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特開2022-188480物品供給システム及び物品処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188480
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】物品供給システム及び物品処理システム
(51)【国際特許分類】
   B07C 3/10 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B07C3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096539
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 賢太郎
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AD11
3F079CA02
3F079CA03
3F079CA06
3F079CB08
3F079DA06
3F079DA11
3F079EA15
(57)【要約】
【課題】コスト削減と性能向上の両立を実現する物品供給システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る物品供給システムは、物品供給装置と第1の認識装置とを備える。前記物品供給装置は、第1の搬送路により搬送される物品の第1面から第1の画像を読み取り、前記第1の画像を出力し、物品区分装置へ物品を供給する。前記第1の認識装置は、前記第1の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む第1の認識結果を出力する。前記物品区分装置は、前記物品供給装置から供給される物品を第2の搬送路により搬送し、搬送される物品の第2面から第2の画像を読み取り、前記第1の認識結果、又は前記第2の画像から認識される区分情報を含む第2の認識結果を受け取り、前記第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置と第1の認識装置とを備える物品供給システムであって、
前記物品供給装置は、第1の搬送路により搬送される物品の第1面から第1の画像を読み取り、前記第1の画像を出力し、物品区分装置へ物品を供給し、
前記第1の認識装置は、前記第1の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む第1の認識結果を出力し、
前記物品区分装置は、前記物品供給装置から供給される物品を第2の搬送路により搬送し、搬送される物品の第2面から第2の画像を読み取り、前記第1の認識結果、又は前記第2の画像から認識される区分情報を含む第2の認識結果を受け取り、前記第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する、物品供給システム。
【請求項2】
物品供給システムと物品区分システムとを備える物品処理システムにおいて、
前記物品供給システムは、
第1の搬送路により搬送される物品の第1面から第1の画像を読み取り、前記第1の画像を出力し、物品区分装置へ物品を供給する物品供給装置と、
前記第1の画像に基づき区分情報を認識し、区分情報を含む第1の認識結果を出力する第1の認識装置と、
を備え、
前記物品区分システムは、
前記物品供給装置から供給される物品を第2の搬送路により搬送し、搬送される物品の第2面から第2の画像を読み取り、前記第2の画像を出力し、前記第1の認識結果、又は前記第2の画像から認識される区分情報を含む第2の認識結果を受け取り、前記第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する物品区分装置と、
前記第2の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む前記第2の認識結果を出力する第2の認識装置と、
を備える物品処理システム。
【請求項3】
前記第1の認識装置は、区分情報の認識に成功した場合に前記第1の認識結果を出力し、区分情報の認識に失敗した場合に前記第1の認識結果を出力しない、請求項2の物品処理システム。
【請求項4】
前記物品区分装置は、前記第1の認識装置から出力される前記第1の認識結果を受け取る場合に前記第1の認識結果に基づき物品の区分を制御し、前記第1の認識結果を受け取らない場合に前記第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する、請求項3の物品処理システム。
【請求項5】
物品供給システムと物品区分システムとを備える物品処理システムにおいて、
前記物品供給システムは、
第1の搬送路により搬送される物品の第1面から第1の画像を読み取り、前記第1の画像を出力し、物品区分装置へ物品を供給する物品供給装置を備え、
前記物品区分システムは、
前記物品供給装置から供給される物品を第2の搬送路により搬送し、搬送される物品の第2面から第2の画像を読み取り、前記第2の画像を出力し、前記第1の画像に基づく第1の認識結果又は前記第2の画像に基づく第2の認識結果に基づき前記第2の搬送路を搬送される物品の区分を制御する物品区分装置と、
前記第1の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む前記第1の認識結果を前記物品区分装置へ出力し、また、前記第2の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む前記第2の認識結果を前記物品区分装置へ出力する認識装置と、
を備える物品処理システム。
【請求項6】
前記第1及び第2の画像をオペレータに表示し、前記オペレータから入力される区分情報を受け付ける入力装置を備える請求項5の物品処理システム。
【請求項7】
