないが、一般に、薬物供給装置と共に使用するための使い捨て可能なカートリッジに関し、特に、薬物供給装置のための無菌混合カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物、特に注入可能な薬物は、使用時まで市販の無菌パッケージ内に滅菌状態で収容される必要がある。一部の薬物は、事前充填シリンジ、例えばVetter(ドイツのラーフェンスブルク)が提供する事前充填シリンジなどの事前充填単一用量分配装置内に収容される。しかしながら、注入可能な薬物の大部分は、無菌パッケージ内に収容されて、使用直前に分配装置(すなわち、薬物供給装置)へ移される。分配装置という用語は、これらに限定されないが、皮下シリンジ、マイクロニードルシリンジ、マイクロポンプ、自動注入器、噴射注入器、局所分配器、皮内供給装置、パッチポンプ、耳分配器、経口分配器、眼点滴器、自動注入器、輸液器、または、任意の他のタイプの薬物供給装置を含む。
【0003】
注入可能薬物を収容するための幾つかの無菌パッケージは市販されている。おそらく、注入可能生成物のための殆どの一般的な無菌パッケージはガラスバイアル瓶である。一部の薬物は、使用直前に混合される個々の成分の状態で収容される。しばしば、これは、薬物の安定性を高めるためにあるいは薬物の保管寿命を延ばすために行なわれる。1つの例において、薬物は、ワクチン熱安定性を与えるために1つのバイアル瓶内で乾燥状態に維持されるワクチンであり、また、対の一方のバイアル瓶は、注入前にシリンジおよび針を介してワクチンバイアル瓶へ分配される希釈剤を収容する。他の例において、薬物は、1つのバイアル瓶が処方された抗原を収容しかつ第2のバイアル瓶がアジュバントを収容するワクチンである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術には幾つかの欠点がある。すなわち、(a)これらのパッケージは、しばしば高価であり、ワクチンなどの多くの注入可能な薬物にとって経済的に実益がない;(b)薬物成分の混合が必要とされる場合には、プロセスが複雑であり、間違いを起こしやすい、(c)1つの容器から他の容器または分配装置への薬物またはその成分の移動が非滅菌環境内で行なわれ、汚染のリスクが生じやすい。
【0005】
米国特許第7,879,018号明細書は、注入可能用量を混合させるための幾つかの市販の特許されたキットのうちの1つを開示する。ここでも先と同様、開示内容の限界は、バイアル瓶への依存、ならびに、このタイプのガラス一次容器と関連付けられるコストおよび複雑さである。
【0006】
幾つかの市販の製品および特許は、生成物を内部に使用時まで無菌態様で収容できる膜または箔から形成される柔軟パッケージを開示する。これらの製品および特許のうちの一部は、分配パッケージ内の生成物と連通する分配ポートを更に開示する。ある場合には、使用時までパッケージの完全性を高めるために、ポートと生成物との間に破断可能なバリアが存在する。ある場合には、これらの柔軟パッケージは、使用前に1つにまとめることができる少なくとも2つの生成物区画室を備え、それにより、異なる区画室からの物質を混合させて分配可能生成物を形成することができる。ある場合には、これらのパッケージが膜または箔(一括して、ウェブ)から形成され、その場合、生成物区画室の境界を規定するために、第1のウェブ壁が第2のウェブ壁に対してシールされる。これらのパッケージは時としてポーチまたは袋と称される。ポーチパッケージの1つの欠点は、パッケージの内容物全体を効率的に絞り出すことが比較的難しいという点である。これは、これらのパッケージの寸法比率に起因しており、この場合、シールの長さおよび幅(区画室のフットプリント)がフットプリント平面に対して垂直な膨らみよりもかなり大きい。この比率は、ポーチ/袋パッケージが形成される方法に固有の限界である。ポーチおよび袋は、1つ以上のレセプタクルを形成するためにその縁部に沿ってシールされる1つ以上の平坦な膜または箔(一括して、「ウェブ」)から形成される。ポーチは、レセプタクルの形成中または形成後に充填されて、その後、生成物を無菌パッケージ状態に維持するべくシールされる。
【0007】
掌を用いて直接に操作される際に、これらの比較的浅いパッケージの1つの限界は、分配中に、作業者の親指が非常に急速にパッケージの2つの対向する壁を接触させ、その時点で、分配が中断されるという点である。パッケージの精巧な蠕動作動または折り畳みは、一般に、更なる生成物をパッケージから絞り出すために必要であるが、これは、注入などの特定の用途においては実用的でない。幾つかの構成において、柔軟パッケージは、内容物を放出させるために圧縮パネルを用いて押圧される。これらの構成では、圧縮パネルを動作させて、生成物区画室のより小さな接触表面を押圧し、それにより、より多くの圧力を生み出すことができるようにするのが有益である。したがって、内容物区画室のフットプリントが比較的小さくかつシール表面の面積とその表面に垂直なパッケージの寸法との間の比率が小さい柔軟な分配パッケージを形成することが有益である。
【0008】
幾つかの用途において、供給可能薬物は、注入前に少なくとも2つの物質の完全な混合を必要とする。1つの例では、使用時点で高粘性油中水(W/O)を調合するための簡単な方法が必要とされる。現在、2つのシリンジを接続する3方栓または細いチューブを介して別個の油成分と水成分とを前後に混合させることによってエマルジョンが手作業で調合される。この方法は、幾分時間がかかり、しばしば一貫性がない。より有効なエマルジョンを与えるために、シリンジの内側に多孔質膜を有するコネクタが開発されてきたが、調合時間を短くするために、特に孔径が減少されるときに必要な強い押圧力を犠牲にしている。また、組み付けステップおよび分解ステップの数の増大により、作業ミスおよび供給可能用量の汚染の危険が高まる。
【0009】
本開示の少なくとも幾つかの態様は、例えば、低コストで、単純で、使用が容易なカートリッジを提供することによって従来技術の欠点および限界を克服する。カートリッジは、特定の形態において、分配器または他の供給装置、特に薬物供給注入器の無菌の混合および充填を可能にする。分配器、分配装置、供給装置、送出装置という用語は、本明細書中では置き換え可能に使用される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の幾つかの構成では、パッケージが少なくとも1つのウェブ材料から形成され、その場合、ウェブの第1の壁および第2の壁が区画室の境界線に沿って互いに接合される。幾つかの構成において、ウェブ材料は、比較的小さなシールフットプリントにより比較的大きな区画室容積が得られるように予備成形される。この予備成形されたパッケージは、パッケージの全体の寸法を減少させることができるとともに、収容効率および輸送効率を高めることができる。
【0011】
本開示の1つの構成によれば、薄い柔軟な壁パッケージを有するカートリッジは、少なくとも1つの第1の構成物質区画室と、カートリッジを分配器または供給装置の充填ポートに接続するための嵌合体とを備える。嵌合体は、パッケージに対して流体密な態様で取り付けられる。嵌合体は、これらに限定されないがルアーコネクタ、ルアーロックコネクタ、圧入コネクタ、スナップオンコネクタ、スナップ、熱溶着、スパイク・ストッパ構成、または、螺合キャップの手段のうちの1つによって、分配器の充填ポートに取り付けられてもよい。
【0012】
幾つかの構成では、少なくとも1つのキャビティが、パッケージの少なくとも1つの生成物区画室の一部を与えるパッケージのウェブ壁のうちの少なくとも1つに予備成形される。この形態により、同じ量の生成物を収容するために、区画室のシール領域面積(フットプリント)とシール領域に対して垂直な区画室の寸法との比率を更に小さくできる(区画室の増大)。また、この形態により、区画室のフットプリントを、同様の生成物量を伴う袋/ポーチパッケージを用いた場合に必要とされるよりも小さくすることができる。この文章で使用される用語である予備成形とは、パッケージの材料、特に壁に三次元形状を与えることである。予備成形は、キャビティ、ドーム、略水平で平坦な当初の状態に対して垂直なあるいは略垂直な壁の形成を含んでもよい。ウェブの予備成形は、例えば、熱成形、冷間成形、予熱を用いた成形、プラグアシスト、加圧成形、真空成形、および、以上の組み合わせを含む、特定のウェブ材料の特性に適する当該技術分野において知られる手段のうちの1つによって行なわれてもよい。
【0013】
幾つかの構成において、パッケージは、例えば、ブリスターパッケージ、ポーチ、袋、ブロー成形容器、射出成形容器、押し出し容器、および、これらの組み合わせを含む、当該技術分野において知られる形態のうちの1つを成す薄壁から構成される。幾つかの構成において、パッケージは、分配可能生成物を形成するために被検者への供給前に混合される必要がある多数の物質を収容するための複数の区画室を有してもよい。幾つかの構成において、パッケージは、パッケージからの分配前に混合される必要がない多数の物質を収容するための複数の区画室を有してもよい。区画室は脆弱シールによって分離されてもよく、脆弱シールは、脆弱シールを分離(例えば、破断または剥離)させて物質が混合できるようにする閾値圧力を内容物が超えるようにするべく区画室のうちの少なくとも1つを圧縮することにより破壊され得る。
【0014】
幾つかの構成では、生成物がカートリッジから分配装置に移される。幾つかの構成では、カートリッジが分配装置内で交換される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、製造段階において分配器に対して無菌態様で接続され、したがって、ユーザによるカートリッジと分配器との一体化ステップが必要とされない。この構成は、分配器充填/取り込みプロセス前または最中の非滅菌環境への露出を回避するため、ユーザミスあるいは装置または供給可能生成物の汚染の可能性を減らす。他の構成において、カートリッジは、使用時まで分配装置(すなわち、シリンジ、注入器など)とは別個に保管される。この構成は、制御された温度冷却などの制御された環境内で薬物を保管して輸送する必要がある場合に、また、冷却空間の効率的な利用のためにパッケージング密度が重要である場合に、有益となり得る。また、この構成は、異なる供給源からの分配器とカートリッジとの一体化を可能にすることによってロジスティックおよびユーザ自由度を高めるためにも有利となり得る。
【0015】
幾つかの構成では、分配装置が注入器であってもよい。注入器という用語は、シリンジ、マイクロ輸液ポンプ、そのようなもののリザーバ、ペン注入器、リザーバアセンブリ、シリンジ、無針注入器、一般の薬物供給装置、パッチ装置などを含む様々な分配製品を示してもよい。より一般的には、本開示のカートリッジは、例えば、眼内点滴器、経口点滴器、または、耳点滴器、スプレーまたは泡分配器を含む分配装置、局所アプリケータ、および、吸入装置において適用できる。
【0016】
他の構成では、供給可能な生成物の混合を促して均質性を高めるために、カートリッジと薬物供給装置との間の接合部に静的ミキサが配置される。静的ミキサの一例は、その全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第4,538,920号明細書において教示される。幾つかの構成において、静的ミキサは、パッケージ壁の予備成形および所定領域での溶着シールによってパッケージの柔軟壁間に形成される通路のパターンとして構成される。静的ミキサは、単なる狭いノズルであってもよく、あるいは、カートリッジと供給装置との間の流路内に受け入れられる多孔質要素であってもよい。1つの構成では、静的ミキサがカートリッジポート内に配置される。1つの構成において、カートリッジは、内容物を供給装置へ移動させる前に融合される異なる物質を保持する複数の区画室を備え、また、静的ミキサは、物質が供給装置へ移動される際に物質の混合を促進させる。
【0017】
幾つかの構成では、物質を更に混合させるために、混合物がカートリッジと供給装置との間で往復移動されてもよい。幾つかの構成では、少なくとも1つの物質がカートリッジ内に収容されるとともに、少なくとも1つの物質が供給装置内に収容され、これらの2つの間で物質が往復移動されて物質が混合される。1つの構成では、カートリッジが少なくとも第1および第2の区画室を備え、少なくとも1つの静的ミキサが第1の区画室と第2の区画室との間に配置される。混合は、物質/混合物を一方の区画室から他方の区画室へ移動させることによって促されてもよい。静的ミキサを横切る物質の移動を容易にするために、少なくとも1つの圧縮パネルまたは圧縮パネルの配列がカートリッジとともに操作されてもよい。
【0018】
また、本開示は、効率的なカートリッジ製造および充填を容易にするための構成および方法に関する。1つの構成では、パッケージの区画室に流体が充填される。区画室は、流体を導入して空気を排出させるポートをもたらす所定の通路を開放したまま予備成形されてシールされる。ガス排出のための別個の通路が組み込まれてもよい。通路は、ポートに入る流体がパッケージの壁に沿って滑るように構成されてもよく、それにより、噴出が回避されて、泡立ちあるいは気泡の形成が最小限に抑えられ、その結果、充填率が高められる。
【0019】
他の構成において、液体物質は、充填前に凍結されて、固形物形態でパッケージ内へ導入される。充填プロセス中のパッケージの周囲の温度およびパッケージへの熱伝達は、区画室がシールされるまで凍結された液体が略固形状態のままとなるように制御される。凍結された液体物質用量は、充填前または充填中にその形態が検査されてもよい。この充填構成および方法は、充填速度および物質検査能力を高める。1つの構成では、乾燥粉末物質がカートリッジ区画室内に充填されなければならない。粉末の適切な充填を容易にするために、粉末は、ゆるく凝集されるタブレットを形成するように僅かに圧縮されて、その形態でパッケージングの区画室内に充填される。タブレットは、カートリッジへの充填前または充填中に検査されてもよい。1つの構成では、タブレットが区画室内でシールされた後に、区画室が外部から操作されてタブレットが分散され、それにより、希釈剤を用いた混合時の物質溶解性が向上される。外的操作は、これらに限定されないが、区画室の圧縮、例えば超音波振動、高周波振動、音響振動を含む振動、区画室に対して機械的な衝撃を加えること、および、高温または低温に晒すこと、のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0020】
また、本開示は、高バリア剥離可能不透明壁層を含むことによってパッケージのバリア特性を高める構成に関する。剥離可能高バリア層は、遮光、および、ほぼ完全な水分・酸素バリアという利点を与えるアルミニウム積層体またはアルミニウム箔を含んでもよい。使用前のカートリッジの内容物の外観検査を受けるために、高バリア層がパッケージの少なくとも一部から剥離され、それにより、略透明な壁が露出される。1つの構成において、剥離可能層は、パッケージを形成する多層ウェブ材料の1または複数の一体層である。他の構成において、剥離可能層は、カートリッジ製造プロセス中に透明壁に適用される。1つの構成では、剥離可能層が平坦である。他の構成において、剥離可能層は、それが保護している物質または区画室の形状に適合するように予備成形される。1つの構成において、剥離可能層は、剥離可能層のシール外周に選択的に塗布される位置決めされた接着コーティングを備える。1つの構成では、カートリッジが柔軟な透明壁チューブの形態を成し、また、剥離可能層がチューブの周囲を包むように配置される。
【0021】
本開示の他の態様は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジに関する。カートリッジは、第1および第2の区画室と嵌合体とを有する単位用量混合パッケージを含む。第1の区画室は、有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する。第2の区画室は、有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する。嵌合体は、パッケージを充填可能リザーバに接続するためにパッケージに配置される。
【0022】
カートリッジは、針、カテーテル、カニューレ、コネクタ、および、ノズルのうちの1つを備える供給装置の供給部と連通するようになっていてもよい。供給部が針を含んでもよく、嵌合体は、流体デッドスペースを最小にするために針の周囲をシールする。カートリッジは、第1の区画室と嵌合体との間に破断可能なバリアを含んでもよい。第1の区画室が破断可能なバリアによって第2の区画室から分離されてもよい。パッケージの少なくとも一部が柔軟壁を含んでもよい。柔軟壁の少なくとも一部が箔を含んでもよい。柔軟壁の少なくとも一部は、第1および第2の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形されてもよい。柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を含んでもよい。剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形されてもよい。
【0023】
カートリッジは、第1の区画室と第2の区画室との間に流体通路を含んでもよい。カートリッジは、流体通路内に配置される静的ミキサを含んでもよい。カートリッジは、パッケージと供給装置との間の流体通路と、流体通路内に配置される静的ミキサとを含んでもよい。パッケージは、嵌合体に対する取り外し可能な無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成する柔軟壁を含んでもよい。
【0024】
カートリッジは、充填区画室と流体通路とを含んでもよく、充填区画室が流体通路を介して第1の区画室と流体連通する。カートリッジは、第1および第2のパッケージ壁を含んでもよく、充填区画室がパッケージの第1および第2のパッケージ壁間に配置されてもよい。流体通路がシール可能であってもよい。流体通路は、充填後に第1の区画室を密閉シールするためにシール可能であってもよい。流体通路は、充填中または充填後に充填区画室への逆流を防止するためにシール可能であってもよい。流体通路をシールするために、熱シールが第1および第2のパッケージ壁間に含まれてもよい。カートリッジは、充填区画室および流体通路のうちの少なくとも一方に配置される挿入体を含んでもよい。挿入体は、弁、逆止弁、流量制限器、流量調整器、流れ偏向器、および、以上の組み合わせなどの流量制御装置の少なくとも一部を形成してもよい。充填区画室の少なくとも一部は、パッケージの第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に予備成形されるウェル、区画室、または、キャビティにより画定されてもよい。充填システムが、流体密なシールを介して充填区画室と連通するように構成されてもよい。噴出、気泡、および、泡立ちを防止するために、流体通路は、第1の区画室の第1のパッケージ壁に沿ってパッケージへ流体を導くように形成されてもよい。カートリッジは、流体排出通路を介して第1の区画室と連通するガス排出区画室を含んでもよく、充填後にパッケージを密閉シールするために流体排出通路がシール可能である。パッケージの少なくとも一部は管状構造を含んでもよい。嵌合体は、パッケージを充填可能リザーバと接続する方へ案内するように構成されてもよい。カートリッジは、開放されるまで第1の区画室を嵌合体から分離する閉鎖体を含んでもよい。カートリッジは、パッケージの少なくとも一部を支持するための支持体を含んでもよい。
【0025】
本開示の他の態様は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するための無菌カートリッジに関する。カートリッジは、少なくとも1つの第1の区画室と嵌合体とを有するパッケージを含む。第1の区画室は、有益薬剤の少なくとも第1の構成物質を収容し、また、パッケージは、少なくとも一部が予備成形された柔軟壁により画定される。嵌合体は、パッケージを充填可能リザーバに流体連通状態で接続するためにパッケージに配置される。
【0026】
パッケージは、有益薬剤の第1の構成物質を収容する第1の区画室と、有益薬剤の第2の構成物質を収容する第2の区画室とを含んでもよく、第2の区画室は、閉鎖体または脆弱シールとも称される破断可能なバリアによって第1の区画室から分離される。柔軟壁の少なくとも一部は、一般にウェブまたはウェビングと称される箔または膜を含んでもよい。柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を含んでもよい。剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形されてもよい。カートリッジは、第1および第2の区画室間で延びる流体通路を含んでもよい。カートリッジは、流体通路内に配置される静的ミキサを含んでもよい。カートリッジは、パッケージと供給装置との間に配置される流体通路を含んでもよく、また、静的ミキサが流体通路内に配置される。パッケージは、嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びる柔軟壁を含んでもよい。
【0027】
カートリッジは充填区画室と流体充填通路とを含んでもよく、充填区画室が流体充填通路を介して第1の区画室と流体連通する。カートリッジは、第1および第2のパッケージ壁を含んでもよく、充填区画室が第1および第2のパッケージ壁間に配置されてもよい。流体充填通路がシール可能であってもよい。流体充填通路は、充填後にパッケージを密閉シールするために、また、充填中または充填後に充填区画室への逆流を防止するためにシール可能であってもよい。流体充填通路は、第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされてもよい。カートリッジは、充填区画室および流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される挿入体を含んでもよい。挿入体は、弁、逆止弁、遮断弁、流量制限器、流量調整器、圧力制限器、圧力調整器、流れ偏向器、ノズル、ストッパ、および、シールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。挿入体は、弁、逆止弁、流量制限器、流量調整器、流れ偏向器、および、以上の組み合わせなどの流量制御装置の少なくとも一部を形成してもよい。充填区画室の少なくとも一部は、第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に予備成形されるウェルにより画定されてもよい。充填区画室は、流体密なシールを介して充填システムと連通するように構成されてもよい。噴出、気泡、または、泡立ちを防止するために、流体充填通路は、第1のパッケージ壁に沿ってパッケージへ流体を導いてもよい。カートリッジは、充填後にパッケージを密閉シールするために、シール可能な流体排出通路を介して第1の区画室と連通するガス排出区画室を含んでもよい。カートリッジは、開放されるまで第1の区画室を嵌合体から分離する閉鎖体を含んでもよい。カートリッジは、単位用量の注入可能な生成物または該生成物の少なくとも1つの構成物質を収容するように構成されてもよい。嵌合体は、パッケージを充填可能リザーバと接続する方へ案内するように構成されてもよい。案内が直線的な案内であってもよい。カートリッジは、パッケージの少なくとも一部を支持するための支持体を含んでもよい。
【0028】
本開示の更なる態様は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジに関する。カートリッジは、支持体と、パッケージアセンブリとを含む。パッケージアセンブリは、少なくとも1つの第1の区画室と嵌合体とを含む。第1の区画室は、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容し、かつ、その少なくとも一部が柔軟壁により画定される。嵌合体は、パッケージを充填可能リザーバに流体連通状態で接続するためにパッケージに配置される。
【0029】
カートリッジと供給装置とが支持体を介して結合されてもよい。支持体は、パッケージと供給装置とを相互に接続する流体通路を含んでもよい。流体通路が無菌シールされてもよい。流体通路は、開放されるまで第1の区画室をリザーバから分離する閉鎖体を含んでもよい。カートリッジは、第1の区画室と嵌合体との間に破断可能なバリアを含んでもよい。パッケージアセンブリは、有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する少なくとも1つの第2の区画室を含んでもよく、第2の区画室は、破断可能なバリアによって第1の区画室から分離される。柔軟壁の少なくとも一部が箔を含んでもよい。柔軟壁は、第1の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形されてもよい。柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を含む。剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形されてもよい。カートリッジは、第1および第2の区画室間に配置される流体通路を含んでもよい。カートリッジは、流体通路内に配置される静的ミキサを含んでもよい。カートリッジは、パッケージアセンブリと供給装置との間に配置される流体通路内に配置される静的ミキサを含んでもよい。柔軟壁は、嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びてもよい。
【0030】
カートリッジは充填区画室と流体充填通路とを含んでもよく、充填区画室が流体充填通路を介して第1の区画室と流体連通して配置される。カートリッジは第1および第2のパッケージ壁を含んでもよく、充填区画室が第1および第2のパッケージ壁間に配置されてもよい。流体充填通路がシール可能であってもよい。流体充填通路は、充填後に充填区画室への逆流を防止するためにシール可能であってもよい。流体充填通路は、第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされてもよい。カートリッジは、充填区画室および流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される挿入体を含んでもよい。挿入体は、弁、逆止弁、遮断弁、流量制限器、流量調整器、圧力制限器、圧力調整器、流れ偏向器、ノズル、ストッパ、および、シールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。充填区画室の少なくとも一部は、第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に予備成形されるウェルにより画定されてもよい。カートリッジは、流体密なシールを介して充填区画室と連通するように構成される充填システムを含んでもよい。噴出を防止するために、流体充填通路は、パッケージにより保持される流体を第1のパッケージ壁に沿って導いてもよい。カートリッジは、流体排出通路を介して第1の区画室と連通するガス排出区画室を含んでもよく、流体排出通路は、充填後に第1の区画室からの流れを防止するようにシール可能である。供給装置は、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプから成るグループから選択されてもよい。
【0031】
カートリッジは、供給装置の投与部と連通するように構成されてもよい。投与装置は、針、カニューレ、カテーテル、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、スプレーノズル、ジェットノズル、分配器、経口分配器、耳分配器、眼内分配器、局所分配器、または、以上のうちの1つへのカプラーから選択されてもよい。
