(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188727
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】認識装置、端末装置、認識器構築装置、認識器修正装置、構築方法、及び修正方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20221214BHJP
【FI】
G06T7/00 350A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174114
(22)【出願日】2021-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021096738
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年6月10日京セラ株式会社の記者会見で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年6月10日TBSテレビの番組内で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年6月10日及び11日京セラ株式会社のHPで発表
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】戴 暁艶
(72)【発明者】
【氏名】谷本 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェチョル
(72)【発明者】
【氏名】謝 依珊
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA03
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA11
5L096HA13
5L096JA13
5L096JA16
(57)【要約】
【課題】対象物の数が多くても認識精度の低下を低減する。
【解決手段】認識装置は通信部と制御部とを有する。通信部は画像を取得する。制御部は物体認識器23として機能する。物体認識器23は画像に写る対象物を複数の分類器24に順番に分類させることにより対象物を推定する。複数の分類器24は最上層25の分類器24と複数の下位層26の分類器24とを含む。複数の下位層26の分類器24は更に下位のカテゴリが対象物の特定情報である最下層の分類器24
lstを含む。物体認識器23により推定される対象物の中で特定情報が異なる少なくとも2つの対象物における最上層25の分類器24から最下層の分類器24
lstまでの階層数が異なる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得する取得部と、
前記画像に写る対象物を、複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器として機能する制御部と、を備え、
前記複数の分類器は、前記画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層の分類器と、上位層の前記分類器により分類された各カテゴリについて更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層の分類器とを含み、
前記下位層の分類器は、分類する前記更に下位のカテゴリが前記対象物の特定情報である最下層の分類器を含み、
前記物体認識器により推定される対象物の中で特定情報が異なる少なくとも2つの対象物における、前記最上層の分類器から前記最下層の分類器までの階層数が異なる
認識装置。
【請求項2】
請求項1に記載の認識装置において、
前記複数の分類器の少なくとも一部が分類するカテゴリの数は第1の閾値以下である
認識装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の認識装置において、
前記複数の分類器の少なくとも一部が分類に用いる特徴量の、分類されたカテゴリにおけるバラツキ度合いは第2の閾値以下である
認識装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の認識装置において、
前記最下層の分類器の少なくとも一部が分類する全対象物の、該一部による該対象物の分類の正答率が第3の閾値以上である
認識装置。
【請求項5】
撮像部と、
前記撮像部が生成した画像を請求項1から4のいずれか1項に記載の認識装置に付与し、該画像に写る対象物の前記特定情報を取得する通信部と、
前記特定情報を報知する出力装置と、を備える
端末装置。
【請求項6】
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器を構築する情報処理装置であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び前記特定情報を少なくとも取得する取得部と、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築する制御部と、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得部が取得する画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記制御部は、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定し、決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築し、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す
認識器構築装置。
【請求項7】
請求項6に記載の認識器構築装置において、
前記所定の条件は、前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率が第3の閾値以上である
認識器構築装置。
【請求項8】
請求項6に記載の認識器構築装置において、
前記所定の条件は、前記仮の最下層の分類器が分類する特定情報の数が第1の閾値以下である第1の条件、及び前記仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類に用いた特徴量の、該仮の最下層の分類器に対応するカテゴリにおけるバラツキ度合いが第2の閾値以下である第2の条件の少なくとも一方である
認識器構築装置。
【請求項9】
請求項8に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記所定の条件が前記第1の条件である場合の前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率と、前記所定の条件が第2の条件である場合の前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率との中で、前記正答率がより高い所定の条件を、前記最下層の分類器としての確定の判別に適用する
認識器構築装置。
【請求項10】
請求項8に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記第1の条件を満たした後の最下層の分類器により分類される対象物の正答率が、前記第1の条件を満たす前の仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率から低下する場合、該第1の条件を満たすための中間層の分類器の構築及び当該中間層の分類器の下位層の最下層の分類器の構築を停止する
認識器構築装置。
【請求項11】
請求項8又は10に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記第2の条件を満たした後の最下層の分類器により分類される対象物の正答率が、前記第2の条件を満たす前の仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率から低下する場合、該第2の条件を満たすための中間層の分類器の構築及び該中間層の分類器の下位層の最下層の分類器の構築を停止する
認識器構築装置。
【請求項12】
請求項6から11のいずれか1項に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記初期基準と前記任意の基準の少なくとも一部とをクラスタリングにより決定する
認識器構築装置。
【請求項13】
請求項6から12のいずれか1項に記載の認識器構築装置において、
前記取得部は、分類の基準を決める指示を更に取得し、
前記制御部は、前記初期基準と前記任意の基準の少なくとも一部とを、前記取得部が取得した指示に基づいて決定する
認識器構築装置。
【請求項14】
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得する取得部と、
前記新規な対象物を用いて、請求項1から4のいずれか1項に記載の認識装置における前記物体認識器を修正する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定し、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替え、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す
認識器修正装置。
【請求項15】
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器の構築方法であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築するステップと、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得するステップにおいて取得した画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記複数の分類器を構築するステップは、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定するステップと、
