(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188633
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及びゲーム画像生成方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20221214BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20221214BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20221214BHJP
G06T 15/04 20110101ALI20221214BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/52
G06T19/00 A
G06T15/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096832
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】白石 健太
(72)【発明者】
【氏名】貝原 亮太
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA27
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5B050GA08
5B080AA13
5B080BA02
5B080DA06
5B080GA22
(57)【要約】
【課題】複数のオブジェクトが別々に移動する画像を生成するゲームの処理負荷を軽減しつつ、臨場感を保つこと。
【解決手段】オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置であって、視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンに、複数のオブジェクトが動作するテクスチャをマッピングした第1ポリゴンモデルを描画するポリゴン描画部と、第1ポリゴンモデルが配置されたゲームの画像を生成する画像生成部と、ゲームにおいて別々に移動する状態となった第1ポリゴンモデルの描画を、複数のオブジェクトそれぞれのテクスチャをマッピングした複数の第2ポリゴンモデルの描画に変更するポリゴン変更部と、を有し、画像生成部は、複数の第2ポリゴンモデルが別々に移動する様子を表示するゲームの画像を生成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置であって、
前記視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンに、複数のオブジェクトが動作するテクスチャをマッピングした第1ポリゴンモデルを描画するポリゴン描画部と、
前記第1ポリゴンモデルが配置された前記ゲームの画像を生成する画像生成部と、
前記ゲームにおいて別々に移動する状態となった前記第1ポリゴンモデルの描画を、前記複数のオブジェクトそれぞれのテクスチャをマッピングした複数の第2ポリゴンモデルの描画に変更するポリゴン変更部と、
を有し、
前記画像生成部は、前記複数の第2ポリゴンモデルが別々に移動する様子を表示する前記ゲームの画像を生成すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ゲームの画像は、複数の前記第1ポリゴンモデルが配置されており、
複数の前記第1ポリゴンモデルのうち、前記ゲームにおいて攻撃を受けた前記第1ポリゴンモデルが別々に移動する状態となること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記板ポリゴンは、描画を行うポリゴン数を減少させるために利用されること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置を、
前記視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンに、複数のオブジェクトが動作するテクスチャをマッピングした第1ポリゴンモデルを描画するポリゴン描画部、
前記第1ポリゴンモデルが配置された前記ゲームの画像を生成する画像生成部、
前記ゲームにおいて別々に移動する状態となった前記第1ポリゴンモデルの描画を、前記複数のオブジェクトそれぞれのテクスチャをマッピングした複数の第2ポリゴンモデルの描画に変更するポリゴン変更部、
として機能させ、
前記画像生成部は、前記複数の第2ポリゴンモデルが別々に移動する様子を表示する前記ゲームの画像を生成すること
を特徴とするプログラム。
【請求項5】
オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置のゲーム画像生成方法であって、
前記視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンに、複数のオブジェクトが動作するテクスチャをマッピングした第1ポリゴンモデルを描画するステップと、
前記第1ポリゴンモデルが配置された前記ゲームの画像を生成するステップと、
前記ゲームにおいて別々に移動する状態となった前記第1ポリゴンモデルの描画を、前記複数のオブジェクトそれぞれのテクスチャをマッピングした複数の第2ポリゴンモデルの描画に変更するステップと、
前記複数の第2ポリゴンモデルが別々に移動する様子を表示する前記ゲームの画像を生成するステップと、
