IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三協立山株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-植物栽培棚 図1
  • 特開-植物栽培棚 図2
  • 特開-植物栽培棚 図3
  • 特開-植物栽培棚 図4
  • 特開-植物栽培棚 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188531
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】植物栽培棚
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20221214BHJP
【FI】
A01G9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096642
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植松 沙耶香
(72)【発明者】
【氏名】竹林 裕之
(72)【発明者】
【氏名】米谷 庄一
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327TA04
2B327TA09
2B327UB03
(57)【要約】
【課題】 照明を施工良く取り付けできる植物栽培棚を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる植物栽培棚1は、照明保持具21a、21bと、照明23とを備え、照明保持具21a、21bは、照明23の取付部25と、配線収容部27を有し、植物栽培棚1の幅方向の一端部側及び他端部側に夫々植物栽培棚1の長手方向に沿って設けられるものであり、照明23は、一端部側の照明保持具21aの取付部25と他端部側の照明保持具21bの取付部25に架設されるとともに、照明保持具21a、21bの取付部25の長手方向の任意の位置に着脱自在に固定可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明保持具と、照明とを備え、
照明保持具は、照明の取付部と、配線収容部を有し、植物栽培棚の幅方向の一端部側及び他端部側に夫々植物栽培棚の長手方向に沿って設けられるものであり、
照明は、一端部側の照明保持具の取付部と他端部側の照明保持具の取付部に架設されるとともに、照明保持具の取付部の長手方向の任意の位置に着脱自在に固定可能であることを特徴とする植物栽培棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培棚に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物栽培棚が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-10622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、植物栽培棚に照明を施工良く取り付けできるものが求められていた。
そこで、本発明は、照明を施工良く取り付けできる植物栽培棚の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、照明保持具と、照明とを備え、照明保持具は、照明の取付部と、配線収容部を有し、植物栽培棚の幅方向の一端部側及び他端部側に夫々植物栽培棚の長手方向に沿って設けられるものであり、照明は、一端部側の照明保持具の取付部と他端部側の照明保持具の取付部に架設されるとともに、照明保持具の取付部の長手方向の任意の位置に着脱自在に固定可能であることを特徴とする植物栽培棚である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、植物栽培棚の幅方向の一端部側及び他端部側に夫々植物栽培棚の長手方向に沿って設けられた照明保持具の取付部間に照明を架設することで、照明を容易に取り付けできるとともに配線を照明保持具の配線収容部に収めることができるので、施工性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態にかかる植物栽培棚であって、最上段の反射板を除いて示す平面図である。
図2】本発明の実施形態にかかる植物栽培棚であって、前側板を除いて示す正面図である。
図3図1に示すA-A断面図である。
図4図3に示すB部の拡大図であって、一部破断して示す図である。
図5図4に示すC部の拡大図であり、抜き出して示すのはE-E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び2に示すように、植物栽培棚1は、支柱3と、支柱3、3間に架設した横枠(長手方向架設材)5と縦枠(幅方向架設材)6で、箱型形状に組み立ててある。この植物栽培棚1には、上下に5段1a、1b、1c、1d、1e(図2参照)の各段に植物栽培床7を設けてあり、各植物栽培床7の上方に栽培空間9を形成している。
植物栽培棚1の各段1a、1b、1c、1d、1eは、同じ構成である。
横枠5、5間には、縦枠6と平行に配置した縦桟(幅方向架設材)8(図1参照)が間隔を開けて複数架設されている。
【0009】
