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特開2022-188538ソフトウェア開発者マッチング支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188538
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ソフトウェア開発者マッチング支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221214BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096651
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】521252726
【氏名又は名称】株式会社DEPARTURE
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横濱 悠平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】求職者及び求人者の双方にとって利点がありマッチング成就率の向上が期待できるソフトウェア開発者マッチング支援システムを提供する。
【解決手段】支援システムは、開発管理システム100とマッチングサーバ200を備える。開発管理システム100は、仲介者3が求人者2から受注したソフトウェア開発依頼に係る1つ以上の開発タスクを求職者1に提示するとともに求職者1による開発タスクの進捗を管理する。マッチングサーバ200は、開発管理システム100から開発タスク情報を取得する開発タスク情報取得部210と、求職者情報を記憶する求職者DB220と、求職者情報に開発タスク情報を付加して求人者2に提示する求職者用UI250を備える。求職者用UI250は、提示先の求人者2に係る開発タスクを求職者1が処理したか否か識別可能なマークを提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェア開発者である求職者とソフトウェア開発者を求人する求人者との間の仲介者によるマッチングを支援するソフトウェア開発者マッチング支援システムであって、
仲介者が求人者から受注したソフトウェア開発依頼に係る1つ以上の開発タスクを求職者に提示するとともに求職者による開発タスクの進捗を管理する開発管理システムと、
開発管理システムから開発タスク情報を取得する開発タスク情報取得部と、
求職者情報を記憶する求職者情報記憶部と、
求職者情報に開発タスク情報取得部で取得した開発タスク情報を付加して求人者に提示する求職者情報提示部とを備え、
前記求職者情報提示部は、提示先の求人者が発注したソフトウェア開発依頼に係る開発タスクを求職者が処理したか否か識別可能に求職者情報を提示する
ことを特徴とするソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項2】
開発タスク情報取得部で取得した開発タスク情報に基づき自身が発注したソフトウェア開発依頼に係る開発タスクの進捗情報を提示する進捗情報提示部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項3】
開発タスクを遂行中の求職者から当該開発タスクに関するレポートを受け付けるレポート受付部を備え、
前記進捗情報提示部は、自身が発注したソフトウェア開発依頼に係る開発タスクに関する求職者のレポートを提示する
ことを特徴とする請求項2記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項4】
前記開発タスク情報は、開発タスクの難易度を示す難易度情報を含み、
前記求職者情報提示部は、求職者が処理した複数の開発タスクについて難易度情報の経時的な推移を識別可能に提示する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項5】
前記求職者情報は、開発者のスキルを示すスキル情報を含み、
前記開発管理システムは、求職者のスキル情報に基づき当該求職者が処理可能な開発タスクを制限する
ことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項6】
求人者から求職者へのコンタクトの依頼を受け付けるコンタクト受付部を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【請求項7】
前記コンタクト受付部は、求人者が発注したソフトウェア開発依頼の実績に基づき、当該求人者がコンタクト可能な求職者を制限する
ことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載のソフトウェア開発者マッチング支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェア開発者である求職者とソフトウェア開発者を求人する求人者との間の仲介者によるマッチングを支援するソフトウェア開発者マッチング支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソフトウェア開発者である求職者とソフトウェア開発者を求人する求人者との間のマッチングを支援するマッチング支援システムが知られている(例えば特許文献1参照)。このマッチング支援システムでは、求職者情報及び求人者情報をそれぞれ記憶しており、マッチング手段により両者のマッチングを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-286773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のマッチング支援システムでは、現実には、求職者と求人者とのマッチングが十分に行われるものではなかった。その背景としては、求人者としてはソフトウェア開発能力の高い人材を希望するため、過去の業務実績を求職者の条件として設定することが多いためである。一方、求職者としてはソフトウェア開発能力が高くても過去の業務実績が少ないことが多々ある。特に、大学や専門学校などの教育機関を卒業したばかりの卒業生は、たとえ十分な教育・実習を積んできたとしても過去の業務実績は全くない。このため、従来のマッチング支援システムでは採用されることなく、業務実績を積む機会すら与えられないという問題がある。
【0005】
また、求人者では、マッチング支援システムを経由して人材を採用しても、当該人材を即戦力として活用することが困難であるため、結果としてマッチング支援システムの利用意欲が湧かないという問題がある。即戦力として活用することが困難である利用としては、ソフトウェア開発会社におけるソフトウェア開発のルールや作法等は会社毎にまちまちであり、当該人材が十分な業務実績を積んでいたとしても、社内研修を実施する必要があるためである。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、求職者及び求人者の双方にとって利点がありマッチング成就率の向上が期待できるソフトウェア開発者マッチング支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、ソフトウェア開発者である求職者とソフトウェア開発者を求人する求人者との間の仲介者によるマッチングを支援するソフトウェア開発者マッチング支援システムであって、仲介者が求人者から受注したソフトウェア開発依頼に係る1つ以上の開発タスクを求職者に提示するとともに求職者による開発タスクの進捗を管理する開発管理システムと、開発管理システムから開発タスク情報を取得する開発タスク情報取得部と、求職者情報を記憶する求職者情報記憶部と、求職者情報に開発タスク情報取得部で取得した開発タスク情報を付加して求人者に提示する求職者情報提示部とを備え、前記求職者情報提示部は、提示先の求人者が発注したソフトウェア開発依頼に係る開発タスクを求職者が処理したか否か識別可能に求職者情報を提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、求職者にとっては、ソフトウェア開発会社である求人者によるソフトウェア開発に係る開発タスクを処理する機会が得られる。すなわち、本システムに参加する求人者に就職するか否かに関わらず業務実績を積むことができる。これにより本システムに対して多くの求職者の参加が期待できる。
【0009】
一方、求人者にとっては、本システムで提示される求職者は、自身又は他者によるソフトウェア開発に係る開発タスクを処理した者、すなわち業務実績を積んだ者であることが担保される。したがって、本システムに対して多くの求人者の参加が期待できる。さらに、求人者にとっては、本システムで提示される求職者は自身が発注したソフトウェア開発に係る開発タスクを処理した者が含まれ、しかもこのような求職者を識別することができる。これにより、当該求職者へのコンタクトを容易にすることができる。また、当該求職者を採用した際には研修等を省略又は簡素化することができる即戦力とすることができる。これにより、本システムに対して多くの求人者の参加が期待できる。
【0010】
