(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188528
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】カーテン開閉装置
(51)【国際特許分類】
A47H 5/02 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A47H5/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096639
(22)【出願日】2021-06-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】514097082
【氏名又は名称】SB C&S株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】工藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健志
(72)【発明者】
【氏名】大平 浩之
(72)【発明者】
【氏名】鄭 夙晴
(72)【発明者】
【氏名】松延 俊英
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AC01
2E182DE06
2E182DG01
2E182EE01
2E182EG04
2E182EG06
2E182EG09
(57)【要約】
【課題】 遠隔操作とは異なる方法によって、カーテンを容易に開閉させる。
【解決手段】 カーテン開閉装置(1)は、装置本体(10)と、一対の動作スイッチ(16)と、カバー(20)とを有する。装置本体(10)は、カーテンレール(100)に沿って移動することにより、カーテンを開閉させる。一対の動作スイッチ(16)は、カーテンの開閉方向における装置本体(10)の両側面にそれぞれ配置されており、互いに異なる方向に装置本体(10)を移動させるために用いられる。カバー(20)は、装置本体(10)のうち、一対の動作スイッチ(16)を含む領域を覆うとともに、外力を受けて装置本体(10)に対して変位することにより、一対の動作スイッチ(16)の一方を作動させる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールに沿って移動することにより、カーテンを開閉させる装置本体と、
前記カーテンの開閉方向における前記装置本体の両側面にそれぞれ配置されており、互いに異なる方向に前記装置本体を移動させるための一対の動作スイッチと、
前記装置本体のうち、前記一対の動作スイッチを含む領域を覆うとともに、外力を受けて前記装置本体に対して変位することにより、前記一対の動作スイッチの一方を作動させるカバーと、
を有することを特徴とするカーテン開閉装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記カバーの裏面を支持する支持ピンを有しており、
前記カバーは、前記支持ピンを基準として変位可能であることを特徴とする請求項1に記載のカーテン開閉装置。
【請求項3】
前記各動作スイッチは、前記装置本体に形成された凹部内に配置されており、
前記カバーは、前記装置本体に対する変位に伴い前記凹部内に進入して前記動作スイッチと接触する突起部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテン開閉装置。
【請求項4】
前記カーテンレールの下面に接触して回転することにより、前記装置本体を前記カーテンレールに沿って移動させるタイヤと、
前記タイヤの駆動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記動作スイッチの作動に応じて、前記カバーの変位方向に前記装置本体が移動するように前記タイヤを駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のカーテン開閉装置。
【請求項5】
前記カーテンの開閉方向における前記装置本体の中央に配置されており、前記タイヤを上昇させて前記カーテンレールの下面に接触させるために操作される操作部を有し、
前記カバーは、前記操作部を覆うことを特徴とする請求項4に記載のカーテン開閉装置。
【請求項6】
基端部が前記装置本体に着脱可能に装着されるとともに、先端部が前記カーテンレールに取り付けられるランナを有し、
前記カバーが前記ランナの基端部を覆うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のカーテン開閉装置。
【請求項7】
前記カーテンの開閉方向における前記装置本体の中央に配置されており、移動中の前記カーテン開閉装置を停止させるための停止スイッチを有し、
