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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188465
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】画像形成装置及びシート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20221214BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20221214BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 147
G03G21/16 138
B41J29/13
B65H11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096513
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】内山 直樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
3F063
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB30
2C061BB35
2C061CD01
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA22
2H171GA12
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171KA02
2H171KA22
2H171KA23
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3F063AA01
3F063AB07
3F063AD01
3F063BA02
3F063BA04
3F063BA09
3F063BC02
3F063CA02
3F063CA04
3F063CB07
(57)【要約】
【課題】 カバーを簡便な方法で交換できるようにし、カバーの交換時間を短縮すること。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、装置本体に対して開閉可能なカバーと、前記装置本体の内部に設けられ、前記カバーを開くと外部に露出する可動部材と、前記可動部材を支持し、前記装置本体に対して開閉可能な支持部材と、前記カバーと前記支持部材を、前記装置本体に対してともに開閉可能な状態で支持する支持軸と、を有し、前記カバーが前記支持軸を中心として回転することに伴って、前記可動部材と前記支持部材は前記カバーとともに移動し、前記支持軸は、前記カバーと前記支持部材を支持する第1の位置と、前記カバーを支持せず前記支持部材を支持する第2の位置との間で移動可能であり、前記支持軸を前記第2の位置に移動させることによって、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とする。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して開閉可能なカバーと、
前記装置本体の内部に設けられ、前記カバーを開くと外部に露出する可動部材と、
前記可動部材を支持し、前記装置本体に対して開閉可能な支持部材と、
前記カバーと前記支持部材を、前記装置本体に対してともに開閉可能な状態で支持する支持軸と、を有し、
前記カバーが前記支持軸を中心として回転することに伴って、前記可動部材と前記支持部材は前記カバーとともに移動し、
前記支持軸は、前記カバーと前記支持部材を支持する第1の位置と、前記カバーを支持せず前記支持部材を支持する第2の位置との間で移動可能であり、前記支持軸を前記第2の位置に移動させることによって、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は第1の支持部材と第2の支持部材によって構成され、前記支持軸がのびた方向における前記可動部材の第1の端部を前記第1の支持部材が支持し、前記可動部材の第2の端部を前記第2の支持部材が支持することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記可動部材の前記第1の端部と前記第2の端部にはボスが設けられ、前記ボスがそれぞれ前記第1の支持部材と前記第2の支持部材に設けられた穴に差し込まれることによって、前記可動部材は前記支持部材によって支持されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持軸は凸部を備えており、前記支持軸の移