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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188553
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/00 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A01F12/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096680
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】三井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】西村 俊成
【テーマコード(参考)】
2B092
【Fターム(参考)】
2B092AA01
2B092AB01
2B092BA17
(57)【要約】
【課題】脱穀装置に、扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で天板の内側部分に設けられ、脱穀処理物を扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁が備えられたコンバインにおいて、刈取作物の品種が種々異なっても、脱穀処理物を過不足なく脱穀処理させつつ刈取走行することを可能にする。
【解決手段】複数の送塵弁30Bは、扱室16の上部において扱室左右方向に延びる状態、かつ、揺動によって送り角の変更が可能な状態で設けられた第1送塵部材31と、第1送塵部材31に対して扱胴の回転方向上手側に位置する部位において送り角が変更不能なように固定された状態で設けられた第2送塵部材32と、を有している。天板19のうち、第2送塵部材32に対向する部分が扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視で円弧状である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の植立作物を刈取る刈取部と、
前記刈取部からの作物を脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、
前記脱穀装置に、前記刈取部からの作物が投入される扱室と、前記扱室に回転可能な状態で設けられ、前記扱室に投入された作物の脱穀処理を行う扱胴と、前記扱室の上方を覆う天板と、前記扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で前記天板の内側部分に設けられ、脱穀処理物を前記扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁と、が備えられ、
前記複数の送塵弁は、前記扱室の上部において扱室左右方向に延びる状態、かつ、揺動によって送り角の変更が可能な状態で設けられた第1送塵部材と、前記扱室の上部のうち、前記第1送塵部材に対して前記扱胴の回転方向上手側に位置する部位において送り角が変更不能なように固定された状態で設けられ第2送塵部材と、を有し、
前記天板のうち、前記第2送塵部材に対向する部分が前記回転軸芯に沿う方向視で円弧状であるコンバイン。
【請求項2】
前記第1送塵部材は、前記第1送塵部材における扱胴回転方向上手側の下角部に形成された切欠き部を有し、
前記回転軸芯に沿う方向視において、前記第2送塵部材における扱胴回転方向下手側の端部が前記切欠き部に入り込むように構成されている請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記天板における扱胴回転方向下手側の側部が下向き、かつ、扱室横外向きの傾斜状態に形成され、
前記第1送塵部材における扱胴回転方向下手側の部位に、前記側部に沿って延びる下手側送塵部が備えられている請求項1または2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記側部と前記下手側送塵部の上縁部との間に隙間が設けられている請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第1送塵部材は、前記第1送塵部材における扱室左右方向での中心よりも扱胴回転方向下手側、かつ、前記下手側送塵部よりも扱胴回転方向上手側に位置する部位に設けられた支軸を有し、前記支軸を揺動支点にして揺動可能な状態で支持されている請求項3または4に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記第1送塵部材における扱胴回転方向上手側の端部が前記天板から前記扱胴に向けて突出する突出長さと、前記第2送塵部材における扱胴回転方向下手側の端部が前記天板から前記扱胴に向けて突出する突出長さと、が同じである請求項1から5のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインには、圃場の植立作物を刈取る刈取部と、刈取部からの作物を脱穀処理する脱穀装置と、が備えられたものがある。