前記カバーは、前記停止スイッチを露出させる形状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のカーテン開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンを開閉させるカーテン開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のカーテン開閉装置では、着脱部材の先端部をカーテンレールの溝内に挿入することにより、カーテン開閉装置をカーテンレールに取り付けることができる。ここで、カーテンレールの下面には、駆動車輪が接触するようになっており、駆動車輪がカーテンレールの下面に沿って移動することにより、カーテン開閉装置がカーテンを開閉することができる。
【0003】
カーテン開閉装置には、カーテンレールの下面に対して駆動車輪を昇降させる昇降部が設けられている。昇降部は、弾性部材によって上方に付勢されており、駆動車輪をカーテンレールの下面に押しつけることができる。また、カーテン開閉装置には、弾性部材の付勢に抗して昇降部を下降させる駆動機構が設けられており、昇降部の下降によって、駆動車輪をカーテンレールの下面から離すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、カーテン開閉装置によるカーテンの開閉動作は、カーテン開閉装置と無線通信を行う端末を用いることによって遠隔操作される。端末を用いた遠隔操作では、この遠隔操作を実行させるためのシステムが必要になったり、端末が手元にない場合には、カーテンを開閉させることができなくなったりする。
【0006】
そこで、本願発明者は、端末を用いた遠隔操作とは異なる方法によって、カーテンを容易に開閉させることを検討し、本願発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明であるカーテン開閉装置は、装置本体と、一対の動作スイッチと、カバーとを有する。装置本体は、カーテンレールに沿って移動することにより、カーテンを開閉させる。一対の動作スイッチは、カーテンの開閉方向における装置本体の両側面にそれぞれ配置されており、互いに異なる方向に装置本体を移動させるために用いられる。カバーは、装置本体のうち、一対の動作スイッチを含む領域を覆うとともに、外力を受けて装置本体に対して変位することにより、一対の動作スイッチの一方を作動させる。
【0008】
装置本体には、カバーの裏面を支持する支持ピンを設けることができ、この支持ピンを基準としてカバーを変位させることができる。各動作スイッチは、装置本体に形成された凹部内に配置することができる。ここで、カバーには、装置本体に対する変位に伴い凹部内に進入して動作スイッチと接触する突起部を設けることができる。
【0009】
カーテン開閉装置には、タイヤ及び制御部を設けることができる。タイヤは、カーテンレールの下面に接触して回転することにより、装置本体をカーテンレールに沿って移動させる。制御部は、タイヤの駆動を制御する。ここで、制御部は、動作スイッチの作動に応じて、カバーの変位方向に装置本体が移動するようにタイヤを駆動することができる。
【0010】
カーテンの開閉方向における装置本体の中央には、タイヤを上昇させてカーテンレールの下面に接触させるために操作される操作部を配置することができる。ここで、カバーは、操作部を覆うことができる。装置本体には、ランナの基端部を着脱可能に装着することができ、ランナの先端部をカーテンレールに取り付けることができる。ここで、カバーは、ランナの基端部を覆うことができる。
【0011】
カーテンの開閉方向における装置本体の中央には、移動中のカーテン開閉装置を停止させるための停止スイッチを配置することができる。ここで、カバーは、停止スイッチを露出させる形状に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】カーテン開閉装置の装置本体の正面図である。
【
図5】カーテン開閉装置の装置本体の右側面図である。
【
図7】ランナを取り外した装置本体の正面図である。
【
図11】カーテン開閉装置が取り付けられるカーテンレールの斜視図である。
【
図12】カーテン開閉装置の取り付け方法を説明する図である。
【
図13】カーテン開閉装置の取り付け方法を説明する図である。
【
図14】カーテン開閉装置の取り付け方法を説明する図である。
【
図15】装置本体に対するカバーの変位を説明する図である。
【
図16】I型カーテンレールで用いられるランナの外観図である。
【
図17】О型カーテンレールで用いられるランナの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態であるカーテン開閉装置1について説明する。
図1は、カーテン開閉装置1の正面図であり、
図2は、カーテン開閉装置1の右側面図であり、
図3は、カーテン開閉装置1の背面図である。
図1から
図3に示すように、カーテン開閉装置1は、装置本体10と、装置本体10の外面(背面及び上面を除く)を覆うカバー20とを有する。カバー20は、後述するように、装置本体10に対して
