(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188341
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/18 20060101AFI20221214BHJP
G01N 27/22 20060101ALI20221214BHJP
B81B 7/02 20060101ALI20221214BHJP
H01C 7/04 20060101ALN20221214BHJP
H01C 7/02 20060101ALN20221214BHJP
【FI】
G01N27/18
G01N27/22 A
B81B7/02
H01C7/04
H01C7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096291
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】山崎 宏明
【テーマコード(参考)】
2G060
3C081
5E034
【Fターム(参考)】
2G060AA01
2G060AB03
2G060AB09
2G060AB17
2G060AE19
2G060AF07
2G060AF10
2G060AG11
2G060BA05
2G060BA09
2G060BB02
2G060JA01
2G060KA01
3C081AA01
3C081BA22
3C081BA32
3C081BA41
3C081BA53
3C081DA03
3C081EA01
3C081EA05
5E034AA09
5E034BA09
(57)【要約】
【課題】特性の向上が可能なセンサを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、センサは、第1、第2検出部、第1~第3抵抗端子、及び、第1、第2導電端子を含む。第1、第2検出部は、第1、第2検出素子を含む。第1、第2検出素子は、第1、第2抵抗部材及び第1、第2導電部材をそれぞれ含む。第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含む。第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む。第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含む。第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む。第1抵抗端子は、第1抵抗部分と接続される。第2抵抗端子は、第1抵抗他部分及び第2抵抗部分と接続される。第3抵抗端子は、第2抵抗他部分と接続される。第1導電端子は、第1導電部分と接続される。第2導電端子は、第1導電他部分と接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基体領域及び第2基体領域を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1検出部であって、前記第1検出部は、第1検出素子を含み、前記第1検出素子は、第1抵抗部材及び第1導電部材を含み、前記第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含み、前記第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む、前記第1検出部と、
前記第2基体領域に設けられた第2検出部であって、前記第2検出部は、第2検出素子を含み、前記第2検出素子は、第2抵抗部材及び第2導電部材を含み、前記第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含み、前記第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む、前記第2検出部と、
前記第1抵抗部分と電気的に接続された第1抵抗端子と、
前記第1抵抗他部分及び前記第2抵抗部分と電気的に接続された第2抵抗端子と、
前記第2抵抗他部分と電気的に接続された第3抵抗端子と、
前記第1導電部分と電気的に接続された第1導電端子と、
前記第1導電他部分と電気的に接続された第2導電端子と、
を備えたセンサ。
【請求項2】
前記基体に設けられた接続導電部材をさらに備え、
前記接続導電部材は、前記第1抵抗他部分と前記第2抵抗部分とを電気的に接続する、請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記第1抵抗端子、前記第2抵抗端子、前記第3抵抗端子、前記第1導電端子及び前記第2導電端子と電気的に接続された処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に第1電流を供給して前記第1検出素子の温度を上昇させる第1動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第1動作において、前記第1抵抗端子と前記第2抵抗端子との間の第1電気抵抗の、前記第2抵抗端子と前記第3抵抗端子との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号を出力可能である、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
第1基体領域及び第2基体領域を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1検出部であって、前記第1検出部は、第1検出素子を含み、前記第1検出素子は、第1抵抗部材及び第1導電部材を含み、前記第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含み、前記第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む、前記第1検出部と、
前記第2基体領域に設けられた第2検出部であって、前記第2検出部は、第2検出素子を含み、前記第2検出素子は、第2抵抗部材及び第2導電部材を含み、前記第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含み、前記第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む、前記第2検出部と、
