(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188639
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ボックス装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096848
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】河部 行則
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA01
(57)【要約】
【課題】2つの荷物受取部が設けられたボック装置に係り、どちらの荷物受取部を左右どちらの住戸の住人が使用するのか判別しやすいボックス装置を提供する。
【解決手段】右開きの荷物受取ボックス10の前側に左開きの荷物受取ボックス20を並設して構成されていて、廊下に住戸の玄関が左右方向へ並んでいる集合住宅等において、荷物受取ボックス10の背面を玄関が設けられている壁面側に向けた姿勢で設置するようにした。また、右開きの荷物受取ボックス10については、操作部13と窓14とをボックス本体11の左側面板11Aに設けるとともに、天板12の右側縁に沿って上方へ突出するリブ16を設けている一方、左開きの荷物受取ボックス20については、操作部と窓24とをボックス本体21の右側面板に設けるとともに、天板22の左側縁に沿って上方へ突出するリブ26を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する箱状の荷物受取部が前後に2つ並設されているとともに、
後側の前記荷物受取部の開口を開閉する第1の天板と、前側の前記荷物受取部の開口を開閉する第2の天板とが、それぞれ左右反対側に片開き可能となっており、
住戸の玄関が左右方向へ並んだ場所において、左右で隣り合う前記玄関同士の間に設置されることを特徴とするボックス装置。
【請求項2】
2つの前記荷物受取部のうち、前記天板が右開きする前記荷物受取部については、当該荷物受取部の左側面に前記天板を閉塞状態のままロック/解除するための第1の操作部が設けられている一方、
前記天板が左開きする前記荷物受取部については、当該荷物受取部の右側面に前記天板を閉塞状態のままロック/解除するための第2の操作部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のボックス装置。
【請求項3】
前記天板の蝶着側の側縁に沿って、上方へ突出するリブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボックス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば宅配業者が配達した荷物が収納される荷物受取ボックス等を用いたボックス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば宅配業者が荷物を配達した際、居住者が不在であっても荷物を受け取るための荷物受取ボックスを用いたボックス装置が普及しつつある(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、荷物受取ボックスを所定方向へ2つ並設する等して2つの荷物受取部が設けられたボックス装置を構成し、該ボックス装置を、たとえば集合住宅の廊下等において左右に隣り合う住戸の間に設置して、両住戸で荷物受取部を使い分けるような使用形態が考えられている。しかしながら、そのようなボックス装置では、どちらの荷物受取部を左右どちらの住戸の住人が使用するのか判別しづらい(特に宅配業者にとって判別しづらい)という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、2つの荷物受取部が設けられたボック装置に係り、どちらの荷物受取部を左右どちらの住戸の住人が使用するのか判別しやすいボックス装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、上方に開口する箱状の荷物受取部が前後に2つ並設されているとともに、後側の前記荷物受取部の開口を開閉する第1の天板と、前側の前記荷物受取部の開口を開閉する第2の天板とが、それぞれ左右反対側に片開き可能となっており、住戸の玄関が左右方向へ並んだ場所において、左右で隣り合う前記玄関同士の間に設置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2つの前記荷物受取部のうち、前記天板が右開きする前記荷物受取部については、当該荷物受取部の左側面に前記天板を閉塞状態のままロック/解除するための第1の操作部が設けられている一方、前記天板が左開きする前記荷物受取部については、当該荷物受取部の右側面に前記天板を閉塞状態のままロック/解除するための第2の操作部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記天板の蝶着側の側縁に沿って、上方へ突出するリブが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上方に開口する箱状の荷物受取部が前後に2つ並設されているとともに、後側の荷物受取部の開口を開閉する第1の天板と、前側の荷物受取部の開口を開閉する第2の天板とが、それぞれ左右反対側に片開き可能となっており、住戸の玄関が左右方向へ並んだ場所において、左右で隣り合う前記玄関同士の間に設置されるようになっている。したがって、右開きの荷物受取部については、天板を開くと上方及び左方に広く開放される一方、左開きの荷物受取部については、天板を開くと上方及び右方に広く開放されることを考えると、右開きの荷物受取部をボックス装置の左側の住戸の住人が、左開きの荷物受取部をボックス装置の右側の住戸の住人が夫々使用することで使い勝手の良いボックス装置とすることができる。また、使用者にしても宅配業者にしても、前後どちらの荷物受取部を左右どちらの住戸の住人が使用するのか判別しやすいボックス装置とすることができる。
