(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188616
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096791
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】519304055
【氏名又は名称】株式会社ジェー・フィルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】谷 一身
(57)【要約】
【課題】構成が簡単で取扱いが容易であり、鼻部からの呼気に伴う口部周辺の熱のこもり、また、口への花粉やウィルス等の流入を抑制、更には防止可能なマスクを提供する。
【解決手段】両側に耳掛け部24が設けられ、鼻12を除いて口13の周囲を覆う第1のフィルタ14と、第1のフィルタ14の上側及び鼻12を覆って配置される第2のフィルタ15とを有し、第2のフィルタ15の上部は、第1のフィルタ14の上部と係合部28を介して接合され、かつ、第1のフィルタ14の鼻下部分には、第1のフィルタ14に被さる第2のフィルタ15を第1のフィルタ14に対して持ち上げる鼻腔閉塞防止部材32が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に耳掛け部が設けられ、鼻を除いて口の周囲を覆う第1のフィルタと、該第1のフィルタの上側及び前記鼻を覆って配置される第2のフィルタとを有し、
前記第2のフィルタの上部は、前記第1のフィルタの上部と係合部を介して接合され、かつ、前記第1のフィルタの鼻下部分には、前記第1のフィルタに被さる前記第2のフィルタを前記第1のフィルタに対して持ち上げる鼻腔閉塞防止部材が設けられていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
請求項1記載のマスクにおいて、前記第2のフィルタの中央上部には、前記鼻の形状に合わせて変形可能な保形材が配置されていることを特徴とするマスク。
【請求項3】
請求項1又は2記載のマスクにおいて、前記第1のフィルタの中央には、左右の生地を縫い合わす縫合線があって、前記第1のフィルタの中央を外側に突出させていることを特徴とするマスク。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のマスクにおいて、前記係合部は、ボタン、ホック、面ファスナ、及び、クリップのいずれか1であることを特徴とするマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着者の口と鼻を覆うマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、花粉やウィルス等の吸引を防ぐため、通気性を有する生地で構成されたマスク(衛生マスクとも称す)が用いられている。このマスクとしては、例えば、以下に示す特許文献1、2の技術が提案されていた。
特許文献1に開示のマスクは、口を覆う第1フィルタと、この第1フィルタの上方に設けられた鼻を覆う第2フィルタと、第1フィルタと第2フィルタを分離可能に接続する接続部とを備え、この接続部が、第1、第2フィルタの幅方向両側端部から前方に向かうにつれて斜め下方に設けられ、第1、第2フィルタの中央で交差したものである。
特許文献2に開示のマスクは、可撓性を有する材質層で形成された鼻マスク本体が、撓み部と、この撓み部の両側面に連接した被覆部と、この被覆部の両端縁部に設けられた耳かけ部とからなり、耳かけ部を使用者の耳にかけた場合に、撓み部が使用者の鼻の部分を被覆し、被覆部が使用者の頬の部分を被覆するように構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6865517号公報
【特許文献2】実用新案登録第3102559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示のマスクは、口を覆う第1フィルタと鼻を覆う第2フィルタとを接続する接続部が、第1フィルタの上部に沿って、かつ、第2フィルタの下部に沿って、設けられているため、口を覆う空間と鼻を覆う空間とを分離できず、鼻からの呼気に伴う口周辺の熱のこもり等を抑制することができない。また、接続部は、第1フィルタの上部と第2フィルタの下部を分離可能に接続するため、接続状況によっては、第1、第2フィルタ間(鼻下辺り)に隙間が生じ、この隙間を介して花粉やウィルス等が口に流入するおそれがある。
