IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チョン ジェヒョンの特許一覧

特開2022-188768感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置
<>
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図1
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図2
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図3
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図4
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図5
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図6
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図7
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図8
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図9
  • 特開-感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188768
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 11/08 20060101AFI20221214BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221214BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20221214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221214BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20221214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221214BHJP
【FI】
F21V11/08
F21V23/00 113
F21V9/20
F21S2/00 300
B29C35/02
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093874
(22)【出願日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/343700
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2021-0125474
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522230875
【氏名又は名称】チョン ジェヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
3K014
4F203
【Fターム(参考)】
3K014AA01
4F203AA44
4F203AP20
4F203AQ01
4F203AR20
4F203DC08
4F203DK08
4F203DK13
4F203DM12
(57)【要約】
【課題】発光部の光出力をリアルタイムで制御できるようにした発光装置及びこれを採用した硬化装置が開示されている。
【解決手段】本開示の発光装置は、窓を有する本体と、本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、この生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、本体内に光源に隣接して設けられ、発光部から照射され本体から反射された光を受けて発光部の感度をモニタリングする光検出器と、光検出器で検出された信号に基づいて発光部の感度を調整する感度調整部と、を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を有する本体と、
前記本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、その生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、
前記本体内に前記光源に隣接して設けられ、前記発光部から照射されて前記本体から反射された光を受けて発光部の感度をモニタリングする光検出器と、
前記光検出器で検出された信号に基づいて前記発光部の感度を調整する感度調整部と、を含み、
前記光検出器は、
前記光源の中心から間隔C2だけ離隔された位置に配置され、前記間隔C2は条件式1を満たし、前記本体の外部から入射される外部光Leが前記光検出器に入射されないようになったことを特徴とする発光装置。
【数1】
ここで、C2は、前記光検出器の受光面から延びる平面P上の発光部の中心と光検出器との間隔であり、Dは窓の直径であり、Aは前記平面Pと前記本体の外側面との間隔であり、Bは前記平面Pと前記本体の内側面との間隔である。
【請求項2】
