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特開2022-188212調整可能な静止面角度を備えたゴルフクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188212
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】調整可能な静止面角度を備えたゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/06 20150101AFI20221213BHJP
   A63B 60/04 20150101ALI20221213BHJP
   A63B 60/42 20150101ALI20221213BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20221213BHJP
【FI】
A63B53/06 B
A63B60/04
A63B60/42
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161503
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2019559712の分割
【原出願日】2018-05-07
(31)【優先権主張番号】62/501,873
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/506,387
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/658,437
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ケー. リー
(72)【発明者】
【氏名】ショジェン チン
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ディ. ミレマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クラブ本体と静止面角度調整器とを含むゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10は、クラブ本体と静止面角度調整器200とを含む。前記クラブ本体は、ソール30の反対側のクラウン、ヒール端22の反対側のトウ端、フェース34の反対側の後端42及びホーゼル50を有する。前記ソールがソール面74を含む。前記静止面角度調整器は、キール面を有する調整部材236と、前記ソール面の一部が少なくとも部分的に境界付けるようにソールに形成されたリセス104を含む。前記調整部材は、前記リセス内に設けられており、第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である。前記第1の調整位置では、前記キール面が前記ソール面の一部に対して第1の距離にある。前記第2の調整位置では、前記キール面が前記ソール面の前記一部に対して前記方向において前記第1の距離とは等しくない第2の距離にある。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有するクラブ本体であって、前記ソールがソール面を含む、クラブ本体と、
前記ソールに形成されるとともにリセス縁を画定するリセス内に配置可能な調整部材を含む静止面角度調整器であって、キール面を有する前記調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、静止面角度調整器と、を備えており、
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面の一部が前記ソール縁の一部から第1の距離にあり、前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記キール面の前記一部が前記ソール縁の一部から前記第1の距離よりも大きい第2の距離にあるように、前記調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面の前記一部が前記リセス内に位置する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記調整部材は、前記第1及び前記第2の調整位置の間でピボット軸周りに旋回可能である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記調整部材は第1の端と第2の端を含み、前記キール面は前記第1の端と前記第2の端の間を延びており、
前記調整器は、
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記第1の端の近傍の前記キール面の一部が前記リセスの外に突出し、前記第2の端の近傍の前記キール面の一部が前記リセス内に位置し、
前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記第1の端の近傍の前記キール面の前記一部が前記リセス内に位置し、前記第2の端の近傍の前記キール面の前記一部が前記リセスの外に突出するように、構成されている、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記調整部材はさらに第3の調整位置に配置可能であり、前記調整部材が前記第3の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部と概ね同一平面となるように、前記調整器が構成されている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記調整部材は、前記キール面の反対側の底面を含み、
前記調整器は、前記リセスの近傍のねじ穴と、前記ねじ穴に選択的に受け入れ可能な調整ねじと、を含み、前記調整ねじは前記底面と選択的に係合可能な先端部分を有しており、
前記調整ねじは、前記調整部材を前記第1及び第2の調整位置の間で再配置させるように旋回可能である、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記調整部材はさらに、前記第1の調整位置と前記第2の調整位置のいずれか一方に向けて前記調整部材を付勢するばねを含む、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
ゴルフクラブヘッドであって、
ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有するクラブ本体であって、前記ソールがソール面を含む、クラブ本体と、
前記ソールに形成されているリセス内に配置可能な調整部材を含む静止面角度調整器であって、キール面を有する前記調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、静止面角度調整器と、を備えており、
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらし、前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の前記第1の位置とは異なる第2の位置でキールポイントをもたらすように、前記静止面角度調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記調整部材は完全に前記リセス内にある、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記第2の位置は、前記第1の位置よりも前記フェースに近い、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第1の位置は、前記第2の位置よりも前記フェースに近い、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記調整部材は、前記第1及び第2の調整位置の間でピボット軸周りに旋回可能である、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記調整部材は、貫通スロットを含み、
前記調整器は、前記調整部材を前記第1の調整位置と前記第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具を含み、
前記貫通スロット内において前記留め具が前記調整部材に対して移動可能となるように、前記調整器が構成されている、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記調整部材は、前記リセス内において前記第1及び前記第2の調整位置の間で前記クラブ本体に対してスライド可能である、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記リセスは、内面に形成されたチャネルを含み、
前記調整部材は、前記チャネルに係合して前記調整部材を前記第1の調整位置と前記第2の調整位置のいずれか一方に選択的に固定するように構成されている突起を含む、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
ゴルフクラブヘッドであって、
ソール面を有するソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端、ホーゼル及びクラブ本体にクラブシャフトを固定するための留め具を受け入れるように構成されているホーゼル面を有するホーゼルリセスを有するクラブ本体であって、前記ホーゼルリセスがリセス縁を画定し、前記ソール面の一部が前記リセス縁を境界付ける、クラブ本体と、
前記ホーゼルリセス内に設けられている調整部材を含む静止面角度調整器であって、前記調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、静止面角度調整器と、を備えており、
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部に対して前記ソール面の前記一部に直交する方向において第1の距離にあり、前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部に対して前記方向において前記第1の距離とは等しくない第2の距離にあるように、前記調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらし、前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の前記第1の位置とは異なる第2の位置でキールポイントをもたらすように、前記静止面角度調整器が構成されている、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記調整部材はさらに、前記第1の調整位置と前記第2の調整位置の間の複数の中間調整位置に配置可能である、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記調整部材は、貫通スロットを含み、
前記調整器は、前記調整部材を前記第1の調整位置と前記第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具を含み、
前記貫通スロット内において前記留め具が前記調整部材に対して移動可能となるように、前記調整器が構成されている、請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記調整部材は、前記ホーゼルリセス内において前記第1及び前記第2の調整位置の間で前記クラブ本体に対してスライド可能である、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年5月5日に出願された同時継続中の米国特許仮出願第62/501,873号、2017年5月15日に出願された同時継続中の米国特許仮出願第62/506,387号、2018年4月16日に出願された同時継続中の米国仮特許出願第62/658,437号に対する優先権を主張する。これらの全ての内容は、その全体が組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブの様々な特性は、重心の位置及び静止面角度を含むゴルフクラブのパフォーマンスに影響を与え得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、一態様において、クラブ本体と静止面角度調整器とを含むゴルフクラブヘッドを提供する。前記クラブ本体は、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有する。前記ソールがソール面を含む。前記静止面角度調整器は、キール面を有する調整部材と、前記ソール面の一部が少なくとも部分的に境界付けるようにソールに形成されたリセスを含む。前記調整部材は、前記リセス内に設けられており、第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である。前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部に対して前記ソール面の前記一部に直交する方向において第1の距離にある。前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の前記一部に対して前記方向において前記第1の距離とは等しくない第2の距離にある。
【0004】
本開示は、他の一態様において、クラブ本体と静止面角度調整器とを含むゴルフクラブヘッドを提供する。前記クラブ本体は、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有する。前記ソールがソール面を含む。前記静止面角度調整器は、前記ソールに形成されるとともにリセス縁を画定するリセス内に配置可能な調整部材を含む。前記調整部材は、キール面を有しており、第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である。前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面の一部が前記リセス縁の一部から第1の距離にある。前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記キール面の前記一部が前記リセス縁の一部から前記第1の距離よりも大きい第2の距離にある。
【0005】
本開示は、他の一態様において、クラブ本体と静止面角度調整器とを含むゴルフクラブヘッドを提供する。前記クラブ本体は、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有する。前記ソールがソール面を含む。前記静止面角度調整器は、前記ソールに形成されているリセス内に配置可能な調整部材を含む。前記調整部材は、第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能なキール面を有している。前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに前記調整部材が前記クラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらすように、前記静止面角度調整器が構成されている。前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに前記調整部材は前記クラブ本体の第2の位置でキールポイントをもたらす。
