(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188383
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】高枝作業用補助ベルト
(51)【国際特許分類】
A01G 3/08 20060101AFI20221214BHJP
A01G 3/04 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A01G3/08 502Z
A01G3/04 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096377
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】511052794
【氏名又は名称】株式会社サカソウインベント
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】藤田 篤
(57)【要約】
【課題】高枝用作業具を用いて作業を行う際に高枝用作業具の荷重を分散させることで作業者の両手に掛かる負荷を低減し、作業効率を向上できるようにする。
【解決手段】長尺のポールの一端に切断刃を備えた高枝用工具が設けられ、他端に把持部が設けられた高枝用作業具を用いて行う作業を補助するための高枝作業用補助ベルト1は、肩掛けベルトとして構成されるベルト本体2と、ベルト本体2に取り付けられ、高枝用作業具の把持部を収容して保持するポケット部3と、を備える。ポケット部3は、作業が行われる際に高枝用作業具の荷重を、ベルト本体2を介して作業者の肩に分散させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のポールの一端に切断刃を備えた高枝用工具が設けられ、他端に把持部が設けられた高枝用作業具を用いて行う作業を補助するための高枝作業用補助ベルトであって、
肩掛けベルトとして構成されるベルト本体と、
前記ベルト本体に取り付けられ、前記高枝用作業具の前記把持部を収容して保持するポケット部と、
を備え、
前記ポケット部は、前記作業が行われる際に前記高枝用作業具の荷重を、前記ベルト本体を介して作業者の肩に分散させることを特徴とする高枝作業用補助ベルト。
【請求項2】
前記ポケット部は、上部から下部に向かって漸次縮径する筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の高枝作業用補助ベルト。
【請求項3】
前記ポケット部は、上部に前記把持部を収容可能な第1開口部を有し、下部に前記第1開口部よりも小径の第2開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高枝作業用補助ベルト。
【請求項4】
前記ポケット部は、前記ベルト本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高枝作業用補助ベルト。
【請求項5】
前記ポケット部は、前記高枝用作業具の前記把持部を作業者の腰の高さ位置で保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高枝作業用補助ベルト。
【請求項6】
前記ベルト本体に取り付けられる紐状の弾性部材と、
前記弾性部材の先端に設けられるフックと、
を更に備え、
前記フックは、前記ポールの所定位置に設けられる係止部に係止可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の高枝作業用補助ベルト。
【請求項7】
前記ベルト本体は、作業者の肩に当接する肩当て部を有し、
前記弾性部材は、前記肩当て部と前記ポケット部との間の位置において前記ベルト本体に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の高枝作業用補助ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高枝切り鋏、高枝用鋸、高枝用ヘッジトリマーなどの高枝用作業具を用いて行う作業を補助するための高枝作業用補助ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
