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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188650
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】経路探索装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20221214BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G01C21/34
B60R16/04 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096863
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 浩之
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA06
2F129BB03
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD20
2F129DD45
2F129DD46
2F129DD49
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF32
(57)【要約】
【課題】太陽電池パネルにより発電された電力を利用して走行する車両において、効率的な目的地への移動と車両の省電力化をバランスよく行う走行経路の提示を行うことのできる経路探索装置を提供する。
【解決手段】経路探索装置は、車両の出発地と目的地とに基づいて、複数の移動経路候補を取得する経路取得部と、各移動経路候補を含む地域の日射量予測情報を取得する日射量情報取得部と、各移動経路候補の周囲の建造物の高さ情報と、日射量予測情報とに基づき、各移動経路候補を走行中に得られる予測発電量を取得する発電量取得部と、各移動経路候補の予測発電量が得られた場合のバッテリの蓄電状態に基づく係数と、各移動経路候補の移動時間と、走行時のバッテリの電力収支と、に基づき、各移動経路候補の評価情報を取得し、移動経路候補の中から推奨移動経路を選択する経路選択部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載の太陽電池パネルによって発電される電力を用いて走行可能な車両の出発地と目的地とに基づいて、複数の移動経路候補を取得する経路取得部と、
前記移動経路候補ごとに当該移動経路候補を含む地域の日射量予測情報を取得する日射量情報取得部と、
前記移動経路候補ごとに当該移動経路候補の周囲の建造物の高さ情報と、前記日射量予測情報とに基づき、前記移動経路候補ごとに前記車両の走行中に得られる予測発電量を取得する発電量取得部と、
前記移動経路候補ごとの前記予測発電量が得られた場合の前記車両のバッテリの蓄電状態に基づく係数と、前記移動経路候補ごとの移動時間と、前記車両の走行時の前記バッテリの電力収支と、に基づき、前記移動経路候補ごとの評価情報を取得し、当該評価情報に基づき前記移動経路候補の中から推奨移動経路を選択する経路選択部と、
を含む、経路探索装置。
【請求項2】
前記経路選択部は、前記蓄電状態が所定値以上の場合、前記出発地から前記目的地まで最短時間で移動可能な前記移動経路候補を推奨移動経路として選択し、前記蓄電状態が前記所定値未満の場合、前記電力収支が所定範囲となる前記移動経路候補を推奨移動経路として選択する、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記発電量取得部は、前記移動経路候補の走行車線による車線起因日射量情報と、前記移動経路候補を走行する季節および時刻による時期起因日射量情報と、前記移動経路候補の渋滞情報に基づく速度起因日射情報と、の少なくともいずれか一つに基づき予測発電量の補正を実行する、請求項1または請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記経路取得部は、前記目的地として、複数の経由地と最終目的地を含み、前記複数の経由地の経由順序およびその経由地に到達する経路との組合せにより立案された、前記出発地から前記最終目的地に至る複数の移動経路候補を取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の経路探索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電エネルギを利用するシステムが多々考案され、実用化されている。太陽光発電エネルギを利用する場合、天候が発電量(発電効率)に大きく影響するため、気象予報情報を用いて、取得し得る発電量の予測を行い、太陽光発電エネルギを用いたシステムの運転制御に反映させる技術がある。また、このような太陽光発電エネルギを用いて走行する電気自動車の実用化も行われている。太陽光発電エネルギを用いた電気自動車の場合、走行に用いるモータの消費電力と車載電気設備の消費電力、およびバッテリ残量を考慮し、走行および電気設備の消費電力との組合せで走行計画を作成し、例えば、より快適な走行が可能な走行計画を選択する技術が提案されている。また、太陽光発電エネルギを用いた電気自動車の場合、バッテリ残量が低下した場合に、より効率的に発電ができるような経路を提示する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5215822号公報