【0006】
本開示は、他の一態様において、クラブ本体と静止面角度調整器とを含むゴルフクラブヘッドを提供する。前記クラブ本体は、ソール面を有するソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端、ホーゼル及びクラブ本体にクラブシャフトを固定するための留め具を受け入れるように構成されているホーゼル面を有するホーゼルリセスを有する。前記ホーゼルリセスがリセス縁を画定する。前記ソール面の一部が前記リセス縁を境界付ける。前記静止面角度調整器は、前記ホーゼルリセス内に設けられている調整部材を含み、前記調整部材がキール面を有する。前記調整部材は、第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である。前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部に対して前記ソール面の前記一部に直交する方向において第1の距離となるように、前記調整器が構成されている。前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記キール面が前記ソール面の一部に対して前記方向において前記第1の距離とは等しくない第2の距離にある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書に開示されるような静止面角度調整器の1つ又は複数の実施形態を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0008】
図2図1のゴルフクラブヘッドの正面図であり、フェースプレートを示す図である。
【0009】
図3A図1のゴルフクラブヘッドの上面(又はクラウン)図である。
【0010】
図3B図3Aの3B-3B線に沿った図1のゴルフクラブヘッドの側断面図である。
【0011】
図4】調整部材を含む図1のゴルフクラブヘッドの他の斜視図である。
【0012】
図5図4のゴルフクラブヘッドの一部の分解斜視図である。
【0013】
図6図1のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0014】
図7図1のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0015】
図8図6の8-8線に沿った図1のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0016】
図9図7の9-9線に沿った図1のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0017】
図10】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0018】
図11図10のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0019】
図12図10のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0020】
図13図10のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0021】
図14図10のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第3の位置にある調整部材を示す図である。
【0022】
図15図12の15-15線に沿った図10のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0023】
図16図13の16-16線に沿った図10のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0024】
図17図14の17-17線に沿った図10のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0025】
図18】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0026】
図19図18のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0027】
図20図18のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0028】
図21図18のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0029】
図22図20の22-22線に沿った図18のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0030】
図23図21の23-23線に沿った図18のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0031】
図24】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0032】
図25図24のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0033】
図26図24のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0034】
図27図24のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0035】
図28図26の28-28線に沿った図24のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0036】
図29図27の29-29線に沿った図24のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0037】
図30】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0038】
図31図30のゴルフクラブヘッドの一部の分解斜視図である。
【0039】
図32図30のゴルフクラブヘッドの一部の他の分解斜視図である。
【0040】
図33図32の33-33線に沿った図30のゴルフクラブヘッドの一部の断面図であり、L字形スロットを有するキャビティを示す図である。
【0041】
図34図30の34-34線に沿った図30のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0042】
図35図30のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0043】
図36図30のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0044】
図37図30のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第3の位置にある調整部材を示す図である。
【0045】
図38】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0046】
図39図38のゴルフクラブヘッドの一部の分解斜視図である。
【0047】
図40図38のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0048】
図41図38のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0049】
図42図40の42-42線に沿った図38のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0050】
図43図41の43-43線に沿った図38のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【0051】
図44】本開示の他の実施形態による静止面角度調整器を含むゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【0052】
図45図44のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【0053】
図46図44のゴルフクラブヘッドの一部の斜視図であり、第1の位置にある調整部材を示す図である。
【0054】
図47図44のゴルフクラブヘッドの一部の他の斜視図であり、第2の位置にある調整部材を示す図である。
【0055】
図48図46の48-48線に沿った図44のゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0056】
図49図47の49-49線に沿った図44のゴルフクラブヘッドの一部の他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本明細書に記載されているのは、ユーザーがゴルフクラブヘッドの静止面角度を調整できるようにする多成分静止面角度調整器を有するゴルフクラブヘッドである。クラブヘッドは概して、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端、ホーゼル及びクラブ本体に形成されたリセスを有するクラブヘッド本体を含む。調整器は、リセスによって全体的又は部分的に受けられるとともにクラブヘッド本体に選択的に固定されるように構成された調整部材を含む。多くの実施形態では、本明細書に記載の調整部材は、クラブヘッドの外部輪郭から突出するか又はクラブヘッドの外部輪郭から最小限に挿入あるいは凹まされる。調整部材は、クラブヘッドのソールの外部輪郭に向かって又は離れるように、リセスに対してスライドまたは旋回するように構成される。調整部材はさらに、フェースに向かって又は離れるように、及び/又は、トウ端に向かって又は離れるように、リセスに対してスライドまたは旋回するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、調整器用の上記リセスは、クラブシャフト留め具へのアクセスを提供するためにクラブヘッドに形成されたホーゼルリセスであり、調整部材は、ホーゼルリセスの表面に取り付けられた調節可能なブラケットを含む。
【0058】
本明細書に記載のゴルフクラブの「静止面角度」(RFA)という用語は、アドレス(即ち、スイング前)のときにクラブフェースとゴルフボールの間、より具体的には、アドレスのときにクラブフェースとプレーヤーの意図したターゲットラインに沿ってゴルフボールから伸びる仮想線の間で形成される角度を指す。クラブフェースがターゲットラインに対してスクエア(又は、ほぼ垂直)である場合、RFAはニュートラルポジションにあることを理解されたい。クラブヘッドがシャフトの周りを回転し、トウ端がターゲットラインに対してボールから離れるように動くとき、RFAはオープンポジションにある。クラブヘッドがシャフトの周りを回転し、トウ端がターゲットラインに対してボールに向かって移動するとき、RFAはクローズポジションにある。ゴルフクラブヘッドのRFAは、プレーヤーがゴルフボールをフックしたりスライスしたりする傾向を偏らせるか、促進する可能性がある。クローズポジションは、ゴルフボールの軌道を左にフックさせるように右利きのプレーヤーに影響する。オープンポジションは、ゴルフボールの弾道を右にスライスさせるように右利きのプレーヤーに影響する。
【0059】
ゴルフクラブのRFAは、一般的にキールポイントと呼ばれる、アドレスしたときにクラブが地面に対して自然に置かれるソール上の位置と、クラブの重心(CG)との関係によって決まる。いくつかの実施形態では、1つのキールポイントだけが存在する。そのような実施形態では、キールポイントはゴルフクラブヘッドのCGと整列し、地面に垂直な仮想軸がキールポイントとクラブのCGの両方を通過できるようにする。他の実施形態では、2つのキールポイントが存在する。そのような実施形態では、第1のキールポイントは、CGに対してソールの第1の側に位置し、第2のキールポイントは、第1の側の反対であってCGに対してソールの第2の側に位置する。
【0060】
キールポイントの高さは、例えば、ソールの隣接表面部に直交して測定された、ソールまたはソール特徴の周囲の自然な湾曲に対してキールポイントが外側に突出する距離である。キールポイントの高さが大きいほど、ポイントはソールの残りの部分からより突出している。CGの前方(即ち、フェースに近い)にある第1キールポイントと、CGの後方(即ち、後端に近い)にある第2キールポイントと、を持つ実施形態では、第1キールポイント又は第2キールポイントのソールに対する高さまたは位置の変更は、クラブヘッドのRFAに影響する。例えば、第2キールポイントの高さを維持しながら第1キールポイントの高さを増やすと、RFAが開く傾向にあり、アドレスしたときにゴルフクラブヘッドがよりオープンポジションとなる。同様に、第1キールポイントの高さを維持しながら第2キールポイントの高さを下げると、RFAが開く傾向にあり、アドレスしたときにゴルフクラブヘッドがよりオープンポジションとなる。逆に、第2キールポイントの高さを維持しながら第1キールポイントの高さを下げると、RFAが閉じる傾向にあり、アドレスしたときにゴルフクラブヘッドがよりクローズポジションとなる。同様に、第1キールポイントの高さを維持しながら第2キールポイントの高さを上げると、RFAが閉じる傾向にあり、アドレスしたときにゴルフクラブヘッドがよりクローズポジションとなる。
【0061】
他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付図面を検討すれば明らかになろう。本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載の、または添付図面に示される構成要素の構成および配置の細部に限定されないことが理解されたい。本開示は、他の実施形態をサポートすることができ、かつ様々な方法で実施または実行することができる。特定の実施形態の記述は、本開示が、本開示の趣旨および範囲に含まれるすべての変更形態、均等な形態、および代替形態を含むことを制限するように意図するものではないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用される表現法および専門用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。
【0062】