決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築するステップと、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む
構築方法。
【請求項16】
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
前記新規な対象物を用いて、請求項1から4のいずれか1項に記載の認識装置における前記物体認識器を修正するステップと、を備え、
前記物体認識器を修正するステップは、
前記画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定するステップと、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替えるステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む
修正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認識装置、端末装置、認識器構築装置、認識器修正装置、構築方法、及び修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像中に含まれる物体を機械学習によって認識する技術の開発が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には一般物体認識と特定物体認識とを併用した認識手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術には改善の余地がある。例えば、認識対象の物体の数が多くなると、認識精度が低下する。
【0006】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、認識対象である対象物の数が多くても、認識精度の低下を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による認識装置は、
画像を取得する取得部と、
前記画像に写る対象物を、複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器として機能する制御部と、を備え、
前記複数の分類器は、前記画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層の分類器と、上位層の前記分類器により分類された各カテゴリについて更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層の分類器とを含み、
前記下位層の分類器は、分類する前記更に下位のカテゴリが前記対象物の特定情報である最下層の分類器を含み、
前記物体認識器により推定される対象物の中で特定情報が異なる少なくとも2つの対象物における、前記最上層の分類器から前記最下層の分類器までの階層数が異なる。
【0008】
また、第2の観点による端末装置は、
撮像部と、
前記撮像部が生成した画像を、画像を取得する取得部と、前記画像に写る対象物を、複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器として機能する制御部と、を有し、前記複数の分類器は、前記画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層の分類器と、上位層の前記分類器により分類された各カテゴリの中で更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層の分類器とを含み、前記下位層の分類器は、分類する前記更に下位のカテゴリが前記対象物の特定情報である最下層の分類器を含み、前記物体認識器により推定される対象物の中で少なくとも2つの対象物における、前記最上層の分類器から前記最下層の分類器までの階層数が異なる認識装置に付与し、該画像に写る対象物の前記特定情報を取得する通信部と、
前記特定情報を報知する出力装置と、を備える
【0009】
また、第3の観点による認識器構築装置は、
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器を構築する情報処理装置であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び前記特定情報を少なくとも取得する取得部と、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築する制御部と、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得部が取得する画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記制御部は、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定し、決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築し、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す。
【0010】
また、第44の観点による認識器修正装置は、
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得する取得部と、
前記新規な対象物を用いて、画像を取得する取得部と、前記画像に写る対象物を、複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器として機能する制御部と、を有し、前記複数の分類器は、前記画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層の分類器と、上位層の前記分類器により分類された各カテゴリの中で更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層の分類器とを含み、前記下位層の分類器は、分類する前記更に下位のカテゴリが前記対象物の特定情報である最下層の分類器を含み、前記物体認識器により推定される対象物の中で少なくとも2つの対象物における、前記最上層の分類器から前記最下層の分類器までの階層数が異なる認識装置における前記物体認識器を修正させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定し、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替え、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す。
【0011】
また、第5の観点による構築方法は、
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器の構築方法であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築するステップと、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得部が取得する画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記複数の分類器を構築するステップは、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定するステップと、
決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築するステップと、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む。
【0012】
また、第6の観点による修正方法は、
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
前記新規な対象物を用いて、画像を取得する取得部と、前記画像に写る対象物を、複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器として機能する制御部と、を備え、前記複数の分類器は、前記画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層の分類器と、上位層の前記分類器により分類された各カテゴリの中で更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層の分類器とを含み、前記下位層の分類器は、分類する前記更に下位のカテゴリが前記対象物の特定情報である最下層の分類器を含み、前記物体認識器により推定される対象物の中で少なくとも2つの対象物における、前記最上層の分類器から前記最下層の分類器までの階層数が異なる認識装置における前記物体認識器を学習させるステップと、を備え、
前記物体認識器を学習させるステップは、
前記画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定するステップと、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替えるステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、認識対象である対象物の数が多くても、認識精度の低下が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態に係る認識装置を含む端末装置を有する情報処理システムの概略構成を示す構成図である。
【
図3】
図2の認識装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の認識装置において制御部が機能する物体認識器の構成図である。