前記第1抵抗部分と電気的に接続された第1抵抗端子と、
前記第1抵抗他部分と電気的に接続された第2抵抗端子と、
前記第2抵抗他部分と電気的に接続された第3抵抗端子と、
前記第2抵抗部分と電気的に接続された第4抵抗端子と、
前記第1導電部分と電気的に接続された第1導電端子と、
前記第1導電他部分と電気的に接続された第2導電端子と、
を備えたセンサ。
【請求項5】
前記第1抵抗端子、前記第2抵抗端子、前記第3抵抗端子、前記第4抵抗端子、前記第1導電端子及び前記第2導電端子と電気的に接続された処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に第1電流を供給して前記第1検出素子の温度を上昇させる第1動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第1動作において、前記第1抵抗端子と前記第2抵抗端子との間の第1電気抵抗の、前記第3抵抗端子と前記第4抵抗端子との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号を出力可能である、請求項4記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1比は、前記第1検出素子及び前記第2検出素子の周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、請求項3または5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記第1検出素子の前記温度が上昇したときにおける前記第1電気抵抗は、前記第1検出素子の周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、請求項3または5に記載のセンサ。
【請求項8】
前記第1検出部は、第1接続部及び第1支持部をさらに含み、
前記第1支持部は、前記基体に固定され、
前記第1接続部の一部は前記第1支持部に支持され、
前記第1接続部の別の一部は前記第1検出素子を前記第1基体領域から離して支持し、
前記第2検出部は、第2接続部及び第2支持部をさらに含み、
前記第2支持部は、前記基体に固定され、
前記第2接続部の一部は前記第2支持部に支持され、
前記第2接続部の別の一部は前記第2検出素子を前記第2基体領域から離して支持する、請求項1~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項9】
前記第1基体領域と前記第1検出素子との間に第1空隙が設けられ、
前記第2基体領域と前記第2検出素子との間に第2空隙が設けられた、請求項8記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを用いたセンサがある。センサにおいて、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、特性の向上が可能なセンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、センサは、基体、第1検出部、第2検出部、第1抵抗端子、第2抵抗端子、第3抵抗端子、第1導電端子及び第2導電端子を含む。前記基体は、第1基体領域及び第2基体領域を含む。前記第1検出部は、前記第1基体領域に設けられる。前記第1検出部は、第1検出素子を含む。前記第1検出素子は、第1抵抗部材及び第1導電部材を含む。前記第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含む。前記第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む。前記第2検出部は、前記第2基体領域に設けられる。前記第2検出部は、第2検出素子を含む。前記第2検出素子は、第2抵抗部材及び第2導電部材を含む。前記第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含む。前記第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む。前記第1抵抗端子は、前記第1抵抗部分と電気的に接続される。前記第2抵抗端子は、前記第1抵抗他部分及び前記第2抵抗部分と電気的に接続される。前記第3抵抗端子は、前記第2抵抗他部分と電気的に接続される。前記第1導電端子は、前記第1導電部分と電気的に接続される。前記第2導電端子は、前記第1導電他部分と電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1、
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図3は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図1は、
図3のA1-A2線断面図である。
図2(a)は、
図3のB1-B2線断面図である。
図2(b)は、
図3のC1-C2線断面図である。
【0009】
図1、
図2(a)、
図2(b)及び
図3に示すように、実施形態に係るセンサ110は、基体41、第1検出部10A、第2検出部10B、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第1導電端子61及び第2導電端子62を含む。
【0010】
基体41は、第1基体領域41a及び第2基体領域41bを含む。この例では、基体41は、基板41s及び絶縁膜41iを含む。基板41sは、例えば半導体基板(例えばシリコン基板)などで良い。基板41sは、例えば、半導体回路などを含んでも良い。基板41sは、ビア電極などの接続部材を含んで良い。
【0011】
第1検出部10Aは、第1基体領域41aに設けられる。第1基体領域41aから第1検出部10Aへの方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
第1検出部10Aは、第1検出素子11Eを含む。第1検出素子11Eは、第1抵抗部材11及び第1導電部材21を含む。