論議および理解を容易にするために、また単に説明の目的で、以下の詳細な記述では、ゴルフクラブヘッド10をウッド、より詳細にはドライバー(図1-49)として説明する。本明細書で開示されるように、静止面角度調整器100(図1-9)、200(図10-17)、300(図18-23)、400(図24-29)、500(図30-37)、600(図38-43)、700(図44-49)の1つまたは複数の実施形態を説明するために、ドライバーが提供されることを理解されたい。開示される調整器100、200、300、400、500、600、700は、1つまたは複数の調整部材がゴルフクラブヘッド10に調整可能に配置される、ウッド、ハイブリッド、アイアン、パター、又は、他のゴルフクラブを含む任意の望ましいゴルフクラブヘッド10で使用することができる。例えば、クラブヘッド10は、これだけに限らないが、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、1番アイアン、2番アイアン、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、ピッチングウェッジ、ギャップウェッジ、ユーティリティウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジ、および/またはパターを含むことができる。加えて、ゴルフクラブヘッド10は、約3度から約65度(3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、35、35.5、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44、44.5、45、45.5、46、46.5、47、47.5、48、48.5、49、49.5、50、50.5、51、51.5、52、52.5、53、53.5、54、54.5、55、55.5、56、56.5、57、57.5、58、58.5、59、59.5、60、60.5、61.61.5、62、62.5、63、63.5、64、64.5、および/または65度に限らないが、これらを含む)の範囲とすることのできるロフトを有することができる。
【0063】
ゴルフクラブヘッド10は、ヒール端22(又は、ヒール22)の反対側のトウ端18(又は、トウ18)を有するクラブ本体14(又は、は本体14)を含む。本体14はまた、ソール30(又は、ボトム30)の反対側にクラウン26(又は、トップ26)を含む。本体14は、打撃面38を画定するフェースプレート34(又は、打撃プレート34あるいはクラブフェース34)を担持する。フェースプレート34は、後端42(又は、後方端42、後方部、あるいは、後部)(図1図3Aを参照)の反対側に位置する。複数の溝46(図1参照)がフェースプレート34に位置することができる。ゴルフクラブヘッド10はまた、ホーゼル50の中心を通って延びるホーゼル軸54(図1参照)を有するホーゼル50を含む。ホーゼル50は、グリップ(図示せず)を担持するゴルフクラブシャフト(図示せず)を受け入れるように構成されている。
【0064】
クラブヘッド10の打撃フェース34は、幾何学的中心140を規定する。いくつかの実施形態では、幾何学的中心140は、打撃フェース周囲の幾何学的中心点、およびフェース高さの中点に配置することができる。同じまたは他の例では、幾何学的中心140は、打撃フェース上の溝の領域によって画定することができる設計された衝撃ゾーンに関する中心に置くこともできる。別のアプローチとして、打撃フェースの幾何学的中心は、米国ゴルフ協会(USGA)のようなゴルフ統治体の定義に従って配置することができる。例えば、打撃フェース34の幾何学的中心140は、ゴルフクラブヘッドの柔軟性を測定するためのUSGAの手順の第6.1項(USGA-TPX3004,Rev.1.0.0, May 1, 2008)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/)(「柔軟性の手順」)に従って決定され得る。
【0065】
ここで、図2図3A及び図3Bを参照すると、ゴルフクラブヘッド10は、x軸62、y軸66、およびz軸70を含む座標系の原点を規定する重心またはCG58を含む。y軸66(図2に示す)は、クラブヘッド10の重心58を通って、クラウンまたはトップ26からソールまたはボトム30まで伸びており、側面図から見たときにホーゼル軸54と平行であり、正面図(図2)から見たときに、ホーゼル軸54から30度の角度で配置されている。x軸62(図3A参照)は、クラブヘッドの重心(CG)58を通って、トウまたはトウ端18からヒールまたはヒール端22まで伸びており、正面から見たときにy軸66に垂直である。z軸70(図3A参照)は、クラブヘッド10のCG58を通って、クラブフェース34から後端42まで伸びており、x軸62およびy軸66に対して垂直である。x軸62は、ヘッドCG58を通って、トウまたはトウ端18からヒールまたはヒール端22まで伸びている。y軸66は、ヘッドCG58を通って、クラウンまたはトップ26からソールまたはボトム30まで伸びている。z軸70は、ヘッドCG58を通って、クラブフェース34から後端部42まで伸びている。
【0066】
本明細書の技術革新を説明するさらなるガイダンスのために、x軸62およびz軸70は、図3Aのアナログ時計上の数字と一致するように配置される。z軸70は12時(クラブフェース34を通って「12」)と6時(バック42を通って「6」)の間を延びており、x軸62は3時(トウ端18を通る「3」)と9時(ヒール端22を通る「9」)の間を延びている。
【0067】
図4図9は、静止面角度調整器100の実施形態を示している。調整器100は、ゴルフクラブヘッド10のソール30の中又はその上に配置又は形成されるリセス104を含む。図示の実施形態では、リセス104は、フェース34近くのヒール端22から後端42近くのトウ端18に向かって延びている。リセス104は、ソール30の一部に沿って延びる実質的に真っ直ぐなリセス104である。リセス104は、トウ端18よりもヒール端22に近く、フェース34よりも後端42に近く、且つ、CGの後ろのソール30に配置される。しかしながら、他の実施形態では、リセス104は、ゴルフクラブヘッドの前面近くのCGの前を含むように、ソール30の任意の適切な位置に配置することができ、任意の適切な形状(例えば、弓形など)であり得る。
【0068】
図示の実施形態では、リセス104は、底壁108、対向する側壁112、第2の端120を画定する後壁116、及び、第2の端120の反対側の第1の端128を画定する前壁124を含む。底壁108は、スライド面132を画定する。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が側壁112、後壁116及び前壁124に接するリセス104を直接囲む隣接表面部78を有している。言い換えれば、ソール面74の一部は、少なくとも部分的にリセス104を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0069】
リセス104は、スライド面132と隣接表面部78との間でスライド面132に直交して測定される可変リセス深さDを含む。図示の実施形態では、リセス深さDは、クローズ端又は第1の端128の近くで大きく、オープン端又は第2の端120の近くで小さくなる。スライド面132は、ほぼ平坦であり、隣接表面部78に対して傾斜又は角度を有しているため、リセス深さDは、第2の端120と第1の端128との間で直線的に変化する。他の実施形態(図示せず)では、リセス深さDは、第2の端120の近くでより大きく、第1の端128の近くでより小さくてもよい。同じ又は他の実施形態(図示せず)では、スライド面132は、弓状、階段状、別のプロファイルなどで形成されてもよく、これにより、リセス深さDが、第1及び第2の端128、120の間で非線形に変化する、又は、一定のままである。
【0070】
調整器100はまた、リセス104内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材136を含む。調整部材136は、底面140、底面140の反対側に位置するキール面144(又は、突出面144あるいは接触面144)、及び、底面140とキール面144との間に延びる貫通スロット148を含む。貫通スロット148は、底壁108のねじ穴156と選択的に係合し、リセス104内において調整部材136をゴルフクラブヘッド10に仮固定するねじ留め具152を受け入れることができる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材136は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。リセス104に挿入されると、調整部材136の底面140はスライド面132に当接する。キール面144は、隣接表面部78とキール面144との間の隣接表面部78に直交して測定される、隣接表面部78の上方のキール高さHまで突出する。
【0071】
図6-9に示されように、調整部材136は、第1の端128(図6及び図8)の近傍の第1の引込調整位置と第2の端120(図7及び図9)の近傍の第2の伸展調整位置との間の複数の調整位置において、リセス104内で再配置可能である。例えば、図6及び図8は、第1の調整位置にある調整部材136を示しており、調整部材136は第1の端128の近くに位置している。図7及び図9では、調整部材136は第2の調整位置に示されており、調整部材136は第2の端120の近くに位置している。図示の実施形態では、調整部材の調整は第1の位置と第2の位置との間で連続しており、調整部材136は第1と第2の調整位置の間の任意の数の中間調整位置(図示せず)に配置できる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材136は、離散的な数の調整位置(即ち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。そのような実施形態では、調整部材136は、留め具152と協働して各調整位置(例えば、留め具152を受け入れるための調整部材136内の2つの穴、3つの穴などの別個の数の穴)を画定するインサート形状を含むことができる。あるいは、そのような実施形態では、調整部材136は、調整部材136を2つの調整位置、3つの調整位置などに制限する、側壁112の対応するノッチ(図示せず)と協働する隆起部(図示せず)又は他の構造を含んでもよい(又は、側壁112に隆起などが形成され、対応するノッチが調整部材136に形成されてもよい)。さらに、スロット148は、留め具152を離散した数の位置に制限する狭められた部分及び広げられた部分(図示せず)を含むことができる。
【0072】
第1の調整位置では、キール面144は、隣接表面部78とスライド面132との間の隣接表面部78に直交して測定される、隣接表面部78上の第1のキール高さH1(図8)まで突出している。第2の調整位置では、キール面144は、隣接表面部78とスライド面132との間の隣接表面部78に直交して測定される、隣接表面部78上の第2のキール高さH2(図9)まで突出している。第2のキール高さH2は、第1のキール高さH1よりも大きい。言い換えれば、調整部材136が第2の調整位置にあるとき、キール面144は、調整部材136が第1の調整位置にあるときよりも、隣接表面部78(又は、縁78)を超えて大きく突出する。調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置との間の中間調整位置(図示せず)に配置されると、キール面144は、第1のキール高さH1より大きく第2のキール高さH2より小さい中間キール高さ(図示せず)まで突出する。
【0073】
静止面角度調整器100の動作において、リセス104内の調整部材136の位置は、留め具152を緩め、調整部材136を第2の端120又は第1の端128に向かってスライドさせることにより調整できる。例えば、調整部材136は、留め具152を緩め、リセス104内で調整部材136を第1の端128からスライドさせ、次いで、調整部材136を第2の調整位置に固定するために留め具152を再び締めることにより、第1の調整位置(図6)から第2の調整位置(図7)に再配置することができる。同様に、調整部材136は、留め具152を緩め、調整部材136を第2の端120から第1の端128にスライドさせることにより、第2の調整位置(図7)から第1の調整位置(図6)に再配置することができる。
【0074】
調整部材136を第1の端128と第2の端120との間で再配置することにより、キール高さHを調整して、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、キール面144がリセス104から最小限に伸展するような(即ち、キール面144が隣接表面部78に対する調整高さH1まで伸展するように)、第1の調整位置(図6)にある調整部材136では、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面144は地面に接触し、それ自体のキールポイントを生成することができる。そのような場合、第1の調整位置でキール面144によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材136を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、オープンポジションからニュートラルポジションへ、またはニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションに向け直すことができる。
【0075】
あるいは、キール面144が高さH1になるように調整部材136が第1の調整位置にあるとき、キール面144はクラブヘッド10がアドレス位置にあるとき地面に接触しなくてもよく、又は、キール面144が完全にリセス104内にあってクラブヘッド10がアドレス位置にあるとき地面に接触しなくてもよい。調整部材136を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりオープンポジションに又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向け直すことができる。
【0076】
別の例として、キール面144がリセス104から十分に伸展するように(即ち、キール面144が隣接表面部78に対する調整高さH2まで伸展するように)、調整部材136を第2の調整位置(図7)に向け直すことができ、キール面144が地面に接触し、したがって、高さH1で生成されたキールポイントとは異なる(前端から離れた)ソール面74の異なる位置に独自のキールポイントを生成する、または代替的にゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに第1の調整部材キールポイントを生成する。第2の位置では、キール面144によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材136を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、オープンポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションへと向け直すことができる。
【0077】
