(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188534
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】交通管制システム、交通管制方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20221214BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/09 S
G08G1/09 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096646
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】里沼 弘一
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 浩輔
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC12
5H181DD04
(57)【要約】
【課題】自動運転と手動運転が混在する状況や、迂回ルートが無い場合あるいは迂回ルートの方も渋滞し時間がかかる場合であっても、渋滞発生箇所あるいは渋滞が発生する虞がある箇所への車両流入を抑制して、渋滞を抑制あるいは渋滞を軽減する。
【解決手段】実施形態の交通管制装置は、道路に含まれる複数の管理用区間のうち、渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する、情報管理部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の複数箇所に設けられた交通量計測装置によけ計測結果も基づき交通管制を行う交通管制システムであって、
前記交通量計測装置から通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞判別結果データを通知する渋滞予測装置と、
前記交通管制の対象の道路を走行する自動運転車両から走行情報を受信し、前記道路に含まれる複数の管理用区間のうち、前記渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、前記対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する、情報管理部を備えた、
交通管制システム。
【請求項2】
前記自動運転車両から通信ネットワークを介して、各前記自動運転車両の走行位置、走行方向、走行車線及び走行速度等の車両情報を取得する情報取得部を備え、
前記情報管理部は、取得した前記車両情報に基づいて走行制御の対象となる前記自動運転車両を選択して、前記走行制御を行う、
請求項1に記載の交通管制システム。
【請求項3】
前記情報管理部は、前記自動運転車両の走行の制御を行うに際して、前記管理用区間に対応づけて各前記自動運転車両の走行車線及び走行速度を指示する、
請求項1又は請求項2に記載の交通管制システム。
【請求項4】
前記情報管理部は、前記走行の制御の対象の前記自動運転車両が前記対象管理用区間に至るまでの時間が、発生している渋滞あるいは発生が予測される渋滞が解消すると予測される時間以上となるように、前記走行速度を指示する、
請求項3に記載の交通管制システム。
【請求項5】
前記情報管理部は、前記自動運転車両の走行位置、走行車線及び走行速度を格納するデータベースを備える、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の交通管制システム。
【請求項6】
入力された渋滞予測結果データに基づいて、走行の制御を行うための自動運転車両を特定し、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度情報及び当該自動運転車両の走行車線を規定するための走行車線情報を含むペースカー向情報データを生成する制御情報部を備えた、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の交通管制システム。
【請求項7】
前記ペースカー向情報データを通信ネットワークを介して前記走行の制御を行う自動運転車両に提供する情報提供部を備えた、
請求項6に記載の交通管制システム。
【請求項8】
道路の複数箇所に設けられた交通量計測装置を備えた交通管制システムであって、
前記交通量計測装置から通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞判別結果データを通知する渋滞予測装置と、
交通管制対象の道路を走行する自動運転車両から走行情報を受信し、前記道路に含まれる複数の管理用区間のうち、前記渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、前記対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する、情報管理部を備えた、
交通管制システム。
【請求項9】
道路の複数箇所に設けられた交通量計測装置を備えた交通管制システムで実行される交通管制方法であって、
前記交通量計測装置から通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞判別結果データを通知する過程と、
交通管制対象の道路を走行する自動運転車両から走行情報を受信する過程と、
前記道路に含まれる複数の管理用区間のうち、前記渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、前記対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する過程と、
を備えた交通管制方法。
【請求項10】
道路の複数箇所に設けられた交通量計測装置を有する交通量計測システムを備えた交通管制システムをコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記交通量計測システムから通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞判別結果データを通知する手段と、
交通管制対象の道路を走行する自動運転車両から走行情報を受信する手段と、
前記道路に含まれる複数の管理用区間のうち、前記渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、前記対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する手段と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、交通管制システム、交通管制方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路での渋滞発生の主な要因として、渋滞が発生していない区間で車間距離が短く状態で走行していた車両が、サグ(sag:道路が下り坂から上り坂に変わる凹部の構造を持つ場所)等の箇所で減速し、後続車両が次々とブレーキを踏むことによるものであることがわかっている。
【0003】
仮に全車両が自動運転となり、サグ等の箇所やそれ以外の区間でも、ほぼ一定速度で適正な車間を空けて走行すれば、渋滞発生の回避・抑制を図ることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-209991号公報
【特許文献2】特開2013-226914号公報
【特許文献3】特開2011-069640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自動運転と手動運転が混在する現在の状況では、手動運転車両が全体の渋滞抑制を考慮して、サグ等の箇所やそれ以外の区間でも、ほぼ一定速度で走行することは困難である。
【0006】