【特許文献2】特許第5631367号公報
【特許文献3】特開2000-353295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の電気自動車の場合、消費電力やバッテリ残量、天候の変化を考慮した充電効率等に基づいて経路探索を行っているが、提示される経路が、電力収支(発電量と消費電力の差分)と目的地への移動の効率とのバランスがよいものとは限らなかった。例えば、車両の省電力化を重視してバッテリの充電状態を最適に保とうとする走行を行うと、目的地への到達までに長時間かかってしまう場合がある。逆に、短時間で目的地に到着することを重視する走行を行うと、バッテリの消費が大きくなり、電力不足を招いてしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、太陽電池パネルにより発電された電力を利用して走行する車両において、効率的な目的地への移動と省電力化をバランスよく行う走行経路の提示を行うことができる経路探索装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる経路探索装置は、例えば、車載の太陽電池パネルによって発電される電力を用いて走行可能な車両の出発地と目的地とに基づいて、複数の移動経路候補を取得する経路取得部と、前記移動経路候補ごとに当該移動経路候補を含む地域の日射量予測情報を取得する日射量情報取得部と、前記移動経路候補ごとに当該移動経路候補の周囲の建造物の高さ情報と、前記日射量予測情報とに基づき、前記移動経路候補ごとに前記車両の走行中に得られる予測発電量を取得する発電量取得部と、前記移動経路候補ごとの前記予測発電量が得られた場合の前記車両のバッテリの蓄電状態に基づく係数と、前記移動経路候補ごとの移動時間と、前記車両の走行時の前記バッテリの電力収支と、に基づき、前記移動経路候補ごとの評価情報を取得し、当該評価情報に基づき前記移動経路候補の中から推奨移動経路を選択する経路選択部と、を含む。この構成によれば、例えば、より正確な発電量の把握によるバッテリの蓄電状態に基づく係数と、移動時間と、電力収支とに基づく評価情報と、を用いることで、効率的な目的地への移動と車両の省電力化をバランスよく行う走行経路の提示を行うことができる。
【0007】
また、本発明の実施形態にかかる経路探索装置の前記経路選択部は、例えば、前記蓄電状態が所定値以上の場合、前記出発地から前記目的地まで最短時間で移動可能な前記移動経路候補を推奨移動経路として選択し、前記蓄電状態が前記所定値未満の場合、前記電力収支が所定範囲となる前記移動経路候補を推奨移動経路として選択するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、効率的な目的地への移動と車両の省電力化をバランスよく行う走行経路の選択をより適切に行うことができる。
【0008】
また、本発明の実施形態にかかる経路探索装置の前記発電量取得部は、例えば、前記移動経路候補の走行車線による車線起因日射量情報と、前記移動経路候補を走行する季節および時刻による時期起因日射量情報と、前記移動経路候補の渋滞情報に基づく速度起因日射情報と、の少なくともいずれか一つに基づき予測発電量の補正を実行するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、より正確な予測発電量を取得することができる。
【0009】
また、本発明の実施形態にかかる経路探索装置の前記経路取得部は、例えば、前記目的地として、複数の経由地と最終目的地を含み、前記複数の経由地の経由順序およびその経由地に到達する経路との組合せにより立案された、前記出発地から前記最終目的地に至る複数の移動経路候補を取得するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、複数の経由地を通過する経路、例えば、荷物の配送を行う配送業者が利用する車両に対して、配送先への効率的な移動と車両の省電力化をバランスよく行う配送経路の選択をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態にかかる経路探索装置を搭載する車両(配送車両)を示す例示的かつ模式的な構成図である。
図2図2は、実施形態にかかる経路探索装置(経路探索システム)を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図3図3は、実施形態にかかる経路探索装置により提示される移動経路候補を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図4図4は、実施形態にかかる経路探索装置において、移動経路候補の周囲に存在する建造物の高さと日射照射度補正値との関係の一例を示す説明図である。
