(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188574
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A47J27/00 109S
A47J27/00 103P
A47J27/00 109P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096713
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】折戸 麻結香
(72)【発明者】
【氏名】菊池 理人
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA02
4B055CA21
4B055CC03
4B055CD02
4B055GB07
(57)【要約】
【課題】蓋体が温度異常になったことを好適に検出することができる炊飯器を提供する。
【解決手段】本発明の炊飯器1は、被炊飯物を収容する鍋5と、鍋5を収容する本体2の開口部を開閉自在に覆う蓋体3と、蓋体3に設けられ、蓋体3が閉じられたときに鍋5の開口部を覆う内蓋39と、蓋体3の内部に設けられ、内蓋39の温度を非接触に検出するチップセンサ28と、を備えている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物を収容する鍋と、
前記鍋を収容する本体の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記蓋体に設けられ、前記蓋体が閉じられたときに前記鍋の開口部を覆う内蓋と、
前記蓋体の内部に設けられ、前記内蓋の温度を非接触に検出する蓋温度検出手段と、を備えることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
各種情報を表示する表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記蓋体の内部に配設された基板に設けられ、
前記蓋温度検出手段が前記基板に設けられることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記蓋温度検出手段がチップ素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記内蓋の温度が所定の温度以上であるかを判定する判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記判定手段は、前記内蓋の温度が所定の温度以上である時間を計測し、当該時間が所定の時間以上であるかを判定することを特徴とする請求項4に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記判定手段が前記所定の温度以上または前記所定の時間以上と判定したときに報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被炊飯物を収容する鍋の開口部を覆う蓋体の温度異常を検出可能な炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は数多く存在し、本願出願人も、例えば特許文献1で、内蓋の温度を検出するサーミスタ式の蓋センサを備えた炊飯器を提案している。そして、炊飯時や保温時には、内蓋を加熱する蓋ヒータが蓋センサの検出温度に基づいて制御されて、放熱板ひいては内蓋を温度管理する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1を含む従来の技術では、内蓋が蓋体に取り外し自在に取り付けられており、この内蓋の清掃を容易にすることで当該内蓋を清潔に保っているが、内蓋の温度を検出する蓋センサは内蓋に接触することにより当該内蓋の温度を検出しているため、内蓋が取り外されてしまうと、蓋センサが内蓋の温度を検知することができず、そのため、この時に蓋体で温度異常があっても検出することができなかった。
【0005】
図10は、蓋体101を開放して内蓋を取り外した状態の、従来の炊飯器100の正面図を示している。従来の炊飯器1では、内蓋を加熱する蓋ヒータの駆動回路が何らかの原因でショート等した場合、蓋ヒータがONのまま保持されてしまい、蓋ヒータが設けられた放熱板103や外蓋カバー102が高温になってしまう虞がある。このとき内蓋に接触して内蓋の温度を検知するサーミスタなどの接触式の蓋センサ104により、異常を検出すると、例えばLCDやLEDなどによる表示やブザーなどによる報知動作で温度異常であることをユーザに報知していた。
【0006】