動をガイドするガイド部には前記凸部と係合する第1の溝と第2の溝が設けられており、前記第1の溝は前記第1の位置に対応する位置に設けられ、前記第2の溝は前記第2の位置に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバーと前記支持部材は前記支持軸とは異なる位置で係合しており、前記支持軸が前記第2の位置にある状態において、前記カバーをスライドさせることにより前記カバーと前記支持部材の係合は解除され、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カバーと前記支持部材の係合を解除するために前記カバーをスライドさせる方向は、前記支持部材の面に沿ってかつ鉛直方向において上方であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記可動部材はシートが積載される第1のトレイであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1のトレイと前記カバーの間に収納された第2のトレイを有し、前記第2のトレイは引き出されることで、前記第1のトレイとともにシートの積載面を形成することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記可動部材はシートの搬送をガイドするフラッパであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カバーはシートの搬送をガイドするガイド面を備えた搬送ガイドカバーであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
装置本体に対して開閉可能なカバーと、
前記装置本体の内部に設けられ、前記カバーを開くと外部に露出する可動部材と、
前記可動部材を支持し、前記装置本体に対して開閉可能な支持部材と、
前記カバーと前記支持部材を、前記装置本体に対してともに開閉可能な状態で支持する支持軸と、を有し、
前記カバーが前記支持軸を中心として回転することに伴って、前記可動部材と前記支持部材は前記カバーとともに移動し、
前記支持軸は、前記カバーと前記支持部材を支持する第1の位置と、前記カバーを支持せず前記支持部材を支持する第2の位置との間で移動可能であり、前記支持軸を前記第2の位置に移動させることによって、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とするシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装部材の一部であるカバーを交換しやすくさせた画像形成装置及びシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタなどの画像形成装置においては、プラスチック材料などで成型されたカバーを外装部材として採用しているものが多い。特許文献1では、給紙カセットの前カバーをシートの収容部から切断して分離可能な構成とすることで、新しい前カバーに交換できるようにした画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-300634
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載された画像形成装置は、給紙カセットの前カバーの部分について交換可能な構成を開示するものであるが、他の箇所のカバーについて交換できるようにした構成を開示するものではない。また、特許文献1は画像形成装置を市場から回収して新しい製品にリユースする状況を想定している。そのため、給紙カセットの前カバーと収容部を切断する工程があるなど、既にユーザー先にプリンタが納品された環境下においてディーラなどが簡単に交換できるような構成になっているとは言い難かった。
【0005】
また、画像形成装置のカバーとして大きな面積を占める箇所としては、例えば、装置本体の正面側に位置するフロントカバーが挙げられる。そして、このフロントカバーの内部にはユーザーがシートを直接差し込める手差しトレイが設けられていることが一般的である。この構成の場合、手差しトレイの位置精度を高めるために、手差しトレイはフロントカバーに対して固定されている。