(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188656
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】包装体のパッケージおよび吸収性物品の包装方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20221214BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20221214BHJP
A61F 13/551 20060101ALI20221214BHJP
A61F 13/58 20060101ALI20221214BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65D85/07
A61F13/15 210
A61F13/551 100
A61F13/58
A61F13/56 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096870
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 文夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英聡
【テーマコード(参考)】
3B200
3E068
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA01
3B200DA27
3B200DE02
3B200DF08
3B200EA18
3E068AA40
3E068AB02
3E068AB03
3E068AC05
3E068BB08
3E068BB09
3E068BB12
3E068CC22
3E068CE02
3E068DD27
3E068DD34
3E068DE13
3E068DE14
3E068DE18
3E068DE19
3E068EE09
(57)【要約】
【課題】本発明は、粘着性のテープが設けられた吸収性物品を包装する紙製の包装体の破損を抑制する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一側面に係る包装体のパッケージは、紙製の包装体と、外表面に粘着性のテープを有し、包装体に包装される吸収性物品と、を備え、吸収性物品は、テープが包装体の内面に対して露出しないように包装体に包装される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製の包装体と、
外表面に粘着性のテープを有し、前記包装体に包装される吸収性物品と、を備え、
前記吸収性物品は、前記テープが前記包装体の内面に対して露出しないように前記包装体に包装される、
包装体のパッケージ。
【請求項2】
前記吸収性物品は、前記テープが露出するように折り畳まれ、
折り畳まれた複数の前記吸収性物品は、露出された状態の夫々の前記テープが露出しないように重ねられて前記包装体に包装される、
請求項1に記載の包装体のパッケージ。
【請求項3】
前記テープを被覆可能なシートを更に備え、
前記吸収性物品は、前記テープが露出するように折り畳まれ、
折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、少なくとも1つの前記テープが外側を向くように重ねられ、
重ねられた複数の前記吸収性物品は、外側を向く前記テープが前記シートに覆われた状態で前記包装体に包装される、
請求項1に記載の包装体のパッケージ。
【請求項4】
前記吸収性物品は、前記テープが露出するように折り畳まれ、
折り畳まれた二つの前記吸収性物品は、夫々の前記テープが設けられた前記外表面が対向し、さらに夫々の前記テープが互い違いとなるように重ねられ、複数の前記吸収性物品は、重ねられた二つの前記吸収性物品を一組の前記吸収性物品として組単位で前記包装体に包装される、
請求項1に記載の包装体のパッケージ。
【請求項5】
前記吸収性物品は、前記テープが露出しないように折り畳まれて前記包装体に包装される、
請求項1に記載の包装体のパッケージ。
【請求項6】
前記包装体は、紙同士が接着されることで封止された封止部を有し、
前記封止部は、前記包装体の内部空気を外部へ排出可能にし、外部から前記包装体の内部への空気の進入を防止する構造体を有する、
請求項1から5のうち何れか一項に記載の包装体のパッケージ。
【請求項7】
外表面に粘着性のテープを有する吸収性物品が折り畳まれる折り畳み工程と、
複数の前記吸収性物品が折り畳んだ方向に重ねられ、重ねられた複数の前記吸収性物品の夫々の前記テープが露出しない状態とされる露出防止工程と、
前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品が紙製の包装体に装填される装填工程と、を含む、
吸収性物品の包装方法。
【請求項8】
前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出するように折り畳まれ、
前記露出防止工程において、折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、露出された状態の夫々の前記テープが露出しないように重ねられる、
請求項7に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項9】
前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出するように折り畳まれ、
前記露出防止工程において、折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、少なくとも1つの前記テープが露出するように重ねられ、
前記露出防止工程は、露出された状態の前記テープがシートにより被覆される被覆工程を更に含む、
請求項7に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項10】
前記露出防止工程において、夫々の前記外表面が製造流れ方向を向くように並べられた複数の前記吸収性物品が、前記製造流れ方向において一つおきに所定軸の周りに回転されることで前記外表面同士が対向され、さらに前記テープが互い違いとされる一組の吸収性物品が形成され、
前記装填工程において、前記吸収性物品は前記組単位で前記包装体に装填される、
請求項7に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項11】
前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出しないように折り畳まれる、
請求項7に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項12】
前記包装体の所定面は開口し、前記開口の高さを狭めることで前記開口の幅を拡張させる拡張工程を更に含み、
前記装填工程は、前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を厚み方向に圧縮し、圧縮された前記吸収性物品を前記拡張工程において幅が拡張された前記開口の高さ方向に該吸収性物品の厚み方向が沿うように、前記吸収性物品を該開口を介して装填する、
請求項7から11のうちの何れか一項に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項13】
前記装填工程は、
矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように、前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品が一対の第1板材で重なり方向に挟持される挟持工程と、