【
図5】
図4の物体認識器に対応する物体認識モデルの樹形図である。
【
図6】
図1の情報処理装置の概略構成を示す図である。
【
図7】
図6の制御部が実行する認識器構築処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図6の制御部が実行する修正処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面に示す構成要素において、同じ構成要素には同じ符号を付す。
【0016】
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る認識装置を含む端末装置10を有する情報処理システム11は、少なくとも一つの端末装置10、ネットワーク12、及び情報処理装置(認識器構築装置、認識器修正装置)13を含んで構成されてよい。本実施形態において、情報処理システム11は、複数の端末装置10を含む。端末装置10及び情報処理装置13は、ネットワーク12を介して通信してよい。
【0017】
情報処理システム11は、画像に含まれる検出対象の像に基づいて、検出対象を特定する任意のシステムに適用される。情報処理システム11は、例えば、検出対象である商品を画像に基づいて特定する精算システムに適用される。以下において、精算システムに適用した例を用いて、情報処理システム11を説明する。
【0018】
端末装置10は、購入者が端末装置10に載置する商品を撮像してよい。端末装置10は、撮像による画像に対して物体認識を行い、画像中に含まれる物体が店舗におけるいずれの商品であるかを推定してよい。画像中の物体は、画像内に描画されている物体を意味する。情報処理装置13は、端末装置10において撮像された全商品の推定結果に基づいて、請求金額を算出してよい。情報処理装置13は、請求金額を端末装置10に通知してよい。端末装置10は、購入者に請求金額を提示し、購入金額の支払いを要求してよい。
【0019】
情報処理システム11は、商品の画像に基づいて商品名を特定可能に構築した物体認識器を用いて、物体認識を行う。物体認識器により商品名を特定可能な商品を、登録済みの商品とも呼ぶ。認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、新規に物体認識器を構築する。認識器修正装置として機能する情報処理装置13は、既存の物体認識器により商品名を特定可能な商品以外の商品に対して、当該商品の画像に基づいて商品名を特定可能となるように物体認識器を修正する。以下に、端末装置10及び情報処理装置13の詳細を説明する。
【0020】
図2に示すように、端末装置10は、撮像部14、出力装置15、載置台16、支持柱17、及び認識装置18を含んで構成される。
【0021】
撮像部14は、例えば、載置台16の全範囲を撮像可能に固定されている。撮像部14は、例えば、載置台16の側面から延びる支持柱17に固定されている。撮像部14は、例えば、載置台16の上面us全面を撮像可能、かつ当該上面usに光軸が垂直になるように固定されている。
【0022】
撮像部14は、可視光或いは赤外線のカメラを含んで構成されていてもよい。カメラは、撮像光学系及び撮像素子を含んで構成される。撮像光学系は、例えば、1個以上のレンズ及び絞りなどの光学部材を含む。レンズは、焦点距離に囚われずどのようなものであってもよく、例えば、一般的なレンズ、魚眼レンズを含む広角レンズまたは焦点距離が可変であるズームレンズであってもよい。撮像光学系は、被写体像を撮像素子の受光面に結像させる。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ、FIR(far infrared rays)カメラ等である。撮像素子は、受光面上に結像された被写体像を撮像して撮像画像を生成する。
【0023】
出力装置15は、画像を表示する、従来公知の任意のディスプレイであってよい。ディスプレイは、後述するように、タッチスクリーンとして機能してよい。出力装置15は、情報を報知するスピーカであってよい。出力装置15は、例えば、認識装置18の物体認識の認識結果を報知してよい。出力装置15は、情報処理システム11等の不具合が発生した場合等に種々の報知を行ってよい。出力装置15は、認識装置18の判定の成否及び物体認識器の修正の要否を音声等で報知してよい。
【0024】
図3に示すように、認識装置18は、通信部19(取得部)、記憶部20、及び制御部21を含んで構成される。認識装置18は、更に、入力部22を含んでよい。認識装置18は、第1の実施形態において、撮像部14及び出力装置15とは別の装置として構成されているが、例えば、撮像部14、載置台16、支持柱17、および出力装置15の少なくともいずれかと一体的に構成されてよい。
【0025】
通信部19は、例えば、有線または無線を含んで構成される通信線を介して撮像部14と通信する通信モジュールを含む。通信部19は、撮像部14から画像を信号として受信、言い換えると取得する。通信部19は、通信線を介して出力装置15と通信する通信モジュールを含んでよい。通信部19は、表示させる画像を画像信号として出力装置15に向けて送信してよい。通信部19は、ディスプレイである出力装置15から表示面において接触を検知した位置に相当する位置信号を受信してよい。通信部19は、ネットワーク12を介して情報処理装置13と通信する通信モジュールを含む。通信部19は、物体認識器を構築するためのパラメータを情報処理装置13から受信する。通信部19は、後述する、確定した認識結果に相当する結果情報を情報処理装置13に送信してよい。通信部19は、情報処理装置13から請求金額に相当する金額情報を受信してよい。
【0026】
入力部22は、ユーザからの操作入力を検出可能である。入力部22は、ユーザからの入力を検出可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、マイク等である。本実施形態において、入出力用インタフェースは、出力装置15を用いたタッチスクリーンである。
【0027】
記憶部20は、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリのいずれかを含んでいる。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部20は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部20は、認識装置18の動作に用いられるデータと、認識装置18の動作によって得られたデータとを記憶する。例えば、記憶部20は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア等を記憶する。例えば、記憶部20は、情報処理装置13から取得する物体認識器を構築するパラメータを記憶する。
【0028】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等であってもよい。制御部21は、認識装置18の各部を制御しながら、認識装置18の動作に関わる処理を実行する。認識装置18の動作に係わる処理とは、例えば、物体認識である。
【0029】
制御部21は、通信部19が取得する画像に含まれる対象物を推定する物体認識器として機能する。制御部21は、物体認識の認識結果を出力装置15に出力させてよい。制御部21は、認識結果を情報処理装置13に付与してよい。
【0030】
図4に示すように、物体認識器23は、複数の層に階層化されている複数の分類器24を含んで構成される。物体認識器23は、上位層から下位層に向けて複数の分類器24に順番に分類させることにより、物体認識を行う。複数の分類器24は、最上層25の分類器24及び複数の下位層26の分類器24を含む。
【0031】
最上層25の分類器24は、通信部19が取得した画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する。最上層25の分類器24が分類するカテゴリは、袋、箱、瓶、缶、トレイ等の包装態様に関するカテゴリ、商品分類情報に関するカテゴリ、又は対象物に関する他の外観的特徴に関するカテゴリであってよい。又は、最上層25の分類器24が分類するカテゴリは、後述するように、クラスタリングにより定められる特徴量に対応するカテゴリであってよい。最上層25の分類器24は、例えば、DNN(Deep Neural Network)、パターンマッチング、画像解析等に基づいて、対象物を分類してよい。パターンマッチングは、例えば、SIFT特徴量/SURF特徴量/Bag of Features等の画像特徴量に基づく。なお、最上層25の分類器24には、対象物の特定でなくカテゴリの分類なので、DNN等の一般物体認識に適した分類器が採用されることが好ましい。
【0032】
下位層26の各分類器24は、一つ上位層の分類器24により分類された各カテゴリについて更に下位のカテゴリに分類する。下位層26が分類するカテゴリは、より上位層の分類器24により分類されたカテゴリ以外のカテゴリであってよい。下位層26が分類するカテゴリは、対象物の大きさを分類するカテゴリであってよい。下位層26の分類器24は、例えば、DNN、パターンマッチング、画像解析等に基づいて、対象物を分類してよい。なお、後述する最下層の分類器24lst以外の下位層26の分類器24には、対象物の特定でなくカテゴリの分類なので、DNN等の一般物体認識に適した分類器が採用されることが好ましい。
【0033】
下位層26の分類器24は、最下層の分類器24lstを含む。最下層の分類器24lstにより分類される、更に下位のカテゴリは対象物を特定するための特定情報である。特定情報は、例えば、小売店で用いる端末装置10における、対象物の商品名、商品名に紐づいてマスタ上で管理されるID等である。最下層の分類器24lstは、例えば、DNN、パターンマッチング、画像解析等に基づいて、対象物を分類してよい。なお、最下層の分類器24lstには、対象物の特定なので、パターンマッチング等の特定物体認識に適した分類器が採用されることが好ましい。