前記窓に設けられ、前記光源から照射された光を所定の倍率で透過させる光学部材をさらに含み、
前記光源から照射された光の一部が、前記光学部材の入射面から前記光検出器に向かうように反射されるようになったことを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
窓を有する本体と、
前記本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、その生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、
前記本体内に前記光源に隣接して設けられ、前記発光部から照射されて前記本体から反射された光を受けて前記発光部の感度をモニタリングする光検出器と、
前記光検出器で検出された信号に基づいて前記発光部の感度を調整する感度調整部と、を含み、
前記発光部と前記光検出器との間隔が任意の間隔Wとなるように固定して配置され、
前記光検出器の受光面から延びる平面Pと前記本体の外側面との間隔Aは条件式2を満たすことを特徴とする発光装置。
【数2】
ここで、Dは窓の直径であり、Bは前記平面Pと前記本体の内側面との間隔である。
【請求項4】
前記窓に設けられ、前記光源から照射された光を所定の倍率で透過させる光学部材をさらに含み、
前記光源から照射された光の一部が、前記光学部材の入射面から前記光検出器に向かうように反射されるようになったことを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
窓を有する本体と、
前記本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、その生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、
前記本体内に前記光源に隣接して設けられ、前記発光部から照射されて前記本体から反射された光を受けて前記発光部の感度をモニタリングする光検出器と、
前記光検出器で検出された信号に基づいて前記発光部の感度を調整する感度調整部と、
前記窓に設けられ、前記光源から照射された光の大部分を所定の倍率で透過させるものであって、屈折率nを有する透明な光学部材と、
前記窓上に同軸上に直径D'だけ開放形成された開口を有し、厚さTを有する不透明な素材からなり、外部光が前記窓を通って前記本体内部に入ることを遮断する遮光部と、を含むことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
前記遮光部の厚さTは条件式3を満たすことを特徴とする、請求項5に記載の発光装置。
【数3】
ここで、Aは前記光検出器の入射平面と前記本体の外側面との間隔、Bは前記光検出器の入射平面と前記本体の内側面との間隔、Dは前記窓の直径である。
【請求項7】
前記光学部材の屈折率nは、1以上1.7以下であることを特徴とする、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光検出器に入射される光の進行経路上に設けられて、所定の波長の光が前記光検出器に向かうように光をフィルタリングするフィルタ部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至7のうち、いずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記光検出器は、
前記光源に隣接して配置され、
前記本体の内側面のうち前記窓の周囲に形成されて、入射光を前記光検出器に反射させる反射面を含むことを特徴とする、請求項1乃至7のうち、いずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記反射面には、反射光の反射角を変更できるように引き込まれるように溝が形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
請求項1乃至7のうち、いずれか一項に記載の発光装置と、
前記本体の外部に設けられたものであって、硬化条件に合わせて前記光源と前記光検出器のそれぞれを制御する制御部と、を含むことを特徴とする硬化装置。
【請求項12】
前記発光装置は、
前記光検出器に入射される光の進行経路上に設けられて、所定の波長の光が前記光検出器に向かうように光をフィルタリングするフィルタ部材をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の硬化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の波長の光を照射する発光装置及びそれを採用した硬化装置に関し、詳細には、発光部の光出力をリアルタイムで制御できるようになった感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光装置は、所定の波長の光を照射する光源を備え、照射される光の波長や光源の種類によって区別することができる。
【0003】
この発光装置は、光源によってランプ型の発光装置と、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、「LED」という)型の発光装置とに区分することができる。
【0004】
ランプ型の発光装置は、光源として水銀ランプ、メタルランプなどの固有波長を噴出するランプを採用する。このランプ型の発光装置は、価格が比較的安価であり、短波長から長波長まで広い帯域の波長を有する光を生成することができる。一方、このランプ型の発光装置は、コンパクトな構成が難しく、ランプの寿命が短く、熱線を排出するので、周辺構造物に熱損傷を与えることができるという欠点がある。
