IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2022-188440原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
<>
  • 特開-原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 図1
  • 特開-原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 図2
  • 特開-原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 図3
  • 特開-原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188440
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20221214BHJP
   C01B 3/48 20060101ALI20221214BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20221214BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20221214BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20221214BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20221214BHJP
   H01M 8/04791 20160101ALI20221214BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20221214BHJP
【FI】
C01B3/38
C01B3/48
H01M8/04 J
H01M8/0612
H01M8/0432
H01M8/04746
H01M8/04791
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096469
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100202201
【弁理士】
【氏名又は名称】兒島 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯山 繁
(72)【発明者】
【氏名】楠山 貴広
(72)【発明者】
【氏名】田口 清
(72)【発明者】
【氏名】原田 千絵
【テーマコード(参考)】
4G140
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA06
4G140EA08
4G140EB32
4G140EB41
4G140EB43
5H126BB06
5H127AA06
5H127BA07
5H127BA12
5H127BA19
5H127BA34
5H127BA57
5H127DB79
5H127DC82
5H127DC83
(57)【要約】
【課題】改質器の温度上昇を抑制することに適した技術を提供する。
【解決手段】
原料処理システム41は、改質器1、第1流体機械5、第2流体機械6及び制御器31を備える。第1流体機械5は、改質器1に原料を供給する。第2流体機械6は、改質器1に添加流体を供給する。制御器31は、改質器1の温度上昇に応じて改質器1への添加流体の供給量が増加するように第2流体機械6を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質器と、
前記改質器に原料を供給する第1流体機械と、
前記改質器に添加流体を供給する第2流体機械と、
前記改質器の温度上昇に応じて前記改質器への前記添加流体の供給量が増加するように前記第2流体機械を制御する制御器と、を備える、
原料処理システム。
【請求項2】
前記制御器は、前記改質器の温度低下に応じて前記改質器への前記添加流体の供給量が低下するように前記第2流体機械を制御する、
請求項1に記載の原料処理システム。
【請求項3】
前記制御器は、前記改質器の温度が第1閾値温度よりも高いときに前記改質器への前記添加流体の供給量が増加し、前記改質器の温度が第2閾値温度よりも低いときに前記改質器への前記添加流体の供給量が低下するように、前記第2流体機械を制御する、
請求項1又は2に記載の原料処理システム。
【請求項4】
前記改質器から流出した水素含有流体が供給される燃料電池をさらに備え、
前記燃料電池から流出したオフガスが前記添加流体として前記第2流体機械に供給される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の原料処理システム。
【請求項5】
前記原料処理システムの外部の流体が前記添加流体として前記第2流体機械に供給される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の原料処理システム。
