IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-波伝播制御強化 図1
  • 特開-波伝播制御強化 図2
  • 特開-波伝播制御強化 図3
  • 特開-波伝播制御強化 図4
  • 特開-波伝播制御強化 図5
  • 特開-波伝播制御強化 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188763
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】波伝播制御強化
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221214BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221214BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B34/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092794
(22)【出願日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】17/342,871
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シガル・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ファディ・マサルワ
(72)【発明者】
【氏名】ガル・バル・ゾーハル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK22
4C160KK30
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療システムを提供すること。
【解決手段】一実施形態では、医療システムは、心臓の室に挿入され、室の組織の電気活動を経時的に捕捉する電極を含む、カテーテルと、ディスプレイと、処理回路であって、室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、捕捉された電気活動に応答して計算することと、解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、開始時間の後の時間に開始する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、処理回路と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波伝播強化のための医療システムであって、
心臓の室に挿入されるように構成されており、前記室の組織の電気活動を経時的に捕捉するように構成されている電極を含む、カテーテルと、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記捕捉された電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域を前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、処理回路と、を備える、システム。
【請求項2】
前記処理回路が、前記終了時間の前の時間に終了する前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を、前記心臓活性化波の前記伝播が、前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されており、前記視点は、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリング中に静止している、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記解剖学的マップ内からの前記解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップの外側の視点からレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記解剖学的マップの前記サブ領域の選択のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分の前記レンダリングの速度のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記速度の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記心臓活性化波の前記幅の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
波伝播制御強化のための医療方法であって、
心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された前記室の組織の電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記選択することが、前記終了時間の前の時間に終了する前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を、前記心臓活性化波の前記伝播が、前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含み、前記視点は、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリング中に静止している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記解剖学的マップ内からの前記解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップの外側の視点からレンダリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記解剖学的マップの前記サブ領域の選択のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分の前記レンダリングの速度のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記速度の前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に含み、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記心臓活性化波の前記幅の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