しかしながら、接触式の蓋センサ104により内蓋の温度を検知していたため、例えば内蓋の清掃のために内蓋を蓋体101から取り外していた際に温度異常が発生しても検知できなかった。このような場合、放熱板103や外蓋カバー102が高温になってもユーザに報知できずに、ユーザが高温となった放熱板103や外蓋カバー102に接触してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、蓋体が温度異常になったことを好適に検出することができる炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被炊飯物を収容する鍋と、前記鍋を収容する本体の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体の下方に設けられ、前記蓋体が閉じられたときに前記鍋の開口部を覆う内蓋と、前記蓋体の内部に設けられ、前記内蓋の温度を非接触に検出する蓋温度検出手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内蓋の有無に関わらず、蓋体の下方を形成する部分の温度を検知することができ、当該蓋体の下方を形成する部分が高温になったことを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態を示す炊飯器の外観斜視図である。
【
図3】同上、内蓋組立ユニットを上面側から見た斜視図である。
【
図4】同上、内蓋組立ユニットを下面側から見た斜視図である。
【
図5】同上、蓋体を開放した状態の炊飯器を示す正面図である。
【
図7】同上、チップセンサの検知温度と内蓋の温度との相関を示すグラフである。
【
図8】同上、蓋体を開放した状態の炊飯器の説明図である。
【
図9】同上、(A)蓋体を開放して内蓋組立ユニットを取り外した状態の炊飯器を示す正面図、(B)炊飯器の上面図および制御PC板の裏側から見た平面図である。
【
図10】従来の炊飯器で蓋体を開放して内蓋を取り外した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における炊飯器の各実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1に記載された矢印(上、下、前、後、右、左)が示す方向を、それぞれ炊飯器の上側、下側、前側、後側、右側、左側として説明する。そして、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0012】
図1~
図9は、本発明の一実施形態を示している。本実施形態における炊飯器の全体構成を
図1および
図2に基づいて説明すると、1は炊飯器であり、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が開口された炊飯器1の本体2と、本体2の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体3とにより全体が構成される。本体2は上面を開口した鍋収容部4を有し、蓋体3を開けたときに、被調理物である水や米を収容する容器としての有底状の鍋5が、その鍋収容部4に着脱自在に収容される構成となっている。本体2は、その上部と側面部を構成する上枠6と、上部の一部を構成する外枠7と、上枠6の下方を覆う底板8と、で外郭が形成される。その際、上枠6や底板8は、例えばPPなどの合成樹脂で形成され、外枠7は、例えばステンレスなどの金属部材で形成される。また鍋収容部4は、上枠6と一体化して形成されており、底部には、例えばPETなどの樹脂製で椀状の内枠9などを組み合わせて構成され、全体が有底筒状に形成される。
【0013】
鍋5は、熱伝導性の良いアルミニウムを主材とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体が、主材の外面の側部下部から底部にかけて接合してある。また、鍋5の側面下部から底面に対向する内枠9の外面には、鍋5の発熱体を電磁誘導加熱する加熱手段として、加熱コイル11を備えている。内枠9の底部中央部には、鍋温度検出手段としてサーミスタ式の鍋センサ15が、鍋5の外面底部と弾発的に接触するように配設される。本実施形態の鍋センサ15は、鍋5の温度を検知して加熱コイル11による鍋5の底部の加熱温度を主に温度管理する構成となっている。
【0014】
鍋収容部4の上端には、コードヒータ16(
図6参照)が設けられており、このコードヒータ16は、熱伝導の良好なアルミなどの材料で作成された金属板部12で覆われている。この金属板部12は、放熱部としての、本体2と蓋体3との隙間13に対向する位置に設けており、これらコードヒータ16および金属板部12により、発熱手段としてのフランジヒータを構成している。金属板部12の上面には、鍋5の上端から外周方向全周に延出させたフランジ部14の下面が載置され、鍋5が吊られた状態で鍋収容部4に収容される。したがって、この状態では鍋5と鍋収容部4の上端とにおける隙間がほとんど無い状態となる。ただし、鍋5のフランジ部14に形成した持ち手部が金属板部12と非接触となるように、金属板部12平面視で部分的な隙間13を形成することにより、鍋5の外面に水が付着した状態で炊飯が行なわれた場合に、この隙間13から蒸気が排出される構成となっている。さらに、鍋5のフランジ部14には、発熱部となるコードヒータ16を覆うように、外形がコードヒータ16と同等以上の大きさに形成される。
