(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188243
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】画像符号化装置、画像符号化方法及び画像符号化プログラム、並びに画像復号装置、画像復号方法、及び画像復号プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 19/70 20140101AFI20221213BHJP
H04N 19/593 20140101ALI20221213BHJP
【FI】
H04N19/70
H04N19/593
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163084
(22)【出願日】2022-10-11
(62)【分割の表示】P 2021069712の分割
【原出願日】2019-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2018183954
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】竹原 英樹
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イントラ予測における符号化効率を向上させる画像符号化装置、画像復号装置及び各方法を提供する。
【解決手段】画像復号装置において、予測モード候補生成部は、予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する。予測モード選択部は、前記第1のイントラ予測モード候補リストと前記第2のイントラ予測モード候補リストからそれぞれ第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モードを選択する。予測値算出部は、前記第1のイン
トラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素から第2の予測値を算出する。予測値重みづけ部は、前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを符号化し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを符号化する符号化部と、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択部と、
を有することを特徴とする画像符号化装置。
【請求項2】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを符号化し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを符号化する符号化ステップと、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択ステップと、
を有することを特徴とする画像符号化方法。
【請求項3】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを符号化し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを符号化し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを符号化する符号化ステップと、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択ステップと、
を有することを特徴とする画像符号化プログラム。
【請求項4】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを復号し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを復号する復号部と、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択部と、
を有することを特徴とする画像復号装置。
【請求項5】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを復号し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを復号する復号ステップと、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択ステップと、
を有することを特徴とする画像復号方法。
【請求項6】
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを復号し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを復号する復号ステップと、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択ステップと、
を有することを特徴とする画像復号プログラム。
【請求項7】
復号部と、予測モード選択部とを備えるコンピュータに用いられ、分割されたブロック単位で画像を符号化したビットストリームのデータ構造であって、
第一の候補特定インデックスに基づいて予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグと、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを示す前記第一の候補特定インデックスと、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグと、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを示す第二の候補特定インデックスと、
を含み、
前記復号部が前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスを復号し、
前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示さない場合、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを復号し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合に、第二の候補特定インデックスを復号し、
前記予測モード選択部が、前記第一のフラグが前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定することを示す場合、前記第一の候補特定インデックスに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示す場合、前記所定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、
前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードであることを示さない場合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードを含み、前記所定の非角度イントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから、前記第二の候補特定インデックスに基づいて、前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択し、
前記予測モード選択部が前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する処理に用いられる前記第一のフラグと、前記第一の候補特定インデックスと、前記第二のフラグと、前記第二の候補特定インデックスとを含む、
ことを特徴とするビットストリームのデータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イントラ予測を用いて画像の符号化及び復号化を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
HEVC(H.265)などの画像符号化技術がある。HEVCではインター予測符号
化(ピクチャ間予測符号化)に加えて、イントラ予測符号化(ピクチャ内予測符号化)が
利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HEVCでは、四本木分割された正方形のブロックについて、最大ブロックサイズが3
2画素×32画素でイントラ予測が実行される。4K画像や8K画像など高精細画像や3
60度画像ではより大きなブロックサイズで高効率となるイントラ予測が提供される。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、イントラ予測におけ
る符号化効率を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本実施形態のある態様の画像符号化装置は、予測対象ブロ
ックに隣接するブロックのイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックのイント
ラ予測モードを決定するか否かを示す第一のフラグを符号化し、前記予測対象ブロックの
イントラ予測モードが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグ
を符号化し、前記第二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードでないことを示す
場合に、候補特定インデックスを符号化する符号化部と、前記第一のフラグが真である場
合、前記予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードに基づいて前記予測
対象ブロックのイントラ予測モードを決定し、前記第二のフラグが真である場合、前記所
定の非角度イントラ予測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択
し、前記第二のフラグが偽である場合、前記候補特定インデックスに基づいて、前記所定
のイントラ予測モードを含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから前記
予測対象ブロックのイントラ予測モードを選択する予測モード選択部とを有する。
【0007】
本発明の別の態様は、画像復号装置である。この装置は、予測対象ブロックに隣接する
ブロックのイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックのイントラ予測モードを
決定するか否かを示す第一のフラグを復号し、前記予測対象ブロックのイントラ予測モー
ドが所定の非角度イントラ予測モードであるか否かを示す第二のフラグを復号し、前記第
二のフラグが前記所定の非角度イントラ予測モードでないことを示す場合に、候補特定イ
ンデックスを復号する復号部と、 前記第一のフラグが真である場合、前記予測対象ブロ
ックに隣接するブロックのイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックのイント
ラ予測モードを決定し、前記第二のフラグが真である場合、前記所定の非角度イントラ予
測モードを前記予測対象ブロックのイントラ予測モードとして選択し、前記第二のフラグ
が偽である場合、前記候補特定インデックスに基づいて、前記所定のイントラ予測モード
を含まないように生成したイントラ予測モード候補リストから前記予測対象ブロックのイ
ントラ予測モードを選択する予測モード選択部とを有する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピ
ュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イントラ予測における符号化効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】HEVCのイントラ予測モードを説明する図である。
【
図2】HEVCのイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置と画像復号装置を説明する図である。
【
図4】画像符号化装置に入力される画像の一部の領域が、ブロックサイズ決定部で決定されたブロックサイズに基づいて、ブロックに分割されている例を示す図である。
【
図5】実施の形態1のイントラ予測選択部の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態1のイントラ予測選択部の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】予測対象ブロックの隣接ブロックを説明する図である。
【
図9】予測モード候補リスト0の生成処理の動作を説明するフローチャートである。
【
図10】予測モード候補リスト0の生成処理に使用される、所定の予測モードの優先順位を示す表である。
【
図11】予測モード候補リスト1の生成処理の動作を説明するフローチャートである。
【
図12】予測モード候補リスト1の生成処理に使用される、所定の予測モードの優先順位を示す表である。
【
図13】実施の形態1のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
【
図14】実施の形態1の変形例4のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
【
図15】実施の形態2のイントラ予測選択部の構成を示す図である。
【
図16】実施の形態2のイントラ予測選択部の動作を説明するフローチャートである。
【
図17】実施の形態2のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
【
図18】intra_luma_merge_idxと隣接ブロックの関係を示す表である。
【
図19】実施の形態2の変形例2のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
【
図20】実施の形態2の変形例2のイントラ予測モードに関する別のシンタックスを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、HEVCのイントラ予測について説明する。
図1は、HEVCのイントラ予測モードを説明する図である。
図1のようにHEVCで
はイントラ予測モードとして予測モード0から予測モード34までの35モードが定義さ
れている。予測モード0はINTRA_PLANARであり、予測対象ブロックの隣接画
素をフィルタリングして生成した4つの参照画素を内挿予測して予測値を算出する。予測
モード1はINTRA_DCであり、予測対象ブロックの予測ブロックの幅の2倍の水平
方向の隣接画素と、予測ブロックの高さの2倍の垂直方向の隣接画素とを平均して予測値
を算出する。予測モード2から予測モード34は、それぞれの角度に応じて予測対象ブロ
ックの隣接画素をフィルタリングして生成した参照画素から予測値を算出する。ここで、
予測対象ブロックの隣接画素のフィルタリングについては、予測対象ブロックのサイズが
大きい場合に作用しやすく、予測対象ブロックのサイズが小さい場合に作用しにくくして
いる。なお、フィルタリングには1:2:1の3タップフィルタが利用される。
【0012】
図2は、HEVCのイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。p
rev_intra_luma_pred_flagは予測対象ブロック毎に導出される
イントラ予測モード候補を利用するか否かを示すフラグである。prev_intra_
luma_pred_flagが1の場合は、イントラ予測モード候補が利用され、pr
ev_intra_luma_pred_flagが0の場合は、イントラ予測モード候
補は利用されない。prev_intra_luma_pred_flagが1の場合は
、mpm_idx(mpmインデックス)はイントラ予測モード候補の番号を示し、mp
m_idxで示されるイントラ予測モード候補が予測対象ブロックのイントラ予測モード
となる。イントラ予測モード候補は予測対象ブロック毎に隣接ブロックのイントラ予測モ
ードに基づいて全てのイントラ予測モード35個の中から3つ生成され、mpm_idx
は0、1、または2の値になる。prev_intra_luma_pred_flag
が0の場合は、rem_intra_luma_pred_modeからイントラ予測モ
ードの番号を導出する。rem_intra_luma_pred_modeはイントラ
予測モード候補以外のイントラ予測モードを示す。すなわち、rem_intra_lu
ma_pred_modeは全てのイントラ予測モード35個からイントラ予測モード候
補を除いた32個のイントラ予測モードのいずれか1つを示す。rem_intra_l
uma_pred_modeで示されるイントラ予測モードが予測対象ブロックのイント
ラ予測モードとなる。以上のように、HEVCでは35個の全てのイントラ予測モードが
mpm_idxとrem_intra_luma_pred_modeの両方に符号化(
復号)される可能性がある。prev_intra_luma_pred_flag、m
pm_idx、rem_intra_luma_pred_modeはそれぞれ固定長2
値化、トランケーティッド・ライス2値化、固定長2値化により2値算術符号化される。
rem_intra_luma_pred_modeは5ビットの固定長2値化で2値算
術符号化される。トランケーティッド・ライス2値化は値が小さいほど符号化効率が向上
する。
【0013】
以上のように、HEVCの予測モード2から予測モード34は、1つの角度に基づいて
イントラ予測の予測値を算出している。これは、符号量増加の原因となる画像に含まれる
エッジ方向を予測して差分をとることで符号量を削減している。そして、予測対象ブロッ
クのサイズが大きい場合には、1つの角度から予測した場合にエッジ方向がブロック内で
ずれて、予測効率が十分に良くならない可能性がある。そのため、予測対象ブロックの隣
接画素をフィルタリングしている。
【0014】
HEVCにおける予測対象ブロックのサイズの最大サイズは32画素×32画素(以降
、32×32とも記す)であった。これに対して、4K映像、8K映像などでは、より大
きな予測対象ブロックのサイズを利用することで予測効率が向上することが知られており
、予測対象ブロックのサイズを大きくすることは予測効率を向上させる上で重要である。
【0015】
そこで、以下の実施の形態では、予測対象ブロックのサイズの最大サイズがより大きく
なった場合に好適なイントラ予測を提供する。以下、複数のイントラ予測モードの内、予
測に利用する隣接画素が角度依存性を持たないイントラ予測モードを非角度イントラ予測
モードといい、予測に利用する隣接画素が角度依存性を持つイントラ予測モードを角度イ
ントラ予測モードという。角度イントラ予測モードには、水平方向のイントラ予測モード
と垂直方向のイントラ予測モードが含まれる。
【0016】
HEVCでは、予測モード0と予測モード1が非角度イントラ予測モードであり、予測
モード2から予測モード34が角度イントラ予測モードである。より具体的には、予測モ
ード2から予測モード17が水平方向のイントラ予測モードであり、予測モード18から
予測モード34が垂直方向のイントラ予測モードである。
【0017】
(実施の形態1)
以下、図面とともに本発明の実施の形態に係る画像符号化装置、画像符号化方法、及び
画像符号化プログラム、並びに画像復号装置、画像復号方法、及び画像復号プログラムの
詳細について説明する。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置100と画像復号装置200を説
明する図である。実施の形態1に係る画像符号化装置100はブロックサイズ決定部11
0、イントラ予測選択部120、変換部130、及び符号化部140を含む。画像符号化
装置100には入力画像が入力されて、符号化ストリームを出力する。
【0019】
画像復号装置200は復号部210、ブロックサイズ取得部220、イントラ予測部2
30、及び逆変換部240を含む。画像復号装置200には符号化ストリームが入力され
て、復号画像を出力する。
【0020】
実施の形態1のイントラ予測部230では、HEVCと同じイントラ予測モードを利用
する。画像符号化装置100と画像復号装置200は、CPU(Central Pro
cessing Unit)、フレームメモリ、ハードディスクなどを備える情報処理装
置などのハードウェアにより実現される。
【0021】
最初に、画像符号化装置100の各部の機能と動作について説明する。画像符号化装置
100には入力画像が入力される。
【0022】
ブロックサイズ決定部110は、入力画像に基づいてイントラ予測符号化するブロック
サイズを決定し、決定したブロックサイズとブロックサイズに該当する入力画素(入力値
)をイントラ予測選択部120に供給する。ブロックサイズを決定する手法についてはこ
