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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188641
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221214BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20221214BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20221214BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20221214BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20221214BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G09F9/33
H01L33/62
H01L33/54
H01L33/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096852
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA21
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB04
5C094EA04
5C094EA07
5C094EA10
5C094FB12
5F142AA31
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB07
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD43
5F142CD44
5F142CD49
5F142CG03
5F142DB24
5F142DB54
5F142FA32
5F142FA34
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】発光素子とアレイ基板との接続安定性を確保することが可能な表示装置及び表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】表示装置は、アレイ基板と、アレイ基板に設けられた複数の実装電極と、複数の実装電極のそれぞれに設けられた接続用の柱状導体と、アレイ基板に設けられた複数の発光素子と、複数の発光素子のアレイ基板と対向する面に設けられ、発光素子のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極と、発光素子のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極と、第1電極及び第2電極のそれぞれを覆う接続部材と、を有し、柱状導体は、接続部材よりも硬い材料であり、柱状導体の発光素子側の端部は、接続部材と電気的に接続される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
前記アレイ基板に設けられた複数の実装電極と、
複数の前記実装電極のそれぞれに設けられた接続用の柱状導体と、
前記アレイ基板に設けられた複数の発光素子と、
複数の前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面に設けられ、前記発光素子のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極と、前記発光素子のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材と、を有し、
前記柱状導体は、前記接続部材よりも硬い材料であり、前記柱状導体の前記発光素子側の端部は、前記接続部材と電気的に接続される
表示装置。
【請求項2】
複数の前記第1電極を有し、
前記第2電極は、前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面に形成された凹部に配置され、
前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面からの平面視で、複数の前記第1電極の間に前記第2電極が配置され、
前記柱状導体は、前記第1電極に電気的に接続される第1柱状導体と、前記第2電極に電気的に接続される第2柱状導体と、を含み、
前記第1柱状導体の高さは、前記第2柱状導体の高さよりも低い
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記アレイ基板に垂直な方向で、前記実装電極、前記柱状導体、前記接続部材、前記第1電極又は前記第2電極の順に積層される
請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記アレイ基板と複数の前記発光素子との間に設けられ、絶縁材料で形成された封止材を有し、
前記封止材は、前記発光素子の上面の周縁部を覆って設けられる
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記柱状導体の前記発光素子側の端部は、前記接続部材と直接接続され、
前記接続部材の前記柱状導体と接続される部分には、凹部が形成される
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記柱状導体の前記発光素子側の端部には、前記柱状導体よりも硬さが小さい材料で形成された柱状導体接続部材が設けられ、
前記柱状導体接続部材は、前記発光素子に設けられた前記接続部材と接する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記接続部材は、スズ(Sn)及びインジウム(In)の少なくとも一方を含む
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
発光素子の一方の面に、極性の異なる第1電極と、第2電極と、を形成し、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材を形成する工程と、
アレイ基板上に複数の実装電極を形成し、複数の前記実装電極のそれぞれに接続用の柱状導体を形成する工程と、
前記発光素子に圧力を加えて前記柱状導体と前記接続部材とを電気的に接続する工程とを有する
表示装置の製造方法。
【請求項9】
接続用の前記柱状導体を形成する工程の後、前記発光素子を接続する工程の前に、接続用の前記柱状導体を覆って前記アレイ基板に封止材を形成する工程と、
前記発光素子を接続する工程の後、前記発光素子に電流を流して前記発光素子の周囲の前記封止材を硬化させる工程と、を有する
請求項8に記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】
アレイ基板と、
前記アレイ基板に設けられた複数の実装電極と、
前記アレイ基板に設けられた複数の発光素子と、
複数の前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面に設けられ、前記発光素子のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極と、前記発光素子のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材と、を有し、
複数の実装電極のそれぞれに設けられた接続用の導電粒子と、