【0005】
LED型の発光装置は、ランプ型の発光装置に比べて高価であり、耐熱性に脆弱であるという欠点がある。一方、このLED型の発光装置はLED光源を使用するので、コンパクトな構成が可能であり、LEDの寿命がランプに比べて飛躍的に長く、単一波長の光を排出するので、熱線がほとんど排出されず、LEDは高出力の光、特に、紫外線光を排出できるという利点がある。したがって、このLED型の発光装置は市場でその影響力を次第に広げている。
【0006】
このLED型の発光装置において、LED光源の安定した光出力を維持することが要求される。一方、LED光源は、発熱などによる温度変化や長時間使用による光源の老化などにより、光出力と中心波長が異なることがある。したがって、このLED型の発光装置は、LEDのリアルタイムフィードバック制御を通じて光出力と中心波長を一定に維持できる技術が要求される。
【0007】
このLED型の発光装置は用途に応じて照明用と滅菌用に区分することができる。照明用として使用するときに照明の機能を失う場合、安全上の問題が発生するおそれがある。
【0008】
滅菌用として使用するときには、LED型の発光装置は紫外線波長の光を照射する。この殺菌用のLED型の発光装置は、人体に有害な紫外線が外部に出光しないように作製される。したがって、発光装置の機能を失った場合、肉眼で確認が不可能であり、これを感知してリアルタイムフィードバックを通じてLEDの異常かどうかを確認できる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の点に鑑みて創設されたものであり、光源の光出力をリアルタイムでモニタリングし、これを基に光源の光出力と中心波長を一定に維持し、光源の異常の有無を確認できる発光装置及びそれを採用した硬化装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による発光装置は、窓を有する本体と、前記本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、その生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、前記本体内に前記光源に隣接して設けられ、前記発光部から照射されて前記本体から反射された光を受けて前記発光部の感度をモニタリングする光検出器と、前記光検出器で検出された信号に基づいて前記発光部の感度を調整する感度調整部と、を含むことができる。
【0011】
ここで、前記光検出器は、前記光源の中心から間隔C2だけ離隔された位置に配置され、前記間隔C2は条件式1を満たし、前記本体の外部から入射される外部光Leが前記光検出器に入射されないようにすることができる。
【0012】
【数1】
【0013】
ここで、C2は、前記光検出器の受光面から延びる平面P上の発光部の中心と光検出器との間隔であり、Dは窓の直径であり、Aは前記平面Pと前記本体の外側面との間隔であり、Bは前記平面Pと前記本体の内側面との間隔である。
【0014】
また、前記発光部と前記光検出器との間隔が任意の間隔Wとなるように固定配置され、前記光検出器の受光面から延びる平面Pと前記本体の外側面との間隔Aが条件式2を満たすようにすることができる。
【0015】
【数2】
【0016】
ここで、Dは窓の直径であり、Bは前記平面Pと前記本体の内側面との間隔である。
また、本発明による発光装置は、前記窓に設けられ、前記光源から照射された光を所定の倍率で透過させる光学部材をさらに含み、前記光源から照射された光の一部が、前記光学部材の入射面から反射されることができる。
【0017】
さらに、本発明による発光装置は、窓を有する本体と、前記本体内に設けられ、所定の波長の光を生成し、その生成された光を窓を通じて本体の外部に照射する光源を有する発光部と、前記本体内に前記光源に隣接して設けられ、前記発光部から照射されて前記本体から反射された光を受けて前記発光部の感度をモニタリングする光検出器と、前記光検出器で検出された信号に基づいて前記発光部の感度を調整する感度調整部と、前記窓に設けられ、前記光源から照射された光を所定の倍率で透過させるものであって、屈折率nを有する透明な光学部材と、前記窓上に同軸上に直径D'だけ開放形成された開口を有し、厚さTを有する不透明な素材からなり、外部光が前記窓を通って前記本体内部に入ることを遮断する遮光部と、を含むことができる。
【0018】
前記遮光部の厚さTは条件式3を満たすことができる。
【0019】
【数3】
【0020】
ここで、Aは前記光検出器の入射平面と前記本体の外側面との間隔、Bは前記光検出器の入射平面と前記本体の内側面との間隔、Dは前記窓の直径である。
【0021】
前記光学部材の屈折率nは1以上1.7以下であり得る。
【0022】
また、本発明に係る発光装置は、前記光検出器に入射される光の進行経路上に設けられて、所定の波長の光が前記光検出器に向かうように光をフィルタリングするフィルタ部材をさらに含むことができる。
【0023】
また、本発明に係る発光装置は、前記窓の周囲の内側面に形成されて、入射光を前記光検出器に反射させる反射面をさらに含み、前記反射面には反射光の反射角を変更できるように引き込まれるように溝が形成されることができる。
【0024】
