(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188590
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】データ分析装置、データ分析方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20221214BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221214BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096747
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】田村 駿
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】公的機関または第三者が住民サービスを提供することをサポートするデータ分析装置、データ分析方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ分析装置10において、住宅の居住者に関する情報を取得する取得部11、居住者に関する情報を住民リストのデータベースに登録する登録部12、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する加工部13及び加工部から、居住者が変化したことを示す二次データを受信する通知部24を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の居住者に関する情報を取得する取得手段と、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録する登録手段と、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する加工手段と
を備えたデータ分析装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記居住者の姓名を示す情報を取得し、
前記加工手段は、前記居住者の姓名に基づいて、前記居住者の性別又は国籍を示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ分析装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記住宅における前記居住者の有無を示す情報を取得し、
前記加工手段は、前記住宅における前記居住者の有無に基づいて、前記住宅が空き家か居住中かを示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ分析装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記住宅における新居住者に関する情報を取得し、
前記登録手段は、前記住民リストの前記データベースに、前記新居住者に関する情報を登録し、
前記加工手段は、前記居住者が変化したことを示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【請求項5】
前記居住者が変化したことを第三者に通知する通知手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ分析装置。
【請求項6】
前記加工手段は、前記情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、前記二次データを生成する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【請求項7】
前記情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって得られた前記二次データを、第三者に提供する提供手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ分析装置。
【請求項8】
住宅の居住者に関する情報を取得し、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録し、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する
データ分析方法。
【請求項9】
住宅の居住者に関する情報を取得することと、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録することと、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ分析装置、データ分析方法、およびプログラムに関し、特に、住民リストのデータベースを分析する住民データデータ分析装置、データ分析方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
市区町村では、一年を通じて頻繁に、住民の転出入がある。新住民は、性別、年齢、家族構成、宗教、および出身国籍等において様々であり、また、新住民は個別の事情や様々な問題を抱えている。
【0003】
市は、このような新住民に対して、適切な対応をすることを要求される。また、事業者は、新事業を展開しようとする地域の住民のことをよく知りたい。そのために、都道府県、市区町村あるいはそれに準じた地区ごとに集計された人口統計データなどのデータベースが公開されて、第三者により利用されている。
【0004】
一例では、特許文献1には、ある地域における年齢層別の人口割合等の統計データが、顧客名簿等の住所録データと紐づけられて、データベースに格納されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-044072号公報
【特許文献2】特開2020-086650号公報
