(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188306
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】印刷用液体容器
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B41J2/175 133
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169909
(22)【出願日】2022-10-24
(62)【分割の表示】P 2019096525の分割
【原出願日】2019-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(57)【要約】
【課題】キャップの本体への装着時にキャップと本体の係合部分への印刷用液体の付着を低減する。
【解決手段】ボトル130は、インクの貯留室154を有するボトル本体131に装着されるボトルキャップ132と、ボトルキャップ132に着脱可能なノズルキャップ133とを備える。ボトルキャップ132は、外面168から突出し、一端で貯留室154と連通し、他端で開口184、186によって外部と連通するノズル161と、外面168のノズル161周囲から突出した環状突起162と、環状突起162の外周面191にあり、装着されたノズルキャップ133と係合する凸部192とを備える。ノズルキャップ133は、ボトルキャップ132への装着状態においてノズル161及び環状突起162を収容し、開口184、186周りでノズル161と液密に当接する側面124と、凸部192と係合して装着状態を維持する凸部125とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用液体を貯留する貯留室を有する本体と、
上記本体に着脱可能なキャップと、を備え、
上記本体は、
上記本体の外面から突出しており、基端において上記貯留室と連通し且つ先端面に形成された開口によって外部と連通する流路を有するノズルと、
上記ノズルが突出する方向と直交する方向において上記ノズルと間隔を空けて配置されており、上記ノズルより短く突出した第1環状突起と、
上記第1環状突起の外周面にあり、上記本体に装着された上記キャップと係合する係合部と、を備え、
上記キャップは、
上記本体に装着された装着状態において上記ノズル及び上記第1環状突起を収容し、
上記キャップの内面にあり、上記開口周りで上記ノズルと液密に当接する当接部と、
上記内面にあり、上記係合部と係合して上記装着状態を維持する被係合部と、を備える印刷用液体容器。
【請求項2】
上記当接部は、上記装着状態において上記ノズルの外周面に当接する請求項1に記載の印刷用液体容器。
【請求項3】
上記キャップは、上記内面から突出しており、上記装着状態において上記ノズルと上記第1環状突起の間にある第2環状突起を備え、
上記第2環状突起は、上記装着状態において上記第1環状突起に液密に当接する請求項1または2に記載の印刷用液体容器。
【請求項4】
上記本体は、上記ノズルの外周面から突出しており上記ノズルの基端から先端へ向けて延びたリブを備える請求項1から3のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項5】
上記リブは、上記ノズルの突出方向周りの周方向において間隔を空けて複数設けられている請求項4に記載の印刷用液体容器。
【請求項6】
上記リブは、上記第1環状突起よりも上記ノズルの先端の近くまで延びている請求項4または5に記載の印刷用液体容器。
【請求項7】
上記ノズルは、上記ノズルの先端に対して上記開口を有する上記先端面が凹んだ凹部を有する請求項1から6のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項8】
上記凹部を区画する側面は、上記先端面から上記ノズルの先端へ向かうにしたがって上記先端面の外縁へ向かって延びている請求項7に記載の印刷用液体容器。
【請求項9】
上記ノズルの外周面は、円周面状である請求項1から8のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項10】
上記本体は、上記第1環状突起の周囲に第1凸部を備え、
上記キャップは、上記内面から突出しており、上記装着状態において上記第1凸部と当接可能な第2凸部を備え、
上記第1凸部または上記第2凸部の少なくとも一方は、上記装着状態において上記第1環状突起の周方向に対して傾斜した傾斜面を備え、
上記傾斜面は、上記装着状態において上記キャップが上記周方向に回転したときに上記第1凸部または上記第2凸部を案内して、上記キャップを上記本体から脱抜される向きへ移動させる請求項1から9のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項11】
上記第1凸部は、上記周方向において、上記係合部及び上記被係合部の係合位置と同位置にある請求項10に記載の印刷用液体容器。
【請求項12】
上記被係合部は、上記第1環状突起の周方向において間隔を空けて複数設けられており、
上記被係合部の各々は、他の上記被係合部と上記第1環状突起の軸線に対して点対称とならない位置にある請求項1から11のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用液体が貯留される印刷用液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用液体(例えばインク)が貯留されるタンクへ、印刷用液体容器(例えばボトル)からインクを供給することができる液体供給装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
液体供給装置において、ボトルは、タンクへインクを供給するときに、タンクに装着される。ボトルがタンクに装着されているとき、ボトルに設けられた供給口を通じてボトル内とタンク内とが連通している。一方、ボトルは、タンクに装着されていないとき、キャップによって供給口を閉じられる。キャップは、ボトルに装着されて供給口を覆う。キャップは、ボトルへの装着の際に嵌合や螺合などによってボトルと係合する係合部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タンクへインクを供給するために、ボトルがタンクにセットされたとき、ボトルの供給口周辺に、インクが付着するおそれがある。その後、キャップがボトルに装着されると、供給口周辺に付着したインクがキャップに付着するおそれがある。このとき、インクが、上述した係合部に付着するおそれがある。すると、キャップがボトルから外されるときに、係合部の振動などにより、係合部に付着したインクが飛散するおそれがある。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャップが本体に装着される際に、キャップにおける本体と係合する部分への印刷用液体の付着を低減することができる印刷用液体容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る印刷用液体容器は、印刷用液体を貯留する貯留室を有する本体と、上記本体に着脱可能なキャップと、を備える。上記本体は、上記本体の外面から突出しており、基端において上記貯留室と連通し且つ先端面に形成された開口によって外部と連通する流路を有するノズルと、上記ノズルが突出する方向と直交する方向において上記ノズルと間隔を空けて配置されており、上記ノズルより短く突出した第1環状突起と、上記第1環状突起の外周面にあり、上記本体に装着された上記キャップと係合する係合部と、を備える。上記キャップは、上記本体に装着された装着状態において上記ノズル及び上記第1環状突起を収容し、上記キャップの内面にあり、上記開口周りで上記ノズルと液密に当接する当接部と、上記内面にあり、上記係合部と係合して上記装着状態を維持する被係合部と、を備える。
【0008】
本体がタンクなどに装着される際に、貯留室から流路を通じて外部へ流出した印刷用液体が、ノズルの外面を伝って、ノズルと第1環状突起の内周面の間に形成された溝へ流れ落ちるおそれがある。ここで、係合部は、第1環状突起の外周面にある。つまり、係合部は、溝を構成している第1環状突起の内周面の裏面にあり、ノズルの外面とも離間している。そのため、流出した印刷用液体は、係合部に付着し難い。また、係合部が第1環状突起の外側にあるので、キャップが本体に装着される際に、ノズルに付着した印刷用液体が被係合部に付着し難い。