前記物品区分装置は、前記第1の認識結果が示す区分情報、前記第2の認識結果が示す区分情報、又は前記オペレータから入力される区分情報に基づき物品の区分を制御する、請求項6の物品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品供給システム及び物品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷物等の物品処理を自動化する様々な技術が提案されている。例えば、物品の積み降ろしを自動化する積み降ろし装置、及び物品を宛先別に区分する区分装置などが知られている。区分装置は、スキャナ及び文字認識装置と協働し、物品を区分する。例えば、スキャナは、区分装置により搬送される物品の上面の画像を読み取り、文字認識装置は、読み取られた上面の画像から宛先(区分情報)を認識する。区分装置は、認識された宛先に基づき物品を区分する。
【0003】
手動投入の場合には、投入時に物品の宛先面を上面にして物品を投入する。これにより、スキャナにより読み取られる画像には宛先面が含まれ、後段の認識及び区分を正しく実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4125594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、供給装置は、区分装置に向けて物品を自動投入するが、自動投入された物品の上面が宛先面になるとは限らない。区分装置のスキャナが、物品の上面の画像を読み取るように設定されており、且つ自動投入された物品の上面が宛先面にならない場合、スキャナにより読み取られる画像には宛先が含まれず、後段の認識及び区分を正しく実行することができない。また、区分装置に対して供給装置を増設する場合、コスト削減と性能向上の両立が求められる。
【0006】
本発明の目的は、コスト削減と性能向上の両立を実現する物品供給システム及び物品処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る物品供給システムは、物品供給装置と第1の認識装置とを備える。前記物品供給装置は、第1の搬送路により搬送される物品の第1面から第1の画像を読み取り、前記第1の画像を出力し、物品区分装置へ物品を供給する。前記第1の認識装置は、前記第1の画像に基づき区分情報を認識し、認識された区分情報を含む第1の認識結果を出力する。前記物品区分装置は、前記物品供給装置から供給される物品を第2の搬送路により搬送し、搬送される物品の第2面から第2の画像を読み取り、前記第1の認識結果、又は前記第2の画像から認識される区分情報を含む第2の認識結果を受け取り、前記第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムにおける物品供給装置と物品区分装置の接続箇所を拡大した斜視図である。
図3図3は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムにおける物品供給装置と物品区分装置の接続箇所を拡大した上面図である。
図4図4は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムの一例を示す搬送系の概略構成図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る物品処理システムを構成する物品供給システムの一例を示すブロック図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る物品処理システムを構成する物品区分システムの一例を示すブロック図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る物品処理システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第2の実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る物品処理システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1及び第2の実施形態>
図1は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、物品処理システムSは、物品供給システム11及び物品区分システム12を備える。
例えば、物品供給システム11は、物品を搬送し、搬送される物品を物品区分装置(ソータ等と呼ばれる)へ供給する物品供給装置111(Autoinfeed等と呼ばれる)を備え、物品供給装置は、搬送される物品の画像を読み取るスキャナを備える。また、物品供給システム11は、光学文字認識装置(OCR)に代表されるような第1の認識装置、及びビデオコーディングシステム(VCS)に代表されるような第1の入力装置を備える。
【0010】
物品区分システム12は、物品区分装置から供給される物品を搬送し、搬送される物品を区分情報に基づき区分する物品区分装置121を備え、物品区分装置121は、搬送される物品の画像を読み取るスキャナを備える。また、物品区分システム12は、OCRに代表されるような第2の認識装置、及びVSCに代表されるような第2の入力装置を備える。
【0011】
なお、物品供給システム11と物品区分システム12のそれぞれが専用の1又は複数のOCRを備えてもよいし、物品供給システム11又は物品区分システム12が共用の1又は複数のOCRを配置してもよい。同様に、物品供給システム11と物品区分システム12のそれぞれが専用の1又は複数のVCSを備えてもよいし、物品供給システム11又は物品区分システム12が共用の1又は複数のVSCを配置してもよい。これについては後に詳しく説明する。
【0012】
図2は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムにおける物品供給装置と物品区分装置の接続箇所を拡大した斜視図である。また、図3は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムにおける物品供給装置と物品区分装置の接続箇所を拡大した上面図である。
図1乃至図3に示すように、物品供給システム11の物品供給装置111は、矢印11aに沿って物品を搬送し、物品区分システム12の物品区分装置121は、矢印12aに沿って物品を搬送しながら区分する。