【0032】
本開示の他の態様は、充填可能リザーバと投与装置とを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジに関する。カートリッジは、カプラーと、少なくとも1つの第1の区画室および嵌合体を有するパッケージとを含む。第1の区画室は、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する。嵌合体はパッケージに配置される。カプラーは、嵌合体を充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために供給装置に結合される。
【0033】
カプラーは、開放されるまで流体連通を遮断する少なくとも1つの閉鎖体を含んでもよい。カプラーは、閉鎖体が流体連通を遮断している第1の位置から、閉鎖体が開放される第2の位置へ、嵌合体および供給装置のうちの少なくとも一方に対して移動できてもよい。カプラーが無菌シールされてもよい。カプラーが供給装置と接続可能な注射針を含んでもよい。カプラーが流体連通を遮断する膜を含んでもよく、膜が注射針の先端によって穿孔可能である。注射針は、膜が穿孔されない第1の位置から、膜が穿孔される第2の位置へ移動できてもよい。カプラーが投与装置と連通するように構成されてもよい。カプラーは、パッケージ内への流れおよびパッケージからの流れを制御する弁を含んでもよい。弁は、嵌合体とカプラーとの間の相対動作によって作用してもよい。パッケージの少なくとも一部をカプラーから取り外しできてもよい。リザーバの少なくとも一部が有益薬剤で満たされた後にパッケージをカプラーから取り外しできてもよい。カプラーは、針刺し防止装置および再使用防止装置から成るグループからの安全装置を含んでもよく、安全装置は、カートリッジの一部が供給装置から取り外されるときに供給装置と結合される。カートリッジは、パッケージのための支持体を含んでもよい。カプラーは、供給装置および投与装置のうちの少なくとも一方のキャップとして構成されてもよい。供給装置は、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプから成るグループから選択されてもよい。投与装置は、針、カテーテル、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、微小針(マイクロニードル、microneedle)、ID針、IM針、SQ針、経口分配器、眼内分配器、耳分配器、局所分配器、および、前者のうちの1つへのカプラーから成るグループから選択されてもよい。カプラーがシリンジピストンの少なくとも一部を含んでもよい。カプラーがシリンジバレルの少なくとも一部を含んでもよい。カプラーおよび嵌合体は、圧入、熱溶着、および、ボンディングのうちの少なくとも1つによって結合されてもよい。供給装置がシリンジを含んでもよく、投与装置が針を含んでもよく、カプラーが針と嵌合体とを結合するように構成されてもよい。カプラーは、針と嵌合体とを結合させる方向へ案内するべく構成されてもよい。カプラーが針保護体を形成してもよい。カプラーは、カートリッジとシリンジとが結合されるまで維持される針のための無菌閉鎖を与えてもよい。
【0034】
カプラーは、針を備える供給装置のシリンジと連通するように、また、パッケージがシリンジと結合されるときに嵌合体と結合されるように構成されてもよい。供給装置は、パッケージとシリンジとが結合されるときに取り外しできる針保護体を含んでもよい。供給装置は、パッケージとシリンジとが結合されるまで維持される針のための無菌閉鎖体を含んでもよい。カプラーは、針の先端の位置を固定するように構成されてもよい。カートリッジは、カプラーの内孔に配置されるグライダーを含んでもよく、グライダーの少なくとも一部は、針の先端と針の基端との間で軸方向に移動できる。カプラーは、カートリッジがシリンジから取り外されるときに嵌合体と結合されたままであってもよい。
【0035】
カートリッジは、パッケージとリザーバとの間の流体連通のための流体通路を含んでもよく、流体通路は、注射針により穿孔可能な膜によって終端される。パッケージは、第1の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形される少なくとも1つの柔軟壁を含んでもよい。パッケージは、剥離可能な箔層部を有する少なくとも1つの柔軟壁を含んでもよい。剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形されてもよい。カートリッジは、パッケージの第1の区画室と第2の区画室との間に配置される流体通路を含んでもよい。カートリッジは、流体通路内に配置される静的ミキサを含んでもよい。カートリッジは、パッケージと供給装置との間に配置される流体通路と、流体通路内に配置される静的ミキサとを含んでもよい。パッケージは、嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びる柔軟壁を更に含んでもよい。
【0036】
カートリッジは充填区画室と流体充填通路とを含んでもよく、充填区画室は、流体充填通路を介して第1の区画室と流体連通して配置される。カートリッジは第1および第2のパッケージ壁を含んでもよく、充填区画室が第1および第2のパッケージ壁間に配置されてもよい。流体充填通路がシール可能であってもよい。流体充填通路は、充填後に充填区画室への逆流を防止するためにシール可能であってもよい。流体充填通路は、第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされてもよい。カートリッジは、充填区画室および流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される少なくとも1つの挿入体を含んでもよい。挿入体は、弁、逆止弁、遮断弁、流量制限器、流量調整器、圧力制限器、圧力調整器、流れ偏向器、ノズル、ストッパ、および、シールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。充填区画室の少なくとも一部は、第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に形成されるウェルにより画定されてもよい。カートリッジは、流体密なシールを介して充填区画室と連通するように構成される充填システムを含んでもよい。噴出を防止するために、流体充填通路は、パッケージにより保持される流体を第1のパッケージ壁に沿って導いてもよい。カートリッジは、流体排出通路を介して第1の区画室と連通するガス排出区画室を含んでもよく、流体排出通路はシール可能である。
【0037】
更なる態様は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジに関する。カートリッジは、有益薬剤の全てまたは有益薬剤の全ての構成物質を収容するパッケージを含む。カートリッジはパッケージを含み、パッケージは、有益薬剤の全てまたは有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容し、かつ、その少なくとも一部が柔軟壁により画定される、少なくとも1つの第1の区画室を備える。また、パッケージは、パッケージを充填可能リザーバに流体連通状態で接続するためにパッケージに配置される嵌合体も含む。有益薬剤供給装置が単位用量を与えてもよい。有益薬剤供給装置が単一リザーバを含んでもよい。
【0038】
用量は注入可能な用量であってもよい。注入可能な用量は、0.1mlより多く、5mlより少なくてもよい。注入可能な用量は、0.3mlより多く、3mlより少なくてもよい。嵌合体は、単位用量パッケージを充填可能リザーバと流体連通状態で接続する方向へ向けてカートリッジを案内するように構成されてもよい。
【0039】
更なる態様は、単一リザーバを備える単位用量有益薬剤供給装置の投与部を取り囲むための事前充填キャップに関する。事前充填キャップは、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室と、第1の区画室と投与部とを連通させるための流体通路とを含む。
【0040】
第1の区画室が1つの壁を含んでもよく、壁の少なくとも一部が柔軟材料を備える。柔軟材料がウェビングを含んでもよい。第1の区画室が有益薬剤の第1の構成物質を含んでもよく、事前充填キャップは、有益薬剤の第2の構成物質を収容する第2の区画室を更に含み、また、開放可能な閉鎖体が第1の構成物質と第2の構成物質とを分離する。投与部は、針、カテーテル、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、マイクロニードル、ID針、IM針、SQ針、経口分配器、眼内分配器、耳分配器、局所分配器、および、前者のうちの1つへのカプラー、のうちの1つを含んでもよい。投与部は、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプのグループからの供給装置と接続するように構成されてもよい。
【0041】
事前充填キャップが閉鎖体を含んでもよく、該閉鎖体は、閉鎖体が開放されるまで第1の区画室と投与部とを分離する。キャップは、パッケージおよび投与部のうちの少なくとも一方に対して第1の位置から第2の位置へ移動でき、それにより、閉鎖体を開放する。事前充填キャップが流体通路を含んでもよい。事前充填キャップは流体通路を閉じる膜を含んでもよい。投与部は、流体通路と流体連通を確立するために膜を穿孔するべく移動できる針を含んでもよい。投与部は、流体通路と流体連通を確立するために膜を穿孔するように構成される針を含んでもよい。事前充填キャップはパッケージの少なくとも一部のための支持体を含んでもよい。第1の区画室は、嵌合体を含むパッケージ内に形成されてもよい。パッケージの少なくとも一部がウェビングを含んでもよい。投与部がキャップ内で無菌シールされてもよい。投与部の少なくとも一部がキャップにより保護される。
【0042】
本開示に係る有益薬剤単位用量分配器の他の例は、供給装置とカートリッジとを含む。供給装置は、充填可能な単位用量リザーバと、充填可能なリザーバと連通する少なくとも1つのポートとを有する。カートリッジは、供給装置に無菌結合するように構成され、単位用量パッケージを含む。単位用量パッケージは、第1の区画室と、嵌合体と、開放可能なシールとを含む。第1の区画室は、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容し、パッケージの少なくとも一部が柔軟壁によって画定される。嵌合体は、単位用量パッケージと結合され、かつ、単位用量パッケージを供給装置に接続する。開放可能なシールは、第1の区画室とリザーバとの間に配置される。
【0043】
リザーバは使用前にほぼ空であってもよい。リザーバが有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容してもよい。
【0044】
本開示の他の態様は、有益薬剤を分配するための事前充填シリンジに関する。事前充填シリンジは、ピストンアセンブリと、投与部とピストンアセンブリを受けるための部分とを備える充填可能バレルと、有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室と第1の区画室からの内容物をバレルへ通じさせるための流体通路とを備える事前充填カートリッジと、を含む。
【0045】
投与部は、針、IM針、マイクロニードル、ID針、SQ針、IM針、安全針、引き込み可能針、保護スリーブを有する針、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、アプリケータのうちの1つを含んでもよい。事前充填シリンジは、投与部をシールするキャップを含んでもよく、カートリッジがキャップと一体である。事前充填シリンジは、投与部を介してバレルと連通する流体通路を含んでもよい。バレルは、有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を含んでもよい。事前充填シリンジは、開放されるまで第1の区画室をバレルから分離する閉鎖体を含んでもよい。カートリッジが閉鎖体を開放するように移動できてもよい。事前充填シリンジが手動操作可能に構成されてもよい。事前充填シリンジは、自動注入器、シリンジポンプ、制御されたアクチュエータ、機械的なラムまたは圧力のうちの少なくとも1つによって動作されるように構成されてもよい。バレルの基端が無菌シールされてもよい。
【0046】
本開示の更なる態様は、供給装置の投与部のためのキャップに関する。キャップは、流体通路と、投与部と連通するように構成される基端と、先端とを備える。
【0047】
キャップは、事前充填パッケージと連通するために流体通路の先端に配置されるアダプタを含んでもよい。アダプタが事前充填パッケージの嵌合体と連通するように構成されてもよい。閉鎖体が、流体通路内に配置されて、開放されるまで流体通路の先端と基端とを分離するように構成されてもよい。キャップが閉鎖体を開放するように移動できてもよい。基端は、カプラーを介して投与部と連通するように構成されてもよい。キャップは、投与部に対してシールするように構成されてもよい。キャップは、投与部を無菌シール状態に維持するように構成されてもよい。キャップは、事前充填パッケージを支持するための支持体を含んでもよい。
【0048】
本開示に係る方法の一例は、有益薬剤の事前充填パッケージを形成するための方法に関する。方法は、互いに結合される第1の側と第2の側とを有し、それにより、第1の側と第2の側との間に少なくとも1つの第1の構成物質区画室の境界を形成するウェビングを用意するステップと、境界の少なくとも一部に沿って脆弱シールを形成するステップと、恒久シールを形成し、恒久シールが脆弱シールの少なくとも一部と重なり合うようにすることにより、恒久シールとほぼ同じシール特性を有する重合部を形成するステップと、第1の構成物質区画室を充填するステップとを含む。
【0049】
脆弱シールが境界全体に沿って形成されてもよい。方法は、脆弱シールを形成する前に、第1の構成物質区画室に有益薬剤の少なくとも第1の構成物質を充填するステップを含んでもよい。第1の構成物質区画室には、脆弱シールを形成した後、恒久シールを形成する前に、有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質が充填されてもよい。方法は、第1の構成物質区画室のための充填アクセスを形成するステップを含んでもよく、恒久シールが充填アクセスをシールする。脆弱シールが第1の剥離強度特性を示してもよく、恒久シールが第2の剥離強度特性を示してもよく、第1および第2の剥離強度特性は、脆弱シールおよび恒久シールを形成するために使用されるシール器具のシール設定によって得られる。脆弱シールが第1の剥離強度特性を示してもよく、恒久シールが第2の剥離強度特性を示してもよく、第1の剥離強度特性がウェビングの局所的なシール特性に起因する。第2のシールが脆弱シールの大部分と重なり合ってもよい。境界が少なくとも1つの第2の区画室を画定してもよく、恒久シールが形成された後に第1および第2の区画室間に脆弱シール部分が残存する。方法は、出口ポートと、恒久シールにより形成される出口ポートへの通路とを設けるステップを含んでもよく、第1の構成物質区画室と出口ポートとの間に脆弱シール部分が残存する。
【0050】
本開示に係る方法の他の例は、有益薬剤の事前充填パッケージを形成する方法に関する。方法は、有益薬剤のためのガス充填区画室を形成するステップと、第1のシール可能チャネルを介してガス充填区画室と連通する充填ポートを有する充填区画室を形成するステップを含む。また、方法は、有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質の供給源と充填ポートとを流体密な態様で結合するステップと、排出ポートを通じてガスを排出する間に供給源から充填チャネルを介してガス充填区画室を充填するステップと、第1のシール可能チャネルおよび充填チャネルをシールするステップとを含む。
【0051】
方法は、第2のシール可能チャネルを介してガス充填区画室と連通する排出ポートを有する排出区画室を形成するステップを含んでもよい。充填チャネルを介した供給源からのガス充填区画室の充填は、排出ポートを通じてガスを排出する間に行なわれてもよい。ガス充填区画室、充填区画室、および、第1のシール可能チャネルのうちの1つの少なくとも一部が予備成形されてもよい。方法は、充填ポートおよび排出ポートのうちの少なくとも一方を除去するために事前充填パッケージを切り取るステップを含んでもよい。事前充填パッケージの少なくとも一部がウェビングを含んでもよい。ウェビングは、ガス充填区画室の容積を規定するように予備成形されてもよい。事前充填パッケージは、ガス充填区画室のための容積を更に正確に規定するために充填中にキャビティ内に収容されてもよい。キャビティに真空が印加されてもよい。充填中に、事前充填パッケージは、第2のシール可能チャネルが第1のシール可能チャネルに対して持ち上げられるように配置されてもよい。充填ポートがウェルを含んでもよい。方法は、第1の区画室、第1のチャネル、および、第2のチャネルのうちの少なくとも1つに少なくとも1つの第1の挿入体を配置するステップを含んでもよい。挿入体が第1の構成物質の供給源と接続してもよい。接続が弁を含んでもよい。充填区画室および第1のシール可能チャネルは、充填ステップ前に環境から密閉シールされてもよい。
【0052】
方法は、充填前に、第1の構成物質の供給源を受けるために充填ポートの壁を穿孔するステップを含んでもよい。第1の構成物質の供給源は、穿孔要素で終端する毛細管を含んでもよい。毛細管が充填ポートのウェブ壁を穿孔してもよく、ウェブが充填チューブと共に流体密なシールを形成する。方法は、複数の事前充填パッケージを積層し、積層された事前充填パッケージを充填機へ移送するステップを含んでもよい。方法は、区画室形成ステップの後、充填ステップ前に、パッケージを滅菌するステップを含んでもよい。第1のシール可能チャネルのうちの少なくとも1つがシール可能挿入体を含んでもよい。噴出、泡立ち、または、気泡を防止するために、第1のシール可能チャネルは、充填ステップ中に第1の構成物質が充填区画室の壁に沿って流れるように形成されてもよい。
【0053】
方法は、第2のシール可能チャネル内の第1の構成物質の存在を検出するためのセンサを設け、充填区画室が充填されていることをセンサにより表示するステップを含んでもよい。第1の構成物質の供給源が定量ポンプを含んでもよい。第1の構成物質の供給源が非定量ポンプシステムを含んでもよい。事前充填パッケージは、排出ポートを通じて排出されるガスを受けるための排出ラインを含んでもよい。方法は、排出ポートに真空を印加するステップを含んでもよい。第1の構成物質は、粉末、ペレット、顆粒、タブレット、塊、球(スフィア、sphere)、および、微小球(マイクロスフィア、microsphere)から成るグループからの固形物を含んでもよい。充填ステップ中に、第1の構成物質がガス流と共に第1の区画室へ移送されてもよい。第2のシール可能チャネルの少なくとも1つの開口のサイズは、第1の構成物質が排出ポートから抜け出るのを制限してもよい。事前充填パッケージが製袋充填シールラインで製造されてもよい。複数の事前充填パッケージが単一のウェブ部材から製造されてもよい。第1の構成物質の供給源が真空を使用して充填ポートに取り付けられてもよい。充填区画室およびシール可能チャネルのうちの少なくとも一方は所定形状に成形される。ガス充填区画室は、有益薬剤の充填容積空間をほぼ画定するように予備成形されてもよい。
【0054】
本開示に係る更なる方法は、有益薬剤のための単位用量供給システムを製造する方法に関し、この方法は、組み付けられた供給装置を受けるステップと、有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質が事前に充填された事前充填無菌シールカートリッジを受けるステップと、供給装置とカートリッジとを一体化するステップと を含む。
【0055】
供給装置は、バレルに事前に組み付けられたピストンを備えるシリンジであってもよい。供給装置およびカートリッジは事前に滅菌されており、また、方法は、供給装置とカートリッジとを無菌状態で一体化するステップを更に含む。方法は、一体化後に供給装置を最終的に滅菌するステップを含んでもよい。
【0056】
方法の他の例は、パッケージに液体状態の単位用量の有益薬剤を充填することに関する。方法は、計量された単位用量の有益薬剤をモールド内で凍結させて凍結用量を形成するステップと、凍結用量を半仕上げの区画室内に配置するステップと、区画室をシールするステップとを含む。
【0057】
パッケージがブリスターパックを含んでもよく、また、凍結用量がブリスターパックの予備成形されたキャビティ内に配置される。方法は、区画室内に凍結用量を配置する前に、少なくとも1つの制御された特性に関して凍結用量を検査するステップを含んでもよい。方法は、少なくとも1つの第1のウェブ材料からパッケージを製造して、第1のウェブ材料上で単位用量を凍結させるステップを含んでもよい。方法は、区画室をシールした後に凍結用量を解かすステップを含んでもよい。方法は、区画室をシールする前に解けないようにするために凍結用量を十分に低い温度に晒すステップを含んでもよい。
【0058】
方法の他の例は、微粒子固形物の形態を成す有益薬剤の計量された用量の少なくとも1つの第1の構成物質でパッケージを充填することに関する。方法は、第1の構成物質の用量を計量するステップと、単一体を形成するように計量された用量を十分に圧縮するステップと、単一体を半仕上げのパッケージ内に配置するステップと、パッケージをシールするステップと、単一体を分散させるためにエネルギーをパッケージの壁を通じて単一体へ向けるステップとを含む。
【0059】
方法は、単一体をパッケージ内に配置する前に、少なくとも1つの制御された特性に関して単一体を検査するステップを含んでもよい。パッケージの少なくとも一部が少なくとも1つの第1のウェブから形成されてもよく、また、方法は、第1のウェブに対して単一体を押し付けるステップを含む。方法は、製袋充填シールラインでパッケージを形成するステップを含む。パッケージの少なくとも一部がウェブ材料を含んでもよく、また、エネルギーは、パッケージの柔軟壁を介して単一体を押圧することによって導かれる。エネルギーは、機械的振動、超音波振動、音響振動、および、RF振動のうちの少なくとも1つによって単一体へ導かれてもよい。
【0060】
本開示の他の態様は、分配装置とカートリッジとの一体化を容易にするためのカプラーに関する。分配装置がリザーバと投与装置とを含み、カートリッジは、少なくとも1つの第1の分配可能生成物または該生成物の少なくとも1つの第1の構成物質の内容物を収容するパッケージと、内容物またはその少なくとも第1の構成物質のリザーバへの移送を可能にするためにカートリッジを投与装置と連通状態で接続するための嵌合体とを含む。カプラーは第1の端部および第2の端部を含み、第1の端部が投与装置を受けるように構成され、また、第2の端部は、カートリッジと分配装置とが流体連通するように、嵌合体を移動可能に受けるべく、かつ、嵌合体を投与装置と係合させるように案内するべく構成される。
【0061】
カプラーは、カプラー内で移動可能なグライダーを含んでもよく、グライダーは、投与装置の先端をカプラー内の所定の第1の位置に保持するとともに、嵌合体が投与装置と係合するための隙間をグライダーが与える第2の位置へ向けて移動する。グライダーは、投与装置、カプラー、および、嵌合体のうちの少なくとも1つと共に流体密なシールを形成してもよい。グライダーは、投与装置をカプラー内に無菌シールしてもよい。グライダーがリザーバを無菌シールしてもよい。グライダーが第1の位置へ付勢されてもよい。カプラーが投与装置に対して物理的なシールドを与えてもよい。
【0062】
カプラーは、圧入、スナップ嵌合、螺合、バヨネット、螺旋接続、または、上昇斜面のうちの少なくとも1つによってカートリッジおよび分配装置のうちの少なくとも一方と係合してもよい。カプラーは、カートリッジが分配装置から離脱されるときにカートリッジと結合されたままとなるように構成されてもよい。カプラーは、カートリッジが分配装置から離脱されるときに分配装置と結合されたままとなるように構成されてもよい。投与装置が針であってもよく、また、カプラーが針シールドを備えてもよい。
【0063】
更なる態様は医用シリンジに関し、該医用シリンジは、シリンジの先端にある投与針と、先端で受けられるカプラーとを含む。カプラーは、カートリッジを受けて該カートリッジを針との係合位置へ案内するように構成される。カプラーは、針を物理的損傷から保護するように構成されてもよい。カプラーは、針を無菌シールするように構成されてもよい。カプラーが該カプラー内で移動可能なグライダーを更に含んでもよく、グライダーは、針の先端を所定の第1の位置に保持し、かつ、カートリッジが針と係合するための隙間をグライダーが与える第2の位置へ向けて移動する。グライダーは、針、カプラー、および、カートリッジのうちの少なくとも1つと共にシールするように構成されてもよい。グライダーがスプリングにより第1の位置へ付勢されてもよい。カートリッジが離脱されるときにカプラーの少なくとも一部をシリンジから取り外すことができてもよい。
【0064】
本開示の方法の他の例は、事前充填カートリッジと分配装置とを係合させて、事前充填カートリッジと分配装置との間で流体内容物を移送するための方法に関する。分配装置は、リザーバと、投与装置と、カプラーとを備え、リザーバが内容物を保持し、投与装置が内容物を受けて分配する。内容物が分配可能な生成物または該生成物の1つ以上の構成物質であってもよい。カプラーが第1の端部と第2の端部とを備え、第2の端部は、嵌合体を移動可能に受けて、カートリッジと分配装置との間に流体連通をもたらすべく嵌合体を投与装置と係合させるように案内する。嵌合体は内容物をリザーバと通じさせる。方法は、カートリッジと分配装置とが流体連通状態で係合するようにカートリッジをカプラー内で受けるステップを含む。
【0065】
方法は、カートリッジとリザーバとの間での流体移送を可能にするステップを含んでもよい。方法は、カートリッジを分配装置から離脱させるステップを含んでもよい。方法は、カプラーの少なくとも一部を投与装置の少なくとも一部から少なくとも部分的に取り外すステップを含んでもよい。方法は、カートリッジを分配装置から離脱させるステップを含んでもよく、この場合、カプラーの少なくとも一部がカートリッジを使用して取り外される。分配装置およびカプラーが滅菌されてもよく、カートリッジが滅菌されてもよく、また、分配装置とカートリッジとが滅菌事前充填分配システムを形成するように無菌係合される。カプラーの第1の端部が投与装置を受けるように構成されてもよく、また、方法は、投与装置がカプラー内に受けられるように分配装置にカプラーを装着するステップを含む。方法は、カプラーの少なくとも一部が取り外された後に内容物を分配装置から分配するステップを含んでもよい。
【0066】
方法の他の例は、事前充填可能容器を製造するための方法に関する。方法は、シール可能な第1の充填チャネルを介して互いに流体連通状態で接続される少なくとも1つの第1の区画室および少なくとも1つの第1の充填区画室を備えるシールされたキャビティを形成するステップと、充填区画室の壁を充填装置により穿孔して、第1の充填チャネルを介して第1の区画室内に構成物質を充填するステップと、充填ステップが完了されるときにチャネルをシールするステップとを含む。
【0067】