【0009】
(2) 上記当接部は、上記装着状態において上記ノズルの外周面に当接する。
【0010】
先端面において印刷用液体の流通を防止する場合、印刷用液体の流通を安定して防止するためには、ゴムなどのシール部材が必要であるが、本構成では、ノズルの先端面ではなくノズルの外周面において印刷用液体の流通を防止するため、シール部材を設けることなく、印刷用液体の流通を安定して防止することができる。
【0011】
(3) 上記キャップは、上記内面から突出しており、上記装着状態において上記ノズルと上記第1環状突起の間にある第2環状突起を備える。上記第2環状突起は、上記装着状態において上記第1環状突起に液密に当接する。
【0012】
ノズルと第1環状突起の内周面の間に形成された溝へ流れ落ちた印刷用液体が、第1環状突起を乗り越えて第1環状突起の外周面へ流通することを、第2環状突起によって防止することができる。これにより、印刷用液体は、係合部や被係合部に付着し難い。
【0013】
(4) 上記本体は、上記ノズルの外周面から突出しており上記ノズルの基端から先端へ向けて延びたリブを備える。
【0014】
(5) 上記リブは、上記ノズルの突出方向周りの周方向において間隔を空けて複数設けられている。
【0015】
ノズルと第1環状突起の内周面の間に形成された溝の中に位置するリブによって、溝の中にある印刷用液体が表面張力で保持される。これにより、溝の中にある印刷用液体の溝の中への飛散を低減することができる。
【0016】
(6) 上記リブは、上記第1環状突起よりも上記ノズルの先端の近くまで延びている。
【0017】
本構成によれば、リブは、ノズルと第1環状突起の内周面の間に形成された溝の外に突出している。キャップの本体への装着の際に、リブの突出した部分がキャップの内面に当接することによって、キャップを適切な装着位置へ案内することができる。
【0018】
また、印刷用液体容器がタンクなどへ装着されるときに、リブの突出した部分の先端がタンクに当接することによって、印刷用液体容器を位置決めすることができる。
【0019】
(7) 上記ノズルは、上記ノズルの先端に対して上記開口を有する上記先端面が凹んだ凹部を有する。
【0020】
(8) 上記凹部を区画する側面は、上記先端面から上記ノズルの先端へ向かうにしたがって上記先端面の外縁へ向かって延びている。
【0021】
先端面がノズルの先端に対して凹んでいるため、貯留室から流路の開口を通じて外部へ流出した印刷用液体が、ノズルの外周面へ付着することを低減することができる。
【0022】
(9) 上記ノズルの外周面は、円周面状である。
【0023】
ノズルの外周面が円周面状であるため、印刷用液体容器をタンクへ装着する際に、ノズルが挿入されるタンクの貫通孔を円形状とすることで、印刷用液体容器をタンクへ円滑に挿入することができる。
【0024】
(10) 上記本体は、上記第1環状突起の周囲に第1凸部を備える。上記キャップは、上記内面から突出しており、上記装着状態において上記第1凸部と当接可能な第2凸部を備える。上記第1凸部または上記第2凸部の少なくとも一方は、上記装着状態において上記第1環状突起の周方向に対して傾斜した傾斜面を備える。上記傾斜面は、上記装着状態において上記キャップが上記周方向に回転したときに上記第1凸部または上記第2凸部を案内して、上記キャップを上記本体から脱抜される向きへ移動させる。
【0025】
本体に装着されたキャップを回転させることによって、キャップを本体から容易に脱抜させることができる。
【0026】
(11) 上記第1凸部は、上記周方向において上記係合部と同位置にある。
【0027】
本体に装着されたキャップを回転させたときに、係合部と被係合部の係合を容易に解除することができる。
【0028】
(12) 上記被係合部は、上記第1環状突起の周方向において間隔を空けて複数設けられている。上記被係合部の各々は、他の上記被係合部と上記第1環状突起の軸線に対して点対称とならない位置にある。
【0029】
キャップの本体からの脱抜時におけるキャップの撓みや捻れを低減することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、キャップが本体に装着される際に、キャップにおける本体と係合する被係合部への印刷用液体の付着を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】
図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、タンクセット99の前方分解斜視図である。
【
図4】
図4は、タンクセット99及びボトル130の斜視図である。
【
図7】
図7は、ボトルキャップ132の斜視図である。
【
図8】
図8は、ボトルキャップ132の斜視断面図である。
【
図9】
図9は、ボトルキャップ132の平面図である。
【
図11】
図11は、ノズルキャップ133の斜視断面図である。
【
図13】
図13は、装着状態におけるインクタンク100の前部及びボトル130の縦断面図である。
【
図14】
図14(A)は、変形例におけるボトルキャップ132の平面図であり、
図14(B)は、変形例におけるボトルキャップ132の底面図である。
【
図15】
図15は、変形例におけるボトルキャップ132の斜視図である。
【
図16】
図16は、変形例におけるボトルキャップ132の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。さらに、複合機10が使用可能に水平面に設置された姿勢(
図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当し、前後方向8及び左右方向9は直交している。
【0033】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(
図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、筐体14を備えている。筐体14は、前壁229に開口13が形成された本体34と、本体34に支持された開閉蓋230とを備える。
【0034】
図2に示されるように、筐体14の本体34の内部には、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、タンクセット99(
図3及び
図4参照)とが配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0035】
図1及び
図2に示されるように、用紙12が収容される給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿ってユーザによって複合機10に対して挿抜される。排出トレイ21は、排出された用紙12を支持する。給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。
【0036】
搬送経路65は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。プラテン42は、用紙12を下方から支持するものである。搬送経路65内における用紙12の搬送向き16は、
図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0037】
搬送ローラ部54は、搬送経路65に給送された用紙12を搬送向き16に搬送して記録部24とプラテン42の間へ送る。排出ローラ部55は、記録部24によって画像記録された用紙12を搬送向き16に搬送して排出トレイ21へ送る。
【0038】
記録部24は、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、左右方向9に移動可能なキャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。
【0039】
キャリッジ23からは、インクチューブ32(
図4参照)が延出されている。インクチューブ32は、タンクセット99(
図3及び