【請求項6】
改質器の温度上昇に応じて前記改質器における炭化水素の濃度を上昇させることによって、前記改質器における吸熱反応の反応平衡を反応進行側にシフトさせることを含む、
原料処理システムの運転方法。
【請求項7】
前記シフトにより、前記改質器におけるアンモニアの濃度を低下させる、
請求項6に記載の運転方法。
【請求項8】
前記吸熱反応は、水蒸気改質反応である、
請求項6又は7に記載の運転方法。
【請求項9】
原料を前記改質器に供給することと、
前記改質器の温度上昇に応じて前記原料の炭化水素の濃度よりも高い炭化水素の濃度を有する添加流体を前記改質器に供給することによって前記シフトを生じさせることと、を含む、
請求項6から8のいずれか一項に記載の運転方法。
【請求項10】
前記原料は、水素、一酸化炭素及び窒素を含み、炭化水素の濃度が可燃下限界未満である、
請求項9に記載の運転方法。
【請求項11】
前記原料における水素の濃度は、30体積%以上であり、
前記原料における一酸化炭素の濃度は、0.1体積%以上であり、
前記原料における窒素の濃度は、30体積%以上であり、
前記原料における炭化水素の濃度は、2体積%以下である、
請求項9又は10に記載の運転方法。
【請求項12】
前記原料は、前記原料処理システムの外部で生じた排気ガスである、
請求項9から11のいずれか一項に記載の運転方法。
【請求項13】
改質器に原料を供給することと、
前記改質器の温度上昇に応じて前記改質器への添加流体の供給量を増加させることと、を含む、
原料処理システムの運転方法。
【請求項14】
コンピュータによる実行時において、請求項13に記載の運転方法をコンピュータに実行させる指示を備えた、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読出可能な非一過性の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原料処理システム、原料処理システムの運転方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池を有するシステムが開示されている。このシステムでは、炭化水素系の原料が改質器に供給される。改質器のバーナで燃焼するオフガス流量を制御することにより、改質器の反応管の改質ガス出口温度が目標値に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-192742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、改質器の温度上昇を抑制することに適した技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、
改質器と、
前記改質器に原料を供給する第1流体機械と、
前記改質器に添加流体を供給する第2流体機械と、
前記改質器の温度上昇に応じて前記改質器への前記添加流体の供給量が増加するように前記第2流体機械を制御する制御器と、を備える、
原料処理システムを提供する。
【0006】
本開示は、
改質器の温度上昇に応じて前記改質器における炭化水素の濃度を上昇させることによって、前記改質器における吸熱反応の反応平衡を反応進行側にシフトさせることを含む、
原料処理システムの運転方法を提供する。
【0007】
本開示は、
改質器に原料を供給することと、
前記改質器の温度上昇に応じて前記改質器への添加流体の供給量を増加させることと、を含む、
原料処理システムの運転方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る技術は、改質器の温度上昇を抑制することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における燃料電池システムのブロック図
図2】改質器の温度及び第2ガス中のアンモニア濃度の関係を示す特性図
図3】改質器の温度及び第2ガス中のメタン濃度の関係を示す特性図
図4】実施の形態2における燃料電池システムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、改質器に関する検討がなされていた。改質器には、原料が供給される。
【0011】
原料には、炭化水素を含むものがある。そのような原料を用いる場合、改質器において、水蒸気改質反応により炭化水素及び水蒸気から水素及び一酸化炭素が生成されうる。水蒸気改質反応は、吸熱反応である。
【0012】
原料には、炭化水素をほとんど含まないものもある。そのような原料を用いる場合、改質器において、水蒸気改質反応は生じ難く、一方、メタン化反応は活発に生じうる。メタン化反応では、水素及び一酸化炭素からメタン及び水蒸気が生成される。メタン化反応は、発熱反応である。このため、炭化水素をほとんど含まない原料を用いる場合、改質器の温度が上昇しうる。
【0013】