また、高速道路を走行する車両に対し、渋滞情報の提供、所要時間情報提供を行うことにより、迂回ルートへの誘導により渋滞発生の回避・抑制を図ることは考えられている。
しかし、迂回ルートが無い場合や、迂回ルートの方も渋滞し時間がかかる場合がある。さらに、迂回ルートがあっても、ドライバーが選択しない場合もあり、効果は期待できない状況となっている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自動運転と手動運転が混在する状況や、迂回ルートが無い場合あるいは迂回ルートの方も渋滞し時間がかかる場合であっても、渋滞発生箇所あるいは渋滞が発生する虞がある箇所への車両流入を抑制して、渋滞を抑制あるいは渋滞を軽減することが可能な交通管制システム、交通管制方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の交通管制装置は、高規格幹線道路に含まれる複数の管理用区間のうち、渋滞判別結果データに基づいて、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される前記管理用区間を対象管理用区間とし、対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理する、情報管理部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、交通管制システムの概要構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、情報収集部の概要構成ブロック図である。
【
図3】
図3は、制御情報部の概要構成ブロック図である。
【
図4】
図4は、情報管理部の概要構成ブロック図である。
【
図5】
図5は、情報提供部の概要構成ブロック図である。
【
図6】
図6は、管理用区間の設定例の説明図である。
【
図7】
図7は、実施形態の動作フローチャートである。
【
図9】
図9は、運行予定データの一例の説明図である。
【
図10】
図10は、情報管理表データベースの説明図(その1)である。
【
図11】
図11は、ステップS13における情報管理表データベースの更新処理フローチャートである。
【
図12】
図12は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その1)である。
【
図13】
図13は、渋滞の発生が予測された直後に更新された情報管理表データベースの一例の説明図である。
【
図14】
図14は、渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される場合の自動運転車両の制御用データの生成処理のフローチャートである。
【
図16】
図16は、センター処理装置と自動運転車両との間の処理シーケンスチャートの一例の説明図である。
【
図17】
図17は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その2)である。
【
図18】
図18は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その3)である。
【
図19】
図19は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その4)である。
【
図20】
図20は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その5)である。
【
図21】
図21は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、交通管制システムの概要構成ブロック図である。
交通管制システム10は、高規格幹線道路において交通管制を行うシステムであり、交通量計測システム11、渋滞予測装置12及びセンター処理装置13を備えている。
ここで、高規格幹線道路とは、高速自動車国道、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路及び一般国道の自動車専用道路をいうが、必ずしもこれに限定する必要は無く、道路に対する出入口が限定されている道路であれば同様に適用が可能である。
【0011】
この場合において、交通量計測システム11は、交通管制対象の道路の複数箇所に設けられた交通量計測装置を備えている。
【0012】
交通量計測システム11を構成している複数の交通量計測装置は、例えば、トラフィックカウンタ等として構成され、交通量を計測し、交通量計測システム11は、交通量計測装置の計測結果をまとめて渋滞予測装置12に交通量計測結果データとして通知する。
渋滞予測装置12は、複数の交通量計測装置の交通量計測結果に基づいて交通量計測システム11から通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞予測結果データをセンター処理装置13に通知する。
【0013】
この結果、センター処理装置13は、交通管制装置として機能し、交通管制のために直接的な制御対象の自動運転車両(
図1の例の場合、自動運転車両C11、C12、C21、C22)から走行速度、走行位置、走行車線等の走行情報を収集し、渋滞が発生あるいは渋滞の発生が予測される場合に、渋滞の影響を緩和可能な自動運転車両に対する走行制御を行う。
【0014】
センター処理装置13は、情報収集部21、制御情報部22、情報管理部23及び情報提供部24を備えている。
情報収集部21は、後続する車両群の移動ペース(移動速度)を規制するためのペースカーとして機能する自動運転車両から走行速度、走行位置、走行車線等の情報を収集する。
【0015】
図2は、情報収集部の概要構成ブロック図である。
情報収集部21は、ペースカー登録入力部31、ペースカー情報データベース32、入力処理部33、データ作成部34及び出力処理部35を備えている。
ペースカー登録入力部31は、ペースカーとして機能する自動運転車両から当該自動運転車両を特定する車両ID及び走行区間情報(走行開始インターチェンジ、走行終了インターチェンジ、経由ジャンクションの情報等)がインターネット等の通信ネットワークを介して入力され、車両ID及び走行情報を対応づけてペースカー情報データベース(DB)32に登録する。
【0016】
入力処理部33は、通信インタフェース動作を行い、ペースカーとして機能する自動運転車両から位置走行位置、走行方向、走行車線、走行速度等の走行情報がインターネット等の通信ネットワークを介して順次更新されて入力され、ペースカー登録入力部31から入力された車両ID及び走行情報に対応づけてデータ作成部34に出力する。
これらの結果、データ作成部34は、車両ID、走行情報及び順次更新された走行情報に基づいてペースカー情報データを生成する。
出力処理部35は、通信インタフェース動作を行い、制御情報部22にペースカー情報データを出力する。
【0017】
図3は、制御情報部の概要構成ブロック図である。
制御情報部22は、入力処理部41、データ作成部42及び出力処理部43を備えている。
入力処理部41は、専用通信回線あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して渋滞予測装置12と接続され、通信インタフェース動作を行って渋滞予測結果データを取得し、データ作成部42に出力する。
データ作成部42は、入力された渋滞予測結果データに基づきペースカー情報データベース32を参照して、ペースカー向情報データD22を生成して、出力処理部43に出力する。
ここで、ペース向情報データは、ペースカーとして機能させる自動運転車両を特定する車両ID、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度情報及び当該自動運転車両の走行車線を規定するための走行車線情報が含まれている。
出力処理部43は、通信インタフェース動作を行い、入力されたペースカー向情報データD22を情報管理部23に出力する。
【0018】
図4は、情報管理部の概要構成ブロック図である。