方法は、容器のうち充填区画室を備える部分を取り外すステップを含んでもよい。キャビティは、第1の区画室と流体連通状態で相互接続される少なくとも1つの第2の充填区画室を含んでもよく、また、方法は、第1の区画室に構成物質が充填される間にガスを第1の区画室から排出できるように第2の充填区画室の壁を穿孔して、充填が完了されるときに第2のチャネルをシールするステップを更に含んでもよい。容器は、シールされたキャビティを画定するために、第2の壁と結合される第1の予備成形ウェブ壁を含んでもよい。容器の少なくとも1つの壁がプラスチック材料から成形されてもよい。容器がブロー成形されてもよい。
【0068】
本開示の更なる態様は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジに関する。カートリッジは、少なくとも1つの第1の区画室を含むパッケージを含み、第1の区画室が予備成形された剥離可能層を有する第1の壁を含む。
【0069】
剥離可能層は、該剥離可能層を第1の壁に結合するために第1の区画室の外周縁に沿って平坦領域を含んでもよい。第1の壁がキャビティを画定するように予備成形されてもよく、また、予備成形された剥離可能層がキャビティを含むように構成される。剥離可能層が第1の壁構造の一部であってもよい。
【0070】
他の態様は、第1および第2のウェブ壁と、第1および第2の区画室と、脆弱シールと、分配ポートと含む分配パッケージに関する。第1のウェブ壁および第2のウェブ壁は、区画室境界の少なくとも一部を画定するために外周縁に沿って結合される。第1の区画室は、分配可能生成物の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する。第2の区画室は、分配可能生成物の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する。脆弱シールは、第1および第2の区画室間に配置され、開放されるときに第1および第2の構成物質を融合できるようにする。分配ポートは、少なくとも第1のウェブ壁で開放される。脆弱シールは、第1および第2の区画室を分配ポートから分離する。脆弱シールが破断されると、第1および第2の構成物質と分配ポートとの間に流体連通が確立される。第1および第2の区画室が第2のウェブ壁に形成されてもよい。
【0071】
他の態様は、供給装置の投与装置のためのキャップに関する。キャップは、投与装置を受けるように構成される第1の区画室と、第2の区画室と、第1の区画室と第2の区画室との間に流体密なシールを形成するバリアとを含む。
【0072】
第1の区画室は、供給装置および投与装置のうちの少なくとも一方と連通するように構成される基端を含んでもよい。第2の区画室が流体通路と連通状態で接続してもよい。第2の区画室は、投与装置の先端部を受けるように構成されてもよい。バリアは、投与装置の基端と先端との間の投与装置の領域の周囲を耐密シールするように構成されてもよい。キャップは、事前充填パッケージと連通するために第2の区画室と連通するアダプタを含んでもよい。アダプタは、事前充填パッケージの嵌合体と連通するように構成されてもよい。キャップは、流体通路と、流体通路内に配置され、開放されるまで流体通路の先端と基端とを分離するように構成される閉鎖体とを含んでもよい。基端は、カプラーを介して投与装置と連通するように構成されてもよい。キャップは、投与部に対してシールするように構成されてもよい。キャップは、投与装置に保護を与えるように構成されてもよい。キャップは、事前充填パッケージを支持するための支持体を含んでもよい。
【0073】
本開示の他の態様は、第1および第2のウェブ壁と嵌合体とを含むパッケージに関する。第1のウェブ壁および第2のウェブ壁は、区画室を少なくとも部分的に画定するために外周縁に沿う1つの結合部で結合される。第1および第2の壁のうちの少なくとも一方が区画室内にキャビティを画定するように予備成形される。結合部の少なくとも1つの第1の部分が破断可能なシールを形成し、このシールは、破断されると、嵌合体と流体連通をもたらし、また、結合部の少なくとも1つの第2の部分が恒久シールを形成する。
【0074】
本発明の用途は、一例として本明細書中で与えられる薬物供給に限定されない。本明細書中に記載される技術は、例えば接着剤分配や化学物質分配などの他の分野の分配装置に適用され得る。本開示は、これを達成するための様々な形態を与える。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1a図1aは、一形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図1b図1bは、別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図1c図1cは、更に別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図1d図1dは、更に別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図1e図1eは、更に別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図1f図1fは、更に別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴う注入器カートリッジアセンブリを示している。
図2a図2aは、一形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴うシリンジアセンブリを示している。
図2b図2bは、別の形態に合わせて使用され得る、そのキャップと関連付けられるブリスターパッケージを伴うシリンジアセンブリを示している。
図3a図3aは、一形態に合わせて使用され得る、そのピストンステムと関連付けられてそこから軸方向に延びるパッケージを伴う事前充填シリンジアセンブリを示している。
図3b図3bは、別の形態に合わせて使用され得る、そのピストンステムと関連付けられてそこから軸方向に延びるパッケージを伴う事前充填シリンジアセンブリを示している。
図4図4は、様々な形態に合わせて使用され得る、そのステムと関連付けられてそこから側方に延びるブリスターパッケージを伴うシリンジアセンブリを示している。
図5a図5aは、スプリング作動の無針自動注入器の事前充填カートリッジを示している。
図5b図5bは、スプリング作動の無針自動注入器の事前充填カートリッジを示している。
図6図6は、点火作動の無針自動注入器の事前充填カートリッジを示している。
図7図7は、押し出しチューブから形成されるカートリッジを示している。
図8図8は、押し出しチューブから形成されて無針自動注入器に取り込まれるカートリッジを示している。
図9a図9aは、押し出しチューブから形成されてシリンジに装着されるカートリッジを示している。
図9b図9bは、剥離可能保護箔を備える押し出しチューブから形成されてシリンジに装着されるカートリッジを示している。
図10a図10aは、分配ポートの周囲に無菌区画室を形成する成形壁の剥離可能部および延在壁部を有するカートリッジ、および、多くの作業ステップを示している。
図10b図10bは、分配ポートの周囲に無菌区画室を形成する成形壁の剥離可能部および延在壁部を有するカートリッジ、および、多くの作業ステップを示している。
図10c図10cは、分配ポートの周囲に無菌区画室を形成する成形壁の剥離可能部および延在壁部を有するカートリッジ、および、多くの作業ステップを示している。
図10d図10dは、分配ポートの周囲に無菌区画室を形成する成形壁の剥離可能部および延在壁部を有するカートリッジ、および、多くの作業ステップを示している。
図10e図10eは、分配ポートの周囲に無菌区画室を形成する成形壁の剥離可能部および延在壁部を有するカートリッジ、および、多くの作業ステップを示している。
図11図11は、平坦壁の剥離可能部を有するカートリッジを示している。
図12図12は、カートリッジの壁の外面に取り付けられるフランジ付き分配ポートを有するカートリッジを示している。
図13図13は、シリンジおよび針に連通する弁付きカプラーと関連付けられるカプラーを示している。
図14図14は、シリンジバレルの先端と関連付けられるカートリッジを示している。
図15図15は、有益薬剤の凍結乾燥をいつでもできる状態になっている半仕上げのカートリッジを示している。
図16図16は、カートリッジ内に収容される2つの構成物質の混合を容易にする静的ミキサをその分配ポートに備えるカートリッジを示している。
図17図17は、カートリッジ内に収容される第1の構成物質とシリンジ内に収容される第2の構成物質とを混合させるためのシステムを示している。
図18図18は、カートリッジ内に収容される第1の構成物質と第2の構成物質とを混合させるためのシステムを示している。
図19図19は、ブリスター型カートリッジに一体形成される静的ミキサを示している。
図20a図20aはカートリッジの製造のための方法を示している。
図20b図20bはカートリッジの製造のための方法を示している。
図20c図20cはカートリッジの製造のための方法を示している。
図20d図20dはカートリッジの製造のための方法を示している。
図20e図20eはカートリッジの製造のための方法を示している。
図20f図20fは、図20a~図20eのカートリッジの脆弱シールパターンおよび恒久シールパターンを示している。
図20g図20gは、図20a~図20eのカートリッジの脆弱シールパターンおよび恒久シールパターンを示している。
図21a図21aは、シリンジ内に収容される物質とカートリッジ内に収容される物質とを混合させるための静的ミキサを備えるカートリッジを示している。
図21b図21bは、シリンジ内に収容される物質とカートリッジ内に収容される物質とを混合させるための静的ミキサを備えるカートリッジを示している。
図21c図21cは、シリンジ内に収容される物質とカートリッジ内に収容される物質とを混合させるための静的ミキサを備えるカートリッジを示している。
図21d図21dは、シリンジ内に収容される物質とカートリッジ内に収容される物質とを混合させるための静的ミキサを備えるカートリッジを示している。
図21e図21eは、シリンジ内に収容される物質とカートリッジ内に収容される物質とを混合させるための静的ミキサを備えるカートリッジを示している。
図22a図22aは、嵌合体を介してかしめ針シリンジと連通するカートリッジを示している。
図22b図22bは、嵌合体を介してかしめ針シリンジと連通するカートリッジを示している。
図23a図23aは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23b図23bは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23c図23cは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23d図23dは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23e図23eは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23f図23fは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図23g図23gは、カプラーを介して取り付け可能なカートリッジおよびかしめ針シリンジを示している。
図24a図24aは、かしめ針カプラーの他の構成を示している。
図24b図24bは、かしめ針カプラーの他の構成を示している。
図25a図25aは、注射針を含むカプラーを備えるカートリッジを示している。
図25b図25bは、注射針を含むカプラーを備えるカートリッジを示している。
図25c図25cは、注射針を含むカプラーを備えるカートリッジを示している。
図25d図25dは、図25a~図25cの事前充填カートリッジの2つのサブアセンブリを示している。
図25e図25eは、図25a~図25cのカートリッジのキャップ部の分解図を示している。
図26図26は、皮内(ID)注入アダプタを有するシリンジのために採用されたカートリッジを示している。
図27a図27aは、IDシリンジと関連付けられるカートリッジを示している。
図27b図27bは、IDシリンジと関連付けられるカートリッジを示している。
図28図28は、IDシリンジと関連付けられるカートリッジの他の構成を示している。
図29a図29aは、ID針構成を備えるカートリッジの他の構成を示している。
図29b図29bは、ID針構成を備えるカートリッジの他の構成を示している。
図30図30は、ID針構成を備えるカートリッジの他の構成を示している。
図31a図31aは、針安全・無効化機能を備えるカートリッジを示している。
図31b図31bは、針安全・無効化機能を備えるカートリッジを示している。
図32図32は、可動針を有するカートリッジを示している。
図33a図33aは、事前充填シリンジ構成を示している。
図33b図33bは、事前充填シリンジ構成を示している。
図33c図33cは、事前充填シリンジ構成を示している。
図33d図33dは、事前充填シリンジ構成を示している。
図33e図33eは、事前充填シリンジ構成を示している。
図34図34は、カートリッジの事前充填パターンを保護する壁および支持体を有するカートリッジを示している。
図35a図35aは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図35b図35bは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図35c図35cは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図35d図35dは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図35e図35eは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図35f図35fは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。
図36図36は、パッケージ360の一部の構成を示している。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1aは、注入器11およびカートリッジ10の構成を示している。図1bは、注入器アセンブリ11およびカートリッジ10の断面図を示している。注入器11は、管形状バレルの形態を成す本体13と、本体内に配置されるピストン14とを備える。ピストン14は、前方の空状態と後方の充填状態との間で本体の軸線に沿って移動できる。ピストン14はOリングシール14’を更に備え、このOリングシールは、本体13とピストン14との間に流体密なシールを与えて、注入可能な用量を受けるための分配リザーバまたはリザーバをピストンの前方に画定する。リザーバは、ピストン14が本体13内の最も前方の位置へ押し進められる空状態で示されている。本体13の前方にあるジェットノズル17は、リザーバ容量を使い果たすためにピストン14が本体13内で押し進められるときに無針噴射注入形態で用量を被検者へ皮下的に供給するように構成される。注入前に、ジェットノズル17は、カートリッジ10から注入器11のリザーバへ流体用量を充填するためのポートとしての役目を果たす。
【0077】
カートリッジ10は、2つのキャビティを形成するように予備成形される第1の薄壁18’と、第1の薄壁18’に対してシールして第1のシール区画室15と第2のシール区画室16とを画定する第2の薄壁18”とを備えるパッケージを備える。嵌合体12は、パッケージ10’に配置されて、第1の壁18’と第2の壁18”との間でパッケージ10’に結合される。嵌合体12は、注入器本体13の前部と係合するように構成される。第1の脆弱シール部分19’が、第1の区画室15と第2の区画室16とを分離するとともに、第1の区画室15および第2の区画室16の流体内容物が融合できるようにするために所定の閾値力によって剥離可能である。第2の脆弱シール19”が、第2の区画室16と嵌合体12とを分離するとともに、所定の閾値剥離力で剥離可能(破断可能)である。第2の脆弱シールは、開放されるまで第1の区画室15を嵌合体12から分離する閉鎖体を形成する。第1および第2の壁18’、18”は、押し出しウェブ、吹き出しウェブ、鋳造ウェブ、多層ウェブ、積層ウェブ、被覆ウェブ、アルミニウム層などの金属化層を含むウェブ、アルミナまたはシリカなどの金属酸化物層を含むウェブ、および、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、または、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含む高バリア層を含むウェブを含めた一種の膜または箔から形成されてもよい(一括して「ウェブ」、ウェビング、または、「ウェブ材料」と称される)。ウェブ材料の内側接着層は、オレフィンイオノマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、または、他の材料から形成されてもよい。
【0078】
幾つかの構成において、ウェブは、区画室の周囲の外周シールの指定された領域が他の領域よりも低い剥離力を有するように制御可能な剥離力を有する内側接着層を備え、それにより、閾値剥離力が第1の壁18’と第2の壁18”との間のシール領域に加えられるときに破断される領域が制限される。1つのそのような接着層は、130℃のシール温度の剥離可能なシールと170℃のシール温度の恒久的な剥離不可能なシールとをもたらし、それにより、異なる温度の2段階溶着プロセスを行なうことによってシール特性の制御の向上を可能にする商標EZ Peel(登録商標)(ウィスコンシン州のニーナにあるBemis)のイオノマーである。剥離可能なシールおよび剥離不可能なシールは、熱的にシールされた部分または熱的に溶着された部分を有する熱シールであってもよい。
【0079】
幾つかの構成において、第1の壁18’と第2の壁18”との間のシールの剥離力は、1つ以上の接着剤タイプの位置決めされた接着パターンを適用することによってシールの異なる領域で制御される。1つの構成では、恒久的なシール領域と剥離可能なシール領域とを形成するために、異なる剥離強度を有する少なくとも2つの接着剤タイプが位置決めされる。嵌合体12は、ウェブの内側層に対して良好な粘着力を有するポリエチレン(PE)などのオレフィンポリマーから形成されてもよい。幾つかの構成では、嵌合体が第1の壁18’または第2の壁18”のうちの一方の外面に取り付けられて、ウェブの貫通穴がカートリッジ10の内容物と嵌合体12とを通じさせる。この構成では、嵌合体材料がウェブの外側層材料に付着できるように適合しなければならない。第1および第2の区画室15、16は様々な物質を収容してもよい。1つの実施形態では、第1の区画室15が第1の有益薬剤またはそのような薬剤の構成物質を希釈剤形態で収容するとともに、第2の区画室16が第2の有益薬剤またはそのような薬剤の構成物質を乾燥形態で収容し、また、分配可能な生成物用量を形成するために2つの区画室の内容物を混合させる必要がある。1つの実施形態では、第1の区画室15が注入のための生理食塩水や水などの希釈剤を収容し、第2の区画室が乾燥粉末形態のワクチンを収容する。
【0080】
第1の区画室15および第2の区画室16内の内容物または構成物質は、液体、凍結液体、ゲル、ペースト、スラリー、固形物、顆粒、ペレット、微小ペレット(マイクロペレット、micro-pellet)、スフィア、マイクロスフィア、流動性粉末、圧縮粉末、ケーキ、凍結乾燥ケーキ、または、当該技術分野において知られる他の形態の固形物を含む様々な形態を成していてもよい。第1の区画室が流体材料を収容する場合には、第1の区画室15を押圧して内容物を加圧し、それにより、第1の脆弱シール19’に力を印加して該シールを剥離させるとともに、第1の区画室15と第2の区画室16との間を結合した区画室を形成して、2つの区画室の内容物が混合できるようにすることによって、第1の脆弱シール19’が分離されてもよい。第2の脆弱シール19”は、結合された区画室を押圧してその内容物を加圧し、それにより、第2の脆弱シール19”に対して剥離力をもたらすことによって破断されてもよい。パッケージ10’の壁は、カートリッジの内容物、操作指示、警告等に関する情報を示す図形、文章、バーコード、または、他の光学的な機械可読情報表示(RFID回路を含む)を含む印刷可能なあるいはさもなければマーキング可能な表面を与えるように延在されてもよい。
【0081】
図1cは、注入器11に装着されるカートリッジ10を示している。嵌合体12が注入器本体13の前端と係合され、それにより、好ましくは嵌合体領域内に無菌域を形成する。嵌合体12の通路とノズル17とが流体連通する。非経口皮下薬物供給用途においては、供給可能な物質と接触する装置の領域および被検者の身体と接触する領域の全てが、使用時までに滅菌状態にあるいは非汚染状態に維持されるのが好ましい。図1cの構成では、注入器11とカートリッジ10との無菌係合がその領域の滅菌状態を維持する。バレル13の内側の滅菌は、本体13の後端の無菌バリア、本体13の後面の一部およびピストン14の一部の局所的な包装、または、装置全体の滅菌包装によって維持されてもよい。幾つかの構成では、図1bに示される形態と同様に、注入器11とカートリッジ10とが別々に設けられることに加えて、無菌カバーが注入器本体13の前側領域および嵌合体12をシールしている。
【0082】
嵌合体12の滅菌は、ポート領域を保護するリードまたはキャップを用いて達成されてもよい。箔リードは、ポートの周囲の垂直壁の外周に対してヒートシールされてもよい。1つの実施形態では、カートリッジ10が滅菌包装体内に収容される。物質のうちの少なくとも一方が乾燥形態を成す幾つかの構成では、水分がウェブの壁(すなわち、第1の壁18’)を横切って乾燥区画室へ入り込むのを回避するために、乾燥剤カプセル、ペレット、または、ゲルなどの乾燥薬剤を滅菌包装体内に含むことが有益な場合がある。1つの実施形態では、乾燥物質がウェブに組み込まれてもよい。この構成は時としてスカベンジャーウェブと称される。図1bの構成における本体13の前端の滅菌は、耐密キャップ、ノズル17領域周囲の熱的にシールされた箔を含む様々な方法で、また、滅菌包装体内に注入器全体をパッケージングすることによって、達成することができる。したがって、図1cの構成は、生成物の滅菌を維持するべく取られる措置を減らすために有利となり得る。
【0083】
ここで、図1dを参照すると、第1および第2の脆弱シール19’、19”(図1c参照)が破断されてしまった後の図1cの構成が示されており、また、結合された区画室16’が嵌合体12の通路と流体連通した状態で形成される。
【0084】
図1eは、ピストン14が本体13から引き込まれるときの先の図1dの構成を示しており、それにより、結合された区画室16’からの流体が注入器11内の単一リザーバ13’に流れ込む。
【0085】
図1fは、ピストン14が完全に引き込まれた状態にある先の図1dの構成を示している。結合された区画室16’が完全に使い果たされて、その内容物が注入器11のリザーバ13’へ完全に移動される。カートリッジ10が取り外され、供給可能な生成物用量が取り込まれた状態にある注入器11をいつでも使用できる。カートリッジ10が工場で注入器11と結合されるような構成の場合には、注入器の前部は、嵌合体12が取り外されるこの時点まで滅菌状態に維持されている。この構成は、注入器充填ステップ前であっても注入器の適用表面が非滅菌環境に晒されてそれにより被検者の汚染のリスクが増大する市販の製品と比べて有利となり得る。
【0086】
図1aから図1fの構成は、噴射注入器カートリッジの無菌充填手続きを示している。本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、筋肉内注入器、皮下注入器、または、皮内注入器、および、それらのカートリッジ、局所アプリケータおよびそれらのカートリッジおよびリザーバ、輸液ポンプ、マイクロ輸液ポンプ、定量ポンプ、非定量ポンプ、輸液器、マイクロ輸液器、パッチ供給装置およびそれらのカートリッジおよびリザーバ、輸液バッグおよび輸液ボトルを含む輸液容器、経口分配器、眼内分配器、または、耳分配器、および、それらのカートリッジおよびリザーバ、接着剤分配器、および、様々な使用形態および目的のための他の分配器、供給装置、および、アプリケータを含む、当該技術分野で知られる他のカートリッジ、分配器、または、薬物供給装置を充填するために、同様の構成が与えられる。
【0087】
図2aは、事前に充填された混合カートリッジ10および通常のシリンジ20の構成を示している。この図は図2bの断面図の断面線を与えている。図2bを参照すると、カートリッジ10は、シリンジ20のルアーロック雄コネクタと結合されるルアーロック雌コネクタで終端するとともにカートリッジ10とシリンジ20との間に流体密な接続を形成する嵌合体21を備える。流体は、図1の注入器を用いる場合と同じ態様でカートリッジ10からシリンジ20へ移されてもよい。シリンジチップは、カートリッジ10が取り外される使用時まで、無菌環境のままである。この構成は、シリンジチップまたはシリンジの針の先端が充填ステップ前に非滅菌環境に晒されてそれにより被検者の汚染のリスクが増大する市販の製品と比べて有利となり得る。1つの構成において、カートリッジは、カートリッジおよびシリンジがルアー結合によって一体化される使用時までシリンジとは別個に保たれる。カートリッジおよびシリンジは無菌状態で一体化される。シリンジ20およびカートリッジ10の滅菌を維持するため、図1bの構成に関して前述したと同様の構成および措置が取られてもよい。
【0088】
図3aおよび図3bを参照すると、カートリッジ10が嵌合体39を使用してシリンジ30のピストン31の後端に接続される他の構成が与えられる。ピストン31は、カートリッジポート9とシリンジ本体33(すなわち、バレル)内のリザーバ35とを連通させる流体通路32をその軸線に沿って備える。ピストン31の前端にはプランジャ34が配置され、それにより、ピストン31が引き込まれるときに、プランジャ34とバレル33との摩擦により、プランジャ34がピストン31から離間するように僅かに移動し、それにより、流体通路35が開放して(矢印参照)、カートリッジの内容物がバレル33内へ移動できるようになる。キャップ37がシリンジの分配チップ36の周囲で無菌空間を維持する。図3bは、ピストン31が完全引き込み位置まで引き込まれた後であってピストン31が押し進められようとしている図3aの構成を示している。カートリッジ10はその内容物が完全に使い果たされている。プランジャ34は、ピストン31のヘッドに更に近づいた位置に戻されており、それにより、通路32がシールされ、そのため、ピストン31が押し進められるときだけ、バレル33の内容物がシリンジチップ36へ前進できる。
【0089】
分配チップまたはそれと関連付けられる針が充填プロセス前に非滅菌環境に晒される市販のシリンジとは異なり、この形態では、使用直前であって充填プロセスの後においてのみキャップがシリンジチップ36から取り外される。カートリッジは、例えば、ルアーコネクタ、バーブコネクタ、圧入コネクタ、隔膜・スパイク構成、結合チューブ、または、互いの接着を含む当該技術分野において知られる様々な手段によってシリンジと結合されてもよい。1つの構成では、カートリッジがピストンの中空空間内に配置される。
【0090】
ここで、図4を参照すると、カートリッジ10が嵌合体49を使用してピストン43の後端に接続されてピストン43の側方に延びている構成が示されている。弁44が流体通路42の後端に配置され、この弁44は、流体がカートリッジ10からバレル40および充填リザーバ35へ移動できるようにするが、流体が反対方向で流れることを防止し、それにより、ピストンが押し進められるときだけ全用量が分配チップ45へ流れるようにする。弁44は、遮断弁と称されてもよく、充填リザーバ35およびバレル40をカートリッジ10から分離するあるいは隔離するように作用してもよい。1つの構成において、弁44は、カートリッジ10が空にされた後に空気を流体通路42へ流入させ、それにより、流体を通路からバレルへ押し進めることもできるようにする。1つの実施形態では、専用の無菌区画室が、カートリッジ内の有益薬剤が空にされた後に空気または水を流体通路42内に流入させて、残存する有益薬剤を通路から洗い流すことができるようにする。1つの構成では、水区画室または空気区画室がカートリッジ10アセンブリの一部である。弁の近傍で通路42をシールするために他の装置または構造が使用されてもよい。通路42が密閉シールされてもよい。通路は、水区画室または空気区画室内への流体の逆流を防止するようにシールされてもよい。