前記挟持工程において一対の前記第1板材により挟持された複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように一対の前記第1板材の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、
前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する一対の前記第1板材を前記挟持方向が前記所定方向となるように向かせ、前記開口と対向する前記包装体の底面と前記吸収性物品との距離が第1所定距離となるまで、前記開口を介して一対の前記第1板材を前記包装体の内部に移動させる第1移動工程と、
前記第1移動工程において前記包装体の内部に移動した一対の前記第1板材に挟持される前記吸収性物品の移動方向の先端が前記底面に接するように、前記移動方向の後端が第2板材により前記移動方向に押し込まれる押し込み工程と、
前記押し込み工程において押し込まれた前記吸収性物品を挟持する一対の前記第1板材を、前記第1移動工程における前記移動方向とは反対方向に移動させる第2移動工程と、を含み、
一対の前記第1板材の挟持面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さい、
請求項7から11の何れか一項に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項14】
前記装填工程は、
互いに対向する一対の第3板材と、前記第3板材の対向方向の内側に設けられ前記対
向方向と直交する第2所定方向に移動可能なベルトと、を有し、矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を挟持可能および圧縮可能な第1挟持器具により、前記ベルトからの力が作用可能に複数の前記吸収性物品が重なり方向に挟持される挟持工程と、
前記挟持工程において前記第1挟持器具により挟持される複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように前記第1挟持器具の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、
前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する前記第1挟持器具を前記挟持方向が前記所定方向となり前記第2所定方向が前記開口から前記開口と対向する前記包装体の底面へ向かう方向となるように向かせ、前記底面と前記吸収性物品との距離が第2所定距離となるまで、前記開口を介して前記第1挟持器具を前記包装体の内部に移動させる第3移動工程と、
前記第3移動工程において前記包装体の内部に移動した前記第1挟持器具が有する前記ベルトを前記第2所定方向に移動させるベルト移動工程と、
前記ベルト移動工程における移動方向と同方向に前記ベルトが移動することで、前記底面の方向に移動した前記吸収性物品を挟持する前記第1挟持器具を前記第3移動工程における前記移動方向とは反対方向に移動させる第4移動工程と、を含み、
前記ベルトから前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さい、
請求項7から11の何れか一項に記載の吸収性物品の包装方法。
【請求項15】
前記装填工程は、
互いに対向する一対の第4板材と、前記第4板材の対向方向の内側に設けられ第3所定方向の周りに回転可能なローラと、を有し、矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を挟持可能および圧縮可能な第2挟持器具により、前記ローラからの力が作用可能に複数の前記吸収性物品が重なり方向に挟持される挟持工程と、
前記挟持工程において前記第2挟持器具により挟持される複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように前記第2挟持器具の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、
前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する前記第2挟持器具を、前記挟持方向が前記所定方向となり前記第3所定方向が前記開口から前記開口と対向する前記包装体の底面へ向かう方向と直交するように向かせ、前記底面と前記吸収性物品との距離が第3所定距離となるまで、前記開口を介して前記第2挟持器具を前記包装体の内部に移動させる第5移動工程と、
前記第5移動工程において前記包装体の内部に移動した前記第2挟持器具に挟持された前記吸収性物品の移動方向の先端が前記第2挟持器具に対して相対的に前記底面の方向に移動するように前記ローラを回転させる回転工程と、
前記回転工程における回転方向と同方向に前記ローラが回転することで前記底面の方向に移動した前記吸収性物品を挟持する前記第2挟持器具を、前記第5移動工程における移動方向とは反対方向に移動させる第6移動工程と、を含み、
前記ローラから前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さい、
請求項7から11のうち何れか一項に記載の吸収性物品の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装体のパッケージおよび吸収性物品の包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の包装方法が開示されている(例えば特許文献1)。また、吸収性物品の廃棄時に吸収性物品を小さく丸めて止めるための廃棄テープを備える吸収性物品が開示されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-196540号公報
【特許文献2】特開2019-069379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品を包装する包装体を環境保護の観点から紙製の包装体(例えば紙袋)にすることが考えられる。しかしながら、例えば廃棄用に吸収性物品を丸めて止めるための粘着性のテープが吸収性物品に設けられている場合、例えばテープに不良があり接着部の一部が外部に露出した状態となることが考えられる。又は、例えば接着部が幅広となっており接着部の一部が外部に露出していることが考えられる。このようにテープの接着部の少なくとも一部が露出した状態の吸収性物品を、包装体の開口を介して紙製の包装体に装填すると、装填途中でテープの露出した状態の接着部が紙製の包装体についてしまい紙製の包装体が破損することが考えられる。
【0005】
本開示は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、粘着性のテープが設けられた吸収性物品を包装する紙製の包装体の破損を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、テープが紙製の包装体の内面に対して露出しない状態で吸収性物品を包装することとした。
【0007】
詳細には、本開示の一側面に係る包装体のパッケージは、紙製の包装体と、外表面に粘着性のテープを有し、前記包装体に包装される吸収性物品と、を備え、前記吸収性物品は、前記テープが前記包装体の内面に対して露出しないように前記包装体に包装される。
【0008】
また、上記一側面に係る包装体のパッケージにおいて、前記吸収性物品は、前記テープが露出するように折り畳まれ、折り畳まれた複数の前記吸収性物品は、露出された状態の夫々の前記テープが露出しないように重ねられて前記包装体に包装されてもよい。
【0009】
また、上記一側面に係る包装体のパッケージは、前記テープを被覆可能なシートを更に備え、前記吸収性物品は、前記テープが露出するように折り畳まれ、折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、少なくとも1つの前記テープが外側を向くように重ねられ、重ねられた複数の前記吸収性物品は、外側を向く前記テープが前記シートに覆われた状態で前記包装体に包装されてもよい。
