IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本発條株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両用シート 図1
  • 特開-車両用シート 図2
  • 特開-車両用シート 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188682
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/42 20060101AFI20221214BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20221214BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B60N2/42
B60N2/06
B60N2/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096911
(22)【出願日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 健志
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BA15
3B087BB02
3B087BB21
3B087CD02
(57)【要約】
【課題】シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合に、スライドレールの前部の変形量を抑えてシートバックフレームの後傾変位量を軽減することができる車両用シートを得る。
【解決手段】車両用シートは、シートバックフレーム14F、シートクッションフレーム12F、リフター機構20、ライザー30、スライドレール34(アッパレール36及びロアレール38)を備える。ロアレール38は、前端部側の第一被固定部38F及び後端部側の第二被固定部38Rが車体フロア40に固定されている。ロアレール38の前部側でかつ第一被固定部38Fよりもシート後方側には補強固定部50が設けられ、補強固定部50は、アッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、
シートクッションの骨格を構成し、後端部に前記シートバックフレームが連結されるシートクッションフレームと、
前記シートクッションフレームのシート下方側におけるシート幅方向両側に配置されて前記シートクッションフレームに直接又は部材を介して取り付けられ、前記シートクッションフレームの前部を支持する前側支持部と、前記シートクッションフレームの後部を支持する後側支持部と、を備える左右対のライザーと、
前記左右対のライザーの下部が固定されてシート前後方向に沿って延在された左右一対のアッパレールと、
前記左右一対のアッパレールと共に左右一対のスライドレールを構成し、シート前後方向に沿って延在されて前記左右一対のアッパレールをシート前後方向にスライド移動可能に支持し、前端部側に設けられた第一被固定部及び後端部側に設けられた第二被固定部が車体フロアに固定された左右一対のロアレールと、
前記左右一対のロアレールの前部側でかつ前記第一被固定部よりもシート後方側に設けられ、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部のシート前後方向位置に対応する位置に設定され、前記アッパレールを介して前記ロアレールの前部にシート後方側への荷重が入力された場合に当該荷重を前記車体フロアに伝達させる荷重伝達部と、
を有する車両用シート。
【請求項2】
前記左右対のライザーは、高さ調整機構を介して、前記シートクッションフレームに取り付けられ、
前記高さ調整機構は、前記シートクッションフレームの前部と前記ライザーの前記前側支持部とを連結する前側リンク部材と、前記シートクッションフレームの後部と前記ライザーの前記後側支持部とを連結する後側リンク部材と、を備え、
前記荷重伝達部は、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部における前記前側リンク部材との連結部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている、請求項1記載の車両用シート。
【請求項3】
前記荷重伝達部は、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部の下部における前記アッパレールとの固定部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている、請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートにおいては、シート本体をシート前後方向にスライド移動させるために、シート本体の下方側にアッパレールとロアレールとを備えたスライドレールが設けられると共に、アッパレールの上面にフレーム取付用部材であるライザーが固定され、このライザーの前部及び後部に部材を介してシートクッションフレームが取り付けられている技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-94990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記先行技術では、左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態、言い換えれば、シートポジションがフロントモースト(最前方位置)とリヤモースト(最後方位置)との間のシート前後方向中央位置にある状態で、左右一対のアッパレールの車体フロアへの前側の固定位置は、ライザーの前部よりもシート前後方向前側にオフセットした位置に設定されている。
