(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188410
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】文書共有管理システム、文書管理装置および文書共有管理システムにおける文書共有管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
G06F13/00 650B
G06F13/00 520D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096414
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】神久 翔
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA16
5B084AA26
5B084AB01
5B084AB11
5B084AB21
5B084AB30
5B084AB31
5B084AB32
5B084BA07
5B084BB01
5B084CD02
5B084CD09
5B084CD22
5B084CD24
5B084CF12
5B084DB01
5B084DB08
5B084DB11
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084DC27
(57)【要約】
【課題】保存した文書の種類に関係する参加者のみに文書の確認等の処理を許可し、チャットルームの管理者および参加者の作業負担を軽減する。
【解決手段】文書管理装置と情報処理装置とからなる文書共有管理システムにおいて、文書管理装置が、文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに文書ファイルを保存する文書分類部と、文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択部と、文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、生成されたチャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を選択されたチャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理部とを備え、情報処理装置が、文書管理装置から送信されるルーム開始情報を取得するルーム情報取得部を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された文書管理装置と、複数の情報処理装置とからなる文書共有管理システムであって、
前記文書管理装置が、
文書ファイルを記憶する記憶部と、
前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類部と、
前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択部と、
前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、生成された前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理部とを備え、
前記情報処理装置が、
前記文書管理装置から送信されるルーム開始情報を取得するルーム情報取得部を備え、チャットルームの参加者の情報処理装置において、取得された前記ルーム開始情報に基づいてチャットルームの利用を開始し、前記文書ファイルを共有することを特徴とする文書共有管理システム。
【請求項2】
前記記憶部には、前記文書ファイルの複数の種類と、前記文書ファイルの種類のそれぞれに対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法とを含む設定データが記憶されており、
前記参加者選択部が、前記チャットルームの参加者の選択方法のうち、前記文書分類部によって分類された文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法によって、チャットルームの参加者を選択することを特徴とする請求項1に記載の文書共有管理システム。
【請求項3】
前記チャットルームの参加者の選択方法には、前記文書ファイルの種類ごとに、
前記文書ファイルの種類に対応付けられた文書ファイルの共有者をチャットルームの参加者として選択すること、
前記文書ファイルの種類に対応付けられた特定ユーザーと、前記特定ユーザーによって指定された文書ファイルの共有者とをチャットルームの参加者として選択すること、
前記文書ファイルを生成したファイル生成者と、前記ファイル生成者によって指定された文書ファイルの共有者とをチャットルームの参加者として選択すること、
のいずれかが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の文書共有管理システム。
【請求項4】
前記文書分類部によって、前記文書ファイルの種類が分類できなかった場合、前記種類を分類できなかった文書ファイルを、未分類フォルダに保存することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の文書共有管理システム。
【請求項5】
前記文書分類部によって、前記文書ファイルが未分類フォルダに保存された場合、
前記文書ファイルが未分類フォルダに保存されたことを、前記文書ファイルを生成したファイル生成者の情報処理装置に送信し、前記ファイル生成者の情報処理装置から、前記ファイル生成者によって指定された文書ファイルを保存すべき分類フォルダを受信した場合に、受信された前記分類フォルダに、前記文書ファイルを移動することを特徴とする請求項4に記載の文書共有管理システム。
【請求項6】
前記記憶部に文書ファイルが記憶されたとき、または、前記設定データに、前記文書ファイルの種類に対応付けて所定の時刻が設定された一定期間が記憶されている場合に、現在時刻が前記一定期間に一致したときのいずれかに、
前記ルーム開始処理部が、前記チャットルームを生成することを特徴とする請求項2に記載の文書共有管理システム。
【請求項7】
ルーム終了判定部をさらに備え、
前記設定データに、前記文書ファイルの種類に対応付けてチャットルームの終了条件が含まれており、
前記ルーム終了判定部によって、チャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、前記チャットルームを終了することを特徴とする請求項2に記載の文書共有管理システム。
【請求項8】
前記チャットルームの終了条件として、チャットルームで共有されている文書ファイルを承認する確認応答が受信されること、およびチャットルームの終了要求が受信されることが設定されており、
チャットルームに参加しているすべての参加者の情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答を受信した場合、
チャットルームに参加している参加者のうち、所定の特定ユーザーの情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答、または、
チャットルームの終了要求を受信した場合に、
前記ルーム終了判定部が、前記チャットルームの終了条件が満たされたと判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の文書共有管理システム。
【請求項9】
チャットルームを介して実行された処理内容を示すログ情報を生成し保存するログ生成部と、
チャットルームを終了することを示すルーム終了情報を情報処理装置に送信するルーム終了情報送信部と、
チャットルームで利用された情報を削除し、前記チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除するルーム削除部とをさらに備え、
前記ルーム終了判定部によって、前記チャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、
前記ログ生成部によって、前記ログ情報を、前記文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダ、または、分類フォルダとは異なるログ情報保存用フォルダに保存し、前記ルーム終了情報送信部によって、前記ルーム終了情報を、前記チャットルームに参加していた参加者の情報処理装置に送信した後に、前記ルーム削除部によって、チャットルームで利用された情報を削除し、前記チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除することを特徴とする請求項7または8に記載の文書共有管理システム。
【請求項10】
ネットワークを介して複数の情報処理装置に接続される文書管理装置であって、
文書ファイルを記憶する記憶部と、
前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類部と、
前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択部と、
前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、前記文書ファイルを含み、生成された前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理部とを備えたことを特徴とする文書管理装置。
【請求項11】
ネットワークを介して接続された文書管理装置と、複数の情報処理装置とからなる文書共有管理システムにおける文書共有管理方法であって、
前記文書管理装置が、文書ファイルを記憶する記憶ステップと、
前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類ステップと、
前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択ステップと、
前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、生成した前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理ステップと、
前記情報処理装置が、前記ルーム開始情報を取得するルーム情報取得ステップとを備え、
チャットルームの参加者の情報処理装置において、取得された前記ルーム開始情報に基づいてチャットルームの利用を開始し、前記文書ファイルを共有することを特徴とする文書共有管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書共有管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザー間で、ネットワークを介して情報の伝達や共有、相互理解等を行う手段として、電子メール、SMS(Short Message Service)、MMS(Multimedia Messaging Service)、音声会議、ビデオ会議、チャットなど、さまざまなコミュニケーションサービスが利用されている。
たとえば、チャットは、複数の情報処理装置が接続される1つのチャットルームを形成し、ネットワークを介して複数のユーザーがそのチャットルームに参加して、リアルタイムで、音声、文字、画像等の情報の伝達や、ファイルの共有を行うシステムである。
【0003】
特許文献1には、ユーザ端末からの要請などにより、フォルダ共有者により共有される共有フォルダ内の特定ファイルに関連するファイルチャットルームを生成し、更新権限を有するフォルダ共有者のユーザ端末により特定ファイルが更新されると、ユーザ端末で生成された更新内訳を受信し、生成された更新内訳に基づいてログメッセージを生成し、ファイルチャットルームを介して、ログメッセージや、ユーザ端末から入力されたチャットメッセージを表示することによって、業務構成員間の意思疎通を図るファイル連携型業務管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のチャットシステムでは、チャットルームに参加可能なすべての参加者によって、共有フォルダ内の特定ファイルが共有されるので、すべての参加者が、特定ファイルの内容の確認、変更、編集等ができるようになっている。
