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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188730
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】携帯端末収納具
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/11 20060101AFI20221214BHJP
   H04M 1/14 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H04M1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187588
(22)【出願日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2021096804
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392025238
【氏名又は名称】株式会社サンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中筋 保
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023BB02
5K023BB03
5K023DD06
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP12
5K023QQ05
(57)【要約】
【課題】コンパクトな構成でありかつ種々の携帯端末を保持可能な携帯端末収納具を提供する。
【解決手段】携帯端末Tの背面側に位置する背壁部11と、背壁部11の左側端部と平行に延びる左側壁部23と、背壁部11の右側端部と平行に延びるベース側及びカバー側右側壁部12,22と、左側壁部23とベース側及びカバー側右側壁部12,22との間に設けられたベース側及びカバー側底壁部13,24と、背壁部11と対向するように設けられた前壁部21と、を備え、背壁部11には、収納部3に携帯端末Tが収納された状態で、該携帯端末Tを前壁部21に向かって付勢するバネ部材30が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手押し車に取り付けられかつ携帯端末を収納する収納部を有する携帯端末収納具であって、
前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、
左右方向に互いに対向して配置された左側壁部及び右側壁部と、
前記左側壁部と前記右側壁部との間に設けられた底壁部と、
前記背壁部と対向するように設けられた前壁部と、を備え、
前記背壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、前記底壁部、及び前記前壁部により、前記収納部が形成され、
前記背壁部には、前記収納部に前記携帯端末が収納された状態で、該携帯端末を前記前壁部に向かって付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末収納具において、
前記付勢部材は板バネで構成されていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末収納具において、
前記付勢部材は、
前記背壁部に固定された固定部と、
前記固定部の前記底壁部側の端部から前記底壁部側に向かって前記前壁部側に延びかつ前記携帯端末に付勢力を付与する付勢部と、
前記付勢部の前記固定部とは反対側の端部に設けられ、前記携帯端末に当接する当接部と、
を有し、
前記当接部は、前記背壁部と略平行になっていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯端末収納具において、
前記付勢部材は、
前記背壁部に固定された固定部と、
前記固定部の前記底壁部側の端部から前記底壁部側に向かって前記前壁部側に延びかつ前記携帯端末に付勢力を付与する付勢部と、
を有し、
前記付勢部の前記底壁部側の端部は、左側端部及び右側端部の一方が、他方よりも前記前壁部側に位置することを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末収納具において、
前記付勢部の前記底壁部側の端部は、左側端部及び右側端部の前記他方から前記一方に向かって、前記前壁部側かつ前記底壁部側に斜めに傾斜して延びていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の携帯端末収納具において、
