(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188666
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 23/88 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B66C23/88 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096887
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 和彰
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA06
3F205KA10
(57)【要約】
【課題】 着脱可能な付属部品の着脱状態に依らず、物体との距離を検知することができるクレーンを提供する。
【解決手段】 走行可能なクレーン1であって、着脱可能に取り付けられた付属部品(前側アウトリガユニット51)に取り付けられている、物体Gとの距離を検知する第1距離検知手段41と、付属部品(前側アウトリガユニット51)を取り外した際に、剥き出しになる部分に取り付けられている、物体Gとの距離を検知する第2距離検知手段42と、付属部品(前側アウトリガユニット51)の着脱状態を検知する着脱状態検知手段56と、着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかを選択して作動させる選択部64と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能なクレーンであって、
着脱可能に取り付けられた付属部品に取り付けられている、物体との距離を検知する第1距離検知手段と、
前記付属部品を取り外した際に、剥き出しになる部分に取り付けられている、前記物体との前記距離を検知する第2距離検知手段と、
前記付属部品の着脱状態を検知する着脱状態検知手段と、
前記着脱状態検知手段の検知情報に基づいて、前記第1距離検知手段と前記第2距離検知手段との何れかを選択して作動させる選択部と、を備えることを特徴とする、クレーン。
【請求項2】
前記付属部品は、車体の前側に取り付けられた前側アウトリガユニットであり、
前記第2距離検知手段は、前記前側アウトリガユニットを取り外した際に、前記車体の剥き出しになる部分に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記付属部品は、旋回体の後側に取り付けられたカウンタウェイトであり、
前記第2距離検知手段は、前記カウンタウェイトを取り外した際に、前記旋回体の剥き出しになる部分に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のクレーン。
【請求項4】
前記付属部品は、旋回体に取り付けられたブームと、車体の前側に取り付けられた前側アウトリガユニットであり、
前記第2距離検知手段は、前記ブーム及び前記前側アウトリガユニットを取り外した際に、前記車体の剥き出しになる部分に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能なクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体や旋回体に着脱可能な付属部品を備えるクレーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、カウントウエートやアウトリガ等の付属部品が、トラッククレーンのキャリアフレームに着脱可能に取り付けられている構成が開示されている。これにより、トラッククレーンの運搬時に、付属部品を取り外してトラッククレーンの車両重量を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、走行可能なクレーンには、進行方向の物体との距離を検知する距離検知手段を設けることがある。このような距離検知手段を着脱可能な付属部品に設けてしまうと、付属部品を取り外した状態でクレーンが走行する際に、物体との距離を検知することができない、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、着脱可能な付属部品の着脱状態に依らず、適切に物体との距離を検知することができるクレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のクレーンは、走行可能なクレーンであって、着脱可能に取り付けられた付属部品に取り付けられている、物体との距離を検知する第1距離検知手段と、前記付属部品を取り外した際に、剥き出しになる部分に取り付けられている、前記物体との前記距離を検知する第2距離検知手段と、前記付属部品の着脱状態を検知する着脱状態検知手段と、前記着脱状態検知手段の検知情報に基づいて、前記第1距離検知手段と前記第2距離検知手段との何れかを選択して作動させる選択部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明のクレーンは、着脱可能な付属部品の着脱状態に依らず、適切に物体との距離を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施例1のクレーンの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】実施例1の前側アウトリガユニットが取り付けられたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図5】実施例1の前側アウトリガユニットが取り外されたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図6】実施例1の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図7】実施例1の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施例2のクレーンの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】実施例2のカウンタウェイトが取り付けられたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図10】実施例2のカウンタウェイトが取り外されたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図11】実施例2の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施例3のクレーンの機能構成を示すブロック図である。
【
図13】実施例3のブームと前側アウトリガユニットが取り付けられたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図14】実施例3のブームと前側アウトリガユニットが取り外されたクレーンの走行状態を示す側面図である。
【
図15】実施例3の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるクレーンを実現する実施形態を、図面に示す実施例1~実施例3に基づいて説明する。
【実施例0011】
実施例1におけるクレーンは、走行可能なクレーンとしてのラフテレーンクレーン(以下、単にクレーンという)に適用される。
【0012】
[クレーンの構成]
図1は、実施例1のクレーンを示す側面図である。
図2は、実施例1のクレーンを示す平面図である。以下、実施例1のクレーンの構成を説明する。なお、クレーンの前後方向を前後方向Dとする。
【0013】
図1及び
図2に示すように、クレーン1は、車体10と、旋回体20と、ブーム30とを備えている。
【0014】
車体10は、付属部品としての前側アウトリガユニット51と、付属部品としての後側アウトリガユニット52と、道路や作業現場を自走するための走行装置等を備えている。
【0015】
前側アウトリガユニット51は、車体10の前側に対して着脱可能に構成されている。後側アウトリガユニット52は、車体10の後側に対して着脱可能に構成されている。
【0016】
前側アウトリガユニット51に備わる前側アウトリガ51aと、後側アウトリガユニット52に備わる後側アウトリガ52aとは、作業時に、水平方向及び垂直方向に張り出し、車体10全体を持ち上げて、姿勢を安定させる。
【0017】
旋回体20は、車体10の上方に設けられ、車体10に対して、鉛直軸C1回りに回転可能となっている。旋回体20は、キャビン21を備えている。
【0018】
キャビン21は、クレーン1の進行方向を向いて、ブーム30の右側に設けられている。すなわち、キャビン21は、旋回体20が前方を向いた姿勢において、ブーム30の右側に設けられている。なお、キャビン21は、旋回体20が前方を向いた姿勢において、ブーム30の左側に設けられてもよい。
【0019】
キャビン21は、車体10の走行を制御するための操作部(例えば、ステアリング、シフトレバー、アクセルペダル、及びブレーキペダル等)を有している。また、キャビン21は、旋回体20やブーム30やウィンチ24等を操作する操作部を有する。キャビン21に搭乗した運転者Mは、操作部を操作して、旋回体20を旋回させ、ブーム30を起伏及び伸縮させ、ウィンチ24を回転させて作業を行う。
【0020】
旋回体20の後側には、付属部品としてのカウンタウェイト55が着脱可能に取り付けられている。
【0021】
図1に示すように、付属部品としてのブーム30は、旋回体20に着脱可能に取り付けられている。ブーム30は、基端側の基端ブーム31と、中間ブーム32と、先端側の先端ブーム33と、を備えている。中間ブーム32と先端ブーム33は、順次、基端ブーム31の内部に格納される入れ子式になっている。
【0022】
基端ブーム31は、旋回体20に設けられた起伏シリンダ(不図示)に支持されている。起伏シリンダが伸縮することで、ブーム30は起伏し、伸縮シリンダ(不図示)が伸縮することによって、ブーム30が伸縮するようになっている。
【0023】
先端ブーム33の先端に設けられたブームヘッド33aには、シーブ34が配置されている。旋回体20に設けられたウィンチ24には、吊り荷用のワイヤロープ35が巻かれている。ワイヤロープ35は、ウィンチ24からシーブ34までブーム30に沿って配置されている。シーブ34に掛け回されたワイヤロープ35は、シーブ34から鉛直方向の下方に吊り下げられている。ワイヤロープ35の最下部には、フック36が設けられている。
【0024】
フック36には、荷物を引っ掛けて吊ることができる。ウィンチ24によってワイヤロープ35が繰り出されることで、フック36が降下し、ワイヤロープ35が巻き上げられることで、フック36が上昇するようになっている。
【0025】
図1及び
図2に示すように、クレーン1には、複数の距離検知手段40が設けられている。距離検知手段40は、クレーン1の走行時や発進前等の静止時に、進行方向にある物体との距離を検知する。距離検知手段40は、例えば、ミリ波レーダや、超音波センサや、LiDAR(Light Detection and Ranging)等にすることができる。
【0026】
距離検知手段40は、クレーン1の走行時や発進前等の静止時に、クレーン1の進行方向の前方の物体との距離を検知する。物体としては、自動車や、自転車や、人物や、建設物や、工事現場に置かれている建設資材等があげられる。物体は、静止している静止体であっても、移動している移動体であってもよい。