を情報処理装置が実行するゲーム画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及びゲーム画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サッカーや野球等のスポーツゲームにおいて、処理負荷を軽減しつつ、群衆である観客個々の動きを表現する一つの方法として、観客を模したテクスチャを用意し、観客席に配置した多数のポリゴンにマッピングする方法が知られている。例えば、集合を形成する個々を、個々に制御しているかのような臨場感溢れる表現を実現する技術は、従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1の技術は、スタンドに複数の観客ポリゴンを配置することで、スタンドに存在する多数の群衆である観客が形成されている。観客ポリゴンは、矩形状の1つの板ポリゴンに複数枚の観客テクスチャをマッピングすることで生成される。また、観客テクスチャは、観客を模したオブジェクト(モデル)である観客モデルをレンダリングして得られるテクスチャである。
【0005】
近年、大量に現れる敵キャラクタをプレイヤキャラクタがなぎ倒す無双系ゲームが知られるようになった。無双系ゲームは、一度に大量の敵キャラクタが表れるため、1つの板ポリゴンに複数枚の敵テクスチャをマッピングして敵ポリゴンモデルを生成することで、ゲーム画面に配置するポリゴン数を減少させて、処理負荷を軽減できる。
【0006】
しかし、1つの板ポリゴンに複数枚の敵テクスチャをマッピングした敵ポリゴンモデルを使用する場合、例えばプレイヤキャラクタの攻撃により吹き飛ばされたり、逃げたりする敵キャラクタモデルは、板ポリゴンの単位で逃げたり、吹き飛ばされたり、することになり、臨場感を損なう恐れがあった。なお、特許文献1は、このような課題を解決するものではない。
【0007】
本開示は、複数のオブジェクトが別々に移動する画像を生成するゲームの処理負荷を軽減しつつ、臨場感を保つことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置であって、前記視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンに、複数のオブジェクトが動作するテクスチャをマッピングした第1ポリゴンモデルを描画するポリゴン描画部と、前記第1ポリゴンモデルが配置された前記ゲームの画像を生成する画像生成部と、前記ゲームにおいて別々に移動する状態となった前記第1ポリゴンモデルの描画を、前記複数のオブジェクトそれぞれのテクスチャをマッピングした複数の第2ポリゴンモデルの描画に変更するポリゴン変更部と、を有し、前記画像生成部は、前記複数の第2ポリゴンモデルが別々に移動する様子を表示する前記ゲームの画像を生成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のオブジェクトが別々に移動する画像を生成するゲームの処理負荷を軽減しつつ、臨場感を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】複数敵ポリゴンモデル及び単体敵ポリゴンモデルの構成を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るゲームシステムの処理の一例のフローチャートである。
【
図6】複数敵ポリゴンモデル及び単体敵ポリゴンモデルがオブジェクトとして配置されたゲームの画像の一例のイメージ図である。
【
図7】吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデルが単体敵ポリゴンモデルの描画に変更されたゲームの画像の一例のイメージ図である。
【
図8】複数敵ポリゴンモデルから変更された単体敵ポリゴンが吹き飛ばされる様子を表したゲームの画像の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0012】
[システム構成]
まず、一実施形態に係るゲーム画像生成方法を実現するシステム構成について
図1を参照して説明する。
図1は本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。一実施形態に係るゲームシステムは
図1(A)に示す情報処理装置10又は
図1(B)に示す情報処理システムにより構成される。
図1(A)の情報処理装置10は、ユーザが操作するコンピュータである。
図1(A)の情報処理装置10は、ユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、又はキーボード等で受け付けて、操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を表示する。
【0013】
また、
図1(B)の情報処理システムは情報処理装置10とサーバ装置14とがネットワーク18を介して通信可能に接続された構成である。
図1(B)の情報処理装置10は
図1(A)と同様なコンピュータである。
図1(B)のサーバ装置14も
図1(A)と同様なコンピュータで実現できる。
【0014】
サーバ装置14は情報処理装置10との間でデータを送受信することで、情報処理装置10が受け付けたユーザの操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を情報処理装置10に提供する。情報処理装置10はサーバ装置14から提供された実行結果を表示する。
【0015】
サーバ装置14はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1(B)に示したサーバ装置14の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。サーバ装置14は情報処理装置10へのプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理、ユーザのログイン処理、又は各種データベースを管理する処理、などに利用してもよい。なお、
図1のシステム構成は一例である。
【0016】
[ハードウェア構成]
本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図2に示すように構成される。サーバ装置14の構成は情報処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