【0010】
また、上記一側面に係る包装体のパッケージにおいて、前記吸収性物品は、前記テープ
が露出するように折り畳まれ、折り畳まれた二つの前記吸収性物品は、夫々の前記テープが設けられた前記外表面が対向し、さらに夫々の前記テープが互い違いとなるように重ねられ、複数の前記吸収性物品は、重ねられた二つの前記吸収性物品を一組の前記吸収性物品として組単位で前記包装体に包装されてもよい。
【0011】
また、上記一側面に係る包装体のパッケージにおいて、前記吸収性物品は、前記テープが露出しないように折り畳まれて前記包装体に包装されてもよい。
【0012】
また、上記一側面に係る包装体のパッケージにおいて、前記包装体は、紙同士が接着されることで封止された封止部を有し、前記封止部は、前記包装体の内部空気を外部へ排出可能にし、外部から前記包装体の内部への空気の進入を防止する構造体を有してもよい。
【0013】
また、本開示の一側面に係る吸収性物品の包装方法は、外表面に粘着性のテープを有する吸収性物品が折り畳まれる折り畳み工程と、複数の前記吸収性物品が折り畳んだ方向に重ねられ、重ねられた複数の前記吸収性物品の夫々の前記テープが露出しない状態とされる露出防止工程と、前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品が紙製の包装体に装填される装填工程と、を含んでもよい。
【0014】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法は、前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出するように折り畳まれ、前記露出防止工程において、折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、露出された状態の夫々の前記テープが露出しないように重ねられてもよい。
【0015】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法は、前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出するように折り畳まれ、前記露出防止工程において、折り畳まれた状態の複数の前記吸収性物品は、少なくとも1つの前記テープが露出するように重ねられ、前記露出防止工程は、露出された状態の前記テープがシートにより被覆される被覆工程を更に含んでもよい。
【0016】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法は、前記露出防止工程において、夫々の前記外表面が製造流れ方向を向くように並べられた複数の前記吸収性物品が、前記製造流れ方向において一つおきに所定軸の周りに回転されることで前記外表面同士が対向され、さらに前記テープが互い違いとされる一組の吸収性物品が形成され、前記装填工程において、前記吸収性物品は前記組単位で前記包装体に装填されてもよい。
【0017】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法は、前記折り畳み工程において、前記吸収性物品は前記テープが露出しないように折り畳まれてもよい。
【0018】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法は、前記包装体の所定面は開口し、前記開口の高さを狭めることで前記開口の幅を拡張させる拡張工程を更に含み、前記装填工程は、前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を厚み方向に圧縮し、圧縮された前記吸収性物品を前記拡張工程において幅が拡張された前記開口の高さ方向に該吸収性物品の厚み方向が沿うように、前記吸収性物品を該開口を介して装填してもよい。
【0019】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法において、前記装填工程は、矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように、前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品が一対の第1板材で重なり方向に挟持される挟持工程と、前記挟持工程において一対の前記第1板材により挟持された複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように一対の前
記第1板材の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する一対の前記第1板材を前記挟持方向が前記所定方向となるように向かせ、前記開口と対向する前記包装体の底面と前記吸収性物品との距離が第1所定距離となるまで、前記開口を介して一対の前記第1板材を前記包装体の内部に移動させる第1移動工程と、前記第1移動工程において前記包装体の内部に移動した一対の前記第1板材に挟持される前記吸収性物品の移動方向の先端が前記底面に接するように、前記移動方向の後端が第2板材により前記移動方向に押し込まれる押し込み工程と、前記押し込み工程において押し込まれた前記吸収性物品を挟持する一対の前記第1板材を、前記第1移動工程における前記移動方向とは反対方向に移動させる第2移動工程と、を含み、一対の前記第1板材の挟持面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さくともよい。
【0020】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法において、前記装填工程は、互いに対向する一対の第3板材と、前記第3板材の対向方向の内側に設けられ前記対向方向と直交する第2所定方向に移動可能なベルトと、を有し、矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を挟持可能および圧縮可能な第1挟持器具により、前記ベルトからの力が作用可能に複数の前記吸収性物品が重なり方向に挟持される挟持工程と、前記挟持工程において前記第1挟持器具により挟持される複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように前記第1挟持器具の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する前記第1挟持器具を前記挟持方向が前記所定方向となり前記第2所定方向が前記開口から前記開口と対向する前記包装体の底面へ向かう方向となるように向かせ、前記底面と前記吸収性物品との距離が第2所定距離となるまで、前記開口を介して前記第1挟持器具を前記包装体の内部に移動させる第3移動工程と、前記第3移動工程において前記包装体の内部に移動した前記第1挟持器具が有する前記ベルトを前記第2所定方向に移動させるベルト移動工程と、前記ベルト移動工程における移動方向と同方向に前記ベルトが移動することで、前記底面の方向に移動した前記吸収性物品を挟持する前記第1挟持器具を前記第3移動工程における前記移動方向とは反対方向に移動させる第4移動工程と、を含み、前記ベルトから前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さくともよい。
【0021】