【0015】
そして炊飯時や保温時には、鍋5を加熱手段で加熱する一方で、保温時には、鍋センサ15の検出温度に応じて、加熱コイル11を加熱調整して鍋5を一定温度に保持する。また炊飯後、鍋5内のご飯の温度が略100℃の炊き立ての温度から略73℃の保温温度に低下するまで発熱手段となるコードヒータ16を発熱させ、略73℃の保温安定時にもコードヒータ16を発熱させて、本体2と蓋体3との隙間13に金属板部12から熱を放射し、隙間13からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋5を加熱する。さらに保温時に、鍋5内のご飯を再加熱するあつあつ再加熱を実行している期間にもコードヒータ16を発熱させて鍋5を加熱し、再加熱による発生する水分が、鍋5の上部内面に結露することを防止する構成となっている。
【0016】
蓋体3の前方上面には、蓋開ボタン17が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン17を押すと、本体2と蓋体3との係合が解除され、本体2の上部後方に設けたヒンジバネ18により、ヒンジシャフト19を回転中心として蓋体3が自動的に開く構成となっている。そして、蓋体3の後方上面には、鍋5内の被調理物から発生する蒸気を炊飯器1の外部に排出する排出経路を構成する蒸気口ユニット21が着脱可能に装着される。
【0017】
蓋体3の上面には、蓋開ボタン15や蒸気口ユニット21の他にも、炊飯器1の表示操作ユニットとなる、ボタン名などを表示するための操作パネル22などが配設されている。この操作パネル22は、各種情報を表示する表示部として、時間や選択された炊飯コースなどを表示するLCD23や、現在の工程を表示するLED24(
図6参照)が設けられ、操作部として、炊飯を開始、中止、炊飯コースの選択などを行なうスイッチ25が設けられている。LCD23や、LED24や、スイッチ25は、蓋体3の内部に配設された制御PC(Printed Circuit:印刷回路)板26に設けられる。この制御PC板26は、操作パネル22の制御手段である表示・操作制御手段27(
図6参照)や、蓋温度検出手段としてのチップセンサ28や、報知手段としてのブザー30を備えており、またパターン形成された導電回路部を有し、この制御PC板26に操作や表示に関わる制御用IC61等を実装することで、後述する加熱制御手段31と連携した表示・操作制御手段27が構成される。またチップセンサ28が、LCD23やLED24や表示・操作制御手段27が配設された基板である制御PC板26に配設されているため、部品点数を削減することができ、また制御PC板26内で配線することができるため、回路構成を簡略化でき、また費用を抑えることができる。なお操作パネル29は、電子部品であるLCD23や、LED24や、スイッチ25や、制御PC板26に埃や水が付着することも防止している。
【0018】
蓋体3には蓋ヒータとして、例えばコードヒータなどで構成される蓋加熱手段29が設けられており、この蓋加熱手段29により、後述する内蓋39の温度管理を主に行なう構成となっている。
【0019】
31は、炊飯時や保温時に鍋センサ15やチップセンサ28からの温度検知により、鍋5の加熱や内蓋39の加熱を、それぞれ温度制御して行なうための加熱制御手段である。加熱制御手段31は、鍋センサ15や蓋温度センサ17からの検知信号を受信し、加熱手段としての加熱コイル11、コードヒータ16および蓋加熱手段29を加熱調整するものである。加熱制御手段31には、加熱コイル11を駆動制御する素子32を備えており、この素子32により加熱コイル11が駆動されて、鍋5の発熱体を電磁誘導加熱する。この素子32は使用条件温度を有しており、一定温度以下で動作させる必要があるため、素子32には、例えばアルミニウムなど熱伝導性の良好な材料で作成された放熱器33が取り付けられ、冷却手段としての冷却ファン34からの風により冷却されて、使用条件温度内で駆動される構成となっている。この冷却ファン34は、加熱制御手段31に取り付けられた放熱器33の下方または側方に配設される。
【0020】
製品となる炊飯器の底部または側部には、冷却ファン34から送風されて放熱器33により温められた風を外部に放出するための孔35が設けられている。加熱制御手段31は、製品内となる本体2の内部に収容されているが、鍋5に対してどの位置に配設されてもよく、また孔35もどの位置に配設されてもよい。しかしながら、近年は製品の小型化設計が求められているという背景もあり、加熱制御手段31や冷却ファン34と、風を放出する孔35とは、鍋5を挟んで略反対方向に配置されるのが好ましい。
【0021】
