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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188522
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】樹脂-金属複合チャージバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/02 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
F16K27/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096628
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】前田 高男
(72)【発明者】
【氏名】桝野 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】林 亮平
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051AA03
3H051BB10
3H051CC11
3H051CC14
3H051CC16
3H051DD01
3H051DD07
3H051FF01
3H051FF08
3H051FF15
(57)【要約】
【課題】ガス漏れを抑えることができる樹脂製のバルブ本体を備える、樹脂-金属複合チャージバルブを提供すること。
【解決手段】チャージバルブ(100)を構成するバルブ本体(1)は、筒状の収容部(12)を有する樹脂製の第1バルブ本体(7)および樹脂製の筒状の第3バルブ本体(9)と、バルブコア(2)の雄ネジ部(4b)と螺合する雌ネジ部(15a)が内周面に設けられた金属製の筒状の第2バルブ本体(8)とで構成される。また、第2バルブ本体(8)の外周面と収容部(12)の内周面との間にシール材(例えば、Oリング(14))が配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に雄ネジ部が設けられたバルブコアと、当該バルブコアが内部に配置されるバルブ本体と、を備えるチャージバルブにおいて、
前記バルブ本体は、
筒状の収容部を有する樹脂製の第1バルブ本体と、
前記収容部に収容される金属製の筒状の第2バルブ本体であって、前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が内周面に設けられた第2バルブ本体と、
前記第2バルブ本体が前記収容部に収容された後、前記収容部に基端部が収容される樹脂製の筒状の第3バルブ本体と、
を備え、
前記第2バルブ本体の外周面と前記収容部の内周面との間にシール材が配置されている、
樹脂-金属複合チャージバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂-金属複合チャージバルブにおいて、
前記第2バルブ本体は、
前記シール材が外周面に配置される第1筒部と、
回り止め部を外周面に有する第2筒部と、で構成され、
前記収容部の内周面に前記回り止め部と係合する係合部が設けられている、
樹脂-金属複合チャージバルブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の樹脂-金属複合チャージバルブにおいて、
前記第1バルブ本体は、前記収容部と、樹脂パイプの接続口が両端部に形成された筒状のパイプ部と、を有するT字形状とされている、
樹脂-金属複合チャージバルブ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の樹脂-金属複合チャージバルブにおいて、
前記シール材はOリングである、