図2は本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0017】
図2の情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、及び出力装置108を有する。CPU100はプログラムに従って情報処理装置10を制御する。記憶装置102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。
【0018】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。
図2のハードウェア構成は一例である。
【0019】
[機能ブロック]
以下では、情報処理装置10がプレイヤなどのユーザから実行中のゲームに対する操作を受け付け、操作に応じたゲームの画像を生成して表示することで、ユーザにゲームをプレイさせる場合の機能構成例を説明する。
図3の機能構成は一例であって、例えば
図3に示した機能構成の少なくとも一部をサーバ装置14に設け、情報処理装置10とサーバ装置14とが連携して処理を行うようにしてもよい。
【0020】
図3は本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図3の情報処理装置10は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。
【0021】
記憶部210は、ゲームプログラム212、オブジェクトDB214、テクスチャDB216、及びポリゴンDB218を記憶する。記憶部210は記憶装置102で実現してもよいし、ネットワーク18等を介して接続された記憶装置により実現してもよい。
【0022】
ゲームプログラム212は、CPU100が実行するゲーム処理のプログラムの一例である。オブジェクトDB214は、ゲームの画像に表示されるプレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトに関する情報を記憶している。
【0023】
テクスチャDB216はプレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトのテクスチャに関する情報を記憶している。プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトのテクスチャは、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトのモデルをレンダリングして得られる。
【0024】
ポリゴンDB218は、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトのテクスチャを少なくとも1つのポリゴンにマッピングして生成されるポリゴンモデルに関する情報を記憶している。3DCGソフトウェア等では、ポリゴン、メッシュ、及びサーフェスを区別して呼ぶが、ここでは単にポリゴンと呼んでいる。本実施形態では、オブジェクト空間内に例えば敵キャラクタのポリゴンモデル(以下、敵ポリゴンモデルと呼ぶ)が配置され、オブジェクト空間内を所定の視点(仮想カメラ)から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる。
【0025】
オブジェクト空間とは、3次元座標系上にオブジェクトのポリゴンモデルが存在する空間のことである。オブジェクトのポリゴンモデルは、3次元のコンピュータグラフィックスでオブジェクト空間内に配置される。なお、本実施形態におけるポリゴンモデルには、ビルボードと呼ばれる板ポリゴンによりオブジェクトを作ったポリゴンモデルと、モデリングによりオブジェクトの形状を作ったポリゴンモデルと、が含まれる。ビルボードとはオブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成する場合に、視点に対して正面を向くように位置が制御される板ポリゴンである。
【0026】
制御部200は情報処理装置10の全体の制御を行う。情報処理装置10の全体の制御には、ユーザから実行中のゲームに対する操作を受け付け、操作に応じたゲームの画像を生成して表示する制御が含まれる。
【0027】
制御部200は、CPU100がゲームプログラム212などのプログラムに記載された処理を実行することにより実現される。
図3の制御部200は、ゲーム制御部230を有する構成である。また、ゲーム制御部230は、テクスチャ生成部240、ポリゴン描画部242、ポリゴン変更部244、画像生成部246、及び攻撃判定部248を有する構成である。
【0028】
ゲーム制御部230はゲームに関する制御を行う。例えばゲーム制御部230はゲーム処理を実行し、実行中のゲーム処理に従ってゲームの画像を生成し、ゲームの画面として出力装置108に表示させる。
【0029】
テクスチャ生成部240は、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタなどのオブジェクトのモデルをレンダリングして、オブジェクトのテクスチャを生成する。ポリゴン描画部242は後述のポリゴンモデルにテクスチャをマッピングして、後述するような敵ポリゴンモデルをレンダリング(描画)する。
【0030】
ポリゴン描画部242が描画するポリゴンモデルには、ビルボードと呼ばれる板ポリゴンに、複数の敵キャラクタが動作するテクスチャをマッピングしたポリゴンモデル(以下、複数敵ポリゴンモデルと呼ぶ)が含まれる。
【0031】
また、ポリゴン描画部242が描画するポリゴンには、オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成する場合に、単体の敵キャラクタが動作するテクスチャをマッピングしたポリゴンモデル(以下、単体敵ポリゴンモデルと呼ぶ)が含まれる。
【0032】