同様に、調整部材136は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置でき、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりクローズポジション又はオープンポジションに再配向される程度を調整する。他の実施形態(図示せず)では、上述のように、調整部材136は、離散的な数の調整位置(すなわち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0078】
調整器100がない場合、ゴルフクラブヘッド10は、アドレス位置においてソール面74の輪郭上に自然なキールポイント102を有する。調整部材136が第1の調整位置に配置され、クラブヘッド10がアドレス位置にあるとき、キール面144がリセスから伸展していなければ(即ち、キール高さHはゼロ以下である)、自然なキールポイント102(図6)は第1の位置に留まる。あるいは、第1の調整位置では、キール面144はリセスから伸展することができる(即ち、キール高さHはゼロよりも大きい)が、地面に接触せず、したがってキール面144にキールポイントを生成せず、これにより、自然なキールポイント102は第1の位置に維持される。調整部材136が第2の調整位置(図7)に移動すると、これにより、自然なキールポイント102は、図6および図7に示すように、ソール面74の第1の位置とは異なる第2の位置に移動する。
【0079】
図示の実施形態では、調整部材136が第1の調整位置(図6)に配置されると、キールポイント102の第1の位置はCG58とフェース34との間にある(即ち、z軸70に平行な方向でCG58に対して第1の位置がフェースにより近い)。したがって、アドレスしたときの静止面角度は、よりオープンポジション又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができ、トウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)。調整部材136が第2の調整位置(図7)に配置されると、キールポイント102の第2の位置は、第1の位置とフェース34の間にある(即ち、z軸70に平行な方向で第1の位置及びCG58に対して第2の位置がフェースにより近い)。したがって、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近い状態で、オープンポジションからニュートラルポジション又はニュートラルポジションからクローズポジションのいずれかへ、より近いクローズポジションに向け直すことができる。言い換えれば、第1の調整位置から第2の調整位置への調整部材136の伸展は、アドレスしたときのよりクローズなフェース角をもたらす(即ち、オープンポジションからニュートラルポジション又はニュートラルポジションからクローズポジションなど)。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0080】
調整部材136は、留め具152を外すことによりリセス104から取り外すこともできる。次に、調整部材136を回転させ、取り外して交換し、または別の方法で向きを変えてから再挿入するか、別の調整部材をリセス104に挿入する(図示せず)ことができる。調整部材136は、留め具152を貫通スロット148に再挿入し、ねじ穴156内で留め具152を再度締め付けることにより、リセス104に再取り付けすることができる。いくつかの実施形態では、留め具152は、調整部材136がリセスから取り外しできないように取り外し可能ではない。
【0081】
図10図17を参照すると、静止面角度調整器200の実施形態が示されている。調整器200は、調整器100と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。調整器200は、ゴルフクラブヘッド10のソール30に配置されたリセスを含む。図示の実施形態では、リセス204は、前壁224から後壁216まで長手方向に延びている。リセス204は、ソール30の一部に沿ってほぼ直線状に延びている。リセス204は、トウ端18よりもヒール端22に近いソール30に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、リセス204は、ソール30の任意の適切な位置に配置することができ、任意の適切な形状(例えば、弓形など)であり得る。
【0082】
図示の実施形態では、リセス204は、底壁208、対向する側壁212、フェース34により近く配置された前壁224及び前壁224に対向するとともに後端42により近く配置された後壁216を含む。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が側壁212、後壁216及び前壁224と接するリセス204を直接囲む隣接表面部78を有している。言い換えれば、ソール74の一部は、少なくとも部分的にリセス204を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0083】
調整器200はまた、リセス204内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材236を含む。調整部材236は、第1の端264と第2の端268との間に延びる本体260(第1の端264はCGの前にあり、第2の端268はCGの後ろにある)、底面240、底面240の反対側に位置するキール面244(又は、底面240の反対側に位置する突出面244あるいは接触面244)、及び、底面240とキール面244との間で本体260と横方向に交差するスロット248を含む。スロット248は、ピボット軸272を規定し、側壁212のねじ穴256と選択的に係合し、リセス212内において調整部材236をゴルフクラブヘッド10に仮固定するねじ留め具252を受け入れることができる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材236は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。リセス204に挿入されると、第1の端264は前壁224に隣接して位置し、第2の端は後壁216に隣接して位置する。キール面244の一部は、隣接表面部78とキール面244との間の隣接表面部78に直交して測定される、隣接表面部78の上方でキール高さHまで突出することができる。
【0084】
図12図17に示されるように、調整部材236は、第1の端264がリセス204から完全に伸展する(図14及び図17)第1の調整位置と第2の端268がリセス204から完全に伸展している(図13及び図16)第2の調整位置との間の複数の調整位置において、リセス204内に再配向可能である。調整部材は、第1の端264も第2の端268もリセス204から伸展しない(図12及び図15)又は第1の端264及び/又は第2の端268がリセス204から最小限に伸展する、第3のニュートラル調整位置に配置することもできる。第3の調整位置では、キール面244は、隣接表面部78とほぼ同一平面上にある。
【0085】
静止面角度調整器200の動作において、リセス204内の調整部材236の向きは、留め具252を緩め、第1の端264又は第2の端268がリセス204から外側に、隣接表面部78(又は、縁78)の上に突出するように、調整部材236をピボット軸272の周りに回転させることにより調整することができる。例えば、調整部材236は、留め具252を緩め、第1の端264を底壁208に向けて旋回させ、次いで調整部材236を第2の調整位置に固定するために留め具252を再び締めることにより、第1の調整位置(図14)から第2の調整位置(図13)に旋回させることができる。同様に、調整部材236は、留め具252を緩め、第2の端268を底壁208に向かって旋回させることにより、第2の調整位置(図13)から第1の調整位置(図14)に旋回することができる。さらに、調整部材236は、留め具252を緩め、第1及び第2の端264、268のそれぞれが底壁208からほぼ同じ距離に方向付けられるまで、ピボット軸272の周りで調整部材236を旋回させることにより、第3のニュートラル調整位置(図12)に旋回することができる。
【0086】
調整部材236を第1、第2及び第3の調整位置の間で旋回させることにより、調整部材236の各端264、268でキール高さHが調整され、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、第1の端264がリセス204から伸展する第1の調整位置にある調整部材236では(図14)、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面244が第1の端264で地面に接触し、それ自体のキールポイントを生成する。第1の位置では、キール面244によって生成されるキールポイントは、CG58の前方に(即ち、z軸70に平行な方向でフェース34とCG58との間に)位置する。調整部材236を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにヒール端22がトウ端18よりもゴルフボールに近くなる(例えば、フェードまたはスライスを促進する)状態で、よりオープンポジションに向けることができる。
【0087】
別の例として、調整部材236は、第2の端部268がリセス204の外に伸展し、キール面244が第2の端268で地面に接触し、したがってゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに異なる調整部材のキールポイントを生成するように、第2の調整位置(図13)に向け直すことができる。第2の位置では、キール面244によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材236を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローまたはフックを促進する)状態で、よりクローズポジションに向け直すことができる。第1の調整位置と第2の調整位置との間の調整はまた、図4-9に関して上述したように、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大20度になり得る。例えば、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度又は20度であり得る。
【0088】
別の例として、調整部材236は、第1の端264も第2の端268もリセス204の外に伸展しないように(又は、第1および第2端部264、268が完全にリセス204内にあってもよい)、第3の調整位置(図12)に向け直すことができる。第3の調整位置では、キール面244は地面に接触せず、したがって、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、いずれの端264、268にもキールポイントを生成しない。調整部材236を第3の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向け直すことができる。
【0089】
図示の実施形態では、調整部材236は、第1の調整位置と第3の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置することができ、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりオープンポジションに再配向される程度を調整する。同様に、調整部材236は、第2の調整位置と第3の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置することができ、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりクローズオープンポジションに再配向される程度を調整する。さらなる実施形態(図示せず)では、調整部材236は、調整器100に関して上述したようなリセス204内又は調整部材上の表面特徴を用いて、離散的の数の調整位置(すなわち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0090】
図18-23を参照すると、静止面角度調整器300の実施形態が示されている。調整器300は、調整器100及び200と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。調整器300は、ゴルフクラブヘッド10のソール30に配置されたリセス304を含む。図示の実施形態では、リセス304は、フェース34に近い前壁324から後端42に近い後壁316まで長手方向に延びている。 凹部304は、ソール30の一部に沿ってほぼ直線状に延びている。リセス304は、トウ端18よりもヒール端22に近く、フェース34よりも後端42に近く、且つ、CGの後ろのソール30に配置される。しかしながら、他の実施形態では、リセス304は、ゴルフクラブヘッドの前面近くのCGの前を含むように、ソール30の任意の適切な位置に配置することができ、任意の適切な形状(例えば、弓形など)であり得る。
【0091】
図示の実施形態では、リセス304は、底壁308、対向する側壁312、フェース34により近く配置された前壁324及び前壁324に対向するとともに後端42により近く配置された後壁316を含む。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が側壁312、後壁316及び前壁324と接するリセス304を直接囲む隣接表面部78を有している。ソール面74の一部は、少なくとも部分的にリセス304を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0092】
調整器300はまた、リセス304内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材336を含む。調整部材336は、第1の端364と第2の端368との間に延びる本体360と、テーパ状の底面340と、底面340の反対側に位置するキール面344(又は、突出面344あるいは接触面344)を含む。図示された構造では、一対の円筒状突起376(図19)が、底面340及び前壁324に近接した調整部材336の側面の各々から外向きに突出している。リセス304は、各側壁312に一対の開口部380を含み、これらの開口部380が突起部376を受け入れて調整部材336をリセス304内に固定する。他の実施形態(図示せず)では、調整部材336は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。突起376は、ピボット軸372も規定している。リセス304に挿入されると、第1の端364は前壁324に隣接して位置し、そこに回転可能に連結され、第2の端は後壁316に隣接して位置する。ばね384は、リセス304の前壁324と調整部材336の第1の端364との間に配置され、底面340を底壁308に向かって付勢する(即ち、ばね384は、調整部材を第1の引込位置に向けて付勢する)(図20)。他の実施形態では、ばねは、発泡体などの圧縮性材料又は任意の他の適切な圧縮性材料であってもよい。さらに他の実施形態では、ばね384は、任意の適切な結合方法によって底壁308及び底面340に結合されてもよい。
