(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188408
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A47J27/00 103P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096412
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 大介
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA15
4B055BA37
4B055CA36
4B055CC23
4B055CC24
4B055CC33
(57)【要約】
【課題】
蓋の回転軸と一緒に回転するブレーキユニットを備えた炊飯器において、加工性及び組立性に優れ、安定した制動力が得られる蓋開きブレーキ構造を備えた炊飯器を提供する。
【解決手段】
蓋が開く動作に制動を加える蓋開きブレーキ構造として、ヒンジ軸の貫通穴を有しヒンジ軸と一緒に回転する回転体と、ヒンジ軸が回転可能に貫通する回転軸穴と炊飯器本体側に回転が規制されるように保持される根元部と回転軸穴よりも先端側に位置し根元部より幅を狭くした幅狭部を有するU字板バネとから構成されるブレーキユニットを備え、回転体は、U字板バネに挟み込まれるように配置され、蓋が開く際のヒンジ軸の回転に伴いU字板バネを拡幅するように回転体の幅が周方向に徐々に変化する傾斜肉厚部を有し、回転体が取り付けられるヒンジ軸はDカット軸に形成され、回転体の貫通穴はDカット軸に勘合するDカット貫通穴に形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体と、前記炊飯器本体の後方のヒンジ部により前記炊飯器本体に対して開閉するように取り付けられた蓋を備え、
前記ヒンジ部は、
前記炊飯器本体に形成された本体ヒンジ穴と、
前記蓋に形成された蓋ヒンジ穴と、
前記本体ヒンジ穴と前記蓋ヒンジ穴を貫通し、前記本体ヒンジ穴に回転可能に支持され、前記蓋の開閉動作と連動して回転するように前記蓋ヒンジ穴に勘合されたヒンジ軸から構成され、
前記ヒンジ軸に同軸に設けられ、前記蓋が開く方向に付勢するねじりコイルバネを備えた炊飯器であって、
前記蓋が開く動作に制動を加える蓋開きブレーキ構造として、
前記ヒンジ軸が貫通する貫通穴を有し、前記ヒンジ軸と一緒に回転する回転体と、
前記ヒンジ軸が回転可能に貫通する回転軸穴と、前記炊飯器本体に回転が規制されるように保持される根元部と、前記回転軸穴よりも先端側に位置し前記根元部より幅を狭くした幅狭部を有するU字板バネとから構成されるブレーキユニットを備え、
前記回転体は、前記U字板バネに挟み込まれるように配置され、前記蓋が開く際の前記ヒンジ軸の回転に伴い前記U字板バネを拡幅するように前記回転体の幅が周方向に徐々に変化する傾斜肉厚部を有し、
前記回転体が取り付けられる前記ヒンジ軸はDカット軸に形成され、前記回転体の貫通穴は前記Dカット軸に勘合するDカット貫通穴に形成されている炊飯器。
【請求項2】
請求項1に記載の炊飯器において、
前記回転体は幅方向の両側に前記Dカット貫通穴が形成されたボス部を有し、前記ボス部は前記U字板バネの回転軸穴を貫通し前記回転軸穴内を回転する炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に係り、特に、蓋が開く動作に制動を加える蓋開きブレーキ構造を備えた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
炊飯器は、一般的に蓋のフック部を解除操作すると、バネ力によって蓋が開くよう構成されている。そして、蓋が開く勢いで炊飯器本体が持ち上がったり、反動で蓋が振れたりしないよう、蓋が開き切る角度の手前から制動を加える蓋開きブレーキ構造が用いられている。
【0003】