前記左側壁部及び前記右側壁部の少なくとも一方は、その全体が、前記背壁部と隙間を空けて設けられていること特徴とする携帯端末収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、携帯端末収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ショッピングカートやキャリーなどの手押し車に取り付けられる携帯端末収納具が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、ショッピング専用の携帯端末を収容しかつ携帯端末の収容時に該携帯端末を充電するハウジングを有する携帯端末収納具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006-512637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、携帯端末としてのスマートフォンの普及により、顧客が所有する携帯端末を介してショッピングを行うことが増加している。このため、特許文献1に記載のように専用の端末を収容するような構成では、顧客が有する種々の携帯端末に対応することができない。
【0006】
また、手押し車を移動させる際には振動が発生するため、収納具には、振動により携帯端末が収納具から離脱しないように、携帯端末を保持することが求められている。また、作業の邪魔にならないように、収納具を出来る限りコンパクトにすることも求められている。
【0007】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこは、コンパクトな構成でありかつ種々の携帯端末を保持可能な携帯端末収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、手押し車に取り付けられかつ携帯端末を収納する収納部を有する携帯端末収納具を対象として、前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、左右方向に互いに対向して配置された左側壁部及び右側壁部と、前記左側壁部と前記右側壁部との間に設けられた底壁部と、前記背壁部と対向するように設けられた前壁部と、を備え、前記背壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、前記底壁部、及び前記前壁部により、前記収納部が形成され、前記背壁部には、前記収納部に前記携帯端末が収納された状態で、該携帯端末を前記前壁部に向かって付勢する付勢部材が設けられている、という構成とした。
【0009】
この構成によると、携帯端末が収納されたときには、携帯端末は付勢部材の付勢力により前壁部に押し付けられる。これにより、付勢部材と前壁部とにより、携帯端末を保持することができる。また、携帯端末収納具が左右に広がるようなことがないため、携帯端末収納具を出来る限りコンパクトな構成にすることができる。
【0010】
前記携帯端末収納具の一実施形態では、前記付勢部材は板バネで構成されている。
【0011】
この構成によると、携帯端末収納具の構成を簡単にすることができる。また、携帯端末を出来る限り広い範囲で、前壁部に向かって付勢することができる。
【0012】
前記一実施形態において、前記付勢部材は、前記背壁部に固定された固定部と、前記固定部の前記底壁部側の端部から前記底壁部側に向かって前記前壁部側に延びかつ前記携帯端末に付勢力を付与する付勢部と、前記付勢部の前記固定部とは反対側の端部に設けられ、前記携帯端末に当接する当接部と、を有し、前記当接部は、前記背壁部と略平行になっている、という構成でもよい。
【0013】
この構成によると、付勢部材が板バネであるときに、板バネのエッジが携帯端末に接触するのを抑制することができる。これにより、携帯端末を傷つけることなく適切に保持することができる。
【0014】
前記一実施形態において、前記付勢部材は、前記背壁部に固定された固定部と、前記固定部の前記底壁部側の端部から前記底壁部側に向かって前記前壁部側に延びかつ前記携帯端末に付勢力を付与する付勢部と、を有し、前記付勢部の前記底壁部側の端部は、左側端部及び右側端部の一方が、他方よりも前記前壁部側に位置する、という構成でもよい。
【0015】
特に、前記付勢部の前記底壁部側の端部は、左側端部及び右側端部の前記他方から前記一方に向かって、前記前壁部側かつ前記底壁部側に斜めに傾斜して延びている、という構成であると好ましい。
【0016】
これらの構成では、付勢部の底壁部側の端部における、左側端部又は右側端部が携帯端末に片当たりしやすくなる。これにより、携帯端末を収納したときに、付勢力に左右差が生じるため、収納された携帯端末は右側壁部又は左側壁部に寄りやすくなる。このため、収納部に対して携帯端末の横幅が小さい場合であっても、左右の側壁部を利用して携帯端末を適切に保持することができる。