【特許文献3】特開2002-230424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新住民は、面倒を感じるため、または忘れていて、転入届を市役所に提出しない場合がある。そのため、市は正確な人口動態を把握しきれない。その結果、新住民のフォロー、空き家管理、民生、災害時のケア、および治安維持に関する様々な問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、公的機関または第三者が住民サービスを提供することをサポートすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係わるデータ分析装置は、住宅の居住者に関する情報を取得する取得手段と、前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録する登録手段と、前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する加工手段とを備えている。
【0009】
本発明の一態様に係わるデータ分析方法は、住宅の居住者に関する情報を取得し、前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録し、前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。
【0010】
本発明の一態様に係わるプログラムは、住宅の居住者に関する情報を取得することと、前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録することと、前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、公的機関または第三者が住民サービスを提供することをサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態3に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態3に係わるデータ分析装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3の一変形例に係わるデータ分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態1から3のいずれかに係わるデータ分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明する。
【0014】
〔実施形態1〕
図1~
図2を参照して、実施形態1について説明する。
【0015】
(データ分析装置10)
図1は、本実施形態1に係わるデータ分析装置10の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、データ分析装置10は、取得部11、登録部12、および加工部13を備えている。
【0017】
取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する。取得部11は、取得手段の一例である。
【0018】
一例では、取得部11は、配達人が所持するユーザ端末へ入力された情報を集積されたサーバを参照する。サーバには、住所録データとともに、住宅の状態に関する情報および居住者に関する情報が格納されている。
【0019】
住宅の状態に関する情報とは、例えば、住宅の建造物の種別、玄関の位置、および放し飼いされたペットの有無を示す。また、居住者に関する情報とは、例えば、居住者の家族構成、居住者の属性(例えば、年齢層、性別)および状態(例えば、耳が遠い、日中は留守が多い、電話可能)を示す。
【0020】
取得部11は、顧客データベースから、住宅の居住者に関する情報を取得する。そして、取得部11は、取得した住宅の居住者に関する情報を、登録部12へ出力する。
【0021】
登録部12は、居住者に関する情報を住民リストのデータベースに登録する。登録部12は、登録手段の一例である。
【0022】
一例では、登録部12は、取得部11から、住宅の居住者に関する情報を受信する。登録部12は、受信した居住者に関する情報を、住民リストのデータベースに登録する。住民リストのデータベースは、配達人が物品を配達する際の配達ルートを設定するために利用される。住民リストに付加された順序は、予め決定された基本的な配達ルートを表す。例えば、1の番号を付加された住所Aと、2の番号を付加された住所Bとがある場合、基本的な配達ルートは、住所Aから住所Bの順になる。しかしながら、配達人は、自由と責任の下で、基本的な配達ルートとは異なる順序で、物品を配達することを許容されている。
【0023】
登録部12は、住民リストのデータベースに、居住者に関する情報を新たに登録したこと(言い換えれば、住民リストのデータベースを更新したこと)を、加工部13へ通知する。
【0024】
加工部13は、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。加工部13は、加工手段の一例である。
【0025】
一例では、加工部13は、登録部12からの通知を受信したのち、住民リストのデータベースを参照して、そのデータベースに登録された情報を取得する。
【0026】
そして、加工部13は、居住者に関する情報を匿名化加工することによって、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。匿名化加工とは、居住者に関する情報に含まれる個人情報を除くためのフィルタリング処理である。居住者の属性とは、例えば、居住者の年齢層および性別であり、居住者の状態とは、例えば、耳が遠い、日中は留守が多い、および電話可能/不可である。
【0027】
このようにして、加工部13は、居住者に関する情報から、どの個人を表すものなのかを特定することが不可能な二次データを得ることができる。
【0028】
(データ分析装置10の動作)
図2を参照して、本実施形態1に係わるデータ分析装置10の動作を説明する。
図2は、データ分析装置10の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
図2に示すように、まず、取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する(S101)。取得部11は、取得した居住者に関する情報を、登録部12へ出力する。
【0030】
登録部12は、取得部11から、居住者に関する情報を受信する。登録部12は、居住者に関する情報を、住民リストのデータベースに登録する(S102)。その後、登録部12は、住民リストのデータベースを更新したことを、加工部13へ通知する。
【0031】
加工部13は、登録部12が住民リストのデータベースを更新したのち、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する(S103)。