園芸用又は農業用の作業具として、高枝切り鋏、高枝用鋸、高枝用ヘッジトリマーなどの高枝用作業具が知られている。この種の高枝用作業具は、作業者が脚立などを使用することなく、高枝の切断や剪定、刈り込みなどを行えるようにするため、長尺のポールを有している。その長尺のポールは、一端に鋏や鋸、刈り込み刃などの切断刃が設けられており、他端に作業者が把持する把持部が設けられている。そして、作業者は、把持部やポールを両手で握り、ポールを立てた状態で切断刃を高所に向け、切断刃を動作させることによって高枝切りなどの作業を行う。
【0003】
上記のような高枝用作業具は、一般に、長尺のポールの所定位置にフックを係止するためのループ状の係止部を備えている(例えば特許文献1)。そのため、作業者は、所定位置にフックが設けられた肩掛けベルトを装着し、フックを係止部に係止させた状態で作業を行うことにより、作業中にポールが横倒れしてしまうことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フックを係止部に係止させるだけでは、高枝用作業具の荷重を分散させることができない。そのため、作業者は、作業中に、高枝用作業具の荷重を両手で支え続けなければならず、両手に掛かる負荷が大きく、作業性が悪いという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、高枝用作業具を用いて作業を行う際に高枝用作業具の荷重を分散させることで両手に掛かる負荷を低減し、作業効率を向上できるようにした高枝作業用補助ベルトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、長尺のポールの一端に切断刃を備えた高枝用工具が設けられ、他端に把持部が設けられた高枝用作業具を用いて行う作業を補助するための高枝作業用補助ベルトであって、肩掛けベルトとして構成されるベルト本体と、前記ベルト本体に取り付けられ、前記高枝用作業具の前記把持部を収容して保持するポケット部と、を備え、前記ポケット部は、前記作業が行われる際に前記高枝用作業具の荷重を、前記ベルト本体を介して作業者の肩に分散させることを特徴とする構成である。
【0008】
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ポケット部は、上部から下部に向かって漸次縮径する筒形状であることを特徴とする構成である。
【0009】
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ポケット部は、上部に前記把持部を収容可能な第1開口部を有し、下部に前記第1開口部よりも小径の第2開口部を有することを特徴とする構成である。
【0010】
第4に、本発明は、上記第1乃至第3のいずれかの構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ポケット部は、前記ベルト本体に対して着脱可能であることを特徴とする構成である。
【0011】
第5に、本発明は、上記第1乃至第4のいずれかの構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ポケット部は、前記高枝用作業具の前記把持部を作業者の腰の高さ位置で保持することを特徴とする構成である。
【0012】
第6に、本発明は、上記第1乃至第5のいずれかの構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ベルト本体に取り付けられる紐状の弾性部材と、前記弾性部材の先端に設けられるフックと、を更に備え、前記フックは、前記ポールの所定位置に設けられる係止部に係止可能であることを特徴とする構成である。
【0013】
第7に、本発明は、上記第6の構成を有する高枝作業用補助ベルトにおいて、前記ベルト本体は、作業者の肩に当接する肩当て部を有し、前記弾性部材は、前記肩当て部と前記ポケット部との間の位置において前記ベルト本体に取り付けられることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電動枝切り鋏によれば、高枝用作業具を用いて作業を行う際に、高枝用作業具の荷重を作業者の肩に分散させることが可能である。そのため、作業者の両手に掛かる負担を低減し、作業効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】サブベルトが設けられている部分を拡大して示す図である。
【
図5】高枝作業用補助ベルトの第1の使用例を示す図である。
【