【0091】
図4a、図4b、図5において、ピストン43は、カートリッジ10とリザーバとの間のカプラーとしての役目を果たす。一般に、これらの構成は、充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジ10を開示する。カートリッジは、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する第1の区画室15を少なくとも含むパッケージ10’と、パッケージに配置される嵌合体と、カプラーとを含む。カプラーは、パッケージを充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために嵌合体に結合される。カプラーは、開放されるまで流体連通を遮断する閉鎖体を備える。カプラーが無菌シールされてもよい。カプラーは、投与装置のリザーバと連通するように構成される。カプラーは、パッケージへの流入およびパッケージからの流出を制御する弁を備える。カプラーは、シリンジピストンの少なくとも一部を構成する。カプラーおよび嵌合体は、圧入、接着嵌合、熱溶着、ボンディングのうちの少なくとも1つによって結合される。カートリッジは、第1の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形される少なくとも1つの柔軟な壁を含むパッケージを備える。
【0092】
図5aは、注入器本体52の圧力チャンバ51内に配置されるパッケージ10’を備えるカートリッジ10を備える噴射注入器を示している。カートリッジ10は、パッケージに配置されて注入器本体の前端と関連付けられる無針ジェットノズル17を備える。ピストン53が、本体52内に配置されて、拘束機構(図示せず)によってその使用前位置に引き留められるとともに、圧力チャンバ51内のガスを加圧するために前方へ付勢される。1つの構成では、カートリッジ10が使用前に複数の構成物質を収容する複数の区画室を備え、これらの構成物質は、カートリッジ10を取り外して図1において説明したと同様の手続きに従うことにより手動で混合され、その後、カートリッジ10が本体52内の元の位置に戻される。
【0093】
図5bは、ピストン53が戻り止め機構から解放されてスプリング54により前方へ押し進められて圧力チャンバ51内のガスを加圧し、それにより、カートリッジ壁が潰れてカートリッジ10の内容物をノズル17を介して絞り出した後の注入器50を示している。ノズル17は、使用時まで無菌キャップまたは接着箔によって保護されてもよい。
【0094】
図6は、手動スイッチ62により起動される点火モジュール61により発生される加圧ガスによってピストンが前方へ付勢される点を除いて図5の注入装置と同様の注入装置60を示している。
【0095】
図7は、チューブ部分71から形成されるパッケージ70を示しており、チューブ部分71は、該チューブ部分71に沿う多数の位置72でチューブ部分71を横切って締め付けられてヒートシールされ、それにより、有益薬剤またはそのような薬剤の構成物質を備える少なくとも1つの区画室を形成する。パッケージ70の1つの形態において、締め付け位置72におけるシールは、それらのシールが閾値圧力または閾値力の存在下で剥離できるように形成される脆弱シールである。チューブ部分71は、押し出し成形、射出成形、ブロー成形によって、平坦な箔を丸めて継ぎ目をシールすることによって、あるいは、当該技術分野において知られる他の製造方法によって形成されてもよい。1つの構成では、チューブ部分71が多数の層を備え、その場合、内側層がヒートシール材料であり、また、少なくとも第2の層が、チューブ壁を横切る特定のガスまたは水分の移動を減らすための向上されたバリア特性を与える。1つの構成では、チューブが共押し出し成形される。1つの構成では、チューブ壁の少なくとも1つの第1の層がプラスチック、金属、または、金属酸化物の圧延シートから形成され、また、少なくとも1つの第2の層が圧延された第1の層上にわたって押し出される。パッケージの壁は、カートリッジの内容物、作業指示、警告等に関する情報を示す図形、文章、バーコード、または、他の光学的な機械可読情報表示(RFID回路を含む)を含む印刷可能なあるいはさもなければマーキング可能な表面を与えるように延在されてもよい。
【0096】
図8は、カートリッジ80が図7に示されるパッケージに類似するチューブ部分から形成されるパッケージを備えるとともにジェットノズル17がパッケージの前端に取り付けられる点を除いて図5に与えられる構成に類似する無針噴射注入装置を示している。
【0097】
図9aは、区画室を形成するために第1および第2のシール99’、99”で横切って締め付けられてシールされるチューブ部分93から形成されるパッケージ70をカートリッジ90が備える点を除いて図3に与えられる構成に類似するシリンジ・カートリッジアセンブリを示している。第1のシール99’は、カートリッジが圧縮されて内容物が加圧されるときに破断してシリンジとカートリッジとの間の流体連通を可能にする脆弱シールである。雌ルアーロックコネクタ91がカートリッジの端部に取り付けられる。幾つかの構成では、カートリッジ90が使用時までシリンジとは別個に保たれてもよい。生成物および装置の滅菌は、図1図3において前述したと同様の態様および手段で達成されてもよい。チューブ壁は、単層または多層を組み込んでもよく、また、例えば、高バリアPCTFE層、アルミニウム層、COC層、および、剥離可能な接着層を組み込んでもよい。
【0098】
図9bは、チューブから形成されるパッケージ70を備えるカートリッジ90の更なる構成を示しており、この場合、第1のシール99’および第2のシール99”が第1の物質を保持する第1の区画室95を画定する。第3のシール99’”は、第2の物質を保持する第2の区画室94を画定する。第2のシール99”は、第1の物質および第2の物質が融合できるようにするべく第1の区画室95および第2の区画室94のうちのいずれか一方または両方を加圧する際に破断可能である。第1のシールは、カートリッジとシリンジ97との間で流体連通を確立するために破断可能である。カートリッジは、第1および第2のシール99’、99”を横切って互いにシールされる剥離可能な高バリアシェル96’、96”を更に備える。剥離可能なバリアシェル96’、96”は、カートリッジ周囲と第1の区画室95との間のバリアを高める。この構成は、チューブ部分93のバリア特性が第1の区画室95を水分、酸素、または、光透過から保護するのに不十分な場合に特に有益となり得る。
【0099】
チューブ材料は、内容物の外観検査を行なうことができるように透明であることが好ましいが、これは一般にバリア特性の一部を損なう。剥離可能なバリアシェル96’、96”は、カートリッジ内容物の外観検査を妨げ、したがって、検査のためにシェルを剥離する必要性を回避する高バリアアルミニウム層を含んでもよい。指を用いたシェルの剥離を容易にするために、第1のタブ98’および第2のタブ98”が第1および第2の剥離可能なバリアシェル96’、96”の延在部としてそれぞれ設けられる。剥離可能なバリアシェルは、第1の区画室95の形状に適合するように予備成形されてもよい。剥離可能なバリアシェル96’、96”のうちの少なくとも一方は、第2の区画室94へバリアシェルを形成するように延ばされてもよい。剥離可能なバリアシェルのうちの少なくとも一方は、カートリッジの内容物、作業指示、警告等に関する情報を示す図形、文章、バーコード、または、他の光学的な機械可読情報表示(RFID回路を含む)を含む印刷可能なあるいはさもなければマーキング可能な表面を与えるように延在されてもよい。剥離可能なバリアシェルは、単層または多層の膜あるいは箔(一括して「ウェブ」)から形成されてもよく、また、剥離可能なシールを形成するために感圧接着剤、静電接着剤、または、温度感受性接着性を含んでもよい。
【0100】
図10aは、パッケージ100’を備える他の好ましいカートリッジ構成100を示しており、この場合、第2の区画室16が剥離可能な層104を備える。様々な用途においては、例えば、2つ以上の区画室の内容物を組み合わせた後に1つ以上の区画室または1つにまとめられた区画室の内容物を視覚的に(または、光学器具類によって)検査することが望ましい用途では、パッケージの少なくとも一部が透明材料から形成されるのが望ましい。しかしながら、透明材料は、一般に、不透明な箔よりも高い水蒸気透過率(MVTR)を有し、それにより、区画室とパッケージの周囲との間に低いバリアを与える。乾燥形態の一部のワクチンなどの一部の生成物は水分に対して極めて感度が高く、それにより、2%または3%よりも高い相対湿度レベルで効力が損なわれる場合がある。ワクチン粉末の外観検査は、使用前には、生成物に異物が混入されないようにするために重要であり、また、混合後においては、希釈剤を用いたワクチン粉末の完全な溶解を検査するために重要である。
【0101】
1つの構成では、カートリッジ100が乾燥剤収容包装体内に収容され、それにより、パッケージ101’の周囲で乾燥環境が維持される。1つの構成において、包装材料は、乾燥物質がウェブ材料の組成中に組み込まれる「スカベンジャーフィルム」として業界で知られるタイプのものである。図10aにおいて、パッケージ100’の粉末区画室は、不透明なあるいは限られた光透過性を有するあるいは光透過性を有さない剥離可能な高バリア予備成形層104を備える。幾つかの構成では、剥離可能な層が光を遮るバリアを与えてもよい。高バリア透明材料は一般に低バリア透明材料よりも高価である。幾つかの構成において、局所的な剥離可能層104は、Aclar(Honeywell)を含む膜などの高バリア透明材料から形成されるが、更に大きく形成されるパッケージ100の第1の壁18’は、製造コストを低減するために低バリア材料から形成される。剥離可能層104は、第1の壁18’が欠いている他の望ましい特性を与えてもよい。剥離可能層104は、第1の壁18’の材料の組成の一部であってもよい。剥離可能層104が第1の壁18’の別個のウェブから形成されてもよく、また、1つの製造構成では、2つのウェブが一緒に形成される。第1の壁18’が熱成形可能な膜でありかつ剥離可能層104が冷間成形の箔である幾つかの構成では、成形プロセスが冷間成形と熱成形とを組み合わせるステップを伴ってもよい。
【0102】
幾つかの構成では、剥離可能層104のキャビティ105が、第1の壁18’とは別個に形成され、その後、パッケージに対してシール形態で取り付けられる。パッケージに対する剥離可能層104の取り付けは、例えば接着、糊付け、感圧接着剤、熱かしめ溶着、超音波溶着等を含む当該技術分野において知られる手段のうちの1つによって達成されてもよい。1つの構成では、剥離可能層104がダイカット接着剤シートを介して第1の壁18’に対してシールされる。ダイカット接着剤が第1の壁18’に付着されてもよく、また、その後の段階で、剥離可能層104がダイカット接着剤に付着されてもよい。あるいは、ダイカット接着剤が剥離可能層104に付着されてもよく、また、その後の段階で、第1の壁18’がダイカット接着剤に付着されてもよい。剥離可能層104がアルミニウム積層体またはアルミニウムコーティングを備えてもよい。
【0103】
パッケージ構成100は、分配ポートを使用時まで無菌筐体内に維持する嵌合体区画室103を更に備える。嵌合体区画室103は、パッケージ100のウェブ材料の延在部101に形成される。引き剥がし切り欠き102が、嵌合体12を露出させるための延在部101の容易な除去をもたらす。図10bは、透明な第1の壁18’を通じて第2の区画室の内容物の外観検査が行なえるように剥離可能層104が除去された後のカートリッジ構成100を示している。また、延在部101が除去されて、雌ルアーロックコネクタの形態を成す嵌合体12(例えば、分配ポート)が露出される。幾つかの手続きでは、分配ポートの露出を最小限に抑えて汚染のリスクを減らすために、延在部101を除去する前に第1および第2の区画室15、16を1つにまとめることが望ましい。パッケージ100の第2の壁18”は、積層アルミニウム箔、SiOx積層体、AlOx積層体、または、当該技術分野において知られる他の材料などの高バリア材料から形成されるのが好ましい。
【0104】
幾つかの構成において、第2の区画室16は、第1の区画室15と第2の区画室16との間の第1の脆弱シール19’を破断して2つの区画室を1つにまとめるために、また、第2の区画室16(または、まとめられた区画室15+16)間の第2の脆弱シール19”を破断するために押圧される。第2の区画室16の予備成形構造は、第1および第2の脆弱シール19’、19”のそれぞれの破断を所望の順序およびタイミングで制御できるようにする。第2の区画室16の深い形状は、第2の区画室16がその先端106で押圧されるときに第1の壁18’の先端106の領域における歪みが解放され、それにより、第2の脆弱シール19”に及ぼされる剥離力が制限されて、第2の脆弱シールが破断しないようにする。また、先端106の押圧域とは反対側の第1の壁18’の基端領域109が歪まされて、第1の脆弱シール19’が破断されるが、第2の脆弱シール19”は依然として損なわれない。
【0105】
その後のステップでは、1つにまとめられた区画室(図示せず)がその基端領域で押圧され、それにより、第2の脆弱シール19”に対して十分な剥離力を及ぼして第2の脆弱シールを破断させ、1つにまとめられた区画室と分配ポートとの間に流体連通を確立する。無菌分配ポート区画室に加えてあるいは無菌分配ポート区画室に代えて、例えば、プラグ(雄ルアーロックキャップなど)、溶着箔部、ストッパ(ゴムストッパなど)を用いて、あるいは、当該技術分野において知られる任意の他の手段によって、ポートが無菌シールされてもよい。他の閉鎖機能が内容物を無菌状態で保護して内容物の流出を防止している場合には、第2の脆弱シール19”が省かれてもよい。
【0106】
図10c~図10eは、作業者の親指の直接的な操作によって第1および第2の脆弱シール19’、19”の制御された順序付けられた破断を達成するためのパッケージ100’の1つの作動方法を示している。パッケージ100’は、作業者の掌の中で人差し指および中指の上に置かれている。図10cでは、親指を第2の区画室の先端106上に配置することにより第2の区画室16が押圧される。結果として、第1の区画室15の基端領域109の第1の壁18’が歪まされ、それにより、第1の脆弱シール19’に剥離力が及ぼされる。同時に、第2の区画室16の先端106を親指で押圧することにより、第1の壁18’のその領域からの歪みが防止され、それにより、第2の脆弱シール19”に作用する剥離力が排除されあるいは最小限に抑えられる。結果として(図10dに示される)、第1の区画室15および第2の区画室16が結合された区画室16’になるが、第2の脆弱シール19”は依然として損なわれず、それにより、分配可能な生成物を嵌合体(すなわち、分配ポート)と連通させる前に2つの区画室の構成物質が混合できる。図10dの形態は、例えば、汚染の危険に晒すことなく物質を適切に混合させるためにカートリッジをそのまま放置できるようにする。これは、分配ポートが分配ポート区画室103内に依然としてシールされるとともに、結合された区画室16’が依然として分配ポートと連通していないからである。
【0107】
図10eでは、分配ポート区画室が引き剥がされて、嵌合体またはポート12がシリンジ108と係合される。結合された区画室16’がその基端領域109で親指により押圧され、それにより、1つにまとめられた区画室16’の先端106の壁が歪んで剥離力を第2の脆弱シール19”に及ぼすとともに、第2の脆弱シール19”が破断してシリンジ108と結合された区画室16’との間に分配ポート12を介して流体連通を確立する。他の構成において、区画室15、16の押圧は、平坦パネルやローラなどの圧縮物体によって行なわれる。この開示は、好適には、注入器を充填するための薬物カートリッジであって、注入器とカートリッジとがシールされた耐密態様で固定された後においてのみカートリッジと注入器との間の流体連通が確立され、それにより、注入可能な生成物を非滅菌環境に晒すことを制限して、生成物の流出の危険を減らす、薬物カートリッジを教示する。一般に、バイアル瓶およびアンプルを用いると、流体連通は、隔膜を貫通するスパイクによって注入器とカートリッジとが一体になっている最中に確立される。
【0108】
図11は、パッケージの第2の壁18”が高バリア剥離可能層111を備え、それにより、区画室内の物質に対する水分障壁が高められる構成を示している。第1の壁18’は、水分およびガスに対する高いバリアを与える冷間成形アルミニウム積層体から形成されるのが好ましい。タブ112が第2の壁18”の更に容易な剥離をもたらす。幾つかの構成において、剥離可能層111は、溶着または接着などの当該技術分野において知られる手段のうちの1つによって第2の壁18”に付着される。1つの構成において、剥離可能層111は感圧接着剤を有するラベルである。幾つかの構成において、感圧接着剤は、ラベルの特定の領域に感圧接着剤が存在しないようにラベルの所望の領域に選択的に位置決めされる。
【0109】
剥離可能層111はアルミニウム層を備えることが好ましく、このアルミニウム層は、それが引き剥がされるまで、水分およびガスに対する高いバリアをパッケージの区画室に対して与える。幾つかの構成において、剥離可能層は、第2の壁18”を形成するウェブの多層材料組成の一部である。幾つかの構成では、剥離可能層111が第2の壁18”全体から除去される。幾つかの構成では、切り込みパターンまたは打ち抜きパターンが、除去される剥離可能層111の領域を画定する。幾つかの構成では、第1の壁18’および第2の壁18”の一部分に切り込みあるいは打ち抜きがなされ、それにより、剥離可能層111の除去を容易にするタブまたは破断タブが与えられる。カートリッジ110は、注入器、薬物供給装置、これらのシステムまたは他のシステムのリザーバに対して容易に取り付けられてもよく、あるいは、カートリッジは、使用前に除去される閉鎖体を備えてもよい。剥離可能層111は、印刷された(あるいはさもなければマーキングされた)情報を含んでもよく、また、それがカートリッジ110から引き剥がされた後にカートリッジ110の内容物を受ける人、装置、薬物供給装置(シリンジなど)、または、文書に貼り付けられてもよく、また、その情報を与えるラベルとして使用されてもよい。
【0110】
他のラベルがこの開示に係るカートリッジ構成に貼り付けられてもよいことが理解される。これらの他のラベルは、印刷されたあるいはさもなければマーキングされた情報、バーコードまたはRFID回路などの機械可読情報を含んでもよく、また、剥離不可能または剥離可能であってもよく、更に、人、装置、または、文書などの他の物体に貼り付けられてもよい。幾つかの構成では、患者または装置に貼り付けられる文書上などの他の場所にこの情報を含ませるあるいは与えるために、カートリッジの情報を含む部分をカートリッジの残りの部分から引き裂くことができるか、あるいはさもなければ取り外すことができてもよい。
【0111】
図12は、嵌合体(すなわち、分配ポート)がフランジ121を介して第2の壁18”の外面に取り付けられる構成を示している。フランジは、パッケージの内容物を分配ポートと通じさせる第2の壁18”の開口(図示せず)と位置合わせされる管路(図示せず)を備える。嵌合体またはポート12は、熱溶着または接着などの当該技術分野において知られる手段のうちの1つによって第2の壁18”に取り付けられる。カートリッジ120は、注入器、薬物供給装置、これらのシステムまたは他のシステムのリザーバに対して容易に取り付けられてもよく、あるいは、使用前に除去される閉鎖体を備えてもよい。
【0112】
図13は、カートリッジ133がシリンジ131と針(ここでは、針シールド132により覆われて示される)との間に配置されるマニホールド134と関連付けられる構成を示している。マニホールドは弁構成を備え、この弁構成は、カートリッジ133が作動された後、シリンジのピストンが引き込まれるときにカートリッジ133の内容物をシリンジ131内に引き込み、また、ピストンが前進されるときにシリンジ131の内容物を針へ供給する。幾つかの構成において、マニホールドの操作は、用量引き込み形態から用量注入形態への移行時にマニホールド134からのカートリッジの離脱を引き起こす。米国特許第7,879,018号明細書は、これと同じことを達成する多数のマニホールド構成を教示しており、その全体が参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0113】
図13は、シリンジ131と投与装置132との間に配置される3方向カプラー134に結合されるカートリッジ133を示している。この構成において、混合された構成物質は、シリンジピストン135を引き込むことにより注入直前にカートリッジ133からシリンジバレル131へ移される。図13の構成は、使用前にピストンが内側位置にある事前充填シリンジを含み、これにより、保管中にピストンが引き込み位置にある通常の事前充填シリンジと比べて、優れたパッケージング密度を得ることができる。ピストンは、分配可能な生成物を投与装置132を通じて分配するために内側へ押し進められる。
【0114】
弁システムは、カートリッジ133からシリンジのバレル(すなわち、リザーバ)への流れ、および、リザーバから投与装置への流れを制限するために、カプラー134内に配置されてもよい。弁システムは、作業者の介入を必要とすることなく流れを自動的に制御する逆止弁を含んでもよい。1つの構成において、カートリッジは、弁システムを動作させるためにカプラーに対して移動される。この移動は、内側または外側への直線動作、回転、または、これらの組み合わせであってもよい。1つの構成では、カプラーに対するカートリッジの特定の移動が、カートリッジの少なくとも一部をカプラーから取り外す。この取り外しは、注入のためにシリンジ形態を「クリーンにする」べく用量をシリンジのリザーバへ移した後において有益となり得る。投与装置132が針を含んでもよく、また、針安全機能およびシリンジ無効化機能がこの構成と共に組み込まれてもよい。針が注射針として構成されてもよい。
【0115】
米国特許出願公開第2009/0221962号明細書は、引き込み可能なシリンジおよびプランジャを教示する。シリンジは、バレルと、針が装着されるあるいは装着できる引き込み可能針マウントと、プランジャとを有する。プランジャは、当初は圧縮されているスプリングと、引き込み可能針マウントと係合するための手段と、一体形成されたプランジャシールと、プランジャとの係合時に針マウントの引き込み速度の制御を容易にするための取り外し可能な制御手段とを含む。針マウントは、シリンジを充填するためにプランジャが引き出される際に針マウントの不用意な引き込みを防止する保持手段によってバレル内で保持される。保持手段は、バレルと一体形成されてもよいあるいはバレルに装着されるキャップに存在してもよい複数のクリップを備える。排出手段も設けられ、この場合、プランジャの押圧により、排出手段を付勢して、針を保持手段から解放することができ、それにより、スプリングの復元にしたがって針マウントを引き込むことができる。本開示の1つの構成において、カートリッジは、例えば米国特許出願公開第2009/0221962号明細書により教示されるような引き込み可能針マウントを有するシリンジと関連付けられる。事前充填シリンジは、自動注入器、シリンジポンプ、制御アクチュエータ、機械的なラムまたは圧力のうちの少なくとも1つによって動作するように構成されてもよい。
【0116】
図14は、シリンジ131と接続される弁付きポート141を備えるカートリッジ133を示している。シリンジバレルに分配可能な生成物をカートリッジ133から取り込むステップにおいては、ルアーキャップ142が所定位置に保持される。カートリッジ133の区画室を1つにまとめて、1つにまとめられた区画室と分配ポートまたは弁付きポート141との間の閉鎖を取り除いた後、弁付きポート141は、シリンジのピストン135が引き込まれるときに分配可能な生成物がカートリッジ133からシリンジバレル(すなわち、リザーバ)へ流れるようにする。ピストンが押し進められると、分配可能な生成物は、リザーバからシリンジチップへ押し進められ、カートリッジ133へ戻らない。1つの構成において、弁付きポートは、流体がカートリッジ133から流出できるようにするがカートリッジ133への逆流を防止する逆止弁を備える。1つの構成において、弁付きポートは、開状態と閉状態との間を切り換えるために、例えば、回転、軸方向移動、または、これらの組み合わせによって手動で操作される。
【0117】
この構成の1つの態様では、充填可能なリザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジが存在する。カートリッジはパッケージを含み、このパッケージは、有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する第1の区画室と、パッケージに配置される嵌合体と、嵌合体を充填可能なリザーバと流体連通状態で接続するために供給装置に結合されるカプラーとを少なくとも含む。パッケージに配置される嵌合体は、解放可能な接続部、恒久的な接続部、流体連通を与える接続部、または、様々な他の装着部および接続部を含んでもよい。
【0118】
カプラーは、開放されるまで流体連通を遮断する少なくとも1つの閉鎖体を含む。カプラーは無菌シールされる。カプラーは、投与装置と連通するように構成される。様々な閉鎖体が可能である。例えば、閉鎖体は、膜、ストッパ、弁、または、シールを与える他の構造を備えてもよい。閉鎖体は、再使用できてもよく、また、開位置と閉位置との間で動作してもよい。閉鎖体は、鋭利な物体(例えば、針)を使用してあるいは圧力を用いて穿孔されあるいは破断されるときに開放してもよい。カプラーは、パッケージへの流入およびパッケージからの流出を制御する弁を含み、この場合、弁は、カプラーと嵌合体および供給装置のうちの少なくとも一方との間の相対的な動きによって作用する。幾つかの構成では、カートリッジの少なくとも一部をカプラーから取り外しできる。幾つかの構成では、リザーバが少なくとも部分的に有益薬剤で満たされた後にカートリッジの少なくとも一部をカプラーから取り外しできる。
【0119】
供給装置は、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプから成るグループから選択されてもよい。カプラーは、シリンジバレルの少なくとも一部を含んでもよい。カプラーと嵌合体は、圧入、接着嵌合、熱溶着、および、ボンディングのうちの少なくとも1つによって結合されてもよい。
【0120】
幾つかの構成では、カートリッジを手動操作中にあるいは手動操作後に取り外すことができる。米国特許第7,879,018号明細書は、同じことを達成するための多くのマニホールド構成を教示しており、その全体が参照することにより本願に組み入れられる。幾つかの構成では、シリンジ131が弁付きであり、それにより、シリンジのピストンが引き込まれるときにはシリンジのチップを通じた流れが許容されず、また、ピストンが前進されるときにはシリンジのバレルからの流出が許容される。幾つかの構成では、シリンジの弁が逆止弁である。幾つかの構成では、シリンジの弁が手動操作される。幾つかの構成において、シリンジの弁およびカートリッジの弁付きポート141は、カートリッジの弁付きポート141を遮断動作することによりシリンジの弁が開放動作するようにあるいはその逆となるように機械的に連結される。分配チップがカートリッジを受け入れることができない構造を有する図14の構成は、例えば、分配チップがかしめ針、引き込み可能針、針刺し防止装置、または、他の安全装置あるいは機構を組み込む場合に特に有益となり得る。
