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特開2022-188614データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法
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  • 特開-データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法 図1
  • 特開-データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法 図2
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  • 特開-データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188614
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20221214BHJP
【FI】
G06T7/00 510B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096786
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】都築 宏昭
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043BA03
5B043BA04
5B043BA07
5B043DA04
5B043FA07
5B043GA05
(57)【要約】
【課題】認証の精度向上に有用なデータをより低コストに収集する。
【解決手段】取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御するデータ追加部、を備え、前記データ追加部は、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加する、データ追加装置が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御するデータ追加部、
を備え、
前記データ追加部は、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加する、
データ追加装置。
【請求項2】
前記データ追加部は、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれとも異なるオブジェクトから取得されたと判定されたネガティブデータを仮テンプレートデータとして仮テンプレートDBに追加する、
請求項1に記載のデータ追加装置。
【請求項3】
取得されたセンサデータと前記仮テンプレートDBに保持される仮テンプレートデータと基づく第2の認証において、前記仮テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定された仮ポジティブデータが前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータである場合、前記仮ポジティブデータと同一のオブジェクトから取得されたと判定された仮テンプレートデータ、および当該仮テンプレートデータと同一のオブジェクトから時系列に取得された仮テンプレートデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加する、
請求項2に記載のデータ追加装置。
【請求項4】
前記データ追加部は、前記ネガティブデータのうち、いずれかの前記テンプレートデータとの類似度が規定値以上であるネガティブデータを仮テンプレートデータとして前記仮テンプレートDBに追加する、
請求項2または請求項3に記載のデータ追加装置。
【請求項5】
前記センサデータおよび前記テンプレートデータは、生体から取得される、
請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載のデータ追加装置。
【請求項6】
前記センサデータおよび前記テンプレートデータは、画像を含む、
請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載のデータ追加装置。
【請求項7】
コンピュータに、
取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御するデータ追加機能、
を実現させ、
前記データ追加機能に、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加させる、
プログラム。
【請求項8】
取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御すること、
を含み、
前記テンプレートデータの追加を制御することは、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加すること、
をさらに含む、
データ追加方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ追加装置、プログラム、およびデータ追加方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、予め記憶された登録データと入力データとに基づく認証を行う技術が開発されている。例えば、特許文献1には、予め撮影された人物の顔画像に係る登録データと新たに撮影された顔画像に係る入力データとに基づく認証を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-126091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシステムにおいて認証の精度を高めるためには、有用な登録データの数を増やすことも重要となる。しかし、登録データとしての採否の判断や、追加の作業を人手で行う場合、コストが大幅に増加することとなる