前記アレイ基板と複数の前記発光素子との間で前記導電粒子の周囲に設けられ、絶縁材料で形成された封止材を有し、
前記導電粒子は、前記接続部材よりも硬い材料であり、前記第1電極に重なる第1導電粒子の粒径は、前記第2電極に重なる第2導電粒子の粒径よりも小さい
表示装置。
【請求項11】
前記実装電極の上には、前記導電粒子よりも硬さが小さい材料で形成された実装電極接続部材が設けられ、
前記アレイ基板に垂直な方向で、前記導電粒子は、前記接続部材と前記実装電極接続部材との間に設けられる
請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示素子として微小サイズの発光ダイオード(マイクロLED(micro LED))を用いた表示装置が注目されている(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。特許文献1から特許文献3では、発光ダイオードに形成された導電接続ポストがアレイ基板上の電極に接続されて、発光ダイオードがアレイ基板に実装される。また、他の接続方法として、特許文献4には、導電粒子を含む異方性導電膜を介して発光ダイオードがアレイ基板に接続される技術が記載されている。このような、発光ダイオードの実装方法として、サファイア基板等に形成された発光ダイオードを、キャリア基板にピックアップした後、キャリア基板からアレイ基板に転写する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0090394号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0226287号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0213803号明細書
【特許文献4】特開2021-4988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような表示装置では、発光ダイオードに導電接続ポストが形成された場合、発光ダイオードのアレイ基板側への転写工程が煩雑になる可能性がある。一方、異方性導電膜を用いた場合、発光ダイオードのアノード電極とカソード電極の高さ位置が異なって形成されると、接続安定性を確保することが困難になる可能性がある。
【0005】
本発明は、発光素子とアレイ基板との接続安定性を確保することが可能な表示装置及び表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に設けられた複数の実装電極と、複数の前記実装電極のそれぞれに設けられた接続用の柱状導体と、前記アレイ基板に設けられた複数の発光素子と、複数の前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面に設けられ、前記発光素子のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極と、前記発光素子のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材と、を有し、前記柱状導体は、前記接続部材よりも硬い材料であり、前記柱状導体の前記発光素子側の端部は、前記接続部材と電気的に接続される。
【0007】
本発明の一態様の表示装置の製造方法は、前記発光素子の一方の面に、極性の異なる第1電極と、第2電極と、を形成し、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材を形成する工程と、アレイ基板上に複数の実装電極を形成し、複数の前記実装電極のそれぞれに接続用の柱状導体を形成する工程と、前記発光素子に圧力を加えて前記柱状導体と前記接続部材とを電気的に接続する工程とを有する。
【0008】
本発明の一態様の表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に設けられた複数の実装電極と、前記アレイ基板に設けられた複数の発光素子と、複数の前記発光素子の前記アレイ基板と対向する面に設けられ、前記発光素子のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極と、前記発光素子のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材と、を有し、複数の実装電極のそれぞれに設けられた接続用の導電粒子と、前記アレイ基板と複数の前記発光素子との間で前記導電粒子の周囲に設けられ、絶縁材料で形成された封止材を有し、前記導電粒子は、前記接続部材よりも硬い材料であり、前記第1電極に重なる第1導電粒子の粒径は、前記第2電極に重なる第2導電粒子の粒径よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。
図2図2は、複数の画素を示す平面図である。
図3図3は、画素回路を示す回路図である。
図4図4は、図1のIV-IV’断面図である。
図5図5は、発光素子を模式的に示す平面図である。
図6図6は、発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態の第1変形例に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。
図8図8は、第1実施形態の第2変形例に係る発光素子を模式的に示す平面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、図9のステップST14での発光素子を模式的に示す断面図である。
図11図11は、図9のステップST17でのアレイ基板を模式的に示す断面図である。
図12図12は、第2実施形態に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。
図13図13は、第2実施形態の第3変形例に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る表示装置の製造方法において、異方性導電膜の形成工程を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。図1に示すように、表示装置1は、アレイ基板2と、画素Pixと、駆動回路12と、駆動IC(Integrated Circuit)210と、カソード配線60と、を含む。アレイ基板2は、各画素Pixを駆動するための駆動回路基板であり、バックプレーン又はアクティブマトリクス基板とも呼ばれる。アレイ基板2は、基板21、複数のトランジスタ、複数の容量及び各種配線等を有する。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、表示領域AAと、周辺領域GAとを有する。表示領域AAは、複数の画素Pixと重なって配置され、画像を表示する領域である。周辺領域GAは、複数の画素Pixと重ならない領域であり、表示領域AAの外側に配置される。
【0014】
複数の画素Pixは、基板21の表示領域AAにおいて、第1方向Dx及び第2方向Dyに配列される。なお、第1方向Dx及び第2方向Dyは、基板21の表面に対して平行な方向である。第1方向Dxは、第2方向Dyと直交する。ただし、第1方向Dxは、第2方向Dyと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向である。第3方向Dzは、例えば、基板21の法線方向に対応する。なお、以下、平面視とは、第3方向Dzから見た場合の位置関係を示す。
【0015】