蓋体3は、外殻部品となる外蓋36と、この外蓋36の下方を形成する外蓋カバー37から構成される。外蓋カバー37には、ステンレスやアルミニウムを陽極酸化処理(アルマイト)した金属製の放熱板38を設けており、この放熱板38には蓋加熱手段29が設けられている。
図2に示されるように、放熱板38の下方には、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の内蓋39が設けられている。蓋体3の下面を形成している内蓋39の外周には、蓋体3が閉じられたときに鍋5と内蓋39との隙間を塞ぐシール部材としての蓋パッキン41が備えられる。この蓋パッキン41は、シリコーンゴムやフッ素ゴムから作成されており、蓋体3が閉じられたときに鍋5のフランジ部14の上面に当接するように構成されている。また内蓋39と蓋パッキン41とはパッキンベース42で一体化され、これらの部品で主に構成される内蓋組立ユニット43が外蓋カバー37の内面に着脱可能に取り付けられている。そのため内蓋組立ユニット43が取り付けられた状態で本体2に対して蓋体3を閉じると、蓋パッキン41がフランジ部14の上面に当接して、内蓋組立ユニット43が鍋5の上方開口部を隙間なく覆うような構成になっている。
【0022】
次に、本実施形態の実質的な内蓋に相当する内蓋組立ユニット43の構成について、さらに
図3~
図5を参照して説明する。内蓋組立ユニット43には、蒸気排出用の孔45と、減圧用の孔46とが、内蓋39にそれぞれ開口して設けられている。また、略円環状に形成された樹脂製のパッキンベース42には、外周方向に部分的に突出した凸状の差込部47が形成されており、蓋体3を開いた状態で、この蓋体3の内面のヒンジ部31近傍の基端側に形成された凹部48に差込部47を差込んで、パッキンベース42を外蓋カバー37に嵌合させることにより、
図5に示されるように、内蓋組立ユニット43を蓋体3の内面側の決められた位置に装着できる構成となっている。減圧用の孔46の上方には、放熱板38から下方に突出する筒状の減圧パッキン49(
図9参照)が配設されている。
【0023】
続いて、蓋体3の内部構成について、さらに
図2を参照して説明する。蓋体3には、鍋5内部と連通して、鍋5内から発生する蒸気を炊飯器の外部に排出するための通路として、蒸気口ユニット21と調圧部53とを連通する蒸気排出経路51が形成される。この調圧部53には、鍋5の内部と蒸気口ユニット21との間の蒸気排出経路51を開閉する調圧弁54が設けられる。調圧弁54は、例えばソレノイドバルブで構成されており、上下に駆動可能で、鍋5内の蒸気を外部へ放出する場合には蒸気排出経路51を開放するように調圧弁54が上方向に駆動され、鍋5内を減圧状態にする場合には蒸気排出経路51を閉塞するように調圧弁54が下方向に駆動される。
【0024】
55は、蓋体3を本体2に閉じた状態で、鍋5の内部を通常の大気圧よりも低くするための減圧ポンプである。減圧ポンプ55は、鍋5を鍋収容体4に収容し、蓋体3を閉じた後に調圧弁54を下方向に駆動させて蒸気排出経路51を閉塞させた状態で、減圧ポンプ55と減圧用の孔46との間を連通する図示しない経路を介して、密閉した鍋5の内部圧力を低下させる。また、鍋5内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ55し、鍋5内部を減圧状態に保っている。さらに、鍋5内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ55の動作を停止し、調圧弁54を上方向に駆動させて蒸気排出経路51を開放する。つまり減圧ポンプ55および当該減圧ポンプ55と減圧用の孔46との間を連通する経路は、鍋5の内部を通常の大気圧よりも低くするための減圧手段として作用しており、また鍋5内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。なお、減圧ポンプ55と減圧用の孔46との間を連通する経路に、当該経路を開閉可能な弁を設けてもよい。
【0025】
次に、加熱制御手段31および表示・操作制御手段27の制御系統について、
図6を参照しながら説明する。同図において、本体2に装備される加熱制御手段31は、マイクロコンピュータを構成する制御用ICとしての素子32や記憶手段57、図示しない計時手段などを備え、鍋センサ15からの温度検知信号と、表示・操作制御手段27からの制御信号と、表示・操作制御手段27経由でチップセンサ28からの温度検知信号と、を受けて、炊飯時および保温時に鍋5を加熱する加熱コイル11と、内蓋39を加熱する蓋加熱手段29と、鍋5のフランジ部14を加熱するコードヒータ16と、を各々制御すると共に、前述した調圧弁54や、減圧ポンプ55の動作を各々制御するものである。特に加熱制御手段31は、鍋センサ15の検知温度に基いて主に加熱コイル11を制御して鍋5の底部を温度管理すると共に、コードヒータ16を制御して鍋5のフランジ部14を温度管理し、チップセンサ28の検知温度に基いて主に蓋加熱手段29を制御して、内蓋39を温度管理する。これらの加熱コイル15や蓋加熱手段29やコードヒータ16は、鍋5に入れた被調理物を加熱する加熱手段に相当する。
