(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188196
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】口腔内測定装置及び口腔内測定システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/053 20210101AFI20221213BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61B5/053
A61B5/00 N
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160749
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2019212477の分割
【原出願日】2019-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】倉持 美惠
(57)【要約】
【課題】温度情報を取得する口腔内測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の口腔内測定装置は、長手方向を有する口腔内測定装置であって、前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、前記デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を有する口腔内測定装置であって、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、前記デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
を備える、口腔内測定装置。
【請求項2】
更に、
前記センサ、前記処理部及び前記温度情報取得部を収納する筐体を備え、
前記筐体は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の前記一端側に設けられるセンサ部と、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に設けられる把持部と、
棒状に形成され、且つ前記センサ部と前記把持部とを接続するプローブ部と、
を有し、
前記センサは、前記センサ部に配置され、
前記処理部及び前記温度情報取得部は、前記プローブ部の内部に配置される、
請求項1に記載の口腔内測定装置。
【請求項3】
前記温度情報取得部は、前記処理部よりも前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に配置される、
請求項1又は2に記載の口腔内測定装置。
【請求項4】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、伝熱部材を介して接触している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項5】
前記伝熱部材は、基板、金属部材、シリコーン及びカーボンのうちのいずれかである、
請求項4に記載の口腔内測定装置。
【請求項6】
前記伝熱部材は、前記基板のグランドパターンである、
請求項5に記載の口腔内測定装置。
【請求項7】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、熱伝導樹脂部材によってモールドされている、
請求項1又は2に記載の口腔内測定装置。
【請求項8】
更に、
前記処理部で出力された前記処理結果に基づいて口腔内の測定対象物の量を算出する算出部を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項9】
更に、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部を備える、
請求項8に記載の口腔内測定装置。
【請求項10】
前記測定対象物の量は、水分量である、
請求項8又は9に記載の口腔内測定装置。
【請求項11】
長手方向を有する口腔内測定装置と、
前記口腔内測定装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記口腔内測定装置は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
前記処理結果及び前記温度情報を前記処理装置に送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記口腔内測定装置の前記第1通信部から前記処理結果及び前記温度情報を受信する第2通信部と、
前記処理結果に基づいて測定対象物の量を算出する算出部と、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部と、
を有する、口腔内測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内を測定する口腔内測定装置及び口腔内測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、口腔内の水分測定器が開示されている。特許文献1に記載の水分測定器は、被測定部位に直接あるいはプラスチックフィルムなどを介して接触させてその被測定部位の水分を感知するセンサと、このセンサを備えた計測部からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、温度情報を取得する口腔内測定装置及び口腔内測定システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の口腔内測定装置は、
長手方向を有する口腔内測定装置であって、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、前記デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
を備える。
【0006】
本発明の一態様の口腔内測定システムは、
長手方向を有する口腔内測定装置と、
前記口腔内測定装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記口腔内測定装置は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
前記処理結果及び前記温度情報を前記処理装置に送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記口腔内測定装置の前記第1通信部から前記処理結果及び前記温度情報を受信する第2通信部と、
前記処理結果に基づいて測定対象物の量を算出する算出部と、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部と、
を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、温度情報を取得する口腔内測定装置及び口腔内測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の一例の概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の一例の内部構成を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置におけるセンサの一例の概略斜視図である。
【
図5】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
【
図6】基板を伝熱部材として使用する一例を示す模式図である。
【
図7】補正前の測定値ばらつきの一例を示す模式図である。
【
図8】補正後の測定値ばらつきの一例を示す模式図である。
【
図9】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置における補正係数の算出の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】温度情報の取得の一例を示すフローチャートである。
【
図12】測定結果の補正の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置を使用している様子の一例を示す模式図である。
【
図14】本発明に係る実施の形態2の口腔内測定装置の一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
【