図1及び
図3に示すように、第1抵抗部材11は、第1抵抗部分11aと第1抵抗他部分11bとを含む。例えば、第1抵抗部分11aは、第1抵抗部材11の1つの端部で良い。第1抵抗他部分11bは、第1抵抗部材11の別の端部で良い。
図2(a)及び
図3に示すように、第1導電部材21は、第1導電部分21aと第1導電他部分21bとを含む。例えば、第1導電部分21aは、第1導電部材21の1つの端部で良い。第1導電他部分21bは、第1導電部材21の別の端部で良い。
【0013】
図1及び
図3に示すように、この例では、第1検出部10Aは、第1接続部31C及び第1支持部31Sをさらに含む。第1支持部31Sは、基体41に固定される。第1接続部31Cの一部は、第1支持部31Sに支持される。第1接続部31Cの別の一部は、第1検出素子11Eを第1基体領域41aから離して支持する。第1基体領域41aと第1検出素子11Eとの間に第1空隙g1が設けられる。
【0014】
この例では、第1検出部10Aは、第1他接続部31aC及び第1他支持部31aSをさらに含む。第1他支持部31aSは、基体41に固定される。第1他接続部31aCの一部は、第1他支持部31aSに支持される。第1他接続部31aCの別の一部は、第1検出素子11Eを第1基体領域41aから離して支持する。この例では、第1接続部31Cと第1他接続部31aCとの間に、第1検出素子11Eの少なくとも一部がある。
【0015】
第2検出部10Bは、第2基体領域41bに設けられる。第2基体領域41bから第2検出部10Bへの方向は、Z軸方向に沿う。
【0016】
第2検出部10Bは、第2検出素子12Eを含む。第2検出素子12Eは、第2抵抗部材12及び第2導電部材22を含む。
図1及び
図3に示すように、第2抵抗部材12は、第2抵抗部分12aと第2抵抗他部分12bとを含む。例えば、第2抵抗部分12aは、第2抵抗部材12の1つの端部で良い。第2抵抗他部分12bは、第2抵抗部材12の別の端部で良い。
図2(b)及び
図3に示すように、第2導電部材22は、第2導電部分22aと第2導電他部分22bとを含む。例えば、第2導電部分22aは、第2導電部材22の1つの端部で良い。第2導電他部分22bは、第2導電部材22の別の端部で良い。
【0017】
図1及び
図3に示すように、この例では、第2検出部10Bは、第2接続部32C及び第2支持部32Sをさらに含む。第2支持部32Sは、基体41に固定される。第2接続部32Cの一部は、第2支持部32Sに支持される。第2接続部32Cの別の一部は、第2検出素子12Eを第2基体領域41bから離して支持する。第2基体領域41bと第2検出素子12Eとの間に第2空隙g2が設けられる。
【0018】
この例では、第2検出部10Bは、第2他接続部32aC及び第2他支持部32aSをさらに含む。第2他支持部32aSは、基体41に固定される。第2他接続部32aCの一部は、第2他支持部32aSに支持される。第2他接続部32aCの別の一部は、第2検出素子12Eを第2基体領域41bから離して支持する。この例では、第2接続部32Cと第2他接続部32aCとの間に第2検出素子12Eの少なくとも一部がある。
【0019】
第1検出素子11E及び第2検出素子12Eが基体41から離れて支持されることで、これらの検出素子の熱が基体41を介して伝導されることが抑制される。これにより、高い感度による安定した検出対象の検出が容易になる。
【0020】
第1抵抗端子51は、第1抵抗部分11aと電気的に接続される。この例では、第2抵抗端子52は、第1抵抗他部分11b及び第2抵抗部分12aと電気的に接続される。第3抵抗端子53は、第2抵抗他部分12bと電気的に接続される。後述するように、他の抵抗端子が設けられても良い。この場合、第2抵抗端子52は第1抵抗他部分11bと電気的に接続され、他の抵抗端子が第2抵抗部分12aと電気的に接続されても良い。
【0021】
この例では、
図3に示すように、接続導電部材25が設けられる。接続導電部材25は、基体41に設けられる。接続導電部材25は、第1抵抗他部分11bと第2抵抗部分12aとを電気的に接続する。この例では、第2抵抗端子52は、接続導電部材25を介して、第1抵抗他部分11b及び第2抵抗部分12aと電気的に接続される。
【0022】
第1導電端子61は、第1導電部分21aと電気的に接続される。第2導電端子62は、第1導電他部分21bと電気的に接続される。
【0023】
図3に示すように、センサ110において、処理部70が設けられても良い。処理部70は、センサ110に含まれても良い。処理部70は、センサ110とは別に設けられても良い。処理部70は、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第1導電端子61及び第2導電端子62と電気的に接続される。
【0024】
処理部70は、第1動作を実施可能である。第1動作において、処理部70は、第1導電端子61と第2導電端子62との間に第1電流i1を供給して、第1検出素子11Eの温度を上昇させる。第1電流i1は、第1導電部材21を流れる。ジュール熱により、第1導電部材21の温度が雰囲気温度に対して上昇し、第1検出素子11Eの温度が上昇する。第1電流i1は、交流でも直流でも良い。
【0025】
処理部70は、第1動作において、第1抵抗端子51と第2抵抗端子52との間の第1電気抵抗の、第2抵抗端子52と第3抵抗端子53との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号70sを出力可能である。「第1比に対応」は、「第1比の逆数に対応」を含む。
【0026】
例えば、第1抵抗部材11の電気抵抗は、第1抵抗部材11の温度に応じて変化する。第1抵抗部材11の温度は、第1検出素子11Eの温度と実質的に同じである。例えば、第2抵抗部材12の電気抵抗は、第2抵抗部材12の温度に応じて変化する。第2抵抗部材12の温度は、第2検出素子12Eの温度と実質的に同じである。上記のように第1動作において、例えば、第1検出素子11Eの温度が上昇し、第1抵抗部材11の温度も上昇する。一方、処理部70は、例えば、第1動作において、第2導電部材22に電流を供給しない。第1動作において、第2導電部材22に電流は流れず、第2検出素子12E及び第2抵抗部材12の温度は実質的に変化しない。第1抵抗部材11及び第2抵抗部材12は、例えばハーフブリッジ回路の少なくとも一部となる。第1電気抵抗と第2電気抵抗との第1比は、2つの抵抗部材の温度の差に依存する。