以上より、本システムにより、求職者の業務実績が積まれていき、また求人者は業務実績があり且つ自身の開発タスクを処理した求職者にコンタクトして採用を図ることができる。すなわち、求職者及び求人者の双方にメリットがあるので、本システム対して多くの求人者及び求職者の参加が期待でき、マッチング成就率の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ソフトウェア開発者マッチング支援システムのシステム構成図
図2】マッチングサーバの機能ブロック図
図3】求職者一覧画面の一例
図4】求職者詳細画面の一例
図5】求職者詳細画面の一例
図6】求職者詳細画面の一例
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係るソフトウェア開発者マッチング支援システムについて図面を参照して説明する。図1はソフトウェア開発者マッチング支援システムのシステム構成図、図2はマッチングサーバの機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、ソフトウェア開発者マッチング支援システム(以下「支援システム」と略す。)は、開発管理システム100と、マッチングサーバ200とを備えている。また、求職者1は周知の情報処理端末である求職者端末10を用いて支援システムを利用する。同様に、求人者2は周知の情報処理端末である求人者端末20を用いて支援システムを利用する。同様に、仲介者3は仲介者端末30を用いて支援システムの管理・運用を行う。
【0014】
ここで、求職者1とは、支援システムを用いて求職を行う者である。なお、本発明に係る支援システムでは後述するように業務実績を積むことができるので、求職者1は、最終的に本支援システムを介した就職を目的とすることなく、もっぱら業務実績の蓄積のみを目的としてもよい。
【0015】
求人者2は、支援システムを用いて求人を行う者であるとともに、仲介者3に対してソフトウェア開発を発注する者である。
【0016】
仲介者3は、支援システムの運用・管理を行う者であるとともに、求人者2からソフトウェア開発を受注する者である。仲介者3は、開発管理部を用いて求人者2から受注したソフトウェア開発の管理を行い、完成したソフトウェアを求人者2に納品する。ここで、ソフトウェア開発は、本システムに参加する求職者1のマンパワーを活用する。なお、求人者2から仲介者3へのソフトウェア開発依頼及び仲介者3から求人者2への納品は、それぞれ本支援システムを介することなく、メールなど他の通信手段を介して行うことができる。
【0017】
また、仲介者3は、マッチングサーバ200を用いて、本システムに参加する求職者1の情報(求職者情報)を求人者2に提供するとともに、求人者2からの求職者1に対するコンタクトを仲介する。
【0018】
開発管理システム100は、既知のソフトウェア開発プラットフォームであり、インターネットなどのネットワーク上に配置されている。開発管理システム100は、主演算装置・主記憶装置・補助記憶装置・入出力装置等を備えた従来周知の情報処理装置からなる。開発管理システム100の実装形態は不問であり、専用のハードウェア装置として実装してもよいし、汎用装置や仮想サーバにソフトウェアをインストールすることにより実装してもよい。また、開発管理システム100を1つの装置やソフトウェアにより構成してもよいし、複数の装置やソフトウェアにより分散して構成してもよい。開発管理システム100は、特に、複数の開発者による開発を円滑且つ効率的に運用できるように設計されている。本実施の形態では、開発管理システム100として、ギットハブ社の「GitHub(登録商標)」を用いた。
【0019】
開発管理システム100を利用するにはユーザ登録が必要である。開発管理システム100は、ユーザ情報として、少なくとも、ユーザを識別するユーザID、パスワード等の認証情報、メールアドレスなどの連絡先情報、当該ユーザの権限情報を記憶・管理する。本実施の形態では、通常権限のユーザとして求職者1が登録され、管理権限のユーザとして仲介者3が登録される。
【0020】
開発管理システム100は、開発対象のソフトウェア開発を1つ以上に分割してなる開発タスクという単位で、当該開発タスクのソースコード、バージョン、進捗情報及び実績情報などを開発タスク情報として管理する。なお、ここで開発タスクの内容は、コーディングなどのソフトウェア開発における主要なもののほか、テスト、Webデザイン、ドキュメント作成などの副次的なものも含む。前述のGitHub(登録商標)においては、「イシュー」が本発明の開発タスクに相当し、「コミットログ」が本発明の進捗情報又は実績情報の1つに相当する。
【0021】