【0034】
物体認識器23が推定可能な複数の対象物、言換えると物体認識器の構築又は修正に用いた複数の対象物の中で、特定情報が異なる少なくとも2つの対象物における、最上層25の分類器24から最下層の分類器24
lstまでの階層数が異なる。例えば、全体で2層目の分類器24により物体認識される対象物に対しては当該分類器24が最下層の分類器24
lstであり、当該対象物に対応する階層数は2層である。また、全体で3層目の分類器24により物体認識される対象物に対しては当該分類器24が最下層の分類器24
lstであり、当該対象物に対応する階層数は3層である。
図4において、物体認識器23の最大の階層数は3層であるが、4層以上であってよい。
【0035】
複数の分類器24の少なくとも一部が分類するカテゴリの数は第1の閾値以下であってよい。第1の閾値は、物体認識器23による対象物の正答率を所定の値を超えさせる任意の値に定められる。複数の分類器24の少なくとも一部が分類に用いる特徴量の、分類されたカテゴリにおけるバラツキ度合いは第2の閾値以下であってよい。バラツキ度合いは、例えば、分類されたカテゴリに属する全対象物の特徴量の分散である。第2の閾値は、物体認識器23による対象物の正答率を所定の値を超えさせる任意の値に定められる。
【0036】
最下層の分類器24lstの少なくとも一部が分類する全対象物の、当該一部による当該全対象物の正答率が第3の閾値以上であってよい。
【0037】
最上層25の分類器24は、画像に写る対象物のカテゴリを特定するために構築されたモデルであってよい。下位層26の分類器24は、より上位層の分類器24が特定したカテゴリを、更に別のカテゴリに分類するために構築されたモデルであってよい。
【0038】
物体認識器23に対応する物体認識モデルの例を、以下に説明する。
図5に示すように、物体認識モデル27は、撮像対象のカテゴリで区分される第1層及び各カテゴリに属するクラスで区分される第2層を少なくとも含む階層構造を有する。第1層は、物体認識器23における最上層25の分類器24により分類されるカテゴリに対応する。第2層は、物体認識器23における最上層25の1つ下位の下位層26の分類器24により分類されるカテゴリに対応する。任意のカテゴリに属する第2層上のクラスについて更なる細分化が必要である場合、当該第2層の直下に当該第2層に属するクラス群で更にグループ分けを行った第3層のサブクラスが設けられる。第3層は、物体認識器23における最上層25の2つ下位の下位層26の分類器24により分類されるカテゴリに対応する。物体認識モデル27の説明においては、解釈を容易にするため、第2層のカテゴリをクラスと呼び、第3層のカテゴリをサブクラスと呼ぶ。
【0039】
物体認識器23を用いた対象物の推定の手順を、物体認識モデル27を用いて、以下に説明する。制御部21は、画像に含まれる対象物である任意の物体Xを、最上層25の分類器24を用いて、予め設定した第1層のカテゴリ群のいずれかのカテゴリに分類する。例示された物体認識モデル27では、第1層のカテゴリ群は対象物の包装の型による分類であって、同一或いは類似の箱型のカテゴリ、同一或いは類似の袋型のカテゴリを含む。
【0040】
制御部21は、物体Xが箱型に分類された場合、箱型のカテゴリに対応する分類器24を用いて、更に物体Xを箱型に属する第2層におけるクラス群のいずれかのクラスに分類する。例示された物体認識モデル27では、箱型に属するクラス群は、特定情報であるクッキーA及びチョコレートBを含んでよい。
【0041】
制御部21は、物体Xが袋型に分類された場合、袋型のカテゴリに対応する分類器24を用いて、更に物体Xを袋型に属する第2層におけるクラス群のいずれかのクラスに分類する。袋型のカテゴリは箱型と異なり、属するクラス群が膨大で物体認識精度が低下する。それゆえ、袋型のカテゴリに属するクラス群は、特定情報ではなく、クラス群の中で任意に定めた特徴に基づいた類似度合いに基づく更なる分類を行って細分化させるクラスを含む。細分化は、第2層に属するクラス群を当該第2層の下位の第3層にサブクラス群を属させる分類を行わせる。例えば、第2層のクラス群は、対象物の大きさに関するクラスであってよく、具体的には袋の面積が面積閾値と比較して大きいこと又は小さいことをクラスとして含んでよい。
【0042】
制御部21は、物体Xが袋型に分類され且つ袋が大きいことに分類された場合、袋が大きいことのカテゴリに対応する分類器24を用いて、更に物体Xを大きいことに属する第3層におけるサブクラス群のいずれかに分類する。大きいことに属するサブクラス群は、特定情報である煎餅C及びポテトチップスDを含んでよい。制御部21は、物体Xが袋型に分類され且つ袋が小さいことに分類された場合、袋が小さいことのカテゴリに対応する分類器24を用いて、更に物体Xを小さいことに属する第3層におけるサブクラス群のいずれかに分類する。小さいことに属するサブクラス群は、特定情報であるキャンディEを含んでよい。
【0043】
図6に示すように、情報処理装置13は、通信部(取得部)28及び制御部29を含んで構成される。情報処理装置13は、更に、記憶部30を含んでよい。情報処理装置13は、前述のように、複数の層に階層化されている複数の分類器24に順番に分類させることにより画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器23を構築する。
【0044】
通信部28は、ネットワーク12に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN、Wi-Fi等の通信規格に対応した通信モジュールである。通信部28は、通信モジュールによって有線LANなどを介して、ネットワーク12に接続されてよい。
【0045】
通信部28は、例えば通信線を介して、多様な外部機器と通信可能な通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、通信線の規格に対応した通信モジュールである。通信線は、有線及び無線の少なくとも何れかを含んで構成されてよい。
【0046】
通信部28は、ネットワーク12又は通信線を介して、直接又は間接的に、撮像部14に接続されてよい。間接的に撮像部14に接続されるとは、例えば、撮像部14を内蔵する端末装置10に通信部28が接続されることを意味する。通信部28は、撮像部14が生成する画像を取得する。
【0047】
通信部28は、ネットワーク12又は通信線を介して、直接的又は間接的に、入力部に接続されてよい。入力部は、認識装置18の入力部22であってよく、情報処理装置13に直接接続される入力用インタフェースであってよい。通信部28は、入力部が検出する特定情報を取得する。
【0048】
通信部28は、新規に物体認識器23を構築する場合、当該物体認識器23で物体認識を行う複数の対象物それぞれの画像及び特定情報を少なくとも取得する。通信部28は、既存の物体認識器23を新規な対象物に基づいて修正する場合、修正に用いる対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得する。
【0049】
通信部28は、新規に物体認識器23を構築する場合、複数の対象物それぞれの特徴量を取得してよい。通信部28は、既存の物体認識器23を新規な対象物に基づいて修正する場合、修正に用いる対象物の特徴量を取得してよい。特徴量は、入力部の検出、画像に基づく他の情報処理装置による算出によって情報として生成されてよい。
【0050】
通信部28は、分類器24の構築のための、分類の基準を決める指示を取得してよい。分類の基準を決める指示は、例えば、後述するように、分類器24が分類するカテゴリを指定する指示である。当該指示を取得する場合、複数の対象物それぞれに対応するカテゴリも取得される。指定されるカテゴリは、対象物の外観から判別されるカテゴリである。当該指示は、入力部が検出するユーザによる操作入力により生成されてよい。
【0051】
通信部28は、ネットワーク12又は通信線を介して、直接的又は間接的に、出力装置15に接続されてよい。間接的に出力装置15に接続されるとは、例えば、出力装置15を含む端末装置10に通信部28が接続されることを意味する。
【0052】
記憶部30は、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリのいずれかを含んでいる。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM等である。RAMは、例えば、SRAM、DRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部30は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部30は、情報処理装置13の動作に用いられるデータと、情報処理装置13の動作によって得られたデータとを記憶する。例えば、記憶部30は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア等を記憶する。
【0053】
制御部29は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU、GPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA、ASIC等であってもよい。制御部29は、情報処理装置13の各部を制御しながら、情報処理装置13の動作に関わる処理を実行する。情報処理装置13の動作に係わる処理とは、例えば、物体認識器23の構築、物体認識器23の修正である。
【0054】
制御部29は、端末装置10から物体認識による認識結果を示す情報を取得する場合、認識結果である推定した物体の販売価格を記憶部30から読出してよい。制御部29は、推定した物体の販売価格を合計した請求金額を算出してよい。制御部29は、推定した物体を示す情報を付与した端末装置10に、請求金額に相当する金額情報を送信してよい。
【0055】
