(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188530
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20221214BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G02F1/1333
G01J1/02 Q
G01J1/02 P
G01J1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096641
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 玲彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
(72)【発明者】
【氏名】森本 政輝
【テーマコード(参考)】
2G065
2H189
【Fターム(参考)】
2G065AA18
2G065AB22
2G065AB28
2G065BA09
2G065BA34
2G065BC02
2G065BE08
2G065DA15
2G065DA20
2H189AA14
2H189JA14
2H189LA02
2H189LA03
2H189LA10
2H189LA20
2H189LA27
2H189LA31
(57)【要約】
【課題】 光学センサの検知精度を向上させ得る表示装置を提供すること。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、第2基板と、液晶層とを備える。第1基板は、基材と、画素を含む表示領域において基材と液晶層の間に位置し、液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力する光電変換素子を備えたセンサと、光電変換素子と液晶層の間に位置し、センサと電気的に接続される第1配線と、を有する。画素は、第1副画素、第2副画素、第3副画素を含む。光電変換素子は、第3副画素が位置する領域に配置される。第1配線は、第2副画素と第3副画素の間に延びる本体部から第3副画素が位置する領域に向けて分岐し、光電変換素子と重なり、開口を有する第1分岐部と、本体部から第2副画素が位置する領域に向けて分岐し第1配線とセンサとを電気的に接続する貫通孔と重なる第2分岐部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を具備し、
前記第1基板は、
基材と、
画素を含む表示領域において前記基材と前記液晶層の間に位置し、前記液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力する光電変換素子を備えたセンサと、
前記光電変換素子と前記液晶層の間に位置し、前記センサと電気的に接続される第1配線と、を備え、
前記画素は、赤色に対応する第1副画素と、緑色に対応する第2副画素と、青色に対応する第3副画素と、を含み、
前記光電変換素子は、前記第3副画素が位置する領域に配置され、
前記第1配線は、平面視において、前記第2副画素と前記第3副画素の間に延びる本体部と、前記本体部から前記第3副画素が位置する領域に向けて分岐し前記光電変換素子と重なる第1分岐部と、前記本体部から前記第2副画素が位置する領域に向けて分岐し前記第1配線と前記センサとを電気的に接続するための貫通孔と重なる第2分岐部と、を有し、
前記第1分岐部は、前記液晶層側から入射する光のうち、前記光電変換素子の上面の法線方向と平行な光を透過する開口を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記第1分岐部は、前記液晶層側から入射する光のうち、前記法線方向に対して傾斜した光を遮断する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、平面視において、前記第1副画素と前記第2副画素の間に延びる第2配線をさらに備え、
前記第2配線は、前記第2分岐部と対向する位置において、前記第2分岐部から離間するための凹部を有する、
請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記センサは、
前記基材に対向する第1面と、前記液晶層に対向する第2面とを有する前記光電変換素子と、
前記第1面に接触する第1電極と、
前記第2面に接触する第2電極と、を含み、
前記第1分岐部は、前記光電変換素子の外周に重なる、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記センサに含まれる前記光電変換素子と、前記第1電極と、前記第2電極とは、平面視において、前記第1配線と平行な長軸と、前記長軸と直交する短軸とを有した長円形に形成され、
前記第1分岐部は、前記長円形の外周に沿った形状を有する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記開口は、円形に形成される、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1電極は、金属材料で形成され、
前記第2電極は、透明導電材料で形成されている、
請求項4~請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指紋センサや静脈センサ等、生体情報を検出するセンサが内蔵された表示装置が開発されている。この種のセンサとしては、例えば光電変換素子を用いた光学センサが用いられる。
【0003】