【0017】
前記携帯端末収納具において、前記左側壁部及び前記右側壁部の少なくとも一方は、その全体が、前記背壁部と隙間を空けて設けられている、という構成でもよい。
【0018】
この構成によると、携帯端末を手帳型ケースに収納している場合であっても、携帯端末をケースに取り付けたままの状態でかつケースを開いた状態で、携帯端末を収納することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、携帯端末収納具をコンパクトな構成にするとともに、種々の携帯端末を保持可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、例示的な実施形態1に係る携帯端末収納具を有するスタンドを示す斜視図である。
図2図2は、携帯端末収納具の斜視図である。
図3図3は、携帯端末収納具の分解斜視図である。
図4図4は、携帯端末収納具の正面図である。
図5図5は、図4のV-V線相当の平面で切断した断面図である。
図6図6は、図4のVI-VI線相当の平面で切断した断面図である。
図7図7は、携帯端末収納具の底面図である。
図8図8は、携帯端末収納具の左側側面図である。
図9図9は、携帯端末が収納された状態を示す正面図である。
図10図10は、携帯端末が収納された携帯端末収納具の断面図である。
図11図11は、手帳型ケースに収納された状態の携帯端末を収納した状態を示す斜視図である。
図12図12は、実施形態2に係る携帯端末収納具の正面図である。
図13図13は、実施形態2に係る携帯端末収納具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、例示的な実施形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態1に係る携帯端末収納具1(以下、端末収納具1という)を備えたスタンド装置100を示す。スタンド装置100は、端末収納具1にスマートフォンなどのタブレット型の携帯端末Tを収納した状態で、ショッピングカートの持ち手や、キャリーの持ち手等の軸状部材Pに取り付けられる。
【0023】
スタンド装置100は、一端部に端末収納具1が取り付けられる支柱101と、支柱101における他端部に設けられ、ショッピングカート等の持ち手等の軸状部材Pを挟持するクランパ102とを有する。
【0024】
支柱101は、軸状部材Pと直交する方向に延びるように設けられる。支柱101は、断面U字状に折り曲げられた2つの鋼板を、U字開口が向き合った状態で溶接して構成されている。詳細な図示は省略するが、支柱101の上側端部は、左右方向に広がるとともに、上側に向かって斜めに傾斜した面状部分となっている。端末収納具1は、該面状部分にネジによって締結される。
【0025】
クランパ102は、複数のネジで結合される一対の挟持部材102aで構成されている。一対の挟持部材102aは、上下方向に対向するように配置され、軸状部材Pを上下方向に挟持する。各挟持部材102aの下面部には、左右方向に延びる嵌合溝が形成されている。該嵌合溝は、前記持ち手の一部が嵌合する溝であって、断面円弧状に形成されている。嵌合溝の曲率は、スタンド装置100が前記持ち手に取り付けられていない状態では、軸状部材Pの外周の曲率よりも小さい。嵌合溝の曲率は、スタンド装置100が軸状部材Pに取り付けられた状態では、挟持部材102aが前記ネジの締結方向にしなることで、軸状部材Pの外周の曲率と略同じになる。
【0026】
図2図8は、それぞれ端末収納具1の構造を示す図である。端末収納具1は、樹脂で形成されている。以下の説明では、端末収納具1に携帯端末Tを収納した状態で、携帯端末Tの厚み方向に相当する方向を面方向といい、面方向における携帯端末Tの画面が位置する側を前面側といい、面方向における前面側と対向する側を背面側という。左右方向については、前面側から後面側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。また、面方向と左右方向とに直交する方向を所定方向といい、携帯端末Tを収納した状態で、所定方向における携帯端末Tの底面が位置する側を底面側といい、所定方向における底面側と対向する側を上面側という。
【0027】
端末収納具1の収納部3は、背面側に位置するベース部10と、ベース部10を前面側から覆うように該ベース部10に組み付けられるカバー部20と、を組み合わせて形成される。カバー部20は、ベース部10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0028】
ベース部10は、図3に示すように、背面側に位置しかつ平板状をなす背壁部11と、背壁部11の右側端部と平行に延びかつ所定方向に広がるベース側右側壁部12と、背壁部11における底面側の端部付近に形成されたベース側底壁部13と、を有する。