【0026】
加熱制御手段31は、記憶手段57から読み出したプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯制御手段58および保温制御手段59を素子32に備えている。炊飯制御手段58は、操作部としてのスイッチ25の、例えば炊飯キーからの炊飯開始の指示を受けて、鍋5に投入した米の吸水を促進させるひたし炊き工程と、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続工程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらし工程の各工程を順に実行して、鍋5内部の被炊飯物に対して所望の圧力で炊飯加熱するものである。また保温制御手段59は、鍋5内部のご飯を所定の保温温度に保つ保温工程を行なうように制御するものである。
【0027】
一方、表示・操作制御手段27は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC61や記憶手段62、図示しない計時手段などを備え、スイッチ25からの操作信号や加熱制御手段31からの制御信号を受けて、表示部としてのLCD23やLED24の表示動作を制御し、報知手段としてのブザー30の動作を制御し、加熱制御手段31に制御信号を送信するものである。この表示・操作制御手段27は、記憶手段62に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、スイッチ25からの操作信号に基づき、各種の制御信号を生成する操作部制御手段63と、LCD23やLED24の表示動作を制御する表示動作制御手段64と、操作部制御手段63や表示動作制御手段64と連携して、スイッチ25で選択できる条件の選択および設定、例えば複数の調理コースや炊飯コースの中から所望の調理コースや炊飯コースの選択および設定、を可能にする条件設定手段65と、を備えている。
【0028】
次に上記構成の炊飯器1について、炊飯工程における作用を説明する。先ず鍋5内に被炊飯物として米および水を入れ、これを本体2の鍋収容部4にセットした後に、蓋体3を閉じる。それと前後して、炊飯器1の図示しない電源プラグをコンセントに差し込んで通電すると、炊飯器1は炊飯や保温が行われていない初期の切(待機)状態となる。ここでスイッチ25を操作する毎に、その操作信号が操作部制御手段63に受け入れられ、条件設定手段65により炊飯コースの設定が変更される。変更された設定は表示動作制御手段64によりLCD23にその都度表示され、ユーザはこれを目視で確認できる。
【0029】
そして炊飯コースの設定後にスイッチ25の、例えば炊飯キーを操作すると、その操作信号が操作部制御手段63に受け入れられ、条件設定手段65は、現在LCD23に表示されている設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段62に記憶し、その設定した炊飯コースに対応する加熱パターンの情報を加熱制御手段31に送出する。これを受けて、設定した炊飯コースの加熱パターンに沿って、加熱制御手段31が、素子32に組み込まれた炊飯制御手段58により、鍋5内の被炊飯物に対するひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なう。
【0030】
より詳細に説明すると、加熱制御手段31が表示・操作制御手段27から送出された情報を受けると、ひたし炊き工程に移行し、ひたし炊き工程中では鍋5内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、炊飯制御手段58が、調圧弁54や減圧ポンプ55の動作を各々制御する。具体的には、ひたし炊き工程が開始されると、炊飯制御手段58は調圧弁54で蒸気排出経路51を閉塞する。この状態で、炊飯制御手段58は減圧ポンプ55を連続動作させ、密閉した鍋5の内部の空気を減圧ポンプ55で抜き取る真空引きを行なう。その後、炊飯制御手段58は鍋5内部の圧力が一定値以下になる減圧状態で維持されるように減圧ポンプ55を制御する。こうして、ひたし炊き工程の全期間に亘って、鍋5内部を減圧状態に保っている。
【0031】
炊飯制御手段58は、鍋センサ15による鍋5の底部の温度検知に基づき加熱コイル11を通断電制御して鍋5を加熱する制御を行ない、米の吸水を促進させると同時に所定の温度になるまでの時間や加熱量から鍋5内の被炊飯物の炊飯量を算出する。所定の時間が経過して、ひたし工程が終了すると、次の沸騰加熱工程に移行する。
【0032】