図6】高枝作業用補助ベルトの第2の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態である高枝作業用補助ベルト1を示す図である。この高枝作業用補助ベルト1は、高枝切り鋏、高枝用鋸、高枝用ヘッジトリマーなどの高枝用作業具を用いて行う作業を補助するためのベルトである。
【0018】
図2は、高枝用作業具10の一例を示す図である。
図2では、高枝用作業具10として、電動高枝切り鋏を例示している。この高枝用作業具10は、伸縮可能な長尺のポール11を備えている。高枝用作業具10は、そのポール11の一端に高枝用工具12が設けられており、他端に把持部14が設けられている。高枝用工具12は、電動枝切り鋏として構成され、その先端に切断刃13を備えている。把持部14は、ポール11よりも太径で作業者が把持しやすい形態に形成される。また、この高枝用作業具10は、ポール11の所定位置に、フックなどを係止するための係止部15を備えている。この係止部15は、例えばフックなどを係止可能な孔を有する金具がポール11の所定位置に取り付けられることによって構成される。
【0019】
上記のような高枝用作業具10を用いて行う作業を補助する高枝作業用補助ベルト1は、
図1に示すように、肩掛けベルトとして構成されるベルト本体2と、そのベルト本体2に取り付けられ、高枝用作業具10の把持部14を収容して保持するポケット部3とを備えている。
【0020】
ベルト本体2は、例えばポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂製ベルトであり、柔軟性を有している。ベルト本体2の両端2a,2bは、バックル4に取り付けられる。本実施形態では、ベルト本体2の両端2a,2bがバックル4の雄部材4aに取り付けられる場合を例示している。例えば、バックル4の雄部材4aには、ベルト長を調整可能なベルト連結部が設けられており、ベルト本体2の一端2aがそのベルト連結部に連結固定され、他端2bがベルト連結部に対して摺動可能に取り付けられる。これにより、ベルト本体2は、環状ベルトとして形成され、肩掛けベルトとして利用可能となる。また、ベルト本体2の他端2bをベルト連結部に対して摺動させることにより、ベルト本体2のベルト長(環状サイズ)を調整することが可能であり、作業者の体格に簡単に適合させることができる。
【0021】
また、ベルト本体2は、作業者の肩に当接する肩当て部6を有している。この肩当て部6は、作業者の肩にベルト本体2が直接当たることを防ぎ、作業者の肩を保護するためのものである。そのため、例えば肩当て部6は、その内部にスポンジなどのクッション材を有している。例えば、肩当て部6は、縫合などの手段によってベルト本体2に固定された状態で取り付けられる。この場合、肩当て部6は、雄部材4aに連結固定される一端2aから所定距離の位置に固定される。また、この場合、肩当て部6は、ベルト本体2の長手方向に沿って所定長さを有するように形成される。肩当て部6の長さを長くすることで、作業者の体格によらず、肩当て部6を確実に作業者の肩に当接させることができる。
【0022】
ただし、肩当て部6は、必ずしもベルト本体2に固定されるものに限られない。例えば、肩当て部6は、ベルト本体2に対して着脱可能な構成としても良い。また、肩当て部6は、ベルト本体2の長手方向に沿ってスライド可能な構成としても良い。
【0023】
また、ベルト本体2は、雄部材4aに連結固定される一端2aから所定距離の位置に、サブベルト7を備えている。このサブベルト7は、ベルト本体2よりも幅細のベルトであり、ベルト本体2と平行に配置される。例えば、サブベルト7は、その両端7a,7bが縫合などの手段によってベルト本体2に固定される。これに対し、サブベルト7の中央部(ベルト本体2に固定された両端7a,7bの間の部分)は、ベルト本体2に固定されず、ベルト本体2から浮いた状態となる。
【0024】
図3は、サブベルト7が設けられている部分を拡大して示す図である。ベルト本体2に固定されていないサブベルト7の中央部には、
図3に示すように、係止部材8と、ベルト装着部材9とが取り付けられる。
【0025】
係止部材8は、摺動部材8aと、紐状の弾性部材8bと、フック8cとを有している。摺動部材8aは、サブベルト7に取り付けられ、サブベルト7の長手方向に沿って摺動可能な金属製又は樹脂製の部材である。弾性部材8bは、例えば所定長さを有するゴム製の紐状部材である。そのため、弾性部材8bは、その長手方向に伸縮自在である。弾性部材8bは、その一端が摺動部材8aに取り付けられる。また、弾性部材8bの他端には、フック8cが取り付けられている。フック8cは、高枝用作業具10のポール11に設けられている係止部15に係止される。
