(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188640
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】計量装置、計量システム、及び計量方法
(51)【国際特許分類】
G01G 19/414 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
G01G19/414 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096849
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】西野 賢一
(57)【要約】
【課題】容器に投入される商品の計量販売に係る処理を改善すること。
【解決手段】計量装置10は、容器20を識別するための容器識別子を取得する取得部141と、計量を行う計量部11と、容器20に購入対象商品を投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断部143と、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、購入対象商品の候補に指定する指定部145と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を識別するための容器識別子を取得する取得部と、
計量を行う計量部と、
前記容器に購入対象商品を投入する前に計量された容器重量と、前記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断部と、
前記重量差が前記所定の範囲である場合、前記容器識別子に関連付けられた商品を、前記購入対象商品の候補に指定する指定部と、を備える計量装置。
【請求項2】
前記指定部は、前記重量差が前記所定の範囲である場合、前記容器識別子に関連付けられた商品を、前記購入対象商品の候補に指定し、前記重量差が前記所定の範囲外である場合、複数の商品を、前記購入対象商品の候補に指定する、請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記容器に付された記録媒体から、前記容器識別子を取得する、請求項1又は2記載の計量装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記容器識別子に関連付けられた風袋重量を更に取得する、請求項1乃至3のうち何れか1項記載の計量装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記容器識別子に関連付けられた商品識別子を更に取得し、
前記指定部は、前記重量差が所定の範囲である場合、前記商品識別子により識別される商品を、前記購入対象商品の候補に指定する、請求項1乃至4のうち何れか1項記載の計量装置。
【請求項6】
前記重量差が前記所定の範囲よりも大きい場合に、前記容器を利用した現在の購入処理を中止し、他の容器識別子の取得のための待機状態に移行する処理部を更に備える、請求項1乃至5のうち何れか1項記載の計量装置。
【請求項7】
容器を識別するための容器識別子を取得する取得手段と、
計量を行う計量手段と、
購入対象商品を前記容器に投入する前に計量された容器重量と、前記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断手段と、
前記重量差が所定の範囲である場合、前記容器識別子に関連付けられた商品を、前記購入対象商品の候補に指定する指定手段と、を備える計量システム。
【請求項8】
容器を識別するための容器識別子を取得することと、
購入対象商品の投入前の前記容器を計量することと、
前記計量が行われた容器重量と、前記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断することと、
前記重量差が所定の範囲である場合、前記容器識別子に関連付けられた商品を、前記購入対象商品の候補に指定することと、を備える計量方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量を行う計量装置、計量システム、及び計量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、顧客自身の操作に応じて計量された商品を販売するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
環境問題への取り組みとして、容器の再利用が注目されている。商品販売においても、容器の再利用の必要性が高まっている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、容器に投入される商品の計量販売に係る処理を改善することが可能な計量装置、計量システム、及び計量方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である計量装置は、容器を識別するための容器識別子を取得する取得部と、計量を行う計量部と、上記容器に購入対象商品を投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断部と、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する指定部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様である計量システムは、容器を識別するための容器識別子を取得する取得手段と、計量を行う計量手段と、購入対象商品を上記容器に投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断手段と、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する指定