しかし、共有フォルダ内に格納された特定ファイルについて、そのファイルの性質上、すべての参加者ではなく、一部分の参加者のみがその内容の確認や変更ができるようにしたり、特定ファイルを共有する参加者を限定したい場合もある。
【0006】
従来のチャットシステムでは、特定ファイルに関連するファイルチャットルームを生成した場合、特定ファイルの確認や変更が不要な参加者にも、そのファイルチャットルームへの招待の通知が行われ、ファイルチャットルームが生成され、すべての参加者が特定ファイルの内容の確認、変更、編集等ができるようになるので、ファイルチャットルームの管理で、不要な参加者の消去処理や確認不要者にも関係あるかどうかの判断などの手間が発生する。
【0007】
また、特定ファイルに関連するファイルチャットルームを終了する場合において、チャットルーム内でのやり取りを、ファイル毎に収集してまとめる必要がある。又、確認した人の情報を残そうと思うと、確認したかどうかを各参加者へ問い合わせる必要もあり、このチャットルームの終了作業を行う参加者の負担が大きかった。
さらに、特定ファイルに関連するファイルチャットルームを終了する場合、チャットルームを無条件で自動的に削除すると、チャットルームで利用された特定ファイルに関連付けられたすべての情報が削除されてしまい、再利用したい情報が利用できない場合があった。
【0008】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、チャットルームを管理する者や参加者の負担を軽減することのできる文書共有管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、ネットワークを介して接続された文書管理装置と、複数の情報処理装置とからなる文書共有管理システムであって、前記文書管理装置が、文書ファイルを記憶する記憶部と、前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類部と、前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択部と、前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、生成された前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理部とを備え、前記情報処理装置が、前記文書管理装置から送信されるルーム開始情報を取得するルーム情報取得部を備え、チャットルームの参加者の情報処理装置において、取得された前記ルーム開始情報に基づいてチャットルームの利用を開始し、前記文書ファイルを共有することを特徴とする文書共有管理システムを提供するものである。
【0010】
また、この発明は、ネットワークを介して複数の情報処理装置に接続される文書管理装置であって、文書ファイルを記憶する記憶部と、前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類部と、前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択部と、前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、前記文書ファイルを含み、生成された前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理部とを備えたことを特徴とする文書管理装置を提供するものである。
【0011】
また、この発明は、ネットワークを介して接続された文書管理装置と、複数の情報処理装置とからなる文書共有管理システムにおける文書共有管理方法であって、前記文書管理装置が、文書ファイルを記憶する記憶ステップと、前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類を分類し、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに前記文書ファイルを保存する文書分類ステップと、前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者を選択する参加者選択ステップと、前記文書管理装置が、前記文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、生成した前記チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択された前記チャットルームの参加者の情報処理装置に送信するルーム開始処理ステップと、前記情報処理装置が、前記ルーム開始情報を取得するルーム情報取得ステップとを備え、チャットルームの参加者の情報処理装置において、取得された前記ルーム開始情報に基づいてチャットルームの利用を開始し、前記文書ファイルを共有することを特徴とする文書共有管理方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、チャットルームを管理する者と参加者の作業負担を軽減することのできる文書共有管理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の文書管理装置の一実施例の構成ブロック図である。
【
図2】この発明の情報処理装置の一実施例の構成ブロック図である。
【
図3】この発明の文書管理装置の記憶部に記憶される情報(設定データ)の一実施例の説明図である。
【
図4】この発明の文書管理装置の文書情報記憶領域の一実施例の説明図である。
【
図5】この発明の文書管理装置の記憶部に記憶される情報(チャットルーム情報)の一実施例の説明図である。
【
図6】この発明の文書共有管理システムにおけるチャットルーム生成処理と実行処理の一実施例の通信シーケンスである。
【
図7】この発明の文書共有管理システムにおけるチャットルーム終了処理の一実施例の通信シーケンスである。
【
図8】この発明の文書共有管理システムにおける参加者の選択確認処理の一実施例の通信シーケンスである。
【
図9】この発明の文書管理装置における一定時期にチャットルームを開催する処理の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
また、この発明は、前記記憶部には、前記文書ファイルの複数の種類と、前記文書ファイルの種類のそれぞれに対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法とを含む設定データが記憶されており、前記参加者選択部が、前記チャットルームの参加者の選択方法のうち、前記文書分類部によって分類された文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法によって、チャットルームの参加者を選択することを特徴とする。
【0015】
また、前記チャットルームの参加者の選択方法には、前記文書ファイルの種類ごとに、前記文書ファイルの種類に対応付けられた文書ファイルの共有者をチャットルームの参加者として選択すること、前記文書ファイルの種類に対応付けられた特定ユーザーと、前記特定ユーザーによって指定された文書ファイルの共有者とをチャットルームの参加者として選択すること、前記文書ファイルを生成したファイル生成者と、前記ファイル生成者によって指定された文書ファイルの共有者とをチャットルームの参加者として選択すること、のいずれかが設定されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記文書分類部によって、前記文書ファイルの種類が分類できなかった場合、前記種類を分類できなかった文書ファイルを、未分類フォルダに保存することを特徴とする。
【0017】
また、前記文書分類部によって、前記文書ファイルが未分類フォルダに保存された場合、前記文書ファイルが未分類フォルダに保存されたことを、前記文書ファイルを生成したファイル生成者の情報処理装置に送信し、前記ファイル生成者の情報処理装置から、前記ファイル生成者によって指定された文書ファイルを保存すべき分類フォルダを受信した場合に、受信された前記分類フォルダに、前記文書ファイルを移動することを特徴とする。
【0018】
また、前記記憶部に文書ファイルが記憶されたとき、または、前記設定データに、前記文書ファイルの種類に対応付けて所定の時刻が設定された一定期間が記憶されている場合に、現在時刻が前記一定期間に一致したときのいずれかに、前記ルーム開始処理部が、前記チャットルームを生成することを特徴とする。
【0019】
また、ルーム終了判定部をさらに備え、前記設定データに、前記文書ファイルの種類に対応付けてチャットルームの終了条件が含まれており、前記ルーム終了判定部によって、チャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、前記チャットルームを終了することを特徴とする。
【0020】
また、前記チャットルームの終了条件として、チャットルームで共有されている文書ファイルを承認する確認応答が受信されること、およびチャットルームの終了要求が受信されることが設定されており、チャットルームに参加しているすべての参加者の情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答を受信した場合、チャットルームに参加している参加者のうち、所定の特定ユーザーの情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答、または、チャットルームの終了要求を受信した場合に、前記ルーム終了判定部が、前記チャットルームの終了条件が満たされたと判定することを特徴とする。
【0021】
また、チャットルームを介して実行された処理内容を示すログ情報を生成し保存するログ生成部と、チャットルームを終了することを示すルーム終了情報を情報処理装置に送信するルーム終了情報送信部と、チャットルームで利用された情報を削除し、前記チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除するルーム削除部とをさらに備え、前記ルーム終了判定部によって、前記チャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、前記ログ生成部によって、前記ログ情報を、前記文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダ、または、分類フォルダとは異なるログ情報保存用フォルダに保存し、前記ルーム終了情報送信部によって、前記ルーム終了情報を、前記チャットルームに参加していた参加者の情報処理装置に送信した後に、前記ルーム削除部によって、チャットルームで利用された情報を削除し、前記チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除することを特徴とする。
【0022】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
この発明の文書共有管理システムは、ネットワークを介して接続された文書管理装置と、複数の情報処理装置とからなる。
【0023】
文書管理装置は、主に、チャットルームの参加者(ユーザー)によって生成された文書ファイルを保存し、複数の参加者によって共有される文書ファイル等の情報を管理し、文書ファイルを共有し、情報交換をするチャットルームを生成する装置である。
文書管理装置を、サーバ(SV)とも呼ぶ。
【0024】
情報処理装置は、チャットルームの参加者(ユーザー)が所有する装置であり、たとえば、パソコン、携帯端末などに相当する。