【0121】
米国特許出願公開第2011/0015572号明細書は、引き込み可能なシリンジ、プランジャ、および、解放可能な針保持アクチュエータを教示する。引き込み可能なシリンジは、一般に、ガラスバレルを有するとともに、使用前に流体内容物が事前充填される。解放可能な針保持システムは、引き込み可能針と、針シールと、保持部材と、引き込み可能針を保持部材から解放するようになっている排出部材とを備える。保持部材は、シリンジバレルの内壁の相補的な嵌め合い面に装着するための嵌め合い面を有する。プランジャは、プランジャ外套と、制御部材に対して脆弱的に接続されるプランジャロッドと、スプリングと、引き込み可能針と係合できる一体型プランジャシールとを備える。プランジャロッド、プランジャ外套、および、制御部材は、スプリングを最初は圧縮された状態に解放可能に維持するために協働する。シリンジの流体内容物の供給後、プランジャは、引き込み可能針を保持部材から解放するように排出部材を押し進める。プランジャの押圧の最後にスプリングの圧縮を解除することにより、引き込み可能針の引き込みが一体型プランジャシールとの係合時に容易になる。二重ロックシステムが針引き込み後のシリンジの再使用を防止する。本開示の1つの構成において、カートリッジ133は、図14の弁付きポート141構成を介して、例えば米国特許出願公開第2011/0015572号明細書に開示されるような安全シリンジのバレルと関連付けられる。
【0122】
ここで、図15を参照すると、幾つかの構成では、第1の区画室15内で物質を直接に凍結乾燥(フリーズドライ)することが望ましい。第1の壁18’は、予備成形されて、平坦な第2の壁18”に溶着される。第1の区画室15は、開放端151を有するとともに、この区画室の最終的なシール寸法よりも長い。第1の区画室15には液体物質が充填される。その後、カートリッジは、凍結乾燥プロセスが完了されるまで凍結乾燥器内に配置され、それにより、第1の区画室15の底部に乾燥ケーキが残る。その後、凍結乾燥された用量を無菌状態で収容するために区画室がシールされる。第2の区画室16は、凍結乾燥プロセス前にあるいはその後に充填されてシールされてもよい。第2の区画室16は、空の状態で密閉シールされた後に充填壁152を介して充填されてもよい(図20a~図20gに関連して説明される充填構成を参照)。
【0123】
図15の構成は、生成物あるいはその構成物質をこの図に示されるような垂直位置で充填する場合にも有益である。この構成は、充填装置が開口151を介して区画室15内に入り込む必要がある場合に特に有益となり得る。また、この構成は、生成物が重力によって区画室15内へ流入するあるいは流下される必要がある場合にも有益である。幾つかの構成では、第1の区画室15を充填する前に第2の区画室16が充填される。幾つかの構成では、第1の区画室15を充填した後に第2の区画室16が充填される。他の構成では、第1の区画室15を充填すると同時に第2の区画室16が充填される。
【0124】
図16を参照すると、分配可能な生成物の第1の物質または構成物質を保持する第1の区画室15と、分配可能な生成物の第2の物質または構成物質を保持する第2の区画室16とを備えるカートリッジ160の更なる構成が示されている。区画室は、第1の物質と第2の物質とを融合させることができるように破断可能な第1の脆弱シール19’によって分離される。第2の区画室16は、カートリッジとシリンジまたは注入器などの分配装置との間の流体連通を可能にするように破断可能な第2の脆弱シール19”によって雌ルアーロック嵌合体12から分離される。嵌合体12は、流体通路161と、流体通路161内に配置される静的ミキサ162とを備える。この構成は、融合された第1の物質および第2の物質がカートリッジ160から分配装置へ移動されるときに静的ミキサがこれらの物質の混合を促進させてより均質な生成物を形成するようになっている。静的ミキサの一例は、その全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第4,538,920号明細書において教示されている。また、静的ミキサでの混合作用を繰り返すために、混合物が供給装置とカートリッジとの間を往復移動されてもよい。幾つかの構成において、静的ミキサは、柔軟なパッケージの壁同士の間に壁の定められた領域を溶着して予備成形することにより形成される通路のパターンとして構成される。静的ミキサは、単なる狭いノズルであってもよく、あるいは、カートリッジと供給装置との間の流路内に受け入れられる多孔質要素であってもよい。
【0125】
図17は、分配可能な生成物の第1の物質または少なくとも1つの構成物質を収容するとともに第2の脆弱シール19”によって雌ルアーロック嵌合体12から分離される区画室171をカートリッジ170が備える構成を示している。嵌合体は、流体通路161と、流体通路161内に配置される静的ミキサ162とを備える。分配可能な生成物174の第2の物質または少なくとも1つの構成物質をそのリザーバ内に収容するシリンジ173がカートリッジ170に取り付けられる。第2の脆弱シール19”は、第1の物質と第2の物質とを融合させることができるように破断可能である。シリンジピストンを引き込むことにより、第1の物質が区画室171から引き出されてシリンジ内に引き込まれ、このシリンジにおいて第1の物質が第2の物質と融合する。シリンジピストンは、混合物の少なくとも一部をカートリッジ170へおよびカートリッジ170から移して材料が静的ミキサ162を通じて流れる際により均質な混合物を形成するように往復動作されてもよい。1つの構成において、区画室171は、カートリッジおよびシリンジリザーバの融合された物質のほぼ全てを受けるように十分に拡張できる。幾つかの構成において、カートリッジ170は、第1の区画室とシリンジとを1つにまとめる前あるいはまとめた後に第1の区画室171とつなげられてもよい複数の区画室を備えてもよい。当業者であれば分かるように、静的ミキサは、図16または図17の構成に類似する構成で、この開示の先の構成のうちのいずれかにおいて実施されてもよい。特に、図3および図4に戻って参照すると、静的ミキサがシリンジのステムまたはプランジャに配置されてもよい。
【0126】
図18は、分配可能な生成物の第1の物質または少なくとも1つの構成物質を収容する第1の区画室15と、分配可能な生成物の第2の物質または少なくとも1つの構成物質を収容する第2の区画室16と、これらの区画室間に配置されて脆弱シール181により第1の区画室15から分離されるとともに脆弱シール182により第2の区画室16から分離される静的ミキサ184とを備えるカートリッジ180の他の構成を示している。第1の物質と第2の物質とが混合されるべき時点で、第1の脆弱シール181および第2の脆弱シール182が破断され、それにより、上壁183が破線183’により示されるように位置を変えて、第1の物質と第2の物質とが静的ミキサ184を介して通じ合うことができるようになる。第1の区画室15および第2の区画室16は完全に膨張されない。これは、第1の区画室15の第1の凹部領域185と第2の区画室16の凹部領域186とが他の区画室から物質を受けるように拡張できるからである。その結果、第1の区画室15と第2の区画室16とを交互に圧縮して第1および第2の物質の混合物を静的ミキサ184を通じて移動させることによって、第1の物質と第2の物質との良好な混合物を得ることができる。静的ミキサ184は、ここでは、多孔質体として示され、あるいは、当該技術分野において知られる他の静的ミキサである。
【0127】
第3の脆弱シール19”が、混合物と嵌合体12との間の連通を確立するべく破断可能である。この構成は、カートリッジ180を支持する支持体187と、第1の圧縮パネル188’および第2の圧縮パネル188”を備えるロッカとを更に備える。ロッカは、第1の圧縮パネル188’により第1の区画室15をかつ第2の圧縮パネル188”により第2の区画室16を交互に押圧するべく支持体187に対して回転するように方向189で移動できてもよい。ロッカおよび支持体の構成は、第1および第2の区画室15、16を効率的にかつ体系的に圧縮して内容物を静的ミキサ184を横切って移動させることにより混合プロセスの効率的な動作を促す。混合物を嵌合体12を通じて分配装置へいつでも移動できる状態となった時点で、混合物のほぼ全てが第2の区画室16から嵌合体12へ絞り出されるように、第1の区画室15が使い果たされる場所に第1の圧縮パネル188’が載置していてもよい。ロッカは、ヒンジまたは一体成形ヒンジを介して支持体187と関連付けられてもよく、また、手動であるいは装置により動作されてもよい。
【0128】
図19は、第1の物質を収容する第1の区画室15と、第2の物質を収容する第2の区画室16と、第1および第2の物質が第1の区画室15と第2の区画室16との間で往復移送される際に第1および第2の物質の混合を促す静的ミキサを形成するために区画室間に配置される予備成形された互いに交わるチャネル191の配列とを備えるカートリッジ190の他の構成を示している。
【0129】
ここで、図20a~図20gを参照すると、カートリッジの1つの想定し得る製造方法が描かれている。1つの構成では、この製造プロセスが製袋充填シールシステムで達成される。
【0130】
図20aは、有益薬剤の構成物質を収容するためのパッケージの予備成形された柔軟な第1の壁18’を示している。パッケージは、第1の構成物質を受けるための第1のキャビティ15(以下、第1の区画室)と、第2の構成物質を受けるための第2のキャビティ16(以下、第2の区画室)と、これらの区画室間に配置されるキャビティの外周縁に表面を伴う第1の連続領域(以下、第1の脆弱シール領域)と、嵌合体を受けるための嵌合体キャビティと、第2の区画室16と嵌合体キャビティ203との間の区画室の外周縁に表面を伴う第2の連続領域(以下、第2の脆弱シール領域)とを含む。第2のキャビティ16は、例えば、粉末、圧縮粉末または凝集粉末、顆粒、ペレット、固形物、タブレット、カプセル、スラリー、ペースト、高粘性流体、エマルジョン、および、以上の組み合わせなどの非流体材料または流れ難い材料を受けてもよい。第2の物質は、充填される必要がある材料のタイプを与える適切な充填システムによって第2のキャビティ16内へ充填される。第2の区画室16には水または他の低粘性流体が充填されてもよい。キャビティがシールされる際に流体をキャビティ内に保持することを困難にし得る流体の表面張力および他の特性に起因して第2の区画室16に水または水溶液を完全に充填することが困難な場合がある。
【0131】
他の難題は、多くの要因のために液体充填が比較的遅い製造プロセスであるということであり、そのような要因のうちの1つは、液体が第2の区画室16を充填しているときに泡立ちあるいは気泡形成を回避することである。1つの構成において、この難題は、好ましくは第2の区画室16の形状を有するモールド内で流体のアリコートを凍結させ、その後、当該技術分野において知られる手段のうちの1つにより固形物アリコートをキャビティ内へ移送することによって対処される。製造ライン、特に充填ステーションは、凍結された液体アリコートへの熱伝達が制限され、それにより、第2の区画室16がシールされるまで凍結された液体アリコートが略固形状態を保つように設計されてもよい。その後、凍結された液体アリコートが解凍されてもよい。充填プロセス中における凍結された液体アリコートへの熱伝達は、このプロセスの全体にわたって温度をかなり低く制御することにより、また、適切な熱伝達特性を与える機械構造を使用するとともに適切な熱伝達特性を与えるパッケージに対する接触材料を選択することにより、制限されてもよい。凍結された液体アリコートは、第2のキャビティ16への導入前に、重量および他の制御された特性およびパラメータに関して検査されてもよい。
【0132】
1つの構成では、同じ、類似する、または異なる組成を有してもよい複数の凍結された液体アリコートが第2の区画室16へ充填される。これらのアリコートは、共同して第2の区画室16の形状をほぼ形成し得る相補的な形状を有してもよい。1つの構成において、アリコートは、第2の区画室16内であるいはパッケージの相対する平坦な第2の壁18”(図示せず)上で直接に凍結される。他の構成において、第2の物質は、第2の区画室16に充填するには困難な場合がある遊離粉末または他の形態の分散性乾燥物質である。遊離粉末充填は、製造速度の制限因子、および、アリコート充填用量の適切な検査にとっての難題にもなり得る。1つの構成では、粉末(または、同様の乾燥物質)充填を容易にするために、粉末は、ゆるく凝集されるタブレットまたは単一体を形成するべく僅かに圧縮されて、その形態で、当該技術分野において知られるタブレット充填手段のうちの1つによりパッケージの区画室内へ充填される。単一体は、第2の区画室16の形状とほぼ同じ形状に成形されてもよい。所定の圧縮率の凝集レベルを得るために専用の処方が必要とされる場合がある。タブレットは、第2の区画室16の充填プロセス前にあるいは充填プロセス中に検査されてもよい。
【0133】
1つの構成では、タブレットが第2の区画室16内にシールされた後、タブレットを分散させるために区画室が外部から操作され、それにより、希釈剤との混合時に物質可溶性(または、分散性)が高まる。外的操作は、これらに限定されないが、区画室の圧縮、超音波振動、高周波振動、音響振動を含む振動、区画室に対して機械的な衝撃を加えること、および、高温または低温に晒すこと、のうちの少なくとも1つによってパッケージの壁を通じてエネルギーを単一体へ導くことを含んでもよい。1つの構成において、単一体は、第2の区画室16内にあるいはパッケージの相対する平坦な第2の壁18”(図示せず)上に直接に形成される。第1の区画室15は、低粘性流体を効率的に充填して第1の区画室15をほぼ充填するための他の構成を与える。第1の充填区画室またはチャンバ201’および第2の充填区画室またはチャンバ201”が第1の壁18’に予備成形される。この実施形態では、第1の充填区画室またはチャンバ201’が入口充填区画室と称されてもよい。第2の充填区画室またはチャンバ201”は、この実施形態では出口充填区画室と称されてもよく、また、幾つかの実施形態では排出区画室と称されてもよい。
【0134】
第1の通路202’および第2の通路202”が配置され、これらの通路は、第1および第2の充填区画室201’、201”を第1の区画室15と連通状態で接続するように構成される。第1の通路202’は、入口通路、第1の充填チャネル、または、第1の予備成形充填チャネルと称されてもよい。第2の通路202”は、出口通路、第2の充填チャネル、または、第2の予備成形充填チャネルと称されてもよい。第1および第2の通路202’、202”は、第1および第2のシール区画室15、16を充填するために使用される充填可能なチャネルまたは通路と称されてもよい。図20aは、1つのカートリッジの細部を含むように形成されるウェブの一部を示している。当業者であれば分かるように、通常の製造実務では、複数のカートリッジのための細部の配列が、第1の壁18’のより大きな延在上に形成されてもよく、また、その後の成形ステップおよび充填ステップで同時に取り扱われてもよい。カートリッジ200またはその任意の部分(例えば、第1の壁18’)は、第1および第2のシール区画室15、16などの予備成形キャビティを画定するブリスターパッケージを備えてもよい。第1の壁18’は、例えば、熱成形、冷間成形、真空成形、加圧成形、プラグアシスト成形を含むプロセスのうちの1つ以上によって平坦なウェブから予備成形されてもよく、あるいは、射出成形、ブロー成形、射出-ブロー成形、ブロー充填シール、ブロー充填インサートシール、または当該技術分野において知られる他の方法などにより非ウェブ原材料から予備成形してもよい。
【0135】
図20bは、カートリッジ200の製造プロセスのその後のステップを示している。第2の区画室16(この図では、カートリッジ200の反対側)が充填された後、第2の区画室16が蓋ウェブまたは第2の壁18”により密閉シールされる。第2の壁18”は、第1の壁18’の連続表面全体に対してシールされる。1つの構成において、第1の壁18’および/または第2の壁18”の内側層は、制御可能な剥離(粘着)力を伴う接着剤を備え、この場合、低いシール温度(例えば、約300°F)は剥離可能な接着(「脆弱シール」)をもたらし、また、高いシール温度(例えば、約420°F)は恒久的な剥離不可能な接着をもたらす。1つの構成において、脆弱シール剥離力は約1000g/inであり、また、恒久シールは約1600g/inを超える。1つの構成において、図20bに示される第1のシールステップでは、第1の壁18’の連続表面のほぼ全体が第2の壁18”に接着され、それにより、第2の区画室16の外周全体にわたって延びるとともに、充填区画室と第1の区画室15との間の流体連通を可能にするために依然としてシールされないままの第1および第2の通路202’、202”を除いて第1の区画室15のほぼ全周にわたって延びる脆弱シールが形成される。第2の壁18”が第1の壁18’に付着されたこの状態では、2つのウェブ間に形成されるチャネルまたは通路を介して第1の区画室15と連通する充填区画室および排出区画室が形成される。脆弱シールのパターン401が図20fに示されている。
【0136】
この製造ステップの前に、例えば、穿孔、打ち抜き、および、レーザ切断などの当該技術分野において知られる手段のうちの1つによって、第1の充填穴(すなわち、第1の充填ポート)204’および第2の充填穴(すなわち、第2の充填ポート)が第2の壁18”に形成されてもよい。幾つかの構成において、第2の壁18”は、充填ポートを穿孔する前に第1の壁18’と結合され、また、第1および第2の壁18’、18”は、充填ステップにおいて、充填装置によって穿孔される。1つの構成において、第1の区画室には、第1の充填穴204’を通じて第1の物質が充填され、一方、第2の充填穴204”は、充填中に第1の区画室15からのガスの排出を可能にする。第1の区画室への物質の導入および排出区画室を通じたガスの引き出しを容易にするために、充填源が、充填プロセス中に充填穴204’、204”のうちの少なくとも一方と関連付けられてもよい。第2の充填穴204”および第2の通路202”のうちの少なくとも一方は、物質が排気ポートに達するのを防止するように寸法付けられてもよい。1つの構成において、充填装置は、第1の充填チャネル202’に達して入り込むように曲げられる針またはチューブを備える。第1または第2の区画室15、16および充填穴204’、204”のうちの1つを通じて引き出されるガスは、カートリッジからガスを引き離す排気ライン(図示せず)に接続されてもよい。ガスが通って排気される区画室は、ガス排出区画室と称されてもよい。
【0137】
1つの構成において、充填装置は、充填穴204’の直径よりも大きい直径を有する円筒状の充填チューブを備え、それにより、この充填チューブは、充填穴204’へ導入されるときに、緊密に嵌合して流体密なシールを行なう。1つの構成において、充填穴204’、204”は、流体密な態様で第2の壁18”を充填区画室201’、201”内へ貫通して穿孔する鋭利な充填物体(中空針または他の穿孔要素など)によって充填ステップ中に形成される。鋭利な充填物体は、第1の構成物質と流体連通状態で接続されるチューブ(例えば、毛細管)であってもよい。第2の壁18”(ウェブとも称される)がチューブと共に流体密なシールを形成してもよい。
【0138】
この最後の構成は、充填機械の充填ライン(例えば、製袋充填シールライン)の異なる部分であるいは異なるラインで行なわれ得る構成物質の導入前にパッケージが密閉シールされる際に特に有益である。パッケージは、シールステップと充填ステップとの間で積層されてもよい。1つの構成では、カートリッジに対する充填カプラーのシールを容易にするために、ゴムまたは半硬質のシール部材が、充填源への接続を形成する充填区画室201’、201”のうちの少なくとも一方に配置される。1つの構成では、充填物質が該物質の表面張力または粒径に起因して第1の区画室15から溢れ出るのを防止するために、チャネルの断面が十分に小さい。
【0139】
1つの構成では、第1の区画室15内への物質の流れを制御するために、第1および第2の充填区画室201’、201”のうちの少なくとも一方に逆止弁が配置される。充填中にガスが逃げることができるように、また、物質が逆流によって第1の区画室15から出るのを防止するために、充填区画室201’、201”ならびに第1および第2の通路202’、202”のうちの1つに半透過性物体が配置されてもよい。1つの構成では、充填中にわたる第1の区画室15からの排出流が監視され、排出流体がガスから充填物質へ切り換わるときに充填が中断される。物質の存在を検出するために、第1および第2の通路202’、202”のうちの一方にセンサが配置されてもよい。センサは、充填区画室が充填されることを表示してもよい。センサは、第2の壁上に配置されるかまたは第2の壁18”の材料の層間に配置される電極を備えてもよい。これらの電極および関連する検出回路は、第2の通路202”内の導電率を検出するように構成されてもよい。
【0140】
第1の充填チャネル204’は、第1の区画室に入る物質を第2の壁18”上の滑り台へ導くように構成され、それにより、充填用量の望ましくない気泡または泡立ちをもたらす場合がある噴流を防止する。第1の区画室15の壁上での充填物質の滑りを容易にするために、専用の流れ偏向器が第1および第2の通路202’、202”または充填区画室201’、201”のうちの一方に配置されてもよい。1つの構成において、パッケージ200は、例えばブロー成形またはガスアシスト成形によって図20bの形態に成形される。
【0141】
図20cは、カートリッジ200のその後の製造ステップを示している。第2の溶着ステップでは、第1の区画室15内に第1の物質を完全にシールするように第1および第2の通路202’、202”が押圧されて溶着される。シール温度は、第1および第1の通路202’、202”の破断を回避するために脆弱シール溶着温度より高くてもよい。1つの構成において、このシールステップは、脆弱シールとして先にシールされた領域の少なくとも一部に対して恒久的なシール特性を加えるためにカートリッジ200の外周にも更に適用される。チャネルの溶着およびシールを容易にするために、シール可能な挿入体がチャネル内に配置されてもよい。この挿入体は、第2のシールステップでの第1および第2の通路202’、202”のシールを高めるために第1および第2の壁18’、18”の内面に接着できるかなり低い溶融温度を有する材料から形成されてもよい。流量制御装置の少なくとも一部を形成するために、挿入体が第1および第2の充填チャネルならびに第1および第2の区画室のうちの少なくとも1つに配置されてもよい。流量制御装置は、例えば、弁(例えば、遮断弁または逆止弁)、流量調整器または圧力調整器、流量制限器または圧力制限器、または、流れ偏向器等のうちの1つであってもよい。恒久シールのパターン402が図20gに示されている。恒久シールパターン402は、脆弱シールパターン401と部分的に重なり合って図20gに示されている。
【0142】
ここで、図20dを参照すると、カートリッジは、例えば、打ち抜き、ルーラースチール切断、レーザ切断などの当該技術分野において知られる手段のうちの1つによってウェブ縁部から切り取られる。図20eは、嵌合体キャビティ203および嵌合体12を伴わないカートリッジ209を示している。
【0143】
当業者であれば分かるように、前述した製造ステップの順序は、特定の構造、用途、および、適用可能な製造器具に最も良く適合するようにその全体または一部が並び替えられてもよい。また、当業者であれば分かるように、図20a~図20dに描かれるステップの前、該ステップ間、該ステップ後に更なる製造ステップが行なわれてもよい。
【0144】
嵌合体12は、脆弱シール溶着ステップ前またはその最中に、恒久シール溶着ステップ前またはその最中に、あるいは、その後のステップで、例えば、熱かしめ溶着、インパルス溶着、振動、超音波、RF溶着、および、光ビーム溶着を含む当該技術分野において知られる嵌合体溶着手段のうちの1つによって第1の予備成形壁18’と第2の壁18”との間に溶着されて位置決めされる。
【0145】
図20fは、カートリッジ200のパッケージの第2の平坦壁18”に対する第1の予備成形壁18’の第1の溶着ステップを示している。シールパターン401は、第2の区画室を完全に囲んでおり、それにより、第2の区画室の内容物を密閉シールする。第1の区画室15、充填区画室、および、充填通路は、充填区画室と第1の区画室との間の通路を開放したまま周回シールされる。充填ポートのその後の位置がマーキングされ(204’)(204”)、その後の製造ステップでそれらのポートが開口される。したがって、脆弱シール401は、第1の区画室15および充填区画室を備えるキャビティを密閉シールする。
【0146】
図20gは、恒久シールステップ後のカートリッジ200を示している。恒久シールパターン402は、第1の脆弱シール部分19’および第2の脆弱シール部分19”を除く脆弱シールパターンの大部分と重なり合って第1および第2の区画室を取り囲む。先のステップでは、充填ポート204’、204”が充填装置によって穿孔されるとともに、第1の区画室が前述したように充填された。充填チャネルは、第1の区画室を密閉状態で再シールする恒久シールパターン402によってシールされる。
【0147】
図21aは、物質を混合するための静的ミキサを備えるシリンジ210の分解図を示している。1つの構成では、第1の物質がシステム210内に収容されるとともに、第2の物質がカートリッジ(図示せず)からシリンジへ移され、このシリンジで、第2の物質が第1の物質と混合される。他の構成では、少なくとも第1の物質および第2の物質が、別個または事前に混合される1つ以上のカートリッジから(または、異なる物質源から)シリンジへ移されて、このシリンジで、混合プロセスが物質または混合物に対して適用される。幾つかの構成では、カートリッジが、図2図3図4図13または図14の構成の態様と同様の態様でシリンジ210と関連付けられる。プランジャ214がシリンジバレル212内に流体密な態様で移動可能に配置される。ピストン213がプランジャ214の環状孔内に移動可能な態様で同心的に流体密に配置され、このピストンは、ピストン213の先端から側方へ延びる静的な混合プレート217(または、静的ミキサ)を更に備える。プランジャ214の環状孔内には、ピストン213の側方に突出する戻り止め歯216を受けるために局所的な軸方向溝215が形成される。
【0148】
図21bは、第1の物質218を収容する混合シリンジ210の断面を示している。図21cは、ピストンがバレル212の基端へ向けて引き込まれる場合の混合シリンジ210の断面を示している。静的ミキサは、プランジャをピストンと共に押圧し、それにより、第2の物質がバレル212内に入って混合物218’を形成できるようにする。第2の物質源は図示されない。しかしながら、前述したように、第2の物質源は、この開示で与えられる構成のうちの1つにおけるシリンジ210と関連付けられるカートリッジであってもよい。言うまでもなく、第2の物質がルアーチップからシリンジ210内に入っていない場合には、ピストン引き込み中にチップからの流れが生じないように、ルアーチップがキャップ、閉鎖体、弁、または、他の手段によりシールされる。
【0149】