手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様である計量方法は、容器を識別するための容器識別子を取得することと、購入対象商品の投入前の前記容器を計量することと、上記計量が行われた容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断することと、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定することと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る計量装置10が適用された店舗の例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、計量装置10の外観の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、計量装置10の構成の一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、容器20を利用した商品購入の概要を説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、無線タグ25により記憶される種々の情報の具体例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、指定された商品を購入対象商品として顧客により選択するための案内画面600の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、複数の候補から購入対象商品の選択するための案内画面の具体例を示す図である。
【
図8】
図8は、顧客による購入対象商品の選択のために行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、購入対象商品の選択後に行われる手順の概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0011】
説明は、以下の順序で行われる。
1.実施形態の概要
2.実施形態に係る計量装置
2.1.計量装置10が適用された店舗の例
2.2.計量装置10の構成
2.2.1.容器20を利用した商品購入の概要
2.3.容器20を再利用した商品販売に関する動作例
2.4.変形例
3.他の実施形態
4.実施形態の総括
【0012】
<<1.実施形態の概要>>
まず、実施形態の概要を説明する。
【0013】
(1)技術的課題
例えば、顧客自身の操作に応じて計量された商品を販売するシステムが知られている。
【0014】
環境問題への取り組みとして、容器の再利用が注目されている。顧客自身により商品の購入操作を行うセルフ販売においても、容器の再利用の必要性が高まっている。とりわけ、顧客が繰り返し購入するような商品は、例えば容器に商品を継ぎ足しするなど、商品を使い切る前に補充するような需要もある。このような需要に対応できる購入方法も望まれている。
【0015】
本実施形態は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば、顧客自身の操作に応じて、容器に投入される商品の計量販売に係る処理を改善することを目的とする。
【0016】
(2)動作例
本実施形態では、例えば、容器を識別するための容器識別子を取得し、購入対象商品の投入前の上記容器を計量し、上記計量が行われた容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断し、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する。
【0017】
これにより、顧客自身の操作に応じて計量された商品の販売に係る処理を改善することが可能になる。より具体的には、購入対象商品の投入前に計量された容器重量と容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が、所定の範囲である場合には、当該容器に商品を継ぎ足し購入することを顧客が希望するものと判断して、容器識別子に関連付けられた商品を上記購入対象商品の候補(繰り返し購入対象となりうる商品の候補)に指定することができる。
【0018】
このため、本実施形態によれば、容器に残った商品と同じ商品を当該容器に継ぎ足すような購入時に、継ぎ足し購入対象となる商品を上記購入対象商品の候補に指定することで、顧客が容易に希望する商品を選択することが可能になる。
【0019】
<<2.実施形態に係る計量装置>>
次に、
図1から
図9を参照して、本実施形態に係る計量装置を説明する。
【0020】
<2.1.計量装置10が適用された店舗の例>
図1は、本実施形態に係る計量装置10が適用された店舗の例を示す説明図である。
図1は、店舗内の様子を示している。画面右奥側は、商品(ドライフルーツ(DRIED FRUITS)、ナッツ(NATS)、豆(SEEDS)等の量り売りする商品)の陳列エリアである。画面左手前側は、計量装置10などが設けられた計量エリアである。
【0021】
陳列エリアには、ドライフルーツの種類毎に陳列容器300が並べられている。陳列容器300は、上蓋部310を有する。陳列容器300に並べられた商品を購入する場合には、顧客は、陳列容器300の上蓋部310を持ち上げ、陳列容器300内の収容物(購入対象のドライフルーツ)を購入用容器に投入する。
【0022】
陳列エリアには、また、ナッツの種類や豆の種類毎に陳列容器400が並べられている。陳列容器400は、押下部410を有する。陳列容器400に並べられた商品を購入する場合には、顧客は、陳列容器400の押下部410を押し下げ、陳列容器400内の収容物(購入対象のナッツや豆)を購入用容器に投入する。
【0023】