図15】本発明に係る実施の形態3の口腔内測定装置の一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
【
図16】本発明に係る実施の形態4の口腔内測定システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明に至った経緯)
口腔内を測定するセンサとして、例えば、特許文献1に記載の水分測定器が知られている。特許文献1に記載の水分測定器は、口腔内の被測定部位に直接あるいはプラスチックフィルムを介して接触させることにより、口腔内の水分を測定している。
【0010】
特許文献1に記載の水分測定器のような口腔内測定装置においては、ユーザの口腔内に接触するため、口腔内測定装置自体の温度が上昇する場合がある。この場合、センサで取得した口腔内の情報を処理する処理部の温度が変化し、水分量の測定値にばらつきが生じるという課題がある。これは、本発明者らが発見した新たな課題である。
【0011】
そこで、本発明者らは、温度情報を取得する温度情報取得部を備える構成を見出し、以下の発明に至った。
【0012】
本発明の一態様の口腔内測定装置は、
長手方向を有する口腔内測定装置であって、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、前記デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
を備える。
【0013】
このような構成により、処理部の温度情報を取得することができる。
【0014】
前記口腔内測定装置は、更に、
前記センサ、前記処理部及び前記温度情報取得部を収納する筐体を備え、
前記筐体は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の前記一端側に設けられるセンサ部と、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に設けられる把持部と、
棒状に形成され、且つ前記センサ部と前記把持部とを接続するプローブ部と、
を有し、
前記センサは、前記センサ部に配置され、
前記処理部及び前記温度情報取得部は、前記プローブ部の内部に配置されてもよい。
【0015】
このような構成により、センサをユーザの口腔内に接触させやすい形状となると共に、処理部の温度情報を精度高く取得することができる。
【0016】
前記温度情報取得部は、前記処理部よりも前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に配置されてもよい。
【0017】
このような構成により、ノイズの発生を抑制することができる。
【0018】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、伝熱部材を介して接触していてもよい。
【0019】
このような構成により、処理部と温度情報取得部との熱的結合を向上させることができ、処理部の温度情報を精度高く取得することができる。
【0020】
前記伝熱部材は、基板、金属部材、シリコーン及びカーボンのうちのいずれかであってもよい。
【0021】
このような構成により、処理部の温度情報をより精度高く取得することができる。
【0022】
前記伝熱部材は、前記基板のグランドパターンであってもよい。
【0023】
このような構成により、処理部と温度情報取得部との熱的結合を向上させつつ、部品点数を減らすことができる。
【0024】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、熱伝導樹脂部材によってモールドされていてもよい。
【0025】
このような構成により、処理部と温度情報取得部との熱的結合を向上させつつ、処理部と温度情報取得部とが外部負荷により破損することを抑制することができる。
【0026】
前記口腔内測定装置は、更に、
前記処理部で出力された前記処理結果に基づいて口腔内の測定対象物の量を算出する算出部を備えていてもよい。
【0027】
このような構成により、口腔内の測定対象物の量を測定することができる。
【0028】
前記口腔内測定装置は、更に、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部を備えてもよい。
【0029】
このような構成により、処理部の温度情報に基づいて、測定対象物の量を補正することができる。
【0030】
前記測定対象物の量は、水分量であってもよい。
【0031】
このような構成により、口腔内の水分量を測定することができる。
【0032】
本発明の一態様の口腔内測定システムは、
長手方向を有する口腔内測定装置と、
前記口腔内測定装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記口腔内測定装置は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
前記処理結果及び前記温度情報を前記処理装置に送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記口腔内測定装置の前記第1通信部から前記処理結果及び前記温度情報を受信する第2通信部と、
前記処理結果に基づいて測定対象物の量を算出する算出部と、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部と、
を有する。
【0033】
このような構成により、処理部の温度情報を取得し、温度情報に基づいて測定対象物の量を補正することができる。
【0034】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0035】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aの一例の概略斜視図である。
図2は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aの一例の内部構成を示す模式図である。
図3は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、口腔内測定装置1Aの幅方向、長さ方向、高さ方向を示す。
【0036】
<外観>
口腔内測定装置1Aの外観について説明する。
図1及び
図2に示すように、口腔内測定装置1Aは、筐体2を備える。筐体2は、長手方向D1を有する棒状の形状を有する。具体的には、筐体2は、センサ部10、プローブ部20及び把持部30を有する。
【0037】
センサ部10は、ユーザの口腔内に接触する部分である。センサ部10は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1の一端E1に設けられている。センサ部10の外形寸法は、プローブ部20及び把持部30よりも小さく設計されている。例えば、センサ部10のX方向の寸法及びY方向の寸法は、プローブ部20及び把持部30に比べて小さく設計されている。
【0038】
プローブ部20は、センサ部10と把持部30とを接続する。プローブ部20は、棒状に形成されている。プローブ部20は、把持部30からセンサ部10に向かってX方向の寸法及びZ方向の寸法が小さくなっている。即ち、プローブ部20は、把持部30からセンサ部10に向かって先細りしていく形状を有する。
【0039】
把持部30は、ユーザの口腔外にあり、ユーザが把持する部分である。把持部30は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1の他端E2に設けられている。把持部30は、棒状に形成されている。把持部30の外形寸法は、センサ部10及びプローブ部20よりも大きく設計されている。例えば、把持部30のX、Y,Z方向の寸法は、センサ部10及びプローブ部20に比べて大きく設計されている。
【0040】
筐体2は、例えば、樹脂で形成されている。また、筐体2の一部は、金属で形成されていてもよい。あるいは、筐体2の全体が金属で形成されていてもよい。
【0041】
次に、口腔内測定装置1Aを構成する構成要素について説明する。
図1-
図3に示すように、口腔内測定装置1Aは、センサ11、処理部21、温度情報取得部22、基板23、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33を備える。
【0042】
なお、実施の形態1では、口腔内測定装置1Aは、基板23、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33を備える例について説明するが、これに限定されない。基板23、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33は、口腔内測定装置1Aとは別の装置に備えられていてもよい。