この種のコンバインにおいて、脱穀装置に、刈取部からの作物が投入される扱室と、扱室に回転可能な状態で設けられ、扱室に投入された作物の脱穀処理を行う扱胴と、扱室の上方を覆う天板と、扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で天板の内側部分に設けられ、脱穀処理物を前記扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁と、が備えられ、複数の送塵弁は、扱室の上部において扱室左右方向に延びる状態、かつ、揺動によって送り角の変更が可能な状態で設けられた第1送塵部材と、扱室の上部のうち、第1送塵部材に対して扱胴の回転方向上手側に位置する部位において送り角が変更不能なように固定された状態で設けられた第2送塵部材と、を有するものがある。この種のコンバインは、刈り取る作物の品種が異なっても、扱室において脱穀処理される脱穀処理物が、第1送塵部材が作物の品種に対応する送り角によって行う送り案内と、第2送塵部材が行う送り案内と、によって扱室の後方に向けて移送され、脱穀処理物が品質に対応した移動速度で扱室を移動しつつ扱き処理を受けることができるように構成されたものである。
【0003】
この種のコンバインとしては、特許文献1に示されるコンバインがある。特許文献1に示されるコンバインには、第1送塵部材(可動送塵弁)、第2送塵部材(固定送塵弁)が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-63022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1送塵部材および第2送塵部材を備えるコンバインであっても、扱胴によって回動力を付与されて扱室の上部を扱胴の回転方向に流動する脱穀処理物が天板に当って強い流動抵抗を受けると、脱穀処理物が扱室の後方に向けて流れ難くなる。また、天板による強い流動抵抗を受けた脱穀処理物にあっては、第1送塵部材および第2送塵部材に対する当りが弱くなって第1送塵部材および第2送塵部材による送り案内が効率よく行われず、脱穀処理物が品質に適応した移動速度で扱室を移動しなくて過不足がない適切な脱穀処理を行えない。殊に、多量の刈取作物が扱室に供給されると、脱穀処理物の扱室での移動速度が不適切になり易いので、扱室にあまり多量の刈取作物が供給されないように、刈取速度をあまり速くできない。
【0006】
本発明は、刈取作物の品種の変化にかかわらず、脱穀処理物が扱室を適切な移動速度で移動して脱穀処理を適切に行わせつつ刈取走行することができるコンバインを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるコンバインは、
圃場の植立作物を刈取る刈取部と、前記刈取部からの作物を脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、前記脱穀装置に、前記刈取部からの作物が投入される扱室と、前記扱室に回転可能な状態で設けられ、前記扱室に投入された作物の脱穀処理を行う扱胴と、前記扱室の上方を覆う天板と、前記扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で前記天板の内側部分に設けられ、脱穀処理物を前記扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁と、が備えられ、前記複数の送塵弁は、前記扱室の上部において扱室左右方向に延びる状態、かつ、揺動によって送り角の変更が可能な状態で設けられた第1送塵部材と、前記扱室の上部のうち、前記第1送塵部材に対して前記扱胴の回転方向上手側に位置する部位において送り角が変更不能なように固定された状態で設けられ、前記天板のうち、前記第2送塵部材に対向する部分が前記回転軸芯に沿う方向視で円弧状である。
【0008】
本構成によると、刈取作物の品質に対応させて、第1送塵部材の送り角を適切に変更する。すると、扱胴によって回動力を付与されて扱室を上向きに流動した脱穀処理物が天板のうちの第2送塵部材に対向する部分に当たっても、この部分の円弧状によってあまり強い流動抵抗を受けないでスムーズに流動して第2送塵部材に勢いよく当って第2送塵部材による送り案内を適切に受けて、さらに、第1送塵部材に勢いよく当たって第1送塵部材の作物の品質に適応した送り角による送り案内を適切に受けて、脱穀処理物が品質に対応した適切な移動速度で扱室の後方に向けて移動しつつ脱穀処理を受けるので、刈取作物の品質の変化にかかわらず、過不足がない適切な脱穀処理を行わせつつ刈取走行することができる。
【0009】
本発明においては、
