(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188492
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法
(51)【国際特許分類】
B65D 5/355 20060101AFI20221214BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65D5/355
B65D5/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096569
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水島 健人
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB16
3E060BA03
3E060BB03
3E060BC02
3E060BC04
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有したブランクを用い、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法の提供を課題とする。
【解決手段】ラップラウンド方式の自動製函機で組み立てて形成される、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法であって、供給されたブランクを、・サイズに合わせた数の小フラップ折り、・サイズに合わせた内フラップ起こし、・前記小フラップ折りで折らなかった小フラップ折り、・内フラップ折り込み、・外フラップ起こし、・外フラップ折り込みと天面の封緘、の工程で順次組み立てて6面体に製函することを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップラウンド方式の自動製函機で組み立てて形成される、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法であって、
形成されるカートンは、矩形の底面、胴部の4面、矩形の天面の、合計6面からなる6面体であって、
カートンのブランクは、平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、
ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの矩形の底面を配置してあり、
矩形の底面の4辺は、それぞれ前記正方形の4隅に正対しており、
矩形の底面の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップが、折り罫線を介して連続して形成されており、
この4枚の矩形のフラップからさらに外側に、折り込んで矩形の天面を形成可能な2枚の内フラップ、および2枚の外フラップが形成されており、
内フラップは、矩形の底面の短辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形であり、
外フラップは、矩形の底面の長辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形の、直角の頂点を切り取った台形であって、
6面体の胴部の4面を形成する前記4枚の矩形のフラップには、接続する矩形の底面の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行な複数の折り罫線がそれぞれの矩形のフラップに設けてあり、
かつ、この複数の折り罫線は、矩形の底面の4辺の折り罫線からの距離は、4枚の矩形のフラップにおいて等しく設けてあって、
製函においては、前記複数の折り罫線のうちいずれかを選択して内側に折り込んで矩形の天面を形成可能であって、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、矩形の底面に連続する対向する一対のフラップの、前記複数の折り罫線とフラップの端部とに囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあり、
小フラップのうち、一番外側の小フラップの先端部は、前記正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側になる形状で設けてあり、
矩形の底面の短辺の長さをbとして、矩形の底面の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、矩形の底面の長辺に一番近い折り罫線から、前記外フラップの台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であって、
この形態で供給されたブランクを、
・サイズに合わせた数の小フラップ折り、
・サイズに合わせた内フラップ起こし、
・前記小フラップ折りで折らなかった小フラップ折り、
・内フラップ折り込み、
・外フラップ起こし、
・外フラップ折り込みと天面の封緘、
の工程でこの順に順次組み立てて6面体に製函することを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップラウンド方式の自動製函機に対応したカートンの製造方法に係るものである。特に、カートンのサイズを、型替え、品種切り替えなどの段取り替えなしで変更し、作り分けることが可能な、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にカートンは、紙製の包装材料であって、例えば板紙や段ボールなどからなるブランクを、立体の箱型の容器に組み立てて、内容物を収納可能とするものが広く普及している。
【0003】
特にラップラウンド方式は、内容物を周囲から包み込むようにして製函し、封緘する方式であって、生産性がよく、カートンの自動製函機として実用化され、一般的なものである。中でもヤッコ型(タトウ式)と呼ばれるブランクを用いる場合には、特に厚さの薄い商品を梱包する用途に適している。
【0004】