【0013】
図4は、第1及び第2の実施形態に係る物品処理システムの一例を示す搬送系の概略構成図である。
図4に示すように、物品処理システムSは、物品供給システム11及び物品区分システム12を備える。物品供給システム11は、物品供給装置111を備え、物品供給装置111は、スキャナ1113を備える。物品区分システム12は、物品区分装置121を備え、物品区分装置121は、スキャナ1213を備える。
【0014】
例えば、スキャナ1113は、搬送される物品の一方向(例えば下方)から物品の第1面(例えば裏面)を読み取り、スキャナ1213は、搬送される物品の他方向(例えば上方)から物品の第2面(例えば表面)を読み取る。また、スキャナ1113が、物品の周囲(側面)を読み取ってもよい。或いは、スキャナ1213が、物品の周囲(側面)を読み取ってもよい。
【0015】
このように、スキャナ1113とスキャナ1213の読み取り結果を組み合わせることにより、物品の裏面及び表面の画像を得ることができる。また、スキャナ1113とスキャナ1213の読み取り結果を組み合わせることにより、物品の裏面、表面、及び周囲の画像を得ることができる。
【0016】
物品供給装置111は、第1の搬送路としてのコンベア14を備える。例えば、物品供給装置111は、メインコンベア141及びタイミング調整コンベア142を備え、タイミング調整コンベア142を経て物品区分装置121へ物品を供給する。また、物品供給装置111は、メインコンベア141及びタイミング調整コンベア142により搬送される物品を検知する複数の物品検知センサ17を備える。
【0017】
物品供給装置111から物品区分装置121へ供給される物品の天地方向は変わらない。即ち、物品処理システムSのコンベア14の上流のスキャナ1113は、常に物品の下方から物品の第1面を読み取り、下流のスキャナ1213は、常に同じ物品の上方から物品の第2面を読み取る。言い換えれば、スキャナ1113と1213は、物品の異なる面の画像を読み取る。
【0018】
また、物品区分装置121は、第2の搬送路としてコンベア14を備える。例えば、物品区分装置121は、循環コンベア143を備える。また、物品区分装置121は、循環コンベア143により搬送される物品を検知する複数の物品検知センサ17を備える。
【0019】
さらに、物品区分装置121は、複数の区分先に相当する複数の区分シュート15、及び各区分シュート15へ物品を送り込むトレイ16を備える。トレイ16は、循環コンベア143により搬送され、目的の区分シュート15に対応する位置に到達すると、底部を開放し、載置された物品を目的の区分シュート15へ投下させる。
【0020】
<第1の実施形態>
図5は、第1の実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。図6は、第1の実施形態に係る物品処理システムを構成する物品供給システムの一例を示すブロック図である。図7は、第1の実施形態に係る物品処理システムを構成する物品区分システムの一例を示すブロック図である。
【0021】
図5及び図6に示すように、物品供給システム11は、物品供給装置111、第1の認識装置としてのOCR112、及び第1の入力装置としてのVCS113を備える。また、図5及び図7に示すように、物品区分システム12は、物品区分装置121、第2の認識装置としてのOCR122、及び第2の入力装置としてのVCS123を備える。
【0022】
物品供給装置111は、物品を搬送し、物品を物品区分装置121へ供給する。物品区分装置121は、物品供給装置111から供給される物品の区分情報に基づき物品を区分する。
【0023】
OCR112は、物品供給装置111のスキャナで読み取られた物品の画像を受信し、画像から、バーコード、郵便番号、及び住所等の区分情報を認識する。VSC113は、OCR112による区分情報の認識に失敗した場合に、物品供給装置111のスキャナで読み取られた物品の画像を受信し、オペレータに向けて画像を表示し、画像を目視するオペレータから入力される区分情報を受け付ける。
【0024】
OCR122は、物品区分装置121のスキャナで読み取られた物品の画像を受信し、画像から、バーコード、郵便番号、及び住所等の区分情報を認識する。VSC123は、OCR122による区分情報の認識に失敗した場合に、物品区分装置121のスキャナで読み取られた物品の画像を受信し、オペレータに向けて画像を表示し、画像を目視するオペレータから入力される区分情報を受け付ける。
【0025】
以下、図6を参照し、物品供給装置111、OCR112、及びVCS113の構成について詳しく説明する。
物品供給装置111は、プロセッサ1111、記憶部1112、スキャナ1113、及び通信インタフェース(I/F)1114を備える。
プロセッサ1111は、物品供給に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1111は、記憶部1112に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ1111は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ1111は、これらのうちの組み合わせである。以下において、いくつかのプロセッサについて説明するが、何れのプロセッサも同様である。
【0026】
プロセッサ1111は、供給制御部1111aを備え、供給制御部1111aは、物品の供給を制御する。プロセッサ1111は、記憶部1112に記憶されたプログラムに基づき動作し、供給制御部1111aの機能を実現する。プロセッサ1111は、物品供給装置111の複数の物品検知センサ17からの物品検知信号に基づき、検知される各物品に物品検知IDを割り当て、また、各物品の搬送(動き)をトレースし、各物品がどこに位置するのかを検知又は推定する。さらに、プロセッサ1111は、割り当てた物品検知IDを物品区分装置121へ転送し、物品供給装置111と物品区分装置121の間で各物品に関する情報(検知又は推定される位置情報等)を共有する。
【0027】