駆動回路12は、駆動IC210から引き出される配線を経由して供給される各種制御信号に基づいて複数のゲート線(例えば、リセット制御信号線L5、出力制御信号線L6、画素制御信号線L7、初期化制御信号線L8(図3参照))を駆動する回路である。駆動回路12は、複数のゲート線を順次又は同時に選択し、選択されたゲート線にゲート駆動信号を供給する。これにより、駆動回路12は、ゲート線に接続された複数の画素Pixを選択する。
【0016】
駆動IC210は、表示装置1の表示を制御する回路である。駆動IC210からは複数の画素Pixへ向かって複数の配線が引き出されている(例えば、映像信号線L2、リセット電源線L3及び初期化電源線L4(図3参照))。駆動IC210は、基板21の周辺領域GAにCOG(Chip On Glass)として実装される。これに限定されず、駆動IC210は、基板21の周辺領域GAに接続されたフレキシブルプリント基板やリジット基板の上に実装されてもよい。
【0017】
カソード配線60は、基板21の周辺領域GAに設けられる。カソード配線60は、表示領域AAの複数の画素Pix及び周辺領域GAの駆動回路12を囲んで設けられる。複数の発光素子3のカソードは、共通のカソード配線60に接続され、固定電位(例えば、グランド電位)が供給される。より具体的には、発光素子3のカソード電極33(図4参照)は、アレイ基板2に形成された柱状導体25及び実装電極24(図4参照)を介して、カソード配線60に接続される。
【0018】
図2は、複数の画素を示す平面図である。図2に示すように、1つの画素Pixは、複数の副画素49を含む。例えば、画素Pixは、副画素49Rと、副画素49Gと、副画素49Bとを有する。副画素49Rは、第1色としての原色の赤色を表示する。副画素49Gは、第2色としての原色の緑色を表示する。副画素49Bは、第3色としての原色の青色を表示する。図2に示すように、1つの画素Pixにおいて、副画素49Rと副画素49Gは第1方向Dxで並ぶ。また、副画素49Gと副画素49Bは第2方向Dyで並ぶ。なお、第1色、第2色、第3色は、それぞれ赤色、緑色、青色に限られず、補色などの任意の色を選択することができる。以下において、副画素49Rと、副画素49Gと、副画素49Bとをそれぞれ区別する必要がない場合、単に副画素49という。
【0019】
副画素49は、それぞれ発光素子3と、実装電極24とを有する。なお、図2では、図面を見やすくするために、模式的に1つの発光素子3に1つの実装電極24を示しているが、実際には、1つの発光素子3に、アノード電極32及びカソード電極33に対応して複数の実装電極24が設けられる(図4参照)。表示装置1は、副画素49R、副画素49G及び副画素49Bにおいて、発光素子3R、3G、3Bごとに異なる光を出射することで画像を表示する。発光素子3は、平面視で、3μm以上、300μm以下程度の大きさを有する無機発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)チップであり、マイクロLED(micro LED)と呼ばれる。各画素にマイクロLEDを備える表示装置1は、マイクロLED表示装置とも呼ばれる。なお、マイクロLEDのマイクロは、発光素子3の大きさを限定するものではない。
【0020】
なお、複数の発光素子3は、4色以上の異なる光を出射してもよい。また、複数の副画素49の配置は、図2に示す構成に限定されない。例えば、副画素49Rは副画素49Bと第2方向Dyに隣り合っていてもよい。また、副画素49R、副画素49G及び副画素49Bが、この順で第1方向Dxに繰り返し配列されてもよい。
【0021】
図3は、画素回路を示す回路図である。図3は、1つの副画素49に設けられた画素回路PICAを示しており、画素回路PICAは複数の副画素49のそれぞれに設けられている。図3に示すように、画素回路PICAは、発光素子3と、5つのトランジスタと、2つの容量とを含む。具体的には、画素回路PICAは、駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、画素選択トランジスタSST及びリセットトランジスタRSTを含む。駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、画素選択トランジスタSST及びリセットトランジスタRSTは、それぞれn型TFT(Thin Film Transistor)で構成される。また、画素回路PICAは、第1容量Cs1及び第2容量Cs2を含む。
【0022】
発光素子3のカソード(カソード電極33)は、カソード電源線L10に接続される。また、発光素子3のアノード(アノード電極32)は、アノード配線23、駆動トランジスタDRT及び出力トランジスタBCTを介してアノード電源線L1に接続される。アノード電源線L1には、アノード電源電位PVDDが供給される。カソード電源線L10には、カソード配線60及びカソード電極33を介してカソード電源電位PVSSが供給される。アノード電源電位PVDDは、カソード電源電位PVSSよりも高い電位である。
【0023】
アノード電源線L1は、副画素49に、駆動電位であるアノード電源電位PVDDを供給する。具体的には、発光素子3は、理想的にはアノード電源電位PVDDとカソード電源電位PVSSとの電位差(PVDD-PVSS)により順方向電流(駆動電流)が供給され発光する。つまり、アノード電源電位PVDDは、カソード電源電位PVSSに対し、発光素子3を発光させる電位差を有している。発光素子3のアノード電極32は、アノード配線23に電気的に接続され、アノード配線23とアノード電源線L1との間に、第2容量Cs2が形成される。
【0024】
駆動トランジスタDRTのソース電極は、アノード配線23を介して発光素子3のアノード電極32に接続され、ドレイン電極は、出力トランジスタBCTのソース電極に接続される。駆動トランジスタDRTのゲート電極は、第1容量Cs1、画素選択トランジスタSSTのドレイン電極及び初期化トランジスタISTのドレイン電極に接続される。
【0025】
出力トランジスタBCTのゲート電極は、出力制御信号線L6に接続される。出力制御信号線L6には、出力制御信号BGが供給される。出力トランジスタBCTのドレイン電極は、アノード電源線L1に接続される。
【0026】
初期化トランジスタISTのソース電極は、初期化電源線L4に接続される。初期化電源線L4には、初期化電位Viniが供給される。初期化トランジスタISTのゲート電極は、初期化制御信号線L8に接続される。初期化制御信号線L8には、初期化制御信号IGが供給される。すなわち、初期化トランジスタISTがオンになると、駆動トランジスタDRTのゲート電極には、初期化トランジスタISTを介して初期化電源線L4が接続される。
【0027】
画素選択トランジスタSSTのソース電極は、映像信号線L2に接続される。映像信号線L2には、映像信号Vsigが供給される。画素選択トランジスタSSTのゲート電極には、画素制御信号線L7が接続されている。画素制御信号線L7には、画素制御信号SGが供給される。
【0028】
リセットトランジスタRSTのソース電極は、リセット電源線L3に接続される。リセット電源線L3には、リセット電源電位Vrstが供給される。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、リセット制御信号線L5に接続される。リセット制御信号線L5には、リセット制御信号RGが供給される。リセットトランジスタRSTのドレイン電極は、アノード配線23(発光素子3のアノード電極32)及び駆動トランジスタDRTのソース電極に接続される。リセットトランジスタRSTのリセット動作により、第1容量Cs1及び第2容量Cs2に保持された電圧がリセットされる。
【0029】