前記第1送塵部材は、前記第1送塵部材における扱胴回転方向上手側の下角部に形成された切欠き部を有し、前記回転軸芯に沿う方向視において、前記第2送塵部材における扱胴回転方向下手側の端部が前記切欠き部に入り込むように構成されていると好適である。
【0010】
本構成によると、第1送塵部材の送り角の変更によって第1送塵部材の扱胴回転方向上手側の端部と、第2送塵部材の扱胴回転方向下手側の端部と、が扱室前後方向に位置ずれしても、第1送塵部材の端部が切欠き部によって第2送塵部材の端部に対向するので、第2送塵部材によって扱胴回転方向下手側に向けて送り案内される脱穀処理物が第1送塵部材の端部に引っ掛かり難く、脱穀処理物を扱室後方に向けてスムーズに移動させることができる。
【0011】
本発明においては、
前記天板における扱胴回転方向下手側の側部が下向き、かつ、扱室横外向きの傾斜状態に形成され、前記第1送塵部材における扱胴回転方向下手側の部位に、前記側部に沿って延びる下手側送塵部が備えられていると好適である。
【0012】
本構成によると、脱穀処理物が天板の側部に沿って流動するときも第1送塵部材の下手側送塵部によって送り案内されるので、第1送塵部材による脱穀処理物の送り案内を精度良く行わせることができる。
【0013】
本発明においては、
前記側部と前記下手側送塵部の上縁部との間に隙間が設けられていると好適である。
【0014】
本構成によると、第1送塵部材の揺動が可能となるように下手側送塵部と天板の側部との相対移動が可能になっているので下手側送塵部と側部との間に脱穀処理物が入り込むことがあっても、隙間があることによって下手側送塵部と側部との間から抜け出やすいので、脱穀処理物が詰まってしまうことを防止し易い。
【0015】
本発明においては、
前記第1送塵部材は、前記第1送塵部材における扱室左右方向での中心よりも扱胴回転方向下手側、かつ、前記下手側送塵部よりも扱胴回転方向上手側に位置する部位に設けられた支軸を有し、前記支軸を揺動支点にして揺動可能な状態で支持されていると好適である。
【0016】
本構成によると、第1送塵部材の扱室左右方向での中心よりも扱胴回転方向上手側の部位に支軸を設けるのに比して、下手側送塵部と天板部の側部との隙間を狭く済ませつつ第1送塵部材の送り角を広い角度範囲にわたって変更することができ、下手側送塵部に支軸を設けるのに比して、第1送塵部材と第2送塵部材との間にできる扱室前後方向での段差を少なく済ませつつ第1送塵部材の送り角を広い角度範囲にわたって変更することができるので、脱穀処理物が第2送塵部材から第1送塵部材にスムーズに流れるようにしながら、第1送塵部材によって脱穀処理物を広い角度範囲にわたって送り案内することができる。
【0017】
本発明においては、
前記第1送塵部材における扱胴回転方向上手側の端部が前記天板から前記扱胴に向けて突出する突出長さと、前記第2送塵部材における扱胴回転方向下手側の端部が前記天板から前記扱胴に向けて突出する突出長さと、が同じであると好適である。
【0018】
本構成によると、第1送塵部材における扱胴回転方向上手側の端部と、第2送塵部材における扱胴回転方向下手側の端部との間に扱胴径方向での段差ができないので、脱穀処理物が第2送塵部材から第1送塵部材にスムーズに流れて脱穀処理物を第1送塵部材に引っ掛かり難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】コンバインの全体を示す左側面図である。
図2】第2脱穀処理部を示す断面図である。
図3図2のIII-III断面矢視図である。
図4】送塵弁を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、コンバインの走行機体に関し、図1に示される矢印Fの方向を「機体前方」、矢印Bの方向を「機体後方」、矢印Uの方向を「機体上方」、矢印Dの方向を「機体下方」、紙面表側の方向を「機体左方」、紙面裏側の方向を「機体右方」とする。
【0021】
〔コンバインの全体の構成〕
図1に示されるように、コンバインは、左右一対の前車輪1および左右一対の後車輪2によって支持され、かつ、キャビン3にて搭乗空間が覆われた運転部4を有する走行機体5を備えている。走行機体5の前部に、圃場の稲、麦などの植立作物を刈り取り、刈取り作物を後方に搬送する刈取搬送部6が設けられている。走行機体5の運転部4よりも後側の部位に、刈取搬送部6からの刈取り作物を受け入れて脱穀処理し、脱穀処理物の選別処理を行う脱穀装置7、脱穀装置7にて得られた穀粒を回収して貯留する穀粒タンク8、動力源としてのエンジン9を有する原動部10が設けられている。穀粒タンク8は、脱穀装置7の前部の上方に設けられ、原動部10は、脱穀装置7の後部の上方に設けられている。
【0022】
刈取搬送部6は、刈取搬送部6の前部に設けられ、圃場に植立する作物を刈り取り、刈取り作物を刈幅方向の中央部に寄せ集める刈取部6Aと、刈取部6Aの後部から後向きに延ばされ、刈取部6Aからの刈取り作物を機体後方の脱穀装置7に向けて搬送する作物搬送部としてのフィーダ6Bとを備えている。刈取部6Aには、刈取対象となる植立作物の穂先側を後方に向けて掻込む回転リール11、植立作物の株元を切断して植立作物の刈り取りを行う刈刃12、刈取り作物を刈幅方向に搬送してフィーダ6Bの前に寄せ集める横送りオーガ13等が備えられている。