計量エリアには、計量装置10が設置されている。上述したように、顧客は、陳列エリアにて購入用容器に商品を入れ、商品を入れた購入用容器を持って計量エリアに移動し、計量装置10を用いて購入対象商品を計量する。つまり、計量装置10は、基本的に、客自ら操作するものである。但し、店員呼出(店員の操作する端末(非図示)に呼出しメッセージを送信等)等に応じた店員が客に代わって操作してもよい。
【0024】
<2.2.計量装置10の構成>
図2は、計量装置10の外観の一例を示す説明図である。
図3は、計量装置10の構成の一例を示す説明図である。
図2及び
図3において、同一部分には同一符号を付している。以下、
図2を参照しつつ、
図3に示した計量装置10の構成を説明する。
【0025】
図2及び
図3を参照すると、計量装置10は、計量部11、無線タグ読書部12、スキャナ部13、タッチディスプレイ14、印刷部15、音声出力部16、及び制御部100を備える。
【0026】
(1)計量部11
計量部11は、計量装置10の載台11aに載せられた計量対象物(商品、容器など)を、例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。
【0027】
(2)無線タグ読書部12
無線タグ読書部12は、非接触型のICタグに対して情報の読み書きを実行する。非接触型の一例は、RFID(radio frequency identifier)タグである。無線タグ読書部12は、無線タグ(ICタグ)との間で、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報の読み書きを実行する。例えば、無線タグが付された容器が用いられる場合、無線タグ読書部12は、具体的には後述するように、当該容器に付されている無線タグとの間で、種々の情報の読み書きを実行する。なお、ICタグの種類としては、パッシブタグ(受動タグ)とアクティブタグ(能動タグ)、双方を組み合わせたセミアクティブタグ(起動型能動タグ)の何れであってもよい。容器に付される場合には、電池を内在する必要がないパッシブタグが好ましい。無線タグ読書部12は、ICタグ(パッシブタグ)のエネルギー源となる電波を照射する。
【0028】
(3)スキャナ部13
スキャナ部13は、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部13は、各種コード(バーコード、2次元コード等)を読み取る。
【0029】
(4)タッチディスプレイ14
タッチディスプレイ14は、客に各種情報を表示するとともに、タッチパネルも備え、操作部としての機能を有する。
【0030】
(5)印刷部15
印刷部15は、印刷物を発行するプリンタ装置である。例えば、印刷部15は、販売される商品に関する情報(当該商品の価格情報をコード化したバーコード等)が印刷された印刷物(以下、「ラベル」ともいう)を生成(印刷)し、ラベル排出口15aから排出(発行)する。また、印刷部15は、販売される商品に関する情報として、レシートを発行することができる。
【0031】
(6)音声出力部16
音声出力部16は、音声を出力する。例えば、音声出力部16は、音声ガイダンス等を出力する。
【0032】
(7)制御部100
制御部100は、具体的には次に説明するように、計量装置10に関する種々の動作を制御する。
【0033】
<2.2.1.制御部100の構成>
続いて、制御部100が備える構成及び各種機能について説明する。
【0034】
図3を参照すると、制御部100は、プロセッサとメモリなどから構成されるコンピュータであって、入出力インタフェース110、ネットワーク通信部120、記憶部130、及び処理部140を備える。
【0035】
(1)入出力インタフェース110
入出力インタフェース110は、計量部11、無線タグ読書部12、スキャナ部13、タッチディスプレイ14、印刷部15、及び音声出力部16のそれぞれとの間で通信を行い、計量に関する動作に必要な情報及びデータの入出力処理を行う。
【0036】
(2)ネットワーク通信部120
ネットワーク通信部120は、ネットワークアダプタ及び/又はネットワークインタフェースカード等により実装される。ネットワーク通信部120は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えばネットワーク通信部120は、通信ネットワーク(ローカルエリアネットワーク、又はインターネット)を介して、例えば、店舗内若しくは店舗外に設けられた管理用サーバなどとの間で通信を行う。
【0037】
(3)記憶部130
記憶部130は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部130は、制御部100の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部140の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0038】
(4)処理部140
処理部140は、記憶部130に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。具体的には、処理部140は、取得部141、判断部143、及び指定部145を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってもよい。取得部141、判断部143、及び指定部145の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0039】
<2.2.1.容器20を利用した商品購入の概要>
次に、
図4を参照して、容器20を利用した商品購入の概要を説明する。
図4は、容器20を利用した商品購入の概要を説明するための説明図である。
【0040】
図4を参照すると、まず、商品投入用の容器20には、無線タグ25が付されている。無線タグ25には、例えば容器20に関連する種々の情報が記憶される。
【0041】
図5は、無線タグ25により記憶される種々の情報の具体例を説明するための図である。