樹脂-金属複合チャージバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のエアコン配管などに取り付けられるチャージバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にチャージバルブに関する技術が記載されている。特許文献1に記載のチャージバルブは、アルミニウム合金で形成されたバルブ本体の内部にバルブコアが配置されてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-119753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車をより軽量化するために、自動車用のエアコン配管を樹脂化する検討が行われている。エアコン配管の樹脂化において、当該配管に取り付けられるチャージバルブも樹脂化する場合、そのバルブ本体を単純に樹脂製のものとすると、次のような問題がある。バルブコアが固定されているバルブ本体の樹脂製の雌ネジ部にクリープが生じ、振動などによってバルブコアが緩んでしまうことが懸念される。なお、クリープとは、材料に静荷重を継続的に与え続けたときに、時間とともに材料の変形量が増加する現象のことをいう。
【0005】
バルブコア固定部のクリープの発生を防止するには、バルブコアが螺合されるバルブ本体の雌ネジ部を金属製の部品にし、その他の部分を樹脂製にすることが考えられる。この場合、例えば、雌ネジ部を有する筒状の金属製部品を樹脂成形の金型の内部に装填して射出成形する、いわゆるインサート成形により、雌ネジ部が金属製で、その他の部分が樹脂製の2つの部品からなるバルブ本体を製造することができる。しかしながら、この方法(構造)では、金属製部品と樹脂製部品との間に隙間ができてしまい、この隙間からガス漏れが発生してしまう。
【0006】
本発明の目的は、ガス漏れを抑えることができる樹脂製のバルブ本体を備える、樹脂-金属複合チャージバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願で開示する樹脂-金属複合チャージバルブは、外周面に雄ネジ部が設けられたバルブコアと、当該バルブコアが内部に配置されるバルブ本体と、を備えるチャージバルブであって、前記バルブ本体は、筒状の収容部を有する樹脂製の第1バルブ本体と、前記収容部に収容される金属製の筒状の第2バルブ本体であって、前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が内周面に設けられた第2バルブ本体と、前記第2バルブ本体が前記収容部に収容された後、前記収容部に基端部が収容される樹脂製の筒状の第3バルブ本体と、を備え、前記第2バルブ本体の外周面と前記収容部の内周面との間にシール材が配置されている。
【発明の効果】
【0008】
上記構成のチャージバルブによれば、バルブ本体を樹脂製としつつ、ガス漏れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る、樹脂-金属複合チャージバルブの一部切り欠き断面図である。
図2】樹脂-金属複合チャージバルブを構成するバルブ本体の一部切り欠き断面図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4】バルブ本体を構成する第1バルブ本体の断面図である。
図5】バルブ本体を構成する第2バルブ本体の断面図である。
図6】バルブ本体を構成する第3バルブ本体の断面図である。
図7】回り止め部、および、それに係合する係合部の変形例を示す図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示すように、チャージバルブ100(樹脂-金属複合チャージバルブ)は、バルブ本体1と、バルブ本体1の内部に配置されるバルブコア2とを備える。バルブコア2を保護するためのキャップ3が、バルブ本体1の端部に取り付けられている。
【0012】
バルブコア2は、筒状のバルブコア本体4と、棒状の弁部材5と、弁部材5に挿入されるコイルスプリング6とで構成される。バルブコア本体4および弁部材5の材料は、例えば、真鍮である。バルブコア本体4の軸方向の端部の内周面側は環状の凹部4aとされ、この凹部4aが弁座となる。バルブコア本体4の外周面に、雄ネジ部4b、環状の溝部4c、および環状の段差部4dが、バルブコア本体4の軸方向において、上記凹部4a側から順に設けられている。上記溝部4cにシール材としてのOリング10が装着される。段差部4dは、本実施形態では、弁体11側に向かうにつれて、先細りのテーパ形状とされている。なお、段差部4dは、バルブコア本体4の軸方向に対して直交する方向に延びる面とされてもよい。段差部4dの形状は、特に限定されない。
【0013】