図4参照)及び記録ヘッド39を接続するものである。インクチューブ32は、タンクセット99の各インクタンク100に貯留されたインク(印刷用液体の一例)を記録ヘッド39に供給する。各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32が、各インクタンク100に対応して設けられている。
【0040】
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
【0041】
図1に示されるように、本体34には、開閉蓋230が取り付けられている。本体34における開閉蓋230の奥に、収容空間が形成されている。開閉蓋230は、収容空間を閉塞する閉位置(
図1に示される位置)と、収容空間を開放する開位置との間を回動可能である。開閉蓋230が開位置のとき、インクタンク100及び保持部材110(
図3及び
図4参照)のそれぞれの一部が外部から視認可能である。
【0042】
[タンクセット99]
図3及び
図4に示されるタンクセット99は、本体34の収容空間に収容されている。タンクセット99は、記録ヘッド39に供給されるインクを貯留するものである。タンクセット99は、異なる色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクタンク100と、保持部材110とを備える。なお、タンクセット99は、保持部材110を備えていなくてもよい。
【0043】
[インクタンク100]
図3及び
図4に示されるように、インクタンク100は、全体として、左右方向9に沿った寸法が短く、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が左右方向9に沿った寸法よりも長い扁平の直方体形状である。また、前後方向8の寸法は、上下方向7の寸法よりも長い。なお、インクタンク100の側面が開口しているが、この開口した側面はフィルムによって封止されている。
【0044】
インクタンク100は、インクを貯留する貯留室111内のインクがインクタンク100の外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂で形成されている。
【0045】
インクタンク100は、立壁102及び傾斜壁106を備えている。立壁102及び傾斜壁106は、上記の樹脂の一部であり、貯留室111の前側を区画している。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁106は、立壁102の上端から上方へ向かうにしたがって後方へ向かうように延びている。なお、インクタンク100を構成する各壁のうち、少なくとも立壁102が透光性を有する樹脂で形成されていればよく、立壁102以外の他の壁は透光性を有していなくてもよい。
【0046】
各インクタンク100の立壁102は、保持部材110の開口81(
図3参照)及び開閉蓋230の開口232(
図1参照)を介して、複合機10の外部に露出している。このような構成であることにより、各インクタンク100の立壁102は、開閉蓋230が閉位置であっても、複合機10の外部から視認可能であり、ユーザは各インクタンク100に貯留されたインクの残量を確認可能である。
【0047】
図3に示されるように、各インクタンク100の立壁102には、第1目印146と第2目印147とが形成されている。
【0048】
第1目印146は、左右方向9に延びている。第1目印146の上下方向7の位置は、複合機10が使用姿勢において、貯留が許容される最大量のインクが貯留室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。つまり、第1目印146は、貯留が許容される最大量のインクが貯留室111に貯留されたときの、当該インクの液面と高さを示す。
【0049】
第2目印147は、左右方向9に延びている。第2目印147は、第1目印146よりも下方に位置している。第2目印147の上下方向7の位置は、複合機10が使用姿勢において、インクの補充が必要となる最小量のインクが貯留室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
【0050】
なお、第1目印146及び第2目印147の高さは、上述した高さに限らない。また、インクタンク100は、第1目印146及び第2目印147を有していなくてもよい。
【0051】
インクタンク100は、大気連通孔98を有する。大気連通孔98は、貯留室111とインクタンク100の外部とを連通している。つまり、大気連通孔98は、貯留室111を大気に連通している。
【0052】
図3に示されるように、インクタンク100の傾斜壁106には、貯留室111にインクを注入するための貫通孔112が形成されている。開閉蓋230が開位置のとき、貫通孔112は、開口22を介して複合機10の外部に露出する。
【0053】
貫通孔112は、傾斜壁106を貫通している。貫通孔112は、後方へ向かうにしたがって下方へ向かうよう傾斜方向に沿って延びている。傾斜方向は、上下方向7、前後方向8、及び左右方向9に対して傾斜した方向である。貫通孔112の一端は、貯留室111と連通している。貫通孔112の他端は、インクタンク100の外部と連通している。つまり、貫通孔112は、貯留室111とインクタンク100の外部とを連通している。
【0054】
貫通孔112は、傾斜方向に沿った視線において円形状であり、傾斜壁106に形成されており傾斜壁106の外面から突出した環状リブ109の円周面状の内周面114によって区画されている(
図13参照)。なお、貫通孔112の形状は、後述するノズル161に形状に応じて決定される。
【0055】
後述するように、ボトル130(印刷用液体容器の一例、
図4参照)のノズル161が貫通孔112に挿入されることによって、ボトル130がインクタンク100と接続される(
図4及び
図13参照)。ボトル130とインクタンク100によってシステム5が構成される。ボトル130がインクタンク100と接続されることにより、ボトル130内のインクがインクタンク100の貯留室111へ補充される。この補充が行われるタイミングは、例えば、インクタンク100の貯留室111に貯留されたインクの残量が少なくなったとき、具体的には貯留室111に貯留されたインクの液面が第2目印147以下の高さとなったときである。もちろん、上記以外のタイミングで、ボトル130からインクタンク100へのインクの補充が実行されてもよい。
【0056】
[保持部材110]
図3及び
図4に示されるように、保持部材110は、4つのインクタンク100を、前後方向8の前方から、左右方向9に沿って一列に並んだ状態で保持するものである。保持部材110は、インクタンク100を保持した状態において、インクタンク100の前部を覆っている。
【0057】
保持部材110は、開口81、82を有している。各インクタンク100の立壁102に形成された第1目印146及び第2目印147が、保持部材110の開口81及び開閉蓋230の開口232を介してプリンタ部11の外部に露出可能である。各インクタンク100の貫通孔112が、開口82を介して保持部材110の外部に露出可能である。
【0058】
[ボトル130]
図5に示されるボトル130は、インクを貯留するものである。
図5に示されるように、ボトル130は、ボトル本体131と、ボトル本体131に対して着脱可能なボトルキャップ132と、ボトルキャップ132に対して着脱可能なノズルキャップ133(キャップの一例)とを備えている。
【0059】
以下の説明において、ボトルキャップ132がボトル本体131に装着され、ノズルキャップ133がボトルキャップ132に装着された状態、つまり
図5及び
図6に示される装着状態において、ボトル本体131からボトルキャップ132が突出する向きを第1向き134と規定する(
図6参照)。また、装着状態において、第1向き134と逆向きを第2向き135と規定する(
図6参照)。また、装着状態において、概ね円柱形状であるボトル130の軸方向(第1向き134、第2向き135に沿った方向、換言すると後述するノズル161の突出方向)周りの方向を、周方向136と規定する。ボトル本体131及びボトルキャップ132は、本体の一例である。
【0060】
[ボトル本体131]
図5及び
図6に示されるように、ボトル本体131は、底壁150と、第1側壁151と、第2側壁152と、第3側壁153とを備える。
【0061】