改質器の温度の過度な上昇は、不利益をもたらしうる。例えば、原料が窒素を含む場合を考える。この場合、改質器の温度が高いと、アンモニアが生成され易い。アンモニアは、燃料電池に供給されると、燃料電池のアノード触媒を被毒し、燃料電池の発電効率を低下させうる。
【0014】
そこで、発明者らは、改質器における炭化水素の濃度を上昇させて吸熱反応である水蒸気改質反応を促進することにより、改質器の温度を下げることを検討した。
【0015】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0017】
(実施の形態1)
以下、図1から図3を用いて、実施の形態1を説明する。
【0018】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1における燃料電池システムのブロック図である。図1において、燃料電池システム41は、改質器1、CO低減器2、燃料電池3、燃焼器4、原料供給器5、添加流体供給器6、改質器温度検出器11、アノードオフガス供給経路21、添加流体供給経路22及び制御器31を備える。
【0019】
以下、原料供給器5を、第1流体機械5と称することがある。添加流体供給器6を、第2流体機械6と称することがある。本実施の形態では、第1流体機械5及び第2流体機械6は、ポンプである。改質器温度検出器11を、第1検出器11と称することがある。アノードオフガス供給経路21を、第1経路21と称することがある。添加流体供給経路22を、第2経路22と称することがある。
【0020】
改質器1の内部には、図示しない改質触媒が搭載されている。本実施の形態では、改質触媒は、アルミナ担体にルテニウムを担持させた触媒である。
【0021】
改質器1には、原料が供給される。改質器1では、原料を用いたメタン化反応が生じうる。本実施の形態のメタン化反応では、以下の化学式1に示すように、原料に含まれた水素及び一酸化炭素から、メタン及び水蒸気が生成されうる。以下、改質器1の出口に存するガスを、第1ガスと称する。改質器1の出口は、CO低減器2に向かって開口している。
化学式1:3H2+CO→CH4+H2
【0022】
改質器1では、水蒸気改質反応も生じうる。本実施の形態の水蒸気改質反応では、以下の化学式2に示すように、炭化水素及び水蒸気から、水素及び一酸化炭素が生成されうる。化学式2において、m及びnは自然数である。Cnmは、例えば、メタン、エタン、プロパン及びブタンからなる群より選択される少なくとも1つでありうる。
化学式2:Cnm+nH2O→nCO+(n+m/2)H2
【0023】
本実施の形態では、原料は、水素、一酸化炭素及び窒素を含む。一方、原料の炭化水素の濃度は、可燃下限界未満である。原料は、炭化水素をほとんど含んでいなくてもよい。原料は炭化水素をほとんど含まないとは、例えば、原料の炭化水素の濃度が2体積%未満であることを指す。
【0024】
一例では、原料は、吸熱型変成ガスである。一数値例では、原料における水素の濃度は、41体積%である。原料における一酸化炭素の濃度は、20体積%である。原料における窒素の濃度は、39体積%である。原料における炭化水素の濃度は、0.1体積%未満である。図2及び図3を参照して説明する後述の実験では、この数値例に係る吸熱型変成ガスを用いた。
【0025】
CO低減器2の内部には、図示しない変成触媒が搭載されている。本実施の形態では、変成触媒は、銅と亜鉛の合金である。
【0026】
CO低減器2は、改質器1から供給されるガスに含まれる一酸化炭素の濃度を低減する。本実施の形態のCO低減器2では、水性シフト反応が生じうる。この水性シフト反応では、以下の化学式3に示すように、一酸化炭素及び水蒸気から二酸化炭素及び水素が生成されうる。以下、CO低減器2の出口に存するガスを、第2ガスと称する。CO低減器2の出口は、燃料電池3に向かって開口している。
化学式3:CO+H2O→CO2+H2
【0027】
燃料電池3は、CO低減器2から供給されるガスに含まれる水素と、空気中の酸素とから、電力を得る。燃料電池3からは、未利用の水素が含まれるオフガスが排出される。
【0028】
本実施の形態では、燃料電池3は、固体高分子形燃料電池である。固体高分子形燃料電池は、アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素との電気化学反応により、電力を発生させる。
【0029】
固体高分子形燃料電池のアノードに用いられる触媒は、一酸化炭素及びアンモニアに対して脆弱である。発電効率を低下させないために許容される一酸化炭素の濃度は、一数値例では、10ppm以下である。発電効率を低下させないために許容されるアンモニアの濃度は、一数値例では、5ppm以下である。
【0030】
燃焼器4は、燃料及び空気を混合して燃焼させる。これにより、改質器1が加熱される。燃焼器5の燃料には、燃料電池3から供給されるオフガスが用いられる。
【0031】
第1流体機械5は、改質器1に原料を供給する。第1流体機械5は、原料の流量を調整できる。
【0032】