図5図5は、実施形態にかかる経路探索装置において、日射量(積算値)と太陽光発電量との関係の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施形態にかかる経路探索装置において、移動経路候補の中から推奨移動経路を選択する際に利用する評価値(評価情報)を算出する際に用いる重みを求めるときに参照するテーブルの一例である。
図7図7は、実施形態にかかる経路探索装置の処理の流れを説明する例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0012】
図1は、実施形態にかかる経路探索装置10を搭載する車両12を示す例示的かつ模式的な構成図である。車両12は、例えば、荷物Baの配送車両であり、車両前部の運転スペース12aと、車両後部の荷物Baを積載可能な荷室スペース12bとを備える。荷物Baは、例えば、後部ドア12cを開けることで積み降ろしが可能である。
【0013】
車両12は、荷物Baの配送を行うため、外部の配送センタ等に設けられた管理装置14と通信を行いながらより配送先や配送時刻の管理を行うとともに、管理装置14から最適な配送経路を取得して効率的な配送業務を実現しながら走行する。車両12と管理装置14とは、後述する車載側の送受信部28に接続された車載アンテナ28aと、管理装置14の送受信部30に接続された固定アンテナ30aとを用いて相互通信を行う。管理装置14は、複数の車両12との間で情報の送受信が可能であり、各車両12から取得した情報に基づき各車両12に対する最適経路の修正等を行うこともできる。したがって、車両12と管理装置14とは、種々の情報の送受信を行う経路探索システム100を構成している。管理装置14の詳細は後述する。
【0014】
車両12は、例えば、車両屋根に搭載された周知の太陽電池パネル16により発電を行い、バッテリ18に蓄電するとともに、バッテリ18に蓄電された電力エネルギによってモータを駆動し走行する電気自動車である。太陽電池パネル16は、小形の複数の太陽電池セルを配列して構成され、車両12の外面形状に対応して配置可能である。なお、図1の場合、太陽電池パネル16を車両屋根に配置する例を示しているが、車両屋根に加え、または車両屋根の代わりに、ボンネットやドア等に配置してもよい。
【0015】
車両12には、ECU(Electronic Control Unit)20が搭載される。ECU20は、太陽電池パネル16、バッテリ18、EVモータ制御部22等の制御を行いつつ、車両12の効率的な走行により荷物Baをより最適な経路でより効率的に配送するための経路探索処理を行う。経路探索結果は、運転席24の周囲(例えば前方のダッシュボード等)に配置された誘導部26(例えば、ナビゲーションシステムの表示部26a(図2参照)等)に表示され、利用者に提供される。なお、誘導部26は表示部26aによる表示に加え、スピーカー等の音声出力装置を用いて音声で誘導するようにしてもよい。
【0016】
図2は、経路探索装置10(経路探索システム100)を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0017】
前述したように、車両12と管理装置14とは、車両12に搭載された送受信部28と管理装置14に設置されている送受信部30とにより相互に情報の送受信を行っている。したがって、管理装置14は、送受信部30を備える。また、管理装置14は、データ蓄積部32を備え、荷物Baを配送する際に利用する様々な情報を逐次蓄積している。データ蓄積部32は、例えば、地図データ部32a、配達経路データ部32b、日射量予報データ部32c、配送予定時刻データ部32d等を備える。
【0018】
地図データ部32aは、荷物Baを配送する地域の詳細な道路情報および各道路の周囲に存在する建造物(主として道路を挟んで存在する建造物)の高さ情報等を備える。前述したように、車両12は、太陽電池パネル16の発電した電力エネルギによって駆動するモータによって走行する車両である。したがって、車両12は太陽光を効率的に受光することができる環境を走行することが望ましい。道路の周囲(道路脇等)に高層の建造物が存在する場合、建造物の影が道路にかかり、太陽光の受光量、つまり日射量が減少してしまう場合がある。したがって、地図データが道路と関連づけられた周囲の建造物の高さ情報を有することで、車両12がその道路を走行した際に受光可能な太陽光の量(日射量)を把握可能となり、太陽電池パネル16による発電量を算出する際に、より正確な発電量予測を実行させることができる。
【0019】