その結果、フロントカバーを交換するためには、まずは手差しトレイとフロントカバーを一緒に装置本体から取り外し、その後フロントカバーから手差しトレイを取り外す必要があり、カバーの交換に時間がかかるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、カバーを簡便な方法で交換できるようにし、カバーの交換時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の画像形成装置は、装置本体に対して開閉可能なカバーと、前記装置本体の内部に設けられ、前記カバーを開くと外部に露出する可動部材と、前記可動部材を支持し、前記装置本体に対して開閉可能な支持部材と、前記カバーと前記支持部材を、前記装置本体に対してともに開閉可能な状態で支持する支持軸と、を有し、前記カバーが前記支持軸を中心として回転することに伴って、前記可動部材と前記支持部材は前記カバーとともに移動し、前記支持軸は、前記カバーと前記支持部材を支持する第1の位置と、前記カバーを支持せず前記支持部材を支持する第2の位置との間で移動可能であり、前記支持軸を前記第2の位置に移動させることによって、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明のシート搬送装置は、装置本体に対して開閉可能なカバーと、前記装置本体の内部に設けられ、前記カバーを開くと外部に露出する可動部材と、前記可動部材を支持し、前記装置本体に対して開閉可能な支持部材と、前記カバーと前記支持部材を、前記装置本体に対してともに開閉可能な状態で支持する支持軸と、を有し、前記カバーが前記支持軸を中心として回転することに伴って、前記可動部材と前記支持部材は前記カバーとともに移動し、前記支持軸は、前記カバーと前記支持部材を支持する第1の位置と、前記カバーを支持せず前記支持部材を支持する第2の位置との間で移動可能であり、前記支持軸を前記第2の位置に移動させることによって、前記カバーを前記装置本体から取り外すことができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カバーを簡便な方法で交換できるようにし、カバーの交換時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の構成を示す断面図
図2】実施例1における手差し給紙ユニットを開閉した状態を示す斜視図
図3】実施例1における手差し給紙ユニットにシートを積載した状態を示す図
図4】実施例1における手差し給紙ユニットの給紙機構を示す斜視図
図5】実施例1における手差し給紙ユニットの支持構成を示す図
図6】実施例1における手差し給紙ユニットの分解斜視図
図7】実施例1におけるカバー着脱時の支持軸の位置を示す図
図8】実施例1におけるカバー取り外しの様子を説明する図
図9】実施例1におけるカバー交換前後の様子を示す図
図10】延長トレイの有無による違いを説明する図
図11】実施例2における搬送ガイドユニットを開閉した状態を示す斜視図
図12】実施例2における搬送ガイドユニットの支持構成を示す図
図13】実施例2における搬送ガイド着脱時の支持軸の位置を示す図
図14】実施例2における搬送ガイド取り外しの様子を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施例1>
本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する意図のものではない。
【0012】
[画像形成装置の全体構成]
図1は本実施例における画像形成装置100の断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いたモノクロレーザプリンタであり、パーソナルコンピュータなどの外部機器から送信された画像情報に応じて、シートSに画像を形成する。シートSの一例としては、記録紙、ラベル紙、OHPシート、布等が挙げられる。
【0013】
また、以下の説明において、画像形成装置100が水平な面に設置された場合における画像形成装置100の高さ方向(鉛直方向とは反対の方向)をZ方向とする。Z方向と交差し、後述する感光ドラム2の回転軸線方向(主走査方向)と平行な方向をY方向とする。Y方向及びZ方向と交差する方向をX方向とする。X方向、Y方向、Z方向は、好ましくは互いに垂直に交差する。また便宜上、X方向においてプラス側を前側または正面側、マイナス側を後側または背面側と呼び、Y方向においてプラス側を右側、マイナス側を左側と呼び、Z方向においてプラス側を上側、マイナス側を下側と呼ぶ。
【0014】
画像形成装置100は大きく分けて、シートSを給紙する給紙部と、シートSにトナー像を形成する画像形成部と、シートSにトナー像を定着させる定着部と、画像が形成されたシートSを外部へ排紙する排紙部とから構成される。
【0015】