【0043】
また、実施の形態1では、口腔内測定装置1Aの測定対象物が水分であり、口腔内測定装置1Aが水分量を測定する例について説明する。
【0044】
<センサ>
センサ11は、口腔内のアナログ情報を取得する。実施の形態1では、センサ11は、例えば、静電容量センサである。センサ11は、口腔内に接触し、口腔内のアナログ情報として静電容量の情報を取得する。
【0045】
センサ11は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1の一端E1に設けられる。
図4は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aにおけるセンサ11の一例の概略斜視図である。
図4に示すように、センサ11は、センサ部10に配置されている。具体的には、センサ11は、センサ部10の下面に配置されている。
【0046】
センサ11で取得された口腔内のアナログ情報は、処理部21に送信される。
【0047】
<処理部>
図1-
図3に戻って、処理部21は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1において中央部C1よりもセンサ11側に配置される。具体的には、処理部21は、プローブ部20の内部に配置されている。
【0048】
処理部21は、センサ11で取得した口腔内のアナログ情報をデジタル情報に変換処理する。また、処理部21は、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する。
【0049】
処理部21は、センサ11で取得した静電容量の情報を周波数に変換する周波数変換回路を有する。
【0050】
例えば、処理部21は、静電容量とみなしたセンサ11に対して繰返し充放電を行い、その充放電スピードによって決まる周期の周波数に変換する。
【0051】
このように、処理部21は、センサ11で取得した口腔内の静電容量を示すアナログ情報を、周波数を示すデジタル情報に変換している。処理部21でデジタル情報に変換された処理結果は、算出部31に送信される。実施の形態1では、処理部21でデジタル情報に変換された処理結果とは、周波数を意味する。
【0052】
処理部21は、半導体素子などで実現可能である。処理部21は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASIC、ディスクリート半導体、LSIで構成することができる。処理部21の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。処理部21は、処理部21内の図示しない記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。記憶部は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0053】
<温度情報取得部>
温度情報取得部22は、処理部21の温度情報を取得する。また、温度情報取得部22は、温度情報を出力する。処理部21の温度情報は、処理部21の処理結果の情報を補正するための処理部21の温度の情報である。例えば、処理部21の温度情報は、センサ11でのアナログ情報の取得開始時及び取得終了後の温度の情報を含む。
【0054】
例えば、温度情報取得部22は、処理部21の温度に関連する情報として処理部21の電気抵抗を測定し、測定した電気抵抗の情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する。
【0055】
例えば、温度情報取得部22は、処理部21の温度に関連する情報を取得する温度関連情報取得部と、温度関連情報取得部で取得した温度関連情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する温度算出部と、を備える。
【0056】
温度関連情報取得部は、例えば、サーミスタ、白金電極又は熱電対を用いることができる。実施の形態1では、温度情報取得部22は、サーミスタを用いている。温度情報取得部22は、処理部21の温度に関連する情報として電気抵抗を測定し、電気抵抗の情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する。言い換えると、温度情報取得部22は、温度関連情報取得部によって電気抵抗の情報を取得し、温度情報算出部によって電気抵抗の情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する。
【0057】
温度情報取得部22は、複数回の温度測定を実施する。即ち、温度情報取得部22は、複数の温度情報を取得する。例えば、温度情報取得部22は、測定開始時と測定終了時の処理部21の温度情報を取得する。測定開始時とは、センサ11を口腔内に接触させたときである。測定終了時とは、センサ11による口腔内の情報を取得し終えた時である。温度情報取得部22は、複数の温度情報に基づいて補正に用いる温度情報を決定する。例えば、温度情報取得部22は、複数の温度情報の平均値を、補正に用いる温度情報として決定してもよい。あるいは、温度情報取得部22は、複数の温度情報の中央値を、補正に用いる温度情報として決定してもよい。
【0058】
このように、温度情報取得部22は、温度関連情報取得部においてアナログ情報を取得し、温度情報算出部においてアナログ情報をデジタル情報に変換処理している。具体的には、温度情報取得部22は、アナログ情報である電気抵抗の情報を、デジタル情報である温度情報に変換処理している。
【0059】
温度情報取得部22で取得された温度情報は、補正処理部32に出力される。実施の形態1では、温度情報取得部22で取得された温度情報は、処理部21を介して補正処理部32に送信される。なお、温度情報取得部22で取得された温度情報は、処理部21を介さずに補正処理部32に直接送信されてもよい。言い換えると、温度情報取得部22が温度情報を出力するとは、処理部21を介して補正処理部32に温度情報を送信すること、及び処理部21を介さずに補正処理部32に温度情報を直接送信すること、を含む。
【0060】
図5は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aの一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
図5に示すように、処理部21及び温度情報取得部22は、基板23上に搭載され、且つプローブ部20の内部に配置されている。
【0061】
温度情報取得部22は、処理部21よりも口腔内測定装置1Aの長手方向D1の一端E1側に配置されていない。言い換えると、温度情報取得部22は、処理部21よりも口腔内測定装置1Aの長手方向D1の他端E2側に配置されている。センサ11から処理部21へはアナログ情報が送信されるため、センサ11と処理部21との間に、温度情報取得部22を配置することを避けることによって、ノイズの発生を抑制することができる。
【0062】
温度情報取得部22は、半導体素子などで実現可能である。温度情報取得部22は、例えば、マイコンで構成することができる。温度情報取得部22の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。温度情報取得部22は、処理部21内の図示しない記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0063】
<基板>
基板23は、処理部21及び温度情報取得部22を搭載する。実施の形態1では、基板23は処理部21の温度を温度情報取得部22に伝熱する伝熱部材として機能する。
【0064】
図6は、基板23を伝熱部材として使用する一例を示す模式図である。
図6に示すように、基板23は、グランドパターン23aを有する。グランドパターン23aは、銅箔パターンで形成されている。グランドパターン23aは、処理部21と温度情報取得部22とを接続している。即ち、処理部21と温度情報取得部22とは、基板23のグランドパターン23aを介して接触している。これにより、基板23のグランドパターン23aを伝熱部材として使用することができ、処理部21の熱を、グランドパターン23aを介して温度情報取得部22に伝熱することができる。
【0065】
このように、基板23のグランドパターン23aは、処理部21の熱を温度情報取得部22へ伝熱する伝熱部材として使用されている。
【0066】
<算出部>
図1-