情報管理部23は、入力処理部51、管理表データ保存部52、管理表データベース53及び出力処理部54を備えている。
【0019】
入力処理部51は、情報収集部21及び制御情報部22と通信線を介して接続され、通信インタフェース動作を行って、入力された情報管理表データD12及びペースカー向情報データD22を管理表データ保存部52に出力する。
【0020】
管理表データ保存部52は、入力されたペースカー情報データ及びペースカー向け情報データを統合して、ペースカー管理データを生成して、管理表データベース(DB)53に保存し、管理表データベース53を更新する。
出力処理部54は、所定の出力タイミングにおいて更新されたペースカー管理データD31を情報提供部24に出力する。
この場合において、ペースカー管理データD31には、収集したペースカーの情報のみならず、収集したペースカーの情報に基づいて、予測した所定時間後のペースカーの予測情報も含まれている。
【0021】
図5は、情報提供部の概要構成ブロック図である。
情報提供部24は、入力処理部61、データ作成部62及び出力処理部63を備えている。
入力処理部61は、情報管理部23と通信線を介して接続され、通信インタフェース動作を行って、入力されたペースカー管理データをデータ作成部62に出力する。
【0022】
データ作成部62は、入力されたペースカー管理データのデータフォーマット変換及びプロトコル変換を行ってペースカー管理通信データを出力処理部63に出力する。
【0023】
出力処理部63は、インターネット等の通信ネットワークを介してペースカー管理通信データをペースカーとして機能する車両に送信して、ペースカー管理通信データに基づく走行を行えるようにする。
【0024】
図6は、管理用区間の設定例の説明図である。
ここで、管理用区間とは、当該管理用区間内においては、他の道路への出入りが制限されるとともに、進行方向の変更もできない道路上の区間であり、当該管理用区間内のいずれに自動運転車両が位置していたとしても、同一の位置に存在するものとして自動運転車両の走行制御及び自動運転車両に後続する管制制御を行うことが可能な区間となっている。また、この管理用区間のうち、渋滞が発生し、あるいは、渋滞が発生すると予測される管理用区間を、管制制御の対象である管理用区間として、対象管理用区間と呼ぶものとする。
図6の例においては、上り路線において、上流側から下流側に向かって、インターチェンジ(IC)71とジャンクション(JCT)72との間の道路区間を管理用区間A-1とし、ジャンクション72とインターチェンジ73との間の道路区間を管理用区間A-2とし、インターチェンジ73とインターチェンジ74との間の道路区間を管理用区間A-3とし、インターチェンジ74とインターチェンジ75との間の道路区間を管理用区間A-4とし、インターチェンジ75とインターチェンジ76との間の道路区間を管理用区間A-5とするものとする。
【0025】
次に実施形態の動作を説明する。
図7は、実施形態の動作フローチャートである。
この場合において、ペースカーとして機能する自動運転車両は、車両管制を行う道路において、高速道路の追い越し車線を含む全車線に配置されるものとし、追い越し車線においても制御完了まで配置を継続するものとする。
【0026】
図8は、車両制御例の説明図である。
具体的には、車両管制対象の高速道路の車線が走行車線及び追い越し車線の2車線である場合には、
図8(A)に示すように、少なくとも2台の自動運転車両C11、C12をそれぞれの車線に、基本的には横並び状態で配置し、後続車両が追い抜きできないようにするものとする。
【0027】
また、第1走行車線、第2走行車線及び追い越し車線の3車線である場合には、
図8(B)に示すように、少なくとも3台の自動運転車両C11~C13をそれぞれの車線に、基本的には横並び状態で配置し、後続車両が追い抜きできないようにするものとする。
この結果、渋滞が発生し、あるいは、渋滞の発生が予測される管理用区間を対象管理用区間とし、この対象管理用区間に至る道路において配置された自動運転車両の走行を制御し、後続する一または複数の車両の速度を管理することができるのである。
【0028】
図7に戻り、まずステップS11において、ペースカーとして機能する自動運転車両の登録がなされる。
より詳細には、情報収集部21のペースカー登録入力部31には、ペースカーとして機能する自動運転車両あるいは当該自動運転車両を管理する運行管理会社等から当該自動運転車両を特定する車両ID及び走行区間情報(走行開始インターチェンジ、走行終了インターチェンジ、経由ジャンクションの情報等)が運行予定データ37としてインターネット等の通信ネットワークを介して入力される。
【0029】
図9は、運行予定データの一例の説明図である。
運行予定データ37は、
図8に示すように、運行予定の車両を特定するための車両IDデータ37Aと、走行予定区間を表す走行区間データ37Bと、を備えている。
上記構成において、走行区間データ37Bは、走行区間始点データ37B1と、走行区間終点データ37B2と、を備えている。
【0030】
より具体的には、
図8の例の場合には、運行予定データ37は、車両ID=0001~0004の4台の自動運転車両が、管理用区間A-1~管理用区間A-5まで走行する予定であることを表している。
【0031】
運行予定データ37が入力されると、ペースカー登録入力部31は、車両ID及び走行情報を対応づけてペースカー情報データベース(DB)32に登録する。
なお、この登録は事前になされたペースカーとして機能する自動運転車両の運行予定計画に沿って実際の運行に先立って行われるようにしてもよい。
【0032】
以下の説明においては、理解の容易のため、
図6に示したように、車両の進行方向に沿って管理用区間A-1~管理用区間A-5の五つの区間が存在する場合を例とする。また、これらの五つの管理用区間のうち、管理用区間A-5にサグ等が存在し、渋滞が起きやすい管理用区間あるいは渋滞が発生すると予測されやすい管理用区間、すなわち、対象管理用区間となりやすい管理用区間であるものとして説明する。
【0033】
図10は、情報管理表データベースの説明図(その1)である。
ここでは、1月1日の12時からの制御を再び
図7を参照して説明する。
初期状態においては、1月1日の12時以降のテーブルは、初期状態であり、未だデータが格納されていないものとする。
【0034】
1月1日の12時00分において、情報収集部21の入力処理部33は、通信インタフェース動作を行って、ペースカーとして機能する車両ID(
図10では、ペースカーIDと表記)=0001~0004の4台の自動運転車両から位置走行位置、走行方向、走行車線、走行速度等の走行情報がインターネット等の通信ネットワークを介して順次更新されて入力される。
【0035】
図7に戻り、ステップS12において、ペースカーとして機能するID=0001~0004の4台の自動運転車両から送信情報をそれぞれ受信して、走行情報データ(ID情報、位置情報及び速度情報)D11を収集する。
【0036】
以下の説明においては、時刻=「2011/01/01 12:00」の時点において、車両ID=0001~0004の自動運転車両は、走行車線及び追い越し車線の2車線である区間A-3の上り線(法定制限速度=100km)を一群となって走行中であり、それぞれ、走行速度=「100km」で、選択車線=「走行(車線)」で走行しているものとする。
【0037】
そして入力処理部33は、ペースカー登録入力部31から入力されたペースカー情報データ(車両ID及び走行区間情報)D10に対応づけてデータ作成部34に収集した走行情報データ(位置情報及び速度情報)を出力する。
【0038】
これらの結果、データ作成部34は、車両ID、走行区間情報及び順次更新された走行情報データ(位置情報及び速度情報)D11に基づいて情報管理表データ(ID情報、走行区間情報、位置情報及び速度情報)D12を生成し、出力処理部35は、通信インタフェース動作を行い、情報管理表データD12を情報管理部23に出力する。
【0039】
具体的には、上述の例の場合、情報管理表データは、例えば、ID=0001の自動運転車両については、以下の通りとなる。