第2流体機械6は、改質器1に添加流体を供給する。第2流体機械6は、添加流体の流量を調整できる。本実施の形態では、添加流体は、添加ガスである。添加流体は、炭化水素を含む。具体的には、添加流体は、メタンを含む。
【0033】
第1検出器11は、改質器1の温度を検出する。具体的には、第1検出器11は、改質器1に搭載されている改質触媒の温度を検出する。本実施の形態では、第1検出器11は熱電対である。
【0034】
第1経路21は、燃料電池3から排出されるオフガスを燃焼器4に供給する。第2経路22は、第1経路21から分岐し、改質器1に接続されている。
【0035】
制御器31は、第1流体機械5及び第2流体機械6を制御する。具体的には、制御器31は、第1検出器11を用いて第2流体機械6を制御する。
【0036】
[1-2.動作]
以上のように構成された燃料電池システム41について、以下、その動作及び作用を説明する。燃料電池システム41の運転方法は、待機工程、起動工程、発電工程及び停止工程の4工程をこの順に含む。
【0037】
待機工程では、改質器1の温度、CO低減器2の温度及び燃焼器4の温度が、常温付近に維持される。待機工程では、第1流体機械5及び第2流体機械6は動作しない。起動工程が開始されるまでの期間において、待機工程が継続される。
【0038】
起動工程では、初めに、第1流体機械5が動作する。これにより、第1流体機械5、改質器1、CO低減器2、燃料電池3及び第1経路21を経由して燃焼器4へと流れる流体の流れが形成される。これにより、燃焼器4に燃料が供給される。次に、図示しない点火器により燃料が着火される。これにより、燃焼器4の燃焼が開始される。
【0039】
制御器31は、燃焼器4での燃焼により、改質器1の温度が第1の所定の範囲まで上昇し、かつ、CO低減器2の温度が第2の所定の範囲まで上昇するように、起動工程を実行する。
【0040】
改質器1では、原料に含まれる水素及び窒素から、以下の化学式4に示すように、アンモニアが生成されうる。この反応は、発熱反応である。生成されたアンモニアは、燃料電池3のアノード触媒を被毒しうる。このことは、発電効率を低下させうる。第1の所定の範囲は、このような発電効率の低下が顕在化しない範囲にアンモニアの濃度を抑えることができる、改質器1の温度範囲である。本実施の形態では、第1の所定の範囲は、150℃から400℃である。
化学式4:N2+3H2→2NH3
【0041】
CO低減器2は、改質器1から供給されるガスに含まれる一酸化炭素の濃度を低減する機能を有する。第2の所定の範囲は、この機能を十分に発揮させる、CO低減器2の温度範囲である。本実施の形態では、第2の所定の範囲は、180℃から280℃である。
【0042】
改質器1の温度が第1の所定の範囲に入り、かつ、CO低減器2の温度が第2の所定の範囲に入った時点で、起動工程は完了する。その後、発電工程に移行する。
【0043】
発電工程では、CO低減器2で生成したガスを、燃料電池3に安定的に継続して供給する。燃料電池3は、このガスに含まれる水素と、空気中の酸素とから、電力を得る。停止工程に移行するまで、発電工程が継続される。
【0044】
停止工程では、燃料電池3での発電を停止する。また、停止工程では、改質器1の温度及びCO低減器2の温度が常温付近まで低下するように、改質器1及びCO低減器2が冷却される。改質器1の温度及びCO低減器2の温度が常温付近まで低下すると、待機工程に移行する。
【0045】
本実施の形態では、第1検出器11の検出温度T11が第1閾値温度Tth1よりも高いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が増加するように、第2流体機械6を制御する。検出温度T11が第2閾値温度Tth2よりも低いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が低下するように、第2流体機械6を制御する。燃料電池システム41は、このような制御により第2閾値温度Tth2以上第1閾値温度Tth1以下の温度範囲からの改質器1の温度の逸脱が抑制されうるように構成されている。
【0046】
第1閾値温度Tth1の設定の仕方について、図2を用いて具体的に説明する。図2は、実施の形態1における、改質器1の温度と、第2ガス中のアンモニア濃度と、の関係を示す特性図である。図2の横軸は、改質器1の温度である。縦軸は、第2ガス中のアンモニア濃度である。アンモニア濃度の単位であるppmは、第2ガスの総体積に対する体積ppmである。図2に示すグラフを得るために行った実験では、改質器1の温度として、第1検出器11の検出温度T11を用いた。以下、この実験について、詳細に説明する。
【0047】
この実験では、まず、燃料電池システム41の状態を、待機工程に相当する状態とした。次に、上記数値例に係る吸熱型変成ガスを原料として第1流体機械5から改質器1に供給した。これにより、第1流体機械5から改質器1、CO低減器2、燃料電池3及び第1経路21をこの順に経由して燃焼器4へと流れる流体の流れを形成させ、流体が燃料として燃焼器4に供給され、燃料の燃焼により改質器1が加熱されるようにした。こうして、改質器1の温度が常温付近から上昇する状況を作り出した。この状況において、第1検出器11の検出温度T11に対する第2ガス中のアンモニア濃度をプロットした。第2ガス中のアンモニア濃度は、イオンクロマトグラフによって測定した。