プログラム命令が記憶される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された前記室の組織の電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行わせる、ソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療システムに関し、排他的にではないがとりわけ、カテーテルベースのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療処置は、カテーテルなどのプローブを患者の身体内に配置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、ロケーション感知システムが開発されてきた。磁気的なロケーション感知は、当該技術分野において既知の方法のうちの1つである。磁気的なロケーション感知において、磁界発生器は通常、患者の外部の既知の場所に配置される。プローブの遠位端内の磁界センサは、これらの磁界に応答して電気信号を生成し、これらの信号は、プローブの遠位端の座標位置を判定するために処理される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号及び同第2004/0068178号に記載されており、これらの開示は参照により全体が本明細書に組み込まれている。場所はまた、インピーダンス又は電流ベースのシステムを使用して追跡されてもよい。
【0003】
これらのタイプのプローブ又はカテーテルが極めて有用であると証明されている医療処置の1つは、心不整脈の治療におけるものである。心不整脈及び特に心房細動は、特に老年人口では、一般的かつ危険な病状として存続している。
【0004】
心不整脈の診断及び治療には、心組織、特に心内膜及び心容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、不要な電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか又は修正することができる。アブレーションプロセスは、非導電性の損傷部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作るためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングの後にアブレーションを行う2工程の処置において、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを含むカテーテルを心臓内に前進させ、多数のポイントでデータを得ることによって、心臓内の各ポイントにおける電気活動が感知及び測定される。次いで、これらのデータを利用して、このアブレーションを行うべき心内膜の標的領域を選択する。
【0005】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは、心臓内の電気活動を刺激及びマッピングし、異常な電気活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば、大腿動脈に挿入された後、対象の心室内へと導かれる。典型的なアブレーション処置は、その遠位端に1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを心腔内に挿入することを伴う。参照電極は、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって提供され得る。RF(radio frequency、高周波)電流がアブレーションカテーテルの先端電極に印加され、参照電極に向かって先端電極の周囲の媒質、すなわち、血液及び組織に電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触する電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、心臓組織内に非電導性である損傷部が形成される。
【0006】
したがって、アブレーションカテーテル又は他のカテーテルを身体内、特に心内膜組織近くに配置する場合、カテーテルの遠位先端部をその組織と直接接触させることが望ましい。この接触は、例えば、遠位先端部と身体組織との間の接触を測定することによって、確かめることができる。米国特許出願公開第2007/0100332号、同第2009/0093806号、及び同第2009/0138007号には、カテーテル内に埋め込まれた力センサを使用して、カテーテルの遠位先端部と体腔内の組織との間の接触圧力を感知する方法が記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、心臓の室に挿入されるように構成されており、室の組織の電気活動を経時的に捕捉するように構成されている電極を含む、カテーテルと、ディスプレイと、処理回路であって、室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、捕捉された電気活動に応答して計算することと、解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、開始時間の後の時間に開始する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、処理回路と、を含む医療システムが提供される。
【0008】
更に、本開示の一実施形態によれば、処理回路は、終了時間の前の時間に終了する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、心臓活性化波の伝播が、解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択するように構成されている。
【0009】
また更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すように構成されている。
【0010】
加えて、本開示の一実施形態によれば、処理回路は、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されている。
【0011】
更に、本開示の一実施形態によれば、処理回路は、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されており、視点は、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリング中に静止している。
【0012】
更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、解剖学的マップ内からの解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを含み、処理回路が、解剖学的マップのサブ領域をユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0013】
また更に、本開示の一実施形態によれば、処理回路は、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップの外側の視点からレンダリングするように構成されている。
【0014】