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、認証の精度向上に有用なデータをより低コストに収集することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御するデータ追加部、を備え、前記データ追加部は、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加する、データ追加装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御するデータ追加機能、を実現させ、前記データ追加機能に、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加させる、プログラムが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、取得されたセンサデータとテンプレートDBに保持されるテンプレートデータとに基づく第1の認証に関し、前記テンプレートDBへの前記テンプレートデータの追加を制御すること、を含み、前記テンプレートデータの追加を制御することは、前記第1の認証において前記テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ、および前記ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを前記テンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加すること、をさらに含む、データ追加方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、認証の精度向上に有用なデータをより低コストに収集することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係るテンプレートデータの追加方法について説明するための図である。
図3】同実施形態に係るテンプレートデータの追加方法について説明するための図である。
図4】同実施形態に係る認証部140による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>
まず、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、センサ部110,認識部120、追跡部130、認証部140、テンプレートDB150、仮テンプレートDB160、および処理部などを備える。
【0015】
(センサ部110)
本実施形態に係るセンサ部110は、後述する第1の認証において、テンプレートデータと比較されるセンサデータを取得する。
【0016】
本実施形態に係るセンサ部110は、時系列に連続的にセンサデータを取得してもよい。
【0017】
本実施形態に係るセンサ部110が取得するデータは、実施される認証の特性に応じた各種のセンサデータであり得る。
【0018】
例えば、第1の認証が生体認証である場合、本実施形態に係るセンサデータおよびテンプレートデータは、生体から取得される各種の生体データであり得る。
【0019】
上記生体データには、例えば、人物の顔、全身、指紋、静脈、虹彩等を撮影した画像であってもよい。
【0020】
また、上記生体データは、例えば、人物の音声、歩行や所定のジェスチャの実行に伴い取得された加速度、角速度などのデータであってもよい。
【0021】
また、本実施形態に係るセンサ部110が取得するセンサデータは生体データに限定されず、例えば、車両などの各種装置から取得されるデータであってもよい。
【0022】
本実施形態に係るセンサ部110は、センサデータを取得するための各種の装置を備える。
【0023】
(認識部120)
本実施形態に係る認識部120は、センサ部110により取得されたセンサデータから、規定されたオブジェクトを認識する。
【0024】
例えば、第1の認証が顔認証である場合、認識部120は、センサ部110により撮影された画像から人物の顔領域を認識する。
【0025】
また、例えば、第1の認証が指紋認証である場合、認識部120は、センサ部110により撮影された画像から人物の指紋領域を認識する。
【0026】
本実施形態に係る認識の対象となるオブジェクトは、実施される認証の特性に応じて決定されてよい。
【0027】
なお、認識部120による認識には、オブジェクト認識の分野において広く用いられる技術が採用されてよい。
【0028】
(追跡部130)
本実施形態に係る追跡部130は、センサ部110により時系列に取得されたセンサデータにおいて、認識部120により認識されたオブジェクトの追跡を行う。
【0029】
一例として、センサデータが画像であり、上記オブジェクトが人物の顔領域である場合、追跡部130は、時系列に撮影された複数の画像において、同一人物の顔領域を追跡する。
【0030】
追跡部130による追跡には、物体追跡の分野において広く用いられる技術が採用されてよい。
【0031】
(認証部140)
本実施形態に係る認証部140は、認証装置20に備えられる。
【0032】
本実施形態に係る認証部140は、センサ部110により取得され、認識部120による認識処理および追跡部130による追跡処理を経たセンサデータと、テンプレートDBに予め保持されるテンプレートデータと、に基づく第1の認証を実行する。
【0033】
すなわち、本実施形態に係る認証部140は、新たに取得されたセンサデータが、予め保持されるテンプレートデータと同一のオブジェクトから取得されたものか否かを判定する。
【0034】
一例として、認証部140は、予めテンプレートデータとして保持される顔画像と、新たに取得された顔画像とが同一人物を被写体としたものか否かを判定してもよい。
【0035】
また、本実施形態に係る認証部140は、新たなテンプレートデータをテンプレートDB150に追加するデータ追加部の一例である。認証部140を備える認証装置20は、データ追加装置の一例である
【0036】
本実施形態に係る認証部140は、第1の認証においてテンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定したセンサデータであるポジティブデータ、および当該ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータをテンプレートデータとしてテンプレートDB150に追加する。
【0037】
この際、認証部140は、追跡部130による追跡処理の結果に基づいて、ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータを特定することができる。
【0038】
上記のようなデータ追加処理によれば、テンプレートデータの採否判定や追加を人手に依らず自動化することができ、コストを大幅に低減するとともに、認証精度を向上させることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態に係る認証部140は、センサ部110により取得されたセンサデータと、仮テンプレートDBに保持される仮テンプレートデータと、に基づく第2の認証を実行してもよい。
【0040】