【0023】
〔脱穀装置の構成〕
図1に示されるように、脱穀装置7は、脱穀装置7の上部に設けられ、フィーダ6Bからの刈取り作物の脱穀処理を行う第1脱穀処理部7Aと、第1脱穀処理部7Aの後方に設けられ、第1脱穀処理部7Aにて処理された脱穀処理物の脱穀処理を行う第2脱穀処理部7Bと、脱穀装置7の下部に設けられ、第1脱穀処理部7Aおよび第2脱穀処理部7Bからの脱穀処理物の選別処理を行う選別部7Cと、を備えている。
【0024】
〔第1脱穀処理部の構成〕
第1脱穀処理部7Aは、第1脱穀処理部7Aの走行機体左右方向での幅と、フィーダ6Bの走行機体左右方向での幅と、が略同じになるように、かつ、第1脱穀処理部7Aの走行機体左右方向での幅が第2脱穀処理部7Bの走行機体左右方向での幅よりも広くなるように構成されている。
【0025】
第1脱穀処理部7Aには、走行機体左右向に延びる軸芯周りで回転駆動可能な第1扱胴14を有する扱き処理部、および、第1扱胴14よりも後側に設けられた中間搬送体15が備えられている。中間搬送体15は、走行機体左右向に延びる軸芯周りで回転駆動可能に構成されている。中間搬送体15の走行機体左右方向での幅と、第1脱穀処理部7Aの走行機体左右方向での幅と、が同じにされている。
【0026】
第1脱穀処理部7Aにおいては、刈取り作物の全体がフィーダ6Bによって第1扱胴14を有する扱き処理部に投入されて第1扱胴14によって脱穀処理され、脱穀処理物が中間搬送体15によって第2脱穀処理部7Bに掻き込まれる。
【0027】
〔第2脱穀処理部の構成〕
図2,3に示されるように、第2脱穀処理部7Bには、脱穀装置7の上部に位置する扱室16と、扱室16に刈取り作物の搬送方向に沿って位置する前後向きの扱胴支軸21を有し、扱胴支軸21を支点にして回転する扱胴20と、扱胴20の下方に位置する円弧状の受網17と、が備えられている。
【0028】
扱室16は、扱胴支軸21を支持する前壁18aおよび後壁18b、受網17、扱室16の上方を覆う天板19などによって区画形成されている。扱室16の前下部に、第1脱穀処理部7Aからの脱穀処理物を扱室16に投入可能な供給口16aが形成されている。扱室16の後下部に、脱穀排稈の排出が可能な排稈部16bが形成されている。
【0029】
図2に示されるように、扱室16の上部において、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向に間隔を空けて並ぶ複数の送塵弁30が天板19の内側部分に設けられている。扱胴20は、扱胴20の回転によって扱室16の上部に移送された脱穀処理物が送塵弁30に当って送塵弁30の送り案内を受けることにより、脱穀処理物を扱室16の後方へ向けて送り案内するように構成されている。
【0030】
扱胴支軸21は、後上がりの傾斜姿勢で前壁18aと後壁18bとに回転可能に支持されている。扱胴20は、エンジン9からの動力で扱胴支軸21の軸芯(回転軸芯P)の周りに図3に矢印Xで示される回転方向(扱胴20を後から見て反時計回りの方向)に回転駆動されることで、扱室16に投入された脱穀処理物に対して脱穀処理を施す。扱胴20は、脱穀処理物に回動力を付与し、回動力を付与された脱穀処理物が送塵弁30に当って送塵弁30による送り案内を受けることによって脱穀処理物を扱室16の後方に向けて移送しつつ脱穀処理を行う。
【0031】
受網17は、格子状に形成されたコンケーブ受網であり、扱室16に供給された脱穀処理物を受け止めて、脱穀処理物に対する扱胴20の脱穀処理を補助し、脱穀処理で得られた単粒化穀粒や枝梗付き穀粒、あるいは、脱穀処理で発生したワラ屑などを下方の選別部7Cに向けて漏下させる一方で、脱粒穀稈(排稈)などの選別部7Cへの漏下を防止する。
【0032】
図2,4に示されるように、扱胴20は、扱胴20の前部に設けた掻込み部20Aと、掻込み部20Aの後部に接続している扱き処理部20Bと、を備えている。
【0033】
〔掻込み部の構成について〕
掻込み部20Aは、図2に示されるように、扱胴20の前端側ほど小径である基台部22と、基台部22の外周部から基台部22の外側に向かって立ち上がる状態で基台部22の外周部に設けられた螺旋羽根23とを備えている。2つの螺旋羽根23が備えられている。2つの螺旋羽根23は、基台部22の周方向に間隔を空けて並んだ2重螺旋状で、基台部22の後端部から先端部に亘って設けられている。
【0034】
基台部22は、円錐台状に巻かれた板金部材によって構成されている。基台部22は、基台部22の前端部と扱胴支軸21とを連結する円板部材(図示せず)、基台部22の後端部と扱胴支軸21とを連結する前支持部材24を介して扱胴支軸21に支持されている。
【0035】