沸騰加熱工程に移行すると、被調理物の沸騰検知を行なうまでの加熱で、炊飯制御手段58は、加熱コイル11を連続通電する制御を行なうことにより、ひたし炊き工程よりも鍋5内の被調理物を強く加熱し、被調理物を短時間で沸騰の温度まで上昇させる。また炊飯制御手段58は、減圧ポンプ55の動作を停止するように制御する一方で、調圧弁54で蒸気排出経路51を閉塞したままにするように制御して、ひたし炊き行程から引き続いて鍋5の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持している。そのため、ひたし炊き行程から沸騰加熱工程に移行した後も、鍋5への加熱やスローリークにより鍋5の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は減圧ポンプ55を動作させることなく減圧状態を維持することができる。なお、減圧ポンプ55と減圧用の孔46との間を連通する経路に、当該経路を開閉可能な弁を設けている場合は、この弁を閉じて当該経路を閉塞してもよい。こうして、ひたし炊き行程の後の昇温行程でも鍋5内部の被調理物が減圧状態に保持されることで、昇温行程中は100℃以下の温度で水が沸騰する。そのため、米の糊化温度とされる60℃~100℃で被調理物を減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡で米を舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被調理物を減圧状態にすることで米の芯まで短時間に吸水させることができる。
【0033】
次に、炊飯制御手段58は鍋センサ15からの温度検知信号を取り込んで、鍋5の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、鍋5内部の被調理物が減圧状態で沸騰したと判断して、減圧ポンプ55を動作させないまま、調圧弁54を開放するように制御する。これにより蒸気排出経路51は、鍋5の内外を密閉せずに連通させた開放状態となり、鍋5内部は直ちに外気と同じ常圧に戻る。こうして炊飯制御手段58は、沸騰加熱工程中に鍋5内部の被調理物が減圧状態で沸騰したと判断したら、鍋5内部を減圧状態から大気圧へ一気に切替えるために調圧弁54の動作を制御して、蒸気排出経路51を開放している。
【0034】
その後、炊飯制御手段58は、鍋5の温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを鍋センサ15からの温度検知信号により検出し、それに加えて内蓋の温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことをチップセンサ28からの温度検知信号により検出すると、被炊飯物の沸騰を検知する沸騰検知の制御を開始する。
【0035】
蓋加熱手段29は、放熱板38を直接加熱することにより、放熱板38と接触している内蓋39を加熱している。そのため蓋加熱手段29が放熱板38を加熱すると、放熱板38内の熱が外蓋カバー37内に移動し、そして制御PC板26の周囲にまで移動する。本実施形態の炊飯器1では、この制御PC板26の周囲の温度である制御PC板26の雰囲気温度をチップセンサ28が検知することにより、炊飯制御手段58が内蓋39の温度を推測して検出する構成となっている。
【0036】
図7は、チップセンサ28の検知温度と内蓋39の温度との相関をグラフで示している。記憶手段57はこの
図7のグラフを記憶しており、炊飯制御手段58は、この
図7のグラフにより内蓋39の温度を算出している。例えば、a点は内蓋39の温度が90℃であるときのチップセンサ28の検知温度を示しており、このときのチップセンサ28の検知温度はt
1、すなわち略37℃である。そのため炊飯制御手段58は、チップセンサ28の検知温度がt
1以上、例えば37℃以上になったことをチップセンサ28からの温度検知信号により検出すると、炊飯制御手段58は内蓋39の温度が90℃以上になったと判断するように構成される。
【0037】
炊飯制御手段58が沸騰検知の制御を開始すると、引き続き、加熱コイル11やコードヒータ16を連続通電する制御を行なって鍋5内部で被炊飯物を強く加熱する一方で、鍋センサ15の検知温度やチップセンサ28の検知温度が所定の時間にどの程度上昇するのかという検知温度の傾きを算出する。具体的には、炊飯制御手段58が、鍋センサ15の検知温度から鍋5の底部の温度である鍋5の温度の上昇が、例えば120秒で3℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、鍋5の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判断する。また炊飯制御手段58が、チップセンサ28の検知温度から内蓋39の温度の上昇が、例えば60秒で1℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、内蓋39の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判断する。炊飯制御手段58が、鍋5の温度上昇率の変化による沸騰を検知し、かつ、内蓋39の温度上昇率の変化による沸騰を検知した時点で、次の沸騰継続工程に移行する。
【0038】