【0027】
ここで、第1検出素子11Eの周囲の雰囲気に検査対象の第1元素が存在する場合の第1比は、雰囲気に第1元素が含まれていない場合の第1比から変化する。これは、第1元素の有無(及び濃度)に応じて、第1検出素子11Eの温度の伝導特性が変化することに基づいている。例えば、第1元素は、水素、ヘリウム、二酸化炭素、メタン及び六フッ化硫黄(SF6)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。雰囲気が第1元素として水素を含む場合、雰囲気が水素を実質的に含まない場合に比べて、第1検出素子11Eの温度が低くなる。第1比は、第1検出素子及び前記第2検出素子の周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。
【0028】
このような特性を利用することで、センサ110は、第1元素を検出可能である。第1比は、第1検出素子11E及び第2検出素子12Eの周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。例えば、第1検出素子11Eの温度が上昇したときにおける第1電気抵抗は、第1検出素子11Eの周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。例えば、処理部70は、第1比を検出することで、検出対象の第1元素の有無または濃度を検出可能である。
【0029】
実施形態において、1つの基体41に複数の検出部が設けられる。第2検出部10Bは、第1検出部10Aと実質的に同じ構造を有する。これにより、第2検出部10Bの熱容量は、第1検出部10Aの熱容量と同じになる。実施形態においては、これらの2つの検出部の電気抵抗の比を検出することで、より高い精度でより高い感度の検出が可能である。
【0030】
例えば、センサ110の周囲の温度が変化した場合も、周囲の温度の変化による影響は、2つの検出部を用いることで、抑制される。実施形態においては、第1元素の有無または濃度に起因する第1検出素子11Eの電気抵抗の変化を他の影響を抑制して検出される。特性の向上が可能なセンサを提供できる。
【0031】
実施形態において、第2検出部10Bは、第1検出部10Aと実質的に同じ構造を有する。第2抵抗部材12の長さ、幅、厚さ及び材料は、第1抵抗部材11の長さ、幅、厚さ及び材料と実質的に同じである。第2導電部材22の長さ、幅、厚さ及び材料は、第1導電部材21の長さ、幅、厚さ及び材料と実質的に同じである。
【0032】
実施形態において、第2導電部材22には、電流が供給されなくて良い。例えば、第2導電部分22a及び第2導電他部分22bの少なくともいずれかは浮遊電位で良い。例えば、第2導電部材22は、ダミー導電部材である。第2導電部材22の電位は、固定電位(例えば接地電位)でも良い。
【0033】
図1に示すように、第1検出部10A(及び第1検出素子11E)は、第1絶縁部18Aを含んでも良い。第2検出部10B(及び第2検出素子12E)は、第2絶縁部18Bを含んでも良い。第1絶縁部18Aの少なくとも一部は、第1抵抗部材11及び第1導電部材21の周りに設けられる。第1絶縁部18Aの一部は、第1抵抗部材11と第1導電部材21との間に設けられる。第2絶縁部18Bの少なくとも一部は、第2抵抗部材12及び第2導電部材22の周りに設けられる。第2絶縁部18Bの一部は、第2抵抗部材12と第2導電部材22との間に設けられる。第2絶縁部18Bは、第1絶縁部18Aと実質的に同じ構造を有する。第2絶縁部18Bの長さ、幅、厚さ及び材料は、第1絶縁部18Aの長さ、幅、厚さ及び材料と実質的に同じである。
【0034】
例えば、水素ガスの熱伝導率は、174mW/(m・K)である。二酸化炭素の熱伝導率は、14.2mW/(m・K)である。窒素の熱伝導率は、24.3mW/(m・K)である。メタンの熱伝導率は、30mW/(m・K)である。例えば、空気雰囲気中に水素が含まれる場合、水素の有無または濃度に応じた実効的な雰囲気の熱伝導率の変化により、第1抵抗部材11の温度の変化は、第2抵抗部材12の温度の変化よりも大きい。第1元素が水素を含む場合に、より高い感度の検出が実施できる。センサ110は、例えば、熱伝導型の水素センサである。
【0035】
図1に示すように、第1検出部10Aは、第1導電層51Lをさらに含んで良い。第1導電層51Lは、第1抵抗部材11の第1抵抗部分11aと電気的に接続される。第1導電層51Lの少なくとも一部は、第1支持部31Sに設けられて良い。この例では、第1導電層51Lは、基体41に設けられた配線層51Mと電気的に接続される。配線層51Mは、第1抵抗端子51と電気的に接続される(
図3参照)。
【0036】
図1に示すように、第2検出部10Bは、第2導電層52Lをさらに含んで良い。第2導電層52Lは、第2抵抗部材12の第2抵抗部分12aと電気的に接続される。第2導電層52Lの少なくとも一部は、第2支持部32Sに設けられて良い。この例では、第2導電層52Lは、基体41に設けられた配線層52Mと電気的に接続される。配線層52Mは、第2抵抗端子52と電気的に接続される(
図3参照)。
【0037】
第1抵抗端子51と第1抵抗部分11aとの間に流れる電流は、第1導電層51Lを流れる。第2抵抗端子52と第2抵抗部分12aとの間に流れる電流は、第2導電層52Lを流れる。
【0038】
第1検出部10Aは、第1他導電層51aLをさらに含んで良い。第1他導電層51aLは、第1抵抗部材11の第1抵抗他部分11bと電気的に接続される。第1他導電層51aLの少なくとも一部は、第1他支持部31aSに設けられて良い。この例では、第1他導電層51aLは、基体41に設けられた配線層51aMと電気的に接続される。配線層51aMは、第2抵抗端子52と電気的に接続される(
図3参照)。
【0039】
第2検出部10Bは、第2他導電層52aLをさらに含んで良い。第2他導電層52aLは、第2抵抗部材12の第2抵抗他部分12bと電気的に接続される。第2他導電層52aLの少なくとも一部は、第2他支持部32aSに設けられて良い。この例では、第2他導電層52aLは、基体41に設けられた配線層52aMと電気的に接続される。配線層52aMは、第3抵抗端子53と電気的に接続される(
