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  • 特開-可動台付台車 図1
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  • 特開-可動台付台車 図3A
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  • 特開-可動台付台車 図4A
  • 特開-可動台付台車 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188362
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】可動台付台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/04 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B62B3/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096332
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 一喜
(72)【発明者】
【氏名】藤村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】上山 廣美
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA36
3D050BB03
3D050BB21
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050HH01
3D050KK08
3D050KK11
(57)【要約】
【課題】作業性及び安全性の向上に貢献できる、可動台付台車2の提供。
【解決手段】可動台付台車2は、荷物が置かれる可動台4と、前記可動台4を支持する台車6とを備える。前記可動台4は、荷台8と、前記荷台8の下側に位置する転動部10とを備える。前記転動部10は、幅方向に並列した複数のローラ30を備える。複数の前記ローラ30において、前記可動台4が前記台車6と接触する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が置かれる可動台と、
前記可動台を支持する台車と
を備え、
前記可動台が、荷台と、前記荷台の下側に位置する転動部とを備え、
前記転動部が、幅方向に並列した複数のローラを備え、
複数の前記ローラにおいて、前記可動台が前記台車と接触する、
可動台付台車。
【請求項2】
前記台車が、支持台と、前記支持台を支持する4本のキャスターとを備え、
前記支持台が、四隅に配置される4つのホイールハウスと、前記可動台を支持する床板とを備え、
前記4つのホイールハウスが前記床板から上方に突出し、
1つの前記ホイールハウスに1本の前記キャスターが収容され、
長さ方向に並ぶ2つの前記ホイールハウスの間に、前記転動部が配置される、
請求項1に記載の可動台付台車。
【請求項3】
前記可動台の前記台車に対する動きを阻む、固定具を備える、
請求項1又は2に記載の可動台付台車。
【請求項4】
幅方向において前記可動台の外側に位置する支持具を備え、
前記支持具が、補助キャスターと、前記補助キャスターを前記可動台に固定する固定フレームとを備え、
前記固定フレームが、前記補助キャスターの上下位置を調整する調整具を備える、
請求項1から3のいずれかに記載の可動台付台車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動台付台車に関する。詳細には、本発明は、タイヤの製造装置のパーツの運搬に用いられる可動台付台車に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、生タイヤをモールド内で加圧及び加熱することで得られる。タイヤはトレッドやサイドウォール等の多数の要素を備える。タイヤの製造では、成形機において、これら要素を組み合わせて生タイヤが成形される。この成形機の一例が、下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
一台の成形機で、例えば、様々な種類のタイヤが成形される。成形機は多数のパーツを有する。これらのパーツの中には、成形するタイヤの種類が変わる度に、交換が必要なパーツがある。
交換用パーツは保管庫に保管される。パーツ交換作業は交換用パーツの運搬作業を伴う。パーツを交換する場合、作業者は、例えば台車を用いてパーツを運搬する。
