(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188589
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】データ分析装置、データ分析方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221214BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096746
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】田村 駿
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配達人が物品を早急に配達することをサポートするために住民リストのデータベースを分析する住民データ分析装置、データ分析方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ分析装置10において、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する設定部11、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する学習部12及び第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する修正部13を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する設定手段と、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する学習手段と、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する修正手段と
を備えたデータ分析装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記第1の配達人の属性に基づき、前記配達ルートを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ分析装置。
【請求項3】
修正された前記配達ルートを表示する表示手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ分析装置。
【請求項4】
修正された前記配達ルート上でイレギュラーな事象が発生した場合、前記第1の配達人にアラートを報知する報知手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【請求項5】
前記アラートが報知された後に、前記修正手段は、前記イレギュラーな事象が発生した地点を回避するように、修正された前記配達ルートを再修正する
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ分析装置。
【請求項6】
前記修正手段は、前記第1の配達人による入力操作に基づき、修正された前記配達ルートを再修正する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【請求項7】
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定し、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習し、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する
データ分析方法。
【請求項8】
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定することと、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習することと、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ分析装置、データ分析方法、およびプログラムに関し、特に、住民リストのデータベースを分析する住民データ分析装置、データ分析方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
eコマースの発達に伴う配送の増加、および、単身世帯の増加などにより、物流量が急激に増大している。一方、労働人口は減少傾向にあるため、宅配クライシスが発生している。郵便・宅配業界では、労働力の不足を補うために、パートタイマー、高齢者、および新人などの未熟練者を雇用することが、以前よりも増加している。
【0003】
配達人は、どのような順序で物品(荷物)を配達するかを示す配達ルートを作成してから、集荷された物品を持って、配達へ出発する。未熟練者は、熟練者よりも、配達ルートを作成する作業に時間がかかる。そこで、配達ルートを簡便に設定するために、関連する技術が利用される。
【0004】
一例では、特許文献1には、作業者が複数の配達先を指定する入力操作を行うと、指定された複数の配達ルートを経由する配達ルートを生成し、生成した配達ルートを示すマップをディスプレイ上に表示する配達管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-147108号公報
【特許文献2】特開平08-161404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
交通事故や天気の急変などのアクシデントが発生した際、未熟練者は、配達に要する時間を短縮するように、配達ルートを自在に修正することができない。そのため、未熟練者は、熟練者よりも、物品の配達に時間がかかる傾向がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配達人が物品を早急に配達することをサポートすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係わるデータ分析装置は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する設定手段と、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する学習手段と、前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する修正手段とを備えている。
【0009】
本発明の一態様に係わるデータ分析方法は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定し、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習し、前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する。
【0010】
本発明の一態様に係わるプログラムは、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定することと、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習することと、前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、配達人が物品を早急に配達することをサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態3に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態3に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3の一変形例に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態1から3のいずれかに係わるデータ分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明する。