特許文献1には、サイズ変更が可能なカートンの提案がある。しかしながら、ここに提案された内容においては、サイズ変更は可能であるものの、サイズの制限があり、またフラップがないために強度不足の恐れがあり、ラップラウンド方式の自動製函機に対応できるものではなく、その用途は限られたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有したブランクを用い、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
ラップラウンド方式の自動製函機で組み立てて形成される、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法であって、
形成されるカートンは、矩形の底面、胴部の4面、矩形の天面の、合計6面からなる6面体であって、
カートンのブランクは、平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、
ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの矩形の底面を配置してあり、
矩形の底面の4辺は、それぞれ前記正方形の4隅に正対しており、
矩形の底面の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップが、折り罫線を介して連続して形成されており、
この4枚の矩形のフラップからさらに外側に、折り込んで矩形の天面を形成可能な2枚の内フラップ、および2枚の外フラップが形成されており、
内フラップは、矩形の底面の短辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形であり、
外フラップは、矩形の底面の長辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、前記正方形の
隅を直角の頂点とする二等辺三角形の、直角の頂点を切り取った台形であって、
6面体の胴部の4面を形成する前記4枚の矩形のフラップには、接続する矩形の底面の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行な複数の折り罫線がそれぞれの矩形のフラップに設けてあり、
かつ、この複数の折り罫線は、矩形の底面の4辺の折り罫線からの距離は、4枚の矩形のフラップにおいて等しく設けてあって、
製函においては、前記複数の折り罫線のうちいずれかを選択して内側に折り込んで矩形の天面を形成可能であって、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、矩形の底面に連続する対向する一対のフラップの、前記複数の折り罫線とフラップの端部とに囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあり、
小フラップのうち、一番外側の小フラップの先端部は、前記正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側になる形状で設けてあり、
矩形の底面の短辺の長さをbとして、矩形の底面の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、矩形の底面の長辺に一番近い折り罫線から、前記外フラップの台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であって、
この形態で供給されたブランクを、
・サイズに合わせた数の小フラップ折り、
・サイズに合わせた内フラップ起こし、
・前記小フラップ折りで折らなかった小フラップ折り、
・内フラップ折り込み、
・外フラップ起こし、
・外フラップ折り込みと天面の封緘、
の工程でこの順に順次組み立てて6面体に製函することを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有したブランクを用い、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法の提供が可能である。
【0009】
すなわち、ブランクが平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの矩形の底面を配置してあり、矩形の底面の4辺は、それぞれ最外周の正方形の4隅に正対していることによって、ヤッコ型のブランクを製函した際に、矩形の天面を形成するためにフラップを内側に向けて折り込む際にも、正方形の四隅が相対して突き合わされて折り込まれ、意匠的により好ましい外観とすることができる。
【0010】
また、正方形を最外周とするブランクの形態は、ブランクを形成するにあたって、材料のロスをより少なくすることが可能である。
【0011】
また、矩形の天面を形成可能なフラップは、ブランクにおいて胴部を形成する4枚の矩形のフラップからさらに外側に、天面を形成可能な2枚の内フラップ、及び2枚の外フラップとして連続して形成されており、内フラップは、矩形の底面の短辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形である。
【0012】
また、外フラップは、矩形の底面の長辺側の2枚の矩形のフラップに連続して、正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形の、直角の頂点を切り取った台形であって、6面体
の胴部の4面を形成するこれら4枚の矩形のフラップには、接続する矩形の底面の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複数の折り罫線がそれぞれの矩形のフラップに設けてあることによって、製函においてカートンの矩形の天面を形成するために内フラップ、及び外フラップを折り込む際に、複数の折り罫線のうち、いずれかの折り罫線を選択して折り込んで、製函されるカートンの胴部の高さを選択的に決定することができる。すなわち、本発明によれば、あらかじめ設定した高さのカートンに作り分けが可能なカートンの製造方法を提供することができる。
【0013】
したがって、本発明は、ラップラウンド方式の自動製函機において、型替えや品種切り替えなしでサイズ替えを行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法である。
【0014】