配達経路データ部32bは、例えば、配達当日の荷物Baの配達依頼情報と、地図データ部32aが有する荷物Baの配達地域の地図情報とに基づき、複数の移動経路候補(配達経路候補)を周知の経路探索手法を用いて立案し蓄積する。移動経路は、出発地と目的地とを結ぶ経路である。出発地は、配達を始める場合の配送センタの位置でもよいし、ある荷物Baの配達完了位置でもよい。また、目的地は、現在の車両12の位置を基準にした次の配達場所(位置)である。なお、予定の配達が完了した場合(全ての配達が完了した場合や配達未完了の場合でも配達終了時刻に到達した場合等)は、配送センタが最終の目的地とされてもよい。つまり、移動経路候補は、目的地として、複数の経由地と最終目的地を含み、複数の経由地の経由順序およびその経由地に到達する経路との組合せにより、複数立案することができる。
【0020】
日射量予報データ部32cは、配達経路としての移動経路候補ごとの日照量の予測データを蓄積している。前述したように、地図データ部32aには、車両12が走行可能な道路の周囲の建造物の情報を有する。したがって、車両12が走行する移動経路候補が立案されれば、その道路の周囲の建造物の位置情報および高さ情報に基づき、車両12が道路を走行する際に、その道路に形成される建造物の影の形成領域が推定できる。つまり、道路の周辺の建造物の高さ情報を利用することにより、車両12が走行中に太陽電池パネル16で受光できる日照量が予測可能となる。
【0021】
なお、車両12が走行している道路が複数車線の道路の場合、走行している車線によっては、建造物の影の領域に含まれる車線と含まれない車線とがある場合がある。したがって、配達経路データ部32bが保持している移動経路候補には、走行車線を指定する情報が含まれてもよい。また、日射量予報データ部32cは、車線ごとの日照量を予測した日射量予報データを備えてもよい。また、日照量は、車両12が走行するときの天候に大きく左右される。したがって、日射量予報データ部32cは、天候情報(晴天や曇り、雨天等)に応じた日射量予報データを備えてもよいし、日照量予報データを利用される際に、天候情報に基づいて、基準となる日射量予報データ(例えば晴天時のデータ)に基づいて自動的に修正されてもよいし、管理者によって手動で補正されてもよい。
【0022】
配送予定時刻データ部32dは、配達経路データ部32bに保持されている移動経路候補ごとに、各荷物Baの配送予定時刻を保持している。つまり、車両12の移動経路が異なることにより配達順序が異なるため、配達順序に応じて配送予定時刻を決定した複数のデータを保持している。なお、実際に配送を行う際に利用する移動経路が確定した場合には、他の移動経路候補や配送予定時刻データは、破棄してもよい。
【0023】
続いて、車両12に搭載される経路探索装置10のECU20の詳細な構成の一例を説明する。
【0024】
ECU20は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、経路探索処理を実行する。具体的には、ECU20は、CPU(Central Processing Unit)44、および不図示のROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびSSD(Solid State Drive)等の記憶部等を備える。
【0025】
CPU44は、ROM等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行する複数のモジュールを実現する。具体的には、CPU44は、管理装置14の送受信部30と送受信を行うための送受信部28に加え、情報取得部34、発電量取得部36、経路選択部38、SOC(State of Charge)管理部40、配送予定処理部42等のモジュールを実現する。
【0026】
情報取得部34は、管理装置14からの情報を取得するとともに、車両12に搭載されたセンサや車載の他のシステムから必要な情報を取得する。情報取得部34は、詳細モジュールとして、経路取得部34a、日射量情報取得部34b、GPS(Global Positioning System)信号取得部34c、車速取得部34d、渋滞情報取得部34e等を含む。
【0027】
経路取得部34aは、配送する荷物Baに対応する移動経路候補を送受信部28を介して管理装置14の配達経路データ部32bから取得する。荷物Baを配送する配送車両の場合、複数の配達先(経由地)を経由しながら走行する。したがって、配送先の順番が異なる移動経路候補を複数立案することが可能なので、経路取得部34aは複数の移動経路候補を取得する。
【0028】
例えば、図3は、経路探索装置10により提示される移動経路候補を示す例示的かつ模式的な説明図である。図3は、誘導部26の表示部26a(例えば、ナビゲーションシステムの表示部)に表示される複数の移動経路候補を含む表示画面46の一例である。例えば、第一の配送先48Aと次の第二の配送先48Bとの間には、複数の建造物50A、建造物50B、建造物50C、建造物50D等が存在する。そして、第一の配送先48Aから第二の配送先48Bに移動する場合に利用可能な道路として第一の移動経路候補52Aと第二の移動経路候補52Bが表示されている。第一の移動経路候補52Aは、第一の配送先48Aから第二の配送先48Bまでの距離が第二の移動経路候補52Bより短い反面、第一の移動経路候補52Aに影を落とす建造物(例えば建造物50A、建造物50B、建造物50C)が第二の移動経路候補52Bより多く存在する。