【0032】
その後、データ分析装置10は、このようにして生成された二次データを、住民サービスを提供する第三者(例えば、市役所などの公的機関、認証された地域コミュニティ)に供与又は公開してもよい。
【0033】
以上で、本実施形態1に係わるデータ分析装置10の動作は終了する。
【0034】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する。登録部12は、居住者に関する情報を住民リストのデータベースに登録する。加工部13は、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。データ分析装置10は、このようにして生成された二次データを第三者に供与又は公開する。これにより、第三者は、二次データに基づいて、住宅の居住者の属性または状態を理解して、適切な住民サービスを提供することができる。
【0035】
〔実施形態2〕
図3~
図4を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、住宅の居住者が変化したことを第三者に通知する構成を説明する。例えば、本実施形態2は、市区町村への転入者があったとき、それを市に知らせることで、市が新入居者を迅速かつ適切にフォローすることを可能にする。
【0036】
本実施形態2では、前記実施形態1と共通する構成に関し、前記実施形態1での記述を引用して、その説明を省略する。
【0037】
(データ分析装置20)
図3は、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、データ分析装置20は、取得部11、登録部12、および加工部13を備えている。加えて、データ分析装置20は、通知部24をさらに備えている。
【0039】
通知部24は、居住者が変化したことを第三者に通知する。通知部24は、通知手段の一例である。
【0040】
加工部13は、住民リストのデータベースを参照する。加工部13は、住宅の居住者に関する情報に基づいて、住宅の居住者が変化したか否かを判定する。例えば、加工部13は、居住者の姓名(特に姓)が変化した場合、住宅の居住者が変化したと判定する。この場合、加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを生成する。そして、加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを、通知部24へ送信する。
【0041】
通知部24は、加工部13から、居住者が変化したことを示す二次データを受信する。この場合、通知部24は、住宅の居住者が変化したことを第三者に通知する。例えば、通知部24は、市役所や非営利法人など、住民サービスを提供する組織あるいは主体に対して、住宅の居住者が変化したことを通知する。
【0042】
(データ分析装置20の動作)
ここでは、住宅の居住者が変化したときに、データ分析装置20が実行する動作を説明する。以下では、住宅の新しい居住者を「新居住者」と呼ぶ。
【0043】
図4を参照して、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の動作を説明する。
図4は、データ分析装置20の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
図4に示すように、まず、取得部11は、新居住者に関する情報を取得する(S201)。取得部11は、取得した新居住者に関する情報を、登録部12へ出力する。
【0045】
登録部12は、取得部11から、新居住者に関する情報を受信する。登録部12は、新居住者に関する情報を、住民リストのデータベースに登録する(S202)。その後、登録部12は、住民リストのデータベースを更新したことを、加工部13へ通知する。
【0046】
登録部12が住民リストのデータベースを更新したのち、加工部13は、住宅の居住者に関する情報に基づいて、住宅の居住者が変化したか否かを判定する。加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを生成する(S203)。そして、加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを、通知部24へ送信する。
【0047】
通知部24は、加工部13から、居住者が変化したことを示す二次データを受信する。この場合、通知部24は、住宅の居住者が変化したことを第三者に通知する(S204)。
【0048】
その後、データ分析装置20は、加工部13によって生成された二次データを、住民サービスを提供する第三者(例えば、市役所などの公的機関、認証された地域コミュニティ)に供与又は公開してもよい。これにより、第三者は、助けを必要とする新入居者に対して、住民サービスの一環として、適切なフォローを提供することができる。
【0049】
以上で、本実施形態2に係わるデータ分析装置20の動作は終了する。
【0050】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する。登録部12は、居住者に関する情報を住民リストのデータベースに登録する。加工部13は、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。データ分析装置10は、このようにして生成された二次データを第三者に供与又は公開する。これにより、第三者は、二次データに基づいて、住宅の居住者の属性または状態を理解して、適切な住民サービスを提供することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の構成によれば、通知部24は、住宅の居住者が変化したことを第三者に通知する。これにより、第三者は、助けを必要とする新入居者に対して、住民サービスの一環として、適切なフォローを提供することができる。
【0052】
〔実施形態3〕
図5~
図7を参照して、実施形態3について説明する。本実施形態3では、住民リストのデータベースに登録された居住者に関する情報を、匿名化加工したうえで、第三者に提供する構成を説明する。例えば、本実施形態3は、外国人や高齢単身者など、特別なフォローが必要な居住者がいることを市区町村へ知らせるとともに、市区町村の担当者が、居住者の個別の事情を考慮して、適切な対応を行えるようにサポートする。
【0053】
本実施形態3では、前記実施形態1または2と共通する構成に関し、前記実施形態1または2での記述を引用して、その説明を省略する。