これは例えば、同じ大きさの枚葉の内容物を、入り数を変えて収納する場合の包装容器に用いることが可能である。すなわち、入数の違いは、カートンの高さのみの変更で対応可能である。したがって、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法によって、小ロット、多品種化への対応が可能となる。
【0015】
また、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、一対のフラップの、平行な複数の折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあることによって、本発明によって製函された6面体のカートンは、胴部の4隅の縦の稜線部分を密閉することが可能であり、また6面体の機械的強度を高めることにも効果的である。
【0016】
また、小フラップのうち、ブランクの一番外側の小フラップの先端部は、正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側に設けてあることによって、ラップラウンド方式において自動製函を妨げることなく円滑に行うことができる。加えて、ブランクの最外周が正方形であることにより、ブランクを打ち抜く際においても、ブランクの材料のロスをより少なくすることが可能となる。
【0017】
矩形の底面の短辺の長さをbとして、矩形の底面の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、矩形の底面の長辺に一番近い折り罫線から、前記台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であることによって、カートンの天面を形成する際に、矩形の天面を形成可能な外フラップを内側に折り込んだ際にも、フラップの先端が、天面の対向する稜線からはみ出すことなくカートンの製函が可能となる。
【0018】
また、供給されたブランクを、
・サイズに合わせた数の小フラップ折り、
・サイズに合わせた内フラップ起こし、
・前記小フラップ折りで折らなかった小フラップ折り、
・内フラップ折り込み、
・外フラップ起こし、
・外フラップ折り込みと天面の封緘、
の工程で順次組み立てて製函する方法をとることによって、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有したブランクを用い、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図2】
図2は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、ブランクを構成する各部分を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、ブランクを構成するフラップの詳細を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、小フラップ部分をより詳細に説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図5】
図5は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、組み立て前のブランクの斜視模式図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、サイズに合わせた数の小フラップ折りを示す斜視模式図である。
【
図7】
図7は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、サイズに合わせた内フラップ起こしを示す斜視模式図である。
【
図8】
図8は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、(1)の工程で折らなかった小フラップ折りを示す斜視模式図である。
【
図9】
図9は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、内フラップ折り込みを示す斜視模式図である。
【
図10】
図10は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、外フラップ起こしを示す斜視模式図である。
【
図11】
図11は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、天面の封緘を示す斜視模式図である。
【
図12】
図12は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法において、カートンの高さを高く、折り罫線の3段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【
図13】
図13は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法において、カートンの高さを中位に、折り罫線の2段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【
図14】
図14は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法において、カートンの高さを低く、折り罫線の1段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を
図1~
図14を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0021】
図1は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0022】
本発明の用いるブランク(100)は、カートンがラップラウンド方式による自動製函機で組み立てて形成されるものあって、これによって形成されるカートンは6面体である
。
【0023】
6面は、矩形の底面、胴部の4面、矩形の天面の合計6面であり、ブランク(100)は、板紙や段ボール原紙などの平坦な材料からなる。本明細書において、板紙、段ボール原紙等からなる箱を含めてカートンと呼ぶこととする。
【0024】