図5を参照すると、例えば、無線タグ25には、容器識別子、風袋重量、商品識別子、購入日、購入重量などが記録される。容器識別子は、容器20を識別するための識別子である。風袋重量は、空状態の容器20(すなわち風袋)の重量である。商品識別子は、容器20の利用により前回購入された商品を識別するための識別子であって、例えば容器20が未使用では無効値が設定されている。購入日は、容器20の利用により前回購入された商品の商品購入日であって、例えば容器20が未使用では無効値が設定されている。また、商品購入重量は、容器20の利用により前回購入された商品の実重量であって、例えば容器20が未使用では無効値が設定されている。
【0042】
このような無線タグ25が付された容器20には、顧客が購入を希望する商品40が投入される。
【0043】
<2.3.容器20を再利用した商品販売に関する動作例>
次に、
図6から
図9を参照して、容器20を再利用した商品販売に関する動作例を説明する。
【0044】
容器20を利用した商品購入では、空状態の容器20を用いる場合に限らず、前回購入した商品が残った状態の容器20に同じ商品を継ぎ足すことにより当該商品を販売するような運用が想定される。このような容器20へ商品を継ぎ足して販売するような運用では、容器20を繰り返し使用するため、複数の商品の中から顧客が前回購入した商品を選択しやすくすることが望まれる。
【0045】
そこで、本動作例によれば、次のような処理を行う。すなわち、制御部100(取得部141)は、容器20を識別するための容器識別子を取得する。また、制御部100(判断部143)は、容器20に購入対象商品を投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する。また、制御部100(指定部145)は、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する。
【0046】
上述した動作により、顧客自身の操作に応じて計量された商品の販売に係る処理を改善することが可能になる。より具体的には、購入対象商品の投入前に計量された容器20の容器重量と容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が、所定の範囲である場合には、容器20に商品を継ぎ足して購入することを顧客が希望するものと判断して、容器識別子に関連付けられた商品を上記購入対象商品の候補(繰り返し購入対象となりうる商品の候補)に指定することができる。
【0047】
このため、本動作例によれば、容器20に残った商品と同じ商品を容器20に継ぎ足して販売する際に、継ぎ足し購入対象となる商品を上記購入対象商品の候補に指定するので、顧客が容易に希望する商品を選択することが可能になる。
【0048】
以下では、より具体的な動作例を詳細に説明する。
【0049】
(1)情報の取得
-容器識別子
制御部100(取得部141)は、容器20に付された記録媒体から、上記容器識別子を取得する。上述した
図4に示した例に当てはめると、上記記録媒体は、容器20に付された無線タグ25である。この場合、制御部100(取得部141)は、無線タグ読書部12を制御して、無線タグ25に記憶されている容器識別子を読み出すことにより、当該容器識別子を取得する。さらに、制御部100(取得部141)は、無線タグ読書部12を制御して、当該容器識別子に関連付けられた情報を無線タグ25から読み出すことにより、当該情報を取得してもよい。すなわち、制御部100(取得部141)は、当該容器識別子に関連付けられた情報として、風袋重量を取得してもよい。さらに、制御部100(取得部141)は、容器20の利用履歴情報として、前回購入商品に関する商品識別子、商品購入日、及び商品購入重量などの情報を更に取得してもよい。
【0050】
制御部100(取得部141)は、上述したように無線タグ25から種々の情報を取得する場合に限らず、次のようにして、容器識別子を取得してもよい。例えば、容器識別子を示すバーコードが容器20に付されている場合には、制御部100(取得部141)は、スキャナ部13を制御してバーコードから容器識別子を読み取ることにより、当該容器識別子を取得してもよい。また、制御部100(取得部141)は、カメラなどにより得られた容器20の撮像画像を解析する、若しくは当該解析を外部の管理サーバなどに依頼するなどして、容器識別子を取得してもよい。
【0051】
また、制御部100(取得部141)は、無線タグ25などから得られた容器識別子を用いて、外部の管理サーバに情報の提供を要求することにより、風袋重量と、前回購入商品に関する商品識別子、商品購入日、及び商品購入重量などとの情報を取得してもよい。
【0052】
(2)重量差が所定の範囲であるかを判断するための動作
上記重量差が上記所定の範囲であるかは、例えば次のような顧客による操作に応じて判断される。まず、容器20に購入対象商品が投入される前に、容器20が計量装置10の載台11aに載せられる。次に、計量装置10(計量部11)は、購入対象商品の投入前の容器20の容器重量を計量する。ここで、容器20が空状態である場合、容器重量はほぼ風袋重量、つまり無線タグ25などから取得された風袋重量となる。一方、容器20に前回購入された商品が残っている場合には、容器重量は、上記風袋重量と商品の残重量との総重量となる。
【0053】
計量装置10の制御部100(判断部143)は、取得部141により取得された上記風袋重量と上記容器重量とを比較することにより、上記重量差が上記所定の範囲内にあるかを判断する。
【0054】
ここで、上記重量差が上記所定の範囲内にあるかは、次のようにして判断される。まず、上記所定の範囲とは、容器20に前回購入された商品が残っている程度の重量差、言い換えれば実質的な重量差(0グラムではない)があると判断可能な範囲である。一例として、上記所定の範囲は、上記風袋重量を除いた前回購入時の商品重量に基づき、前回購入時の商品重量のx%~100%に設定されてもよい。ここで、xは0より大きく100未満の値である。具体例として、上記前回購入時の商品重量が200gであり、xの設定値が1であると、上記所定の範囲は、例えば上記前回購入時の商品重量の1~100%に当たる2~200gに設定される。