制御部29は、対象物の画像及び特定情報に少なくとも基づいて、物体認識器23を構築する。更には、制御部29は、対象物の画像及び特定情報に少なくとも基づいて、物体認識器23を構成する複数の分類器24を構築する。制御部29による複数の分類器24の構築方法を以下に説明する。
【0056】
制御部29は、複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定する。制御部29は、初期基準を、通信部28が取得した分類の基準を決める指示に基づいて決定してよい。制御部29は、初期基準を複数の対象物の画像解析により得られる特徴量に対してクラスタリングを行うことにより決定してよい。クラスタリングには、複数の対象物それぞれの画像に対する画像解析により生成する特徴量、及び通信部28が取得した特徴量の少なくとも一方が用いられてよい。
【0057】
制御部29は、決定したカテゴリに対象物を分類する最上層25の分類器24を構築する。制御部29は、任意の方法により最上層25の分類器24を構築してよい。任意の手法は、例えば、機械学習、非機械学習等の統計的手法である。制御部29は、例えば、初期基準に基づいて対象物に対して決定したカテゴリをアノテーションデータとして用いて当該対象物の画像の機械学習を行う。又は、制御部29は、初期基準に基づいて対象物に対して決定したカテゴリと当該対象物の画像との組合せを用いて非機械学習を行う。
【0058】
制御部29は、最上層25の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、仮の最下層の分類器24vlstを構築する。制御部29は、任意の方法により仮の最下層の分類器24vlstを構築してよい。任意の方法は、例えば、機械学習、非機械学習等の統計的手法である。仮の最下層の分類器24vlstは、最上層25の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する。
【0059】
制御部29は、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たす場合、当該仮の最下層の分類器24vlstを最下層の分類器24lstとして確定する。
【0060】
所定の条件は、仮の最下層の分類器24vlstが分類するカテゴリの更なる細分化が不要と判断し得る条件である。
【0061】
所定の条件は、仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率が第3の閾値以上である第3の条件であってよい。正答率は、対象物毎の、検証用の画像及び特定情報に基づいて算出されてよい。
【0062】
又は、所定の条件は、第1の条件及び第2の条件の少なくとも一方であってよい。第1の条件は、仮の最下層の分類器vlstが分類する特定情報の数が第1の閾値以下である。第2の条件は、仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類に用いた特徴量の、該仮の最下層の分類器vlstに対応するカテゴリにおけるバラツキ度合いが第2の閾値以下である。
【0063】
制御部29は、所定の条件が第1の条件である場合の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率と、所定の条件が第2の条件である場合の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率との中で正答率がより高い所定の条件を、最下層の分類器24lstとしての確定の判別に適用してよい。
【0064】
制御部29は、第1の条件を満たす前の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率から、第1の条件を満たした後の最下層の分類器24lstにより分類される対象物の正答率が低下するか否かを判別してよい。制御部29は、低下する場合、当該第1の条件を満たすための中間層の分類器24の構築及び当該中間層の分類器24の下位層の最下層の分類器24lstの構築を停止してよい。中間層の分類器24の構築は、後に説明される。
【0065】
制御部29は、第2の条件を満たす前の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率から、第2の条件を満たした後の最下層の分類器24lstにより分類される対象物の正答率が低下するか否かを判別してよい。制御部29は、低下する場合、当該第2の条件を満たすための中間層の分類器24の構築及び当該中間層の分類器24の下位層の最下層の分類器24lstの構築を停止してよい。
【0066】
制御部29は、分類器24別に、上述の第1の条件、第2の条件、及び第3の条件のいずれかを用いてよい。したがって、制御部29は、第1の条件に応じるように構築された中間層の分類器24及び最下層の分類器24lst、第2の条件に応じるように構築された中間層の分類器24及び最下層の分類器24lst、第3の条件に応じるように構築された最下層の分類器24lstを同時に含む物体認識器23を構築してよい。
【0067】
制御部29は、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たすまで、中間層の分類器24の構築と、当該仮の最下層の分類器vlstから当該中間層の分類器24への差替えと、該中間層の分類器24の1つ下位層の仮の最下層の分類器24vlstの構築とを繰返す。
【0068】
制御部29は、中間層の分類器24の構築のために、仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準を決定する。制御部29は、任意の基準を、通信部28が取得した分類の基準を決める指示に基づいて決定してよい。制御部29は、任意の基準を複数の対象物の特徴量に対して画像解析により得られるクラスタリングを行うことにより決定してよい。クラスタリングには、複数の対象物それぞれの画像に対する画像解析により生成する特徴量、及び通信部28が取得した特徴量の少なくとも一方が用いられてよい。任意の基準は、例えば、上述のように、対象物の大きさを特徴量として定められてよい。対象物の大きさは、画像の全領域に対する当該対象物が占める領域の面積比として算出されてよい。対象物の大きさい平均値、中央値等の統計値が、分類のための任意の基準として用いられてよい。
【0069】
制御部29は、決定した任意の基準に基づいて、仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリを決定する。更に下位のカテゴリの決定は、当該全対象物それぞれの、クラスタリングに用いた特徴量又は指示とともに取得した当該前対象物それぞれのカテゴリに基づいてよい。
【0070】
制御部29は、決定した更に下位のカテゴリに属する全対象物毎の画像と当該更に下位のカテゴリとに基づいて、中間層の分類器24を構築する。制御部29は、任意の方法により中間層の分類器24を構築してよい。任意の手法は、例えば、機械学習、非機械学習等の統計的手法である。制御部29は、例えば、任意の基準に基づいて対象物に対して決定した更に下位のカテゴリをアノテーションデータとして用いて当該対象物の画像の機械学習を行う。又は、制御部29は、任意の基準に基づいて対象物に対して決定した更に下位のカテゴリと当該対象物の画像との組合せを用いて非機械学習を行う。
【0071】
制御部29は、中間層の分類器24の構築に伴い、当該中間層の分類器24に分類される各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する仮の最下層の分類器24vlstを構築する。制御部29は、当該中間層の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、仮の最下層の分類器24vlstを構築する。
【0072】
制御部29は、上述のように構築した物体認識器23を構築するパラメータを、記憶部30に格納してよい。制御部29は、物体認識器23を構築するパラメータを、通信部28を介して端末装置10に付与してよい。
【0073】
制御部29は、既存の物体認識器23に対して新規な対象物の画像及び特定情報を、通信部28を介して取得する場合、当該新規な対象物を用いて当該物体認識器23を修正する。新規な対象物を用いた物体認識器23の修正を以下に説明する。物体認識器23は、パラメータを記憶部30に格納した物体認識器23であってよく、外部の情報処理装置が生成し且つ通信部28を介して取得したパラメータに対応する物体認識器23であってよい。
【0074】
制御部29は、取得した画像に対して、物体認識器23を用いた物体認識により特定情報を推定させる。制御部29は、当該特定情報に分類した最下層の分類器24lstを特定する。
【0075】
制御部29は、特定した最下層の分類器24lstにより分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、仮の最下層の分類器24vlstを構築する。制御部29は、任意の方法により仮の最下層の分類器24vlstを構築してよい。任意の手法は、例えば、機械学習、非機械学習等の統計的手法である。制御部29は、特定した最下層の分類器24lstを、新規に構築した仮の最下層の分類器24vlstに差替える。
【0076】
制御部29は、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たす場合、当該仮の最下層の分類器24vlstを最下層の分類器24lstとして確定する。所定の条件は、新規に物体認識器23を構築する場合において仮の最下層の分類器24vlstを最下層の分類器24lstとして確定させる所定の条件と同じであってよい。
【0077】
制御部29は、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たすまで、中間層の分類器24の構築と、当該仮の最下層の分類器vlstから当該中間層の分類器24への差替えと、該中間層の分類器24の1つ下位層の仮の最下層の分類器24vlstの構築とを繰返す。中間層の分類器24の構築は、後に説明する。
【0078】