画像形成部は、装置本体101に対して着脱可能なプロセスカートリッジ1を備えている。プロセスカートリッジ1は感光ドラム2と不図示の現像ローラ、帯電ローラ等のプロセス部材によって構成されている。プロセスカートリッジ1の鉛直上方にはスキャナユニット3が配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム2に対して行う。感光ドラム2は不図示の帯電ローラによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット3によって露光されることで静電潜像が形成される。静電潜像はプロセスカートリッジ1内の不図示の現像ローラによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、感光ドラム2にトナー像が形成される。
【0016】
本実施例の画像形成装置100は2つの給紙部を備えている。1つはカセット給紙部であり、もう1つは手差し給紙部である。カセット給紙部は、装置本体101に設けられた給紙ローラ4と、装置本体101に対して着脱可能であって、シートSを収納する給紙カセット5とで構成される。不図示の駆動源からの駆動力によって給紙ローラ4が回転することで、給紙カセット5に収納されているシートSは1枚ずつ分離給送される。
【0017】
手差し給紙部は、装置本体101に設けられている手差し給紙ローラ58と、装置本体101に対して開閉可能に設けられている手差し給紙ユニット51で構成される。手差し給紙部を使用する場合には、手差し給紙ユニット51を、装置本体101に対して所定の角度まで開き、手差し給紙ユニット51内の手差しトレイ53及び延長トレイ54にシートSを積載する。不図示の駆動源からの駆動力によって手差し給紙ローラ58が回転することで、手差しトレイ53に積載されたシートSは1枚ずつ分離給送される。
【0018】
各給紙部から給送されたシートSは、レジストレーションローラ対7に搬送され、レジストレーションローラ対7によって斜行補正が行われ、画像形成部の一部である転写部に搬送される。転写部は、感光ドラム2と転写ニップを形成する転写ローラ8によって構成されている。転写ローラ8には不図示のバイアス印加手段によって正極性のバイアスが印加される。これにより、転写部に搬送されたシートSには感光ドラム2に形成されたトナー像が未定着画像として転写される。
【0019】
トナー像が転写されたシートSは、転写部の搬送方向の下流側に設けられている定着装置9(定着部)に搬送される。定着装置9は、シートSに転写されたトナー像をシートSに定着させるものであり、不図示のヒータによって加熱される加熱ローラ10と、これに圧接して回転する加圧ローラ11とを有している。加熱ローラ10と加圧ローラ11によって形成される定着ニップでシートSは挟持搬送され、熱及び圧力が与えられることでトナー像がシートSの表面に定着される。
【0020】
トナー像が定着されたシートSは、定着装置9から排紙部へと搬送される。排紙部は排紙ローラ13、排紙コロ14、反転コロ15から構成される3連ローラ、両面フラッパ12を有する。片面印刷の場合は、両面フラッパ12がシートSを排紙ローラ13と排紙コロ14とで形成される排紙ニップ側に導く位置(実線位置)に待機し、シートSは排紙ローラと排紙コロ14によって排紙トレイ16上へ排紙される。
【0021】
また、両面印刷の場合は、両面フラッパ12が排紙ローラ13と反転コロ15とで形成される反転ニップ側に導く位置(点線位置)に待機し、シートSは排紙ローラ13と反転ころ15によってニップされる。排紙ローラ13は、シートSの後端が所定の位置に到達したタイミングで、不図示の切替手段によって逆方向に回転する。これにより、シートSは後端を先頭にして表裏が反転された状態で、両面搬送ローラ対17、再給紙ローラ対18が設けられた両面搬送路へと搬送される。その後、シートSは片面印刷のときと同様に、再びレジストレーションローラ対7で斜行補正され、シートSの2面目に画像が形成された後、排紙ローラ13と排紙コロ14によって排紙トレイ16に排出され、両面印刷が完了となる。
【0022】
また、搬送フラッパ83は、搬送ガイドカバー82の開閉に連動して動作をし、搬送ガイドユニット81が閉じている場合には、搬送フラッパ83は、装置本体101に収納され、片面および両面印刷時の搬送ガイドとして機能する。また、搬送ガイドユニット81が開いている場合には、搬送フラッパ83が搬送ガイドカバー82に連動して開くことで、片面印刷の搬送路が解放される。これにより、ユーザーが片面印刷の搬送路を視認しやすくなり、ジャム紙の処理が容易となる。
【0023】
[手差し給紙ユニットの構成]
次に、本実施例における手差し給紙ユニット51の構成について詳しく説明する。図2は、装置本体101に対して手差し給紙ユニット51を開閉した状態を示す斜視図である。図3は、手差し給紙ユニット51にシートSを積載した状態を示す斜視図である。図4は、手差し給紙ユニット51に積載されたシートSを給紙する給紙機構を説明するための斜視図である。図5は、手差しトレイ53および延長トレイ54の支持構成を示す図である。図6は、手差し給紙ユニット51の分解斜視図である。