開発管理システム100は、開発タスク情報として、当該開発タスクの難易度を示す難易度情報を記憶・管理する。また、開発管理システム100は、開発タスク情報として、当該開発タスクの種別を示す種別情報を記憶・管理する。ここで、開発タスクの種別とは、ソフトウェアの分野、開発言語、開発環境などを任意に設定できる。開発管理システム100は、開発タスク情報として、当該開発タスクがどの求人者2から受注したソフトウェア開発に係るものであるかを示す発注者情報を記憶・管理する。開発管理システム100に記憶・管理される開発タスク情報は、仲介者3により登録され、当該開発タスクの進捗に応じて仲介者3及び求職者1により更新されるとともにシステムとして自動で更新される。
【0022】
開発管理システム100は、アクセスしてきたユーザに対して自身が管理している開発タスクを提示し、ユーザに対して開発タスクの開発環境を提供するとともに開発タスクの進捗を管理する。
【0023】
マッチングサーバ200は、インターネットなどのネットワーク上に配置されている。マッチングサーバ200は、主演算装置・主記憶装置・補助記憶装置・入出力装置等を備えた従来周知の情報処理装置からなる。マッチングサーバ200の実装形態は不問であり、専用のハードウェア装置として実装してもよいし、汎用装置や仮想サーバにソフトウェアをインストールすることにより実装してもよい。また、マッチングサーバ200を1つの装置やソフトウェアにより構成してもよいし、複数の装置やソフトウェアにより分散して構成してもよい。マッチングサーバ200は、仲介者3により管理・運用される。マッチングサーバ200は、求職者1の求職者情報を記憶・管理し、当該求職者1の求職者情報を求人者2に提供するとともに求人者2から求職者1へのコンタクトを仲介する。また、マッチングサーバ200は、求人者2から受注したソフトウェア開発に係る進捗情報や実績情報などの開発タスク情報を求人者2に提供する。
【0024】
図2に示すように、マッチングサーバ200は、開発タスク情報取得部210と、求職者DB(Database)220と、日報DB230と、求職者用UI(User Interface)240と、求人者用UI250と、管理者用UI260を備えている。本実施の形態では、求職者用UI240、求人者用UI250、管理者用UI260は、Webインタフェースとして実装した。
【0025】
開発タスク情報取得部210は、開発管理システム100から開発タスク情報を取得する。開発タスク情報取得部210は、開発管理システム100から取得した開発タスク情報をローカルに保存し、任意のタイミングで開発管理システム100と同期させることができる。
【0026】
求職者DB220は、求職者1に関する情報である求職者情報を記憶する。求職者情報は、マッチングサーバ200における識別情報であるユーザID、パスワード等の認証情報、氏名、住所、メールアドレスなどの連絡先情報、プロフィール情報、開発管理システム100における識別情報であるユーザIDを含む。求職者DB220は、求職者情報とともに、開発タスク情報取得部210で取得した当該求職者1が処理している及び処理した開発タスク情報を記憶することができる。
【0027】
日報DB230は、求職者1から受信した当該求職者1によるレポート(日報)を記憶する。
【0028】
求職者用UI240は、求職者1の求職者端末10に対するインタフェースであり、ユーザ情報処理部241と、日報受付部242とを備えている。ユーザ情報処理部241は、求職者DB220に対して求職者1のユーザ登録や求職者情報の更新・管理等を行う。ここで、ユーザ情報処理部241は、求職者1の登録時には、開発管理システム100にアクセスして開発業務を行うのに必要なアクセス情報を求職者1に通知する。日報受付部242は、求職者1からレポートを受け付け、日報DB230への登録処理や必要に応じて更新・管理等を行う。
【0029】
求人者用UI250は、求人者2の求人者端末20に対するインタフェースであり、求職者一覧処理部251と、求職者詳細処理部252と、コンタクト処理部253とを備えている。
【0030】
求職者一覧処理部251は、求職者DB220に記憶されている求職者情報と、開発タスク情報取得部210で取得した開発タスク情報を、求職者1毎のリストとして求人者端末20に提供する。図3は求職者一覧画面の一例である。
【0031】
ここで、求職者一覧処理部251は、求職者情報として、情報提供先の求人者2のソフトウェア開発に係る開発タスクを処理している又は処理したか否かを示す識別情報を含む。この識別情報は、図3の例では、「自社タスクマーク」に相当する。
【0032】