底壁150は、概ね円形状の壁である。第1側壁151は、底壁150の外縁から第1向き134に延びた円筒形状の壁である。第2側壁152は、第1側壁151における第1向き134の端部から、ボトル本体131を縮径する方向に傾斜しつつ第1向き134に延びている。第3側壁153は、第2側壁152における第1向き134の端部から第1向き134に延びた円筒形状の壁である。
【0062】
図6に示されるように、底壁150、第1側壁151、第2側壁152、及び第3側壁153によって区画された空間が、貯留室154である。貯留室154にインクが貯留される。
【0063】
第3側壁153は、第1向き134の端部に開口155を有している。貯留室154は、開口155を通じてボトル本体131の外部と連通している。
【0064】
第3側壁153は、その外周面に雄ネジ156を有している。第3側壁153は、その内周面の第1向き134の端部に、当該内周面に沿って延びた円環リブ157を有している。
【0065】
本実施形態において、ボトル本体131は、概ね円柱形状であるが、別の形状(例えば四角柱形状など)であってもよい。ボトル本体131のうち少なくとも第1側壁151は、可撓性を有する。これにより、第1側壁151は変形可能である。第1側壁151が変形することによって、貯留室154の体積が変化する。
【0066】
[ボトルキャップ132]
図7に示されるように、ボトルキャップ132は、単体の部材である。
図5及び
図6に示されるように、ボトルキャップ132は、ボトル本体131に着脱可能である。なお、ボトルキャップ132は、ボトル本体131に一体に構成されていてもよい。
【0067】
図7及び
図8に示されるように、ボトルキャップ132は、キャップ本体160と、ノズル161と、環状突起162(第1環状突起の一例)と、リブ163とを備える。
【0068】
[キャップ本体160]
キャップ本体160は、底壁164と、側壁165とを備える。底壁164は、概ね円形状の壁である。側壁165は、底壁164の外縁から第2向き135に延びた概ね円筒形状の壁である。
【0069】
図8に示されるように、側壁165は、その内周面166に雌ネジ167を有している。雌ネジ167は、ボトル本体131の雄ネジ156と螺合可能である(
図6参照)。雄ネジ156と雌ネジ167が螺合することによって、ボトルキャップ132がボトル本体131に装着される(
図6及び
図7参照)。
【0070】
図7に示されるように、底壁164は、その外面168から第1向き134に突出した凸部169(第1凸部の一例)を有している。凸部169は、環状突起162の外周面191の周囲に位置しており、外周面191と当接している。
【0071】
凸部169は、側面視において概ね三角形状であり、周方向136に対して傾斜した傾斜面170、171を有している。傾斜面170は、周方向136の一方へ向かうにしたがって第1向き134へ向かって延びた面である。傾斜面171は、周方向136の他方へ向かうにしたがって第1向き134へ向かって延びた面である。
【0072】
図8に示されるように、底壁164は、その内面172から第2向き135に突出した環状突起173を有している。
図6に示されるように、環状突起173は、装着状態において、ボトル本体131に開口155を通じて挿入されており、第3側壁153の円環リブ157に液密に当接している。これにより、貯留室154内のインクが開口155を通じて流出することが防止される。
【0073】
図7に示されるように、側壁165は、その外周面174にマーク175を有している。
図9に示されるように、マーク175は、ボトルキャップ132を第2向き135に沿った視線で視た場合に、後述する第1流路181に対して後述する第2流路182の反対の位置と、第2流路182に対して第1流路181の反対の位置とに設けられている。本実施形態では、ボトルキャップ132を第2向き135に沿った視線で視た場合に、2つのマーク175、第1流路181、及び第2流路182は、一直線上に位置しており、且つ、2つのマーク175が第1流路181及び第2流路182を挟んでいる。
【0074】
なお、2つのマーク175、第1流路181、及び第2流路182は、一直線上に位置していなくてもよい。また、本実施形態において、マーク175は、第1向き137を指す矢印形状であるが、マーク175の形状は矢印形状に限らない。また、ボトルキャップ132は、マーク175を有していなくてもよい。
【0075】
図7に示されるように、側壁165は、その外周面174に、第1向き134に沿って延びた複数のリブ176を有している。リブ176は、マーク175が設けられた箇所及びその周辺部以外に設けられている。リブ176が設けれられていることによって、ユーザが外周面174を把持したときに、ユーザの手が滑り難くなる。
【0076】
[ノズル161]
図6及び
図7に示されるように、ノズル161は、キャップ本体160の底壁164の外面168から第1向き134に突出している。つまり、装着状態において、ノズル161は、ボトル本体131からキャップ本体160を介して第1向き134に突出している。
【0077】
ノズル161は、底壁164から第1向き134に突出するとともに、底壁164から第2向き135に突出していてもよい。この場合、ノズル161は、底壁164を貫通するように設けられている。なお、本実施形態において、ノズル161は、底壁164から僅かに第2向き135に突出した部分159を有している(
図6及び
図8参照)。
【0078】
ノズル161は、概ね円柱形状である。ノズル161は、円周面状の外周面177を有している。
図8に示されるように、外周面177の一部である外周面178は、ノズル161を縮径する方向に傾斜しつつ第1向き134に延びている。なお、ノズル161は、円柱形状以外、例えば四角柱形状であってもよい。
【0079】
図6及び
図8に示されるように、ノズル161は、第1流路181及び第2流路182を有する。第1流路181及び第2流路182は流路の一例である。
【0080】
第1流路181及び第2流路182は、ノズル161を第1向き134に沿って貫通している。なお、本実施形態において、第1流路181及び第2流路182は第1向き134に沿って延びているが、これに限らず、例えば第1流路181及び第2流路182は湾曲していてもよい。第1流路181のインクの流通方向に沿った長さは、第2流路182のインクの流通方向に沿った長さと同一である。本実施形態において、インクの流通方向は、第1流路181及び第2流路182が貫通されている方向、つまり第1向き134である。なお、第1流路181のインクの流通方向に沿った長さは、第2流路182のインクの流通方向に沿った長さと異なっていてもよい。
【0081】
第1流路181及び第2流路182は、同じ形状且つ同じ大きさである。換言すると、第1流路181の断面形状及び断面積は、第2流路182の断面形状及び断面積と同一である。本実施形態において、第1流路181及び第2流路182の断面形状は共に円形状であり、当該円の面積は同一である。なお、第1流路181及び第2流路182の断面形状は円形状以外の形状であってもよい。また、第1流路181の断面形は、第2流路182の断面形状と異なっていてもよいし、第1流路181の断面積は第2流路182の断面積と異なっていてもよい。
【0082】
装着状態において、第1流路181の一端は、開口183を通じて貯留室154と連通している。第1流路181の他端は、開口184を通じてノズル161の外部と連通している。装着状態において、第2流路182の一端は、開口185を通じて貯留室154と連通している。第2流路182の他端は、開口186を通じてノズル161の外部と連通している。本実施形態において、貯留室154とボトル本体131の外部とは、第1流路181及び第2流路182のみによって連通している。
【0083】
開口183、185は、ノズル161の第2向き135の端部を構成する基端面180(基端の一例)に形成されている。基端面180は、装着状態において、キャップ本体160の底壁164の内面172と共に、貯留室154の第1向き134の端部を区画している。なお、開口183と開口185は、異なる面上に形成されていてもよい。
【0084】
開口183、185は、円形状である。なお、開口183、185は、円形状以外の形状であってもよい。また、開口183、185が形成されるのは、ノズル161の基端部であればよく、基端面180に限らない。
【0085】