光学センサは、例えばバックライト等の光源から発せられ対象物にて反射された光を検知する。検知精度の観点から、光学センサには、対象物にて反射された光のうち、光学センサ上面の法線方向に対して平行な光を入射させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0265207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、液晶表示装置が備える光学センサの検知精度を向上させ得る表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を具備する。前記第1基板は、基材と、画素を含む表示領域において前記基材と前記液晶層の間に位置し、前記液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力する光電変換素子を備えたセンサと、前記光電変換素子と前記液晶層の間に位置し、前記センサと電気的に接続される第1配線と、を備える。前記画素は、赤色に対応する第1副画素と、緑色に対応する第2副画素と、青色に対応する第3副画素と、を含む。前記光電変換素子は、前記第3副画素が位置する領域に配置される。前記第1配線は、平面視において、前記第2副画素と前記第3副画素の間に延びる本体部と、前記本体部から前記第3副画素が位置する領域に向けて分岐し前記光電変換素子と重なる第1分岐部と、前記本体部から前記第2副画素が位置する領域に向けて分岐し前記第1配線と前記センサとを電気的に接続するための貫通孔と重なる第2分岐部と、を有する。前記第1分岐部は、前記液晶層側から入射する光のうち、前記光電変換素子の上面の法線方向と平行な光を透過する開口を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る表示装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係るセンサと、センサのためのセンサ回路とを示す等価回路図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な断面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、および、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸およびY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸およびZ軸によって規定される面をX-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
図1は、一実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す図である。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、カバー部材CMと、第1偏光板PLZ1と、第2偏光板PLZ2と、照明装置BLとを備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2と、シール材SEと、液晶層LCとを備えている。液晶層LCは、シール材SEにより第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に封入されている。本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を第2基板SUB2の上面側に選択的に透過させることで画像を表示する透過型である。
【0012】
第1基板SUB1は、センサSSとコリメート層CL1を備えている。センサSSは、第1基板SUB1の主面のうち第2偏光板PLZ2と対向する主面と、コリメート層CL1との間に位置している。コリメート層CL1は、センサSSと重なる開口OPを有している。詳細については後述するが、本実施形態において、コリメート層CL1は金属材料で形成され、遮光性を有している。このため、コリメート層CL1は金属層または遮光層と称されてもよい。なお、
図1では図示を省略しているが、このようなコリメート層は、第2基板SUB2にさらに配置されてもよい。
【0013】
シール材SEは、第1基板SUB1と第2基板SUB2を接着している。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、図示しないスペーサによって所定のセルギャップが形成される。液晶層LCは、このセルギャップ内に充填されている。
【0014】
カバー部材CMは、表示パネルPNLの上に設けられている。例えば、カバー部材CMとしてはガラス基板や樹脂基板を用いることができる。カバー部材CMは、センサSSによる検出の対象物が接触する上面USFを有している。なお、本実施形態においては、カバー部材CMの上面USFが、センサSSの上面と平行である場合を想定する。
図1の例においては、対象物の一例である指Fが上面USFに接触している。第1偏光板PLZ1は、表示パネルPNL1とカバー部材CMの間に設けられている。
【0015】
照明装置BLは、表示パネルPNLの下に設けられ、第1基板SUB1に光Lを照射する。照明装置BLは、例えばサイドエッジ型のバックライトであり、プレート状の導光体と、この導光体の側面に光を放つ複数の光源とを備えている。第2偏光板PLZ2は、表示パネルPNLと照明装置BLの間に設けられている。
【0016】
光Lのうち指Fで反射された反射光は、コリメート層CL1に形成された開口OPを通ってセンサSSに入射する。すなわち、指Fで反射された反射光は、センサSSに入射するまでに、カバー部材CM、第1偏光板PLZ1、第2基板SUB2、液晶層LC、さらには第1基板SUB1のうちセンサSSより上層に位置する部分を透過する。