リセットトランジスタRSTのドレイン電極と、駆動トランジスタDRTのゲート電極との間に、第1容量Cs1が形成される。画素回路PICAは、第1容量Cs1及び第2容量Cs2により、駆動トランジスタDRTの寄生容量とリーク電流とによるゲート電圧の変動を抑制することができる。
【0030】
なお、以下の説明において、アノード電源線L1及びカソード電源線L10を単に電源線と表す場合がある。映像信号線L2、リセット電源線L3及び初期化電源線L4を信号線と表す場合がある。リセット制御信号線L5、出力制御信号線L6、画素制御信号線L7及び初期化制御信号線L8をゲート線と表す場合がある。
【0031】
駆動トランジスタDRTのゲート電極には、映像信号Vsig(または、階調信号)に応じた電位が供給される。つまり、駆動トランジスタDRTは、出力トランジスタBCTを介して供給されたアノード電源電位PVDDに基づいて、映像信号Vsigに応じた電流を発光素子3に供給する。このように、アノード電源線L1に供給されたアノード電源電位PVDDは、駆動トランジスタDRT及び出力トランジスタBCTによって降下するため、発光素子3のアノード電極32には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。
【0032】
第2容量Cs2の一方の電極には、アノード電源線L1を介してアノード電源電位PVDDが供給され、第2容量Cs2の他方の電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、第2容量Cs2の一方の電極には、第2容量Cs2の他方の電極よりも高い電位が供給される。第2容量Cs2の一方の電極は、例えば、図4に示すアノード電源線L1に接続された対向電極26であり、第2容量Cs2の他方の電極は、図4に示す駆動トランジスタDRTのソースに接続されたアノード配線23である。
【0033】
表示装置1において、駆動回路12(図1参照)は、複数の画素行を、先頭行(例えば、図1中の表示領域AAにおいて、最上部に位置する画素行)から順番に選択する。駆動IC210は、選択された画素行の副画素49に映像信号Vsig(映像書き込み電位)を書き込み、発光素子3を発光させる。駆動IC210は、1水平走査期間ごとに、映像信号線L2に映像信号Vsigを供給し、リセット電源線L3にリセット電源電位Vrstを供給し、初期化電源線L4に初期化電位Viniを供給する。表示装置1は、これらの動作が1フレームの画像ごとに繰り返される。
【0034】
次に、表示装置1の断面構成について説明する。図4は、図1のIV-IV’断面図である。図4に示すように、発光素子3は、アレイ基板2の上に設けられる。アレイ基板2は、基板21、各種トランジスタ、各種配線及び各種絶縁膜を有する。基板21は絶縁基板であり、例えば、ガラス基板、樹脂基板又は樹脂フィルム等が用いられる。
【0035】
本明細書において、基板21の表面に垂直な方向において、基板21から発光素子3に向かう方向を「上側」又は単に「上」とする。また、発光素子3から基板21に向かう方向を「下側」又は単に「下」とする。
【0036】
駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCTは、基板21の一方の面側に設けられる。半導体層61、65は、基板21の上に設けられる。なお、半導体層61、65と基板21との間にアンダーコート膜が設けられていてもよい。絶縁膜91は、半導体層61、65を覆って基板21の上に設けられる。絶縁膜91は、例えばシリコン酸化膜である。
【0037】
ゲート電極64、66は、絶縁膜91の上に設けられる。図4に示す例では、各トランジスタは、いわゆるトップゲート構造である。ただし、各トランジスタは、半導体層の下側にゲート電極が設けられたボトムゲート構造でもよく、半導体層の上側及び下側の両方にゲート電極が設けられたデュアルゲート構造でもよい。
【0038】
絶縁膜92は、ゲート電極64、66を覆って絶縁膜91の上に設けられる。絶縁膜92は、例えば、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層構造を有する。ソース電極62、ドレイン電極67及びアノード電源線L1は、絶縁膜92の上に設けられる。ソース電極62は絶縁膜91、92を貫通するコンタクトホールを介して半導体層61と電気的に接続される。また、ドレイン電極67は絶縁膜91、92に設けられたコンタクトホールを介して半導体層65と電気的に接続される。
【0039】
複数の絶縁膜(第1有機絶縁膜93、絶縁膜94、絶縁膜95及び第2有機絶縁膜96)は、各トランジスタを覆って設けられる。第1有機絶縁膜93及び第2有機絶縁膜96としては感光性アクリル等の有機材料が用いられる。感光性アクリル等の有機材料は、CVD等により形成される無機絶縁材料に比べ、配線段差のカバレッジ性や、表面の平坦性に優れる。絶縁膜94、絶縁膜95は、無機絶縁膜であり、上述した絶縁膜91、92と同様の材料、例えば、シリコン窒化膜を用いることができる。
【0040】
具体的には、第1有機絶縁膜93は、ソース電極62、ドレイン電極67及びアノード電源線L1を覆って、絶縁膜92の上に設けられる。第1有機絶縁膜93の上に、対向電極26、絶縁膜94、アノード配線23の順に積層される。対向電極26は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成される。対向電極26は、第1有機絶縁膜93に設けられたコンタクトホールCH1の底部でアノード電源線L1と接続される。
【0041】
絶縁膜94は、対向電極26を覆って設けられる。アノード配線23は、絶縁膜94を介して対向電極26と対向する。第1有機絶縁膜93及び絶縁膜94には、ソース電極62を底面とするコンタクトホールCH2、CH3が設けられる。アノード配線23は、コンタクトホールCH2、CH3を介してソース電極62と電気的に接続される。これにより、アノード配線23は、駆動トランジスタDRTと電気的に接続される。
【0042】
アノード配線23は、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)の積層構造としている。ただし、これに限定されず、アノード配線23は、モリブデン、チタンの金属のいずれか1つ以上の材料を含むアルミニウム(Al)との積層構造であってもよい。又は、アノード配線23は、モリブデン、チタンのいずれか1つ以上を含む合金、又は透光性導電材料であってもよい。また、絶縁膜94を介して対向するアノード配線23と対向電極26との間に第2容量Cs2が形成される。
【0043】
絶縁膜95は、アノード配線23を覆って絶縁膜94の上に設けられる。第2有機絶縁膜96は、絶縁膜95の上に設けられる。すなわち、第1有機絶縁膜93は、駆動トランジスタDRTの上に設けられ、第2有機絶縁膜96は、第1有機絶縁膜93の上側に積層される。絶縁膜95は、第1有機絶縁膜93と第2有機絶縁膜96との間に設けられる。第2有機絶縁膜96には、コンタクトホールCH4が設けられる。絶縁膜95には、コンタクトホールCH4と重なってコンタクトホールCH5が設けられる。コンタクトホールCH4、CH5の底部には、アノード配線23が設けられる。また、アノード配線23は、実装電極24の少なくとも一部と対向して設けられる。
【0044】
実装電極24は、第2有機絶縁膜96の上に設けられ、コンタクトホールCH4、CH5を介してアノード配線23と電気的に接続される。実装電極24は、アノード配線23と同様にチタン、アルミニウムの積層構造としている。ただし、実装電極24は、アノード配線23と異なる導電材料が用いられてもよい。また、第2有機絶縁膜96は、第1有機絶縁膜93と異なる有機材料が用いられてもよい。