ビードロックのような重たいパーツを交換する場合、交換作業の容易のために、パーツは成形機の近くまで運ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-226809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者の負担軽減のために、成形機の周囲に床面から一段高いフロアを設け、成形機に対する作業者の作業位置が調整される。この場合、フロアが台車の障害となり、台車は成形機に近づくことができない。作業領域内に台車をセットできなければ、既設のホイストクレーンを安全に使用できないため、ホイストクレーンを用いて作業者はパーツの交換作業を実施できない。
フォークリフトによって台車をフロアに載せれば、台車は成形機に近づける。しかし、フォークリフトは通路を走行する。他の作業者の通行が妨げられる。側を通行する作業者の安全を確保できなければ、フォークリフトによる作業は実施できない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、作業性及び安全性の向上に貢献できる、可動台付台車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る可動台付台車は、荷物が置かれる可動台と、前記可動台を支持する台車とを備える。前記可動台は、荷台と、前記荷台の下側に位置する転動部とを備える。前記転動部は、幅方向に並列した複数のローラを備える。複数の前記ローラにおいて、前記可動台が前記台車と接触する。
【0008】
好ましくは、この可動台付台車では、前記台車は、支持台と、前記支持台を支持する4本のキャスターとを備える。前記支持台は、四隅に配置される4つのホイールハウスと、前記可動台を支持する床板とを備える。前記4つのホイールハウスは前記床板から上方に突出する。1つの前記ホイールハウスに1本の前記キャスターが収容される。長さ方向に並ぶ2つの前記ホイールハウスの間に、前記転動部が配置される。
【0009】
好ましくは、この可動台付台車は、前記可動台の前記台車に対する動きを阻む、固定具を備える。
【0010】
好ましくは、この可動台付台車は、幅方向において前記可動台の外側に位置する支持具を備える。前記支持具は、補助キャスターと、前記補助キャスターを前記可動台に固定する固定フレームとを備える。前記固定フレームは、前記補助キャスターの上下位置を調整する調整具を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業性及び安全性の向上に貢献できる、可動台付台車が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の一実施形態に係る可動台付台車の一例を示す正面図である。
図2図2図1に示された可動台付台車の側面図である。
図3A図3Aは可動台付台車の動作を説明する背面図である。
図3B図3Bは可動台付台車の動作を説明する背面図である。
図4A図4Aは可動台付台車の変形例の動作を説明する背面図である。
図4B図4Bは可動台付台車の変形例の動作を説明する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1及び図2には、本発明の一実施形態に係る可動台付台車2の一例が示される。可動台付台車2は、生タイヤ(未加硫状態のタイヤであり、ローカバーとも称される。)の成形に用いられる成形機のパーツP(例えば、ビードロック)の運搬に用いられる。可動台付台車2は、成形機と保管庫との間を往復し、パーツPを運搬する。
可動台付台車2は、可動台4と、台車6とを備える。
【0015】
可動台4には荷物としてのパーツPが置かれる。可動台4は、荷台8と、転動部10とを備える。
荷台8は、パーツPを収容する。荷台8は、パーツPを収容できれば、その構成に特に制限はない。この可動台付台車2の荷台8は、パーツPを載せる荷台シート12と、この荷台シート12を支持するボックスフレーム14とを備える。
【0016】
この可動台付台車2では、帆布製のシートが荷台シート12として用いられる。帆布製のシートとしては、例えば三ツ星ベルト社製の商品名「平ベルトハーバー」が挙げられる。荷台シート12は強靭であり、柔軟性を有する。荷台シート12はパーツPの形状に応じて変形できる。この荷台シート12はパーツPの保持性に優れる。
【0017】
ボックスフレーム14は、幅枠片16と高さ枠片18とを矩形状に枠組みして得られる前後の側面フレーム20間を、長さ枠片22で継ぐことで構成された、骨組み状のフレームである。