こでは詳細に説明しないが、HEVCの参照ソフトウェアなどに用いられているように、
複数のブロックサイズの評価値を比較して最適なブロックサイズを選択するRDO(レー
ト歪最適化)や評価値によるプリ判定でよい。
【0023】
ここで、ブロックサイズについて説明する。
図4は、画像符号化装置100に入力される画像の一部の領域が、ブロックサイズ決定
部110で決定されたブロックサイズに基づいて、ブロックに分割されている例を示す。
ブロックサイズは4×4、8×4、4×8、8×8、16×8、8×16、32×32、
・・・、128×64、64×128、128×128が存在し、入力される画像は各ブ
ロックが重複しないように上記のブロックサイズを用いて分割される。
【0024】
イントラ予測選択部120は、ブロックサイズ、入力画素、符号化済み画像に基づいて
、複数のイントラ予測モードの中から1つのイントラ予測モードを選択し、選択したイン
トラ予測モードに基づいて符号化済みの画素から予測値を導出し、ブロックサイズ、選択
したイントラ予測モード、入力値、及び予測値を変換部130に供給する。なお、符号化
済みの画素は画像符号化装置100内の各部で共有されており、ここでは図示しない。イ
ントラ予測選択部120の詳細については後述する。
【0025】
変換部130は、入力値から予測値を減算して差分値を算出し、算出した差分値に直交
変換と量子化などの処理を行って予測誤差データを算出し、ブロックサイズ、イントラ予
測モード、及び算出した予測誤差データを符号化部140に供給する。
【0026】
符号化部140は、必要に応じてヘッダやその他の情報を符号化し、変換部130から
供給されたブロックサイズに関する符号列を符号化し、イントラ予測モードを符号列とし
て符号化し、予測誤差データを符号化し、符号化ストリームとして出力する。イントラ予
測モードの符号化処理の詳細については後述する。
【0027】
画像符号化装置100は入力画像の全ての領域が符号化されるまで上記の処理を繰り返
す。
【0028】
ここで、イントラ予測選択部120の詳細について説明する。
図5は、実施の形態1のイントラ予測選択部120の構成を示す図である。イントラ予
測選択部120はモード数判定部121、予測モード候補生成部122、予測モード選択
部123、予測値算出部124、及び予測値重みづけ部125を含む。
【0029】
図6は、実施の形態1のイントラ予測選択部120の動作を説明するフローチャートで
ある。以降、
図5と
図6を用いてイントラ予測選択部120の詳細を説明する。最初に、
モード数判定部121は、予測ブロック幅が所定の閾幅以上で且つ予測ブロック高が所定
の閾高以上であるか否か検査する(S100)。ここでは、所定の閾幅と所定の閾高がそ
れぞれ32であるとするが、所定の閾幅が64及び所定の閾高が32のように、所定の閾
幅と所定の閾高を異なる値にしてもよい。なお、所定の閾幅と所定の閾高をそれぞれヘッ
ダに、拡張ゴロム符号列としてSPS(Sequence_parameter_set
)などに符号化して格納してもよい。
【0030】
次に、モード数判定部121は、予測ブロック幅が所定の閾幅以上で且つ予測ブロック
高が所定の閾高以上であれば(S100のYES)、予測モード数を2に設定し(S10
1)、予測ブロック幅が所定の閾幅以上で且つ予測ブロック高が所定の閾高以上でなけれ
ば(S100のNO)、予測モード数を1に設定する(S102)。
【0031】
次に、イントラ予測選択部120は、予測モード数が1である場合にはMを0とし、予
測モード数が2である場合にはMを0と1としてS103からS107まで繰り返す。こ
こでは、ステップ数の削減を考慮して予測モード数が1である場合にはMを0のみ処理す
るとしたが、回路構成の単純化を考慮して予測モード数が1である場合でもMを0及び1
としてS103からS107を繰り返してもよい。
【0032】
予測モード候補生成部122は、予測対象ブロックの周辺に存在する符号化済みの隣接
ブロックから予測モード候補リストMを生成し(S104)、生成した予測モード候補リ
ストMを予測モード選択部123に供給する。予測モード候補リストの生成処理の詳細に
ついては後述する。
【0033】
予測モード選択部123は、予測モード0から予測モード34の評価値をそれぞれ算出
し、算出した各予測モードの評価値に基づいて、予測モード0から予測モード34の中か
ら1つの選択予測モードMを選択し(S105)、選択した選択予測モードMを予測値算
出部124に供給する。ここで、選択予測モードMは予測モード0から予測モード34の
予測モードの中からRDO判定により1つ選択されるものとする。
【0034】
予測値算出部124は、予測モード選択部123から入力される選択予測モードMに基
づいて予測対象ブロックの予測値Mを算出し(S106)、算出した予測値Mを予測値重
みづけ部125に供給する。ここで、予測値は隣接画素から導出する。
【0035】
図7は、予測値の導出を説明する図である。
図7の予測対象ブロックは32×32であ
り、予測対象ブロック内の各画素はP(0,0)からP(31,31)まで存在し、隣接
画素はRH-1からRH63、RV0からRV63までを利用する。隣接画素が存在しな
い場合にはHEVCで定義されているような代替画素で補填するものとする。
図7は、予
測モード数が2、選択予測モード0が予測モード10、選択予測モード1が予測モード3
4である例を示している(
図1参照)。
【0036】
まず、選択予測モード0が予測モード10の場合の選択予測モード0の予測値の導出を
説明する。P(0,0)、P(1,0)、・・・、P(31,0)はRV0を予測値とし
、P(0,1)、・・・、P(31,1)はRV1を予測値とし、P(0,31)、・・
・、P(31,31)はRV31を予測値とする。次に、選択予測モード1が予測モード
34の場合の選択予測モード1の予測値の導出を説明する。P(0,0)はRH1を予測
値とし、P(1,0)及びP(0,1)はRH2を予測値とし、P(31,31)はRH
63を予測値とする。HEVCのように予測対象ブロックの隣接画素をフィルタリングし
て参照画素を生成せず、本実施の形態では隣接画素をそのまま利用するため、本実施の形
態ではフィルタリング処理は不要である。参照画素から予測値を算出する点を除いて、予
測値の算出はHEVCと同じであるとする。
【0037】
S106に引き続いて、選択予測モードMが非角度イントラ予測モードでないことを検
査する(S110)。選択予測モードMが非角度イントラ予測モードでなければ(S11
0のYES)、S107に進む。選択予測モードMが非角度イントラ予測モードであれば
(S110のNO)、S108に進む。ここで、非角度イントラ予測モードとは、INT
RA_PLANARとINTRA_DCであるとする。このように、INTRA_PLA
NARやINTRA_DCのように特定角度の隣接画素を利用するのみならず、複数の方
向の隣接画素を用いたイントラ予測モードでは、予測モード数が2であることを許容せず
に予測モード数は1とすることで、処理量の増加を抑制できる。すなわち、非角度イント
ラ予測モードに属する予測モードと、角度イントラ予測モードに属する予測モードを組み
合わせることはない。
【0038】
S107に引き続いて、予測値重みづけ部125は、予測モード数が1であるか、選択
予測モード0が非角度イントラ予測モードであれば、予測値算出部124より供給された
予測値をそのまま予測値として出力する。予測値重みづけ部125は、予測モード数が2
であれば、予測値算出部124より供給された選択予測モード0の第1の予測値と選択予
測モード1の第2の予測値を平均して第3の予測値として出力する(S108)。
【0039】
続いて、画像復号装置200の各部の機能と動作について説明する。復号部210は、
符号化ストリームから必要に応じてヘッダやその他の情報を復号し、ブロックサイズに関
する符号列、イントラ予測モードの符号列、及び予測誤差データを符号化ストリームから
復号し、復号したブロックサイズに関する符号列、イントラ予測モードの符号列、及び予
測誤差データをブロックサイズ取得部220に供給する。イントラ予測モードの符号列の
復号については後述するイントラ予測モードに関するシンタックスに基づいて復号される
。
【0040】
ブロックサイズ取得部220は、復号部210から供給されたブロックサイズに関する
符号列からブロックサイズを取得し、ブロックサイズ、イントラ予測モードの符号列、及
び予測誤差データをイントラ予測部230に供給する。
【0041】
イントラ予測部230は、イントラ予測モードの符号列からイントラ予測モードを選択
し、選択されたイントラ予測モードに基づいて復号済みの画素から予測値を導出し、予測
値、ブロックサイズ、及び予測誤差データを逆変換部240に供給する。なお、復号済み
の画素は画像復号装置200内の各部で共有されており、ここでは図示しない。
【0042】
ここで、イントラ予測部230における予測値の算出は、イントラ予測選択部120に
おける予測値の算出と同一であり、画像符号化装置100で得られる再生画像と画像復号
装置200で出力される再生画像は同一となる。すなわち、イントラ予測部230とイン
トラ予測選択部120は同一の構成にすることができるため、本実施の形態ではイントラ
予測部230とイントラ予測選択部120は同一の構成であるとして説明する。
【0043】
イントラ予測部230の動作をイントラ予測選択部120の動作を説明するフローチャ
ートである
図6を用いて説明する。イントラ予測選択部120との差はS105であり、
イントラ予測部230ではS105の代わりに下記のS105Dを実施する。
【0044】
予測モード選択部123は、イントラ予測モードの符号列に基づいて1つの選択予測モ
ードMを選択し(S105D)、選択した選択予測モードMを予測値算出部124に供給
する。イントラ予測モードの符号列については後述する。
【0045】
逆変換部240は、イントラ予測部230から供給された予測誤差データに逆直交変換
と逆量子化などの処理を行って差分値を算出し、差分値と予測値を加算して再生画素を算
出し、再生画素を出力する。
【0046】
画像復号装置200は入力された符号化ストリームの全ての符号列を復号するまで上記
の処理を繰り返す。
【0047】
ここで、予測モード候補リストの生成処理の詳細について説明する。最初に、予測対象
ブロックの周辺に存在する符号化済みの隣接ブロックについて説明する。
図8は、予測対象ブロックの隣接ブロックを説明する図である。
図8において、ブロッ
クXは予測対象ブロックであり、ブロックAからブロックEが隣接ブロックである。ここ
では、隣接ブロックをブロックAからブロックEとしたが、ブロックAからブロックDで
