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  • 特開-電磁弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188600
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20221214BHJP
   H01F 7/16 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
F16K31/06 305A
H01F7/16 R
H01F7/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096767
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】高田 勇司
(72)【発明者】
【氏名】亀田 朋宏
【テーマコード(参考)】
3H106
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DB23
3H106DC09
3H106DD09
3H106EE34
3H106EE48
3H106GC25
5E048AB01
5E048AD02
(57)【要約】
【課題】弁機構がソレノイド装置に簡単かつ強固に固定された電磁弁を提供すること。
【解決手段】電磁弁100は、軸O方向一方側が開口し、鉄系材料で構成されるケース9を有するソレノイド装置1と、ソレノイド装置1の軸О方向一方側に装着された弁機構10であって、筒状をなし、アルミニウム系材料で構成されるノズル20と、ノズル20内に配置され、ピン7とともに軸O方向に沿って移動可能な弁体30とを有する弁機構10とを備える。ノズル20は、軸O方向他方側の端部に、径方向外側に向かって突出するフランジ部202を有し、ケース9の開口縁部をカシメにより変形させた少なくとも1つのカシメしろ911aによりフランジ部202を覆うことにより、ノズル9をソレノイド装置1に連結するとともに、鉄およびアルミニウムを含有する溶接合金部94により、カシメしろ911aの径方向内側の端部をフランジ部202に接合した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向一方側が開口し、鉄系材料で構成されるケースと、前記ケース内に配置され、通電に伴い生じる磁力により軸方向に沿って移動可能なプランジャと、前記プランジャとともに軸方向に沿って移動可能なピンとを有するソレノイド装置と、
前記ソレノイド装置の軸方向一方側に装着された弁機構であって、筒状をなし、アルミニウム系材料で構成されるノズルと、前記ノズル内に配置され、前記ピンとともに軸方向に沿って移動可能な弁体とを有する弁機構とを備え、
前記ノズルは、軸方向他方側の端部に、径方向外側に向かって突出するフランジ部を有し、
前記ケースの開口縁部をカシメにより変形させた少なくとも1つのカシメしろにより前記フランジ部を覆うことにより、前記ノズルを前記ソレノイド装置に連結するとともに、鉄およびアルミニウムを含有する溶接合金部により、前記カシメしろの径方向内側の端部を前記フランジ部に接合したことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
前記ケースは、前記フランジ部の周方向に沿ってほぼ等間隔で配置された複数の前記カシメしろを有する請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記溶接合金部は、スポット状をなし、前記カシメしろおよび前記フランジ部にわたって位置している請求項1または2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記溶接合金部を軸方向一方側からみたとき、前記カシメしろ上に位置する部分の面積に対する前記フランジ部上に位置する部分の面積の比が4/6~6/4である請求項3に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記溶接合金部は、レーザー溶接による溶接合金部である請求項1~4のいずれか1項に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記溶接合金部におけるアルミニウムの含有量は、45質量%以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記弁体は、前記ピンとともに軸方向に沿って移動可能なスプール弁である請求項1~6のいずれか1項に記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアソレノイド(ソレノイド装置)を利用した電磁油圧制御弁(電磁弁)が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電磁油圧制御弁は、スプール弁と、スプール弁を駆動するリニアソレノイドとから構成されている。
リニアソレノイドは、ケースと、ケース内に配置された摺動ステータと、摺動ステータ内で摺動し、シャフトを軸方向に移動させるプランジャとを有している。また、スプール弁は、筒状のスリーブと、スリーブ内に摺動可能に配置されたスプールとを有している。