図2に示すように、植物栽培棚1の各段1a~1eには、上述した植物栽培床7と、植物栽培床7の上方に設けた反射板10(図3参照)と、植物栽培床7の前側に配置した前側板11a(図1参照)、後側に配置した後側板11b(図1参照)、左側(正面から見て左側)に配置した左側板11c、右側(正面から見て右側)に配置した右側板11dとを備えており、植物栽培床7と、反射板10と、各側板11a、11b、11c及び11dで、栽培空間9を形成している。反射板10は、栽培空間9の上方で幅方向に亘って設けてあり、長手方向に複数枚配置してある。
前側板11a、後側板11b、左側板11c及び右側板11dは、栽培空間9の側面側に設けてあり、横枠5と縦枠6の外周面に間隔を開けて固定したフック19(図4参照)に掛け吊るしてある。
各側板11a、11b、11c、11dは、上部に孔が形成してあり、孔をフック19に通して吊り下げてある。
反射板10の設置については、後述する。
【0010】
図1に示すように、植物栽培床7は、平面視長四角形状を成しており、各段には横枠5と平行に2つ並んで設けてある。植物栽培床7は、下の段の横枠5、縦枠6及び縦桟8の上に載置されており、左端部は左側板11cより左側に突設してあり、右側端は右側板11dより右側に突設して設けている。この植物栽培床7には、野菜等の植物Pが栽培されている。
【0011】
図3に示すように、各段1a~1eには、栽培空間9の上方に配置して空気を送風する送風チューブ13が設けてある。送風チューブ13は、長手方向に沿って配置されており、吊下具15で縦桟8に吊り下げて、栽培空間9の上方に設けている。各送風チューブ13は、一端を送風装置17(図1参照)に接続してあり他端は封止してあり、送風チューブ13に形成してある吹出孔から栽培空間9に空気を吹き出している。
【0012】
図4に示すように、この植物栽培棚1は、照明保持具21a、21bと、照明23とを備えている。
照明保持具21a、21bは、植物栽培棚1の幅方向の一端部側の照明保持具21aと他端部側の照明保持具21bである。各照明保持具21a、21bは、照明23の取付部25と、配線収容部27を有し、植物栽培棚1の幅方向の一端部側及び他端部側に夫々植物栽培棚の長手方向に沿って設けられるものである(図1参照)。
照明23は、一端部側の照明保持具21aの取付部25と他端部側の照明保持具21bの取付部25に架設されるとともに、照明保持具21a、21bの各取付部25の長手方向の任意の位置に着脱自在に固定可能である。
照明23は、LED照明であり、蛍光灯のように丸棒形状に形成されている。
【0013】
図1に示すように、幅方向一端部側の照明保持具21aと他端部側の照明保持具21bはそれぞれ縦枠(幅方向架設材)6、6間に架設されている。
以下に、幅方向一端部側の照明保持具21aと他端部側の照明保持具21bについて詳しく説明するが、幅方向一端部側の照明保持具21aと他端部側の照明保持具21bは同じ構成であるから、以下の説明では幅方向一端部側の照明保持具21aについて説明し、他端部側の照明保持具21bの説明を省略する。
図4及び図5に示すように、取付部25は、下向きに開口したガイド保持溝29と、ガイド保持溝29に係合する照明固定具30とを備えており、ガイド保持溝29に照明固定具30のガイド部31がスライド自在に係合している。
図5に示すように、照明固定具30は、上述のガイド部31と、照明係止板33とから構成されており、ガイド部31に照明係止板33が下から止めるネジ32により固定されている。
照明係止板33は、図5にE-E断面を一点鎖線で抜き出して示すように、前後方向から見た状態で、下方が開口した湾曲形状を成す弾性板であり、照明23を上から挟んで弾性をもって保持している。照明係止板33の下端部には照明23と反対側に向けて曲げた曲げ部33aが形成されている。
取付部25の上面には反射板10を載置する反射板載置部35が設けてある。反射板載置部35は平坦面である。
【0014】
配線収容部27は、照明保持具21aにおいて、取付部25よりも植物栽培棚の幅方向の端部側に設けられている。
配線収容部27は、その縦断面において上壁27aと、下壁27bと、幅方向の端部側壁部27cと、幅方向の内側(端部側と反対側)の壁部27dで略四角形状を成す空間であり、下壁27bには、植物栽培棚1の幅方向の内側に配線Tを引き出す配線挿通口27eが形成されている。配線挿通口27eには、目板37が取付けてある。目板37は切欠きを設けてあるか短尺であって、切欠き又は目板37、37間から配線Tを引き出している。
配線収容部27の上壁27aの上面は、前述した取付部25の反射板載置部35よりも高い位置にあり、反射板載置部35に載置された反射板10の上面と略同じ位置としてある。
【0015】
配線収容部27と取付部25とは連結部39により一体に連結されている。連結部39は、内側の壁部27dの下方側に設けてあり、連結部39と、内側の壁部27dと、縦桟8又は植物栽培床7の下面7aとで囲まれる空間を反射板10の幅方向端部10aを呑み込む呑込部41としてある。
【0016】
図4に示すように、配線収容部27の一端部側には、照明保持具21aを各縦桟8の端部に固定した補助材8aにネジ43で固定するネジ固定部45が設けてある。ネジ43はタッピンネジである。ネジ固定部45は中空部であり、補助材8aに頭を止めるネジ43の軸部43bが収納される空間としてある。ネジ固定部45は、断面が略四角形状を成している。