沸騰継続工程に移行すると、炊飯制御手段58は、鍋センサ15の検知温度から鍋5の温度が、例えば98℃以上など所定の温度を維持するように加熱コイル11やコードヒータ16の通断電制御を行なうと共に、チップセンサ28からの検知温度が、例えば
図7のb点におけるt
2の45℃以上、すなわち内蓋39の温度が98℃以上など所定の温度を維持するように蓋加熱手段29を連続通電する制御を行ない、被炊飯物の沸騰状態を継続させる。
【0039】
炊飯制御手段58は、沸騰継続工程で鍋5内部の水が無くなり、鍋センサ15の検知温度から鍋5の底部の温度の上昇が10秒で0.5℃以上など所定の温度上昇率以上になったと算出すると、鍋5の温度上昇率の変化を検知したと判断する。ここでは、鍋センサ15の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、鍋5内部の被調理物の炊き上がりを検知して沸騰継続工程が終了し、次のむらし工程に移行する。
【0040】
むらし工程中は、炊飯制御手段58がチップセンサ28の検知温度により、蓋加熱手段29を通断電制御して温度管理を行ない、内蓋39への露付きを防止すると共に、鍋5内部のご飯が焦げない程度に高温が保持されるように加熱コイル11を通断電制御して鍋5の底部の温度を管理する。所定の時間が経過してむらし工程が終了すると炊飯工程が完了し、加熱制御手段31からの制御信号を受けて表示・操作制御手段27がLCD23やLED24の表示を制御し、またブザー30が報知動作をするように制御して炊飯工程が完了したことをユーザに報知し、保温制御手段59による保温工程に移行する。
【0041】
図8は、蓋体3を開放した状態で内蓋39にユーザの指が接触した状態を示している。熱傷(火傷)はその接触した物の温度および接触時間により、接触した物の温度が120℃の際にII度の熱傷に至るには、5秒の接触時間が必要である(TED Y538Cを参照)。ここでII度の熱傷を説明すると、接触した個所に火ぶくれができる状態の熱傷であり、ひどい場合には皮膚の下に水が溜まる場合がある。なお、この皮膚の下に水が溜まった状態である水疱が化膿しなければ、著しい傷跡を残すことなく治癒することができる。なおI度の熱傷は皮膚が赤くなる程度の状態の熱傷であるため、今回はII度の熱傷で説明している。ここで、人が「熱い」と感じてから、指などの接触している箇所を接触した物から離すまでの時間である接触可能時間は、通常は0.2~0.3秒程度で1秒未満であると言われており、接触した物が150℃未満であるなら、通常はII度の熱傷にまで至らない。
【0042】
本発明の炊飯器1では蓋加熱手段29の駆動回路にトライアックを採用しており、この駆動回路が加熱制御手段31からの制御信号を受信することにより、蓋加熱手段29のON/OFFを制御している。この蓋ヒータとしての蓋加熱手段29を制御している駆動回路のトライアックが、例えば初期不良や経年劣化などで部品不良になった場合や、制御PC板26上でハンダなどのショートした場合、駆動回路で使用されるトランジスタなどの他の部品が例えば静電気などで故障した場合など、何らかの理由でショートしてしまうと、加熱制御手段31からの制御信号で蓋加熱手段29をON/OFFできず、蓋加熱手段29がONのまま保持されてしまい、蓋加熱手段29が設けられた放熱板38や、この放熱板38に接触している内蓋39が、接触してしまうとII度の熱傷にまで至るような高温になってしまう虞がある。そこで本実施形態では、内蓋39とは非接触の温度検知手段であるチップセンサ28を蓋体3の内部に設け、内蓋39の有無に関わらず、蓋体3の下方を形成する外蓋カバー37の温度を検知することができるようにしている。
【0043】
図9(A)(B)を参照して説明すると、
図9(A)に示される通り、本実施形態の炊飯器1では放熱板38に蓋センサを設けておらず、内蓋39の温度を直接検知する温度センサを備えていない。その一方で
図9(B)に示される通り、本実施形態の炊飯器1では、蓋体3の内部の、LCD23や、LED24や、スイッチ25が設けられた制御PC板26に蓋温度検出手段としてのチップセンサ28が設けられており、チップセンサ28からの検知信号により加熱制御手段31が内蓋39の温度を推測することにより、内蓋39に非接触でこの内蓋39の温度を検出している。
【0044】
次に上記構成の炊飯器1について、その作用を説明すると、チップセンサ28から表示・操作制御手段27経由で温度検知信号を受信すると、加熱制御手段31は、この情報を記憶手段57に記憶された
図7のチップセンサ28の検知温度と内蓋39の温度との相関グラフに当てはめることにより、内蓋39の温度を算出する。また加熱制御手段31は、例えばチップセンサ28の検知温度が85℃以上で10分以上連続しているなど、時間および温度の閾値を有しており、この閾値の温度の値Thは通常の炊飯工程や保温工程で到達しない値を採用している。
【0045】