【0005】
しかしながら、このような構成では、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態で後面衝突(以下「後突」という)等によってシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合、荷重が伝達される経路(ロードパス)がライザーの前部からロアレールの車体フロアへの前側の固定位置へ向かう部分において略L字状に屈曲されたものとなってしまう。そのような場合、シートバックにシート後方側への荷重が入力されると、前記経路における前記略L字状の屈曲に起因してスライドレールの前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重が発生する。そして、仮にスライドレールの前部が逆V字状に曲げられてしまうと、シートバックフレームの後傾変位量を増加させてしまう。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合に、スライドレールの前部の変形量を抑えてシートバックフレームの後傾変位量を軽減することができる車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明の車両用シートは、シートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、シートクッションの骨格を構成し、後端部に前記シートバックフレームが連結されるシートクッションフレームと、前記シートクッションフレームのシート下方側におけるシート幅方向両側に配置されて前記シートクッションフレームに直接又は部材を介して取り付けられ、前記シートクッションフレームの前部を支持する前側支持部と、前記シートクッションフレームの後部を支持する後側支持部と、を備える左右対のライザーと、前記左右対のライザーの下部が固定されてシート前後方向に沿って延在された左右一対のアッパレールと、前記左右一対のアッパレールと共に左右一対のスライドレールを構成し、シート前後方向に沿って延在されて前記左右一対のアッパレールをシート前後方向にスライド移動可能に支持し、前端部側に設けられた第一被固定部及び後端部側に設けられた第二被固定部が車体フロアに固定された左右一対のロアレールと、前記左右一対のロアレールの前部側でかつ前記第一被固定部よりもシート後方側に設けられ、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部のシート前後方向位置に対応する位置に設定され、前記アッパレールを介して前記ロアレールの前部にシート後方側への荷重が入力された場合に当該荷重を前記車体フロアに伝達させる荷重伝達部と、を有する。
【0008】
上記構成によれば、シートバックフレームが連結されたシートクッションフレームは、直接又は部材を介してライザーに支持される。ここで、シートクッションフレームの前部は、ライザーの前側支持部によって支持され、シートクッションフレームの後部は、ライザーの後側支持部によって支持される。また、ライザーは、アッパレールを介してロアレールに支持され、ロアレールは、前端部側に設けられた第一被固定部及び後端部側に設けられた第二被固定部が車体フロアに固定されて車体フロアに支持される。このため、後突時等に車両用シートのシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合、当該荷重は、シートバックフレームからシートクッションフレーム、ライザー、アッパレール及びロアレールを介して車体フロアに伝達される。このとき、荷重の一部は、ロアレールの前部側に設けられた荷重伝達部から車体フロアへ伝達される。
【0009】
ここで、荷重伝達部は、第一被固定部よりもシート後方側に設けられ、左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態でのライザーの前側支持部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。このため、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合におけるライザーの前側支持部から車体フロアに至るまでの荷重伝達経路は、荷重伝達部がない対比構造と比べると、ライザーの前側支持部から車体フロアに対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。これにより、前記の場合、スライドレールの前部にはシート後方側への引っ張り荷重が主として作用し、スライドレールの前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が抑えられる。その結果、スライドレールの前部の変形量が抑えられてシートバックフレームの後傾変位量が軽減される。