【0054】
(データ分析装置30)
図5は、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の構成を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、データ分析装置30は、取得部11、登録部12、および加工部13を備えている。加えて、データ分析装置30は、提供部34をさらに備えている。データ分析装置30は、前記実施形態2で説明した通知部24をさらに備えていてもよい(変形例)。
【0056】
加工部13は、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、二次データを生成する。例えば、加工部13は、情報フィルタリング処理によって、居住者に関する情報に含まれる個人情報を除くことによって、二次データを生成する。
【0057】
提供部34は、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって得られた二次データを、第三者に提供する。提供部34は、提供手段の一例である。
【0058】
一例では、加工部13は、匿名化加工された二次データを提供部34へ出力する。提供部34は、加工部13から、二次データを受信する。提供部34は、加工部13から受信した二次データを第三者に提供する。ここでの第三者とは、例えば、市区町村、あるいは、小売りなどの住民サービスを提供する事業者である。
【0059】
提供部34が第三者へ提供する二次データは匿名化加工されているので、居住者の個人情報およびプライバシーは十分に守られる。
【0060】
一変形例では、提供部34は、加工部13によって匿名化加工された二次データから、居住者の属性または状態と関係する情報を生成して、居住者の属性または状態と関係する情報を、居住者に提供してもよい。
【0061】
例えば、提供部34は、二次データに基づいて、その地区の人口の推移を予測する。提供部34は、世帯主氏名の変化に応じて、その街のスポット情報を提供する。提供部34は、世帯主氏名・家族名/同居人名(家族構成情報)の変化に応じて、お薦めの引っ越しプランを提供する。提供部34は、家族構成情報の変化(時系列データ)に基づいて、家族構成の変化を検出し、家族構成の変換に応じた情報を提供する(赤ちゃん、子供、その他)。提供部34は、世帯主氏名の継続期間(居住年月)に関する情報を(不動産業者等に)提供する。
【0062】
他の変形例では、提供部34は、二次データに基づいて、街や商店街等の発展につながるデータを提供する。データの提供先は、自治体や、新規事業(コンビニ出店)を行う業者。例えば、西松屋のような家族3人以上の家族)、おしゃれな店(単身や2人家族)であってよい。
【0063】
(データ分析装置30の動作)
図6を参照して、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の動作を説明する。
図6は、データ分析装置30の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
図6に示すように、まず、取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する(S101)。取得部11は、取得した居住者に関する情報を、登録部12へ出力する。
【0065】
登録部12は、取得部11から、居住者に関する情報を受信する。登録部12は、居住者に関する情報を、住民リストのデータベースに登録する(S102)。その後、登録部12は、住民リストのデータベースを更新したことを、加工部13へ通知する。
【0066】
加工部13は、登録部12が住民リストのデータベースを更新したのち、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、二次データを生成する(S303)。
【0067】
提供部34は、匿名化加工された二次データを第三者へ提供する(S304)。例えば、提供部34は、加工部13によって生成された二次データを、住民サービスを提供する第三者(例えば、市役所などの公的機関、認証された地域コミュニティ)に供与又は公開する。
【0068】
以上で、本実施形態3に係わるデータ分析装置30の動作は終了する。
【0069】
(変形例)
本実施形態3に係わるデータ分析装置30の一変形例を説明する。
【0070】
図7は、一変形例に係わるデータ分析装置30aの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、データ分析装置30aは、取得部11、登録部12、加工部13、および提供部34に加えて、通知部24をさらに備えている。
【0071】
本変形例では、加工部13は、住宅の居住者に関する情報に基づいて、住宅の居住者が変化したか否かを判定する。例えば、加工部13は、居住者の姓名(特に姓)が変化した場合、住宅の居住者が変化したと判定する。この場合、加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを生成する。そして、加工部13は、居住者が変化したことを示す二次データを、通知部24へ送信する。
【0072】
通知部24は、加工部13から、居住者が変化したことを示す二次データを受信する。この場合、通知部24は、住宅の居住者が変化したことを第三者に通知する。例えば、通知部24は、市役所や非営利法人など、住民サービスを提供する組織あるいは主体に対して、住宅の居住者が変化したことを通知する。
【0073】
さらに、加工部13は、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、二次データを生成する。加工部13は、匿名化加工された二次データを提供部34へ出力する。提供部34は、加工部13から、二次データを受信する。提供部34は、加工部13から受信した二次データを第三者に提供する。
【0074】
本変形例の構成によれば、住宅に新入居者が転入したことを第三者に通知するとともに、新入居者の必要を第三者が理解するための情報(すなわち匿名化加工された二次データ)を、第三者に提供することができる。