記憶部1112は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ1111により実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部1112は、プロセッサ1111が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。物品供給装置111は、記憶部1112にプログラムが記憶された状態で譲渡される。或いは、物品供給装置111が譲渡された後、物品供給装置111が、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶部1112へ書き込んでもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体である。或いは、ネットワークなどを介してプログラムをダウンロードし記憶部1112へ書き込んでもよい。
【0028】
スキャナ1113は、搬送される物品の画像を読み取り、画像を出力する。例えば、スキャナ1113は、搬送される物品の一方向(例えば下方)から物品の第1面(例えば裏面)を読み取り、物品の画像を出力する。なお、スキャナ1113は、物品の裏面の読み取りに限定されるものではなく、物品の他の1面又は複数面を読み取り、読み取った画像を出力してもよい。
【0029】
通信インタフェース1114は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。通信インタフェース1114は、OCR112、VCS113、及び物品区分装置121等と通信する。例えば、通信インタフェース1114は、スキャナ1113で読み取られた画像をOCR112へ送信する。
【0030】
OCR112は、プロセッサ1121、記憶部1122、及び通信インタフェース1123を備える。
プロセッサ1121は、画像認識に必要な演算などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1121は、記憶部1122に記憶されたプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ1121は、例えば、CPUである。プロセッサ1121は、画像認識部1121aを備え、画像認識部1121aは、スキャナ1113で読み取られた画像から区分情報を認識し、認識結果を生成し、認識結果を出力する。プロセッサ1121は、記憶部1122に記憶されたプログラムに基づき動作し、画像認識部1121aの機能を実現する。
【0031】
記憶部1122は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ1121により実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部1122は、プロセッサ1121が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0032】
通信インタフェース1123は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。通信インタフェース1123は、物品供給装置111等と通信する。例えば、通信インタフェース1123は、物品供給装置111から送信される画像を受信し、物品供給装置111に対して認識結果を送信する。
【0033】
VCS113は、プロセッサ1131、記憶部1132、通信インタフェース1133、表示部1134、及び入力受付部1135を備える。
【0034】
プロセッサ1131は、表示画像に対応して区分情報の入力を受け付ける手入力処理に必要な演算などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1131は、記憶部1132に記憶されたプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ1131は、例えば、CPUである。プロセッサ1131は、区分情報入力処理部1131aを備え、区分情報入力処理部1131aは、表示部1134が表示する画像に対応して、入力受付部1135から入力される区分情報を受け付け、受け付けた入力結果(区分情報)を出力する。プロセッサ1131は、記憶部1132に記憶されたプログラムに基づき動作し、区分情報入力処理部1131aの機能を実現する。
【0035】
記憶部1132は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ1131により実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部1132は、プロセッサ1131が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0036】
通信インタフェース1133は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。通信インタフェース1133は、物品供給装置111等と通信する。例えば、通信インタフェース1133は、物品供給装置111から送信される画像を受信し、物品供給装置111に対して、入力された区分情報を送信する。
【0037】
表示部1134は、オペレータに対して、通信インタフェース1133を介して受信した物品の画像を表示する。入力受付部1135は、キーボード等であり、表示部1134を目視するオペレータからの、区分情報の手入力を受け付ける。
【0038】
以下、図7を参照し、物品区分装置121の構成について詳しく説明する。
物品区分装置121は、プロセッサ1211、記憶部1212、スキャナ1213、及び通信インタフェース1214を備える。
プロセッサ1211は、物品区分に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶されたプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ1211は、例えば、CPUである。
【0039】