【0010】
請求項2に記載する本発明の車両用シートは、請求項1記載の構成において、前記左右対のライザーは、高さ調整機構を介して、前記シートクッションフレームに取り付けられ、前記高さ調整機構は、前記シートクッションフレームの前部と前記ライザーの前記前側支持部とを連結する前側リンク部材と、前記シートクッションフレームの後部と前記ライザーの前記後側支持部とを連結する後側リンク部材と、を備え、前記荷重伝達部は、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部における前記前側リンク部材との連結部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。
【0011】
上記構成によれば、前側リンク部材及び後側リンク部材を備えた高さ調整機構によって、スライドレールに対するシートクッションフレームの高さを調整することができる。また、荷重伝達部は、左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態でのライザーの前側支持部における前側リンク部材との連結部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。このため、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合、ライザーの前側支持部における前側リンク部材との連結部から車体フロアに至るまでの荷重伝達経路は、荷重伝達部がない対比構造と比べると、ライザーの前側支持部における前側リンク部材との連結部から車体フロアに対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。よって、スライドレールの前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が効果的に抑えられる。
【0012】
請求項3に記載する本発明の車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記荷重伝達部は、前記左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態での前記前側支持部の下部における前記アッパレールとの固定部のシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。
【0013】
上記構成によれば、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合、ライザーの前側支持部の下部におけるアッパレールとの固定部から車体フロアに至るまでの荷重伝達経路は、荷重伝達部がない対比構造と比べると、ライザーの前側支持部の下部におけるアッパレールとの固定部から車体フロアに対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。よって、スライドレールの前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が極めて効果的に抑えられる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の車両用シートによれば、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバックにシート後方側への荷重が入力された場合に、スライドレールの前部の変形量を抑えてシートバックフレームの後傾変位量を軽減することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用シートを示す側面図である。
図2図1の車両用シートの骨格構造の一部及びシートスライド機構を拡大して示す側面図である。
図3図2の3-3線に沿って切断した状態を拡大して示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る車両用シートについて図1図3を用いて説明する。これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Wは車両幅方向を示している。
【0017】
(実施形態の構成)
図1には、本実施形態に係る車両用シート10の左側面図が示され、図2には、車両用シート10の骨格構造の一部等の左側面図が拡大された状態で示されている。なお、車両用シート10は、基本的には左右対称に構成されているため、車両用シート10及びその骨格構造等を右側から見た状態の図示は省略する。
【0018】
図1に示されるように、車両用シート10はシート本体10Hを有している。シート本体10Hは、着座部を構成して着座乗員Pの臀部PC及び大腿部PDを支持するシートクッション12と、着座乗員Pの背部PBを支持するシートバック14と、着座乗員Pの頭部PAを支持するヘッドレスト16と、を備えている。
【0019】