図3参照)。
【0040】
図2(a)及び
図3に示すように、この例では、第1検出部10Aは、第3接続部33C及び第3支持部33Sを含む。第3支持部33Sは、基体41に固定される。第3接続部33Cの一部は、第3支持部33Sに支持される。第3接続部33Cの別の一部は、第1検出素子11Eを第1基体領域41aから離して支持する。
【0041】
この例では、第1検出部10Aは、第3他接続部33aC及び第3他支持部33aSを含む。第3他支持部33aSは、基体41に固定される。第3他接続部33aCの一部は、第3他支持部33aSに支持される。第3他接続部33aCの別の一部は、第1検出素子11Eを第1基体領域41aから離して支持する。
【0042】
図2(a)に示すように、第1検出部10Aは、第3導電層53Lさらに含んで良い。第3導電層53Lの少なくとも一部は、第3支持部33Sに設けられる。この例では、第3導電層53Lは、基体41に設けられた配線層53Mと電気的に接続される。配線層53Mは、第1導電端子61と電気的に接続される(
図3参照)。第1導電端子61と第1導電部分21aとの間に流れる第1電流i1は、第3導電層53Lを流れる。
【0043】
図2(a)に示すように、第1検出部10Aは、第3他導電層53aLさらに含んで良い。第3他導電層53aLの少なくとも一部は、第3他支持部33aSに設けられる。この例では、第3他導電層53aLは、基体41に設けられた配線層53aMと電気的に接続される。配線層53aMは、第2導電端子62と電気的に接続される(
図3参照)。第2導電端子62と第1導電他部分21bとの間に流れる第1電流i1は、第3他導電層53aLを流れる。
【0044】
図2(b)及び
図3に示すように、この例では、第2検出部10Bは、第4接続部34C及び第4支持部34Sを含む。第4支持部34Sは、基体41に固定される。第4接続部34Cの一部は、第4支持部34Sに支持される。第4接続部34Cの別の一部は、第2検出素子12Eを第2基体領域41bから離して支持する。
【0045】
この例では、第2検出部10Bは、第4他接続部34aC及び第4他支持部34aSを含む。第4他支持部34aSは、基体41に固定される。第4他接続部34aCの一部は、第4他支持部34aSに支持される。第4他接続部34aCの別の一部は、第2検出素子12Eを第2基体領域41bから離して支持する。
【0046】
図2(b)に示すように、第2検出部10Bは、第4導電層54Lをさらに含んで良い。第4導電層54Lの少なくとも一部は、第4支持部34Sに設けられる。この例では、第4導電層54Lは、基体41に設けられた配線層54Mと電気的に接続される。第4導電層54Lは、第2導電部分22aと電気的に接続される。
【0047】
図2(b)に示すように、第2検出部10Bは、第4他導電層54aLをさらに含んで良い。第4他導電層54aLの少なくとも一部は、第4他支持部34aSに設けられる。この例では、第4他導電層54aLは、基体41に設けられた配線層54aMと電気的に接続される。第4他導電層54aLは、第2導電他部分22bと電気的に接続される。
【0048】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
これらの図は、第1抵抗部材11及び第2抵抗部材12を含む層に関する平面図である。
図4(a)に示すように、第1検出素子11Eは、第1層15a及び第2層15bを含んでも良い。第1層15a及び第2層15bは、第1抵抗部材11と同様の材料及び厚さを有する。第1抵抗部材11は、第1層15aと第2層15bとの間に設けられる。これらの層が設けられることで、第1検出素子11Eの反り(変形)が抑制される。
【0049】
図4(b)に示すように、第2検出素子12Eは、第3層15c及び第4層15dを含んでも良い。第3層15c及び第4層15dは、第2抵抗部材12と同様の材料及び厚さを有する。第2抵抗部材12は、第3層15cと第4層15dとの間に設けられる。これらの層が設けられることで、第2検出素子12Eの反り(変形)が抑制される。
【0050】
図5は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図5に示すように、実施形態に係るセンサ111においては、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第1導電端子61及び第2導電端子62に加えて、第4抵抗端子54が設けられる。センサ111におけるこれ以外の構成は、センサ110と同様で良い。
【0051】
センサ111において、第1抵抗端子51は、第1抵抗部分11aと電気的に接続される。第2抵抗端子52は、第1抵抗他部分11bと電気的に接続される。第3抵抗端子53は、第2抵抗他部分12bと電気的に接続される。第4抵抗端子54は、第2抵抗部分12aと電気的に接続される。第1導電端子61は、第1導電部分21aと電気的に接続される。第2導電端子62は、第1導電他部分21bと電気的に接続される。
【0052】
この場合も、処理部70が設けられて良い。処理部70は、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第4抵抗端子54、第1導電端子61及び第2導電端子62と電気的に接続される。処理部70は、第1動作を実施可能である。処理部70は、第1動作において、第1導電端子61と第2導電端子62との間に第1電流i1を供給して第1検出素子11Eの温度を上昇させる。処理部70は、第1動作において、第1抵抗端子51と第2抵抗端子52との間の第1電気抵抗の、第3抵抗端子53と第4抵抗端子54との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号70sを出力可能である。例えば、センサ111における上記以外の動作は、センサ110における動作と同様で良い。
【0053】
センサ111においても、第1元素の有無または濃度に起因する第1検出素子11Eの電気抵抗の変化を他の影響を抑制して検出できる。特性の向上が可能なセンサを提供できる。