上側の長さ枠片22に前述の荷台シート12の端部が固定される。荷台シート12は左右の上側の長さ枠片22の間を架け渡す。この可動台付台車2のボックスフレーム14には、2枚の荷台シート12が取り付けられる。
ボックスフレーム14は、上側の長さ枠片22と下側の長さ枠片22との間に、前後の側面フレーム20間を継ぐ、別の長さ枠片24を備える。この長さ枠片24は、後述する可動台4の移動で使用され、移動フレームとも称される。
ボックスフレーム14は、可動台付台車2を動かす際に作業者が握るハンドルフレーム26を備える。ハンドルフレーム26は、後ろの側面フレーム20に取り付けられる。
【0018】
転動部10は、荷台8の下側に位置する。転動部10は、ボックスフレーム14の底面フレーム28に取り付けられる。転動部10は、幅方向に並列した複数のローラ30と、底面フレーム28に固定され下向きに延びる一対の保持フレーム32とを備える。各ローラ30は一対の保持フレーム32の間に位置し、ローラ30の回転軸34は回転可能に保持フレーム32に支持される。この転動部10では、並列した複数のローラ30が回転可能に一対の保持フレーム32で支持される。
転動部10はローラコンベアである。可動台付台車2は、市販のローラコンベアを転動部10として用いることができる。
【0019】
台車6は、可動台4の下側に位置する。台車6は、可動台4を支持する。台車6は、支持台36と、4本のキャスター38とを備える。
【0020】
支持台36は、4つのホイールハウス40と、床板42とを備える。4つのホイールハウス40は支持台36の四隅に配置される。4つのホイールハウス40は床板42から上方に突出する。床板42は平板からなり、前述の可動台4を支持する。
【0021】
この可動台付台車2では、支持台36の隅に対応する床板42の角部に切り欠きが設けられる。この切り欠きを構成するL字状の縁から上方に延びるL字状の側板44と、このL字状側板44によって構成される空間部分を覆う天板46とを組み合わせることで、床板42から上方に突出するホイールハウス40が支持台36に構成される。
前述したように、4つのホイールハウス40は支持台36の四隅に配置される。前後方向、すなわち長さ方向に、2つのホイールハウス40が並び、左右方向、すなわち幅方向に、2つのホイールハウス40が並ぶ。
【0022】
4本のキャスター38は、支持台36を支持する。4本のキャスター38はそれぞれ、4つのホイールハウス40のそれぞれに収容される。この可動台付台車2では、1つのホイールハウス40に1本のキャスター38が収容される。
キャスター38は、取付板48と、フォーク50と、車輪52とを備える。取付板48は、ホイールハウス40の天板46に取り付けられる。フォーク50は、取付板48に支持され、下方に向かってのびる。車輪52は、フォーク50の先端に回転可能に支持される。
この可動台付台車2は、市販のキャスターをキャスター38として用いることができる。4本のキャスター38が全て、車輪52の向きが自在に変化する自在車タイプのキャスターで構成されてもよい。4本のキャスター38のうち、前側の2つのキャスター38が自在車タイプのキャスターで構成され、後ろ側の2つのキャスター38が車輪52の向きが固定された固定車タイプのキャスターで構成されてもよい。
【0023】
この可動台付台車2では、床板42の上面に可動台4は載せられる。床板42との可動台4の接触部分は複数のローラ30で構成される。この可動台付台車2では、複数のローラ30において、可動台4は、床板42、すなわち台車6と接触する。
【0024】
この可動台付台車2では、複数のローラ30は台車6上を転がることができる。複数のローラ30が幅方向に並んで配置されるので、作業者が移動フレーム24を持って可動台4を幅方向に押すと、可動台4は幅方向に移動できる。この可動台付台車2は、可動台4を台車6に対して動かすことができる。
並列した複数のローラ30が台車6と接触するので、可動台4が台車6を押し付ける力が分散される。この可動台付台車2では、重たいパーツPを可動台4に載せても、この可動台4を作業者は容易に動かすことができる。
【0025】
工場では、作業者の負担軽減のために、成形機の周囲に、作業者の作業エリアとして、床面から一段高いフロアFが設けられる場合がある。この場合、床面Gから床板42の上面までの高さを、少なくともこのフロアFの高さと同じ高さに設定することで、作業者は可動台4をフロアF上に容易に配置することができる。
【0026】
図3Aに示されるように、パーツPを載せた可動台付台車2をフロアFに横付けし、作業者が移動フレーム24を持って可動台4を幅方向に押すと、可動台4は幅方向に移動する。これにより、図3Bに示されるように可動台4がフロアF上に配置される。