加えて、本開示の一実施形態によれば、システムは、解剖学的マップのサブ領域の選択のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを含み、処理回路が、解剖学的マップのサブ領域をユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0015】
更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリングの速度のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを含み、処理回路が、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイに速度のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0016】
更に、本開示の一実施形態によれば、システムは、心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを含み、処理回路が、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイに心臓活性化波の幅のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0017】
本開示の別の実施形態によれば、心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された室の組織の電気活動に応答して計算することと、解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、開始時間の後の時間に開始する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイにレンダリングすることと、を含む、医療方法も提供される。
【0018】
また更に、本開示の一実施形態によれば、選択することは、終了時間の前の時間に終了する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、心臓活性化波の伝播が、解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択することを含む。
【0019】
加えて、本開示の一実施形態によれば、本方法は、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すことを含む。
【0020】
更に、本開示の一実施形態によれば、サブ領域をレンダリングすることは、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含む。
【0021】
更に、本開示の一実施形態によれば、サブ領域をレンダリングすることは、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含み、視点は、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリング中に静止している。
【0022】
また更に、本開示の一実施形態によれば、本方法は、解剖学的マップ内からの解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信することを含み、サブ領域をレンダリングすることが、解剖学的マップのサブ領域をユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む。
【0023】
加えて、本開示の一実施形態によれば、サブ領域をレンダリングすることは、解剖学的マップのサブ領域を解剖学的マップの外側の視点からレンダリングすることを含む。
【0024】
更に、本開示の一実施形態によれば、本方法は、解剖学的マップのサブ領域の選択のユーザ入力を受信することを含み、サブ領域をレンダリングすることが、解剖学的マップのサブ領域をユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む。
【0025】
更に、本開示の一実施形態によれば、本方法は、心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリングの速度のユーザ入力を受信することを含み、サブ領域をレンダリングすることが、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分を速度のユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む。
【0026】
更に、本開示の一実施形態によれば、本方法は、心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを含み、処理回路が、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイに心臓活性化波の幅のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0027】
また、本開示の更に別の実施形態によれば、プログラム命令が記憶される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、命令が、中央処理装置(central processing unit、CPU)によって読み取られると、CPUに、心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された室の組織の電気活動に応答して計算することと、解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、開始時間の後の時間に開始する心臓活性化波の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップのサブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、解剖学的マップのサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分をディスプレイにレンダリングすることと、を行わせる、ソフトウェア製品も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
図1】本発明の例示的な実施形態に従って構築され動作する医療処置システムの概略図である。
図2図1のシステムで使用するためのカテーテルの概略図である。
図3図1のシステムによって生成された解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を示す概略図である。
図4】解剖学的マップのサブ領域上の図3の心臓活性化波の伝播を示す概略図である。
図5図3の解剖学的マップの内側のサブ領域上の心臓活性化波の伝播の時間制限部分のレンダリングを示す概略図である。