【0055】
上記所定の範囲がこのように設定されている場合、上記風袋重量と上記容器重量との比較から得られる上記重量差が、2~200gであれば容器20に前回購入された商品が残っていると判断され、0gから2g未満であれば容器20が空状態であると判断される。
【0056】
(3)購入対象商品の候補の指定
上述したように、制御部100(指定部145)は、上記重量差が上記所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた単一の商品を、上記購入対象商品の候補に指定する。
【0057】
-重量差がある場合
すなわち、制御部100(指定部145)は、上記重量差が上記所定の範囲内(例えば2~200g)である場合、言い換えれば「0グラムではない」有効な重量差がある場合には、容器20に前回購入された商品が残っているものと判断する。次いで、制御部100(指定部145)は、容器20に同じ商品を継ぎ足し購入することを顧客が希望するものと判断して、容器識別子に関連付けられた商品識別子により識別される商品を、上記購入対象商品の候補(繰り返し購入対象となりうる商品の候補)に指定する。
【0058】
このようにして、上記購入対象商品の候補が指定されると、制御部100(指定部145)は、タッチディスプレイ14を制御して、当該購入対象商品の候補を、購入対象商品として顧客により選択するための案内画面を表示する。
図6は、指定された商品を購入対象商品として顧客により選択するための案内画面600の具体例を示す図である。
図6に示す案内画面600に従って、顧客は、容器20に残っている商品と同じ商品を購入するか否かの確認操作を行うことができるので、例えば後述する
図7に示す例のような複数の候補から購入対象商品の選択するように案内される場合に比べて、容易に容器20に残っている商品と同じ商品を購入対象商品として選択することができる。なお、指定対象となる商品は前回購入された商品と完全に同一はなくてもよい。例えば、同種類のナッツ類など同じような種類に属する商品が候補として指定されてもよい。
【0059】
なお、商品識別子により識別される商品が購入対象商品の候補に指定された場合には、
図6に示すような案内画面が表示される場合に限らず、種々の変形が可能である。例えば、指定された候補を他の候補とともに区別可能な表示態様(点滅、拡大など)により顧客が容易に選択できるようにタッチディスプレイ14に表示してもよい。
【0060】
-重量差がない場合
一方、制御部100(指定部145)は、上記重量差が所定の範囲外である場合、例えば上記重量差が0~2gなど「重量差が略0グラム」であって上記容器重量と風袋重量とに差異がない場合には、容器識別子に応じた購入対象商品の候補の指定を行わず、容器20に投入可能な複数の商品を、購入対象商品の候補に指定する。すなわち、制御部100は、容器20が洗浄済みなどで前回購入した商品以外の他の商品を購入対象商品に選択する可能性があるものと判断し、タッチディスプレイ14を制御して、例えば
図1の例で挙げた陳列エリアに並んだ全候補から購入対象商品の選択するための案内画面を表示する。
図7は、複数の候補から購入対象商品の選択するための案内画面の具体例を示す図である。
【0061】
図7に示す案内画面に従って、顧客は、容器20を利用して前回購入された商品に限らず、複数の候補となる商品の中から、購入を希望する商品を選択することができる。
【0062】
なお、前回購入商品と異なる商品が選択された場合には、制御部100は、例えばタッチディスプレイ14又は音声出力部16を制御して、「前回購入した商品と異なります。宜しいですか?」という情報を報知してもよい。
【0063】
(4)動作の流れ
次に、容器20を再利用した商品販売に関する動作の一連の流れを説明する。
【0064】
-購入対象商品の選択のための処理
図8は、顧客による購入対象商品の選択のために行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0065】
図8を参照すると、ステップS801において、制御部100(取得部141)は、無線タグ読書部12を制御して、容器20に付された無線タグ25から、容器識別子、風袋重量を取得する。さらに、制御部100(取得部141)は、前回購入商品に関する商品識別子、商品購入日、及び商品購入重量などの種々の情報を取得する。
【0066】
ステップS803において、計量部11は、顧客の操作に応じて、商品投入前の容器20を計量する。
【0067】
ステップS805において、制御部100(判断部143)は、ステップS803で計量された容器重量と、ステップS801で取得された風袋重量との重量差を算出する。なお、当該重量差の算出処理は、判断部143に限らず、例えば取得部141など処理部140で行われてもよい。
【0068】
ステップS807において、制御部100(判断部143)は、ステップS805により算出された重量差が所定の範囲であるかを判断する。ここで、上記重量差が上記所定の範囲である場合(S807:Yes)、言い換えれば「0グラムではない」有効な重量差がある場合には、容器20に前回購入された商品が残っているものと判断して、ステップS809に進む。一方、上記重量差が上記所定の範囲外である場合(S807:No)、言い換えれば「重量差が略0グラム」であって上記容器重量と風袋重量とに差異がない場合には容器20に前回購入された商品が残っていない、若しくは容器20が初回利用である空状態と判断して、ステップS813に進む。
【0069】
ステップS809において、制御部100(指定部145)は、ステップS801で取得された商品識別子により識別される単一の商品を、顧客が選択可能な購入対象商品の候補に指定して、ステップS811に進む。
【0070】