【0024】
図2(a)は装置本体101に対して手差し給紙ユニット51を開放していない状態を示している。手差し給紙ユニット51にはカバー52が設けられており、カバー52は画像形成装置100の外装部材の一部を構成している。
【0025】
図2(b)は装置本体101に対して手差し給紙ユニット51を開放した状態を示している。手差し給紙ユニット51は矢印Aの方向に装置本体101に対して開閉可能である。手差し給紙ユニット51にはシートSを積載するための手差しトレイ53(可動部材)と延長トレイ54が設けられており、これらを支持する一対の支持部材55(55a、55b)がシートSの幅方向(Y方向)における両端部に設けられている。また、手差し給紙ユニット51開閉時に手差し給紙ユニット51を所定の角度で固定するための一対のヒンジ部材57(57a、57b)が設けられている。
【0026】
支持部材55とヒンジ部材57については、装置向かって左側に位置する部材にはaを付けて示し、右側に位置する部材にはbを付けて示している。以下他の部材についても同様である。また、特に左側に位置する部材や右側に位置する部材を区別する必要がない場合は、aやbといったこれらの記号を付けることなく表記することとする。
【0027】
図3図2(b)とは異なる方向から手差し給紙ユニット51を見たときの斜視図を示す。手差し給紙ユニット51を装置本体101に対して開くと、手差しトレイ53が外部に露出するため、ユーザーはその上にシートSを積載することができる。また、図2(b)において延長トレイ54は手差しトレイ53とカバー52の間の空間に収納されていたが、図3においては延長トレイ54がカバー52の面に沿って矢印Bの方向に引き出され、手差しトレイ53とともにシートSの積載面を形成する。
【0028】
また、カバー52と支持部材55は支持軸56によって装置本体101に対して軸支されている。そのため、カバー52と支持部材55はともにこの支持軸56を中心として装置本体101に対し回転可能である。このカバー52と支持部材55を支持している装置本体101の一部を本体支持部151とする。
【0029】
さらに、詳細は後述するが、カバー52にはキャップ部79(79a、79b)が設けられており、このキャップ部79の内部に支持部材55の一部が入り込む構成となっている。つまり、支持部材55とカバー52は係合しているため、カバー52が開くときに支持部材55はカバー52に追従して移動する。手差しトレイ53と延長トレイ54は支持部材55によって支持されているため、手差しトレイ53と延長トレイ54もカバー52に追従して移動する。
【0030】
図4に手差し給紙ユニット51に積載されたシートSを給紙するための給紙機構の斜視図を示す。給紙機構は、装置本体101に設けられた手差し給紙ローラ58、手差し給紙ローラ58と同軸に取り付けられた給紙カム59(59a、59b)、手差しトレイ53に設けられたカム当接部63(63a、63b)を備えている。さらに給紙機構は、装置本体101に設けられたボス61(61a、61b)および手差しトレイ53に設けられたフック62(62a、62b。この内62bは不図示)に取り付けられた給紙バネ60(60a、60b)を備えている。
【0031】
手差しトレイ53は、給紙バネ60によって、常に手差し給紙ローラ58に当接する方向に付勢され、手差しトレイ53に設けられたカム当接部63は手差し給紙ローラ58と同軸上に取り付けられた給紙カム59と当接している。給紙カム59が手差し給紙ローラ58とともに回転することによって、手差しトレイ53が手差し給紙ローラ58に対して当接及び離間を繰り返し、手差しトレイ53に積載されたシートSが給紙される。
【0032】
図5を用いて、支持部材55および手差しトレイ53、延長トレイ54の関係について説明する。図5(a)は背面側から手差し給紙ユニット51を見たときの図である。手差しトレイ53および延長トレイ54は、シートSの幅方向(Y方向)における両端部に配置された一対の支持部材55によって支持されている。
【0033】
図5(b)は図5(a)におけるA-A断面図を示している。なお、図5(b)では支持部材55bの断面図のみを示しているが、反対側の支持部材55aについても同様の構成である。図5(b)に記載されている通り、手差しトレイ53の幅方向端部にはボス71が設けられており、このボス71が支持部材55に設けられた穴73に差し込まれている。これにより、手差しトレイ53は支持部材55によって回動可能に支持されている。
【0034】
また、延長トレイ54の幅方向両側にもボス72が2つ設けられており、このボス72が支持部材55に設けられたレール74に差し込まれている。手差し給紙機能を使用しない場合、延長トレイ54は一対の支持部材55およびカバー52と手差しトレイ53によって形成された空間に配置されている。手差し給紙機能を使用する場合、延長トレイ54を支持部材55に設けられたレール74に沿って、シートSの給送方向の上流側に引き出すことで、シートSを積載する領域を拡張することが可能となる。