図3に戻って、算出部31は、処理部21で出力された処理結果に基づいて水分量を算出する。具体的には、算出部31は、処理部21から出力された周波数の情報に基づいて水分量を算出する。算出部31は、例えば、周波数の変化量に基づいて水分量を算出する水分量算出回路を有する。なお、周波数の変化量とは、基準周波数と、処理部21において静電容量の情報に基づいて変換された周波数との差である。基準周波数とは、標準的な空気雰囲気中における周波数を意味する。
【0067】
算出部31で算出された水分量の情報は、補正処理部32に送信される。
【0068】
算出部31は、把持部30の内部に配置されている。
【0069】
<補正処理部>
補正処理部32は、水分量の情報及び温度情報に基づいて、水分量を補正する。
【0070】
例えば、補正処理部32は、温度情報及び補正係数Kに基づいて補正量を算出する。補正係数Kは、口腔内測定装置1Aによる水分量の測定前に算出される。例えば、補正係数Kは、口腔内測定装置1Aの製造時に算出されてもよい。補正係数Kの算出については後述する。
【0071】
例えば、補正処理部32は、算出した補正量を、算出部31で算出された水分量に加算する。これにより、補正処理部32は、算出部31で算出された水分量を補正する。
【0072】
補正処理部32で補正された水分量の情報は、操作表示部33に送信される。
【0073】
補正処理部32は、把持部30の内部に配置されている。
【0074】
補正処理部32は、半導体素子などで実現可能である。補正処理部32は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。補正処理部32の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。補正処理部32は、補正処理部32内の図示しない記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。記憶部は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0075】
ここで、処理部21の温度変化による測定値ばらつきについて説明する。
図7は、補正前の測定値ばらつきの一例を示す模式図である。なお、
図7において、横軸は処理部21の温度を示し、縦軸は測定値ばらつきを示す。測定値ばらつきとは、処理部21で処理された処理結果のばらつきを意味する。
図7においては、測定値ばらつきは、処理部21の温度が25℃のときを基準「1」とした場合の変動率を示している。
【0076】
図7に示すように、処理部21の温度が変化することによって、測定値ばらつきが生じる。このように、処理部21の温度が変化すると、処理部21の処理結果に影響を及ぼす。このため、処理部21の温度が変化すると、口腔内を精度高く測定することができなくなる場合がある。
【0077】
このため、補正処理部32は、算出部31で算出された水分量を処理部21の温度情報に基づいて補正している。
図8は、補正後の測定値ばらつきの一例を示す模式図である。なお、
図8において、横軸及び縦軸は、
図7に示す縦軸及び横軸と同じである。
図8に示すように、口腔内測定装置1Aは、補正処理部32による補正処理を行うことによって、測定値ばらつきを小さくしている。これにより、処理部21の温度が変化しても、口腔内の水分量を精度高く測定することができる。
【0078】
<操作表示部>
操作表示部33は、ユーザからの入力を受け付けると共に、補正処理部32で補正された水分量の情報を表示する。例えば、操作表示部33は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とを備える。
【0079】
操作部は、ユーザからの入力を受け付ける1つ又は複数のボタンを有する。複数のボタンは、例えば、電源ON/OFFを切り替える電源ボタンなどを含む。電源ボタンによる電源ON/OFFの切り替えによって、口腔内測定装置1Aの測定可能状態を切り替えることができる。
【0080】
表示部は、補正処理部32で補正された水分量の情報を表示するディスプレイを有する。
【0081】
操作表示部33は、把持部30の上面に配置される。
【0082】
口腔内測定装置1Aは、口腔内測定装置1Aを構成する構成要素を統括的に制御する制御部を備える。制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態1では、制御部は、センサ11、処理部21、温度情報取得部22、基板23、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33を制御する。
【0083】
[補正係数の算出]
補正処理部32の補正処理に用いられる補正係数Kの算出の一例について
図9を用いて説明する。
図9は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aにおける補正係数Kの算出の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図9に示すように、ステップST1では、処理部21の温度を変化させて、口腔内測定装置1Aによる測定を実施する。具体的には、センサ11に触れている対象物を所定の条件下にした状態で処理部21の温度を段階的に変化させ、各温度において口腔内測定装置1Aによる測定を行う。所定の条件とは、センサ11に触れている対象物の水分量が一定に維持された状態である。処理部21の温度は、例えば、ヒータなどの加熱装置を用いて変化させている。
【0085】
ステップST1では、例えば、処理部21の温度を21℃~28℃の間で1℃ずつ変化させる。処理部21は、各温度においてセンサ11で取得したアナログ情報を処理する。
【0086】
実施の形態1では、処理部21は、センサ11で取得した静電容量を周波数に変換している。このため、ステップST1では、処理部21の温度を段階的に変化させ、処理部21が各温度における周波数を取得する。これにより、処理部21の処理結果として、処理部21の温度情報と、各温度における周波数(測定値)の情報とを取得する。
【0087】
処理部21の処理結果は、算出部31と補正処理部32とに送信される。具体的には、各温度における周波数の情報が算出部31に送信される。複数の温度の情報が補正処理部32に送信される。
【0088】
算出部31は、各温度における周波数の情報に基づいて、各温度の水分量を算出する。算出部31は、各温度の水分量の情報を補正処理部32に送信する。
【0089】
ステップST2では、各温度の水分量の情報と、処理部21の処理結果と処理部21の温度情報とに基づいて、近似式を算出する。具体的には、補正処理部32は、ステップST1で変化させた処理部21の温度情報と、ステップST1で取得した各温度における水分量(測定値)の情報とに基づいて、近似式を算出する。近似式は、例えば、以下の式で算出される。
【0090】
【0091】
ここで、「M」は水分量(測定値)を示し、「T」は処理部21の温度を示し、「a」及び「b」は任意の数値を示す。
【0092】
ステップST3では、ステップST2で算出した近似式に基づいて、補正係数Kを決定する。例えば、補正処理部32は、上記の近似式の傾きである「a」を補正係数Kに決定する。補正処理部32は、補正係数Kを記憶部に記憶する。
【0093】
このように、ステップST1~ST3を実施することによって、補正係数Kを算出することができる。なお、ステップST2において算出される近似式は一例であって、上記の式に限定されない。例えば、近似式は、1次式又は多項式であってもよい。
【0094】
[口腔内測定装置の動作]
口腔内測定装置の動作の一例、即ち、口腔内測定方法の一例について
図10-
図12を用いて説明する。
図10は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図11は、温度情報の取得の一例を示すフローチャートである。
図12は、測定結果の補正の一例を示すフローチャートである。
【0095】
図10に示すように、ステップST11では、センサ11によって、口腔内のアナログ情報を取得する。具体的には、センサ11がユーザの口腔内に接触することによって、口腔内のアナログ情報を取得する。センサ11で取得された情報は、処理部21に送信される。
【0096】
実施の形態1では、センサ11は静電容量センサであるため、センサ11は口腔内のアナログ情報として静電容量の情報を取得する。
【0097】
ステップST12では、処理部21によって、センサ11で取得された口腔内のアナログ情報をデジタル情報に変換処理する。実施の形態1では、処理部21は、センサ11で取得した静電容量の情報を周波数に変換する。このように、処理部21は、センサ11で取得した静電容量を示すアナログ情報を、周波数を示すデジタル情報に変換処理する。
【0098】