【0093】
クラブヘッド10はまた、後壁316と交差し、本体360を通って後端42から後壁316まで延びるねじ穴356を含む。調整ねじ352は、ねじ穴356と選択的に係合する。調整ねじ352は、ねじ穴356内で回転可能に調整可能であるため、先端部分388は、後壁316を通ってリセス304内に選択的に突出する。
【0094】
図20-23に示されるように、調整部材336は、第1の引込調整位置(図20及び22)と第2の伸展調整位置(図21および23)との間の複数の調整位置において、リセス304内に再配向可能である。例えば、図20及び図22は、キール面344が隣接表面部78の上に突出しない(即ち、第1キール高さH)第1の調整位置にある調整部材336を示す。図21及び図23において、調整部材336は、キール面344が隣接表面部78の上方の外側に突出する第2調整位置で示される(即ち、第1キール高さHよりも大きい第2キール高さH)。調整部材336は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の数の中間調整位置(図示せず)に配置することもできる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材336は、調整器100に関して上述したようなリセス304内又は調整部材上の表面特徴を用いて、離散的な数の調整位置(即ち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0095】
静止面角度調整器300の動作において、リセス304内の調整部材336の向きは、調整ねじ352を回転させることにより調整することができる。具体的には、調整ねじ352がねじ穴356にねじ込まれると、先端部388が底面340に当接し、調整部材336をばね384の力に抗してピボット軸372の周りで回転させ、調整部材336を離散的な位置に維持することを可能にする。調整部材336が旋回すると、第2の端368は、リセス304から離れるように回転し、隣接表面部78(または縁78)の上に位置する。
【0096】
調整部材336を第1の調整位置と第2の調整位置との間で旋回させることにより、キール高さHを調整して、アドレス位置での静止面角度を操作することができる。例えば、キール面344がリセス304から伸展しない(あるいは、最小限に伸展する)、又は、リセス304内に完全に収まる第1の調整位置にある調整部材336では(図20)、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面344が地面に接触せず、それ自体のキールポイントを生成しない場合がある。調整部材336を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりオープンポジション又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができる。
【0097】
別の例として、キール表面344が十分なキール高さHでリセス304から伸展するように第2の調整位置(図21)に調整部材336を向け直すことができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面344が地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第2の位置では、キール面344によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材336を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローまたはフックを促進する)状態で、オープンポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションへと向け直すことができる。第1の調整位置と第2の調整位置との間の調整はまた、図4-9に関して上述したように、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0098】
同様に、調整部材336は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置することができ、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりクローズポジション又はオープンポジションに再配向される程度を調整する。他の実施形態(図示せず)では、調整部材336は、調整器100に関して上述したように、離散的な数の調整位置(すなわち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0099】
図24-29を参照すると、静止面角度調整器400の実施形態が示されている。調整器400は、調整器100、200及び300と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。調整器400は、ゴルフクラブヘッド10のソール30に配置されたリセス404を含む。図示の実施形態では、リセス404はほぼ円筒形であり、ソール面74の開口部488から底壁408まで軸方向に延びている。リセス404は、トウ端18よりもヒール端22に近く、フェース34よりも後端42に近いソール30に配置される。しかしながら、他の実施形態では、リセス404は、フェース34により近くのCGの前を含むように、ソール30の任意の適切な位置に配置することができる。
【0100】
図示の実施形態では、リセス404は、底壁408と、底壁408と開口部488との間に延びる円筒形側壁412とを含む。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が円筒状側壁412と接するリセス404を直接取り囲む隣接表面部78を有している。ソール面74の一部は、少なくとも部分的にリセス404を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0101】
調整器400はまた、リセス404内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材436を含む。調整部材436は、底面440と底面440の反対側に位置するキール面444(又は、突出面444あるいは接触面444)との間に延びる概ね円筒形の本体460を含む。貫通スロット448は、本体460を横断して延びている。貫通スロット448は、円筒形側壁412のねじ穴456と選択的に係合し、リセス404内において調整部材436をゴルフクラブヘッド10に仮固定するねじ留め具452を受け入れることができる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材136は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。ばね484は、リセス404の底壁408と調整部材436の底面440との間に配置され、底面440を底壁408から離れるように付勢する。他の実施形態では、ばねは、発泡体などの圧縮性材料、または任意の他の適切な圧縮性材料であってもよい。他の実施形態では、バネは使用されない。
【0102】
図26-29に示すように、調整部材436は、第1の引込調整位置(図26及び28)と第2の伸展調整位置(図27及び29)との間の複数の調整位置において、即ち、概してクラウンからソール方向において、リセス404内に再配置可能である。例えば、図26及び図28は、底面440が底壁408の近くに位置する第1の調整位置にある調整部材436を示す。図27及び図29では、調整部材436は、底面440が底壁408からより遠くに位置する第2の調整位置で示されている。調整部材436は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の数の中間調整位置(図示せず)に配置することもできる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材436は、調整器100に関して上述したようなリセス304内又は調整部材上の表面特徴を用いて、離散的な数の調整位置(即ち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0103】
図示の実施形態では、調整部材436が第1の調整位置にあるとき、キール面444は、隣接表面部78(または縁78)を越えて突出する。他の実施形態(図示せず)では、キール面444は、第1の位置において、隣接表面部分78の下にあるか、又は、比較的同一面である。調整部材436が第2の調整位置にあるとき、キール面444は、調整部材436が第1の調整位置にあるときよりも、隣接表面部78(または縁78)を超えて大きく突出する。調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置との間の中間調整位置(図示せず)に配置されると、キール面444は、第1の調整位置より大きく第2の調整位置より小さい中間程度に突出する。
【0104】
静止面角度調整装置400の動作において、リセス404内の調整部材436の位置は、留め具452を緩め、調整部材436をリセス404の中へ又は外にスライドさせることにより調整することができる。バネ484は、調整部材436を底壁408から離れるように付勢する。調整部材436を底壁408に向かってスライドさせるには、バネ484のバネ力に打ち勝つまで、調整部材を底壁408に向かって押す。例えば、調整部材436は、留め具452を緩め、リセス404内で調整部材436を底壁408からスライドして離れさせ(即ち、ばね484によるばね力に基づいて)、次いで、留め具452を再び締めて、調整部材436を第2の調節位置に固定することにより、第1の調整位置(図26)から第2の調整位置(図27)に再配置することができる。同様に、調整部材436は、留め具452を緩め、調整部材436を底壁408に向かって押すことにより、第2の調整位置(図27)から第1の調整位置(図26)に移動することができる。
【0105】
調整部材436を第1の調整位置と第2の調整位置との間で再配置することにより、キール高さHを調整して、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、キール面444がリセス404から最小限にしか伸展しないような、第1の調整位置(図26)にある調整部材436では、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面444が地面に接触し、それ自体のキールポイントを生成することができる。あるいは、第1の調整位置では、クラブヘッド10がアドレス位置にあるときにキール面444が地面に接触しないか、またはキール面444が完全にリセス404内にあり、クラブヘッド10が地面にあるときに地面に接触しないことがある。調整部材436を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりオープンポジションに又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができる。
【0106】
別の例として、キール面444がリセス104から十分なキール高さHで伸展する第2の調整位置(図27)に調整部材436を向け直すことができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面144が地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第2の位置では、キール面444によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材436を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、オープンポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションへと向け直すことができる。第1の調整位置と第2の調整位置との間の調整はまた、図4-9に関して上述したように、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0107】
同様に、調整部材436は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の中間位置(図示せず)にさらに再配置することができ、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりクローズポジション又はオープンポジションに再配向される程度を調整する。他の実施形態(図示せず)では、調整部材436は、調整器100に関して上述したように、調整器100に関して上述したように、離散的な数の調整位置(すなわち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0108】
図30-37を参照すると、静止面角度調整器500の実施形態が示されている。調整器500は、調整器100、200、300及び400と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。調整器500は、ゴルフクラブヘッド10のソール30に配置されたリセス504を含む。図示の実施形態では、リセス504はほぼ円筒形であり、ソール面74の開口部588から底壁508まで軸方向に延びている。リセス504は、トウ端18よりもヒール端22に近く、フェース34よりも後端42に近いソール30に配置される。しかしながら、他の実施形態では、リセス504は、CGの前であって、且つ、ソール30の任意の適切な位置に配置することができる。
【0109】
図示の実施形態では、リセス504は、底壁508と、底壁508と開口部588との間に延びる円筒形側壁512とを含む。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が円筒形側壁512と接するリセス504を直接囲む隣接表面部78を有している。ソール表面74の一部は、少なくとも部分的にリセス504を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0110】
図33に示されるように、リセス504は、円筒状側壁512に形成されたJ字形またはL字形の溝またはチャネル550を含む。各チャネル550は、以下でさらに詳細に議論されるように、それぞれの調整位置(及びキール高さH)に対応する軸部分554及び円周部分558を含む。図示の実施形態では、リセス504は、第1のチャネル562、第2のチャネル566及び第3のチャネル570を含む3つのチャネル550を含む。他の実施形態(図示せず)では、リセス504は、3つより少ないまたは多い調整位置に対応する3つより少ないまたは多いチャネル550を含むことができる。
【0111】