図21dは、ピストン213が往復移動され、それにより、混合物218’を静的ミキサ217の開口を通じて流れるようにそらして混合物218’の混合を促し、均質な生成物を形成する混合ステップを示している。戻り止め歯216は、ピストンがプランジャ214に対して自由に移動できるように軸方向溝215(図示せず)と位置合わせされる。プランジャは、それがバレル212とプランジャ214との間のシール容積空間内へおよび該シール容積空間から移動する際にバレルに沿って自由に滑動できる。1つの構成において、ピストンは、混合を更に促すために回転できる。1つの構成では、静的混合プレートが、多孔質材料などの当該技術分野において知られる他の静的ミキサに取って代えられる。1つの構成では、ピストンが制御された電気アクチュエータなどの装置によって動作される。混合プロセス中においては、混合物218’の流出またはバレル212内への材料の導入を回避するために、シリンジチップおよびシリンジへの他のポートに栓を付けることが好ましい。
【0150】
図21eは、戻り止め歯216が軸方向溝215(図示せず)に入るようにピストンが引き込まれる際のシリンジ210を示している。ピストンは、戻り止め歯216がプランジャ214の径方向溝219と係合するように回転され、この位置では、プランジャ214およびピストン213がしっかりと係合されて一体となって移動できる。1つの構成において、バレルおよびプランジャは、ピストン213の回転に起因するプランジャの回転を防止するために非軸対称円筒形状を備える。1つの構成において、プランジャ214は、ピストン213との係合を容易にするために硬質コアを備える。シリンジ210のチップに栓が付けられないため、混合物218’は、ピストン213およびプランジャ214をシリンジ210の先端の方へ押し進めることによって分配される。
【0151】
図22aおよび図22bの部分断面は、かしめ針シリンジと関連付けられるカートリッジを示している。カートリッジ10は、第1の物質区画室15と、破断可能なバリアまたは第1の脆弱シール19’によって分離される第2の物質区画室16とを備える。カートリッジ10は、カートリッジ10の内容物をかしめ針シリンジ221と連通させるための嵌合体222を更に備える。嵌合体222の基端224は、カートリッジ10の第1の壁18’と第2の壁18”との間でシールされるとともに、第1の壁18’と第2の壁18”とを直接にシールすることにより形成される破断可能なバリアまたは第2の脆弱シール19”によって第2の区画室16から分離される。嵌合体222の先端223は、シリンジ221のチップを流体密な態様で取り外し可能に受けるように形成され、また、嵌合体222の基端224は、針225の先端を受けて該先端を保護するように形成される。嵌合体222の通路226は、針とカートリッジ10の内容物との間を通じさせる。カートリッジ10は、針225に対する無菌針保護体を形成する。針225が注射針であってもよい。
【0152】
1つの構成では、当初の針保護体(図示せず)がシリンジから取り外されてカートリッジ10に取って代えられる。カートリッジ10の内容物は、第2の脆弱シール19”が破断された後にシリンジ221へ移される。幾つかの構成では、製造プロセス中にカートリッジ10がシリンジに装着される。1つの構成では、カートリッジ10が単一の区画室のみを有する。1つの構成において、カートリッジは、カートリッジ10の内容物をシリンジ221へ移動させる前に1つにまとめられる少なくとも2つの区画室を有する。1つの構成において、シリンジ221は、注入の終わりに針225の少なくとも一部を針刺しを防ぐ位置に引き込む安全機構を備える。1つの構成において、シリンジ221は、内容物の注入が完了された後に針先端を少なくとも部分的に保護する針刺し防止装置を備える。
【0153】
一般に、事前充填可能なシリンジの場合、該シリンジは非組み付け状態で充填プロセスへ供給され、内容物が充填された後にシリンジが完全に組み付けられる。図22aおよび図22bの構成は有利な製造方法をもたらし、その方法では、(a)シリンジ221が組み付けられて仕上げられた状態で供給され、(b)カートリッジ10が所望の内容物で充填されてシールされ、(c)カートリッジ10が組み付けられる。このプロセスは無菌環境内で完了されてもよく、あるいは、生成物が最終的に滅菌されてもよい。したがって、この手法は、実際のシリンジ部品組み付けを必要としない事前充填シリンジアセンブリをもたらすことができる。また、カートリッジには、内容物情報が、この情報を与えるための特別なシリンジラベルやパッケージを必要とすることなくマーキングされてラベル付けされてもよい。カートリッジ10が取り外された後に生成物識別を維持するために、カートリッジ10のラベルまたはラベルの一部をシリンジへ移すことができてもよい。
【0154】
図22aおよび図22bは、かしめ針シリンジと連通するべく採用されるカートリッジを示している。カートリッジ10は、1つにまとめることができる2つの物質区画室を備える。しかしながら、カートリッジ10は、1つの区画室のみを含んでもよく、あるいは、3つ以上の区画室を含んでもよい。シリンジ221と嵌合体222との間の接続が流体密な滑り嵌合として示されている。しかしながら、シリンジ221とカートリッジ10との間の耐密な接続、それらの組み付け、または、それらの分解を容易にするために、例えば、ねじ、螺旋斜面、ルアー嵌合、ルアーロック嵌合、Oリング、ゴムシール部品、インターロック機能、スナップ機能、流体密な取り外しできる接続を容易にするために当該技術分野において知られる他の機能、または、以上の組み合わせを含む他の取り付け機能が組み込まれてもよい。嵌合体222の先端223は針225の周囲に耐密に嵌合でき、それにより、カートリッジ10の内容物が嵌合体222の基端と針225の基端との間の空間に達するのを防止するとともに、その領域から空気が針内へ入り込むのを防止する流体密なシールが針の先端の周囲に与えられる。嵌合体は、少なくとも一部が弾性材料から形成されてもよい。嵌合体222は、シリンジに対して異なる方向でカートリッジ10を受け入れるようになっていてもよい。1つの構成では、カートリッジ10とシリンジ221とが少なくとも部分的に重なり合ってもよくあるいは並んで置かれてもよい。シリンジのピストンおよびバレルは、内容物接触面が使用時まで滅菌包装を必要とせずに滅菌状態のままとなるように、それらの基端が無菌膜229によってシールされてもよい。1つの構成において、かしめ針シリンジは、その全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第8,052,654号明細書により教示されるシリンジなどの引き込み可能針シリンジに取って代えられる。
【0155】
図23aおよびその部分拡大断面図である図23bを参照すると、カートリッジおよびかしめ針シリンジの他の好ましい構成が示されている。針225の周囲にはカプラー237が軸方向に配置され、このカプラー237は、シリンジ221のチップに対して流体密な態様で取り外し可能に結合される。カプラー237は、針を物理的損傷から保護するとともに、作業者および被検者を不測の針刺しから保護する。カプラー237は、針刺し防止装置または再使用防止装置として構成されてもよい。カプラー237がアライメントグライダーと称されてもよい。カプラー237は、シリンジ221およびカートリッジ10の嵌合体232のうちの少なくとも一方と共にシールを形成してもよい。
【0156】
針225の先端は、アダプタ237内に針255の周囲で同軸に移動可能に配置される心出しピース238(例えば、心出しグライダー)によって更に支持される。カートリッジ10の嵌合体232は、カートリッジ壁に取り付けられる基端部分234と、カプラー237内に軸方向で挿入され得る長尺な円筒構造を有する先端233とを備える。この構成により、針225は、カートリッジ10との組み付けまで保護された状態のままである。1つの構成において、シリンジ221よりも先端側に配置されるカプラー237の少なくとも一端、または、嵌合体233の先端は、図23gに示されるように、熱的にシールされた箔、キャップ、または、打ち破り部材あるいはねじり切り部材などの閉鎖体を用いて無菌シールされる。この閉鎖体は、針を、カプラー237が取り外されあるいは破断されるカートリッジとの一体化まで滅菌状態に保つ。1つの構成において、製造方法は、シリンジアセンブリ231が組み付けられた滅菌状態でカートリッジ10との一体化ラインへ供給されるようになっている。
【0157】
図23cおよびその部分拡大断面図である図23dは、シリンジアセンブリ231とカートリッジアセンブリ10とが係合されるときの図23aおよび図23bの構成を示している。嵌合体232の先端233がアダプタ237内に挿入され、それにより、心出しピース238が押圧されて、シリンジ221とカートリッジ10との間の流体連通を確立するために嵌合体通路236を貫通する針の先端の実質的部分が露出される。針225と嵌合体232との間の耐密嵌合によって流体密なシールがもたらされてもよい。嵌合体232は、針225とのシールを高めるために少なくとも一部が弾性材料によって形成されてもよい。嵌合体232は、先端233または通路236に沿う他の場所をシールする膜を更に含んでもよく、それにより、嵌合体232と針255との間のシールが更に高められるとともに、嵌合体がカートリッジ10と組み付けられるまで通路236の清浄度が更に維持される。1つの構成では、嵌合体232の先端が心出しピース238と共に流体密なシールを形成し、また、心出しピースがカプラーと共に流体密なシールを形成する。そのため、流体は、針とカプラーとの間の領域に達することが防止される。
【0158】
カートリッジ10の内容物はシリンジ221内へ引き込まれる。針225と嵌合体232との間のシールに代えて、(a)心出しピース238とアダプタ237との間、(b)心出しピース238と針225との間、(c)シリンジ221のチップとアダプタ237との間、(d)嵌合体232とアダプタとの間にシールを確立することができる。幾つかの構成では、カートリッジ10の2つ以上の物質区画室が1つにまとめられて内容物をシリンジ221へ移される前に混合することができる。幾つかの構成では、シリンジ221のリザーバ内の物質が移動されてカートリッジ10内の物質と融合され、その後、融合された生成物が引き出される。例えば、カートリッジ10が乾燥物質を収容してもよく、また、シリンジ221が希釈剤を収容してもよく、希釈剤がカートリッジ10へ移されて粉末を溶解させることができ、融合された生成物が、元のシリンジへ移され、被検者へ分配され、あるいは、他の装置へ移される。1つの構成では、シリンジに物質が事前に充填され、また、カートリッジ10の内容物がシリンジ221へ移動され、それにより、内容物がシリンジ221内の物質と融合できる。シリンジアセンブリとカートリッジとの一体化は、製造ライン上で行なわれてもよく、あるいは、注入前のその後の段階で人による手作業で行なわれてもよい。
【0159】
図23eおよびその部分拡大断面図である図23fは、カートリッジ10が取り外されるときの図23cおよび図23dの構成を示している。アダプタ237はカートリッジ10にとどまっており、また、針は、シリンジ221がいつでも注入できる状態にあるこのときに露出される。1つの構成では、機械的連結により、アダプタ237がカートリッジ10にとどまるようになる。そのような機械的係合としては、ねじ、螺旋斜面、スナップ、耐密嵌合、または、当該技術分野において知られる他の係脱機能を挙げることができる。1つの構成において、アダプタ237は、カートリッジ10が取り外されるときにシリンジ221にとどまって針に対する保護を与え続け、また、アダプタ237は、作業者による注入前に取り外される。
【0160】
図24は、ゴム隔膜241が針の先端に配置されるとともにスプリング242が心出しピース220および隔膜241をアダプタ237の先端の方へ付勢する点を除いて図23の構成に類似する他の構成を示している。針は、隔膜241によって無菌シールされる。材料をカートリッジ10とシリンジ221との間で移動させるために、嵌合体232の先端233がアダプタ237内へ導入され、それにより、隔膜および心出しピースが後方へ移動されるとともに、針225の先端が嵌合体232の通路226へ晒される。カートリッジ10が取り外されると、スプリング242により隔膜が戻って針225の先端を覆い、それにより、機械的損傷および汚染からの保護が針に対して使用時まで与えられる。アダプタ237は、シリンジ221の使用前に、スプリング242、心出しピース220、および、隔膜241と共に取り外される。図24bは、カートリッジとの一体化まで針および隔膜の汚染を防止する無菌箔を付加した図24aの構成を示している。
【0161】
図25aは、嵌合体257を介して関連付けられるカプラー250およびパッケージ10を備える事前充填カートリッジを示している。カプラーアセンブリは針アセンブリ253を備え、針アセンブリ253は、ルアーロックハブ255と、ハブ255に結合されるステンレス鋼カニューレ254とを備える。針アセンブリ253(または針)は、カプラー251に形成される針キャップ内に受け入れられる。カプラーは、針253とカートリッジ10とを連通させるための流体通路258を更に備える。カプラー251内に配置されるゴムシース252は、針ハブ255とカプラーとの間に無菌シールを形成する。ゴムシース252のチップが流体通路258の流体密な閉鎖体を形成し、この閉鎖体は、針253とパッケージ10との間に流体連通を確立するためにカニューレ254により穿孔される。針ハブ255のルアー端部256は、シール箔、閉鎖体、または、当該技術分野において知られる他の手段の形態を成す取り外し可能な無菌閉鎖体を用いてシールされる。カートリッジ10は、第1の構成物質を収容する第1の区画室15と第2の構成物質を収容する第2の区画室16との間を分離する第1の破断可能なバリアまたは脆弱シール19’を備える。第1および第2の構成物質は、破断可能なバリアが破断されるときに融合できる。他の形態では、カートリッジ10が有益薬剤の単一の構成物質を備える。更なる他の実施形態において、カートリッジは、破断可能なバリアによって第2または第1の区画室から分離される第3の構成物質を備える第3の区画室を少なくとも備える。第2の破断可能なバリアまたは脆弱シール19”が、第2の区画室16とカプラー251の流体通路258へ通じる嵌合体257との間に閉鎖をもたらす。
【0162】
図25bは、第1および第2の破断可能なバリアが開放され、それにより、第1および第2の構成物質が融合できるとともに、結合された区画室16’内の混合物と針253との流体連通がカプラー251を介して確立された後の図25aの構成を示している。この構成は、標準的なルアーシリンジ259に対して針253の雌ルアーコネクタとルアーシリンジ259の雄ルアーとの係合によって装着することにより分配可能な生成物またはそのような生成物の構成物質をカートリッジ10からシリンジ259のリザーバへ移動させることができる簡単な事前充填カートリッジを提供する。この場合、シリンジのピストンを引き込むことにより、結合された区画室16’内の生成物をシリンジ内へ取り込むことができ、その後、カプラーを取り外して、図25cに示されるように注入のために針253を露出させることができる。1つの形態では、シリンジが第3の構成物質を収容してもよく、この第3の構成物質は、結合された区画室16’内の生成物を既に部分的に充填されたシリンジ内へ引き込むことによって、あるいは、最初に、第3の構成物質をシリンジからカートリッジ10へ分配し、次に、混合物を元のシリンジへあるいは異なる供給装置へ引き込むことによって、結合された区画室16’内に保持される生成物と融合されてもよい。カプラー251は、カートリッジ10の一部のための支持体を更に形成してもよい。
【0163】
図25dは、パッケージ10’とカプラーアセンブリ250’とを含むカートリッジアセンブリ250の2つのサブアセンブリを示している。図25eは、カプラーアセンブリ250’(キャップとも称される)の分解図を示している。
【0164】
カプラー252は、針アセンブリ253の形態を成す供給装置の投与部のキャップである。キャップは、投与装置の基端247を受けるように構成される第1の区画室245と、投与装置の先端248を受けるように構成される第2の区画室246と、第1および第2の区画室245、246間に流体密なシールを形成するバリア249とを含む。第1の区画室245の基端244は、投与部253と連通するように構成される。バリア249は、バリア249の基端と先端との間で投与装置253の一部の周囲(すなわち、カニューレの周囲)を耐密シールするように構成される。
【0165】
図26は、シリンジ260と連通するようになっているカートリッジまたはパッケージ10を備える事前充填単位用量無菌再構成カートリッジを示している。シリンジ260は、皮膚中への針262の浅い挿入を容易にする前方へ突出するスキッド264を備える皮内(ID)注入アダプタ(IDアダプタ)を備える。米国特許出願公開第2010/0137831号明細書および米国特許出願公開第2011/0224609号明細書は、皮内注入を容易にするためのアダプタにおける同様の構成を教示しており、それらの全体が参照することにより本願に組み入れられる。IDアダプタは、シリンジ261の一体部分であってもよく、あるいは、シリンジ261にクリップ留めされてもよく、それにより、IDシリンジが形成される。シリンジ260の針ハブ266へのカートリッジ10の嵌合体265の導入を容易にするために凹部267がスキッド264に形成される。
【0166】
図27aは、IDシリンジに装着されるカートリッジ10を示しており、この場合、カートリッジ10およびシリンジ260が直線配置状態に配置される。図は、図27bの断面図の方向性を与えている。図27bは、針ハブ266に圧入されて無菌接続を形成する嵌合体265を示している。ゴムストッパがカートリッジ10の通路271(内孔とも称される)の閉鎖体を形成しており、このゴムストッパは、シリンジとカートリッジ10との間に流体連通を確立するために針262によって穿孔される。
【0167】
図28は、カートリッジ10がシリンジ軸線と一直線に配置されるのではなくシリンジバレルと平行に配置されるように嵌合体281が形成される点を除いて図10の構成に類似する構成を示している。
【0168】
図29aおよび図29bは、皮内針アダプタ291とカートリッジ10とを連通させるカプラー293を備えるカートリッジ形態290を示している。カプラーは、カニューレ292と針ハブ291とを備える針アセンブリを受け入れ、針ハブ291は、その先端に前方突出スキッドを備えるとともに、その基端297にルアーコネクタを備える。カプラー293は、シール領域299で針ハブ291と係合される無菌キャップとして使用され、それにより、針292とスキッド領域とを滅菌状態に維持する。そのため、カプラー293は、針292などの投与部を覆う、保護する、あるいは、少なくとも部分的に取り囲むキャップとして作用し得る。ルアーキャップ298が針ハブ291の基端297でルアーコネクタを無菌シールしており、それにより、滅菌包装体を必要とせずに滅菌状態のままとなる一体シールカートリッジが形成される。カートリッジ10およびカプラーは嵌合体296を介して接続される。嵌合体は、カートリッジ10の壁に熱溶着されることが好ましく、熱溶着、ボンディング、または、耐密機械嵌合を含む当該技術分野において知られる手段のうちの1つによりカプラーに接続される。第1の区画室15と第2の区画室16との間の破断可能なシール19は、区画室をカプラー293から分離する閉鎖体を形成する。
【0169】
図29bは、ルアーキャップ298がルアーシリンジ259に取って代えられる図29aの構成を示しており、また、第1および第2の区画室15、16内の構成物質が融合できるように、また、通路295を介した針との流体連通を確立するように、破断可能なシールが開放され、それにより、シリンジのリザーバの充填が可能になっている。ゴム閉鎖体またはストッパ294が、カプラー内の構成物質のデッドスペースを通路295の微小な容積に制限し、それにより、生成物15’の無駄を抑える。図29bは、シリンジのバレル(すなわち、シリンジのリザーバ)内に生成物15’を受けるために引き込んだシリンジのピストンを示している。カプラー293はカートリッジ10の支持体を形成し、それにより、カートリッジ10の区画室の押圧が容易になる。
【0170】
図30は、IDアダプタ291が針ハブ301から分離されて針ハブに装着される点を除いて図29aおよび図29bのカートリッジ構成290に類似するカートリッジ構成300を示している。針ハブ291のシール部302は、シール領域303でカプラー293によりシールする。
【0171】
図31aは、針ハブ311がIDアダプタ313内に移動可能に配置されて注入位置と安全廃棄位置との間で移動できる点を除いて図30のカートリッジ構成300に殆ど類似するカートリッジ構成310を示している。ラッチ機構315が、針ハブ311とのシール界面314で注入位置を保つ。IDアダプタまたは針ハブ313を安全廃棄位置へ付勢するためにスプリングが領域312に配置されてもよい。図31bは、針ハブを解放するためにラッチが作動されたときのカートリッジ構成310を示している。針アセンブリが引き込まれて、針先端が囲繞部分316へ至らされ、それにより、針刺しの危険が低減される。1つの構成において、針ハブは、針の繰り返しの使用を防止するためにこの位置で取り外し不能にロックされる。
【0172】
図32は、針ハブ321を有する針アセンブリがカプラー323内に移動可能に配置される点を除いて図29aおよび図29bの構成290に類似するカートリッジ構成320を示している。針ハブ321は、針カニューレ292がゴム閉鎖体294(ストッパ294とも称される)を穿孔しないあるいは針カニューレ292がゴム閉鎖体294を部分的にのみ穿孔している第1の位置と、針先端がストッパ294を穿孔して流体通路295との流体連通を確立する第2の位置との間で移動できる。
【0173】
図33a~図33cは、薬物を供給するためのかしめ針334を有する通常のピストン-バレルシリンジ構成を備える事前充填ルアーシリンジ259を示している。シリンジキャップ331が無菌係合部337でシリンジと連通する。取り外し可能なカートリッジ330を形成するために、キャップ331がカートリッジ10と係合される。キャップ331の本体は、カートリッジの嵌合体336と針との間のカプラーとして作用する。図33dおよび図33eは、保管中および用量338がプランジャ339を用いてシリンジのバレルへ充填されているときの作動後のキャップの拡大断面図を示している。キャップは、針334によって貫通されるゴムストッパ335を備える。
【0174】
例えば、カテーテルを有するシリンジ、保護柔軟シースを有する針、筋肉内(IM)針、皮下(SQ)針、皮内(ID)針、マイクロニードル、安全針、引き込み可能針、灌流針、アプリケータなどを含む当該技術分野において知られる他の針構成により同様の形態が作用してもよい。
【0175】
シリンジは、滅菌包装体を必要とせずにこのシリンジアセンブリが滅菌状態に維持されるようにバレルに対する無菌閉鎖体333を更に備える。
【0176】
図34は、取り外し可能カートリッジ340のカートリッジ10を保護するために垂直に突出する保護壁341を付加した図33の構成に類似する構成を示している。カートリッジの保護は、付加的な壁、壁341と関連付けられるひっくり返しカバー、スライド可能なカバー等を用いてカートリッジを更に取り囲むことによって高めることができる。
【0177】
図35a~図35fは、パッケージ350を充填する1つの方法の充填ステップを示している。パッケージ350は、区画室15を形成するために接合される第1の予備成形壁18’および第2の平坦壁18”を備える。充填区画室201がシール可能充填チャネル202を介して収容区画室15と接続している。図35aは充填前のパッケージ350を示しており、この場合、収容区画室15、充填区画室201、および、充填チャネル202によって画定されるキャビティが一体シールされる。パッケージが熱または放射線によって滅菌されてもよい。
【0178】
図35bは、パッケージ350と係合される充填装置311を有するパッケージ350を示している。充填装置は、パッケージ350の第2の壁18”を穿孔するための穿孔部材をその先端に有する充填チューブ312を備える。充填装置311は、第2の壁18”と流体密な態様で係合され、充填チューブ312が第2の壁18”を穿孔する場所で充填ポートを充填区画室201に形成する。パッケージの汚染リスクを更に低減するために、充填チューブ312および充填ポートが係合前に殺菌されてもよい。1つの構成では、過酸化水素を用いてパッケージおよび充填装置が殺菌される。
【0179】
図35cは、パッケージ350を充填し始めている充填装置311を示している。充填チャネルは、流体313を第2の壁18”に沿って滑るように導き、それにより、有益薬剤313の噴出、気泡、および、泡立ちを減少させる。図35dは、パッケージが約半分満たされた状態の充填プロセスにおけるその後のステップを示している。流体構成物質313が第2の壁18”に沿って流れ続け、それにより、噴出が回避されて、気泡、泡立ち、および、充填生成物の混合が減少される。パッケージ350内のガス内容物は、充填通路202または他のシール可能充填出口を介して排出されてもよい。
【0180】
図35eは、完全に充填されてシールされた収容区画室15を示している。シール装置がチャネル202を潰して熱的にシールする。1つの構成では、充填区画室201の流体内容物を収容区画室15へ移動させるために、充填区画室201がチャネル202をシールする前に圧搾される。他の構成では、チャネル202をシールした後に、充填区画室201の流体内容物が元の充填チューブ312に吸引される。図35fは、充填装置が待避されるとともに充填区画室201部分が切り取られて犠牲にされた後のパッケージを示している。
【0181】
図36は、充填区画室201内に配置される第1の挿入体361と充填チャネル202内に配置される第2の挿入体362とを有するパッケージ360の一部の構成を示している。第1の挿入体361は、充填装置311とパッケージ360との間の流体密なシールを高めるためのシールとしての役目を果たす。第2の挿入体362は、流入する流体を第2の壁18”に沿って滑るように区画室15へ導くべく構成される内部チャネル363を備える。1つの構成において、第2の挿入体は、第1の壁18’および第2の壁18”と接着適合する低融解温度材料を備える。そのため、第2の挿入体362は、シールステップにおいてチャネル202を溶融し、潰し、シールする。
【0182】
この開示の構成のカートリッジは、所望の情報を人または装置とやりとりするために、印刷、バーコード、RFIDタグ、エンボス、および、刻設を含む任意のマーキングを担持してもよい。カートリッジは、必要に応じて十分なマーキング面を与えるように延在されてもよい。
【0183】
カートリッジの少なくとも1つの区画室の押圧を容易にして、破断可能なバリアの破断を促しあるいは分配可能生成物のカートリッジからの絞り出しを促すために、圧縮パネルがカートリッジと関連付けられてもよい。
【0184】
前述した構成および方法は、図1または本明細書で説明された他の構成において教示される噴射注入器カートリッジなどの他の注入器または分配器タイプに適用できる。1つの構成では、引き込み可能針機構、引き込み可能針コネクタ機構、または、他の針安全機構、および、再使用無効化機構または再使用防止装置が、本明細書に記載される混合シリンジ機構と共に組み込まれる。
【0185】
本開示のカートリッジ構成は、所望の形態の使用を容易にするために幾つかの形態の供給装置またはアプリケータと組み合わされてもよい。カートリッジの内容物の効率的な絞り出しを容易にするために、圧縮パネルまたはローラが組み込まれてもよい。供給装置またはアプリケータは、例えば、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプのうちのいずれかを含んでもよい。
【0186】
本発明の用途は、一例としてここで与えられるシリンジ・噴射注入器用途に限定されず、また、本明細書中に記載される教示内容は、マイクロポンプリザーバ、筋肉内自動注入器、皮内自動注入器等の無菌充填などの他の用途に適用できる。