ラップラウンド方式で組み立てられ、製函されたカートンは、たとえば飲料や加工食品また生活用品をはじめとする様々な分野で、商品の包装容器として広く使われている。すなわち、板紙や段ボール原紙等からなるブランク(100)を、専用のラップラウンド方式の自動製函機で、内容物を周囲から包み込むように製函し、また折り罫線での折曲げやフラップを折り込むなどして立体に組み立て、糊付けを行い自動製函することができるものである。
【0025】
本発明においては、このラップラウンド方式の自動製函機を用いて、ブランク(100)を製函する方法を提案しようとするものであり、高さの異なるカートンの製函を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法を提供しようとするものである。
【0026】
図1に示すブランクの例は、正方形(90)を最外周として形成され、中心から四方に向かってフラップが形成されているものであって、ヤッコ型とも呼ばれる形態のものである。前述のように、ブランク(100)の材料は、板紙、段ボール原紙等を用いることができる。
【0027】
ブランク(100)は、最外周の正方形(90)の中央部に、カートンの矩形の底面(10)となる部分を配置してあり、矩形の底面(10)の4辺は、それぞれ最外周の正方形(90)の4隅に正対している。
【0028】
矩形の底面(10)は、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)及び折り罫線(53)で囲まれた矩形の部分である。なお、
図1に示す例から見て取れる通り、矩形の短辺は折り罫線(50)、及び折り罫線(51)であり、矩形の長辺は折り罫線(52)、及び折り罫線(53)である。
【0029】
この矩形の底面(10)の4辺からは、6面体の胴部の4面のフラップ、及びそれに連続して外側に、矩形の天面を形成可能なフラップが連続して形成されている。これらは、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)、及び折り罫線(53)を介して矩形の底面(10)に連続している。
【0030】
なお、
図1に示す例において、6面体の胴部の4面の矩形のフラップは、網がけをした矩形の部分である。本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法は、この6面体の胴部の4面の矩形のフラップに、複数の折り罫線をあらかじめ設けておき、選択的に折り込むことで、ラップラウンド方式の自動製函機において、高さの異なるカートンの製函を、品種替え、型替えなしで作り分けることを可能にしようとするものである。
【0031】
図2は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、ブランクを構成する各部分を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0032】
前述のようにブランク(100)は、正方形(90)の中央部に、カートンの矩形の底面(10)となる部分を配置してあり、矩形の底面(10)の4辺は、それぞれ最外周の正方形(90)の4隅に正対している。なお、
図1とは異なり、
図2に示す例においては
、正方形(90)の4隅は、上下左右に配置されて示されている。
【0033】
矩形の底面(10)の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する、矩形のフラップ(20)、矩形のフラップ(21)、矩形のフラップ(22)、及び矩形のフラップ(23)の4枚が、矩形の底面(10)を形成する4本の折り罫線を介して連続して形成されている。
【0034】
なお、
図2に示す例において、6面体の胴部の4面を形成する矩形のフラップは、網がけをした4箇所である。
【0035】
すなわち、矩形のフラップ(20)は、矩形の底面(10)と折り罫線(50)を介して連続している。
【0036】
同様に、矩形のフラップ(21)は、矩形の底面(10)と折り罫線(51)を介して連続している。
【0037】
同様に、矩形のフラップ(22)は、矩形の底面(10)と折り罫線(52)を介して連続している。
【0038】
同様に、矩形のフラップ(23)は、矩形の底面(10)と折り罫線(53)を介して連続している。
【0039】
さらに、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップから連続して、4方から内側に向けて折り込んで、矩形の天面を形成可能な4枚のフラップが連続している。
【0040】
すなわち、矩形のフラップ(20)に連続して、矩形の天面を形成可能な内フラップ(30)が連続している。
【0041】
同様に、矩形のフラップ(21)に連続して、矩形の天面を形成可能な内フラップ(31)が連続している。
【0042】
同様に、矩形のフラップ(22)に連続して、矩形の天面を形成可能な外フラップ(32)が連続している。
【0043】
同様に、矩形のフラップ(23)に連続して、矩形の天面を形成可能な外フラップ(33)が連続している。
【0044】
これら矩形の天面を形成可能な4枚の外フラップは、ラップラウンド方式の自動製函機による製函において、4方から内側に向けて折り込んで、矩形の天面を形成することができる。
【0045】
矩形の天面を形成可能な4枚のフラップは、矩形の底面(10)の短辺側の、天面を形成可能な内フラップ(30)、及び天面を形成可能な内フラップ(31)の2枚では、最外周の正方形(90)の上下の隅を直角の頂点とする二等辺三角形である。
【0046】
また、矩形の底面(10)の長辺側の、矩形の天面を形成可能な外フラップ(32)、及び矩形の天面を形成可能な外フラップ(33)の2枚では、最外周の正方形(90)の左右の隅を直角の頂点とする、二等辺三角形の直角の頂点を切り取った台形となっている。
【0047】
この直角の頂点の切り取りは、ブランク(100)が製函されて矩形の天面を形成する際に、最外周の正方形(90)の隅の直角の頂点が、矩形の天面の対向する稜線からはみ出ないようにするために効果的であって、その寸法の規定については、
図4について説明する際に後述する。
【0048】