つまり、第一の移動経路候補52Aを車両12が走行する場合に、第二の配送先48Bに早く到着する可能性がある反面、太陽光を遮る建造物50A等が複数存在し(複数の影54が存在し)、太陽光発電の効率が低下する部分が多く存在し、第二の移動経路候補52Bを走行する場合に比べて、太陽光発電量が低下する可能性がある。一方、第二の移動経路候補52Bは、第一の配送先48Aから第二の配送先48Bまでの距離が第一の移動経路候補52Aより長い反面、第二の移動経路候補52Bに影を落とす建造物(例えば建造物50D)が第一の移動経路候補52Aより少ない。つまり、第二の移動経路候補52Bを車両12が走行する場合に、第二の配送先48Bに到着する時間は第一の移動経路候補52Aを走行した場合に比べ長くなる可能性があるが、太陽光を遮り建造部50D等が少なく、太陽光発電の効率が低下する部分が少ない。その結果、第一の移動経路候補52Aを走行する場合に比べて、より多くの太陽光発電を行うことが可能となる。なお、図3の場合、一例として、第一の移動経路候補52A、第二の移動経路候補52Bが示されているが、3種類以上の移動経路候補が示されてもよい。
【0029】
日射量情報取得部34bは、経路取得部34aが取得した、例えば第一の移動経路候補52A、第二の移動経路候補52Bに対応する日射量予報データを日射量予報データ部32cから送受信部28を介して取得する。前述したように、日射量予報データには、配達当日の日射量データが天候によって補正された予報(予測)データであってもよい。
【0030】
GPS信号取得部34cは、GPS衛星からGPS信号を受信して、車両12の現在の位置をリアルタイムで取得する。GPS信号取得部34cは、誘導部26を構成するナビゲーションシステムが受信しているGPS信号を取得してもよい。
【0031】
車速取得部34dは、車載の速度センサや他の車載システムが取得している、現在の車両12の車速を取得する。車両12の車速が遅い場合、建造物50A等の影54がない領域を移動する際には、受光時間が長くなり太陽電池パネル16による発電量が増加する。逆に、影54がある領域を移動する際には、受光できない時間が長くなり太陽電池パネル16による発電量が減少する。したがって、現在の車速(移動速度)は、日射量情報取得部34bが取得した日射量予測データに基づく、日射領域または日陰領域を移動する時間が算出可能となり、より正確な太陽電池パネル16による発電量を予測する際に利用することができる。なお、日射領域または日陰領域を移動する時間を算出する場合、現在の車速に基づく平均車速を用いて算出してもよい。
【0032】
渋滞情報取得部34eは、送受信部28を介して管理装置14や外部の交通情報センタ等から経路取得部34aが取得した、例えば第一の移動経路候補52A、第二の移動経路候補52Bに対応する渋滞情報を取得する。渋滞情報は、第一の移動経路候補52Aや第二の移動経路候補52Bにおける将来の移動位置における車速を推定する際に利用することが可能で、いずれの移動経路候補を選択するか否かの決定を行う際の発電量の推定に利用することができる。
【0033】
発電量取得部36は、経路取得部34aが取得した、例えば第一の移動経路候補52A、第二の移動経路候補52Bごとに、走行した場合に得られる発電量(積算値)の算出を行う。
【0034】
発電量取得部36は、詳細モジュールとして、日射量取得部36a、補正部36b、発電力算出部36c等を備える。
【0035】
日射量取得部36aは、例えば、第一の移動経路候補52A、第二の移動経路候補52Bごとに建造物50A等の存在およびその高さ情報を考慮して日向領域と日陰領域を識別して、走行する際に得られると推定される標準的な日射量を取得する。
【0036】
補正部36bは、車両12が実際に第一の移動経路候補52Aや第二の移動経路候補52Bを走行した場合に、車両12の走行状態に応じて日射量の補正を行う。
【0037】
前述したように、建造物50A等の高さに応じて発生する影54の範囲が異なるため、その道路を走行する車両12の日照量に影響が出る。そこで、補正部36bは、例えば、図4に示されるように、建造物(50A等)の高さが低い場合、所定の低層高さ(例えば、3階建ての高さ)までは、日射照度補正値は、「1.0」であり、それより高くなるにつれて、日射照度補正値が低下し、所定の高層高さ(例えば、6階建ての高さ)以上の場合、日射照度補正値は、最低値(例えば、0.2)となる。このように高さによって規定される日射照度補正値を用いることにより、建造物50A等により発生する影54の影響(発電効率の低下する範囲)を一定の割合で日射照度(日照量)に反映させることができる。つまり、日射量取得部36aが取得した標準的な日射量の補正を適切に行うことができる。
【0038】
さらに、補正部36bは、例えば、移動経路候補の走行車線による車線起因日射量情報と、移動経路候補を走行する季節および時刻による時期起因日射量情報と、移動経路候補の渋滞情報に基づく速度起因日射情報と、の少なくともいずれか一つに基づき、日射量取得部36aが取得した標準的な日射量の補正を行うことができる。