また、上記一側面に係る吸収性物品の包装方法において、前記装填工程は、互いに対向する一対の第4板材と、前記第4板材の対向方向の内側に設けられ第3所定方向の周りに回転可能なローラと、を有し、矩形状の前記包装体の一面に設けられた開口の所定方向の縁長よりも厚くなるように前記露出防止工程において夫々の前記テープが露出しない状態とされた複数の前記吸収性物品を挟持可能および圧縮可能な第2挟持器具により、前記ローラからの力が作用可能に複数の前記吸収性物品が重なり方向に挟持される挟持工程と、前記挟持工程において前記第2挟持器具により挟持される複数の前記吸収性物品の厚みが、前記縁長以下となるように前記第2挟持器具の挟持方向の間隔が狭められて前記吸収性物品が圧縮される圧縮工程と、前記圧縮工程において圧縮された複数の前記吸収性物品を挟持する前記第2挟持器具を、前記挟持方向が前記所定方向となり前記第3所定方向が前記開口から前記開口と対向する前記包装体の底面へ向かう方向と直交するように向かせ、前記底面と前記吸収性物品との距離が第3所定距離となるまで、前記開口を介して前記第2挟持器具を前記包装体の内部に移動させる第5移動工程と、前記第5移動工程において前記包装体の内部に移動した前記第2挟持器具に挟持された前記吸収性物品の移動方向の先端が前記第2挟持器具に対して相対的に前記底面の方向に移動するように前記ローラを回転させる回転工程と、前記回転工程における回転方向と同方向に前記ローラが回転することで前記底面の方向に移動した前記吸収性物品を挟持する前記第2挟持器具を、前記第
5移動工程における移動方向とは反対方向に移動させる第6移動工程と、を含み、前記ローラから前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力は、前記包装体の内面から前記吸収性物品に作用する最大静止摩擦力よりも小さくともよい。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、粘着性のテープが設けられた吸収性物品を包装する紙製の包装体の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、実施形態において紙袋に包装されるおむつを背面側から見た斜視図の一例である。
【
図2】
図2は、おむつを包装する紙袋の概要を例示する。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【
図7】
図7は、第1変形例に係る包装工程の概要を例示する。
【
図8】
図8は、第2変形例に係る包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る包装方法によりおむつを包装する紙袋の概要を例示する。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【
図17】
図17は、板の挟持領域からおむつ群の一部が外れた状態を例示する。
【
図18】
図18は、第3実施形態に係る包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【
図23】
図23は、おむつ群が装填器具の挟持領域から外れた概要を例示する。
【
図24】
図24は、第3変形例に係る包装方法の概要を例示する。
【
図25】
図25は、第4変形例に係る包装方法に使用される紙袋の概要を例示する。
【
図26】
図26は、第5変形例に係る包装方法に使用される紙袋の非接着部分の部分拡大図の概要を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る紙袋について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本開示はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態において紙袋に包装されるおむつ7(本開示の「吸収性物品」の一例)を背面側から見た斜視図の一例である。おむつ7は、例えばパンツ型使い捨ておむ
つである。なお、以降の説明において、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。
【0026】
また、おむつ7の厚み方向とは、後述する
図4に示されるように2つ折りにされたおむつ7が折り重なる方向のことを言う。また、おむつ7の幅方向とは、
図4に示されるようにおむつ7の長手方向に対して2つ折りにされたおむつ7の折り返し方向のことを言う。また、おむつ7の奥行方向とは、幅方向および厚み方向に対して直交する方向のことを言う。
【0027】
また、おむつ7が包装される紙袋1(後述する)の幅方向とは、
図2に示される状態の紙袋1を開口2の開口方向から見た場合の幅方向(左右方向)のことを言う。同様にして奥行方向とは、
図2に示される状態の紙袋1を開口2の開口方向から見た場合の奥行方向のことを言い、高さ方向とは
図2に示される状態の紙袋1を開口2の開口方向から見た場合の高さ方向のことを言う。
【0028】
図1に示されるようにおむつ7は、装着状態において着用者の陰部を覆う股下領域に対応する部位である股下領域7Bと、股下領域7Bの前側に位置し、着用者の前身頃に対応する部位である前身頃領域7Fと、股下領域7Bの後ろ側に位置し、着用者の後身頃に対応する部位である後身頃領域7Rと、を有する。また、後身頃領域7Rには長手方向に沿って廃棄テープ31が設けられている。廃棄テープ31は、粘着性のテープであり、粘着剤を塗工した接着面同士が互いに向き合って接着するように折り重ねられた状態で後身頃領域7Rに設けられている。よって、おむつ7の装着時には廃棄テープ31の接着面は外部に露出していない。このような廃棄テープ31は、おむつ7の胴回り側の先端を該胴回り側に引っ張ることで、折り重ねられた状態から展開され接着面が露出される。よって、おむつ7を廃棄する場合に、おむつ7を長手方向において股下領域7B側から前身頃領域7Fが内側となるように丸める。そして廃棄テープ31を上記のように展開して露出した接着面を、丸められたおむつ7のカバーシートに貼り付ける。このようにすれば、おむつ7は小さく丸まった状態を維持できるので、おむつ7を嵩張らせずに廃棄可能となる。
【0029】
図2は、
図1に示されるおむつ7を包装する紙袋1の概要を例示する。
図2に示されるように、紙袋1の形状は直方体状であり、一面に開口2が設けられている。また、紙袋1を形成するマチ3(3A、3B、3C、3D)同士の間には折目24が設けられている。また、紙袋1の幅方向のマチ3Aおよび3Bには、開口2の縁から奥行方向に延在する折り筋25が設けられている。折り筋25は、例えば紙にミシン加工されることで実現される。なお、紙袋1の形状は
図2に示される直方体状に限定されず、開口2が開口している状態で六面体であればよい。
【0030】
図3は、
図2に示されるような紙袋1におむつ7を装填して包装する方法のフローチャートの概要を例示する。
【0031】
(S1)
図4は、ステップS1の工程の概要を例示する。ステップS1では、
図4に示されるようにおむつ7を長手方向に対して折り畳む。この際、廃棄テープ31が外部に露出するようにする。なお、ステップS1は、本開示の「折り畳み工程」の一例である。
【0032】
(S2)
図5は、ステップS2の工程の概要を例示する。ステップS2では、
図5に示されるようにステップS1において折り畳まれた複数のおむつ7を、廃棄テープ31が厚み方向において同方向に向くように重ねる。そして、重なり方向の先端であって、廃棄テープ31が露出しているおむつ7Eを、その廃棄テープ31Eが後方のおむつ7と対向するように
反転させる。なお、
図5は、おむつ7Eが反転した状態を例示している。このようにおむつ7を重ねることで、複数のおむつ7の夫々に設けられた廃棄テープ31が外部に露出しないようにすることができる。なお、ステップS2は、本開示の「露出防止工程」の一例である。
【0033】
(S3)
図6は、ステップS3の工程の概要を例示する。ステップS3では、