【0017】
センサSSは、入射した光に応じた検知信号を出力する。後述するように、表示パネルPNLは複数のセンサSSを備えており、これらセンサSSが出力する検知信号に基づけば、指Fの凹凸(例えば、指紋)を検出することができる。
【0018】
センサSSは、より正確な検知信号を得るために、上面USFの法線方向と平行な入射光を検知することが望ましい。コリメート層CL1は、センサSSに入射する光を平行化するコリメータとして機能する。つまり、コリメート層CL1によって上面USFの法線方向に対して傾斜した光(つまり、センサSSの上面の法線方向に対して傾斜した光)が遮断される。
【0019】
以上のように、表示装置DSPにセンサSSを搭載することで、表示装置DSPに指紋センサとしての機能を付加することができる。また、センサSSは、指紋の検出に加えて、あるいは指紋の検出に代えて、指Fの内部で反射された光に基づき生体に関する情報を検出する用途で用いることもできる。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等である。
【0020】
図2は、本実施形態に係る表示装置DSPを概略的に示す平面図である。表示装置DSPは、上述の表示パネルPNLと、表示パネルPNLに実装された配線基板1とを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域SAとを有している。周辺領域SAは非表示領域と称されてもよい。
【0021】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2と重ならない実装領域MAを有している。シール材SEは、周辺領域SAに位置している。
図2においては、シール材SEが配置された領域が斜線で示されている。表示領域DAは、シール材SEの内側に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0022】
画素PXは、赤色(R)の光を放つ副画素SP1と、緑色(G)の光を放つ副画素SP2と、青色(B)の光を放つ副画素SP3とを含む。なお、画素PXは、赤色、緑色および青色以外の光を放つ副画素を含んでもよい。
【0023】
図2の例においては、各画素PXに対して1つずつセンサSSが配置されている。より詳しくは、各画素PXに含まれる青色の光を放つ副画素SP3に対して1つずつセンサSSが配置されている。表示領域DA全体では、複数のセンサSSは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に並んでいる。
【0024】
センサSSは必ずしも全ての画素PXに対して配置される必要はない。例えば、センサSSは、複数の画素PXに対して1つの割合で配置されてもよい。また、センサSSは、表示領域DAにおける一部の領域の画素PXに対して配置され、その他の領域の画素PXに対して配置されなくてもよい。
【0025】
配線基板1は、例えばフレキシブル回路基板であり、実装領域MAに設けられた端子部に接続されている。また、配線基板1は、表示パネルPNLを駆動するドライバ2を備えている。なお、ドライバ2は、実装領域MA等の他の位置に実装されてもよい。例えば、ドライバ2は、各画素PXによる表示動作を制御するICと、センサSSによる検出動作を制御するICとを含む。これらICは、それぞれ異なる位置に実装されてもよい。センサSSが出力する検知信号は、配線基板1およびドライバ2を介してコントローラCTに出力される。コントローラCTは、複数のセンサSSからの検知信号に基づき、指紋を検出するための演算処理等を実行する。
【0026】
図3は、本実施形態に係るセンサSSと、センサSSのためのセンサ回路とを示す等価回路図である。
図3に示すように、センサ回路には、第1センサ用走査線SGL1と、第2センサ用走査線SGL2と、第1センサ用給電線SPL1と、第2センサ用給電線SPL2と、第3センサ用給電線SPL3と、センサ用信号線SSLと、スイッチング素子SW2Aと、スイッチング素子SW2Bと、スイッチング素子SW2Cと、キャパシタC1と、キャパシタC2と、が設けられる。
【0027】
なお、以下では、第1センサ用走査線SGL1を第1走査線SGL1と称し、第2センサ用走査線SGL2を第2走査線SGL2と称し、第1センサ用給電線SPL1を第1給電線SPL1と称し、第2センサ用給電線SPL2を第2給電線SPL2と称し、第3センサ用給電線SPL3を第3給電線SPL3と称して説明する。
【0028】
また、
図3では、スイッチング素子SW2A,SW2B,SW2Cがそれぞれ、n型TFT(Thin Film Transistor)で構成された場合を示しているが、スイッチング素子SW2A,SW2B,SW2Cは、p型TFTで構成されてもよい。
【0029】
センサSSについて、一方の電極は第2給電線SPL2に接続され、他方の電極はノードNに接続される。ノードNは、スイッチング素子SW2Aのドレイン電極およびスイッチング素子SW2Bのゲート電極に接続されている。センサSSの一方の電極には、第2給電線SPL2を通じて第2電圧VCOMが供給される。第2電圧VCOMは基準電圧と称されてもよい。センサSSに光が入射した場合、センサSSには入射した光の光量に応じた電流が流れる。これによりキャパシタC1において保持される容量が変化する。なお、キャパシタC2において保持される容量は、キャパシタC1において保持される容量に付加される寄生容量である。
【0030】