【0040】
データ収集日時=「2021/01/01 12:00」の管理用区間=「A-3」、上下線=「上り」、法定制限速度=「100km」において、ID=「0001」の自動運転車両については、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS13)。
【0041】
同様に、ステップS13において、ID=「0002」~ID=「0004」の自動運転車両についても、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0042】
ここで、ステップS13の情報管理表データベース36の更新処理について詳細に説明する。
【0043】
図11は、ステップS13における情報管理表データベースの更新処理フローチャートである。
まず、ステップS21において、情報収集部21のデータ作成部34は、ID情報を読み取る。
次に、ステップS22において、ペースカー情報データベース32に登録された登録ID情報を参照する。
続いてステップS23において、当該IDに対応する自動運転車両について情報管理表データベース36を更新する。
【0044】
続いて、ステップS24において、データ作成部34は、当該自動運転車両が現在の走行速度、選択車線で走行し続けた場合に、次回のデータ収集日時(本例では、5分後、10分後、15分後及び20分後)における自動運転車両の走行速度、管理用区間単位の走行位置、選択車線を予測し、自動運転車両予測情報を作成する。
【0045】
そして、ステップS25において、データ作成部34は、作成した自動運転車両予測情報を情報管理表データベース36の所定領域に書き込んで、情報管理表データベース36を更新する。
【0046】
図12は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その1)である。
図12の例においては、自動運転車両予測情報としては、データ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:05」の管理用区間=「A-3」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0001」の自動運転車両については、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0047】
同様に、車両ID=「0002」~車両ID=「0004」の自動運転車両についても、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0048】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」においては、車両ID=「0001」の自動運転車両は、管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0001」の自動運転車両については、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0049】
同様に、ID=「0002」~ID=「0004」の自動運転車両についても、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」においては、管理用区間=「A-4」に進入していると予測され、予測情報として、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域に走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0050】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報に基づく、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」においては、車両ID=「0001」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」を走行していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0001」の自動運転車両については、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0051】
同様に、ID=「0002」~ID=「0004」の自動運転車両についても、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」においては、管理用区間=「A-4」に進入していると予測され、予測情報として、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域に走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0052】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報に基づく、20分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、車両ID=「0001」の自動運転車両は、管理用区間=「A-4」から管理用区間=「A-5」に進入していると予測されるため、管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域には、ID=「0001」の自動運転車両については、走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0053】
同様に、ID=「0002」~ID=「0004」の自動運転車両についても、20分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、管理用区間=「A-4」から管理用区間=「A-5」に進入していると予測され、予測情報として、管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域に走行速度情報=「100km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される(ステップS25)。
【0054】
図7に戻り、ステップS14において、上記動作と並行して、渋滞予測装置12は、複数の交通量計測装置の交通量計測結果に基づいて交通量計測システム11から通知された交通量計測結果データに基づいて、渋滞予測を行い、渋滞予測結果データD21をセンター処理装置13に通知する。
この結果、制御情報部22の入力処理部41は、入力された渋滞予測結果データD21をデータ作成部42に出力する。
【0055】
制御情報部22のデータ作成部42は、入力された渋滞予測結果データD21に基づきペースカー情報データベースを参照して、ペースカー向情報データD22を生成して、出力処理部43に出力する。
【0056】
ここで、ペースカー向情報データD22は、ペースカーとして機能させる自動運転車両を特定する車両ID、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度情報及び当該自動運転車両の走行車線を規定するための制御車線情報が含まれている。
出力処理部43は、通信インタフェース動作を行い、入力されたペースカー向情報データD22を情報管理部23に出力する。
【0057】
これにより情報管理部23の入力処理部51には、情報管理表データD12及びペースカー向情報データD22が入力され、入力された情報管理表データD12及びペースカー向情報データD22を管理表データ保存部52に出力する。
【0058】
管理表データ保存部52は、入力された情報管理表データD12及びペースカー向情報データD22を統合して、ペースカー管理データD31を生成して、管理表データベース(DB)53に保存し、管理表データベース53を更新する。