図6に示されるようにステップS2において重ねられた複数のおむつ7が紙袋1に装填される。より詳細には、まず4本の棒状の治具26を開口2の四隅に差し込む。その後、開口2が幅方向に拡張するように治具26を紙袋1の幅方向の外側に向けて夫々移動させる。すると、紙袋1の開口2の高さが狭まることで開口2の幅が拡張される。そして、紙袋1は、奥行方向に延びる折り筋25が折目となり、多面体形状に変形する。そして、このように変形された紙袋1の開口2を介しておむつ7を装填する。なお、
図6に示されるようにおむつ7の厚み方向が紙袋1の高さ方向を向くようにおむつ7の向きを整えて紙袋1に装填する。また、開口2を通過させる複数のおむつ7は、厚み方向において圧縮されている。
【0034】
(S4)
ステップS4では、ステップS3におけるおむつ7の装填後、紙袋1の幅方向の内側面を治具26によって押圧しつつ、該治具26を奥行方向における手前側に移動させる。このような操作により開口2の幅はさらに広がり、高さはさらに縮小されることになる。なお、開口2の幅を広げ、高さを縮小するために、紙袋1の厚み方向におけるマチ3C、3Dの外側から、押圧板等でマチ3C、3Dを押圧してもよい。
【0035】
(S5)
ステップS5では、ステップS4において奥行方向において手前側に移動している治具26の後端61が、開口2の縁21と対向する位置まで来た場合に、治具26の移動を停止する。そして、後端61が縁21と対向している状態で開口2の全周の縁(縁21を含む)同士を接着剤などで接着させる。このようにしておむつ7が収容された状態の紙袋1の開口2は封される。
【0036】
[作用・効果]
上記のような包装方法によれば、例えば廃棄テープ31に不良があり、接着部の一部が外部に露出した状態となっている、又は廃棄テープ31の接着部が幅広になっていて接着部が一部外部に露出している場合であっても、廃棄テープ31自体が外部に露出しない状態でおむつ7が重ねられている。よって、紙袋1への装填の途中や装填完了後に紙袋1の内面に廃棄テープ31が貼りつくことは抑制される。したがって、本実施形態によれば、紙袋1に対するおむつ7の装填や取り出しに際し、廃棄テープ31の接着部が紙袋1に貼り付いて紙袋1を破損する可能性を可及的に抑制することができる。
【0037】
また、上記のような包装方法によれば、開口2の幅が拡張された状態でおむつ7を紙袋1に装填している。よって、装填時におむつ7が幅方向において紙袋1に接触することは抑制される。また、開口2の幅を拡張するために開口2の高さは縮小されるが、おむつ7は厚み方向に圧縮可能である。よって、
図6に示されるように圧縮された状態でおむつ7を装填することで高さ方向においても開口2とおむつ7とが接触することは抑制される。よって、開口2の縁の破損は抑制される。
【0038】
また、上記のような包装方法によれば、紙袋1を高さ方向に縮小することで幅方向を拡張させている。よって、開口2の縁の破損を抑制しつつ、紙袋1のサイズの増大を抑制することができる。よって、例えば吸収性物品を販売する店舗等で、販売スペースが棚等で仕切られて限定されている場合であっても、棚に紙袋1が当たり破損することは抑制され
る。
【0039】
また、上記のような包装方法によれば、開口2の幅が拡張されるので装填時に幅方向においておむつ7と開口2の縁21との間の隙間には余裕が生まれる。よって、装填時に紙袋1の内部の空気がこのような隙間を介して外部に抜けることが可能となる。よって、内部空気が圧縮されることで装填途中のおむつ7を開口方向に押し戻すことは抑制される。よって、おむつ7を紙袋1の袋底部まで入れることができる。
【0040】
また、上記のような包装方法によれば、装填時におむつ7を長手方向に2つ折りにして圧縮している。よって、おむつ7が幅方向に拡張することは抑制される。よって、装填時に幅方向においておむつ7が開口2の縁21に接触することは抑制される。
【0041】
また、上記のような包装方法に使用される紙袋1によれば、折り筋25が設けられているため、幅方向に開口2が拡張された状態の紙袋1の形状は安定する。よって、装填時に幅方向においておむつ7が開口2の縁21に接触することは確実に抑制される。
【0042】
また、上記のような包装方法によれば、治具26の後端61が、開口2の縁21と対向する位置まで来た場合に、治具26の引き抜きが停止されている。そして、後端61が縁21と対向した状態で開口2を封している。よって、開口2の縁に皺が生じることを抑制しつつ開口2を封することができる。また、おむつ7の装填後に押圧板でマチ3C、3Dを押圧しつつ治具26を引き抜く場合、開口2の縁に皺が生じることは確実に抑制される。
【0043】
[第1変形例]
図7は、第1変形例に係る包装方法の装填工程(ステップS3A)の概要を例示する。ステップS3Aでは、第1実施形態に係るステップS3の工程と同様の工程が実行される。加えて、ステップS3Aでは、吸引ホース8の一部が開口2の幅方向の一方の端部付近から紙袋1の内部に入れられる。そして、おむつ7が紙袋1に装填されている時に、紙袋1の内部の空気が吸引ホース8の先端の吸引口から吸引される。
【0044】
[作用・効果]
変形例に係る装填工程によれば、おむつ7を装填する際に、紙袋1の内部に存する空気が吸引ホース8を介して確実に外部に抜けさせることができる。よって、おむつ7の進入によって内部空気が圧縮され、圧縮された内部空気の圧力によっておむつ7のさらなる進入が阻まれることは抑制される。また、圧縮された内部空気により紙袋1が破損することは抑制される。また、装填時に開口2の幅が拡張されるのでおむつ7と縁21との間の隙間に余裕が生じるが、このような隙間に吸引ホース8が位置することになる。よって、装填されるおむつ7が吸引ホース8に当たることは抑制される。よって、おむつ7の装填はスムーズに実行される。
【0045】
[第2変形例]
図8は、第2変形例に係るおむつ7の包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【0046】
(S11)
ステップS11では、実施形態に係るステップS1と同様に、おむつ7を長手方向に対して折り畳む。この際、廃棄テープ31が外部に露出するようにする。
【0047】
(S12)
図9は、ステップS12の概要を例示する。ステップS12では、
図9に示されるようにステップS11において折り畳まれたおむつ7を、厚み方向において廃棄テープ31が
同方向を向くように重ねる。このようにおむつ7を重ねることで、重なり方向の先端に位置するおむつ7の廃棄テープ31は露出することになる。
【0048】
(S13)
ステップS13では、
図9に示されるようにステップS12において露出した状態の廃棄テープ31を剥離紙32で被覆する。なお、剥離紙の代替としてビニールで被覆してもよい。また、ステップS13は、本開示の「露出防止工程」および「被覆工程」の一例である。
【0049】
(S14)
図10は、ステップS14の概要を例示する。ステップS14では、ステップS13において剥離紙32で重なり方向の先端において露出された状態の廃棄テープ31が被覆された複数のおむつ7が、紙袋1Aに装填される。より詳細には、紙袋1Aは、本実施形態に係る紙袋1と同様の構成である。加えて、紙袋1Aは、夫々のマチ3(3A、3B、3C、3D)の外表面にニスが塗られている。なお、ニスが塗られた部位は夫々被吸引部9(9A、9B、9C、9D)として図示される。そして、マチ3A、3Bの外表面に設けられた被吸引部9A、9Bが吸引器具10A、10Bにより幅方向の外側に向かって吸引される。また、マチ3C、3Dの外表面に設けられた被吸引部9C、9Dが吸引器具10C、10Dにより厚み方向の外側に向かって吸引される。なお、幅方向への吸引強度が厚み方向への吸引強度よりも強く設定される。すると、紙袋1Aの開口2Aの幅が拡張されるとともに、高さが縮小される。そして、紙袋1Aは奥行方向の延びる折り筋25を辺に含む多面体形状に変形する。そして、このように変形された紙袋1Aに、ステップS13において剥離紙32で被覆されたおむつ7が装填される。なお、
図10に示されるようにおむつ7の厚み方向が紙袋1Aの高さ方向を向くようにおむつ7の向きを整えて紙袋1に装填する。また、開口2Aを通過させる複数のおむつ7は、厚み方向において圧縮されている。