制御部29は、中間層の分類器24の構築のために、仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準を決定する。制御部29は、任意の基準を、通信部28が取得した分類の基準を決める指示に基づいて決定してよい。制御部29は、任意の基準を複数の対象物の特徴量に対してクラスタリングを行うことにより決定してよい。クラスタリングには、複数の対象物それぞれの画像に対する画像解析により生成する特徴量、及び通信部28が取得した特徴量の少なくとも一方が用いられてよい。
【0079】
制御部29は、決定した任意の基準に基づいて、仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリを決定する。更に下位のカテゴリの決定は、当該全対象物それぞれの、クラスタリングに用いた特徴量又は指示とともに取得した当該前対象物それぞれのカテゴリに基づいてよい。
【0080】
制御部29は、決定した更に下位のカテゴリに属する全対象物毎の画像と当該更に下位のカテゴリとに基づいて、中間層の分類器24を構築する。制御部29は、任意の方法により中間層の分類器24を構築してよい。任意の手法は、例えば、機械学習、非機械学習等の統計的手法である。制御部29は、例えば、任意の基準に基づいて対象物に対して決定した更に下位のカテゴリをアノテーションデータとして用いて当該対象物の画像の機械学習を行う。又は、制御部29は、任意の基準に基づいて対象物に対して決定した更に下位のカテゴリと当該対象物の画像との組合せを用いて非機械学習を行う。
【0081】
制御部29は、中間層の分類器24の構築に伴い、当該中間層の分類器24に分類される各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する仮の最下層の分類器24vlstを構築する。制御部29は、当該中間層の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、仮の最下層の分類器24vlstを構築する。
【0082】
制御部29は、上述のように修正した物体認識器23を構築するパラメータを、記憶部30に格納してよい。制御部29は、当該物体認識器23を構築するパラメータを、通信部28を介して端末装置10に付与してよい。
【0083】
次に、本実施形態において情報処理装置13の制御部29が実行する、認識器構築処理について、
図7のフローチャートを用いて説明する。認識器構築処理は、情報処理装置13の通信部28を介して認識器の新規構築の実行指令を取得する場合に開始する。
【0084】
ステップS100において、制御部29は、構築する物体認識器による認識対象である全対象物それぞれの画像及び特定情報を少なくとも取得する。制御部29は、画像及び特定情報を取得するために、端末装置10の出力装置15に、画像及び特定情報の入力要求を出力させてよい。画像及び特定情報を少なくとも取得した後、プロセスはステップS101に進む。
【0085】
ステップS101では、制御部29は、初期基準に基づいて、複数の対象物それぞれが属するカテゴリを決定する。決定後、プロセスはステップS102に進む。
【0086】
ステップS102では、制御部29は、ステップS101において決定したカテゴリに対象物を分類するように最上層25の分類器24を構築する。構築後、プロセスはステップS103に進む。
【0087】
ステップS103では、制御部29は、最上層25の分類器24により分類されたカテゴリそれぞれに属する対象物を特定情報に分類するように仮の最下層の分類器24vlstを構築する。構築後、プロセスはステップS104に進む。
【0088】
ステップS104では、制御部29は、未確定の一つの仮の最下層の分類器24vlstを選択する。選択後、プロセスはステップS105に進む。
【0089】
ステップS105では、制御部29は、ステップS104において選択した仮の最下層の分類器24lstが所定の条件を満たすか否かを判別する。所定の条件は、前述のように、当該仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率が第3の閾値以上であること、当該仮の最下層の分類器vlstが分類する特定情報の数が第1の閾値以下であること、及び当該仮の最下層の分類器vlstの1つ上位層の分類器24が分類に用いた特徴量の、該仮の最下層の分類器vlstに対応するカテゴリにおけるバラツキ度合いが第2の閾値以下であることの少なくとも1つであってよい。所定の条件を満たさない場合、プロセスはステップS106に進む。所定の条件を満たす場合、プロセスはステップS108に進む。
【0090】
ステップS106では、制御部29は、任意の基準に基づいて、複数の対象物それぞれが属するカテゴリを決定する。決定後、プロセスはステップS107に進む。
【0091】
ステップS107では、制御部29は、ステップS106において決定したカテゴリに対象物を分類するように中間層の分類器24を構築する。更に、制御部29は、当該中間層の分類器24により分類されたカテゴリそれぞれに属する対象物を特定情報に分類するように仮の最下層の分類器24vlstを構築する。構築後、プロセスはステップS104に戻る。
【0092】
ステップS105において正答率が第3の閾値以上である場合に進むステップS108では、制御部29は、ステップS104で選択した仮の最下層の分類器24vlstを最下層の分類器24lstとして確定する。確定後、プロセスはステップS109に進む。
【0093】
ステップS109では、制御部29は、全仮の最下層の分類器vlstが最下層の分類器lstとして確定されているか否かを判別する。すべての仮の最下層の分類器24vlstが確定されていない場合、プロセスはステップS104に戻る。すべての仮の最下層の分類器24vlstが確定されている場合、プロセスはステップS110に進む。
【0094】
ステップS110では、制御部29は、全分類器24により形成される物体認識器23を構築するパラメータを記憶部30に格納する。更に、制御部29は、物体認識器23を構築するパラメータを端末装置10に付与するように通信部28を制御する。パラメータの格納及び付与後、認識器構築処理は終了する。
【0095】
次に、本実施形態の情報処理装置13の制御部29が実行する、修正処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。修正処理は、情報処理装置13の通信部28を介して認識器の修正の実行指令を取得する場合に開始する。
【0096】
ステップS200において、制御部29は、修正の対象である既存の物体認識器23を取得する。既存の物体認識器23は、記憶部30からパラメータを読出すことにより取得されてよい。取得後、プロセスはステップS201に進む。
【0097】
ステップS201では、制御部29は、ステップS200において取得した既存の物体認識器23に対して新規対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得する。制御部29は、画像及び特定情報を取得するために、端末装置10の出力装置15に、画像及び特定情報の入力要求を出力させてよい。画像及び特定情報を少なくとも取得した後、プロセスはステップS202に進む。
【0098】
ステップS202では、制御部29は、ステップS200において取得した物体認識器23を用いて、ステップS201で取得した新規な対象物それぞれを、当該対象物の画像に基づいて推定する。更に、制御部29は、対象物を推定した、言換えると特定情報に分類した最下層の分類器24lstを特定する。特定後、プロセスはステップS203に進む。
【0099】
ステップS203では、制御部29は、ステップS202において特定した最下層の分類器24lstにより分類される全対象物及び新規な対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、仮の最下層の分類器24vlstを構築する。構築後、プロセスはステップS204に進む。
【0100】
ステップS204では、制御部29は、ステップS202において特定した最下層の分類器24lstを、ステップS203において新規に構築した仮の最下層の分類器24vlstに差替える。差替え後、プロセスはステップS205に進む。
【0101】
ステップS205からS211では、制御部29は、認識器構築処理におけるステップS104からS110と同じ処理を行う。ステップS211においてパラメータの格納及び付与後、修正処理は終了する。
【0102】
以上のような構成の本実施形態の認識装置18は、画像に写る対象物を複数の層に階層化されている複数の分類器24に順番に分類させることにより推定する物体認識器23として機能する制御部21を備え、複数の分類器24は画像に写る対象物を複数のカテゴリのいずれかに分類する最上層25の分類器24と、一つ上位層の分類器24により分類された各カテゴリの中で更に下位のカテゴリに分類する複数の下位層26の分類器24とを含み、下位層26の分類器24は分類する更に下位のカテゴリが対象物の特定情報である最下層の分類器24lstを含み、物体認識器23により推定される対象物の中で少なくとも2つの対象物における最上層25の分類器24から最下層の分類器24lstまでの階層数が異なる。特許文献1のように、階層化させた分類器により順番に分類することにより対象物を推定する物体認識器において、分類するカテゴリの数が多くなると、一部のカテゴリに対象物が集中して分類され得る。分類器では、一般的に、分類するカテゴリの数が増加するほど、分類精度が低下する。それゆえ、上述のように、特許文献1に記載の物体認識では、一部のカテゴリに対象物が集中する場合、当該カテゴリに属する対象物の特定情報を分類する分類器の分類精度が低下し得る。一方で、上述の構成を有する認識装置18は、全対象物における最上層25の分類器24から最下層の分類器24lstまでの階層数が異なるので、同一の階層において特定情報に分類する最下層の分類器24lstと更に下位のカテゴリに分類する分類器24とを有する物体認識器23として機能し得る。したがって、認識装置18は、各分類器24において任意のカテゴリへの対象物の集中を低減し得る。その結果、認識装置18は、対象物の数が多くても、各分類器24における分類精度の低下を抑え、物体認識器23による物体認識の低下を低減し得る。