この可動台付台車2は、成形機の周囲に作業者の作業エリアとしてのフロアFが設けられていても、可動台4に載せたパーツPを作業エリア内に配置できる。この可動台付台車2は、成形機(図示されず)の近くに可動台4を配置できる。
この可動台付台車2をパーツPの運搬に用いることで、フォークリフトを用いて台車ごとフロアFに載せる作業は不要になる。成形機のパーツP交換のために設置されていたホイストクレーンを安全に使用できるので、パーツPの交換作業を作業者は手際よく行うことができる。
この可動台付台車2は、作業性及び安全性の向上に貢献できる。
【0027】
前述したように、この可動台付台車2では、フロアF上に可動台4を配置させるために、床面Gから床板42の上面までの高さはフロアFの高さと同じ高さに設定される。この可動台付台車2では、必ずしも、床面Gから床板42の上面までの高さがフロアFの高さと同じ高さに設定される必要はなく、床板42の上面がフロアFの上方に位置するように、この可動台付台車2が構成されてもよい。作業者が可動台4を幅方向に押して、可動台4をフロアF上に配置できるのであれば、床板42の上面がフロアFの上面よりも下方に位置していてもよい。
【0028】
この可動台付台車2では、可動台4は台車6に載せられているだけで、この台車6に固定されているわけではない。可動台付台車2の停車の際、台車6に対して可動台4を前方に移動させるように力が作用する。可動台4には重たいパーツPが載せられるので、停車の際、可動台4が台車6から前方に滑り落ちることが懸念される。
【0029】
しかし、この可動台付台車2では、台車6のホイールハウス40は床板42から上方に突出し、長さ方向に並ぶ2つのホイールハウス40の間に可動台4の転動部10が配置される。停車の際、可動台4が前に進むように力が作用しても、転動部10がその前方にあるホイールハウス40に突き当たる。ホイールハウス40が可動台4の台車6に対する動きを阻止するので、停車の際、可動台4が台車6から前方に滑り落ちることが防止される。この可動台付台車2は、作業性及び安全性の向上に貢献できる。この観点から、この可動台付台車2では、台車6の支持台36が、四隅に配置される4つのホイールハウス40と、可動台4を支持する床板42とを備え、4つのホイールハウス40が床板42から上方に突出し、長さ方向に並ぶ2つのホイールハウス40の間に、転動部10が配置されることが好ましい。
【0030】
この可動台付台車2では、可動台4は台車6に対して幅方向に移動可能である。前述したように、可動台4は台車6に載せられているだけで、この台車6に固定されているわけではない。そのため、作業者の意図とは無関係に、台車6に対して可動台4を幅方向に移動させるように力が作用した場合、その力が作用する方向に可動台4が台車6から滑り落ちることが懸念される。
【0031】
しかしこの可動台付台車2は、パイプ部材54と、このパイプ部材54に挿入可能なスティック56とで構成される、固定具58を備える。図3Aに示されるように、この可動台付台車2では、パイプ部材54は台車6の床板42に取り付けられる。可動台4の底面フレーム28には、スティック56が通過できる貫通孔60が設けられる。この可動台付台車2では、可動台4を台車6にセットした状態で、貫通孔60とパイプ部材54との両方にスティック56が通される。これにより、可動台4の台車6に対する動きが阻止される。この可動台付台車2では、作業者の意図とは無関係に、台車6に対して可動台4を幅方向に移動させるように力が作用しても、その力が作用する方向に可動台4が台車6から滑り落ちることが防止される。
パーツPの交換作業のために可動台4を台車6に対して動かす場合は、貫通孔60及びパイプ部材54からスティック56を抜くことで、図3Bに示されるように、作業者は可動台4を台車6に対して幅方向に動かすことができる。
この可動台付台車2は、作業性及び安全性の向上に貢献できる。この観点から、この可動台付台車2は、可動台4の台車6に対する動きを阻む、固定具58を備えることが好ましい。この可動台付台車2では、必要な時に、固定具58が可動台4の台車6に対する動きを阻むことができるのであれば、この固定具58の構成に特に制限はない。
【0032】
図4は、本発明の他の実施形態に係る可動台付台車72を示す。この図4には、図1に示された可動台付台車2の変形例が示される。
【0033】
この可動台付台車72は支持具74を備える。この可動台付台車72の支持具74以外は、図1に示された可動台付台車2の構成と同じ構成を有する。図4において、図1の可動台付台車2の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0034】