【0045】
発光素子3(3R)は、実装電極24に実装される。なお、図4では、発光素子3Rを示しているが、他の発光素子3G、3B(図4では図示を省略する)も、それぞれに対応する実装電極24に実装される。なお、図4では、発光素子3の構成及び発光素子3とアレイ基板2との接続構成を模式的に示しており、詳細な説明は図5、6にて後述する。
【0046】
発光素子3は、半導体層31、アノード電極32及びカソード電極33を有する。発光素子3は、アノード電極32(p型電極)及びカソード電極33(n型電極)が、アレイ基板2と対向して同一面側に設けられたフリップチップ型の発光素子である。発光素子3は、複数のアノード電極32と、1つのカソード電極33とを有し、複数のアノード電極32の間に1つのカソード電極33が配置される。複数のアノード電極32及び1つのカソード電極33を覆って接続部材34が設けられる。
【0047】
実装電極24は、アノード電極32に対向する第1実装電極24Aと、カソード電極33に対向する第2実装電極24Bと、を含む。複数の実装電極24には、それぞれ接続用の柱状導体25が設けられる。柱状導体25は、アレイ基板2(基板21)に垂直な方向に延在する柱状の部材であり、複数の柱状導体25の下端(アレイ基板2側の端部)は複数の実装電極24にそれぞれ接続され、複数の柱状導体25の上端(発光素子3側の端部)は、接続部材34に接続される。これにより、複数のアノード電極32及び1つのカソード電極33のそれぞれは、柱状導体25及び接続部材34を介して実装電極24に電気的に接続される。
【0048】
複数の発光素子3の間に封止材97が設けられる。封止材97は絶縁性の樹脂材料で形成される。封止材97は、発光素子3の下面とアレイ基板2との間に設けられ、かつ、発光素子3の側面を覆っている。封止材97の上面と、発光素子3の上面とが同一面を形成するように、封止材97は平坦に形成される。ただし、封止材97の上面の位置は、発光素子3の上面の位置と異なっていてもよく、発光素子3の上面の周縁部を覆っていてもよい。
【0049】
図5は、発光素子を模式的に示す平面図である。図5は、発光素子3の下面(すなわち、アレイ基板2と対向する面)から見た平面図を示す。図5に示すように、発光素子3の半導体層31は、平面視で四角形状である。ただし、これに限定されず、半導体層31は、平面視で長方形状、多角形状、円形状など、他の形状であってもよい。
【0050】
図5に示すように発光素子3(半導体層31)の下面の中央部に凹部31aが形成されている。アノード電極32(第1電極)は、半導体層31の下面の、凹部31aが形成されていない領域に設けられる。アノード電極32は、半導体層31の各辺に1つずつ、合計4つ設けられる。カソード電極33(第2電極)は、凹部31aの底部に設けられる。
【0051】
平面視で、第1方向Dxで2つのアノード電極32の間にカソード電極33が配置される。また、第2方向Dyで2つのアノード電極32の間にカソード電極33が配置される。
【0052】
接続部材34は、アノード電極32及びカソード電極33をそれぞれ覆って設けられる。図5では、図面を見やすくするために接続部材34にハッチングを付けて示している。接続部材34は、アノード電極32を覆う第1接続部材34aと、カソード電極33を覆う第2接続部材34bと、を含む。第1接続部材34aは、第2接続部材34b及びカソード電極33を囲む環状に形成される。第2接続部材34bは、凹部31aの内部に形成される。
【0053】
なお、以下の説明では、第1接続部材34a及び第2接続部材34bを区別して説明する必要がない場合には、単に接続部材34と表す。また、第1接続部材34aは、連続した環状に形成される構成に限定されず、複数のアノード電極32のそれぞれを覆って複数に分かれて設けられていてもよい。
【0054】
このような構成により、第1方向Dx及び第2方向Dyで、アノード電極32及びカソード電極33が対称に配置されるので、カソード電極33が凹部31aに形成された場合であっても、発光素子3がアレイ基板2に斜めに傾いて接続されることを抑制できる。
【0055】
また、アノード電極32及びカソード電極33の数、形状、配置は、あくまで一例であり、適宜変更してもよい。例えば、アノード電極32は、4つに限定されず、少なくとも1つ以上設けられていればよく、5つ以上であってもよい。アノード電極32及びカソード電極33の平面視での形状は、四角形状であるが、これに限定されず、アノード電極32及びカソード電極33は、長方形状、多角形状、円形状など、他の形状であってもよい。
【0056】
また、図5では、発光素子3の上面(すなわち、アレイ基板2と対向する面の反対側の面)に形成された高抵抗層38の複数の微細凹部38aを点線で示している。図面を見やすくするために、微細凹部38aは、一部のみ示しているが、実際には、発光素子3の上面全体に配列して形成される。
【0057】
図6は、発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。図6は、例えば図5のVI-VI’断面図である。図6に示すように、発光素子3の半導体層31は、高抵抗層38、n型クラッド層37、活性層36及びp型クラッド層35が積層されて構成される。半導体層31は、アレイ基板2側から、p型クラッド層35、活性層36、n型クラッド層37、高抵抗層38の順に積層される。半導体層31は、例えば、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウムインジウム燐(AlInP)、窒化インジウムガリウム(InGaN)等の化合物半導体が用いられる。半導体層31は、発光素子3R、3G、3Bごとに異なる材料が用いられてもよい。
【0058】
活性層36として、高効率化のために数原子層からなる井戸層と障壁層とを周期的に積層させた多重量子井戸構造(MQW構造)が採用される。半導体層31の凹部31aは、p型クラッド層35及び活性層36を貫通して形成され、凹部31aの底部(図6における凹部31a内で上側に位置する面)にてn型クラッド層37が露出する。カソード電極33は、凹部31a内でn型クラッド層37と接続される。また、アノード電極32は、半導体層31の下面の、凹部31aが形成されていない領域で、p型クラッド層35と接続される。
【0059】
高抵抗層38は、n型クラッド層37の上面全体を覆って形成される。高抵抗層38は、不純物がドープされていない半導体材料(例えば、窒化ガリウム(GaN))で形成される。高抵抗層38のシート抵抗値は、n型クラッド層37のシート抵抗値よりも大きい。
【0060】
高抵抗層38の上面には、複数の微細凹部38aが形成されている。微細凹部38aは、PSS(Patterned Sapphire Substrate)構造のサファイア基板(図9参照)の表面形状が転写されたものである。微細凹部38aは、六角錐形状に形成される。すなわち、微細凹部38aは、平面視で、それぞれの開口形状が六角形であり(図5参照)、側壁が傾斜するテーパー形状である。微細凹部38aを設けることにより、発光素子3は、外光の反射を抑制することができ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0061】
なお、微細凹部38aは、六角錐に限定されず、円錐や三角錐など、他の形状であってもよい。また、微細凹部38aは、平面視でマトリクス状に配置されている。これに限定されず、微細凹部38aは、三角格子状など他のパターンで配置されてもよい。また、高抵抗層38は、n型クラッド層37の上面全体を覆って設けられる構成に限定されず、n型クラッド層37の上面の一部に形成されていなくてもよい。