調整器500はまた、リセス504内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材536を含む。調整部材536は、底面540と底面540の反対側に位置するキール面544(又は、突出面544あるいは接触面544)との間に延びる円周側壁592を有するほぼ円筒形の本体560を含む。突起576は、円周側壁592から半径方向外向きに延びている。突起576は、円筒形側壁512のそれぞれのチャネル550と選択的に係合して、凹部504内において調整部材536をゴルフクラブヘッド10に仮固定することができる。ツールリセス596は、キール面544に配置され、ツールビット(図示せず)と選択的に係合して、リセス504に対して調整部材536を回転させる。ばね584は、リセス504の底壁508と調整部材536の底面540との間に配置され、底面540を底壁508から離れてクラウンからソールに付勢する。他の実施形態では、ばねは、発泡体などの圧縮性材料、または任意の他の適切な圧縮性材料であってもよい。他の実施形態では、バネは使用されない。
【0112】
図35-37に示すように、図示の実施形態では、調整部材536は、第1の引込調整位置(図35)と第2の部分伸展調整位置(図36)と第3の完全伸展調整位置(図37)の間において、リセス504内で再配置可能である。例えば、図35は、突起576が第1のチャネル562と係合し、底面540が底壁508に最も近い位置にある第1の調整位置にある調整部材536を示す。図36では、調整部材536は、突起576が第2のチャネル566と係合し、底面540が底壁508から中間距離に位置する第2の調整位置で示されている。図37では、調整部材536は、突起576が第3のチャネル570と係合し、底面540が底壁508から最も遠くに位置する第3の調整位置で示されている。
【0113】
図示の実施形態では、調整部材536が第1の調整位置にあるとき、キール面544は、隣接表面部78(又は縁78)と比較的同一面である。調整部材536が第2の調整位置にあるとき、キール面544は、隣接表面部78を越えて中間程度にまで突出する。調整部材536が第3の調整位置にあるとき、キール面544は、調整部材536が第1または第2の調整位置にあるときよりも大きな程度で隣接表面部78を越えて突出する。
【0114】
静止面角度調整器500の動作において、リセス504内の調整部材536の位置は、リセス504の第1、第2及び第3のチャネル550のいずれかと係合することにより調整することができる。例えば、調整部材536を第1の調整位置(図35)に配置するためには、まず調整部材536を軸方向に沿ってリセス504に押し込み、突起576が第1チャネル562の軸部554に係合して横断するようにする。そして、その後、突起576が第1のチャネル562の円周部分558と係合してこれを横断するように、調整部材536が続いて回転される。同様に、第1のチャネル562に関して上述したのと同様の方法で調整部材536を第2又は第3のチャネル566、570と係合させることにより、調整部材536を第1の調整位置(図40)から第2の調整位置(図36)又は第3の調整位置(図37)に再配置することができる。
【0115】
調整部材536を第1、第2及び第3の調整位置の間で再配置することにより、キール高さHを調整して、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、キール面544がほぼ隣接表面部78と同一平面にあるか、又は、完全にリセス504内にある第1の調整位置(図35)にある調整部材536では、キール面544は地面に接触せず、したがって、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときにそれ自体のキールポイントを生成しない。調整部材536を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりオープンポジションに又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができる。
【0116】
別の例として、キール表面544が十分なキール高さHでリセス504から中間程度まで延びる第2の調節位置(図36)に調整部材536を再配向することができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面544は地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第2の位置では、キール表面544によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材536を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、第1の位置に比して、オープンポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションへと向け直すことができる。
【0117】
別の例として、調整部材536が第2の調整位置にあるときよりもキール面544がリセス504から大きく進展する第3の調整位置(図37)に調整部材536を向け直すことができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面544は再び地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第3の位置では、キール面544によって生成されるキールポイントは、同様にCG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材536を第3の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、第1及び第2の調整位置に比して、よりクローズポジションへと向け直すことができる。他のクラブヘッド10では、調整部材536の上述の調整は、静止面角度を、オープンポジション(第1の調整位置)からよりニュートラルポジション(第2の調整位置)からクローズポジション(第3調整位置)に配置することができる。第1と第2と第3の調整位置の間の調整はまた、図4-9に関して上述したのと同様に、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置そして第3の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第3の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1と第2と第3の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0118】
図38-43を参照すると、静止面角度調整器600の実施形態が示されている。調整器600は、調整器100、200、300、400及び500と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。調整器600は、ゴルフクラブヘッド10のソール30に配置されたリセス604を含む。図示の実施形態では、リセス604はほぼ円筒形であり、ソール表面74の開口部688から底壁608まで軸方向に延びている。リセス604は、トウ端18よりもヒール端22に近く、フェース34よりも後端42に近いソール30に配置される。しかしながら、他の実施形態では、リセス604は、CGの前を含むように、ソール30の任意の適切な位置に配置することができる。
【0119】
図示の実施形態では、リセス604は、底壁608と、底壁608と開口部688との間に延びる円筒形側壁612とを含む。円筒状側壁612は、雌ねじ674を担持するねじ付き円筒状側壁612である。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が円筒状側壁612に接するリセス604を直接取り囲む隣接表面部78を有している。ソール表面74の一部は、少なくとも部分的にリセス504を境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0120】
調整器600はまた、リセス604内に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材636を含む。調整部材636は、底面640と底面640の反対側に位置するキール面644(又は、突出面644あるいは接触面644)との間に延びる円周側壁692を有するほぼ円筒形の本体660を含む。円周側壁692は、雄ねじ678を担持するねじ付き円周側壁692である。調整部材636の雄ねじ678は、リセス604の雌ねじ674と選択的に係合して、リセス604内において調整部材636を仮固定することができる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材136は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。ツールリセス696は、キール面644に配置され、ツールビット(図示せず)と選択的に係合して、調整部材636をリセス604の中へ及び外へと回転させる。いくつかの実施形態(図示せず)では、ばねは、リセス604の底壁608と調整部材636の底面640との間に配置され、底面640を底壁608から離れるように付勢することができる。
【0121】
図40-43に示されるように、調整部材636は、第1の引込調整位置(図40及び42)と第2の伸展調整位置(図41及び43)との間の複数の調整位置において、リセス604内で再配置可能である。例えば、図40及び図43は、底面640が底壁608により近く配置されている第1の調整位置にある調整部材636を示している。図41及び図43では、調整部材636は、底面640が底壁608からより遠くに位置する第2の調整位置で示されている。調整部材636は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の数の中間調整位置(図示せず)に配置することもできる。
【0122】
図示の実施形態では、調整部材636が第1の調整位置にあるとき、キール面644は、隣接表面部78より下にあるか、又は、比較的同一面である。調整部材636が第2の調整位置にあるとき、キール面644は、隣接表面部78(又は縁78)を越えて突出する。調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置との間の中間調整位置(図示せず)に配置されると、キール面644は、第1の調整位置よりも大きく第2の調整位置よりも小さい中間程度まで突出する。
【0123】
静止面角度調整器600の動作において、リセス604内の調整部材636の位置は、調整部材636を回転させて調整部材636をリセス604に出し入れすることにより調整することができる。例えば、調整部材636を第1の調整位置(図40)に向けて移動させるには、調整部材を第1の回転方向に回転させて調整部材をリセス604内に向けて、そして底壁608に向けて移動する。同様に、調整部材636は、調整部材636を第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転させることにより、第1の調整位置(図40)から第2の調整位置(図41)に移動することができる。
【0124】
調整部材636を第1の調整位置と第2の調整位置との間で再配置することにより、キール高さHを調整して、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、キール面644がリセス604から伸展しない第1の調整位置(図40)にある調整部材636では、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面644は地面に接触せず、したがって、それ自体のキールポイントを生成しない。調整部材636を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりオープンポジションに又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができる。
【0125】
別の例として、キール面644が十分なキール高さHでリセス604から延びる第2の調整位置(図41)に調整部材636の向きを変えることができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面644が地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第2の位置では、キール面644によって生成されるキールポイントは、CG58の後ろに(即ち、z軸70に平行な方向で後端42とCG58との間に)位置する。調整部材636を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18がヒール端22よりもゴルフボールに近くなる(例えば、ドローやフックを促進する)状態で、オープンポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからクローズポジションへ、よりクローズポジションへと向け直すことができる。第1と第2の調整位置の間の調整はまた、図4-9に関して上述したように、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0126】
同様に、調整部材636は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置でき、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりクローズポジション又はオープンポジションに再配向される程度を調整する。
【0127】
図44-49を参照すると、静止面角度調整器700の実施形態が示されている。調整器700は、調整器100、200、300、400、500及び600と同様の構成を有し、同様の名前および/または同様の番号が同様の構成を識別する。いくつかの実施形態(図示せず)では、調整器100、200、300、400、500又は600のいずれかが第1の調整器100、200、300、400、500又は600であり得、調整器700がゴルフクラブヘッド10の第1の調整器100、200、300、400、500又は600と組み合わされる第2の調整器であり得る。
【0128】
調整器700は、ゴルフクラブヘッド10のヒール端22に配置されたリセス704を含む。図示の実施形態では、リセス704は、ホーゼル50に近接するホーゼル壁724からソール30に近接する開口部788に向かって延びるホーゼルリセス704である。ホーゼルリセス704は、ヒール端22の一部に沿って延びる実質的に真っ直ぐなホーゼルリセス704である。ホーゼルリセス704は、後端42よりもフェース34により近く、且つ、CGの前のヒール端22に配置される。
【0129】
図示の実施形態では、ホーゼルリセス704は、ホーゼル壁724、底壁708及び対向する側壁712を含む。底壁708及び側壁712は、ソール30に隣接する開口部788を画定する。底壁708は、スライド面732を画定する。ソール30は、ソール面74を有している。そのソール面74は、ソール面74が側壁712及び底壁708と接する開口788を直接囲む隣接表面部78を有している。ソール面74の一部は、ホーゼルリセス704を少なくとも部分的に境界付け、いくつかの実施形態では、隣接表面部78はリセス縁部78である。