もよく、更に予測対象ブロックの左上(ブロックAの上)のブロックや左下(ブロックC
の下)のブロックなどを追加してもよい。
【0048】
図9は、予測モード候補リスト0の生成処理の動作を説明するフローチャートである。
図9に基づいて予測モード候補リスト0の生成処理について説明する。最初は、予測モー
ド候補リスト0は空であり、予測モード候補リスト0に含まれる候補数は0であるとする
。予測モード候補リスト0を候補リスト0と略する。
【0049】
ブロックXをブロックA、ブロックB、ブロックC、ブロックD、ブロックEの順にS
210、S201、S202、S203のステップを繰り返す(S200及びS204)
。
【0050】
ブロックXがイントラ予測を利用しているか否か検査する(S210)。ブロックXが
イントラ予測を利用していれば(S210のYES)、S201に進む。ブロックXがイ
ントラ予測を利用していなければ(S210のNO)、S204に進む。
【0051】
S210に引き続いて、候補リスト0にブロックXと同じ選択予測モード0が存在しな
ければ(S201のYES)、ブロックXの選択予測モード0を候補リスト0に追加(S
202)する。続いて、候補リスト0に追加された予測モードの数が所定数に達したか否
か検査し(S203)、候補リスト0に追加された予測モードの数が所定数に達していれ
ば(S203のYES)、処理を終了する。候補リスト0に追加された予測モードの数が
所定数に達していなければ(S203のNO)、S204に進む。ここで、所定数は3と
する。候補リスト0にブロックXと同じ選択予測モード0が存在すれば(S201のNO
)、S204に進む。
【0052】
次に、候補リスト0に追加された予測モードの数が所定数未満であれば(S205のY
ES)、所定の予測モードの優先順位に基づいて、候補リスト0に同じ予測モードが重複
しないように、優先順位の小さい順に候補リスト0に予測モード候補を追加して(S20
6)、処理を終了する。ここで、所定の予測モードの優先順位を示す表を
図10に示す。
候補リスト0に追加された予測モードの数が所定数未満でなければ(S205のNO)、
処理を終了する。
【0053】
図11は、予測モード候補リスト1の生成処理の動作を説明するフローチャートである
。
図11に基づいて予測モード候補リスト1の生成処理について説明する。最初は、予測
モード候補リスト1は空であり、予測モード候補リスト1に含まれる候補数は0であると
する。予測モード候補リストを候補リストと略する。
【0054】
ブロックXをブロックA、ブロックB、ブロックC、ブロックD、ブロックEの順にし
てS310、S301、S302、S303、S304、S305のステップを繰り返す
(S300及びS306)。
【0055】
ブロックXが角度イントラ予測モードを利用しているか否か検査する(S310)。ブ
ロックXが角度イントラ予測モードを利用していれば(S310のYES)、S301に
進む。ブロックXが角度イントラ予測モードを利用していなければ(S310のNO)、
S306に進む。
【0056】
ブロックXの選択予測モードNについて選択予測モード1と選択予測モード0の順でS
302、S303、S304のステップを繰り返す(S301及びS305)。
【0057】
候補リスト1にブロックXと同じ選択予測モードNが存在しなければ(S302のYE
S)、ブロックXの予測モードを候補リスト1に追加する(S303)。続いて、候補リ
スト1に追加された予測モードの数が所定数に達したか否か検査し(S304)、候補リ
スト1に追加された予測モードの数が所定数に達していれば(S304のYES)、処理
を終了する。候補リスト1に追加された予測モードの数が所定数に達していなければ(S
304のNO)、S305に進む。ここで、所定数は3とする。候補リスト1にブロック
Xと同じ選択予測モードNが存在すれば(S302のNO)、S305に進む。
【0058】
次に、候補リスト1に追加された予測モードの数が所定数未満であれば(S307のY
ES)、所定の予測モードの優先順位に基づいて、候補リスト1に同じ予測モードが重複
しないように、優先順位の小さい順に候補リスト1に予測モード候補を追加して(S30
8)、処理を終了する。ここで、所定の予測モードの優先順位を示す表を
図12に示す。
図12の表は
図10の表とは異なり、非角度イントラ予測モード(予測モード0と予測モ
ード1)は含まれない。また、優先順位には、垂直方向のイントラ予測モードと水平方向
のイントラ予測モードを交互に設定している。候補リストに追加された予測モードの数が
所定数未満でなければ(S307のNO)、処理を終了する。
【0059】
ここで、実施の形態1によって得られる効果について説明する。予測対象ブロックの大
きさが大きい場合には、予測対象ブロック内に複数のエッジが含まれる可能性が高くなる
。このように、予測対象ブロック内に複数のエッジが含まれている場合に、1つのイント
ラ予測モードだけで予測対象ブロックを予測すると、予測効率が低下する可能性が高い。
【0060】
よって、以上で述べたように、予測対象ブロックの大きさが大きい場合には、2つのイ
ントラ予測モードで予測することで、予測対象ブロックに2方向のエッジが存在する場合
に対応することができ、予測効率を向上させることができる。
【0061】
続いて、イントラ予測モードの符号化(イントラ予測モードの符号列)の詳細について
説明する。
図13は、実施の形態1のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図であ
る。
図13は予測ブロックのシンタックスであり、pbWidthは予測ブロックの幅、
pbHeightは予測ブロックの高さを示す。pbWThreadは所定の閾幅、pb
HThreadは所定の閾高を示す。イントラ予測モードの符号化やイントラ予測モード
の復号は
図13のシンタックスに基づいて行われる。
【0062】
prev_intra_luma_pred_flag、mpm_idx、及びrem
_intra_luma_pred_modeは選択予測モード0に関するシンタックス
である。prev_intra_luma_pred_flagは、予測モード候補リス
ト0から選択予測モード0を選択するか否かを示すフラグである。prev_intra
_luma_pred_flagが1であれば、予測モード候補リスト0から選択予測モ
ード0が選択され、prev_intra_luma_pred_flagが0であれば
、予測モード候補リスト0に含まれないイントラ予測モードから選択予測モード0が選択
される。mpm_idxは予測モード候補リスト0に含まれる候補の中から選択された選
択予測モード0を示すインデックスである。rem_intra_luma_pred_
modeは予測モード候補リスト0に含まれない候補の中から選択された選択予測モード
0を示すインデックスである。
【0063】
2nd_prev_intra_luma_pred_flag、2nd_mpm_i
dx、及び2nd_rem_intra_luma_pred_modeは選択予測モー
ド1に関するシンタックスである。2nd_prev_intra_luma_pred
_flagは、予測モード候補リスト1から選択予測モード1を選択するか否かを示すフ
ラグである。2nd_prev_intra_luma_pred_flagが1であれ
ば、予測モード候補リスト1から選択予測モード1が選択され、2nd_prev_in
tra_luma_pred_flagが0であれば、予測モード候補リスト1に含まれ
ないイントラ予測モードから選択予測モード1が選択される。2nd_mpm_idxは
予測モード候補リスト1に含まれる候補の中から選択された選択予測モード1を示すイン
デックスである。2nd_rem_intra_luma_pred_modeは予測モ
ード候補リスト1に含まれない候補の中から選択された選択予測モード1を示すインデッ
クスである。
【0064】
prev_intra_luma_pred_flag、rem_intra_lum
a_pred_mode、2nd_prev_intra_luma_pred_fla
g、及び2nd_rem_intra_luma_pred_modeは固定長(FL)
2値化され、mpm_idx、2nd_mpm_idxはトランケーティドライス(TR
)2値化される。
【0065】
(実施の形態1の変形例1)
以下、実施の形態1の変形例1について説明する。角度イントラ予測モード(予測モー
ド2から予測モード34)の予測値の算出において、それぞれの角度に応じて予測対象ブ
ロックの隣接画素から予測値を算出するのではなく、予測対象ブロックの隣接画素をフィ
ルタリングして生成した参照画素から予測値を算出してもよい。
【0066】
また、予測モード数が1の場合は予測対象ブロックの隣接画素をフィルタリングして生
成した参照画素から予測値を算出し、予測モード数が2の場合は予測対象ブロックの隣接
画素から予測値を算出するようにすることもできる。このようにすることで、予測モード
数が1の場合の処理量と予測モード数が2の場合の処理量を均一化することができる。
【0067】
(実施の形態1の変形例2)
以下、実施の形態1の変形例2について説明する。実施の形態1では予測モード候補リ
スト1を予測モード候補リスト0とは異なる
図11のように生成し、予測モード候補リス
ト1から選択予測モード1を選択したが、予測モード候補リスト0から選択予測モード1
を選択してもよい。このようにすることで、予測モード候補リスト1を生成する処理を削
減することができる。
【0068】
また、予測モード候補リスト0の候補の所定数を3よりも大きくすることができる。例
えば、予測モード候補リスト0の候補の所定数を5としてもよい。この場合、選択予測モ
ード1が2nd_mpm_idxとして符号化される確率を高め、符号化効率を向上させ
ることができる。所定数が3より大きい場合には所定の予測モードの優先順位も所定数に
合わせて4以上用意する。このとき、優先順位順は、垂直方向のイントラ予測モードと水
平方向のイントラ予測モードを交互に設定する。
【0069】
(実施の形態1の変形例3)
以下、実施の形態1の変形例3について説明する。実施の形態1では選択予測モード1
を予測モード0から予測モード34の中から1つ選択した。変形例3では、選択予測モー
ド1を予測モード候補リスト1から選択してもよい。このとき、
図13の2nd_pre
v_intra_luma_pred_flagと2nd_rem_intra_lum
a_pred_modeは不要となり、2nd_mpm_idxだけで済む。このように
することで、選択予測モード1の符号化効率を向上させることができる。
【0070】