【0062】
また、発光素子3の下面及び側面は保護用の絶縁膜39(例えば窒化シリコン(SiN)や酸化アルミニウム(Al)あるいは酸化シリコン(SiO)など)で覆われている。絶縁膜39は、半導体層31の凹部31aも覆って形成される。アノード電極32及びカソード電極33は、絶縁膜39に形成されたコンタクトホールを介して、p型クラッド層35及びn型クラッド層37にそれぞれ接続される。
【0063】
接続部材34(第1接続部材34a及び第2接続部材34b)は、上述したように、アノード電極32及びカソード電極33にそれぞれ接続される。第1接続部材34aの幅は、アノード電極32の幅よりも大きい。第2接続部材34bの幅は、カソード電極33の幅よりも大きい。接続部材34は、柱状導体25、アノード電極32及びカソード電極33等の周辺の金属材料よりも硬さ(モース硬度)が小さい材料で形成される。接続部材34は、例えば、スズ(Sn)及びインジウム(In)の少なくとも一方を含む金属材料で形成される。
【0064】
第2接続部材34bの体積は、半導体層31の凹部31a内の空間の体積よりも小さい。第2接続部材34bの高さは、半導体層31の凹部31aの高さよりも小さい。また、凹部31aの底部側での第2接続部材34bの幅は、半導体層31の凹部31aの幅よりも小さい。これにより、第2接続部材34bが柔軟な材料で形成され、柱状導体25との接続工程で変形した場合であっても、第2接続部材34bが凹部31aの外側に流動することを抑制できる。この結果、カソード電極33に接続された第2接続部材34bと、アノード電極32に接続された第1接続部材34aとのショートを抑制できる。
【0065】
アレイ基板2には、上述した複数の実装電極24(第1実装電極24A及び第2実装電極24B)及び複数の柱状導体25が設けられる。複数の柱状導体25は、それぞれアレイ基板2に垂直な方向に延在する柱状の部材である。複数の柱状導体25は、複数の接続部材34よりも硬い材料(例えば、タングステン(W))で形成される。
【0066】
柱状導体25は、アノード電極32に電気的に接続される第1柱状導体25Aと、カソード電極33に電気的に接続される第2柱状導体25Bと、を含む。第1柱状導体25Aの下端(アレイ基板2側の端部)は第1実装電極24Aに接続され、第1柱状導体25Aの上端(発光素子3側の端部)は第1接続部材34aに直接接続される。これにより、アノード電極32は、第1実装電極24Aに電気的に接続される。第2柱状導体25Bの下端(アレイ基板2側の端部)は第2実装電極24Bに接続され、第2柱状導体25Bの上端(発光素子3側の端部)は第2接続部材34bに直接接続される。これにより、カソード電極33は、第2実装電極24Bに電気的に接続される。
【0067】
言い換えると、アノード電極32と重なる領域で、アレイ基板2に垂直な方向で、第1実装電極24A、第1柱状導体25A、第1接続部材34a、アノード電極32、発光素子3の半導体層31(p型クラッド層35)の順に積層される。また、カソード電極33と重なる領域で、アレイ基板2に垂直な方向で、第2実装電極24B、第2柱状導体25B、第2接続部材34b、カソード電極33、発光素子3の半導体層31(n型クラッド層37)の順に積層される。
【0068】
本実施形態では、第1柱状導体25Aの高さh1は、第2柱状導体25Bの高さh2よりも低い。また、第1柱状導体25Aの幅は、第1接続部材34aの幅よりも小さい。第1接続部材34aの第1柱状導体25Aと接続される部分には、凹部が形成される。同様に、第2柱状導体25Bの幅は、第2接続部材34bの幅よりも小さい。第2接続部材34bの第2柱状導体25Bと接続される部分には、凹部が形成される。このような構成により、発光素子3のアノード電極32とカソード電極33との高さ位置が異なって形成される場合であっても、発光素子3のアノード電極32及びカソード電極33と、アレイ基板2の第1実装電極24A及び第2実装電極24Bとの接続安定性を確保できる。
【0069】
第1柱状導体25Aの高さh1と、第2柱状導体25Bの高さh2との差は、アノード電極32とカソード電極33との高さ位置の差(すなわち、凹部31aの高さ)に応じて設定される。ただし、第1柱状導体25A及び第2柱状導体25Bの高さのばらつきが生じた場合であっても、第1柱状導体25A及び第2柱状導体25Bよりも硬さが小さい接続部材34が設けられているので、接続部材34が柔軟に変形することで、柱状導体25の高さばらつきを吸収して接続安定性を確保できる。
【0070】
封止材97は、発光素子3とアレイ基板2との間に設けられ、複数の柱状導体25の周囲を充填して設けられる。また、封止材97は、発光素子3の側面を覆うとともに、発光素子3の上面の周縁部を覆って設けられる。より詳細には、封止材97は、高抵抗層38の周縁部の微細凹部38aの一部を覆う。これにより、発光素子3とアレイ基板2との接続強度を向上させることができる。
【0071】
なお、柱状導体25は、円柱状あるいは角柱状(三角柱状、四角柱状等)である。ただし、これに限定されず、円錐形状や角錐形状等、他の形状であってもよい。
【0072】
(第1実施形態の第1変形例)
図7は、第1実施形態の第1変形例に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0073】
図7に示すように、第1変形例に係る表示装置1Aにおいて、柱状導体25の上端(発光素子3側の端部)に、柱状導体接続部材28が設けられる。柱状導体接続部材28は、柱状導体25よりも硬さが小さい材料で形成される。より好ましくは、柱状導体接続部材28は、発光素子3の接続部材34と同じ材料で形成される。柱状導体接続部材28は、例えば、スズ(Sn)及びインジウム(In)の少なくとも一方を含む金属材料で形成される。
【0074】
第1柱状導体25Aの上端に第1柱状導体接続部材28aが設けられ、第1柱状導体接続部材28aと、発光素子3側の第1接続部材34aとが接する。また、第2柱状導体25Bの上端に第2柱状導体接続部材28bが設けられ、第2柱状導体接続部材28bと、発光素子3側の第2接続部材34bとが接する。第1柱状導体接続部材28a及び第2柱状導体接続部材28bの幅は、それぞれ第1接続部材34a及び第2接続部材34bの幅よりも小さく形成される。
【0075】
第1変形例では、同じ材料で形成された柱状導体接続部材28と接続部材34とが接しているので、発光素子3とアレイ基板2との接続安定性を高めることができる。
【0076】
(第1実施形態の第2変形例)
図8は、第1実施形態の第2変形例に係る発光素子を模式的に示す平面図である。第2変形例に係る発光素子3Aでは、上述した第1実施形態の発光素子3に比べてアノード電極32の数が異なる。
【0077】
図8に示すように、アノード電極32は第1方向Dxに並んで2つ配置されており、第1方向Dxに隣り合うアノード電極32の間にカソード電極33が配置される。第1接続部材34aは、アノード電極32のそれぞれを覆って第2方向Dyに延在する。カソード電極33に対して第2方向Dy側に隣り合う位置では、アノード電極32及び第1接続部材34aは設けられていない。
【0078】
第2変形例においても、少なくとも第1方向Dxで、アノード電極32及びカソード電極33が対称に配置されるので、アレイ基板2に斜めに傾いて接続されることを抑制できる。
【0079】
(表示装置の製造方法)
図9は、第1実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、表示装置の製造方法は、発光素子形成工程(ステップST11からステップST14)と、アレイ基板形成工程(ステップST15からステップST17)とを有する。