スイッチング素子SW2Aについて、ゲート電極は第1走査線SGL1に接続され、ソース電極は第1給電線SPL1に接続され、ドレイン電極はノードNに接続されている。スイッチング素子SW2Aが第1走査線SGL1から供給される走査信号に応じてオンになると、ノードNの電位は第1給電線SPL1を通じて供給される第1電圧VPP1の電位にリセットされる。上述の第2電圧VCOMは第1電圧VPP1よりも低い値を示し、センサSSは逆バイアス駆動される。
【0031】
スイッチング素子SW2Bについて、ゲート電極はノードNに接続され、ソース電極は第3給電線SPL3に接続され、ドレイン電極はスイッチング素子SW2Cのソース電極に接続されている。スイッチング素子SW2Bがオンになると、キャパシタC1において保持されている容量に応じた電流が増幅されて、スイッチング素子SW2Cに流れる。
【0032】
スイッチング素子SW2Cについて、ゲート電極は第2走査線SGL2に接続され、ソース電極はスイッチング素子SW3のドレイン電極に接続され、ドレイン電極はセンサ用信号線SSLに接続されている。スイッチング素子SW2Cが第2走査線SGL2から供給される走査信号に応じてオンになると、スイッチング素子SW2Bからの電流に応じた電気信号(検知信号)がセンサ用信号線SSLに出力される。
【0033】
なお、
図3では、スイッチング素子SW2A,SW2Cがダブルゲート構造である場合を示したが、スイッチング素子SW2A,SW2Cはシングルゲート構造やマルチゲート構造であってもよい。
【0034】
第1基板SUB1に適用し得る構造につき、
図4~
図7を用いてより詳細に説明する。なお、
図4~
図7は、それぞれ断面図および平面図によって第1基板SUB1の構成を概略的に示すものであり、必ずしも各図における各要素の位置関係や形状を一致させたものではない。
【0035】
図4は、第1基板SUB1に適用し得る構造の一例を示す概略的な断面図である。第1基板SUB1は、透明な第1基材10と、絶縁層11,12,13,14,15,16,17と、配向膜ALとを備えている。
【0036】
第1基材10は、例えばガラス基板や樹脂基板である。絶縁層11,12,14,17は、無機材料で形成される。絶縁層13,15,16は、有機材料で形成される。絶縁層11,12,13,14,15,16,17と、配向膜ALとは、第1基材10の上方において、この順で第3方向Zに積層されている。
【0037】
第1基板SUB1は、画像表示に関わる要素として、信号線SLと、走査線GLと、スイッチング素子SW1と、画素電極PEと、共通電極CEと、中継電極R1,R2,R3,R4,R5と、給電線PLとを備えている。画素電極PEおよびスイッチング素子SW1は、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに対して設けられている。共通電極CEは、例えば複数の副画素SP1,SP2,SP3に亘って設けられている。
【0038】
スイッチング素子SW1は、半導体層SC1を含む。半導体層SC1は、第1基材10と絶縁層11の間に配置されている。走査線GLは、絶縁層11,12の間に配置され、半導体層SC1と対向している。なお、走査線GLは絶縁層11,12の間ではなく、別の層に配置されてもよい。信号線SLは、絶縁層12,13の間に配置され、絶縁層11,12を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SC1に接触している。
【0039】
中継電極R1は、絶縁層12,13の間、つまり、信号線SLと同層に配置され、絶縁層11,12を貫通するコンタクトホールCH2を通じて半導体層SC1と接触している。中継電極R2は、絶縁層13,14の間に配置され、絶縁層13を貫通するコンタクトホールCH3を通じて中継電極R1に接触している。中継電極R3は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層14を貫通するコンタクトホールCH4を通じて中継電極R2に接触している。中継電極R4は、絶縁層15,16の間に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH5を通じて中継電極R3に接触している。中継電極R5は、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH6を通じて中継電極R4に接触している。
【0040】
画素電極PEは、絶縁層17と配向膜ALの間に配置され、絶縁層17を貫通するコンタクトホールCH7を通じて中継電極R5に接触している。給電線PLは、絶縁層15,16の間、つまり、中継電極R4と同層に配置されている。共通電極CEは、絶縁層16,17の間、つまり、中継電極R5と同層に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH8を通じて給電線PLに接触している。
【0041】
給電線PLには、共通電圧が供給される。この共通電圧は、共通電極CEに供給される。信号線SLには映像信号が供給され、走査線GLには走査信号が供給される。走査線GLに走査信号が供給されたときに、信号線SLの映像信号が半導体層SC1および中継電極R1,R2,R3,R4,R5を通じて画素電極PEに供給される。このとき、画素電極PEと共通電極CEの間には共通電圧と映像信号の電位差に起因した電界が発生し、この電界が液晶層LCに作用する。
【0042】
第1基板SUB1は、センサSSに関わる要素として、スイッチング素子SW2と、センサ用走査線SGLと、中継電極R6,R7,R8,R9と、第2給電線SPL2と、第3給電線SPL3とを備えている。また、センサSSは、第1電極E1(下部電極)と、第2電極E2(上部電極)と、光電変換素子PCとを備えている。
【0043】
なお、