【0050】
(S15)
ステップS15では、ステップS14においておむつ7が紙袋1Aに装填された後、吸引器具10C、10Dによりマチ3C、3Dを厚み方向の外側に吸引することが停止される。そして、吸引器具10C、10Dは取り外される。よって、マチ3A、3Bのみ幅方向の外側に吸引されている状態となる。よって、開口2Aの幅はさらに広がると共に高さはさらに狭まることになる。なお、吸引器具10C、10Dによりマチ3C、3Dを厚み方向の外側に吸引することが停止されずに、吸引力が弱められてもよい。
【0051】
(S16)
ステップS16では、ステップS15においてマチ3A、3Bのみ幅方向の外側に吸引されている状態で、開口2Aの全周の縁同士を接着剤などで接着させる。このようにしておむつ7が収容された状態の紙袋1Aの開口2Aは封される。
【0052】
[作用・効果]
第2変形例に係る包装方法によれば、剥離紙32で露出された状態の廃棄テープ31自体が被覆される。よって、実施形態に係る包装方法と同様の効果を奏する。加えて、第2変形例に係る包装方法によれば、おむつ7の装填時に開口2Aの縁が高さ方向の外側に向かって吸引される。よって、開口2Aの開口形状を維持するために板などを開口2Aの内周に設ける必要はなくなる。よって、おむつ7が通過する開口2Aの開口面積が減少することは抑制される。よって、おむつ7の装填はスムーズに行われる。また、第2変形例に係る包装方法によれば、治具等が設けられなくとも開口2Aの縁は幅方向および高さ方向に吸引されるため、開口2Aの縁に弛みが生じることは抑制される。よって、おむつ7が開口2Aの縁に当たって紙袋1が破損することは抑制される。
【0053】
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る包装方法によりおむつ7を包装する紙袋1Bの概要を例示する。
図11に示されるようにおむつ7を包装する紙袋1Bは矩形状である。また、おむつ7は所定方向に重ねられた状態(以降おむつ群7Aともいう)で紙袋1Bに包装される。
【0054】
このようなおむつ7Aを紙袋1Bに装填する方法は以下の通りである。すなわち、おむつ群7Aの包装前において紙袋1Bの一面(例えば端部22)は開口している。そして、このような開口の開口方向に対して直交する方向におむつ7を重ねておむつ群7Aとし、開口を介しておむつ群7Aを紙袋1Bの内部に装填する(詳細は後述する)。
【0055】
なお、第2実施形態においては、紙袋1Bに包装されたおむつ7の重なり方向を厚み方向(縦方向ともいう)とする。また、厚み方向と直交する方向であって、封止前の紙袋1Bの端部22に設けられていた開口の開口方向と平行な方向を奥行方向(
図11に示される左右方向)とする。また、厚み方向および奥行方向とそれぞれ直交する方向を幅方向(横方向ともいう)とする。
【0056】
図12は、第2実施形態に係るおむつ7の包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【0057】
(S21)
ステップS21では、第1実施形態に係るステップS1と同様に、おむつ7を長手方向に対して折り畳む。この際、廃棄テープ31が外部に露出するようにする。
【0058】
(S22)
図13は、ステップS22の工程の概要を例示する。
図13(A)は、複数のおむつ7のうちの一部が回転される前の概要を例示する。
図13(B)は、複数のおむつ7のうちの一部が回転された後の概要を例示する。ステップS22では、
図13(A)に示されるように、ステップS21において折り畳まれた複数のおむつ7を、夫々の廃棄テープ31がMD(製造流れ)方向を向くように並べる。そして、一列に並べられた複数のおむつ7のうち、MD方向に沿って一つおきにおむつ7Cを選択する。そして、おむつ7CをMD方向(本開示の「所定軸」)に対して反転させる。その後、反転したおむつ7CをさらにMD方向の周りに180度回転させる。そして、MD方向のおむつ7の間隔を狭める。すると、
図13(B)に示されるように、回転されたおむつ7Cと回転されていないおむつ7Dとは、廃棄テープ31が設けられた後身頃領域7Rの外表面同士が対向するような状態となる。また、おむつ7Cとおむつ7Dとは、夫々の廃棄テープ31が互い違いに配置された状態となる。なお、ステップS22は、本開示の「露出防止工程」の一例である。
【0059】
(S23)
図14は、ステップS23の概要を例示する。ステップS23では、
図14に示されるようにステップS22で回転されたおむつ7Cと回転されていないおむつ7Dとを一組のおむつとし、組単位でおむつ7を所定方向に重ねる。なお、
図14では、3組のおむつ(計6つ)が所定方向に重ねられた例が例示される。また、3組のおむつは前述のおむつ群7Aに相当する。また、おむつ7は、重なり方向の長さが紙袋1Bの縦方向の内面間距離よりも長くなるまで重ねられるものとする。そして、重ねられた状態のおむつ群7Aを一対の板4(本開示の「第1板材」の一例)で重なり方向に挟持する。なお、ステップS23は、本開示の「挟持工程」の一例である。
【0060】
(S24)
ステップS24では、ステップS23においておむつ群7Aを挟持した板4の挟持方向における両端間の長さを、紙袋1Bの開口23(詳細は後述する)の縦方向の長さ以下となるように狭める。このように板4の挟持間隔を狭めることでおむつ群7Aの厚みは圧縮される。また、圧縮されたおむつ群7Aの厚みも開口23の縦方向の長さよりも短くなることは勿論のことである。なお、ステップS24は、本開示の「圧縮工程」の一例である。
【0061】
(S25)
図15は、ステップS25の概要を例示する。ステップS25では、一面に開口23を有する紙袋1Bに、ステップS24において圧縮されたおむつ群7Aを装填する。より詳細には、ステップS24において挟持間隔を狭めた板4を、
図15に示されるようにおむつ群7Aを挟持した状態で開口23の中に入れる。なお、おむつ群7Aの厚みは、開口23の縦方向の長さより短くなっている。また、厚み方向(縦方向)において板4の両端同士の間の距離も、開口23の縦方向の長さ以下となっている。そして、開口23を通過した板4を、紙袋1Bの開口23と対向する内面5(本開示の「底面」の一例)の手前の所定地点まで移動させる。なお、所定地点とは、後述するステップS27において板4を紙袋1Bから引き抜く場合に、おむつ群7Aが内面5Aから受ける摩擦力によって静止される程度、板4から押し出されたおむつ7が内面5Aと接触できる地点(本開示の「第1所定距離」の一例)をいう。また、板4の材質は、板4の挟持面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力が、紙袋1Bの内面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力よりも小さい材質が使用される。なお、板4の材質は、板4の挟持面からおむつ7に作用する摩擦力が、紙袋2の内面5Aからおむつ7に作用する摩擦力よりも小さくなるような材質が使用されてもよい。又は、板4の材質は、おむつ7に対する板4の挟持面の摩擦係数がおむつ7に対する紙袋2の内面5Aの摩擦係数よりも小さくなるような材質が使用されてもよい。また、紙袋1Bは所定場所に固定されているものとする。なお、ステップS25は、本開示の「第1移動工程」の一例である。
【0062】
(S26)
図16は、ステップS26の概要を例示する。ステップS26では、ステップS25において板4に挟持された状態で内面5の手前地点まで移動したおむつ群7Aは、
図16に示されるように奥行方向における後端側から先端側(内面5側)に向けてプッシャー6で押し込まれる。なお、プッシャー6は、厚み方向に重なるおむつ群7Aを奥行方向に押し込むことのできる板材(本開示の「第2板材」の一例)を有する。このような操作により、プッシャー6で押し込まれたおむつ群7Aは一対の板4の間を滑り、その後板4の挟持領域から外れる。その後、おむつ群7Aは内面5の少なくとも一部と当接することになる。