また、情報処理装置は、チャットルームにおいて、文書管理装置に保存された文書ファイルを共有し、文書ファイルに対して、確認、変更、削除等の処理を行う装置である。情報処理装置を、ユーザー端末(TE)とも呼ぶ。
【0025】
文書共有管理システムは、主として、ネットワークを介して複数の参加者が所有する情報処理装置と、文書ファイルを保存する文書管理装置とを接続し、複数の参加者によって情報を共有するチャットルームを生成し、複数の参加者の情報処理装置において、取得された文書ファイルを共有し、生成されたチャットルームを介して、チャットルームに参加する複数の参加者(ユーザー)が、相互に、文字、図形、画像、音声等の情報を交換するシステムである。
【0026】
この発明では、特に、文書管理装置に保存された文書ファイルを、文書ファイルの記載内容等に基づいて分類し、文書ファイルの分類に対応付けられた情報(後述する設定データ)に基づいて、チャットルームに参加できる参加者(ユーザー)を選択して、チャットルームを生成し、チャットルームを終了する条件を満たした場合に、自動的に、チャットルームの実行中に生成されたログ情報を保存し、チャットルームを終了する処理をする点に特徴がある。
以下の実施形態では、特に、文書共有管理システムを実現する技術のうち、チャットルームで利用される文書ファイルの共有制御に関する部分を重点的に説明する。
【0027】
<文書管理装置の構成>
図1に、この発明の文書管理装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
文書管理装置(SV)1は、文書ファイルを保存し、文書ファイルの分類に対応するチャットルームを生成し、チャットルームに参加する参加者を選択し、チャットルームに参加した参加者によって文書ファイルを共有させ、チャットルームを介して、参加者間で行われる情報の送受信を管理する電子機器である。
【0028】
図1において、この発明の文書管理装置(SV)1は、主として、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、文書取得部21,文書分類部22、参加者選択部23、ルーム開始処理部24、文書確認要求部25、ルーム実行処理部26、確認応答取得部27、ルーム終了判定部28、ログ生成部29、ルーム終了情報送信部30、ルーム削除部31、記憶部40を備える。
【0029】
制御部11は、操作部や通信部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の文書分類機能、通信機能などを実行する。
【0030】
操作部12は、文書管理装置SVの管理担当者が所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
管理担当者が操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
管理担当者は、所定の入力操作をすることによって、たとえば、チャットルームに必要な情報の設定や、情報処理装置やチャットルームの参加者に関する情報を入力する。
ただし、チャットルームの実行中は、管理担当者がそのチャットルームに関係する操作をする必要はない。
【0031】
表示部13は、情報を表示する部分であり、チャットルームの各機能の実行に必要な情報や、チャットルームの進行状況や各機能の実行の結果などを、管理担当者に知らせるために表示する。たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部12としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部13とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部13には、たとえば、チャットルームに利用する設定項目の設定や、選択した機能の操作画面、チャットルームの進行状況などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
【0032】
通信部14は、ネットワーク3を介して、情報処理装置TEとデータ通信をする部分である。
たとえば、パソコンや携帯端末などの情報処理装置TEから送信されてきた文書ファイルを受信する。
また、チャットルームの参加者にルーム開始情報を送信し、チャットルームへの参加を要求する。
あるいは、共有する文書ファイルを複数の参加者の情報処理装置に配信したり、共有する文書ファイルの確認要求を情報処理装置に送信したりする。
【0033】
ネットワーク3としては、インターネットなどの広域通信網や、LANなど、既存のあらゆる通信網を用いることができ、通信形態は、有線通信および無線通信のどちらを用いてもよい。
【0034】
文書取得部21は、情報処理装置TEで生成された文書ファイルを取得する部分である。
文書ファイルは、たとえば、議事録のように、多数のユーザーによって共有される書類であり、主に、1人のユーザーが所有する情報処理装置TEで作成される。
また、他のユーザーに議事録の内容の確認を要求する場合など、文書ファイルを所定のユーザーによって共有したい場合には、文書管理装置SVに文書ファイルを保存するために、後述するように、情報処理装置TEから文書管理装置SVに、文書ファイルを含む文書情報保存要求が送信される。
文書管理装置SVが文書情報保存要求を受信すると、文書情報保存要求に含まれる文書ファイルを取得し、文書情報42として、文書管理装置SVの記憶部40に記憶する。
【0035】
記憶される文書情報42には、文書ファイルそのものと、文書ファイルを作成したユーザーのユーザー名や、文書情報保存要求を送信してきた情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス等)や、文書の文字情報などが含まれる。
また、ユーザーが文書ファイルを作成した時点で、作成した文書ファイルの種類がすでに分かっている場合は、文書情報保存要求に、文書ファイルの種類の名称を含めてもよい。この場合、記憶される文書情報42にも、文書ファイルの種類の名称を含めてもよい。
【0036】
文書分類部22は、取得された文書ファイルを分類する部分であり、分類された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダに、取得された文書ファイルを保存する。
文書ファイルの分類処理では、たとえば、所定の分類基準に基づいて、文書ファイルの内容を解析し、取得された文書ファイルの種類を判断する。
文書管理装置SVの記憶部40に設けられた文書情報記憶領域に、文書ファイルの各種類に対応づけられた分類フォルダが予め生成されており、各分類フォルダに、文書ファイルを含む文書情報を保存するものとする。
【0037】
所定の分類基準としては、たとえば、文書ファイルの種類に対応して予め設定された文書ファイルの特徴量(基準特徴量)が利用され、取得された文書ファイルの特徴量(取得特徴量)と基準特徴量とを比較して、取得された文書ファイルを分類する。
取得特徴量と基準特徴量とが一致した場合に、取得された文書ファイルの種類を、一致した基準特徴量に対応する種類と判断し、その種類に対応付けられた分類フォルダに、取得された文書ファイルを含む文書情報を保存する。
【0038】
文書ファイルの種類とは、たとえば、「見積書」、「注文書」、「議事録」のように、文書の性質を示す情報であり、文書ファイルの種類ごとに、基準特徴量が設定される。文書ファイルの種類を、単に、分類とも呼ぶ。
基準特徴量には、文書ファイルのファイル名、文書ファイルの内容に含まれる特有の文字列、特有の文字列の出現位置などが含まれる。
たとえば、「議事録」という種類に関係する基準特徴量としては、ファイル名に「議事録」という文字列が含まれていること、文書ファイルの内容において、最初のページに「議事録」という文字列が含まれていること、最初のページの下段に「会議場所」や「日時」や「参加者欄」に相当する文字列が含まれていることなどが、予め設定される。
【0039】
一方、取得特徴量は、取得された文書ファイルを解析することによって得られる文書ファイルの種類を特定することが可能な情報であり、取得特徴量には、ファイル名、特有の文字列や図形、その文字列等の出現位置などが含まれる。
取得された文書ファイルから、取得特徴量として、たとえば、ファイル名に「議事録」という文字列が含まれていることや、最初のページに「議事録」という文字列や、「会議場所」と「日時」に相当する文字列が得られた場合、取得された文書ファイルの種類は「議事録」と判断され、取得された文書ファイルは「議事録」に付けられた分類フォルダに保存される。
【0040】
図4に、文書管理装置の文書情報記憶領域の一実施例の説明図を示す。
取得された文書ファイルは、文書管理装置の記憶部40に設けられた文書情報記憶領域に保存されるものとする。
この文書情報記憶領域には、文書ファイルの種類ごとに対応する分類フォルダが予め作成されているものとし、文書分類部22によって分類された文書ファイルは、その文書ファイルの種類に対応する分類フォルダに保存される。
分類フォルダに保存された文書ファイルは、チャットルームで共有される文書ファイルとなり、チャットルームの参加者によって、確認や変更等の所定の処理が可能なファイルである。
【0041】
図4では、文書情報記憶領域に、6つの分類フォルダが作成されたものを示している。
たとえば、「見積もりフォルダ」は、文書ファイルの種類が「見積書」と判断された文書ファイルを含む文書情報が保存される分類フォルダであり、「注文書フォルダ」は、文書ファイルの種類が「注文書」と判断された文書ファイルを含む文書情報が保存される分類フォルダである。
また、「未分類フォルダ」は、文書分類部22によって、取得された文書ファイルの種類が分類できなかった場合に、その種類を分類できなかった文書ファイルを含む文書情報が保存される分類フォルダである。
【0042】
図4において、たとえば、「見積もりフォルダ」には、2つの文書情報(FL01、FL02)が保存され、「議事録フォルダ」には、1つの文書情報(FL21)が保存されている状態を示している。
「未分類フォルダ」には、種類が判断できなかった1つの文書情報(FL51)が保存されている状態を示している。
【0043】
また、
図4の各分類フォルダには、ログ情報も保存される。
後述するように、たとえば、文書ファイルが文書管理装置に保存されたときに、その文書ファイルの種類(分類)に対応させたチャットルームが作成され、その文書ファイルの種類(分類)に対応して予め設定された参加者によって、チャットルームにおける処理が実行される。
チャットルームは、所定の時期(タイミング)に、取得された文書ファイルの種類(分類)に対応して生成される。
ログ情報は、後述するように、チャットルームを介して実行された処理内容を示す情報であり、複数の情報処理装置間で送受信された情報や処理内容の履歴等を含む。
【0044】
なお、文書ファイルの種類(分類)が判断され「未分類フォルダ」以外の分類フォルダに保存された文書ファイルは、その種類に関係するチャットルームの参加者として選択されたユーザーによって共有される。
ただし、「未分類フォルダ」に保存された文書ファイルは、文書ファイルの種類を判断する段階では、その種類に関係するチャットルームの参加者はまだ不明であるので、たとえば、予め設定された特定のユーザーによって共有するようにしてもよい。
【0045】
また、「未分類フォルダ」に保存された文書ファイルの種類を、特定のユーザーによって指定するようにしてもよい。
すなわち、文書分類部22によって、取得された文書ファイルが「未分類フォルダ」に保存された場合、文書ファイルが「未分類フォルダ」に保存されたことを、文書ファイルを生成したファイル生成者や文書管理装置の管理担当者の情報処理装置に送信し、ファイル生成者の情報処理装置から、ファイル生成者や管理担当者によって指定された文書ファイルを保存すべき分類フォルダを受信した場合に、受信された分類フォルダに、取得された文書ファイルを移動してもよい。