【0039】
前述したように、車両12が片側複数車線の道路を走行する場合、走行している車線によって、建造物50A等の影54の影響の有無が異なる。例えば、建造物50Aに近い側の車線を走行している場合には、影54の影響を受けやすいが、建造物50Aから遠い側の車線を走行している場合、同じ道路を走行していても影54の影響をうけない場合がある。したがって、補正部36bは、動経路候補の走行車線による車線起因日射量情報(車線補正値)を取得して、日射量の算出時に車線の違いに基づく影響度を反映させることが可能となる。
【0040】
また、車両12が同じ道路(車線)を走行しても、走行する季節や時刻によって、太陽の高度が異なり、影54の延び具合が異なる。例えば夏期の正午付近では、太陽高度が高く影54の長さが短くなる。逆に冬季の場合、同じ時刻でも太陽高度が低くなるため影54の長さが夏期に比べて長くなる。また、同じ季節でも時刻によって影54の長さや形成方向が異なる。つまり、車両12の太陽電池パネル16に対する影54の影響範囲が変化する。したがって、補正部36bは、季節および時刻による時期起因日射量情報(時期補正値)を取得して、日射量の算出時に季節や時刻の違いに基づく影響度を反映させることが可能になる。
【0041】
また、前述したように、渋滞によって車両12の走行速度が変化(低下)する。その結果、車両12が走行している場合の日向領域または日陰領域の滞在時間が変化し、太陽電池パネル16の受光量(日射量)の総量が変化する。したがって、補正部36bは、移動経路候補の渋滞情報に基づく速度起因日射情報(速度補正値)を取得して、日射量の算出時に渋滞の有無に基づく影響度を反映させることが可能になる。
【0042】
発電力算出部36cは、移動経路候補ごとに当該移動経路候補の周囲の建造物50A等の高さ情報が考慮された日射量予測情報に基づき、移動経路候補ごとに車両12の走行中に得られる予測発電量を取得する。また、補正部36bが取得した車線補正値、時期補正値、速度補正値の少なくとも一つの補正値が考慮された日射量予測情報に基づき、移動経路候補ごとに車両12の走行中に得られる補正された予測発電量を取得する。
【0043】
発電力算出部36cは、例えば、図3に示されるように、第二の移動経路候補52Bにおいて、道路を区間56n、区間56n+1、・・・等に分割し、第一の配送先48Aから第二の配送先48Bまでの区間ごとの日射量を積算(総和)することで、第二の移動経路候補52Bの日射量(積算値)を算出する。具体的には、以下の式(1)によって算出することができる。
移動経路候補の日射量(積算値:kWh/m)=Σ{第n区間の日射照度瞬間値(kWh/m)×(第n区間移動時間)×第n区間日射照度の補正値}・・・(式1)
【0044】
図5は、経路探索装置10において、日射量(積算値)と太陽光発電量との関係の一例を示す説明図である。発電力算出部36cは、移動経路候補の日射量(積算値)を算出すると、例えば図5を参照し、移動経路候補の走行時に得られる太陽光発電量(kWh)を算出する。この場合、算出される太陽光発電量は、建造物50A等の高さ情報や補正部36bが取得した補正値が反映された値であり、実際に車両12が走行した場合の発電量を高精度に予測した予測発電量とすることができる。
【0045】
図2に戻り、経路選択部38は、移動経路候補ごとの予測発電量が得られた場合の車両12のバッテリ18の蓄電状態に基づく係数と、移動経路候補ごとの移動時間と、車両の走行時のバッテリ18の電力収支と、に基づき、移動経路候補ごとの評価情報(評価値)を取得し、当該評価情報に基づき移動経路候補の中から推奨移動経路を選択(決定)する。
【0046】
経路選択部38は、詳細モジュールとしえ経路評価部38aと経路決定部38bを備える。
【0047】
経路評価部38aは、車両12の省電力(電力収支)と車両12による配達時間を最適に両立させるための評価値を移動経路候補ごとに算出する。具体的には、経路評価部38aは、以下の(式2)で示されるように、移動経路候補ごとの予測発電量が得られた場合の車両12のバッテリ18の蓄電状態に基づく係数W1と、移動経路候補ごとの移動時間と、車両12の走行時のバッテリ18の電力収支と、に基づき、移動経路候補ごとの評価値(評価情報)を取得し、当該評価値に基づき移動経路候補の中から推奨移動経路を選択する。
評価値=移動経路候補の移動時間×係数W1+移動経路候補の電力収支(電力収支=消費電力予測値-発電量)×(1-係数W1)・・・(式2)
ここで、係数W1は、図6に示されるように、バッテリ18の残量によって決定される。例えば、バッテリ18の残量が100%(満充電)においては、係数W1が「1.0」となり、電力収支の方の重み(係数W1)を「0」にする。つまり、移動時間を優先する評価値が算出される。逆に、バッテリ18の残量が少なくなるのにつれて、電力収支の重み(係数W1)が増加し、移動時間の重みを減らしていく。
【0048】