プロセッサ1211は、区分制御部1211aを備え、区分制御部1211aは、物品の区分を制御する。プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶されたプログラムに基づき動作し、区分制御部1211aの機能を実現する。プロセッサ1211は、物品区分装置121の複数の物品検知センサ17からの物品検知信号に基づき、各物品の搬送をトレースし、各物品がどこに位置するのかを検知又は推定する。
【0040】
記憶部1212は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ1211により実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部1212は、プロセッサ1111が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。物品区分装置121は、記憶部1212にプログラムが記憶された状態で譲渡される。或いは、物品区分装置121が譲渡された後、物品区分装置121が、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶部1212へ書き込んでもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体である。或いは、ネットワークなどを介してプログラムをダウンロードし記憶部1212へ書き込んでもよい。
【0041】
スキャナ1213は、搬送される物品の画像を読み取り、画像を出力する。例えば、スキャナ1213は、搬送される物品の他方向(例えば上方)から物品の第2面(例えば表面)を読み取り、物品の画像を出力する。物品の第1面を読み取るスキャナ1113と、物品の第2面を読み取るスキャナ1213を併用する場合、これらスキャナは、物品の異なる面の画像を読み取るスキャナである。なお、スキャナ1213は、物品の表面の読み取りに限定されるものではなく、物品の他の1面又は複数面を読み取り、読み取った画像を出力してもよい。
【0042】
通信インタフェース1214は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。通信インタフェース1214は、OCR122、VCS123、及び物品供給装置111等と通信する。例えば、通信インタフェース1214は、スキャナ1213で読み取られた画像をOCR122へ送信する。
【0043】
OCR122は、プロセッサ1221、記憶部1222、及び通信インタフェース1223を備え、プロセッサ1221は、画像認識部1221aを備える。OCR122の構成は、実質的にOCR112の構成と同一であり、詳細説明は省略する。なお、OCR122は、物品区分装置121から送信される画像を受信し、物品区分装置121に対して認識結果を送信する。
【0044】
また、VCS123は、プロセッサ1231、記憶部1232、通信インタフェース1233、表示部1234、及び入力受付部1235を備え、プロセッサ1231は、区分情報入力処理部1231aを備える。VCS123の構成は、実質的にVCS113の構成と同一であり、詳細説明は省略する。なお、VCS123は、物品区分装置121から送信される画像を受信し、物品区分装置121に対して、オペレータから入力される区分情報を送信する。
【0045】
図8は、第1の実施形態に係る物品処理システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
物品供給装置111は、投入された物品の搬送を開始し(ST111)、物品区分装置121へ物品を供給する。物品区分装置121は、物品供給装置111から供給される物品の搬送を開始する(ST131)。
【0046】
例えば、物品供給装置111は、投入された複数の物品を一つずつ分離し、一定間隔で搬送する。物品供給装置111の物品検知センサ17は、搬送される物品を検知し(ST112)、物品検知信号を出力する。プロセッサ1111は、物品検知信号に基づき、検知される物品に物品検知IDを割り当て、搬送される物品をトレースする。
【0047】
スキャナ1113は、物品検知信号に基づき、搬送される物品の一方向(例えば下方)から物品の第1面(例えば裏面)を読み取り(ST113)、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像を記憶し、通信インタフェース1114は、OCR112に対して第1の画像を出力する。また、物品供給装置111は、メインコンベア141及びタイミング調整コンベア142を介して、物品を物品区分装置121へ供給する(ST114)。
【0048】
OCR112は、通信インタフェース1123を介して、第1の画像を受信し、プロセッサ1121(画像認識部1121a)は、第1の画像から区分情報の認識を試行する(ST121)。例えば、記憶部1122は、区分情報(住所情報)のデータベースを記憶し、プロセッサ1121は、データベースと認識された情報とを比較し認識精度を検証する。プロセッサ1121は、基準値を超える認識精度が得られた場合に認識成功と判定し、基準値以下の認識精度しか得られない場合に認識失敗と判定する。通信インタフェース1123は、認識成功の場合に、認識された区分情報を含む第1の認識結果を生成し、物品供給装置111に対して第1の認識結果を出力する(ST122)。また、通信インタフェース1123は、認識失敗の場合に、第1の認識結果を出力せず、代わりに認識エラーを出力する。
【0049】
物品供給装置111は、OCR112から出力される第1の認識結果を受け取り、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像及び第1の認識結果を記憶する。又は、物品供給装置111は、OCR112から出力される認識エラーを受け取り、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像及び認識エラーを記憶する。
【0050】