【0046】
参加者選択部23は、チャットルームに参加可能な参加者(ユーザー)を選択する部分である。
たとえば、取得された文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法によって、チャットルームの参加者を選択する。
後述するように、記憶部40に予め記憶された設定データでは、文書ファイルの複数の種類(分類)と、文書ファイルの種類のそれぞれに対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法とを含む。
そこで、参加者選択部23は、この設定データに記憶されたチャットルームの参加者の選択方法のうち、文書分類部22によって分類された文書ファイルの種類に対応付けられたチャットルームの参加者の選択方法によって、チャットルームの参加者を選択する。
【0047】
「チャットルームの参加者の選択方法」には、文書ファイルの種類ごとに、たとえば、(1)文書ファイルの種類に予め対応付けられた文書ファイルの共有者をチャットルームの参加者として選択すること、(2)文書ファイルの種類に予め対応付けられた特定ユーザーと、前記特定ユーザーによって指定された文書ファイルの共有者とをチャットルームの参加者として選択すること、(3)文書ファイルを生成したファイル生成者と、前記ファイル生成者によって指定された文書ファイルの共有者とを、チャットルームの参加者として選択することのいずれかが設定される。
【0048】
後述する
図3の設定データにおいては、分類に対応して設定された「ユーザー指定方法」が、チャットルームの参加者の選択方法に相当する。
チャットルームの参加者の選択は、取得された文書ファイルの種類(分類)に対応させたチャットルームが作成されるときに、上記の参加者の選択方法によって、自動的に行えばよい、
【0049】
また、チャットルームが作成されるときに、所定の特定ユーザーやファイル生成者によって、チャットルームに参加する参加者(ユーザー)を選択するようにしてもよく、あるいは、参加者候補を生成して、その参加者候補を所定の特定ユーザーやファイル生成者に確認してもらい、承認された場合は、その参加者候補を参加者として設定し、否認された場合に、ファイル生成者等に、参加者を指定してもらうようにしてもよい。
【0050】
ルーム開始処理部24は、取得された文書ファイルの種類に対応するチャットルームを生成し、取得された文書ファイルを含み、生成したチャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を、選択されたチャットルームの参加者の情報処理装置に送信する部分である。
まず、文書ファイルの種類(分類)に対応するチャットルームを開始するために、チャットルームのルーム名、分類名、参加者名等を設定したチャットルーム情報を生成する。
次に、このチャットルーム情報を利用して、チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報を生成し、このルーム開始情報を、選択した参加者(ユーザー)の所有する情報処理装置TEに送信する。
【0051】
ルーム開始情報には、たとえば、チャットルームのルーム名、参加を要求するユーザーのユーザー名、チャットルームで共有される文書ファイル、文書の分類情報、参加者を選択するユーザー情報などが含まれる。
ルーム開始情報を受信した情報処理装置TEでは、文書ファイルを記憶して、チャットルームを介して、所定の処理を実行する。
【0052】
また、ルーム開始処理部24は、たとえば、次のような時期(タイミング)のいずれかに、チャットルームを生成する。
すなわち、(1)文書取得部21によって文書ファイルが取得されたとき、または、(2)設定データに、文書ファイルの種類に対応付けて所定の時刻が設定された一定期間が予め記憶されている場合に、現在時刻が一定期間に一致したときのいずれかに、ルーム開始処理部24が、チャットルームを生成する。
【0053】
ただし、ルーム開始情報を送信しても、情報処理装置TEが応答しない場合や、不参加を意味する応答をする場合もあるので、ルーム開始情報には、文書ファイルそのものを含めなくてもよい。
ルーム開始情報に文書ファイルそのものを含めなかった場合は、情報処理装置TEから参加を意味する応答をしてきた場合に、文書ファイルをその情報処理装置TEに送信してもよい。
【0054】
文書確認要求部25は、チャットルームで共有される文書ファイルの確認を、チャットルームの参加者(ユーザー)に要求する部分である。
たとえば、文書確認要求を、各参加者(ユーザー)の所有する情報処理装置TEに送信する。
文書確認要求には、チャットルームのルーム名、確認を要求するユーザーのユーザー名、チャットルームで共有される文書ファイルのファイル名、文書ファイルの分類、文書ファイルデータなどが含まれる。
【0055】
文書管理装置に保存された文書ファイルFL21の種類が、たとえば「議事録」であり、「議事録」に関係するユーザーを参加者として「議事録」に対応したチャットルームが生成された場合、「議事録」に関係するユーザーに、「議事録」である文書ファイルFL21の内容の確認を求めるために、文書確認要求を、チャットルームのすべての参加者に送信する。
【0056】
文書確認要求を受信した各参加者は、文書ファイルFL21の内容を確認した後、その内容を承認できる場合は、所定の入力操作をして、承認を意味する確認応答を返信する。
あるいは、文書確認要求を受信した参加者が、文書ファイルFL21の内容を確認した後、その内容を承認できない場合は、所定の入力操作をして、否認を意味する確認応答を返信するか、または、文書ファイルFL21の内容の修正案を、返信してもよい。
確認応答が文書管理装置SVに送信された場合、チャットルームを介して、その確認応答を、ファイル作成者や他の参加者に送信してもよい。
【0057】
ルーム実行処理部26は、生成されたチャットルームにおいて、所定のチャットルーム機能を実行する部分である。
たとえば、共有ファイル等を各参加者へ送信すること、各参加者が発信した情報(文字、画像、音声等)を、他のすべての参加者あるいは特定の参加者に送信すること、上記したルーム開始情報や文書確認要求を送信すること、確認応答を受信すること、通知、リマインダーなどが実行される。
【0058】
確認応答取得部27は、上記したように、各参加者から送信される確認応答を取得する部分である。確認応答には、承認応答と、否認応答があるものとする。
確認応答を取得した後、文書確認要求に対して、どの参加者が確認したかをチェックし、参加者の確認可否を記憶する。
あるいは、どの参加者が承認し、どの参加者が否認したかを記憶してもよい。
また、否認応答を受信した場合は、否認理由を問い合わせる情報を送信してもよく、あるいは、否認応答に確認要求した文書ファイルの修正案が含まれる場合には、文書ファイルの修正案を、文書ファイルの作成者に送信してもよい。
【0059】
ルーム終了判定部28は、生成されたチャットルームを終了してもよいか否かを判定する部分である。
後述するように、記憶部40に予め記憶された設定データに、文書ファイルの種類に対応付けてチャットルームの終了条件が予め記憶されている場合、ルーム終了判定部28は、この「終了条件」に基づいて、チャットルームを終了してもよいか否かを判定する。
ルーム終了判定部28によって、現在生成されているチャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、チャットルームを終了する。
【0060】
たとえば、「終了条件」に、チャットルームの参加者全員の文書確認が必要であることが予め設定されていた場合において、参加者全員から文書確認の応答が返信された場合に、チャットルームの終了条件を満たし、チャットルームを終了してもよいと判定する。
【0061】
また、チャットルームの終了条件として、チャットルームで共有されている文書ファイルを承認する確認応答が受信されること、およびチャットルームの終了要求が受信されることを設定してもよい。
このような終了条件が設定されているとき、(1)チャットルームに参加しているすべての参加者の情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答を受信した場合、(2)チャットルームに参加している参加者のうち、所定の特定ユーザーの情報処理装置から送信された文書ファイルを承認する確認応答を受信した場合、または、(3)チャットルームに参加している参加者のうち、所定の特定ユーザーの情報処理装置から送信されたチャットルームの終了要求を受信した場合に、ルーム終了判定部28が、チャットルームの終了条件が満たされたと判定する。
【0062】
チャットルームを終了してもよいと判定された場合、自動的に、チャットルームを終了する。
たたし、終了条件を満たした後、直ちに、チャットルームを終了するのではなく、所定の処理を行った後に、チャットルームを終了することが好ましい。
たとえば、ルーム終了判定部28によって、チャットルームの終了条件が満たされたと判定された場合に、後述するログ生成部29によるログ情報の保存処理と、ルーム終了情報送信部30によるルーム終了情報の送信処理を行った後に、ルーム削除部31によるチャットルームの削除処理をすることが好ましい。
【0063】
ログ情報の保存処理では、ログ生成部29によって、ログ情報を、取得された文書ファイルの種類に対応付けられた分類フォルダ、または、分類フォルダとは異なるログ情報保存用フォルダに保存する処理を行う。
また、ルーム終了情報の送信処理では、ルーム終了情報送信部30によって、終了するチャットルーム名等を含むルーム終了情報を、チャットルームに参加していた参加者の情報処理装置TEに送信する。
その後、チャットルームの削除処理では、ルーム削除部31によって、チャットルームで利用された情報を削除し、チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除する。
【0064】
ログ生成部29は、チャットルームを介して実行された処理内容を示すログ情報45を生成し、記憶部40に保存する部分である。
チャットルームの機能を実行しているときに、各参加者間で、文字、図形、画像等の種々の情報やメッセージが送受信されるが、ログ情報は、この送受信されるメッセージや、文書ファイルの修正履歴、確認情報、承認情報などの履歴を記録した情報である。
また、チャットルームを終了する場合、チャットルームに関する情報の削除処理が行われるが、ログ情報については、チャットルームの終了後に確認したい場合もあるので、ログ情報45を、削除されない所定の記憶領域に保存することが好ましい。
【0065】
たとえば、チャットルームは、分類フォルダに対応して生成され、分類フォルダには、チャットルームで共有した文書情報が記憶されているので、共有した文書情報が記憶されている分類フォルダ内に、ログ情報の記憶領域(ログ保存フォルダ)を作成し、このログ保存フォルダに、ログ情報45を保存してもよい。
【0066】
あるいは、記憶部40に、すべてのログ情報を保存しておく領域(ログ保存領域)を予め設定し、この領域に「ログ情報保存用フォルダ」を作成しておき、保存すべきログ情報45に、識別可能な特定文字を含むファイル名を付与して、そのログ情報45のファイルを、「ログ情報保存用フォルダ」に保存してもよい。
また、ログ情報45のファイル名は、チャットルームの参加者や、管理担当者によって付与するようにしてもよい。
【0067】
ルーム終了情報送信部30は、チャットルームを終了することを示すルーム終了情報を、参加者の情報処理装置TEに送信する部分である。
ルーム終了情報には、たとえば、チャットルームのルーム名や、参加者のユーザー名や、情報処理装置TEの識別情報、ログ情報保存場所などが含まれる。
ルーム終了情報を受信した情報処理装置TEでは、チャットルームを終了する処理をする。
情報処理装置TEでは、チャットルームを終了する場合、たとえば、受信した文書ファイルの退避や削除などの処理をすればよい。
【0068】