ステップST13では、温度情報取得部22によって、処理部21の温度情報を取得する。具体的には、ステップST13では、温度情報取得部22は、測定開始時及び測定開始前における処理部21の温度をそれぞれ取得し、測定開始時及び測定開始前における処理部21の温度の平均値を算出する。
【0099】
図11は、温度の取得の一例を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、測定開始時及び測定終了時に温度情報取得部22によって実施される処理を示している。
【0100】
図11に示すように、ステップST13Aでは、温度情報取得部22の温度関連情報取得部によって、処理部21の温度に関連する情報を取得する。実施の形態1では、温度関連情報取得部は、サーミスタである。このため、温度関連情報取得部は、処理部21の温度に関連する情報として、処理部21の電気抵抗の情報を取得する。
【0101】
ステップST13Bでは、温度情報取得部22の温度情報算出部によって、温度関連情報取得部で取得された温度に関連する情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する。実施の形態1では、温度情報算出部は、温度関連情報取得部で取得された処理部21の電気抵抗の情報に基づいて処理部21の温度を算出する。
【0102】
このように、ステップST13A及びST13Bを実施することによって、温度情報取得部22は測定開始時及び測定終了時における処理部21の温度を取得する。
【0103】
ステップST13では、温度情報取得部22は、測定開始時及び測定開始前における処理部21の温度の平均値を、処理部21の温度情報として使用する。
【0104】
ステップST14では、処理部21及び温度情報取得部22によって、デジタル情報に変換処理された処理結果(周波数の情報)と温度情報とを出力する。実施の形態1では、処理部21は、処理結果を算出部31に送信する。温度情報取得部22は、処理部21を介して、温度情報を補正処理部32に送信する。
【0105】
ステップST15では、算出部31によって、処理部21の処理結果に基づいて、水分量を算出する。実施の形態1では、算出部31は、処理部21で変換された周波数に基づいて、周波数の変化量を算出する。また、算出部31は、周波数の変化量に基づいて水分量を算出する。算出部31は、算出した水分量の情報を補正処理部32に送信する。
【0106】
ステップST16では、補正処理部32によって、水分量の情報と温度情報とに基づいて、水分量を補正する。実施の形態1では、補正処理部32によって、温度情報取得部22で取得された処理部21の温度情報に基づいて、算出部31で算出された水分量を補正する。
【0107】
図12は、処理結果の補正の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、ステップST16は、ステップST16A-ST16Bを有する。
【0108】
ステップST16Aでは、補正処理部32によって、処理部21の温度情報と補正係数Kとに基づいて補正量を算出する。例えば、補正処理部32は、以下の式によって補正量を算出する。
【0109】
【0110】
ここで、「Q」は補正量を示し、「K」は補正係数を示し、「T1」は処理部21の温度を示し、「T0」は基準温度を示す。
【0111】
補正係数Kは、測定開始前に予め算出された値であって、補正処理部32の記憶部に格納されている。温度T1は、ステップST13で取得した処理部21の温度情報に基づく。基準温度T0は、基準とする温度であり、任意の値に設定される。基準温度T0は、補正処理部32の記憶部に格納されている。
【0112】
このように、補正処理部32は、記憶部から補正係数Kと基準温度T0を読み出し、処理部21の温度T1と基準温度T0との差に補正係数Kを乗算することによって補正量Qを算出する。
【0113】
なお、上記した補正量の算出式は一例であって、上記の式に限定されない。
【0114】
ステップST16Bでは、補正処理部32によって、補正量Qに基づいて処理部21の処理結果を補正する。例えば、補正処理部32は、以下の式を用いて処理部21の処理結果を補正する。
【0115】
【0116】
ここで、「P」は補正された水分量を示し、「M」は補正前の水分量(測定値)を示し、「Q」は補正量を示す。
【0117】
このように、補正処理部32は、補正前の水分量Mに、補正量Qを加算することによって、水分量を補正する。
【0118】
なお、上記した水分量の補正式は一例であって、上記の式に限定されない。
【0119】
補正処理部32で補正された水分量の情報は、操作表示部33に送信される。
【0120】
図10に戻って、ステップST17では、操作表示部33によって、補正された水分量の情報を表示する。例えば、操作表示部33は、補正された水分量を数値で表示する。あるいは、操作表示部33は、補正された水分量をグラフ又はインジケータで表示する。
【0121】
このように、ステップST11~ST17を実施することによって、水分量を補正して、表示することができる。
【0122】
[口腔内測定装置の使用方法]
口腔内測定装置1Aの使用方法の一例について
図13を用いて説明する。
図13は、本発明に係る実施の形態1の口腔内測定装置1Aを使用している様子の一例を示す模式図である。
【0123】
図13に示すように、口腔内測定装置1Aのセンサ部10及びプローブ部20をフィルム3によって覆う。操作表示部33の電源ボタンを押して、口腔内測定装置1Aの電源をONにする。これにより、口腔内測定装置1Aを測定可能な状態にする。
【0124】
口腔内測定装置1Aを用いて複数回の測定を行う。例えば、口腔内測定装置1Aを用いて3回の測定を行う。
【0125】
各測定においては、センサ部10の下面に設けられたセンサ11をユーザの口腔内に接触させる。例えば、センサ11を、ユーザの舌部に接触させる。センサ11をユーザの舌部に接触させて、測定を開始する。
【0126】
測定が終了すると、例えば、口腔内測定装置1Aが音声情報によってユーザに測定の終了を通知する。
【0127】
上記の測定を3回実施した後、操作表示部33に、測定結果が表示される。
【0128】
[効果]
実施の形態1に係る口腔内測定装置1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
【0129】
口腔内測定装置1Aは、センサ11、処理部21及び温度情報取得部22を備える。センサ11は、口腔内測定装置1Aの長手方向の一端E1に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得する。処理部21は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1において中央部C1よりもセンサ11側に配置される。また、処理部21は、センサ11で取得したアナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換された処理結果を出力する。温度情報取得部22は、処理部21の温度情報を取得し、温度情報を出力する。
【0130】
このような構成により、処理部21の温度情報を取得することができる。また、口腔内測定装置1Aは、処理部21の温度変化による処理結果のばらつきを抑制するために、取得した温度情報を出力することができる。例えば、口腔内測定装置1Aでは、温度情報に基づいて測定結果を補正する補正処理部32に温度情報を出力することができる。これにより、温度情報に基づいて測定結果を補正することができる。
【0131】
また、センサ11で取得したアナログ情報は、ノイズの影響を受けやすい。口腔内測定装置1Aでは、処理部21を口腔内測定装置1Aの長手方向D1において中央部C1よりもセンサ11側に配置することによって、ノイズの発生を抑制することができる。
【0132】
センサ11は口腔内に接触するため、処理部21をセンサ11に近づけて配置するほど、口腔内の熱が処理部21に伝熱しやすくなり、処理部21の温度が変化しやすくなる。口腔内測定装置1Aは、温度情報取得部22によって処理部21の温度情報を取得し、処理結果を補正するための情報を出力することができる。このため、口腔内を精度高く測定することができる。
【0133】
口腔内測定装置1Aは、センサ11、処理部21及び温度情報取得部22を収納する筐体2を備える。筐体2は、センサ部10、プローブ部20及び把持部30を有する。センサ部10は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1の一端E1側に設けられる。プローブ部20は、棒状に形成され、且つセンサ部10と把持部30とを接続する。把持部30は、口腔内測定装置1Aの長手方向D1の他端E2側に設けられる。センサ11は、センサ部10に配置される。処理部21及び温度情報取得部22は、プローブ部20の内部に配置される。このような構成により、センサ11をユーザの口腔内に接触させやすい形状となると共に、処理部21の温度情報を精度高く取得することができる。