図2に示す例において、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、短辺側の一対のフラップの、複数の折り罫線とフラップの側部とで囲まれた四角形の両端部に、各々小フラップ(40)が、折り罫線を介して連続して設けてある。
【0049】
また、
図2に示す例においては、矩形の底面(10)の短辺側に接続する、矩形のフラップ(20)、及びそれに対向する矩形のフラップ(21)の両端部に小フラップ(40)が設けてある例である。
【0050】
また、
図2に示す例では、小フラップ(40)は、一辺に3枚づつ設けてある例である。
【0051】
小フラップ(40)は製函されたカートンにおいて、6面体の胴部の4箇所の縦の稜線部分を密閉することに効果的であり、また6面体の機械的強度を高めることにも効果的である。
【0052】
図3は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、ブランクを構成するフラップの詳細を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0053】
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップには、接続する矩形の底面(10)を形成する4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複数の折り罫線がそれぞれの矩形のフラップに設けてある。
図3に示す例においては、各フラップに設けられた複数の折り罫線は、それぞれ3本の例である。
【0054】
なお、
図3に示す例において、6面体の胴部の4面の矩形のフラップは、網がけをした4箇所の矩形の部分である。
【0055】
矩形の底面(10)を囲む4辺の折り罫線は、接続する各フラップとの境界線であって、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)、及び折り罫線(53)の4本である。
【0056】
すなわち短辺側の、矩形のフラップ(20)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(60)、折り罫線(70)、折り罫線(80)の3本が設けてある。
【0057】
同様にそれに対向する短辺側の、矩形のフラップ(21)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(61)、折り罫線(71)、折り罫線(81)の3本が設けてある。
【0058】
長辺側の矩形のフラップ(22)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(62)、折り罫線(72)、折り罫線(82)の3本が設けてある。
【0059】
同様にそれに対向する長辺側の、矩形のフラップ(23)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(63)、折り罫線(73)、折り罫線(83)の3本が設けてある。
【0060】
これらのフラップに設けた複数の折り罫線は、製函工程において天面を形成するためにフラップを折り込む際に、いずれかの折り罫線を選択して折り込むのであって、これによって製函されるカートンの高さを選択的に決定することができる。
【0061】
したがって、
図3に示す例においては、各矩形のフラップに設けた折り罫線は3本であるから、選択して折り込む折り罫線によって、高さが異なるカートンを製函することができる。
【0062】
すなわち、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法は、この6面体の胴部の4面のフラップに、複数の折り罫線をあらかじめ設けておくことで、ラップラウンド方式の自動製函機において、高さの異なるカートンの製函を、型替えなしで作り分けることを可能にしようとするものである。
【0063】
したがって、本発明によれば、複数の折り罫線を選択的に折り込むことで、サイズ可変とするものであって、ここに示すように胴部の4面のフラップに、3本の折り罫線を設けておく場合には、3種類のサイズのカートンを作り分けることが可能となる。
【0064】
図4は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクの一実施態様において、小フラップ部分をより詳細に説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0065】
図4に示すブランクの例において、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、平行な複数の折り罫線とフラップの側部とで囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップ(40)が、折り罫線を介して連続して設けてある。
【0066】
なお、
図4に示す例において、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップは、
図1~
図3と同様に、網がけをした矩形の部分である。
【0067】
また、
図4に示す例においては、矩形の底面(10)の短辺側に接続する、矩形のフラップ(20)、及びそれに対向する矩形のフラップ(21)の両端部にそれぞれ小フラップ(40)が設けてある例である。
【0068】
また、
図4に示す例においては、小フラップ(40)は、一辺に3枚づつ設けてある例である。前述のように、小フラップ(40)は製函において、6面体の胴部の縦方向の4箇所の縦方向の稜線部分を密閉することに効果的であり、また6面体のカートンの機械的強度を高めることにも効果的である。
【0069】
本発明に用いるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランク(100)においては、ラップラウンド方式の自動製函機への適性が必要である。したがって
図4に示すように、小フラップ(40)のうち、一番外側の小フラップ(40)の先端部は、最外周の正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側にあることによって、ラップラウンド方式において自動製函を妨げることなく円滑に行うことができる。