図1の左右方向(言い換えれば、カーテンを開閉させる方向)に変位可能な状態で装置本体10に取り付けられている。
【0014】
装置本体10の上面には、カーテンレール(不図示)の下面に接触可能であるタイヤ30が配置されており、タイヤ30の一部が装置本体10の上面から突出している。後述するように、タイヤ30は、装置本体10に収納される位置と、タイヤ30の一部が装置本体10の上面から突出する位置との間で移動可能である。タイヤ30がカーテンレールの下面に接触した状態において、タイヤ30を回転させることにより、カーテン開閉装置1をカーテンレールに沿って移動させることができる。
【0015】
装置本体10には、一対のランナ40が着脱可能に装着されており、ランナ40の先端部に配置された車輪41が装置本体10の上面から突出している。車輪41は、後述するように、カーテンレール(不図示)の内部に挿入される。
【0016】
装置本体10には、移動中のカーテン開閉装置1を停止させるために押される停止スイッチ12が設けられている。なお、停止スイッチ12には、カーテン開閉装置1を停止させる機能に加えて、他の機能を持たせることもできる。停止スイッチ12に複数の機能を持たせる場合には、停止スイッチ12の操作方法(例えば、押し続ける時間)を異ならせることにより、複数の機能を個別に作動させることができる。
【0017】
上述した他の機能としては、例えば、カーテン開閉装置1の電源(後述するバッテリB)の残量を確認する機能や、カーテン開閉装置1を初期化(外部端末との無線通信時のペアリングを解除)する機能が挙げられる。電源(後述するバッテリB)の残量を確認する機能では、残量の有無を視認させる表示部(ランプ等)をカーテン開閉装置1に設けておき、停止スイッチ12の操作に応じて、表示部を動作させることができる。
【0018】
停止スイッチ12は、装置本体10の前面であって、
図1の左右方向(言い換えれば、カーテンを開閉させる方向)における装置本体10の中央に配置されている。カバー20は、停止スイッチ12を避けた形状に形成された切欠き部21を有しており、切欠き部21を介して停止スイッチ12をカーテン開閉装置1の外部に露出させる。これにより、ユーザは、カーテン開閉装置1の外部から停止スイッチ12を操作することができる。
【0019】
図4は、装置本体10の正面図であり、
図1に示すカーテン開閉装置1において、カバー20を取り除いた状態を示す図である。また、
図5は、装置本体10の右側面図であり、
図2に示すカーテン開閉装置1において、カバー20を取り除いた状態を示す図である。
【0020】
装置本体10は外装ケース11を有しており、外装ケース11の下部の両側面には、凹部13a,13bがそれぞれ形成されている。装置本体10にカバー20を取り付けたとき、凹部13a,13bは、カバー20によって覆われる。
【0021】
凹部13aは、装置本体10の正面(
図4)において、停止スイッチ12の右側に位置しており、凹部13bは、装置本体10の正面(
図4)において、停止スイッチ12の左側に位置している。
図5に示すように、凹部13aの内側には、カーテン開閉装置1をカーテンレールに沿って移動させるための動作スイッチ16が配置されている。なお、不図示ではあるが、凹部13bの内側にも動作スイッチ16が配置されている。
【0022】
装置本体10の前面において、停止スイッチ12の上方には、タイヤ30を装置本体10の上面から突出させるために操作される押しボタン(操作部)14が配置されている。装置本体10にカバー20を取り付けたとき、押しボタン14は、カバー20によって覆われる。
【0023】
押しボタン14は、
図4の左右方向(言い換えれば、カーテンを開閉させる方向)における装置本体10の中央に位置している。押しボタン14は、外装ケース11に形成されたガイド溝11aに収容されており、ガイド溝11aに沿って上下方向に移動可能である。押しボタン14の操作によってタイヤ30を装置本体10の上面から突出させる機構については、後述する。
【0024】
装置本体10の上部の両側面には、一対のランナ40がそれぞれ取り付けられている。また、装置本体10の上部の両側面には、
図5に示すように、上下方向に延びる一対のガイド突起17が形成されている。ガイド突起17には、ランナ40の係合爪42が係合しており、ガイド突起17に沿って係合爪42をスライドさせることができる。
【0025】
装置本体10の上部には、一対の支持ピン15が設けられており、一対の支持ピン15は、
図4の左右方向(言い換えれば、カーテンを開閉させる方向)に突出している。一対の支持ピン15は、装置本体10の上面から突出した状態(
図4に示す状態)にあるタイヤ30の回転中心と略同じ高さに位置している。支持ピン15には、カバー20の裏面に形成された係合爪22(
図6参照)が係合する。係合爪22を支持ピン15に係合させることにより、カバー20を装置本体10に取り付けることができる。また、係合爪22が支持ピン15に係合した状態において、係合爪22及び支持ピン15の間には僅かな隙間が存在するため、係合爪22は、支持ピン15に対して変位可能である。