ポリゴン変更部244は、ゲームの画像に表示されている複数敵ポリゴンモデルが攻撃などを受けて吹き飛ばされたり、逃げたりする状態となった場合に、複数敵ポリゴンモデルの描画を、単体敵ポリゴンモデルの描画に変更する処理を行う。なお、吹き飛ばされる状態、及び逃げる状態は、別々に移動する状態の一例である。以下では、別々に移動する状態の一例として、複数の敵キャラクタが別々の方向に吹き飛ばされる状態について説明する。ポリゴン変更部244は、吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデルにより表示されている複数の敵キャラクタの描画を、複数の単体敵ポリゴンモデルの描画に変更することで、複数の敵キャラクタが別々に吹き飛ばされる様子など、異なるアクションの表示を可能とする。
【0033】
画像生成部246は、オブジェクトDB214に記憶されているオブジェクトに関する情報、テクスチャDB216に記憶されているオブジェクトのテクスチャに関する情報、ポリゴンDB218に記憶されているポリゴンモデルに関する情報などに従って、実行中のゲームの画像を生成する。画像生成部246は、オブジェクト空間内にプレイヤキャラクタのポリゴンモデル、複数敵ポリゴンモデル、単体敵ポリゴンモデルなどが配置されたゲームの画像を生成する。
【0034】
そして、攻撃判定部248は、ゲームの画像に表示されている敵キャラクタのうち、攻撃を受け付けた敵キャラクタを判定して、吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデルを決定する。
【0035】
操作受付部202は入力装置106に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部204は制御部200の制御に従って各種画面を出力装置108に表示する。操作受付部202はCPU100がプログラムに従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU100がプログラムに従って出力装置108を制御することにより実現される。入力装置106に対するユーザの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるため、ユーザが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204は、制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。
【0036】
通信部206は、ネットワーク18等を介して通信する。通信部206はCPU100がプログラムを実行し、プログラムに従って通信装置104を制御することにより実現される。
【0037】
[複数敵ポリゴンと単体敵ポリゴン]
図4は、複数敵ポリゴンモデル及び単体敵ポリゴンモデルの構成を示す図である。
図4(A)は複数敵ポリゴンモデル1004の構成を示している。
図4(B)は単体敵ポリゴンモデル1014の構成を示している。
【0038】
複数敵ポリゴンモデル1004は、ビルボードと呼ばれる板ポリゴン1002に複数(
図4では3体)の敵キャラクタのテクスチャ1000をマッピングして生成される。なお、
図4のテクスチャ1000は同一の敵キャラクタをレンダリングして得られたテクスチャの例を示しているが、異なる敵キャラクタをレンダリングして得られたテクスチャであってもよい。また、単体敵ポリゴンモデル1014は通常のポリゴンモデル1012に単体の敵キャラクタのテクスチャ1010をマッピングして生成される。
【0039】
図4に示すように、複数敵ポリゴンモデル1004は複数の敵キャラクタを1つの板ポリゴン1002で描画できるため、描画を行うポリゴン数を減少させることができ、ゲームの画像を生成する処理負荷を軽減できる。しかし、複数敵ポリゴンモデル1004は複数の敵キャラクタを1つの板ポリゴン1002で描画しているため、このまま敵キャラクタが吹き飛ばされる様子を表示した場合に、複数の敵キャラクタが全く同じように吹き飛ばされる表示となり、臨場感を損なう恐れが生じる。
【0040】
一方、単体敵ポリゴンモデル1014は、1体の敵キャラクタを1つのポリゴンモデル1012で描画しているため、複数敵ポリゴンモデル1004よりも描画を行うポリゴン数を減少させることができないが、複数の敵キャラクタを別々に(バラバラに)吹き飛ばす表示が可能となり、臨場感を保つことができる。
【0041】
そこで、本実施形態では、複数の敵キャラクタが吹き飛ばされる画像を生成するゲームの処理負荷を軽減しつつ、臨場感を保つために、ゲームの画像に配置されている複数敵ポリゴンモデル1004のうち、吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデル1004の描画を複数の単体敵ポリゴンモデル1014の描画に変更する。
【0042】
より具体的に、
図4の例では複数敵ポリゴンモデル1004で表示されている3体の敵キャラクタが吹き飛ばされる状態となると、3つの単体敵ポリゴンモデル1014で、3体の敵キャラクタを表示することで、3体の敵キャラクタを別々に吹き飛ばす表示が可能となる。
【0043】
[処理]
以下では、本実施形態に係るゲームシステムがユーザからゲームに対する操作を受け付けて、その操作に応じたゲームの画像を生成して出力装置108に表示(出力)する処理例を説明する。
図5は本実施形態に係るゲームシステムの処理の一例のフローチャートである。
【0044】
ステップS10において、情報処理装置10はゲームのプレイを開始する操作をユーザから受け付ける。情報処理装置10のゲーム制御部230は、ユーザから受け付けた操作に従って、ゲーム処理の実行を開始する。
【0045】
ステップS12において、ゲーム制御部230は生成するゲームの画像に必要なプレイヤキャラクタ、敵キャラクタなどのオブジェクトのモデルを選択し、それぞれのモデルのテクスチャの生成をテクスチャ生成部240に要求する。テクスチャ生成部240は要求を受け付けたオブジェクトのテクスチャを生成する。