(実施の形態1の変形例4)
以下、実施の形態1の変形例4について説明する。実施の形態1では予測モード候補リ
スト1を選択予測モード0とは無関係に
図11のように生成した。変形例4では予測モー
ド候補リスト1を選択予測モード0に基づいて生成する。
【0071】
ここでは、下記(式1)、(式2)のように選択予測モード0の両隣のモードを予測モ
ード候補リスト1として追加する。これにより、隣接する2つの予測モードの中間の予測
モードを生成することができるようになる。
予測モード候補リスト1[0]=(選択予測モード0-1)%35 ・・・(式1)
予測モード候補リスト1[1]=(選択予測モード0+1)%35 ・・・(式2)
「%」は剰余演算子であり、「35」はイントラ予測モード数である。すなわち、(選
択予測モード0-1)を35で割った余りが、予測モード候補リスト1[0]に追加され
る。同様に、(選択予測モード0+1)を35で割った余りが、予測モード候補リスト1
[1]に追加される。余りは0~34の範囲に収まる。
なお、選択予測モード0は非角度イントラ予測モードをとらないため、選択予測モード
0が予測モード0または予測モード1をとることはない。そのため、選択予測モード0が
予測モード2である場合、予測モード候補リスト1[0]は予測モード1となるが、予測
モード1は非角度イントラ予測モードであるため無効とする。同様に、選択予測モード0
が予測モード34である場合、予測モード候補リスト1[1]は予測モード0となるが、
予測モード0は非角度イントラ予測モードであるため無効とする。
【0072】
また、イントラ予測モードに関するシンタックスも異なる。
図14は、変形例4のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。
2nd_intra_luma_pred_0_flagが1であれば、選択予測モード
1として予測モード候補リスト1[0]を選択し、2nd_intra_luma_pr
ed_0_flagが0であれば、選択予測モード1として予測モード候補リスト1[1
]を選択する。このようにすることで、選択予測モード1の符号化効率を向上させること
ができる。選択予測モード0が予測モード2または予測モード34である場合、イントラ
予測モードは一意に0に決定される。そのため、2nd_intra_luma_pre
d_0_flagを符号化または復号する必要がない。これにより、符号化効率と処理効
率をさらに向上させることができる。
【0073】
(実施の形態1の変形例5)
以下、実施の形態1の変形例5について説明する。実施の形態1の予測値重みづけ部1
25は、予測モード数が2であれば、選択予測モード0の予測値と選択予測モード1の予
測値を単純平均して予測値とした。変形例5では、選択予測モード0の予測値と選択予測
モード1の予測値を距離に応じて加重平均して予測値とする。
【0074】
予測対象画素と選択予測モード0の隣接画素N0との距離をd0、予測対象画素と選択
予測モード1の隣接画素N1との距離をd1とすると、加重平均して予測値PPは(式3
)で算出される。
PP=(N0*d1+N1*d0)/(d0+d1) ・・・(式3)
【0075】
(実施の形態1の変形例6)
以下、実施の形態1の変形例6について説明する。実施の形態1では、予測モード数を
1または2のいずれにするかは、予測対象ブロックの幅が所定の閾幅以上で且つ前記予測
対象ブロックの高さが所定の閾高以上であるか否かで決定した。これを例えば、予測モー
ド数が1であるか2であるかを示す予測モード数フラグを符号化(復号)して指定するこ
ともできる。この場合、フラグにより精細に制御できるため、予測効率が向上する。
【0076】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について説明する。実施の形態1とはイントラ予測選択部の構成と
動作が異なる。
【0077】
図15は、本発明の実施の形態2のイントラ予測選択部120の構成を示す図である。
イントラ予測選択部120は予測モード候補生成部122、予測モード選択部123、予
測値算出部124、及び予測値重みづけ部125を含む。
【0078】
図16は、イントラ予測選択部120の動作を説明するフローチャートである。以降、
図15と
図16を用いてイントラ予測選択部120の詳細を説明する。最初に、予測モー
ド候補生成部122は、非角度イントラ予測モードKの数だけS501からS503を繰
り返し、非角度イントラ予測モードKの評価値を算出する(S502)。Kが0の場合は
INTRA_PLANARを、Kが1の場合はINTRA_DCの評価値を算出する。
【0079】
次に、予測モード候補生成部122は、予測モード候補リストMの数だけS505から
S508を繰り返す。予測モード候補生成部122は、予測対象ブロックの周辺に存在す
る符号化済みの隣接ブロックから予測モード候補リストMを生成し(S506)、生成し
た予測モード候補リストMを予測モード選択部123に供給する。予測モード候補リスト
Mは、Mが0であれば水平方向のイントラ予測モードを含むように生成され、Mが1であ
れば垂直方向のイントラ予測モードを含むように生成される。予測モード候補リストMに
は非角度イントラ予測モードは含まれることはない。
【0080】
予測モード候補生成部122は、予測モード候補リスト0の場合は、予測モード候補リ
スト0に含まれる水平方向のイントラ予測モードである予測モード2から予測モード17
のそれぞれの予測値と評価値を算出し、算出した各予測モードの評価値に基づいて予測モ
ード2から予測モード17の中から1つの選択予測モード0を選択する。
【0081】
予測モード候補生成部122は、予測モード候補リスト1の場合は、予測モード候補リ
スト1に含まれる垂直方向のイントラ予測モードである予測モード18から予測モード3
4のそれぞれの予測値と評価値を算出して、算出した各予測モードの評価値に基づいて予
測モード18から予測モード34の中から1つの選択予測モード1を選択する(S507
)。以上のように、Mが0であれば水平方向のイントラ予測モードを示し、Mが1であれ
ば垂直方向のイントラ予測モードを示す。すなわち、Mはイントラ予測モードの方向を示
す。
【0082】
次に、予測モード候補生成部122は、選択予測モード0の予測値と選択予測モード1
の予測値を加重平均して予測モード数が2の評価値を算出する(S510)。次に、予測
モード選択部123は、予測モード0と予測モード1及び予測モード数が2の評価値に基
づいて、予測モード0と予測モード1及び予測モード数が2の中から1つのイントラ予測
モードを選択する(S511)。次に、予測値重みづけ部125は、選択されたイントラ
予測モードに基づいて予測値を出力する(S512)。
【0083】
また、実施の形態2は、実施の形態1とはイントラ予測モードに関するシンタックスが
異なる。
【0084】
図17は、実施の形態2のイントラ予測モードに関するシンタックスを説明する図であ
る。イントラ予測モードの符号化やイントラ予測モードの復号は
図17のシンタックスに
基づいて行われる。
【0085】
intra_luma_merge_flagは、予測対象ブロックの予測モード数と
イントラ予測モードとして、隣接ブロックの予測モード数とイントラ予測モードを利用す
るか否かを示すマージフラグである。
【0086】
intra_luma_merge_idxは予測対象ブロックの予測モード数とイン
トラ予測モードとして利用する予測モード数とイントラ予測モードを有する隣接ブロック
を示す。
【0087】
図18は、intra_luma_merge_idxと隣接ブロックの関係を示す表
である。例えば、intra_luma_merge_idxが0で、隣接ブロックAの
予測モード数が1で、選択予測モード0が予測モード3である場合、予測対象ブロックの
予測モード数は1で、選択予測モード0は予測モード3となる。また別の例では、int
ra_luma_merge_idxが2で、隣接ブロックCの予測モード数が2で、選
択予測モード0が予測モード3で、選択予測モード1が予測モード20である場合、予測
対象ブロックの予測モード数は2で、選択予測モード0は予測モード3で、選択予測モー
ド1は予測モード20となる。
【0088】
intra_luma_non_angular_pred_flagは非角度イント
ラ予測モードであるか否かを示すフラグである。非角度イントラ予測モードであるか否か
を示すフラグが非角度イントラ予測モードであることを示す(intra_luma_n
on_angular_pred_flagが1)場合はnon_angular_idx
を符号化(復号)し、non_angular_idxが示すイントラ予測モードが選択
予測モードとして選択される。non_angular_idxは非角度イントラ予測モ
ードの予測モードを示す。non_angular_idxが0であればINTRA_P
LANARを、1であればINTRA_DCを示す。非角度イントラ予測モードであるか
否かを示すフラグが非角度イントラ予測モードでないことを示す(intra_luma
_non_angular_pred_flagが0)場合は、prev_intra_
luma_pred_h_flag、mpm_idx_h、rem_intra_lum
a_pred_mode_h等のインデックスが符号化(復号)されて、非角度イントラ
予測モード以外のイントラ予測モードが選択予測モードとして選択される。
【0089】
intra_luma_pred_idcは予測モード数とイントラ予測の方向を示す
。intra_luma_pred_idcが0であれば、予測モード数が1で水平方向
のイントラ予測モードであることを示し、intra_luma_pred_idcが1
であれば、予測モード数が1で垂直方向のイントラ予測モードを示し、intra_lu
ma_pred_idcが2であれば予測モード数が2であることを示す。
【0090】
prev_intra_luma_pred_h_flag、mpm_idx_h、及
びrem_intra_luma_pred_mode_hは水平方向のイントラ予測モ
ードに関するシンタックスである。prev_intra_luma_pred_v_f
lag、mpm_idx_v、及びrem_intra_luma_pred_mode
_vは垂直方向のイントラ予測モードに関するシンタックスである。ここで、rem_i
ntra_luma_pred_mode_hとrem_intra_luma_pre
d_mode_vには非角度イントラ予測モードは含まれることはない。
【0091】
実施の形態2のように、予測対象ブロックの隣接ブロックのイントラ予測モードをその
まま利用するマージフラグを利用することで、予測モード数が2である場合や予測モード