【0026】
図6に示すように、カバー20の裏面には、この裏面から突出する一対の突起部23a,23bが形成されている。突起部23aは、装置本体10の凹部13a(
図4参照)に対応した位置に形成されており、突起部23aの先端は、凹部13aの内側に進入する。突起部23bは、装置本体10の凹部13b(
図4参照)に対応した位置に形成されており、突起部23bの先端は、凹部13bの内側に進入する。
【0027】
装置本体10に対して、カバー20を
図6に示す矢印D1の方向に変位させると、突起部23aが凹部13aの内側に位置する動作スイッチ16を押し込む。この動作スイッチ16の操作によって、タイヤ30を回転させてカーテン開閉装置1を
図6に示す矢印D1の方向に移動させることができる。一方、装置本体10に対して、カバー20を
図6に示す矢印D2の方向に変位させると、突起部23bが凹部13bの内側に位置する動作スイッチ16を押し込む。この動作スイッチ16の操作によって、タイヤ30を回転させてカーテン開閉装置1を
図6に示す矢印D2の方向に移動させることができる。
【0028】
図7は、ランナ40を取り外した後の装置本体10の正面図であり、
図4に対応する図である。
図8は、ランナ40の外観図である。
【0029】
図8に示すように、ランナ40は、この基端部において、係合爪42及び一対の挿入ピン43を有する。装置本体10にカバー20を取り付けたとき、装置本体10に装着されたランナ40の基端部は、カバー20によって覆われる。
【0030】
挿入ピン43は、装置本体10の上部に形成された複数の溝18(
図7参照)に挿入することができる。挿入ピン43を溝18に挿入した後、係合爪42を装置本体10のガイド突起17に引っ掛けることにより、
図5に示すように、ランナ40を装置本体10に取り付けることができる。
【0031】
図7に示すように、複数の溝18は、装置本体10の上下方向(
図7の上下方向)に並んでおり、挿入ピン43を挿入する溝18を変更することにより、装置本体10に対するランナ40の取り付け位置(言い換えれば、装置本体10の上面からランナ40の車輪41までの距離)を変更することができる。
【0032】
次に、装置本体10の内部構造について、
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、装置本体10の内部構造を示す正面図であり、
図10は、装置本体10の内部構造を示す背面図である。
図9及び
図10は、
図4に示す外装ケース11を省略した図である。
【0033】
装置本体10は、回路基板50を有しており、回路基板50には、上述した停止スイッチ12及び動作スイッチ16が電気的に接続されている。また、回路基板50には、後述するモータ61の駆動(言い換えれば、タイヤ30の駆動)を制御するための制御部が実装されている。モータ61は、タイヤ30を回転させるための駆動源であり、モータ61の出力軸がタイヤ30の回転軸に連結されている。
図10に示すように、装置本体10の裏面には、バッテリBを収容するための収容部19が形成されており、バッテリBは、装置本体10の電源として用いられる。
【0034】
モータ61は、ホルダ62に保持されている。ホルダ62には、一対のガイドバー63の一端が貫通しており、一対のガイドバー63の他端は、ベース部材64に固定されている。ホルダ62及びベース部材64の間には、ガイドバー63に沿ってバネ65が配置されており、バネ65は、ホルダ62を
図9の上方に向かって付勢する。ここで、ガイドバー63の一端には、ホルダ62と接触するフランジ(不図示)が形成されており、フランジは、バネ65によって付勢されたホルダ62がガイドバー63の一端から外れることを阻止する。
【0035】
ホルダ62には、押しボタン14及びロックピン66が一体的に形成されており、ロックピン66は、外装ケース11の裏面に形成されたロック溝(不図示)に係合可能である。ユーザがタイヤ30を
図9の下方向に押し込むと、タイヤ30と共にモータ61及びホルダ62が
図9の下方に移動する。ホルダ62がガイドバー63に沿って下方に移動することにより、バネ65が圧縮され、ロックピン66を外装ケース11のロック溝に係合させることができる。これにより、タイヤ30を装置本体10の内部に収容したままの状態に維持することができる。
【0036】
タイヤ30が装置本体10の内部に収容された状態において、ユーザが押しボタン14を押すと、ロックピン66が外装ケース11のロック溝から外れる。これにより、ホルダ62は、バネ65の付勢力を受けて
図9の上方に移動し、タイヤ30の一部を装置本体10の上面から突出させることができる。
【0037】
次に、カーテン開閉装置1をカーテンレールに取り付ける方法について説明する。
【0038】