【0029】
背壁部11の上面側の端部は、左右方向に真っ直ぐに延びている。図5に示すように、背壁部11の上面側の端部は、背面側の部分については所定方向に真っ直ぐに延びている一方で、前面側の部分については、上面側に向かって背面側に傾斜して延びる上側傾斜面11aとなっている。背壁部11の所定方向の長さは、収納部3にカメラ付き携帯端末が収納されたときに、カメラのレンズを背壁部11で覆うことがない程度の長さに設定されている。
【0030】
背壁部11の左側端部は、所定方向に真っ直ぐに延びている。図6に示すように、背壁部11の左側端部には、左側に向かって背面側に傾斜した左側傾斜面11bが設けられている。
【0031】
図2及び図5に示すように、背壁部11の前面側の部分には、後述するバネ部材30を配置するための凹部16が設けられている。凹部16には、ネジを挿通させるための複数の(ここでは4つの)ネジ挿通孔17が形成されている。また、凹部16には、バネ部材30の一部と係合するバネ用係合孔18が設けられている。
【0032】
ベース側右側壁部12は、右側面に、右側に向かって突出する2つの右側係合爪14が設けられている。右側係合爪14は、カバー部20の後述する右側係合孔25とそれぞれ係合する。ベース側右側壁部12は、上面側の部分に、ベース部10にカバー部20を取り付ける際のガイドとなるガイド部15が設けられている。
【0033】
ベース側右側壁部12と背壁部11との間には、所定方向における右側係合爪14と対応する位置に、ベース部10にカバー部20を取り付ける際のガイドとなるガイド溝12aがそれぞれ設けられている。ガイド溝12aは、カバー部20の後述する突出部26がそれぞれ挿入される溝である。
【0034】
ベース側底壁部13は、ベース側右側壁部12の底面側の端部から背壁部11の底面側の端部に沿って延びている。ベース側底壁部13には、複数の第1貫通孔13aが形成されている。第1貫通孔13aは、ベース側底壁部13の右側端部及び左右方向の中央付近にそれぞれ形成されている。これらの第1貫通孔13aは、収納部3内にほこりが溜まることを抑制するためのほこり取り用の孔部である。
【0035】
ベース側底壁部13には、複数(ここでは2つ)の底面側係合部13bが設けられている。底面側係合部13bは、カバー部20の後述する突出部27と係合する。
【0036】
図3に示すように、背壁部11及びベース側底壁部13には、第1補強部材51が取り付けられる。第1補強部材51は、背壁部11に沿う第1部51aと、ベース側底壁部13に沿う第2部51bとを有する。第1部51aは、背壁部11のネジ挿通孔17に対応する位置に、ネジを挿通させるための複数(ここでは4つ)の孔が設けられている。端末収納具1が支柱101に取り付けられた状態では、第1部51aは、背壁部11と支柱101との間に挟まれた状態となる。第2部51bは、第1貫通孔13aに対応する位置に孔を有する。第2部51bは、端末収納具1が組み立てられた状態で、ベース側底壁部13とカバー側底壁部24との間に挟まれた状態となる。第1補強部材51は、例えば鉄板で構成されている。
【0037】
カバー部20は、背壁部11と面方向に対向して広がる前壁部21と、ベース側右側壁部12を右側から覆うように形成されたカバー側右側壁部22と、背壁部11の左側端部と平行に所定方向に延びる左側壁部23と、ベース側底壁部13を底面側から覆うように形成されたカバー側底壁部24と、を有する。
【0038】
図2図4に示すように、前壁部21は、左右方向の中央が面方向に開放されている。前壁部21は、左右に分離された左側前壁部21a及び右側前壁部21b、並びに、左側前壁部21aと右側前壁部21bとを連結する連結部21cを有する。左側前壁部21aは、前面側から見て、底面側に向かって段階的に右側に突出する階段状をなしている。右側前壁部21bは、前面側から見て、底面側に向かって段階的に左側に突出する階段状をなしている。これにより、左側及び右側前壁部21a,21bは、上面側の部分よりも底部側の部分の方が左右方向の幅が大きくなっている。連結部21cは、左側前壁部21aの右側かつ底面側の端部と右側前壁部21bの左側かつ底面側の端部とを連結する。これにより、左側前壁部21aと右側前壁部21bとの間の位置は出来る限り所定方向に開放された状態となる。このため、携帯端末Tにホームボタンが設けられている場合には、収納部3に携帯端末Tを収納した状態で該ホームボタンの操作が可能になる。
【0039】
カバー側右側壁部22は、右側係合爪14に対応する位置に右側係合孔25がそれぞれ設けられている。また、図2及び図3に示すように、カバー側右側壁部22は、所定方向における右側係合孔25位置に、背面側に向かって突出する2つの突出部26をそれぞれ有する。各突出部26は、カバー部20をベース部10に取り付ける際に、ベース部10のガイド溝12aに挿入される。