候補リストに存在しない予測モードの符号化効率を向上させることができる。
【0092】
また、イントラ予測モードを非角度イントラ予測モードである予測モード0と予測モー
ド1、水平方向のイントラ予測モードである予測モード2から予測モード17、垂直方向
のイントラ予測モードである予測モード18から予測モード34に分類して、イントラ予
測モードに関するシンタックスを非角度イントラ予測モード用のシンタックス要素、水平
方向の予測用のシンタックス要素、垂直方向の予測用のシンタックス要素に分割すること
で、予測モード候補リストに存在しない予測モードを選択する場合に符号化効率を向上さ
せることができる。
【0093】
つまり、intra_luma_non_angular_pred_flagをre
m_intra_luma_pred_mode_hやrem_intra_luma_
pred_mode_vの前段に符号化(復号)することで、rem_intra_lu
ma_pred_mode_hやrem_intra_luma_pred_mode_
vに予測モード候補リストに含まれるイントラ予測モード候補に加えて、非角度イントラ
予測モードを含める必要がなくなる。そのため、rem_intra_luma_pre
d_mode_hやrem_intra_luma_pred_mode_vで指定でき
る角度イントラ予測モードを増加させることができるため符号化効率を向上させることが
できる。増加させるイントラ予測モードは、例えば、水平方向のイントラ予測モードであ
れば、予測モード9と予測モード10の間や予測モード10と予測モード11の間に新た
な角度を設けても良いし、垂直方向のイントラ予測モードであれば、予測モード25と予
測モード26の間や予測モード26と予測モード27の間に新たな角度イントラ予測モー
ドを設けても良い。
【0094】
また、一般的に、非角度イントラ予測モードは角度イントラ予測モードよりも選択確率
が高い。そのため、非角度イントラ予測モードを示す独立のシンタックスであるintr
a_luma_non_angular_pred_flagをmpm_idx_hやm
pm_idx_vの前段に符号化(復号)することで、予測モード候補リスト0や予測モ
ード候補リスト1に非角度イントラ予測モードを含める必要がなくなる。そのため、選択
予測モードが非角度イントラ予測モードである場合、予測モード候補リスト0や予測モー
ド候補リスト1を生成する処理コストを削減することができる。
【0095】
さらに、非角度イントラ予測モードの数を2よりも多く増加させたり、非角度イントラ
予測モードのタイプやイントラ予測モードの角度をさらに詳細に分類する場合に、マージ
フラグやシンタックスの分類は符号化効率の向上に有効に作用する。なお、intra_
luma_merge_idx、intra_luma_merge_idxやintr
a_luma_non_angular_pred_flag、non_angular_
idxは従来例の
図2や実施の形態1の
図13や
図14のシンタックスにも同様にmpm
_idxの前段に適用することもできる。
【0096】
(実施の形態2の変形例1)
以下、実施の形態2の変形例1について説明する。実施の形態2では、予測モード候補
リスト0は水平方向のイントラ予測モードとし、予測モード候補リスト1は垂直方向のイ
ントラ予測モードとし、予測モード候補リストとイントラ予測モードに関するシンタック
スの分類を一致させたが、これに限定されない。
【0097】
予測モード候補リストは実施の形態1の予測モード候補リストのように、非角度イント
ラ予測モード、水平方向のイントラ予測モード、垂直方向のイントラ予測モードの全てを
含んでいてもよい。
【0098】
(実施の形態2の変形例2)
予測モード候補リストが水平方向のイントラ予測モードと垂直方向のイントラ予測モー
ドのイントラ予測モードを含む場合について説明する。ただし、非角度イントラ予測モー
ドは予測モード候補リストには含まれない。
図19は、実施の形態2の変形例2のイント
ラ予測モードに関するシンタックスを説明する図である。イントラ予測モードに関するイ
ントラ予測モードの符号化やイントラ予測モードの復号は
図19のシンタックスに基づい
て行われる。
【0099】
prev_intra_luma_pred_flagが1であれば、非角度イントラ
予測モードまたは予測モード候補リストから選択予測モードが選択される。非角度イント
ラ予測モードであるか否かを示すフラグが非角度イントラ予測モードであることを示す場
合は、non_angular_idxで示される非角度イントラ予測モードが選択予測
モードとして選択される。非角度イントラ予測モードであるか否かを示すフラグが非角度
イントラ予測モードでないことを示す場合は、mpmインデックス(mpm_idx)が
符号化(復号)されて、予測モード候補リストに含まれるmpm_idxで示されるイン
トラ予測モード候補が選択予測モードとして選択される。prev_intra_lum
a_pred_flagが0であれば、非角度イントラ予測モードでなく且つ予測モード
候補リストに含まれないイントラ予測モードからrem_intra_luma_pre
d_modeで示されるイントラ予測モードが選択予測モードとして選択される。
【0100】
図20は、実施の形態2の変形例2のイントラ予測モードに関する別のシンタックスを
説明する図である。イントラ予測モードに関するイントラ予測モードの符号化やイントラ
予測モードの復号は
図20のシンタックスに基づいて行われる。
【0101】
intra_luma_non_angular_pred_flagが1の場合は、
non_angular_idxで示される非角度イントラ予測モードが選択予測モード
として選択される。intra_luma_non_angular_pred_fla
gが0で且つprev_intra_luma_pred_flagが1の場合は、予測
モード候補リストに含まれるmpm_idxで示されるイントラ予測モード候補が選択予
測モードとして選択される。intra_luma_non_angular_pred
_flagが0で且つprev_intra_luma_pred_flagが0の場合
は、非角度イントラ予測モードでなく且つ予測モード候補リストに含まれないイントラ予
測モードからrem_intra_luma_pred_modeで示されるイントラ予
測モードが選択予測モードとして選択される。
【0102】
実施の形態2の変形例2では、rem_intra_luma_pred_modeは
全てのイントラ予測モード35個からイントラ予測モード候補と非角度イントラ予測モー
ドを除いた30個のイントラ予測モードを示すだけでよく、新たなイントラ予測モードを
追加することで符号化効率を向上させることできる。ここで、新たなイントラ予測モード
として、例えば、予測モード9と予測モード10の間や予測モード10と予測モード11
の間、予測モード25と予測モード26の間や予測モード26と予測モード27の間に新
たな角度イントラ予測モードを設けても良い。また、
図20では、非角度イントラ予測モ
ードはintra_luma_non_angular_pred_flagとnon_
angular_idxで符号化(復号)できるため、非角度イントラ予測モードの選択
確率が他のイントラ予測モードよりも相対的に高い場合に処理効率と符号化効率が向上す
る。
【0103】
(実施の形態2の変形例3)
続いて、予測モード候補リストが非角度イントラ予測モードのINTRA_DC、水平
方向のイントラ予測モード、及び垂直方向のイントラ予測モードのイントラ予測モードを
含む場合について説明する。ただし、INTRA_PLANARは予測モード候補リスト
には含まれない。実施の形態2では、非角度イントラ予測モードであるか否かを示すフラ
グ(intra_luma_non_angular_pred_flag)を符号化(
復号)した。実施の形態2の変形例3では、非角度イントラ予測モードであるか否かを示
すフラグをイントラ予測モードの中で最も選択確率の高いイントラ予測モードであるIN
TRA_PLANARであるか否かを示すフラグに限定して符号化(復号)する。選択予
測モードがINTRA_PLANARである場合、non_angular_idxは符
号化(復号)する必要はなく、INTRA_PLANARの符号化効率を改善できる。I
NTRA_PLANARであるか否かを示すフラグがINTRA_PLANARであるこ
とを示す場合は、INTRA_PLANARが選択予測モードとして選択される。
図19
では、INTRA_PLANARであるか否かを示すフラグがINTRA_PLANAR
でないことを示す場合は、mpm_idxが符号化(復号)されて、INTRA_PLA
NAR以外のイントラ予測モードが選択予測モードとして選択される。
図20では、IN
TRA_PLANARであるか否かを示すフラグがINTRA_PLANARでないこと
を示す場合は、prev_intra_luma_pred_flag、mpm_idx
等のインデックスが符号化(復号)されて、INTRA_PLANAR以外のイントラ予
測モードが選択予測モードとして選択される。
【0104】
実施の形態2の変形例3では、rem_intra_luma_pred_modeは
全てのイントラ予測モード35個からイントラ予測モード候補とINTRA_PLANA
Rを除いた31個のイントラ予測モードを示すだけでよく、新たなイントラ予測モードを
追加することで符号化効率を向上させることできる。ここで、新たなイントラ予測モード
として、例えば、予測モード9と予測モード10の間や予測モード10と予測モード11
の間、予測モード25と予測モード26の間や予測モード26と予測モード27の間に新
たな角度イントラ予測モードを設けても良い。また、
図20ではINTRA_PLANA
Rはintra_luma_non_angular_pred_flagの1つのフラ
グだけで符号化できるため、INTRA_PLANARの選択確率が他のイントラ予測モ
ードよりも相対的に高い場合に符号化効率と処理効率を最適化できる。また、
図19では
INTRA_PLANARはprev_intra_luma_pred_flagとi
ntra_luma_non_angular_pred_flagの2つのフラグで符
号化できるため、INTRA_PLANARの選択確率が他のイントラ予測モードよりも
相対的に高い場合に符号化効率と処理効率が向上する。
【0105】
以上述べた実施の形態の画像符号化装置が出力する符号化ストリームは、実施の形態で
用いられた符号化方法に応じて復号することができるように特定のデータフォーマットを
有しており、画像符号化装置に対応する画像復号装置がこの特定のデータフォーマットの