【0027】
距離検知手段40は、第1距離検知手段41,43,45,47と、第2距離検知手段42,44,46とを有している。
【0028】
第1距離検知手段41は、前側アウトリガユニット51に前方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0029】
第2距離検知手段42は、車体10の前側に前方を向いた姿勢で取り付けられている。第2距離検知手段42は、前側アウトリガユニット51を車体10から取り外した際に、車体10の剥き出しになる(外部に露出した状態となる)部分に、前方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0030】
第1距離検知手段43は、後側アウトリガユニット52に後方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0031】
第2距離検知手段44は、車体10の後側に後方を向いた姿勢で取り付けられている。第2距離検知手段44は、後側アウトリガユニット52を車体10から取り外した際に、車体10の剥き出しになる部分に、後側を向いた姿勢で取り付けられている。
【0032】
第1距離検知手段45は、カウンタウェイト55の後側に後方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0033】
第2距離検知手段46は、旋回体20の後側の、カウンタウェイト55で覆われた位置であって、カウンタウェイト55を旋回体20から取り外した際に、旋回体20の剥き出しになる部分に、後方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0034】
第1距離検知手段47は、先端ブーム33のブームヘッド33aの側面に、前方を向いた姿勢で取り付けられている。
【0035】
すなわち、第1距離検知手段41,43,45,47は、付属部品に取り付けられている。第2距離検知手段42,44,46は、付属部品を取り外した際に、剥き出しになる部分に取り付けられている。
【0036】
図2に示すように、キャビン21には、表示部71が設けられている。表示部71は、画像を表示するモニタとすることができる。
【0037】
車体10には、着脱状態検知手段56が設けられている。着脱状態検知手段56は、例えば、光電センサとすることができる。着脱状態検知手段56は、付属部品の着脱状態を検知する。
【0038】
なお、着脱状態検知手段56は、自動的に入力する光電センサ等に限定されない。すなわち、実際のクレーン作業においては、センサ等がクレーンの作業状態を自動的に検知する場合であっても、その自動的に検知した作業状態で間違いないか否かを、運転者M等の操作者が目視等で最終的に確認を行い、間違いがないことを確認した場合に、確認ボタン等を手動で操作している。したがって、着脱状態検知手段56としては、操作者が手動で確認の意思を入力し、その入力を受け付ける確認ボタン等を適用することもできる。
【0039】
着脱状態検知手段56は、前側アウトリガユニット51の車体10への着脱状態を検知する。また、着脱状態検知手段56は、後側アウトリガユニット52の車体10への着脱状態を検知する。また、着脱状態検知手段56は、カウンタウェイト55の旋回体20への着脱状態を検知する。また、着脱状態検知手段56は、ブーム30の旋回体20への着脱状態を検知する。
【0040】
車体10には、後述する制御部60により制御される制動装置80が備えられている。制動装置80は、制御部60からの情報によって、走行しているクレーン1を制動する。
【0041】
このように構成されたクレーン1は、ウィンチ24によるワイヤロープ35の繰り出し・巻き上げ、ブーム30の起伏及び伸縮、並びに旋回体20の旋回により、フック36に吊られた荷物を所定の位置に移動させる作業を行うことができる。
【0042】
クレーン1は、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられた状態でも、前側アウトリガユニット51が車体10から取り外された状態でも走行可能とする。また、クレーン1は、後側アウトリガユニット52が車体10に取り付けられた状態でも、後側アウトリガユニット52が車体10から取り外された状態でも走行可能とする。また、クレーン1は、カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられた状態でも、カウンタウェイト55が旋回体20から取り外された状態でも走行可能とする。また、クレーン1は、ブーム30が旋回体20に取り付けられた状態でも、ブーム30が旋回体20から取り外された状態でも走行可能とする。
【0043】
[クレーンの機能構成]
図3は、実施例1のクレーン1の機能構成を示すブロック図である。
図4は、実施例1の前側アウトリガユニット51が取り付けられたクレーン1の走行状態を示す側面図である。
図5は、実施例1の前側アウトリガユニット51が取り外されたクレーン1の走行状態を示す側面図である。
図6は、実施例1の表示部71に表示される画像の一例を示す図である。以下、実施例1のクレーン1の機能構成を説明する。
【0044】
図3に示すように、クレーン1は、第1距離検知手段41が検知した検知情報、又は、第2距離検知手段42が検知した検知情報と、着脱状態検知手段56が検知した検知情報と、が制御部60に入力され、制御部60で処理された処理情報が、制動装置80と表示部71に出力される。
【0045】
第1距離検知手段41は、クレーン1の走行時や発進前等の静止時に使用され、クレーン1の進行方向の物体との距離を検知する。第1距離検知手段41が検知した検知情報は、制御部60に入力される。