そして、ケースの開口部には、薄肉部が形成されており、薄肉部を加締め(以下、「カシメ」と記載する。)ることでスリーブの軸方向一端部に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-134234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の電磁油圧制御弁では、カシメによる固定箇所が外部の衝撃により開きが生じ易い。
本発明の目的は、弁機構がソレノイド装置に簡単かつ強固に固定された電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電磁弁の一つの態様は、軸方向一方側が開口し、鉄系材料で構成されるケースと、前記ケース内に配置され、通電に伴い生じる磁力により軸方向に沿って移動可能なプランジャと、前記プランジャとともに軸方向に沿って移動可能なピンとを有するソレノイド装置と、
前記ソレノイド装置の軸方向一方側に装着された弁機構であって、筒状をなし、アルミニウム系材料で構成されるノズルと、前記ノズル内に配置され、前記ピンとともに軸方向に沿って移動可能な弁体とを有する弁機構とを備え、
前記ノズルは、軸方向他方側の端部に、径方向外側に向かって突出するフランジ部を有し、
前記ケースの開口縁部をカシメにより変形させた少なくとも1つのカシメしろにより前記フランジ部を覆うことにより、前記ノズルを前記ソレノイド装置に連結するとともに、鉄およびアルミニウムを含有する溶接合金部により、前記カシメしろの径方向内側の端部を前記フランジ部に接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のソレノイド装置の一つの態様によれば、弁機構をソレノイド装置に簡単かつ強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の電磁弁の実施形態を示す断面図である。
図2図2は、図1に示す電磁弁の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図2を参照して、本発明の電磁弁の実施形態について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定する。一例として、X軸とY軸とを含むXY平面が水平、Z軸が鉛直となっている。
また、X軸方向が「軸O方向」であり、軸Oを中心とする径方向を単に「径方向」と言い、軸Oを中心とする周方向を単に「周方向」と言うことがある。
【0009】
そして、X軸方向正側が「軸O方向一方側」に対応し、X軸方向負側が「軸O方向他方側」に対応する。
本明細書中において、上下方向、水平方向、上側および下側とは、単に各部の相対的な位置関係を説明するために使用する用語である。したがって、各部の実際の位置関係等は、これらの用語で示される位置関係等と異なっていてもよい。
【0010】
図1および図2に示すように、電磁弁100は、ソレノイド装置1と、ソレノイド装置1のX軸方向正側に装着された弁機構10とを有している。
弁機構10は、スプール穴201を有する円筒状のノズル20と、ノズル20(スプール穴201)内にX軸方向に沿って移動可能に配置されたスプール弁(弁体)30とを備えている。
ノズル20は、その筒壁を貫通し、流体(例えば、オイル)が通過する複数の貫通孔(ポート)を備え、スプール弁30のX軸方向に沿った移動により、貫通孔の接続状態が変更される。
【0011】
また、ノズル20は、そのX軸方向負側の端部に、径方向外側に向かって突出するフランジ部202を備えている。図2に示すように、後述するソレノイド装置1のケース9(胴部911)には、その開口縁部をカシメにより変形させた複数のカシメしろ911aが形成されている。そして、これらのカシメしろ911aがフランジ部202を覆うことにより、弁機構10がソレノイド装置1に連結されている。
ノズル20は、例えば、アルミニウム系材料(アルミニウム単体、アルミニウム合金等)で構成されている。
なお、スプール弁30は、図示しないスプール穴201内に配置されたコイルバネ(付勢部材)により、X軸方向負側に向かって付勢されている。
【0012】
図1に示すように、ソレノイド装置1は、ボビン2と、プランジャ3と、コイル4と、ヨーク5と、コア6と、ピン7と、ケース9とを有している。
ボビン2は、貫通孔21を有する筒状の部材である。貫通孔21は、X軸方向に沿ってボビン2を貫通している。また、貫通孔21の内径は、X軸方向に沿って一定である。
ボビン2は、例えば、ポリエステルやポリイミド等の各種樹脂材料で構成されている。
【0013】
ボビン2の外周部22には、導電性を有する線材が巻回されることにより形成されたコイル4が配置されている。
このコイル4への通電に伴って、ボビン2とヨーク5とコア6とで磁気回路が形成されて磁力が生じる。これにより、プランジャ3をX軸方向に沿って移動させることができる。
【0014】
ボビン2の貫通孔21には、ヨーク5およびコア6が挿入されている。さらに、ヨーク5の内側にプランジャ3が挿入され、コア6の内側にピン7が挿入されている。換言すれば、ヨーク5は、ボビン2とプランジャ3との間に配置され、コア6は、ボビン2とピン7との間に配置されている。
ボビン2に対して、ヨーク5は、X軸方向負側に配置され、コア6は、X軸方向正側に配置されている。
【0015】