【0134】
温度情報取得部22は、処理部21よりも口腔内測定装置1Aの長手方向D1の他端E2側に配置される。このような構成により、センサ11と処理部21との間に、温度情報取得部22を配置することを避けることができ、ノイズの発生を抑制することができる。
【0135】
処理部21及び温度情報取得部22は、伝熱部材として基板23のグランドパターン23aを介して接触している。このような構成により、処理部21と温度情報取得部22との熱的結合を向上させることができる。これにより、温度情報取得部22によって処理部21の温度情報を精度高く取得することができる。
【0136】
口腔内測定装置1Aは、更に、処理部21で出力された処理結果に基づいて水分量を算出する算出部31を備える。このような構成により、処理部21で処理された処理結果に基づいて、口腔内の水分量を算出することができる。
【0137】
口腔内測定装置1Aは、更に、水分量の情報及び温度情報に基づいて、水分量を補正する補正処理部32を備える。このような構成により、補正処理部32によって、処理部21の温度情報に基づいて、水分量を補正することができる。これにより、測定の精度を向上させることができる。
【0138】
なお、実施の形態1では、口腔内測定装置1Aは、センサ11、処理部21、温度情報取得部22、基板23、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33を備える例について説明したが、これ限定されない。口腔内測定装置1Aは、これらの構成要素を1つの装置で実現してもよいし、複数の装置で実現してもよい。例えば、処理部21と温度情報取得部22とが一体で形成されていてもよい。センサ11と処理部21とが一体で形成されていてもよい。算出部31と補正処理部32とが一体で形成されていてもよい。
【0139】
実施の形態1では、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33が口腔内測定装置1Aに設けられる例について説明したが、これに限定されない。算出部31、補正処理部32及び操作表示部33は、口腔内測定装置1Aに設けられていなくてもよい。例えば、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33は、口腔内測定装置1Aとは別の処理装置に設けられていてもよい。
【0140】
実施の形態1では、口腔内測定装置1Aの測定対象物が水分であり、口腔内測定装置1Aが口腔内の水分量を測定する例について説明したが、これに限定されない。口腔内測定装置1Aは口腔内の状態を測定できればよい。例えば、口腔内測定装置1Aは、唾液の分泌量、咬合力、舌圧力、舌の色調及び/又は唾液中に含まれる各種物質の量を測定してもよい。具体的には、口腔内測定装置1Aは、測定対象物として、分泌される電解質の量、各種酵素、たんぱく質、アンモニアなどを測定してもよい。この場合、算出部31は、これらの測定対象物の量を算出してもよい。
【0141】
実施の形態1では、筐体2がセンサ部10、プローブ部20及び把持部30を備える例について説明したが、これに限定されない。筐体2は、長手方向を有していればよい。
【0142】
実施の形態1では、センサ11が静電容量センサである例について説明したが、これに限定されない。センサ11は口腔内のアナログ情報を取得できるセンサであればよい。例えば、センサ11は、インピーダンス測定センサ、光センサ、荷重センサ、及び湿度センサのうちの少なくともいずれか1つであってもよい。
【0143】
実施の形態1では、処理部21は、静電容量を周波数に変換処理する例について説明したが、これに限定されない。処理部21は、センサ11で取得したアナログ情報をデジタル情報に変換する回路を有していればよい。また、処理部21は、他の処理回路を有していてもよい。
【0144】
実施の形態1では、算出部31が把持部30の内部に配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、算出部31は、プローブ部20の内部に配置されていてもよい。この場合、算出部31は処理部21と一体で形成されていてもよい。例えば、処理部21が静電容量の情報を周波数に変換する周波数変換回路と、周波数の変化量に基づいて水分量を算出する水分量算出回路と、を有していてもよい。
【0145】
実施の形態1では、温度情報取得部22が温度関連情報取得部と温度情報算出部とを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、温度情報取得部22は、温度情報算出部を備えていなくてもよい。この場合、温度情報算出部は、処理部21に設けられていてもよい。あるいは、温度情報算出部は、算出部31又は補正処理部32に設けられていてもよい。
【0146】
実施の形態1では、温度関連情報取得部がサーミスタである例について説明したが、これに限定されない。温度関連情報取得部は、処理部21の温度情報を算出できる温度関連情報を取得できればよい。例えば、温度関連情報取得部は、赤外線センサであってもよい。
【0147】
実施の形態1では、温度情報取得部22が温度関連情報に基づいて処理部21の温度情報を算出する例について説明したが、これに限定されない。温度情報取得部22は、処理部21の温度情報を取得できればよく、温度関連情報を取得することは必須ではない。
【0148】
実施の形態1では、温度情報取得部22が測定開始時及び測定終了時における処理部21の温度情報を取得する例について説明したが、これに限定されない。温度情報取得部22は、測定を行う際に複数の温度情報を取得できればよい。例えば、温度情報取得部22は、測定前、測定中及び/又は測定後の処理部21の温度情報を取得してもよい。
【0149】
実施の形態1では、処理部21及び温度情報取得部22は、基板23に搭載される例について説明したが、これに限定されない。基板23は必須の構成ではない。
【0150】
実施の形態1では、基板23のグランドパターン23aが、処理部21と温度情報取得部22とを接続する伝熱部材として使用される例について説明したが、これに限定されない。処理部21及び温度情報取得部22は、伝熱部材を介して接触していればよい。例えば、伝熱部材として、基板23とは別の部材を使用してもよい。あるいは、基板23においては、グランドパターン23a以外の部分を伝熱部材として使用してもよい。
【0151】
実施の形態1では、補正係数Kが口腔内測定装置1Aの製造時に算出される例について説明したが、これに限定されない。例えば、補正係数Kは測定が行われる前に算出されればよい。
【0152】
実施の形態1では、補正処理部32が補正係数Kを用いて補正量を算出する例について説明したが、これに限定されない。補正処理部32は、処理部21の温度情報に基づいて補正量を算出できればよい。例えば、補正処理部32は、処理部21の温度と補正量との関係を示すテーブルを用いて補正量を算出してもよい。
【0153】
実施の形態1では、口腔内測定装置1Aの使用方法として、複数回の測定を行う例について説明したが、これに限定されない。口腔内測定装置1Aの使用方法として、1回の測定を行ってもよい。
【0154】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る口腔内測定装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0155】
実施の形態2の口腔内測定装置の一例について、
図14を用いて説明する。
図14は、本発明に係る実施の形態2の口腔内測定装置1Bの一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
【0156】
実施の形態2では、基板23を備えず、別の伝熱部材24を備えている点で、実施の形態1と異なる。
【0157】
図14に示すように、口腔内測定装置1Bは、処理部21と温度情報取得部22とを接続する伝熱部材24を備える。伝熱部材24は、熱伝導性の高い材料で形成されている。例えば、伝熱部材24は、金属部材、シリコーン又はカーボン等で形成される。金属部材としては、例えば、アルミニウムなどの部材を用いることができる。
【0158】
伝熱部材24は、ブロック状に形成されている。また、伝熱部材24は、処理部21及び温度情報取得部22の少なくとも一部を覆っている。言い換えると、処理部21及び温度情報取得部22の少なくとも一部は、伝熱部材24に埋没されている。実施の形態2では、処理部21は下面を除いて伝熱部材24に埋没されている。温度情報取得部22は、上面を除いて伝熱部材24に埋没されている。