シートクッション12は、その骨格を構成するシートクッションフレーム12F(図2参照)にクッションパッド12Pが被せられている。また、シートバック14は、その骨格を構成するシートバックフレーム14F(図2参照)にシートバックパッド14Pが被せられている。ヘッドレスト16は、左右一対のヘッドレストステー15によってシートバック14の上端部に連結されている。また、図2に示されるシートバックフレーム14F及びシートクッションフレーム12Fは、車両用シートフレーム10Fを構成し、いずれも車両用シート10のシート幅方向中央線に対して左右対称に構成されている。
【0020】
図2に示されるように、シートバックフレーム14Fは、サイドフレーム14Sとアッパフレーム14Uとを備えている。サイドフレーム14Sは、シートバックフレーム14Fの両サイドでシートバック上下方向に延在し、左右一対で設けられている。アッパフレーム14Uは、シートバック正面視で逆U字状とされて左右のサイドフレーム14Sの上端部同士を繋いでいる。アッパフレーム14Uの上辺部のシート幅方向中間部には、前述した左右一対のヘッドレストステー15が取り付けられている。左右一対のサイドフレーム14Sの下部同士は、その後部側に設けられたロアパネル14Aによってシート幅方向に連結されている。ロアパネル14Aは、シートバックフレーム14Fの一部を構成している。
【0021】
また、左右一対のサイドフレーム14S同士の間には、複数のシートバックスプリング(図示省略)がシート幅方向に掛け渡されている。これら複数のシートバックスプリングは、シート上下方向に並ぶように配置され、シートバックパッド14P(図1参照)をシート後方側から弾性的に支持する。
【0022】
シートクッションフレーム12Fは、シートクッション12(図1参照)のシート幅方向の両サイドに設けられてシート前後方向に延在する左右一対のサイドフレーム12Sを備える。左右一対のサイドフレーム12Sの前端部同士は、フロントフレーム12Aによってシート幅方向に連結されている。また、左右一対のサイドフレーム12Sの前部同士は、前側シャフト12Bによってシート幅方向に連結されている。前側シャフト12Bは、フロントフレーム12Aよりもシート後方側に配置され、左右一対のサイドフレーム12Sに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に取り付けられている。また、左右一対のサイドフレーム12Sの後端部同士は、後側シャフト12Cによってシート幅方向に連結されている。後側シャフト12Cは、左右一対のサイドフレーム12Sに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に取り付けられている。フロントフレーム12A、前側シャフト12B及び後側シャフト12Cは、それぞれシートクッションフレーム12Fの一部を構成している。
【0023】
また、シートクッションフレーム12Fにおける前側シャフト12Bと後側シャフト12Cとの間には、複数のクッションスプリング(図示省略)がシート前後方向に掛け渡されている。これら複数のクッションスプリングは、シート幅方向に並ぶように配置され、クッションパッド12P(図1参照)をシート下方側から弾性的に支持する。
【0024】
左右一対のサイドフレーム12Sの後端側の上部には、それぞれベースブラケット12Rの下部が締結部材12Xによって締結されている。ベースブラケット12Rにはリクライニング機構13(図中では簡略化して図示)のリクライナ(詳細図示省略)等が組み付けられており、左右一対のベースブラケット12R同士は、前記リクライナ等を介してリクライニングロッド13Aによってシート幅方向に連結されている。リクライニングロッド13Aは、リクライニング機構13の一部を構成してシートバックフレーム14Fの左右のサイドフレーム14Sの下端部同士をシート幅方向に連結しており、シートバック14のリクライニング中心となる。そして、リクライニング機構13により、シートクッションフレーム12Fの後端部にシートバックフレーム14Fが傾倒可能に連結される。なお、リクライニング機構は、周知技術であるため、詳細説明を省略する。
【0025】
シートクッションフレーム12Fのシート下方側におけるシート幅方向両側には、左右一対のライザー30が配置されている。左右一対のライザー30は、前側リンク部材22及び後側リンク部材24を介して、シートクッションフレーム12Fの左右一対のサイドフレーム12Sに取り付けられている。
【0026】
図3には、図2の3-3線に沿って切断した状態の拡大断面図が示されている。なお、図3では、シート幅方向一方側の断面のみを図示しており、シート幅方向他方側の断面の図示を省略しているが、シート幅方向他方側の断面は、図3に図示される断面とは左右対称の断面とされる。図3に示されるように、ライザー30は、例えば板金製とされてシート前後方向から見た断面形状が略U字状をなしている。すなわち、ライザー30は、下壁部30Aと、下壁部30Aのシート幅方向両端からシート上方側に曲げられて延出された左右一対の側壁部30Bと、を備えている。
【0027】
図2及び図3に示されるように、ライザー30の側壁部30Bにおける前側部分には、シートクッションフレーム12Fの前部を支持する前側支持部30Fが形成されている。また、図2に示されるように、ライザー30の側壁部30Bにおける後側部分には、シートクッションフレーム12Fの後部を支持する後側支持部30Rが形成されている。また、ライザー30の側壁部30Bは、前側支持部30Fと後側支持部30Rとをシート前後方向に繋ぐ繋ぎ部30Mを備えている。繋ぎ部30Mは、前側支持部30F及び後側支持部30Rに比べてシート上方側への突出量が小さい。