出力処理部54は、所定の出力タイミングにおいて更新されたペースカー管理データD31を情報提供部24に出力する。
【0059】
図13は、渋滞の発生が予測された直後に更新された情報管理表データベースの一例の説明図である。
図13に示すように、データ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間A-5においては、渋滞の発生が予測された場合、当該時間帯には、
図12に示した様に、データ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、管理用区間=「A-5」に車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の自動運転車両が進入していると予測される時間帯となっており、これらの自動運転車両が、当初の走行速度=「100km」で走行した場合には、当該渋滞に完全に巻き込まれることとなる。
【0060】
そこで、本実施形態においては、渋滞予測装置12の渋滞予測結果に対応する渋滞の発生時間帯と同一の時間帯において、渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される管理用区間と同一の管理用区間に存在することが予測される自動運転車両が存在する場合には、当該自動運転車両の走行制御を行って、できる限り渋滞が解消するまで当該自動運転車両及び当該自動運転車両の後続の車両(あるいは車両群)が当該管理用区間に到達して、渋滞を悪化させないように管制制御を行う。
【0061】
以下、管制制御の手法について説明する。
図14は、渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される場合の自動運転車両の制御用データの生成処理のフローチャートである。
【0062】
まず、ステップS41において、自動運転車両制御情報を生成する。
具体的には、現在の自動運転車両の走行位置、走行速度及び渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される位置を取得するとともに、現在の自動運転車両の位置から渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される位置までの距離を自動運転車両制御情報として生成する。
【0063】
続いて、ステップS42において、ペースカーとして機能させる自動運転車両の制御速度を設定する。
【0064】
具体的には、現在の自動運転車両の位置から渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される位置までの距離に基づいて、現在の自動運転車両の位置から渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される位置(簡易的には、渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される管理用区間の始点位置)に当該自動運転車両が到達した時点で、発生した渋滞あるいは予測された渋滞が解消しているように、自動運転車両の速度を制御速度として設定する。
【0065】
例えば、時速100kmで走行した場合には、渋滞に遭遇することとなるが、時速60km以下で走行した場合には、渋滞が既に解消していると考えられる場合には、制御速度を時速60kmに設定することとなる。
【0066】
この場合において、発生した渋滞あるいは予測された渋滞が解消するまでの時間は、過去に同様な渋滞が発生した場合の発生履歴等に基づいて算出すればよい。
【0067】
さらにステップS43において、車線割当設定を行う。
具体的には、渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される場合には、当該渋滞発生あるいは渋滞発生が予測される管理用区間に至る道路の車線の数を取得し、後続する一または複数の車両が各自動運転車両を追い越せないように、
図8に示した様に、全ての車線(走行車線及び追越車線を含む)に自動運転車両を配置するように車線を各自動運転車両に割り当てる。
【0068】
したがって、通常は、自動運転車両を全ての車線に横並び状態で配置する。この場合において、自動運転車両を追い越せないようにとは、所定の交通規則に則って後続の車両が自動運転車両を追い越すことはできないという意味である。
そして、ステップS44において、情報管理表データベースを更新する。
【0069】
図15は、情報提供部の処理フローチャートである。
この結果、ステップS51において、情報提供部24の入力処理部61は、情報管理表データベースを参照することにより更新されたペースカー管理データが入力されるので、当該ペースカー管理データをデータ作成部62に出力する。
【0070】
ステップS52において、データ作成部62は、入力されたペースカー管理データのデータフォーマット変換及びプロトコル変換を行うとともに、ペースカーとして機能させる全ての自動運転車両に対して、当該自動運転車両の走行制御を行うための送信電文としてのペースカー管理通信データを生成し、出力処理部63に出力する。
【0071】
出力処理部63は、インターネット等の通信ネットワークを介してペースカー管理通信データをペースカーとして機能する自動運転車両に送信して(ステップS53)、ペースカー管理通信データに基づく走行を行うようにして、当該自動運転車両に後続する車両の管制制御を行う。
【0072】
図16は、センター処理装置と自動運転車両との間の処理シーケンスチャートの一例の説明図である。
図16においては、自動運転車両として、車両ID=「0002」の自動運転車両の場合を例として説明する。
【0073】
図16に示すように、2021年1月1日の時刻=「12:00:00」において、車両ID=「0002」の自動運転車両が、送信電文(送信データ)として、送信元の自動運転車両を特定するための車両ID=「0002」、当該自動運転車両の走行速度=「100km」、当該自動運転車両が走行している選択車線=「走行(車線)」を送信したとする。
【0074】
これにより、センター処理装置13は、直ちに演算処理を行い、自動運転車両から送信電文を受信した10秒後の2021年1月1日の時刻=「12:00:10」において、送信先を車両ID=「0002」の自動運転車両として、当該自動運転車両を走行させる車線として選択車線=「追越(車線)」を指定し、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度=「60km」を送信したとする。
【0075】
この結果、情報管理表データベースも更新され、
図13に示したように、管理用区間A-3における車両ID=「0002」の自動運転車両の制御情報として、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。