図4では、説明の便宜上、センサSSに関わる複数のスイッチング素子SW2A,SW2B,SW2Cに関係する要素をスイッチング素子SW2と表している。また、
図4では、上述のスイッチング素子SW2のゲート電極として機能する要素をセンサ走査線SGLと表している。
図4では、上述のスイッチング素子SW2のソース電極として機能する要素を中継電極R7と表している。
図4では、上述のスイッチング素子SW2のドレイン電極として機能する要素を中継電極R6と表している。また、
図4では、センサSSに関わる要素の全てではなく、その一部を図示している。
【0044】
光電変換素子PCは、第1基材10に対向する第1面F1と、液晶層LCに対向する第2面F2とを有している。光電変換素子PCの第2面F2がセンサSSの上面に相当する。光電変換素子PCは、絶縁層13,14の間に位置している。第1電極E1は、光電変換素子PCと絶縁層13の間に配置され、第1面F1に接触している。第1電極E1の外周部は、光電変換素子PCから突出しており、絶縁層14によって覆われている。第1電極E1は、光電変換素子PCの下方において絶縁層13を貫通するコンタクトホールCH9を通じて中継電極R6に接触している。第2電極E2は、光電変換素子PCと絶縁層14の間に配置され、第2面F2に接触している。第2電極E2は、光電変換素子PCの上方において絶縁層14を貫通するコンタクトホールCH10を通じて第2給電線SPL2に接触している。
【0045】
第2給電線SPL2は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層14を貫通するコンタクトホールCH10を通じて第2電極E2に接触している。第2給電線SPL2には第2電圧VCOMが供給され、第2電極E2には第2給電線SPL2を通じて第2電圧VCOMが供給される。
【0046】
スイッチング素子SW2は、半導体層SC2を含む。半導体層SC2は、第1基材10と絶縁層11の間に配置されている。センサ走査線SGLは、絶縁層11,12の間に配置され、半導体層SC2と対向している。なお、センサ走査線SGLは絶縁層11,12の間ではなく、別の層に配置されてもよい。
【0047】
中継電極R6は、絶縁層12,13の間に配置され、絶縁層11,12を貫通するコンタクトホールCH11を通じて半導体層SC2と接触している。中継電極R7は、絶縁層12,13の間、つまり、中継電極R6と同層に配置され、絶縁層11,12を貫通するコンタクトホールCH12を通じて半導体層SC2と接触している。中継電極R8は、絶縁層13,14の間、つまり、第1電極E1と同層に配置され、絶縁層13を貫通するコンタクトホールCH13を通じて中継電極R7に接触している。中継電極R9は、絶縁層14,15の間、つまり、第2給電線SPL2と同層に配置され、絶縁層14を貫通するコンタクトホールCH14を通じて中継電極R8に接触している。
【0048】
第3給電線SPL3は、絶縁層15,16の間、つまり、給電線PLと同層に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH15を通じて中継電極R9に接触している。第3給電線SPL3には、第3電圧VPP2が供給される。第3給電線SPL3は、第3電圧VPP2を供給する他に、上述のコリメート層CL1としても機能する。つまり、第3給電線SPL3の一部が、上述のコリメート層CL1であり、第3給電線SPL3は、光電変換素子PCの第2面F2と重なる位置に開口OPを有している。
【0049】
信号線SL、中継電極R1,R6,R7は、同じ金属材料で形成されている。第1電極E1および中継電極R2,R8は、同じ金属材料で形成されている。第2給電線SPL2と、中継電極R3,R9とは、同じ金属材料で形成されている。給電線PLと、第3給電線SPL3と、中継電極R4とは、同じ金属材料で形成されている。第2電極E2と、画素電極PEと、共通電極CEと、中継電極R5とは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料で形成されている。
【0050】
金属材料で形成された第1電極E1は、遮光層としても機能し、下方からの光の光電変換素子PCへの入射を抑制している。光電変換素子PCは、例えばフォトダイオードであり、入射する光に応じた電気信号(検知信号)を出力する。より具体的には、光電変換素子PCとしては、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードを用いることができる。この種のフォトダイオードは、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有している。p型半導体層は第2電極E2側に位置し、n型半導体層は第1電極E1側に位置し、i型半導体層はp型半導体層とn型半導体層との間に位置している。
【0051】
p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層は、例えばアモルファスシリコン(a-Si)によって形成されている。なお、半導体層の材料はこれに限定されず、アモルファスシリコンが多結晶シリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよいし、多結晶シリコンがアモルファスシリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよい。
また、PINフォトダイオードに代えて、OPD(Organic Photo diode)を用いるものであってもよい。
【0052】