なお、バッテリ18の残量は、SOC管理部40から得ることができる。SOC管理部40は、バッテリ18の残量に基づき充放電制御を行う。SOC管理部40は、例えば、バッテリ18の充電目標値が80%になるように、充放電制御を行う。充電目標値を80%に設定することにより、充電処理に余裕ができ、仮に太陽光発電が過剰に行われた場合でも、発電した電力の無駄にすることなく、バッテリ18の充電を行うことが可能になる。また、充電目標値を80%に設定することにより、放電処理を行う場合に余裕を持って放電が可能となり、電力不足が発生すること(走行不能)を回避することができる。
【0049】
経路決定部38bは、経路評価部38aが算出する移動経路候補ごとの評価値のうち最小となる移動経路候補を推奨移動経路として決定する。例えば、経路選択部38(経路決定部38b)は、バッテリ18の蓄電状態が所定値以上(例えばSOC=50%以上)の場合、出発地から目的地まで最短時間で移動可能な移動経路候補を推奨移動経路として選択する。逆に、バッテリ18の蓄電状態が所定値未満(SOC=50%未満)の場合、電力収支が所定範囲(例えば、50~60%)となる移動経路候補を推奨移動経路として選択する。その結果、効率的な目的地への移動(できるだけ早く目的地に到達する移動)とバッテリ18の省電力化をバランスよく行う走行経路(推奨移動経路)の決定を行うことができる。この場合、車両12の走行時の電力消費を極力抑えることが可能になる。その結果、バッテリ容量の低減が可能となり、バッテリ18の小型化、低コスト等に寄与することができる。
【0050】
経路決定部38bによって推奨移動経路が決定され、その経路が利用者(車両12に搭乗する配達作業者)の入力部26b等の操作によって承認された場合、配送予定処理部42は、荷物Baごとのおおよその配送予定時刻を確定することができる。配送予定処理部42は、荷物Baごとの配送予定時刻が確定した場合、送受信部28を介して、荷物Baごとの配送予定時刻を管理装置14の配送予定時刻データ部32dに提供する。その結果、管理装置14は、例えば、荷物Baお受取人に配達予定時刻等の情報を提供する。
【0051】
また、経路決定部38bによって推奨移動経路が決定され、その経路が利用者(車両12に搭乗する配達作業者)によって、承認された場合、経路決定部38bは、誘導部26の表示部26aに推奨移動経路を提示するとともに、誘導部26による誘導処理を開始することが可能になる。この場合、例えば、ナビゲーションシステムによる誘導を行う。また、CPU44はEVモータ制御部22に推奨移動経路を走行するのに適したモータ出力(加減速制御や速度制御)を行うことができる。なお、利用者によって推奨移動経路が承認されない場合、例えば、他の移動経路での移動が要求された場合、経路探索装置10は、他の移動経路候補の提示や推奨移動経路の修正案等を提示してもよいし、利用者による移動経路候補や推奨移動経路の修正を許容し、経路誘導を実行させるようにしてもよい。
【0052】
このように構成される経路探索装置10の経路探索処理および誘導処理の流れの一例を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
まず、経路探索装置10の経路取得部34aは、管理装置14の配達経路データ部32bから配達用の移動経路候補を取得する(S100)。続いて、日射量情報取得部34bは、管理装置14の日射量予報データ部32cから日射量予報データを取得する(S102)。そして、発電量取得部36の補正部36bは、移動経路候補ごとの補正データ(例えば、車線補正値、時期補正値、速度補正値等)を取得する(S104)。そして、日射量取得部36aは、移動経路候補ごとの日射量を取得する(S106)。さらに、発電力算出部36cは、移動経路候補ごとの発電量を取得する(S108)。
【0054】
続いて、経路評価部38aは、移動経路候補ごとの評価値を取得し(S110)、経路決定部38bは、評価値が最小となる移動経路候補を推奨移動経路として決定する(S112)。
【0055】
推奨移動経路が決定された場合、経路探索装置10は、誘導部26の表示部26aに決定した推奨移動経路を提示する(S114)。推奨移動経路が表示部26aに提示されると、利用者(車両12に搭乗した配送作業者)に、提示された推奨移動経路を承認するか否か判断させる(S116)。利用者が入力部26b等を操作して推奨移動経路を承認した場合(S116のYes)、誘導部26は、推奨移動経路に基づく車両12の経路誘導を行う(S118)。
【0056】
誘導部26は、推奨移動経路にしたがう経路誘導によって経由地(荷物Baの配送先)に到着した場合(S120Yes)、現在の経路(推奨移動経路)に基づき誘導を継続する否か確認を求める(S122)。現在の経路(推奨移動経路)に基づく誘導を継続することが利用者によって要求された場合(S122のYes)、誘導部26は、次に到着した経由地が最終目的地(例えば、配送センタ)であるか判定、または利用者に確認を求め(S124)、最終目的地の場合(S124のYes)は、一連の配送作業は終了したと判定し、このフローを一旦終了する。
【0057】