【0070】
加えて、ブランク(100)の最外周が正方形(90)であることにより、ブランク(100)を形成する際においても、ブランク(100)の材料のロスをより少なくすることが可能となる。
【0071】
また、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクにおいては、
図4に示すように、矩形の底面(10)の短辺の長さをbとして、矩形の底面(10)の長辺に
連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、矩形の底面(10)の長辺に一番近い折り罫線から、台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
である。
【0072】
図4に示す例において見て取れるように、矩形の底面(10)の短辺の長さ(b)は、折り罫線(52)と折り罫線(53)との距離であり、台形の上辺までの距離(a)は、折り罫線(63)と、矩形の天面を形成可能な外フラップ(33)の台形の上辺までの距離である。
【0073】
同様に台形の上辺までの距離(a)は、折り罫線(62)と、矩形の天面を形成可能な外フラップ(32)の台形の上辺までの距離でもある。
【0074】
台形の上辺までの距離(a)、及び矩形の底面(10)の短辺の長さ(b)が、この関係であることによって、カートンの矩形の天面を形成する際に、天面を形成可能な外フラップ(32)、及び天面を形成可能な外フラップ(33)を内側に折り込んだ際にも、それらのフラップの先端が、矩形の天面の対向する長辺の稜線からはみ出すことなく天面が形成され、ラップラウンド方式の自動製函機によるカートンの製函が可能となる。
【0075】
したがって、複数の折り罫線の内、フラップを折り罫線(63)、及び折り罫線(62)で折り込んで、台形の上辺までの距離(a)が最大となる場合にも、矩形の天面の対向する長辺の稜線からはみ出すことなく天面の形成が可能である。
【0076】
図5は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、組み立て前のブランクの斜視模式図である。
【0077】
ブランク(100)は、正方形(90)の中央部に、カートンの矩形の底面(10)となる部分を配置してあり、矩形の底面(10)の4辺は、それぞれ最外周の正方形(90)の4隅に正対している。
【0078】
矩形の底面(10)は、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)及び折り罫線(53)で囲まれた部分である。また、
図5に示す例から見て取れる通り、矩形の底面(10)の長辺は折り罫線(52)、及び折り罫線(53)であり、矩形の底面(10)の短辺は折り罫線(50)、及び折り罫線(51)である。
【0079】
これらの矩形の底面(10)の4辺からは、6面体の胴部の4面の矩形のフラップ、及び矩形の天面を形成可能なフラップが連続して形成されており、これらは、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)、及び折り罫線(53)を介して連続している。
【0080】
本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法においては、矩形の底面(10)を中心に、内容物を包み込むようにして、矩形の底面(10)の周囲に連続するフラップを順次折り込んで製函する最適の方法を提案しようとするものである。すなわち、この製函方法は、高さの異なるカートンの製函を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法である。
【0081】
図6は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、サイズに合わせた数の小フラップ折りを示す斜視模式図である。
【0082】
ブランク(100)の組み立ては、供給されたブランク(100)の小フラップ(40)を折ることから始められる。これは、製函するカートンのサイズに合わせた数の小フラップ(40)折りであって、
図6に示す例においては、各辺3枚の小フラップのうち外側から2枚を折る例である。この折り込みは
図6中、小フラップ(40)の近傍の2本の矢印で示されている。
【0083】
本発明においては、カートンのサイズは可変であって、矩形の底面(10)、矩形の天面に対して、高さを作り分けることが可能であり、
図6に示す例では、カートンの高さは可変の3段階のうち、一番低く製函する例を示すものである。
【0084】
どの折り罫線を選択してサイズの異なるカートンを作り分けるかは、後段
図12~
図14においても説明を加えるが、カートンに製函した際の4面の胴部となる部分の両端部の小フラップを残して、他の小フラップを折り込む工程である。
【0085】
図6に示す例においては、矩形の底面(10)に近い四角形の両端部の小フラップのみを残して、他の小フラップを折り込んでおり、この場合には、残った小フラップの幅が、カートンの4面の胴部の高さを決定することになる。
図6に示す例では、小フラップ一つ分であるから、可変の高さの内、高さの低いカートンを製函しようとする例である。
【0086】
図7は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、サイズに合わせた内フラップ起こしを示す斜視模式図である。
【0087】
次の工程は、サイズに合わせた内フラップ起こしであって、矩形の底辺の短辺側に接続するフラップを起こす作業である。フラップ起こしは、図中太矢印の方向に内フラップを起こして行う。
【0088】
短辺側の矩形のフラップ(20)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(60)、折り罫線(70)、折り罫線(80)の3本が設けてあり、
図7に示す例においては、折り罫線(60)でフラップを上方に折る作業である。この折り罫線(60)はカートンが完成した時点で、矩形の天面の短辺側の稜線を形成するものである。
【0089】
また、もう一つの短辺側の矩形のフラップ(21)には、矩形の底面(10)に近い側から順に、折り罫線(61)、折り罫線(71)、折り罫線(81)の3本が設けてあり、