【0035】
図6は手差し給紙ユニット51の分解斜視図である。図5を用いて説明した通り、手差しトレイ53に設けられたボス71は支持部材55に形成された穴73に差し込まれており、さらにヒンジ部材57と係合している。このような構成により、ヒンジ部材57は手差しトレイ53及び支持部材55を安定して支持することができる。
【0036】
[カバーの交換方法]
次に、手差し給紙ユニット51に設けられたカバー52の交換方法について説明する。本実施例の構成ではカバー52を簡便な方法で交換することができる。図7は、装置本体101に対するカバー52の固定状態を解除する方法を示す図である。図8は、支持部材55に対するカバー52の取り外し方法を示す図である。図9は、カバー52を交換したときの様子を示した図である。
【0037】
図7は、カバー52及び支持部材55が支持軸56によって装置本体101(本体支持部151)に対して支持される構成を拡大して示している。なお、図7においては2か所ある支持部の内1つしか図示していないが、もう一方の支持部においても同様の方法で装置本体101に対するカバー52の固定状態を解除することができる。
【0038】
本実施例において支持軸56aは2つの位置をとることができる。1つは装置本体101に対してカバー52を固定する固定位置(第1の位置)であり、もう1つは装置本体101に対してカバー52の固定状態を解除した取り外し位置(第2の位置)である。図7(a)は支持軸56aが固定位置にある状態を示しており、図7(b)は支持軸56が取り外し位置にある状態を示している。
【0039】
図7(a)において、支持軸56aは、支持部材55aの一部である軸受け部155、装置本体101の一部である本体支持部151、カバー52の一部であるカバー軸受け部152の合計3か所に設けられた穴に挿入されている。これにより、カバー52及び支持部材55aは、支持軸56を中心に装置本体101に対して開閉可能な状態で支持される。
【0040】
画像形成装置100で印刷を行うといった通常の使用時には、支持軸56aは固定位置に位置する。一方、カバー52を交換する場合には、ディーラが支持軸56aを矢印Cの方向に動かし、支持軸56aを取り外し位置に移動させる。図7(b)においては、支持軸56aがカバー軸受け部152から抜けているため、カバー52は装置本体101に対してフリーな状態となっている。
【0041】
図7(b)に記載されている通り、取り外し位置において支持軸56aはカバー軸受け部152からは抜けているが、軸受け部155と本体支持部151には差し込まれたままである。そのため、カバー52だけでなく、カバー52以外の部材(支持部材55aや支持部材55aに支持された手差しトレイ53、延長トレイ54)も装置本体101から取り外されてしまい、カバー52交換時の作業が煩雑になってしまうことを防ぐことができる。
【0042】
また、支持部材55aには支持軸56aの移動をガイドするガイド部70が設けられており、ガイド部70にはさらに溝部75および溝部76が設けられている。そして、支持軸56aには凸部78が設けられている。図7(a)に示す固定位置では、支持軸56aの凸部78は支持部材55aの溝部75に位置し、図7(b)に示す取り外し位置では、支持軸56aの凸部78は支持部材55aの溝部76に位置している。凸部78が溝部75または溝部76にはまり込むことによって、支持軸56aの位置は図7(a)と図7(b)の状態でそれぞれ安定する。このような構成により、カバー52を交換するために、ディーラが支持軸56aを固定位置から取り外し位置に移動させる場合に、支持軸56aが装置本体101から外れることなく、所定の位置で停止することが可能となる。なお、ガイド部70は支持部材55aに設けられていなくてもよく、例えば本体支持部151に設けられていてもよい。
【0043】
図8は装置本体101からカバー52を取り外す様子を示している。支持軸56を移動させて、カバー軸受け部152から支持軸56が抜かれた後に、ディーラはカバー52を矢印Dの方向(鉛直方向において上方)にスライドさせる。これにより、カバー52に設けられたキャップ部79を支持部材55の一部である突起部80から外すことができる。この方法によって、装置本体101から手差し給紙ユニット51を外すことなく、カバー52単体を装置本体101および支持部材55から取り外すことが可能となる。
【0044】
図9は装置本体101に元々備え付けられていたカバー52を新しいカバー252に交換した様子を示している。本実施例の構成により、簡便な方法でカバー52を交換することができるようになるため、既にユーザー先にプリンタが納品された環境下においてディーラなどが新しいカバー252に簡単に交換することができる。