【0026】
ベルト装着部材9は、2つのサブベルト挿通孔を有し、それら2つのサブベルト挿通孔にサブベルト7を挿通することによってサブベルト7に取り付けられており、サブベルト7に対して摺動可能である。つまり、ベルト装着部材9は、サブベルト7に対する取り付け位置を、
図3に示すX方向に移動させることができる。このベルト装着部材9の位置をX方向に調整することにより、摺動部材8aがサブベルト7に沿って摺動する範囲を規制する。つまり、ベルト装着部材9は、摺動部材8aがサブベルト7の一端7bに向かって移動することを規制する。そのため、ベルト装着部材9は、係止部材8の高さ位置を所定位置に留めておくことができる。
【0027】
図1に戻り、ポケット部3は、ベルト本体2と同じ素材、又は、ベルト本体2とは異なる布素材若しくは革素材などの柔軟性を有する素材を用いて形成され、上部から下部に向かって漸次縮径する筒形状を有する。このポケット部3の上部には連結部5が設けられる。そして連結部5は、バックル4の雌部材4bに連結されている。そのため、ポケット部3は、バックル4を介してベルト本体2に取り付けられる。バックル4は、雄部材4aと雌部材4bとを着脱可能である。そのため、ポケット部3は、ベルト本体2に対して着脱可能となっている。
【0028】
図4は、ポケット部3を拡大して示す断面図である。ポケット部3は、その上部と下部に2つの開口部3a,3bを有している。ポケット部3の上部に設けられる第1開口部3aの内径D1は、高枝用作業具10の把持部14の外径よりも大きく、ポケット部3の内側に高枝用作業具10の把持部14を収容可能である。また、ポケット部3の下部に設けられる第2開口部3bの内径D2は、上部の第1開口部3aの内径D1よりも小さく、また、高枝用作業具10の把持部14の外径よりも小さい。そのため、ポケット部3の内側に収容された把持部14は、ポケット部3の下部に設けられた第2開口部3bから抜け落ちることがない。
【0029】
また、ポケット部3の下部に設けられる第2開口部3bの内径D2は、電源プラグの外径よりも大きくすることが好ましい。内径D2を電源プラグの外径よりも大きくすることにより、第2開口部3bを介して高枝用作業具10に電源ケーブルを接続することができるという利点がある。
【0030】
図5は、上記のように構成される高枝作業用補助ベルト1の第1の使用例を示す図である。
図5に示す第1の使用例では、高枝用作業具10に一次電池又は二次電池が内蔵されており、高枝用作業具10をワイヤレスで使用する例を示している。
図5に示すように、高枝作業用補助ベルト1は、作業者の一方の肩から斜め方向に掛けられた状態で使用される。作業者によって高枝作業用補助ベルト1が装着されると、肩当て部6が作業者の肩に当接する。また、高枝作業用補助ベルト1は、ポケット部3を作業者の腰の高さ位置で保持する。上述したように、ベルト本体2はベルト長を調整可能であるため、作業者は適宜ベルト長を調整することにより、肩当て部6を肩に当て、ポケット部3を腰の高さ位置に調整することができる。また、サブベルト7は、概ね作業者の胸部から腹部に至る部分に位置する。
【0031】
高枝作業用補助ベルト1によって高枝用作業具10の把持部14が作業者の腰の高さ位置で保持されるため、ポール11を立てた状態で作業が行われる際には、腰の高さ位置にある把持部14を中心にして高枝用作業具10の先端にある高枝用工具12を片手で簡単に揺動させることができる。そのため、作業者は、簡単に切断刃13を所望の位置に配置することができる。このとき、作業者の手には大きな荷重が掛からないため、作業負担も軽減される。
【0032】
また、高枝用作業具10の把持部14をポケット部3の内側に収める際には、ポケット部3をベルト本体2から取り外した状態で把持部14をポケット部3の内側に収容し、その後、ポケット部3と共に把持部14を持ち上げてポケット部3をベルト本体2に装着することも可能である。
【0033】
そして、高枝作業用補助ベルト1を装着した作業者が高枝用作業具10を用いて作業を行う際には、
図5に示すように、高枝用作業具10の把持部14をポケット部3に収容して高枝用作業具10のポール11を立てる。高枝用作業具10の把持部14をポケット部3に収容することで、ポール11を立てた際には高枝用作業具10の荷重の大部分をポケット部3で受けることができる。そしてポケット部3に掛かる荷重は、ベルト本体2を介して作業者の肩に作用する。言い換えると、作業者は自身の肩で高枝用作業具10の荷重を支えることができるのである。したがって、作業者は、作業を行うとき、高枝用作業具10の荷重を両手で支え続ける必要がなく、両手の負担を軽減することができる。その結果、例えば