また、特許文献2に開示のマスクは、鼻マスク本体に口マスク本体を選択的に連結できるように構成されているが、その連結は、鼻マスク本体の下端縁部と口マスク本体の上端縁部とで行われるため、上記した特許文献1と同様、口を覆う空間と鼻を覆う空間とを分離できず、また、鼻マスク本体と口マスク本体との間に隙間が生じるおそれがある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、構成が簡単で取扱いが容易であり、鼻からの呼気に伴う口周辺の熱のこもり、また、口への花粉やウィルス等の流入を抑制、更には防止可能なマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係るマスクは、両側に耳掛け部が設けられ、鼻を除いて口の周囲を覆う第1のフィルタと、該第1のフィルタの上側及び前記鼻を覆って配置される第2のフィルタとを有し、
前記第2のフィルタの上部は、前記第1のフィルタの上部と係合部を介して接合され、かつ、前記第1のフィルタの鼻下部分には、前記第1のフィルタに被さる前記第2のフィルタを前記第1のフィルタに対して持ち上げる鼻腔閉塞防止部材が設けられている。
【0007】
本発明に係るマスクにおいて、前記第2のフィルタの中央上部に、前記鼻の形状に合わせて変形可能な保形材が配置されているのがよい。
【0008】
本発明に係るマスクにおいて、前記第1のフィルタの中央には、左右の生地を縫い合わす縫合線があって、前記第1のフィルタの中央を外側に突出させるのがよい。
【0009】
本発明に係るマスクにおいて、前記係合部は、ボタン、ホック、面ファスナ、及び、クリップのいずれか1であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るマスクは、両側に耳掛け部が設けられ、鼻を除いて口の周囲を覆う第1のフィルタと、第1のフィルタの上側及び鼻を覆って配置される第2のフィルタとを有しているので、口を覆う空間と鼻を覆う空間とを分離できる。
また、第2のフィルタは、第1のフィルタの上側を覆い、その上部が、第1のフィルタの上部と係合部を介して接合されているので、従来のマスクのような、分離可能な2つのフィルタ(マスク本体)の接続部(鼻下辺り)を無くすことができ、花粉やウィルス等の口への流入を抑制、更には防止できる。
更に、第1のフィルタの鼻下部分に、第1のフィルタに被さる第2のフィルタを第1のフィルタに対して持ち上げる鼻腔閉塞防止部材が設けられているので、第1のフィルタと第2のフィルタの下部との間に隙間が形成され、この隙間を介して鼻呼吸の際の空気の出し入れができる。なお、鼻腔閉塞防止部材が第2のフィルタで押圧されることにより、第1のフィルタの鼻下部分の顔面への密着度を高めることもでき、花粉やウィルス等の口への流入を抑制、更には防止できる。
【0011】
特に、係合部が、ボタン、ホック、面ファスナ、及び、クリップのいずれか1である場合、第1のフィルタと第2のフィルタとが分割可能な構成となるため、例えば、マスクを洗濯し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るマスクの使用状態を示す正面図、側面図である。
【
図2】(A)、(B)はそれぞれ同マスクの第1のフィルタの使用状態を示す正面図、側面図である。
【
図3】(A)、(B)はそれぞれ同マスクの第1のフィルタの正面図、側面図である。
【
図4】(A)、(B)はそれぞれ同マスクの第2のフィルタの正面図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1~
図4に示すように、本発明の一実施の形態に係るマスク10は、装着者11の鼻12を除いて口13の周囲(口13も含む)を覆う第1のフィルタ14と、この第1のフィルタ14の上側及び鼻12を覆って配置される第2のフィルタ15とを有し、鼻12からの呼気に伴う口13周辺の熱のこもり、また、口13への花粉やウィルス等の流入を抑制、更には防止可能なものである。
以下、詳しく説明する。
【0014】
第1のフィルタ14は、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)、
図3(A)、(B)に示すように、通気性を有する布(木綿やガーゼ等)で構成された左右の生地16、17を有している。
左右の生地16、17は左右対称となって、それぞれ装着者11の目18の下(頬19)から(鼻12を除いて)顎20にかけての表面に沿った形状(顔面に対応した形状)に構成され、生地16と生地17との縫合線21が、第1のフィルタ14の幅方向中央に形成されている。この生地16、17の大きさ(サイズ)は、マスク10を使用する装着者11(大人(男女)や子供)に応じて適宜選択できる。
第1のフィルタ14は、生地16、17を、その内面(装着者11との接触面)を向き合わせるようにして、重ね合わせ、左の生地16の右端部(口13と顎20の中央線に相当する部分)と、右の生地17の左端部(口13と顎20の中央線に相当する部分)とを縫い合わせて(縫製して)、縫合線21を形成することにより製造される。これにより、
図1(B)、
図2(B)、
図3(B)に示すように、第1のフィルタ14の中央(縫合線21部分)が外側に突出する。
【0015】
第1のフィルタ14の中央上部(縫合線21の上方)には、鼻12が入る切欠き22が形成されている。