図7に示す例においては、折り罫線(61)でフラップを上方に折る作業である。この折り罫線(61)はカートンが完成した時点で、矩形の天面の短辺側の稜線を形成するものである。
【0090】
図8は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、(1)の工程で折らなかった小フラップ折りを示す斜視模式図である。
【0091】
ブランクの組み立ての次の工程は、
図6に示す工程で折らなかった、小フラップ折りを示す斜視模式図である。
【0092】
前述のようにここで示す例は、内フラップ起こしに、折り罫線(60)及び折り罫線(61)を選択して、上方に起こす例であり、この時点で
図6に示す工程で折らなかった、小フラップを上方に折ることによって、この部分では小フラップ同士が重なった状態になる。
【0093】
この状態にすることによって、ラップラウンド方式の製函において、2枚の内フラップを内側に向けて折り込み、矩形の天面を短辺側から形成する準備が行われる。
【0094】
図9は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、内フラップ折り込みを示す斜視模式図である。
【0095】
ブランク組み立ての次の工程は、内フラップ折り込みであって、図中太矢印で示す折り込みである。すなわち、内フラップを
図8に示す状態から、折り罫線(50)、及び折り罫線(51)で更に折り込み、矩形の天面を短辺側から形成した状態である。但し、折り罫線(50)は、
図9の向こう側の矩形のフラップに隠れて不可視である。
【0096】
また、
図7及び
図8に示す状態で、内フラップを折り罫線(60)及び折り罫線(61)を選んで折った部分は、
図9に示す状態において、矩形の天面の短辺側の稜線を形成している。
【0097】
図10は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、外フラップ起こしを示す斜視模式図である。
【0098】
ブランク組み立ての次の工程は、外フラップ起こしである。ここでは折り罫線(52)及び折り罫線(53)で、図中太矢印方向に、外フラップ(32)、及び外フラップ(33)を起こした状態である。
【0099】
この状態にすることによって、ラップラウンド方式の製函において、外フラップを折り込み、矩形の天面を長辺側から形成して、矩形の天面を完成する準備が行われる。
【0100】
図11は、本発明に係るサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法に用いるブランクを組み立てる様子を説明するための、天面の封緘を示す斜視模式図である。
【0101】
ブランク組み立ての次の工程は、外フラップ折り込みと天面の封緘であって、これでラップラウンド方式による組み立て、及び製函は完成となる。
図11に示す状態において、この2枚の外フラップの折り込みは折り罫線(62)及び折り罫線(63)を折り込んで行われ、矩形の天面の長辺側から、天面を覆って、さきに折り込んだ2枚の内フラップとともに矩形の天面を完成させる。
【0102】
このようにして形成された矩形の天面は、封緘されカートン(101)は密封される。この封緘の方法については、特段の制約を設けるものではなく、カートン(101)の内容物や用途に応じて適宜選択することができる。例えば糊付けなどの方法を用いるのでもよい。
【0103】
また、この時のカートン(101)の高さは、
図11において、高さ(h)で示されており、折り罫線(53)と、折り罫線(63)との距離である。すなわち、矩形のフラップに設けられた複数の折り罫線のうち、折り罫線の1段目で折ってカートン(101)の高さを低く組み立てたものである。
【0104】
また、本発明においては、矩形の底面の短辺の長さをbとして、矩形の底面の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、矩形の底面の長辺に一番近い折り罫線から、台形の上辺までの距離をaとしたとき、台形の上辺までの距離(a)と短辺の長さ(b)の関係が、
a≦b
であることによって、カートンの矩形の天面を形成する際に、矩形の天面を形成可能な外
フラップ(32)及び外フラップ(33)を内側に折り込んだ際にも、外フラップの先端が、矩形の天面の対向する稜線からはみ出すことなくカートン(101)の製函が可能となる。
図11において、カートン(101)の矩形の天面の形状に、この様子が見て取れる。
【0105】
図12は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを高く、折り罫線の3段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0106】
図12に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを高く組み立てる例である。すなわち、折り罫線(80)で、三角形の、天面を形成可能な内フラップ(30)を折り込み、折り罫線(81)で三角形の、天面を形成可能な内フラップ(31)を折り込む。
【0107】
さらに、折り罫線(82)で、台形の、天面を形成可能な外フラップ(32)を折り込み、折り罫線(83)で天面を形成可能な外フラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折り込んで、カートン(101)の矩形の天面を形成することができる。
【0108】
すなわちカートン(101)の矩形の天面は四方から内側に向かって折り込まれた4枚のフラップによって形成され、カートンは密封される。
【0109】
また、この時のカートン(101)の高さは、
図12において、高さ(h)で示されており、折り罫線(53)と、折り罫線(83)との距離である。すなわち、矩形のフラップに設けられた複数の折り罫線のうち、折り罫線の一番外側の3段目すなわち内フラップにおいては折り罫線(80)、及び折り罫線(81)、外フラップにおいては折り罫線(82)、及び折り罫線(83)で折って、カートン(101)の高さを高く組み立てたものである。
【0110】