図5に示すように、作業者は、片手で高枝用作業具10を操作することも可能である。
【0034】
また、作業者は作業を行う際、フック8cを高枝用作業具10の係止部15に係止させた状態で作業を行うこともできる。フック8cを係止部15に係止させることにより、作業中にポール11が横倒れしてしまうことを防止することができる。例えば、ポール11が横倒れしそうになると、弾性部材8bに張力が作用する。そのため、作業者は横倒れしそうなったポール11を立て直そうとするときに大きな力を必要とせず、簡単に立て直すことができる。また、フック8cを係止部15に係止する際には、サブベルト7に対するベルト装着部材9の位置を調整することにより、摺動部材8aを所定の高さ位置に留めておくことができる。つまり、ベルト装着部材9は、摺動部材8aがサブベルト7に沿って下方に滑り落ちることを防止し、フック8cを一定の高さ位置に保持することができる。これにより、係止部材8の高さ位置を作業者の体格に適合した位置に保持することができる。それ故、係止部材8は、作業者にとって作業しやすい位置に保持され、作業中にポール11が横倒れしてしまうことを良好に防止することができるのである。
【0035】
更に、作業が終了した際には、フック8cと係止部15との係止状態を解除すると共に、バックル4を解除してポケット部3をベルト本体2から離脱させることにより、高枝用作業具10を持ち上げることなく、高枝用作業具10を地面に載置することが可能である。つまり、高枝作業用補助ベルト1は、作業中だけでなく、作業終了時においても、作業者の手に掛かる負担を軽減することができるという利点がある。
【0036】
次に
図6は、高枝作業用補助ベルト1の第2の使用例を示す図である。
図6に示す第2の使用例では、高枝用作業具10に電源ケーブルを接続した状態で使用する例を示している。
図6に示すように、高枝用作業具10に電源ケーブルを接続した状態で使用する場合には、ポケット部3の下部に設けられている第2開口部3bに電源ケーブル18を挿通した状態で使用する。電源ケーブル18は、例えば高枝用作業具10の把持部14に接続され、外部から高枝用作業具10に対して給電を行うことができる。
【0037】
このように高枝用作業具10に電源ケーブル18が接続される場合であっても、ポケット部3の下部の第2開口部3bに電源ケーブル18を挿通することができるため、
図5に示した第1の使用例と同様にして作業を行うことができる。特に、把持部14に接続される電源ケーブル18を第2開口部3bに挿通することで、高枝用作業具10の先端に設けられている高枝用工具12を左右に大きく揺動させたとしても、把持部14がポケット部3の第1開口部3aから抜け落ちてしまうことを抑制することが可能であり、円滑に作業を進めることができるという利点がある。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態で説明したものに限られるものではない。すなわち、本発明には、上記実施形態で説明したもの以外にも種々の変形例が適用可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、高枝用作業具10の一例として、電動高枝切り鋏を例示した。しかし、本実施形態の高枝作業用補助ベルト1を適用可能な高枝用作業具10は、電動高枝切り鋏に限られない。例えば、高枝用作業具10は、電動高枝用鋸であっても良いし、電動高枝用ヘッジトリマーであっても良い。また、その他の電動作業具であっても構わない。
【0040】
特に、電動高枝用ヘッジトリマーの場合には、作業者による操作がポール11を左右に揺動させる操作となることが多い。そのため、ポケット部3が把持部14を保持した状態のままで長時間作業を行うことが可能であり、作業者の両手に掛かる負荷を低減し、作業効率を向上するという点において大きな効果を発揮する。
【0041】
また、高枝用作業具10は、電動タイプの作業具でなくても良く、作業者が手動で切断刃を操作する作業具であっても構わない。
【符号の説明】
【0042】
1…高枝作業用補助ベルト、2…ベルト本体、3…ポケット部、3a…第1開口部、3b…第2開口部、6…肩当て部、7…サブベルト、8…係止部材、8b…弾性部材、8c…フック、10…高枝用作業具、11…ポール、13…切断刃、14…把持部、15…係止部。