【0080】
発光素子形成工程では、製造装置は、サファイア基板上に半導体層31を形成する(ステップST11)。具体的には、製造装置は、サファイア基板の一方の面に高抵抗層38、n型クラッド層37、活性層36、p型クラッド層35の順に成膜する。また、サファイア基板の一方の面には、PSS構造が形成されている。
【0081】
次に、製造装置は、半導体層31をパターニングして凹部31aを形成し、絶縁膜39、極性の異なるアノード電極32(第1電極)及びカソード電極33(第2電極)を形成する(ステップST12)。ただし、アノード電極32とカソード電極33は材料が異なっていてもよい。上述したように、アノード電極32は、半導体層31の凹部31aが形成されていない領域に設けられる。カソード電極33は、半導体層31の凹部31aが形成された領域に設けられる。
【0082】
次に、製造装置は、アノード電極32及びカソード電極33を覆って接続部材34を形成する(ステップST13)。
【0083】
次に、製造装置は、レーザリフトオフ等により、サファイア基板上の発光素子3をキャリア基板200に転写する(ステップST14)。図10は、図9のステップST14での発光素子を模式的に示す断面図である。図10に示すように、発光素子3は、サファイア基板から少なくとも2回転写されて、キャリア基板200の上に、高抵抗層38、n型クラッド層37、活性層36、p型クラッド層35の順に配置される。発光素子形成工程では、接続部材34が発光素子3の最表面に位置し、柱状導体25は発光素子3に形成されない。このため、発光素子3側に柱状導体25が形成された場合に比べて、転写工程を容易に行うことができる。あるいは、発光素子3側に柱状導体25が形成された場合に比べて、転写工程での柱状導体25の損傷を抑制することができる。
【0084】
アレイ基板形成工程では、まず、製造装置は、基板21に駆動トランジスタDRT等の各トランジスタ及び各配線を形成する(ステップST15)。
【0085】
次に、製造装置は、アレイ基板2に複数の実装電極24(第1実装電極24A及び第2実装電極24B)を形成する(ステップST16)。第1実装電極24A及び第2実装電極24Bは、発光素子3のアノード電極32及びカソード電極33の配置に対応してパターニングされる。
【0086】
次に、製造装置は、アレイ基板2に設けられた複数の実装電極24(第1実装電極24A及び第2実装電極24B)の上に、柱状導体25(第1柱状導体25A及び第2柱状導体25B)を形成する(ステップST17)。図11は、図9のステップST17でのアレイ基板を模式的に示す断面図である。第1柱状導体25A及び第2柱状導体25Bは、発光素子3のアノード電極32及びカソード電極33の高さ位置に対応して、それぞれ異なる高さh1、h2で形成される。
【0087】
次に、製造装置は、複数の柱状導体25を覆って、アレイ基板2上に封止材97を形成する(ステップST18)。封止材97は、未硬化の樹脂材料(例えばエポキシ樹脂)が用いられる。
【0088】
次に、製造装置は、発光素子3が形成されたキャリア基板200(図10参照)と、柱状導体25が形成されたアレイ基板2(図11参照)と、を対向配置して、圧力を印加して、発光素子3をキャリア基板200からアレイ基板2に転写する(ステップST19)。これにより、アレイ基板2の柱状導体25と発光素子3の接続部材34とが接続される。
【0089】
ここで、図6及び図10に示すように、発光素子3の側面及び凹部31aの側面は、それぞれ傾斜して形成されている。このため、封止材97で覆われたアレイ基板2上に発光素子3を転写する際に、封止材97が発光素子3の側面及び凹部31aの側面に沿って流動する。これにより、転写後に、封止材97は、発光素子3の側面を覆うとともに、凹部31a内に良好に充填される。
【0090】
次に、製造装置は、封止材97が未硬化の状態で、アレイ基板2の画素回路PICA(図3参照)を駆動して、発光素子3の点灯検査を実行する(ステップST20)。点灯しない発光素子3がある場合には、他の発光素子3と交換してリペアを実行する。
【0091】
次に点灯検査及びリペアが終了した後、点灯検査の際の電流よりも大きい電流を流して発光素子3を点灯させる(ステップST21)。これにより、点灯した発光素子3の熱により封止材97が硬化する。この際、点灯した発光素子3の周囲の封止材97のみ硬化し、発光素子3が実装されていない領域に形成された封止材97は未硬化の状態を維持する。例えば、発光素子3R、3G、3Bのうち、発光素子3Rが実装され、発光素子3G、3Bが未実装の場合には、ステップST21で、発光素子3Rの周囲の封止材97のみ硬化される。発光素子3G、3Bに対応する領域の封止材97は未硬化となる。ステップST21では、発光素子3の熱が、封止材97が硬化する温度(例えば140℃以上160℃以下程度)以上、接続部材34の融点(例えば200℃程度)以下の範囲となるように、発光素子3に流れる電流値が設定される。
【0092】
次に、製造装置は、発光素子3R、3G、3BごとにステップST19からステップST21を繰り返し実行する(ステップST22)。
【0093】
このように、発光素子3に電流を流し、発光素子3の熱を利用して封止材97を硬化させることで、発光素子3の点灯検査及びリペアを容易に行うことができる。すなわち、発光素子3を実装し、封止材97の全体を硬化させた後に点灯検査を行う方法では、不良の発光素子3をアレイ基板2から取り外すことが困難であるのに対し、本実施形態では、良品の発光素子3ごとに封止材97を硬化させることができ、不良の発光素子3の周囲では封止材97は硬化されない。これにより、本実施形態の表示装置1の製造方法は、発光素子3の点灯検査及びリペアを容易に行うことができる。
【0094】
なお、図9に示す製造方法は、あくまで一例であり適宜変更することができる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態の表示装置1は、アレイ基板2と、アレイ基板2に設けられた複数の実装電極24と、複数の実装電極24のそれぞれに設けられた接続用の柱状導体25と、アレイ基板2に設けられた複数の発光素子3と、複数の発光素子3のアレイ基板2と対向する面に設けられ、発光素子3のアノード及びカソードの一方に接続される第1電極(例えばアノード電極32)と、発光素子3のアノード及びカソードの他方に接続される第2電極(例えばカソード電極33)と、第1電極及び前記第2電極のそれぞれを覆う接続部材34と、を有する。柱状導体25は、接続部材34よりも硬い材料であり、柱状導体25の発光素子3側の端部は、接続部材34と電気的に接続される。
【0096】
また、本実施形態の表示装置1の製造方法は、発光素子3の一方の面に、極性の異なるアノード電極32(第1電極)と、カソード電極33(第2電極)と、を形成し、アノード電極32(第1電極)及びカソード電極33(第2電極)のそれぞれを覆う接続部材34を形成する工程(ステップST12、ST13)と、アレイ基板2上に複数の実装電極24を形成し、複数の実装電極24のそれぞれに接続用の柱状導体25を形成する工程(ステップST16、ST17)と、発光素子3に圧力を加えて柱状導体25と接続部材34とを電気的に接続する工程とを有する。
【0097】
これによれば、アレイ基板2側に接続用の柱状導体25が設けられているので、発光素子3側に柱状導体25が形成された場合に比べて、転写工程を容易に行うことができる。あるいは、発光素子3側に柱状導体25が形成された場合に比べて、複数回転写工程を繰り返した場合であっても、柱状導体25の損傷を抑制することができる。したがって、表示装置1は、接続安定性を確保することができる。