【0028】
一方、前側リンク部材22及び後側リンク部材24は、それぞれ高さ調整機構としてのリフター機構20の一部を構成している。前側リンク部材22及び後側リンク部材24は、例えば板金材料によって長尺状に形成されており、厚さ方向がシート幅方向に沿う状態で配置されている。
【0029】
図2及び図3に示されるように、前側リンク部材22は、シートクッションフレーム12Fのサイドフレーム12Sの前部とライザー30の前側支持部30Fとを連結する。すなわち、前側リンク部材22の長手方向一端部は、ライザー30の前側支持部30Fに前側連結軸体26を介して回転可能に連結されており、前側リンク部材22の長手方向他端部は、サイドフレーム12Sの前部に前側シャフト12Bを介して回転可能に連結されている。
【0030】
図3に示されるように、前側連結軸体26は、一例として軸状部材26Aと筒状部材26Bの二部材が一体化されたものとされ、前側シャフト12Bと同様に、軸線方向がシート幅方向に沿っている。この前側連結軸体26は、ライザー30の前側支持部30Fに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に取り付けられている。図2及び図3に示される前側リンク部材22は、ライザー30及びサイドフレーム12Sに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。なお、図2及び図3では、ライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部に符号30Cを付す。
【0031】
図2に示される後側リンク部材24は、シートクッションフレーム12Fのサイドフレーム12Sの後部とライザー30の後側支持部30Rとを連結する。すなわち、後側リンク部材24の長手方向一端部は、ライザー30の後側支持部30Rに後側連結軸体28を介して回転可能に連結されており、後側リンク部材24の長手方向他端部は、サイドフレーム12Sの後端部に後側シャフト12Cを介して回転可能に連結されている。後側連結軸体28は、後側シャフト12Cと同様に、軸線方向がシート幅方向に沿っており、後側リンク部材24は、ライザー30及びサイドフレーム12Sに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。
【0032】
以上により、前側リンク部材22、後側リンク部材24、サイドフレーム12S及びライザー30によって四節リンク機構が構成されており、シートクッションフレーム12Fが左右一対のライザー30に対して上下動可能に連結されている。
【0033】
なお、本実施形態のリフター機構20は、一例として、一方のサイドフレーム12Sに取り付けられた図示しないポンプ式リフター装置に設けられたリフタレバーが操作されると、その操作力が前記一方の側の後側リンク部材24に伝達されるように構成されている。これにより、左右一対の後側リンク部材24及び左右一対の前側リンク部材22が回転することで、左右一対のライザー30に対するシートクッションフレーム12F(ひいてはシートクッション12(図1参照))の上下位置(高さ位置)が調整される構成になっている。
【0034】
一方、ライザー30の下部は、シート前後方向に沿って延在されたアッパレール36に固定されている。アッパレール36はライザー30に対応するように左右一対で設けられており、左右一対のライザー30の下部が左右一対のアッパレール36に対して一対一で対応して固定されている。固定形態について補足説明すると、図3に示されるように、ライザー30の下壁部30Aは、アッパレール36の上壁部36Aに対して、締結具であるリベット32を用いたかしめ締結によって固定されている。なお、図2及び図3では、ライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部(狭義には「締結部」として把握される部分)に符号30Dを付す。
【0035】
図2に示されるように、車両用シート10は、アッパレール36をシート前後方向にスライド移動可能に支持するロアレール38を有する。図2では、アッパレール36がスライド移動可能な範囲(矢印Xで示す範囲)の最前方位置にある状態のアッパレール36の前部を二点鎖線で示して符号36Fを付すと共に、アッパレール36がスライド移動可能な範囲の最後方位置にある状態のアッパレール36の後部を二点鎖線で示して符号36Rを付す。
【0036】
ロアレール38は、シート前後方向に沿って延在され、左右一対のアッパレール36に対応するように左右一対で設けられている。左右一対のロアレール38は、左右一対のアッパレール36と共に、左右一対のスライドレール34(広義には「スライド機構」として把握される要素である。)を構成している。
【0037】
なお、図示を省略するが、スライドレール34には、ロアレール38に対するアッパレール36のスライド移動をロックするスライドロック機構が設けられている。前記スライドロック機構によるロックは、スライドレール34の前部に設けられたロック解除レバー39が操作されることにより、解除されるようになっている。
【0038】