物品区分装置121は、循環コンベア143により物品供給装置111から供給される物品を搬送する。物品区分装置121の物品検知センサ17は、搬送される物品を検知し、物品検知信号を出力する(ST132)。通信インタフェース1214は、物品検知信号を物品供給装置121へ通知する。物品供給装置121は、物品区分装置121からの物品検知信号をトリガーとして、物品供給装置111に対して、記憶部1112に記憶された物品検知ID及び第1の認識結果を出力する。物品区分装置121は、物品供給装置111から出力される物品検知ID及び第1の認識結果を受け取り、記憶部1212は、物品検知ID及び第1の認識結果を記憶する。
【0051】
また、物品区分装置121のスキャナ1213は、物品検知信号に基づき、搬送される物品の他方向(例えば下方)から物品の第2面(例えば裏面)を読み取り(ST133)、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像を記憶し、通信インタフェース1214は、OCR122に対して第2の画像を出力する。
【0052】
OCR122は、通信インタフェース1223を介して、第2の画像を受信し、プロセッサ1221(画像認識部1221a)は、第2の画像から区分情報の認識を試行する(ST141)。例えば、記憶部1222は、区分情報(住所情報)のデータベースを記憶し、プロセッサ1221は、データベースと認識された情報とを比較し認識精度を検証する。プロセッサ1221は、基準値を超える認識精度が得られた場合に認識成功と判定し、基準値以下の認識精度しか得られない場合に認識失敗と判定する。通信インタフェース1223は、認識成功の場合に、認識された区分情報を含む第2の認識結果を生成し、物品区分装置121に対して第2の認識結果を出力する(ST145)。また、通信インタフェース1223は、認識失敗の場合に、第2の認識結果を出力せず、代わりに認識エラーを出力する。
【0053】
物品区分装置121は、OCR122から出力される第2の認識結果を受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像及び第2の認識結果を記憶する。又は、物品供給装置111は、OCR122から出力される認識エラーを受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像及び認識エラーを記憶する。プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する(ST134)。
【0054】
上記説明では、第1の認識結果が生成されたか否かに関わらず、第2の認識結果を生成するケースについて説明したが、第1の認識結果が生成された場合に、第2の認識結果を得るための処理を省略するようにしてもよい。即ち、物品区分装置121が、物品検知ID及び第1の認識結果を受信する場合に、プロセッサ1211が、スキャナ1213による第2面の読み取りを省略する、通信インタフェース1214による第2の画像の出力を停止する、又はOCR122による第2の画像の認識処理を省略するようにしてもよい。つまり、記憶部1212に物品検知ID及び第1の認識結果が記憶される場合、プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第1の認識結果に基づき物品の区分を制御する。これによりOCR122のリソースを別の認識処理に割り当てることができ、システム全体のパフォーマンス向上が見込める。
【0055】
例えば、物品の第1面に区分情報が付与され、第2面に区分情報が付与されず、第1面から読み取られた第1の画像に基づく区分情報の認識が成功し第1の認識結果が得られている場合には、プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第1の認識結果に基づき物品の区分を制御することになる。
【0056】
物品の第1面に区分情報が付与されず、第2面に区分情報が付与され、第2面から読み取られた第2の画像に基づく区分情報の認識が成功し第2の認識結果が得られている場合には、プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【0057】
なお、第1面及び第2面の両方に区分情報が付与され、第1及び第2の認識結果が得られる場合は、プロセッサ1211は、事前に設定される優先度に基づき、第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【0058】
ここで、VCS113の利用について追記する。物品供給装置111は、OCR112から認識エラーを受けた場合に、記憶部1112に記憶された第1の画像をVCS113へ転送し、VCS113を利用するようにしてもよい。
【0059】
VCS113は、通信インタフェース1133を介して第1の画像を受信し、表示部1134は、第1の画像を表示する。オペレータは、表示部1134に表示される第1の画像を目視で確認して、区分情報を認識できれば、キーボード等の入力受付部1135を介して区分情報を入力する。入力受付部1135は、区分情報の入力を受け付けて、表示部1134は、入力された区分情報を表示する。通信インタフェース1133は、入力された区分情報を含む第1の入力結果を物品供給装置111へ出力する。
【0060】
物品供給装置111は、通信インタフェース1114を介して区分情報を含む第1の入力結果を受信し、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像及び第1の入力結果を記憶する。この場合、物品供給装置111は、物品区分装置121からの物品検知信号(ST132)をトリガーとして、物品供給装置111に対して、記憶部1112に記憶された物品検知ID及び第1の入力結果を出力する。以後の処理では、第1の認識結果に替えて、第1の入力結果が利用される。
【0061】
さらに、VCS123の利用について追記する。物品区分装置121は、OCR122から認識エラーを受けた場合に、記憶部1212に記憶された第2の画像をVCS123へ転送し、VCS123を利用するようにしてもよい。
【0062】
VCS123は、通信インタフェース1233を介して第2の画像を受信し、表示部1234は、第2の画像を表示する。オペレータは、表示部1234に表示される第2の画像を目視で確認して、区分情報を認識できれば、キーボード等の入力受付部1235を介して区分情報を入力する。入力受付部1235は、区分情報の入力を受け付けて、表示部1234は、入力された区分情報を表示する。通信インタフェース1233は、入力された区分情報を含む第2の入力結果を物品区分装置121へ出力する。