符号化ストリームを復号することができる。
【0106】
画像符号化装置と画像復号装置の間で符号化ストリームをやりとりするために、有線ま
たは無線のネットワークが用いられる場合、符号化ストリームを通信路の伝送形態に適し
たデータ形式に変換して伝送してもよい。その場合、画像符号化装置が出力する符号化ス
トリームを通信路の伝送形態に適したデータ形式の符号化データに変換してネットワーク
に送信する画像送信装置と、ネットワークから符号化データを受信して符号化ストリーム
に復元して画像復号装置に供給する画像受信装置とが設けられる。
【0107】
画像送信装置は、画像符号化装置が出力する符号化ストリームをバッファするメモリと
、符号化ストリームをパケット化して符号化データとするパケット処理部と、パケット化
された符号化データをネットワークを介して送信する送信部とを含む。画像受信装置は、
パケット化された符号化データをネットワークを介して受信する受信部と、受信された符
号化データをパケット処理して符号化ストリームとするパケット処理部と、符号化ストリ
ームをバッファするメモリとを含み、バッファ内の符号化ストリームが画像復号装置に供
給される。
【0108】
また、画像復号装置で復号化された画像を表示する表示部を構成に追加することで、表
示装置とすることも可能である。その場合、表示部は、画像復号装置で復号された復号画
像信号を画面に表示する。
【0109】
また、撮像部を構成に追加し、撮像した画像を画像符号化装置に入力することで、撮像
装置とすることも可能である。その場合、撮像部は、撮像した画像信号をブロックサイズ
決定部110に入力する。
【0110】
以上の符号化及び復号に関する処理は、ハードウェアを用いた伝送、蓄積、受信装置と
して実現することができるのは勿論のこと、ROM(リード・オンリ・メモリ)やフラッ
シュメモリ等に記憶されているファームウェアや、コンピュータ等のソフトウェアによっ
ても実現することができる。そのファームウェアプログラム、ソフトウェアプログラムを
コンピュータ等で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも、有線あるいは無線
のネットワークを通してサーバから提供することも、地上波あるいは衛星ディジタル放送
のデータ放送として提供することも可能である。
【0111】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構
成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例
も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また、複数の実施の形態
と変形例を記載したが、それぞれの実施形態や変形例をどのように組み合わせてもよい。
【0112】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0113】
[項目1]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補生成部
(122)と、
前記第1のイントラ予測モード候補リストと前記第2のイントラ予測モード候補リスト
からそれぞれ第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モードを選択する予測モー
ド選択部(123)と、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する符号化済み
の画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対
象ブロックに隣接する符号化済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出部(12
4)と、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけ部(
125)と、
を有することを特徴とする画像符号化装置(100)。
[項目2]
前記予測値重みづけ部(125)は、前記第1の予測値と第2の予測値を単純平均また
は加重平均して前記第3の予測値を算出することを特徴とする項目1に記載の画像符号化
装置(100)。
[項目3]
前記予測モード候補生成部(122)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第
2のイントラ予測モード候補リストを生成し、イントラ予測モードの数が1であれば前記
第2のイントラ予測モード候補リストを生成せず、
前記予測モード選択部(123)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第2の
イントラ予測モードを選択し、イントラ予測モードの数が1であれば前記第2のイントラ
予測モードを選択せず、
前記予測値算出部(124)は、イントラ予測モードの数が2であれば第2の予測値を
算出し、イントラ予測モードの数が1であれば第2の予測値を算出せず、
前記予測値重みづけ部(125)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第1の
予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出し、イントラ予測モードの数が1であ
れば、前記第1の予測値をそのまま予測値とすることを特徴とする項目1または2に記載
の画像符号化装置(100)。
[項目4]
前記予測対象ブロックの幅が所定の閾幅以上で且つ前記予測対象ブロックの高さが所定
の閾高以上であれば、イントラ予測モードの数を2とし、前記予測対象ブロックの幅が所
定の閾幅以上で且つ前記予測対象ブロックの高さが所定の閾高以上でなければ、イントラ
予測モードの数を1とするモード数判定部(121)をさらに有することを特徴とする項
目3に記載の画像符号化装置(100)。
[項目5]
前記モード数判定部(121)は、前記第1のイントラ予測モードが非角度イントラ予
測モードのとき、イントラ予測モードの数を1とすることを特徴とする項目4に記載の画
像符号化装置(100)。
[項目6]
イントラ予測モードの数が2のとき、前記第2のイントラ予測モードの情報を符号列と
して符号化する符号化部(140)をさらに有することを特徴とする項目3から5のいず
れか1項に記載の画像符号化装置(100)。
[項目7]
前記予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行う複数の
イントラ予測モードを、非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モードに分類して
、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測モードのシ
ンタックス要素に分割して符号列を生成する符号化部(140)をさらに有することを特
徴とする項目1から5のいずれか1項に記載の画像符号化装置(100)。
[項目8]
前記予測対象ブロックに隣接するブロックの前記第1のイントラ予測モードと前記第2
のイントラ予測モードを、前記予測対象ブロックの前記第1のイントラ予測モードと前記
第2のイントラ予測モードとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化する符号化部
(140)をさらに有することを特徴とする項目1から4のいずれか1項に記載の画像符
号化装置(100)。
[項目9]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補ステッ
プと、
前記第1のイントラ予測モード候補リストと前記第2のイントラ予測モード候補リスト
からそれぞれ第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モードを選択する予測モー
ド選択ステップと、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する符号化済み
の画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対
象ブロックに隣接する符号化済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出ステップ
と、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけステ
ップと、
を有することを特徴とする画像符号化方法。
[項目10]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補ステッ
プと、
前記第1のイントラ予測モード候補リストと前記第2のイントラ予測モード候補リスト
からそれぞれ第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モードを選択する予測モー
ド選択ステップと、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する符号化済み
の画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対
象ブロックに隣接する符号化済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出ステップ
と、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけステ
ップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像符号化プログラム。
[項目11]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化装置(100)であって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して符号列を生成する符号化部(140)を有すること
を特徴とする画像符号化装置(100)。
[項目12]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化方法であって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して符号列を生成する符号化ステップを有することを特
徴とする画像符号化方法。
[項目13]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化プログラムであって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して符号列を生成する符号化ステップをコンピュータに