さらに、請求項2及び3に記載の発明によれば、2つの荷物受取部のうち、天板が右開きする荷物受取部については、当該荷物受取部の左側面に、天板を閉塞状態のままロック/解除するための第1の操作部が設けられていたり(請求項2)、天板の右側縁に沿って上方へ突出するリブが設けられていたり(請求項3)する一方、天板が左開きする荷物受取部については、当該荷物受取部の右側面に扉を閉塞状態のままロック/解除するための第2の操作部が設けられていたり(請求項2)、天板の左側縁に沿って上方へ突出するリブが設けられていたり(請求項3)するため、上記判別が更にしやすいボックス装置とすることができる。加えて、各天板の上面を略平面として構成することができるため、閉塞状態にある各天板上に腰を掛けたり荷物を載置したりしやすく、汎用性の高いボックス装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】天板が閉じられているボックス装置を示した斜視説明図である。
【
図2】天板が開かれているボックス装置を示した斜視説明図である。
【
図3】右開きの荷物受取ボックスを示した斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるボックス装置について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、天板12、22が閉じられているボックス装置1を示した斜視説明図であり、
図2は、天板12、22が開かれているボックス装置1を示した斜視説明図である。
図3は、右開きの荷物受取ボックス10を示した斜視説明図である。
【0011】
ボックス装置1は、2つの荷物受取ボックス10、20を前後に並設してなるもので、各荷物受取ボックス10、20は、図示しない荷物を収納するためのボックス本体11、21と、ボックス本体11、21に対して片開き可能に取り付けられた天板12、22とを備えてなる。
【0012】
まず、荷物受取ボックス10について説明すると、ボックス本体11は、底板、前板、背板、及び左右両側板を有して上面が開口する箱体とされている。そして、ボックス本体11の左側面板11Aには、天板12を閉塞状態のままロック/解除する際に回転操作する操作部13が設けられている。また、操作部13に隣接する位置には、左側面板11Aを貫通し、天板12を閉塞した状態においてもボックス本体11の内部空間を視認可能な窓14が開設されている。さらに、ボックス本体11の左側面板11Aの表面には、操作部13及び窓14の外側を被覆可能なカバー15が、ボックス本体11に対して着脱自在に取り付けられている。一方、天板12は、ボックス本体11の上面開口を開閉することで、ボックス本体11の内部空間(荷物を収納するための空間)を開閉するものであって、ボックス本体11の上面開口における右側縁に右開き可能に蝶着されている。また、天板12の上面は略平面とされていて、使用者が腰掛けたり、手荷物等を天板12上に載置したりすることができるようになっている。さらに、天板12の右側縁(蝶着側の縁)には、上方へ突出するリブ16が天板12の右側縁に沿って延設されており、使用者が荷物受取ボックス10に腰掛ける際の背もたれ等として機能する。なお、ボックス本体11の左側面板11Aの内面側には、操作部13の回転操作に応じて回動するロック部材(図示せず)が設けられている一方、天板12には、ロック時にロック部材が係合する係合部材18が設けられている。
【0013】
一方、荷物受取ボックス20のボックス本体21は、ボックス本体11同様、底板、前板、背板、及び左右両側板を有して上面が開口する箱体とされている。ただ、ボックス本体21では、右側面板21Aに、天板22を閉塞状態のままロック/解除する際に回転操作する操作部(図示せず)と、操作部に隣接した位置において右側面板21Aを貫通していて、天板22を閉塞した状態においてもボックス本体21の内部空間を視認可能な窓24とが設けられている。また、天板22は、ボックス本体21の上面開口を開閉することで、ボックス本体21の内部空間(荷物を収納するための空間)を開閉するものであるが、天板12とは異なり、ボックス本体21の上面開口における左側縁に左開き可能に蝶着されている。そして、天板22は、天板12同様、その上面が略平面とされていて、使用者が腰掛けたり、手荷物等を天板22上に載置したりすることができるようになっている。また、天板22の左側縁(蝶着側の縁)には、上方へ突出するリブ26が天板22の左側縁に沿って延設されており、使用者が荷物受取ボックス20に腰掛ける際の背もたれ等として機能する。なお、27は、ボックス本体21の右側面板21Aの内面側に設けられ、操作部の回転操作に応じて回動するロック部材であり、荷物受取ボックス10同様、天板22のロック時には、ロック部材27が天板22に設けられた係合部材28に係合するようになっている。また、荷物受取ボックス20にも、操作部及び窓24の外側を被覆可能なカバー(図示せず)が、ボックス本体21の表面に対して着脱自在に取り付けられている。