ルーム削除部31は、チャットルームの削除処理をする部分であり、上記したように、チャットルームで利用された情報を削除し、チャットルームの参加者の情報処理装置との接続を解除する。
たとえば、文書管理装置SVに記憶されているチャットルームに関する情報のうち、チャットルームの開始時に作成されたチャットルーム情報44を削除する。
【0069】
記憶部40は、この発明の文書管理装置の各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部40には、たとえば、設定データ41、文書情報42、選択参加者情報43、チャットルーム情報44、ログ情報45などが記憶される。
【0070】
設定データ41は、分類に対応づけたチャットルームを生成するために利用される設定内容を予め記憶した情報(ルーム生成設定情報)である。
設定データ41は、チャットルームを利用した文書の共有管理を始める前に、設定される情報であり、たとえば、文書管理装置の管理担当者、利用ユーザーなどによって設定入力される。
【0071】
図3に、文書管理装置の記憶部40に記憶される設定データの一実施例の説明図を示す。
図3の設定データ41では、文書ファイルの種類(分類)に対応付けた7つの設定項目を示している。
ここでは、設定項目として、「対象フォルダ」、「チャットルーム生成方法」、「ユーザー指定方法」、「共有者」、「特定ユーザー」、「終了条件」、「ログ保存方法」を示している。
ただし、設定項目は、これら7つの項目に限るものではなく、他の設定項目を追加してもよい。
【0072】
また、
図3では、文書ファイルの種類(分類)の例として、「見積もり」、「注文書」、「議事録」、「報告書」、「日報」、「勤怠表」、「予算表」、「未分類」を示している。
文書ファイルの種類(分類)は、これらの分類に限るものではなく、必要に応じて、追加、変更、削除してもよく、たとえば、日程表、決裁書などの分類を、追加設定してもよい。
【0073】
「対象フォルダ」は、分類フォルダを意味し、分類された文書ファイルを保存する記憶領域のパス名やフォルダ名を示している。
たとえば、「見積もり」という分類の「対象フォルダ」は、「xxx\yyy\取引」であり、取引という分類フォルダの中に、分類された文書ファイルが保存される。
「見積もり」という分類の「対象フォルダ」は、
図4に示した見積もりフォルダに相当する。
また、「未分類」という分類の「対象フォルダ」は、「xxx\yyy」であり、yyyという分類フォルダの中に、分類できなかった文書ファイルが保存される。
「未分類」という分類の「対象フォルダ」は、
図4に示した未分類フォルダに相当する。
【0074】
「チャットルーム生成方法」は、チャットルームを生成する時期(タイミング)を意味し、ここに設定された時期に、チャットルームが生成される。
ここでは、チャットルームを生成する時期としては、主に、2つの時期があるものとする。
1つは、文書ファイルを保存したとき(ファイル保存時)と、もう1つは、時期が指定された一定時期である。
一定時期とは、毎年、毎月あるいは毎日というように、決まった時期(年月日)を意味する。
【0075】
たとえば、「見積もり」という分類の「チャットルーム生成方法」は、「ファイル保存時」であるので、文書ファイルの種類(分類)が「見積もり」に分類される文書ファイルが文書管理装置に保存されたときに、「見積もり」という分類に対応するチャットルームが生成される。
同様に、「注文書」、「議事録」、「報告書」、「未分類」という分類についても、
「チャットルーム生成方法」は「ファイル保存時」であるので、それぞれの文書ファイルの種類(分類)に対応した文書ファイルが文書管理装置に保存されたときに、それぞれの分類に対応するチャットルームが生成される。
【0076】
一方、「日報」という分類の「チャットルーム生成方法」は、「一定時期:毎日17時」であるので、毎日、17時に、「日報」という分類に対応するチャットルームが生成される。
すなわち、「日報」という分類に属する文書ファイルが、文書管理装置に保存されていても保存されていなくても、毎日、17時になった時点で、「日報」という分類に対応するチャットルームが生成される。
同様に、「勤怠表」、「予算表」という分類についても、「チャットルーム生成方法」は、「一定時期」であり、一定時期の時刻が設定されているので、その設定された時期になると、それぞれの分類に属する文書ファイルの保存の有無にかかわらず、自動的に、それぞれの分類に対応するチャットルームが生成される。
【0077】
「ユーザー指定方法」は、チャットルームの参加者の選択方法に相当し、チャットルームに参加可能なユーザーを選択する方法が設定されている。
ここでは、「ユーザー指定方法」として、たとえば、「共有ユーザー」と、「特定ユーザーにて確認」と、「ファイル生成者にて確認」の3つの方法があるものとする。
「ユーザー指定方法」が「共有ユーザー」の場合、後述する「共有者」に設定されているユーザーが、チャットルームに参加可能なユーザーとして選択される。
【0078】
たとえば、「注文書」という分類の「ユーザー指定方法」には「共有ユーザー」が設定され、「共有者」に「事務01/事務02/事務03」が設定されているので、チャットルームに参加可能なユーザーとして、「事務01/事務02/事務03」に対応する3人のユーザーが、チャットルームの参加者として選択される。
「ユーザー指定方法」に「共有ユーザー」が設定されている他の分類(報告書、日報等)についても、同様に、それぞれの分類に対応する「共有者」に設定されているユーザーが、チャットルームに参加可能なユーザーとして選択される。
【0079】
また、「ユーザー指定方法」が「特定ユーザーにて確認」の場合、後述する「特定ユーザー」に設定されているユーザーが、チャットルームに参加可能なユーザーとして選択され、さらに、この特定ユーザーによって、チャットルームに参加可能なユーザーが選択される。
たとえば、「見積もり」という分類の「ユーザー指定方法」には「特定ユーザーにて確認」が設定され、「特定ユーザー」に「事務01/事務02」が設定されているので、まず、この2人のユーザーが、チャットルームの参加者として選択される。
さらに、たとえば、「共有者」に設定されているユーザーのうち、特定ユーザーを除く「事務03/開発01」のユーザーを参加者候補とし、この参加者候補を参加者として選択してもよいか否かを問い合わせる参加者確認要求を、上記の2人の特定ユーザーに送信する。
【0080】
2人の特定ユーザー「事務01/事務02」が、参加者確認要求で選定したすべての参加者候補の参加を認める応答を送信した場合には、上記の参加者候補である2人のユーザー「事務03/開発01」が、チャットルームの参加者として選択される。
あるいは、2人の特定ユーザー「事務01/事務02」が、参加を認めるユーザーを指定した応答を送信した場合には、その指定されたユーザーを、チャットルームの参加者として選択してもよい。
【0081】
さらに、「ユーザー指定方法」が「ファイル生成者にて確認」の場合、ファイル生成者であるユーザーが、チャットルームに参加可能なユーザーとして選択され、さらに、このファイル生成者によって、チャットルームに参加可能なユーザーが選択される。
たとえば、「議事録」という分類の「ユーザー指定方法」には「ファイル生成者にて確認」が設定されているので、まず、このファイル生成者のユーザーが、チャットルームの参加者として選択される。
ファイル生成者は、情報処理装置TEで文書ファイルを作成し、文書管理装置SVに文書ファイルの保存要求を送信したユーザーである。
【0082】
次に、たとえば、「議事録」という分類の「共有者」に設定されている「開発01/開発02/開発03/管理職01」の4人のユーザーを参加者候補とし、この参加者候補を参加者として選択してもよいか否かを問い合わせる参加者確認要求を、上記のファイル生成者に送信する。
ファイル生成者が、参加者確認要求で選定したすべての参加者候補の参加を認める応答を送信した場合には、上記の参加者候補である4人のユーザーが、チャットルームの参加者として選択される。
あるいは、ファイル生成者が、参加を認めるユーザーを指定した応答を送信した場合には、その指定されたユーザーを、チャットルームの参加者として選択してもよい。
【0083】
「共有者」は、上記したように、「ユーザー指定方法」に「共有ユーザー」が設定されている場合に、チャットルームの参加者として選択されるユーザーを予め設定した情報である。
「ユーザー指定方法」に「共有ユーザー」が設定されている場合は、「共有者」に設定されているユーザーが、必ず、チャットルームの参加者として選択される。
【0084】
「特定ユーザー」は、上記したように、「ユーザー指定方法」に「特定ユーザーにて確認」が設定されている場合に、チャットルームの参加者として選択されるユーザーを予め設定した情報である。
この「特定ユーザー」は、必ず、チャットルームの参加者として選択される。
また、「特定ユーザー」は、チャットルームに参加する者を選択することができるユーザーであり、自らの意思により、チャットルームに参加する者を直接追加することができるようにしてもよい。
さらに、「特定ユーザー」は、チャットルームの「終了条件」に設定されるユーザーでもある。
【0085】
「終了条件」は、チャットルームを終了させるための条件を設定した情報である。
この「終了条件」が満たされた場合に、チャットルームを終了させることが可能となる。
参加者や管理担当者が、チャットルームを終了させる入力操作をする必要はなく、「終了条件」が満たされた場合、自動的に、チャットルームを終了させる処理を実行する。
【0086】
図3の「終了条件」において、「共有者が全員確認完了」が設定されている場合、たとえば、チャットルームに参加しているすべての共有者が、共有されている文書ファイルの内容を確認し、文書ファイルの内容に問題がなく、承認応答をした場合、「共有者が全員確認完了」に該当し、チャットルームを終了させる「終了条件」が満たされたと判断する。
【0087】
また、
図3の「終了条件」に「特定ユーザーが全員確認完了」が設定されている場合は、チャットルームに参加しているすべての特定ユーザーが、共有されている文書ファイルの内容を確認し、文書ファイルの内容に問題がなく、承認応答をした場合、「特定ユーザーが全員確認完了」に該当し、チャットルームを終了させる「終了条件」が満たされたと判断する。
【0088】
また、
図3の「終了条件」に「特定ユーザーが終了」が設定されている場合は、チャットルームに参加している特定ユーザーが、チャットルームを終了させる所定の入力操作をして、チャットルームの終了要求を送信した場合に、「特定ユーザーが終了」に該当し、チャットルームを終了させる「終了条件」が満たされたと判断する。
【0089】
「ログ保存方法」は、ログ情報を保存する方法を設定した情報である。
たとえば、チャットルームを終了させる「終了条件」が満たされ、チャットルームを終了するときに、
図3に示すような「ログ保存方法」に設定された方法で、ログ情報を保存する。
ただし、「ログ保存方法」は、
図3に示す「ログ保存方法」に限るものではない。
文書管理装置の管理担当者等が、他の「ログ保存方法」を設定してもよい。
【0090】
図3の「ログ保存方法」において、「ファイル名に特定文字を付けて保存」が設定されている場合、たとえば、ログ情報を保存するファイルのファイル名に、日付や分類名、文書ファイル名など、あとでログ情報を識別することが可能な文字列を含ませて、ログ情報を保存する。
【0091】
また、
図3の「ログ保存方法」において、「チャットログ用フォルダを作成して保存」が設定されている場合、たとえば、文書ファイルが保存されている分類フォルダとは異なる名称のログフォルダを作成して、そのログフォルダに、ログ情報を保存する。
【0092】
また、
図3の「ログ保存方法」において、「指定ファイル名にて保存」が設定されている場合、たとえば、文書ファイル作成者や管理担当者に、ログ情報を保存するファイルのファイル名を指定してもらい、指定されたファイル名を持つファイルとして、ログ情報を保存する。