したがって、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、可変の高さ3段階の内、高さ(h)が最も高いカートン(101)を形成することが可能である。
【0111】
図13は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを中位に、折り罫線の2段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0112】
図13に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを中くらいに組み立てる例である。すなわち、折り罫線(70)で、三角形の、天面を形成可能な内フラップ(30)を折り込み、折り罫線(71)で三角形の、天面を形成可能な内フラップ(31)を折り込む。
【0113】
さらに、折り罫線(72)で、台形の、天面を形成可能な外フラップ(32)を折り込み、折り罫線(73)で天面を形成可能な外フラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折り込んで、カートンの矩形の天面を形成することができる。
【0114】
すなわちカートン(101)の矩形の天面は四方から内側に向かって折り込まれた4枚のフラップによって形成され、カートンは密封される。
【0115】
また、この時のカートン(101)の高さは、
図13において、高さ(h)で示されて
おり、折り罫線(53)と、折り罫線(73)との距離である。すなわち、矩形のフラップに設けられた複数の折り罫線のうち、折り罫線の真ん中の2段目すなわち内フラップにおいては折り罫線(70)、及び折り罫線(71)、外フラップにおいては折り罫線(72)、及び折り罫線(73)で折って、カートン(101)の高さを中くらいに組み立てたものである。
【0116】
したがって、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、3段階の内、高さ(h)が中くらいのカートン(101)を形成することが可能である。
【0117】
図14は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを低く、折り罫線の1段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0118】
図14に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを高く組み立てる例である。すなわち、折り罫線(60)で、三角形の、天面を形成可能な内フラップ(30)を折り込み、折り罫線(61)で三角形の、天面を形成可能な内フラップ(31)を折り込む。
【0119】
さらに、折り罫線(62)で、台形の、天面を形成可能な外フラップ(32)を折り込み、折り罫線(63)で天面を形成可能な外フラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折り込んで、カートンの矩形の天面を形成することができる。
【0120】
すなわちカートン(101)の矩形の天面は四方から内側に向かって折り込まれた4枚のフラップによって形成され、カートンは密封される。
【0121】
また、この時のカートン(101)の高さは、
図14において、高さ(h)で示されており、折り罫線(53)と、折り罫線(63)との距離である。すなわち、矩形のフラップに設けられた複数の折り罫線のうち、折り罫線の1段目すなわち内フラップにおいては折り罫線(60)、及び折り罫線(61)、外フラップにおいては折り罫線(62)、及び折り罫線(63)で折って、カートン(101)の高さを最も低く組み立てたものである。
【0122】
このように、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、3段階の内、高さ(h)が最も低いカートン(101)を形成することが可能である。
【0123】
このようにして、本発明によれば、同一のブランクを用いて、
図12~
図14に示す、3段階の高さの異なるカートン(101)を型替えなしで、作り分けることが可能である。
【0124】
サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクを用いて形成されるカートンは、例えば、同じ大きさの枚葉の内容物を、入り数を変えて収納する場合などに用いることが可能である。
【0125】
具体的な事例をあげれば、例えば湿布薬を収納するカートンにおいて、20枚入りのピロー袋を2袋(40枚)、4袋(80枚)、6袋(120枚)などの、商品のバリエーションに対応したカートンを品種切り替え、型替えなしで、製函する方法を実現することが可能である。
【0126】
すなわち、従来はサイズの異なるカートンの製函においては、品種切り替え、型替えを必要とし、切り替えロスが発生していたものを、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法によって、改善が可能であり、小ロット、多品種化への対応が可能となる。
【0127】
このようにして、本発明によれば、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有したブランクを用い、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートンの製函方法の提供が可能である。
【符号の説明】
【0128】
10・・・矩形の底面
20・・・矩形のフラップ
21・・・矩形のフラップ
22・・・矩形のフラップ
23・・・矩形のフラップ
30・・・天面を形成可能な内フラップ
31・・・天面を形成可能な内フラップ
32・・・天面を形成可能な外フラップ
33・・・天面を形成可能な外フラップ
50・・・折り罫線
51・・・折り罫線
52・・・折り罫線
53・・・折り罫線
60・・・折り罫線
61・・・折り罫線
62・・・折り罫線
63・・・折り罫線
70・・・折り罫線
71・・・折り罫線
72・・・折り罫線
73・・・折り罫線
80・・・折り罫線
81・・・折り罫線
82・・・折り罫線
83・・・折り罫線
90・・・四角形
100・・・ブランク
101・・・カートン
a・・・台形の上辺までの距離
b・・・短辺の長さ
h・・・高さ