【0048】
図2に示すように、改質器1の温度が600℃未満の領域では、改質器1の温度が上昇するとアンモニア濃度が上昇した。これは、改質器1の温度が相対的に低い領域では、改質器1の温度が上昇するにつれて化学式4のアンモニア生成反応の反応速度が速くなるためであると考えられる。一方、改質器1の温度が600℃以上の領域では、改質器1の温度が上昇するとアンモニア濃度が低下した。これは、改質器1の温度が相対的に高い領域では、改質器1の温度が上昇するにつれて改質触媒におけるアンモニア生成反応の反応平衡が逆反応側すなわち窒素及び水素側にシフトしていくためであると考えられる。
【0049】
上記一数値例によれば、アンモニア濃度が5ppm(体積ppm)を超えるとき、燃料電池3のアノード触媒が被毒し、発電効率が低下しうる。図2では、アンモニア濃度=5ppmを示す破線が引かれている。図2から、改質器1の温度が500℃付近のときに、アンモニア濃度が5ppmとなることが理解されよう。第1閾値温度Tth1を500℃よりも十分に低くすることにより、発電効率の低下が顕在化しない範囲にアンモニア濃度を抑えることができる。本実施の形態では第1閾値温度Tth1を400℃とした。
【0050】
なお、図2からは、改質器1の温度を600℃よりも大幅に高い温度、例えば700℃、に維持することによっても、アンモニア濃度を抑えることができるようにも思われる。しかし、本実施の形態では、そのようにせず、改質器1の構造体および改質器1触媒の耐久性を考慮して改質器1の温度を十分に低くする。
【0051】
次に、改質器1で原料に含まれる水素と一酸化炭素とから生成するメタンについて、具体的に説明する。図3は、実施の形態1における、改質器1の温度と、第2ガス中のメタン濃度と、関係を示す特性図である。図3の横軸は、改質器1の温度である。縦軸は、第2ガス中のメタン濃度である。メタン濃度の単位である%は、第2ガスの総体積に対する体積%である。図3に示すグラフは、図2に示すグラフを得るための実験中に、第1検出器11の検出温度T11に対する第2ガス中のメタン濃度をプロットすることによって得た。第2ガス中のメタン濃度は、非分散形赤外吸収法の分析計によって測定した。
【0052】
図3に示すように、改質器1の温度が490℃未満の領域では、改質器1の温度が上昇するとメタン濃度が上昇した。これは、改質器1の温度が相対的に低い領域では、改質触媒の温度が上昇するにつれて改質触媒におけるメタン化反応の反応速度が速くなるためであると考えられる。一方、改質器1の温度が490℃以上の領域では、改質器1の温度が上昇するとメタン濃度が低下した。これは、改質器1の温度が相対的に高い領域では、改質触媒の温度が上昇するにつれて改質触媒におけるメタン化反応の反応平衡が逆反応側すなわち水素及び一酸化炭素側にシフトしていくためであると考えられる。
【0053】
仮に、第2流体機械6から改質器1への添加流体の供給を行わないとする。この場合、原料の炭化水素が少ないが故に、改質器1において、吸熱反応である水蒸気改質反応は生じ難く、一方、発熱反応であるメタン化反応は活発に生じうる。この発熱反応により、改質器1の温度は、490℃を大幅に超えうる。図3から理解されるように、この程度にまで高温となった改質器1では、メタン化反応によるメタン濃度の上昇すなわち炭化水素の濃度の上昇は期待できない。しかし、本実施の形態では、改質器1の温度が第1閾値温度Tth1よりも高いときに、改質器1への添加流体の供給量を増加させる。これにより、改質器1における炭化水素の濃度を上昇させ、吸熱反応である水蒸気改質反応を促進し、改質器1の温度を低下させることが可能である。
【0054】
本実施の形態では、オフガスの一部が、添加流体として改質器1に供給されうる。一数値例では、オフガスのメタン濃度は4体積%である。オフガスは、アノードオフガスである。
【0055】
ところで、改質器1の温度を低下させるには、燃焼器4の燃焼を止めればよいとも考えられる。しかし、現実には、メタン化反応は、燃焼器4の燃焼により与えられうる熱を遥かに上回る熱が改質器1に与えうる。このため、燃焼器4の燃焼を止めるのみでは、改質器1の温度を低下させるのは難しい。具体的に、発明者らが行った実験によれば、改質器1においてメタン化反応がひとたび開始されると、燃焼器4の燃焼を止めても、改質器1の温度は、500℃以上の高温まで上昇し、高温に維持される。しかし、本実施の形態では、添加流体を改質器1に供給する。これにより、改質器1においてメタン化反応が生じている状況においても、改質器1の温度を低下させることができる。
【0056】