掻込み部20Aにおいては、基台部22が円板部材及び前支持部材24を介して扱胴支軸21によって駆動されて、2つの螺旋羽根23が扱胴20の回転軸芯Pを回転中心にして回転駆動される。中間搬送体15によって供給口16aから扱室16に投入された脱穀処理物が回転する螺旋羽根23によって扱室16の後方に向けて掻き込まれる。
【0036】
〔扱き処理部の構成について〕
扱き処理部20Bには、図2に示されるように、扱胴支軸21のうち、掻込み部20Aの後部に対応する部分に支持される前支持部材24、扱胴支軸21のうちの前支持部材24よりも後側の部分に支持される後支持部材25、扱胴支軸21のうち、前支持部材24と後支持部材25との間の部分に支持される3つの中間支持部材26が備えられている。3つの中間支持部材26は、扱胴支軸21の前後方向に等間隔を空けて並んでいる。以下において、3つの中間支持部材26のうち、最も前の中間支持部材26を第1の中間支持部材26aと呼称し、3つの中間支持部材26のうち、中間の中間支持部材26を第2の中間支持部材26bと呼称し、3つの中間支持部材26のうち、最も後の中間支持部材26を第3の中間支持部材26cと呼称する。
【0037】
扱き処理部20Bは、図2に示されるように、第2の中間支持部材26bよりも前側に位置する6本の棒状の前分割扱歯支持部材27aを有する前扱き処理部20Fと、第2の中間支持部材26bよりも後側に位置する6本の棒状の後分割扱歯支持部材27bを有する後扱き処理部20Rと、を備えている。前分割扱歯支持部材27a及び後分割扱歯支持部材27bは、前分割扱歯支持部材27aと後分割扱歯支持部材27bとに亘る前後長さを有する一本物の扱歯支持部材を第2の中間支持部材26bに対応する位置で前後方向に2分割されたものである。前分割扱歯支持部材27aと後分割扱歯支持部材27bとは、扱胴20の周方向に位置ずれしている。
【0038】
図2に示されるように、前扱き処理部20Fは、扱胴支軸21に沿った状態、かつ、扱胴20の周方向に間隔を空けた状態で扱胴支軸21に支持される6本の前分割扱歯支持部材27aを備えている。6本の前分割扱歯支持部材27aは、前支持部材24、第1の中間支持部材26a及び第2の中間支持部材26bを介して扱胴支軸21に支持されている。6本の前分割扱歯支持部材27aは、6本の前分割扱歯支持部材27aの扱胴20の周方向での配列ピッチが同じになる状態で扱胴支軸21に支持されている。6本の前分割扱歯支持部材27aそれぞれに、複数の扱歯28が扱胴支軸21に沿った方向に間隔を空けた状態で支持されている。各前分割扱歯支持部材27aの扱歯28は、前分割扱歯支持部材27aから扱胴20の径方向外側に向けて突出している。
【0039】
図2に示されるように、後扱き処理部20Rは、扱胴支軸21に沿った状態、かつ、扱胴20の周方向に間隔を空けた状態で扱胴支軸21に支持される6本の後分割扱歯支持部材27bを備えている。6本の後分割扱歯支持部材27bは、第2の中間支持部材26b、第3の中間支持部材26cおよび後支持部材25を介して扱胴支軸21に支持されている。6本の後分割扱歯支持部材27bは、6本の後分割扱歯支持部材27bの扱胴20の周方向での配列ピッチが同じになる状態で扱胴支軸21に支持されている。6本の後分割扱歯支持部材27bそれぞれに、複数の扱歯28が扱胴支軸21に沿った方向に間隔を空けた状態で支持されている。各後分割扱歯支持部材27bの扱歯28は、後分割扱歯支持部材27bから扱胴20の径方向外側に向けて突出している。
【0040】
本実施形態では、前分割扱歯支持部材27a及び後分割扱歯支持部材27bが6本設けられているが、5本以下あるいは7本以上設けてもよい。本実施形態では、前分割扱歯支持部材27a及び後分割扱歯支持部材27bは、丸パイプ鋼材によって構成されている。前分割扱歯支持部材27a及び後分割扱歯支持部材27bには、丸パイプ鋼材の他、丸鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材などの各種の部材を採用することができる。また、前分割扱歯支持部材27a及び後分割扱歯支持部材27bには、アングル材やチャンネル材も採用可能である。本実施形態では、各扱歯は、丸鋼材によって構成されている。扱歯28には、丸鋼材の他、角棒鋼材、丸パイプ材、各パイプ材など各種の部材を採用することができる。
【0041】
第2脱穀処理部7Bにおいては、中間搬送体15によって供給口16aを介して扱室16に投入された脱穀処理物が掻込み部20Aの螺旋羽根23によって扱室16の後方に向けて掻き込まれ、扱き処理部20Bと受網17とによって脱穀処理される。脱穀処理によって得られた穀粒が受網17を漏下して選別部7Cに供給され、脱粒穀稈や切れワラが排稈部16bから扱室16の外部に排出される。
【0042】
扱胴20は、前分割扱歯支持部材27aどうしの間、及び後分割扱歯支持部材27bどうしの間を介して扱室16に連通する内部空間S1(図2参照)を内部に形成した籠状に構成し、かつ、前分割扱歯支持部材27aおよび後分割扱歯支持部材27bによって形成される扱胴20の外周面から扱胴径方向外側に向けて突出する複数の扱歯28を扱胴20の周方向及び処理方向に間隔を空けて整列した状態で備えるように構成してある。