【0040】
左側壁部23は、図6に示すように、第1左側壁部23aと第2左側壁部23bとに分岐している。第1左側壁部23aは、左側前壁部21aと直交するように面方向及び所定方向に広がっている。第1左側壁部23aの背面側の端部は、背壁部11とは離間している。第2左側壁部23bは、所定方向に広がるとともに、第1左側壁部23aの前面側の端部から、左側かつ背面側に向かって斜めに延びた後、背面側に向かって真っ直ぐに延びている。第2左側壁部23bの背面側の端部は、背壁部11とは離間している。つまり、左側壁部23と背壁部11との間には、所定方向の全体にわたって、隙間Sが形成されている。
【0041】
第1左側壁部23aと第2左側壁部23bとの間の隙間には、カバー部20よりも剛性の高い材質の第2補強部材52が挿入されている。図8に示すように、第2補強部材52は、底面側の端部で、ベース側底壁部13に沿って延びている。第2補強部材52の底面側の端部は、第2補強部材52をベース側底壁部13に固定されている。第2補強部材52は、例えば、鉄板で構成されている。
【0042】
カバー側底壁部24は、背面側に向かって突出する2つの突出部27を有する。これらの突出部27は、カバー部20をベース部10に取り付ける際に、ベース側底壁部13に設けられた底面側係合部13bにそれぞれ挿入される。カバー側底壁部24は、第1貫通孔13aに対応する位置に、第2貫通孔24aを有する。これにより、収納部3は、第1貫通孔13a及び第2貫通孔24aを介して外部と連通した状態となる。これらの第2貫通孔24aは、収納部3内にほこりが溜まることを抑制するためのほこり取り用の孔部である。
【0043】
収納部3は、前述した、背壁部11、ベース側右側壁部12、カバー側右側壁部22、左側壁部23、ベース側底壁部13、カバー側底壁部24、及び前壁部21により形成されている。
【0044】
図1図8にそれぞれ示すように、収納部3内には、収納部3に携帯端末Tが収納された状態で、該携帯端末Tを前壁部21に向かって付勢するバネ部材30が設けられている。バネ部材30は板バネで構成されている。バネ部材30は、携帯端末Tの外装よりも剛性の低い素材で構成されており、例えば、樹脂材で構成されている。
【0045】
バネ部材30は、背壁部11に固定される固定部31と、携帯端末Tに付勢力を付与する付勢部32と、携帯端末Tに当接する当接部33と、を有する。
【0046】
固定部31は、図5に示すように、背壁部11の凹部16に収容される。固定部31が凹部16に収容された状態で、固定部31の前面側の面と背壁部11の前面側の面とは面一になっている。固定部31は、背壁部11における上面側の2つのネジ挿通孔17に対応する部分にネジ挿通孔31aをそれぞれ有する。各ネジ挿通孔31aも、ネジ挿通孔17と同様にネジが挿通する孔である。つまり、固定部31は背壁部11と共締めされるようになっている。
【0047】
固定部31は、背面側に向かって折り曲げられかつ背壁部11のバネ用係合孔18に挿通する折曲部31bを有する。折曲部31bがバネ用係合孔18に係合することで、折曲部31bがバネ用係合孔18に引っ掛かるようになり、固定部31の位置が定まるようになる。つまり、折曲部31bとバネ用係合孔18とは、固定部31の位置決めを容易にしている。
【0048】
付勢部32は、図5に示すように、固定部31が背壁部11に固定された状態で、固定部31の底面側の端部から前面側に向かって傾斜して延びている。付勢部32と前壁部21との隙間の最小値、すなわち、付勢部32の底面側かつ前面側の端部と前壁部21との隙間の大きさは、一般的な携帯端末Tの厚みよりも薄くなるように設計されている。付勢部32には、前面側から見て、背壁部11のネジ挿通孔17と重複する位置に工具挿入孔32aが設けられている。この工具挿入孔32aは、固定部31に設けられたネジ挿通孔31aよりも僅かに大きい。工具挿入孔32aは、端末収納具1を支柱101に取り付ける際に工具を通りやすくするための孔である。また、この工具挿入孔32aが設けられていることにより、付勢部32が撓みやすくなる。
【0049】
当接部33は、図5に示すように、付勢部32の底面側の端部、つまり、付勢部32の固定部31とは反対側の端部から底面側に向かって延びている。当接部33は、無負荷状態において、背壁部11と平行になるように延びている。当接部33が設けられていることにより、収納部3に携帯端末Tが収納されたときに、バネ部材30のエッジが携帯端末Tに接触するのを抑制することができる。これにより、携帯端末Tが傷つくのを抑制することができる。
【0050】