【0130】
図示の実施形態では、ホーゼル壁724は、クラブシャフト留め具(図示せず)を受け入れる穴を含む。シャフト留め具は、ホーゼルボアと協働して、ゴルフクラブヘッド10をゴルフクラブシャフト(図示せず)に固定する。したがって、ホーゼルリセス704は、ゴルフクラブヘッド10がシャフトに選択的に固定または取り外され得るように、又は、ゴルフクラブヘッド10がシャフトに対して調整され得るように(即ち、よりオープンな又はよりクローズな静止面角度とするために)、ホーゼル留め具へのアクセスを可能にする。
【0131】
調整器100はまた、ホーゼルリセス704に少なくとも部分的に受け入れられる調整部材736を含む。調整部材736は、第1の端764と第2の端768との間で長手方向に延びる本体760を含む。本体760は、底面740、第1の端764に位置するキール面744(又は、突出面744あるいは接触面744)、及び、底面740と上面782との間に延びる貫通スロット748を含む。貫通スロット748は、底壁708のねじ穴756と選択的に係合して、ホーゼルリセス704内において調整部材736をゴルフクラブヘッド10に仮固定するねじ留め具752を受け入れることができる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材136は、他の機械的手段(例えば、磁石など)によってゴルフクラブヘッド10に固定することができる。ホーゼルリセス704に挿入されると、調整部材736の底面740はスライド面732に当接する。キール面744は、隣接表面部78とキール面744との間の隣接表面部78に直交して測定される、隣接表面部78の上方のキール高さHまで突出する。
【0132】
図46-49に示されるように、調整部材736は、ホーゼル壁724(図46及び図48)に隣接する第1の引込調整位置と開口部788(図47及び図49)に隣接する第2の伸展調整位置との間の複数の調整位置において、ホーゼルリセス704内で再配置可能である。調整部材736は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の数の中間調整位置(図示せず)に配置することもできる。他の実施形態(図示せず)では、調整部材736は、調整器100に関して上述したようなリセス704内又は調整部材736上の表面特徴を用いて、離散的な数の調整位置(即ち、2つの調整位置、3つの調整位置など)にのみ固定されてもよい。
【0133】
図示の実施形態では、調整部材736が第1の調整位置にあるとき、キール面744は、隣接表面部78の下にあるか、又は、比較的同一面である。調整部材736が第2の調整位置にあるとき、キール面744は、隣接表面部78(又は縁78)を越えて突出する。調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置との間の中間調整位置(図示せず)に配置されると、キール面744は、第1の調整位置より大きく第2の調整位置より小さい中間程度に突出する。
【0134】
静止面角度調整器100の動作において、ホーゼルリセス704内の調整部材736の位置は、留め具752を緩め、調整部材736を開口788に向かって又はホーゼル壁724に向かってスライドさせることにより調整できる。例えば、調整部材736は、留め具752を緩め、ホーゼルリセス704内で調整部材736をホーゼル壁から開口部788に向けてスライドさせ、次いで、調整部材736を第2の調整位置に固定するために留め具752を再び締めることにより、第1の調整位置(図46)から第2の調整位置(図47)に再配置できる。同様に、留め具752を緩め、開口部788からホーゼル壁724に向かって調整部材736をスライドさせることにより、調整部材736を第2の調整位置(図47)から第1の調整位置(図46)に再配置することができる。
【0135】
調整部材736を第1の調整位置と第2の調整位置との間で再配置することにより、キール高さHを調整して、アドレス位置の静止面角度を操作することができる。例えば、キール面744がホーゼルリセス704から伸展しないか、又は、ホーゼルリセス704内に完全に収まる第1の調整位置(図46)にある調整部材736では、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面744は地面に接触せず、それ自体のキールポイントを生成しない。調整部材736を第1の調整位置に配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにトウ端18もヒール端22もゴルフボールに近くない(例えば、まっすぐなボール飛行を促進する)状態で、よりクローズポジションに又はニュートラルポジション(又は、ニュートラル構成あるいはスクエア構成)に向けることができる。
【0136】
別の例として、キール面744が十分なキール高さHでホーゼルリセス704から延びる第2の調整位置(図47)に調整部材736の向きを変えることができ、これにより、ゴルフクラブヘッド10がアドレス位置にあるときに、キール面744が地面に接触し、したがって、それ自体のキールポイントを生成する。第2の位置では、キール面744によって生成されるキールポイントは、CG58の前方に(即ち、z軸70に平行な方向でフェース34とCG58との間に)位置する。調整部材736を第2の調整位置に再配置することにより、アドレスしたときの静止面角度は、アドレスしたときにヒール端22がトウ端18よりもゴルフボールに近くなる(例えば、フェードやスライスを促進する)状態で、クローズポジションからニュートラルポジションへ、又は、ニュートラルポジションからオープンポジションへ、よりオープンポジションへとすることができる。第1と第2の調整位置の間の調整はまた、図4-9に関して上述したように、ソール面74上のキールポイントを第1の位置から第2の位置へ移動させる。その結果、第1の調整位置と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は最大10度になり得る。例えば、第1と第2の調整位置を比較した静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度であり得る。
【0137】
同様に、調整部材736は、第1の調整位置と第2の調整位置との間の任意の中間位置(図示せず)にさらに再配置でき、それによりアドレスしたときの静止面角度がよりオープンポジション又はクローズポジションに再配向される程度を調整する。
【0138】
図4-9の調整器100に関して記載した留め具152のような留め具を含む、これまでに説明した調整器100、200、300、400、500、600及び/又は700のすべての実施形態では、調整部材136、236、336、436、536、636及び/又は736はまた、留め具を外すことにより、リセス104、204、304、404、504、604及び/又は704から取り外され得る。次に、調整部材136、236、336、436、536、636及び/又は736を回転させ、取り外して交換し、または別の方法で向きを変えてから再挿入するか、別の調整部材をリセス104、204、304、404、504、604及び/又は704に挿入することができる(図示せず)。調整部材136、236、336、436、536、636及び/又は736は、クラブヘッド10内に留め具を再挿入及び再締め付けすることにより、リセス104、204、304、404、504、604及び/又は704に再取り付けすることができる。調整器100、200、300、400、500、600及び/又は700の他の実施形態では、留め具は取り外し可能ではないため、調整部材136、236、336、436、536、636及び/又は736がリセスから取り外し可能ではない。
【0139】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の調整器が1つのクラブ本体に存在するように、上述の調整器100、200、300、400、500、600及び/又は700の1つまたは複数が1つのクラブ本体に組み合わせることができ、例えば、任意の1つの調整器100、200、300、400、500及び600を調整器700に組み合わせることができる。
【0140】
さらに、調整器100、200、300、400、500及び600はCGの後ろに通常配置されると説明したが、いずれの調整器100、200、300、400、500及び600もCGの前に配置し、アドレスしたときの静止面角度を異なるように再配向することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の調整器が1つのクラブ本体に存在するように、上述の調整器100、200、300、400、500、600及び/又は700の1つまたは複数が1つのクラブ本体に組み合わせることができ、例えば、任意の1つの調整器100、200、300、400、500及び600を調整器700に組み合わせることができる。これらの実施形態では、第1の調整器がCGの後ろに配置され、第2の調整器がCGの前に配置され得る。その結果、アドレスしたときの静止面角度の調整範囲が、単一の調整器を利用する実施形態によりも大きくなり得る。例えば、調整器100を調整器700と組み合わせることにより、調整器100のみよりも大きな調整静止面角度範囲をもたらすことができる。
【0142】
1つまたは複数の請求された要素の置き換えは、再構成を構成するものであり、修復は構成しない。さらに、利益、他の利点、および問題に対する解決法を、特定の実施形態に関して上記に説明した。しかし、利益、利点、問題に対する解決法、および任意の利益、利点、または解決法を生じさせ得るかまたはそれらをより明白にし得るいずれの要素(1つまたは複数)も、そのような利益、利点、解決法、または要素が請求項のいずれかまたはすべてにおいて明示的に述べられていない限り、そのような請求項の重要、必要、または不可欠な特徴または要素として解釈すべきではない。
【0143】
ゴルフのルールは時々変更され得るため(例えば、ゴルフの標準的組織および/または管理機関、例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、全英ゴルフ協会(R&A)等によって、新たな規則が採用され得るか、または古い規則が削除または変更されてもよい)、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ器具は、任意の特定の時期におけるゴルフのルールに適合する場合も、適合しない場合もある。したがって、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ器具は、適合または非適合ゴルフ器具として宣伝され、市場に出され、かつ/または販売される場合がある。本明細書に記載の装置、方法、および製造物品はこの点で限定されない。
【0144】
上記実施例は、ウッド型ゴルフクラブとの関連で説明され得るが、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品は、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、クロスオーバー、又は、任意の中空タイプのゴルフクラブを含む様々なゴルフクラブにも適用できる。あるいは、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品は、他の種類のスポーツ器具、例えば、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣竿、スキーポール等にも適用できる。
【0145】
さらに、本明細書に開示される実施形態および制限は、実施形態および/または制限が(1)請求項に明示的に特許請求されておらず、(2)均等論下で請求項の明白な要素および/または制限の潜在的な等価物である場合に、公有の原則下で公衆に供されない。
【0146】
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、説明した本発明の1つまたは複数の独立した態様の範囲および趣旨内で変形および改良が存在する。
【0147】
条項1:ゴルフクラブヘッドであって、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有しており、ソールはソール面を含む、クラブ本体と;ソール面の一部が少なくとも部分的にリセスを画定するように、ソールに形成されたリセスを含む静止面角度調整器と;キール面を有しており、リセス内に配置され、第1の調整位置と第2の調整位置との間に配置可能な調整部材と;を備え、調整部材は、調整部材が第1の調整位置に配置されると、キール面がソール面の一部に対してソール面の一部に直交する方向において第1の距離にあり、調整部材が第2の調整位置に配置されると、キール面がソール面の一部に対して前記方向において第1の距離に等しくない第2距離にある。
【0148】
条項2:調整部材が第1の調整位置に配置されると、キール面がリセス内に位置する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0149】
条項3:調整部材が貫通スロットを含み、調整部材は、調整部材を第1の調整位置と第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具を含み、調整器は、貫通スロット内において留め具が調整部材に対して移動可能となるように構成される、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0150】
条項4:調整部材は、第1及び第2の調整位置の間でクラブ本体に対してリセス内でスライド可能である、条項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【0151】
条項5:リセスはその内面に形成されたチャネルを含み、調整部材は、チャネルに係合して調整部材を第1の調整位置と第2の調整位置のいずれか一方に選択的に固定するように構成された突起を含む、条項1のゴルフクラブヘッド調整位置。
【0152】
条項6:ゴルフクラブヘッドであって、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有するクラブ本体であって、ソールはソール面を含む、クラブ本体と;ソールに形成されたリセス内に配置可能であり、リセス縁を画定する調整部材を含む静止面角度調整器であって、キール面を含む調整部材は、第1の調整位置と第2の調整位置との間に配置可能であり、調整部材が第1の調整位置に配置されると、キール面の一部がソール縁の一部から第1の距離にあり、調整部材が第2の調整位置に配置されると、キール面の一部がソール縁の一部から第1の距離よりも大きい第2の距離にあるように、調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【0153】
条項7:調整部材が第1の調整位置に配置されると、キール面の一部がリセス内に位置する、条項6のゴルフクラブヘッド。
【0154】
条項8:調整部材は、第1の調整位置と第2の調整位置の間のピボット軸回りで旋回可能である、条項6のゴルフクラブヘッド。