【0014】
〔実施形態1〕
図1~
図2を参照して、実施形態1について説明する。
【0015】
(データ分析装置10)
図1を参照して、本実施形態1に係わるデータ分析装置10について説明する。
図1は、データ分析装置10野構成を示すブロック図である。
図1に示すように、データ分析装置10は、設定部11、学習部12、および修正部13を備えている。
【0016】
設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する。設定部11は、設定手段の一例である。
【0017】
住民リストのデータベースは、配達人が物品を配達する際の配達ルートを設定するために利用される。住民リストに付加された順序は、予め決定された基本的な配達ルートを表す。例えば、1の番号を付加された住所Aと、2の番号を付加された住所Bとがある場合、基本的な配達ルートは、住所Aから住所Bの順になる。しかしながら、配達人は、自己判断の下で、基本的な配達ルートとは異なる順序で、物品を配達することを許容されている。
【0018】
一例では、設定部11は、図示しない記憶装置あるいはサーバに格納された住民リストのデータベースにアクセスして、住民リストに付加された順序することによって、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する。以下では、設定部11が設定する配達ルートを「初期配達ルート」と呼ぶ。
【0019】
設定部11は、上記のように設定した初期配達ルートを示す情報を、後述する修正部13へ出力する。
【0020】
学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する。学習部12は、学習手段の一例である。
【0021】
一例では、学習部12は、第2の配達人による過去の配達記録から、第2の配達人の移動履歴を参照する。そして、学習部12は、第2の配達人が物品をどのような順序で配達したのかを学習する。なお、第2の配達人は、第1の配達人とは異なる人物であってよい。特に、第2の配達人は、第1の配達人よりも配達業務の経歴が長い熟練者であってよい。
【0022】
例えば、1の番号を付加された住所Aと、2の番号を付加された住所Bとがある場合、基本的な配達ルートは、住所Aから住所Bの順になる。しかしながら、第2の配達人は、住所Bから住所Aの順序で、物品を配達したとする。この場合、学習部12は、第2の配達人は、住所Aから住所Bの順ではなく、住所Bから住所Aの順序で物品を配達することを学習する。
【0023】
学習部12は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果(以下、学習結果と呼ぶ)を、修正部13へ出力する。
【0024】
修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、第1の配達人の前記配達ルートを修正する。修正部13は、修正手段の一例である。
【0025】
一例では、修正部13は、設定部11から、初期配達ルートを示す情報を受信する。また、修正部13は、学習部12から、上述の学習結果を受信する。修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序に基づいて、初期配達ルートを修正する。
【0026】
先ほどの例で、初期配達ルートは、住所Aから住所Bの順である。しかしながら、第2の配達人は、過去に、住所Bから住所Aの順序で、物品を配達したとする。この場合、修正部13は、配達ルートにおいて、住所Aから住所Bの順を、住所Bから住所Aの順に修正する。
【0027】
その後、データ分析装置10は、このようにして生成された配達ルートの情報を、第1の配達人が所持する端末に表示してもよい(実施形態2)。
【0028】
(データ分析装置10の動作)
図2を参照して、本実施形態1に係わるデータ分析装置10の動作を説明する。
図2は、データ分析装置10の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
図2に示すように、まず、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した(初期)配達ルートを設定する(S101)。設定部11は、初期配達ルートを示す情報を、修正部13へ出力する。
【0030】
学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する(S102)。学習部12は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した(学習)結果を、修正部13へ出力する。
【0031】
なお、ステップS101とステップS102とは、逆の順序で実行されてもよい。
【0032】
修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、(初期)配達ルートを修正する(S103)。
【0033】
その後、データ分析装置10は、このようにして生成された配達ルートの情報を、第1の配達人が所持する端末に表示してもよい。
【0034】
以上で、本実施形態1に係わるデータ分析装置10の動作は終了する。
【0035】
(変形例)
一変形例では、データ分析装置10は、第1の配達人に関する条件を考慮する。例えば、第1の配達人に関する条件は、第1の配達人の属性(年齢や性別やシフトや個人事情)、または、第1の配達人が使用する車両の種別(自転車,二輪,自動車,積載容量など)である。あるいは、データ分析装置10は、業務の平準化(複数の配達人に対する郵便物の配分)の観点で、複数の配達人の配達時間が均等になるように、第1の配達人に集配物を割り当ててもよい。
【0036】
他の変形例では、データ分析装置10は、集配物に関する条件を考慮する。例えば、集配物に関する条件は、物品の重量,サイズ,物量,あるいは種別(普通郵便,書留,代引き)である。データ分析装置10は、配達時間の削減、コスト削減、または低料金でのサービス提供のために、宅配ボックスまたは宅配ステーションを利用する配達ルートを設計してもよい。
【0037】
他の変形例では、データ分析装置10は、立地,建造物の種別(高層/低層マンション,オートロック、宅配ボックスの有無),時間指定に関する制約、スマートグリッドやスマートホームとの連携(例えば、電力消費量に基づく在宅・非在宅の判定)を行う。
【0038】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する。学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する。修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する。これにより、第2の配達人による配達の経験を活用して、第1の配達人の配達ルートを決定することができる。そのようにして、第1の配達人が物品を早急に配達することをサポートすることができる。
【0039】
〔実施形態2〕
図3~
図4を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果を反映した配達ルートの情報を、第1の配達人が所持する端末等に表示する構成を説明する。