図9図11は、端末収納具1の使用例を示す。図9及び図10に示す例では、携帯端末Tは、ケースに収納されることなく、収納部3に収納されている。携帯端末Tが収納部3に収納されたときには、付勢部32は、携帯端末Tの自重により背面側に向かって押されて撓む。付勢部32は、この携帯端末Tからの押力に抗して、携帯端末Tに前面側に向かう付勢力を生じさせる。付勢部32は、この付勢力により、収納部3に収納された携帯端末Tを前壁部21に向かって付勢する。携帯端末Tが前壁部21に向かって付勢されたときには、携帯端末Tの底面側の角部が左側前壁部21a及び右側前壁部21bにそれぞれ押し付けられる。これにより、携帯端末Tを保持することができる。
【0051】
図11は、携帯端末Tは、所謂手帳型端末ケース200に収納された状態である。本実施形態1の端末収納具1では、図11に示すように、携帯端末Tを手帳型端末ケース200に収納しかつ該手帳型端末ケース200を開いたまま端末収納具1に収納することができる。すなわち、端末収納具1は、左側壁部23と背壁部11との間に隙間Sが形成されているため、手帳型端末ケース200における携帯端末Tが収納された部分(以下、端末部201という)を収納部3に収納させる一方、手帳型端末ケース200のカバー部分(以下、端末カバー部202という)を隙間Sから端末収納具1の外に位置させることができる。これにより、ユーザーは、端末収納具1に携帯端末Tを収納させる際に、携帯端末Tを端末部201から取り外すという手間を省略することができる。
【0052】
また、背壁部11の左側端部は左側傾斜面11bとなっているため、隙間Sを出来る限り大きくすることができる。これにより、手帳型端末ケース200ごと携帯端末Tを収納させやすくなっている。
【0053】
したがって、本実施形態1に係る端末収納具1は、携帯端末Tの背面側に位置する背壁部11と、背壁部11の左側端部と平行に延びる左側壁部23と、背壁部11の右側端部と平行に延びるベース側及びカバー側右側壁部12,22と、左側壁部23とベース側及びカバー側右側壁部12,22との間に設けられたベース側及びカバー側底壁部13,24と、背壁部11と対向するように設けられた前壁部21と、を備え、背壁部11、左側壁部23、ベース側及びカバー側右側壁部12,22、ベース側及びカバー側底壁部13,24、並びに前壁部21により、収納部3が形成され、背壁部11には、収納部3に携帯端末Tが収納された状態で、該携帯端末Tを前壁部21に向かって付勢するバネ部材30が設けられている。これにより、携帯端末Tが収納されたときには、携帯端末Tはバネ部材30の付勢力により前壁部21に押し付けられる。これにより、バネ部材30と前壁部21とにより、携帯端末Tを挟持して、該携帯端末Tを保持することができる。また、端末収納具1が左右に広がるようなことがないため、端末収納具1を出来る限りコンパクトな構成にすることができる。
【0054】
特に、本実施形態1では、バネ部材30は板バネである。これにより、端末収納具1の構成を簡単にすることができる。また、携帯端末Tを出来る限り広い範囲で、前壁部21に向かって付勢することができるため、携帯端末Tをより適切に保持することができる。
【0055】
また、本実施形態1において、バネ部材30は、背壁部11に固定された固定部31と、固定部31の底面側の端部から底面側に向かって前面側に延びかつ携帯端末Tに付勢力を付与する付勢部32と、付勢部32の固定部31とは反対側の端部に設けられ、携帯端末Tに当接する当接部33と、を有し、当接部33は、無負荷状態において、背壁部11と略平行になっている。この構成によると、バネ部材30のエッジが携帯端末Tに接触するのを抑制することができる。これにより、携帯端末Tを傷つけることなく適切に保持することができる。
【0056】
また、本実施形態1において、付勢部32は、工具挿入孔32aを有する。この工具挿入孔32aが設けられていることにより、付勢部32の剛性を工具挿入孔32aの大きさによりある程度調整することができる。この結果、付勢部32の剛性を、携帯端末Tを傷つけずかつ適切な付勢力を携帯端末Tに付与することができる剛性にすることができる。これにより、携帯端末Tを傷つけることなくより適切に保持することができる。
【0057】
また、本実施形態1において、左側壁部23は、その全体が、背壁部11と隙間Sを空けて設けられている。これにより、携帯端末Tを手帳型端末ケース200に収納している場合であっても、携帯端末Tを手帳型端末ケース200に取り付けたままの状態でかつ手帳型端末ケース200を開いた状態で、携帯端末Tを収納することができる。
【0058】
(実施形態2)
以下、実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において前記実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0059】