第2閾値温度Tth2の設定の仕方は、以下のように説明される。すなわち、本実施の形態では、CO低減器2は、改質器1と熱的に結合されている。このため、改質器1の温度が上昇するとCO低減器2の温度が上昇しうる。また、改質器1の温度が低下するとCO低減器2の温度が低下しうる。CO低減器2が一酸化炭素の濃度を低下させる機能を十分に発揮するには、CO低減器2の温度はある程度高いほうがよい。このことは、CO低減器2が同機能を十分に発揮するには、改質器1の温度がある程度高いほうがよいことを意味する。第2閾値温度Tth2を適度に高くすることにより、CO低減器2が同機能を十分に発揮させることが可能である。本実施の形態では第2閾値温度Tth2を200℃に設定した。
【0057】
具体的に、発電工程において、燃料電池システム41は以下のように動作し、以下のような作用が得られる。
【0058】
第1検出器11の検出温度T11が第1閾値温度Tth1よりも高いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が増加するように、第2流体機械6を制御する。検出温度T11が第1閾値温度Tth1よりも高い場合は、改質器1におけるアンモニア濃度が高いことが予想される。そのような場合に上記の制御を行うことにより、改質器1に供給される炭化水素の量を増加させ、改質器1における炭化水素の濃度を上昇させることができる。これにより、吸熱反応である水蒸気改質反応を促進することができる。これにより、改質器1の温度を低下させ、改質器1におけるアンモニア濃度を低下させることができる。
【0059】
第1検出器11の検出温度T11が第2閾値温度Tth2よりも低いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が低下するように、第2流体機械6を制御する。検出温度T11が第2閾値温度Tth2よりも低い場合は、CO低減器2の温度が不十分であり、CO低減器2が一酸化炭素の濃度を低下させる機能を十分に発揮していないことが予想される。そのような場合に上記の制御を行うことにより、改質器1に供給される炭化水素の量を低下させ、改質器1における炭化水素の濃度を低下させることができる。これにより、吸熱反応である水蒸気改質反応を抑制できる。これにより、改質器1の温度を上昇させ、CO低減器2の温度を上昇させ、CO低減器2が一酸化炭素の濃度を低下させる機能を向上させることができる。
【0060】
上記のような制御を通じ、第2閾値温度Tth2以上第1閾値温度Tth1以下の温度範囲からの改質器1の温度の逸脱を抑制できる。
【0061】
以下、他の実施の形態について説明する。先の実施の形態と後の実施の形態とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。各実施の形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、各実施の形態は、相互に組み合わされてもよい。
【0062】
(実施の形態2)
以下、図4を用いて、実施の形態2を説明する。
【0063】
[2-1.構成]
図4は、実施の形態2における燃料電池システムのブロック図である。実施の形態2では、第2経路22に、燃料電池システム42の外部から添加流体が供給される。
【0064】
実施の形態2では、原料は、水素、一酸化炭素及び窒素を含む。ただし、実施の形態2では、実施の形態1に比べ、原料に含まれる一酸化炭素の濃度は低い。原料の炭化水素の濃度は、可燃下限界未満である。原料は、炭化水素をほとんど含んでいなくてもよい。
【0065】
一例では、原料は、吸熱型変成ガスである。一数値例では、原料における水素の濃度は、51体積%である。原料における一酸化炭素の濃度は、1体積%である。原料における窒素の濃度は、48体積%である。原料における炭化水素の濃度は、0.1体積%未満である。
【0066】
本実施の形態では、添加流体は、炭化水素を含む。一例では、添加流体は、メタンを含む。一具体例では、添加流体は、メタンを主成分とする都市ガスである。ここで、主成分とは体積比で最も多く含まれた成分を意味する。
【0067】
実施の形態1において、仮に、原料に含まれる一酸化炭素が少ないとする。この場合、改質器1におけるメタン化反応は緩慢である。メタン化反応は、緩慢であっても、改質器1の温度を上昇させうる。一方、メタン化反応が緩慢な場合、オフガスのメタン濃度は、さほど高くならない。このため、改質器1では、オフガスが添加流体として供給されても、メタン濃度が増加し難く、従って炭化水素の濃度が増加し難く、吸熱反応である水蒸気改質反応は促進され難い。結果として、改質器1の温度上昇を十分には抑制できない事態が生じうる。
【0068】
これに対し、実施の形態2によれば、炭化水素を含む添加流体を、燃料電池システム42の外部から改質器1に供給できる。このため、原料に含まれる一酸化炭素が少ない場合であっても、添加流体により、改質器1における炭化水素の濃度を上昇させ、水蒸気改質反応が促進させることが可能である。なお、実施の形態2の技術は、原料に含まれる一酸化炭素が多い場合にも採用可能である。
【0069】
[2-2.動作]
以上のように構成された燃料電池システム42について、以下、その動作及び作用を説明する。
【0070】