【0098】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。図12に示すように、第2実施形態に係る表示装置1Bにおいて、上述した柱状導体25に換えて、アレイ基板2と発光素子3との間に異方性導電膜70(ACF:Anisotropic Conductive Film)が設けられる。
【0099】
異方性導電膜70は、絶縁性樹脂材料71と、絶縁性樹脂材料71に分散された導電粒子72とを含む。導電粒子72は、粒径が異なる第1導電粒子72aと、第2導電粒子72bとを含む。第1導電粒子72aの粒径は、第2導電粒子72bの粒径よりも小さい。第1導電粒子72aは、第1実装電極24Aの上に配置され、発光素子3の第1接続部材34aに接続される。これにより、アノード電極32は、第1接続部材34a及び第1導電粒子72aを介して第1実装電極24Aに電気的に接続される。
【0100】
第2導電粒子72bは、第2実装電極24Bの上に配置され、発光素子3の第2接続部材34bに接続される。これにより、カソード電極33は、第2接続部材34b及び第2導電粒子72bを介して第2実装電極24Bに電気的に接続される。
【0101】
言い換えると、アノード電極32と重なる領域で、アレイ基板2に垂直な方向で、第1実装電極24A、第1導電粒子72a、第1接続部材34a、アノード電極32、発光素子3の半導体層31(p型クラッド層35)の順に積層される。また、カソード電極33と重なる領域で、アレイ基板2に垂直な方向で、第2実装電極24B、第2導電粒子72b、第2接続部材34b、カソード電極33、発光素子3の半導体層31(n型クラッド層37)の順に積層される。
【0102】
導電粒子72(第1導電粒子72a及び第2導電粒子72b)は、接続部材34(第1接続部材34a及び第2接続部材34b)よりも硬い材料である。このため、第1接続部材34aの第1導電粒子72aと接続される部分には、凹部が形成される。また、第2接続部材34bの第2導電粒子72bと接続される部分には、凹部が形成される。これにより、導電粒子72と、接続部材34との接触面積が大きくなり接続安定性を確保できる。
【0103】
発光素子3をアレイ基板2側に転写する工程(図9のステップST19参照)で、発光素子3とアレイ基板2との間の各導電粒子72に圧力が印加されることで、導電粒子72は変形する。発光素子3の実装後の第1導電粒子72aの高さh1aは、第2導電粒子72bの高さh2aよりも低い。また、第1導電粒子72aの幅は、第2導電粒子72bの幅よりも小さい。すなわち、アノード電極32に重なる第1導電粒子72aの粒径は、カソード電極33に重なる第2導電粒子72bの粒径よりも小さい。このような構成により、発光素子3のアノード電極32とカソード電極33との高さ位置が異なって形成される場合であっても、異方性導電膜70の第1導電粒子72a及び第2導電粒子72bを第1実装電極24A及び第2実装電極24Bにそれぞれ配置することで、発光素子3のアノード電極32及びカソード電極33と、アレイ基板2の第1実装電極24A及び第2実装電極24Bとの接続安定性を確保できる。
【0104】
なお、絶縁性樹脂材料71は、絶縁材料で形成され、アレイ基板2と複数の発光素子3との間で導電粒子72の周囲に設けられる。絶縁性樹脂材料71は、封止材としての機能も有する。また、絶縁性樹脂材料71の上面71aは、発光素子3の上面と一致する。ただし、これに限定されず、絶縁性樹脂材料71の上面71aは、発光素子3の上面とずれた位置であってもよい。また、図12では、理解を容易にするために、1つの実装電極24に1つの導電粒子72が配置される構成を示している。ただしこれに限定されず、1つの実装電極24に複数の導電粒子72が凝集されていてもよい。
【0105】
(第2実施形態の第3変形例)
図13は、第2実施形態の第3変形例に係る発光素子とアレイ基板との接続構成を模式的に示す断面図である。図13に示すように、第2実施形態の第3変形例に係る表示装置1Cにおいて、実装電極24の上に、実装電極接続部材29が設けられる。実装電極接続部材29は、導電粒子72よりも硬さが小さい材料で形成される。より好ましくは、柱状導体接続部材28は、発光素子3の接続部材34と同じ材料で形成される。実装電極接続部材29は、例えば、スズ(Sn)及びインジウム(In)の少なくとも一方を含む金属材料で形成される。
【0106】
より詳細には、第1実装電極24Aの上に第1実装電極接続部材29aが設けられる。第1導電粒子72aは、アレイ基板2側の第1実装電極接続部材29aと、発光素子3側の第1接続部材34aとの間に設けられる。また、第2実装電極24Bの上に第2実装電極接続部材29bが設けられる。第2導電粒子72bは、アレイ基板2側の第2実装電極接続部材29bと、発光素子3側の第2接続部材34bとの間に設けられる。
【0107】
第3変形例では、導電粒子72の上下方向で、同じ材料で形成された実装電極接続部材29及び接続部材34がそれぞれ接しているので、発光素子3の実装時に導電粒子72に印加される圧力が緩和される。このため、第3変形例での、発光素子3の実装後の第1導電粒子72aの高さh1b及び第2導電粒子72bの高さh2bは、上述した第2実施形態の第1導電粒子72aの高さh1a及び第2導電粒子72bの高さh2aよりも大きい高さを維持している。これにより、第3変形例では、意図しない導電粒子72の変形を抑制することができ、隣接する実装電極24でのショートを抑制することができる。したがって、発光素子3とアレイ基板2との接続安定性を高めることができる。
【0108】
図14は、第2実施形態に係る表示装置の製造方法において、異方性導電膜の形成工程を説明するための説明図である。第2実施形態の表示装置1B及び第3変形例に係る表示装置1Cの製造方法は、上述した図9と同様のフローを採用することができる。ただし、図9の柱状導体25を形成する工程(ステップST17)に換えて、図14に示す工程(ステップST17A)を行う。また、図9の封止材97を形成する工程(ステップST18)は省略する。
【0109】
図14に示すように、第2実施形態の製造方法では、実装電極24が設けられたアレイ基板2の上に、異方性導電膜70を形成する(ステップST17A)。異方性導電膜70を形成する際に、粒径が小さい第1導電粒子72aは第1実装電極24Aの上に配置され、粒径が大きい第2導電粒子72bは第2実装電極24Bの上に配置される。絶縁性樹脂材料71は、第1導電粒子72a及び第2導電粒子72bを覆ってアレイ基板2の上に設けられる。
【0110】
ステップST17Aの後、図9に示すステップST19以下の工程を行うことで、異方性導電膜70の第1導電粒子72a及び第2導電粒子72bを介して、発光素子3はアレイ基板2に実装される。また、図9のステップST20、ST21に示した点灯検査及びリペアも、第2実施形態の表示装置1B、1Cに適用できる。
【0111】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0112】
1、1A、1B、1C 表示装置
2 アレイ基板
3、3A、3R、3G、3B 発光素子
12 駆動回路
21 基板
24 実装電極
25 柱状導体
26 対向電極
28 柱状導体接続部材
29 実装電極接続部材
31 半導体層
31a 凹部
32 アノード電極
33 カソード電極
34 接続部材
35 p型クラッド層
36 活性層
37 n型クラッド層
38 高抵抗層
38a 微細凹部
39 絶縁膜
70 異方性導電膜
71 絶縁性樹脂材料
72 導電粒子
97 封止材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14