さらに、前記目的を達成するために、本発明による硬化装置は、前記発光装置と、前記本体の外部に設けられるものであって、硬化条件に合わせて前記発光部と前記光検出器のそれぞれを制御する制御部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による発光装置は、所定の波長の光を照射する光源の光出力を光検出器を通じてリアルタイムでモニタリングし、感度調整部を通じて制御することができる。したがって、本発明による発光装置は、温度、光源の長時間使用による老化など、環境変化時にも光源の光出力が一定範囲内に維持されるようにすることができる。
【0026】
また、本発明に係る発光装置は、光源、光検出器及び窓の配置を最適化することにより、外部光が光検出器に入射することを防止することができる。
【0027】
さらに、本発明に係る硬化装置は、前記発光装置を採用することにより、照射光源の光出力を精密に制御するとともに、異常か否かを確認することができる。したがって、装置の光出力条件に合致する強度の照明光を照射することができ、照明光の異常による装置の安全及び機能異常をリアルタイムで確認できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の第1実施形態による発光装置を示した概略図である。
図2図2は、図1の構成において、透明部材がない状態で外部光が本体の窓を通じて光検出器に入射される例を示した図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態による発光装置の一変形例を示した概略図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態による発光装置の他の変形例を示した概略図である。
図5図5は、図4のV部分を拡大した図である。
図6図6は、図2の窓に屈折率nを有する光学部材を設けた場合の外部光の光線経路を示した図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態による発光装置を示した概略図である。
図8図8は、屈折率nを1.0から1.8まで0.1ずつ増加させながらT値と入射光量(normalization)との関係を示したグラフである。
図9図9は、屈折率nが1.7であるときにT/D値と入射光量との関係を示したグラフである。
図10図10は、本発明の実施形態による発光装置を採用した硬化装置を示した概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態による感度調整が可能な発光装置及びこれを採用した硬化装置を詳細に説明する。図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体を通して同一または類似の構成要素には同一の参照符号を使用する。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態による発光装置を示した概略図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による発光装置は、本体201と、この本体201内に配置される発光部210と、光検出器221と、感度調整部240と、を含むことができる。
【0032】
前記本体201はハウジングを意味するものであり、用途に応じて様々な形状に変形して形成されることができる。例えば、前記本体201は、直径10mm内外の円筒状に構成することができる。また、本体201は、内部に複数の発光部210を含むように口径が拡張された形状を有することも可能である。この本体201は、前記発光部210から照射された光が出射される窓201aを含む。この窓201aには、後述する光学部材215を設けることができる。
【0033】
前記発光部210は前記本体201内に設けられ、所定の波長の光を生成及び照射する。このために、前記発光部210は、光を生成及び照射する光源211と、光学部材215と、を含むことができる。
【0034】
前記光源211は半導体LEDで構成されることができる。例えば、前記光源211は、基板上にLEDチップを搭載したタイプであるチップオンボード(Chip on Board:COB)または表面実装型のLED(Surface Mount Device:SMD)などで構成されることができる。この光源11から照射される光の波長は、用途に応じて多様に設定されることができる。
【0035】
さらに、前記光源211は紫外線波長の光を照射することができる。紫外線(Ultraviolet、以下、「UV」という)は、波長範囲10~400nm(エネルギー範囲3eV~124eV)の光であって、波長が可視光よりも短く、X線よりも長い電磁波の総称である。このUVは、光子エネルギーが大きくて物質に吸収されると分子結合を壊す化学的性質があるので、特有の殺菌反応及び光化学反応を有している。これにより、UVを照射するUV発光装置は産業、医療、美容など多くの技術分野で活用されている。例えば、UV発光装置は、UVの光化学反応を利用して液体状態の塗料、インク、接着剤などを硬く固める装置であるUV硬化装置に適用されることができる。
【0036】
前記光学部材215は前記窓201aに設けられ、光を本体201の外部に透過させる透明窓の機能を行う。すなわち、光学部材215は、前記光源211から照射された光のうちのほとんどの光Lmを所定の倍率で透過させる。この光学部材215は、本発明による発光装置の用途に応じて正(+)の屈折力を有するレンズ、負(-)の屈折力を有するレンズなどで構成されることができる。
【0037】