実施の形態2では、実施の形態1と同様、検出温度T11が第1閾値温度Tth1よりも高いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が増加するように、第2流体機械6を制御する。また、検出温度T11が第2閾値温度Tth2よりも低いときに、制御器33は、改質器1への添加流体の供給量が低下するように、第2流体機械6を制御する。
【0071】
実施の形態2では、制御器31は、第1ガスにおける水素の濃度に応じて、第1流体機械5を制御する。具体的には、制御器31は、燃料電池3に供給されるガスにおける水素の濃度が一定になるように、第1流体機械5を制御する。実施の形態2によれば、燃料電池3に供給されるガスにおける水素の濃度を一定に維持しつつ、改質器1での吸熱量を増加させることができる。
【0072】
実施の形態1及び2では、図を参照しながら燃料電池システムについて説明した。ただし、実施の形態1及び2の技術の適用先は、燃料電池システムに限定されない。実施の形態1及び2の変形例では、適用先は、水素製造システムである。水素製造システムにおいては、図1及び図4の燃料電池3に代えて、水素精製装置を用いることができる。水素精製装置として、圧力スイング吸着装置、温度スイング吸着装置、電気化学式水素純化器等が例示される。より一般的には、本開示は、原料処理システムを開示する。原料処理システムは、燃料電池システム及び水素製造システムの上位概念である。
【0073】
上述のように、実施の形態1及び2では、改質器1は、炭化水素を用いた水蒸気改質反応を生じさせうる改質触媒を有する。炭化水素を含む添加流体を改質器1に供給すると、改質器1における水蒸気改質反応の反応平衡が反応進行側にシフトする。吸熱反応である水蒸気改質反応が促進されるため、改質器1の温度が低下する。このようなシフトを生じさせる添加流体の炭化水素は、例えば、メタン、エタン、プロパン及びブタンからなる群より選択される少なくとも1つを含みうる。
【0074】
詳細には、実施の形態1及び2では、添加流体は、メタンを含む。添加流体を改質器1に供給することにより、発熱反応であるメタン化反応を抑制するという作用も得られる。水蒸気改質反応を促進しつつ発熱反応であるメタン化反応を抑制することにより、改質器1の温度を好適に低下させることができる。ただし、添加流体は、メタンを含まなくてもよい。その場合であっても、メタンではない炭化水素により、吸熱反応である水蒸気改質反応が促進され、改質器1の温度が低下しうる。
【0075】
[3.本開示から導かれうる技術及び効果等]
以下、本開示から導かれうる技術及び効果等を説明する。
【0076】
原料処理システムは、改質器1、第1流体機械5、第2流体機械6及び制御器31を備える。第1流体機械5は、改質器1に原料を供給する。第2流体機械6は、改質器1に添加流体を供給する。
【0077】
原料処理システムは、燃料電池システム又は水素製造システムでありうる。
【0078】
原料処理システムは、改質器1への添加流体の供給量が増加すると改質器1の温度が低下する動作領域で、動作する。原料処理システムは、改質器1への添加流体の供給量が低下すると改質器1の温度が上昇する動作領域で、動作する。
【0079】
制御器31は、改質器1の温度上昇に応じて改質器1への添加流体の供給量が増加するように第2流体機械6を制御する。この構成によれば、改質器1の温度上昇を抑制できる。
【0080】
上記の文脈において、改質器1への添加流体の供給量は、第2流体機械6から改質器1に向かう添加流体の供給流量でありうる。ここで、流量は、体積流量でありうる。
【0081】
制御器31は、改質器1の温度低下に応じて改質器1への添加流体の供給量が低下するように第2流体機械6を制御する。この構成によれば、改質器1の温度低下を抑制できる。このことは、利益をもたらしうる。例えば、改質器1とCO低減器2とが熱的に結合されている場合、このことにより、CO低減器2の温度を適度に高くし、CO低減器2に一酸化炭素の濃度を低下させる機能を発揮させ易くなる。
【0082】
制御器31は、改質器1の温度が第1閾値温度Tth1よりも高いときに改質器1への添加流体の供給量が増加し、改質器1の温度が第2閾値温度Tth2よりも低いときに改質器1への添加流体の供給量が低下するように、第2流体機械6を制御する。この構成によれば、炭化水素を含む添加流体を用いる場合において、改質器1の温度の適正な範囲からの逸脱を抑制し易い。
【0083】
改質器1の温度として、第1検出器11の検出温度T11を用いることが可能である。第1閾値温度Tth1は、第2閾値温度Tth2よりも高い。第1閾値温度Tth1は、150℃以上400℃以下でありうる。具体的には、第1閾値温度Tth1は、200℃以上400℃以下でありうる。第2閾値温度Tth2は、200℃以上300℃以下でありうる。
【0084】
原料処理システムは、改質器1から流出した水素含有流体が供給される燃料電池3をさらに備える。燃料電池3から流出したオフガスが添加流体として第2流体機械6に供給される。この構成によれば、オフガスを添加流体として有効活用できる。この構成では、原料処理システムは、燃料電池システムでありうる。