【0046】
第2距離検知手段42は、クレーン1の走行時や発進前等の静止時に使用され、クレーン1の進行方向の物体との距離を検知する。第2距離検知手段42が検知した検知情報は、制御部60に入力される。
【0047】
着脱状態検知手段56は、前側アウトリガユニット51の車体10への着脱状態を検知する。着脱状態検知手段56の検知情報は、制御部60に入力される。
【0048】
制御部60は、着脱情報取得部61と、距離情報取得部62と、着脱状態判断部63と、選択部64と、を備えている。
【0049】
着脱情報取得部61は、着脱状態検知手段56の検知情報を取得する。距離情報取得部62は、第1距離検知手段41の検知情報、又は、第2距離検知手段42の検知情報を取得する。
【0050】
着脱状態判断部63は、着脱情報取得部61が取得した着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられているか否かを判断する。
【0051】
選択部64は、着脱状態判断部63の判断情報に基づいて、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかを選択する。選択部64が選択した選択情報は、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42に入力され、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかが作動するようになっている。
【0052】
言い換えると、選択部64は、着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかを選択し、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかを作動させる。
【0053】
具体的には、着脱状態判断部63が、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていると判断した場合、選択部64は、作動状態とする指示を第1距離検知手段41に与え、非作動状態とする指示を第2距離検知手段42に与える。これにより、
図4に示すように、第1距離検知手段41がクレーン1の進行方向(実施例1では、前方)にある物体Gとの距離を検知するようになっている。
【0054】
着脱状態判断部63が、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていないと判断した場合、選択部64は、非作動状態とする指示を第1距離検知手段41に与え、作動状態とする指示を第2距離検知手段42に与える。これにより、
図5に示すように、第2距離検知手段42がクレーン1の進行方向(実施例1では、前方)にある物体Gとの距離を検知するようになっている。
【0055】
制御部60は、制御部60での処理情報に基づいて、走行するクレーン1を制動する指示を制動装置80に出力する。制御部60は、制御部60での処理情報に基づいて、前側アウトリガユニット51の着脱状態を示す表示を表示部71に出力する。
【0056】
制動装置80は、制御部60から出力された指示に基づいて、クレーン1の制動力を発生させる。すなわち、制動装置80は、制御部60から出力された指示に基づいて、走行しているクレーン1を停止させる衝突被害軽減ブレーキとして機能する。
【0057】
なお、制御部60は、制動装置80に制動する指示を出力するとともに、又は制動装置80に制動する指示を出力するのに代えて、警報音を発するブザー等の発音装置に対して警報音を発する指示や、警報光を発するインジケータランプ等の点灯装置又は表示装置に警報光を発する指示を出力してもよい。
【0058】
表示部71は、着脱状態判断部63の判断情報に基づいて、付属部品の着脱状態を表示する。すなわち、表示部71は、クレーン1の付属部品の着脱状態を表示する。
【0059】
具体的には、着脱状態判断部63が、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていないと判断した場合、
図6に示すように、表示部71は、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていない状態のクレーン1を表示する。
【0060】
一方、着脱状態判断部63が、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていると判断した場合、表示部71は、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられている状態のクレーン1を表示する。
【0061】
[制御部による処理]
図7は、実施例1の制御部60による処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例1の制御部60による処理の流れを説明する。
【0062】
図7に示すように、着脱情報取得部61は、着脱状態検知手段56の検知情報を取得する(ステップS101)。
【0063】
次いで、着脱状態判断部63は、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられているか否かを判断する(ステップS102)。
【0064】
前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられている判断した場合(ステップS102でYES)、ステップS103に進む。前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられていない判断した場合(ステップS102でNO)、ステップS107に進む。
【0065】