【0159】
[効果]
実施の形態2に係る口腔内測定装置1Bによれば、以下の効果を奏することができる。
【0160】
口腔内測定装置1Bは、処理部21と温度情報取得部22とを接続する伝熱部材24を備える。伝熱部材24は、金属、シリコーン又はカーボン等で形成される。このような構成により、処理部21と温度情報取得部22との熱的結合を向上させることができる。
【0161】
処理部21及び温度情報取得部22の少なくとも一部は、伝熱部材24に埋没されている。言い換えると、伝熱部材24は、処理部21及び温度情報取得部22の少なくとも一部を覆っている。このような構成により、処理部21及び温度情報取得部22と伝熱部材24との接触面積を大きくすることができるため、処理部21の熱が温度情報取得部22により伝熱しやすくなる。これにより、温度情報取得部22は、処理部21の温度情報をより精度高く取得することができる。
【0162】
なお、実施の形態2では、伝熱部材24がブロック状に形成される例について説明したが、これに限定されない。伝熱部材24は、処理部21と温度情報取得部22とを接続可能な形状を有していればよい。
【0163】
実施の形態2では、処理部21が下面を除いて伝熱部材24に埋没され、温度情報取得部22が上面を除いて伝熱部材24に埋没されている例について説明したが、これに限定されない。処理部21及び温度情報取得部22は、伝熱部材24に接触していればよい。例えば、処理部21及び温度情報取得部22の全体が伝熱部材24に埋没されていてもよい。あるいは、処理部21及び温度情報取得部22の少なくとも一部が、伝熱部材24に配置されていてもよい。
【0164】
実施の形態2では、口腔内測定装置1Bが処理部21及び温度情報取得部22を搭載する基板を備えない例について説明したが、これに限定されない。口腔内測定装置1Bは処理部21及び温度情報取得部22を搭載する基板を備えていてもよい。
【0165】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る口腔内測定装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0166】
実施の形態3の口腔内測定装置の一例について、
図15を用いて説明する。
図15は、本発明に係る実施の形態3の口腔内測定装置1Cの一部の内部構成を拡大して示す概略拡大図である。
【0167】
実施の形態3では、処理部21及び温度情報取得部22が熱伝導樹脂部材25でモールドされている点で、実施の形態1と異なる。
【0168】
図15に示すように、口腔内測定装置1Cにおいては、処理部21及び温度情報取得部22が熱伝導樹脂部材25でモールドされている。熱伝導樹脂部材25は、例えば、PC,PBT、エポキシ樹脂又はシリコーンなどの樹脂材料で形成されている。
【0169】
[効果]
実施の形態3に係る口腔内測定装置1Cによれば、以下の効果を奏することができる。
【0170】
口腔内測定装置1Cにおいては、処理部21及び温度情報取得部22が熱伝導樹脂部材25でモールドされている。このような構成により、処理部21と温度情報取得部22との熱的結合を向上させることができる。また、処理部21と温度情報取得部22とを熱伝導樹脂部材25によって保護することができる。例えば、口腔内測定装置1Cに外的付加が加わっても、熱伝導樹脂部材25によって保護され、処理部21及び温度情報取得部22が破損することを抑制することができる。
【0171】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る口腔内測定システムについて説明する。なお、実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0172】
実施の形態4の口腔内測定システムの一例について、
図16を用いて説明する。
図16は、本発明に係る実施の形態4の口腔内測定システム50の一例の概略構成を示すブロック図である。
【0173】
実施の形態4では、口腔内測定装置1Dで取得した情報を処理装置40に送信し、処理装置40で水分量を算出する点で、実施の形態1と異なる。
【0174】
図16に示すように、口腔内測定システム50は、口腔内測定装置1Dと、処理装置40と、を備える。
【0175】
<口腔内測定装置>
口腔内測定装置1Dは、センサ11、処理部21、温度情報取得部22及び第1通信部34を備える。実施の形態4では、センサ11、処理部21及び温度情報取得部22については、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0176】
第1通信部34は、処理装置40と通信する。具体的には、第1通信部34は、処理部21の処理結果と、温度情報とを処理装置40に送信する。
【0177】
第1通信部34は、所定の通信規格に準拠して処理装置40との通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)を含む。
【0178】
口腔内測定装置1Dでは、処理部21は、センサ11で取得したアナログ情報をデジタル情報に変換処理する。処理部21は、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する。実施の形態4では、処理部21は、センサ11で取得した静電容量を周波数に辺処理する。処理部21は、デジタル情報に変換処理された処理結果として周波数の情報を、第1通信部34を介して処理装置40に送信する。
【0179】
温度情報取得部22は、処理部21の温度情報を取得し、温度情報を出力する。実施の形態4では、温度情報取得部22は、温度情報を、処理部21及び第1通信部34を介して処理装置40に送信する。
【0180】
口腔内測定装置1Dは、口腔内測定装置1Dを構成する構成要素を統括的に制御する第1制御部を備える。第1制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、第1制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態4では、第1制御部は、センサ11、処理部21、温度情報取得部22及び第1通信部34を制御する。
【0181】
<処理装置>
処理装置40は、口腔内測定装置1Dからの情報を受信し、受信した情報に基づいて水分量を算出する。具体的には、処理装置40は、処理部21で変換された周波数の情報に基づいて、水分量を算出する。また、処理装置40は、算出した水分量と、処理部21の温度情報とに基づいて、水分量を補正する。処理装置40は、コンピュータである。例えば、処理装置40は、スマートフォン又はタブレット端末などの携帯型の端末であってもよい。あるいは、処理装置40は、ネットワークに接続されたサーバであってもよい。
【0182】
処理装置40は、第2通信部41、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33を備える。実施の形態4では、算出部31、補正処理部32及び操作表示部33については、操作表示部33の操作を除いて、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、実施の形態4では、処理装置40において操作表示部33は必須の構成ではない。
【0183】
第2通信部41は、口腔内測定装置1Dと通信する。具体的には、第2通信部41は、口腔内測定装置1Dの第1通信部34から処理結果及び温度情報を受信する。
【0184】
第2通信部41は、所定の通信規格に準拠して口腔内測定装置1Dとの通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)を含む。
【0185】
処理装置40は、第2通信部41を介して、口腔内測定装置1Dから処理結果と温度情報とを受信する。実施の形態4では、処理装置40は、周波数を示すデジタル情報と温度情報とを第2通信部41を介して口腔内測定装置1Dから受信する。
【0186】
処理装置40において、算出部31は、周波数の情報に基づいて水分量を算出する。算出された水分量の情報は、補正処理部32に送信される。補正処理部32は、水分量の情報及び処理部21の温度情報に基づいて、水分量を補正する。補正された水分量の情報は、操作表示部33に送信される。操作表示部33は、補正された水分量の情報を表示する。
【0187】