この場合において、車両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0001」、「0003」、「0004」の自動運転車両の制御情報も同様に、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0076】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:05」の管理用区間=「A-3」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0077】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:05」の管理用区間=「A-3」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0078】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:05」の管理用区間=「A-3」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0079】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報及び制御情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0080】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0081】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両についても、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0082】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報及び制御情報に基づく、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0083】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0084】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0085】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:00」の収集情報及び制御情報に基づく、20分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においても、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0086】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、20分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0087】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、20分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0088】
以上の説明のように、センター処理装置13から渋滞発生予測に伴う制御情報が送信されることによって、車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の自動運転車両は、
図12の通常時と異なり、
図8(A)に示した様な状態で、4台の自動運転車両をそれぞれの車線に、基本的には横並び状態で配置し、後続車両が追い抜きできないようにして、制御速度=「60km」で走行するので、後続車両の管制制御を行うことができる。
【0089】
図17は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その2)である。
続いて、2021年の1月1日の12時05分において、情報収集部21の入力処理部33は、通信インタフェース動作を行って、ぺースカーとして機能する車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の4台の自動運転車両から位置走行位置、走行方向、走行車線、走行速度等の走行情報がインターネット等の通信ネットワークを介して順次更新されて入力される。
【0090】
具体的には、ペースカーとして機能する車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の4台の自動運転車両から送信情報をそれぞれ受信して、走行情報データ(ID情報、位置情報及び速度情報)D11を収集する。
【0091】
この場合においては、時刻=「2011/01/01 12:00」の時点の指示制御に基づいて、車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の自動運転車両は、走行車線及び追い越し車線の2車線である区間A-3の上り線(法定制限速度=100km)を一群となって走行中であり、それぞれ、走行速度=「60km」で、選択車線=「走行(車線)」あるいは「追越(車線)」で走行しているものとする。
【0092】
すなわち、データ収集日時=「2021/01/01 12:05」の管理用区間=「A-3」、上下線=「上り」、法定制限速度=「100km」において、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0093】
同様にID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0094】
さらに、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0095】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0096】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0097】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、管理用区間=「A-3」から管理用区間=「A-4」に進入していると予測されるため、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0098】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0099】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0100】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0101】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報に基づく、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0102】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0103】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0104】
また、
図16に示したように、2021年1月1日の時刻=「12:05:00」において、車両ID=「0002」の自動運転車両が、送信電文(送信データ)として、送信元の自動運転車両を特定するための車両ID=「0002」、当該自動運転車両の走行速度=「60km」、当該自動運転車両が走行している選択車線=「追越(車線)」を送信したとする。
【0105】
これにより、センター処理装置13は、直ちに演算処理を行い、自動運転車両から送信電文を受信した10秒後の2021年1月1日の時刻=「12:05:10」において、送信先を車両ID=「0002」の自動運転車両として、当該自動運転車両を走行させる車線として選択車線=「追越(車線)」を指定し、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度=「60km」を送信したとする。
【0106】
図18は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その3)である。
この結果、情報管理表データベースも更新され、
図18に示すように、管理用区間A-3における車両ID=「0002」の自動運転車両の制御情報として、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。この場合において、車両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0004」の自動運転車両の制御情報も同様に、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