蓋開きブレーキ構造として、例えば、特許文献1に記載のブレーキ構造が提案されている。特許文献1では、蓋体に蓋体の回動動作と同期して回転するヒンジブレーキを配設し、ヒンジ部にヒンジブレーキを挟み込む位置にブレーキ板を配設し、ヒンジブレーキの表面に凸部を設け、この凸部が蓋体の開成角度が鍋の出し入れに支障のない角度付近から、ブレーキ板に圧接されることにより、制動力を発生するよう構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の蓋開きブレーキ構造では、蓋の回転軸にヒンジブレーキが一体に設けられ、ヒンジブレーキの回転をブレーキ板で制動するものであることから、蓋体の開き角度早期から制動を加えることができ、また、関係する部品が少ないために制動力が安定する利点がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1の蓋開きブレーキ構造では、蓋体の回転軸は蓋体と一体に回転し、ヒンジブレーキも回転軸と一体に回転する必要があるため、回転軸とヒンジブレーキは突起や溝など円形以外の形状で勘合させる必要がある。ヒンジブレーキに制動が加わる際には、この勘合部に多大なねじれ力が加わるため、使用とともに突起や溝が破損に至る可能性がある。これを防ぐには金属で回転軸とヒンジブレーキを一体に削り出して加工するなど、強度を確保する必要がある。さらに回転軸が蓋の開閉と一体に回転するよう、蓋側の軸穴と回転軸も勘合が必要であり、これも考慮して回転軸とヒンジブレーキを一体に削り出す形状加工はコストアップとなる。加えて、ヒンジブレーキと一体になった回転軸は本体側の軸穴や、蓋を開くねじりコイルバネにも通す必要があり、組立性に改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、蓋の回転軸と一緒に回転するブレーキユニットを備えた炊飯器において、加工性及び組立性に優れ、安定した制動力が得られる蓋開きブレーキ構造を備えた炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明の炊飯器は、特許請求の範囲に記載のように構成したものである。
具体的には、本発明の炊飯器は、例えば、炊飯器本体と、炊飯器本体の後方のヒンジ部により炊飯器本体に対して開閉するように取り付けられた蓋を備え、ヒンジ部は、炊飯器本体に形成された本体ヒンジ穴と、蓋に形成された蓋ヒンジ穴と、本体ヒンジ穴と蓋ヒンジ穴を貫通し、本体ヒンジ穴に回転可能に支持され、蓋の開閉動作と連動して回転するように蓋ヒンジ穴に勘合されたヒンジ軸から構成され、ヒンジ軸に同軸に設けられ、蓋が開く方向に付勢するねじりコイルバネを備えた炊飯器であって、蓋が開く動作に制動を加える蓋開きブレーキ構造として、ヒンジ軸が貫通する貫通穴を有し、ヒンジ軸と一緒に回転する回転体と、ヒンジ軸が回転可能に貫通する回転軸穴と炊飯器本体に回転が規制されるように保持される根元部と回転軸穴よりも先端側に位置し根元部より幅を狭くした幅狭部を有するU字板バネとから構成されるブレーキユニットを備え、回転体は、U字板バネに挟み込まれるように配置され、蓋が開く際のヒンジ軸の回転に伴いU字板バネを拡幅するように回転体の幅が周方向に徐々に変化する傾斜肉厚部を有し、回転体が取り付けられるヒンジ軸はDカット軸に形成され、回転体の貫通穴はDカット軸に勘合するDカット貫通穴に形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、蓋の回転軸と一緒に回転するブレーキユニットを備えた炊飯器において、加工性及び組立性に優れ、安定した制動力が得られる蓋開きブレーキ構造を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1に示す炊飯器のヒンジ部の構造斜視要図である。
【
図3】
図1に示す炊飯器のブレーキユニットの一部透視図である。
【
図4】
図1に示す炊飯器のブレーキユニット詳細図である。
【
図5】
図1に示す炊飯器のブレーキユニットの部品展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明する。
図1は本実施例の炊飯器の断面図である。
図2は同炊飯器のヒンジ部の構成斜視図であり、蓋の外カバー部材を取り外した状態を図示している。
図3は同炊飯器のブレーキユニットの構造説明のための一部透視図である。
【0012】
炊飯器の蓋4は炊飯器本体1の後方のヒンジ部2により炊飯器本体1に対して開閉するように取り付けられている。炊飯器本体1の後方の左右に本体ヒンジ穴3が設けられている。蓋4の後方の左右に蓋ヒンジ穴5が設けられている。本体ヒンジ穴3と蓋ヒンジ穴5を貫通するようにヒンジ軸6が設けられ、ヒンジ軸6は本体ヒンジ穴3に回転自在に支持されている。蓋4の開閉動作と連動してヒンジ軸6が回転するようにヒンジ軸6と蓋ヒンジ穴5が勘合している。
【0013】
炊飯器本体1の前方にはフック部7が設けられており、蓋4の前方には蓋勘合部8が設けられている。フック部7と蓋勘合部8が勘合することによって蓋4の前方が炊飯器本体1に係止され蓋4が閉じた状態となる。
【0014】