ステップS811において、記憶部130は、今回の販売で容器20に投入される予定の商品重量を算出できるようにするため、ステップS805で算出された重量差の情報を、容器識別子に対応付けて保持し、ステップS815に進む。
【0071】
ステップS813において、制御部100(指定部145)は、容器識別子に応じた購入対象商品の候補の指定を行わず、例えば
図1の例で挙げた陳列エリアに並んだ全候補の商品を購入対象商品の候補に指定し、ステップS815に進む。
【0072】
ステップS815において、制御部100(指定部145)は、タッチディスプレイ14を制御して、ステップS809又はS813で指定された購入対象商品の候補を表示する。具体的には、本ステップにより、上述した
図6に示した案内画面600又は
図7に示した案内画面700が表示される。
【0073】
ステップS817において、制御部100は、顧客によるタッチディスプレイ14の操作に応じて、購入対象商品の選択を受け付ける。受け付けた購入対象商品に関する情報(商品識別子など)は記憶部130に保持される。その後、
図8に示す処理を終了する。
【0074】
-購入対象商品の選択後に行われる手順の概要
図9は、購入対象商品の選択後に行われる手順の概要を説明するための説明図である。
【0075】
図9を参照すると、まず、前回購入商品90aが残っている容器20には、顧客により、前回購入商品90aに対応する購入対象商品90bが投入される。続いて、購入対象商品90bが投入された容器20が計量装置10の載台11aに載せられると、次のような処理により購入対象商品90bの重量が得られる。まず、計量装置10(計量部11)は、前回購入商品90a、購入対象商品90b及び容器20の総重量を計量する。また、制御部100(処理部140)は、上述した
図8を参照して説明したステップS811に従って記憶部130に保持されている重量差の情報を読み出す。次に、制御部100(処理部140)は、上記総重量の計量値と上記重量差とに基づいて、購入対象商品90bの重量を算出する。
【0076】
続いて、容器20に今回投入された購入対象商品90bに関する情報が、次のように処理される。まず、制御部100(処理部140)は、上述した
図8を参照して説明したステップS815に従って記憶部130に保持されている購入対象商品の商品識別子を読み出し、商品識別子に基づいて関連付けられている商品名、及び単価などを特定する。次に、制御部100(処理部140)は、特定された単価と、購入対象商品90bの重量とに基づいて、購入対象商品90bの販売価格を算出する。次に、タッチディスプレイ14に販売価格が表示された後に、顧客により完了操作などが行われると、計量装置10(印刷部15)は、商品情報、販売価格などが記載されたラベルの印刷(発行)を行う。
【0077】
その後、例えば、上記ラベルが顧客により容器20に貼付され、店舗内に設置された決済装置により、購入対象商品90bの決済処理が行われることになる。
【0078】
以上のような動作により、購入対象商品の選択時に記憶部130に保持されている重量差、商品識別子を用いて、容器20に継ぎ足し購入される購入対象商品90bの計量を容易に行うことが可能になる。
【0079】
また、本実施形態によれば、特に会員登録などしなくても、容器20の容器識別子などの情報に基づいて顧客の来店履歴を把握することが可能になる。これにより、適正在庫の保持や、適切な発注タイミング、発注量などが実現される。また、顧客が容器20を使い回しすることにより、商品の購入に要する経済的なコストを抑えることが可能になる。また、容器20をデポジットで顧客に貸出にすることも可能である。店舗は、容器20をリサイクルしている、環境に配慮しているなどの顧客や地域へのアピールを行うことが可能になる。
【0080】
<2.4.変形例>
第1の実施形態では、上述した
図8及び
図9に示すような動作に限らず種々の変形が可能である。以下に説明する変形例は、上述した動作例で説明した種々の動作を適用してもよい。
【0081】
(1)識別子を利用した継ぎ足し禁止処理
例えば、容器20を利用して購入可能な商品であっても、継ぎ足し購入を許容すると賞味期限又は消費期限の観点から望ましくない商品、所定の基準やルールにより使い切りが推奨される商品の存在が想定される。このような想定に対処するため、例えば、計量装置10は、商品投入前の容器20の計量時に、容器20の容器識別子、又は容器識別子に関連付けられた商品識別子を、継ぎ足し禁止用のフラグとして用いてもよい。すなわち、計量装置10は、商品識別子により識別される商品が、継ぎ足し購入が望ましくない商品である場合、当該商品が容器20に残存していると判断し、当該結果に基づいて継ぎ足し購入を不可とすることをタッチディスプレイ14又は音声出力部16を用いて報知してもよい。このような処理により、計量装置10は、継ぎ足し購入が望ましくない商品の継ぎ足し購入を防止することができる。
【0082】
(2)エラー処理
上記重量差が0g未満など負の値である場合には、容器20よりも軽い容器に付された無線タグを張り替えるなどして、風袋重量を見かけ上軽くするような意図が推測されうる。このため、例えば、判断部143は、例えば上記重量差が2~200gの範囲にはないと判断した場合、さらに上記重量差が0g未満であるかを判断してもよい。上記重量差が0g未満の範囲にある場合には、制御部100(処理部140)は、例えば音声出力部16を制御することにより、エラー状態を示す情報を音声出力することで当該情報を通知してもよい。
【0083】
また、判断部143は、例えば上記重量差が2~200gの範囲にはないと判断した場合に、さらに上記重量差が上記前回購入時の商品重量を超えているかを判断してもよい。上記重量差が上記前回購入時の商品重量を超えている場合にも、制御部100(処理部140)は、例えば音声出力部16を制御することにより、エラー状態を示す情報を音声出力することで当該情報を通知してもよい。
【0084】
(3)購入対象商品の配置場所の誘導