【0103】
本実施形態の認識装置18では、複数の分類器24の少なくとも一部が分類するカテゴリの数は第1の閾値以下である。上述のように、一般的に、分類器において分類するカテゴリの数が増加するほど、分類精度が低下する。このような事象に対して、上述の構成を有する認識装置18は、分類精度の低下を抑制し得る。
【0104】
本実施形態の認識装置18では、複数の分類器24の少なくとも一部が分類に用いる特徴量の、分類されたカテゴリにおけるバラツキ度合いは第2の閾値以下である.一般的に、分類された一つのカテゴリにおいて、当該分類に用いた特徴量のばらつきは、高い精度で分類可能な、更なる分類の余地を示す。このような事象に対して、上述の構成を有する認識装置18は、高い分類精度を有する分類器24により構成される物体認識器23として機能し得る。
【0105】
以上のような構成の本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、複数の対象物それぞれが属するカテゴリの初期基準に基づいた決定と、決定した当該カテゴリに対象物を分類する最上層25の分類器24を構築し、最上層25の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する仮の最下層の分類器24vlstを構築し、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たす場合、最下層の分類器24lstとして確定し、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たすまで、当該仮の最下層の分類器24vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、当該任意の基準に基づいた当該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と当該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器24への当該仮の最下層の分類器24vlstからの差替えと、当該中間層の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する仮の最下層の分類器24vlstの構築とを、繰返す。このような構成により情報処理装置13は、対象物の数が膨大になった場合であっても、各分類器24における分類精度を向上させ得る。したがって、情報処理装置13は、分類精度の高い分類器24により構成されるので、認識精度の高い物体認識器23を構築し得る。
【0106】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13では、所定の条件は、仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率が第3の閾値以上である。このような構成により、情報処理装置13は、認識精度を更に向上させた物体認識器23を構築し得る。
【0107】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13では、所定の条件は、仮の最下層の分類器24vlstが分類する特定情報の数が第1の閾値以下である第1の条件、及び仮の最下層の分類器24vlstの1つ上位層の分類器24が分類に用いた特徴量の当該仮の最下層の分類器24vlstに対応するカテゴリにおけるバラツキ度合いが第2の閾値以下である第2の条件の少なくとも一方である。このような構成により、情報処理装置13は、認識精度を更に向上させた物体認識器23を構築し得る。
【0108】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、所定の条件が第1の条件である場合の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率と、所定の条件が第2の条件である場合の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率との中で、正答率がより高い所定の条件を、最下層の分類器24lstとしての確定の判別に適用する。このような構成により、情報処理装置13は、認識精度を更に向上させた物体認識器23を構築し得る。
【0109】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、第1の条件を満たした後の最下層の分類器24lstにより分類される対象物の正答率が、第1の条件を満たす前の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率から低下する場合、当該第1の条件を満たすための中間層の分類器24の構築及び当該中間層の分類器24の下位層の最下層の分類器24lstの構築を停止する。このような構成により、情報処理装置13は、分類精度の低下を防止するので、構築する物体認識器23における認識精度の低下を防止する。
【0110】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、第2の条件を満たした後の最下層の分類器24lstにより分類される対象物の正答率が、第2の条件を満たす前の仮の最下層の分類器24vlstに分類される対象物の正答率から低下する場合、当該第2の条件を満たすための中間層の分類器24の構築及び当該中間層の分類器24lstの構築を停止する。このような構成により、情報処理装置13は、分類精度の低下を防止するので、構築する物体認識器23における認識精度の低下を防止する。
【0111】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、初期基準と前記任意の基準の少なくとも一部とをクラスタリングにより決定する。このような構成により、情報処理装置13は、実際に得られる画像に対して適切な基準を決定し得る。したがって、情報処理装置13は、認識精度を更に向上させた物体認識器23を構築し得る。
【0112】
本実施形態の認識器構築装置として機能する情報処理装置13では、通信部28は分類の基準を決める指示を更に取得し、制御部29は初期基準と任意の基準の少なくとも一部とを通信部28が取得した指示に基づいて決定する。このような構成により、情報処理装置13では、ユーザが適用可能と判断する基準を、分類の基準に決定できる。
【0113】
以上のような構成の本実施形態の認識器修正装置として機能する情報処理装置13は、新規な対象物の画像に基づいて、物体認識器23を用いて新規な対象物の特定情報を推定させ、当該特定情報を分類した最下層の分類器24lstを特定し、当該最下層の分類器24lstにより分類される全対象物及び新規な対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器24vlstを当該最下層の分類器24lstに差替え、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たす場合最下層の分類器24lstとして確定し、仮の最下層の分類器24vlstが所定の条件を満たすまで当該仮の最下層の分類器24vlstの1つ上位層の分類器24が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、当該任意の基準に基づいた当該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と当該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器24への当該仮の最下層の分類器24vlstからの差替えと、当該中間層の分類器24が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの画像と特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの特定情報に分類する仮の最下層の分類器24vlstの構築とを、繰返す。このような構成により、情報処理装置13は、認識精度の低下を低減させながら、新規な対象物を物体認識させるように、既存の階層状の物体認識器23を修正し得る。
【0114】
以上、認識装置18、並びに認識器構築装置及び認識器修正装置として機能する情報処理装置13の実施形態を説明してきたが、本開示の実施形態としては、装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、又はメモリカード等)としての実施態様をとることも可能である。
【0115】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であってもよい。さらに、プログラムは、制御基板上のCPUにおいてのみ全ての処理が実施されるように構成されてもされなくてもよい。プログラムは、必要に応じて基板に付加された拡張ボード又は拡張ユニットに実装された別の処理ユニットによってその一部又は全部が実施されるように構成されてもよい。
【0116】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0117】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0118】
例えば、本実施形態において、認識器構築装置及び認識器修正装置として機能する情報処理装置13が物体認識器23の構築及び修正を行う構成であるが、認識器構築装置及び認識器修正装置は別々の装置であってよい。
【0119】
また、本実施形態において、認識器構築装置及び認識器修正装置として機能する情報処理装置13が物体認識器23の構築及び修正を行い、端末装置10は認識装置18を含む構成である。しかし、情報処理装置13が物体認識器23の構築及び修正を行うだけでなく、認識装置として機能してよい。このような構成においては、例えば、端末装置10は、撮像部14が生成する画像を情報処理装置13に付与し、情報処理装置13における物体認識器23による認識結果である特定情報を取得する通信部を有してよい。