弁部材5の一方の端部に環状の弁体11が固定され、他方の端部にバネ受け部5aが設けられる。コイルスプリング6は、弁部材5に挿入され、バネ受け部5aとバルブコア本体4の端面との間に圧縮状態で装着された状態とされる。コイルスプリング6は、バルブコア本体4に形成された前記凹部4aに向けて弁体11を付勢する。図1において、コイルスプリング6は、弁部材5(弁体11)を上方へ付勢する。通常時、コイルスプリング6の付勢力によって、弁体11は凹部4aに嵌り込んでいる。バルブ本体1内のパイプ部13側の流路C1と、バルブ本体1内のキャップ3側の流路C2とは、凹部4aに弁体11が嵌り込んでいることで非連通状態(=バルブ閉)となる。コイルスプリング6の付勢力に抗して弁部材5のバネ受け部5a側が、その軸方向において、バルブコア本体4の内部に押し込まれると、弁体11は凹部4aから離れる。弁体11が、凹部4aから離れると、流路C1と流路C2とは連通状態(=バルブ開)となる。流路C1と流路C2とが連通状態となると、流路C2側から流路C1側へ、ガス(冷媒ガス)が流入可能となる(ガスチャージ)。
【0014】
バルブコア2が内部に配置されるバルブ本体1は、樹脂製の第1バルブ本体7と、金属製の筒状の第2バルブ本体8と、樹脂製の筒状の第3バルブ本体9との三体で構成される。すなわち、バルブ本体1は、3つの(三体の)部品で構成される。第2バルブ本体8の材料は、アルミニウム合金、真鍮などである。第1バルブ本体7、および第3バルブ本体9は、例えば、樹脂材料の射出成形により製造される。
【0015】
本実施形態において、第1バルブ本体7は、筒状の収容部12と、パイプ部13とを有するT字形状とされている。収容部12とパイプ部13とは、筒状の連通部18で連通されている。連通部18の内径は、収容部12の内径よりも小さい。
【0016】
収容部12には、第2バルブ本体8とともにバルブコア2が収容される。パイプ部13の両端部には、樹脂パイプ(不図示)の接続口13aが形成されている。接続口13aに樹脂パイプの端部が収容される。接続口13aに収容される樹脂パイプの端部と接続口13aとは、例えば、溶着、接着、圧入などにより固定される。
【0017】
図5に示すように、第2バルブ本体8は、第1筒部15と第2筒部16とで構成される。第2筒部16の外径は、第1筒部15の外径よりも大きい。第1筒部15の内周面に、バルブコア2の雄ネジ部4bと螺合する雌ネジ部15aが設けられる。また、第1筒部15の外周面に、環状の溝部15bが設けられる。図1図2に示すように、この溝15bに、シール材としてのOリング14が装着される。
【0018】
図3に示すように、第2バルブ本体8を構成する第2筒部16の外周面には、回り止め部としての切り欠き部16aが設けられている。本実施形態では、第2筒部16の周方向において、180°の位相差で2つの切り欠き部16aが設けられている。図3図4に示すように、これらの切り欠き部16aが、それぞれ係合する2つの凸部12a(係合部)が、第1バルブ本体7の収容部12の内周面に設けられている。凸部12aの位置に切り欠き部16aの位置を合わせながら、収容部12に、その軸方向から第2バルブ本体8が収容されて、上記凸部12aに切り欠き部16aが係合する。凸部12aに切り欠き部16aが係合することで、第2バルブ本体8は第1バルブ本体7に対して回転しない。
【0019】
また、第2筒部16の軸方向の端部の内角部は、バルブコア本体4の前記段差部4dが当接する当接部16bとされている。本実施形態において、この当接部16bは、テーパ形状とされている。なお、前記段差部4dが、バルブコア本体4の軸方向に対して直交する方向に延びる面とされた場合は、第2筒部16の軸方向の端面に、段差部4dが当接することとなる。そのため、前記段差部4dが、バルブコア本体4の軸方向に対して直交する方向に延びる面とされた場合は、第2筒部16の軸方向の端面が、段差部4dと当接する当接部となる。この場合、第2筒部16の軸方向の端部の内角部は、本実施形態のように、テーパ形状とされていてもよいし、されていなくてもよい。
【0020】
第3バルブ本体9は、第2バルブ本体8が収容部12に収容された後、その基端部17が、収容部12の端部に収容される部品である。収容部12の端部に収容される第3バルブ本体9の基端部17と収容部12の端部とは、例えば、溶着、接着、圧入などにより固定される。
【0021】