センサ用走査線SGLには、センサSSによる検知を実施すべきタイミングで走査信号が供給される。センサ用走査線SGLに走査信号が供給されたとき、光電変換素子PCにて生成される検知信号が、
図4においては図示が省略されたセンサ用信号線SSLに出力される。センサ用信号線SSLに出力された検知信号は、例えばドライバ2を介してコントローラCTに出力される。
【0053】
図5は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、
図4に示した絶縁層11,12,13の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。
図5では、信号線SL、中継電極R1,R6,R7より下層の要素と接触するためのコンタクトホールを破線で示し、信号線SL、中継電極R1,R6,R7より上層の要素と接触するためのコンタクトホールを実線で示している。
【0054】
また、
図5~
図7では、スイッチング素子SW2Aに関係する要素の符号の末尾に「A」を付し、スイッチング素子SW2Bに関係する要素の符号の末尾に「B」を付し、スイッチング素子SW2Cに関係する要素の符号の末尾に「C」を付している。
【0055】
走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2はそれぞれ、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、第2方向Yに隣接して並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、隣接する2つの走査線GLの間に配置される。
【0056】
赤色の副画素SP1に対応する信号線SLR、緑色の副画素SP2に対応する信号線SLG、青色の副画素SP3に対応する信号線SLBは、屈曲しながら第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0057】
第2方向Yに沿って隣接して並ぶ2つの走査線GLと、第1方向Xに沿って隣接して並ぶ2つの信号線SLとによって囲まれる領域に、副画素SP1,SP2,SP3は配置される。副画素SP1,SP2,SP3はそれぞれ、第2走査線SGL2および第1走査線SGL1と、隣接する2つの信号線SLとによって囲まれた開口部を有している。
【0058】
第1走査線SGL1は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は、スイッチング素子SW2Aのゲート電極として機能する。スイッチング素子SW2Aのゲート電極と平面視において重畳する領域には、半導体層SC2Aが配置されている。
【0059】
半導体層SC2Aは、副画素SP3の開口部と、副画素SP1の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP3に対応する信号線SLBと重なっている。副画素SP1の開口部であって、半導体層SC2Aと重なる位置には、スイッチング素子SW2Aのソース電極として機能する島状の中継電極R7Aが配置される。中継電極R7Aは、コンタクトホールCH12Aを通じて半導体層SC2Aに接触している。また、中継電極R7Aは、コンタクトホールCH13Aを通じて当該中継電極R7Aより上層に配置される中継電極と接触している。副画素SP3の開口部であって、半導体層SC2Aと重なる位置には、スイッチング素子SW2Aのドレイン電極として機能する島状の中継電極R6Aが配置される。中継電極R6Aは、コンタクトホールCH11Aを通じて半導体層SC2Aに接触している。
【0060】
中継電極R6Aは、コンタクトホールCH21Aを通じてスイッチング素子SW2Bのゲート電極として機能する第1ゲート電極GE1に接触している。コンタクトホールCH21は、絶縁層12を貫通する貫通孔であり、中継電極R6と同層に位置する要素と、第1走査線SGL1および第2走査線SGL2と同層に位置する要素とを接触させる。なお、中継電極R6Aは、コンタクトホールCH9を通じて当該中継電極R6Aより上層に配置される第1電極E1と接触している。
【0061】
第1ゲート電極GE1は、副画素SP3の開口部と、副画素SP2の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP2に対応する信号線SLGと重なっている。副画素SP2の開口部において、第1ゲート電極GE1と平面視において重畳する領域には、半導体層SC2Bが配置されている。
【0062】
半導体層SC2Bと重なる位置には、スイッチング素子SW2Bのソース電極として機能する島状の中継電極R7Bが配置される。中継電極R7Bは、コンタクトホールCH12Bを通じて半導体層SC2Bに接触している。また、中継電極R7Bは、コンタクトホールCH13Bを通じて当該中継電極R7Bより上層に配置される中継電極と接触している。半導体層SC2Bと重なる位置には、スイッチング素子SW2Bのドレイン電極として機能する島状の中継電極R6Bが配置される。中継電極R6Bは、コンタクトホールCH11Bを通じて半導体層SC2Bに接触している。
【0063】
中継電極R6Bは、コンタクトホールCH21Bを通じて第2ゲート電極GE2に接触している。第2ゲート電極GE2は、副画素SP2の開口部と、副画素SP3の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP2に対応する信号線SLGと重なっている。スイッチング素子SW2Bと、スイッチング素子SW2Cとは、第2ゲート電極GE2によって接続されている。
【0064】