【0120】
また、本実施形態において、認識器構築装置として機能する情報処理装置13は、物体認識器23の構築において、仮の最下層の分類器24vlstを、中間層の分類器24に差替える構成であるが、中間層の分類器24への差替えは、仮の最下層の分類器24vlstに限定されない。最上層25の分類器24も含めて、仮の最下層の分類器24vlstより上位層の分類器24が、中間層の分類器24に差替えてられてよい。
【0121】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。また、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0122】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0123】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の閾値は、第2の閾値と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0124】
10 端末装置
11 情報処理システム
12 ネットワーク
13 情報処理装置
14 撮像部
15 出力装置
16 載置台
17 支持柱
18 認識装置
19 通信部
20 記憶部
21 制御部
22 入力部
23 物体認識器
24 分類器
24lst 最下層の分類器
24vlst 仮の最下層の分類器
25 最上層
26 下位層
27 物体認識モデル
28 通信部
29 制御部
30 記憶部
【手続補正書】
【提出日】2022-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器を構築する情報処理装置であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び前記特定情報を少なくとも取得する取得部と、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築する制御部と、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得部が取得する画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記制御部は、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定し、決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築し、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す
認識器構築装置。
【請求項2】
請求項1に記載の認識器構築装置において、
前記所定の条件は、前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率が第3の閾値以上である
認識器構築装置。
【請求項3】
請求項1に記載の認識器構築装置において、
前記所定の条件は、前記仮の最下層の分類器が分類する特定情報の数が第1の閾値以下である第1の条件、及び前記仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類に用いた特徴量の、該仮の最下層の分類器に対応するカテゴリにおけるバラツキ度合いが第2の閾値以下である第2の条件の少なくとも一方である
認識器構築装置。
【請求項4】
請求項3に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記所定の条件が前記第1の条件である場合の前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率と、前記所定の条件が第2の条件である場合の前記仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率との中で、前記正答率がより高い所定の条件を、前記最下層の分類器としての確定の判別に適用する
認識器構築装置。
【請求項5】
請求項3に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記第1の条件を満たした後の最下層の分類器により分類される対象物の正答率が、前記第1の条件を満たす前の仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率から低下する場合、該第1の条件を満たすための中間層の分類器の構築及び当該中間層の分類器の下位層の最下層の分類器の構築を停止する
認識器構築装置。
【請求項6】
請求項3又は5に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記第2の条件を満たした後の最下層の分類器により分類される対象物の正答率が、前記第2の条件を満たす前の仮の最下層の分類器に分類される対象物の正答率から低下する場合、該第2の条件を満たすための中間層の分類器の構築及び該中間層の分類器の下位層の最下層の分類器の構築を停止する
認識器構築装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の認識器構築装置において、
前記制御部は、前記初期基準と前記任意の基準の少なくとも一部とをクラスタリングにより決定する
認識器構築装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の認識器構築装置において、
前記取得部は、分類の基準を決める指示を更に取得し、
前記制御部は、前記初期基準と前記任意の基準の少なくとも一部とを、前記取得部が取得した指示に基づいて決定する
認識器構築装置。
【請求項9】
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得する取得部と、
画像に写る対象物を複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器を備える認識装置における前記物体認識器を、前記新規な対象物を用いて修正する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記新規な対象物の画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定し、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替え、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定し、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返す
認識器修正装置。
【請求項10】
複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、画像に写る対象物を特定する特定情報を推定する物体認識器の構築方法であって、
前記複数の対象物それぞれの、画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
前記複数の対象物それぞれの画像及び特定情報に基づいて、前記複数の分類器を構築するステップと、を備え、
前記複数の分類器は、前記取得するステップにおいて取得した画像に基づいて該画像における対象物のカテゴリを分類する最上層の分類器と、より上位層の前記分類器が分類したカテゴリに属する対象物をいずれかの前記特定情報に分類する最下層の分類器とを含み、
前記複数の分類器を構築するステップは、
前記複数の対象物それぞれが属するカテゴリを初期基準に基づいて決定するステップと、
決定した該カテゴリに前記対象物を分類する前記最上層の分類器を構築するステップと、
前記最上層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて、各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器を構築するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む
構築方法。
【請求項11】
新規な対象物の画像及び特定情報を少なくとも取得するステップと、
画像に写る対象物を複数の層に階層化されている複数の分類器に順番に分類させることにより、推定する物体認識器を備える認識装置における前記物体認識器を、前記新規な対象物を用いて修正するステップと、を備え、
前記物体認識器を修正するステップは、
前記新規な対象物の画像に基づいて、前記物体認識器を用いて前記新規な対象物の特定情報を推定させ、
該特定情報を分類した最下層の分類器を特定するステップと、
該最下層の分類器により分類される全対象物及び前記新規な対象物それぞれの画像と前記特定情報とに基づいて構築される仮の最下層の分類器を、該最下層の分類器に差替えるステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たす場合、最下層の分類器として確定するステップと、
前記仮の最下層の分類器が所定の条件を満たすまで、該仮の最下層の分類器の1つ上位層の分類器が分類した任意のカテゴリに属すると決められた全対象物を分類し得る任意の基準の決定、該任意の基準に基づいた該全対象物それぞれが属する更に下位のカテゴリの決定、及び決定した更に下位の各カテゴリそれぞれに属する全対象物毎の画像と該更に下位のカテゴリとに基づいて構築する中間層の分類器への該仮の最下層の分類器からの差替えと、該中間層の分類器が分類した各カテゴリに属する全対象物それぞれの前記画像と前記特定情報とに基づいて各カテゴリに属する全対象物をそれぞれの前記特定情報に分類する仮の最下層の分類器の構築とを、繰返すステップと、を含む
修正方法。