ノズル161が底壁164の内面172から第2向き135に突出した部分159を有している場合、ノズル161の基端部は、突出した部分159である。この場合、突出した部分159の第2向き135の端を構成するのが、基端面180である。また、この場合、開口183、185は、突出した部分159の側面(内面172から基端面180へ延びた面)に形成されていてもよい。
【0086】
ノズル161が底壁164から第2向き135に突出していない場合、ノズル161の基端部は、基端面180である。この場合、基端面180は、底壁164の内面172と同一面である。換言すると、基端面180は、内面172の一部を構成している。基端面180が内面172と同一面である場合、基端面180は、装着状態においてノズル161の先端部が鉛直下方に向いた姿勢のとき、貯留室154の下端を区画している面である。ノズル161の先端部が鉛直下方に向いた姿勢とは、
図6において、第1向き134が鉛直下方となるようなノズル161の姿勢である。
【0087】
図7及び
図8に示されるように、開口184、186は、ノズル161の第1向き134の端部を構成する先端面179に形成されている。つまり、開口184、186は、同一面上に形成されている。
【0088】
開口184、186は、円形状である。なお、開口184、186は、円形状以外の形状であってもよい。また、開口184、186が形成されるのは、ノズル161の先端部であればよく、先端面179に限らない。ノズル161の先端部は、例えばノズル161のうち先端面179及び外周面177で構成される部分である。
【0089】
ノズル161の先端部が鉛直下方に向いた姿勢のとき(開口184、186が鉛直下方に向いた姿勢のとき)、開口183は、開口185と同じ高さにあり、開口184は、開口186と同じ高さにある。なお、当該姿勢のときに、開口183、185は異なる高さであってもよいし、開口184、186は異なる高さであってもよい。
【0090】
図7及び
図9に示されるように、ノズル161は、その外周面177に、凹部187を有している。凹部187は、ノズル161の基端部近傍から先端部近傍に亘って第1向き134に延びている。本実施形態において、凹部187は2箇所に形成されているが(
図9参照)、凹部187は1箇所または3箇所以上に形成されていてもよい。また、本実施形態において、凹部187はノズル161の基端部近傍から先端部近傍に亘って延びているが、凹部187は、少なくとも、ノズル161がインクタンク100の貫通孔112に挿入された状態(
図13に示された状態)において、インクタンク100の内部(貯留室111)から外部に亘って延びていればよい。なお、ノズル161は、凹部187を有していなくてもよい。
【0091】
図7及び
図8に示されるように、ノズル161は、その先端部に凹部188を有している。凹部188は、先端面179と、先端面179の外縁部から第1向き134に突出した円環リブ189の内周面190(側面の一例)とで区画されている。つまり、先端面179は、ノズル161の先端(円環リブ189の先端)から凹んでいる。内周面190は、先端面179から第1向き134へ向かうにしたがって先端面179の外縁に向かって延びている。つまり、内周面190は、凹部188を拡径する方向に傾斜しつつ第1向き134に延びている。
【0092】
なお、内周面190は傾斜せずに第1向き134に沿って延びていてもよい。また、ノズル161は、凹部188を有していなくてもよい。つまり、ノズル161の先端部は凹んでいなくてもよい。
【0093】
[環状突起162]
図7及び
図8に示されるように、環状突起162は、底壁164の外面168から第1向き134に突出している。環状突起162は、ノズル161の周囲から突出している。つまり、ボトルキャップ132を第2向き135に沿って視た場合、環状突起162は、ノズル161を囲んでいる。これにより、環状突起162とノズル161と底壁164とによって、周方向136に延びた溝193が形成されている。
【0094】
環状突起162の突出長は、ノズル161の突出長より短い。つまり、環状突起162の第1向き134の端は、ノズル161の第1向き134の端よりも第2向き135にある。
【0095】
環状突起162は、その外周面191に凸部192(係合部の一例)を有している。凸部192は、環状突起162の先端部から突出している。凸部192は、外周面191に全周に亘って延びている。つまり、凸部192は、円環形状である。
図6に示されるように、凸部192は、装着状態において、ノズルキャップ133の凸部125(被係合部の一例)と係合する。
【0096】
[リブ163]
図7及び
図8に示されるように、リブ163は、ノズル161の外周面177から突出している。リブ163は、ノズル161の基端から先端へ向けて第1向き134に沿って延びている。
図8に示されるように、リブ163の第2向き135の端は、底壁164の外面168と当接している。リブ163の第1向き134の端は、環状突起162よりも第1向き134にある。換言すると、リブ163は、環状突起162よりもノズル161の先端の近くまで延びている。本実施形態において、
図7に示されるように、リブ163の第1向き134の端は、ノズル161の外周面178よりは第2向き135にある。
【0097】
リブ163は、周方向136において間隔を空けて複数設けられている。つまり、
図9に示されるように、複数のリブ163は、ノズル161の中心(円柱形状の軸中心)に対して放射状に突出している。
【0098】
なお、上記とは逆に、環状突起162がリブ163よりもノズル161の先端の近くまで延びていてもよいし、環状突起162及びリブ163の第1向き134の端が同位置であってもよい。また、リブ163は、複数設けられていなくてもよく、1つのみ設けられていてもよい。また、ボトルキャップ132は、リブ163を有していなくてもよい。
【0099】
[ノズルキャップ133]
図10に示されるように、ノズルキャップ133は、単体の部材であり、概ね円柱形状である。
図5及び
図6に示されるように、ノズルキャップ133は、ボトルキャップ132に着脱可能である。ノズルキャップ133は、ボトルキャップ132を介してボトル本体131に着脱可能である。
【0100】
図10~
図12に示されるように、ノズルキャップ133は、底壁115と、第1側壁116と、第2側壁117とを備える。
【0101】
底壁115は、円形状の壁である。第1側壁116は、底壁115の外縁から第2向き135に延びた円筒形状の壁である。第2側壁117は、第1側壁116における第2向き135の端部から、ノズルキャップ133を拡径する方向に傾斜しつつ第2向き135に延びており、傾斜した部分の第2向き135の端部から概ね第2向き135に沿って延びている。第2側壁117の外径は、第1側壁116の外径より大きい。つまり、ノズルキャップ133の第2向き135の端部側(後述する開口122側)の外径は、ノズルキャップ133の第1向き134の端部側(底壁115側)の外径より大きい。なお、ノズルキャップ133の開口122側の外径は、ノズルキャップ133の底壁115側の外径以下の大きさであってもよい。
【0102】
図11及び
図12に示されるように、底壁115の内面118と、第1側壁116の内面119と、第2側壁117の内面120とによって、ノズルキャップ133の内部空間121が区画されている。内面120の第2向き135の端によって、外部から内部空間121に通じる開口122が区画されている。
【0103】
図6に示されるように、装着状態において、ボトルキャップ132のノズル161及び環状突起162は、内部空間121にある。つまり、装着状態において、ノズルキャップ133は、ノズル161及び環状突起162を内部空間121に収容している。
【0104】
図11及び
図12に示されるように、底壁115は、内面118に凹部123を有している。
図6に示されるように、装着状態において、ノズル161の先端部が、凹部123に挿入されている。凹部123を区画する側面124(当接部の一例)は、ノズル161の先端部の外周面177と液密に当接している。これにより、開口184、186を通じて貯留室154内から外部へ流出したインクがノズル161の外周面177に垂れることを防止できる。つまり、インクの流出を低減することができる。
【0105】