図17は、板4の挟持領域からおむつ群7Aの一部が外れた状態を例示する。
【0063】
ここで、おむつ群7Aは一対の板4に挟持された状態で圧縮されているため、おむつ群7Aの一部が板4の挟持領域から外れた場合に、挟持領域から外れたおむつ群7Aの一部は厚み方向において自然膨張することになる。よって、おむつ群7Aが内面5の少なくとも一部と当接した状態で、おむつ群7Aは厚み方向における紙袋1Bの内面5Aを外側方向に向けて押圧することになる。よって、おむつ群7Aは、紙袋1Bの内面5Aから押圧に対する反作用を受ける。よって、おむつ群7Aと内面5Aとの間には静止摩擦力が働くため、おむつ群7Aは内面5に当接した状態で静止される。なお、ステップS26は、本開示の「押し込み工程」の一例である。
【0064】
(S27)
ステップS27では、ステップS26において挟持していたおむつ群7Aの一部が奥行方向に押し出された板4は、開口23の方向に引き抜かれる。この際、前述したようにおむつ群7Aと、厚み方向における紙袋1Bの内面5Aとの間には静止摩擦力が作用してい
る。また、板4の材質は、板4の挟持面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力が、紙袋1Bの内面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力よりも小さい材質が使用されている。よって、板4が引き抜かれている最中におむつ群7Aは板4の引き抜きに追随せず、内面5および内面5Aに当接した状態で静止する。よって、板4の引き抜きが完了した場合に、紙袋1Bの内部に存するおむつ群7Aは、内面5と当接した状態を維持できる。よって、開口23を封止する場合に開口近傍におむつ7が存在することは抑制される。よって、開口23の封止不良は抑制される。又は、板4を開口23の方向に引き抜く時に、おむつ群7Aはプッシャー6により内面5の方向に押し付けられてもよい。このような場合、板4の引き抜き時におむつ群7Aが開口23の方向へ移動することは確実に抑制される。なお、ステップS27は、本開示の「第2移動工程」の一例である。
【0065】
[作用・効果]
第2実施形態に係るおむつ7の包装方法によれば、ステップS22においておむつ7Cが回転されることで廃棄テープ31が露出しない状態でおむつ7が重ねられている(
図13)。よって、第1実施形態に係る包装方法と同様の効果を奏する。加えて、第2実施形態に係るおむつ7の包装方法によれば、ステップS25において板4の挟持方向における両端間の距離は、開口23の縦方向の長さ以下となっている。よって、板4の挟持方向における両端と紙袋1Bの内面との間には空隙が生じ得る。よって、ステップS26においておむつ群7Aがプッシャー6により紙袋1Bの内面5の方向に押し込まれる場合に、おむつ群7Aと内面5の間に存する内部空気は、該空隙を介して紙袋1Bの外部に漏出可能となる。よって、おむつ群7Aがプッシャー6により押し込まれる場合に内部空気が圧縮することは抑制される。よって、おむつ群7Aが押し込み方向と反対方向に押し戻されることは抑制される。よって、おむつ群7Aの紙袋1Bへの装填は可能となる。また、内部空気が圧縮されて紙袋1Bが破裂することは抑制される。
【0066】
ところで、紙袋1Bの内面5Aを開口23の縁から外側方向に折り返すことで、開口23から内面5までの寸法を短縮することが考えられる。このようにすれば、おむつ群7Aが押し込まれる場合の内部空気の量自体を低減できるため、内部空気が圧縮された場合であってもおむつ群7Aを押し返す度合いは低減される。また、内部空気が圧縮されることによって紙袋1Bが破裂することは抑制される。しかしながら、内面5Aは紙素材で構成されるため、内面5Aを折り返すと折り目がつく。よって、パッケージ製品として出荷することは困難となる。しかしながら、第2実施形態に係るおむつ7の包装方法によれば、このように内面5Aを折り返す必要はなく、開口23から内面5までの寸法は短縮されることなく、内面5に廃棄テープ31が接触することは抑制される。よって、紙袋1Bが破損することは抑制される。
【0067】
[第3実施形態]
図18は、第3実施形態に係るおむつ7の包装方法のフローチャートの概要を例示する。
【0068】
(S31)
図19は、ステップS31の概要を例示する。ステップS31では、
図19に示されるように、廃棄テープ31がおむつ7自身に包まれるようにおむつ7が3つ折りに折り畳まれる。よって、廃棄テープ31は露出しないようになる。
【0069】
(S32)
図20は、ステップS32の概要を例示する。ステップS32では、
図20に示されるようにステップS31において廃棄テープ31が露出しないように3つ折りにされた複数のおむつ7を所定方向に重ねる。なお、おむつ7は、重なり方向の長さが紙袋1Bの縦方向の内面間距離よりも長くなるまで重ねられるものとする。また、重ねられた複数のおむ
つ7をおむつ群7Aとする。そして、重ねられた状態のおむつ群7Aを装填器具20によって挟持する。装填器具20は、板14(本開示の「第3板材」の一例)と、板14の周りに巻かれるベルト15と、を有する。なお、ベルト15は、周方向に沿って厚み方向と直交する方向(
図20で示される左右方向)に移動可能である。なお、装填器具20は、本開示の「第1挟持器具」の一例である。また、ステップS32は、本開示の「露出防止工程」の一例である。
【0070】
(S33)
ステップS33では、ステップS32においておむつ群7Aを挟持した装填器具20の挟持方向における両端間の長さを、紙袋1Bの開口23の縦方向の長さ以下となるように狭める。このように装填器具20の挟持間隔を狭めることでおむつ群7Aの厚みは圧縮される。また、圧縮されたおむつ群7Aの厚みも開口23の縦方向の長さよりも短くなることは勿論のことである。
【0071】
(S34)
図21は、ステップS34の概要を例示する。ステップS34では、ステップS33においておむつ群7Aの挟持間隔を狭めた装填器具20を、
図21に示されるようにおむつ群7Aを挟持した状態で開口23の中に入れる。なお、おむつ群7Aの厚みは、開口23の縦方向の長さよりも短くなっている。また、厚み方向(縦方向)において板4に巻かれるベルト15の外側同士の間の距離も、開口23の縦方向の長さ以下となっている。そして、開口23を通過した装填器具20を、紙袋1Bの開口23と対向する内面5の手前の所定地点まで移動させる。なお、所定地点とは、後述するステップS36において装填器具20を紙袋1Bから引き抜く場合に、装填器具20の挟持領域から外れたおむつ群7Aが内面5Aから受ける摩擦力によって静止される程度、おむつ7が内面5Aと接触できる地点を(本開示の「第2所定距離」の一例)いう。また、ベルト15の移動方向が開口23から奥行方向を向くように(本開示の「第2所定方向」)装填器具20は紙袋1Bの内部の所定地点に配置される。また、ベルト15の材質は、挟持面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力が、紙袋1Bの内面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力よりも小さい材質(例えばビニール)が使用される。また、紙袋1Bは所定場所に固定されているものとする。なお、ステップS34は、本開示の「第3移動工程」の一例である。
【0072】
(S35)
図22は、ステップS35の概要を例示する。ステップS35では、
図22に示されるようにおむつ群7Aと接する側のベルト15が開口23から奥行の内面5に向かう方向に移動する。よって、ステップS34において装填器具20に挟持された状態で紙袋1Bの内部に移動したおむつ群7Aは、紙袋1Bの内面5の方向に移動する。そして、おむつ群7Aの奥行方向の先端は、装填器具20の挟持領域から外れる。そして、おむつ群7Aは内面5の少なくとも一部と当接することになる。