左右一対のロアレール38の底壁部38A(図3参照)には、その前端部側に第一被固定部38Fが設けられている。第一被固定部38Fは、その下方側に配置されるリング状のスペーサ42Sを介して車体フロア40に支持されている。なお、図1及び図2では、車体フロア40の断面を便宜上太線で示している。図2に示されるように、第一被固定部38F、スペーサ42S及び車体フロア40を車両上方側から貫通したボルト42Aが、車体フロア40の裏面に予め固着されたウエルドナット(広義には「ナット」)42Bに螺合されることで、第一被固定部38Fは車体フロア40に固定されている。なお、左右一対のロアレール38の前端部側に対応して配置される左右一対のウエルドナット42Bのうちの一方又は両方に代えて、フローティングナット(広義には「ナット」)が設けられてもよい。すなわち、ボルト42Aを螺合させるために配置するナットの種類は適宜選択することができる。
【0039】
また、左右一対のロアレール38の底壁部38A(図3参照)には、その後端部側に第二被固定部38Rが設けられている。第二被固定部38Rは、その下方側に配置されるリング状のスペーサ44Sを介して車体フロア40に支持されている。そして、第二被固定部38R、スペーサ44S及び車体フロア40を車両上方側から貫通したボルト44Aが、車体フロア40の裏面に予め固着されたウエルドナット(広義には「ナット」)44Bに螺合されることで、第二被固定部38Rは車体フロア40に固定されている。なお、左右一対のロアレール38の後端部側に対応して配置される左右一対のウエルドナット44Bのうちの一方又は両方に代えて、フローティングナット(広義には「ナット」)が設けられてもよい。すなわち、ボルト44Aを螺合させるために配置するナットの種類は適宜選択することができる。
【0040】
さらに、左右一対のロアレール38の前部側でかつ第一被固定部38Fよりもシート後方側には、荷重伝達部としての補強固定部50が設けられている。補強固定部50は、第一被固定部38F及び第二被固定部38Rが車体フロア40に固定される構造と実質的に同様の構造でロアレール38の底壁部38A(図3参照)の一部が車体フロア40に固定された構造部分とされる。以下、補強固定部50について詳細に説明する。
【0041】
左右一対のロアレール38の底壁部38A(図3参照)には、ロアレール38の前部側でかつ第一被固定部38Fよりもシート後方側に、補強固定部50における被固定部分として第三被固定部38Xが設けられている。図2及び図3に示されるように、第三被固定部38Xは、その下方側に配置されるリング状のスペーサ46Sを介して車体フロア40に支持されている。そして、第三被固定部38X、スペーサ46S及び車体フロア40を車両上方側から貫通したボルト46Aが、車体フロア40の裏面に予め固着されたウエルドナット46Bに螺合されることで、第三被固定部38Xは車体フロア40に固定されている。
【0042】
ここで、図2に示されるように、補強固定部50は、左右一対のアッパレール36がスライド移動可能な範囲(矢印Xで示す範囲)のシート前後方向中央位置にある状態(図2において実線で示されている状態であり、以下、「スライド中央位置にある状態」と略す)でのライザー30の前側支持部30Fのシート前後方向位置に対応する位置に設定され、アッパレール36を介してロアレール38の前部にシート後方側への荷重が入力された場合に当該荷重を車体フロア40に伝達させる。
【0043】
より具体的に説明すると、補強固定部50は、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。更に、本実施形態では、補強固定部50は、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。
【0044】
すなわち、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態では、シート側面視で、ライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cと、ライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dと、補強固定部50とは、同一直線上に設定され、かつその直線は、車体フロア40に対する垂線となっている。
【0045】
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0046】
シートバックフレーム14Fが連結されたシートクッションフレーム12Fは、前側リンク部材22及び後側リンク部材24を介して、ライザー30によって支持される。ここで、シートクッションフレーム12Fの前部は、ライザー30の前側支持部30Fによって支持され、シートクッションフレーム12Fの後部は、ライザー30の後側支持部30Rによって支持される。また、ライザー30は、アッパレール36を介してロアレール38に支持され、ロアレール38は、前端部側に設けられた第一被固定部38F及び後端部側に設けられた第二被固定部38Rが車体フロア40に固定されて車体フロア40に支持される。
【0047】
このため、例えば車両の後突時に図1に示される着座乗員Pの後方慣性移動によって車両用シート10のシートバック14にシート後方側への荷重Fが入力されると、当該荷重Fは、図2に示されるシートバックフレーム14Fからシートクッションフレーム12F、後側リンク部材24、前側リンク部材22、ライザー30、アッパレール36及びロアレール38を介して車体フロア40に伝達される。このとき、荷重の一部は、ロアレール38の前部側に設けられた補強固定部50から車体フロア40へ伝達される。