【0014】
そして、ボックス装置1は、右開きの荷物受取ボックス10の前側に左開きの荷物受取ボックス20を並設して構成される。また、該ボックス装置1は、廊下に住戸の玄関が左右方向へ並んでいる集合住宅等において、左右で隣り合う玄関同士の間に、荷物受取ボックス10の背面を玄関が設けられている壁面側に向けた姿勢で設置される。
【0015】
上述したように設置されるボックス装置1では、操作部13と窓14とが左側に位置すること、天板12を開いた際にボックス本体11の上方及び左方が広く開放されること、及びリブ16が天板12の右側に位置することから、使い勝手の良さを考えると、奥側(後側)に配されている右開きの荷物受取ボックス10に関しては、ボックス装置1の左側に玄関のある住戸の住人が使用すればよい。一方、操作部と窓24とが右側に位置すること、天板22を開いた際にボックス本体11の上方及び右方が広く開放されること、及びリブ26が天板22の左側に位置することから、手前側に配されている左開きの荷物受取ボックス20に関しては、ボックス装置1の右側に玄関のある住戸の住人が使用すればよい。
【0016】
以上のような構成を有するボックス装置1によれば、右開きの荷物受取ボックス10の前側に左開きの荷物受取ボックス20を並設して構成されていて、廊下に住戸の玄関が左右方向へ並んでいる集合住宅等において、荷物受取ボックス10の背面を玄関が設けられている壁面側に向けた姿勢で設置される。したがって、天板12を開いた際にボックス本体11の上方及び左方が広く開放されることから、右開きの荷物受取ボックス10に関しては、ボックス装置1の左側に玄関のある住戸の住人が使用する一方、天板22を開いた際にボックス本体11の上方及び右方が広く開放されることから、左開きの荷物受取ボックス20に関しては、ボックス装置1の右側に玄関のある住戸の住人が使用するようにすることで、使い勝手の良いボックス装置1とすることができる。また、使用者にしても宅配業者にしても、荷物受取ボックス10と荷物受取ボックス20とのどちらを左右どちらの住戸の住人が使用するのか判別しやすいボックス装置1とすることができる。
【0017】
また、右開きの荷物受取ボックス10については、操作部13と窓14とをボックス本体11の左側面板11Aに設けるとともに、天板12の右側縁に沿って上方へ突出するリブ16を設けている一方、左開きの荷物受取ボックス20については、操作部と窓24とをボックス本体21の右側面板21Aに設けるとともに、天板22の左側縁に沿って上方へ突出するリブ26を設けているため、荷物受取ボックス10と荷物受取ボックス20とのどちらを左右どちらの住戸の住人が使用するのかの判別が更にしやすいボックス装置1とすることができる。加えて、天板12及び天板22の上面を略平面として構成することができるため、閉塞状態にある各天板12、22上に腰を掛けたり荷物を載置したりしやすく、汎用性の高いボックス装置1とすることができる。
【0018】
なお、本発明のボックス装置に係る構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、ボックス装置の全体的な構造は勿論、各荷物受取部や天板のロック/解除に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0019】
たとえば、上記実施形態では、荷物受取ボックスを前後に2つ積み重ねることで、上方に開口する箱状の荷物受取部を前後に2つ並設するとしているが、前後方向へ長いボックス本体の内部空間を前後で仕切ることにより、上方に開口する箱状の荷物受取部を前後に2つ並設するとしてもよい。すなわち、1つの荷物受取ボックスでボックス装置を構成することも可能である。
【0020】
また、天板にリブを設けるか否か等については適宜設計変更可能であるし、後側の荷物受取部に係る天板を左開きとし、前側の荷物受取部に係る天板を右開きとしても何ら問題はなく、各荷物受取部に係る具体的構成や前後の天板のどちらを右開きにするか等の具体的構成については適宜設計変更することができる。
【0021】
さらに、上記実施形態の荷物受取ボックスでは操作部や窓をカバーで被覆するとしているが、カバー等を設けることなく露出させていても何ら問題はない。
さらにまた、窓に係り、たとえば透明な合成樹脂により成形された透明部として構成してもよいし、開口に透明板を嵌め込んで窓を構成しても何ら問題はない。
加えて、上記実施形態におけるボックス装置において、操作部やロック部材からなるロック機構をシリンダー錠等の施錠機構として構成することは当然可能であるし、施錠機構として従来周知の電子錠を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0022】
1・・ボックス装置、10、20・・荷物受取ボックス(荷物受取部)、12・・天板(第1の天板)、13・・操作部(第1の操作部)、14、24・・窓、16、26・・リブ、22・・天板(第2の天板)。