ここで、チップセンサ28の検知温度が閾値の温度の85℃以上になったことを表示・操作制御手段27経由で加熱制御手段31が受信すると、加熱制御手段31は計時手段で閾値の温度Th以上である時間を計測する。このとき
図7に示されるように、本実施形態の炊飯器1では、通常の炊飯工程や保温工程でチップセンサ28の検知温度が略81.5℃、すなわち内鍋39の温度が略125℃まで上昇するので、通常の使用時に誤検知する虞を避けるために、温度の閾値Thの値を85℃、すなわち内鍋39の温度が略130℃に設定しており、また所定の時間も設定して、この温度の閾値Th以上の温度が当該所定の時間以上連続しているかを判定している。
【0046】
その後、計時手段で計測している閾値の温度以上である時間が閾値の時間以上になったことを計時手段から加熱制御手段31が受けると、加熱制御手段31は内鍋39が温度異常であると判定して表示・操作制御手段27に制御信号を送出し、表示・操作制御手段27は温度異常であるエラー表示をするようにLCD23やLED24を制御し、また温度異常の報知動作であるアラームで報知をするようにブザー30を制御して、蓋温度の温度異常であることをユーザに報知する。したがって内蓋39の有無に関わらず、蓋体3の下方を形成する外蓋カバー37の温度を検知することができ、LCD23およびLED24の表示やブザー30の報知動作でユーザに蓋温度の温度異常であることを報知して注意喚起をすることができる。
【0047】
なお本実施形態では、チップセンサ28の検知温度により内鍋39の蓋温度の温度異常であることを検出したが、チップセンサ28は内鍋39が取り付けられた蓋体3内部の温度異常も検出するように構成してもよく、またチップセンサ28が設けられた制御PC板26の温度異常も検出するように構成してもよい。そして
図7のチップセンサ28の検知温度と内蓋39の温度との相関グラフや時間および温度の閾値が表示・操作制御手段27の記憶手段62に記憶されており、表示・操作制御手段27が計時手段で閾値の温度Th以上である時間を計測して、エラー表示をするようにLCD23やLED24を制御し、また温度異常の報知動作であるアラームで報知をするようにブザー30を制御してもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態の炊飯器1では、被炊飯物を収容する鍋5と、鍋5を収容する本体2の開口部を開閉自在に覆う蓋体3と、蓋体3に設けられ、蓋体3が閉じられたときに鍋5の開口部を覆う内蓋39と、蓋体3の内部に設けられ、内蓋39の温度を非接触に検出する蓋温度検出手段としてのチップセンサ28と、を備えている。そのため内蓋39の有無に関わらず、蓋体3の下方を形成する部分である外蓋カバー37の温度を検知することができ、例えば内蓋39が取り外された場合でも外蓋カバー37や放熱板38が高温になったことを検出することができ、蓋体3が温度異常になったことを検出することができる。
【0049】
また本実施形態の炊飯器1では、各種情報を表示する表示部としてのLCD23およびLED24をさらに備え、LCD23およびLED24は、蓋体3の内部に配設された基板としての制御PC板26に設けられ、チップセンサ28が制御PC板26に設けられる構成としており、部品点数を削減することができ、また制御PC板26内で配線することができるため、回路構成を簡略化でき、また費用を抑えることができる。
【0050】
また本実施形態の炊飯器1ではチップセンサ28がチップ素子であるため、制御PC板26への実装が容易であり、また費用を抑えることができる。
【0051】
また本実施形態の炊飯器1では、内蓋39の温度が所定の温度である閾値の温度Th以上であるかを判定する判定手段としての加熱制御手段31をさらに備えた構成であり、内蓋39の温度が温度異常であるかどうかを判定することができるようにしている。
【0052】
また本実施形態の炊飯器1では、加熱制御手段31は内蓋39の温度が閾値の温度Th以上である時間を計測し、所定の時間以上であるかを判定しており、通常の使用時に誤検知する虞を避けることができる。
【0053】
また本実施形態の炊飯器1では、加熱制御手段31が所定の温度Th以上または所定の時間以上と判定したときに報知する報知手段としてのLCD23、LED24およびブザー30をさらに備えており、LCD23およびLED24の表示やブザー30の報知動作でユーザに蓋温度の温度異常であることを報知して注意喚起をすることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。また、実施形態中で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、炊飯器の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【符号の説明】
【0055】
1 炊飯器
2 本体
3 蓋体
5 鍋
23 LCD(表示部、報知手段)
24 LED(表示部、報知手段)
26 制御PC板(基板)
28 チップセンサ(蓋温度検出手段)
31 加熱制御手段(判定手段)
39 内蓋