図11は、カーテン開閉装置1が取り付けられるカーテンレール100を斜め下から見たときの図である。カーテンレール100の下面110には、カーテンレール100の長手方向に沿って延びる溝111が形成されており、カーテンレール100の長手方向と直交する断面の形状は、略コの字状に形成されている。なお、カーテンレール100は側面120を有する。
【0039】
まず、ユーザがタイヤ30を押し込むことにより、タイヤ30を装置本体10の内部に収容させる。また、一対のランナ40のうち、一方のランナ40は装置本体10に取り付けておき、他方のランナ40は装置本体10から取り外しておく。
【0040】
次に、
図12に示すように、装置本体10に取り付けられていないランナ40をカーテンレール100に取り付けるとともに、装置本体10に取り付けられたランナ40をカーテンレール100に取り付ける。ここで、車輪41の回転軸がカーテンレール100の溝111に沿うようにランナ40の向きを決めることにより、車輪41をカーテンレール100の溝111に挿入することができる。そして、車輪41の回転軸がカーテンレール100の長手方向と直交するようにランナ40を回転させることにより、車輪41をカーテンレール100に取り付けることができる。
【0041】
次に、カーテンレール100に取り付けられた他方のランナ40を装置本体10に取り付ける。これにより、
図13に示すように、一対のランナ40を介して、カーテン開閉装置1がカーテンレール100に取り付けられる。また、ユーザが
図12に示す状態にある押しボタン14を押すと、押しボタン14がガイド溝11aに沿って上方に移動し、上述したように、装置本体10の上面からタイヤ30の一部を突出させることができる。これにより、
図13に示すように、タイヤ30をカーテンレール100の下面110に密接させることができる。
【0042】
図13に示す状態にある装置本体10に対してカバー20を取り付けることにより、
図14に示す状態となる。これにより、カーテンレール100に対するカーテン開閉装置1の取付けが完了する。
【0043】
図14に示す状態において、カーテンレール100は、ランナ40の車輪41とタイヤ30によって挟まれた状態になるため、タイヤ30を回転させることにより、カーテン開閉装置1をカーテンレール100に沿って移動させることができる。カーテンレール100にはカーテン(不図示)が取り付けられるため、カーテン開閉装置1がカーテンレール100に沿って移動することにより、カーテンを開閉させることができる。
【0044】
カバー20が
図14に示す矢印D1の方向の外力を受けると、カバー20の突起部23a(
図6参照)が動作スイッチ16を押し込む。この動作スイッチ16の作動に伴い、回路基板50の制御部がモータ61を駆動することにより、タイヤ30を
図14の矢印R1の方向に回転させる。これにより、カーテン開閉装置1をカーテンレール100に沿って矢印D1の方向に移動させることができる。すなわち、カバー20に与えた外力の方向と同じ方向(矢印D1の方向)にカーテン開閉装置1を移動させることができる。
【0045】
一方、カバー20が
図14に示す矢印D2の方向の外力を受けると、カバー20の突起部23b(
図6参照)が動作スイッチ16を押し込む。この動作スイッチ16の作動に伴い、回路基板50の制御部がモータ61を駆動することにより、タイヤ30を
図14の矢印R2の方向に回転させる。これにより、カーテン開閉装置1をカーテンレール100に沿って矢印D2の方向に移動させることができる。すなわち、カバー20に与えた外力の方向と同じ方向(矢印D2の方向)にカーテン開閉装置1を移動させることができる。
【0046】
上述したようにカーテン開閉装置1を移動させているとき、カーテン開閉装置1の移動方向と反対方向の力がカーテン開閉装置1に作用すると、モータ61の駆動に過度の負荷がかかることがある。この場合には、制御部は、モータ61の駆動を停止させることができ、過負荷時のモータ61の駆動に伴う過度な電力消費を抑制することができる。ここで、モータ61の駆動に過度の負荷がかかっているか否かは、モータ61に供給される電力に基づいて判別することができる。
【0047】
本実施形態によれば、
図14に示すように、矢印D1の方向又は矢印D2の方向にカバー20を変位させるだけで、カーテン開閉装置1をカーテンレール100に沿って移動させることができる。ここで、カバー20は装置本体10を覆っているため、矢印D1,D2の方向の外力をカバー20の任意の箇所に与えるだけで、カーテン開閉装置1を移動させることができる。矢印D1,D2の方向の外力をカバー20に与える方法としては、例えば、ユーザがカバー20の任意の箇所を直接押すこともできるし、ユーザがカーテンを引っ張ることにより、カーテン(不図示)を介してカバー20を押すこともできる。
【0048】
上述したように、カーテン開閉装置1を移動させるためには、動作スイッチ16を押す必要があるが、本実施形態のように、カバー20を変位させて動作スイッチ16を押すことにより、ユーザが動作スイッチ16を直接押す場合と比べて、カーテン開閉装置1を容易に移動させることができる。また、装置本体10をカバー20で覆うことにより、カーテン開閉装置1の外観をシンプルにすることができる。