また、求職者一覧処理部251は、開発タスク情報として、当該求職者1についての開発タスクの進捗情報や実績情報から算出した統計情報を提供することができる。図3の例では、開発タスクの処理を開始してからの日数すなわち開発期間、処理した開発タスクの数、1つの開発タスクの処理に要した時間の平均値、処理した開発タスクの難易度の平均値を提供している。また、求職者一覧処理部251は、求職者情報として、さらに日報DB220に記憶されているレポートに関する情報を提供することができる。図3の例では、レポート件数を提供している。
【0033】
求職者一覧処理部251は、求人者端末20により求職者情報等のリストから一の求職者1が選択されると、求職者詳細処理部252に処理を移す。
【0034】
求職者詳細処理部252は、求職者一覧処理部251で選択された求職者1について、求職者DB220に記憶されている求職者情報と、開発タスク情報取得部210で取得した開発タスク情報と、日報DB220に記憶されているレポートとを、求人者端末20に提供する。ここで求職者詳細処理部252は、各情報を図4図6に示す3つの形態で求人者端末20に提供する。
【0035】
求職者詳細処理部252は、各形態で共通の情報として、求職者1のユーザID、プロフィール情報等を提供するともに各形態を切り替える切り替えタブを表示する。さらに、求職者詳細処理部252は、当該求職者1に対する面接などのコンタクトを仲介者3に依頼するためのコンタクト依頼ボタン501を表示する。
【0036】
図4に示す第1の表示形態では求職者一覧処理部251は、開発タスク情報として、当該求職者1についての開発タスクの進捗情報や実績情報から算出した統計情報を提供することができる。図4の例では、開発タスクの処理を開始してからの日数すなわち開発期間、処理した開発タスクの数、1つの開発タスクの処理に要した時間の平均値、処理した開発タスクの難易度の平均値、処理した開発タスクの分野の割合を示すグラフを提供している。
【0037】
図5に示す第2の表示形態では、求職者一覧処理部251は、求職者情報として、日報DB220に記憶されているレポートを表示している。
【0038】
図6に示す第3の表示形態では、求職者一覧処理部251は、開発タスク情報として、進捗情報又は実績情報の1つに相当するコミットログを表示している。
【0039】
求職者詳細処理部252は、求人者端末20によりコンタクト依頼ボタン501が押下されると、コンタクト処理部253に処理を移す。
【0040】
コンタクト処理部253は、求人者2から求職者1へのコンタクトの依頼を受け付け、当該コンタクトの仲介処理を行う。ここで、コンタクトの仲介処理とは、求人者2から求職者1へのコンタクトで用いる手段に応じた情報提供や情報処理を意味する。例えば、コンタクトで用いる手段がメールやSNSなどの場合、コンタクト処理部253は、求職者1の連絡先情報を求人者2に提供する。また、例えばコンタクトで用いる手段がインターネット上の会議システムの場合、コンタクト処理部253は、当該会議システムにおける部屋情報を生成して当該部屋情報を求人者2及び求職者1に提供する。また、コンタクト処理部253は、求人者2からコンタクト依頼があったことを求職者1に通知する。
【0041】
管理者用UI260は、仲介者3の仲介者端末30に対するインタフェースであり、開発タスク情報取得部210、求職者DB220、日報DB230のデータの登録・閲覧・更新や動作設定等を行う。
【0042】
次に、支援システムにおける動作について説明する。図1に示すように、まず、求人者2はソフトウェア開発依頼を仲介者3に発注する。仲介者3は受注したソフトウェア開発依頼を1つ以上の開発タスクに分割し、各開発タスクを開発管理システム100に登録する。
【0043】
一方、求職者1は開発管理システム100に予め自身をユーザ登録しておくとともに、マッチングサーバ200に自身をユーザ登録する。これにより、求職者1は開発管理システム100を用いて求人者2が発注したソフトウェア開発依頼に係る開発タスクを処理することが可能になる。求職者1は、開発管理システム100にアクセスすると処理対象となる1以上の開発タスクが提示されるので、開発タスクを任意に選択して、開発タスクの処理を行うことができる。ここで、求職者1は、レポートを任意時にマッチングサーバ200に登録する。なお、求職者1は、開発処理にあたって仲介者3からサポートを受けることができる。サポートの手段としてはメールやSNSなど任意のものを用いることができる。
【0044】
仲介者3は開発管理システム100において開発タスクの進捗を監視し、求人者2から受注したソフトウェア開発依頼に係る全ての開発タスクが完了したら、完成品を求人者2に納品する。
【0045】