第2走査線SGL2は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は、スイッチング素子SW2Cのゲート電極として機能する。スイッチング素子SW2Cのゲート電極と平面視において重畳する領域には、半導体層SC2Cが配置されている。
【0065】
半導体層SC2Cは、副画素SP3の開口部と、副画素SP1の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP3に対応する信号線SLBと重なっている。副画素SP3の開口部であって、半導体層SC2Cと重なる位置には、スイッチング素子SW2Cのソース電極として機能する島状の中継電極R7Cが配置される。中継電極R7Cは、コンタクトホールCH12Cを通じて半導体層SC2Cに接触している。また、中継電極R7Cは、コンタクトホールCH21Cを通じて第2ゲート電極GE2と接触している。
【0066】
副画素SP1の開口部であって、半導体層SC2Cと重なる位置には、スイッチング素子SW2Cのドレイン電極として機能する島状の中継電極R6Cが配置される。中継電極R6Cは、コンタクトホールCH11Cを通じて半導体層SC2Cに接触している。また、中継電極R6Cは、コンタクトホールCH22を通じて当該中継電極R6Cより上層に配置される中継電極と接触している。コンタクトホールCH22は、絶縁層13を貫通する貫通孔であり、中継電極R6Cと、後述する中継電極R8Cとを接触させる。
【0067】
なお、第1走査線SGL1と走査線GLとの間には、画像表示に関わる要素として、スイッチング素子SW1が配置されている。スイッチング素子SW1に含まれる半導体層SC1は、コンタクトホールCH1を通じて対応する色の信号線SLに接触している。また、スイッチング素子SW1に含まれる半導体層SC1は、コンタクトホールCH2を通じて中継電極R1に接触している。中継電極R1は、コンタクトホールCH3を通じて当該中継電極R1より上層に配置される中継電極と接触している。なお、後述する
図6および
図7においては、説明の便宜上、第1走査線SGL1と走査線GLとの間に配置される画像表示に関わる要素の図示を省略している。
【0068】
図6は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、
図4に示した絶縁層14,15の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。
図6では、第1給電線SPL1、第2給電線SPL2、センサ用信号線SSLより下層の要素と接触するためのコンタクトホールを破線で示し、第1給電線SPL1、第2給電線SPL2、センサ用信号線SSLより上層の要素と接触するためのコンタクトホールを実線で示している。また、
図6においては位置関係を分かりやすくするために、
図5に示した走査線GL、信号線SL、第1走査線SGL1および第2走査線SGL2も一部簡略化して示している。
【0069】
第1給電線SPL1、第2給電線SPL2、センサ用信号線SSLは、屈曲しながら第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並んでいる。第1給電線SPL1は、緑色の副画素SP2に対応する信号線SLGと平面視において重なっている。第2給電線SPL2は、赤色の副画素SP1に対応する信号線SLRと平面視において重なっている。センサ用信号線SSLは、青色の副画素SP3に対応する信号線SLBと平面視において重なっている。
【0070】
副画素SP3の開口部にはセンサSSの第1電極E1が配置されている。第1電極E1は、コンタクトホールCH9を通じて下層の中継電極R6Aに接触している。第1電極E1の上には、光電変換素子PCが配置されている。光電変換素子PCの上には、センサSSの第2電極E2が配置されている。センサSSは、第2給電線SPL2と平行に延びる長軸と、当該長軸と直交する短軸とを有した長円形状を有している。このため、光電変換素子PC、第1電極E1および第2電極E2は、第2給電線SPL2と平行に延びる長軸と、当該長軸と直交する短軸とを有した長円形に形成されている。第2電極E2は、コンタクトホールCH10を通じて第2給電線SPL2に接触している。
【0071】
第2給電線SPL2は、上述したように、副画素SP2に対応する信号線SLGと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。第2給電線SPL2は、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部においてセンサSSの第2電極E2と接触している。これにより、第2給電線SPL2とセンサSSとが電気的に接続され、第2電圧VCOMをセンサSSに供給することができる。
【0072】
副画素SP2の開口部には、島状の中継電極R8Bが配置される。中継電極R8Bは、コンタクトホールCH13Bを通じて下層の中継電極R7Bと接触している。中継電極R8Bは、コンタクトホールCH14Bを通じて当該中継電極R8Bより上層に配置される中継電極R9Bに接触している。中継電極R9Bは、副画素SP2の開口部に配置され、中継電極R8Bと平面視において重畳し、コンタクトホールCH14Bを通じて下層の中継電極R8Bと接触している。また、中継電極R9Bは、コンタクトホールCH15Bを通じて当該中継電極R9Bより上層に配置される第3給電線SPL3と接触している。
【0073】