【0049】
一方、本実施形態では、上述したように、カバー20の裏面に形成された一対の係合爪22が装置本体10に設けられた一対の支持ピン15に対して隙間(
図15の上下方向の隙間)を持った状態で係合している。このため、
図15に示す矢印D1の方向の外力がカバー20に作用すると、一対の支持ピン15の一方(
図15に示す左側の支持ピン15)を基準として、カバー20が
図15の実線で示す位置から
図15の点線で示す位置に変位(回転)する。これにより、上述したように、カバー20の突起部23aが動作スイッチ16を押し込むことにより、カーテン開閉装置1が矢印D1の方向に移動する。
【0050】
カーテン開閉装置1を矢印D1の方向に移動させながらカーテンを移動させるとき、カーテンのランナ等によって、カーテン開閉装置1の上端部には、カーテン開閉装置1の移動方向(矢印D1の方向)とは逆方向の反力が作用することがある。ここで、反力がカーテン開閉装置1に作用する位置は、支持ピン15の位置Pよりも上方であるため、反力によって、カバー20は
図15の実線で示す位置から
図15の点線で示す位置に変位(回転)することがある。
【0051】
この場合には、反力によってカバー20の突起部23bが動作スイッチ16を押し込むことは無く、カーテン開閉装置1が本来の移動方向(
図15に示す矢印D1の方向)とは逆方向に移動することを防止できる。なお、ユーザがカーテン開閉装置1を移動させる場合には、支持ピン15の位置Pよりも下方の位置において、カバー20に外力を作用させることになるため、カーテン開閉装置1を所望の方向に移動させることができる。
【0052】
本実施形態では、
図11に示す形状のカーテンレール100で用いられるランナ40について説明したが、これに限るものではなく、カーテンレールの形状に応じたランナを用いることができる。本実施形態のように、ランナ40を装置本体10に着脱可能とすることにより、カーテンレールの形状に応じて、ランナを交換することができる。以下、他のランナ(一例)について説明する。
【0053】
図16に示すランナ70は、長手方向と直交する断面の形状がI字状に形成されたカーテンレール(いわゆる、I型カーテンレール)200で用いることができる。
図16に示すランナ70において、上述したランナ40と同一の機能を有する部分については、ランナ40で用いた符号を付している。
【0054】
ランナ70は、一対の車輪71a,71bを有しており、一対の車輪71a,71bは、カーテンレール200を挟む位置に配置される。車輪71aは、アーム72によって支持されており、車輪71bは、アーム73によって支持されている。アーム73の基端部は、スライダ74に接続されており、スライダ74は、ガイドバー76に沿って移動可能である。
【0055】
スライダ74には、固定ダイヤル75が設けられており、固定ダイヤル75の回転軸(不図示)は、スライダ74を貫通してガイドバー76に接触可能である。固定ダイヤル75を一方向に回転させると、固定ダイヤル75の回転軸をガイドバー76に密接させることができ、スライダ74をガイドバー76に位置決めすることができる。一方、固定ダイヤル75を他方向に回転させると、固定ダイヤル75の回転軸をガイドバー76から離すことができ、
図16の矢印で示すように、スライダ74をガイドバー76に沿って移動させることができる。このように、ガイドバー76に対するスライダ74の位置を調整することにより、一対の車輪71a,71bの間隔をカーテンレール200に応じて調整することができる。
【0056】
図17に示すランナ80は、長手方向と直交する断面の形状が球状に形成されたカーテンレール(いわゆる、О型カーテンレール)300で用いることができる。
図17に示すランナ80において、上述したランナ40と同一の機能を有する部分については、ランナ40で用いた符号を付している。
【0057】
ランナ80は、長尺状のアーム81と、アーム81の先端に取り付けられた円柱部82と、アーム81の一部に取り付けられた支持部材83とを有する。アーム81は、カーテンレール300の外周面に沿って湾曲しており、円柱部82及び支持部材83がカーテンレール300に接触する。これにより、ランナ80をカーテンレール300に引っ掛けることができる。
【0058】
本実施形態では、ランナ40,70,80を装置本体10に対して着脱可能な構造としているが、これに限るものではない。具体的には、ランナ40,70,80のそれぞれが、装置本体10と一体的に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1:カーテン開閉装置、10:装置本体、12:停止スイッチ、13a,13b:凹部、
14:押しボタン、15:支持ピン、16:動作スイッチ、20:カバー、
21:切欠き部、23a,23b:突起部、30:タイヤ、40:ランナ、41:車輪、
61:モータ、70,80:ランナ、100,200,300:カーテンレール