ヨーク5は、X軸方向に沿って貫通する貫通孔50を有する円筒状の部材であり、X軸方向に沿って配置されている。また、コア6も、X軸方向に沿って貫通する貫通孔60を有する円筒状の部材であり、X軸方向に沿って配置されている。
ヨーク5およびコア6は、例えば、鉄のような軟磁性材料(軟磁性の金属材料)で構成されている。これにより、プランジャ3を十分に移動させ得る程度の磁気回路を生じさせることができる。
【0016】
ヨーク5のX軸方向正側の端部は、その厚さがX軸方向正側に向かって減少してテーパ状をなしている。また、コア6のX軸方向負側の端部は、その厚さがX軸方向負側に向かって減少してテーパ状をなしている。
かかる構成により、形成される磁気回路による磁力をプランジャ3に優先して作用させ易くなる。
【0017】
プランジャ3は、ヨーク5の内側に配置(貫通孔50に挿入)され、X軸方向に沿って正側と負側とに交互に移動可能(すなわち、往復動可能)に支持されている。また、プランジャ3は、X軸方向正側に移動すると、そのX軸方向正側の端部がコア6のX軸方向負側に形成された凹部68内に位置する。この凹部68の内径は、貫通孔50の内径と同一であるか、若干大きい。
プランジャ3は、円柱状をなし、X軸方向に沿って貫通孔31が形成されている。この貫通孔31を介してソレノイド装置1内の気体が移動する。これにより、プランジャ3のX軸方向に沿った移動が円滑になされる。
【0018】
コア6の内側に配置された(貫通孔60に挿入された)ピン7は、柱状をなし、プランジャ3に押圧されることにより、X軸方向に向かって移動可能となっている。このピン7がスプール弁30を押圧することにより、スプール弁30がX軸方向正側に向かって移動する。
一方、コイル4への通電を解除すると、スプール弁30は、スプール穴201内のコイルバネの付勢力によりX軸方向負側に向かって移動する。そして、スプール弁30がピン7およびプランジャ3を押圧してX軸方向負側に移動させる。
【0019】
ピン7は、例えば、アルミニウム等の軽量の金属材料で構成されている。
本実施形態のピン7は、ピン本体71と、このピン本体71のX軸方向負側の端部に設けられ、貫通孔60(コア6)の内径よりも拡径した拡径部72とを有している。ピン7が最もX軸方向正側に移動すると、拡径部72は、貫通孔60のX軸方向負側の開口縁部に接触する。かかる構成により、ソレノイド装置1の保管時や、弁機構10への装着時等にピン7がコア6(ソレノイド装置1)から簡単に脱落するのを防止することができる。
【0020】
また、コア6は、その凹部68の底面に、X軸方向正側に凹む凹部69を有している。この凹部69は、ピン7の拡径部72を収容可能である。凹部69および凹部68を設けることにより、ソレノイド装置1のX軸方向の長さを短くすることができる。
拡径部72は、凹部69に収納された状態で、その一部が凹部69よりX軸方向負側に突出するように構成されている。これにより、プランジャ3でピン7をX軸方向正側に向かって確実に押圧することができる。
【0021】
また、拡径部72のX軸方向負側の面721は、球面状をなしている。この場合、ピン7の傾きの影響を小さくして、プランジャ3の押圧力をピン7のX軸方向に伝達し易くなる。
ピン7は、さらに、ピン本体71と拡径部72との境界部に、ピン本体71の外径より縮径した縮径部73を有している。この縮径部73を設けることにより、ピン本体71と拡径部72との境界部において、コア6(特に、貫通孔60のX軸方向負側の開口縁部)との干渉を防止し易い。
【0022】
コア6は、そのX軸方向正側の端部に、径方向外側に突出するフランジ部61を備えている。
ケース9は、ボビン2、プランジャ3、コイル4、ヨーク5、コア6およびピン7を収納している。ケース9は、ケース本体91と、コネクタ部材92とを有している。
コネクタ部材92には、コイル4への通電を行うコネクタ(図示せず)が接続される。このコネクタ部材92は、ボビン2と同様に、例えば、樹脂材料で構成されている。
ケース本体91は、X軸方向に沿って延びる筒状の胴部911と、胴部911のX軸方向負側を塞ぐ底部912とを備える有底筒状の部材である。したがって、ケース本体91は、そのX軸方向正側が開口している。
【0023】
そして、ノズル20のフランジ部202は、コア6のフランジ部61に接触させた状態で、その外周縁部がケース9の開口縁部に形成された3つのカシメしろ911aで覆われている。
これにより、ボビン2、プランジャ3、コイル4、ヨーク5、コア6およびピン7がケース9内に収容されるとともに、コア6はX軸方向正側への移動が規制された状態となることで、各部が固定されて、ソレノイド装置1が組み立てられる。また、この状態で、弁機構10がソレノイド装置1に連結される。
【0024】
ケース本体91は、例えば、鉄系材料(鉄単体、鉄合金等)のような磁性材料で構成されている。
そして、本実施形態では、各カシメしろ911aは、その径方向内側の端部が、鉄およびアルミニウムを含有する溶接合金部94によりフランジ部202に接合されている。これにより、弁機構10をソレノイド装置1に強固に固定することができる。したがって、電磁弁100に外部からの衝撃が加わった場合でも、カシメしろ911aが開き難く、弁機構10のソレノイド装置1に対する確実な装着状態を維持することができる。また、溶接合金部94を形成する作業(溶接作業)の際には、カシメしろ911aによりノズル20がケース本体91に固定されているため、その作業をより正確に行うことができる。これに対して、カシメしろ911aを形成することなく、ノズル20とケース本体91とを溶接しようとすると、ノズル20が脱落しないように保持する必要があり、溶接作業が煩雑となり易い。