実行させることを特徴とする画像符号化プログラム。
[項目14]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化装置(100)であって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化する符号化部(140)を有すること
を特徴とする画像符号化装置(100)。
[項目15]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化方法であって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化する符号化ステップを有することを特
徴とする画像符号化方法。
[項目16]
予測対象ブロックに隣接する符号化済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予
測モードが複数定義された画像符号化プログラムであって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化する符号化ステップをコンピュータに
実行させることを特徴とする画像符号化プログラム。
[項目17]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補生成部
(122)と、
前記第1のイントラ予測モードの符号列から第1のイントラ予測モードを選択し、前記
第2のイントラ予測モードの符号列から第2のイントラ予測モードを選択する予測モード
選択部(123)と、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの
画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象
ブロックに隣接する復号済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出部(124)
と、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけ部(
125)と、
を有することを特徴とする画像復号装置(200)。
[項目18]
前記予測値重みづけ部(125)は、前記第1の予測値と第2の予測値を単純平均また
は加重平均して前記第3の予測値を算出することを特徴とする項目17に記載の画像復号
装置(200)。
[項目19]
前記予測モード候補生成部(122)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第
2のイントラ予測モード候補リストを生成し、イントラ予測モードの数が1であれば前記
第2のイントラ予測モード候補リストを生成せず、
前記予測モード選択部(123)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第2の
イントラ予測モードを選択し、イントラ予測モードの数が1であれば前記第2のイントラ
予測モードを選択せず、
前記予測値算出部(124)は、イントラ予測モードの数が2であれば第2の予測値を
算出し、イントラ予測モードの数が1であれば第2の予測値を算出せず、
前記予測値重みづけ部(125)は、イントラ予測モードの数が2であれば前記第1の
予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出し、イントラ予測モードの数が1であ
れば、前記第1の予測値をそのまま予測値とすることを特徴とする項目17または18に
記載の画像復号装置(200)。
[項目20]
前記予測対象ブロックの幅が所定の閾幅以上で且つ前記予測対象ブロックの高さが所定
の閾高以上であれば、イントラ予測モードの数を2とし、前記予測対象ブロックの幅が所
定の閾幅以上で且つ前記予測対象ブロックの高さが所定の閾高以上でなければ、イントラ
予測モードの数を1とするモード数判定部(121)をさらに有することを特徴とする項
目19に記載の画像復号装置(200)。
[項目21]
前記モード数判定部(121)は、前記第1のイントラ予測モードが非角度イントラ予
測モードのとき、イントラ予測モードの数を1とすることを特徴とする項目20に記載の
画像復号装置(200)。
[項目22]
イントラ予測モードの数が2のとき、前記第2のイントラ予測モードの符号列を復号す
る復号部(210)をさらに有することを特徴とする項目17から21のいずれか1項に
記載の画像復号装置(200)。
[項目23]
前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行う複数のイ
ントラ予測モードを、非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モードに分類して、
前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測モードのシン
タックス要素に分割して生成された符号列を復号する復号部(210)をさらに有するこ
とを特徴とする項目17から21のいずれか1項に記載の画像復号装置(200)。
[項目24]
前記予測対象ブロックに隣接するブロックの前記第1のイントラ予測モードと前記第2
のイントラ予測モードを、前記予測対象ブロックの前記第1のイントラ予測モードと前記
第2のイントラ予測モードとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化された符号列
を復号する復号部(210)をさらに有することを特徴とする項目17から21のいずれ
か1項に記載の画像復号装置(200)。
[項目25]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補生成ス
テップと、
前記第1のイントラ予測モードの符号列から第1のイントラ予測モードを選択し、前記
第2のイントラ予測モードの符号列から第2のイントラ予測モードを選択する予測モード
選択ステップと、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの
画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象
ブロックに隣接する復号済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出ステップと、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけステ
ップと、
を有することを特徴とする画像復号方法。
[項目26]
予測対象ブロックに隣接するブロックのイントラ予測モードから第1のイントラ予測モ
ード候補リストと第2のイントラ予測モード候補リストを生成する予測モード候補生成ス
テップと、
前記第1のイントラ予測モードの符号列から第1のイントラ予測モードを選択し、前記
第2のイントラ予測モードの符号列から第2のイントラ予測モードを選択する予測モード
選択ステップと、
前記第1のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象ブロックに隣接する復号済みの
画素から第1の予測値を算出し、前記第2のイントラ予測モードに基づいて前記予測対象
ブロックに隣接する復号済みの画素から第2の予測値を算出する予測値算出ステップと、
前記第1の予測値と第2の予測値をもとに第3の予測値を算出する予測値重みづけステ
ップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像復号プログラム。
[項目27]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号装置(200)であって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して生成された符号列を復号する復号部(210)を有
することを特徴とする画像復号装置(200)。
[項目28]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号方法であって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して生成された符号列を復号する復号ステップを有する
ことを特徴とする画像復号方法。
[項目29]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号プログラムであって、
前記複数のイントラ予測モードを非角度イントラ予測モードと角度イントラ予測モード
に分類して、前記非角度イントラ予測モードのシンタックス要素と前記角度イントラ予測
モードのシンタックス要素に分割して生成された符号列を復号する復号化ステップをコン
ピュータに実行させることを特徴とする画像復号プログラム。
[項目30]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号装置(200)であって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化された符号列を復号する復号部(21
0)を有することを特徴とする画像復号装置(200)。
[項目31]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号方法であって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化された符号列を復号する復号ステップ
を有することを特徴とする画像復号方法。
[項目32]
予測対象ブロックに隣接する復号済みの画素を用いてイントラ予測を行うイントラ予測
モードが複数定義された画像復号プログラムであって、
予測対象ブロックに隣接するブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予
測モードを前記予測対象ブロックの第1のイントラ予測モードと第2のイントラ予測モー
ドとして取得し、1つのシンタックス要素に符号化された符号列を復号する復号ステップ
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像復号プログラム。
【符号の説明】
【0114】
100 画像符号化装置、 110 ブロックサイズ決定部、 120 イントラ予測
選択部、 130 変換部、 140 符号化部、 200 画像復号装置、 210
復号部、 220 ブロックサイズ取得部、 230 イントラ予測部、 240 逆変
換部。