また、顧客によるタッチディスプレイ14の操作に応じた購入対象商品の選択の受付後には、複数の商品が陳列された陳列エリアにおいて、購入対象商品の配置場所に設けられたランプを点灯表示することで、当該配置場所に顧客を誘導してもよい。これにより、顧客は、陳列エリアから購入対象商品の配置場所を容易に見つけ出すことができる。
【0085】
(4)商品投入前の容器重量の計量操作手順がスキップされた場合の対処
また、上述した
図8及び
図9に従った動作例では、商品投入前の容器重量の計量操作手順がスキップされる状況、つまり、商品投入前に容器20を計量装置10により計量ないし購入対象商品の選択を行うことなく、陳列エリアで容器20に商品が投入されてしまう状況が推測される。このような場合には、例えば来店時に容器20が空状態であっても、計量装置10により、容器20に前回購入された商品が残っているものと誤って判断されてしまうという問題が生じる。
【0086】
このような問題に対処するため、上記所定の範囲が次のように設定されてもよい。具体的には、上記所定の範囲は、前回購入時の商品重量のx%~100%に設定される場合に限らず、例えば、x%~y%に設定されてもよい。ここでyは、xよりも大きく100未満の値である。具体例として、上記前回購入時の商品重量が200gであり、xの設定値が1であり、yの設定値が10であると、上記所定の範囲は、例えば上記前回購入時の商品重量の1~10%に当たる2~20gに設定される。
【0087】
上記所定の範囲がこのように設定されている場合、上記風袋重量と上記容器重量との比較から得られる上記重量差が、2~20gの範囲であれば、商品投入前に前回購入された商品が継ぎ足し購入可能な程度に残っているものと判断され、指定部145により上記容器識別子に応じた上記購入対象商品の候補の指定が行われる。
【0088】
一方、判断部143は、例えば上記重量差が2~20gの範囲にはないと判断した場合に、さらに上記重量差が20gよりも大きいかを判断してもよい。すなわち、上記重量差が上記所定の範囲よりも大きい場合には、制御部100(処理部140)は、商品投入前の容器20の計量操作手順がスキップされて商品が投入された可能性があるものと判断して、容器20を利用した現在の購入処理を中止し、例えば他の容器などの他の容器識別子の取得のための待機状態に移行してもよい。具体的には、制御部100(処理部140)は、タッチディスプレイ14に「容器を載台からおろして下さい」などのメッセージを表示し、その後、載台11aから容器20が下ろされたことを検出すると、別の顧客のための待受状態に移行してもよい。なお、このような待受状態への移行に限らず、制御部100(処理部140)は、タッチディスプレイ14に店員呼び出しボタンを表示してもよい。
【0089】
(5)ボタン操作に応じた継ぎ足し購入の判断
計量装置10は、上述したような商品投入前の容器に対して判断部143により行われる判断処理の有無に関わらず、次のようにして、継ぎ足し購入のための手順を行ってもよい。
【0090】
この場合、まず、計量装置10は、タッチディスプレイ14に、前回購入された商品の継ぎ足し購入のための計量手順を行うためのボタン(例えば、「継ぎ足しボタン」と呼んでもよい。)を表示してもよい。この継ぎ足しボタンが顧客によりタッチ操作されると、計量装置10は、容器20に残存していた残存商品重量を、例えば風袋重量に1%乗算した値とみなすことにより算出する。続いて、計量装置10は、今回購入対象の商品(継ぎ足し対象商品)が投入済みの容器20の総重量から風袋重量と残存商品重量との合計を減算し、当該減算した重量値に基づいて今回購入対象の商品の価格を算出してもよい。このような手順により、計量装置10は、継ぎ足しボタンによるワンタッチ操作に応じて、商品投入前の容器20を計量しなくても風袋重量の1%相当などの重量の前回購入商品が残存しているであろうと判断して、継ぎ足し購入時の商品販売価格を容易に計算することができる。
【0091】
(6)計量システムへの適用
また、計量装置10は、容器を再利用した継ぎ足し購入のために必要な処理の一部を、計量装置10が通信可能なPOS(Point of Sale)の管理サーバなどで行ってもよい。言い換えれば、計量装置10と、店舗内などに設けられたPOS用の管理サーバとを備える計量システムを構築してもよい。この場合、例えば取得部141により取得された容器識別子と、計量部11により計量された商品投入前の容器20の容器重量とが、上記管理サーバに送信される。そして、管理サーバが、容器識別子に関連付けられた風袋重量を特定し、当該風袋重量と上記容器重量との重量差が上記所定の範囲であるかを判断し、重量差に関する判断結果を示す情報を計量装置10に送信する。このようにして、上述した判断部143の機能は、管理サーバで行われてもよい。
【0092】
さらに、計量装置10は、継ぎ足し購入された商品重量を正確に把握することができるので、在庫管理および販売分析などに販売履歴データを活用することができる。とりわけ、計量装置10が上記のような管理サーバと連携している場合には、計量装置10を利用した販売履歴データを自動発注システムとの間で共有することができる。これにより、在庫切れ等での販売機会損失も回避することができる。
【0093】
<<3.他の実施形態>>
以上、実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0094】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0095】
また、本明細書において説明した構成要素(例えば、取得部、判断部、及び/又は指定部)の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本発明に含まれる。
【0096】
<<4.実施形態の総括>>
[技術分野]
本発明は、計量を行う計量装置、計量システム、及び計量方法に関する。
[背景技術]