図6図1のシステムの操作方法における工程を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
概論
前述のように、マッピングの後にアブレーションを行う2工程の処置において、通常、1つ又は2つ以上の電極を備えるカテーテルを心臓内に前進させ、多数のポイントでデータを得ることによって、心臓内の各ポイントにおける電気的活動が感知され測定される。次いで、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的領域が選択される。
【0030】
マッピングは、心臓の室にわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、局所興奮時間(local activation time、LAT)などの捕捉された電気活動に応答して計算するために使用されてもよい。心臓活性化波の伝播は、色及び/又は記号を使用して、室の解剖学的マップにわたって、典型的には遅い動き(又は任意の好適な選択された速度)でディスプレイにレンダリングされてもよい。次いで、伝播が医師により分析されて、心臓の室の組織をアブレーションするかどうか、またどこをアブレーションするのかを判定する。
【0031】
医師は、解剖学的マップのサブ領域を視認してもよく、例えば、医師は、解剖学的マップの内側から(例えば、マップのサブ領域のみがいずれかの時点で視認され得る仮想カメラの視点から)解剖学的マップのサブ領域にズームするか、又は解剖学的マップのサブ領域を視認したいことがある。解剖学的マップの選択されたサブ領域が波伝播の開始時になく、次いで、医師は心臓の室の解剖学的マップにわたって心臓活性化波の伝播を実行すると仮定すると、いくつかの遅延後まで、すなわち、マップのレンダリングされていない部分にわたって「実行」した後、波が解剖学的マップの選択されレンダリングされたサブ領域に最終的に到達するまで、医師は解剖学的マップの選択されレンダリングされたサブ領域上の伝播を見ないだろう。一般に、所望の波伝播範囲が全波伝播範囲よりも小さいときはいつでも上記の問題が観察され得る。波伝播がループモードで実行される場合、それによって、波伝播が開始から終了まで進み、次いで、最初から繰り返される場合など、医師は、現在視認されているマップの選択されレンダリングされたサブ領域の前及び後の解剖学的マップのレンダリングされていない部分にわたって波伝播が進んでいる間は待機する必要があるため、遅延は更に大きくなることがある。波伝播が選択されたレンダリングされたサブ領域に入ると、波伝播は、別の遅延後の波伝播の次の繰り返しまで急速に消える。解剖学的マップの選択されたサブ領域において視認可能である波の遅延は、波伝播に基づいて心臓の室の組織をアブレーションするかどうか、またどこをアブレーションするかを判定するために、特に医師が波伝播を繰り返し実行する必要があるときに、医師を混乱させ、心臓処置中の価値のある時間を無駄にする可能性がある。
【0032】
本発明の実施形態は、波が現在ディスプレイ上に見えている解剖学的マップの選択されたサブ領域に到達するであろう(波伝播の心臓周期時間による)最も早い時間を自動的に計算することによって、上記の問題を解決する。次いで、ディスプレイへの波伝播のレンダリングは、波伝播の心臓周期における計算された最も早い時間から開始する。したがって、医師が波伝播を実行すると、現在見えている選択されたサブ領域にわたる実質的な遅延なしに、波伝播が自動的にレンダリングされる。
【0033】
同様に、波が現在見えているサブ領域を出るときの(波伝播の心臓周期時間による)最も遅い時間が計算されてもよく、波伝播のレンダリングはそのポイント付近で停止してもよい。したがって、波伝播が医師によって実行されるときに、波伝播は、波伝播がサブ領域を出るまで、現在見えているサブ領域におけるレンダリングを即座に開始してもよく、いかなる有意な遅延なしにサブ領域に繰り返しレンダリングされてもよい。
【0034】
本発明の実施形態は、解剖学的マップのサブ領域が解剖学的マップ内の視点(例えば、仮想カメラ)から、又は解剖学的マップの外側の視点から視認されるかに関わらず有用である。
【0035】
いくつかの実施形態では、医師は、解剖学的マップの一部分をマーキングするか、又はそれを指すことによって、解剖学的マップの外側からサブ領域を選択してもよい。選択されたサブ領域は、次いで、任意選択で拡大されるか、又はそれ以外の方法で強調表示されるか、若しくはマークされ、サブ領域のより良好な視認性及びサブ領域上の波伝播のレンダリングを医師に提供する。
【0036】
いくつかの実施形態では、仮想カメラは、好適なユーザインターフェース(例えば、マウス、ジョイスティック、又は他のポインティングデバイス)を使用して医師によって操作されてもよく、それによって、ディスプレイ上で視認される解剖学的マップのサブ領域が選択される。
【0037】
いくつかの実施形態では、レンダリング速度及び/又は波幅などの波伝播レンダリングのパラメータは、医師が所与の領域における波伝播をよりよく理解することを可能にするように、医師によって選択され得る。例えば、医師が高速波伝播に関連付けられたサブ領域を選択する場合、医師は波伝播を減速させて、サブ領域内の波伝播を注意深く視認してもよい。いくつかの実施形態では、パラメータは、任意の好適なパラメータ、例えば、選択された領域のサイズ、及び/又は全波伝播が元々計算されている領域のサイズと比較して選択された領域のサイズの割合に従って自動的にセットされてもよい。
【0038】
システムの説明
ここで、本発明の例示的な実施形態に従って構築され動作する医療処置システム20の概略図である図1を参照する。図1のシステム20で使用するためのカテーテル40の概略図である図2も参照する。
【0039】
医療処置システム20は、図1の挿入図25に示され、図2により詳細に示されているカテーテル40の位置を判定するために使用される。カテーテル40は、シャフト22と、シャフト22の遠位端に接続されたそれぞれの近位端を有する複数の可撓性アーム54(簡略化のために一部のみに参照番号が付されている)を含む。カテーテル40は、生体の身体部分(例えば、心臓26の室)に挿入されるように構成されている。
【0040】
カテーテル40は、可撓性アーム54の近位端に対して既定の空間関係でシャフト22上に配設された位置センサ53を含む。位置センサ53が、磁気センサ50及び/又は少なくとも1つのシャフト電極52を含んでもよい。磁気センサ50が、回転を含む場所及び向きの位置データを提供するための、例えば二軸コイル配列又は三軸コイル配列などの少なくとも1つのコイルを含んでもよいが、これらに限定されない。カテーテル40は、可撓性アーム54の各々に沿ったそれぞれの場所に配設され、心臓26内のそれぞれの位置で心臓26の室の組織の電気活動を経時的に捕捉するように構成されている複数の電極55(簡略化のために図2において一部のみに参照番号が付されている)を含む。典型的には、カテーテル40は、電極55を使用して生体の心臓26内の電気活動をマッピングするために、又は生体の身体部分内で任意の他の好適な機能を行うために使用されてもよい。
【0041】