【0093】
文書情報42は、上記したように、情報処理装置TEから送信された文書ファイルを含む情報である。
文書情報42は、取得した文書ファイルの種類によって分類され、上記した
図4に示すような文書管理装置の文書情報記憶領域に設定された分類フォルダに記憶される。
【0094】
選択参加者情報43は、参加者選択部23によって選択されたチャットルームに参加するユーザーに関する情報を記憶したものである。
選択参加者情報43には、たとえば、ユーザー名、そのユーザーが所有する情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス)などが含まれる。
【0095】
チャットルーム情報44は、文書ファイルの分類に対応して生成されたチャットルームに関する情報を記憶したものである。
チャットルームに関する情報には、チャットルームのルーム名や分類名や、チャットルームで発言された情報などが含まれる。
図5に、文書管理装置の記憶部40に記憶されるチャットルーム情報の一実施例の説明図を示す。
図5のチャットルーム情報44には、ルーム名、分類名、参加者名、文書ファイル、ユーザー確認可否、発言情報を含むものを示している。
ただし、チャットルーム情報44には、これ以外の情報、たとえば、チャットルームの開始時刻や、チャットルーム情報の変更履歴などを含めてもよい。
【0096】
図5では、2つのチャットルーム情報44を示している。
1つ目のチャットルーム情報44は、ルーム名が「CR01」というチャットルームに関する情報を記憶したものであり、保存されている文書ファイルの種類の分類名が「注文書」であり、その「注文書」に対応する分類フォルダに、2つの文書ファイル「FL01」、「FL02」が保存されていることを示している。
また、このチャットルームに参加しているユーザーは3名であり、そのユーザーの参加者名が、「US01」、「US02」、「US03」であることを示している。
【0097】
さらに、「ユーザー確認可否」では、2つの文書ファイル「FL01」、「FL02」の確認が済んだ者(確認済者)と、確認していない者(未確認者)が記憶されている。
確認済者は、文書ファイルの内容を確認しその内容を承認した者を意味する。
未確認者は、文書ファイルの内容の確認がまだ終わっていない者を意味し、たとえば、文書ファイルの内容の確認中か、あるいは、その内容を否認した者に相当する。
ここでは、ユーザーUS01とUS03は文書ファイルの確認をしたが、ユーザーUS02は、まだ文書ファイルの確認をしていないことを示している。
また、「発言情報」には、チャットルームの各参加者が発言した内容、あるいは書き込んだ内容などを含む情報(US01REC、US02REC、US03REC)が記憶されている。
【0098】
2つ目のチャットルーム情報44は、ルーム名が「CR02」というチャットルームに関する情報を記憶したものであり、保存されている文書ファイルの種類の分類名が「議事録」であり、その「議事録」に対応する分類フォルダに、文書ファイル「FL11」が保存されていることを示している。
また、このチャットルームに参加しているユーザーは4名であり、そのユーザーの参加者名が、「US11」、「US12」、「US13」、「US14」であることを示している。
【0099】
さらに、「ユーザー確認可否」では、文書ファイル「FL11」の確認が済んだ者(確認済者)として、「US11」と「US12」が記憶され、確認していない者(未確認者)として、「US13」と「US14」が記憶されている。
また、「発言情報」には、チャットルームの各参加者が発言した内容、あるいは書き込んだ内容などを含む情報(US11REC、US12REC、US13REC、US14REC)が記憶されている。
【0100】
ログ情報45は、上記したように、チャットルームの開催中に実行された処理内容の履歴を含む情報であり、たとえば、上記したチャットルーム情報44を、ログ情報45として記憶してもよい。
【0101】
<情報処理装置の構成>
図2に、この発明の情報処理装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
情報処理装置(TE)2は、チャットルームに参加する参加者が所有する装置であり、チャットルーム実行中において、チャットルームで共有される文書ファイルを表示し、参加者がその文書ファイルの確認や変更をする装置に相当する。
【0102】
また、情報処理装置(TE)2は、チャットルームで共有される文書ファイルを作成する者(ファイル生成者)が所有する装置でもある。
ファイル生成者が所有する情報処理装置TEでは、主に、文書ファイルを生成し、その文書ファイルを、文書管理装置SVに送信する。
【0103】
図2において、この発明の情報処理装置(TE)2は、主として、制御部61、操作部62、表示部63、通信部64、文書作成部65、文書保存要求部66、ルーム情報取得部67、文書確認応答部68、ルーム終了処理部69、記憶部80を備える。
【0104】
制御部61は、情報処理装置の操作部や通信部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の文書作成機能などを実行する。
【0105】
操作部62は、情報処理装置TEのユーザーが所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、所定の入力操作をすることによって、たとえば、文書ファイルの作成、文書情報の保存要求、文書確認要求に対する確認応答の送信などを行う。
【0106】
表示部63は、情報を表示する部分であり、チャットルームの各機能の実行に必要な情報や、チャットルームの進行状況や、各参加者の発言情報や、チャットルームで共有される文書ファイルなどを、ユーザーに知らせるために表示する。
この他にも、表示部63には、チャットルームに利用する設定項目や選択可能な機能項目や、各機能の操作画面などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
表示部63としては、たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部62としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部63とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
【0107】
通信部64は、ネットワーク3を介して、文書管理装置SVや他の情報処理装置TEとデータ通信をする部分である。
たとえば、情報処理装置TEのユーザーが作成した文書ファイルや書き込んだ文字情報等を、文書管理装置SVに送信する。
また、文書管理装置SVから転送されてきた文書ファイルや文書確認要求等を受信する。
【0108】
文書作成部65は、文書ファイルを作成する部分である。
たとえば、情報処理装置TEのユーザーが経理担当者であれば、商品の注文書を作成する。
情報処理装置TEのユーザーが技術開発者であれば、技術報告書や打合せ議事録を作成する。
情報処理装置TEのユーザーが営業担当者であれば、見積書や営業日報を作成する。 作成された文書ファイルは、作成者や作成日時等の情報を含めて、入力文書情報82として、情報処理装置TEの記憶部80に記憶される。
【0109】
また、作成された文書ファイルを他のユーザーに確認してもらいたい場合は、その文書ファイルを文書管理装置SVに送信する。
文書ファイルを保存した文書管理装置SVでは、その文書ファイルの種類に対応したチャットルームが生成され、文書ファイルの種類に対応して予め設定された参加者にチャットルームへの参加を要求し、チャットルームを介して、各参加者に文書ファイルの確認を要求することができる。
【0110】
文書保存要求部66は、文書管理装置SVに対して、作成された文書ファイルを保存することを要求する部分である。
たとえば、文書ファイルを作成したユーザーのユーザー名、情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス)、文書ファイルそのものを含む文書情報保存要求を、文書管理装置SVに送信する。
文書情報保存要求を受信した文書管理装置SVでは、文書情報保存要求に含まれる文書ファイルを取得し、文書ファイルを分類し、チャットルームに参加するユーザーを選択し、文書ファイルの種類(分類)に対応したチャットルームを生成する。
【0111】
ルーム情報取得部67は、文書管理装置SVから送信されるチャットルームに関する情報を取得する部分である。
たとえば、文書管理装置SVでチャットルームが生成された場合、選択された参加者の所有する情報処理装置TEに、ルーム開始情報が送信されるので、そのルーム開始情報を取得する。
【0112】
ルーム開始情報は、チャットルームへの参加を要求する情報であり、上記したように、チャットルームで共有される文書ファイルなどが含まれる。
取得したルーム開始情報は、記憶部80に取得文書情報83として記憶され、チャットルームへの参加が要求されていることが、表示部63に表示される。
情報処理装置TEのユーザーは、表示部63に表示されたルーム開始情報を確認することによって、どのようなチャットルームが生成され、参加要求がされていることを知ることができる。
【0113】
文書確認応答部68は、文書管理装置SVから送信される文書確認要求に対して、確認応答を文書管理装置SVに送信する部分である。
情報処理装置TEのユーザーは、共有する文書ファイルの内容を確認した後、文書ファイルの内容を承認するか、または否認するかを示す所定の入力操作をする。
この入力操作をすることによって、承認を意味する確認応答、あるいは、否認を意味する確認応答が、文書管理装置SVに送信される。
【0114】
ルーム終了処理部69は、チャットルームを終了させる処理をする部分である。
たとえば、文書管理装置SVからルーム終了情報を受信した場合に、チャットルームを終了させる処理をする。
あるいは、情報処理装置TEのユーザーが、チャットルームを終了させる所定の入力操作(退出操作)をした場合に、チャットルームを終了させる処理をする。
チャットルームを終了させる処理では、たとえば、チャットルームの開始時に取得した情報や、チャットルームで実行された処理によって取得された情報などが削除される。
【0115】
記憶部80は、この発明の情報処理装置TEの各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部80には、たとえば、設定データ81、入力文書情報82、取得文書情報83などが記憶される。
【0116】
設定データ81は、上記した文書管理装置SVで予め設定記憶されている設定データ41に相当する。
原則として、設定データ81は、文書管理装置SVから取得され、チャットルームに関する情報の編集作業等に利用される。
または、情報処理装置TEで設定データ81を作成してもよく、作成された設定データは、文書管理装置SVに送信される。
ただし、情報処理装置TEで設定データ81を変更等する必要がなければ、設定データ81は記憶しなくてもよい。
【0117】
入力文書情報82は、上記したように、情報処理装置TEで作成された文書ファイルを含む情報であり、文書情報保存要求によって、文書管理装置SVに送信される。
取得文書情報83は、文書管理装置SVから取得した文書情報であり、チャットルームで共有される文書ファイルが含まれる。
【0118】
<チャットルームの生成および実行処理>
図6に、文書共有管理システムにおけるチャットルーム生成処理と実行処理の一実施例の通信シーケンスを示す。
ここでは、文書管理装置SVと、2台の情報処理装置(TE1、TE2)がネットワーク3を介して接続され、1つの情報処理装置TE1で文書ファイルが作成され、文書管理装置SVで、この文書ファイルの分類に対応づけられたチャットルームが生成され、他の情報処理装置TE2のユーザーに参加を要求し、これらの装置間で、チャットルームの所定の機能が実行される場合について説明する。
【0119】