支持具74は、幅方向において可動台4の外側に位置する。支持具74は可動台4に固定される。支持具74は、補助キャスター76と、固定フレーム78とを備える。
【0035】
補助キャスター76は、取付板80と、フォーク82と、車輪84とを備える。取付板80は、固定フレーム78に取り付けられる。フォーク82は、取付板80に支持され、下方に向かってのびる。車輪84は、フォーク82の先端に回転可能に支持される。この可動台付台車72では、市販の固定車タイプのキャスターが補助キャスター76として用いられる。
【0036】
固定フレーム78は、補助キャスター76を可動台4に固定する。固定フレーム78は、調整具86と、連結部材88とを備える。
調整具86は、上下にのびる棒状の部材である。調整具86の下端に、補助キャスター76の取付板80が取り付けられる。この可動台付台車72では、補助キャスター76は、車輪52が幅方向に向くように調整具86に取り付けられる。
連結部材88は、調整具86と可動台4との間に位置する。この可動台付台車72では、連結部材88の一端は調整具86に取り付けられる、連結部材88の他端は可動台4の荷台8に取り付けられる。具体的には、この連結部材88の他端は荷台8を構成するボックスフレーム14に取り付けられる。
調整具86は、パイプ部材90と、棒状部材92とを備える。パイプ部材54が前述の連結部材88に固定される。棒状部材92の下端に前述の補助キャスター76が取り付けられる。この調整具86では、棒状部材92はその上端からパイプ部材90に挿入される。棒状部材92はパイプ部材90に挿入可能である。図示されないが、この支持具74では、パイプ部材90及び棒状部材92のそれぞれに上下方向に並ぶ複数の穴が設けられる。パイプ部材90の穴と棒状部材92の穴とに固定ピン(図示されず)を通すことで、パイプ部材90に対する棒状部材92の位置が固定される。この調整具86は、パイプ部材90への棒状部材92の挿入長さを段階的に調整できる。
前述したように、棒状部材92の下端には補助キャスター76が取り付けられる。この調整具86は、補助キャスター76の床面Gからの高さ、言い換えれば、補助キャスター76の上下位置を調整する。
【0037】
可動台付台車72の床板42が前述のフロアFの高さよりも上方に位置する場合、可動台4を幅方向に移動させた際、転動部10のローラ30がフロアFよりも上方に位置するため、この可動台付台車72は、移動した可動台4をこの転動部10において支持することができない。可動台4にはパーツPが載せられるので、この場合、可動台付台車72がバランスを失い転倒することが懸念される。
【0038】
しかしこの可動台付台車72は、幅方向において可動台4の外側に位置する支持具74を備える。この支持具74は、補助キャスター76の上下位置を調整する調整具86を備える。
この可動台付台車72をフロアFに横付けすると、調整具86によって補助キャスター76の上下位置が調整される。これにより、図4Aに示されるように、補助キャスター76がフロアFに載せられる。作業者が移動フレーム24を持って可動台4を幅方向に押すと、可動台4は幅方向に移動する。このとき、図3Bに示されるように、移動した可動台4を支持具74が支持するので、可動台4は安定した状態で幅方向に移動できる。移動後もこの支持具74が可動台4を支持するので、可動台付台車72がバランスを失い転倒することが防止される。この可動台付台車72は、作業性及び安全性の向上に貢献できる。この観点から、この可動台付台車72は幅方向において可動台4の外側に位置する支持具74を備え、この支持具74が、補助キャスター76と、この補助キャスター76を可動台4に固定する固定フレーム78とを備え、この固定フレーム78が補助キャスター76の上下位置を調整する調整具86を備えることが好ましい。この可動台付台車72では、可動台4の移動を妨げることなく、この可動台4を支持できるのであれば、この支持具74の構成に特に制限はない。
【0039】
以上説明したように、本発明によれば、作業性及び安全性の向上に貢献できる、可動台付台車が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明された、可動台付台車は、種々のタイヤの製造に適用されうる。
【符号の説明】
【0041】
2、72・・・可動台付台車
4・・・可動台
6・・・台車
8・・・荷台
10・・・転動部
30・・・ローラ
36・・・支持台
38・・・キャスター
40・・・ホイールハウス
42・・・床板
58・・・固定具
74・・・支持具
76・・・補助キャスター
78・・・固定フレーム
86・・・調整具
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B