例えば、顧客自身の操作に応じて計量された商品を販売するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004-163994号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
環境問題への取り組みとして、容器の再利用が注目されている。顧客自身により商品の購入操作を行うセルフ販売においても、容器の再利用の必要性が高まっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、容器に投入される商品の計量販売に係る処理を改善することが可能な計量装置、計量システム、及び計量方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
(1)本発明の一態様である計量装置は、容器を識別するための容器識別子を取得する取得部と、計量を行う計量部と、上記容器に購入対象商品を投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断部と、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する指定部と、を備える。
上記構成によれば、顧客自身の操作に応じて計量された商品の販売に係る処理を改善することが可能になる。より具体的には、購入対象商品の投入前に計量された容器重量と容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が、所定の範囲である場合には、当該容器に商品を継ぎ足し購入することを顧客が希望するものと判断して、容器識別子に関連付けられた商品を上記購入対象商品の候補(繰り返し購入対象となりうる商品の候補)に指定することができる。
(2)本実施形態の一態様は、(1)記載の計量装置であって、上記指定部は、上記重量差が上記所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定し、上記重量差が上記所定の範囲外である場合、複数の商品を、上記購入対象商品の候補に指定する。
上記構成によれば、上記重量差が所定の範囲外である場合には、上記容器が洗浄済みなどで前回購入した商品以外の他の商品を購入対象商品に選択する可能性があるものと判断して、例えば上記容器に投入可能な複数の商品を購入対象商品の候補として指定することが可能となる。
(3)本実施形態の一態様は、(1)又は(2)記載の計量装置であって、上記取得部は、上記容器に付された記録媒体から、上記容器識別子を取得する。
上記構成によれば、容器に付された記録媒体を利用して、容易に容器識別子を取得することができる。
(4)本実施形態の一態様は、(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の計量装置であって、上記取得部は、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量を更に取得する。
上記構成によれば、例えば容器に付された記録媒体などを利用して、容器識別子とともに風袋重量を取得することができる。
(5)本実施形態の一態様は、(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の計量装置であって、上記取得部は、上記容器識別子に関連付けられた商品識別子を更に取得し、上記指定部は、上記重量差が所定の範囲である場合、上記商品識別子により識別される商品を、上記購入対象商品の候補に指定する。
上記構成によれば、例えば容器に付された記録媒体などを利用して、容器識別子とともに商品識別子を取得することができ、商品識別子を用いることにより、任意の商品の中から前回購入された商品を容易に購入対象商品の候補として指定することができる。
(6)本実施形態の一態様は、(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の計量装置であって、上記重量差が上記所定の範囲よりも大きい場合に、上記容器を利用した現在の購入処理を中止し、他の容器識別子の取得のための待機状態に移行する処理部を更に備える。
上記構成によれば、容器が空状態ではなく、かつ商品投入前に前回購入された商品が継ぎ足し購入可能な程度に残っているような状態ではない場合に、当該容器を利用した現在の購入処理を中止して、速やかに別の顧客のための待受状態に移行することができる。
(7)本実施形態の一態様は、容器を識別するための容器識別子を取得する取得手段と、計量を行う計量手段と、購入対象商品を上記容器に投入する前に計量された容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断する判断手段と、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定する指定手段と、を備える計量システムである。
上記構成によれば、(1)と同様に、顧客自身の操作に応じて計量された商品の販売に係る処理を改善することが可能になる。
(8)本実施形態の一態様は、容器を識別するための容器識別子を取得することと、購入対象商品の投入前の前記容器を計量することと、上記計量が行われた容器重量と、上記容器識別子に関連付けられた風袋重量との重量差が所定の範囲であるかを判断することと、上記重量差が所定の範囲である場合、上記容器識別子に関連付けられた商品を、上記購入対象商品の候補に指定することと、を備える計量方法である。
上記構成によれば、(1)と同様に、顧客自身の操作に応じて計量された商品の販売に係る処理を改善することが可能になる。
【符号の説明】
【0097】
10 計量装置
11 計量部
12 無線タグ読書部
13 スキャナ部
14 タッチディスプレイ
15 印刷部
16 音声出力部
100 制御部
110 入出力インタフェース
120 ネットワーク通信部
130 記憶部
140 処理部
141 取得部
143 判断部
145 指定部
20 容器
40 商品
90a 前回購入商品
90b 購入対象商品