他方、求人者2は、人材を探すためにマッチングサーバ200にアクセスして求職者1の情報を閲覧する。ここで求人者2に提示される情報には、求職者1のプロフィール等の求職者情報だけでなく、当該求職者1が支援システムを用いて処理した開発タスク情報が含まれる。さらに、求人者2に提示される情報には、当該求人者2のソフトウェア開発依頼に係る開発タスクを当該求職者1が処理したか否かを示す識別情報が含まれる。さらに、求人者2に提示される情報には、求職者1が作成したレポートが含まれる。これにより、求人者2は自社に適切な人材を効率的に探すことができる。
【0046】
求人者2は、コンタクトを希望する求職者1を見つけた場合、マッチングサーバ200にコンタクト依頼を行う。マッチングサーバ200は、求人者2と求職者1との間のコンタクトを仲介する。これにより、求人者2は、採用を希望する求職者1とコンタクトを図ることができる。
【0047】
このように、本発明によれば、求職者1にとっては、ソフトウェア開発会社である求人者2によるソフトウェア開発に係る開発タスクを処理する機会が得られる。すなわち、本支援システムに参加する求人者2に就職するか否かに関わらず業務実績を積むことができる。これにより本支援システムに対して多くの求職者1の参加が期待できる。
【0048】
一方、求人者2にとっては、本支援システムで提示される求職者1は、自身又は他者によるソフトウェア開発に係る開発タスクを処理した者、すなわち業務実績を積んだ者であることが担保される。したがって、本支援システムに対して多くの求人者2の参加が期待できる。さらに、求人者2にとっては、本支援システムで提示される求職者1は自身が発注したソフトウェア開発に係る開発タスクを処理した者が含まれ、しかもこのような求職者1を識別することができる。これにより、当該求職者1へのコンタクトを容易にすることができる。また、当該求職者1を採用した際には研修等を省略又は簡素化することができる即戦力とすることができる。つまり、本支援システムにより、OJT(On Job Training)を事前に実施したことになる。これにより、本支援システムに対して多くの求人者2の参加が期待できる。
【0049】
以上より、本支援システムにより、求職者1の業務実績が積まれていき、また求人者2は業務実績があり且つ自身の開発タスクを処理した求職者1にコンタクトして採用を図ることができる。すなわち、求職者1及び求人者2の双方にメリットがあるので、本支援システム対して多くの求人者及び求職者の参加が期待でき、マッチング成就率の向上が期待できる。
【0050】
なお、本支援システムはOJTとして機能させることができるので、ソフトウェア開発依頼する者が、自社の社員に対するOJTとして本支援システムを利用することができる。この場合、自社の社員が上記の実施の形態における求職者1に相当する。また、本支援システムを、教育機関の実習の1つとして位置づけて運用することができる。この場合、教育機関の生徒が上記実施の形態における求職者1に相当する。
【0051】
以上、本発明の一実施の形態について詳述したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
【0052】
例えば、上記実施の形態では、求職者1は開発管理システム100で管理されている開発タスクを任意に処理できるものとしたが、求職者1のスキルに応じて処理可能な開発タスクを制限するようにしてもよい。この場合、求職者DB220に記憶する求職者情報として開発者のスキルを示すスキル情報を記憶する。開発管理システム100は、前記スキル情報を参照して、求職者1の処理可能な開発タスクを制限することができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、求人者2に提示する求職者情報や開発タスク情報やその表示形態は一例であり、他の情報や他の表示形態で情報を提示するようにしてもよい。例えば、求職者1が処理した複数の開発タスクについて難易度情報の経時的な推移を識別可能に表示することが挙げられます。この場合、例えば折れ線グラフを用いることができる。
【0054】
また、上記実施の形態では、求人者2は、支援システムに参加する任意の求職者1にコンタクトできるものとしたが、求人者2が発注したソフトウェア開発依頼の実績に基づき、当該求人者2がコンタクト可能な求職者1を制限するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…求職者
2…求人者
3…仲介者
100…開発管理システム
200…マッチングサーバ
210…開発タスク情報取得部
220…求職者DB
230…日報DB
240…求職者用UI
250…求人者用UI
260…管理者用UI
図1
図2
図3
図4
図5
図6