【0155】
条項9:調整部材が第1の端と第2の端を含み、キール面が第1の端と第2の端の間に延びており、調整器は、調整部材が第1の調整位置に配置されると、第1の端の近傍のキール面の一部がリセスの外に突出し、第2の端の近傍のキール面の一部がリセス内に位置し、調整部材が第2の調整位置に配置されると、第1の端の近傍のキール面の一部がリセス内に位置し、第2の端の近傍のキール面の一部がリセスの外に突出する、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0156】
条項10:調整部材がさらに第3の調整位置に配置可能であり、調整部材が第3の調整位置に配置されると、キール面がソール面の一部と概ね同一平面となるように、調整器が構成されている、条項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0157】
条項11:調整部材がキール面の反対側の底面を含み、調整器は、リセスの近傍のねじ穴と、ねじ穴に選択的に受け入れ可能な調整ねじと、を含み、調整ねじは底面と選択的に係合可能な先端部分を有しており、調整ねじは、調整部材を第1及び第2の調整位置の間で再配置させるように旋回可能である、条項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0158】
条項12:調整部材がさらに、調整部材を第1の調整位置及び第2の調整位置の一方に向かって付勢するバネを含む、条項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【0159】
条項13:ゴルフクラブヘッドであって、ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有するクラブ本体であって、ソールはソール表面を含む、クラブ本体と;ソールに形成されるリセス内に配置可能な調整部材を含む静止面角度調整器であって、キール面を有する調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、静止面角度調整器と、を備えており、調整部材が第1の調整位置に配置されると、調整部材はクラブ本体がアドレス位置にあるときにクラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらし、調整部材が第2の調整位置に配置されると、調整部材はクラブ本体がアドレス位置にあるときにクラブ本体の第1の位置とは異なる第2の位置でキールポイントをもたらすように、静止面角度調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【0160】
条項14:調整部材が第1の調整位置に配置されると、調整部材は完全にリセス内にある、条項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0161】
条項15:第2の位置が第1の位置よりもフェースに近い、条項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0162】
条項16:第1の位置が第2の位置よりもフェースに近い、条項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0163】
条項17:調整部材が、第1の調整位置と第2の調整位置の間のピボット軸回りに回転可能である、条項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0164】
条項18:調整部材が貫通スロットを含み、調整部材は、調整部材を第1の調整位置と第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具を含み、調整器は、貫通スロット内において留め具が調整部材に対して移動可能となるように構成される、条項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【0165】
条項19:調整部材は、第1及び第2の調整位置の間でクラブ本体に対してリセス内でスライド可能である、条項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【0166】
条項20:リセスはその内面に形成されたチャネルを含み、調整部材は、チャネルに係合して調整部材を第1の調整位置と第2の調整位置のいずれか一方に選択的に固定するように構成された突起を含む、条項13に記載のゴルフクラブヘッド調整位置。
【0167】
条項21:ゴルフクラブヘッドであって、ソール面を有するソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端、ホーゼル及びクラブ本体にクラブシャフトを固定するための留め具を受け入れるように構成されているホーゼル面を有するホーゼルリセスを有するクラブ本体であって、ホーゼルリセスがリセス縁を画定し、ソール面の一部がリセス縁を境界付ける、クラブ本体と;ホーゼルリセス内に設けられている調整部材を含む静止面角度調整器であって、調整部材がキール面を有しており、調整部材が第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、静止面角度調整器と、を備えており、調整部材が第1の調整位置に配置されると、キール面がソール面の一部に対してソール面の一部に直交する方向において第1の距離にあり、調整部材が第2の調整位置に配置されると、キール面がソール面の一部に対して前記方向において第1の距離とは等しくない第2の距離にあるように、調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【0168】
条項22:調整部材が第1の調整位置に配置されると、調整部材はクラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらし、調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、調整部材はクラブ本体の第1の位置とは異なる第2の位置でキールポイントをもたらすように、静止面角度調整器が構成されている、条項21に記載のゴルフクラブヘッド。
【0169】
条項23:調整部材はさらに、第1の調整位置と第2の調整位置の間の複数の中間調整位置に配置可能である、条項21に記載のゴルフクラブヘッド。
【0170】
条項24:調整部材は、貫通スロットを含み、調整器は、調整部材を第1の調整位置と第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具を含み、貫通スロット内において留め具が調整部材に対して移動可能となるように、調整器が構成されている、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0171】
条項25:調整部材は、ホーゼルリセス内において第1及び第2の調整位置の間でクラブ本体に対してスライド可能である、条項24に記載のゴルフクラブヘッド。
【0172】
本開示のさまざまな特徴は以下の請求項に記載される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ソールの反対側のクラウン、ヒール端の反対側のトウ端、フェースの反対側の後端及びホーゼルを有するクラブ本体であって、前記ソールがソール面を含む、クラブ本体と、
静止面角度調整器と、を備えており、
前記静止面角度調整器は、
前記ソールに形成されるリセス内に配置可能な調整部材であって、キール面を有するとともに第1の調整位置と第2の調整位置の間で配置可能である、調整部材と、
前記調整部材を前記第1の調整位置と前記第2の調整位置のそれぞれに選択的に固定する留め具と、を有しており、
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の第1の位置でキールポイントをもたらし、前記調整部材が前記第2の調整位置に配置されると、前記調整部材は前記クラブ本体の前記第1の位置とは異なる第2の位置でキールポイントをもたらすように、前記静止面角度調整器が構成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
アドレスのときの前記ゴルフクラブヘッドの静止面角度は、アドレスのときに前記フェースと意図したターゲットラインに沿ってゴルフボールから伸びる仮想線の間で測定され、
前記フェースが前記意図したターゲットラインに対して直交であるとき、前記静止面角度がゼロであり、
前記調整部材が前記第1の調整位置から前記第2の調整位置に再配置されると、前記静止面角度の変化は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度及び10度からなる群から選択される度数だけ変化する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記調整部材が前記第1の調整位置と前記第2の調整位置に固定されるときに、前記留め具は前記リセスに取り付けられ、
前記留め具が前記リセスから取り外されたときに、前記調整部材は、回転可能であるか、取り外し可能であるか、再挿入可能であるか、又は、別の調整部材が再配置可能である、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記留め具は、前記リセスから取り外しできない、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記調整部材は、前記リセス内において前記第1及び前記第2の調整位置の間で前記クラブ本体に対してスライド可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記調整部材は、貫通スロットを含み、
前記貫通スロット内において前記留め具が前記調整部材に対して移動可能となるように、前記静止面角度調整器が構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記スロットは、前記留め具を受け入れるための離散した数の位置を協調して形成する1つまたは複数の狭められた部分と1つまたは複数の広げられた部分を含む、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記調整部材はさらに、前記第1の調整位置と前記第2の調整位置の間の複数の中間調整位置に配置可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記リセスは、前記リセスのスライド面と前記ソール面の隣接表面部との間で前記スライド面に直交して測定される可変のリセス深さを備えており、
前記スライド面は、前記調整部材をスライド可能に取り付けるように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記リセスは、前記後端よりも前記フェースに近いリセスクローズ端から前記フェースよりも前記後端に近いリセスオープン端まで長く延びており、
前記リセス深さは、前記クローズ端の近くで大きく、前記オープン端の近くで小さい、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記リセス深さは、前記リセスの前記オープン端と前記クローズ端の間で直線的に変化する、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記リセスは、前記トウ端よりも前記ヒール端の近くの前記ソールに位置する、請求項1~11のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
第1のキール高さが前記第1の調整位置にある前記調整部材を用いて測定され、
前記第1のキール高さは、隣接ソール面に直交して前記調整部材の前記キール面まで測定され、
第2のキール高さが前記第2の調整位置にある前記調整部材を用いて測定され、
前記第2のキール高さは、隣接ソール面に直交して前記調整部材の前記キール面まで測定され、
前記第2のキール高さが前記第1のキール高さよりも大きい、請求項1~12のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ゴルフクラブヘッドは重心を備えており、
前記キールポイントの前記第1の位置及び前記第2の位置はいずれも、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに、前記重心よりも後方に位置している、請求項1~13のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記ゴルフクラブヘッドは重心を備えており、
前記キールポイントの前記第1の位置は、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに、前記重心よりも前方に位置しており、
前記キールポイントの前記第2の位置は、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに、前記重心よりも後方に位置している、請求項1~13のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1の位置は、前記第2の位置よりも前記フェースに近い、請求項1~15のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
アドレスのときの前記ゴルフクラブヘッドの静止面角度は、アドレスのときに前記フェースと意図したターゲットラインに沿ってゴルフボールから伸びる仮想線の間で測定され、
前記フェースが前記意図したターゲットラインに対して直交であるとき、前記静止面角度がゼロであり、
前記調整部材を前記第1の調整位置に配置すると、前記ゴルフクラブヘッドの前記静止面角度は、前記第1の調整位置に前記調整部材を欠いた同様なゴルフクラブヘッドよりもオープンポジションとなり、
前記調整部材を前記第2の調整位置に配置すると、前記ゴルフクラブヘッドの前記静止面角度は、前記第2の調整位置に前記調整部材を欠いた同様なゴルフクラブヘッドよりもクローズポジションとなる、請求項1~16のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記調整部材が前記第1の調整位置に配置されると、前記調整部材は完全に前記リセス内にある、請求項1~12のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記リセスは、1つまたは複数のノッチを含む側壁をさらに備えており、
前記調整部材は、前記リセスの前記1つまたは複数のノッチと協働して前記調整部材を離散した数の調整位置に保持する、1つまたは複数の隆起部を含む側壁をさらに備えている、請求項1~18のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記1つまたは複数のノッチと前記1つまたは複数の隆起部は、協働して前記調整部材を前記第1の調整位置または前記第2の調整位置に保持する、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【外国語明細書】