【0063】
物品区分装置121は、通信インタフェース1214を介して区分情報を含む第2の入力結果を受信し、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像及び第2の入力結果を記憶する。以後の処理では、第2の認識結果に替えて、第2の入力結果が利用される。
【0064】
第1の実施形態によれば、物品区分システムのスキャナ1213を活用することにより、物品供給システムの導入コストを抑制することができる。例えば、物品の第2面(例えば裏面)を読み取るスキャナ1213の設置に対して、物品の第1面(例えば表面)を読み取るスキャナ1113を設置することにより、物品の両面(第1面と第2面)の読み取りが可能となり、区分情報の取得の確率を高めることができる。また、スキャナ1113又は1213の何れか一方が、物品の周囲(側面)を読み取る場合、区分情報の取得の確率をさらに高めることができる。よって、物品供給装置111に投入される物品の向きにかかわらず、物品から区分情報を認識することができる。
【0065】
また、物品供給システム11の搬送過程でスキャナ1113により読み取られる物品の第1の画像を物品検知IDと関連付けて記憶し、また、物品区分システム12の搬送過程でスキャナ1213により読み取られる物品の第2の画像を物品検知IDと関連付けて記憶することにより、二つのシステムで取り扱われる物品をより確実に管理することができる。大量の荷物が取り扱われる大規模な物流倉庫では多くの人の出入りがあり、物品管理は重要である。所定の物品検知IDに関連付けて第1の画像が記憶されていれば、物品供給システム11で第1の画像の物品が取り扱われたことが記録として残る。また、所定の物品検知IDに関連付けて第2の画像が記憶されていれば、物品区分システム12で第2の画像の物品が取り扱われたことが記録として残る。これら記録により、物品の取り扱いをより確実に管理することができる。
【0066】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、物品供給システム11がOCR112及びVCS113を備え、また、物品区分システム12がOCR122及びVCS123を備え、物品供給システム11において区分情報の認識処理又は入力処理を実行し、また、物品区分システム12においても区分情報の認識処理又は入力処理を実行するケースについて説明した。
【0067】
第2の実施形態では、物品区分システム12がOCR122及びVCS123を備え、物品区分システム12において区分情報の認識処理又は入力処理を実行するケースについて説明する。物品供給システム11は、スキャナにより読み取った画像データを物品区分システム12へ送信し、物品区分システム12のOCR122及びVCS123を利用する。
【0068】
図9は、第2の実施形態に係る物品処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。なお、第2の実施形態に係る物品処理システムに含まれる物品供給装置111については、図6に示す物品供給装置111と同様であり詳細説明を省略する。また、第2の実施形態に係る物品処理システムに含まれる物品区分装置121、OCR122、VCS123についても、図7に示す物品区分装置121、OCR122、VCS123と同様であり詳細説明を省略する。
【0069】
図10は、第2の実施形態に係る物品処理システムによる物品処理の一例を示すフローチャートである。
物品供給装置111は、投入された物品の搬送を開始し(ST211)、物品区分装置121へ物品を供給する。物品区分装置121は、物品供給装置111から供給される物品の搬送を開始する(ST231)。
【0070】
例えば、物品供給装置111は、投入された複数の物品を一つずつ分離し、一定間隔で搬送する。物品供給装置111の物品検知センサ17は、搬送される物品を検知し(ST212)、物品検知信号を出力する。プロセッサ1111は、物品検知信号に基づき、検知される物品に物品検知IDを割り当て、搬送される物品をトレースする。
【0071】
スキャナ1113は、物品検知信号に基づき、搬送される物品の一方向(例えば下方)から物品の第1面(例えば裏面)を読み取り(ST213)、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像を記憶し、通信インタフェース1114は、OCR122に対して第1の画像を出力する。また、物品供給装置111は、メインコンベア141及びタイミング調整コンベア142を介して、物品を物品区分装置121へ供給する(ST214)。
【0072】
物品区分装置121は、循環コンベア143により物品供給装置111から供給される物品を搬送する。物品区分装置121の物品検知センサ17は、搬送される物品を検知し、物品検知信号を出力する(ST232)。物品区分装置121のスキャナ1213は、物品検知信号に基づき、搬送される物品の他方向(例えば下方)から物品の第2面(例えば裏面)を読み取り(ST233)、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第2の画像を記憶し、通信インタフェース1114は、OCR122に対して第2の画像を出力する。
【0073】
OCR122は、通信インタフェース1223を介して、第1及び第2の画像を受信し、プロセッサ1221(画像認識部1221a)は、第1及び第2の画像から区分情報の認識を試行する(ST241)。通信インタフェース1223は、第1の画像に基づく認識成功の場合に、認識された区分情報を含む第1の認識結果を生成し、物品区分装置121に対して第1の認識結果を出力する(ST242)。なお、通信インタフェース1223は、第1の画像に基づく認識失敗の場合に、第1の認識結果を出力せず、代わりに第1の画像及び第1の認識エラーを出力してもよい。通信インタフェース1223は、第2の画像に基づく認識成功の場合に、認識された区分情報を含む第2の認識結果を生成し、物品区分装置121に対して第2の認識結果を出力する(ST242)。なお、通信インタフェース1223は、第2の画像に基づく認識失敗の場合に、第2の認識結果を出力せず、代わりに第2の画像及び第2の認識エラーを出力してもよい。