ステップS103に進むと、選択部64は、第1距離検知手段41を選択し、第1距離検知手段41を作動状態にする(ステップS103)。
【0066】
次いで、距離情報取得部62は、第1距離検知手段41の検知情報を取得する(ステップS104)。
【0067】
次いで、制御部60は、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられた状態のクレーン1を表示部71に表示する指示を与える(ステップS105)。
【0068】
次いで、制御部60は、取得した第1距離検知手段41の検知情報に基づいて、クレーン1の走行を停止する指示を制動装置80に与えて(ステップS106)、処理を終了する。
【0069】
ステップS107に進むと、選択部64は、第2距離検知手段42を選択し、第2距離検知手段42を作動状態にする(ステップS107)。
【0070】
次いで、距離情報取得部62は、第2距離検知手段42の検知情報を取得する(ステップS108)。
【0071】
次いで、制御部60は、前側アウトリガユニット51が車体10から取り外された状態のクレーン1を表示部71に表示する指示を与える(ステップS109)。
【0072】
次いで、制御部60は、取得した第2距離検知手段42の検知情報に基づいて、クレーン1の走行を停止する指示を制動装置80に与えて(ステップS110)、処理を終了する。
【0073】
[クレーンの作用]
以下、実施例1のクレーン1の作用を説明する。
【0074】
実施例1のクレーン1は、走行可能なクレーン1であって、着脱可能に取り付けられた付属部品(前側アウトリガユニット51)に取り付けられている、物体Gとの距離を検知する第1距離検知手段41と、付属部品(前側アウトリガユニット51)を取り外した際に、剥き出しになる部分に取り付けられている、物体Gとの距離を検知する第2距離検知手段42と、付属部品(前側アウトリガユニット51)の着脱状態を検知する着脱状態検知手段56と、着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、第1距離検知手段41と第2距離検知手段42との何れかを選択して作動させる選択部64と、を備える(
図3)。
【0075】
これにより、付属部品(前側アウトリガユニット51)が取り付けられているときは、第1距離検知手段41によって、物体Gとの距離を検知し、付属部品(前側アウトリガユニット51)が取り外されているときは、第2距離検知手段42によって、物体Gとの距離を検知することができる。そのため、付属部品(前側アウトリガユニット51)が取り付けられた状態でも、付属部品(前側アウトリガユニット51)が取り外された状態でも、適切に物体Gとの距離を検知することができる。
【0076】
実施例1のクレーン1において、付属部品は、車体10の前側に取り付けられた前側アウトリガユニット51であり、第2距離検知手段42は、前側アウトリガユニット51を取り外した際に、車体10の剥き出しになる部分に取り付けられている(
図4及び
図5)。
【0077】
これにより、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられた状態でクレーン1が前進する場合、第1距離検知手段41によって物体Gとの距離を検知し、前側アウトリガユニット51が車体10から取り外された状態でクレーン1が前進する場合、第2距離検知手段42によって物体Gとの距離を検知することができる。そのため、前側アウトリガユニット51が車体10に取り付けられた状態でクレーン1が前進する場合でも、前側アウトリガユニット51が車体10から取り外された状態でクレーン1が前進する場合でも、適切に物体Gとの距離を検知することができる。
着脱情報取得部61は、着脱状態検知手段56の検知情報を取得する。距離情報取得部62は、第1距離検知手段45の検知情報、又は、第2距離検知手段46の検知情報を取得する。
着脱状態判断部63は、着脱情報取得部61が取得した着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられているか否かを判断する。
選択部64は、着脱状態検知手段56の検知情報に基づいて、第1距離検知手段45と第2距離検知手段46との何れかを選択し、第1距離検知手段45と第2距離検知手段46との何れかを作動させる。
カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられている判断した場合(ステップS202でYES)、ステップS203に進む。カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられていない判断した場合(ステップS202でNO)、ステップS207に進む。
次いで、制御部60は、取得した第1距離検知手段45の検知情報に基づいて、クレーン1の走行を停止する指示を制動装置80に与えて(ステップS206)、処理を終了する。
次いで、制御部60は、取得した第2距離検知手段46の検知情報に基づいて、クレーン1の走行を停止する指示を制動装置80に与えて(ステップS110)、処理を終了する。
これにより、カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられた状態でクレーン1が後進する場合、第1距離検知手段45によって物体Gとの距離を検知し、カウンタウェイト55が旋回体20から取り外された状態でクレーン1が後進する場合、第2距離検知手段46によって物体Gとの距離を検知することができる。そのため、カウンタウェイト55が旋回体20に取り付けられた状態でクレーン1が後進する場合でも、カウンタウェイト55が旋回体20から取り外された状態でクレーン1が後進する場合でも、適切に物体Gとの距離を検知することができる。