この切欠き22は、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)、
図3(A)、(B)に示すように、正面視してU字状となって、マスク10の装着時に、少なくとも鼻12の鼻柱、鼻翼(小鼻)、及び、鼻尖(鼻先)が入る程度の大きさ(更に鼻梁(鼻筋)の一部又は全部が入ってもよい)に形成されている。具体的には、切欠き22の最も深い切込み位置(鼻柱の対向位置)の深さは、切欠き22が形成されていない部分の上端位置から、例えば、2~4cm程度であり、切欠き22の内幅は、最も広い部分(小鼻の位置)で、例えば、2~5cm(好ましくは、下限が2.5cm、上限が4cm)程度である。なお、切欠き22は、その内幅が開口側(上方)へ向けて徐々に狭くなっているが、同じ内幅でもよく、また、開口側へ向けて広がってもよい(V字状でもよい)。
【0016】
第1のフィルタ14の幅方向両側(両側部)には、耳23にかける耳掛け紐(耳掛け部の一例)24が設けられている。
この耳掛け紐24は、例えば、ポリエステルやポリウレタン、ゴム等で構成され、その長さが、例えば、14~20cm(好ましくは、下限が16cm、上限が18cm)程度であり、
図1(B)、
図2(B)、
図3(B)に示すように、側面視して半円環状となるように、第1のフィルタ14に固着(圧着)されている。
また、上記した耳掛け紐24の代わりに、第1のフィルタ14と同一生地で構成され、第1のフィルタ14と一体となって(連続して)形成された耳掛け部を使用することもできる。この場合、耳掛け部の中央部に耳23が入る開口部が形成される。
【0017】
第1のフィルタ14の表側の上側には、
図1(A)、(B)、
図4(A)、(B)に示すように、通気性を有する布(木綿やガーゼ等)からなる左右の生地25、26で構成された第2のフィルタ15が、被さるように配置されている。
左右の生地25、26は左右対称となって、それぞれ第1のフィルタ14を介して装着者11の目18の下(頬19)から鼻12及び口13の上方までを覆うように構成され、生地25と生地26との縫合線27が、第2のフィルタ15の幅方向中央に形成されている。なお、第2のフィルタ15(左右の生地25、26)の上端縁部及び幅方向両端縁部の輪郭形状は、第1のフィルタ14(左右の生地16、17)の上端縁部及び幅方向両端縁部の輪郭形状に合わせている。
第2のフィルタ15は、生地25、26を、その内面(第1のフィルタ14との対向面)を向き合わせるようにして、重ね合わせ、左の生地25の右端部(鼻12の中央線に相当する部分)と、右の生地26の左端部(鼻12の中央線に相当する部分)とを縫い合わせて(縫製して)、縫合線27を形成することにより製造される。これにより、
図1(B)、
図4(B)に示すように、第2のフィルタ15の中央(縫合線27部分)が外側に突出する。
【0018】
第2のフィルタ15の上部及び両側部(下部を除く周縁部)は、
図1(A)、(B)に示すように、第1のフィルタ14の上部及び上側両側部と、複数の(ここでは6箇所に設けられた)係合部28を介して接合されている。
係合部28は、対となる雄ボタン29と雌ボタン30からなるスナップボタン(点ファスナ、ドットボタンとも称す)であり、雄ボタン29が第2のフィルタ15に(
図1(A)、(B)、
図4(A)、(B))、雌ボタン30が第1のフィルタ14に(
図2(A)、(B)、
図3(A)、(B))、それぞれ取付け固定されているが、第2のフィルタ15を第1のフィルタ14に接合できれば、特に限定されるものではなく、他のボタンやホック、面ファスナ、又は、クリップ等を使用することもできる。
これにより、第2のフィルタ15は第1のフィルタ14に対して分割可能な構成となるが、係合部の構成を縫い合わせや接着(圧着)等にすることで、第1、第2のフィルタを分離不可能な一体構造とすることもできる。
【0019】
第2のフィルタ15の中央上部には、
図1(A)、(B)、
図4(A)、(B)に示すように、鼻12の形状に合わせて変形可能な保形材31が配置されている。この保形材31は、折曲げ可能で形状保持性のある樹脂(プラスチック)製や金属製の細板材等(線材でもよい)で構成され、第2のフィルタ15の上部(鼻梁(鼻筋)位置)の内部(外側でもよい)に、第2のフィルタ15の幅方向に沿って設けられている。
例えば、第2のフィルタ15の内部(生地16、17内)に、保形材31を収容可能な空洞部を第2のフィルタ15の幅方向に沿って形成し、この空洞部に保形材31を第2のフィルタ15の側方から挿通することで、保形材31を取付けることができる。また、生地を、複数枚の生地片部(薄い生地)を重ね合わせて構成し、この生地片部の上に保形材を配置した状態で他の生地片部を重ね合わせ、複数枚の生地片部を縫い合わせ等で一体にすることにより、保形材を取り付けることもできる。
【0020】
第2のフィルタ15の中央下側は、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)、