医療処置システム20は、カテーテル40のシャフト22の位置及び向きを、磁気センサ50及び/又はシャフト22に取り付けられた磁気センサ50の両側のシャフト電極52(近位電極52a及び遠位電極52b)によって供給される信号に基づいて判定してもよい。近位電極52a、遠位電極52b、磁気センサ50及び少なくともいくつかの電極55は、シャフト22を通って延びるワイヤにより、カテーテルコネクタ35を介してコンソール24内の様々なドライバ回路に接続されている。いくつかの実施形態では、可撓性アーム54の各々の少なくとも2つの電極55、シャフト電極52、及び磁気センサ50は、カテーテルコネクタ35を介してコンソール24内のドライバ回路に接続されている。いくつかの実施形態では、遠位電極52b及び/又は近位電極52aは省略されてもよい。
【0042】
図2に示されている図は、純粋に概念を明確化する目的で選択されている。シャフト電極52及び電極55の他の構成も可能である。位置センサ53に更なる機能が含まれてもよい。明確にするために、灌漑ポートなど、本発明の開示された実施形態に関連しない要素は省略されている。
【0043】
医師30は、カテーテル40の近位端の近傍のマニピュレータ32を使用してシャフト22を操作すること及び/又はシース23からの偏向によって、カテーテル40を患者28の身体部分(例えば心臓26)内の標的位置に誘導する。カテーテル40は、可撓性アーム54が集まった状態で、シース23を通して挿入され、カテーテル40がシース23から後退した後にのみ、可撓性アーム54が広がり、それらの意図された機能的形状を回復することができる。可撓性アーム54をまとめて収容することにより、シース23は、標的位置へ向かう間の血管外傷を最小限に抑える役割も果たす。
【0044】
コンソール24は、処理回路41、典型的には汎用コンピュータと、ケーブル39を通って患者28の胸部及び背部又は任意の他の好適な皮膚表面に延びるワイヤによって取り付けられた身体表面電極49において信号を生成する、及び/又は身体表面電極49から信号を受信する好適なフロントエンド及びインタフェース回路44と、を含む。
【0045】
コンソール24は、磁気感知サブシステムを更に含む。患者28は、少なくとも1つの磁界放射器42を含むパッドによって生成された磁界内に配置され、この磁界放射器42は、コンソール24に配設されたユニット43によって駆動される。磁界放射器42は、身体部分(例えば心臓26)が位置する領域に交番磁界を送信するように構成されている。磁界放射器42によって生成された磁界は、磁気センサ50において方向信号を生成する。磁気センサ50は、放射された交番磁界の少なくとも一部を検出し、対応する電気入力として方向信号を処理回路41に供給するように構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、処理回路41は、シャフト電極52、磁気センサ50及び電極55から受信した位置信号を使用して、心室内などの器官内のカテーテル40の位置を推定する。いくつかの実施形態では、処理回路41は、電極52及び電極55から受信した位置信号を以前に取得した磁気ロケーション較正位置信号と相関させて、心室内のカテーテル40の位置を推定する。シャフト電極52及び電極55の位置座標は、他の入力の中でも特に、電極52、電極55と身体表面電極49との間で測定されるインピーダンス又は電流分布の割合に基づいて、処理回路41によって判定され得る。コンソール24は、心臓26の解剖学的マップ内のカテーテル40の遠位端を示すディスプレイ27を駆動する。
【0047】
電流分布測定値及び/又は外部磁界を使用する位置感知の方法は、様々な医療用途で、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,California)により製造されるCarto(登録商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、同第6,332,089号、同第7,756,576号、同第7,869,865号、及び同第7,848,787号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳述されている。
【0048】
Carto(登録商標)3システムは、有効電流ロケーション(Active Current Location、ACL)のインピーダンスベースの位置追跡方法を適用する。いくつかの実施形態では、処理回路41は、ACL法を使用して、電気インピーダンスの表示と磁界放射器42の磁気座標フレーム内の位置との間のマッピング(例えば、現在位置マトリックス(current-position matrix、CPM))を作成するように構成されている。処理回路41は、CPM内でルックアップを実行することにより、シャフト電極52及び電極55の位置を推定する。
【0049】
処理回路41は、本明細書に記載される機能を実行するために、典型的にはソフトウェアでプログラムされる。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができる、あるいは、代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶することができる。
【0050】
システム20はまた、表示のための解剖学的マップのサブ領域の選択、解剖学的マップのサブ領域を視認する際に使用される仮想カメラの操作、心臓活性化波の波伝播のレンダリング速度、及び/又はレンダリングされている心臓活性化波の幅などのユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース57を含む。ユーザインターフェース57は、キーボード及び/又はタッチスクリーン、フットペダル、及び任意選択で、マウス、スタイラス及び/又はジョイスティックなどのポインティングデバイスを含んでもよい。
【0051】
図1は、簡潔性及び明瞭性のために、本開示の技術に関する要素のみを示す。システム20は、典型的には、開示される技術には直接関連しないために図1から及び対応する説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を含む。
【0052】
上述のカテーテル40は、アーム54ごとに6つの電極55を有する8つの可撓性アーム54を含む。カテーテル40の代わりに、例えば、様々な数の可撓性アーム及び/又はアームごとに複数の電極を有するカテーテルなどの任意の好適なカテーテル、あるいは、例としてではあるが、バルーンカテーテル又はラッソカテーテルなどの様々なプローブ形状を使用してもよい。
【0053】
医療処置システム20はまた、例えば、カテーテル40又はこれとは異なるカテーテルを使用するなど、任意の好適なカテーテル及び任意の好適なアブレーション方法を使用して、心臓組織のアブレーションを行ってもよい。コンソール24は、心臓26の心筋のアブレーションを行うために、コンソール24に接続されたカテーテルの1つ又は複数の電極及び身体表面電極49のうちの1つ又は2つ以上によって印加されるRF電力を生成するように構成されているRF信号発生器34を含んでもよい。コンソール24は、アブレーションを行っているカテーテルの遠位端への灌注チャネルに灌注流体を圧送するポンプ(図示せず)を含んでもよい。アブレーションを実施するカテーテルはまた、アブレーション中に心筋の温度を測定し、測定された温度に従ってアブレーション電力及び/又は灌注流体のポンピングの灌注速度を調節するために使用される温度センサ(図示せず)を含んでもよい。