【0043】
従って、扱胴20は、処理方向の扱胴支軸21を回転中心として回転することにより、掻込み部20Aからの脱穀処理物を、扱き処理部20Bと受網17との間に導入する。扱胴20は、扱胴外周面と受網17との間の扱き処理空間S2(図2参照)に位置する脱穀処理物に前分割扱歯支持部材27a、後分割扱歯支持部材27b及び扱歯28による打撃や扱歯28の梳き込みなどによる脱穀処理を施し、この脱穀処理で得た処理物の内部空間S1への入り込みを許容し、扱き処理空間S2の処理物と内部空間S1の処理物とを撹拌しながら、これらの処理物に前分割扱歯支持部材27a、後分割扱歯支持部材27b及び扱歯28の打撃や扱歯28の梳き込みなどによる脱穀処理を施す。
【0044】
〔送塵弁の構成〕
図2,4に示されるように、扱室16の上部において、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向に並ぶ複数の送塵弁30が天板19の内側部分に設けられている。本実施形態では、10個の送塵弁30が設けられているが、9個以下あるいは11個以上の送塵弁30を設けてもよい。
【0045】
図2,4に示されるように、10個の送塵弁30のうち最も前の送塵弁30A、および、最も前の送塵弁30Aに隣り合う送塵弁30Aは、扱室16のうち、扱胴20の掻込み部20Aが位置する部分K1の上方に設けられている。最も前の送塵弁30Aと最も前の送塵弁30Aに隣り合う送塵弁30Aとの2つの送塵弁は、掻込み部20Aによる掻き込み処理を受ける刈取穀稈を扱室16の後方に向けて送り案内する掻込み対応の送塵弁である。
【0046】
図2,4に示されるように、10個の送塵弁30のうち、2つの掻込み対応の送塵弁30Aを除く8つの送塵弁30Bは、扱室16のうち、扱胴20の扱き処理部20Bが位置する部分K2の上方に設けられている。扱室16の部分K2の後端部は、排稈部16bの前部に臨んでいる。8つの送塵弁30Bは、扱き処理部20Bによる扱き処理を受ける脱穀処理物を扱室16の後方に向けて送り案内する扱き処理対応の送塵弁である。本実施形態では、8つの扱き処理対応の送塵弁30Bを設けているが、7つ以下あるいは9つ以上の扱き処理対応の送塵弁30Bを設けてもよい。
【0047】
〔掻込み対応の送塵弁の構成〕
図4に示されるように、2つの掻込み対応の送塵弁30Aのそれぞれは、送り角Θ2が変更不能なように固定された状態で天板19の内側部分に設けられている。2つの掻込み対応の送塵弁30Aは、天板19に溶接によって固定されている。
【0048】
〔扱き処理対応の送塵弁の構成〕
8つの扱き処理対応の送塵弁30Bそれぞれは、図3,4に示されるように、扱室16の上部において扱室16の左右方向に延びる状態で天板19の内側部分に設けられた第1送塵部材31と、扱室の上部において第1送塵部材31に対して扱胴20の回転方向上手側に設けられた第2送塵部材32と、を有している。
【0049】
図3に示されるように、天板19における扱室左右方向での中央部19aは、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視で平板状になるように形成されている。すなわち、中央部19aの断面形状が回転軸芯Pに沿う方向視で平板状になっている。天板19のうち、中央部19aに対して扱胴回転方向上手側に隣り合って位置する上手側の側部19bは、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視で円弧状になるように形成されている。すなわち、上手側の側部19bの断面形状が回転軸芯Pに沿う方向視で円弧状になっている。天板19のうち、中央部19aに対して扱胴回転方向下手側に隣り合って位置する下手側の側部19cは、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視で下向き、かつ、扱室横外向きの傾斜状態の平板状になるように形成されている。すなわち、下手側の側部19cの断面形状が回転軸芯Pに沿う方向視で平板状になっている。
【0050】
図3に示されるように、第1送塵部材31は、天板19における中央部19aの内側部分に設けられている。第1送塵部材31の中央部19aに対向する上縁部31aは、中央部19aに沿う直線状に形成されている。第1送塵部材31の扱胴回転方向下手側の部位に、天板19における下手側の側部19cに沿って延びる下手側送塵部31bが備えられている。
【0051】
図3,4に示されるように、第1送塵部材31のうち、扱室左右方向での中心Cよりも扱胴回転方向下手側、かつ、下手側送塵部31bよりも扱胴回転方向上手側の部位に支軸33が備えられ、支軸33を支持するボス部34が天板19における中央部19aの端部に備えられている。第1送塵部材31は、支軸33の扱室上下方向に延びる軸芯Yを揺動支点にして揺動可能な状態で天板19に支持されている。第1送塵部材31の軸芯Yを揺動支点にした揺動操作によって第1送塵部材31における送り角の変更が可能にされている。