なお、貯留室154内のインクの流出を低減する構成は、側面124が外周面177と当接する構成に限らず、ボトルキャップ132の内面が、開口184、186周りでノズル161と液密に当接していればよい。例えば、底壁115の内面118(ボトルキャップ132の内面の一部、
図11及び
図12参照)が第2向き135へノズル161の先端面179(
図9参照)と液密に当接して、開口184、186が塞がれることによって、貯留室154内のインクの流出が低減されてもよい。
【0106】
図11及び
図12に示されるように、第2側壁117は、内面120に凸部125を有している。凸部125は、周方向136において間隔を空けて複数形成されている。本実施形態において、凸部125は、他の凸部125と環状突起162の軸線(第1向き134に沿っており環状突起162の環の中心を通る線)に対して点対称とならない位置にある。本実施形態において、凸部125は、周方向136において等間隔に3つ形成されている。これにより、2つの凸部125が軸線に対して点対称とならない。
【0107】
ノズルキャップ133がボトルキャップ132に装着される過程において、凸部125は、ボトルキャップ132の環状突起162の凸部192(
図7参照)を押圧して弾性変形させつつ、凸部192を乗り越える。これにより、
図6に示されるように、装着状態において、凸部125と凸部192は係合している。当該係合によって、装着状態が維持される。
【0108】
なお、凸部125は、複数でなく1つのみ形成されていてもよい。また、凸部125は、他の凸部125と環状突起162の軸線に対して点対称となる位置にあってもよい。また、凸部125は、内面120の周方向136の全周に亘って設けられていてもよい。
【0109】
図11及び
図12に示されるように、内部空間121において、第1側壁116の内面119の第2向き135の端部(第2側壁117の内面120との境界部)から、環状リブ126(第2環状突起の一例)が開口122へ向かって第2向き135へ突出している。
図12に示されるように、環状リブ126は、凸部125より第1向き134にある。換言すると、凸部125は、環状リブ126よりも開口122に近い位置にある。
【0110】
図6に示されるように、装着状態において、環状リブ126の先端部は、溝193に挿入されている。つまり、装着状態において、環状リブ126の先端部は、ノズル161と環状突起162の間にある。装着状態において、環状リブ126は、環状突起162に液密に当接している。これにより、溝193から環状突起162よりも外側(環状突起162の外周面191(
図7参照)や第2側壁117がある側)へのインクの流通を防止することができる。
【0111】
なお、ノズルキャップ133は、環状リブ126を有していなくてもよい。
【0112】
図11及び
図12に示されるように、ノズルキャップ133は、リブ127、128を有している。
【0113】
リブ127、128は、第1側壁116の内面119から突出しており、内面119の底部から開口122へ向けて第2向き135へ延びている。内面119の底部は、底壁115の内面118近傍の部分である。リブ127、128の一端は、内面118に当接している。なお、リブ127、128の一端と内面118との間に隙間があってもよい。
【0114】
リブ127は、周方向136において間隔を空けて複数設けられている。リブ128は、周方向136において間隔を空けて複数設けられている。リブ127及びリブ128は、周方向136において1つずつ交互に配置されている。なお、リブ127及びリブ128の配置は、前記のような配置に限らない。例えば、2つのリブ127と1つのリブ128が周方向136において交互に配置されていてもよい。また、リブ127、128は、それぞれ1つのみ設けられていてもよい。
【0115】
リブ128の他端は、リブ127の他端より第2向き135にある。換言すると、リブ128は、リブ127よりも開口122に近い位置まで延びている。なお、前記とは逆に、リブ127がリブ128よりも開口122に近い位置まで延びていてもよいし、リブ128の他端とリブ127の他端とが第2向き135において同位置であってもよい。
【0116】
リブ127の突出先端面140は、側面124と連続した面である。
【0117】
リブ127の他端の端面141は、開口122が鉛直下方を向く姿勢(
図12に示される姿勢)において、水平面(水平方向に延びる面)である。
【0118】
リブ128の他端の端面142は、開口122が鉛直下方を向く姿勢(
図12に示される姿勢)において、第2向き135に向かうにしたがって内面119に向かって延びている。つまり、
図12に示される姿勢において、端面142は、水平方向に対して傾斜している。
【0119】
なお、リブ127の端面141は、水平面に限らず、例えば水平方向に対して傾斜していてもよい。また、リブ128の端面142は、水平面であってもよい。また、ノズルキャップ133は、リブ128を有していなくてもよい。
【0120】
第2側壁117は、内面120から突出した凸部143(第2凸部の一例)を有している。凸部143は、装着状態において凸部169と当接可能な位置に形成されている。凸部143は、周方向136に対して傾斜した傾斜面144、145を有している。傾斜面144は、周方向136の一方へ向かうにしたがって第2向き135へ向かって延びた面である。傾斜面145は、周方向136の他方へ向かうにしたがって第2向き135へ向かって延びた面である。
【0121】
凸部143は、周方向136において間隔を空けて複数(本実施形態では3つ)形成されている。凸部143は、周方向136において凸部125と同位置に形成されている。つまり、凸部143は、周方向136において凸部192と凸部125が係合するする位置と同位置にある。
【0122】
装着状態において、ノズルキャップ133を第1向き134に引っ張ると、凸部125は、ボトルキャップ132の環状突起162の凸部192を押圧して弾性変形させつつ、凸部192を乗り越える。これにより、凸部125と凸部192の係合が解除される。その結果、ノズルキャップ133をボトルキャップ132から脱抜することができる。
【0123】
また、装着状態において、ノズルキャップ133を周方向136に回転させると、凸部143がボトルキャップ132の凸部169(
図7参照)と当接する。このとき、凸部143の傾斜面144、145の一方が、凸部169の傾斜面170、171の一方に案内される。これにより、ノズルキャップ133に対して第1向き134の力が作用して、ノズルキャップ133が第1向き134に移動される。その結果、ノズルキャップ133を第1向き134に引っ張った場合と同様に、凸部125と凸部192の係合が解除され、ノズルキャップ133がボトルキャップ132から脱抜される。以上のように、ノズルキャップ133を周方向136に回転させることにより、ノズルキャップ133に対して第1向き134の力を作用させることができるため、ノズルキャップ133を第1向き134に引っ張るよりも、ノズルキャップ133をボトルキャップ132から容易に脱抜させることができる。
【0124】
なお、本実施形態では、凸部143が傾斜面144、145を有し、且つ凸部169が傾斜面170、171を有していたが、凸部143または凸部169の一方のみが傾斜面を有していてもよい。また、凸部143は、周方向136において凸部125と異なる位置に形成されていてもよい。また、凸部143及び凸部169は、設けられていなくてもよい。
【0125】
図10に示されるように、ノズルキャップ133は、第1側壁116の外周面139から突出した突起138を有している。突起138の第2向き135の端部は、第2側壁117と当接している。なお、ノズルキャップ133は、突起138を有していなくてもよい。
【0126】
[ボトル130のインクタンク100との接続]
図4及び
図13に示されるように、ボトル130のノズル161がインクタンク100の貫通孔112に挿入されることによって、ボトル130がインクタンク100に接続される。以下、ボトル130がインクタンク100に接続されたときのボトル130の姿勢は、接続姿勢とも称される。
【0127】
ボトル130のノズル161がインクタンク100の貫通孔112に挿入されるとき、マーク175が鉛直上方を向くようにボトル130の姿勢が調整されることによって、開口184、186が貯留室111に位置するときに開口184、186の一方が他方より上方にある状態とすることができる。本実施形態では、接続姿勢において、開口186が開口184より上方にある。