【0040】
(データ分析装置20)
図3は、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の構成を示すブロック図である。
【0041】
図3に示すように、データ分析装置20は、設定部11、学習部12、および修正部13を備えている。加えて、データ分析装置20は、表示部24をさらに備えている。
【0042】
表示部24は、修正された配達ルートを表示する。表示部24は、表示手段の一例である。
【0043】
一例では、表示部24は、修正部13から、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて修正された配達ルートの情報を受信する。そして、表示部24は、受信した配達ルートの情報を表示する。例えば、表示部24は、第1の配達人が所持する携帯端末の画面に、修正された配達ルートを表示してもよい。あるいは、表示部24は、配達人たちを管理する管理者の端末の画面に、修正された配達ルートを表示してもよい。あるいはまた、表示部24は、修正された配達ルートのデータを、自動的に又は要望に応じて、複数の端末へ配信してもよい。
【0044】
(データ分析装置20の動作)
図4を参照して、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の動作を説明する。
図4は、データ分析装置20の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
図4に示すように、まず、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した(初期)配達ルートを設定する(S101)。設定部11は、初期配達ルートを示す情報を、修正部13へ出力する。
【0046】
学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する(S102)。学習部12は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した(学習)結果を、修正部13へ出力する。
【0047】
なお、ステップS101とステップS102とは、逆の順序で実行されてもよい。
【0048】
修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する(S103)。修正部13は、修正された配達ルートの情報を、表示部24へ出力する。
【0049】
表示部24は、修正された配達ルートを示す情報を、第1の配達人が所持する端末の画面等に表示する(S204)。
【0050】
以上で、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の動作は終了する。
【0051】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する。学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する。修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する。これにより、第2の配達人による配達の経験を活用して、第1の配達人の配達ルートを決定することができる。そのようにして、第1の配達人が物品を早急に配達することをサポートすることができる。
【0052】
さらに、本実施形態の構成によれば、表示部24は、修正された配達ルートを表示する。これにより、第1の配達人が物品をより効率的に配達することをサポートすることができる。
【0053】
〔実施形態3〕
図5~
図7を参照して、実施形態3について説明する。本実施形態3では、修正された配達ルート上で、交通事故や天気の急変(雷雨など)などのイレギュラーな事象が発生した場合、第1の配達人にアラートを報知する構成を説明する。
【0054】
(データ分析装置30)
図5は、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の構成を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、データ分析装置30は、設定部11、学習部12、および修正部13を備えている。加えて、データ分析装置30は、報知部34をさらに備えている。
【0056】
報知部34は、修正された配達ルート上でイレギュラーな事象が発生した場合、第1の配達人にアラートを報知する。報知部34は、報知手段の一例である。
【0057】
一例では、報知部34は、修正部13から、修正された配達ルートの情報を受信する。また報知部34は、ニュースサイトや天気予報サイトから、定期的に、交通事故の発生状況や天気予報に関する情報を収集する。そして、報知部34は、修正された配達ルート上において、交通事故が発生した場合、あるいは、配達ルートを包含するエリアの天気が急変した場合、第1の配達人にアラートを報知する。しかしながら、報知部34が、第1の配達人に対して、アラートを報知するトリガーは、上記の例だけに限定されない。
【0058】
(データ分析装置30の動作)
図6を参照して、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の動作を説明する。
図6は、データ分析装置30の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図6に示すように、まず、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した(初期)配達ルートを設定する(S101)。設定部11は、初期配達ルートを示す情報を、修正部13へ出力する。
【0060】
学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する(S102)。学習部12は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した(学習)結果を、修正部13へ出力する。
【0061】
なお、ステップS101とステップS102とは、逆の順序で実行されてもよい。
【0062】
修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する(S103)。修正部13は、修正された配達ルートの情報を、報知部34へ出力する。
【0063】
報知部34は、ウェブ上のニュースサイト等から情報を収集し、収集した情報を分析することによって、修正された配達ルート上で、イレギュラーな事象が発生したか否かを判定する(S304)。
【0064】
修正された配達ルート上でイレギュラーな事象が発生した場合(S304でYES)、報知部34は、第1の配達人にアラートを報知する(S305)。一方、修正された配達ルート上でイレギュラーな事象が発生していない場合(S304でYES)、フローはステップS304へ戻る。
【0065】
以上で、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の動作は終了する。
【0066】
(変形例)
本実施形態3に係わるデータ分析装置30の一変形例を説明する。
【0067】
図7は、一変形例に係わるデータ分析装置30aの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、データ分析装置30aは、設定部11、学習部12、修正部13、および報知部34に加えて、前記実施形態2において説明した表示部24をさらに備えている。
【0068】
本変形例では、修正部13は、学習結果に基づいて修正した配達ルートの情報を、表示部24および報知部34へ出力する。