副画素SP1の開口部には、島状の中継電極R8Aが配置される。中継電極R8Aは、コンタクトホールCH13Aを通じて下層の中継電極R7Aと接触している。中継電極R8Aは、コンタクトホールCH14Aを通じて当該中継電極R8Aより上層に配置される第1給電線SPL1に接触している。第1給電線SPL1は、上述したように、副画素SP1に対応する信号線SLRと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。第1給電線SPL1は、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部において上述の中継電極R8Aと接触している。これにより、第1給電線SPL1とスイッチング素子SW2Aとが電気的に接続され、第1電圧VPP1をスイッチング素子SW2Aに供給することができる。
【0074】
副画素SP1の開口部には、島状の中継電極R8Cが配置される。中継電極R8Cは、コンタクトホールCH22を通じて下層の中継電極R6Cと接触している。中継電極R8Cは、コンタクトホールCH14Cを通じて当該中継電極R8Cより上層に配置されるセンサ用信号線SSLに接触している。センサ用信号線SSLは、上述したように、副画素SP3に対応する信号線SLBと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。センサ用信号線SSLは、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部において上述の中継電極R8Cと接触している。
【0075】
図7は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、
図4に示した絶縁層15,16の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。また、
図7においても位置関係を分かりやすくするため、
図5に示した走査線GL、信号線SL、第1走査線SGL1および第2走査線SGL2も一部簡略化して示している。
【0076】
第3給電線SPL3は、緑色の副画素SP2に対応する信号線SLGおよび第2給電線SPL2と平面視において重なるように屈曲しながら第2方向Yに沿って延出している。第3給電線SPL3は、副画素SP3の開口部において光電変換素子PCの外周と重なる長円形の第1分岐部SPL3Aを有している。つまり、第1分岐部SPL3Aのサイズは、光電変換素子PCのサイズよりも大きい。上述の長円形の第1分岐部SPL3Aがコリメート層CL1に相当する。長円形のコリメート層CL1は、円形の開口OPを有している。長円形のコリメート層CL1(第1分岐部SPL3A)は、開口OPにおいて液晶層LC側からの光を透過し、その他の部分において液晶層LC側からの光を遮断する。
【0077】
第3給電線SPL3は、上述の長円形のコリメート層CL1の他に、副画素SP2の開口部において第1方向Xに沿って延出する第2分岐部SPL3B(凸部)を有している。第3給電線SPL3は、この第2分岐部SPL3Bにおいて、副画素SP2の開口部に配置された中継電極R9BとコンタクトホールCH15Bを通じて接触している。これにより、第3給電線SPL3とスイッチング素子SW2Bとが電気的に接続され、第3電圧VPP2をスイッチング素子SW2Bに供給することができる。
なお、第3給電線SPL3のうち、信号線SLGおよび第2給電線SPL2と平面視において重なるように屈曲しながら第2方向Yに沿って延出する部分は、上述の第1分岐部SPL3Aおよび第2分岐部SPL3Bを分岐部と称するのに対し、本体部と称されてもよい。
【0078】
なお、信号線SLBおよびセンサ用信号線SSLと平面視において重なる位置には、タッチ検出線TL1が配置されている。また、信号線SLRおよび第1給電線SPL1と平面視において重なる位置にはタッチ検出線TL2が配置されている。タッチ検出線TL1,TL2は、指Fが表示領域DA内のどの位置に近接または接触しているかを示すタッチ検出信号をコントローラCTに出力する。タッチ検出線TL2は、第3給電線SPL3から副画素SP2の開口部側に分岐した第2分岐部SPL3Bと対向する位置において、副画素SP2の開口部とは反対側に凹んだ形状を有している。つまり、タッチ検出線TL2は、第2分岐部SPL3Bと対向する位置において、当該第2分岐部SPL3Bから離間するように凹んだ凹部TL2Aを有している。これによれば、タッチ検出線TL2と第2分岐部SPL3Bとが接触し、ショートしてしまうことを抑止することができる。
【0079】
以上説明した一実施形態によれば、表示装置DSPは、センサSSの上面の法線方向に対して傾斜した光を遮断するコリメート層CL1を備えているので、当該法線方向に対して平行な光のみをセンサSSに入射させることが可能であり、センサSSの検知精度を向上させることができる。また、本実施形態によれば、コリメート層CL1を、センサSSのためのセンサ回路に第3電圧VPP2を供給する第3給電線SPL3の一部として形成することが可能なため、コリメート層を別途個別に形成する場合に比べて少ない工程数でコリメート層を形成することができる。さらに、本実施形態によれば、上述したように、コリメート層CL1を第3給電線SPL3の一部として形成することが可能なため、コリメート層を別途個別に形成する場合に比べてレイヤ間の無駄な重ねを減らすことができ、センサSSが配置される画素PXの開口率を向上させることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、表示装置DSPは照明装置BLを備えた液晶表示装置であるとしたが、これに限定されず、表示装置DSPは表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、BL…照明装置、PX…画素、SP1,SP2,SP3…副画素、SS…センサ、E1…第1電極、E2…第2電極、PC…光電変換素子、SPL3…第3給電線、CL1…コリメート層、OP…開口。