【0054】
センサ110及びセンサ111において、例えば、第1検出素子11Eの構成(形状及び材料など)が第2検出素子12Eの構成(形状及び材料など)が実質的に同じで良い。この場合、これらの検出素子において、構成の差に起因した温度上昇の差は、実質的に生じない。より高い精度の検出がより簡単に実施できる。例えば、処理部70は、信号70sを得る際に、例えば、第1検出素子11E及び第2検出素子12Eに検出用電流を供給する。検出用電流は、第1抵抗部材11及び第2抵抗部材12を流れる。検出電流によって発生するジュール熱に起因する温度の上昇は、第1検出素子11Eと第2検出素子12Eとの間で実質的に同様である。
【0055】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図6に示すように、実施形態に係るセンサ120においては、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第1導電端子61及び第2導電端子62に加えて、第3導電端子63及び第4導電端子64が設けられる。センサ120におけるこれ以外の構成は、センサ110と同様で良い。
【0056】
第3導電端子63は、第2導電部分22aと電気的に接続される。第4導電端子64は、第2導電他部分22bと電気的に接続される。
【0057】
処理部70は、第2動作を実施可能である。例えば、処理部70は、第2動作を第1動作と切り替えて実施可能である。
【0058】
処理部70は、第3導電端子63と第4導電端子64との間に第2電流i2を供給して第2検出素子12Eの温度を上昇させる。第2電流i2は、交流でも直流でも良い。処理部70は、第2動作において、第1抵抗端子51と第2抵抗端子52との間の第3電気抵抗の、第2抵抗端子52と第3抵抗端子53との間の第4電気抵抗の第2比に対応した信号70sを出力可能である。
【0059】
このように、第1検出素子11Eが温度センサとして機能する第1動作と、第2検出素子12Eが温度センサとして機能する第2動作と、が切り替えられて実施されても良い。
【0060】
処理部70は、第1動作の第1比、及び、第2動作の第2比の平均を出力可能でも良い。より高い精度の検出が可能になる。
【0061】
第3導電端子63及び第4導電端子64は、センサ111に設けられても良い。
【0062】
上記の例では、第1抵抗部材11の電気抵抗の検出の際に流れる電流は、第1支持部31S及び第1他支持部31aSを通過する。このとき、第1導電部材21に流れる第1電流i1は、第3支持部33S及び第3他支持部33aSを流れる。
【0063】
実施形態において、第1導電部材21に流れる第1電流i1は、第1支持部31S及び第1他支持部31aSを通過しても良い。
【0064】
例えば、第1検出部10Aは、第3導電層53Lを含んで良い(
図2(a)参照)。第3導電層53Lの少なくとも一部は、第1支持部31Sに設けられる。第1導電端子61と第1導電部分21aとの間に流れる第1電流i1は、第3導電層53Lを流れる。例えば、第2検出部10Bは、第4導電層54Lをさらに含んで良い(
図2(b)参照)。第4導電層54Lの少なくとも一部は、第2支持部32Sに設けられる。第4導電層54Lは、第2導電部分22aと電気的に接続される。このように、実施形態において種々の変形が可能である。
【0065】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図7に示すように、実施形態に係るセンサ130は、第3検出部10Cを含む。センサ130は、基体41、第1検出部10A及び第2検出部10Bを含む。センサ130は、既に説明した、第1抵抗端子51、第2抵抗端子52、第3抵抗端子53、第1導電端子61及び第2導電端子62を含む。
【0066】
基体41は、第3基体領域41cを含む。第3検出部10Cは、第3基体領域41cに設けられる。第3検出部10Cは、第3検出素子13Eを含む。第3検出素子13Eは、固定電極E1及び可動電極E2を含む。この例では、第3検出素子13Eは、部材13M及び第3導電部材23を含む。この例では、固定電極E1と部材13Mとの間に可動電極E2が設けられている。可動電極E2と部材13Mとの間に、第3導電部材23が設けられている。
【0067】
固定電極E1と可動電極E2との間に第3間隙g3が設けられる。固定電極E1と可動電極E2との間の距離は、第3検出素子13Eの周囲の環境に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。これは、可動電極E2及びその周囲の部材13Mに第1元素が吸着されて生じる第1可動電極E2の変形に基づく。距離の変形に応じて、固定電極E1と可動電極E2との間の電気容量が変化する。処理部70は、電気容量の変化に応じた値を出力可能である。第3検出部10Cは、容量型のセンサである。
【0068】
例えば、処理部70は、第3導電部材23に電流を供給可能である。この電流により、部材13Mの温度が上昇する。例えば、部材13Mにおいて、第1元素を効率的に取り込む(例えば吸着)ことが容易になる。例えば、第1元素の濃度に対する容量の変化を大きくできる。高い感度が得やすくなる。
【0069】
センサ130において、第1検出部10A及び第2検出部10Bには、第1実施形態及び第2実施形態に関して説明した任意の構成が適用可能である。
【0070】
実施形態に係る1つの例において、第1導電部材21は、基体41(第1基体領域41a)と第1抵抗部材11との間に設けられて良い。例えば、第1基体領域41aと第1導電部材21との間のZ軸方向に沿う距離は、第1基体領域41aと第1抵抗部材11との間のZ軸方向に沿う距離よりも短い。別の例において、第1抵抗部材11は、基体41(第1基体領域41a)と第1導電部材21との間に設けられて良い。例えば、第1基体領域41aと第1抵抗部材11との間のZ軸方向に沿う距離は、第1基体領域41aと第1導電部材21との間のZ軸方向に沿う距離よりも短い。
【0071】