【0054】
ここで、図1のシステム20によって生成された解剖学的マップ62にわたる心臓活性化波60の伝播を示す概略図である図3を参照する。処理回路41は、心臓26の室の解剖学的マップ62にわたる心臓活性化波60の伝播を、心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、電極55(図2)によって捕捉された電気活動に応答して計算するように構成されている。伝播は、図5を参照してより詳細に説明されるように、時間T0で開始し、終了時間T7まで継続する。図3は、時間T1、T3、及びT5での解剖学的マップ62にわたる心臓活性化波60の進行を示す。心臓活性化波60は、解剖学的マップ62にわたって移動する影付き部分によって表される。
【0055】
解剖学的マップ62は、任意の好適な解剖学的マップ生成方法、例えば、限定されないが、高速解剖学的マッピング(Fast Anatomical Mapping、FAM)を使用して生成されてもよい。FAMは、Cohenらの米国特許第10,918,310号に記載されている。FAMにおいて、平滑シェルが、電極55の計算された電極位置のクラウドなどのデータポイントの3次元(three-dimensional、3D)クラウドにわたって生成される。心臓活性化波60の伝播は、任意の好適な方法、例えば、限定されないが、米国特許号10,136,828号、同第6,226,542号、同第6,301,496号、及び同第6,892,091号に開示された方法のうちの1つ又は2つ以上を使用して計算されてもよい。
【0056】
図3は、解剖学的マップ62上の正方形のサブ領域64を示す。サブ領域64は、医師30によって選択され、図4に示されるように拡大される。図3は、時間T1で、心臓活性化波60がサブ領域64にまだ現れていないことを示す。図3は、時間T3で、心臓活性化波60がサブ領域64に既に現れており、その存在が時間T5まで成長し続けることを示す。
【0057】
ここで、時間T2~T6での解剖学的マップ62のサブ領域64上の図3の心臓活性化波60の伝播を示す概略図である図4を参照する。
【0058】
処理回路41は、心臓26の室の解剖学的マップ62のサブ領域64をディスプレイ27にレンダリングするように構成されている。処理回路41は、周期開始時間T0の後の(本明細書では「調整された開始時間」と呼ばれる)時間に開始する(任意選択で、周期終了時間T7の前の(本明細書では「調整された終了時間」と呼ばれる)時間に終了する)心臓活性化波60の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップ62のサブ領域64内でレンダリングされることが始まるとき(及び任意選択で、心臓活性化波60の伝播が解剖学的マップ62のサブ領域64内でレンダリングされることが完了するとき)に応答して、選択するように構成されている。したがって、処理回路41は、伝播がサブ領域64内でレンダリングされるときに従って、心臓活性化波60の伝播をレンダリングするために、調整された開始時間及び任意選択で調整された終了時間を計算するように構成されている。したがって、時間制限部分は、調整された開始時間及び任意選択で調整された終了時間によって定義される。図4の例では、時間制限部分は、(元の周期開始時間T0と比較して)調整された開始時間T2、及び(元の周期終了時間T7と比較して)調整された終了時間T6を有する。
【0059】
処理回路41は、心臓活性化波60の生成された伝播を、調整された開始時間(例えば、T2)から調整された終了時間(例えば、T6)までレンダリングすることによって、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分をディスプレイ27にレンダリングするように構成されている。心臓活性化波60の伝播の時間制限部分は、ループモードで、調整された開始時間(例えば、T2)から調整された終了時間(例えば、T6)まで繰り返しレンダリングされてもよく、それにより、医師30がサブ領域64にわたる波の伝播を注意深く検査することを可能にする。
【0060】
図3及び図4に示される解剖学的マップ62及びサブ領域64は、典型的には、解剖学的マップ62の外側の視点から視認される。しかしながら、サブ領域64はまた、図5を参照してより詳細に説明されるように、解剖学的マップ62内の視点(例えば、仮想カメラ)から視認されてもよい。
【0061】
ここで、図3の解剖学的マップ62内のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分のレンダリングを示す概略図である図5を参照する。
【0062】
解剖学的マップ62は、仮想カメラ66の視野68がディスプレイ27にレンダリングされるように、解剖学的マップ62内の仮想カメラ66の視点から視認されてもよい。視野68は、2つの点線76によって描かれている。図5は、解剖学的マップ62の断面図72を示し、仮想カメラ66は、その中に位置決めされており、解剖学的マップ62の内部の内壁74が仮想カメラ66から見られる。内壁74の一部分は、仮想カメラ66によって視認される内壁74の部分を示すために網掛けされており、解剖学的マップ62のサブ領域64に対応する。サブ領域64の左右の領域は、仮想カメラ66をそれぞれ左及び右に移動させることによって視認することができる。
【0063】
矢印70は、心臓活性化波60が、時間T0から時間T7まで、解剖学的マップ62の内壁74上をどのように伝播するかを示す。心臓活性化波60は、時間T2でサブ領域64に入り、時間T6でサブ領域64を出ることが分かり得る。したがって、医師30が、サブ領域64が仮想カメラ66から視認されている間に心臓活性化波60の伝播を実行することを選択すると、伝播は、時間T0~T2及びT6~T7の間ではなく、時間T2から時間T6までレンダリングされる。
【0064】
ここで、図1のシステム20の運用方法における工程を含むフローチャート80である図6を参照する。図5も参照のこと。
【0065】