本実施形態では、光学部材として平板型の透明部材を例として示したが、これに限定されるものではなく、照射される光を集束させる凸レンズの構造に変更するなど、様々な変形例が可能である。
【0038】
さらに、本体201は、窓201aの周囲の内側面に反射面205が形成されることができる。反射面205は入射光を全反射させるように全反射コーティングされるか、または本体201をガラス素材で構成し、臨界角より大きい角度で光が入射されるように配置させることにより全反射を可能にする。また、反射面205は入射光を拡散反射させるように形成されることも可能である。これにより、前記発光部210から照射された光のうち一部の光Lrは反射面205に入射され、反射面205から全反射または拡散反射されて光検出器221に向かう。
【0039】
前記光検出器221は前記本体201内に設けられており、前記光源211に隣接して配置される。この光検出器221は、前記光源211から照射され、本体201の反射面205から反射された光を受光することにより、前記光源211の光出力をモニタリングする。この光検出器221は光電変換素子であって、受光された光量に対応する電気信号を感度調整部240に伝送する。
【0040】
感度調整部240は、光検出器221で検出された信号に基づいて前記光源211の感度を調整する。この感度調整部240は、光検出器221で検出された信号に基づいて前記光源211の感度を調整し、発光装置の異常を確認する。すなわち、感度調整部240は、前記光源211の光出力が基準値未満の場合は光源211に印加される電力(電圧または電流)を増加させ、基準値を超える場合は光源211に印加される電力を減少させるように光源211を制御する。また、感度調整部240は、前記光源211の光出力がない場合には異常か否かを確認するように信号を外部に送信する。
【0041】
さらに、本発明による発光装置は、本体201の反射面205と光検出器221との間に配置されるフィルタ部材225をさらに含むことができる。このフィルタ部材225は所定の波長の光を透過させるものであり、光源211で反射された光以外の光をフィルタリングする。このように、フィルタ部材225を含んで光源211から照射された光以外の周辺光が光検出器221に入射されることをフィルタリングすることにより、本発明は、光源211の光出力に対するモニタリング精度を改善できる。
【0042】
上述したように構成することにより、本発明の第1実施形態に係る発光装置は、所定の波長の光を照射する光源211の光出力をリアルタイムでモニタリングするとともに、感度調整部240を通じて制御することができる。したがって、本発明は、温度、光源の長時間使用による老化など、環境変化時にも光源211の光出力が一定範囲内に維持されるようにすることができる。また、光源211の異常発生時に外部に信号を送信することにより、これを確認することができる。
【0043】
一方、上述したように構成する場合、図2に示すように、本体201の外部から入射された光Leが窓201aを通じて本体201の内部に入射されることができる。このとき、光検出器221が本体201の内部に入射された外部光Leの経路上に配置される場合(図2のように、発光部210の中心から光検出器221が間隔Cだけ離隔配置された場合)、ノイズ光を受ける。これにより、光源の故障可否の判断または光源の光出力の制御を困難にすることができる。
【0044】
本実施形態に係る発光装置は、前記問題点を考慮したものであり、外部光Leが光検出器221に入射されないように構成要素の配置を最適化した点にその特徴がある。
【0045】
図3は、本発明の第1実施形態による発光装置の一変形例を示した図である。
【0046】
図3を参照すると、本体201の外部から入射された光Leは、窓201aを通じて本体201の内部に入射されることができる。ここで、光検出器221の受光面から延びる平面P上の外部光Leの入射位置を見ると、外部光Leは発光部210の中心から間隔C1の位置まで入射されることができる。すなわち、外部光Leは窓201aの全域に入射されるものであり、窓201aの範囲に限定されて本体201内に入射される。これにより、外部光Leは発光部210の中心から間隔C1の位置だけ離隔された位置には到達できない。ここで、間隔C1は、窓201aの直径D、前記平面Pと本体201の外側面との間隔A、及び前記平面Pと本体201の内側面との間隔Bに従って決定される。
【0047】
この点に鑑みて、光検出器221は、外部光Leが到達する位置から離れた位置に配置されることができる。すなわち、光検出器221は、発光部210の中心から間隔C2(C2>C1)だけ離隔された位置に配置されることができる。すなわち、間隔C2は以下の条件式1を満たすことができる。
【0048】
【数1】
【0049】
ここで、C2は、平面P上の発光部210の中心と光検出器221との間隔を意味する。
【0050】
このような条件を満たすことにより、外部光Leが光検出器221に入射されることを防止することができる。
【0051】
また、本実施形態では、本体201内に光検出器22を配置する際に、発光部210と光検出器221との間隔が任意の間隔Wとなるように固定配置されることができる。この場合、外部光Leが光検出器221に入射されることを防止するために、前記平面Pと本体201の外側面との間隔Aを下記の条件式2を満たすように設定できる。
【0052】
【数2】
【0053】
図4は第1実施形態に係る発光装置の他の変形例を示した図であり、図5図4のV部分の拡大図である。
【0054】