【0069】
表示部24は、修正された配達ルートを表示する。一例では、表示部24は、修正部13から、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて修正された配達ルートの情報を受信する。例えば、表示部24は、第1の配達人が所持する携帯端末に、修正された配達ルートを表示してもよい。あるいは、表示部24は、配達人たちを管理する管理者の端末に、修正された配達ルートを表示してもよい。あるいはまた、表示部24は、修正された配達ルートのデータを、自動的に又は要望に応じて、複数の端末へ配信してもよい。
【0070】
本変形の構成によれば、報知部34からアラートが報知されたときに、第1の配達人は、表示された配達ルートを参照することで、修正された配達ルートを変更したり、管理者と相談したりといった対応を素早くすることができる。
【0071】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、設定部11は、住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する。学習部12は、第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する。修正部13は、第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、配達ルートを修正する。これにより、第2の配達人による配達の経験を活用して、第1の配達人の配達ルートを決定することができる。そのようにして、第1の配達人が物品を早急に配達することをサポートすることができる。
【0072】
さらに、本実施形態の構成によれば、修正された配達ルート上でイレギュラーな事象が発生した場合、報知部34は、第1の配達人にアラートを報知する。これにより、第1の配達人は、対応を素早く判断することができる。
【0073】
(変形例)
前記実施形態1~3において説明したデータ分析装置20,20,30,30aの一変形例は、配達原簿の順番に基づく配達ルートを端末に表示させ、表示された配達ルートに対する操作を端末で受け付け、受け付けた操作に応じて配達ルートを再構築する。一変形例では、端末の画面に表示されたマップ上でなぞった順番で、配達ルートが再構築される。
【0074】
他の変形例では、表示部24(
図3、
図7)は、天気予報と組み合わせて、雨や雪などの天候に応じた最適ルートを提示する(ex.アーケード、マンションなどのおすすめルートを生成する)。
【0075】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明したデータ分析装置10,20,30,30aの各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図8に示すような情報処理装置900により実現される。
図8は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0076】
図8に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0077】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明したデータ分析装置10,20,30,30aの各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0078】
上記の構成によれば、前記実施形態1~3において説明したデータ分析装置10,20,30,30aが、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0079】
(付記)
本発明の一態様は、以下の付記のようにも記載されるが、以下に限定されない。
【0080】
(付記1)
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定する設定手段と、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習する学習手段と、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する修正手段と
を備えたデータ分析装置。
【0081】
(付記2)
前記設定手段は、前記第1の配達人の属性に基づき、前記配達ルートを設定する
ことを特徴とする付記1に記載のデータ分析装置。
【0082】
(付記3)
修正された前記配達ルートを表示する表示手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記1または2に記載のデータ分析装置。
【0083】
(付記4)
修正された前記配達ルート上でイレギュラーな事象が発生した場合、前記第1の配達人にアラートを報知する報知手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0084】
(付記5)
前記アラートが報知された後に、前記修正手段は、前記イレギュラーな事象が発生した地点を回避するように、修正された前記配達ルートを再修正する
ことを特徴とする付記4に記載のデータ分析装置。
【0085】
(付記6)
前記修正手段は、前記第1の配達人による入力操作に基づき、修正された前記配達ルートを再修正する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0086】
(付記7)
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定し、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習し、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する
データ分析方法。
【0087】
(付記8)
住民リストのデータベースを参照して、第1の配達人が物品を配達する順序を表した配達ルートを設定することと、
第2の配達人の移動履歴のデータを用いて、前記第2の配達人による過去の配達の順序を機械学習することと、
前記第2の配達人による前記過去の配達の順序を機械学習した結果に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0088】
(付記9)
前記修正手段は、前記物品の配達先に関する条件に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する
ことを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0089】
(付記10)
前記修正手段は、前記物品に関する条件に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する
ことを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0090】
(付記11)
前記修正手段は、前記第1の配達人に関する条件に基づいて、前記第1の配達人の前記配達ルートを修正する
ことを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、例えば、物品の配達などの住民サービスを提供する事業者に対し、好ましい配達ルートを提案するデータ分析装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
10 データ分析装置
11 設定部
12 学習部
13 修正部
20 データ分析装置
24 表示部
30 データ分析装置
30a データ分析装置
34 報知部