【0128】
図13に示されるように、ボトル130が接続姿勢のとき、ノズル161の外周面177が貫通孔112の内周面114と当接している。また、ボトル130が接続姿勢のとき、リブ163がインクタンク100の環状リブ109に当接している。
【0129】
ボトル130が接続姿勢のとき、開口184、186は、大気連通孔98より下方にある。
【0130】
ボトル130が接続姿勢のとき、ノズル161の先端部にある開口186と第1目印146とは、共に位置Pの高さにある。つまり、ボトル130が接続姿勢のとき、開口184、186のうち上方に位置する開口186は、第1目印146と同じ高さにある。
【0131】
貫通孔112の内径は、ノズル161のうち接続姿勢において貫通孔112内にある部分の外径よりも僅かに大きい。これにより、接続姿勢において、ボトル130は自重によってボトル本体131が下方に且つノズル161の先端が上方に移動するように(換言すると
図13における時計回りに)回転する。回転したボトル130のノズル161は、第1位置P1及び第2位置P2の2箇所において貫通孔112の内周面114と当接する。
【0132】
第1位置P1は、内周面114の貯留室111側の縁部である。ノズル161の外周面177が下方から当該縁部に当接する。第2位置P2は、内周面114の外部側の縁部である。ノズル161の外周面177が上方から当該縁部に当接する。これにより、ノズル161は貫通孔112と係合する。その結果、ボトル130は、接続姿勢に維持される。
【0133】
ボトル130が接続姿勢のとき、第1側壁151は、第1位置P1及び第2位置P2よりも上方に位置する。
【0134】
上述したように、ノズル161は凹部187を有している(
図7参照)。ボトル130が接続姿勢のとき、凹部187のノズル161先端側の端部は貯留室111内にあり、凹部187のノズル161基端側の端部はインクタンク100の外部にある。これにより、貯留室111とインクタンク100の外部とは、凹部187を介して連通している。つまり、接続姿勢のとき、インクタンク100は、大気連通孔98に加えて凹部187によっても大気と連通している。
【0135】
以下、ボトル130が接続姿勢のときにおけるボトル130からインクタンク100へのインクの供給が説明される。以下の説明では、ボトル130からインクタンク100へのインクの供給は、所謂チキンフィード方式で行われる。
【0136】
図4及び
図13に示されるように、ボトル130がインクタンク100へ接続されて、開口184、186がインクタンク100の貯留室111内に位置するようになると、貯留室154と貯留室111とが第1流路181及び第2流路182を通じて連通する。これにより、貯留室154に貯留されたインクが、開口183を介して第1流路181へ流通し、開口184から貯留室111へ流通する。また、インクの流通に際して、空気が大気連通孔98から貯留室111に入り込み、第2流路182を介して貯留室154に流入する。ここで、貯留室154から貯留室111へ流通するインクの体積と、貯留室111から貯留室154へ流通する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液置換が行われる。
【0137】
貯留室111にインクが流入することにより、貯留室111のインクの液面が上昇して開口186に達すると、つまり第1目印146と同じ高さに達すると、第2流路182を通じての貯留室111と貯留室154との間の空気の流通が遮断される。そのため、貯留室154から貯留室111へのインクの流通が停止される。
【0138】
ボトル130からインクタンク100へのインクの供給は、上述したチキンフィード方式の他、ボトル130のボトル本体131の第1側壁151を変形させる所謂ポンピングによっても実行可能である。
【0139】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、ボトル本体131がインクタンク100に装着される際に、貯留室154から第1流路181及び第2流路182を通じて外部へ流出したインクが、ノズル161の外周面177を伝って、ノズル161と環状突起162の内周面の間に形成された溝193へ流れ落ちるおそれがある。ここで、凸部192は、環状突起162の外周面191にある。つまり、凸部192は、溝193を構成している環状突起162の内周面の裏面にあり、ノズル161の外周面177とも離間している。そのため、流出したインクは、凸部192に付着し難い。また、凸部192が環状突起162の外側にあるので、ノズルキャップ133がボトルキャップ132に装着される際に、ノズル161に付着したインクが凸部125に付着し難い。
【0140】
また、先端面179においてインクの流通を防止する場合、インクの流通を安定して防止するためには、ゴムなどのシール部材が必要であるが、本実施形態では、ノズル161の先端面179ではなくノズル161の外周面177においてインクの流通を防止するため、シール部材を設けることなく、インクの流通を安定して防止することができる。
【0141】
また、本実施形態によれば、ノズル161と環状突起162の内周面の間に形成された溝193へ流れ落ちたインクが、環状突起162を乗り越えて環状突起162の外周面191へ流通することを、環状リブ126によって防止することができる。これにより、インクは、環状突起162に設けられた凸部192やノズルキャップ133に設けられた凸部125に付着し難い。
【0142】
また、本実施形態によれば、ノズル161と環状突起162の内周面の間に形成された溝193の中に位置するリブ163によって、溝193の中にあるインクが表面張力で保持される。これにより、溝193の中にあるインクの溝193の中への飛散を低減することができる。
【0143】
また、本実施形態によれば、リブ163は、ノズル161と環状突起162の内周面の間に形成された溝193の外に突出している。ノズルキャップ133のボトルキャップ132への装着の際に、リブ163の突出した部分がノズルキャップ133の内面に当接することによって、ノズルキャップ133を適切な装着位置へ案内することができる。
【0144】
また、ボトル130がインクタンク100へ装着されるときに、リブ163の突出した部分の先端がインクタンク100に当接することによって、ボトル130を位置決めすることができる。
【0145】
また、本実施形態によれば、先端面179がノズル161の先端に対して凹んでいるため、貯留室154から開口184、186を通じて外部へ流出したインクが、ノズル161の外周面177へ付着することを低減することができる。
【0146】
また、本実施形態によれば、ノズル161の外周面177が円周面状であるため、ボトル130をインクタンク100へ装着する際に、ノズル161が挿入されるインクタンク100の貫通孔112を円形状とすることで、ボトル130をインクタンク100へ円滑に挿入することができる。
【0147】
また、本実施形態によれば、ボトルキャップ132に装着されたノズルキャップ133を回転させることによって、ノズルキャップ133をボトルキャップ132から容易に脱抜させることができる。
【0148】
また、本実施形態によれば、ボトルキャップ132に装着されたノズルキャップ133を回転させたときに、凸部192と凸部125の係合を容易に解除することができる。
【0149】
また、本実施形態によれば、凸部125の各々は、他の凸部125と環状突起162の軸線に対して点対称とならない位置にあるため、ノズルキャップ133のボトルキャップ132からの脱抜時におけるノズルキャップ133の撓みや捻れを低減することができる。
【0150】
[変形例]
上記実施形態では、第1流路181及び第2流路182の断面形状は円形状であり、各開口183、184、185、186も円形状であった。しかし、第1流路181、第2流路182、及び各開口183、184、185、186の形状は、上記実施形態と異なる形状であってもよい。
【0151】
例えば、