【0052】
図3,4に示されるように、8つの第2送塵部材32それぞれは、送り角Θ3が変更不能なように天板19における上手側の側部19bの内側部分に固定されている。天板19のうちの上手側の側部19bが第2送塵部材32に対向し、扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視で円弧状に形成されている。第2送塵部材32は、天板19の上手側の側部19bに固定されている。第2送塵部材32の側部19bへの固定は、第2送塵部材32の扱胴回転方向下手側の部位を側部19bに連結ボルトによって連結し、連結ボルトよりも扱胴回転方向上手側の部位において、第2送塵部材32と側部19bとの一方に設けた突起部を第2送塵部材32と側部19bとの他方に設けた凹入部に係入させることによって行われている。
【0053】
8つの第1送塵部材31それぞれの送り角は、図4に示されるように、最も緩い角度の送り角Θ1と、最も急な角度の送り角Θ2と、に亘る角度範囲で変更可能になっている。第1送塵部材31の送り角Θ1と送り角Θ2との間の送り角Θ3は、8つの第2送塵部材32の送り角Θ3と同じ送り角である。第1送塵部材31の送り角Θ2は、2つの掻き送り用の送塵弁30Aそれぞれの送り角Θ2と同じ送り角である。図4に示される各線Aは、平面視において扱胴20の扱胴軸芯である回転軸芯Pに対して直交する方向の線であって、第1送塵部材31、第2送塵部材32、送塵弁30Aの送り角を示す基準となる線である。
【0054】
図3,4に示されるように、8つの第1送塵部材31のうちの前から4番目までの4つの第1送塵部材31、すなわち、8つの第1送塵部材31のうちの前4つの第1送塵部材31を連動させて揺動操作して前4つの第1送塵部材31の送り角を調節する第1送り角調節機構35が備えられている。8つの第1送塵部材31のうち、前4つの第1送塵部材31を除く4つの第1送塵部材31、すなわち、8つの第1送塵部材31のうちの後4つの第1送塵部材31を連動させて揺動操作して後4つの第1送塵部材31の送り角を調節する第2送り角調節機構36が備えられている。
【0055】
図3,4に示されるように、第1送り角調節機構35は、前4つの第1送塵部材31それぞれの支軸33が位置する側と反対側の端部を枢支し、前4つの第1送塵部材31を連動連結している連動リンク37、および、前4つの第1送塵部材31のうちの最も前の第1送塵部材31の支軸33に連結している調節レバー38を備えている。調節レバー38にネジ軸39が係合され、ネジ軸39に調節モータ40が連動連結されている。調節モータ40は、電動モータによって構成されている。
【0056】
図3,4に示されるように、第2送り角調節機構36は、第1送り角調節機構35の構成と同じ構成を備えている。すなわち、第2送り角調節機構36は、後4つの第1送塵部材31を連動連結する連動リンク37、後4つの第1送塵部材31のうちの最も前の第1送塵部材31の支軸33に連結している調節レバー38、調節レバー38に係合しているネジ軸39、ネジ軸39に連動連結された調節モータ40が備えられている。
【0057】
第1送り角調節機構35および第2送り角調節機構36においては、調節モータ40が駆動されると、ネジ軸39が調節モータ40によって回転操作されて調節レバー38がネジ軸39によって揺動操作され、支軸33が調節レバー38によって回転操作されて最も前の第1送塵部材31が支軸33を揺動支点にして揺動操作される。最も前の第1送塵部材31の作動が連動リンク37によって他の3つの第1送塵部材31に伝達され、他の3つの第1送塵部材31が支軸33を揺動支点にして最も前の第1送塵部材31の揺動方向と同じ揺動方向に、最も前の第1送塵部材31の揺動角と同じ揺動角だけ揺動操作される。
【0058】
図4に示されるように、第1送り角調節機構35の調節モータ40および第2送り角調節機構36の調節モータ40に制御装置41が連係され、制御装置41に第1調節スイッチ42および第2調節スイッチ43が連係されている。
【0059】
制御装置41は、第1調節スイッチ42が操作されると、第1調節スイッチ42からの情報、および予め設定されている設定送り角を基に第1送り角調節機構35の調節モータ40を操作して前4つの第1送塵部材31を揺動操作し、前4つの第1送塵部材31それぞれの送り角調節を行う。
【0060】
制御装置41は、第2調節スイッチ43が操作されると、第2調節スイッチ43からの情報、および予め設定されている設定送り角を基に第2送り角調節機構36の調節モータ40を操作して後4つの第1送塵部材31を揺動操作し、後4つの第1送塵部材31それぞれの送り角調節を行う。
【0061】
図4に示されるように、前4つの第1送塵部材31、および後4つの第1送塵部材31それぞれの送り角調節は、最も緩い送り角Θ1、最も急な送り角Θ2を有する角度範囲で調節モータ40の動力によって行われる。
【0062】