本実施形態では、3つのカシメしろ911aは、フランジ部202の周方向に沿ってほぼ等間隔で配置されている。これにより、弁機構10のソレノイド装置1に対する安定した装着状態を保証することができる。
なお、本明細書中において、「ほぼ等間隔」とは、間隔が一定である態様の他、若干変化している態様を含む概念である。
【0025】
溶接合金部94は、図2に示すように、スポット状をなし、カシメしろ911aおよびフランジ部202にわたって位置している。これにより、弁機構10をソレノイド装置1により強固に固定することができる。
また、溶接合金部94をX軸方向正側からみたとき、カシメしろ911a上に位置する部分94bの面積に対するフランジ部202上に位置する部分94aの面積の比は、4/6~6/4であることが好ましく、5/6~5/4であることがより好ましい。この場合、溶接合金部94の強度をより高めることができる。
溶接合金部94におけるアルミニウムの含有量は、45質量%以下であることが好ましく、5~40質量%であることがより好ましく、10~33質量%であることがさらに好ましい。この場合、溶接合金部94における鉄とアルミニウムとの量比が適切となり、その強度および耐摩耗性をより向上させることができる。
【0026】
各溶接合金部94は、レーザー溶接による溶接合金部であることが好ましい。レーザー溶接によれば、所望のサイズ(換言すれば、アルミニウムの含有量が所望の値)である溶接合金部94を形成し易い。
レーザー溶接を使用する場合、レーザー光のスポット径は、特に限定されないが、0.15~0.35mm程度であることが好ましく、0.2~0.3mm程度であることがより好ましい。
また、使用可能なレーザー光には、例えば、気体レーザー、固体レーザー、半導体レーザー、液体レーザーが存在するが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーが好ましい。
【0027】
また、ケース9は、その底部912にX軸方向正側に向かって突出する円筒状の突き当て部913を有している。この突き当て部913は、そのX軸方向に直交する端面913aがボビン2のX軸方向負側の端面23に接触し、かつ、内周面913bがヨーク5の外周面51に接触している。
かかる構成によれば、ソレノイド装置1の部品点数を削減することにより、組付作業の効率化を図り、製造コストを低減することができる。また、ケース9とヨーク5との間で乱れなくかつ確実に磁束が受け渡され、よって、プランジャ3のより正確な移動が可能となる。
【0028】
ボビン2の端面23もX軸方向に直交している。換言すれば、突き当て部913の端面913aおよびボビン2の端面23がX軸方向に対して傾斜していない。このため、ソレノイド装置1を組み付ける際に、ケース9とボビン2とが径方向にズレ難くなる。その結果、ボビン2の内周面とヨーク5の外周面51とが離間するのを阻止して、磁束に乱れが生じるのを防止することができる。
ケース9は、さらに、底部912に突き当て部913の径方向外側に位置するとともに、X軸方向負側に凹んで設けられた円環状の溝914を有している。この溝914は、ケース9とボビン2との間に空間を確保するように機能する。かかる溝914の存在により、ボビン2の不要な箇所がケース9の底部912と干渉するの阻止して、この干渉によるボビン2の変形により、ボビン2の内周面とヨーク5の外周面51とが離間するのをより確実に阻止することができる。
【0029】
以上、本発明の電磁弁を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電磁弁を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、カシメしろ911aの数は、3つに限らず、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。
また、各カシメしろ911aに対して、1つの溶接合金部94を設ける場合について示したが、複数の溶接合金部94を設けるようにしてもよい。なお、溶接合金部94の形状は、スポット状に限らず、カシメしろ911aの径方向内側の端部に沿った円弧状であってもよい。
また、突き当て部913は、ケース本体91と別部材で構成されていてもよい。
また、ノズル内に配置される弁体は、スプール弁30に限らず、その他の機能を有する弁体であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
100…電磁弁、1…ソレノイド装置、2…ボビン、21…貫通孔、22…外周部、23…端面、3…プランジャ、31…貫通孔、4…コイル、5…ヨーク、50…貫通孔、51…外周面、6…コア、60…貫通孔、61…フランジ部、7…ピン、71…ピン本体、72…拡径部、721…面、73…縮径部、9…ケース、91…ケース本体、911…胴部、911a…カシメしろ、912…底部、913…突き当て部、913a…端面、913b…内周面、914…溝、92…コネクタ部材、94…溶接合金部、94a,94b…部分、10…弁機構、20…ノズル、201…スプール穴、202…フランジ部、30…スプール弁、O…軸
図1
図2