図14に示されるように、ノズル161は、その先端部に設けられており断面形状が円形の第1円形開口195と、その基端部に設けられており断面形状が円形の第2円形開口196とを有しており、第1円形開口195及び第2円形開口196を両端に有する1つの流路を2つに分割する隔壁197を有していてもよい。そして、各開口183、184、185、186は、第1円形開口195及び第2円形開口196が隔壁197によって分割されることによって略半円形状に構成されていてもよい。つまり、各開口183、184、185、186は、弓形の開口であってもよい。なお、開口183、184、185、186のうちの一部が弓形の開口であってもよい。例えば、ノズル161の先端部に設けられた開口184、186が弓形の開口で、ノズル161の基端部に設けられた開口183、185が円形の開口であってもよい。
【0152】
上記実施形態では、ノズル161は、2つの流路(第1流路181及び第2流路182)を有していたが、以下で説明するように1つの流路のみを有していてもよい。また、ノズル161は、3つ以上の流路を有していてもよい。
【0153】
図15及び
図16に示されるように、ノズル161は、1つの流路90を有する。
【0154】
流路90は、ノズル161を第1向き134に沿って貫通している。
図15及び
図16に示された構成において、インクの流通方向は、流路90が貫通されている方向、つまり第1向き134である。流路90の断面形状は円形状である。なお、流路90の断面形状は円形状以外の形状であってもよい。
【0155】
ボトルキャップ132がボトル本体131に装着された状態において、流路90の一端は、開口91を通じて貯留室154と連通している。流路90の他端は、開口92を通じてノズル161の外部と連通している。ボトルキャップ132がボトル本体131に装着された状態において、
【0156】
開口91は、ノズル161の第2向き135の端部である内面172に形成されている。開口91は、概ね四角形状である。なお、開口91は、四角形状以外の形状(例えば円形状)であってもよい。また、開口91が形成されるのは、上記実施形態の開口183、185と同様、ノズル161の基端部であればよい。
【0157】
開口92は、ノズル161の第1向き134の端部(例えばノズル161の先端面)に形成されている。開口92は、円形状である。なお、開口92は、円形状以外の形状であってもよい。また、開口92が形成されるのは、
図15に示される位置に限らない。例えば、開口は、外周面177に形成されていてもよい。
【0158】
ボトルキャップ132が
図15に示される構成である場合、ボトル130からインクタンク100へのインクの供給は、ボトル130のボトル本体131の第1側壁151を変形させる所謂ポンピングによって実行される。
【0159】
上記実施形態では、ボトルキャップ132の凸部192が係合部に相当しており、ノズルキャップ133の凸部125が被係合部に相当していた。そして、ノズルキャップ133がボトルキャップ132に装着される過程において、凸部192と凸部125とが係合していた。しかし、係合の手段は、このような凸部による手段に限らない。例えば、係合部が雄ネジまたは雌ネジの一方で構成され、被係合部が雄ネジまたは雌ネジの他方で構成されており、係合部と被係合部とが螺合によって係合されてもよい。
【0160】
インクタンク100において、貫通孔112は傾斜壁106以外に形成されていてもよい。例えば、貫通孔112は、インクタンク100の上壁に形成されており、鉛直方向に沿って延びていてもよい。この場合、ノズル161は上方から貫通孔112に挿入される。
【0161】
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される水等が、印刷用液体の一例であってもよい。
【符号の説明】
【0162】
124・・・側面(当接部)
125・・・凸部(被係合部)
130・・・ボトル(印刷用液体容器)
131・・・ボトル本体(本体)
132・・・ボトルキャップ(本体)
133・・・ノズルキャップ(キャップ)
154・・・貯留室
161・・・ノズル
162・・・環状突起(第1環状突起)
168・・・外面
179・・・先端面
180・・・基端面(基端)
181・・・第1流路(流路)
182・・・第2流路(流路)
184・・・開口
186・・・開口
191・・・外周面
192・・・凸部(係合部)
【手続補正書】
【提出日】2022-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用液体を貯留する貯留室を有する本体と、
上記本体に着脱可能なキャップと、を備え、
上記本体は、
上記本体の外面から突出しており、基端において上記貯留室と連通し且つ先端面に形成された開口によって外部と連通する流路を有するノズルと、
上記ノズルが突出する方向と直交する方向において上記ノズルと間隔を空けて配置されており、上記ノズルより短く突出した第1環状突起と、
上記第1環状突起と上記ノズルと上記外面とによって区画されており、上記第1環状突起の周方向に延びた溝と、
上記第1環状突起の外周面にあり、上記本体に装着された上記キャップと係合する係合部と、を備え、
上記キャップは、
上記本体に装着された装着状態において上記ノズルの上記先端面から上記ノズルが突出する方向に間隔を空けて位置する底面と上記ノズルの先端部に液密に当接する側面とを有する底壁と、
上記底壁の外縁から上記ノズルが突出する方向とは逆方向に突出する筒状の第1側壁と、
上記第1側壁から上記逆方向に延びて上記溝に挿入されており、上記第1環状突起と液密に当接する第2環状突起と、を有しており、
上記底面、上記側面、および上記先端面は、バッファー空間を区画しており、
上記ノズルの外周面、上記側面、上記第1環状突起の内周面、上記第1側壁の内周面、および上記第2環状突起の外面は、液密なシール空間を区画する印刷用液体容器。
【請求項2】
上記シール空間の容積は、上記バッファー空間の容積よりも大きい請求項1に記載の印刷用液体容器。
【請求項3】
上記第1側壁から上記逆方向に延びて上記第1環状突起の外周面と液密に当接する筒状の第2側壁を更に備えており、
上記第2側壁は、その内周面に位置しており、上記係合部と係合する被係合部を有しており、
上記第2環状突起の下端は、上記装着状態において上記第2側壁の下端よりも上記ノズルが突出する方向に位置する請求項1または2に記載の印刷用液体容器。
【請求項4】
上記側面は、上記ノズルの外周面と液密に当接する請求項1から3のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項5】
上記本体は、上記ノズルの外周面から突出しており上記ノズルの基端から先端へ向けて延びたリブを備える請求項1から4のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項6】
上記リブは、上記ノズルの突出方向周りの周方向において間隔を空けて複数設けられている請求項5に記載の印刷用液体容器。
【請求項7】
上記リブは、上記第1環状突起よりも上記ノズルの先端の近くまで延びている請求項5または6に記載の印刷用液体容器。
【請求項8】
上記ノズルは、上記ノズルの先端に対して上記開口を有する上記先端面が凹んだ凹部を有する請求項1から7のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項9】
上記凹部を区画する側面は、上記先端面から上記ノズルの先端へ向かうにしたがって上記先端面の外縁へ向かって延びている請求項8に記載の印刷用液体容器。
【請求項10】
上記ノズルの外周面は、円周面状である請求項1から9のいずれかに記載の印刷用液体容器。
【請求項11】
上記本体は、上記第1環状突起の周囲に第1凸部を備え、
上記キャップは、上記第2側壁の内面から突出しており、上記装着状態において上記第1凸部と当接可能な第2凸部を備え、
上記第1凸部または上記第2凸部の少なくとも一方は、上記装着状態において上記第1環状突起の周方向に対して傾斜した傾斜面を備え、
上記傾斜面は、上記装着状態において上記キャップが上記周方向に回転したときに上記第1凸部または上記第2凸部を案内して、上記キャップを上記本体から脱抜される向きへ移動させる請求項3に記載の印刷用液体容器。
【請求項12】
上記第1凸部は、上記周方向において、上記係合部及び上記被係合部の係合位置と同位置にある請求項11に記載の印刷用液体容器。
【請求項13】
上記被係合部は、上記第1環状突起の周方向において間隔を空けて複数設けられており、
上記被係合部の各々は、他の上記被係合部と上記第1環状突起の軸線に対して点対称とならない位置にある請求項11または12のいずれかに記載の印刷用液体容器。