[発明の項目]
[項目1]
充填可能リザーバと投与装置とを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジであって、前記カートリッジが単位用量混合パッケージを備え、該単位用量混合パッケージが、
有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する第1の区画室と、
有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する少なくとも1つの第2の区画室と、
前記パッケージを前記充填可能リザーバに接続するために前記パッケージに配置される嵌合体と、
を備えるカートリッジ。
[項目2]
当該カートリッジが、針、コネクタ、および、ノズルのうちの1つを備える前記有益薬剤供給装置の投与部と連通するようになっている、項目1に記載のカートリッジ。
[項目3]
前記有益薬剤供給装置が針を備え、前記嵌合体が、流体デッドスペースを最小にするために前記針の周囲をシールする、項目2に記載のカートリッジ。
[項目4]
前記第1の区画室と前記嵌合体との間に破断可能なバリアを更に備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目5]
前記第1の区画室が破断可能なバリアによって前記第2の区画室から分離される、項目1に記載のカートリッジ。
[項目6]
前記パッケージの少なくとも一部が柔軟壁を備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目7]
前記柔軟壁の少なくとも一部が箔を備える、項目6に記載のカートリッジ。
[項目8]
前記柔軟壁の少なくとも一部が、前記第1および第2の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形される、項目6に記載のカートリッジ。
[項目9]
前記柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を備える、項目6に記載のカートリッジ。
[項目10]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形される、項目9に記載のカートリッジ。
[項目11]
前記第1の区画室と前記第2の区画室との間に流体通路を更に備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目12]
前記流体通路内に配置される静的ミキサを更に備える、項目11に記載のカートリッジ。
[項目13]
前記パッケージと前記有益薬剤供給装置との間の流体通路と、前記流体通路内に配置される静的ミキサとを更に備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目14]
前記パッケージが、前記嵌合体に対する取り外し可能な無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成する柔軟壁を含む、項目1に記載のカートリッジ。
[項目15]
充填区画室と流体通路とを更に備え、前記充填区画室が前記流体通路を介して前記第1の区画室と流体連通する、項目1に記載のカートリッジ。
[項目16]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室が前記パッケージの前記第1および第2のパッケージ壁間に配置される、項目15に記載のカートリッジ。
[項目17]
前記流体通路がシール可能である、項目15に記載のカートリッジ。
[項目18]
第1および第2のパッケージ壁と、前記流体通路をシールするために前記パッケージの前記第1および第2のパッケージ壁間の熱シールとを更に備える、項目15に記載のカートリッジ。
[項目19]
前記充填区画室および前記流体通路のうちの少なくとも一方に配置される挿入体を更に備える、項目15に記載のカートリッジ。
[項目20]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室の少なくとも一部が、前記パッケージの前記第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に形成されるウェルにより画定される、項目15に記載のカートリッジ。
[項目21]
流体密なシールを介して前記充填区画室と連通するように構成される充填システムを更に備える、項目15に記載のカートリッジ。
[項目22]
前記流体通路が、前記第1の区画室の前記第1のパッケージ壁に沿って流体を導くように形成される、項目15に記載のカートリッジ。
[項目23]
流体排出通路を介して前記第1の区画室と連通するガス排出区画室を更に備え、前記流体排出通路がシール可能である、項目15に記載のカートリッジ。
[項目24]
前記パッケージの少なくとも一部が管状構造を備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目25]
開放されるまで前記第1の区画室を前記嵌合体から分離する閉鎖体を更に備える、項目1に記載のカートリッジ。
[項目26]
充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するための無菌カートリッジであって、該カートリッジがパッケージを備え、該パッケージが、
有益薬剤の少なくとも第1の構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室であり、前記パッケージの少なくとも一部が、予備成形された柔軟壁により画定される、少なくとも1つの第1の区画室と、
前記パッケージを前記充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために前記パッケージに配置される嵌合体と、
を備える無菌カートリッジ。
[項目27]
前記パッケージが、前記有益薬剤の第1の構成物質を収容する前記第1の区画室と、前記有益薬剤の第2の構成物質を収容する第2の区画室とを含み、前記第2の区画室が、破断可能なバリアによって前記第1の区画室から分離される、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目28]
前記柔軟壁の少なくとも一部が箔または膜を備える、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目29]
前記柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を備える、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目30]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形される、項目29に記載の無菌カートリッジ。
[項目31]
前記第1および第2の区画室間で延びる流体通路を更に備える、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目32]
前記流体通路内に配置される静的ミキサを更に備える、項目31に記載の無菌カートリッジ。
[項目33]
前記パッケージと前記有益薬剤供給装置との間に配置される流体通路と、前記流体通路内に配置される静的ミキサとを更に備える、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目34]
前記パッケージが、前記嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びる柔軟壁を含む、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目35]
充填区画室と流体充填通路とを更に備え、前記充填区画室が前記流体充填通路を介して前記第1の区画室と流体連通する、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目36]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室が前記第1および第2のパッケージ壁間に配置される、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目37]
前記流体充填通路がシール可能である、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目38]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記流体充填通路が、前記第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされる、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目39]
前記充填区画室および前記流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される少なくとも1つの第1の挿入体を更に備える、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目40]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室の少なくとも一部が、前記第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に形成されるウェルにより画定される、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目41]
前記充填区画室が流体密なシールを介して充填システムと連通するように構成され得る、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目42]
前記流体充填通路が前記第1のパッケージ壁に沿って流体を導く、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目43]
シール可能な流体排出通路を介して前記第1の区画室と連通するガス排出区画室を更に備える、項目35に記載の無菌カートリッジ。
[項目44]
開放されるまで前記第1の区画室を前記嵌合体から分離する閉鎖体を更に備える、項目26に記載の無菌カートリッジ。
[項目45]
充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジであって、該カートリッジが、
支持体と、
パッケージアセンブリと、
を備え、
前記パッケージアセンブリが、
有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容し、かつ、その少なくとも一部が柔軟壁により画定される、少なくとも1つの第1の区画室と、
前記パッケージを前記充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために前記パッケージに配置される嵌合体と、
を備えるカートリッジ。
[項目46]
当該カートリッジと前記有益薬剤供給装置とが前記支持体を介して結合される、項目45に記載のカートリッジ。
[項目47]
前記支持体が、前記パッケージと前記有益薬剤供給装置とを相互に接続する流体通路を備える、項目45に記載のカートリッジ。
[項目48]
前記流体通路が無菌シールされる、項目47に記載のカートリッジ。
[項目49]
前記流体通路が、開放されるまで前記第1の区画室を前記充填可能リザーバから分離する閉鎖体を備える、項目47に記載のカートリッジ。
[項目50]
前記第1の区画室と前記嵌合体との間に破断可能なバリアを更に備える、項目45に記載のカートリッジ。
[項目51]
前記パッケージのアセンブリが、前記有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する少なくとも1つの第2の区画室を備え、前記第2の区画室が、破断可能なバリアによって前記第1の区画室から分離される、項目45に記載のカートリッジ。
[項目52]
前記柔軟壁の少なくとも一部が箔を備える、項目45に記載のカートリッジ。
[項目53]
前記柔軟壁が、前記第1の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形される、項目52に記載のカートリッジ。
[項目54]
前記柔軟壁の少なくとも一部が剥離可能な箔層を備える、項目45に記載のカートリッジ。
[項目55]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形される、項目54に記載のカートリッジ。
[項目56]
前記第1および第2の区画室間に配置される流体通路を更に備える、項目45に記載のカートリッジ。
[項目57]
前記流体通路内に配置される静的ミキサを更に備える、項目56に記載のカートリッジ。
[項目58]
前記パッケージのアセンブリと前記有益薬剤供給装置との間に配置される流体通路内に配置される静的ミキサを更に備える、項目54に記載のカートリッジ。
[項目59]
前記柔軟壁が、前記嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びる、項目45に記載のカートリッジ。
[項目60]
充填区画室と流体充填通路とを更に備え、前記充填区画室が前記流体充填通路を介して前記第1の区画室と流体連通して配置される、項目45に記載のカートリッジ。
[項目61]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室が前記第1および第2のパッケージ壁間に配置される、項目60に記載のカートリッジ。
[項目62]
前記流体充填通路がシール可能である、項目60に記載のカートリッジ。
[項目63]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記流体充填通路が、前記第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされる、項目60に記載のカートリッジ。
[項目64]
前記充填区画室および前記流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される挿入体を更に備える、項目60に記載のカートリッジ。
[項目65]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室の少なくとも一部が、前記第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に形成されるウェルにより画定される、項目60に記載のカートリッジ。
[項目66]
流体密なシールを介して前記充填区画室と連通するように構成される充填システムを更に備える、項目60に記載のカートリッジ。
[項目67]
前記流体充填通路が第1のパッケージ壁に沿って流体を導く、項目60に記載のカートリッジ。
[項目68]
流体排出通路を介して前記第1の区画室と連通するガス排出区画室を更に備え、前記流体排出通路が、充填後に前記第1の区画室からの流れを防止するようにシール可能である、項目60に記載のカートリッジ。
[項目69]
前記有益薬剤供給装置が、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプから成るグループから選択される、項目45に記載のカートリッジ。
[項目70]
充填可能リザーバと投与装置とを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジにおいて、該カートリッジが、
パッケージであって、
有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室と、
前記パッケージに配置される嵌合体と、
を備えるパッケージと、
前記嵌合体を前記充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために前記有益薬剤供給装置に結合されるカプラーと、
を備えるカートリッジ。
[項目71]
前記カプラーが、開放されるまで前記流体連通を遮断する少なくとも1つの閉鎖体を備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目72]
前記カプラーが無菌シールされる、項目70に記載のカートリッジ。
[項目73]
前記カプラーが前記有益薬剤供給装置と接続可能な注射針を備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目74]
前記カプラーが前記流体連通を遮断する膜を備え、前記膜が前記注射針の先端によって穿孔可能である、項目73に記載のカートリッジ。
[項目75]
前記注射針が、前記膜が穿孔されない第1の位置から、前記膜が穿孔される第2の位置へ移動できる、項目74に記載のカートリッジ。
[項目76]
前記カプラーが前記投与装置と連通するように構成される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目77]
前記カプラーが、前記パッケージ内への流れおよび前記パッケージからの流れを制御する弁を備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目78]
前記弁が、前記カプラーと前記嵌合体および前記有益薬剤供給装置のうちの少なくとも一方との間の相対動作によって作用する、項目77に記載のカートリッジ。
[項目79]
前記パッケージの少なくとも一部を前記カプラーから取り外しできる、項目70に記載のカートリッジ。
[項目80]
前記パッケージのうち前記カプラーから取り外しできる部分が、前記充填可能リザーバが少なくとも部分的に前記有益薬剤で満たされた後に取り外される、項目79に記載のカートリッジ。
[項目81]
前記カプラーが、針刺し防止装置および再使用防止装置から成るグループからの安全装置を備え、前記安全装置が、当該カートリッジの少なくとも一部が前記有益薬剤供給装置から取り外されるときに前記有益薬剤供給装置と結合される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目82]
前記パッケージのための支持体を更に備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目83]
前記カプラーが、前記有益薬剤供給装置および前記投与装置のうちの少なくとも一方のキャップとして構成される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目84]
前記有益薬剤供給装置が、医用シリンジ、かしめ針シリンジ、安全シリンジ、引き込み可能針シリンジ、自動無効化シリンジ、自動注入器シリンジ、噴射注入器シリンジ、皮内シリンジ、皮下シリンジ、筋肉内シリンジ、輸液器、輸液ポンプ、持続解放供給システム、および、パッチポンプから成るグループから選択される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目85]
前記投与装置が、針、カテーテル、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、マイクロニードル、ID針、IM針、SQ針、経口分配器、眼内分配器、耳分配器、局所分配器、および、前者のうちの1つへのカプラーから成るグループから選択される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目86]
前記カプラーがシリンジピストンの少なくとも一部を備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目87]
前記カプラーがシリンジバレルの少なくとも一部を備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目88]
前記カプラーおよび前記嵌合体が、圧入、案内嵌合、熱溶着、および、ボンディングのうちの少なくとも1つによって結合される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目89]
前記供給装置がシリンジを備え、前記投与装置が針を備え、前記カプラーが前記針と前記嵌合体とを結合するように構成される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目90]
前記カプラーが針保護体を形成する、項目89に記載のカプラー。
[項目91]
前記カプラーが、前記カートリッジと前記シリンジとが結合されるまで維持される、前記針のための無菌閉鎖をもたらす、項目89に記載のカプラー。
[項目92]
前記カプラーが、前記針の先端の位置を固定するように構成される、項目89に記載のカプラー。
[項目93]
前記カプラーの内孔に配置されるグライダーを更に備え、前記グライダーの少なくとも一部が、前記針の先端と前記針の基端との間で軸方向に移動できる、項目89に記載のカプラー。
[項目94]
前記カプラーが、当該カートリッジが前記シリンジから取り外されるときに前記嵌合体と結合されたままである、項目89に記載のカートリッジ。
[項目95]
前記パッケージと前記充填可能リザーバとの間の流体連通のための流体通路を更に備え、前記流体通路が注射針により穿孔可能な膜によって終端される、項目70に記載のカプラー。
[項目96]
前記パッケージが、前記第1の区画室の少なくとも一部を画定するように予備成形される少なくとも1つの柔軟壁を含む、項目70に記載のカートリッジ。
[項目97]
前記パッケージが、剥離可能な箔層部を有する少なくとも1つの柔軟壁を含む、項目70に記載のカートリッジ。
[項目98]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部が予備成形される、項目97に記載のカートリッジ。
[項目99]
前記パッケージの前記第1の区画室と第2の区画室との間に配置される流体通路を更に備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目100]
前記流体通路内に配置される静的ミキサを更に備える、項目95に記載のカートリッジ。
[項目101]
前記パッケージと前記有益薬剤供給装置との間に配置される流体通路と、前記流体通路内に配置される静的ミキサとを更に備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目102]
前記パッケージが、前記嵌合体に対する無菌閉鎖体の少なくとも一部を形成するように延びる柔軟壁を更に備える、項目70に記載のカートリッジ。
[項目103]
充填区画室と流体充填通路とを更に備え、前記充填区画室が前記流体充填通路を介して前記第1の区画室と流体連通して配置される、項目70に記載のカートリッジ。
[項目104]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室が前記第1および第2のパッケージ壁間に配置される、項目103に記載のカートリッジ。
[項目105]
前記流体充填通路がシール可能である、項目103に記載のカートリッジ。
[項目106]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記流体充填通路が、前記第1および第2のパッケージ壁間を熱的にシールすることによりシールされる、項目103に記載のカートリッジ。
[項目107]
前記充填区画室および前記流体充填通路のうちの少なくとも一方に配置される遮断弁を更に備える、項目103に記載のカートリッジ。
[項目108]
第1および第2のパッケージ壁を更に備え、前記充填区画室の少なくとも一部が、前記第1および第2のパッケージ壁のうちの少なくとも一方に形成されるウェルにより画定される、項目103に記載のカートリッジ。
[項目109]
前記充填区画室と流体密なシールを介して連通するように構成される充填システムを更に備える、項目103に記載のカートリッジ。
[項目110]
前記流体充填通路が前記第1のパッケージ壁に沿って流体を導く、項目103に記載のカートリッジ。
[項目111]
流体排出通路を介して前記第1の区画室と連通するガス排出区画室を更に備え、前記流体排出通路が、充填後に前記第1の区画室からの流れを防止するようにシール可能である、項目103に記載のカートリッジ。
[項目112]
充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジであって、該カートリッジが、有益薬剤の全てまたは前記有益薬剤の全ての構成物質を収容する単位用量パッケージを備え、該単位用量パッケージが、
前記有益薬剤の全てまたは前記有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容し、かつ、その少なくとも一部が柔軟壁により画定される、少なくとも1つの第1の区画室と、
前記単位用量パッケージを前記充填可能リザーバに流体連通状態で接続するために前記単位用量パッケージに配置される嵌合体と、
を備えるカートリッジ。
[項目113]
リザーバを備える有益薬剤供給装置の投与部を取り囲むための事前充填キャップであって、前記事前充填キャップがパッケージを備え、該パッケージが、
有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室と、
前記第1の区画室と前記投与部とを連通させるための流体通路と、
を備える、事前充填キャップ
[項目114]
前記第1の区画室が1つの壁を含み、前記壁の少なくとも一部が柔軟材料を備える、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目115]
前記柔軟材料がウェビングを備える、項目114に記載の事前充填キャップ。
[項目116]
前記第1の区画室が前記有益薬剤の第1の構成物質を収容し、当該事前充填キャップが、前記有益薬剤の第2の構成物質を収容する第2の区画室を更に備え、かつ、前記第1の構成物質と前記第2の構成物質とを分離する開放可能な閉鎖体を備える、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目117]
前記投与部が、針、カテーテル、チューブ、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、経口分配器、眼内分配器、耳分配器、局所分配器、マイクロニードル、ID針、IM針、SQ針、安全針、引き込み可能針、保護スリーブを有する針、および、前者のうちの1つへのカプラー、のうちの1つを備える、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目118]
閉鎖体を更に備え、該閉鎖体が、前記閉鎖体が開放されるまで前記第1の区画室と前記投与部とを分離する、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目119]
流体通路を更に備える、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目120]
前記流体通路を閉じる膜を更に備える、項目119に記載の事前充填キャップ。
[項目121]
前記投与部が、前記流体通路と流体連通を確立するために前記膜を穿孔するべく移動できる針を備える、項目120に記載の事前充填キャップ。
[項目122]
前記投与部が、前記流体通路と流体連通を確立するために前記膜を穿孔するように構成される針を備える、項目120に記載の事前充填キャップ。
[項目123]
前記パッケージの少なくとも一部のための支持体を更に備える、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目124]
前記第1の区画室が嵌合体を備えるパッケージ内に形成される、項目113に記載の事前充填キャップ。