【0048】
ここで、補強固定部50は、第一被固定部38Fよりもシート後方側に設けられ、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。このため、車両用シート10のシートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバック14にシート後方側への荷重Fが入力された場合におけるライザー30の前側支持部30Fから車体フロア40に至るまでの荷重伝達経路(ロードパス)は、補強固定部50がない対比構造と比べると、ライザー30の前側支持部30Fから車体フロア40に対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。
【0049】
これにより、前記の場合、スライドレール34の前部にはシート後方側への引っ張り荷重が主として作用し、スライドレール34の前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が抑えられる。その結果、スライドレール34の前部の変形量が抑えられてシートバックフレーム14Fの後傾変位量が軽減される。なお、図2において二点鎖線で示される細帯状の経路100は本実施形態における荷重伝達経路の一部を簡略化して示したものである。
【0050】
また、本実施形態では、前側リンク部材22及び後側リンク部材24を備えたリフター機構20によって、スライドレール34に対するシートクッションフレーム12Fの高さを調整することができる。ここで、前述した補強固定部50は、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。このため、車両用シート10のシートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバック14にシート後方側への荷重Fが入力された場合、ライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cから車体フロア40に至るまでの荷重伝達経路は、補強固定部50がない対比構造と比べると、ライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cから車体フロア40に対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。よって、スライドレール34の前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が効果的に抑えられる。
【0051】
さらに本実施形態では、補強固定部50は、左右一対のアッパレール36がスライド中央位置にある状態でのライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dのシート前後方向位置に対応する位置に設定されている。このため、車両用シート10のシートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバック14にシート後方側への荷重Fが入力された場合、ライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dから車体フロア40に至るまでの荷重伝達経路は、補強固定部50がない対比構造と比べると、ライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dから車体フロア40に対して垂直に垂下される最短直線経路に近付けられる。よって、スライドレール34の前部を逆V字状に曲げようとするモーメント荷重の発生が極めて効果的に抑えられる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の車両用シート10によれば、シートポジションがシート前後方向中央位置にある状態でシートバック14にシート後方側への荷重Fが入力された場合に、スライドレール34の前部の変形量を抑えてシートバックフレーム14Fの後傾変位量を軽減することができる。その結果、図1に示されるヘッドレスト16による着座乗員Pの頭部PAの拘束性が向上し、頭部G(頭部の加速度)とT1G(第1胸椎の加速度)との差が少なくなる。
【0053】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態では、図1図3に示されるように、車両用シート10は高さ調整機構としてのリフター機構20を備えているが、上記実施形態の変形例として、荷重伝達部としての補強固定部(50)が設けられた車両用シートは、高さ調整機構(リフター機構20)を備えず、かつシートクッションフレーム(12F)のシート下方側に配置された左右一対のライザー(30)がシートクッションフレーム(12F)のサイドフレーム(12S)に直接取り付けられているようなものであってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、図2に示されるように、ライザー30の前側支持部30Fにおける前側リンク部材22との連結部30Cと、ライザー30の前側支持部30Fの下部におけるアッパレール36との固定部30Dとは、シート前後方向の位置が揃えられており、そのような構成が好ましいが、それらのシート前後方向位置が僅かにずれているような構成も採り得る。