【0074】
物品区分装置121は、OCR122から出力される第1の認識結果を受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第1の認識結果を記憶する。又は、物品区分装置121は、OCR122から出力される第1画像及び認識エラーを受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第1の画像及び認識エラーを記憶する。
【0075】
或いは、物品区分装置121は、OCR122から出力される第2の認識結果を受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像及び第2の認識結果を記憶する。又は、物品供給装置111は、OCR122から出力される認識エラーを受け取り、記憶部1212は、物品検知IDに関連付けて第2の画像及び認識エラーを記憶する。
【0076】
プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する(ST234)。
【0077】
例えば、物品の第1面に区分情報が付与され、第2面に区分情報が付与されず、第1面から読み取られた第1の画像に基づく区分情報の認識が成功し第1の認識結果が得られている場合には、プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第1の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【0078】
物品の第1面に区分情報が付与されず、第2面に区分情報が付与され、第2面から読み取られた第2の画像に基づく区分情報の認識が成功し第2の認識結果が得られている場合には、プロセッサ1211は、記憶部1212に記憶される第2の認識結果に基づき物品の区分を制御する。
【0079】
なお、ST241において第1及び第2の画像に基づく認識処理を実行することにより、第1面及び第2面の両方に区分情報が付与され、第1及び第2の認識結果が得られる場合は、プロセッサ1211は、事前に設定される優先度に基づき、第1又は第2の認識結果に基づき物品の区分を制御することが可能となる。さらに、プロセッサ1211は、第1及び第2の画像のうち、事前に設定される宛先等のキーワードを含む画像に優先度を付与し、優先度が付与された画像の認識結果に基づき物品の区分を制御することが可能となる。
【0080】
ここで、VCS123の利用について追記する。物品区分装置121は、OCR122から、第1及び第2の画像に対する認識処理において第1及び第2の認識エラーを受けた場合に、第1及び第2の画像をVCS123へ転送し、VCS123を利用するようにしてもよい。
【0081】
VCS123は、通信インタフェース1133を介して第1及び第2の画像を受信し、表示部1234は、第1及び第2の画像を並べて表示する。オペレータは、表示部1234に表示される第1及び第2の画像を目視で確認して、第1及び第2の画像の少なくとも一方の画像から区分情報を認識できれば、キーボード等の入力受付部1235を介して区分情報を入力する。入力受付部1235は、区分情報の入力を受け付けて、表示部1234は、入力された区分情報を表示する。通信インタフェース1233は、入力された区分情報を含む入力結果を物品区分装置121へ出力する。表示部1234が、同一物品から読み取られた第1及び第2の画像を並べて表示することにより、オペレータによる区分情報の認識作業の効率化を図ることができる。
【0082】
物品区分装置121は、通信インタフェース1214を介して区分情報を含む入力結果を受信し、記憶部1112は、物品検知IDに関連付けて第1の画像、第2の画像、及び入力結果を記憶する。以後の処理では、第1又は第2の認識結果に替えて、入力結果が利用される。
【0083】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、OCR及びVCSの導入コストを抑制することができる。物品供給システム11を増設する場合に、物品供給システム11が、物品区分システム12のOCR122及びVCS123を利用することにより、物品供給システム11の増設コストの低減を図ることができる。なお、上記説明では、物品区分システム12側でVCS123を操作するケースを想定したが、物品供給システム11からVCS123を操作するようにしてもよい。
【0084】
以上により、第1及び第2の実施形態の物品処理システムによれば、コスト削減と性能向上の両立を実現することができる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
S…物品処理システム
11…物品供給システム
12…物品区分システム
14…コンベア
15…区分シュート
16…トレイ
17…物品検知センサ
111…物品供給装置
121…物品区分装置
141…メインコンベア
142…タイミング調整コンベア
143…循環コンベア
1111…プロセッサ
1111a…供給制御部
1112…記憶部
1113…スキャナ
1114…通信インタフェース
1121…プロセッサ
1121a…画像認識部
1122…記憶部
1123…通信インタフェース
1131…プロセッサ
1131a…区分情報入力処理部
1132…記憶部
1133…通信インタフェース
1134…表示部
1135…入力受付部
1211…プロセッサ
1211a…区分制御部
1212…記憶部
1213…スキャナ
1214…通信インタフェース
1221…プロセッサ
1221a…画像認識部
1222…記憶部
1223…通信インタフェース
1231…プロセッサ
1231a…区分情報入力処理部
1232…記憶部
1233…通信インタフェース
1234…表示部
1235…入力受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10