さらに両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0001」、「0003」の自動運転車両の制御情報は、選択車線=「走行(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0107】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0108】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0109】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0110】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0111】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0112】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0113】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報及び制御情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0114】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0115】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0116】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:05」の収集情報及び制御情報に基づく、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0117】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0118】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、15分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0119】
図19は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その4)である。
続いて、2021年の1月1日の12時10分において、情報収集部21の入力処理部33は、通信インタフェース動作を行って、ぺースカーとして機能する車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の4台の自動運転車両から位置走行位置、走行方向、走行車線、走行速度等の走行情報がインターネット等の通信ネットワークを介して順次更新されて入力される。
【0120】
具体的には、ペースカーとして機能する車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の4台の自動運転車両から送信情報をそれぞれ受信して、走行情報データ(ID情報、位置情報及び速度情報)D11を収集する。
【0121】
この場合においては、時刻=「2011/01/01 12:05」の時点の指示制御に基づいて、車両ID=「0001」~車両ID=「0004」の自動運転車両は、走行車線及び追い越し車線の2車線である区間A-4の上り線(法定制限速度=100km)を一群となって走行中であり、それぞれ、走行速度=「60km」で、選択車線=「走行(車線)」あるいは「追越(車線)」で走行しているものとする。
【0122】
すなわち、データ収集日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」、上下線=「上り」、法定制限速度=「100km」において、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0123】
同様にID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
さらに、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0124】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:10」の収集情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0125】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0126】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0127】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:10」の収集情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0128】
同様に車両ID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0129】
また、車両ID=「0001」、車両ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0130】
また、
図16に示したように、2021年1月1日の時刻=「12:10:00」において、車両ID=「0002」の自動運転車両が、送信電文(送信データ)として、送信元の自動運転車両を特定するための車両ID=「0002」、当該自動運転車両の走行速度=「60km」、当該自動運転車両が走行している選択車線=「追越(車線)」を送信したとする。
【0131】
これにより、センター処理装置13は、直ちに演算処理を行い、自動運転車両から送信電文を受信した10秒後の2021年1月1日の時刻=「12:10:10」において、送信先を車両ID=「0002」の自動運転車両として、当該自動運転車両を走行させる車線として選択車線=「追越(車線)」を指定し、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度=「60km」を送信したとする。
【0132】
図20は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その5)である。
この結果、情報管理表データベースも更新され、
図20に示すように、管理用区間A-3における車両ID=「0002」の自動運転車両の制御情報として、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。この場合において、車両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0004」の自動運転車両の制御情報も同様に、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0133】
さらに両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0001」、「0003」の自動運転車両の制御情報は、選択車線=「走行(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0134】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:10」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0135】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:10」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0136】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0137】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:10」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0138】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0139】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:15」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0140】