処理回路41は、心臓26の室の解剖学的マップ62を生成し、解剖学的マップ62又はその一部分をディスプレイ27にレンダリングするように構成されている。処理回路41は、心臓26(図1)の室の解剖学的マップ62にわたる心臓活性化波60の伝播を、心臓活性化波60の心臓周期の開始時間から心臓周期の終了時間まで、電極55(図2)によって捕捉された電気活動に応答して計算するように構成されている(ブロック82)。心臓活性化波60の伝播は、任意の好適な方法を使用して計算され得る。いくつかの実施形態では、局所興奮時間(LAT)は、心臓電気活動信号(例えば、心電図(electrocardiogram、ECG)又は心臓内電位図(intracardiac electrogram、IEGM))から識別され、解剖学的マップ62の表面上のそれぞれの位置に関連付けられる。次いで、心臓活性化波60の伝播は、LATのスライドウィンドウを使用してLATに基づいて計算されてもよい。例えば、時間T0において、-200ms~-160msの範囲のLATが解剖学的マップ62にレンダリングされ、時間T1において、-180ms~-140msの範囲のLATが解剖学的マップ62にレンダリングされ、時間T2において、-160ms~-120msの範囲のLATが解剖学的マップ62にレンダリングされる、といった具合である。LATウィンドウは、心臓活性化波、心臓活性化波60の完全な周期が解剖学的マップ62上にレンダリングされるまで移動し続ける。このようにして、心臓活性化波60は、解剖学的マップ62の表面上を移動するように見られる。スライドウィンドウの幅、すなわち、スライドウィンドウ内のLATの範囲は、設定可能であってもよい。色又は陰影を使用して、伝播中のいずれかの時点でレンダリングされているLATを示してもよい。異なる色又は陰影を使用して、異なるLAT値を示してもよい。例えば、-200ms~-160msの範囲のLATを、赤色で解剖学的マップ62上にレンダリングすることができ、-180ms~-140msの範囲のLATを、オレンジ色で解剖学的マップ62上にレンダリングすることができ、-160ms~-120msの範囲のLATを、黄色で解剖学的マップ62上にレンダリングすることができる、といった具合である。
【0066】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース57は、心臓26の室の解剖学的マップ62のサブ領域64の選択のユーザ入力を受信するように構成されている(ブロック84)。サブ領域64は、例えば、ポインティングデバイス又はタッチ感知スクリーンを使用して、例えば、マップ62上の領域又はポイントを選択することによって、解剖学的マップ62の表面から医師30によって選択されてもよい。処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64を、ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている(ブロック86)。いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64を解剖学的マップ62の外側の視点からレンダリングするように構成されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース57は、解剖学的マップ62内からの解剖学的マップ62のレンダリングされたビューを、解剖学的マップ62内からのサブ領域64のビューに変更する仮想カメラ66の操作のユーザ入力を受信するように構成されている(ブロック84)。処理回路41は、解剖学的マップ62内の視点(例えば、仮想カメラ66)からの解剖学的マップ62内のサブ領域64をディスプレイ27に、仮想カメラ66の操作のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている(ブロック86)。
【0068】
処理回路41は、周期開始時間(例えばT0)の後の時間(例えば、調整された開始時間T2)で開始する心臓活性化波60の伝播の時間制限部分を、伝播が解剖学的マップ62のサブ領域64内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択するように構成されている(ブロック88)。いくつかの実施形態では、処理回路41は、周期終了時間(例えばT7)の前の時間(例えば、調整された終了時間T6)で終了する心臓活性化波60の伝播の時間制限部分を、心臓活性化波60の伝播が、解剖学的マップ62のサブ領域64内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択するように構成されている。
【0069】
ユーザインターフェース57は、心臓活性化波60の伝播の時間制限部分のレンダリング速度及び/又は解剖学的マップ62のサブ領域64にわたる心臓活性化波60の幅についてのユーザ入力を受信するように構成されてもよい(ブロック90)。時間制限部分は、リアルタイム速度で(すなわち、心臓活性化波60が心臓26の室上を伝播する速度で)、又はリアルタイム速度より遅いか、若しくは速い速度でレンダリングされ得る。心臓活性化波60の幅は、いずれかの時点で、解剖学的マップ62のサブ領域64にわたる心臓活性化波60の伝播のスライドウィンドウに含まれるLAT値の尺度を提供する。例えば、選択された幅が40ミリ秒である場合、いずれかの時点での解剖学的マップ62上に示されるLAT値の範囲は、40ミリ秒(ms)の幅範囲内であり(例えば、時間T2では-100ms~60ms、又は時間T6では10ms~50msなど)、心臓活性化波60は解剖学的マップ62にわたって伝播するため、LAT値のスライドウィンドウは、絶えずシフトするが、40msの静止幅を有する。
【0070】
処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分をディスプレイ27にレンダリングするように構成されている(ブロック92)。言い換えれば、処理回路41は、調整された開始時間から(調整された終了時間まで)心臓活性化波60の伝播をディスプレイ27にレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64を解剖学的マップ62内の視点(例えば、仮想カメラ66)からレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64を解剖学的マップ62内の視点(例えば、仮想カメラ66)からレンダリングするように構成されており、視点(例えば、仮想カメラ66)は、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分のレンダリング中に静止している。いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64を解剖学的マップ62の外側の視点からレンダリングするように構成されている。
【0071】
いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分を、ディスプレイ27に、ブロック90の工程でのレンダリング速度のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分を、ディスプレイ27に、ブロック90の工程での心臓活性化波60の幅のユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている。
【0072】
処理回路41は、解剖学的マップ62のサブ領域64上の心臓活性化波60の伝播の時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すように構成されてもよい(ブロック94)。