【0045】
実施例1の構成を取ることで、手差し給紙ユニット51のカバー52を交換する場合において、装置本体101に手差しトレイ53や延長トレイ54を残した状態で、カバー52単体を交換することができる。また、従来の方法と比較して、カバー52の交換時間を短縮することができる。
【0046】
また、本実施例の構成においては、一対の支持部材55が手差しトレイ53および延長トレイ54の幅方向における両側を支持していた。これにより、手差しトレイ53とカバー52の間に延長トレイ54を収納することができるため、本体サイズを小さくすることができる。
【0047】
なお、上記の実施例においては、手差しトレイ53に加えて延長トレイ54を備えた構成を前提に説明を行ったが、これに限定されない。手差し給紙ユニット51は延長トレイ54を備えていなくてもよい。
【0048】
図10は延長トレイ54がある場合(図10(a))とない場合(図10(b))において、手差し給紙ユニット51の厚みの違いを示す図である。延長トレイ54を配置しない場合、カバー52の位置を延長トレイ54がある場合よりも装置内側に設けることが可能となり、本体を厚みLaの分だけ小型化することが可能となる。
【0049】
<実施例2>
実施例1では手差し給紙ユニット51のカバー52を交換する構成について説明したが、本実施例では搬送ガイドユニット81の搬送ガイドカバー82を交換する構成について説明する。以下に説明する本実施例の特徴的な構成以外は、実施例1と同じ構成であるので説明を割愛する。
【0050】
本実施例における搬送ガイドユニット81の構成について詳しく説明する。図11は、装置本体101に対して搬送ガイドユニット81を開閉した状態を示す斜視図である。図12は、装置本体101に対する搬送ガイドユニット81の取り付け構成を説明するための斜視図である。
【0051】
図11(a)は装置本体101に対して搬送ガイドユニット81を開放していない状態を示している。搬送ガイドユニット81には搬送ガイドカバー82が設けられており、搬送ガイドカバー82は画像形成装置100の外装部材の一部を構成している。
【0052】
図11(b)は装置本体101に対して搬送ガイドユニット81を開放した状態を示している。搬送ガイドユニット81は矢印Eの方向に装置本体101に対して開閉可能である。搬送ガイドカバー82は画像形成装置100の外装部材の一部を構成するとともに、図11(b)に記載されている通り、装置内部においてはシートSの搬送をガイドするガイド面を備えている。また、搬送ガイドユニット81には、シートSの搬送をガイドする搬送フラッパ83(可動部材)が設けられている。
【0053】
搬送ガイドユニット81が閉じている場合、搬送フラッパ83は片面および両面印刷時にシートSをガイドする機能を有する。また、搬送ガイドユニット81が開いている場合、搬送フラッパ83が搬送ガイドカバー82と連動して開くことで、片面印刷の搬送路が解放され、ユーザーが搬送路を視認しやすくなり、ジャム紙の処理が可能となる。
【0054】
図12図11(b)とは異なる方向から搬送ガイドユニット81を見たときの斜視図を示す。搬送ガイドユニット81には搬送フラッパ83の幅方向における両端部を支持する一対の支持部材85(85a、85b。この内85bは不図示)が設けられている。搬送ガイドカバー82と支持部材85はいずれも支持軸86(86a、86b。この内86bは不図示)によって装置本体101に対して軸支される。
【0055】
図12において、支持軸86aは、支持部材85の一部である軸受け部185、装置本体101の一部である本体支持部181、搬送ガイドカバー82の一部であるガイド軸受け部182の合計3か所に設けられた穴に挿入されている。これにより、搬送ガイドカバー82及び支持部材85は、支持軸86を中心に装置本体101に対して開閉可能な状態で支持される。
【0056】
次に、搬送ガイドユニット81に設けられた搬送ガイドカバー82の交換方法について説明する。本実施例の構成では搬送ガイドカバー82を簡便な方法で交換することができる。図13は、装置本体101に対する搬送ガイドカバー82の固定状態を解除する方法を示す図である。図14は、支持部材85に対する搬送ガイドカバー82の取り外し方法を示す図である。
【0057】
図13は、搬送ガイドカバー82及び支持部材85が支持軸86aによって装置本体101(本体支持部181)に対して支持される構成を拡大して示している。なお、図13においては2か所ある支持部の内1つしか図示していないが、もう一方の支持部においても同様の方法で装置本体101に対する搬送ガイドカバー82の固定状態を解除することができる。