実施形態に係る1つの例において、第2導電部材22は、基体41(第2基体領域41b)と第2抵抗部材12との間に設けられて良い。例えば、第2基体領域41bと第2導電部材22との間のZ軸方向に沿う距離は、第2基体領域41bと第2抵抗部材12との間のZ軸方向に沿う距離よりも短い。別の例において、第2抵抗部材12は、基体41(第2基体領域41b)と第2導電部材22との間に設けられて良い。例えば、第2基体領域41bと第2抵抗部材12との間のZ軸方向に沿う距離は、第2基体領域41bと第2導電部材22との間のZ軸方向に沿う距離よりも短い。
【0072】
実施形態において、処理部70は、電流源を含んでも良い。処理部70は、電圧源を含んでも良い。電流源または電圧源から供給される電流が、検出素子に提供される。1つの電流は、導電部材を流れる。別の電流は、抵抗部材に供給され、抵抗部材の抵抗に対応する値の検出に用いられて良い。
【0073】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1基体領域及び第2基体領域を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1検出部であって、前記第1検出部は、第1検出素子を含み、前記第1検出素子は、第1抵抗部材及び第1導電部材を含み、前記第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含み、前記第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む、前記第1検出部と、
前記第2基体領域に設けられた第2検出部であって、前記第2検出部は、第2検出素子を含み、前記第2検出素子は、第2抵抗部材及び第2導電部材を含み、前記第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含み、前記第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む、前記第2検出部と、
前記第1抵抗部分と電気的に接続された第1抵抗端子と、
前記第1抵抗他部分及び前記第2抵抗部分と電気的に接続された第2抵抗端子と、
前記第2抵抗他部分と電気的に接続された第3抵抗端子と、
前記第1導電部分と電気的に接続された第1導電端子と、
前記第1導電他部分と電気的に接続された第2導電端子と、
を備えたセンサ。
【0074】
(構成2)
前記基体に設けられた接続導電部材をさらに備え、
前記接続導電部材は、前記第1抵抗他部分と前記第2抵抗部分とを電気的に接続する、構成1記載のセンサ。
【0075】
(構成3)
前記第1抵抗端子、前記第2抵抗端子、前記第3抵抗端子、前記第1導電端子及び前記第2導電端子と電気的に接続された処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に第1電流を供給して前記第1検出素子の温度を上昇させる第1動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第1動作において、前記第1抵抗端子と前記第2抵抗端子との間の第1電気抵抗の、前記第2抵抗端子と前記第3抵抗端子との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号を出力可能である、構成1または2に記載のセンサ。
【0076】
(構成4)
第1基体領域及び第2基体領域を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1検出部であって、前記第1検出部は、第1検出素子を含み、前記第1検出素子は、第1抵抗部材及び第1導電部材を含み、前記第1抵抗部材は、第1抵抗部分と第1抵抗他部分とを含み、前記第1導電部材は、第1導電部分と第1導電他部分とを含む、前記第1検出部と、
前記第2基体領域に設けられた第2検出部であって、前記第2検出部は、第2検出素子を含み、前記第2検出素子は、第2抵抗部材及び第2導電部材を含み、前記第2抵抗部材は、第2抵抗部分と第2抵抗他部分とを含み、前記第2導電部材は、第2導電部分と第2導電他部分とを含む、前記第2検出部と、
前記第1抵抗部分と電気的に接続された第1抵抗端子と、
前記第1抵抗他部分と電気的に接続された第2抵抗端子と、
前記第2抵抗他部分と電気的に接続された第3抵抗端子と、
前記第2抵抗部分と電気的に接続された第4抵抗端子と、
前記第1導電部分と電気的に接続された第1導電端子と、
前記第1導電他部分と電気的に接続された第2導電端子と、
を備えたセンサ。
【0077】
(構成5)
前記第1抵抗端子、前記第2抵抗端子、前記第3抵抗端子、前記第4抵抗端子、前記第1導電端子及び前記第2導電端子と電気的に接続された処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に第1電流を供給して前記第1検出素子の温度を上昇させる第1動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第1動作において、前記第1抵抗端子と前記第2抵抗端子との間の第1電気抵抗の、前記第3抵抗端子と前記第4抵抗端子との間の第2電気抵抗に対する第1比に対応した信号を出力可能である、構成4記載のセンサ。
【0078】
(構成6)
前記第1比は、前記第1検出素子及び前記第2検出素子の周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成3または5に記載のセンサ。
【0079】
(構成7)
前記第1検出素子の前記温度が上昇したときにおける前記第1電気抵抗は、前記第1検出素子の周りの雰囲気に含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成3または5に記載のセンサ。
【0080】
(構成8)
前記第1元素は、水素、ヘリウム、二酸化炭素、メタン及び六フッ化硫黄よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成6または7に記載のセンサ。
【0081】
(構成9)
前記第2導電部分と電気的に接続された第3導電端子と、
前記第2導電他部分と電気的に接続された第4導電端子と、
を備え、
前記処理部は、前記第3導電端子と前記第4導電端子との間に第2電流を供給して前記第2検出素子の温度を上昇させる第2動作を前記第1動作と切り替えて実施可能であり、