処理装置40は、処理装置40を構成する構成要素を統括的に制御する第2制御部を備える。第2制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、第2制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態4では、第2制御部は、算出部31、補正処理部32、操作表示部33及び第2通信部41を制御する。
【0188】
[効果]
実施の形態4に係る口腔内測定システム50によれば、以下の効果を奏することができる。
【0189】
口腔内測定システム50は、長手方向D1を有する口腔内測定装置1Dと、口腔内測定装置1Dと通信する処理装置40と、を備える。口腔内測定装置1Dは、センサ11、処理部21、温度情報取得部22及び第1通信部34を有する。センサ11は、口腔内測定装置1Dの長手方向D1の一端E1に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得する。処理部21は、口腔内測定装置1Dの長手方向D1において中央部C1よりもセンサ11側に配置されている。処理部21は、センサ11で取得したアナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換された処理結果を出力する。温度情報取得部22は、処理部21の温度情報を取得し、温度情報を出力する。第1通信部34は、処理結果及び温度情報を処理装置40に送信する。処理装置40は、第2通信部41、算出部31及び補正処理部32を備える。第2通信部41は、口腔内測定装置1Dの第1通信部34から処理結果及び温度情報を受信する。算出部31は、処理結果に基づいて水分量を算出する。補正処理部32は、水分量の情報及び温度情報に基づいて、水分量を補正する。
【0190】
このような構成により、口腔内測定装置1Dで取得した情報に基づいて、処理装置40で水分量を算出すると共に水分量を補正することができる。具体的には、処理部21の温度情報に基づいて、算出された水分量を補正することができる。
【0191】
なお、実施の形態4では、処理装置40が操作表示部33を備える例について説明したが、これに限定されない。処理装置40において、操作表示部33は必須の構成ではない。例えば、操作表示部33は口腔内測定装置1Dに設けられていてもよい。あるいは、操作表示部33は別の外部機器に設けられていてもよい。
【0192】
実施の形態4では、口腔内測定システム50は、水分を測定対象物としている例について説明したが、これに限定されない。口腔内測定システム50は、口腔内の測定対象物の量を測定できればよい。
【0193】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の口腔内測定装置及び口腔内測定システムは、例えば、口腔内の水分量を測定する水分量測定装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0195】
1A,1B,1C,1D 口腔内測定装置
2 筐体
10 センサ部
11 センサ
20 プローブ部
21 処理部
22 温度情報取得部
23 基板
23a グランドパターン
24 伝熱部材
25 熱伝導樹脂部材
30 把持部
31 算出部
32 補正処理部
33 操作表示部
34 第1通信部
40 処理装置
41 第2通信部
50 口腔内測定システム
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と、前記長手方向と直交する高さ方向とを有する口腔内測定装置であって、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、前記デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
前記センサ、前記処理部及び前記温度情報取得部を収納する筐体と、
前記筐体内に配置され、前記処理部が実装される実装面を有する基板と、
を備え、
前記温度情報取得部は、前記処理部よりも前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に配置され、
前記筐体は、前記口腔内測定装置の前記長手方向の前記一端側に設けられ、前記センサが配置される下面を有するセンサ部を含み、
前記センサ部の前記下面と前記基板の前記実装面は、前記口腔内測定装置の前記高さ方向に直交し、且つ前記長手方向に沿う方向に延在する、口腔内測定装置。
【請求項2】
前記筐体は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に設けられる把持部と、
棒状に形成され、且つ前記センサ部と前記把持部とを接続するプローブ部と、
を有し、
前記処理部及び前記温度情報取得部は、前記プローブ部の内部に配置される、
請求項1に記載の口腔内測定装置。
【請求項3】
前記温度情報取得部は、前記センサと前記処理部との間に配置されない、
請求項1又は2に記載の口腔内測定装置。
【請求項4】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、伝熱部材を介して接触している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項5】
前記伝熱部材は、前記基板、金属部材、シリコーン及びカーボンのうちのいずれかである、
請求項4に記載の口腔内測定装置。
【請求項6】
前記伝熱部材は、前記基板のグランドパターンである、
請求項5に記載の口腔内測定装置。
【請求項7】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、熱伝導樹脂部材によってモールドされている、
請求項1又は2に記載の口腔内測定装置。
【請求項8】
前記処理部及び前記温度情報取得部は、熱伝導樹脂部材によってモールドされており、
前記熱伝導樹脂部材は、前記筐体と接触している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項9】
更に、
前記処理部で出力された前記処理結果に基づいて口腔内の測定対象物の量を算出する算出部を備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項10】
更に、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部を備える、
請求項9に記載の口腔内測定装置。
【請求項11】
前記温度情報取得部は、前記処理部を介さずに前記補正処理部に温度情報を送信する、
請求項10に記載の口腔内測定装置。
【請求項12】
前記測定対象物の量は、水分量である、
請求項9~11のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項13】
前記センサ部の前記下面と前記基板の前記実装面とは、異なる平面上に配置されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載の口腔内測定装置。
【請求項14】
前記口腔内測定装置の前記高さ方向において、前記センサと前記基板とは、重ならない位置に配置されている、
請求項13に記載の口腔内測定装置。
【請求項15】
長手方向と、前記長手方向と直交する高さ方向とを有する口腔内測定装置と、
前記口腔内測定装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記口腔内測定装置は、
前記口腔内測定装置の前記長手方向の一端に設けられ、且つ口腔内のアナログ情報を取得するセンサと、
前記口腔内測定装置の前記長手方向において中央部よりも前記センサ側に配置され、且つ前記センサで取得した前記アナログ情報をデジタル情報に変換処理し、デジタル情報に変換処理された処理結果を出力する処理部と、
前記処理部の温度情報を取得し、前記温度情報を出力する温度情報取得部と、
前記センサ、前記処理部及び前記温度情報取得部を収納する筐体と、
前記筐体内に配置され、前記処理部が実装される実装面を有する基板と、
前記処理結果及び前記温度情報を前記処理装置に送信する第1通信部と、
を有し、
前記温度情報取得部は、前記処理部よりも前記口腔内測定装置の前記長手方向の他端側に配置され、
前記筐体は、前記口腔内測定装置の前記長手方向の前記一端側に設けられ、前記センサが配置される下面を有するセンサ部を含み、
前記センサ部の前記下面と前記基板の前記実装面は、前記口腔内測定装置の前記高さ方向に直交し、且つ前記長手方向に沿う方向に延在し、
前記処理装置は、
前記口腔内測定装置の前記第1通信部から前記処理結果及び前記温度情報を受信する第2通信部と、
前記処理結果に基づいて測定対象物の量を算出する算出部と、
前記測定対象物の量の情報及び前記温度情報に基づいて、前記測定対象物の量を補正する補正処理部と、
を有する、口腔内測定システム。