第3バルブ本体9の外周には、環状の鍔部9bが設けられている。鍔部9bは、第3バルブ本体9の軸方向において、基端部17寄りの部分に設けられている。また、第3バルブ本体9の基端部17とは反対側の端部の内周面には、キャップ3が螺合される雌ネジ部9aが設けられている。
【0022】
バルブ本体1の組み立て方法は、例えば、次のとおりである。
【0023】
第2バルブ本体8の第1筒部15の外周面に設けられた溝部15bに、Oリング14を装着する。Oリング14が装着された第2バルブ本体8を、第1バルブ本体7に形成された収容部12に収容し、収容部12の底面12bに第1筒部15の端面を当接させる。ここで、図4に示すように、収容部12は、小径部12cと大径部12dとを有し、小径部12cと大径部12dとの境界部に段差面12eがある。収容部12の底面12bに第1筒部15の端面を当接させたとき、第2筒部16の端面と段差面12eとの間に隙間が形成されるように、収容部12は設計されている。収容部12の底面12bが、第2バルブ本体8を位置決めするための面であり、軸方向において、第2筒部16の端面と段差面12eとの間に隙間が形成されることで、収容部12の底面12bに第1筒部15の端面を確実に当接させることができる。
【0024】
次に、第3バルブ本体9の基端部17を第1バルブ本体7の収容部12に収容する。第1バルブ本体7および第3バルブ本体9は、樹脂製であるため、金属製である場合よりも柔らかい。そのため、第3バルブ本体9の基端部17を第1バルブ本体7の収容部12に収容すると、図1図2に示すように、基端部17の軸方向の端面、および第3バルブ本体9の鍔部9bの軸方向の端面は、いずれも、それぞれ、第2バルブ本体8の第2筒部16の軸方向の端面、および収容部12の軸方向の端面に当接する。なお、第3バルブ本体9などにおいて、製造誤差が多少大きかった場合には、基端部17の軸方向の端面、および鍔部9bの軸方向の端面のうちのいずれかが、第2筒部16の軸方向の端面、または収容部12の軸方向の端面に当接する。
【0025】
第3バルブ本体9の基端部17と、収容部12の端部とを、例えば、溶着、接着、圧入などにより固定することで、第1バルブ本体7と第3バルブ本体9とが固定され、バルブ本体1の組み立てが完了する。
【0026】
バルブ本体1へのバルブコア2の組み付け方法は、例えば、次のとおりである。
【0027】
バルブ本体1の第3バルブ本体9の端部から、バルブ本体1の内部へバルブコア2を挿入する。そして、バルブ本体1を構成する第2バルブ本体8の雌ネジ部15aに、バルブコア2の雄ネジ部4bを螺合させる。すなわち、第2バルブ本体8にバルブコア2をねじ込む。第2バルブ本体8にバルブコア2をねじ込んでいくと、バルブコア本体4の外周面に設けられた段差部4dが、第2バルブ本体8の第2筒部16に形成された当接部16bに軸方向から当接する。
【0028】
ここで、バルブコア本体4に関し、バルブコア2の弁体11側とは反対側の軸方向の端部には、工具(不図示)で把持可能な平板形状の把持部4eが設けられており、バルブコア2の第2バルブ本体8内へのねじ込みが容易とされている。作業員は、この把持部4eを工具で把持し、第2バルブ本体8にバルブコア2をねじ込む。バルブコア本体4に設けられた段差部4dが、第2バルブ本体8の第2筒部16に形成された当接部16bに当接したら、作業員は、少しねじ込む力を強め、上記当接部16bに段差部4dを押し付ける。当接部16bに段差部4dを押し付けると、当接部16bに段差部4dが少し食い込んだような状態となり、バルブコア2の雄ネジ部4bと第2バルブ本体8の雌ネジ部15aとの螺合固定が強固なものとなる。すなわち、バルブコア2の緩みが、より防止される。バルブコア2の第2バルブ本体8内への十分なねじ込みにより、バルブ本体1へのバルブコア2の組み付けが完了する。なお、段差部4dおよび当接部16bは、第2バルブ本体8の軸方向における、第2バルブ本体8に対してのバルブコア2の位置決めの役割も担う。
【0029】
(効果)
チャージバルブ100は、第1バルブ本体7および第3バルブ本体9が樹脂製のバルブ本体1であるため、従来の全てが金属製のバルブ本体で構成されるチャージバルブよりも軽量化が図られている。一方で、バルブコア2の雄ネジ部4bが螺合される雌ネジ部15a部分は金属なので、両者の螺合部分にクリープが生じることも抑制され、バルブコア2がクリープにより緩んでしまうことも防止されている。
【0030】