さらにデータ収集日時=「2021/01/01 12:10」の収集情報及び制御情報に基づく、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」においては、車両ID=「0002」の自動運転車両は、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0141】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0142】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両についても、未だ管理用区間=「A-4」に位置していると予測されるため、10分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-4」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0143】
図21は、情報管理表データベースの更新処理後の一例の説明図(その6)である。
データ収集日時=「2021/01/01 12:15」において、車両ID=「0002」の自動運転車両が、送信電文(送信データ)として、送信元の自動運転車両を特定するための車両ID=「0002」、当該自動運転車両の走行速度=「60km」、当該自動運転車両が走行している選択車線=「追越(車線)」を送信したとする。
【0144】
これにより、センター処理装置13は、直ちに演算処理を行い、自動運転車両から送信電文を受信した10秒後の2021年1月1日の時刻=「12:15:10」において、送信先を車両ID=「0002」の自動運転車両として、当該自動運転車両を走行させる車線として選択車線=「追越(車線)」を指定し、当該自動運転車両の走行速度を制御するための制御速度=「60km」を送信したとする。
【0145】
この結果、
図21に示すように、管理用区間A-3における車両ID=「0002」の自動運転車両の制御情報として、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。この場合において、車両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0004」の自動運転車両の制御情報も同様に、選択車線=「追越(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0146】
さらに両ID=「0002」の自動運転車両と行動を共にする車両ID=「0001」、「0003」の自動運転車両の制御情報は、選択車線=「走行(車線)」及び制御速度=「60km」が追記される。
【0147】
これに伴い、データ収集日時=「2021/01/01 12:15」の収集情報及び制御情報に基づく、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0002」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0148】
同様にID=「0004」の自動運転車両についても、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域には、車両ID=「0004」の自動運転車両については、走行速度情報=「60km」、選択車線=「追越(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0149】
また、ID=「0001」、ID=「0003」の自動運転車両については、5分後のデータ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域には、走行速度情報=「60km」、選択車線=「走行(車線)」が情報管理表データベース36に登録され、情報管理表データベース36が更新される。
【0150】
この時点において、データ予測日時=「2021/01/01 12:20」の管理用区間=「A-5」に対応するデータ格納領域においては、既に、渋滞に関する情報が格納されていないので、自動運転車両を用いた自動運転車両の走行制御に伴う、後続の車両の管制制御は終了する。
【0151】
以上の説明のように、本実施形態によれば、自動運転車両を用いた自動運転車両の走行制御に伴う、後続の車両の管制制御により、渋滞の発生が予測される管理用区間=「A-5」への到着を遅延させているので、管理用区間=「A-5」に到着時に渋滞が解消している可能性を高くすることができ、渋滞の拡大を抑制して実効的な走行速度の低下を抑制することができる。
【0152】
換言すれば、本実施形態によれば、渋滞発生箇所あるいは渋滞が発生する虞がある箇所に至る道路の手前側で交通流を制御(車両の速度抑制)することにより、渋滞発生箇所あるいは渋滞が発生する虞がある箇所への車両流入を抑制して、渋滞を抑制あるいは渋滞を軽減することが可能となる。
【0153】
本実施形態の交通管制装置(センター処理装置)は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0154】
本実施形態の交通管制装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ、SSD等の半導体メモリ装置等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0155】
また、本実施形態の交通管制装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の交通管制装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0156】
また、本実施形態の交通管制装置のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0157】
本実施形態の交通管制装置で実行されるプログラムは、上述した各部(情報収集部、制御情報部、情報管理部、情報提供部…)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から~プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、情報収集部、制御情報部、情報管理部、情報提供部…が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0159】
10 交通管制システム
11 交通量計測システム
12 渋滞予測装置
13 センター処理装置
21 情報収集部
22 制御情報部
23 情報管理部
24 情報提供部
31 ペースカー登録入力部
32 ペースカー情報データベース
33 入力処理部
34 データ作成部
35 出力処理部
36 情報管理表データベース
37 運行予定データ
37A 車両IDデータ
37B 走行区間データ
41 入力処理部
42 データ作成部
43 出力処理部
51 入力処理部
52 管理表データ保存部
53 管理表データベース
54 出力処理部
61 入力処理部
62 データ作成部
63 出力処理部
C11 自動運転車両
D12 情報管理表データ
D21 渋滞予測結果データ
D22 ペースカー向情報データ
D31 ペースカー管理データ
37B1 走行区間始点データ
37B2 走行区間終点データ
A-1~A-5 管理用区間