【0075】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、住宅の居住者に関する情報を取得する。登録部12は、居住者に関する情報を住民リストのデータベースに登録する。加工部13は、住民リストのデータベースに登録された情報を加工して、住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する。データ分析装置10は、このようにして生成された二次データを第三者に供与又は公開する。これにより、第三者は、二次データに基づいて、住宅の居住者の属性または状態を理解して、適切な住民サービスを提供することができる。
【0076】
さらに、本実施形態の構成によれば、加工部13は、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、二次データを生成する。提供部34は、住宅の居住者に関する情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって得られた二次データを、第三者に提供する。これにより、居住者の個人情報およびプライバシーを適切に保護しながら、第三者に情報を提供することができる。
【0077】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明したデータ分析装置10,20,30,30aの各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図8に示すような情報処理装置900により実現される。
図8は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0078】
図8に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0079】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明したデータ分析装置10,20,30,30aの各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0080】
上記の構成によれば、前記実施形態1~3において説明したデータ分析装置10,20,30,30aが、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0081】
(付記)
本発明の一態様は、以下の付記のようにも記載されるが、以下に限定されない。
【0082】
(付記1)
住宅の居住者に関する情報を取得する取得手段と、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録する登録手段と、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する加工手段と
を備えたデータ分析装置。
【0083】
(付記2)
前記取得手段は、前記居住者の姓名を示す情報を取得し、
前記加工手段は、前記居住者の姓名に基づいて、前記居住者の性別又は国籍を示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする付記1に記載のデータ分析装置。
【0084】
(付記3)
前記取得手段は、前記住宅における前記居住者の有無を示す情報を取得し、
前記加工手段は、前記住宅における前記居住者の有無に基づいて、前記住宅が空き家か居住中かを示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする付記1に記載のデータ分析装置。
【0085】
(付記4)
前記取得手段は、前記住宅における新居住者に関する情報を取得し、
前記登録手段は、前記住民リストの前記データベースに、前記新居住者に関する情報を登録し、
前記加工手段は、前記居住者が変化したことを示す前記二次データを生成する
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0086】
(付記5)
前記居住者が変化したことを第三者に通知する通知手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記4に記載のデータ分析装置。
【0087】
(付記6)
前記加工手段は、前記情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって、前記二次データを生成する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0088】
(付記7)
前記情報に含まれる個人情報を匿名化加工することによって得られた前記二次データを、第三者に提供する提供手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記6に記載のデータ分析装置。
【0089】
(付記8)
住宅の居住者に関する情報を取得し、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録し、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成する
データ分析方法。
【0090】
(付記9)
住宅の居住者に関する情報を取得することと、
前記居住者に関する前記情報を住民リストのデータベースに登録することと、
前記住民リストの前記データベースに登録された前記情報を加工して、前記住宅の居住者の属性または状態を表す二次データを生成することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0091】
(付記10)
前記取得手段は、前記住宅の状態に関する情報を取得し、
前記登録手段は、前記住宅の状態に関する前記情報を、前記居住者に関する前記情報と紐づけて、前記住民リストの前記データベースに登録する
ことを特徴とする付記1から7のいずれか1項に記載のデータ分析装置。
【0092】
(付記11)
前記取得手段は、前記住宅の建造物の種別、構造、または、ペットの有無を示す前記情報を取得する
ことを特徴とする付記10に記載のデータ分析装置。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、例えば、住所録などのデータを分析することによって、住民サービスを提供する第三者に統計データを提供するデータ分析装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
10 データ分析装置
11 取得部
12 登録部
13 加工部
20 データ分析装置
24 通知部
30 データ分析装置
34 提供部