ヒンジ部2にはねじりコイルバネ9がヒンジ軸6と略同軸に設けられている。ねじりコイルバネ9の一端の本体側アーム9-1は炊飯器本体1に保持され、他端の蓋側アーム9-2は蓋4に保持されている。蓋4を閉じたとき、ねじりコイルバネ9の本体側アーム9-1と蓋側アーム9-2の間にバネ力が蓄積され、ねじりコイルバネ9によって蓋4を開く方向の付勢力を発生させている。使用者が炊飯器の前方にあるフックレバーでフック部7を操作すると、フック部7と蓋勘合部8との勘合が解除され、ねじりコイルバネ9に蓄積されたバネ力によって蓋側アーム9-2を介して蓋4の開動作が開始する。
【0015】
図3に示すように、ヒンジ軸6には蓋4の動作を制動するブレーキユニット10が設けられている。
図4及び
図5を用いて本実施例のブレーキユニット10の詳細を説明する。
図4は本実施例のブレーキユニット詳細図であり、
図5は本実施例のブレーキユニットの部品展開図である。
【0016】
ブレーキユニット10は、U字板バネ11と回転体12とから構成されている。
U字板バネ11はステンレス鋼などで構成された板バネをU字断面形状に曲げて形成されている。U字板バネ11は、炊飯器本体側の保持部13に当接する根本部11-1より幅を狭くした幅狭部11-2を有している。幅狭部11-2は後述の傾斜肉厚部が形成されている箇所の回転体12の幅よりも幅が狭くなっている。ただし、傾斜肉厚部が形成された領域の全てにおいて幅が狭くなっている必要はなく、傾斜肉厚部の幅が小さい領域では幅狭部11-2の幅が広くても良い。U字板バネ11には回転軸穴11-3が2箇所設けられている。上述の幅狭部11-2はU字板バネの回転軸穴11-3よりも先端側(自由端側)に位置する。U字板バネ11のU字の間には回転体12が挟み込まれるように設けられている。U字板バネ11は根本部11-1が炊飯器本体側の保持部13に当接して回転が規制されるようになっている。
【0017】
回転体12は優れた耐摩耗性を有するポリアセタール樹脂(POM)などで構成されている。回転体12の両面にはボス部12-1が設けられており、ボス部12-1はU字板バネ11の回転軸穴11-3を貫通し回転軸穴11-3内を回転する。ボス部12-1には貫通穴12-2が設けられている。ボス部12-1の貫通穴12-2にはヒンジ軸6が貫通するように設けられる。貫通穴12-2内に位置するヒンジ軸6はDカット軸となっており、貫通穴12-2の穴形状はヒンジ軸6のDカット断面と同じ形状を有する(Dカット貫通穴)。これによりヒンジ軸6と回転体12の貫通穴12-2が勘合し、蓋4の開閉時に回転体12はヒンジ軸6と一緒に回転する。ブレーキユニット10を構成する回転体12の貫通穴12-2とヒンジ軸6の勘合が突起や溝などによらない構成であるので、ブレーキユニット10に制動力が発生する際に勘合部に多大なねじれ力が加わるが、突起や溝などと比べて破損の恐れが少なく、また、簡単な形状加工で実現できるのでコストアップの問題もない。なお、ヒンジ軸6は全長においてDカット軸としても良いが、蓋ヒンジ穴5の位置及びブレーキユニット10をヒンジ軸6に取り付ける位置において部分的にDカット軸となるようにしても良い。但し、ヒンジ軸6の一方の端部からブレーキユニット10を取り付ける位置までDカット軸とする必要がある。
【0018】
回転体12には傾斜肉厚部12-3が設けられている。傾斜肉厚部12-3は本実施例では回転体12の両側に形成されている。傾斜肉厚部12-3は回転体12の幅(ヒンジ軸6の軸線方向の幅)が周方向に徐々に変化するように形成されている。蓋4が開方向に動作する際に、回転体12の回転角度が大きくなるに従い、U字板バネ11の幅狭部11-2を徐々に幅広に押し広げるように構成されている。本実施例では回転体12の傾斜肉厚部12-3がU字板バネ11の幅狭部11-2を押し広げる力と回転体12の傾斜肉厚部12-3とU字板バネ11の幅狭部11-2との間に発生する摩擦力により制動力を得るものである。蓋4の開き角度が例えば40度開いた角度になると、回転体12の傾斜肉厚部12-3がU字板バネ11の幅狭部11-2を押し広げはじめ、60~70度付近で実質的な制動力が発生し、蓋4の開き角度が90度に近づくに伴い、制動力が急激に増加するよう、U字板バネ11の幅狭部11-2の幅寸法を考慮して傾斜肉厚部12-3が設定されている。また、回転体12の傾斜肉厚部12-3は貫通穴12-2の穴形状(貫通穴12-2のDカット部分の位置)を考慮した周方向位置に形成される。すなわち、回転体12のボス部12-1の貫通穴12-2は、ヒンジ軸6のDカット軸と勘合するように穴形状が形成されているので、ブレーキユニット10をヒンジ軸6に取り付けた際に、傾斜肉厚部12-3の周方向位置も位置決めされることになる。したがって、蓋4の所定の回転角度で所望の制動力が得れるように貫通穴12-2のDカット部分の位置を考慮して傾斜肉厚部12-3が形成される周方向位置が設定されている。なお、傾斜肉厚部12-3が形成されていな領域の回転体12の幅は幅狭部11-2よりも幅が小さい。また、傾斜肉厚部12-3が形成されている領域は、蓋4が閉じているとき幅狭部11-2に接しない位置にある。幅狭部11-2の幅の大きさや位置にもよるが傾斜肉厚部12-3の最大幅の部分がU字板バネ11の回転軸穴11-3よりも根本部側に位置する。