補助材8aは、帯状の板材を側面視コ字形状に形成してあり、各縦桟8の幅方向内側に突設する上側突設部46a及び下側突設部46bと、上側突設部46a及び下側突設部46bの連結部46cとを有し、下側突設部46bは縦桟8の下方に空間をあけて位置している。連結部46cは、縦桟8のタッピングホール44にネジ42で止めて縦桟8に固定してある。
下側突設部46bと縦桟8との間の空間に、照明保持具21aのネジ固定部45を配置しており、補助材8aの下側突設部46bがネジ固定部45の下面を受けている。下側突設部46bの下面は、配線収容部27の下壁27bの下面と略面一にしている。
【0017】
次に、照明保持具21a、照明23及び反射板10の取り付けについて説明する。
図1に示すように、照明保持具21aは、縦枠(幅方向架設材)6、6間に架設し、各縦桟8に取り付けてある。
図4及び図5に示すように、照明保持具21aの取り付けは、縦桟8の端部において、縦桟8の端部に取り付けた補助材8aの下側突設部46bと縦桟8との間に、照明保持具21aのネジ固定部45を挿入し、一端部側からネジ43を螺進して補助材8aの連結部46cにネジ固定部45を固定する。
同様に、幅方向他端側でも照明保持具21bのネジ固定部45を縦桟8の補助材8aに取り付ける。
【0018】
次に、照明23の取付けについて説明する。
図5に示すように、照明係止板33をネジ32でガイド部31に固定し、照明保持具21a、21bのガイド保持溝29にその端部からガイド部31を挿入し、ガイド部31を照明係止板33とともにスライドして照明23の取り付け位置に合わせる。
次に、照明23の端部を照明係止板33に下から押し込んで、照明23を照明保持具21a、21bに取り付ける。
そして、照明23の端部に接続した配線Tは、配線挿通口27eから配線収容部27に収める。
【0019】
反射板10は、幅方向一端部側の照明保持具21aと、幅方向他端部側の照明保持具21bとの間に跨って配置し、各照明保持具21a、21bの反射板載置部35に載置する。
そして、反射板10の幅方向の各端部10aをそれぞれ、照明保持具21a、21bの配線収容部27と取付部25との間に形成された呑込部41に呑み込ませて配置する。
【0020】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
上述した実施形態によれば、植物栽培棚1の幅方向の一端部側及び他端部側で夫々植物栽培棚1の長手方向に沿って設けられた照明保持具21a、21bの各取付部25間に、照明23を架設することで照明を容易に取り付けできるとともに配線Tを照明保持具21a、21bの各配線収容部27に収めることができるので、施工性が良い。
【0021】
照明保持具21a、21bは、植物栽培棚1の幅方向の一端部側及び他端部側で夫々植物栽培棚1の長手方向の任意の位置に取り付けできるから、植物の種類や育成状況によって、照明23のピッチを変える必要がある場合でも、簡単に位置調整が行える。
照明23を植物栽培棚1の幅方向に設けてあるので、長手方向に設けた場合よりも、植物への光の当たりムラを少なくできる。
【0022】
各照明保持具21a、21bにおいて、配線Tを収納する配線収容部27は、照明23を取り付ける取付部25よりも植物栽培棚1の幅方向の端部側に設けられているから、配線Tが植物栽培棚1の内側(幅方向中央側)にかかり難いので、配線Tが邪魔にならない。また、植物栽培棚1の幅方向端部側で照明の設置作業等をする作業者にとって、配線収納部27が手前に位置するから配線Tの収納作業がし易い。
配線収納部27を設けることで、各照明23の配線Tをそのまま配線収納部27に収めることができ、配線Tを植物栽培棚1に留めたり、配線Tが複数ある場合にそれらを結束しなくて済むので、作業性が良いと共に配線が露出しないので意匠性が良い。
各照明保持具21a、21bは、取付部25の上方に反射板10の各幅方向端部10aを呑み込む呑込部41と反射板載置部35が設けられているので、反射板10の施工が容易にできる。
反射板10を照明23の上方に設けているので、照明23が上方に向けて発光する光を栽培空間9に向けて反射できるので、照明23の照射効率が良い。
照明保持具21a、21bの各配線収容部27には、目板37が設けられており、目板37は切欠きを設けてあるか短尺であって、切欠き又は目板37、37間に配線Tを挿通しているから、照明23の配線Tを任意の位置で配線収容部に収めることができる。
照明保持具21a、21bの各ネジ固定部45には、ネジ43の軸部を受ける空間を設けてあるので、照明保持具21a、21bを固定するネジ43の切り屑が植物に落ちない。
【0023】
照明保持具21a、21bの取り付け位置は、ガイド部31をガイド保持溝29にスライドして位置合わせできるので、照明23の位置調整がし易い。
照明係止板33は、下方が開口する円弧形状の弾性体としているので、下方から照明23を押し込むことで、照明23の取り付けが容易にできる。
【0024】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
照明23は、LED照明に限らず、蛍光灯であっても良い。
照明保持具21a、21bは、植物栽培棚1の長手方向に沿って設けるものであれば良く、縦桟8の端部に取り付けた補助材8aに固定することに限らず、縦桟8の本体に、例えば下から止めるネジ等で固定しても良い。
【符号の説明】
【0025】
1 植物栽培棚
7 植物栽培床
9 栽培空間
10 反射板
21a 幅方向一方側の照明保持具
21b 幅方向他方側の照明保持具
23 照明
25 取付部
27 配線収容部
図1
図2
図3
図4
図5