図3(A)、(B)に示すように、第1のフィルタ14の鼻下部分に設けられた鼻腔閉塞防止部材32により、第1のフィルタ14に対して持ち上げられている。
この鼻腔閉塞防止部材32は、例えば、以下の方法で形成できる。
例えば、左右の生地16、17を型抜き(基の生地から打抜き)する際に、左の生地16の右端部と右の生地17の左端部からそれぞれ突出するように閉塞防止片部33、34を型抜きする(閉塞防止片部33、34は左右の生地16、17と同じ材質)。次に、左右の生地16、17を縫い合わせる際に、閉塞防止片部33、34を左右の生地16、17に対して立設状態にし、接着(圧着)等を行って重ね合わせた状態で一体化する。
これにより、鼻腔閉塞防止部材32を左右の生地16、17に対し立設状態にすることができる。
【0021】
鼻腔閉塞防止部材32は、
図1(A)、(B)に示すように、第1のフィルタ14とこれに被さった第2のフィルタ15との間に隙間35を形成し、鼻呼吸の際の空気の出し入れをし易くするものである(
図1(A)の白抜き矢印は空気や息の流れを示す)。
従って、この条件を満足できれば、鼻腔閉塞防止部材の高さや形状は特に限定されるものではないが、第1のフィルタ14に対する第2のフィルタ15の下端部の高さ位置を、例えば、0.5~2cm(好ましくは、下限が1.0cm、上限が1.5cm)程度にするのがよい。
また、鼻腔閉塞防止部材は、左右の生地に対して立設状態を維持できるように、補強部材で補強することもできる。なお、鼻腔閉塞防止部材を第1のフィルタとは別の部材で作製し、第1のフィルタの鼻下に取付け固定することもできる。
【0022】
前記したマスク10(第1、第2のフィルタ14、15)を構成する生地(木綿やガーゼ等)は、繊維を織って形成されたものであり、絹等でもよいが、これに限定されるものではなく、不織布でもよい。
この不織布とは、繊維状構造物であって、接着剤や科学的、また、機械的に、繊維を絡ませたりくっつけたりした(繊維を織らずに絡み合わせた)シート状のものであり、その素材には、例えば、ナイロンやアクリル、ポリエステルなどの化学繊維、また、コットンや羊毛、シルクなどの天然素材等がある。なお、マスクを不織布で構成する場合は、第1のフィルタの形状を、正面視して矩形状(長方形状)とし、上下方向に広げることを可能にする複数のプリーツ部を形成することが好ましい(第2のフィルタについても同様の構成にするのがよい)。
【0023】
マスク10の使用にあっては、まず、第1のフィルタ14の上側に第2のフィルタ15を、係合部28を介して接合する。
次に、耳掛け紐24を両手で持ち、マスク10を顔面に近づける。そして、切欠き22に鼻12を入れながら、耳掛け紐24を耳23にかける。
これにより、第1のフィルタ14が顔面に密着し、鼻12を除いて口13の周囲を覆うと共に、第1のフィルタ14の上側を覆った第2のフィルタ15が鼻12を覆うので、口13を覆う空間と鼻12を覆う空間とが分離される。
更に、第1のフィルタ14に設けられた鼻腔閉塞防止部材32によって、第1のフィルタ14とこれに被さった第2のフィルタ15との間(鼻12下部分)に隙間35が形成され、鼻12からの呼気に伴う口13周辺の熱のこもりや、口13への花粉やウィルス等の流入を抑制、更には防止できる。
なお、マスク10は、第1のフィルタ14を顔面に密着させた後、この第1のフィルタ14に第2のフィルタ15を接合することもできる。
【0024】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のマスクを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、第1、第2のフィルタの上部同士を接合する係合部を、間隔をあけて複数箇所設けた場合について説明したが、第1、第2のフィルタの上部に渡って、間隔をあけることなく連続的に設けることもできる。なお、係合部は、少なくとも第1のフィルタの上部と第2のフィルタの上部とを接合できればよく、更に、第1のフィルタの上側と第2のフィルタの下部が接合されてもよい。この場合、第1のフィルタの上側と第2のフィルタの下部との間に形成される隙間が潰れないように接合する。
また、前記実施の形態においては、第1のフィルタの中央上部に切欠きのみを形成した場合について説明したが、第1のフィルタの生地によっては、切欠きを形成する対向部が外側へ開き易くなるおそれもあるため、場合によっては、切欠き(鼻筋)を跨ぐように、対向部に、鼻の形状に合わせて変形可能な保形材(例えば、第2のフィルタに配置される保形材と同様の構成)を設けることもできる。
【符号の説明】
【0025】
10:マスク、11:装着者、12:鼻、13:口、14:第1のフィルタ、15:第2のフィルタ、16、17:生地、18:目、19:頬、20:顎、21:縫合線、22:切欠き、23:耳、24:耳掛け紐(耳掛け部)、25、26:生地、27:縫合線、28:係合部、29:雄ボタン、30:雌ボタン、31:保形材、32:鼻腔閉塞防止部材、33、34:閉塞防止片部、35:隙間