[項目125]
前記パッケージの少なくとも一部がウェビングを備える、項目124に記載の事前充填キャップ。
[項目126]
前記有益薬剤供給装置が単位用量を与える、項目124に記載の事前充填キャップ。
[項目127]
前記有益薬剤供給装置が単一リザーバを備える、項目124に記載の事前充填キャップ。
[項目128]
充填可能な単位用量リザーバと、前記単位用量リザーバと連通する少なくとも1つのポートとを有する供給装置と、
前記供給装置に無菌結合されるように構成されるカートリッジと
を備え、
前記カートリッジが単位用量パッケージを備え、該単位用量パッケージが、
有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室であり、前記単位用量パッケージの少なくとも一部が柔軟壁によって画定される、少なくとも1つの第1の区画室と、
前記単位用量パッケージと結合され、かつ、前記単位用量パッケージを前記供給装置に接続する嵌合体と、
前記第1の区画室と前記単位用量リザーバとの間に配置される開放可能なシールと、
を備える、有益薬剤単位用量分配器。
[項目129]
前記単位用量リザーバが使用前にほぼ空である、項目128に記載の有益薬剤単位用量分配器。
[項目130]
前記単位用量リザーバが前記有益薬剤の少なくとも1つの構成物質を収容する、項目128に記載の有益薬剤単位用量分配器。
[項目131]
有益薬剤を分配するための事前充填シリンジであって、
ピストンアセンブリと、
投与部と、前記ピストンアセンブリを受けるための部分とを備える充填可能バレルと、
前記有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する少なくとも1つの第1の区画室と、前記第1の区画室の内容物を前記バレルへ通じさせるための流体通路とを備える事前充填カートリッジと、
を備える事前充填シリンジ。
[項目132]
前記投与部が、針、IM針、マイクロニードル、ID針、SQ針、IM針、安全針、引き込み可能針、保護スリーブを有する針、ノズル、噴射注入器ノズル、分配器、アプリケータのうちの1つを備える、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目133]
前記投与部をシールするキャップを更に備え、前記事前充填カートリッジが前記キャップと一体である、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目134]
前記投与部を介して前記充填可能バレルと連通する流体通路を更に備える、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目135]
前記充填可能バレルが前記有益薬剤の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目136]
開放されるまで前記第1の区画室を前記充填可能バレルから分離する閉鎖体を更に備える、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目137]
当該事前充填シリンジが手動操作可能に構成される、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目138]
当該事前充填シリンジが、自動注入器、シリンジポンプ、制御されたアクチュエータ、機械的なラムまたは圧力のうちの少なくとも1つによって動作されるように構成される、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目139]
前記充填可能バレルの基端が無菌シールされる、項目131に記載の事前充填シリンジ。
[項目140]
供給装置の投与部のためのキャップであって、流体通路と、前記投与部と連通するように構成される基端と、先端とを備える、キャップ。
[項目141]
事前充填パッケージと連通するために前記流体通路の先端に配置されるアダプタを更に備える、項目140に記載のキャップ。
[項目142]
前記アダプタが前記事前充填パッケージの嵌合体と連通するように構成される、項目141に記載のキャップ。
[項目143]
前記流体通路内に配置され、開放されるまで前記流体通路の前記先端と前記基端とを分離するように構成される閉鎖体を更に備える、項目140に記載のキャップ。
[項目144]
前記基端が、カプラーを介して前記投与部と連通するように構成される、項目143に記載のキャップ。
[項目145]
当該キャップが、前記投与部を無菌シール状態に維持するように構成される、項目140に記載のキャップ。
[項目146]
当該キャップが、前記投与部に保護を与えるように構成される、項目140に記載のキャップ。
[項目147]
事前充填パッケージを支持するための支持体を更に備える、項目140に記載のキャップ。
[項目148]
有益薬剤の事前充填パッケージを形成するための方法であって、
互いに結合される第1の側と第2の側とを有し、それにより、前記第1の側と前記第2の側との間に少なくとも1つの第1の構成物質区画室の境界を形成するウェビングを用意するステップと、
前記境界の少なくとも一部に沿って脆弱シールを形成するステップと、
恒久シールを形成し、前記恒久シールが前記脆弱シールの少なくとも一部と重なり合うようにすることにより、前記恒久シールとほぼ同じシール特性を有する重合部を形成するステップと、
前記第1の構成物質区画室を充填するステップと、
を備える方法。
[項目149]
前記脆弱シールが前記境界全体に沿って形成される、項目148に記載の方法。
[項目150]
前記脆弱シールを形成する前に、前記第1の構成物質区画室に前記有益薬剤の少なくとも前記第1の構成物質を充填するステップを更に備える、項目148に記載の方法。
[項目151]
前記第1の構成物質区画室には、前記脆弱シールを形成した後、前記恒久シールを形成する前に、前記有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質が充填される、項目148に記載の方法。
[項目152]
前記第1の構成物質区画室のための充填アクセスを形成するステップを更に備え、前記恒久シールが前記充填アクセスをシールする、項目151に記載の方法。
[項目153]
前記脆弱シールが第1の剥離強度特性を示し、前記恒久シールが第2の剥離強度特性を示し、前記第1および第2の剥離強度特性が、前記脆弱シールおよび前記恒久シールを形成するために使用されるシール器具のシール設定によって得られる、項目148に記載の方法。
[項目154]
前記脆弱シールが第1の剥離強度特性を示し、前記恒久シールが第2の剥離強度特性を示し、前記第1の剥離強度特性が前記ウェビングの局所的なシール特性に起因する、項目148に記載の方法。
[項目155]
第2のシールが前記脆弱シールの大部分と重なり合う恒久シールである、項目148に記載の方法。
[項目156]
前記境界が少なくとも1つの第2の区画室を画定し、前記恒久シールが形成された後に前記第1および第2の区画室間に脆弱シール部分が残存する、項目148に記載の方法。
[項目157]
出口ポートと、前記恒久シールにより形成される前記出口ポートへの通路とを設けるステップを更に備え、前記第1の構成物質区画室と前記出口ポートとの間に脆弱シール部分が残存する、項目148に記載の方法。
[項目158]
有益薬剤の事前充填パッケージを形成するための方法であって、
前記有益薬剤のためのガス充填区画室を形成するステップと、
第1のシール可能チャネルを介して前記ガス充填区画室と連通する充填ポートを有する充填区画室を形成するステップと、
前記有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質の供給源と前記充填ポートとを流体密な態様で結合するステップと、
前記供給源から前記第1のシール可能チャネルを介して前記ガス充填区画室を充填するステップと、
前記第1のシール可能チャネルをシールするステップと、
を備える方法。
[項目159]
第2のシール可能チャネルを介して前記ガス充填区画室と連通する排出ポートを有する排出区画室を形成するステップを更に備える、項目158に記載の方法。
[項目160]
前記充填ポートおよび前記排出ポートのうちの少なくとも一方を除去するために前記事前充填パッケージを切り取るステップを更に備える、項目158に記載の方法。
[項目161]
前記事前充填パッケージの少なくとも一部がウェビングを備える、項目158に記載の方法。
[項目162]
前記ウェビングが、前記ガス充填区画室の容積を規定するように予備成形される、項目161に記載の方法。
[項目163]
前記第1の区画室が、前記第1の区画室のための容積を更に正確に規定するために充填中にキャビティ内に収容される、項目162に記載の方法。
[項目164]
前記キャビティに真空が印加される、項目163に記載の方法。
[項目165]
充填中に、前記事前充填パッケージが、前記第2のシール可能チャネルが前記第1のシール可能チャネルに対して持ち上げられるように配置される、項目164に記載の方法。
[項目166]
前記充填区画室がウェルを備える、項目158に記載の方法。
[項目167]
挿入体が前記第1の構成物質の前記供給源と接続する、項目166に記載の方法。
[項目168]
前記接続が弁を備える、項目167に記載の方法。
[項目169]
前記充填区画室および前記第1のシール可能チャネルが、前記充填ステップ前に環境から密閉シールされる、項目158に記載の方法。
[項目170]
充填前に、前記第1の構成物質の前記供給源を受けるために前記充填ポートの壁を穿孔する、項目169に記載の方法。
[項目171]
前記第1の構成物質の前記供給源が、穿孔要素で終端する充填チューブを備える、項目170に記載の方法。
[項目172]
前記充填チューブが前記充填ポートのウェブ壁を穿孔し、前記ウェブが前記充填チューブと共に流体密なシールを形成する、項目171に記載の方法。
[項目173]
複数の前記事前充填パッケージを積層し、積層された前記事前充填パッケージを充填機へ移送するステップを更に備える、項目158に記載の方法。
[項目174]
前記第1のシール可能チャネルのうちの少なくとも1つがシール可能挿入体を備える、項目158に記載の方法。
[項目175]
前記第1のシール可能チャネルが、前記充填ステップ中に前記第1の構成物質が前記充填区画室の壁に沿って流れるように形成される、項目158に記載の方法。
[項目176]
前記第2のシール可能チャネル内の前記第1の構成物質の存在を検出するためのセンサを設け、前記充填区画室が充填されていることを前記センサにより表示するステップを更に備える、項目158に記載の方法。
[項目177]
前記第1の構成物質の前記供給源が定量ポンプを備える、項目158に記載の方法。
[項目178]
前記第1の構成物質の前記供給源が非定量ポンプシステムを備える、項目158に記載の方法。
[項目179]
前記排出ポートを通じて排出されるガスを受けるための排出ラインを更に備える、項目159に記載の方法。
[項目180]
前記排出ポートに真空を印加するステップを更に備える、項目159に記載の方法。
[項目181]
前記第1の構成物質が、粉末、ペレット、顆粒、タブレット、塊、スフィア、および、マイクロスフィアから成るグループからの固形物を備える、項目159に記載の方法。
[項目182]
前記充填ステップ中に、前記第1の構成物質がガス流と共に第1の区画室へ移送される、項目181に記載の方法。
[項目183]
前記第2のシール可能チャネルの少なくとも1つの開口のサイズが、前記第1の構成物質が前記排出ポートから抜け出るのを防止する、項目182に記載の方法。
[項目184]
前記事前充填パッケージが製袋充填シールラインで製造される、項目183に記載の方法。
[項目185]
複数の前記事前充填パッケージが1つのウェブから同時に製造される、項目158に記載の方法。
[項目186]
前記第1の構成物質の前記供給源が真空を使用して前記充填ポートに取り付けられる、項目158に記載の方法。
[項目187]
有益薬剤のための単位用量供給システムを製造する方法であって、
組み付けられた供給装置を受けるステップと、
前記有益薬剤の少なくとも1つの第1の構成物質が事前に充填された事前充填無菌シールカートリッジを受けるステップと、
前記供給装置と前記事前充填無菌シールカートリッジとを一体化するステップと、
を備える方法。
[項目188]
前記供給装置が、バレルに事前に組み付けられたピストンを備えるシリンジである、項目187に記載の方法。
[項目189]
前記供給装置および前記事前充填無菌シールカートリッジが滅菌状態で受けられ、当該方法が、前記供給装置と前記事前充填無菌シールカートリッジとを無菌状態で一体化するステップを更に備える、項目187に記載の方法。
[項目190]
一体化後に事前充填供給システムを最終的に滅菌するステップを更に備える、項目187に記載の方法。
[項目191]
少なくとも1つの第1の区画室を備えるパッケージに液体状態の単位用量の有益薬剤を充填する方法であって、
計量された単位用量の前記有益薬剤をモールド内で凍結させて凍結用量を形成するステップと、
前記凍結用量を半仕上げの前記第1の区画室内に配置するステップと、
前記第1の区画室をシールするステップと、
を備える方法。
[項目192]
前記第1の区画室がキャビティを備えるように予備成形され、前記凍結用量が予備成形された前記キャビティ内に配置される、項目191に記載の方法。
[項目193]
前記第1の区画室内に前記凍結用量を配置する前に、少なくとも1つの制御された特性に関して前記凍結用量を検査するステップを更に備える、項目191に記載の方法。
[項目194]
少なくとも1つの第1のウェブ材料から前記パッケージを製造して、前記第1のウェブ材料上で前記単位用量を凍結させるステップを更に備える、項目191に記載の方法。
[項目195]
前記第1の区画室をシールした後に前記凍結用量を解かすステップを更に備える、項目191に記載の方法。
[項目196]
前記第1の区画室をシールする前に解けないようにするために前記凍結用量を十分に低い温度に晒すステップを更に備える、項目191に記載の方法。
[項目197]
微粒子固形物の形態を成す有益薬剤の計量された用量の少なくとも1つの第1の構成物質でパッケージを充填する方法であって、
前記第1の構成物質の用量を計量するステップと、
単一体を形成するように前記計量された用量を十分に圧縮するステップと、
前記単一体を半仕上げのパッケージ内に配置するステップと、
前記パッケージをシールするステップと、
前記単一体を分散させるために前記パッケージの壁を通じて前記単一体へエネルギーを向けるステップと、
を備える方法。
[項目198]
前記単一体を、前記パッケージ内に配置する前に、少なくとも1つの制御された特性に関して検査するステップを更に備える、項目197に記載の方法。
[項目199]
前記パッケージの少なくとも一部が少なくとも1つの第1のウェブから形成され、当該方法が、前記第1のウェブに対して前記単一体を押し付けるステップを更に備える、項目197に記載の方法。
[項目200]
製袋充填シールラインで前記パッケージを形成するステップを更に備える、項目197に記載の方法。
[項目201]
前記パッケージの少なくとも一部がウェブ材料を備え、前記エネルギーが、前記パッケージの柔軟壁を介して前記単一体を押圧することによって導かれる、項目197に記載の方法。
[項目202]
前記エネルギーが、機械的振動、超音波振動、音響振動、および、RF振動のうちの少なくとも1つによって前記単一体へ導かれる、項目197に記載の方法。
[項目203]
分配装置とカートリッジとの一体化を容易にするためのカプラーであって、前記分配装置がリザーバと投与装置とを備え、前記カートリッジが、少なくとも1つの第1の分配可能生成物または該生成物の少なくとも1つの第1の構成物質の内容物を収容するパッケージと、前記内容物またはその少なくとも第1の構成物質の前記リザーバへの流体移送を可能にするために前記カートリッジを前記投与装置と連通状態で接続するための嵌合体とを備え、
当該カプラーが、第1の端部および第2の端部を備え、前記第1の端部が前記投与装置を受けるように構成され、前記第2の端部が、前記嵌合体を移動可能に受けるべく、かつ、前記嵌合体を前記投与装置と係合させるように案内するべく構成され、前記カートリッジと前記分配装置とが流体連通する、カプラー。
[項目204]
当該カプラー内で移動可能なグライダーを更に備え、前記グライダーが、第1の位置にあるときに、前記投与装置の先端を前記嵌合体と位置合わせさせるように案内し、前記グライダーが、前記嵌合体が前記投与装置と係合するための隙間を前記グライダーが与える第2の位置へ向けて移動する、項目203に記載のカプラー。
[項目205]
前記グライダーが、前記投与装置、当該カプラー、および、前記嵌合体のうちの少なくとも1つと共に流体密なシールを形成する、項目204に記載のカプラー。
[項目206]
前記グライダーが、前記投与装置を当該カプラー内に無菌シールする、項目204に記載のカプラー。
[項目207]
前記グライダーが前記リザーバを無菌シールする、項目204に記載のカプラー。
[項目208]
前記グライダーが前記第1の位置へ付勢される、項目204に記載のカプラー。
[項目209]
前記投与装置に対して物理的なシールドを与える、項目203に記載のカプラー。
[項目210]
当該カプラーが、圧入、スナップ嵌合、螺合、バヨネット、螺旋接続、または、上昇斜面のうちの少なくとも1つによって前記カートリッジおよび前記分配装置のうちの少なくとも一方と係合する、項目203に記載のカプラー。
[項目211]
当該カプラーの少なくとも一部が、前記カートリッジが前記分配装置から離脱されるときに前記カートリッジと結合されたままとなるように構成される、項目203に記載のカプラー。
[項目212]
当該カプラーの少なくとも一部が、前記カートリッジが前記分配装置から離脱されるときに前記分配装置と結合されたままとなるように構成される、項目203に記載のカプラー。
[項目213]
前記投与装置が針であり、当該カプラーが針シールドを備える、項目203に記載のカプラー。
[項目214]
医用シリンジであって、
前記シリンジの先端にある投与針と、
前記先端で受けられ、かつ、カートリッジを受けて該カートリッジを前記投与針との係合位置へ案内するように構成されるカプラーと、
を備える医用シリンジ。
[項目215]
前記カプラーが、前記投与針を物理的損傷から保護するように構成される、項目214に記載の医用シリンジ。
[項目216]
前記カプラーが、前記投与針を無菌シールするように構成される、項目214に記載の医用シリンジ。
[項目217]
前記カプラーが該カプラー内で移動可能なグライダーを更に備え、前記グライダーが、前記投与針の先端を所定の第1の位置に保持し、かつ、前記カートリッジが前記針と係合するための隙間を前記グライダーが与える第2の位置へ向けて移動する、項目214に記載の医用シリンジ。
[項目218]
前記グライダーが、前記投与針、前記カプラー、および、前記カートリッジのうちの少なくとも1つと共にシールするように構成される、項目217に記載の医用シリンジ。
[項目219]
前記グライダーがスプリングにより前記第1の位置へ付勢される、項目217に記載の医用シリンジ。
[項目220]
前記カートリッジが離脱されるときに前記カプラーの少なくとも一部を当該医用シリンジから取り外すことができる、項目217に記載の医用シリンジ。
[項目221]
事前充填カートリッジと分配装置とを係合させて、前記事前充填カートリッジと前記分配装置との間で流体内容物を移送するための方法であって、前記分配装置が、リザーバと、投与装置と、カプラーとを備え、前記リザーバが内容物を保持し、前記投与装置が前記内容物を受けて分配し、前記内容物が分配可能な生成物または該生成物の1つ以上の構成物質であり、前記カプラーが第1の端部と第2の端部とを備え、前記第2の端部が、嵌合体を移動可能に受けて、前記事前充填カートリッジと前記分配装置との間に流体連通をもたらすべく前記嵌合体を前記投与装置と係合させるように案内し、前記嵌合体が前記内容物を前記リザーバと通じさせ、当該方法が、
前記事前充填カートリッジと前記分配装置とが流体連通状態で係合するように前記事前充填カートリッジを前記カプラー内で受けるステップ
を備える、方法。
[項目222]
前記事前充填カートリッジと前記リザーバとの間での流体移送を可能にするステップを更に備える、項目221に記載の方法。
[項目223]
前記事前充填カートリッジを前記分配装置から離脱させるステップを更に備える、項目221に記載の方法。
[項目224]
前記カプラーの少なくとも一部を前記投与装置の少なくとも一部から少なくとも部分的に取り外すステップを更に備える、項目223に記載の方法。
[項目225]
前記事前充填カートリッジを前記分配装置から離脱させるステップを更に備え、前記カプラーの少なくとも一部が前記事前充填カートリッジを使用して取り外される、項目221に記載の方法。
[項目226]
前記分配装置および前記カプラーが滅菌されており、前記事前充填カートリッジが滅菌されており、前記分配装置と前記事前充填カートリッジとが滅菌事前充填分配システムを形成するように無菌係合される、項目221に記載の方法。
[項目227]
前記カプラーの前記第1の端部が前記投与装置を受けるように構成され、当該方法が、前記投与装置が前記カプラー内に受けられるように前記分配装置に前記カプラーを装着するステップを更に備える、項目221に記載の方法。
[項目228]
前記カプラーの少なくとも一部が取り外された後に前記内容物を前記分配装置から分配するステップを更に備える、項目221に記載の方法。
[項目229]
事前充填可能容器を製造するための方法であって、
シール可能な第1の充填チャネルを介して互いに流体連通状態で接続される少なくとも1つの第1の区画室および少なくとも1つの第1の充填区画室を備えるシールされたキャビティを形成するステップと、
前記充填区画室の壁を充填装置により穿孔して、前記第1の充填チャネルを介して前記第1の区画室内に構成物質を充填するステップと、
前記充填ステップが完了されるときに前記第1の充填チャネルをシールするステップと、
を備える方法。
[項目230]
前記事前充填可能容器のうち前記充填区画室を備える部分を取り外すステップを更に備える、項目229に記載の方法。
[項目231]
前記キャビティが、前記第1の区画室と流体連通状態で相互接続される少なくとも1つの第2の充填区画室を更に備え、当該方法が、前記第1の区画室に構成物質が充填される間に前記第1の区画室からガスを排出できるように前記第2の充填区画室の壁を穿孔して、前記充填が完了されるときに第2のチャネルをシールするステップを更に備える、項目229に記載の方法。
[項目232]
前記事前充填可能容器が、前記シールされたキャビティを画定するために、第2の壁と結合される第1の予備成形ウェブ壁を備える、項目229に記載の方法。
[項目233]
前記事前充填可能容器の少なくとも1つの壁がプラスチック材料から成形される、項目229に記載の方法。
[項目234]
前記事前充填可能容器がブロー成形される、項目229に記載の方法。
[項目235]
充填可能リザーバを有する有益薬剤供給装置と共に使用するためのカートリッジであって、
少なくとも1つの第1の区画室を備えるパッケージを備え、前記第1の区画室が、予備成形された剥離可能層を有する第1の壁を備える、カートリッジ。
[項目236]
前記剥離可能層が、該剥離可能層を前記第1の壁に結合するために前記第1の区画室の外周縁に沿って平坦領域を備える、項目235に記載のカートリッジ。
[項目237]
前記第1の壁がキャビティを画定するように予備成形され、予備成形された前記剥離可能層が前記キャビティを含むように構成される、項目235に記載のカートリッジ。
[項目238]
前記剥離可能層が前記第1の壁の構造の一部である、項目235に記載のカートリッジ。
[項目239]
区画室境界の少なくとも一部を画定するために外周縁に沿って結合される第1のウェブ壁および第2のウェブ壁と、
分配可能生成物の少なくとも1つの第1の構成物質を収容する第1の区画室と、
分配可能生成物の少なくとも1つの第2の構成物質を収容する第2の区画室と、
前記第1および第2の区画室間に配置され、開放されるときに前記第1および第2の構成物質を融合できるようにする脆弱シールと、
少なくとも前記第1のウェブ壁で開放される分配ポートと、
を備え、
前記脆弱シールが、前記第1および第2の区画室を前記分配ポートから分離し、前記脆弱シールが破断されると、前記第1および第2の構成物質と前記分配ポートとの間に流体連通が確立される、
分配パッケージ。
[項目240]
前記第1および第2の区画室が前記第2のウェブ壁に形成される、項目239に記載の分配パッケージ。
[項目241]
供給装置の投与装置のためのキャップであって、
前記投与装置を受けるように構成される第1の区画室と、
第2の区画室と、
前記第1の区画室と前記第2の区画室との間に流体密なシールを形成するバリアと、
を備えるキャップ。
[項目242]
前記第1の区画室が、前記供給装置および前記投与装置のうちの少なくとも一方と連通するように構成される基端を備える、項目241に記載のキャップ。
[項目243]
前記第2の区画室が流体通路と連通状態で接続する、項目241に記載のキャップ。
[項目244]
前記第2の区画室が、前記投与装置の先端部を受けるように構成される、項目241に記載のキャップ。
[項目245]
前記バリアが、前記投与装置の基端と先端との間の前記投与装置の領域の周囲を耐密シールするように構成される、項目243に記載のキャップ。
[項目246]
事前充填パッケージと連通するために前記第2の区画室と連通するアダプタを更に備える、項目241に記載のキャップ。
[項目247]
前記アダプタが、前記事前充填パッケージの嵌合体と連通するように構成される、項目246に記載のキャップ。
[項目248]
流体通路と、前記流体通路内に配置され、開放されるまで前記流体通路の先端と基端とを分離するように構成される閉鎖体とを更に備える、項目241に記載のキャップ。
[項目249]
前記基端が、カプラーを介して前記投与装置と連通するように構成される、項目248に記載のキャップ。
[項目250]
当該キャップが、前記投与装置に対してシールするように構成される、項目241に記載のキャップ。
[項目251]
当該キャップが、前記投与装置に保護を与えるように構成される、項目241に記載のキャップ。
[項目252]
事前充填パッケージを支持するための支持体を更に備える、項目241に記載のキャップ。
[項目253]
区画室を少なくとも部分的に画定するために外周縁に沿う1つの結合部で結合される第1のウェブ壁および第2のウェブ壁であって、前記第1および第2のウェブ壁のうちの少なくとも一方が前記区画室内にキャビティを画定するように予備成形される、第1のウェブ壁および第2のウェブ壁と、
嵌合体と、
を備え、
前記結合部の少なくとも1つの第1の部分が破断可能なシールを形成し、このシールが、破断されると、嵌合体と流体連通をもたらし、前記結合部の少なくとも1つの第2の部分が恒久シールを形成する、
パッケージ。
[項目254]
前記充填区画室および前記シール可能チャネルのうちの少なくとも一方が所定形状に成形される、項目158に記載の方法。
[項目255]
前記ガス充填区画室が、前記有益薬剤の充填容積空間を実質的に画定するように予備成形される、項目158に記載の方法。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
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図10b
図10c
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図10e
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図36
【外国語明細書】