【0055】
また、上記実施形態の変形例として、左右一対のロアレール(38)の前部側でかつ第一被固定部(38F)よりもシート後方側に設けられてアッパレール(36)を介してロアレール(38)の前部にシート後方側への荷重が入力された場合に当該荷重を車体フロア(40)に伝達させる荷重伝達部(以下、単に「荷重伝達部」という)は、左右一対のアッパレール(36)がスライド中央位置にある状態でのライザー(30)の前側支持部(30F)のシート前後方向位置に対応する位置には設定されているものの、上記実施形態における補強固定部50の設定位置からはシート前後方向にずれて設定されているようなものでもよい。
【0056】
この点について補足説明すると、荷重伝達部は、左右一対のアッパレール(36)がスライド中央位置にある状態でのライザー(30)の前側支持部(30F)のシート前後方向位置に対応する位置に設定されているものであれば、「左右一対のアッパレール(36)がスライド中央位置にある状態でのライザー(30)の前側支持部(30F)における前側リンク部材(22)との連結部(30C)のシート前後方向位置に対応する位置」からシート前後方向にずれて設定されていてもよい。また、荷重伝達部は、左右一対のアッパレール(36)がスライド中央位置にある状態でのライザー(30)の前側支持部(30F)のシート前後方向位置に対応する位置に設定されているものであれば、「左右一対のアッパレール(36)がスライド中央位置にある状態でのライザー(30)の前側支持部(30F)の下部におけるアッパレール(36)との固定部(30D)のシート前後方向位置に対応する位置」からシート前後方向にずれて設定されていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、図2及び図3に示されるように、荷重伝達部として補強固定部50が設けられているが、上記実施形態の変形例として、補強固定部50に代えて、例えば補強固定部(50)と同様のシート前後方向位置においてロアレール(38)に固定されて車両後方側に開口されたフックが車体フロア(40)の係止孔等に引っ掛けられているような係止構造部が荷重伝達部として設けられてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、荷重伝達部としての補強固定部50においては、左右一対のロアレール38の底壁部38Aの一部である第三被固定部38Xを車体フロア40への被固定部分としているが、上記実施形態の変形例として、荷重伝達部としての補強固定部は、第三被固定部(38X)を被固定部分としないで、例えば、第三被固定部(38X)と同様のシート前後方向位置において左右一対のロアレール(38)からシート幅方向両側に張り出したフランジ部を車体フロア(40)への被固定部分とするような補強固定部であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態の変形例として、ライザー(30)の前側支持部(30F)の下部は、アッパレール(36)に対して、ボルト締結によって固定されてもよいし、溶接によって固定されてもよい。言い換えれば、ライザー(30)の前側支持部(30F)の下部におけるアッパレール(36)との固定部は、ボルト締結によって固定された部分でもよいし、溶接によって固定された部分でもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ライザー30の前側支持部30Fと後側支持部30Rとは繋ぎ部30Mによって繋がれているが、上記実施形態の変形例として、ライザーの前側支持部(30F)と後側支持部(30R)とは別体とされてもよい。
【0061】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0062】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0063】
10 車両用シート
12 シートクッション
12F シートクッションフレーム
14 シートバック
14F シートバックフレーム
20 リフター機構(高さ調整機構)
22 前側リンク部材
24 後側リンク部材
30 ライザー
30F ライザーの前側支持部
30C ライザーの前側支持部における前側リンク部材との連結部
30D ライザーの前側支持部の下部におけるアッパレールとの固定部
30R ライザーの後側支持部
34 スライドレール
36 アッパレール
38 ロアレール
38F 第一被固定部
38R 第二被固定部
40 車体フロア
50 補強固定部(荷重伝達部)
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
ところで、上記先行技術では、左右一対のアッパレールがスライド移動可能な範囲のシート前後方向中央位置にある状態、言い換えれば、シートポジションがフロントモースト(最前方位置)とリヤモースト(最後方位置)との間のシート前後方向中央位置にある状態で、左右一対のロアレールの車体フロアへの前側の固定位置は、ライザーの前部よりもシート前後方向前側にオフセットした位置に設定されている。