【0046】
ポリゴン描画部242は例えば
図4に示した板ポリゴン1002又は通常のポリゴンモデル1012に敵キャラクタのオブジェクトのテクスチャをマッピングして、複数敵ポリゴンモデル1004又は単体敵ポリゴンモデル1014を描画する。画像生成部246はオブジェクト空間内に複数敵ポリゴンモデル1004、及び単体敵ポリゴンモデル1014がオブジェクトとして配置されたゲームの画像を生成する。出力制御部204は画像生成部246が生成したゲームの画像を出力装置108に表示する。
【0047】
図6は複数敵ポリゴンモデル及び単体敵ポリゴンモデルがオブジェクトとして配置されたゲームの画像の一例のイメージ図である。
図6は、複数敵ポリゴンモデル2000~2014と、単体敵ポリゴンモデル1014がオブジェクトとして配置されたゲームの画像の例を示している。なお、
図6では複数敵ポリゴンモデル2000~2014を認識しやすくするため、点線で囲っている。複数敵ポリゴンモデル2000~2014を囲う点線は実際のゲームの画像に表示されるものではない。また、
図6ではプレイヤキャラクタのポリゴンモデルがオブジェクトとして配置されないゲームの画像例を示している。
【0048】
ステップS14において、ゲーム制御部230は敵キャラクタに対する攻撃が行われたか否かを判定する。敵キャラクタに対する攻撃が行われていなければ、ゲーム制御部230はステップS16~S20の処理をスキップし、ステップS22の処理を行う。
【0049】
敵キャラクタに対する攻撃が行われていれば、ゲーム制御部230の攻撃判定部248はステップS16の処理を行う。ステップS16において、攻撃判定部248はゲームの画像に表示されている複数敵ポリゴンモデル1004が攻撃の対象となり、吹き飛ばされる状態となったか判定する。
【0050】
複数敵ポリゴンモデル1004が吹き飛ばされる状態となっていなければ、ゲーム制御部230は吹き飛ばされる状態となったのが単体敵ポリゴンモデル1014であると判定して、ステップS18の処理をスキップし、ステップS20の処理を行う。
【0051】
複数敵ポリゴンモデル1004が吹き飛ばされる状態となっていれば、ポリゴン変更部244はステップS18の処理を行う。ステップS18において、ポリゴン変更部244は吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデル1004の描画を単体敵ポリゴンモデルの描画に変更する処理を行ったあと、ステップS20の処理を行う。
【0052】
図7は吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデルが単体敵ポリゴンモデルの描画に変更されたゲームの画像の一例のイメージ図である。
図7は、
図6のゲームの画像に配置された複数敵ポリゴンモデル2002が吹き飛ばされる状態となった例であり、複数敵ポリゴンモデル2002の描画が、3体の単体敵ポリゴンモデル2018~2022の描画に変更されている。
【0053】
ステップS18の処理では、
図7の画面イメージの場合、吹き飛ばされる状態となった1つの複数敵ポリゴンモデル2002を、3体の単体敵ポリゴンモデル2018~2022に分離している。
【0054】
ステップS20において、画像生成部246は複数敵ポリゴンモデル1004から変更された単体敵ポリゴンモデル1014を含め、吹き飛ばされる状態の単体敵ポリゴンモデル1014が別々に吹き飛ばされる状態のゲームの画像を生成する。出力制御部204は画像生成部246が生成したゲームの画像を出力装置108に表示する。
【0055】
図8は複数敵ポリゴンモデルから変更された単体敵ポリゴンが吹き飛ばされる様子を表したゲームの画像の一例のイメージ図である。
図8は、吹き飛ばされる状態となった複数敵ポリゴンモデル2002から変更された3体の単体敵ポリゴンモデル2018~2022が、別々の方向に吹き飛ばされるという異なるアクションが表示されている。
【0056】
ステップS22において、ゲーム制御部230はゲーム終了か否かを判定する。ゲーム終了でなければ、ゲーム制御部230はステップS12に戻り、ステップS12以降に示したゲームの処理を継続する。なお、ゲーム終了であれば、ゲーム制御部230は
図5のフローチャートの処理を終了する。
【0057】
このように、本実施形態では吹き飛ばされる状態となる前の敵キャラクタを複数敵ポリゴンモデル1004で描画して処理負荷を軽減しつつ、攻撃などにより吹き飛ばされる状態となった敵キャラクタを単体敵ポリゴンモデル1014で描画し直し、敵キャラクタが吹き飛ばされる場面の臨場感を保つことが可能となる。
【0058】
本実施形態ではゲームの画像の例を説明したが、ソーシャルネットワークサービスの利用者のアバターやノンプレイヤキャラクタ(NPC)が交流する仮想空間内を所定の視点から見た画像において、利用者のアバターやNPCが飛び回る状態などの別々に移動する状態に変化する画面などへの適用も可能である。
【0059】
本実施形態によれば、オブジェクト空間内を所定の視点から見た画像を生成してユーザにゲームを実行させる情報処理装置10において、複数のオブジェクトが別々の方向に吹き飛ばされたり複数のオブジェクトが別々の方向に逃げたりする画像を生成するゲームの処理負荷を軽減しつつ、臨場感を保つことができる。
【0060】
開示した一実施形態の情報処理装置は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0061】
10 情報処理装置
14 サーバ装置
18 ネットワーク
200 制御部
202 操作受付部
204 出力制御部
206 通信部
210 記憶部
212 ゲームプログラム
214 オブジェクトDB
216 テクスチャDB
218 ポリゴンDB
230 ゲーム制御部
240 テクスチャ生成部
242 ポリゴン描画部
244 ポリゴン変更部
246 画像生成部
248 攻撃判定部