第1調節スイッチ42及び第2調節スイッチ43を適切に操作することにより、8つの第1送塵部材31の送り角を同じ送り角に調節することができる。また、たとえば、前4つの第1送塵部材31の送り角と、後4つの第1送塵部材31の送り角とを異なる送り角に調節することができる。
【0063】
刈取作物の品質が変化する場合、第1送塵部材31の送り角を刈取作物の品質に対応した適切な送り角に変更することにより、扱胴20によって回動力を付与されて扱室16を上向きに流動した脱穀処理物が天板19における上手側の側部19bに当っても、側部19bの円弧状によってあまり強い流動抵抗を受けないでスムーズに流れて第2送塵部材32に勢いよく当たって第2送塵部材32による送り案内を受け、さらに、脱穀処理物が第1送塵部材31に勢いよく当たって第1送塵部材31の作物の品質に適応した送り角による送り案内を受けて扱室16の後方に向けて移送され、脱穀処理物は、品質に適応した移動速度で扱室16を後方に向けて移動しつつ脱穀処理を受ける。
【0064】
図3に示されるように、第1送塵部材31の下手側送塵部31bにおける上縁部31cと、天板19の側部19cとの間に隙間Zが設けられている。下手側送塵部31bと側部19cとの間に脱穀処理物が入り込んでも隙間Zがあることによって下手側送塵部31bと側部19cとの間から抜け出やすい。
【0065】
図3に示されるように、第1送塵部材31の扱胴回転方向上手側の下角部に、切欠き部44が形成されている。扱胴20の回転軸芯Pに沿う方向視において、第2送塵部材32の扱胴回転方向下手側の端部32aが切欠き部44に入り込むように構成されている。第1送塵部材31の送り角変更によって第1送塵部材31の扱胴回転方向上手側の端部31dと、第2送塵部材32の扱胴回転方向下手側の端部32aとが扱室前後方向に位置ずれしても、第2送塵部材32からの脱穀処理物が第1送塵部材31の端部31dに引っ掛からり難くて第1送塵部材31にスムーズに移動する。
【0066】
図3に示されるように、第1送塵部材31の扱胴回転方向上手側の端部31dが天板19から扱胴20に向けて突出する突出長さL1と、第2送塵部材32の扱胴回転方向下手側の端部32aが天板19から扱胴20に向けて突出する突出長さL2とが同じにされている。第2送塵部材32と第1送塵部材31との間に扱胴径方向での段差ができない。
【0067】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、籠状の扱胴20が採用された例を示したが、これに限らない。たとえば、ドラム形の扱胴、ラスプ扱歯を備える扱胴、ドラム部と籠状部とを組み合わせた扱胴を採用したものであってもよい。
【0068】
(2)上記した実施形態では、扱胴支軸21が後上がりの傾斜姿勢で架設される例を示しした、水平姿勢で支持されるものであってもよい。
【0069】
(3)上記した実施形態では、扱歯支持部材が前分割扱歯支持部材27aと後分割扱歯支持部材27bとに分割された例を示したが、扱歯支持部材は、分割されない一本の部材であってもよい。
【0070】
(4)上記した実施形態では、第1送塵部材31が下手側送塵部31bを備える例を示したが、下手側送塵部31bを備えないものであってもよい。
【0071】
(5)上記した実施形態では、第1送塵部材31の突出長さL1と、第2送塵部材32の突出長さL2とが同じである例を示したが、第1送塵部材31の突出長さL1と、第2送塵部材32の突出長さL2とが異なるものであってもよい。
てもよい。
【0072】
(6)上記した実施形態では、八つの第1送塵部材31および第2送塵部材32を設けた例を示したが、これに限らない。たとえば七つ以下、あるいは九つ以上の第1送塵部材31および第2送塵部材32を備えるものであってもよい。また、上記した実施形態では、前4つの第1送塵部材31と後4つの第1送塵部材31とを別々に揺動調節することが可能な例を示したが、全ての第1送塵部材31を連動されて揺動調節するものであってもよい。また、第1送塵部材31の揺動調節をアクチュエータによって行わず、人力によって行うものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、刈取部からの作物を脱穀処理する脱穀装置に、扱室と、扱室に回転可能な状態で設けられた扱胴と、扱室の上方を覆う天板と、扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で天板の内側に支持され、脱穀処理物を扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁部と、が備えられたコンバインに適用できる。
【符号の説明】
【0074】
6A 刈取部
7 脱穀装置
16 扱室
19d 部分(側部)
19c 側部
20 扱胴
30B 送塵弁
31 第1送塵部材
31b 下手側送塵部
31c 上縁部
31d 端部
32 第2送塵部材
32a 端部
33 支軸
44 切欠き部
C 中心
K 隙間
L1 突出長さ
L2 突出長さ
P 回転軸芯
Z 隙間
図1
図2
図3
図4