図6のステップS01において、文書管理装置SVで、設定データが作成され、文書管理装置SVの記憶部40に、設定データ41が記憶されているものとする。
ステップT01において、情報処理装置TE1で、情報処理装置TE1のユーザーによって、文書ファイルが作成されたとする。
ステップT02において、作成された文書ファイルを保存することを要求する文書情報保存要求を、文書管理装置SVに送信する。
文書情報保存要求には、たとえば、ユーザー名、情報処理装置TE名(IPアドレス)、文書ファイルが含まれる。
【0120】
ステップS02において、文書管理装置SVが、文書情報保存要求を受信する。
ステップS03において、文書取得部21が、文書情報保存要求に含まれる文書ファイルを取得する。
ステップS04において、文書分類部22が、文書ファイルを分類する。
文書ファイルの分類は、上記したような方法で行われ、文書ファイルの種類(分類)が設定される。
【0121】
ステップS05において、設定データ41を利用して、チャットルームの参加者を選択する。
設定データ41において、分類された文書ファイルの種類(分類)に対応づけられた「ユーザー指定方法」に基づいて、参加者を選択する。
ここで、「ユーザー指定方法」に「共有ユーザー」が設定されている場合は、設定データの中の対応する「共有者」に設定されているユーザーが、参加者として選択される。
【0122】
また、「ユーザー指定方法」に「特定ユーザーにて確認」が設定されている場合は、設定データの中の対応する「特定ユーザー」が参加者として選択される。
さらに、特定ユーザーによって他の参加者を選択確認または追加してもらう処理を行う。
【0123】
あるいは、「ユーザー指定方法」に「ファイル生成者にて確認」が設定されている場合は、文書ファイルを作成しその保存要求をしたユーザー(ファイル生成者)が参加者として選択され、さらに、ファイル生成者によって他の参加者を選択確認または追加してもらう処理を行う。
この特定ユーザーまたはファイル生成者による参加者の選択確認処理の実施例については、後述する
図8を利用して説明する。
選択された参加者は、選択参加者情報43として、記憶部40に記憶される。
【0124】
ステップS06において、チャットルーム情報を生成する。
たとえば、
図5に示すようなチャットルーム情報44が生成され、チャットルームを開始する準備がされる。
ステップS07において、チャットルーム情報を利用して、チャットルームへの参加を要求するルーム開始情報が作成され、ルーム開始情報を、各参加者が所有する情報処理装置TEに送信する。
ルーム開始情報には、たとえば、ルーム名、情報処理装置TEを所有している参加者のユーザー名、文書ファイルなどが含まれる。
たとえば、選択された参加者が、2台の情報処理装置(TE1、TE2)の所有者であったとすれば、ルーム開始情報が、2台の情報処理装置(TE1、TE2)にそれぞれ送信される。
【0125】
ステップT03において、情報処理装置(TE1、TE2)のそれぞれが、ルーム開始情報を受信する。
ステップT04において、情報処理装置(TE1、TE2)が、参加可能な状態にあれば、参加応答を、文書管理装置SVに送信する。
あるいは、情報処理装置(TE1、TE2)において、ルーム開始情報を受信した場合、チャットルームに関する情報を表示させて、ユーザーに参加要求があったことを知らせ、ユーザーが、参加を許可する入力操作をした場合に、参加応答を、文書管理装置SVに送信してもよい。
ステップT05において、受信したルーム開始情報に含まれる文書ファイルを記憶部80に記憶する。
【0126】
ステップS08において、文書管理装置SVが、情報処理装置(TE1、TE2)から送信される参加応答を、受信する。
この後、情報処理装置(TE1、TE2)は、文書ファイルを共有し、チャットルームを利用できる状態となる。
【0127】
ステップS09において、文書管理装置SVが、共有する文書ファイルについて、文書確認要求を、参加している情報処理装置(TE1、TE2)に送信する。
文書確認要求には、たとえば、ルーム名、参加者のユーザー名などが含まれる。
ステップT06において、情報処理装置(TE1、TE2)が、文書確認要求を受信する。
ステップT07において、情報処理装置(TE1、TE2)が、共有する文書ファイルを、表示部63に表示する。
【0128】
ステップS10とステップT08において、チャットルームの機能が実行される。
チャットルームでは、たとえば、情報処理装置(TE1、TE2)の各ユーザーが、互いにメッセージを交換し、共有する文書ファイルに対する意見や修正等を書き込み、文字等を利用したコミュニケーションを行う。
図示していないが、たとえば、共有する文書ファイルの修正が必要な場合は、情報処理装置のユーザーが、修正した文書ファイルを文書管理装置SVに送信し、共有する文書ファイルを更新してもよい。
また、チャットルームの実行中に行われた処理は、ログ情報に記憶される。
【0129】
ステップT09において、文書確認要求に対して、情報処理装置(TE1、TE2)の各ユーザーが、文書ファイルの確認入力をする。
共有する文書ファイルの内容に問題が無い場合は、承認を意味する入力をし、共有する文書ファイルの内容に問題がある場合は、否認を意味する入力をする。
【0130】
ステップT10において、承認を意味する入力がされた場合は、承認の確認応答を、文書管理装置SVに送信する。
承認の確認応答には、たとえば、ユーザー名と、承認を意味する情報が含まれる。
一方、否認を意味する入力がされた場合は、否認の確認応答を、文書管理装置SVに送信する。
否認の確認応答には、たとえば、ユーザー名と、否認を意味する情報が含まれる。
【0131】
ステップS11において、情報処理装置(TE1、TE2)から送信される確認応答を受信する。
確認応答の内容は、上記したチャットルーム情報44のユーザー確認可否に記憶される。承認の確認応答をしてきたユーザーは、確認済者として記憶され、否認の確認応答をしてきたユーザーは、未確認者として記憶される。
上記したように、たとえば、チャットルームの終了条件が、「共有ユーザーが全員確認完了」であった場合、チャットルームに参加している情報処理装置(TE1、TE2)のユーザーが、承認の確認応答を送信した場合に、チャットルームが終了される。
【0132】
<チャットルームの終了処理>
ここでは、文書管理装置SVに予め記憶されている設定データ41の終了条件が満たされるか否かを判定し、終了条件が満たされた場合に、ログの保存やチャットルームの削除処理等が行われる。
図7に、文書共有管理システムにおけるチャットルーム終了処理の一実施例の通信シーケンスを示す。
図7において、
図6に示した確認応答の送受信に関するステップS11とステップT10を示しているが、ステップS11において、全ての参加者の所有する情報処理装置TEから、承認の確認応答が、文書管理装置SVに送信されたとする。
【0133】
図7のステップS21において、文書管理装置SVが、ルーム終了判定処理を行う。
ルーム終了判定処理では、文書管理装置SVに予め記憶されている設定データ41を利用して、現在開かれているチャットルームの分類に対応する終了条件を満たすか否かがチェックされる。
たとえば、現在開かれているチャットルームの分類が「注文書」である場合、
図3の設定データ41において、その分類に対応する終了条件は、「共有ユーザーが全員確認完了」であるので、参加者であるすべての共有ユーザーが、承認の確認応答を送信してきたか否かがチェックされる。
すべての共有ユーザーから承認の確認応答が送信されてきた場合に、終了条件を満たすと判定される。
【0134】
また、現在開かれているチャットルームの分類が「見積もり」である場合、
図3の設定データ41において、その分類に対応する終了条件は、「特定ユーザーが全員確認完了」であるので、参加者のうち、すべての特定ユーザーが、承認の確認応答を送信してきたか否かがチェックされる。
図3の設定データ41では、「見積もり」に対応する特定ユーザーは、事務01と事務02であるので、この2人の特定ユーザー(事務01、事務02)から、承認の確認応答が送信されてきたか否かがチェックされ、2人の特定ユーザーから承認の確認応答が送信されてきた場合に、終了条件を満たすと判定される。
【0135】
終了条件を満たすと判定された場合に、以下の処理を実行する。
ステップS22において、ログの保存処理を実行する。
ログの保存処理は、文書管理装置SVに予め記憶されている設定データ41のログ保存方法を利用して行われる。
【0136】
たとえば、設定データ41のログ保存方法が「ファイル名に特定文字を付けて保存」の場合は、ログ情報のファイル名に、日付や文書ファイル名、分類などからなる特定文字が付与されて、ログ情報が自動的に保存される。
ログ情報は、チャットルームの分類に対応する分類フォルダの中に保存される。
【0137】
あるいは、設定データ41のログ保存方法が「チャットログ用別フォルダを作成して保存」の場合は、たとえば、チャットログ用のフォルダが新たに作成され、ログ情報のファイル名に、どのチャットルームのログであるかが分かるような識別情報が付与され、ログ情報が、新たに作成されたフォルダ内に、自動的に保存される。
また、設定データ41のログ保存方法が「指定ファイル名にて保存」の場合は、参加者のいずれか一人あるいはファイル作成者によって、ログ情報のファイル名が指定入力され、指定されたファイル名が付与されたログ情報が、チャットルームの分類に対応する分類フォルダの中に保存される。
【0138】
ステップS23において、ルーム終了情報を、参加していたすべてのユーザーが所有する情報処理装置TEに、送信する。
ルーム終了情報には、たとえば、ルーム名と、ユーザー名とが含まれる。
ステップT21において、各情報処理装置TEが、ルーム終了情報を受信する。
ルーム終了情報を受信すると、各情報処理装置TEでは、文書管理装置SVとを接続を切断し、チャットルームの実行中に記憶していた情報を削除する。あるいは、残しておくべき情報があれば、所定の記憶領域に、その情報を保存してもよい。
【0139】
ステップS24において、文書管理装置SVは、ルーム削除処理を実行する。
ルーム削除処理では、たとえば、チャットルーム情報44を削除する。
以上のように、所定の終了条件が満たされた場合に、ログの保存と、チャットルームの削除処理が自動的に行われるので、チャットルームの終了時における参加者の操作負担を軽減できる。
【0140】
<チャットルームの参加者の選択確認処理>
図8に、文書共有管理システムにおける参加者の選択確認処理の一実施例の通信シーケンスを示す。
チャットルームの参加者は、上記したように、設定データ41の「ユーザー指定方法」によって選択される。
たとえば、設定データ41の「ユーザー指定方法」が「共有ユーザー」の場合は、設定データ41に設定されている「共有者」が、チャットルームの参加者に設定される。
【0141】
一方、設定データ41の「ユーザー指定方法」が「特定ユーザーにて確認」や「ファイル生成者にて確認」の場合は、チャットルームの参加者を決めるために、特定ユーザー、あるいは、ファイル生成者に、参加者の確認を要求する。
図8の参加者の選択確認処理は、特定ユーザーやファイル生成者に、参加者の確認を要求する場合の処理の実施例を示したものである。
図8の参加者の選択確認処理は、
図6に示したステップS05で行われる処理に相当する。
また、
図8の情報処理装置TEは、特定ユーザー、あるいはファイル生成者が所有する情報処理装置TEである。
【0142】
図8のステップS31において、設定データ41を利用して、参加者を選択する。
たとえば、
図3の設定データ41において、チャットルームの分類に対応する設定データ41の「ユーザー指定方法」に設定されている参加者を選択する。
ここで、上記したように、設定データ41の「ユーザー指定方法」が「共有ユーザー」の場合は、設定データ41に設定されている「共有者」が、チャットルームの参加者に設定され、以下の処理は実行されない。
【0143】