本実施形態2では、前記実施形態1と比較して、前壁部221の構成及びバネ部材230の構成が異なる。図12に示すように、本実施形態2では、前壁部221が前記実施形態1と比較して、面方向により大きく開放されている。具体的には、本実施形態2では、前記実施形態1と比較して、左側前壁部221a及び右側前壁部221bの両方について、その左右方向の幅が小さくされて、左側前壁部221aと右側前壁部221bとの間の距離がより大きくなっている。また、連結部221cの所定方向の幅が小さくされている。これにより、ホームボタンを有しておらず、前面の略全体が操作画面となっている携帯端末Tであっても、容易に操作が可能となる。
【0060】
本実施形態2においても、左側壁部23と背壁部11との間には、隙間Sが形成されている。
【0061】
一方で、左側前壁部221a及び右側前壁部221bの両方について、その左右方向の幅が小さくされたことで、横幅の小さい携帯端末Tに対しては、収納具1の保持力が低下してしまうおそれがある。そこで、本実施形態2では、図12及び図13に示すように、バネ部材230の付勢部232の底面側の端部(以下、底側端部232aという)を、その右側端部が、左側端部よりも前面側かつ底面側に位置するように構成した。より具体的には、付勢部232の底側端部232aを、その左側端部から右側端部に向かって、前面側かつ底面側に斜めに傾斜して延びるように構成した。
【0062】
このように構成することで、携帯端末Tを収納具201に収納したときには、バネ部材230が携帯端末Tに片当たりするようになり、バネ部材230から携帯端末Tに付与される付勢力に左右差が生じる。特に本実施形態2では、底側端部232aの右側が携帯端末Tに当接しやすくなって、右側の付勢力の方が左側と比較して大きくなる。また、底側端部232aの左側部分と携帯端末Tとの間には僅かに隙間が形成されるようになる。これにより、収納具201に収納された携帯端末Tが、左側に寄りやすくなる。携帯端末Tが左側に寄ることで、携帯端末Tを左側前壁部221aと左側壁部23とで、適切に保持することができる。したがって、前壁部221を所定方向により大きく開放したとしても、携帯端末Tを適切に保持することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0064】
例えば、前述の実施形態で1及び2は、横方向に延びる軸状部材Pにスタンド装置100を取り付ける場合について説明した。これに限らず、スタンド装置100を上下方向に延びる軸状部材に取り付けるように構成してもよい。この場合、支柱101とクランパ102との配置を変更する。
【0065】
また、前述の実施形態1では、バネ部材30は板バネで構成されていた。これに限らず、捻りコイルバネや圧縮コイルバネを用いて構成してもよい。この場合、例えば、背壁部11と該背壁部11の前面側に配置した板材との間に、捻りコイルバネや圧縮コイルバネを配置して、バネ力で前記板材を前面側に付勢するような構成とすればよい。
【0066】
また、前述の実施形態1及び2では、右側壁部及び底壁部が、ベース部10とカバー部20との両方に設けられていた。これに限らず、これらはベース部10及びカバー部20のいずれか一方に設けられていてもよい。
【0067】
また、前述の実施形態2では、付勢部232の底側端部232aは、その左側端部から右側端部に向かって、前面側かつ底面側に斜めに傾斜して延びるように構成していた。これに限らず、底側端部232aをその右側端部から左側端部に向かって、前面側かつ底面側に斜めに傾斜して延びるように構成してもよい。
【0068】
また、底側端部232aを、斜めに傾斜させる構造とせずに、底側端部232aの右側部分又は左側部分の一方を他方よりも前面側に段差状に突出させる構成としてもよい。この構成でも、付勢力に左右差が生じるとともに、底側端部232aの一方の端部と携帯端末Tとの間に隙間が生じるようになるため、携帯端末Tが右側又は左側に寄りやすくなる。
【0069】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
ここに開示された技術は、手押し車に取り付けられかつ携帯端末を収納する収納部を有する携帯端末収納具として有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯端末収納具
3 収納部
11 背壁部
12 ベース側右側壁部
13 ベース側底壁部
21 前壁部
22 カバー側右側壁部
23 左側壁部
24 カバー側底壁部
30 バネ部材(付勢部材)
31 固定部
32 付勢部
33 当接部
41 固定部
221 前壁部
230 バネ部材(付勢部材)
232 付勢部
232a 底側端部(付勢部の底壁部側の端部)
S 隙間
T 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13