【0073】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0074】
本発明の様々な特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これらはまた、単一の実施形態に組み合わされて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0075】
上述の実施形態は、例として引用されており、本発明は、上記の明細書に具体的に図示及び記載されたものに限定されない。むしろ本発明の範囲は、上記の明細書で説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、従来技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 波伝播強化のための医療システムであって、
心臓の室に挿入されるように構成されており、前記室の組織の電気活動を経時的に捕捉するように構成されている電極を含む、カテーテルと、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記捕捉された電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域を前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されている、処理回路と、を備える、システム。
(2) 前記処理回路が、前記終了時間の前の時間に終了する前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を、前記心臓活性化波の前記伝播が、前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングするように構成されており、前記視点は、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリング中に静止している、実施態様4に記載のシステム。
【0077】
(6) 前記解剖学的マップ内からの前記解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(7) 前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップの外側の視点からレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記解剖学的マップの前記サブ領域の選択のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分の前記レンダリングの速度のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記速度の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に備え、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記心臓活性化波の前記幅の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0078】
(11) 波伝播制御強化のための医療方法であって、
心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された前記室の組織の電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を含む、方法。
(12) 前記選択することが、前記終了時間の前の時間に終了する前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を、前記心臓活性化波の前記伝播が、前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが完了するときに応答して選択することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリングを自動的に繰り返すことを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップ内の視点からレンダリングすることを含み、前記視点は、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分のレンダリング中に静止している、実施態様14に記載の方法。
【0079】
(16) 前記解剖学的マップ内からの前記解剖学的マップのレンダリングされたビューを変更する仮想カメラの操作のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記解剖学的マップの外側の視点からレンダリングすることを含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記解剖学的マップの前記サブ領域の選択のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域を前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分の前記レンダリングの速度のユーザ入力を受信することを更に含み、前記サブ領域を前記レンダリングすることが、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記速度の前記ユーザ入力に応答してレンダリングすることを含む、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記心臓活性化波の幅のユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを更に含み、前記処理回路が、前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイに前記心臓活性化波の前記幅の前記ユーザ入力に応答してレンダリングするように構成されている、実施態様11に記載の方法。
【0080】
(21) プログラム命令が記憶される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
心臓の室の解剖学的マップにわたる心臓活性化波の伝播を、心臓周期の開始時間から前記心臓周期の終了時間まで、前記室内に挿入されたカテーテルの電極によって捕捉された前記室の組織の電気活動に応答して計算することと、
前記解剖学的マップのサブ領域をディスプレイにレンダリングすることと、
前記開始時間の後の時間に開始する前記心臓活性化波の前記伝播の時間制限部分を、前記伝播が前記解剖学的マップの前記サブ領域内でレンダリングされることが始まるときに応答して選択することと、
前記解剖学的マップの前記サブ領域上の前記心臓活性化波の前記伝播の前記時間制限部分を前記ディスプレイにレンダリングすることと、を行わせる、ソフトウェア製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】