まず、図2及び図3のように、本体201の反射面205を平板状に形成する場合、光源211から照射され、反射面205から反射された光の損失を減らして光検出器221に反射させることができる。一方、光の進行経路が特定されるので、光検出器221の配置においてC2の位置に限定して設置するしかない。また、反射面に対して拡散反射を適用した場合は、光検出器の位置を任意に調整することができるが、光検出器に到達する光の損失が発生して光の強度が低くなることがある。
【0055】
本変形例に係る発光装置は、上述した点に鑑み、図4に示すように、反射面205'を変形することにより、光検出器221'の配置自由度を向上させた点に特徴がある。すなわち、反射面205'をミラー反射とするが、反射される部分に溝を形成することより、反射光の反射角を変更することができる。図5に示すように、反射面205'を断面形状が「V」形状である溝で形成することにより、光源211から照射された光が図8に示した光検出器221の位置ではないC3の位置に位置づけられた光検出器221'に向かうようにすることができる。ここで、C3の位置は、光源211の中心において光検出器221'の間隔を意味し、C2の位置に比べて短い位置に位置づけられる。
【0056】
本実施形態では、「V」型の溝を例に挙げて説明したが、これに限定されず、光反射経路を変更することができる様々な形状に形成されることができる。
【0057】
図6は、図2に示すように、本体201に形成された窓201aに屈折率nを有する光学部材215が設けられた場合の外部光Leの光線経路を示している。
【0058】
図6を参照すると、外部光Leは、光学部材215がない場合は点線矢印で示したような経路に従って入射されるので、本体201の窓201aの側壁に当たるため、光検出器221に進まない。これにより、光検出器221に外部ノイズ光が入射されない。一方、本体201の内部を保護するために、透明な光学部材215を設けた場合、入射角αの角度で入射された外部光Leは、光学部材215の入射面で屈折されながら出射角βに屈折された後、本体201内に設けられた光検出器221に入射されることができる。
【0059】
図7は、本発明の第2実施形態による発光装置を示した概略図である。図7を参照すると、本発明の第2実施形態に係る発光装置は、本体201と、この本体201内に配置される発光部210と、光検出器221と、遮光部250と、を含むことができる。本体201には、発光部210の光源211から照射された光が出射される窓201aが形成されており、窓201a内には光学部材215が設けられる。遮光部250は、上述したような光学部材215を適用した場合、外部光が光検出器221に進むことを遮断する。この遮光部250は、前記窓201a上に同軸上に直径D'だけ開放された開口が形成されている。この遮光部250は、厚さTを有する不透明な素材で構成され、幾何学的形状及び配置により、図7に示したように、同一経路に入射される外部光Leが窓201aに入ることを遮断する。このように、遮光部250を設けることにより、外部光Leが光検出器221に入ることを遮断することができる。
【0060】
遮光部250の幾何学的形状及び配置によって遮光するために、遮光部250の厚さTは以下の条件式3を満たすことができる。
【0061】
【数3】
【0062】
ここで、Aは光検出器221の入射平面と本体201の外側面との間隔であり、Bは光検出器221の入射平面と本体201の内側面との間隔であり、Dは窓201aの直径であり、nは光学部材215の屈折率である。
【0063】
また、光学部材215は、1以上1.7以下の屈折率nを有する透明素材で構成されることができる。屈折率nは、次のシミュレーション結果を反映して求めたものである。
【0064】
図8は、屈折率nを1.0から1.8まで0.1ずつ増加させながらT値と入射光量(normalization)との関係を示したグラフであり、図9は、屈折率nが1.7であるときにT/D値と入射光量との関係を示したグラフである。
【0065】
図8を参照すると、同じT値の条件で屈折率nの値が増加するほど入射光量が増加することが分かる。一方、発光装置の構造上、厚さTの値は本体の窓の直径Dより小さくなければならない。図9を参照すると、T / Dが1未満の条件を満たす最大屈折率nは1.7である。この点を考慮して、前記光学部材の屈折率nは1以上1.7以下に設定されることができる。
【0066】
図10は、本発明の実施形態による発光装置を採用した硬化装置を示した概略ブロック図である。図10を参照すると、本発明による硬化装置は、上述した発光装置と、制御部50とを含む。発光装置は、本体201と、この本体201内に設けられた発光部210と、光検出器221と、感度調整部240と、を含む。この発光装置は、図1乃至図8を参照して説明した本発明の実施形態による発光装置と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。前記制御部250は本体201の外部に設けられ、硬化条件に合わせて前記発光部210と前記光検出器221のそれぞれを制御する。
【0067】
前記実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能である。したがって、本発明の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想によって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10