【0019】
以上の構成のブレーキユニット10は、炊飯器本体1に蓋4を取り付ける工程において、ヒンジ軸6を本体ヒンジ穴3、蓋ヒンジ穴5に貫通させて回転軸として組み込む際に、ヒンジ部2内にねじりコイルバネ9と共に、貫通穴12-2にもヒンジ軸6を通すことで炊飯器に組み込まれる。
【0020】
上述したように、回転体12の傾斜肉厚部12-3は貫通穴12-2のDカット部分の位置を考慮して設定されているので、回転体12の貫通穴12-2はヒンジ軸6に対して回転角度の位置決めのみで容易に組み込むことが可能である。
【0021】
また、ブレーキユニット10をヒンジ軸6でヒンジ部2に固定する際には、U字板バネ11の根本部11-1は炊飯器本体1の保持部13に当接し、回転が規制された状態で保持・固定されている。
【0022】
以上のブレーキユニット10の組み込まれた炊飯器について、使用者がフック部7を操作すると、蓋勘合部8との勘合が解除され、ねじりコイルバネ9によって蓋側アーム9-2を介して蓋4は開き方向の動作を開始する。ヒンジ軸6が回転体12の貫通穴12-2に勘合しているので、回転体12は蓋4の開く動作と連動して回転する。蓋4が一定の角度、例えば40度開いた角度になると、回転体12の傾斜肉厚部12-3がU字板バネ11の幅狭部11-2を押し広げはじめ、傾斜肉厚部12-3と幅狭部11-2の間の摩擦力によって蓋側アーム9-2の開き動作に制動力を加える。開く角度が90度に近づくに伴い、U字板バネ11を押し広げて、制動力が急激に増加するよう、傾斜肉厚部12-3が設定されているので、勢い良く蓋4が開くことがない。使用者が蓋4を閉める際は、前記と逆の動きとなり、蓋4が閉じた状態に戻ることは言うまでもない。
【0023】
以上の本発明の実施例によれば、蓋開きブレーキ構造の制動力は、U字板バネ11の幅狭部11-2の幅と、この幅狭部11-2を蓋4の開き動作の回転に応じて押し広げる回転体12の傾斜肉厚部12-3の形状で定まり、また、蓋開きブレーキ構造を構成する関係部品がU字板バネ11と回転体12の二つと少ないことから、炊飯器の組立ての際に制動力の調整作業は特に不要であり、安定した制動力を得ることができる。また、U字板バネ11側の幅狭部11-2と回転体12の傾斜肉厚部12-3との双方で制動力を得るようにしているので、例えば、回転体12の傾斜肉厚部12-3のみの場合よりもブレーキユニット10をコンパクトに構成することができる。また、蓋4が全開になる直前の角度からブレーキの制動力を発生するものではなく、蓋開き動作の早期から制動力を働かせることができるので、蓋4の開き動作の際の反動を抑制することができる。そして、ブレーキユニット10の取り付けは、ヒンジ軸6で本体ヒンジ穴3と蓋ヒンジ穴5、ねじりコイルバネ9を貫通する際に、同時にヒンジ軸6をブレーキユニット10の貫通穴12-2に通せば良い。上述のように蓋4の回転角度で所望の制動力が得れるように貫通穴12-2のDカット部分の位置を考慮して傾斜肉厚部12-3が形成されているので、ヒンジ軸6のDカット部分とブレーキユニット10の貫通穴12-2のDカット部分が勘合するように角度を合わせ穴に通すのみで、蓋開き所定角度から所望の制動力が得られる状態にブレーキユニット10を組立てできる。
【0024】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0025】
例えば、幅狭部11-2はU字板バネ11の先端としているがこれに限らない。U字板バネの回転軸穴11-3の中心より先端側にあれば効果的に制動力を得ることができる。また、回転体12にボス部12-1を設けているが形成しなくても良い。但し、強度や組立性を考慮すると形成した方が望ましい。
【符号の説明】
【0026】
1 炊飯器本体
2 ヒンジ部
3 本体ヒンジ穴
4 蓋
5 蓋ヒンジ穴
6 ヒンジ軸
7 フック部
8 蓋勘合部
9 ねじりコイルバネ
9-1 本体側アーム
9-2 蓋側アーム
10 ブレーキユニット
11 U字板バネ
11-1 根本部
11-2 幅狭部
11-3 回転軸穴
12 回転体
12-1 ボス部
12-2 貫通穴
12-3 傾斜肉厚部
13 保持部