【0058】
本実施例において支持軸86aは実施例1と同様に2つの位置をとることができる。1つは装置本体101に対して搬送ガイドカバー82を固定する固定位置(第1の位置)であり、もう1つは装置本体101に対して搬送ガイドカバー82の固定状態を解除した取り外し位置(第2の位置)である。図13(a)は支持軸86aが固定位置にある状態を示しており、図13(b)は支持軸86aが取り外し位置にある状態を示している。
【0059】
画像形成装置100で印刷を行うといった通常の使用時には、支持軸86aは固定位置に位置する。一方、搬送ガイドカバー82を交換する場合には、ディーラが支持軸86aを矢印Fの方向に動かし、支持軸86aを取り外し位置に移動させる。図13(b)においては、支持軸86aがガイド軸受け部182から抜けているため、搬送ガイドカバー82は装置本体101に対してフリーな状態となっている。
【0060】
図13(b)に記載されている通り、取り外し位置において支持軸86aはガイド軸受け部182からは抜けているが、軸受け部185と本体支持部181には差し込まれたままである。そのため、搬送ガイドカバー82だけでなく、搬送ガイドカバー82以外の部材(支持部材85aや支持部材85aに支持された搬送フラッパ83)も装置本体101から取り外されてしまい、搬送ガイドカバー82交換時の作業が煩雑になってしまうことを防ぐことができる。
【0061】
また、支持部材85aには支持軸86aの移動をガイドするガイド部90が設けられており、ガイド部90にはさらに溝部75および溝部76が設けられている。そして、支持軸86aには凸部98が設けられている。図13(a)に示す固定位置では、支持軸86aの凸部98は支持部材85aの溝部95に位置し、図13(b)に示す取り外し位置では、支持軸86aの凸部98は支持部材85aの溝部96に位置している。凸部98が溝部95または溝部96にはまり込むことによって、支持軸86aの位置は図13(a)と図13(b)の状態でそれぞれ安定している。このような構成により、搬送ガイドカバー82を交換するために、ディーラが支持軸86aを固定位置から取り外し位置に移動させる場合に、支持軸86aが装置本体101から外れることなく、所定の位置で停止することが可能となる。なお、ガイド部90は支持部材85aに設けられていなくてもよく、例えば本体支持部181に設けられていてもよい。
【0062】
図14は装置本体101から搬送ガイドカバー82を取り外す様子を示している。支持軸86を移動させて、ガイド軸受け部182から支持軸86が抜かれた後に、ディーラは搬送ガイドカバー82を矢印Gの方向(鉛直方向において上方)にスライドさせる。これにより、搬送ガイドカバー82に設けられたキャップ部89(図13に記載)を支持部材85の一部である突起部(不図示)から外すことができる。この方法によって、装置本体101から搬送ガイドユニット81を外すことなく、搬送ガイドカバー82単体を装置本体101および支持部材85から取り外すことが可能となる。
【0063】
本実施例の構成により、簡便な方法で搬送ガイドカバー82を交換することができるようになるため、例えばシートSを繰り返し搬送することによって搬送ガイドカバー82のシートSのガイド面が摩耗したとしてもすぐに対応することができる。
【0064】
実施例2の構成を取ることで、搬送ガイドユニット81の搬送ガイドカバー82を交換する場合において、装置本体101に搬送フラッパ83を残した状態で、搬送ガイドカバー82単体の交換をすることができる。また、従来の方法と比較して、搬送ガイドカバー82の交換時間を短縮することができる。
【0065】
また、本実施例の構成においては、一対の支持部材85が搬送フラッパ83の幅方向における両側を支持していた。これにより、搬送ガイドユニット81の厚み方向におけるサイズが小さくなり、本体サイズの低減が可能となる。
【0066】
なお、上記の実施例1及び2においては、画像形成装置100としてモノクロレーザービームプリンタを例に説明を行ったが、これに限定されない。カラーのレーザービームプリンタや複写機、ファクシミリ等、他の方式の画像形成装置に本発明を適用してもよい。
【0067】
また、上記の実施例1及び2においては、シートSに画像を形成する画像形成装置100を例に説明を行ったが、これに限定されない。画像形成装置100に取り付けられる給紙オプション装置や排紙オプション装置といった、単にシートSを搬送する機能だけを備えたシート搬送装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
52 カバー
53 手差しトレイ
55 支持部材
56 支持軸
101 装置本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14