前記処理部は、前記第2動作において、前記第1抵抗端子と前記第2抵抗端子との間の第3電気抵抗の、前記第2抵抗端子と前記第3抵抗端子との間の第4電気抵抗の第2比に対応した信号を出力可能である、構成5~8のいずれか1つに記載のセンサ。
【0082】
(構成10)
前記処理部は、前記第1比及び前記第2比の平均を出力可能である、構成9記載のセンサ。
【0083】
(構成11)
前記第2導電部分及び前記第2導電他部分の少なくともいずれかは浮遊電位または固定電位である、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0084】
(構成12)
前記第2導電部材はダミー導電部材である、構成1~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0085】
(構成13)
前記第1検出部は、第1接続部及び第1支持部をさらに含み、
前記第1支持部は、前記基体に固定され、
前記第1接続部の一部は前記第1支持部に支持され、
前記第1接続部の別の一部は前記第1検出素子を前記第1基体領域から離して支持し、
前記第2検出部は、第2接続部及び第2支持部をさらに含み、
前記第2支持部は、前記基体に固定され、
前記第2接続部の一部は前記第2支持部に支持され、
前記第2接続部の別の一部は前記第2検出素子を前記第2基体領域から離して支持する、構成1~12のいずれか1つに記載のセンサ。
【0086】
(構成14)
前記第1基体領域と前記第1検出素子との間に第1空隙が設けられ、
前記第2基体領域と前記第2検出素子との間に第2空隙が設けられた、構成13記載のセンサ。
【0087】
(構成15)
前記第1検出部は、第1他接続部及び第1他支持部をさらに含み、
前記第1他支持部は、前記基体に固定され、
前記第1他接続部の一部は前記第1他支持部に支持され、
前記第1他接続部の別の一部は前記第1検出素子を前記第1基体領域から離して支持し、
前記第2検出部は、第2他接続部及び第2他支持部をさらに含み、
前記第2他支持部は、前記基体に固定され、
前記第2他接続部の一部は前記第2他支持部に支持され、
前記第2他接続部の別の一部は前記第2検出素子を前記第2基体領域から離して支持し、
前記第1接続部と前記第1他接続部との間に前記第1検出素子の少なくとも一部があり、
前記第2接続部と前記第2他接続部との間に前記第2検出素子の少なくとも一部がある、構成13または14に記載のセンサ。
【0088】
(構成16)
前記第1検出部は、第1導電層をさらに含み、
前記第1導電層の少なくとも一部は、前記第1支持部に設けられ、
前記第1抵抗端子と前記第1抵抗部分との間に流れる電流は、前記第1導電層を流れ、
前記第2検出部は、第2導電層をさらに含み、
前記第2導電層の少なくとも一部は、前記第2支持部に設けられ、
前記第2抵抗端子と前記第2抵抗部分との間に流れる電流は、前記第2導電層を流れる、構成15記載のセンサ。
【0089】
(構成17)
前記第1検出部は、第3導電層をさらに含み、
前記第3導電層の少なくとも一部は、前記第1支持部に設けられ、
前記第1導電端子と前記第1導電部分との間に流れる前記第1電流は、前記第3導電層を流れる、構成16記載のセンサ。
【0090】
(構成18)
前記第2検出部は、第4導電層をさらに含み、
前記第4導電層の少なくとも一部は、前記第2支持部に設けられ、
前記第4導電層は、前記第2導電部分と電気的に接続された、構成17記載のセンサ。
【0091】
(構成19)
前記第1検出部は、第3接続部、第3支持部及び第3導電層をさらに含み、
前記第3支持部は、前記基体に固定され、
前記第3接続部の一部は前記第3支持部に支持され、
前記第3接続部の別の一部は前記第1検出素子を前記第1基体領域から離して支持し、
前記第3導電層の少なくとも一部は、前記第3支持部に設けられ、
前記第1導電端子と前記第1導電部分との間に流れる前記第1電流は、前記第3導電層を流れる構成16記載のセンサ。
【0092】
(構成20)
前記第2検出部は、第4接続部、第4支持部及び第4導電層をさらに含み、
前記第4支持部は、前記基体に固定され、
前記第4接続部の一部は前記第4支持部に支持され、
前記第4接続部の別の一部は前記第2検出素子を前記第2基体領域から離して支持し、
前記第4導電層の少なくとも一部は、前記第4支持部に設けられ、
前記第4導電層は、前記第2導電部分と電気的に接続された、構成19記載のセンサ。
【0093】
実施形態によれば、特性の向上が可能なセンサが提供できる。
【0094】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれる基体、検出部及び処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0095】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0096】
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0097】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10A~10C…第1~第3検出部、 11、12…第1、第2抵抗部材、 11E~13E…第1~第3検出素子、 11a、12a…第1、第2抵抗部分、 11b、12b…第1、第2抵抗他部分、 13M…部材、 15a~15d…第1~第4層、 18A、18B…第1、第2絶縁部、 21~23…第1~第3導電部材、 21a、22a…第1、第2導電部分、 21b、22b…第1、第2導電他部分、 25…接続導電部材、 31C~34C…第1~第4接続部、 31S~34S…第1~第4支持部、 31aC~34aC…第1~第4他接続部、 31aS~34aS…第1~第4他支持部、 41…基体、 41a~41c…第1~第3基体領域、 41i…絶縁膜、 41s…基板、 51~54…第1~第4抵抗端子、 51L~54L…第1~第4導電層、 51M~54M…配線層、 51aL~54aL…第1~第4他導電層、 51aM~54aM…配線層、 61~64…第1~第4導電端子、 70…処理部、 70s…信号、 110、111、120、130…センサ、 E1…固定電極、 E2…可動電極、 g1~g3…第1~第3空隙、 i1、i2…第1、第2電流