図23は、おむつ群7Aの奥行方向の先端が装填器具20の挟持領域から外れた概要を例示する。
【0073】
また、ベルト15は、おむつ群7Aが内面5と当接した後も所定期間回転が継続される。ここで、おむつ群7Aは一対の装填器具20に挟持された状態で圧縮されていたため、装填器具20の挟持領域から外れたおむつ群7Aの一部は、厚み方向において自然膨張することになる。よって、おむつ群7Aの一部は厚み方向における紙袋1Bの内面5Aを外側方向に向けて押圧することになる。よって、おむつ群7Aは、内面5Aから押圧に対する反作用を受ける。よって、おむつ群7Aと内面5Aとの間には静止摩擦力が働くため、おむつ群7Aと内面5Aとは相対的な位置関係の変化が抑制される。よって、ベルト15は、おむつ群7Aに対して開口23の方向に相対的に移動することになる。なお、ステップS35は、本開示の「ベルト移動工程」の一例である。
【0074】
(S36)
ステップS15では、ステップS35において内面5と当接して静止状態にあるおむつ群7Aよりも相対的に開口23の方向に移動した装填器具20が、開口23の方向に引き抜かれる。この際、前述したようにおむつ群7Aと、厚み方向における紙袋1Bの内面5Aとの間には静止摩擦力が作用している。また、ベルト15の材質は、ベルト15の挟持面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力が、紙袋1Bの内面からおむつ7に作用する最大静止摩擦力よりも小さい材質が使用されている。よって、装填器具20が引き抜かれている最中におむつ群7Aはベルト15の引き抜きに追随せず、内面5Aとの接触に起因する静止摩擦力を受けて内面5および内面5Aに当接した状態で静止する。よって、装填器具20の引き抜きが完了した場合に、紙袋1Bの内部に存するおむつ群7Aは、内面5と当接した状態を維持できる。よって、おむつ7が開口23の方向に移動することは抑制される。よって、開口23の封止不良は抑制される。なお、ステップS36は、本開示の「第4移動工程」の一例である。
【0075】
[作用・効果]
第3実施形態に係る包装方法によっても、第2実施形態に係る包装方法と同様の効果を奏する。加えて第3実施形態に係る包装方法によれば、第2実施形態に係る包装方法のように廃棄テープ31が露出しないようにおむつ7Aを反転する工程(ステップS22)を省略できる。また、第2変形例に係る包装方法のように露出する廃棄テープ31を剥離紙32で被覆する工程を省略できる。よって、包装工数の削減が可能となる。また、第3実施形態に係る包装方法では、第1実施形態に係るおむつ群7Aを押し込むプッシャー6が不要となる。よって、包装方法の簡略化および工程の削減が可能となる。
【0076】
[第3変形例]
図24は、第3変形例に係るおむつ7の包装方法の概要を例示する。
図24に示されるように、第3変形例に係る包装方法では、第2実施形態と同様に装填器具19によりおむつ群7Aが紙袋1Bの内部に装填される。しかし、装填器具19には、ベルト15の代替として板14A(本開示の「第4板材」の一例)の幅方向(本開示の「第3所定方向」の一例)の周りに回転可能なローラ16が設けられている。このような装填器具19によっても、ベルト15の移動の代替としてローラ16を回転させれば、第2実施形態に係るおむつ群7Aの押し込み(ステップS35)を実行できる。よって、第2実施形態に係る包装方法と同様の効果を奏する。なお、装填器具19は、本開示の「第2挟持器具」の一例である。
【0077】
[第4変形例]
図25は、第4変形例に係るおむつ7の包装方法に使用される紙袋1Cの概要を例示する。
図25(A)は、紙袋1Cの正面図の概要を例示する。
図25(B)は、紙袋1Cの封止部分35の上面図の概要を例示する。紙袋1Cは、第2実施形態または第3実施形態に係る包装方法に使用される紙袋1Bと同様の構成である。加えて、紙袋1Cは、開口23Cと対向する紙袋1Cの部分に空気が漏出可能な構成を有する。より詳細には、開口23Cと対向する封止部分35は対面する紙同士が接着された状態である。しかしながら、
図25(B)に示されるように、封止部分35の一部に紙同士が接着されていない非接着部分35Aが設けられる。また、開口23Cの開口方向における非接着部分35Aの先端には、封止部分35の接着力よりも弱い接着力で紙同士が仮接着された仮接着部分35Bが設けられている。なお、封止部分35は、本開示の「構造体」の一例である。
【0078】
[作用・効果]
このような紙袋1Cによれば、おむつ群7Aが開口23Cから押し込まれた場合に内部空気が圧縮される。しかしながら、圧縮された内部空気の圧力が所定値に達すると、仮接着部分35Bを構成する紙同士が剥離することで内部空気が外部へ排出される。よって、
内部空気が所定値以上に圧縮されることは防止される。よって、紙袋1Cが破損することは抑制される。また、封止部分35に隙間が生じることを可及的に防止できる。よって、外部空気が紙袋1Cの内部に進入することは可及的に防止できる。
【0079】
[第5変形例]
図26は、第5変形例に係るおむつ7の包装方法に使用される紙袋1Dの非接着部分35Dの部分拡大図の概要を例示する。紙袋1Dは、第4変形例に係る紙袋1Cと同様の構成を有するが、封止部分の一部に仮接着部分35Bが設けられていない。代わりに封止部分を構成する非接着部分35Dとして、
図26に示されるように紙袋1Dを構成する紙36が紙袋1Dの奥行方向に対して2回折り返されている。また、非接着部分35Dの先端部37は、紙袋1Dの内部から外部に向けて流路が狭まるように形成されている。よって、内部空気が外部に排出可能となるため、内部空気が所定値以上に圧縮されることは防止される。よって、紙袋1Dが破損することは抑制される。また、外部空気が紙袋1Dの内部に進入することは防止される。また、先端部37近傍の折り返し部38は袋状となっており、外部から紙袋1Dの内部に進入しようとする空気が流入可能となっている。よって、外部空気が紙袋1Dの内部に進入することは防止される。
【0080】
[その他変形例]
第1実施形態に係る包装方法において、治具26を引き抜かずに開口2の縁同士を接着させることで開口2を封止してもよい。また、治具26を全て引き抜いてから開口2の縁同士を接着させてもよい。また、第1実施形態に係る紙袋1に設けられた折り筋25の位置や形状等は、上記の例に限定されない。また、第1変形例において、紙袋1Aのマチ3A-3Dの少なくとも何れか一つのマチにはニスで塗られた被吸引部9が設けられていなくともよい。そして、被吸引部9が設けられていないマチが吸引器具10により吸引されてもよい。なお、ニスでマチ3A-3Dを塗る代わりに、紙よりも平滑性の高い素材(ビニール等)がマチ3A-3Dに貼り付けられていてもよい。また、上記の実施形態では吸収性物品の一例としておむつ7が例示されているが、おむつ7の肌面側に敷かれて使用される尿パッドや生理用品等に上記の包装方法が適用されてもよい。
【0081】
以上で開示した実施形態や変形例は、それぞれ組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0082】
1,1A-1D:紙袋
2,2A :開口
3,3A-3D:マチ
4 :板
5,5A :内面
6 :プッシャー
7 :おむつ
7A :おむつ群
7B :股下領域
7F :前身頃領域
7R :後身頃領域
8 :吸引ホース
9,9A-9D:被吸引部
10,10A-10D:吸引器具
14,14A :板
15 :ベルト
16 :ローラ
19,20 :装填器具
21 :縁
22 :端部
23,23C :開口
24 :折目
25 :折り筋
26 :治具
31,31E :廃棄テープ
32 :剥離紙
35 :封止部分
35A :非接着部分
35B :仮接着部分
35D :非接着部分
36 :紙
37 :先端部
38 :折り返し部
61 :後端