【0085】
原料処理システムの外部の流体が、添加流体として第2流体機械6に供給される。この構成によれば、添加流体における炭化水素濃度の原料への依存性を排除できる。
【0086】
原料処理システムの運転方法は、改質器1の温度上昇に応じて改質器1における炭化水素の濃度を上昇させることによって、改質器1における吸熱反応の反応平衡を反応進行側にシフトさせることを含む。この構成によれば、改質器1の温度上昇を抑制できる。
【0087】
改質器1における炭化水素の濃度の上昇は、改質器1への炭化水素の供給量の増加により実現されうる。改質器1への炭化水素の供給量の増加は、第2流体機械6から改質器1に向かう、炭化水素を含む添加流体の供給流量の増加により実現されうる。上記吸熱反応は、水蒸気改質反応でありうる。上記吸熱反応は、炭化水素を消費する反応でありうる。
【0088】
上記シフトにより、改質器1におけるアンモニアの濃度を低下させる。この構成によれば、アンモニア濃度の過度な上昇を回避できる。改質器1から流出した流体が燃料電池3に供給される状況にあっては、燃料電池3のアノード触媒の被毒を抑制できる。これにより、燃料電池3の発電効率の低下を抑制できる。
【0089】
原料処理システムの運転方法は、原料を改質器1に供給することを含む。運転方法は、改質器1の温度上昇に応じて原料の炭化水素の濃度よりも高い炭化水素の濃度を有する添加流体を改質器1に供給することによって上記シフトを生じさせることを含む。この構成によれば、上記シフトを制御下で実現できる。
【0090】
原料は、水素、一酸化炭素及び窒素を含み、炭化水素の濃度が可燃下限界未満である。この原料は、運転方法で採用可能な原料の一例である。原料がこのような組成を有する場合であっても、本運転方法により改質器1の温度上昇を抑制できる。また、アンモニア濃度の過度な上昇を回避できる。例えば、改質器1から流出した流体が燃料電池3に供給される状況にあっては、燃料電池3のアノード触媒の被毒を抑制できる。これにより、燃料電池3の発電効率の低下を抑制できる。
【0091】
炭化水素の可燃下限界は、炭化水素の燃焼が起こるのに必要な炭化水素の濃度の最低値である。メタンの可燃下限界は、5.0体積%である。エタンの可燃下限界は、3.0体積%である。プロパンの可燃下限界は、2.1体積%である。ブタンの可燃下限界は、1.8体積%である。なお、上記の文脈において、「炭化水素の濃度が可燃下限界未満である」を「炭化水素の濃度が5.0体積%未満である」に読み替えてもよい。
【0092】
原料における水素の濃度は、30体積%以上である。原料における一酸化炭素の濃度は、0.1体積%以上である。原料における窒素の濃度は、30体積%以上である。原料における炭化水素の濃度は、2体積%以下である。原料は、原料処理システムの外部で生じた排気ガスである。
【0093】
原料処理システムの運転方法は、改質器1に原料を供給することを含む。運転方法は、改質器1の温度上昇に応じて改質器1への添加流体の供給量を増加させることを含む。この構成によれば、改質器1の温度上昇を抑制できる。
【0094】
本実施の形態では、運転方法は、発電工程において実行される。
【0095】
コンピュータによる実行時において、上記運転方法をコンピュータに実行させる指示を備えた、コンピュータプログラムを実現可能である。上記コンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読出可能な非一過性の記録媒体を実現可能である。記録媒体は、オフラインの記録媒体であってもよく、オンライン上の記録媒体であってもよい。オフラインの記録媒体は、例えば、HDD、SDカード、USBメモリ等の半導体記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、CD、DVD等の光学記録媒体、等である。オンライン上の記録媒体は、例えば、クラウドサーバー、FTPサーバー、ネットワークストレージ等である。
【0096】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示は、吸熱型変成ガスから抽出した水素を利用する装置に適用可能である。具体的には、本開示は、吸熱型変成ガス生成装置、ガス浸炭炉、ガス改質装置及び燃料電池を用いて電力を得る燃料電池システムに適用可能である。また、本開示は、吸熱型変成ガス生成装置、ガス浸炭炉及びガス改質装置とともに、圧力スイング吸着装置、温度スイング吸着装置又は電気化学式水素純化器を用いて精製水素を得る水素製造システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 改質器
2 CO低減器
3 燃料電池
4 燃焼器
5 原料供給器
6 添加ガス供給器
11 改質器温度検出器
21 アノードオフガス供給経路
22 添加ガス供給経路
31 制御器
41、42 燃料電池システム
図1
図2
図3
図4