本実施形態に係る第1の認証、第2の認証、テンプレートデータの追加については、別途詳細に説明する。
【0041】
本実施形態に係る認証部140が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0042】
(テンプレートDB150)
本実施形態に係るテンプレートDB150は、上述したテンプレートデータを保持するデータベースである。
【0043】
(仮テンプレートDB160)
本実施形態に係る仮テンプレートDB160は、上述した仮テンプレートデータを保持するデータベースである。
【0044】
(処理部170)
本実施形態に係る処理部170は、認証部140による第1の認証の結果に基づいて、規定の処理を実行する。
【0045】
本実施形態に係る処理部170が実行する規定の処理は、システム1が適用されるアプリケーションに応じて設計されればよい。
【0046】
例えば、本実施形態に係るシステム1が入場管理アプリケーションに適用される場合、第1の認証においてセンサデータである顔画像が予めテンプレートデータとして保持された顔画像と同一人物のものであると判定されたことに基づいて、規定の処理としてドアの解錠を実行してもよい。
【0047】
以上、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べた。なお、図1を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係るシステム1の構成はかかる例に限定されない。
【0048】
例えば、上記では、認証部140がデータ追加部の一例である場合を述べた。
【0049】
一方、認証機能とデータ追加機能とは別途の構成により実現されてもよい。
【0050】
また、上記で述べた各構成は、複数の装置に分散して備えられてもよい。
【0051】
例えば、センサ部110が住居または車両等に設置されるカメラとして、処理部170が住居または車両等に設置される錠装置として具備される場合、認証部140をはじめとする各構成は、クラウド上に配されるサーバとして実現されてもよい。
【0052】
本実施形態に係るシステム1の構成および配置は、アプリケーション等の仕様に応じて柔軟に変形可能である。
【0053】
<<1.2.テンプレートデータの追加>>
次に、本実施形態に係るテンプレートデータの追加について詳細に説明する。
【0054】
センサデータとテンプレートデータの比較に基づく認証の精度を高めるためには、有用なテンプレートデータの数を増やすことも重要となる
【0055】
以下においては、本実施形態に係る第1の認証および第2の認証が顔認証である場合を主な例に挙げて説明する。
【0056】
例えば、新たに撮影された顔画像が予めテンプレートデータとして保持された顔画像と同一人物のものであるか否かを判定する場合において、テンプレートデータが正面から顔を撮影した画像であるのに対し、新たに撮影された顔画像が横顔を映したものある場合を想定する。
【0057】
この場合、両者が同一人物の顔を被写体とする画像であっても、認証において両画像が同一人物の顔画像であることが認められない場合がある。
【0058】
上記のような事態を防止するためには、ある人物を多方向から撮影した複数のテンプレートデータを予め用意することが重要である。
【0059】
また、認証の精度は、上記のような顔の角度のみではなく、被写体の大きさ、被写体深度、照度等の様々な条件に大きく影響を受ける。
【0060】
このため、同一の人物(オブジェクト)を様々な条件下で撮影した画像をテンプレートデータとして用意することが望ましい。
【0061】
しかし、テンプレートデータの採否や追加作業を人手で行う場合、膨大なコストが必要となる。
【0062】
本発明に係る技術思想は、上記のような点に着目して発想されたものであり、テンプレートデータの採否判定や追加に要するコストを大幅に低減するとともに、認証精度を向上させるものである。
【0063】
以下、本実施形態に係るデータ追加方法について詳細に説明する。
【0064】
図2および図3は、本実施形態に係るテンプレートデータの追加方法について説明するための図である。
【0065】
まず、図2を参照して説明を行う。
【0066】
図2の上段には、センサ部110により時系列に撮影された画像P1a~P1cが例示されている。
【0067】
ここで、画像P1a~P1cは、ある同一の人物の顔領域であるオブジェクトO1a~O1cをそれぞれ含む画像であってよい。
【0068】
追跡部130は、認識部120が画像P1a~P1cにおいてそれぞれ認識したオブジェクトO1a~O1cを、撮影時間、位置の変化などに基づいて同一のオブジェクトであると判定することが可能である。
【0069】
また、本実施形態に係る認証部140は、画像P1a~P1cにおいてそれぞれ認識されたオブジェクトO1a~O1cが、テンプレートデータT1に含まれるオブジェクトOT1と同一人物の顔領域であるか否かを判定する第1の認証を行う。
【0070】
ここで、図2に示すように、認証部140は、オブジェクトO1aとオブジェクトOT1とが同一人物の顔領域であり、オブジェクトO1bおよびO1cは、オブジェクトOT1とは非同一であると判定した場合を想定する。
【0071】
この場合、オブジェクトO1aを含む画像P1aは、今後はテンプレートデータとして有用なことから、認証部140は、画像P1aをテンプレートデータとしてテンプレートDB150に新たに追加してよい。
【0072】
また、上述したように、オブジェクトO1bおよびO1cは、オブジェクトO1aと同一のオブジェクトであると追跡部130により判定済みである。
【0073】
このことから、認証部140は、画像P1aに加え、オブジェクトO1bを含む画像P1b、およびオブジェクトO1cを含む画像P1cを、テンプレートデータとしてさらにテンプレートDB150に追加してよい。
【0074】
このように、本実施形態に係る認証部140は、第1の認証においてテンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたポジティブデータ(図2に示す一例の場合、画像P1a)、および当該ポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータ(図2に示す一例の場合、画像P1bおよびP1c)をテンプレートデータとしてテンプレートDB150に追加することを特徴の一つとする。
【0075】
本実施形態に係る認証部140が有する上記の特徴によれば、ポジティブデータのみではなく、追跡の結果、ポジティブデータと同一のオブジェクトを含むと判定されたセンサデータをテンプレートデータとして追加することができ、テンプレートデータの数を効率的に増やすことが可能となる。