S124において、到着した経由地が最終目的地ではない場合(S124のNo)、S118に移行し、誘導部26は、推奨移動経路に基づく経路誘導を継続し、S118以降の処理を繰り返す。また、S122において、現在の経路(推奨移動経路)に基づく誘導を継続しない場合(S122のNo)、例えば、割り込みで荷物Baの追加配送の指示が来た場合や、再配達の指示が来た場合である。このような場合は、S100に移行し、現在の荷物Baの配送依頼にしたがう新たな移動経路候補の取得処理からやり直し、S100以降の処理を再度実行する。
【0058】
また、S120において、経由地にまだ到着していない場合(S120のNo)、S118に移行し、推奨移動経路にしたがう経路誘導を継続して行う。
【0059】
S116において、提示された推奨移動経路を利用者が承認しなかった場合(S116のNo)、例えば、利用者の判断により、他の移動経路の提示を望む場合等である。このような場合、誘導部26は、経路変更処理を実行する(S126)。経路変更処理は、例えば、利用者自ら経由地の順番を変更しあり、新たな経由地を追加したりする操作や、S100で取得した推奨移動経路以外の他の移動経路候補を再表示させて、その中から手動で移動経路を決定する処理等である。S126において、経路変更処理が完了した場合、S118に移行して、誘導部26は、変更した経路にしたがい経路誘導を実行する。
【0060】
このように、本実施形態の経路探索装置10によれば、太陽電池パネル16により発電された電力を利用して走行する車両12において、効率的な目的地への移動と省電力化をバランスよく行う走行経路の提示が可能になり、業務効率の向上および配送コストの低減に寄与し易くなる。
【0061】
なお、上述した実施形態において、車両12は、バッテリ18に蓄電された電力を用いて駆動するモータのみを駆動源として走行する電気自動車である場合を示した。他の実施形態では、車両12は、内燃機関とモータとを駆動源として走行するハイブリッド車両であってもよい。ハイブリッド車両の場合、太陽電池パネル16による発電が不十分な場合、例えば、悪天候の場合や、日没後に配送作業を継続する必要がある場合等でも、配送作業を継続して行うことができる。
【0062】
また、上述した実施形態において、管理装置14側で、建造物50A等の高さ情報を含む地図データの保持を行ったり、移動経路候補の立案、日射量予報データの管理等を行ったりする例を示した。別の実施形態では、管理装置14側では、荷物Baの配送依頼管理等のみを行い、経路探索装置10側で、建造物50A等の高さ情報を含む地図データの保持を行ったり、移動経路候補の立案、日射量予報データの管理等の全てまたはその一部を行ったりしてもよく、同様の効果を得ることができる。また、荷物Baの配送依頼管理を車両12(経路探索装置10)側で行ってもよい。また、逆に全ての処理を管理装置14側で行い、管理装置14から車両12に移動経路候補または推奨移動経路の提供のみを行い、車両12では経路誘導のみを行うようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、上述した実施形態では、車両12として、荷物Baの配送を行う配送車両とする例を示した。他の実施形態では、車両12は、一般的な車両でもよく、同様の効果を得ることができる。例えば、最終目的地に到達するまでに経由地が設定される場合には、上述した実施形態と同様に、太陽電池パネル16により発電された電力を利用して走行する車両12において、効率的な目的地への移動と省電力化をバランスよく行う走行経路の提示が可能になり、移動効率の向上および車両12の運用コストの低減に寄与し易くなる。
【0064】
本実施形態の経路探索装置10(CPU44)で実行される経路探索処理のための経路探索プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0065】
さらに、経路探索プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行される経路探索プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0066】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10…経路探索装置、12…車両、14…管理装置、16…太陽電池パネル、18…バッテリ、20…ECU、26…誘導部、26a…表示部、28,30…送受信部、28a…車載アンテナ、32…データ蓄積部、32a…地図データ部、32b…配達経路データ部、32c…日射量予報データ部、32d…配送予定時刻データ部、34…情報取得部、34a…経路取得部、34b…日射量情報取得部、34c…GPS信号取得部、34d…車速取得部、34e…渋滞情報取得部、36…発電量取得部、36a…日射量取得部、36b…補正部、36c…発電力算出部、38…経路選択部、38a…経路評価部、38b…経路決定部、40…SOC管理部、42…配送予定処理部、44…CPU、100…経路探索システム、Ba…荷物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7