また、第2バルブ本体8の外周面と収容部12の内周面との間に、シール材としてのOリング14が配置されているので、パイプ部13側の流路C1から流路C2へのガス漏れを抑えることができている。
【0031】
また、第2バルブ本体8は、回り止め部(切り欠き部16a)を外周面に有する第2筒部16を有し、第1バルブ本体7を構成する前記収容部12の内周面に上記回り止め部と係合する係合部(凸部12a)が設けられている。そのため、第2バルブ本体8にバルブコア2をねじ込む際に、第1バルブ本体7に対して第2バルブ本体8が回転することを防止できる。
【0032】
なお、切り欠き部16a、凸部12aといった回り止めの構造を用いることに代えて、第1バルブ本体7と第2バルブ本体8とを接着剤で固定することで、第1バルブ本体7に対して第2バルブ本体8が回転することを防止してもよい。
【0033】
本実施形態の第1バルブ本体7は、収容部12と、樹脂パイプの接続口13aが両端部に形成された筒状のパイプ部13とを有するT字形状とされている。ここで、第1バルブ本体7に関し、パイプ部13を省略してもよい。この場合、側面に貫通孔があけられた樹脂パイプ(不図示)の貫通孔部分に、連通部18を溶着、接着、圧入などで接続することになる。樹脂パイプ(不図示)の側面にあけられた貫通孔部分に、連通部18を溶着、接着、圧入などで接続する作業は容易と言えるものではない。一方、パイプ部13の両端部に形成された接続口13aに、樹脂パイプの端部を溶着、接着、圧入などで接続する作業は容易である。よって、第1バルブ本体7をT字形状としたことで、第1バルブ本体7に樹脂パイプを容易に接続することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、第2バルブ本体8の外周面と収容部12の内周面との間に配置されるシール材として、Oリング14が用いられている。すなわち、第2バルブ本体8の第1筒部15の外周面にシール材として、Oリング14が配置されている。第2バルブ本体8の外周面と収容部12の内周面との間にシール材として接着剤を介在させて、第2バルブ本体8の外周面と収容部12の内周面との間を接着剤でシールしてもよい。この場合、Oリング14を省略することができる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記実施形態の要素を適宜組み合わせたり、上記実施形態に種々の変更を加えたりすることが可能である。
【0036】
例えば、上記実施形態は、次のように変更可能である。
【0037】
回り止め部としての切り欠き部16a(凸部12a)は、2つではなく1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0038】
図7は、回り止め部、および、それに係合する係合部の変形例を示す図3に対応する図である。図7に示すように、第2バルブ本体8を構成する第2筒部16の外周面に、周方向において間隔をあけて複数の凸部16c(回り止め部)が設けられ、第2筒部16は、断面が歯車形状の第2筒部16とされる。凸部16cは、第2筒部16の軸方向に延びている。また、第1バルブ本体7の収容部12の内周面に、凸部16cと係合する溝12f(係合部)が、複数、設けられる。溝12fは、収容部12の軸方向に延びている。
【0039】
上記実施形態において、バルブコア2の外周に設けられた段差部4dはテーパ形状とされている。段差部4dは、テーパ形状でなくてもよい。例えば、階段形状の(別の言い方では、断面がL字形状の)環状の段差部とされてもよい。
【0040】
第3バルブ本体9の外周には、環状の鍔部9bが設けられている。鍔部9bは、無くてもよい。なお、鍔部9bが設けられていることで、第1バルブ本体7と第3バルブ本体9との固定が安定する。
【符号の説明】
【0041】
1:バルブ本体
2:バルブコア
4b:雄ネジ部
7:第1バルブ本体
8:第2バルブ本体
9:第3バルブ本体
12:収容部
12a:凸部(係合部)
12f:溝(係合部)
13:パイプ部
13a:接続口
14:Oリング(シール材)
15:第1筒部
15a:雌ネジ部
16:第2筒部
16a:切り欠き部(回り止め部)
16c:凸部(回り止め部)
17:基端部
100:チャージバルブ(樹脂-金属複合チャージバルブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7