ただし、設定データ41の「ユーザー指定方法」が「特定ユーザーにて確認」や「ファイル生成者にて確認」の場合は、参加者候補を生成し、特定ユーザーあるいはファイル生成者に、参加者の確認を要求する。
【0144】
ステップS32において、設定データ41の「ユーザー指定方法」に基づいて、参加者候補を生成する。
たとえば、設定データ41の「ユーザー指定方法」が、「特定ユーザーにて確認」の場合、設定データ41の「共有者」と「特定ユーザー」を、参加者候補とする。
あるいは、設定データ41の「ユーザー指定方法」が、「ファイル生成者にて確認」の場合、「共有者」と、文書ファイルを送信してきたファイル生成者を、参加者候補とする。
【0145】
ステップS33において、参加者確認要求を、情報処理装置TEに送信する。
参加者確認要求には、たとえば、ルーム名、ユーザー名、参加者候補などが含まれる。
設定データ41の「ユーザー指定方法」が「特定ユーザーにて確認」の場合は、設定データ41の「特定ユーザー」が所有する情報処理装置TEに、参加者確認要求を送信する。
設定データ41の「ユーザー指定方法」が「ファイル生成者にて確認」の場合は、ファイル生成者が所有する情報処理装置TEに、参加者確認要求を送信する。
【0146】
ステップT31において、情報処理装置TEが、参加者確認要求を受信する。
ステップT32において、参加者確認要求に含まれる参加者候補を取得する。
ステップT33において、情報処理装置TEの表示部63に、参加者候補を表示する。
情報処理装置TEのユーザーは、表示部63に表示された参加者候補を確認し、表示された参加者候補のユーザーの全員が、チャットルームに参加しても問題ないか、あるいは、参加するユーザーを変更等すべきかを判断する。
【0147】
参加者候補のユーザーの全員が、チャットルームに参加しても問題ない場合は、情報処理装置TEのユーザーは、参加者候補を承認する入力操作をする。
また、参加するユーザーを変更したい場合は、参加するユーザーを削除あるいは追加する入力操作をする。
ステップT34において、情報処理装置TEのユーザーによって、参加者候補を承認する入力、または参加者候補を変更する入力がされたことをチェックする。
【0148】
ステップT35において、参加者確認要求に対する応答として、情報処理装置TEのユーザーによって確定された参加者を含む応答を、文書管理装置SVに送信する。
情報処理装置TEのユーザーが参加者候補を承認する入力をした場合は、承認を意味する応答を送信すればよい。
また、参加者候補が変更された場合は、変更後の参加者名を含む応答を送信すればよい。
【0149】
ステップS34において、文書管理装置SVが、確定された参加者を含む応答を受信する。
ステップS35において、確定された参加者を、チャットルームの参加者に設定する。
その後、
図6のステップS06において、チャットルーム情報を生成し、ステップS07において、チャットルーム開始情報を、上記のようにして確定された参加者の所有する情報処理装置TEに、送信する。
【0150】
<一定時期のチャットルーム開催処理>
ここでは、
図3に示した設定データ41の「チャットルーム生成方法」に、「一定時期」と開始時刻が設定されている場合に、実行されるチャットルーム開催処理について説明する。
図9に、文書管理装置における一定時期にチャットルームを開催する処理の一実施例のフローチャートを示す。
図9では、
図6のステップS02からステップS04に対応する処理のフローを示しており、このフローチャートが終了した後は、
図6のステップS05の参加者選択確認処理に進む。
【0151】
図9のステップS51において、設定データ41に記憶されているすべての「分類」に対応する「チャットルーム生成方法」をチェックする。
図3に示した設定データ41では、8つの分類に対応する「チャットルーム生成方法」をチェックする。
ステップS52において、「チャットルーム生成方法」に、「一定時期」の設定が存在する場合には、ステップS53に進み、そうでない場合は、ステップS51に戻る。
【0152】
ステップS53において、「一定時期」に設定されている時刻と、現在の日付とが一致するか否かをチェックする。
ステップS54において、「一定時期」に設定されている時刻と、現在の日付とが一致しているものがある場合は、ステップS55に進み、そうでない場合は、ステップS51に戻る。
【0153】
ステップS55において、日付フォルダを生成する。
日付フォルダは、たとえば、現在の日付のフォルダ名を有するフォルダであり、文書ファイルが格納された場所に、その日付フォルダを生成する。
図3に示した設定データ41において、たとえば、分類「日報」に対応する「チャットルーム生成方法」には、「一定時期:毎日17時」が設定されているので、毎日、現在時刻が17時になったときに、現在の日付のフォルダ名を有する日付フォルダが、文書ファイルが格納された場所に、生成される。
【0154】
ステップS56において、フォルダ内に設定されている分類ファイルが存在するか否かをチェックする。
ここで、フォルダとは、設定で指定されたフォルダを意味し、フォルダ内に設定されている分類ファイルとは、対象の分類に属するファイルを意味する。
たとえば、2021年度というフォルダにおいて、そのフォルダ内に設定されている分類ファイル(日報、議事録に属するファイル)が存在するか否かをチェックする。
【0155】
ステップS57において、フォルダ内に設定されている分類ファイルが存在する場合は、ステップS58に進み、そうでない場合は、このフローチャートの処理を終了し、
図6のステップS05の参加者選択確認処理に進む。
【0156】
ステップS58において、分類ファイルを、上記のステップS55で生成した日付フォルダに移動した後、
図6のステップS05の参加者選択確認処理に進む。
たとえば、分類ファイルである日報、議事録に属するファイルを、日付フォルダに移動する。
その後、
図6のステップS05以降に示した通信シーケンスと同様の処理が実行される。
【0157】
<この発明の実施例のまとめ>
(実施例1:チャットルーム開始タイミング)
この発明では、共有される文書ファイルの種類(分類)に対応させて、チャットルームを生成するが、そのチャットルームを開始する時期(タイミング)として、次の2つの実施例を示した。
(1)情報処理装置TEで作成された文書ファイルが、文書管理装置SVに保存された場合
(2)現在時刻が、文書管理装置SVに予め設定されている一定時期の時刻になった場合
【0158】
ただし、チャットルームを開始するタイミングは、上記のタイミングに限定するものではなく、他のタイミングでもよい。
たとえば、月初、月末の時期、あるいは、四半期決済の時期などの場合に、チャットルームを開始してもよい。
【0159】
(実施例2:チャットルームの参加者選択方法)
上記した実施例では、チャットルームの参加者を選択する方法として、3つの実施例を示した。
(1)文書管理装置SVの設定データに予め設定されている「共有者」を、チャットルームの参加者にする場合
(2)ファイル作成者により、チャットルームの参加者を選択確認するか、または、ファイル作成者が設定したユーザーをチャットルームの参加者にする場合
(3)文書管理装置SVの設定データに予め設定されている「特定ユーザー」により、チャットルームの参加者を選択確認するか、または、特定ユーザーが設定したユーザーをチャットルームの参加者にする場合
【0160】
ただし、チャットルームの参加者を選択する方法は、上記の選択方法に限定するものではなく、他の選択方法でもよい。
たとえば、過去のファイルチャットルームの履歴などを利用して、チャットルームの参加者を選択してもよい。
【0161】
(実施例3:チャットルームの終了条件)
上記した実施例では、チャットルームの終了条件として、3つの実施例を示した。
(1)チャットルームに参加しているすべての「共有ユーザー」が、共有する文書ファイルの確認をして承認を意味する応答を、文書管理装置SVに送信した場合
(2)チャットルームに参加しているユーザーのうち、すべての「特定ユーザー」が、共有する文書ファイルの確認をして承認を意味する応答を、文書管理装置SVに送信した場合
(3)チャットルームに参加しているユーザーのうち、「特定ユーザー」が、チャットルームを終了させる入力操作をして、チャットルームの終了要求を、文書管理装置SVに送信した場合
【0162】
ただし、チャットルームの終了条件は、上記の終了条件に限定するものではなく、他の終了条件でもよい。
たとえば、チャットルームの終了条件として、設定した期限に達した場合などを、設定してもよい。
【0163】
(実施例4:未分類フォルダに分類された文書ファイルに対する処理)
上記した実施例では、文書ファイルを分類するときに、文書ファイルが「未分類フォルダ」に分類された場合、「未分類フォルダ」に分類されたことを、文書ファイルを作成したユーザー等に通知し、通知したユーザーによって、分類が指定された場合に、文書ファイルを、その指定された分類フォルダに移動させることを示した。
指定された分類フォルダに移動させた後は、その分類に対応して設定されている設定データ41の設定項目の内容に基づいて、チャットルームが生成される。
【0164】
ただし、「未分類フォルダ」に分類された文書ファイルに対する処理は、上記の処理に限定するものではなく、他の処理をしてもよい。
たとえば、「未分類フォルダ」に分類された文書ファイルを移動せずに、
図3の設定データ41の分類「未分類」に示すように、「特定ユーザー」をチャットルームの参加者として設定し、さらに、その特定ユーザーによって、参加者を確認してもらうようにし、「未分類フォルダ」の分類に対応して設定されている設定データ41の設定項目の内容に基づいて、チャットルームを生成してもよい。
【0165】
あるいは、「未分類フォルダ」に分類された文書ファイルを移動せずに、「共有ユーザー」全員をチャットルームの参加者として設定し、「未分類フォルダ」の分類に対応して設定されている設定データ41の設定項目の内容に基づいて、チャットルームを生成してもよい。
また、「未分類フォルダ」に分類された文書ファイルに対する処理として、分類などを、設定してもよい。
【0166】
(実施例5:ログ情報の保存処理)
上記した実施例では、ログ情報の保存処理として、3つの実施例を示した。
(1)ログ情報のファイル名として、日付情報などの特定文字を付加して、自動的にそのファイル名が付加されたログ情報を、チャットルームの分類に対応する分類フォルダに保存する。
(2)ログ情報を保存するためのチャットログ用フォルダを新たに作成し、自動的に、そのチャットログ用フォルダに、ログ情報を保存する。
(3)チャットルームの参加者、たとえば、ファイル生成者によって、ログ情報のファイル名を指定してもらい、その指定されたファイル名が付加されたログ情報を、チャットルームの分類に対応する分類フォルダに保存する。
【0167】
ただし、ログ情報の保存処理は、上記の保存処理に限定するものではなく、他の保存処理でもよい。
たとえば、ログ情報の保存処理として、情報を保存するログサーバーへログ情報を送信することなどを行ってもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 文書管理装置(SV)、
2 情報処理装置(TE)、
3 ネットワーク、
11 制御部、
12 操作部、
13 表示部、
14 通信部、
21 文書取得部、
22 文書分類部、
23 参加者選択部、
24 ルーム開始処理部、
25 文書確認要求部、
26 ルーム実行処理部、
27 確認応答取得部、
28 ルーム終了判定部、
29 ログ生成部、
30 ルーム終了情報送信部、
31 ルーム削除部、
40 記憶部、
41 設定データ、
42 文書情報、
43 選択参加者情報、
44 チャットルーム情報、
45 ログ情報、
61 制御部、
62 操作部、
63 表示部、
64 通信部、
65 文書作成部、
66 文書保存要求部、
67 ルーム情報取得部、
68 文書確認応答部、
69 ルーム終了処理部、
80 記憶部、
81 設定データ、
82 入力文書情報、
83 取得文書情報