【0076】
続いて、本実施形態に係る第2の認証に基づくテンプレートデータの追加方法について詳細に説明する。
【0077】
図2では、認証部140が、第1の認証において、画像PIaがテンプレートデータT1と同一のオブジェクトから取得されたポジティブデータであると判定する場合を例示した。
【0078】
一方、認証部140は、画像P1a~P1cがテンプレートデータのいずれとも異なるオブジェクトから取得されたネガティブデータであると判定した場合、画像P1a~P1cを仮テンプレートデータとして仮テンプレートDB160に追加してもよい。
【0079】
この場合、本実施形態に係る認証部140は、取得されたセンサデータと、上記のように追加した仮テンプレートデータと、に基づく第2の認証を、上述した第1の認証と並行して実行する。
【0080】
また、認証部140は、第1の認証および第2の認証の結果に基づいて、テンプレートデータの追加を行ってもよい。
【0081】
図3の上段には、センサ部110により時系列に撮影された画像P2a~P2cが例示されている。
【0082】
ここで、画像P2a~P2cは、ある同一の人物の顔領域であるオブジェクトO2a~O2cをそれぞれ含む画像であってよい。
【0083】
図3に示す一例の場合、認証部140は、第1の認証において、画像P2cに含まれるオブジェクトO2cと、テンプレートデータT1に含まれるオブジェクトOT1とが、同一のオブジェクトであり、画像P2cがポジティブデータであると判定している。
【0084】
また、認証部140は、第2の認証において、画像P2bに含まれるオブジェクトO2bと、仮テンプレートデータである画像P1bに含まれるオブジェクトO1bと、が同一のオブジェクトであり、画像P2bが仮ポジティブデータであると判定している。
【0085】
ここで、上記の仮ポジティブデータとは、仮テンプレートデータのいずれかと同一のオブジェクトから取得されたと判定されたセンサデータを指す。
【0086】
この場合、追跡部130による追跡結果から、ポジティブデータである画像P2cに含まれるオブジェクトO2cと、仮ポジティブデータである画像P2bに含まれるオブジェクトO2bと、は同一のオブジェクトであることがわかる。
【0087】
このように、認証部140は、仮ポジティブデータがポジティブデータと同一のオブジェクトから時系列に取得されたセンサデータである場合、当該仮ポジティブデータと同一のオブジェクトから取得されたと判定された仮テンプレートデータ、および当該仮テンプレートデータと同一のオブジェクトから時系列に取得された仮テンプレートデータをテンプレートデータとして前記テンプレートDBに追加してもよい。
【0088】
例えば、図3に示す一例の場合、認証部140は、仮ポジティブデータである画像P2bがポジティブデータである画像P2cと時系列に撮影された画像であることから、画像P2bと同一のオブジェクトを含むと判定された仮テンプレートデータである画像P1bと、画像P1bと時系列に撮影された仮テンプレートデータである画像P1aおよびP1c(図示を省略する)をテンプレートDBに追加してもよい。
【0089】
上記のような処理によれば、より効率的にテンプレートデータの数を増やすことができ、以降の認証の精度を高めることが可能となる。
【0090】
<<1.3.処理の流れ>>
次に、本実施形態に係る認証部140による処理の流れについて一例を挙げて説明する。
【0091】
図4は、本実施形態に係る認証部140による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
図4に示す一例の場合、まず、認証部140は、センサデータとテンプレートデータとに基づく第1の認証を実行する(S102)。
【0093】
この際、認証部140は、センサデータに含まれるオブジェクトの特徴と、各々のテンプレートデータに含まれるオブジェクトの特徴との類似度とを算出し、算出したいずれかの類似度が予め定められた閾値を超える場合に、当該センサデータがポジティブデータであると判定してもよい。
【0094】
認証部140は、センサデータがポジティブデータではない、すなわちネガティブデータであると判定した場合(S104:No)、当該ネガティブデータといずれかのテンプレートとの類似度が規定値以上であるか否かを判定する(S106)。
【0095】
ここで、ネガティブデータといずれかのテンプレートデータとの類似度が規定値以上である場合(S106:Yes)、当該ネガティブデータを仮テンプレートデータとして仮テンプレートDB160に追加する(S108)。
【0096】
すなわち、認証部140は、類似度が閾値以下でありネガティブデータであると判定されたものの、当該ネガティブデータが規定値により定められる程度にはテンプレートデータに類似する場合には、当該ネガティブデータを仮テンプレートDB160に追加してよい。
【0097】
上記のように、類似度に基づいて仮テンプレートデータとしての採否を判定することにより、類似度が著しく低いデータを排除し、第2の認証の精度と処理効率とを担保することが可能である。
【0098】
ただし、上記のような類似度に基づく仮テンプレートデータとしての採否判定は必ずしも行われなくてもよく、求められる認証精度や処理効率に応じて実装されればよい。
【0099】
一方、認証部140は、センサデータがポジティブデータであると判定した場合(S104:Yes)、ポジティブデータ、当該ポジティブデータと同一オブジェクトから時系列に取得されたセンサデータをテンプレートデータとしてテンプレートDB150に追加する(S110)。
【0100】
次に、認証部140は、センサデータと仮テンプレートデータとに基づく第2の認証を実行する(S112)。
【0101】
認証部140は、いずれかのセンサデータが仮ポジティブデータであると判定した場合(S114:Yes)、ポジティブデータと同一オブジェクトから取得された仮ポジティブデータに対応する仮テンプレートデータ、当該仮テンプレートデータと同一オブジェクトから時系列に取得された仮テンプレートデータをテンプレートDB150に追加する(S116)。
【0102】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる非一過性の記憶媒体(non-transient storage medium)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1:システム、110:センサ部、120:認識部、130:追跡部、140:認証部、150:テンプレートDB、160:仮テンプレートDB、170:処理部、20:認証装置
図1
図2
図3
図4